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特許7113768街路灯用の照明器具および照明器具システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】街路灯用の照明器具および照明器具システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/125 20200101AFI20220729BHJP
   H05B 47/13 20200101ALI20220729BHJP
   F21S 9/03 20060101ALI20220729BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220729BHJP
   F21V 33/00 20060101ALN20220729BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220729BHJP
【FI】
H05B47/125
H05B47/13
F21S9/03
F21V23/00 140
F21V23/00 110
F21V33/00 430
F21V33/00 400
F21Y115:10
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019021839
(22)【出願日】2019-02-08
(65)【公開番号】P2020129492
(43)【公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-09-27
(73)【特許権者】
【識別番号】315018554
【氏名又は名称】株式会社スリーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110003018
【氏名又は名称】弁理士法人プロテクトスタンス
(72)【発明者】
【氏名】櫻木 邦善
(72)【発明者】
【氏名】島崎 宗久
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-272495(JP,A)
【文献】特開2006-135824(JP,A)
【文献】特開2018-132865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0143383(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/00
F21S 9/03
F21V 23/00
F21V 33/00
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光により電力を発生するソーラーパネルからの供給電力を充電するバッテリと、
前記バッテリからの電力により、光を照射する照明ユニットと、
前記バッテリからの電力により、高解像度と該高解像度よりも低い低解像度と撮影を切り替えて撮影するカメラと、
前記照明ユニットに近傍に配置され、動体物を感知する動体物感知センサと、
前記カメラ及び前記動体物感知センサに接続された制御部と、を備え、
前記動体物感知センサから前記動体物の動き感知した信号がない場合には、前記制御部は、前記カメラに前記低解像度の撮影を指令し、
前記動体物感知センサが動体物の動きを感知した信号を受信した際に、前記制御部は、前記カメラに前記高解像度の撮影を指令する、
街路灯用の照明器具。
【請求項2】
前記ソーラーパネルと前記バッテリとの間に配置され、前記制御部に接続されて前記バッテリの充電量を管理するソーラー充電回路を備え、
前記照明ユニットは、第1光量の光及び前記第1光量よりも小さい第2光量の光を照射することができ、
前記ソーラー充電回路から前記バッテリの充電量が第1基準値よりも小さい信号を受信した際に、前記制御部は、前記照明ユニットに前記第2光量の光を照射するように指令するとともに前記カメラに前記低解像度の撮影を指令し、
前記バッテリの充電量が前記第1基準値よりも小さい状態で前記動体物感知センサが動体物の動きを感知した信号を受信した際に、前記制御部は前記照明ユニットに前記第1光量の光を照射するように指令するとともに前記カメラに前記高解像度の撮影を指令する、
請求項1に記載の街路灯用の照明器具。
【請求項3】
前記カメラは、異常イベントを検知する検知機能を有しており、
前記カメラが撮影した画像に基づいて前記異常イベントを検知した際に、前記カメラが前記高解像度の撮影の単位時間当たりの撮影枚数を増やす
請求項1又は請求項2に記載の街路灯用の照明器具。
【請求項4】
さらにサーバに通信回線を介して通信する通信部を備え、
前記通信部は、前記カメラが撮影した前記高解像度又は前記低解像度の画像をサーバに送信する、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の街路灯用の照明器具。
【請求項5】
前記照明ユニットは、光を照射する第1時間帯と光を照射しない第2時間帯とを有しており、
前記第1基準値は、前記バッテリのフル充電容量に対する値が、前記第1時間帯と前記第2時間帯とで異なる
請求項2に記載の街路灯用の照明器具。
【請求項6】
太陽光により電力を発生するソーラーパネルからの供給電力を充電するバッテリと、
前記ソーラーパネルと前記バッテリとの間に配置され、前記バッテリの充電量を管理するソーラー充電回路と、
前記バッテリからの電力により、第1光量の光及び前記第1光量よりも小さい第2光量の光を照射する照明ユニットと、
前記バッテリからの電力により、高解像度と該高解像度よりも低い低解像度と撮影を切り替えて撮影するカメラと、
前記カメラ及び前記ソーラー充電回路に接続された制御部と、を備え、
前記ソーラー充電回路から前記バッテリの充電量が第1基準値よりも小さく第2基準値より大きい信号を受信した際に、前記制御部は、前記照明ユニットに前記第2光量の光を照射するように指令するとともに前記カメラに前記低解像度の撮影を指令し、
前記ソーラー充電回路から前記バッテリの充電量が第1基準値よりも多い信号を受信した際に、前記制御部は、前記照明ユニットに前記第1光量の光を照射するように指令するとともに前記カメラに前記高解像度の撮影を指令する、
街路灯用の照明器具。
【請求項7】
さらにサーバに通信回線を介して通信する通信部を備え、
前記通信部は、前記カメラが撮影した前記高解像度又は前記低解像度の画像をサーバに送信する、
請求項6に記載の街路灯用の照明器具。
【請求項8】
前記ソーラー充電回路から前記バッテリの充電量が前記第2基準値より小さい信号を受信した際に、前記制御部は、前記照明ユニットに前記第2光量の光を照射するように指令するとともに前記カメラに前記低解像度の撮影を指令し、且つ前記通信部に前記画像の送信を停止させる
請求項7に記載の街路灯用の照明器具。
【請求項9】
さらに動体物を感知する動体物感知センサを備え、
前記バッテリの充電量が前記第1基準値よりも小さく前記第2基準より大きい信号を受信した状態で前記動体物感知センサが動体物の動きを感知した信号を受信した際に、前記制御部は前記照明ユニットに前記第1光量の光を照射するように指令するとともに前記カメラに前記高解像度の撮影を指令する、
請求項6又は請求項7に記載の街路灯用の照明器具。
【請求項10】
さらに動体物を感知する動体物感知センサを備え、
前記バッテリの充電量が前記第2基準値よりも小さい信号を受信した状態で前記動体物感知センサが動体物の動きを感知した信号を受信した際に、前記制御部は前記照明ユニットに前記第1光量の光を照射するように指令するとともに前記カメラに前記高解像度の撮影を指令する、
請求項8に記載の街路灯用の照明器具。
【請求項11】
街路灯用の第1照明器具及び該第1照明器具から所定範囲に配置される街路灯用の第2照明器具のシステムであって、
前記第1照明器具及び前記第2照明器具は、
太陽光により電力を発生するソーラーパネルからの供給電力を充電するバッテリと、
前記バッテリからの電力により、光を照射する照明ユニットと、
前記バッテリからの電力により、高解像度と該高解像度よりも低い低解像度と撮影を切り替えて撮影し、且つ撮影した画像に基づいて異常イベントを検知する検知機能を有するカメラと、
前記カメラに接続された制御部と、を備え、
前記第1照明器具のカメラが、前記異常イベントを検知した際に前記異常イベントを前記第2照明器具に送信し、
前記第1照明器具の照明ユニット及び前記第2照明器具の照明ユニットが、異常を知らせる光を照射する街路灯用の照明器具システム。
【請求項12】
前記第1照明器具及び前記第2照明器具は、さらに音を発生する音発生部を備え、
前記第1照明器具の照明ユニット及び前記第2照明器具の照明ユニットが、異常を知らせる光を照射する際に、前記第1照明器具の音発生部及び前記第2照明器具の音発生部が、異常を知らせる音を発生する請求項11に記載の街路灯用の照明器具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱等に取り付けられる街路灯用の照明器具に関し、特にソーラーパネルを有する街路灯用の照明器具に関する
【背景技術】
【0002】
ソーラーパネルを用いた街路灯は、電源ケーブル等が不要になる等のメリットがある。例えば特許文献1の街路灯用の照明器具は、動画像や静止画像を撮影するカメラ及び無線LANを有している。これによって街路灯用の照明器具は防犯監視している。また街路灯用の照明器具は、ソーラーパネルによって駆動されるため消費電力の低減が望まれることから、常時、通信可能な状態になっている通信モードと、通信不可能な状態の省電力モードとの2つのモードに、バッテリの充電状況で切り替えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-242965号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、消費電力の低減が望まれていても、防犯監視のためには必要に応じて、カメラの画像を送信することが望まれる。また防犯監視であるため、消費電力の低減が望まれていても、カメラはできるだけ鮮明な画像を撮影することが望まれる。
【0005】
そこで本発明は、上記課題を解決するため、消費電力の低減を図りながら、鮮明な画像を送信することができる街路灯用の照明器具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態の街路灯用の照明器具は、太陽光により電力を発生するソーラーパネルからの供給電力を充電するバッテリと、バッテリからの電力により、光を照射する照明ユニットと、バッテリからの電力により、高解像度と該高解像度よりも低い低解像度と撮影を切り替えて撮影するカメラと、照明ユニットに近傍に配置され、動体物を感知する動体物感知センサと、カメラ及び動体物感知センサに接続された制御部と、を備える。そして、動体物感知センサから動体物の動き感知した信号がない場合には、制御部は、カメラに低解像度の撮影を指令し、動体物感知センサが動体物の動きを感知した信号を受信した際に、制御部は、カメラに高解像度の撮影を指令する。
【0007】
さらに照明器具は、ソーラーパネルとバッテリとの間に配置され、制御部に接続されてバッテリの充電量を管理するソーラー充電回路を備えてもよい。この照明ユニットは、第1光量の光及び第1光量よりも小さい第2光量の光を照射することができ、ソーラー充電回路からバッテリの充電量が第1基準値よりも小さい信号を受信した際に、制御部は、照明ユニットに第2光量の光を照射するように指令するとともにカメラに低解像度の撮影を指令する。またバッテリの充電量が第1基準値よりも小さい状態で動体物感知センサが動体物の動きを感知した信号を受信した際に、制御部は照明ユニットに第1光量の光を照射するように指令するとともにカメラに高解像度の撮影を指令する。
【0008】
本実施形態では、カメラが異常イベントを検知する検知機能を有していることが好ましい。そしてカメラが撮影した画像に基づいて異常イベントを検知したい際に、カメラが高解像度の撮影の単位時間当たりの撮影枚数を増やすことが好ましい。
さらにサーバに通信回線を介して通信する通信部を備えていることが好ましい。通信部は、カメラが撮影した高解像度又は高解像度の画像をサーバに送信することができる。
照明ユニットは、光を照射する第1時間帯と光を照射しない第2時間帯とを有しており、第1基準値は、バッテリのフル充電容量に対する値が、第1時間帯と第2時間帯とで異なることが好ましい。
【0009】
本実施形態の街路灯用の照明器具は、太陽光により電力を発生するソーラーパネルからの供給電力を充電するバッテリと、ソーラーパネルとバッテリとの間に配置され、制御部に接続されてバッテリの充電量を管理するソーラー充電回路と、バッテリからの電力により、第1光量の光及び第1光量よりも小さい第2光量の光を照射する照明ユニットと、バッテリからの電力により、高解像度と該高解像度よりも低い低解像度と撮影を切り替えて撮影するカメラと、カメラ及びソーラー充電回路に接続された制御部と、を備える。そしてソーラー充電回路からバッテリの充電量が第1基準値よりも小さく第2基準より大きい信号を受信した際に、制御部は、照明ユニットに第2光量の光を照射するように指令するとともにカメラに低解像度の撮影を指令する。またソーラー充電回路からバッテリの充電量が第1基準値よりも多い信号を受信した際に、制御部は、照明ユニットに第1光量の光を照射するように指令するとともにカメラに高解像度の撮影を指令する。
【0010】
照明器具はさらにサーバに通信回線を介して通信する通信部を備えることが好ましい。そして通信部は、カメラが撮影した高解像度又は高解像度の画像をサーバに送信することが好ましい。
またソーラー充電回路からバッテリの充電量が第2基準値より小さい信号を受信した際に、制御部は、照明ユニットに第2光量の光を照射するように指令するとともにカメラに低解像度の撮影を指令し、且つ通信部に画像の送信を停止させることが好ましい。
【0011】
照明器具はさらに動体物を感知する動体物感知センサを備えることが好ましい。バッテリの充電量が第1基準値よりも小さく第2基準より大きい信号を受信した状態で動体物感知センサが動体物の動きを感知した信号を受信した際に、制御部は照明ユニットに第1光量の光を照射するように指令するとともにカメラに高解像度の撮影を指令してもよい。
【0012】
照明器具はさらに動体物を感知する動体物感知センサを備えることが好ましい。そしてバッテリの充電量が第2基準値よりも小さい信号を受信した状態で動体物感知センサが動体物の動きを感知した信号を受信した際に、制御部は照明ユニットに第1光量の光を照射するように指令するとともにカメラに高解像度の撮影を指令しても良い。
【0013】
本実施形態のシステムの一例は、街路灯用の第1照明器具及び該第1照明器具から所定範囲に配置される街路灯用の第2照明器具のシステムである。第1照明器具及び第2照明器具は、太陽光により電力を発生するソーラーパネルからの供給電力を充電するバッテリと、バッテリからの電力により、光を照射する照明ユニットと、バッテリからの電力により、高解像度と該高解像度よりも低い低解像度と撮影を切り替えて撮影し、且つ撮影した画像に基づいて異常イベントを検知する検知機能を有するカメラと、カメラに接続された制御部と、を備えている。そして、第1照明器具のカメラが、異常イベントを検知したい際に異常イベントを第2照明器具に送信し、第1照明器具の照明ユニット及び第2照明器具の照明ユニットが、異常を知らせる光を照射する。
【0014】
第1照明器具及び第2照明器具は、さらに音を発生する音発生部を備えることが好ましい。第1照明器具の照明ユニット及び第2照明器具の照明ユニットが、異常を知らせる光を照射する際に、第1照明器具の音発生部及び第2照明器具の音発生部が、異常を知らせる音を発生することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の街路灯用の照明器具は、消費電力の低減を図りながら、鮮明な画像を送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】街路灯用の照明器具の斜視図である。
図2】街路灯用の照明器具のブロック図である。
図3】複数の街路灯用の照明器具、サーバ及び携帯端末の通信概念を示した図である。
図4】照明ユニット10の点灯方法に関するフローチャートである。
図5】第1の照明器具100が異常イベントを検知し、第2の照明器具100に異常イベントが発生したことを通知するフローチャートである。
図6】昼間の時間帯に、バッテリの充電容量に基づいて、どのように監視カメラ50等が動作するかを説明したフローチャートである。
図7】夜間の時間帯に、バッテリの充電容量に基づいて、どのように監視カメラ50等が動作するかを説明したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態に係る街路灯用の照明器具について説明する。以下の実施形態において、照明器具は、一般道又は高速道路等に配置される街路灯用の照明器具として説明する。なお、説明に用いる各図はこれら発明を理解できる程度に概略的に示してあり、大きさ、角度又は厚み等は誇張して描いている。また説明に用いる各図において、同様な構成成分については同一の番号を付して示し、その説明を省略する場合もある。
【0018】
<照明器具の概略>
街路灯用の照明器具100は、屋外の壁や柱に取り付けられて、一般道などを照らす街路灯の役目を果たす。照明器具100は、例えば6m幅の道路に20~500m間隔で配置される。図1に示すように、街路灯用の照明器具100は、本体カバー95の下側(-Z軸側)に配置された照明ユニット10と、本体カバー95の下側に配置された制御ユニット20と、本体カバー95の上側(+Z軸側)に配置された太陽光により電力を発生させるソーラーパネル30(図2を参照)と、本体カバー95の下側に配置された監視カメラ50と、LoRaアンテナ60とを備えている。制御ユニット20の筐体には、支柱に対して本体カバー95の傾きを変える角度調整部90が設けられている。なお本体カバー95は、風雨に耐えられるようにアルミニウム合金等で形成されている。
【0019】
また街路灯用の照明器具100は、光の光量が増えると電気抵抗が下がるフォトレジスタCDSと、人間や車両等の接近又はこれらが静止した状態からの動きを感知する動体物感知センサMDSとが本体カバー95の下側に有していてもよい。そして照明器具100は、制御ユニット20の筐体に設けられた角度調整部90を介して、支柱(不図示)又は壁に固定される。支柱又は壁は、たとえばその内部に交流100V用の電線(図2の外部電源AC)を挿通可能に構成されていてもよい。
【0020】
1つの照明ユニット10は、例えば消費電力15Wであり、例えば三段階調光可能なLED調光部27(図2を参照)が採用されている。図1では照明ユニット10が2つ配置され30Wの照明になっているが、配置地域や用途に応じて、照明ユニット10を1つ(15W)にしたり3以上(45W,60W……)にしたりしてもよい。照明ユニット10は、支柱に取り付けられる角度調整部90を基準にして前方(+X軸方向)で且つ下方(-Z軸方向)を照らすように構成されている。上述した角度調整部90が支柱に対して90度に取り付けられていても、照明ユニット10から照射される光の大半は支柱に対して前方(+X軸方向)に向けられ、光は後方(-X軸方向)にはあまり届かない。なお図1では、照明ユニット10は防水カバーが取り外された状態で描かれている。
【0021】
監視カメラ50は、半球形の防水カバー内に広角レンズを有した例えば1000万画素のデジタルカメラである。監視カメラ50は、例えば1000万画素の高画質の撮影と300万画素の低画質の撮影とを切り替えることができ、さらに静止画像を撮影する撮影周期を可変したり、静止画像の撮影から動画像の撮影に変更したりできる。
【0022】
LoRaアンテナ60は、基地局と通信するため、LPWAN(Low Power Wide Area Network)技術を用いて通信する際に使われるアンテナである。「LPWAN」とは、低消費電力で広域無線通信を行うことができる技術であり、LoRa通信は、LPWAN技術の伝送技術の一種である。LoRaアンテナ60は、監視カメラ50が撮影した画像等を基地局に無線送信することができる。なお、本実施形態ではLoRa通信を前提とするが、これに限られず通信方式はどのようなものであってもよい。
【0023】
フォトレジスタCDSは、外部の明るさを検知して、その信号を出力する。フォトレジスタCDSは、図1では照明ユニット10の前側(+X軸側)に配置されているが、後側(-X軸側)に配置されていてもよい。またフォトレジスタCDSが設けられていなくても良く、この場合には制御部等が有するタイマ機能が、フォトレジスタCDSを代用する。
【0024】
動体物感知センサMDSは、超音波や赤外線を使って人間もしくは車両等の接近や動作を感知する。動体物感知センサMDSは、図1では照明ユニット10の前側(+X軸側)近傍に配置されているが、照明ユニット10の後側(-X軸側)近傍に配置されていてもよい。人間もしくは車両等を感知し易い位置であれば、照明ユニット10の近傍の本体カバー95のどの位置に動体物感知センサMDSが取り付けられてもよい。
【0025】
本体カバー95上側(+Z軸側)ソーラーパネル30(不図示)は、パネル表面に複数のセルが並列された太陽電池モジュールを含んでいる。太陽電池モジュールは、パネルの両面にセルが設けられた両面受光型を採用することが好ましいが、太陽電池モジュールは、パネルの片面にセルが設けられた片面受光型であってもよい。
【0026】
<制御ユニットの概略>
次に図2を使って制御ユニット20を説明する。図2は街路灯用の照明器具のブロック図であり、図2において、一点鎖線で囲まれている範囲が制御ユニット20である。制御ユニット20は、メイン制御部21、ソーラー充電回路23、AC/DC充電回路25、LED調光部27、記録媒体28、通信部29及びバッテリBATなどを有している。また図2において、二重線は電源を供給する電源線を示しており、実線は指令又はデータなどの信号を送受信する信号線を示している。なお、LED調光部27は制御ユニット20内ではなく、照明ユニット10の回路基板に設けられても良い。
【0027】
メイン制御部21は、実線である信号線で示されているように、フォトレジスタCDS及び動体物感知センサMDS、監視カメラ50から信号を受け取る。またメイン制御部21は、ソーラー充電回路23、AC/DC充電回路25、LED調光部27、記録媒体28、通信部29、マイクMIC、スピーカSP、及び監視カメラ50に対して信号もしくはデータを送受信する。
【0028】
バッテリBATは、鉛電池、リチウムイオン電池、リチウムリン酸鉄電池又は固体電池等が適用でき、本実施形態ではリチウムリン酸鉄電池を使用している。二重線である電源線で示されているように、バッテリBATは、ソーラーパネル30又は外部電源ACにより充電され、メイン制御部21等へ給電する。
【0029】
ソーラー充電回路23は、停電が発生していない通常時においては、バッテリBATの充電量を管理し、バッテリBATの充電量がフル充電容量となるようにソーラーパネル30からの供給電力で充電を行う。またソーラー充電回路23は、過充電や高放電の防止機能を有しているとともに、制御部に定期的又は非定期的にメイン制御部21にバッテリBATの充電量、例えば充電許容電圧(フル充電容量)に対する割合、例えば75%を通知する。ソーラー充電回路23は、メイン制御部21からの信号を受信して、外部電源ACよりもソーラーパネル30からの供給電力を優先してバッテリに充電する。ソーラー充電回路23は、日射量の増加と共にソーラーパネル30で発生する出力電圧が上昇し、その出力電圧がバッテリBATのフル充電容量に達したとき、バッテリBATの回路との接続を切り離してバッテリBATへの給電を停止させるかあるいはその回路の短絡によってバッテリBATへの給電を停止させる。一方、監視カメラ50及び通信部29等が稼働しており、これらの直流負荷によってバッテリBATの充電量は徐々に低下し、この充電量がソーラー充電回路23の基準値以下に達したとき、ソーラー充電回路23は、バッテリBATへの充電を再開してもよい。
【0030】
外部電源ACは、例えば交流100V等の商用電源であり、ソーラーパネルから得られる電流が少なくバッテリBATの充電状態が基準値より小さい場合に、外部電源ACからバッテリBATに充電されてもよい。
【0031】
AC/DC回路25は、交流100Vを直流に変換する回路である。またAC/DC回路25は、メイン制御部21からの信号を受信して、ソーラーパネル30からの供給電力が少なくバッテリBATの充電容量が基準値より小さくなった場合等に、バッテリBATを充電させる。特にバッテリBATの容量が大きい場合や、日照時間が長い地域の場合には、AC/DC回路25は必ずしも必要ない。また外部電源ACのインフラが整備されていない地域等には、AC/DC回路25は不要であり、バッテリBATにはソーラーパネル30からのみ充電されてもよい。
【0032】
フォトレジスタCDSは、外部の明るさの信号をメイン制御部21に送信する。メイン制御部21は、その信号に基づいて、外部が暗くなれば照明ユニット10を自動点灯させ、明るくなれば自動消灯させるための信号をLED調光部27に送信できる。フォトレジスタCDSがなくてもよいが、その際には基地局のサーバ300(図3を参照)からの時間指定データを受信することにより、メイン制御部21は、その時間指定データに基づいて照明ユニット10を自動点灯させる。
【0033】
動体物感知センサMDSは、赤外線及び超音波等により人間もしくは車両等の接近又は移動を感知し、その感知した感知信号をメイン制御部21に送信する。メイン制御部21は、その感知信号に基づいて、照明ユニット10がより明るくなるように調光する信号をLED調光部27に送信したりできる。またメイン制御部21は、感知信号に応じて、静止画像の撮影枚数を増やしたりする信号、もしくは静止画像から動画像へと変更したりする信号を監視カメラ50に送信できる。
【0034】
LED調光部27は、照明ユニット10の明るさを調光できる。メイン制御部21からの信号に基づいて、例えば、外部の明るさ、時間帯又はバッテリの残量に応じて、二段階、三段階、四段階等で調光することができる。
【0035】
記憶媒体28は、内蔵されるSSD、ハードディスクであってもよいし、着脱可能なSDカード等であってもよい。特に監視カメラ50が撮影したデジタル画像を記憶したり、マイクMICの集音を記録したりする。また記録媒体28は、後述する異常イベントの発生時に、異常イベントの発生を通知する端末CP(図3の)の電話番号もしくはメールアドレス等が登録されてもよい。
【0036】
通信部29は、クラウド又はオンプレミスなどの基地局サーバ300(図3を参照)とLoRaアンテナ60を使って通信する。通信部29は、さらにWiFi(登録商標)又はBluetooth(登録商標)、ZigBee、IrDA、RFID等の通信機能を有していても良い。照明ユニット10の照射状態などの信号を送信したりLED監視カメラ50が撮影した画像等を基地局のサーバ300に無線送信したりすることができる。また通信部29は、基地局のサーバ300からの指令信号などを受信してその指令信号をメイン制御部21に送信することもできる。
【0037】
監視カメラ50は、魚眼レンズ及びCCD等の光電変換素子を含むカメラモジュール52と演算モジュール54とを備えている。演算モジュール54は、魚眼レンズで撮影した静止画像もしくは動画像の平面展開、その平面展開された画像をJPEG、MXcodec等のフォーマットで画像圧縮できる。また演算モジュール54は、画像圧縮した画像データを記憶媒体28に記憶させることができる。また演算モジュール54は、Raspberry Pi及び並列処理マルチコアプロセッサーSynQuacerなどのコンピュータを組み込んでおり、AI(artificial intelligence)機能を備え、撮影したデジタル画像を分析、認識、セグメンテーションを、高速、高密度及び低消費電力で処理することが可能である。つまり、監視カメラ50は、撮影したデジタル画像を解析し、犯罪、交通事故、荷物の置きっぱなし等の異常イベントを検知することができる。なお、画像圧縮等のすべてを演算モジュール54で実行するのではなく、一部又は全部をメイン制御部21で担ってもよい。
【0038】
また、監視カメラ50は、後述するように、夜間に照明ユニット10が不充分な照明下で、撮影しなければならない状況がある。そのような場合でも、演算モジュール54は、AI機能を使って、デジタル画像に対してノイズ除去、ぼけ除去およびエッジ強調の技術で、低照度の下でも鮮明な画像を作成することができ、これら鮮明なデジタル画像が記録媒体28に記録されたり通信部29を介して送信されたりする。
【0039】
さらに、メイン制御部21に接続されたスピーカSPは、異常イベントを検知した際などに警報音を発したり、音声を発したりする。また、メイン制御部21に接続されたマイクMICは、動体物感知センサMDSが動体物を感知した際に又は監視カメラ50が異常イベントを検知した際に、音を集音する。図示していないが、街路灯用の照明器具100は、防犯上の設備として、監視カメラ50の画像に基づいて回転する防犯赤色灯等も備えても良い。
【0040】
<街路灯用の照明器具システムの構成>
以下、図3を使って、照明器具システムについて説明する。本実施形態では、基地局のサーバ300はLoRa通信で直接つながることができずWiFi通信でつながることを前提としている。
【0041】
図3に描かれるように、システムは、複数の照明器具100、LoRaゲートウェイ200、オンプレミス又はクラウドのサーバ300を含む。さらに利用者の有するスマートフォンもしくはパソコン等の端末CPを含んでも良い。LoRaゲートウェイ200は、LoRa通信260以外に、通信ケーブルで接続するためのLANポートやWiFi(登録商標)通信270を有していてもよい。LoRaゲートウェイ200は、特定のビルもしくは電柱などに配置される。複数の端末CP(CP-1、CP-2及びCP-3)は、4Gもしくは5Gの移動体通信、WiFi(登録商標)通信又はBluetooth(登録商標)ができる。
【0042】
複数の照明器具100(100-1から100-4)は、例えば20~500m間隔で配置されている。図3では、照明器具100-1、100-2及び100―3がLoRaアンテナ60を有し、通信部29としてLoRa通信ができるようになっている。
【0043】
このため、照明器具100-1、100-2及び100―3は、カメラ50が撮影したデジタル画像をLoRa通信で、LoRaゲートウェイ200を介して、基地局のサーバ300に送信することができる。また基地局のサーバ300からの指令は、LoRaゲートウェイ200を介して、照明器具100-1、100-2及び100―3に伝えられる。
【0044】
照明器具100-4は、LoRaアンテナ60及びWiFiアンテナ70を有し、通信部29としてLoRa通信及びWiFi通信ができるようになっている。このため照明器具100-4は、監視カメラ50が撮影したデジタル画像をWiFi通信で、基地局のサーバ300に送信することができる。また基地局のサーバ300からの指令は、WiFi通信で照明器具100-4に伝えられる。照明器具100-1、100-2及び100―3は、LoRaゲートウェイ200の代わりに、照明器具100-4を介して基地局のサーバ300と通信しても良い。
【0045】
いずれかの照明器具100のカメラ50が、異常イベントを検知した際には、登録済の端末CPに、WiFi通信で、基地局のサーバ300又は明器具100-4から緊急メール等が送信される。端末CPを利用している利用者は、異常イベントが発生したことを認知することができる。
【0046】
<照明ユニット10の点灯方法>
本実施形態の照明ユニット10の点灯方法について説明する。図4は、照明ユニット10の点灯方法に関するフローチャートである。
【0047】
実施形態では、照明器具100の照明ユニット10は2通りの点灯方法を有している。利用者は端末CPからウェブブラウザを起動し所定のサイトにアクセスする。そして利用者は、端末CPからID及びパスワード等を入れて基地局のサーバ300にアクセスし、複数の照明器具100のうちの一つ又は2以上の照明器具100を選択する(ステップS10)。
【0048】
利用者は、選択した照明器具100の照明ユニット10の設定ページにアクセスする。そして、利用者は明るさ点灯方法と時間点灯方法とのいずれか一方を選択できる(ステップS11)。
【0049】
また、明るさ点灯方法が選択された場合、サーバ300から照明器具100のメイン制御部21に明るさ点灯方法の指令が送信される。そしてメイン制御部21はフォトレジスタCDSからの信号に基づいて、照明ユニット10が光を照射する(ステップS12)。
【0050】
また、時間点灯方法が選択された場合、サーバ300から照明器具100のメイン制御部21に時間点灯方法の指令が送信される。時間点灯方法とは、設置場所に応じた日の入時刻から日の出時刻まで照明ユニット10が点灯する方法である。日の入時刻の30分前から日の出時刻の15分後まで、日の入時刻の20分後から日の出時刻の20分前まで等の設定も可能である。そしてメイン制御部21は日の入時刻及び日の出時刻に基づいて、照明ユニット10が光を照射する(ステップS13)。
【0051】
LED調光部27は、外部の明るさ、時間帯又はバッテリの充電容量(残量)に応じて、二段階、三段階、四段階等で照明ユニット10の明るさを調光することができる。外部の明るさの調光は、例えば外部の明るさが薄暗くなったとのフォトレジスタCDSからの信号に基づいて、照明ユニット10が最大輝度の50%で照明するように調光し、外部の明るさが真っ暗になったとのフォトレジスタCDSからの信号に基づいて、照明ユニット10が最大輝度の100%で照明する調光である。時間帯の調光は、例えば日の入り時刻から6時間は最大輝度の100%で照明し、その後の深夜帯は人通りが少なくなるとして40%で照明する調光である。バッテリの充電容量による調光は、例えばバッテリの充電容量が大であるとの信号に基づいて、照明ユニット10が最大輝度の90%で照明するように調光し、バッテリの充電容量が小であるとの信号に基づいて、照明ユニット10が最大輝度の30%で照明する調光である。
【0052】
<異常イベントの検知方法、異常イベントの通知方法>
図5は、第1の照明器具100-1が異常イベントを検知するフローチャートである。第1の照明器具100-1の監視カメラ50は、AI(artificial intelligence)機能を有しており、異常イベントを検知することができる。また図5は、第1の照明器具100が異常イベントを検知すると、その周辺に配置された第2の照明器具100-2にも異常イベントが発生したことを通知し、周辺の人々に異常イベントが発生したことを知らせるフローチャートである。
【0053】
第1の照明器具100-1を基準として例えば半径50mから100m以内が周辺の照明器具であると予め設定されていることが好ましい。このフローチャートの説明では、第1の照明器具100-1を基準とした周辺に、第2の照明器具100-2が配置されているとする。もちろん、第1の照明器具100-1を基準とした周辺に、複数の照明器具が配置されていると設定されてもよい。
【0054】
第1の照明器具100-1及び第2の照明器具100-2は、サーバ300(図3を参照)から監視カメラ50が異常イベントを解析するためAI用のデータを受信する。基地局となるオンプレミス又はクラウドのサーバ300は、複数の照明器具100からデジタル画像を受信しており、これらデジタル画像を学習させて異常イベントごとにクラス分けしたデータを作成する。これらクラス分けした代表的なデータが、サーバ300から直接又はLoRaゲートウェイ200を介して、第1の照明器具100-1及び第2の照明器具100-2に受信される(ステップS31)。
【0055】
第1の照明器具100-1及び第2の照明器具100-2の監視カメラ50は、それぞれに所定時間ごと及び所定の解像度で撮影している(ステップS32)。また撮影に並行して第1の照明器具100-1及び第2の照明器具100-2の動体物感知センサMDSは、動体物があれば動体物を感知する(ステップS33)。このフローチャートの説明では、第1の動体物感知センサMDSが動体物を感知して信号を出力しており、第2の照明器具100-2の動体物感知センサMDSは動体物を感知せず信号を出力しない。動体物を感知しなければ引き続き所定時間ごとの撮影を続ける。なお、第2の照明器具100-2の動体物を感知して信号を出力した場合のフローチャートは割愛する。
【0056】
監視カメラ50は、異常イベントごとにクラス分けしたデータと撮影したデータとを解析して、異常イベントが発生したかを検知する(ステップS34)。イベントが発生していなければ引き続き所定時間ごとの撮影を続ける。監視カメラ50は例えば、コンボリューショナル ニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)又はカプセルネットワーク(Capsule Network)等の手法により画像識別することによって、異常イベントが発生したかを検知する。監視カメラ50による検知には、動体物感知センサMDSによる動体物の感知の信号も使用することで、異常イベントの検知精度を向上させている。クラス分けされた異常イベントには、例えば泥棒・ひったくり、逆走運転や当て逃げ等を含む交通事故、火事、人の喧嘩、指名手配犯の発見、自然災害等が含まれる。
【0057】
第1の照明器具100-1監視カメラ50が異常イベントの発生を検知すると、その信号がメイン制御部21に送られ、第1の照明器具100-1のメイン制御部21は、周辺の照明器具に異常イベントが発生したことを通知する(ステップS35)。第2の照明器具100-2の動体物感知センサMDSは動体物を感知しておらず、また監視カメラ50も異常イベントを検知していない。しかし、数秒後もしくは数十秒後に、第2の照明器具100-2の周辺に、逆走運転の車もしくは泥棒が移動してくることがあり、事前に周囲の住人に知らせたり、事前に高解像度の画像や音などを収集できたりするようにしている。
【0058】
また第1の照明器具100-1のメイン制御部21は、照明ユニット10に対して、異常イベントが発生したことを周囲の住人等に認知さるため、フラッシュ点滅するように指令したり、スピーカSP(図2を参照)に対して音または音声を発するように指令したりしてもよい。さらにメイン制御部21は異常イベントの詳細を記録するため、マイクMIC(図2を参照)に対して集音を指令したり、監視カメラ50に対して高画質画像の撮影を指令したりしてもよい(ステップS36)。
【0059】
第2の照明器具100-2のメイン制御部21も同様に、照明ユニット10に対して、異常イベントが発生したことを周囲の住人等に認知さるため、フラッシュ点滅するように指令したり、スピーカSP(図2を参照)に対して音または音声を発するように指令したりしてもよい。さらにメイン制御部21は異常イベントの詳細を記録するため、マイクMIC(図2を参照)に対して集音を指令し、監視カメラ50に対して高画質画像の撮影を指令する(ステップS36)。
【0060】
また第1の照明器具100-1のメイン制御部21は、通信部20を介して、クラス分けされた異常イベントが発生した情報、例えば、“泥棒・ひったくり”、“交通事故”、“指名手配犯の発見”などクラス分けされた情報を、サーバ300及び登録された端末CPに送信するように指令する(ステップS37)。
【0061】
また第1の照明器具100-1のメイン制御部21は、通信部20を介して、監視カメラ50が撮影した高画質のデジタル画像を送信するように指令し。必要であればマイクMICが集音した音を送信するように指令する(ステップS38)。
【0062】
第2の照明器具100-2のメイン制御部21も同様に、通信部20を介して、監視カメラ50が撮影した高画質のデジタル画像を送信するように指令し。必要であればマイクMICが集音した音を送信するように指令する(ステップS38)。
【0063】
<バッテリの充電容量に基づく監視カメラの撮影方法>
(照明ユニットが点灯していない時間帯)
図6は、照明器具100の照明ユニット10が点灯していない昼間の時間帯に、バッテリの充電容量に基づいて、どのように監視カメラ50等が動作するかを説明したフローチャートである。
【0064】
実施形態において、メイン制御部21はバッテリBATのフル充電容量に対して3つの充電容量の基準値を有している。1つの基準値はフル充電容量に対して60%の基準値、2つの基準値はフル充電容量に対して30%の基準値、3つの基準値はフル充電容量に対して10%の基準値である。なお、外部電源ACのインフラが整備されている場合には、メイン制御部21からの指令に基づき、AC/DC回路25が外部電源ACからバッテリBATを充電するようにする。つまり、照明器具100が外部電源AC及びAC/DC回路25を備える場合には、バッテリBATの充電容量が30%を下回ることはなく、3つの基準値を有していなくてもよい。
【0065】
以下、照明器具100が外部電源AC及びAC/DC回路25を備えない場合を説明する。なお、図5で説明したステップS35及びS37の動作については、図6では説明を割愛する。
【0066】
バッテリBATのフル充電容量に対して60%以上の充電容量がある場合(ステップS100)、メイン制御部21は監視カメラ50に高画質撮影で1秒当たり3枚の撮影を指令する(ステップS101)。そしてメイン制御部21は、動体物感知センサMDSが動体物を感知した信号、且つ撮影した高画質の画像から監視カメラ50が異常イベントを検知した信号を待機している(ステップS102)。
【0067】
メイン制御部21が動体物の感知信号及び異常イベントの検知信号を受け取らない場合には、メイン制御部21は、通信部引き続き監視カメラ50が撮影している高画質撮影の画像を、通信部29に1秒当たり3枚の送信するように指令する(ステップS103)。なお、本実施形態では、LoRa通信を行っているため、通信速度と高画質画像とを両立させる最大送信枚数が4枚/秒である。本実施形態では、画像以外の情報データをLoRa通信で送信することを考慮して、最大送信枚数の送信をしていない。
【0068】
メイン制御部21が動体物の感知信号及び異常イベントの検知信号を受け取った場合には、何か異常イベントが発生していることを人に知らせるため、メイン制御部21は照明ユニット10に、所定時間例えば10秒から30秒、フラッシュ点滅するように指令する。本実施形態のフラッシュ点滅とは、例えば照明ユニット10が高輝度で行う0.1秒から0.2秒の点滅である。また照明器具100がスピーカSPを有している際には、メイン制御部21は音または音声を発するようにスピーカSPに指令する(ステップS104)。さらにメイン制御部21は高画質撮影で1秒当たり5枚の撮影、又は動画撮影を監視カメラ50に指令する(ステップS105)。また照明器具100がマイクMICを備える場合には、メイン制御部21はマイクMICの稼働を指令しても良い。撮影された高画質の画像又は動画は記憶媒体28に記憶される。さらにメイン制御部21は1秒当たり3枚で高画質の画像の送信を通信部29に指令する(ステップS106)。
【0069】
バッテリBATのフル充電容量に対して30%以上60%未満の充電容量がある場合(ステップS200)、メイン制御部21は低画質撮影で1秒当たり3枚の撮影を監視カメラ50に指令する(ステップS201)。そしてメイン制御部21は、動体物感知センサMDSが動体物を感知しない場合には(ステップS202)、低画質撮影の画像を1秒当たり3枚で送信するように通信部29に指令する(ステップS203)。
【0070】
メイン制御部21が動体物の感知信号受け取った場合(ステップS202)には、メイン制御部21は、所定時間例えば10秒から30秒、監視カメラ50に高画質撮影で1秒当たり3枚の撮影を指令する(ステップS204)。そしてメイン制御部21が異常イベントの検知信号を受け取らない場合には(ステップS205)、メイン制御部21は、所定時間、監視カメラ50が撮影している高画質撮影の画像を、1秒当たり3枚の送信するように通信部29に指令する(ステップS206)。
【0071】
メイン制御部21が異常イベントの検知信号を受け取った場合には(ステップS205)、メイン制御部21は照明ユニット10に、所定時間例えば10秒から30秒、フラッシュ点滅するように指令する。また照明器具100がスピーカSPを有している際には、メイン制御部21は音または音声を発するようにスピーカSPに指令する(ステップS207)。さらにメイン制御部21は高画質撮影で1秒当たり5枚の撮影、又は動画撮影を監視カメラ50に指令する(ステップS208)。撮影された高画質の画像又は動画は記憶媒体28に記憶される。さらにメイン制御部21は1秒当たり3枚で高画質の画像の送信を通信部29に指令する(ステップS209)。
【0072】
バッテリBATのフル充電容量に対して10%以上30%未満の充電容量がある場合(ステップS300)、メイン制御部21は低画質撮影で1秒当たり2枚の撮影を監視カメラ50に指令する(ステップS301)。そしてメイン制御部21は、動体物感知センサMDSが動体物を感知しない場合には(ステップS302)、低画質撮影の画像を1秒当たり1枚で送信するように通信部29に指令する(ステップS303)。少なくとも送られていない低画質の画像は記憶媒体28に記憶される。
【0073】
メイン制御部21が動体物の感知信号受け取った場合(ステップS302)には、メイン制御部21は、所定時間例えば10秒から30秒、監視カメラ50に高画質撮影で1秒当たり2枚の撮影を指令する(ステップS304)。そしてメイン制御部21が異常イベントの検知信号を受け取らない場合には(ステップS305)、メイン制御部21は、所定時間、監視カメラ50が撮影している高画質撮影の画像を、1秒当たり1枚の送信するように通信部29に指令する(ステップS306)。
【0074】
メイン制御部21が異常イベントの検知信号を受け取った場合には(ステップS305)、メイン制御部21は照明ユニット10に、所定時間例えば10秒から30秒、フラッシュ点滅するように指令し、またメイン制御部21は音または音声を発するようにスピーカSPに指令する(ステップS307)。さらにメイン制御部21は高画質撮影で1秒当たり3枚の撮影を監視カメラ50に指令する(ステップS308)。さらにメイン制御部21は1秒当たり3枚で高画質の画像の送信を通信部29に指令する(ステップS309)。バッテリBATのフル充電容量に対して30%以上60%未満の充電容量がある場合と比べて、撮影枚数や送信枚数を減らして電力消費を少なくするとともに、動体物の感知又は異常イベントの検知では、できるだけ情報を得ることができるようにしている。
【0075】
バッテリBATのフル充電容量に対して10%未満の充電容量がある場合(ステップS400)、メイン制御部21は低画質撮影で1秒当たり1枚の撮影を監視カメラ50に指令する(ステップS401)。そしてメイン制御部21は、動体物感知センサMDSが動体物を感知しない場合には(ステップS402)、低画質撮影の画像を送信せず低画質の画像は記憶媒体28に記憶される(ステップS403)。
【0076】
メイン制御部21が動体物の感知信号受け取った場合(ステップS402)には、メイン制御部21は、所定時間例えば10秒から30秒、監視カメラ50に高画質撮影で1秒当たり1枚の撮影を指令する(ステップS404)。そしてメイン制御部21が異常イベントの検知信号を受け取らない場合には(ステップS405)、高画質撮影の画像を送信せず高画質の画像は記憶媒体28に記憶される(ステップS406)。
【0077】
メイン制御部21が異常イベントの検知信号を受け取った場合には(ステップS405)、メイン制御部21は照明ユニット10に、所定時間例えば10秒から30秒、フラッシュ点滅するように指令し、またメイン制御部21は音または音声を発するようにスピーカSPに指令する(ステップS407)。さらにメイン制御部21は高画質撮影で1秒当たり1枚の撮影を監視カメラ50に指令する(ステップS408)。さらにメイン制御部21は1秒当たり1枚で高画質の画像の送信を通信部29に指令する(ステップS409)。撮影枚数や送信枚数を減らして電力消費を少なくするとともに、動体物の感知又は異常イベントの検知では、できるだけ情報を得ることができるようにしている。
【0078】
(照明ユニットが点灯している時間帯)
図7は、照明器具100の照明ユニット10が点灯している夜間の時間帯に、バッテリの充電容量に基づいて、どのように監視カメラ50等が動作するかを説明したフローチャートである。
【0079】
図4で説明したように、LED調光部27は、外部の明るさ、時間帯又はバッテリの充電容量に応じて、二段階、三段階、四段階等で照明ユニット10の明るさを調光することができる。図7のフローチャートにおいては、バッテリBATの充電容量に応じて照明ユニット10が三段階に調光される前提で説明する。
【0080】
実施形態において、メイン制御部21はバッテリBATのフル充電容量に対して3つの充電容量の基準値を有している。1つの基準値はフル充電容量に対して70%の基準値、2つの基準値はフル充電容量に対して40%の基準値、3つの基準値はフル充電容量に対して20%の基準値である。本実施形態では、照明ユニットが点灯していない時間帯と照明ユニットが点灯している時間帯とで、3つの基準値をそれぞれ変更している。昼間はソーラーパネル30による給電があること且つ夜間は照明ユニット10が電力消費することを考慮して、照明ユニットが点灯している時間帯の基準値を上げている。なお、図7の外部電源AC及びAC/DC回路25に関しては、図6で説明した動作と同じである。
【0081】
バッテリBATのフル充電容量に対して70%以上の充電容量がある場合(ステップS150)、メイン制御部21は最大輝度の100%から80%の高輝度で照明するようにLED調光部27に指令する(ステップS151)。その後のステップS152からステップS157までは、図6のステップS101からステップS106と同じである。動体物を感知したり異常イベントを検知したりした際には、高輝度照明又は高輝度の点滅照明のもとで監視カメラ50による高画質撮影される。
【0082】
バッテリBATのフル充電容量に対して40%以上70%未満の充電容量がある場合(ステップS250)、メイン制御部21は最大輝度の70%から40%の中輝度で照明するようにLED調光部27に指令する(ステップS251)。その後のステップS252からステップS254までは、図6のステップS201からステップS203と同じである。
【0083】
メイン制御部21が動体物の感知信号受け取った場合(ステップS253)には、メイン制御部21は、高輝度で照明するようにLED調光部27に指令する(ステップS255)。ステップS256からステップS261までは、図6のステップS204からステップS209と同じである。つまり動体物を感知したり異常イベントを検知したりした際には、高輝度照明又は高輝度の点滅照明のもとで監視カメラ50による高画質撮影される。
【0084】
バッテリBATのフル充電容量に対して20%以上40%未満の充電容量がある場合(ステップS350)、メイン制御部21は最大輝度の30%から10%の低輝度で照明するようにLED調光部27に指令する(ステップS351)。その後のステップS352からステップS354までは、図6のステップS301からステップS303と同じである。
【0085】
メイン制御部21が動体物の感知信号受け取った場合(ステップS353)には、メイン制御部21は中輝度で照明するようにLED調光部27に指令する(ステップS355)。ステップS356からステップS361までは、図6のステップS304からステップS309と同じである。動体物を感知した際は、中輝度照明のもとで監視カメラ50による高画質撮影される。異常イベントを検知したりした際には、高輝度の点滅照明のもとで監視カメラ50による高画質撮影される。
【0086】
バッテリBATのフル充電容量に対して20%未満の充電容量がある場合(ステップS450)、メイン制御部21は低輝度で照明するようにLED調光部27に指令する(ステップS451)。その後のステップS452からステップS454までは、図6のステップS401からステップS403と同じである。
【0087】
メイン制御部21が動体物の感知信号受け取った場合(ステップS453)には、メイン制御部21は、メイン制御部21は中輝度で照明するようにLED調光部27に指令する(ステップS455)。ステップS456からステップS461までは、図6のステップS404からステップS409と同じである。つまり動体物を感知した際は、中輝度照明のもとで監視カメラ50による高画質撮影される。異常イベントを検知したりした際には、高輝度の点滅照明のもとで監視カメラ50による高画質撮影される。
【符号の説明】
【0088】
10…照明ユニット
20…制御ユニット
21…メイン制御部、 23…ソーラー充電回路、 25…AC/DC充電回路、 27…LED調光部、 28…記録媒体、 29…通信部
30…ソーラーパネル、 50…監視カメラ、 54…演算モジュール、
60…LoRaアンテナ、 70…WiFiアンテナ
100…照明器具
200…LoRaゲートウェイ
300…サーバ
CDS…フォトレジスタ、 MDS…動体物感知センサ
CP…端末、 SP…スピーカ、 MIC…マイク、 BAT…バッテリ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7