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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】演算装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/50 20160101AFI20220729BHJP
   A61B 34/37 20160101ALI20220729BHJP
【FI】
A61B90/50
A61B34/37
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021555361
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(86)【国際出願番号】 JP2020034138
【審査請求日】2021-09-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515075692
【氏名又は名称】リバーフィールド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(74)【代理人】
【識別番号】100203987
【弁理士】
【氏名又は名称】林 哲彦
(72)【発明者】
【氏名】只野 耕太郎
(72)【発明者】
【氏名】金澤 雅夫
(72)【発明者】
【氏名】栢菅 宏規
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真崇
(72)【発明者】
【氏名】西原 輝幸
【審査官】北村 龍平
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-095002(JP,U)
【文献】特開2014-008374(JP,A)
【文献】国際公開第2014/199414(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0298460(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/50
A61B 34/37
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部において手術具を保持可能とされると共に、前記先端部を含まない複数の関節部を有して屈曲が自在とされたアーム部を有する手術支援装置について、前記アーム部により保持された前記手術具の先端が所定位置に位置された状態での前記関節部の角度情報を取得し、前記角度情報と、前記関節部間のリンク部の長さ情報と、前記先端部から前記先端部に隣接する前記関節部までの長さ情報とを用いた幾何学的演算である第一の幾何学的演算、又は、前記先端部が接続された前記関節部である先端関節部のアーム根元側のリンク部に設けられた発光部より該リンク部の外側方向に向けて発せられるガイド光の光軸に対する前記先端関節部の関節軸からの垂線の長さ情報と、前記先端部から前記先端関節部までの長さ情報と、前記ガイド光がガイドする位置に前記手術具の先端が位置された状態での前記先端関節部の角度情報とを用いた幾何学的演算である第二の幾何学的演算の何れかにより前記手術具の長さを求める演算部を備えた
演算装置。
【請求項2】
前記所定位置が空中の位置とされた
請求項1に記載の演算装置。
【請求項3】
記演算部は、
前記第一の幾何学的演算として、三角関数に基づく演算を行
請求項1又は請求項2に記載の演算装置。
【請求項4】
前記演算部は、
前記第二の幾何学的演算として、三角関数に基づく演算を行
請求項に記載の演算装置。
【請求項5】
前記所定位置が、前記手術支援装置におけるドレープで被覆される位置とされた
請求項1に記載の演算装置。
【請求項6】
前記演算部は、
前記手術支援装置に設けられた所定の操作子に対する操作に応じて前記手術具の長さを求める演算を行う
請求項1から請求項の何れかに記載の演算装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術具を保持可能に構成された手術支援装置に係る演算を行う演算装置に関するものであり、特には、手術支援装置が保持する手術具の長さを演算により求めるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、手術支援装置を用いた外科手術が普及しつつある。このような手術支援装置は、内視鏡や鉗子等の手術具を保持するとともに、手術具の位置や姿勢を変えるための複数のアーム部としての可動体を備えている。
下記特許文献1、2、3に各種の手術支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-228922号公報
【文献】特開2003-284726号公報
【文献】特開平6-63003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
手術支援装置において、アーム部は、一又は複数の関節部を有して少なくとも屈曲が自在に構成されており、先端部に保持された手術具の位置・姿勢を変化させることが可能に構成されている。
手術支援装置において、手術具の位置や姿勢を変化させる場合、手術具の先端がどこに位置しているかを特定してアーム部を制御するための制御演算を行うようにされている。この際、手術具の先端位置を特定する上では、手術具の長さが重要なパラメータとなる。特に、手術具としてスコープ(内視鏡)については、手術具の中でも長尺な部類となるため長さのパラメータを把握することが重要となる。
【0005】
ここで、従来の手術支援装置において、スコープとしての手術具については、手術支援装置に専用となる専用品のみを使用可能とすることで、制御演算に用いるスコープの長さを一定の長さに保証するという手法を採るものがある。
しかしながらこの手法では、他社製の最新の手術具を使用することができなくなってしまうという課題がある。
また、手術支援装置を導入する上でのコスト(導入コスト)の増加を招くことに繋がる。すなわち、腹腔鏡手術等を行っている病院等では手術用のスコープを既に所有している場合があり、そのような場合に該スコープを手術支援装置に流用することができなくなる、つまり手術支援装置に専用のスコープを新たに購入する必要があり、導入コストの増加を招くものである。
【0006】
或いは、従来の手術支援装置では、治具を使用してスコープの長さを一定とする手法を採るものもある。具体的には、スコープの先端からアーム部による保持点までの距離を調整するための治具をスコープに装着するものであり、該治具によりスコープの長さ(この場合は保持点から先端までの長さ)を一定の長さに合わせるものである。
しかしながらこの手法では、治具の再使用を許容する場合において、治具の滅菌を行う必要がある。また、治具を使い捨てとする場合は、使用ごとに新たな治具を用意する必要があり、コストアップに繋がってしまう。
【0007】
本発明は上記事情に鑑み為されたものであり、治具の使用を不要としながら使用可能な手術具の自由度の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る演算装置は、先端部において手術具を保持可能とされると共に、前記先端部を含まない複数の関節部を有して屈曲が自在とされたアーム部を有する手術支援装置について、前記アーム部により保持された前記手術具の先端が所定位置に位置された状態での前記関節部の角度情報を取得し、前記角度情報と、前記関節部間のリンク部の長さ情報と、前記先端部から前記先端部に隣接する前記関節部までの長さ情報とを用いた幾何学的演算である第一の幾何学的演算、又は、前記先端部が接続された前記関節部である先端関節部のアーム根元側のリンク部に設けられた発光部より該リンク部の外側方向に向けて発せられるガイド光の光軸に対する前記先端関節部の関節軸からの垂線の長さ情報と、前記先端部から前記先端関節部までの長さ情報と、前記ガイド光がガイドする位置に前記手術具の先端が位置された状態での前記先端関節部の角度情報とを用いた幾何学的演算である第二の幾何学的演算の何れかにより前記手術具の長さを求める演算部を備えたものである。
手術具の先端を所定位置に位置させるとの条件を課した場合、手術具の長さが異なれば、関節部の角度も変化することになる。このため、上記のように手術具の先端を所定位置に位置させるという条件下において、関節部の角度情報を取得することで、幾何学的演算により手術具の長さを適切に求めることが可能となる。
【0009】
上記した本発明に係る演算装置においては、前記所定位置が空中の位置とされた構成とすることが可能である。
これにより、手術具の長さを求めるにあたり手術具の先端を物体に当接させる必要がない。
【0010】
上記した本発明に係る演算装置においては、記演算部は、前記第一の幾何学的演算として、三角関数に基づく演算を行構成とすることが可能である。
これにより、アーム部が関節部を複数有する場合に対応して手術具の長さを三角関数に基づく演算により求めることが可能となる。
【0012】
上記した本発明に係る演算装置においては、前記演算部は、前記第二の幾何学的演算として、三角関数に基づく演算を行構成とすることが可能である。
これにより、先端関節部のアーム根元側のリンク部に設けられた発光部からガイド光を発する手法を採る場合において手術具の長さを適切に求めることが可能となる。
【0013】
上記した本発明に係る演算装置においては、前記所定位置が、前記手術支援装置におけるドレープで被覆される位置とされた構成とすることが可能である。
これにより、手術具の長さを求める際、手術具の先端を滅菌されたドレープ越しに手術支援装置に当接させることが可能となる。
【0014】
上記した本発明に係る演算装置においては、前記演算部は、前記手術支援装置に設けられた所定の操作子に対する操作に応じて前記手術具の長さを求める演算を行う構成とすることが可能である。
上記所定の操作子は、手術具の先端の所定位置への位置合わせが完了したことを装置側に通知するための操作子として機能させることが可能であり、上記構成によれば、該位置合わせの完了に応じて手術具の長さを求める演算を適切に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、手術支援装置について、治具の使用を不要としながら使用可能な手術具の自由度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る演算装置の一実施形態である手術支援装置の概略外観構成を示す斜視図である。
図2】実施形態としての手術支援装置を含む手術支援システムの構成概要を示した図である。
図3】アーム部の概略構成例を説明するための図である。
図4】実施形態としての手術支援装置の概略内部構成例を示したブロック図である。
図5】第一実施形態としての手術支援装置の構成を模式化して示した図である。
図6】第一実施形態における手術具の長さの演算手法についての説明図である。
図7】第一実施形態としての手術具の長さの演算手法を実現するための具体的な処理手順例を示したフローチャートである。
図8】第二実施形態としての手術支援装置の構成を説明するための図である。
図9】第二実施形態としての手術支援装置の概略内部構成例を示したブロック図である。
図10】第二実施形態としての手術支援装置の構成を模式化して示した図である。
図11】第二実施形態における手術具の長さの演算手法についての説明図である。
図12】第二実施形態としての手術具の長さの演算手法を実現するための具体的な処理手順例を示したフローチャートである。
図13】所定位置の設定に係る変形例についての説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、実施形態としての手術支援装置を次の順序で説明する。
<1.第一実施形態>
[1-1.手術支援装置の概要]
[1-2.アーム部の概略構成]
[1-3.手術支援装置の概略内部構成]
[1-4.手術具の長さ演算]
<2.第二実施形態>
<3.変形例>
<4.実施形態のまとめ>
【0018】
<1.第一実施形態>
[1-1.手術支援装置の概要]
実施形態では、手術室の床等に設置されて使用されるタイプの手術支援装置を例に挙げる。但し、手術支援装置については、手術室の床等に設置されて使用されるタイプに限られることはなく、手術室の天井や壁面に取り付けられて使用されるタイプなど、各種の手術支援装置に適用することもできる。
【0019】
図1に、本発明に係る演算装置の一実施形態である手術支援装置1の一例を示す。
図示のように手術支援装置1は、ベース部2と複数のアーム部3とを備えている。
ベース部2は、手術室の床等に載置される部分であり、各アーム部3を支持する部分となる。
【0020】
アーム部3は、それぞれ先端部において手術具4を保持可能とされており、自身の動きにより先端部に保持された手術具の位置や姿勢を変化させることが可能とされている。
図示のように本例の手術支援装置1は3本のアーム部3を備えている。これらアーム部3のうち中央に位置するアーム部3は、手術具4としてスコープ(内視鏡)を保持するアーム部3とされる。他のアーム部3については、例えば鉗子等のスコープ以外の手術具4を保持するアーム部3として用いることができる。
なお、アーム部3の本数は3本に限定されるものではなく、1又は複数であればよい。
【0021】
図2は、手術支援装置1を含む手術支援システムの構成概要を示した図である。
図示のように手術支援システムは、手術支援装置1とマスタ装置20とを備えている。マスタ装置20は、手術支援装置1を操作するための各種操作子を有しており、手術支援装置1の操作装置として機能する。
手術支援装置1とマスタ装置20は有線又は無線により相互にデータ通信を行うことが可能に構成されている。マスタ装置20は、使用者(例えば医師等の術者)からの操作入力情報に基づき、アーム部3の動きを制御するための制御信号を生成して手術支援装置1に送信する。手術支援装置1は該制御信号に基づいてアーム部3の動きを制御する。
これにより、複数の手術具4の位置や姿勢を遠隔制御して外科手術を行うことが可能な手術支援システムが実現される。
【0022】
[1-2.アーム部の概略構成]
図3は、アーム部3の概略構成例を説明するための図である。
図示のようにアーム部3は、第一関節部31、第二関節部32、第三関節部33、回転関節部34、第一リンク部35、第二リンク部36、及び手術具保持部37を備える。
第一関節部31、第二関節部32、第三関節部33は、アーム根元側からアーム先端側にかけてこの順で配置されている。第一リンク部35は、第一関節部31と第二関節部32とを繋ぐ(リンクする)部分、第二リンク部36は第二関節部32と第三関節部33との間を繋ぐ部分である。第三関節部33のアーム先端側には、手術具4を保持可能に構成された手術具保持部37が接続されている。図示のように手術具保持部37は、最もアーム先端側となる部分に手術具4を着脱自在に保持するための保持機構37aを有している。
【0023】
第一関節部31、第二関節部32、第三関節部33は、それぞれアーム部3を屈曲させるための関節部とされ、図示のようにアーム部3を真横から見た際に、奥行き方向に平行な回動軸を有している。
これら第一関節部31、第二関節部32、第三関節部33はそれぞれ対応するリンク部を回動させるためのアクチュエータ(本例ではモータ)を有している。
【0024】
第一関節部31は、図1に示したベース部2によって支持されており、第一リンク部35を回動自在に支持している。第二関節部32は、第一リンク部35により支持され、第二リンク部36を回動自在に支持しており、第三関節部33は第二リンク部36により支持され手術具保持部37を回動自在に支持している。
【0025】
本例において、第二リンク部36は、第二関節部32によって支持される第二リンク手前部36aと、該第二リンク手前部36aよりもアーム先端側に位置する第二リンク先部36bとに分割されている。回転関節部34は、これら第二リンク手前部36aと第二リンク先部36bとの間に位置され、第二リンク手前部36aと第二リンク先部36bとの分割面に直交する方向(つまり紙面奥行き方向に第二リンク部36を切断した際の断面に直交する方向)に平行な回転軸を有し、第二リンク先部36bからアーム先端側となる部分を該回転軸を回転中心として回転自在に支持している。
【0026】
なお、回転関節部34を設けることは必須ではない。
また、本例ではアーム部3を屈曲させるための関節部が第一関節部31、第二関節部32、及び第三関節部33の三つ設けられた場合を例示しているが、該関節部の数は1又は複数であればよい。
【0027】
[1-3.手術支援装置の概略内部構成]
図4は、手術支援装置1の概略内部構成例を示したブロック図である。
図示のように手術支援装置1は、演算部10、第一関節モータ11、第二関節モータ12、第三関節モータ13、第一関節角度センサ14、第二関節角度センサ15、第三関節角度センサ16、関節制御部17、及び操作部18を備える。
【0028】
第一関節モータ11、第二関節モータ12、第三関節モータ13は、それぞれ第一関節部31、第二関節部32、第三関節部33を駆動するためのモータである。
第一関節角度センサ14、第二関節角度センサ15、第三関節角度センサ16は、それぞれ第一関節部31、第二関節部32、第三関節部33の関節角度を検出するセンサとされる。
ここで、関節角度は、関節部が支持するリンク部の回動角度を意味するものである。第一関節角度センサ14、第二関節角度センサ15、第三関節角度センサ16は、それぞれ第一関節モータ11、第二関節モータ12、第三関節モータ13の回転角度を検出するセンサを有しており、検出したモータの回転角度に基づいて第一関節部31、第二関節部32、第三関節部33の関節角度を検出する。
【0029】
関節制御部17は、第一関節モータ11、第二関節モータ12、第三関節モータ13の駆動制御を行うことで、アーム部3の屈曲動作を制御する。すなわち、アーム部3により保持された手術具4の位置や姿勢を制御する。
図示は省略するが、関節制御部17には、図2に示したマスタ装置20が術者等の使用者からの操作入力に基づき生成した制御信号が供給される。関節制御部17は、該制御信号に基づいて第一関節モータ11、第二関節モータ12、第三関節モータ13の駆動制御を行う。
【0030】
演算部10は、例えばCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を有するマイクロコンピュータ等の演算装置として構成されている。
演算部10には、第一関節角度センサ14、第二関節角度センサ15、第三関節角度センサ16が検出する関節角度の情報が入力される。また、演算部10には、操作部18からの操作入力情報が入力される。
操作部18は、手術支援装置1に設けられたボタン、キー、ダイヤル、タッチパネル等の各種操作子(不図示)を包括的に表したものである。操作部18は、使用者による入力操作に応じた操作入力情報を演算部10に出力し、演算部10は、該操作入力情報に応じた処理を実行することで使用者の入力操作に応じた手術支援装置1の動作を実現させる。
【0031】
演算部10は、操作部18からの操作入力情報と、第一関節角度センサ14、第二関節角度センサ15、第三関節角度センサ16の少なくとも何れかにより検出される関節角度の情報とに基づいて、手術具4の長さを求める演算を行う。具体的に、本例における演算部10は、後述するように第一関節角度センサ14が検出する第一関節部31の関節角度の情報と第二関節角度センサ15が検出する第二関節部32の関節角度の情報とに基づいて手術具4の長さを求める演算を行う。
【0032】
なお、本例の手術支援装置1には、実際には回転関節部34を駆動するためのモータ(アクチュエータ)や角度センサも設けられるが、ここでは図示を省略した。また、関節制御部17は、実際にはマスタ装置20からの制御信号に基づいて回転関節部34を駆動するためのモータの駆動制御も行うことになる。
【0033】
[1-4.手術具の長さ演算]
図5及び図6を参照して、手術具4の長さを求めるための第一実施形態としての手法について説明する。ここでは、手術具4はスコープであるものとする。
図5は、手術支援装置1の構成を模式化して示した図であり、具体的には、手術支援装置1における第一関節部31、第二関節部32、第三関節部33、第一リンク部35、及び第二リンク部36と、手術具4との関係を模式化して示している。
【0034】
第一実施形態では、手術具4の長さを求める際には、手術具4の先端を予め定められた所定位置Ptに位置させることを条件とする。本例では、所定位置Ptは、空中における位置として定められている。具体的に、この場合の所定位置Ptは、図示のように第一関節部31の回動軸a31を通る水平な線と、該水平な線に対し第二関節部32の回動軸a32から引いた垂線との交点となる位置に定められている。
ここで、以下、関節部の回動軸については「関節軸」と表記するものとし、第一関節部31の回動軸a31については「関節軸a31」、第二関節部32の回動軸a32については「関節軸a32」と表記する。また、図中に示す、第三関節部33の回動軸a33については「関節軸a33」と表記する。
【0035】
手術具4の長さを求めるにあたっては、先ず使用者に手動でアーム部3を操作させて、手術具4の先端を所定位置Ptに位置させる。そして、演算部10は、このように手術具4の先端が所定位置Ptに位置された状態での関節部の角度情報を取得し、該角度情報を用いた三角関数に基づく演算により手術具4の長さを求める。
【0036】
図6は、第一実施形態における手術具4の長さの演算手法についての説明図であり、第一関節部31の関節軸a31、第二関節部32の関節軸a32、第三関節部33の関節軸a33、及び所定位置Ptを示す点と、それらの点間を結んだ直線とを示している。
図示のように関節軸a31と関節軸a32とを結ぶ直線と、関節軸a31と所定位置Ptとを結ぶ直線とがなす角度を「θ1」とする。また、関節軸a31と関節軸a32とを結ぶ直線と関節軸a32と関節軸a33とを結ぶ直線とで形成される角部の外角を「θ2」とする。
さらに、関節軸a31と関節軸a32とを結ぶ直線の長さを「L1」、関節軸a32と関節軸a33とを結ぶ直線の長さを「L2」とする。ここで、これら長さL1、L2については、それぞれ第一リンク部35の長さ、第二リンク部36の長さとして既知の値である。
また、求めるべき手術具4の長さ、つまり本例では関節軸a33と所定位置Ptとを結ぶ直線の長さを「Ls」とする。
【0037】
上記のように角度θ1、θ2、及び長さL1、L2を定義したとき、手術具4の長さLsは、余弦定理より下記[式1]に基づき求めることができる。

【数1】
【0038】
確認のため述べておくと、角度θ1、θ2は、それぞれ第一関節角度センサ14が検出する第一関節部31の関節角度、第二関節角度センサ15が検出する第二関節部32の関節角度に基づき求めることができるものである。
【0039】
ここで、本例では、前述した操作部18において、使用者が手術具4の長さを求める演算の実行を指示するための例えばボタン等による操作子(以下「演算指示操作子」と表記する)が設けられており、演算部10は、この演算指示操作子による操作入力が行われたことに応じて上記の[式1]に基づく長さLsの演算を行う。
このとき、本例では、手術具4の先端を所定位置Ptに位置させたことに応じて、使用者に演算指示操作子を操作させるように定められている。これにより、手術具4の先端の所定位置Ptへの位置合わせの完了に応じて、長さLsの演算を行うことが保証されるようになり、長さLsの計測精度向上が図られる。
【0040】
図7は、上記により説明した第一実施形態としての手術具4の長さの演算手法を実現するための具体的な処理手順例を示したフローチャートである。
先ず、演算部10はステップS101で、操作待機処理として、上述した演算指示操作子による操作入力を待機する処理を行う。
そして、演算指示操作子による操作入力があった場合、演算部10はステップS102に進んで関節部の角度を取得する処理を行う。具体的に本例では、第一関節角度センサ14が検出する第一関節部31の関節角度と、第二関節角度センサ15が検出する第二関節部32の関節角度を取得する処理を行う。
【0041】
ステップS102に続くステップS103で演算部10は、リンク部の長さを取得する処理として、既知の値である第一リンク部35の長さL1、及び第二リンク部36の長さL2を取得する処理を行う。例えば、これら長さL1、L2の情報は、演算部10が読み出し可能なメモリにおいて記憶され、演算部10はステップS103の処理でこれらメモリに記憶された長さL1、L2の情報を読み出して取得する。
【0042】
ステップS103に続くステップS104で演算部10は、角度と長さとに基づきスコープの長さを計算する。具体的には、ステップS102で取得した第一関節部31の関節角度、第二関節部32の関節角度に基づきそれぞれ角度θ1、角度θ2を求めると共に、これら角度θ1、θ2とステップS103で取得した長さL1、L2とを用いた先の[式1]に基づく演算を行うことで、スコープとしての手術具4の長さLsを求める。
演算部10は、ステップS104の処理を実行したことに応じて図7に示す一連の処理を終える。
【0043】
<2.第二実施形態>
続いて、第二実施形態について説明する。
第二実施形態は、手術具4の先端を所定位置Ptに位置させるためのガイド光Liを用いる例である。
なお以下の説明において、既にこれまでで説明済みとなった部分と同様となる部分については同一符号を付して説明を省略する。
【0044】
図8は、第二実施形態としての手術支援装置1Aの構成を説明するための図であり、図8Aでは、アーム部3における第二リンク部36からアーム先端側となる部分のみを抽出して示している。なお、アーム部3における第二リンク先部36bよりもアーム根元側となる部分の構成、及びアーム部3以外の構成については第一実施形態における手術支援装置1と同様となることから図示による説明は省略する。
【0045】
手術支援装置1との相違点は、第二リンク先部36bにおいて、上述したガイド光Liを発する発光部38が設けられた点である。図示のように発光部38は、第二リンク先部36bの下面側に設けられ、該第二リンク先部36bの外側方向に向けてガイド光Liを発する。図8Bでは、第二リンク先部36bの斜め下方から発光部38を観察した様子を示しているが、図示のように発光部38は孔部38hを有しており、該孔部38hより下方側に向けてガイド光を発するように構成されている。
本例では、発光部38は光源としてレーザ38a(図8では不図示)を有することでガイド光Liとしてレーザ光を発する。
【0046】
図9は、第二実施形態としての手術支援装置1Aの概略内部構成例を示したブロック図である。
第一実施形態における手術支援装置1との相違点は、発光部38におけるレーザ38aが設けられた点と、演算部10に代えて演算部10Aが設けられた点である。
演算部10Aは、後述するように演算部10とは異なる手法により手術具4の長さLsを求める。また、演算部10Aは、レーザ38aの点消灯制御を行うことが可能に構成されている。
【0047】
図10は、手術支援装置1Aの構成を模式化して示した図であり、具体的には、手術支援装置1Aにおける第一関節部31、第二関節部32、第三関節部33、第一リンク部35、及び第二リンク部36と、手術具4との関係を模式化して示している。
【0048】
第二実施形態において、手術具4の長さを求めるにあたっては、先ず、使用者に操作部18における所定の操作子(第一所定操作子とする)を操作させる。この第一所定操作子の操作に応じ、演算部10Aは、発光部38(レーザ38a)によりガイド光Liを発光させる。
そして、使用者は、このようにガイド光Liが発光された状態で、手動でアーム部3を操作(主に手術具保持部37の角度調整操作)して手術具4の先端をガイド光Liがガイドする位置に位置させる。具体的には、レーザ光としてのガイド光Liと重なる位置に手術具4の先端を位置させる。本例では、このように手術具4の先端がガイド光Liと重なった状態での手術具4の先端位置が所定位置Ptとなる。
【0049】
さらに、使用者は、上記のように手術具4の先端をガイド光Liがガイドする所定位置Ptに位置させた状態で、操作部18における所定の操作子(第二所定操作子とする)を操作する。
この第二所定操作子の操作に応じて、演算部10Aは、以下で説明する手法によって手術具4の長さを求める演算を行う。
【0050】
なお、上記した第一所定操作子と第二所定操作子は別の操作子であってもよいし同一の操作子であってもよい。
【0051】
図11は、第二実施形態における手術具4の長さの演算手法についての説明図であり、第三関節部33の関節軸a33と、関節軸a33からガイド光Liの光軸に対して引いた垂線と該光軸との交点である点Plと、関節軸a33から手術具4(本例においてもスコープであるとする)の中心軸に対して引いた垂線と該中心軸との交点である点Pjと、所定位置Pt(本例では手術具4の先端がガイド光Liと重なった状態での該先端の位置)との関係を示している。
ここで、点Pj、すなわち関節軸a33(先端関節部の関節軸)から手術具4の中心軸に対して引いた垂線と該中心軸との交点は、手術具保持部37による手術具4の保持点近傍の点であり、手術具4の根元位置と換言できるものである。
【0052】
図示のように関節軸a33と点Plとを結ぶ直線と、関節軸a33と点Pjとを結ぶ直線とがなす角度を「θ3」とする。また、関節軸a33と点Plとを結ぶ直線の長さを「L3」、関節軸a33と点Pj(根元位置)とを結ぶ直線の長さを「L4」とする。
角度θ3は、第三関節角度センサ16が検出する第三関節部33の関節角度に基づき求めることができる。また、長さL3、L4は、第三関節部33が駆動されても変化しない長さであり、既知の長さである。
【0053】
第二実施形態では、手術具4の長さLsを下記[式2]に示す演算を行うことで求める。
【数2】
【0054】
図12は、上記により説明した第二実施形態としての手術具4の長さの演算手法を実現するための具体的な処理手順例を示したフローチャートである。
図12において、演算部10AはステップS201で、第一操作の待機処理として、上述した第一所定操作子に対する操作を待機する処理を行う。
そして、第一所定操作子に対する操作が行われた場合、演算部10AはステップS202に進んでレーザ点灯処理を行う。すなわち、レーザ38aを点灯させてガイド光Liを発光させる。
【0055】
ステップS202に続くステップS203で演算部10Aは、第二操作の待機処理として、上述した第二所定操作子に対する操作を待機する処理を行い、第二所定操作子に対する操作が行われた場合は、ステップS204に進んでレーザ消灯処理、すなわちレーザ38aを消灯させる処理を行う。
【0056】
ステップS205に続くステップS206で演算部10Aは、関節部の角度を取得する処理を行う。具体的には、第三関節角度センサ16が検出する第三関節部33の関節角度を取得する処理を行う。
【0057】
ステップS205に続くステップS206で演算部10Aは、長さL3、L4の取得処理として、例えばメモリに格納された既知の値である長さL3、及び長さL4の情報を取得する処理を行う。
【0058】
ステップS206に続くステップS207で演算部10Aは、角度と長さとに基づきスコープの長さを計算する。すなわち、ステップS205で取得した第三関節部33の関節角度に基づき角度θ3を求めると共に、この角度θ3とステップS206で取得した長さL3、L4とを用いた先の[式2]による演算を行うことで、スコープとしての手術具4の長さLsを求める。
演算部10Aは、ステップS207の処理を実行したことに応じて図12に示す一連の処理を終える。
【0059】
<3.変形例>
なお、実施形態としては上記により説明した具体例に限定されるものではなく、多様な変形例としての構成を採り得るものである。
例えば、上記では所定位置Ptを空中の位置とする例を挙げたが、所定位置Ptは手術支援装置1における所定の位置に定めることもできる。
例えば、所定位置Ptは、図13に例示するように、アーム部3の根元部分、具体的には第一関節部31における手術具4の先端と対向可能な面上に定めることができる。このとき、所定位置Ptは、アーム部3の屈曲動作により手術具4の先端を当接可能となる位置に定めることは言うまでもない。
【0060】
ここで、手術支援装置1の表面上は特段消毒等が行われるものではなく、医療上ではいわゆる不潔領域として区分される領域となる。このため、上記のように所定位置Ptを手術支援装置1上の何れかの位置に定める、すなわち、長さLsを求める際に手術具4の先端を手術支援装置1に直接的に当接させるということは、手術具4を清潔な状態に保つことができないという意味で望ましくない。
そこで、所定位置Ptを手術支援装置1上の何れかの位置とする場合には、所定位置Ptは、手術支援装置1におけるドレープ(滅菌ドレープ)Dpで被覆される位置に定めることが望ましい(図13参照)。
これにより、手術具4の長さLsを求める際、手術具4の先端を滅菌されたドレープDp越しに手術支援装置1に当接させることが可能となる。
従って、手術具4の長さを求めるにあたり手術具4の先端が不潔な状態となってしまうことの防止が図られ、医療上の安全性を高めることができる。
【0061】
また、これまでの説明では、長さLsを求める際、手術具4の先端が所定位置Ptに位置したか否かの確認を使用者に行わせる前提としたが、手術具4の先端が所定位置Ptに位置したか否かをカメラの撮像画像等に基づき判定する構成とすることもできる。
また、第二実施形態のようにガイド光Liを用いる例では、ガイド光Liの光線が手術具4の先端で遮られたことを検出する等、手術具4の先端がガイド光Liに重なったことで生じる光量の変化を検出することで所定位置Ptに位置したか否かを判定するように構成することもできる。
さらに、これらの例のように手術具4の先端が所定位置Ptに位置したか否かを判定する構成とする場合には、所定位置Ptに位置したと判定したことに応じて長さLsの演算を実行する構成とすることもできる。
【0062】
また、上記では、使用者が手動でアーム部3を動かすことで手術具4の先端を所定位置Ptに位置させる前提としたが、所定位置Ptへの位置合わせを関節制御部17による制御によって自動で行うようにすることも可能である。
【0063】
さらに、上記では、手術具4の長さLsの演算を手術支援装置が行う例としたが、マスタ装置20等の手術支援装置の外部装置が手術支援装置側から取得した関節角度等の情報に基づき長さLsを演算する構成とすることもできる。この場合、マスタ装置20等の外部装置が、本発明に係る演算装置に相当するものとなる。
【0064】
また、上記では、手術具の長さを三角関数に基づく演算を行って求める例を挙げたが、例えば、手術具の先端が所定位置に位置された状態での関節角度とリンク部の長さ等の既知の長さ情報とに基づいて関節軸などの代表点の座標を求め、該代表点の座標を用いた行列計算等によって手術具の長さを求めることも可能である。すなわち、手術具の長さは、少なくとも関節部の角度情報を取得し、該角度情報を用いた幾何学的演算により求めることが可能である。
【0065】
<4.実施形態のまとめ>
以上で説明してきたように、実施形態としての演算装置(手術支援装置1、1A)は、先端部において手術具を保持可能とされると共に、一又は複数の関節部を有して屈曲が自在とされたアーム部を有する手術支援装置について、アーム部により保持された手術具の先端が所定位置(同Pt)に位置された状態での関節部の角度情報を取得し、該角度情報を用いた幾何学的演算により手術具の長さを求める演算部(同10、10A)を備えたものである。
手術具の先端を所定位置に位置させるとの条件を課した場合、手術具の長さが異なれば、関節部の角度も変化することになる。このため、上記のように手術具の先端を所定位置に位置させるという条件下において、関節部の角度情報を取得することで、幾何学的演算により手術具の長さを適切に求めることが可能となる。
手術具の長さを求めることができることにより、長さが既知でない手術具であってもその使用を許容することができ、使用可能な手術具の自由度を向上することができる。また、手術具の長さを一定とするための治具を用いる必要もないため、該治具の滅菌に係る手間や該治具を使用ごとに破棄する場合のコストアップが生じないように図ることができる。
【0066】
また、実施形態としての演算装置においては、所定位置が空中の位置とされている。
これにより、手術具の長さを求めるにあたり手術具の先端を物体に当接させる必要がない。
従って、手術具の先端を清潔な状態に保つことができ、医療上の安全性を高めることができる。
【0067】
さらに、実施形態としての演算装置においては、関節部として、アーム部の根元側から先端側にかけて第一関節部(同31)、第二関節部(同32)、第三関節部(同33)が順に配置され、演算部(同10)は、手術具の先端が所定位置に位置された状態での第一関節部の角度情報(角度θ1)、及び第二関節部の角度情報(角度θ2)を取得し、取得した第一関節部の角度情報及び第二関節部の角度情報と、第一関節部と第二関節部との間のリンク部の長さ(長さL1)と、第二関節部と第三関節部との間のリンク部の長さ(長さL2)とを用いて三角関数に基づく演算を行うことで、手術具の長さを求めている。
これにより、アーム部が関節部を3以上有する場合に対応して手術具の長さを求めることができる。
【0068】
さらにまた、実施形態としての演算装置においては、アーム部は、該アーム部の先端部に位置し手術具を保持可能な手術具保持部(同37)と、手術具保持部が接続された関節部である先端関節部(第三関節部33)とを有すると共に、先端関節部のアーム根元側のリンク部(第二リンク部36)に設けられ該リンク部の外側方向に向けて手術具の先端の位置をガイドするガイド光を発する発光部(同38)を有し、演算部(同10A)は、ガイド光がガイドする位置に手術具の先端が位置された状態での先端関節部の角度情報(角度θ3)を取得し、該角度情報を用いた幾何学的演算を行って手術具の長さを求めている。
手術具の長さを求めるために手術具の先端を何れの位置に位置させるべきかがガイドされるため、使用者が手術具の先端位置を所定位置に合わせ易くなる。
従って、手術具の先端位置の位置合わせ精度の向上が図られ、手術具の長さの計測精度向上を図ることができる。
【0069】
また、実施形態としての演算装置においては、演算部は、取得した先端関節部の角度情報と、先端関節部の関節軸(同a33)からガイド光の光軸への垂線の長さ(長さL3)と、先端関節部の関節軸から手術具の根元位置までの長さ(長さL4)と、を用いた三角関数に基づく演算を行うことで手術具の長さを求めている。
これにより、先端関節部のアーム根元側のリンク部に設けられた発光部からガイド光を発する手法を採る場合において手術具の長さを適切に求めることができる。
【0070】
さらに、実施形態としての演算装置においては、所定位置が、手術支援装置におけるドレープで被覆される位置とされている(図13参照)。
これにより、手術具の長さを求める際、手術具の先端を滅菌されたドレープ越しに手術支援装置に当接させることが可能となる。
従って、手術具の長さを求めるにあたり手術具の先端が不潔な状態となってしまうことの防止が図られ、医療上の安全性を高めることができる。
【0071】
さらにまた、実施形態としての演算装置においては、演算部は、手術支援装置に設けられた所定の操作子に対する操作に応じて手術具の長さを求める演算を行っている。
上記所定の操作子は、手術具の先端の所定位置への位置合わせが完了したことを装置側に通知するための操作子として機能させることが可能であり、上記構成によれば、該位置合わせの完了に応じて手術具の長さを求める演算を適切に行うことが可能となる。
従って、手術具の長さの計測精度向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0072】
1,1A 手術支援装置
2 ベース部
3 アーム部
4 手術具
10,10A 演算部
11 第一関節モータ
12 第二関節モータ
13 第三関節モータ
14 第一関節角度センサ
15 第二関節角度センサ
16 第三関節角度センサ
17 関節制御部
18 操作部
20 マスタ装置
31 第一関節部
32 第二関節部
33 第三関節部
34 回転関節部
35 第一リンク部
36 第二リンク部
36a 第二リンク手前部
36b 第二リンク先部
37 手術具保持部
37a 保持機構
Pt 所定位置
a31,a32,a33 関節軸(回動軸)
Li ガイド光
38 発光部
38h 孔部
38a レーザ
Dp ドレープ
【要約】
手術支援装置について、治具の使用を不要としながら使用可能な手術具の自由度の向上を図る。
本発明に係る演算装置は、先端部において手術具を保持可能とされると共に、一又は複数の関節部を有して屈曲が自在とされたアーム部を有する手術支援装置について、アーム部により保持された手術具の先端が所定位置に位置された状態での関節部の角度情報を取得し、該角度情報を用いた幾何学的演算により手術具の長さを求める演算部を備えている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13