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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】情報コード及び情報コード読取装置
(51)【国際特許分類】
   G06K 19/06 20060101AFI20220729BHJP
   G01K 11/12 20210101ALI20220729BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20220729BHJP
   G06K 19/02 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
G06K19/06
G01K11/12 B
G06K7/14
G06K19/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018061260
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019175033
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-08-21
【審判番号】
【審判請求日】2022-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】高須 紀彦
【合議体】
【審判長】篠原 功一
【審判官】須田 勝巳
【審判官】山澤 宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/160912(WO,A1)
【文献】特表2018-517199(JP,A)
【文献】実開昭60-56242(JP,U)
【文献】特開2002-99879(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K19/06
G06K19/02
G06K 7/14
G01K11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の媒体に対して明色セル及び暗色セルからなる複数種類のセルをコード領域内に配列するように印字してなる情報コードであって、
前記コード領域内に、予め定められた形状の特定パターンが配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによって所定のデータが記録されるデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号が記録される誤り訂正符号記録領域とが設けられ、
前記コード領域内に配列されるセルのうち誤り訂正可能な所定の範囲に配置されるセルを印字するためのインクは、残りのセルを印字するためのインクと比較して、所定条件によって色が変化し、
前記所定の範囲は、矩形領域内所定数のセルが集まって構成されるブロックが並ぶようにして、複数のブロックに分割され、
前記ブロックに配置される明色セル及び暗色セルは、前記所定条件によって色が変化しない明色セル及び前記所定条件によって明色化する暗色セルのみ、または、前記所定条件によって暗色化する明色セルのみ及び前記所定条件によって色が変化しない暗色セルであり、
前記ブロックごとに、明色化または暗色化するセルを印字するインクの色の変化が、前記所定条件によって異なることを特徴とする情報コード。
【請求項2】
前記複数のブロックは、前記所定条件によって色が変化する順に並んで配置されることを特徴とする請求項1に記載の情報コード。
【請求項3】
前記所定条件は、周囲の温度に関するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報コード。
【請求項4】
前記所定条件は、周囲の光に関するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報コード。
【請求項5】
前記所定条件は、周囲の酸素に関するものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の情報コード。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の情報コードを光学的に読み取る情報コード読取装置であって、
前記情報コードを光学的に読み取ることで前記所定のデータを取得する読取部と、
前記読取部による読み取りの際に利用した誤り訂正率に基づいて、前記所定条件の変化を検知する検知部と、
を備えることを特徴とする情報コード読取装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報コード及び情報コード読取装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、バーコードやQRコード(登録商標)などの情報コードが様々な用途で使用されており、その使用目的も多様化しつつある。例えば、下記特許文献1に開示される情報コードは、赤外光が照射されたときに、明色の反射特性を示す明色モジュールと暗色の反射特性を示す暗色モジュールとが複数配列されてコード領域が構成され、このコード領域の一部に、赤外光が照射されたときにコード領域を構成する各モジュールからの反射光を透過させ、可視光の透過を妨げる被覆部が設けられるように構成されている。これにより、一般的な読取装置による情報コードの読み取りを困難とし、その一方で、赤外光を照明可能な特定の読取装置を用いて読み取りを行う場合には確実に読み取ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-126389号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、製品等に付されている情報コードには、その情報コードを付す時点までの情報を記録することができる一方で、情報コードが付された後の製品等に関する情報は、その情報コードに記録することができない。例えば、実験品や長期貯蔵品等であれば、情報コードが付された後の環境変化等も記録として残したい場合があり、このような場合には、サーモラベルなど、その環境変化を検知するためのセンサ等を別途設ける必要があった。すなわち、製品等を長期的に管理するためには、製品等に付した情報コードに記録される情報だけでなく、別途設けたセンサ等によって取得した情報も必要になり、管理作業に関して効率が悪いという問題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、別途センサ等を設けることなく情報コードを利用して周囲の環境などの所定条件の変化を検知可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、特許請求の範囲の請求項1に記載の発明は、
所定の媒体に対して明色セル及び暗色セルからなる複数種類のセルをコード領域(11)内に配列するように印字してなる情報コード(10,10a)であって、
前記コード領域内に、予め定められた形状の特定パターン(12a~12c)が配置される特定パターン領域と、複数種類の前記セルによって所定のデータが記録されるデータ記録領域と、複数種類の前記セルによって誤り訂正符号が記録される誤り訂正符号記録領域とが設けられ、
前記コード領域内に配列されるセルのうち誤り訂正可能な所定の範囲(13,13a~13d)に配置されるセルを印字するためのインクは、残りのセルを印字するためのインクと比較して、所定条件によって色が変化し、
前記所定の範囲は、矩形領域内所定数のセルが集まって構成されるブロックが並ぶようにして、複数のブロックに分割され、
前記ブロックに配置される明色セル及び暗色セルは、前記所定条件によって色が変化しない明色セル及び前記所定条件によって明色化する暗色セルのみ、または、前記所定条件によって暗色化する明色セルのみ及び前記所定条件によって色が変化しない暗色セルであり、
前記ブロックごとに、明色化または暗色化するセルを印字するインクの色の変化が、前記所定条件によって異なることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明では、コード領域内に、特定パターン領域とデータ記録領域と誤り訂正符号記録領域とが設けられ、コード領域内に配列されるセルのうち誤り訂正可能な所定の範囲に配置されるセルを印字するためのインクは、残りのセルを印字するためのインクと比較して、所定条件によって色が変化する。
【0010】
これにより、情報コードを所定の媒体に対して印字した後に、周囲の環境などの所定条件が変化すると、この所定条件の変化を受けて、上記所定の範囲に配置されるセルの色が変化する。このように色が変化するセルは誤り訂正可能な範囲であるため、このような場合でもデータ記録領域に記録される所定のデータを読み取ることができる。そして、その読み取りの際に利用した誤り訂正率は、上記所定条件の変化前よりも高くなるため、利用した誤り訂正率に応じて、所定条件が変化しているか否かを検知することができる。したがって、別途センサ等を設けることなく情報コードを利用して周囲の環境などの所定条件の変化を検知することができる。
【0011】
特に、上記所定の範囲は、矩形領域内の所定数のセルが集まって構成されるブロックが並ぶようにして、複数のブロックに分割され、ブロックごとに、セルを印字するインクの色の変化が、上記所定条件によって異なる。これにより、周囲の環境などの所定条件が変化するほど読み取りの際に利用した誤り訂正率が高くなるので、利用した誤り訂正率に応じて、周囲の環境などの所定条件がどの程度変化しているかについて容易に検知することができる。
【0012】
請求項の発明では、複数のブロックは、上記所定条件によって色が変化する順に並んで配置される。これにより、見た目に色の変化が分かりやすくなるので、その情報コードを見ただけで周囲の環境などの所定条件の変化を容易に把握できる。
【0013】
請求項の発明では、上記所定条件は、周囲の温度に関するものであるため、情報コードを利用して周囲の温度の変化を検知することができる。
【0014】
請求項の発明では、上記所定条件は、周囲の光に関するものであるため、情報コードを利用して周囲の光の変化を検知することができる。
【0015】
請求項の発明では、上記所定条件は、周囲の酸素に関するものであるため、情報コードを利用して周囲の酸素の変化、すなわち、酸化しやすい環境であるかを検知することができる。
【0020】
請求項の発明では、読取部による読み取りの際に利用した誤り訂正率に基づいて、所定条件の変化が検知部により検知される。これにより、情報コードを読み取る処理と同時に周囲の環境などの所定条件の変化を検知できるため、別途設けられるセンサ等からの検出結果を利用することなく、情報コードを利用して周囲の環境などの所定条件の変化を検知可能な情報コード読取装置を実現することができる。
することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1実施形態に係る情報コードを説明する説明図である。
図2】データ記録領域と誤り訂正符号記録領域とを説明する説明図である。
図3図3(A)は、高温環境下を経ていない情報コードを構成する各セルの色状態を説明する説明図であり、図3(B)は、高温環境下を経ている情報コードを構成する各セルの色状態を説明する説明図である。
図4】第1実施形態に係る情報コードを読み取る情報コード読取装置の電気的構成を概略的に例示するブロック図である。
図5】第1実施形態における読取処理の流れを例示するフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る情報コードを説明する説明図である。
図7】変色領域を構成するセルの変色状態を説明する説明図であり、図7(A)は、第1ブロック内の暗色セルが明色化した状態を示し、図7(B)は、第1ブロック及び第2ブロック内の暗色セルが明色化した状態を示し、図7(C)は、第1ブロック、第2ブロック及び第3ブロック内の暗色セルが明色化した状態を示し、図7(D)は、全てのブロック内の暗色セルが明色化した状態を示す。
図8】第2実施形態の第1変形例に係る情報コードを説明する説明図である。
図9】第2実施形態の第2変形例に係る情報コードを説明する説明図である。
図10】第3実施形態に係る情報コードを説明する説明図であり、図10(A)は、高温環境下を経ていない各コード領域の色状態を説明する説明図であり、図10(B)は、高温環境下を経ている各コード領域の色状態を説明する説明図である。
図11】第4実施形態に係る情報コードを説明する説明図であり、図11(A)は、高温環境下を経ていない情報コードの各セルの色状態を説明する説明図であり、図11(B)は、高温環境下を経ている情報コードの各セルの色状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1実施形態]
以下、本発明の情報コード及び情報コード読取装置を具現化した第1実施形態について、図面を参照して説明する。
まず、図1図3を参照して本実施形態に係る情報コードの構成を説明する。
本実施形態に係る情報コード10は、図1に示すように、QRコードの規格に基づいて、複数の情報表示単位セル(以下、単にセルとも称する)が集合したセル集合体として構成されている。各セルは色彩又は濃度又は輝度の異なる複数種類のセルであって各セル領域がそれぞれ正方形領域として構成されている。本実施形態では、各セルは、明色セルと暗色セルとにより構成されており、このようなセルがマトリックス状に配列されることで、コード領域(各セルが配置される領域)11全体が矩形領域として構成されている。
【0023】
コード領域11内には、特定パターン領域とデータ領域とが配置されている。特定パターン領域は、コード化された所定のデータをデコードするのに要するパターン領域であって、コード領域11の位置を特定するための位置検出パターン(ファインダパターン)12a~12cやアライメントパターン、タイミングパターン等の予め定められた形状の特定パターンが配置されて構成されている。
【0024】
データ領域は、複数のコードブロックを備えており、データコードブロックが配置されるデータ記録領域と、誤り訂正コードブロックが配置される誤り訂正符号記録領域とに分けられる。データコードブロックは、デコードの対象となる所定のデータの各データ要素を符号化した符号化データ(データコードワード)を複数個のセルによって表現したブロックとして構成されている。誤り訂正コードブロックは、対応するデータコードブロックのデータコードワードに基づいて誤り訂正コードワードを所定方式で生成し、この誤り訂正コードワードによって構成された誤り訂正符号を複数個のセルによって表現したブロックとして構成されている。例えば、図2に例示するようなQRコードとして構成される場合、28のデータコードブロック(D1~D28)が配置されてなるデータ記録領域と、と、16の誤り訂正コードブロック(E1~E16)が配置されてなる誤り訂正符号記録領域とにより、データ領域が構成される。また、データコードブロックの個数に対する誤り訂正コードブロックの個数に応じて、誤り訂正レベルとして4つの誤り訂正レベルL,M,Q,H(LからHへの順に高くなる)が用意されている。この誤り訂正レベルは、読み取れないセルを許容する割合の高さ、すなわち、許容欠損率の高さに対応している。それぞれのレベルの許容欠損率は、誤り訂正レベルHが約30%、誤り訂正レベルQが約25%、誤り訂正レベルMが約15%、誤り訂正レベルLが約7%である。なお、データコードワードに基づいて誤り訂正コードワードを生成する方法としては、例えば公知のリード・ソロモン誤り訂正方式を用いることができる。
【0025】
このように構成される情報コード10は、製品やその梱包部材等の所定の媒体に印字されており、その印字に利用するインクとして、温度特性の異なる複数種類のインクが用いられている。本実施形態では、図1に示すように、データ領域のうち誤り訂正可能な所定の範囲(以下、変色領域13ともいう)に配置される暗色セルの印字に利用するインクと、その他のデータ領域に配置される暗色セルや位置検出パターン12a~12c等の残りの暗色セルの印字に利用するインクとが用意されている。
【0026】
変色領域13に利用するインクは、例えば、サーモマーカ80(松井色素化学工業所製の準不可逆性変色インキ)であって、常温では暗色を示し、80℃以上の高温環境下になると、色が変化するように色落ちして明色化し、その後常温に戻っても明色化した状態が維持されるようになっている。一方、残りの暗色セルを印字するためのインクは、例えば、顔料インクや染料インクであって、常温だけでなく80℃以上であっても想定される使用温度内であれば、色が変化しないようになっている。なお、図1では、便宜上、位置検出パターン12a~12c等に利用するインクで印字される暗色セルは、黒色で示され、変色領域13の暗色セルは、ハッチングを付して示されているが、常温では同じ黒色で視認されるものである。
【0027】
このため、常温環境下であれば、図3(A)に示すように、変色領域13内の暗色セルは明色化せず、上記高温環境下になると、図3(B)に示すように、変色領域13内の暗色セルが明色化する。これにより、情報コード10を見るだけで、その情報コード10が上記高温環境下にさらされていたか否かについて判断することができる。
【0028】
その一方で、上記高温環境下を経ていることで、変色領域13内の暗色セルが明色化するものの、誤り訂正可能な範囲の変化であるため、情報コード10に記録される所定のデータを、誤り訂正を利用して読み取ることができる。この読み取りでは、変色領域13の暗色セルが明色化した分に応じて誤り訂正が利用されるため、変色領域13の暗色セルが明色化した際の読み取りでの誤り訂正率(セル欠損率)を所定値として予め取得しておくことで、誤り訂正率が上記所定値程度となる情報コード10は、上記高温環境下を経ていると判断することができる。なお、本実施形態では、変色領域13は、例えば、誤り訂正可能な最大範囲に対して50%程度に設定されているが、これに限らず、50%を超えるように設定されてもよいし、50%未満に設定されてもよい。
【0029】
次に、本実施形態に係る情報コード10を光学的に読み取る情報コード読取装置20について、図4を用いて説明する。
本実施形態に係る情報コード読取装置20は、情報コード10やバーコードなどを光学的に読み取る読取装置である。図4に示すように、情報コード読取装置20は、図示しないケースの内部に回路部20aが収容されてなるものであり、回路部20aは、主に、照明光源21、受光センサ28、結像レンズ27等の光学系と、メモリ35、制御部40等のマイクロコンピュータ(以下「マイコン」という)系とを備えている。
【0030】
光学系は、投光光学系と、受光光学系とに分かれている。投光光学系を構成する照明光源21は、照明光Lfを発光可能な照明光源として機能するもので、例えば、赤色のLEDとこのLEDの出射側に設けられるレンズとから構成されている。なお、図4では、情報コード10が印字された所定の媒体Rに向けて照明光Lfを照射する例を概念的に示している。
【0031】
受光光学系は、受光センサ28、結像レンズ27、反射鏡(図示略)などによって構成されている。受光センサ28は、例えば、C-MOSやCCD等の固体撮像素子である受光素子を二次元に配列したエリアセンサとして構成されるものであり、受光した情報コードの各セル(パターン)ごとに反射光Lrの強度に応じた電気信号を出力するように構成されている。この受光センサ28は、結像レンズ27を介して入射する入射光を受光可能にプリント配線板(図示略)に実装されている。
【0032】
結像レンズ27は、外部から読取口(図示略)を介して入射する入射光を集光して受光センサ28の受光面28aに像を結像可能な結像光学系として機能するものである。本実施形態では、照明光源21から照射された照明光Lfが情報コードにて反射した後、この反射光Lrを結像レンズ27で集光し、受光センサ28の受光面28aにコード像を結像させている。
【0033】
マイコン系は、増幅回路31、A/D変換回路33、メモリ35、アドレス発生回路36、同期信号発生回路38、制御部40、操作部42、液晶表示器43、ブザー44、バイブレータ45、発光部46、通信部48等から構成されている。このマイコン系は、その名の通り、マイコン(情報処理装置)として機能し得る制御部40およびメモリ35を中心に構成されるもので、上述した光学系によって撮像された情報コードの画像信号をハードウェア的およびソフトウェア的に信号処理し得るものである。また制御部40は、当該情報コード読取装置20の全体システムに関する制御も行っている。
【0034】
光学系の受光センサ28から出力される画像信号(アナログ信号)は、増幅回路31に入力されることで所定ゲインで増幅された後、A/D変換回路33に入力されると、アナログ信号からディジタル信号に変換される。そして、ディジタル化された画像信号、つまり画像データ(画像情報)は、メモリ35に入力されると、画像データ蓄積領域に蓄積される。なお、同期信号発生回路38は、受光センサ28およびアドレス発生回路36に対する同期信号を発生可能に構成されており、またアドレス発生回路36は、この同期信号発生回路38から供給される同期信号に基づいて、メモリ35に格納される画像データの格納アドレスを発生可能に構成されている。
【0035】
メモリ35は、半導体メモリ装置で、例えばRAM(DRAM、SRAM等)やROM(EPROM、EEPROM等)がこれに相当する。このメモリ35のうちのRAMには、上述した画像データ蓄積領域のほかに、制御部40が算術演算や論理演算等の各処理時に利用する作業領域や読取条件テーブルも確保可能に構成されている。また、ROMには、照明光源21、受光センサ28等の各ハードウェアを制御可能なシステムプログラム等が予め格納されている。また、メモリ35には、後述する読取処理を実行可能な読取用プログラム等も記憶されている。
【0036】
制御部40は、情報コード読取装置20全体を制御可能なマイコンで、CPU、システムバス、入出力インタフェース等からなるもので、メモリ35とともに情報処理装置を構成し得るもので情報処理機能を有する。この制御部40は、内蔵された入出力インタフェースを介して種々の入出力装置(周辺装置)と接続可能に構成されており、本実施形態の場合、操作部42、液晶表示器43、ブザー44、バイブレータ45、発光部46、通信部48等が接続されている。
【0037】
操作部42は、複数のキーによって構成され、使用者のキー操作に応じて制御部40に対して操作信号を与える構成をなしており、制御部40は、操作部42から操作信号を受けたとき、その操作信号に応じた動作を行うように構成されている。液晶表示器43は、公知の液晶表示パネルによって構成されており、制御部40によって表示内容が制御されるようになっている。ブザー44は、公知のブザーによって構成されており、制御部40からの動作信号に応じて所定の音を発生させるように構成されている。バイブレータ45は、携帯機器に搭載される公知のバイブレータによって構成されており、制御部40からの駆動信号に応じて振動を発生させるように構成されている。発光部46は、例えばLEDであって、制御部40からの信号に応じて点灯するように構成されている。通信部48は、上位端末等の外部機器との間でのデータ通信を行うためのインタフェースとして構成されており、制御部40と協働して通信処理を行う構成をなしている。
【0038】
次に、本実施形態に係る情報コード10を読み取る際に情報コード読取装置20の制御部40にて実行される読取処理について、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明では、情報コード10に、変色領域13が設けられる情報コードであることを示す特定情報が所定のデータとともに記録される場合を例に詳述する。
【0039】
情報コード10に対して情報コード読取装置20の読取口が向けられた状態で操作部42に対して所定の操作がなされると、制御部40による読取処理が開始される。まず、ステップS101に示す撮像処理がなされ、情報コードからの反射光Lrを受光した受光センサ28から出力される信号に基づいて、当該情報コード10を含む画像データが生成される。そして、ステップS103に示すデコード処理にて、生成された画像データに含まれる情報コードをデコードするための処理がなされ、このデコード処理が成功するまで、ステップS105の判定処理にてNoと判定されて、上記ステップS101からの処理がなされる。なお、受光センサ28及び制御部40は、情報コードを光学的に読み取る「読取部」の一例に相当し得る。
【0040】
そして、上記デコードが成功すると(S105でYes)、ステップS107の判定処理にて、デコード結果に上記特定情報が含まれるか否かについて判定される。ここで、上記特定情報が含まれていない通常の情報コードのデコードに成功している場合には、ステップS107にてNoと判定されて、ステップS115の出力処理がなされ、デコード結果等が通信部48を介して上位端末等に出力される。
【0041】
また、デコード結果に上記特定情報が含まれていると(S107でYes)、本実施形態に係る情報コード10の読み取りに成功しているとして、ステップS109の判定処理にて、上記デコード処理にて利用された誤り訂正率が上記所定値程度であるか否かについて判定される。
【0042】
ここで、変色領域13の暗色セルが明色化した情報コード10(図3(B)参照)を読み取っているため、誤り訂正率が上記所定値程度であると判定されると(S109でYes)、上記高温環境下を経ている情報コード10を読み取っていることが検知される(S111)。この場合には、ステップS115の出力処理にて、デコード結果等に加えて、上述のような検知結果が、通信部48を介して上位端末等に出力される。
【0043】
一方、変色領域13の暗色セルが明色化していない情報コード10(図3(A)参照)を読み取っているため、誤り訂正率が上記所定値程度未満であると判定されると(S109でNo)、上記高温環境下を経ていない情報コード10を読み取っていることが検知される(S113)。この場合には、ステップS115の出力処理にて、デコード結果等に加えて、上述のような検知結果が、通信部48を介して上位端末等に出力される。なお、上記ステップS109の判定処理及び上記ステップS111,S113の処理を行う制御部40は、「検知部」の一例に相当し得る。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る情報コード10では、コード領域11内に、特定パターン領域とデータ記録領域と誤り訂正符号記録領域とが設けられ、コード領域11内に配列されるセルのうち誤り訂正可能な変色領域(所定の範囲)13に配置されるセルを印字するためのインクは、残りのセルを印字するためのインクよりも周囲の温度(周囲の環境などの所定条件)の影響を受けて色が変化しやすい。
【0045】
これにより、情報コード10を所定の媒体Rに対して印字した後に、周囲の温度が変化すると、この周囲の温度の変化を受けて、変色領域13に配置されるセルの色が変化する。このように色が変化するセルは誤り訂正可能な範囲であるため、このような場合でもデータ記録領域に記録される所定のデータを読み取ることができる。そして、その読み取りの際に利用した誤り訂正率は、周囲の温度の変化前よりも高くなるため、利用した誤り訂正率に応じて、周囲の温度が変化しているか否かを検知することができる。したがって、別途センサ等を設けることなく情報コードを利用して周囲の温度(周囲の環境などの所定条件)の変化を検知することができる。
【0046】
そして、本実施形態に係る情報コード読取装置20では、読取処理による読み取りの際に利用した誤り訂正率に基づいて、周囲の温度(周囲の環境などの所定条件)の変化が検知される。これにより、情報コード10を読み取る処理と同時に周囲の温度の変化を検知できるため、別途設けられるセンサ等からの検出結果を利用することなく、情報コードを利用して周囲の温度(周囲の環境などの所定条件)の変化を検知可能な情報コード読取装置を実現することができる。
【0047】
なお、変色領域13は、他の領域に対して、周囲の温度に応じて色が変化するインクにより印字されて構成されることに限らず、例えば、周囲の光など、周囲の環境などの所定条件に応じて色が変化するインクにより印字されて構成されてもよい。このようにしても、別途センサ等を設けることなく情報コードを利用して周囲の環境などの所定条件の変化を検知することができる。また、例えば、変色領域13は、例えば、周囲の酸素に応じて色が変化するインクにより印字されて構成されてもよい。この場合には、情報コードを利用して周囲の酸素の変化、すなわち、酸化しやすい環境であるかを検知することができる。ここで、周囲の光に応じて色が変化するインクとしては、例えば、蛍光発光インキ(大日本印刷株式会社製)などの紫外線や赤外線による波長を照射することで変色するインクを採用することができる。また、周囲の酸素に応じて色が変化するインクとしては、例えば、鉄黒や弁柄、黄鉄など酸素によって酸化することで変色する素材が含まれるインクを採用することができる。
【0048】
なお、上述の実施形態では、変色領域13に利用するインクとして、不可逆性の変色インクを採用することによって、周囲の環境などの所定条件の変化で一度変色したインクがその後も継続されるようにしたが、可逆性インクを採用することで上記所定条件の変化で一度変色したインクが再度元の環境に戻った場合に状態が変化されるようにしても良い。このようにすれば、繰り返し使用することができ、さらに、情報コードの読取時点における周囲の環境などの所定条件の変化を都度記録させることができる。
【0049】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態に係る情報コードについて、図面を参照して説明する。
本第2実施形態では、変色領域が複数のブロックに分割され、ブロックごとに、セルを印字するインクの周囲の環境などの所定条件の影響による色の変化のしやすさが異なる点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0050】
本実施形態では、図6に示す情報コード10aのように、変色領域が4つのブロック13a~13dに分割され、ブロックごとに、セルを印字するインクの周囲の温度の影響による色の変化のしやすさを異ならせている。4つのブロック13a~13dは、それぞれ同じ面積であって、周囲の温度の影響を受けて色が変化しやすい順に外側から並んで配置されている。このように配置することで、見た目に色の変化が分かりやすくなるので、その情報コード10aを見ただけで周囲の温度の変化を容易に把握できる。
【0051】
ここで、第1ブロック13aの暗色セルを印字するためのインクは、例えば、感温インク(有限会社橋本シルク工芸製)であって、常温では暗色を示し、32℃以上になると、色が変化するように色落ちして明色化し、その後常温に戻っても明色化した状態が維持されるようになっている。また、第2ブロック13bの暗色セルを印字するためのインクは、例えば、サクラTCカラー(株式会社サクラクレパス製)であって、常温では暗色を示し、45℃以上になると、色が変化するように色落ちして明色化し、その後常温に戻っても明色化した状態が維持されるようになっている。また、第3ブロック13cの暗色セルを印字するためのインクは、例えば、メタモカラー(パイロットインキ株式会社製)であって、常温では暗色を示し、60℃以上になると、色が変化するように色落ちして明色化し、その後常温に戻っても明色化した状態が維持されるようになっている。また、第4ブロック13dの暗色セルを印字するためのインクは、例えば、上記サーモマーカ80であって、常温では暗色を示し、80℃以上になると、色が変化するように色落ちして明色化し、その後常温に戻っても明色化した状態が維持されるようになっている。
【0052】
このように構成される情報コード10aでは、常温環境下であれば、図6に示すように、各ブロック13a~13d内の暗色セルは明色化せず、最大32℃程度の高温環境下になると、図7(A)に示すように、第1ブロック13a内の暗色セルが明色化する。また、最大45℃程度の高温環境下になると、図7(B)に示すように、第1ブロック13a及び第2ブロック13b内の暗色セルが明色化し、最大60℃程度の高温環境下になると、図7(C)に示すように、第1ブロック13a、第2ブロック13b及び第3ブロック13c内の暗色セルが明色化し、最大80℃程度の高温環境下になると、図7(D)に示すように、各ブロック13a~13d内の暗色セルが明色化する。
【0053】
これにより、情報コード10aを見るだけで、その情報コード10aがどのような温度での高温環境下にさらされていたか否かについて詳細に判断することができる。
【0054】
そして、情報コード読取装置20では、第1ブロック13aの暗色セルが明色化した際の読み取りでの誤り訂正率が所定値N1、第1ブロック13a及び第2ブロック13bの暗色セルが明色化した際の読み取りでの誤り訂正率が所定値N2、第1ブロック13a、第2ブロック13b及び第3ブロック13cの暗色セルが明色化した際の読み取りでの誤り訂正率が所定値N3、各ブロック13a~13dの暗色セルが明色化した際の読み取りでの誤り訂正率が所定値N4として予め取得されて、メモリ35に記憶される。これにより、制御部40にてなされる読取処理において、誤り訂正率に基づいて、読み取った情報コード10aがどのような温度での高温環境下にさらされていたか否かについて詳細に検知することができる。
【0055】
例えば、読取処理による読み取りの際に利用した誤り訂正率がN1程度であれば、最大32℃程度の高温環境下を経ている情報コード10aを読み取っていると検知でき、誤り訂正率がN1を大きく超えてN2程度であれば、最大45℃程度の高温環境下を経ている情報コード10aを読み取っていると検知できる。また、誤り訂正率がN2を大きく超えてN3程度であれば、最大60℃程度の高温環境下を経ている情報コード10aを読み取っていると検知でき、誤り訂正率がN3を大きく超えてN4程度であれば、最大80℃程度の高温環境下を経ている情報コード10aを読み取っていると検知できる。
【0056】
なお、各ブロック13a~13dは、周囲の温度の影響を受けて色が変化しやすい順に外側から並んで配置されていることに限らず、例えば、図8に例示するように、間に変色しない暗色セルを挟むように点在して配置されてもよい。上記読取処理において、誤り訂正対象となるセルの位置は把握できるので、例えば、コード領域11に付着することでブロック13aの一部を欠損させるごみ等が、ブロック13bを欠損させることなくブロック13cの一部を欠損させていると、ブロック13cに対応する高温環境下を経ていないと判断でき、検知精度の低下を抑制することができる。
【0057】
また、例えば、図9に例示するように、各ブロック13a~13dをそれぞれ複数に分けて点在させるように配置することでも、ごみ等による外乱の影響を抑制することができる。図9の例では、例えば、最大32℃程度の高温環境下を経ていると、2つのブロック13aの暗色セルのみが明色化する。このように、各ブロック13a~13dが点在するように配置される情報コード10aでは、人の目で確認するよりも、情報コード読取装置20の読取処理を利用することで、正確に周囲の温度(周囲の環境などの所定条件)の変化を検知することができる。
【0058】
なお、変色領域は、分割されるブロックごとに、セルを印字するインクの周囲の温度の影響による色の変化のしやすさが異なるように、4つのブロック13a~13dに分割されることに限らず、2つ又は3つのブロックに分割されてもよいし、5つ以上のブロックに分割されてもよい。
【0059】
また、変色領域は、分割されるブロックごとに、セルを印字するインクの周囲の温度の影響による色の変化のしやすさが異なるように構成されることに限らず、例えば、セルを印字するインクの周囲の光や周囲の酸素など、周囲の環境などの所定条件の影響による色の変化のしやすさが異なるように構成されてもよい。このようにしても、別途センサ等を設けることなく情報コードを利用して周囲の環境などの所定条件の変化を検知することができる。
【0060】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態に係る情報コードについて、図面を参照して説明する。
本第3実施形態では、コード領域を複数印字してなる情報コードにて、複数のコード領域のうちの一部のコード領域が上記変色領域として構成される点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0061】
本実施形態では、図10(A)に示すように、情報コード10bは、4つのコード領域11a~11dを備えるように構成されており、各コード領域11a~11dにはそれぞれ個別のデータが記録されている。そして、各コード領域11a~11dのうちコード領域11bは、変色領域13の暗色セルを印字するためのインクにより印字され、コード領域11a,11c,11dは、常温だけでなく想定される使用温度内であれば、色が変化しないインクにより印字されている。
【0062】
このように、情報コード10bでは、コード領域11bを構成するセルを印字するためのインクは、残りのコード領域11a,11c,11dを構成するセルを印字するためのインクよりも周囲の温度の影響を受けて色が変化しやすい。
【0063】
これにより、情報コード10bを構成する各コード領域11a~11dを所定の媒体Rに対して印字した後に、周囲の温度が高温化すると、この周囲の温度の変化を受けて、図10(B)に示すように、コード領域11bを構成する暗色セルの色が明色化する。すなわち、周囲の温度が高温化している場合には、各コード領域11a~11dのうち、コード領域11bに記録されるデータが読み取れずに、上記残りのコード領域11a,11c,11dに記録されるデータが読み取れることとなる。したがって、別途センサ等を設けることなく情報コード10bを利用して周囲の環境などの所定条件の変化を検知することができる。
【0064】
なお、本実施形態に係る情報コード10bは、上述した4つのコード領域11a~11dを備えるように構成されることに限らず、3つのコード領域の1つが周囲の温度の変化を受けてセルの色が変化するように構成されてもよいし、5つ以上のコード領域の一部が周囲の温度の変化を受けてセルの色が変化するように構成されてもよい。また、上記一部のコード領域は、他のコード領域に対して、周囲の温度に応じて変化するインクにより印字されて構成されることに限らず、例えば、周囲の光や周囲の酸素など、周囲の環境などの所定条件に応じて変化するインクにより印字されて構成されてもよい。このようにしても、別途センサ等を設けることなく情報コードを利用して周囲の環境などの所定条件の変化を検知することができる。
【0065】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態に係る情報コードについて、図面を参照して説明する。
本第4実施形態では、一次元コードを構成するセルの一部が上記変色領域として構成される点が、上記第1実施形態と主に異なる。したがって、第1実施形態と実質的に同一の構成部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0066】
本実施形態では、図11(A)に示すように、情報コード10cは、明色セル(スペース)及び暗色セル(バー)が一方向(図11の左右方向)に配列されることで一次元コードとして構成されている。そして、各暗色セルは、上記一方向に直交する方向(図11の上下方向)での一側14aを構成する部分が上記変色領域13の暗色セルを印字するためのインクにより印字され、他の部分14bが常温だけでなく想定される使用温度内であれば、色が変化しないインクにより印字されている。
【0067】
これにより、情報コード10cを所定の媒体Rに対して印字した後に、周囲の温度が高温化すると、この周囲の温度の変化を受けて、セルの一側14aを構成する部分の色が明色化するので、セルの一側14aの色の変化に基づいて、周囲の温度の変化の有無を検知することができる。そして、このような色の変化はセルの一側14aを構成する部分であるため、セルの一側14aが明色化する場合でも、残りを構成するセルの部分14bが、色の変化前と同じデータが記録される一次元コードとして機能するので、所定のデータを読み取ることができる。したがって、別途センサ等を設けることなく情報コードを利用して周囲の環境などの所定条件の変化を検知することができる。
【0068】
なお、上記セルの一側14aは、残りを構成するセルの部分14bに対して、周囲の温度に応じて変化するインクにより印字されて構成されることに限らず、例えば、周囲の光や周囲の酸素など、周囲の環境などの所定条件に応じて変化するインクにより印字されて構成されてもよい。このようにしても、別途センサ等を設けることなく情報コードを利用して周囲の環境などの所定条件の変化を検知することができる。
【0069】
なお、本発明は上記各実施形態等に限定されるものではなく、例えば、以下のように具体化してもよい。
(1)本発明に係る情報コード10等は、製品やその梱包部材等に印字されて利用されることに限らず、実験品や長期貯蔵品等、情報コードが付された後の条件変化等も記録として残したい所定の媒体に印字されて利用されてもよい。
【0070】
(2)本発明に係る情報コード10等は、暗色セルが周囲の環境などの所定条件に応じて明色化するように構成されることに限らず、明色セルが周囲の環境などの所定条件に応じて暗色化するように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0071】
10,10a~10c…情報コード
11,11a~11d…コード領域
12a~12c…位置検出パターン
13…変色領域(所定の領域)
13a~13d…ブロック(所定の領域)
20…情報コード読取装置
28…受光センサ(読取部)
40…制御部(読取部,検知部)
図1
図2
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図4
図5
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図11