(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】LEDモジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 33/00 20100101AFI20220729BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20220729BHJP
H05K 1/11 20060101ALI20220729BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20220729BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220729BHJP
【FI】
H01L33/00 H
F21V23/00 160
H05K1/11 A
F21Y113:13
F21Y115:10
(21)【出願番号】P 2017215475
(22)【出願日】2017-11-08
【審査請求日】2020-09-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000131430
【氏名又は名称】シチズン電子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097043
【氏名又は名称】浅川 哲
(74)【代理人】
【識別番号】100128071
【氏名又は名称】志村 正樹
(72)【発明者】
【氏名】志村 崇
【審査官】高椋 健司
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-130496(JP,A)
【文献】特開2011-150815(JP,A)
【文献】特開2006-303008(JP,A)
【文献】特開平07-240537(JP,A)
【文献】特開平08-018191(JP,A)
【文献】実開平05-001201(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0010834(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第101776248(CN,A)
【文献】特開2011-181888(JP,A)
【文献】特開2017-098394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
F21V 23/00-99/00
H05B 39/00-39/10
H05K 1/11
H05K 3/40- 3/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLEDが直列接続され
たLED列と、
前記LED列の複数のLED間を接続するとともに両端が電源端子に接続される配線と、
前記LED列の隣り合う2つのLED間に挿入され並列接続される一対のジャンパー抵抗と、を備え、
前記一対のジャンパー抵抗は、それぞれが矩形状に形成され、各長手方向が互いに直交するように
前記配線を跨いで配置されるLEDモジュール。
【請求項2】
前記
複数のLEDは、上面に前記配線が形成された回路基板上に実装され、該回路基板
には金属又はセラミック
が用いられる請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項3】
前記回路基板
の上面には1層構造の
前記配線が形成されてい
る請求項2に記載のLEDモジュール。
【請求項4】
前記LED列は、互いに電気的に接続しない第1LED列と第2LED列と、を備え、
前記一対のジャンパー抵抗は、前記第1LED列の隣り合う2つのLED間に挿入される第1ジャンパー抵抗及び第2ジャンパー抵抗と、前記第2LED列の隣り合う2つのLED間に挿入される第3ジャンパー抵抗及び第4ジャンパー抵抗と、を備え、
前記第1ジャンパー抵抗及び第2ジャンパー抵
抗が、第2LED列を接続する前記配線を跨いで配置され、前記第3ジャンパー抵抗及び第4ジャンパー抵
抗が、第1LED列を接続する前記配線を跨いで配置される請求項1に記載のLEDモジュール。
【請求項5】
前記第1LED列と前記第2LED列は、発光色が異なってい
る請求項4に記載のLEDモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
LEDモジュール
本発明は、複数のLEDを実装した回路基板の配線を抵抗等で跨ぐLEDモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な電子部品を搭載したプリント基板では、2本の配線をショートさせないため、表面実装用の抵抗(以下「ジャンパー抵抗」という)を使用して、一方の配線が他方の配線を跨ぐことがある。同様に、多数のLEDが実装され、放熱性が高く、発光面側だけに配線が設けられているLEDモジュール用の回路基板でも、ジャンパー抵抗で配線を跨ぐことがある(例えば、特許文献1の
図2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
LEDモジュールは、回路基板がLEDの発熱により高温となるため、通常のプリント基板に比べ動作時の条件が厳しくなりやすい。このようななかで、ジャンパー抵抗を備えたLEDモジュールを温度サイクル試験に投入したところ、ジャンパー抵抗の半田接続部にクラックが入り、不点灯となる不具合が発生した。
【0005】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、一部のジャンパー抵抗の半田接続部にクラックが発生しても、不点灯となりにくいLEDモジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明のLEDモジュールは、複数のLEDが直列接続されたLED列と、前記LED列の複数のLED間を接続するとともに両端が電源端子に接続される配線と、前記LED列の隣り合う2つのLED間に挿入され並列接続される一対のジャンパー抵抗と、を備え、前記一対のジャンパー抵抗は、それぞれが矩形状に形成され、各長手方向が互いに直交するように前記配線を跨いで配置されることを特徴とする。
【0007】
本発明のLEDモジュールに含まれる回路基板の上面には、複数のLEDが実装されている。各LEDは、回路基板の上面に形成された配線と接続している。さらに、この回路基板の上面には、第1ジャンパー抵抗と第2ジャンパー抵抗が実装される。第1ジャンパー抵抗と第2ジャンパー抵抗は、並列接続するとともに、1つの配線を跨ぎ、平面視したとき長手方向が直交している。
【0008】
回路基板の縦方向と横方向で熱膨張率が異なる場合、例えば、第1ジャンパー抵抗の長手方向が熱膨張率の小さい方向に対し平行で、第2ジャンパー抵抗の長手方向が熱膨張率の大きい方向と平行であるとすると、温度サイクル試験のように熱膨張と熱収縮が繰り返されると、第2ジャンパー抵抗の方が第1ジャンパー抵抗より半田接続部にクラックが入り易くなる。言い換えると、温度サイクル試験等において、第2ジャンパー抵抗に接続不良が生じても、第1ジャンパー抵抗に接続不良が起こらない状態が生じる。
【0009】
前記回路基板は、金属又はセラミックを用いても良い。
【0010】
前記回路基板は、上面に1層構造の配線が形成されていても良い。
【0011】
前記複数のLEDは、第1LED列と、前記第1LED列とは電気的に接続しない第2LED列とを備えていても良い。
【0012】
前記第1LED列と前記第2LED列は、発光色が異なっていても良い。
【発明の効果】
【0013】
本発明のLEDモジュールは、回路基板の熱膨張率が縦方向と横方向で異なる場合、熱膨張と熱収縮が繰り返された結果、並列接続されるとともに直交配置された2つのジャンパー抵抗のうち一方の接続部だけにクラックが入ったとしても、他方のジャンパー抵抗は高い確率で接続不良を起こさない。したがって、本発明のLEDモジュールは、熱膨張と熱収縮が繰り返されても不点灯となりにくい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態として示すLEDモジュールの平面図である。
【
図2】
図1に示すLEDモジュールに含まれる回路基板の平面図である。
【
図3】
図1に示すLEDモジュールの回路図である。
【
図4】
図1に示すLEDモジュールに含まれるLEDの平面図である。
【
図6】比較例として示すLEDモジュールの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、
図1~6を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において、同一又は相当要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。()には特許請求の範囲に記載した発明特定事項を示す。
【0016】
図1は、本発明の実施形態として示すLEDモジュール10の平面図である。LEDモジュール10に含まれる回路基板11上には、8個のLED12、8個のLED13、ジャンパー抵抗14a(第1ジャンパー抵抗)、14b(第2ジャンパー抵抗)、15a(第
3ジャンパー抵抗)、15b(第
4ジャンパー抵抗)、が実装されている。さらに、回路基板11上には、電極パターンとして、接続電極12a、12b、13a、13b、電源電極16a、16b、17a、17b、配線18が形成されている。
【0017】
図1の詳細な説明の前に、
図2~5により、LEDモジュール10に含まれる回路基板11の電極パターン及び回路、LED12、13について説明する。
【0018】
図2は、
図1に示すLEDモジュール10に含まれる回路基板11の平面図である。回路基板11の周辺部には、正方形の電源電極16a、16b、17a、17bが形成されている。中央部には、LED12、13(
図1参照)のアノードに接続する接続電極12a、13a、及び、LED12、13のカソードに接続する接続電極12b、13bが形成されている。接続電極12a、12bは、長方形で、対をなし、平行に配置されている。同様に、接続電極13a、13bも、それぞれ長方形で、対をなし、平行に配置されている。
【0019】
図3は、LEDモジュール10の回路図である。図中、(a)は、8個のLED12が直列接続したLED列16(第1LED列)を示し、(b)は、8個のLED13が直列接続したLED列17(第2LED列)を示している。
第1LED列16では、初段のLED12のアノードが電源端子16aに接続し、最終段のLED12のカソードが電源端子16bに接続している。途中、7段目のLED12と8段目のLED12の間には、並列接続した
第1ジャンパー抵抗14a、
第2ジャンパー抵抗14bが挿入されている。同様に、
第2LED列17では、初段のLED13のアノードが電源端子17aに接続し、最終段のLED13のカソードが電源端子17bに接続している。途中、4段目のLED13と5段目のLED13の間には、並列接続した
第3ジャンパー抵抗15a、
第4ジャンパー抵抗15bが挿入されている。
【0020】
なお、第1ジャンパー抵抗14a、第2ジャンパー抵抗14bは、両端部に端子を備えた表面実装用抵抗であり、配線として使用するだけなら0Ω(抵抗値が無視できるもの)であっても良い。第1ジャンパー抵抗14a、第2ジャンパー抵抗14bが電流制限に用いられる場合は、一方のジャンパー抵抗(例えば第2ジャンパー抵抗14b)に接続不良が起こっても、LED12が暗くなるだけで不点灯とはならず、故障したことが見た目で分かる。第3ジャンパー抵抗15a、第4ジャンパー抵抗15bについても同様である。
【0021】
図4は、LEDモジュール10に含まれるLED12の平面図である。
図4に示すように、LED12を上面から眺めると、正方形の封止樹脂41と、封止樹脂41を取り囲む枠状の白色反射樹脂42とが観察される。封止樹脂41は、蛍光体を含有するシリコン樹脂であり、白色反射樹脂42は、酸化チタン粒子を含有するシリコン樹脂である。なお、
図4では、参考のため、LED12の裏面に形成されるアノード12c及びカソード12dを破先で描いている。LED13ついては、LED12に対し封止樹脂41に含まれる蛍光体が異なるだけなので、対応する部材等を図中()で示した。
【0022】
図5は、
図4のAA´線に沿って描いたLED12の断面図である。
図5に示すように、LED12は、サブマウント基板44の上面にLEDダイ43が実装され、下面に突起電極からなるアノード12c及びカソード12dが形成されている。封止樹脂41は、サブマウント基板44の上面とLEDダイ43の上部を覆い、白色反射樹脂42は、封止樹脂41の周囲を取り囲んでいる。断面図についても、LED13は、LED12に対し封止樹脂41に含まれる蛍光体が異なるだけなので、対応する部材等を図中()で示した。
【0023】
前述したようにLED12とLED13は、封止樹脂41に含まれる蛍光体のみが異なる。LED12は、LEDダイ43が放射する青色発光の一部を波長変換し、暖色(2000K°~3000K°程度)で発光する。LED13は、LEDダイ43が放射する青色発光の一部を波長変換し、寒色(概ね5000K°以上)で発光する。
【0024】
再び
図2に戻り、回路基板11の上面に形成された電極パターンを説明する。
図3で説明したように、回路基板11上では8個のLED12が直列接続している。これに対応して、
図2でも、初段のLED12のアノード12cが接続する接続電極12aは、配線18を介して電源電極16aに接続し、最終段のLED12のカソード12dが接続する接続電極12bは、配線18を介して電源電極16bに接続していることが示されている。同様に、初段のLED13のアノード13cが接続する接続電極13aは、配線18を介して電源電極17aに接続し、最終段のLED13のカソード13dが接続する接続電極13bは、配線18を介して電源電極17bに接続している。
【0025】
LED12が直列接続する部分(
図3の
第1LED列16を構成する部分)では、原則的に、配線18を介して、一のLED12のカソード12dが接続する接続電極12bが、次段のLED12のアノード12cが接続する接続電極12aに接続する。しかしながら、
図3(a)と対応して、回路基板11上でも、6段目のLED12のカソード12dが接続する接続電極12bは、7番目のLED12のアノード12cが接続する接続電極12aに、
第1ジャンパー抵抗14a、
第2ジャンパー抵抗14bを介して接続する。すなわち、6番目のLED12のカソード12dが接続する接続電極12bと7番目のLED12のアノード12cが接続する接続電極12aとの間には、
第1ジャンパー抵抗14a、
第2ジャンパー抵抗14bを実装するためのランド14c、14d、14e、14fが形成されている。
【0026】
同様に、LED13が直列接続する部分(
図3の
第2LED列17を構成する部分)では、原則的に、配線18を介して、一のLED13のカソード13dが接続する接続電極13bが、次段のLED13のアノード13cが接続する接続電極13aに接続する。しかしながら、
図3(b)と対応して、回路基板11上でも、4段目のLED13のカソード13dが接続する接続電極13bは、5番目のLED13のアノード13cが接続する接続電極13aに、
第3ジャンパー抵抗15a、
第4ジャンパー抵抗15bを介して接続する。すなわち、4番目のLED13のカソード13dが接続する接続電極13bと5番目のLED13のアノード13cが接続する接続電極13aとの間には、
第3ジャンパー抵抗15a、
第4ジャンパー抵抗15bを実装するためのランド15c、15d、15e、15fが形成されている。
【0027】
再び
図1に戻り、LEDモジュール10についてさらに詳しく説明する。LEDモジュール10に含まれる回路基板11は、Alをベースとし、上面に絶縁層を備えている。絶縁層としては、Al表面を酸化させたもの、絶縁部材を印刷したもの、薄い樹脂基板を貼り付けたものなどがある。回路基板11の中央部では、暖色発光するLED12と寒色発光するLED13が市松模様となるよう配置されている。配線18は、回路基板11の上面に一層構造で形成されている。
【0028】
市松模様を形成するようにしながら、LED12及びLED13をそれぞれ直列接続(
図3参照)させようとすると、配線が一層構造であるため、LED12からなる直列回路の配線18と、LED13からなる配線18とが交差してしまう。このため、LEDモジュール10では、回路基板11表面の2か所にジャンパー部品(
第1ジャンパー抵抗14a、
第2ジャンパー抵抗14b、
第3ジャンパー抵抗15a、
第4ジャンパー抵抗15b)を配置し、配線18の交差を回避している。すなわち、
第1ジャンパー抵抗14a、
第2ジャンパー抵抗14bは、LED13からなる直列回路(
図3(b)の
第2LED列17)を構成する配線18を跨ぎ、
第3ジャンパー抵抗15a、
第4ジャンパー抵抗15bは、LED12からなる直列回路(
図3(a)の
第1LED列16)を構成する配線18を跨いでいる。
【0029】
このとき、LED12からなる直列回路を構成する第1ジャンパー抵抗14a、第2ジャンパー抵抗14bは、並列接続するとともに、平面視したとき長手方向が直交している。同様に、LED13からなる直列回路を構成する第3ジャンパー抵抗15a、第4ジャンパー抵抗15bは、並列接続するとともに、平面視したとき長手方向が直交している。
【0030】
例えば、回路基板11の縦方向(
図1では右斜め上に向かう方向)の熱膨張率が横方向(
図1では左斜め上に向かう方向)の熱膨張率より小さいとすると、
第1ジャンパー抵抗14a、
第3ジャンパー抵抗15aの長手方向が熱膨張率の小さい方向に対し平行で、
第2ジャンパー抵抗14b、
第4ジャンパー抵抗15bの長手方向が熱膨張率の大きい方向と平行になる。この結果、LEDモジュール10は、温度サイクル試験に投入されても
第1ジャンパー抵抗14a、
第3ジャンパー抵抗15aと回路基板11とのハンダ接続部にクラックが入りにくくなる。すなわち、温度サイクル試験において、
第2ジャンパー抵抗14b、
第4ジャンパー抵抗15bに接続不良が生じる状況になっても、
第1ジャンパー抵抗14a、
第3ジャンパー抵抗15aは、接続不良が起こりにくい状態を保てる。したがって、LEDモジュール10は、熱膨張と熱収縮が繰り返される過酷な環境下でも、不点灯という致命的な事態に至りにくくなる。
【0031】
比較のため、熱膨張率が大きい方向にのみジャンパー抵抗を備えたLEDモシュール60を
図6に示す。
図6は、比較例として示すLEDモジュール60の平面図である。LEDモジュール60は、LED12からなる直列回路を構成するジャンパー部品が1個の
第5ジャンパー抵抗64であることと、LED13からなる直列回路を構成するジャンパー部品が1個の
第6ジャンパー抵抗65であることとを除き、LEDモジュール10と同じ構造となっている。
【0032】
LEDモジュール60においても、前述の場合と同様に、回路基板11は、横方向(
図6では左斜め上に向かう方向)の熱膨張率が大きくなっているものとする。このとき、
第5ジャンパー抵抗64、
第6ジャンパー抵抗65の長手方向は、この熱膨張率の大きい方向と平行になる。すなわち、LEDモジュール60は、温度サイクル試験に投入されると、長手方向の熱膨張率が大きいため、
第5ジャンパー抵抗64、
第6ジャンパー抵抗65と回路基板11とのハンダ接続部にクラックが入りやすくなる。すなわち、LEDモジュール60は、LEDモジュール10と比べ、迂回手段(熱膨張率の小さい方向と平行な
第1ジャンパー抵抗14a、
第3ジャンパー抵抗15a)がないので温度サイクル試験において不点灯が起こりやすい。
【0033】
以上のように、LEDモジュール10は、熱膨張率の小さい方向と平行な第1ジャンパー抵抗14a、第3ジャンパー抵抗15aで迂回手段を準備しているため、LEDモジュール60に比べ温度サイクル試験をはじめとする熱膨張と熱収縮が繰り返される過酷な環境下において致命的な接続不良を起こりにくくしている。いいかえると、通常、方向に係る熱膨張率の大小関係は明らかになっていない(管理されていない)ため、LEDモジュール10では、少なくとも一方の第1ジャンパー抵抗14a又は第2ジャンパー抵抗14bについて接続不良を起こしにくくさせるため、第1ジャンパー抵抗14a及び第2ジャンパー抵抗14bを直交配置している。
【0034】
なお、LEDモジュール10では、回路基板11は、金属ベースとしており、延伸方向により熱膨張率が方向によって異なる。しかしながら、通常、LEDモジュールに含まれる回路基板は、熱伝導性が高ければ必ずしも金属ベースである必要はなく、例えば、基板材料をセラミクスとしても良い。金属ベースと同様に、セラミクスからなる回路基板でも、スルーホールが作りにくいためジャンパー用部品(抵抗)が有効になる。すなわち、セラミクスからなる回路基板でも、回路基板11と同様に縦方向と横方向で熱膨張率が異なる場合には、ジャンパー抵抗を並列接続するとともに直交配置すると、LEDモジュール10と同様に不点灯対策が可能になる。
【0035】
また、原理的には、多層配線技術を使えば、ジャンパー抵抗を不要にできる。同様に、金属又はセラミクスからなるベース部にスルーホールを形成することも可能である。このような技術を使っても、具体的な設計によってはジャンパー抵抗が必要となる場合がある。しかしながら、回路基板11のように一方の面にのみ一層構造の配線を設けるようにすると、回路基板11の構造及びその製造工程が著しく簡単化する。すなわち、このような構成の回路基板11において、本発明を適用する意義が大きくなる。
【0036】
また、本発明のLEDモジュールは、1本のLED列しか備えていなくても、回路基板上に駆動回路などを搭載したりするとジャンパー抵抗が必要となる場合がある。このときも、一対のジャンパー抵抗を並列接続させながら直交させると不点灯対策ができる。これに対し、LEDモジュール10には、不点灯対策と併せて調色機能が備えられている。すなわち、LEDモジュール10は、暖色で発光するLED12が第1LED列16を構成し、寒色で発光するLED13が第2LED列17を構成し、LED12とLED13が市松模様状に配置され、この結果、ジャンパー抵抗等を必要とするようになった。そして、LEDモジュール10は、この構造により、第1LED列16と第2LED列17の発光強度を調整することで発光色を調整可能とし、この際の混色性を高めることができる。
【符号の説明】
【0037】
10、60…LEDモジュール、
11…回路基板、
12、13…LED、
12a、12b、13a、13b…接続電極、
12c、13c…アノード、
12d、13d…カソード、
14a…第1ジャンパー抵抗、
14b…第2ジャンパー抵抗、
15a…第3ジャンパー抵抗、
15b…第4ジャンパー抵抗、
14c~14f、15c~15f…ランド、
16…第1LED列、
17…第2LED列、
16a、16b、17a、17b…電源電極、
41…封止樹脂、
42…白色反射樹脂、
43…LEDダイ、
44…サブマウント基板、
64…第5ジャンパー抵抗、
65…第6ジャンパー抵抗。