(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】部品の取付構造
(51)【国際特許分類】
F16B 5/10 20060101AFI20220729BHJP
E06B 3/46 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
F16B5/10 K
E06B3/46
(21)【出願番号】P 2018118861
(22)【出願日】2018-06-22
【審査請求日】2021-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 大輔
【審査官】羽鳥 公一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-179779(JP,A)
【文献】実開昭52-104211(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2004/0071506(US,A1)
【文献】特開2015-132301(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1841874(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00-85/28
E06B 3/04-3/46
E06B 3/50-3/52
F16B 5/00-5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状部を有するフレーム材の表面に部品を配設するとともに、前記筒状部の内部に裏板を配設し、前記部品及び前記フレーム材を介して前記裏板に取付ネジを螺合することにより前記部品を前記フレーム材に取り付ける部品の取付構造であって、
前記筒状部を構成する前記フレーム材には、長手方向の一部にのみ装着用切欠が設けられ、
前記裏板は、前記装着用切欠を介して前記筒状部の内部に配置され
、
前記筒状部に前記装着用切欠を覆うカバー部材を設け、前記カバー部材及び前記フレーム材を介して前記裏板に前記取付ネジを螺合することを特徴とする部品の取付構造。
【請求項2】
前記裏板には、前記筒状部の内部に配置された際に前記フレーム材に係合する係合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の部品の取付構造。
【請求項3】
前記部品は、複数の取付ネジによって前記フレーム材に取り付けられるものであり、
前記裏板には、前記複数の取付ネジが螺合される部分のそれぞれにネジ孔が設けられていることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の部品の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、部品の取付構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、障子を施錠するクレセントのように、比較的高い取付強度が要求される部品については、フレーム材において部品が取り付けられる部分を筒状に構成して剛性を向上させるともに、筒状に構成した部分(以下、筒状部という)の内部に裏板を配設する取付構造が多く適用されている。すなわち、部品及びフレーム材を介して裏板に取付ネジを螺合することにより、部品をフレーム材に取り付ける構造である。こうした取付構造によれば、たとえフレーム材が樹脂によって成形されたものであったとしても、取付ネジが螺合される部分が裏板であり、フレーム材に対しては裏板が面で当接することになるため、フレーム材に直接取付ネジを螺合する取付構造に比べて部品の取付強度を向上させることができる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものでは、筒状部の内部に補強材が設けられるタイプのフレーム材であり、補強材に裏板を取り付けるようにしている。このため、筒状部に裏板を仮止めする必要もなく、また部品を取り付ける際に裏板を支持しておく必要もない。しかしながら、筒状部に補強材が設けられないフレーム材にあっては、裏板を筒状部の内部に仮止めする場合や部品を取り付ける場合、筒状部の内部に裏板を支持しておく必要がある。このため、現状においては、筒状部の小口開口から挿入した支持具の先端部で裏板を支持し、この状態を維持しながら裏板をフレーム材に仮止めしたり、部品の取り付けを行うようにしており、部品の取り付け作業を煩雑化する要因となっている。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、部品の取り付け作業を容易化することのできる部品の取付構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る部品の取付構造は、筒状部を有するフレーム材の表面に部品を配設するとともに、前記筒状部の内部に裏板を配設し、前記部品及び前記フレーム材を介して前記裏板に取付ネジを螺合することにより前記部品を前記フレーム材に取り付ける部品の取付構造であって、前記筒状部を構成する前記フレーム材には、長手方向の一部にのみ装着用切欠が設けられ、前記裏板は、前記装着用切欠を介して前記筒状部の内部に配置され、前記筒状部に前記装着用切欠を覆うカバー部材を設け、前記カバー部材及び前記フレーム材を介して前記裏板に前記取付ネジを螺合することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、裏板を配設する位置に対応して装着用切欠を設けておくことにより、小口から支持具を挿入することなく、装着用切欠を介して筒状部に裏板を配置することができる。これにより、部品の取り付け作業を容易化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施の形態1である部品の取付構造を適用した建具の横断面図である。
【
図2】
図1に示した建具の要部を示すもので、(a)は裏板を配設する以前のフレーム材の横断面図、(b)はフレーム材に裏板を配設した後、カバー部材を設ける以前の横断面図、(c)はカバー部材及びクレセントを取り付けた状態の横断面図である。
【
図3】
図1に示した建具の要部を示すもので、(a)は裏板を配設する以前のフレーム材の斜視図、(b)はフレーム材に裏板を配設した後、カバー部材を設ける以前の斜視図、(c)はカバー部材を取り付けた状態の斜視図である。
【
図4】
図1に示した建具に適用する裏板を示すもので、(a)は斜視図、(b)は室外が見た図、(c)は外周側から見た図である。
【
図5】
図1に示したフレーム材の要部を示すもので、(a)は室外側から装着用切欠を見た図、(b)は装着用切欠に裏板を配設した状態の図である。
【
図6】本発明の実施の形態2である部品の取付構造を適用した建具の要部を示す分解横断面図である。
【
図7】
図6に示した建具の要部を示すもので、(a)は裏板を配設する以前のフレーム材の斜視図、(b)はフレーム材に裏板を配設した後、カバー部材を設ける以前の斜視図である。
【
図8】
図6に示した建具に適用する裏板を示すもので、(a)は斜視図、(b)は室外が見た図、(c)は外周側から見た図である。
【
図9】
図6に示したフレーム材の要部を示すもので、(a)は室外側から装着用切欠を見た図、(b)は装着用切欠に裏板を配設した状態の図である。
【
図10】本発明の実施の形態3である部品の取付構造を適用した建具の要部を示す分解横断面図である。
【
図11】
図10に示した建具の要部を示すもので、(a)は裏板を配設する以前のフレーム材の斜視図、(b)はフレーム材に裏板を配設した後、カバー部材を設ける以前の斜視図である。
【
図12】
図10に示した建具に適用する裏板を示すもので、(a)は斜視図、(b)は室外が見た図、(c)は外周側から見た図である。
【
図13】
図10に示したフレーム材の要部を示すもので、(a)は室外側から装着用切欠を見た図、(b)は装着用切欠に裏板を配設した状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明に係る部品の取付構造の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0010】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1である部品の取付構造を適用した建具を示したものである。ここで例示する建具は、枠体10に対して2枚の障子20をスライド可能に配設した、いわゆる引き違い窓と称されるものである。図には明示していないが、枠体10は、上下の横枠11及び左右の縦枠12を四周枠組みすることによって構成した矩形状を成すものである。枠体10を構成する横枠11及び縦枠12は、樹脂によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたってほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。本実施の形態1では特に、横枠11と縦枠12とで同一の断面形状を有するものを適用している。障子20は、それぞれ矩形状を成す面材21の四周に上下の横框22及び左右の縦框23,24を装着することによって構成したものである。障子20を構成する横框22及び縦框23,24(以下、総称する場合には框材という)は、横枠11等と同様、樹脂によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたってほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。本実施の形態1では特に、横框22と縦框23,24とで同一の断面形状を有するものを適用している。それぞれの框材22,23,24は、両端部に45°の接合面を有し、互いに接合面を熱溶着することによって矩形状に構成してある。
【0011】
図2及び
図3に示すように、框材22,23,24は、矩形の筒状を成す框基部201と、框基部201の内周側となる部分に設けた支持ヒレ部202及び押縁203とを備え、これら支持ヒレ部202と押縁203との間に面材21を挟持するものである。框基部201の外周側となる部分には、2つの突出部204が設けてある。突出部204は、中空の角筒状を成すもので、互いの間に隙間を確保した状態で框基部201の室外側となる部位及び室内側となる部位に設けてある。突出部204の内部は、見込み方向に沿って延在する補強用の仕切り壁204aによって内周側の内方筒状部204bと外周側の外方筒状部(筒状部)204cとに2分割してある。
【0012】
ここで、見込み方向とは、図中の矢印Aで示すように、建具の奥行きに沿った方向である。またこの実施の形態1では見付け方向という用語も用いる。見付け方向は、横框22等のように水平方向に沿って延在するものの場合、見込み方向に直交した上下に沿う方向である。縦框23,24等のように上下方向に沿って延在するものの場合には、見込み方向に直交した水平に沿う方向を見付け方向という。見付け方向においては、面材21側を内周側、その反対を外周側と称する。見付け方向に沿った面については、見付け面と称する場合がある。
【0013】
障子20を閉じた際に見込み方向に並設される縦框(以下、召し合わせ框(フレーム材)23という)には、それぞれの全長にわたる部位にカバー部材25が装着してある。カバー部材25は、樹脂によって成形した押し出し形材であり、長手に沿った全長にわたってほぼ一様な断面形状を有するように構成してある。本実施の形態1では、召し合わせ框23の2つの突出部204を覆うように配置される見込みカバー部25aと、見込みカバー部25aの一側縁部から召し合わせ框23の互いに対向する見付け面を覆うように配置される見付けカバー部25bとを一体に成形したカバー部材25を適用している。図からも明らかなように、室内側の召し合わせ框23に装着したカバー部材25は、室外側の召し合わせ框23に装着したカバー部材25よりも見付けカバー部25bの延在長さが大きく構成してある。見込みカバー部25aは、2つの突出部204の相互間に対応する部位に係合突起25cを有しており、係合突起25cを介して突出部204に係合してある。それぞれのカバー部材25には、見付けカバー部25bに煙返し25dが設けてあるとともに、見付けカバー部25bにおいて見込みカバー部25aとの連結部に裏板収容部25eが設けてある。煙返し25dは、障子20を閉じた際に互いに見込み方向に対向するとともに、互いに見付け方向に対向するように構成したものである。裏板収容部25eは、見付けカバー部25bよりも室外側に向けて突出し、見付けカバー部25bを召し合わせ框23の見付け面に当接した場合に召し合わせ框23との間に矩形状の収容空間25fを構成するものである。
【0014】
また、
図1に示すように、室外側の召し合わせ框23には、クレセント受け26が設けてある一方、室内側の召し合わせ框23には、クレセント(部品)27が設けてある。クレセント受け26及びクレセント27は、障子20が閉じた状態において互いに係合可能となり、相互に係合した場合に障子20を閉じた状態に維持するものである。クレセント受け26は、先端部にフック部26aを有した板状を成すもので、フック部26aが面材21に対向する位置まで突出した状態で、召し合わせ框23において室内に臨む見付け面に取り付けてある。一方、クレセント27は、台座27aと、台座27aに対して回転可能に配設した係合皿27bとを備えたものである。このクレセント27は、台座27aを介してカバー部材25の見込みカバー部25aに設けてあり、障子20が閉じた状態において係合皿27bを回転させた場合にクレセント受け26のフック部26aに係合可能である。
【0015】
図からも明らかなように、召し合わせ框23に対するクレセント27の取り付けは、外方筒状部204cの内部に鋼材等の金属製の裏板30を配置し、この状態から台座27aに設けた2つのネジ挿通孔27c、カバー部材25のネジ挿通孔25g及び召し合わせ框23のネジ挿通孔23aを介して裏板30に取付ネジSを螺合することにより行っている。以下、クレセント27の取付構造を詳述し、併せて本願発明の特徴部分について説明する。なお、以下に説明する裏板30の構成については便宜上、召し合わせ框23に取り付けた状態の姿勢でその方向を特定することとする。
【0016】
カバー部材25及び召し合わせ框23のネジ挿通孔25g,23aは、クレセント27を所望の取り付け位置に配置した場合に台座27aの2つのネジ挿通孔27cに対向する部位に形成したものである。これらのネジ挿通孔25g,23aは、取付ネジSのネジ部よりも大きく、かつ取付ネジSの頭部よりも小さい内径を有するように形成してある。
【0017】
クレセント27の取り付けに適用する裏板30は、
図2~
図4に示すように、連結板部31の上下両端部にそれぞれ係合板部(係合部)32及び雌ネジ板部33を有したものである。連結板部31は、召し合わせ框23の室外に臨む見付け面23bに沿って配置されるもので、上下に縦長の矩形状に形成してある。係合板部32は、連結板部31から室内側に向けてほぼ90°屈曲して延在したもので、上下で互いにほぼ平行となっている。連結板部31の室内に臨む表面から係合板部32の突出端までの寸法32bは、召し合わせ框23の室外に臨む見付け面23bから外方筒状部204cの内部において室内側に位置する見付け面までの寸法bよりもわずかに小さい。
【0018】
雌ネジ板部33は、係合板部32の外周側に位置する縁部から互いに対向する向きにほぼ90°屈曲して延在したものである。これらの雌ネジ板部33は、それぞれ見込み方向に沿った平板状を成し、外周側の表面が互いに同一の平面上に位置している。雌ネジ板部33の見込み方向に沿った寸法33aは、外方筒状部204cの内部において見込み方向に沿った寸法cよりも小さい。また雌ネジ板部33の外周側に位置する表面から係合板部32の内周側に位置する縁部までの寸法(以下、挿入幅寸法33bという)は、外方筒状部204cの内部において見付け方向に沿った寸法aよりもわずかに小さい。連結板部31の室内に臨む表面から雌ネジ板部33の室外側に位置する側面までの間には、召し合わせ框23の板厚よりも大きな隙間33cが確保してある。2つの雌ネジ板部33には、それぞれネジ孔33dが設けてある。ネジ孔33dは、見付け方向に沿って延在するもので、相互間距離が召し合わせ框23のネジ挿通孔23aと同一のピッチである。連結板部31の室内に臨む表面からネジ孔33dの中心までの寸法は、召し合わせ框23の室外に臨む見付け面23bからネジ挿通孔23aの中心までの寸法とほぼ等しい。
【0019】
上述の裏板30が取り付けられる召し合わせ框23には、室外に臨む見付け面23bにおいてクレセント27の取り付け高さに対応する部位に互いに独立した2つの装着用切欠40が設けてある。装着用切欠40は、外方筒状部204cの内部に連通するもので、裏板30に設けた2つの係合板部32及び2つの雌ネジ板部33を同時に挿通可能、かつこれら係合板部32及び雌ネジ板部33を挿通した状態で、召し合わせ框23に対して裏板30を下方に移動させることができるように構成してある。本実施の形態1では、
図5(a)に示すように、見付け方向の幅の広い幅広部40aと、幅の狭い幅狭部40bとが連続した形状の装着用切欠40がそれぞれ設けてある。幅広部40aは、上述した挿入幅寸法33bよりもわずかに広く構成された部分である。幅狭部40bは、雌ネジ板部33の板厚よりもわずかに広く構成された部分である。上方の装着用切欠(以下、区別する場合に上部装着用切欠40という)においては、幅広部40aの下縁において外周側となる部位に幅狭部40bが連続して形成してある。下方の装着用切欠(以下、区別する場合に下部装着用切欠40という)においては、幅広部40aの上縁において外周側となる部位に幅狭部40bが連続して形成してある。下部装着用切欠40の下縁は、裏板30の下方に位置する係合板部32を当接させた場合に雌ネジ板部33に設けた2つのネジ孔33dが、召し合わせ框23のネジ挿通孔23aに合致する高さ位置となるように形成してある。
【0020】
上述した裏板30は、
図2(a)及び
図3(a)に示すように、召し合わせ框23にカバー部材25を装着する以前に、装着用切欠40を介してそれぞれの雌ネジ板部33が外方筒状部204cの内部に配置された状態となる。より具体的に説明すると、装着用切欠40の幅広部40aに係合板部32の突出端面を対向させるとともに、装着用切欠40の幅狭部40bに雌ネジ板部33の側面を対向させ、この状態から係合板部32及び雌ネジ板部33を装着用切欠40に挿入すると、連結板部31が召し合わせ框23の見付け面23bに当接する。この状態から召し合わせ框23に対して裏板30を下方に移動させると、
図2(b)、
図3(b)及び
図5(b)に示すように、下方に位置する係合板部32が下部装着用切欠40の下縁に当接する。このとき、上方に位置する雌ネジ板部33は、外方筒状部204cの内部において上部装着用切欠40の幅狭部40bよりも下方に移動し、その下端部が外方筒状部204cの室外側に位置する内壁面に対向した位置にある。従って、裏板30は、上方の雌ネジ板部33が外方筒状部204cの内壁面に当接することで外方筒状部204cからの脱落が阻止され、2つのネジ孔33dがそれぞれ召し合わせ框23のネジ挿通孔23aに合致した状態に維持される。
【0021】
その後、
図3(c)に示すように、召し合わせ框23にカバー部材25を装着し、さらに
図2(c)に示すように、カバー部材25にクレセント27の台座27aを当接し、台座27aのネジ挿通孔27c、カバー部材25のネジ挿通孔25g及び召し合わせ框23のネジ挿通孔23aに対して取付ネジSを順次挿入すれば、取付ネジSを裏板30のネジ孔33dに螺合させることができ、召し合わせ框23にクレセント27が取り付けられた状態となる。カバー部材25を装着する間及び取付ネジSを螺合する間、外方筒状部204cに装着した裏板30は、雌ネジ板部33が外方筒状部204cにおいて装着用切欠40の縁部に係合することで召し合わせ框23からの脱落が阻止され、さらには外方筒状部204cの内部において係合板部32及び雌ネジ板部33が見付け方向及び見込み方向にほとんど移動することがない。このため、カバー部材25を装着する際や取付ネジSを螺合する際に裏板30を押さえておく必要がなく、取付対象となるカバー部材25やクレセント27のみを支持しておけば良いため、カバー部材25及びクレセント27の取り付け作業を容易に行うことが可能である。特に、本実施の形態1では、雌ネジ板部33の見込み方向に沿った寸法33aが、外方筒状部204cの内部において見込み方向に沿った寸法cよりも小さいため、取付ネジSを挿入する際に裏板30の見込み方向の位置を調整することができ、さらに取付ネジSを螺合した後においても取付ネジSを弛緩させれば、クレセント27を取り外すことなくその見込み方向の位置を調整することが可能である。
【0022】
上記のようにしてクレセント27を取り付けた建具においては、召し合わせ框23が樹脂によって成形されたものであるが、ネジ挿通孔23aが設けられる外方筒状部204cが筒状に構成されているとともに、外方筒状部204cの内部に配設した金属製の裏板30が取付ネジSの螺合対象となる。しかも、召し合わせ框23に対しては、裏板30において平板状に構成した雌ネジ板部33の表面全面が外方筒状部204cの内壁面に当接することになる。このため、召し合わせ框23に直接取付ネジSを螺合する取付構造に比べてクレセント27の取付強度を向上させることが可能となる。さらに、裏板30を外方筒状部204cの内部に配置するために設けた装着用切欠40は、外方筒状部204cにおいて長手方向の一部にのみ設けられたものであるため、外方筒状部204cの剛性を大きく損なうものではない。また、この装着用切欠40は、カバー部材25によって完全に覆われた状態となり、外部から視認されることがないため、建具の外観品質が損なわれるおそれもない。加えて、このカバー部材25は、装着用切欠40を覆うための専用品ではなく、召し合わせ框23に煙返し25dを設けるために装着されるものであり、製造コストや製造作業に大きな影響を及ぼすこともない。
【0023】
(実施の形態2)
図6~
図9は、本発明の実施の形態2である部品の取付構造を示すものである。ここで例示する取付構造は、実施の形態1と同様、引き違い窓の召し合わせ框23にクレセント27を取り付ける場合に適用するもので、実施の形態1とは、裏板130の形状及び召し合わせ框23に形成する装着用切欠140の形状のみが異なっている。以下、実施の形態1と異なる構成について詳述し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。なお、裏板130の構成については便宜上、召し合わせ框23に取り付けた状態の姿勢でその方向を特定することとする。
【0024】
クレセント27の取り付けに適用する裏板130は、鋼材等の金属製のものであり、本体基部131の中央部に係合板部132を有したものである。本体基部131は、見込み方向に沿って上下に延在する縦長の平板状に構成したものである。係合板部132は、本体基部131の室内側に位置する部位において高さ方向のほぼ中央となり、かつ見込み方向のほぼ中央となる部位から内周側に向けてほぼ90°屈曲して延在する平板状部分である。係合板部132の突出端面から本体基部131の外周側に位置する表面までの寸法132aは、外方筒状部(筒状部)204cの内部において見付け方向に沿った寸法aよりもわずかに小さい。また本体基部131の室内側に位置する側面から係合板部132の室外に臨む平面までの寸法132bは、外方筒状部204cの内部において見込み方向に沿った寸法cよりも小さい。
【0025】
本体基部131の上下両端部には、係合段部(係合部)131a及びネジ孔131bが設けてある。係合段部131aは、本体基部131において室外側の位置する上下の隅部に矩形状の切欠を形成することによって構成したものである。係合段部131aよりも室内側に位置する部分の本体基部131は、見込み方向に沿った寸法131cが外方筒状部204cの内部において見込み方向に沿った寸法cより小さく、かつ上述した寸法132bとほぼ等しい。ネジ孔131bは、係合段部131aよりも室内側となる部分に見付け方向に沿って形成したもので、相互間距離が召し合わせ框23のネジ挿通孔23aと同一のピッチである。本体基部131の室内側に位置する側面からネジ孔131bの中心までの寸法は、外方筒状部204cの内部において室内側の見付け面からネジ挿通孔27cの中心までの寸法とほぼ等しい。
【0026】
上述の裏板130が取り付けられる召し合わせ框23には、召し合わせ框23の室外に臨む見付け面23bにおいてクレセント27の取り付け高さに対応する部位に装着用切欠140が設けてある。装着用切欠140は、外方筒状部204cの内部に連通するもので、裏板130の本体基部131及び係合板部132を挿通可能、かつ係合板部132を挿通した状態で、召し合わせ框23に対して裏板130を下方に移動させることができるように構成してある。本実施の形態2では、
図9(a)に示すように、見付け方向の幅の狭い基部挿通部140aと、幅の広い板部挿通部140bとが連続した形状の装着用切欠140が設けてある。基部挿通部140aは、本体基部131の板厚よりもわずかに広く、かつ本体基部131の上下に沿った寸法よりもわずかに大きな縦長の矩形状を成す部分であり、外方筒状部204cの外周側となる部分に形成してある。板部挿通部140bは、本体基部131を基部挿通部140aに合致させた際に係合板部132が挿通可能となるように構成した横長の矩形状を成す部分であり、基部挿通部140aのほぼ中央となる高さ位置から内周側に向けて延在している。基部挿通部140aの下縁は、裏板130の下方に位置する係合段部131aを当接させた場合に2つのネジ孔131bが、召し合わせ框23のネジ挿通孔23aに合致する高さ位置となるように形成してある。
【0027】
上述した裏板130は、
図6及び
図7(a)に示すように、召し合わせ框23にカバー部材25を装着する以前に、装着用切欠140を介して外方筒状部204cの内部に配置された状態となる。より具体的に説明すると、本体基部131及び係合板部132をそれぞれ装着用切欠140に対向させ、この状態から裏板130を装着用切欠140に挿入すると、本体基部131の室内側に位置する側面が外方筒状部204cの内部において室内側に位置する見付け面に当接する。この状態から召し合わせ框23に対して裏板130を下方に移動させると、
図7(b)及び
図9(b)に示すように、下方に位置する係合段部131aが基部挿通部140aの縁部に当接する。このとき、係合板部132は、外方筒状部204cの内部において板部挿通部140bよりも下方に移動し、下方の隅部が外方筒状部204cの室外側に位置する内壁面に対向した位置にある。従って、裏板130は、係合板部132が外方筒状部204cの内壁面に当接することで外方筒状部204cからの脱落が阻止され、2つのネジ孔131bがそれぞれ召し合わせ框23のネジ挿通孔23aに合致した状態に維持される。
【0028】
その後、召し合わせ框23にカバー部材25を装着し、さらにカバー部材25にクレセント27の台座27aを当接し、台座27aのネジ挿通孔27c、カバー部材25のネジ挿通孔25g及び召し合わせ框23のネジ挿通孔23aに対して取付ネジSを順次挿入すれば、取付ネジSを裏板130のネジ孔131bに螺合させることができ、召し合わせ框23にクレセント27が取り付けられた状態となる。カバー部材25を装着する間及び取付ネジSを螺合する間、外方筒状部204cに装着した裏板130は、係合板部132が外方筒状部204cの内壁面に係合することで召し合わせ框23からの脱落が阻止され、さらには外方筒状部204cの内部において本体基部131が見付け方向及び見込み方向にほとんど移動することがない。このため、カバー部材25を装着する際や取付ネジSを螺合する際に裏板130を押さえておく必要がなく、取付対象となるカバー部材25やクレセント27のみを支持しておけば良いため、カバー部材25及びクレセント27の取り付け作業が煩雑化することはない。特に、本実施の形態2では、本体基部131の室内側に位置する側面から係合板部132の室外に臨む平面までの寸法132bが、外方筒状部204cの内部において見込み方向に沿った寸法cよりも小さいため、取付ネジSを挿入する際に裏板130の見込み方向の位置を調整することができ、さらに取付ネジSを螺合した後においても取付ネジSを弛緩させれば、クレセント27を取り外すことなくその見込み方向の位置を調整することが可能である。
【0029】
上記のようにしてクレセント27を取り付けた建具においては、召し合わせ框23が樹脂によって成形されたものであるが、ネジ挿通孔23aが設けられる外方筒状部204cが筒状に構成されているとともに、外方筒状部204cの内部に配設した金属製の裏板130が取付ネジSの螺合対象となる。しかも、召し合わせ框23に対しては、裏板130において平板状に構成した本体基部131の表面全面が外方筒状部204cの内壁面に当接することになる。このため、召し合わせ框23に直接取付ネジSを螺合する取付構造に比べてクレセント27の取付強度を向上させることが可能となる。さらに、裏板130を外方筒状部204cの内部に配置するために設けた装着用切欠140は、外方筒状部204cにおいて長手方向の一部にのみ設けられたものであるため、外方筒状部204cの剛性を大きく損なうものではない。また、この装着用切欠140は、カバー部材25によって完全に覆われた状態となり、建具の外観品質が損なわれる事態を招来することがない。加えて、このカバー部材25は、装着用切欠140を覆うための専用品ではなく、召し合わせ框23に煙返し25dを設けるために装着されるものであり、製造コストや製造作業に大きな影響を及ぼすこともない。
【0030】
(実施の形態3)
図10~
図13は、本発明の実施の形態3である部品の取付構造を示すものである。ここで例示する取付構造は、実施の形態1と同様、引き違い窓の召し合わせ框23にクレセント27を取り付ける場合に適用するもので、実施の形態1とは、裏板230の形状及び召し合わせ框23に形成する装着用切欠240の形状のみが異なっている。以下、実施の形態1と異なる構成について詳述し、実施の形態1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。なお、裏板230の構成については便宜上、召し合わせ框23に取り付けた状態の姿勢でその方向を特定する。
【0031】
クレセント27の取り付けに適用する裏板230は、鋼材等の金属製のものであり、本体基部231の中央部に係合板部(係合部)232を有したものである。本体基部231は、見込み方向に沿って上下に延在する縦長の平板状に構成したものである。係合板部232は、本体基部231の室外側に位置する側面から外周側に向けてほぼ90°屈曲して延在する平板状部分である。係合板部232の室内に臨む表面から本体基部231の室内側に位置する側面までの寸法232aは、召し合わせ框23の室外に臨む見付け面23bから外方筒状部(筒状部)204cの内部において室内側に位置する見付け面までの寸法bよりもわずかに小さい。
【0032】
本体基部231の上下両端部には、それぞれ雌ネジ板部233が設けてある。雌ネジ板部233は、本体基部231から離隔するに従って漸次外周側に傾斜した後、互いに離反する方向に向けて本体基部231と平行となるように延在したものである。雌ネジ板部233の見込み方向に沿った寸法233cは、外方筒状部204cの内部において見込み方向に沿った寸法cよりも小さい。本体基部231の内周側に位置する表面から雌ネジ板部233の外周側に位置する表面までの寸法233aは、外方筒状部204cの内部において見付け方向に沿った寸法aよりも小さい。雌ネジ板部233には、それぞれネジ孔233bが設けてある。ネジ孔233bは、雌ネジ板部233において本体基部231と平行となるように延在した部分に見付け方向に沿って形成したもので、相互間距離が召し合わせ框23のネジ挿通孔23aと同一のピッチである。係合板部232の室内に臨む表面からネジ孔233bの中心までの寸法は、召し合わせ框23の室外に臨む見付け面23bからネジ挿通孔27cの中心までの寸法とほぼ等しい。
【0033】
上述の裏板230が取り付けられる召し合わせ框23には、召し合わせ框23の室外に臨む見付け面23bにおいてクレセント27の取り付け高さに対応する部位に装着用切欠240が設けてある。装着用切欠240は、外方筒状部204cの内部に連通するもので、裏板230の本体基部231及び2つの雌ネジ板部233を挿通可能、かつこれら本体基部231及び2つの雌ネジ板部233を挿通した状態で、召し合わせ框23に対して裏板230を下方に移動させることができるように構成したものである。本実施の形態3では、
図13(a)に示すように、見付け方向の幅の広い幅広部240aと、見付け方向の幅の狭い上下2つの幅狭部240b,240cとが連続した形状の装着用切欠240が設けてある。幅広部240aは、外方筒状部204cの内部において見付け方向に沿った寸法aとほぼ等しい幅を有した矩形状を成す部分である。幅広部240aの下縁は、係合板部232の下面を当接した場合に2つのネジ孔233bがそれぞれ召し合わせ框23のネジ挿通孔23aに合致する高さ位置となるように形成してある。下方の幅狭部240bは、幅広部240aの上縁において内周側となる部位から上方に向けて連続するように設けたもので、本体基部231が挿通可能である。上方の幅狭部240cは、下方の幅狭部240bの外周側に位置する上隅部から上方に向けて連続するように設けたものである。この上方の幅狭部240cは、裏板230の本体基部231を下方の幅狭部240bに対向させ、かつ下方の雌ネジ板部233を幅広部240aに対向させた場合に上方の雌ネジ板部233に対向するように構成してある。
【0034】
上述した裏板230は、
図10及び
図11(a)に示すように、召し合わせ框23にカバー部材25を装着する以前に、装着用切欠240を介して外方筒状部204cの内部に配置された状態となる。より具体的に説明すると、本体基部231及び2つの雌ネジ板部233をそれぞれ装着用切欠240に対向させ、この状態からこれら本体基部231及び2つの雌ネジ板部233を装着用切欠240に挿入すると、係合板部232が召し合わせ框23の室外に臨む見付け面23bに当接する。この状態から召し合わせ框23に対して裏板230を下方に移動させると、
図11(b)及び
図13(b)に示すように、係合板部232の下端が幅広部240aの縁部に当接する。このとき、下方の雌ネジ板部233は、外方筒状部204cの内部において幅広部240aよりも下方に移動し、かつ上方の雌ネジ板部233は、上方の幅狭部240cよりも下方に移動し、それぞれ外方筒状部204cの室内側に位置する内壁面に対向した位置にある。従って、裏板230は、雌ネジ板部233が外方筒状部204cの内壁面に当接することで外方筒状部204cからの脱落が阻止され、2つのネジ孔233bがそれぞれ召し合わせ框23のネジ挿通孔23aに合致した状態に維持される。
【0035】
その後、召し合わせ框23にカバー部材25を装着し、さらにカバー部材25にクレセント27の台座27aを当接し、台座27aのネジ挿通孔27c、カバー部材25のネジ挿通孔25g及び召し合わせ框23のネジ挿通孔23aに対して取付ネジSを順次挿入すれば、取付ネジSを裏板230のネジ孔233bに螺合することができ、召し合わせ框23にクレセント27を取り付けられた状態となる。カバー部材25を装着する間及び取付ネジSを螺合する間、外方筒状部204cに装着した裏板230は、雌ネジ板部233が外方筒状部204cの内壁面に係合することで召し合わせ框23からの脱落が阻止され、さらには外方筒状部204cの内部において本体基部231及び2つの雌ネジ板部233が見付け方向及び見込み方向にほとんど移動することがない。このため、カバー部材25を装着する際や取付ネジSを螺合する際に裏板230を押さえておく必要がなく、取付対象となるカバー部材25やクレセント27のみを支持しておけば良いため、カバー部材25及びクレセント27の取り付け作業が煩雑化することはない。特に、本実施の形態3では、雌ネジ板部233の見込み方向に沿った寸法233cが、外方筒状部204cの内部において見込み方向に沿った寸法cよりも小さいため、取付ネジSを挿入する際に裏板230の見込み方向の位置を調整することができ、さらに取付ネジSを螺合した後においても取付ネジSを弛緩させれば、クレセント27を取り外すことなくその見込み方向の位置を調整することが可能である。
【0036】
上記のようにしてクレセント27を取り付けた建具においては、召し合わせ框23が樹脂によって成形されたものであるが、ネジ挿通孔23aが設けられる外方筒状部204cが筒状に構成されているとともに、外方筒状部204cの内部に配設した金属製の裏板230が取付ネジSの螺合対象となる。しかも、召し合わせ框23に対しては、裏板230において平板状に構成した雌ネジ板部233の表面全面が外方筒状部204cの内壁面に当接することになる。このため、召し合わせ框23に直接取付ネジSを螺合する取付構造に比べてクレセント27の取付強度を向上させることが可能となる。さらに、裏板230を外方筒状部204cの内部に配置するために設けた装着用切欠240は、外方筒状部204cにおいて長手方向の一部にのみ設けられたものであるため、外方筒状部204cの剛性を大きく損なうものではない。また、この装着用切欠240は、カバー部材25によって完全に覆われた状態となり、建具の外観品質が損なわれる事態を招来することがない。加えて、カバー部材25は、装着用切欠240を覆うための専用品ではなく、召し合わせ框23に煙返し25dを設けるために装着されるものであり、製造コストや製造作業に大きな影響を及ぼすこともない。
【0037】
なお、上述した実施の形態1~実施の形態3では、引き違い窓の召し合わせ框23にクレセント27を取り付ける場合の取付構造を例示しているが、本発明はこれらに限定されない。筒状部の内部に裏板を配設して部品を取り付ける構造であれば、引き違い窓以外の建具のフレーム材、あるいは門扉、柵等のエクステリアの建材に対してクレセント27以外の部品を取り付ける場合にも適用することが可能である。例えば、開き窓の戸先に位置する縦框にハンドルを取り付ける場合にも適用することができる。この場合、フレーム材としては、必ずしも樹脂によって成形されたものに限らず、金属によって成形されたものでも良い。また、フレーム材の内部に補強材が設けられるものを対象として上述の取付構造を適用してももちろん良い。
【0038】
本発明に係る部品の取付構造は、筒状部を有するフレーム材の表面に部品を配設するとともに、前記筒状部の内部に裏板を配設し、前記部品及び前記フレーム材を介して前記裏板に取付ネジを螺合することにより前記部品を前記フレーム材に取り付ける部品の取付構造であって、前記筒状部を構成する前記フレーム材には、長手方向の一部にのみ装着用切欠が設けられ、前記裏板は、前記装着用切欠を介して前記筒状部の内部に配置されていることを特徴とする。
【0039】
この発明によれば、裏板を配設する位置に対応して装着用切欠を設けておくことにより、小口から支持具を挿入することなく、装着用切欠を介して筒状部に裏板を配置することができる。これにより、部品の取り付け作業を容易化することが可能となる。
【0040】
また本発明は、上述した部品の取付構造において、前記裏板には、前記筒状部の内部に配置された際に前記フレーム材に係合する係合部が設けられていることを特徴とする。
【0041】
この発明によれば、装着用切欠を介して裏板を筒状部の内部に配置すれば、係合部がフレーム材に係合されるため、裏板を手で支持しておく必要がなくなり、部品の取り付け作業をさらに容易化することができる。但し、本発明は必ずしも係合部を有している必要はなく、装着用切欠を介して直接裏板を支持することができるため、小口端面から支持する場合に比べて部品の取り付け作業を容易化することができる。
【0042】
また本発明は、上述した部品の取付構造において、前記筒状部に前記装着用切欠を覆うカバー部材を設け、前記カバー部材及び前記フレーム材を介して前記裏板に前記取付ネジを螺合することを特徴とする。
【0043】
この発明によれば、筒状部に形成した装着用切欠がカバー部材によって覆われるため、外観品質が損なわれる事態を招来することがない。但し、本発明は必ずしもカバー部材を設けるものに限らない。外観から視認し難い位置に装着用切欠を設ければ、カバー部材によって覆わなくとも外観品質が大きく損なわれることはない。
【0044】
また本発明は、上述した部品の取付構造において、前記部品は、複数の取付ネジによって前記フレーム材に取り付けられるものであり、前記裏板には、前記複数の取付ネジが螺合される部分のそれぞれにネジ孔が設けられていることを特徴とする。
【0045】
この発明によれば、裏板を一つ配置すれば、複数箇所に取付ネジを螺合することができるため、部品の取り付け作業がより容易となる。但し、本発明は、複数の取付ネジが螺合される部分に個別に裏板を設けるようにしても構わない。
【符号の説明】
【0046】
23 召し合わせ框(縦框)、25 カバー部材、27 クレセント、30 裏板、32 係合板部、33d ネジ孔、40 装着用切欠、130 裏板、131a 係合段部、131b ネジ孔、140 装着用切欠、204c 外方筒状部、230 裏板、232 係合板部、233b ネジ孔、240 装着用切欠、S 取付ネジ