(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】空気調和機の防カビ方法およびそれを用いた空気調和機
(51)【国際特許分類】
F24F 13/22 20060101AFI20220729BHJP
F24F 1/0067 20190101ALI20220729BHJP
F24F 1/008 20190101ALI20220729BHJP
F24F 11/62 20180101ALI20220729BHJP
F24F 11/83 20180101ALI20220729BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20220729BHJP
F24F 110/10 20180101ALN20220729BHJP
F24F 110/20 20180101ALN20220729BHJP
F24F 140/00 20180101ALN20220729BHJP
F24F 140/20 20180101ALN20220729BHJP
【FI】
F24F1/0007 361C
F24F1/0007 361D
F24F1/0067
F24F1/008
F24F11/62
F24F11/83
F24F11/89
F24F13/22 228
F24F110:10
F24F110:20
F24F140:00
F24F140:20
(21)【出願番号】P 2019045036
(22)【出願日】2019-03-12
(62)【分割の表示】P 2017036408の分割
【原出願日】2017-02-28
【審査請求日】2020-02-28
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】特許業務法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥野 大樹
【合議体】
【審判長】平城 俊雅
【審判官】西村 泰英
【審判官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-213795(JP,A)
【文献】特開2006-125801(JP,A)
【文献】特開2004-156817(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/00-11/89,13/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒の蒸発に伴う結露水で熱交換器の表面を濡らす工程と、
送風ファンの回転に応じて前記熱交換器に気流を送りながら、冷媒の凝縮に基づき前記熱交換器を加熱し、摂氏45度以上摂氏60度以下に前記熱交換器の温度を維持
し、前記結露水中で殺菌を実施する工程と、
を備えることを特徴とする空気調和機の防カビ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の防カビ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1および2は空気調和機を開示する。例えば日本では夏場の冷房運転時に室内熱交換器の表面に結露水が生成される。結露水はカビの繁殖の要因となる。カビは不快な臭いの原因となる。空気調和機の室内機ではカビの抑制が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-62000号公報
【文献】特開2016-65687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1および2に記載の空気調和機は、細菌やカビの繁殖を抑制するにあたって、冷房運転後に室内機の本体内を乾燥するため、熱交換器を加熱する。しかしながら、こうした乾燥のための加熱は細菌やカビの生育を抑制できても、細菌やカビを殺して数を減少させる、いわゆる殺菌には繋がらない。熱交換器が乾燥している状態では、温度を摂氏150度以上にしないと、細菌やカビを殺して数を減少させることはできない。一般には、空気調和機の熱交換器を乾燥させるための暖房運転時における熱交換器の温度は、摂氏40度程度に設定される。冷房運転が再度行われると、生育が抑制されていた細菌やカビが、再び繁殖する可能性が潜在していた。
【0005】
本発明は、熱交換器を加熱することで、細菌やカビを殺して数を減少させる、いわゆる殺菌を実現する空気調和機の防カビ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態は、結露水で熱交換器の表面を濡らす工程と、冷媒の凝縮に基づき熱交換器を加熱し、結露水を蒸発させずに熱交換器を加熱する工程とを備える空気調和機の防カビ方法(カビの防除方法)に関する。
【0007】
結露水とともに、細菌やカビは加熱される。湿度が高い状態で細菌やカビに熱を与えることで、乾燥状態での温度よりも低い温度で細菌を殺して数を減少させることができる(以下、「湿熱殺菌」と称する)。単に生育を抑制した状態よりも細菌やカビの数を少なくすることができるため、不快な臭いの発生は防止される。
【0008】
加熱時の前記熱交換器の温度は摂氏45度以上に設定されればよい。温度が摂氏45度以上に設定されると、結露水が摂氏45度以上に熱せられ、細菌やカビの殺菌が実現される。
【0009】
空気調和機の防カビ方法は、前記熱交換器の表面を濡らす際に前記熱交換器内で前記冷媒を蒸発させればよい。熱交換器の温度が下がり、効率的に熱交換器の表面に結露水が生成される。熱交換器の表面では十分な濡れが確保されることができる。
【0010】
空気調和機の防カビ方法は、前記熱交換器の加熱にあたって、前記熱交換器の前側体および後側体を相互に連結する連結体を設け、前記熱交換器から熱を伝え、前記連結体が設定温度に達するまで前記冷媒の凝縮を実施してもよい。こうして熱交換器では前側体および後側体を相互に連結する連結体が十分な設定温度まで加熱されるので、連結体の表面に生成される結露水とともに細菌やカビは十分に加熱され、湿熱殺菌が実施される。
【0011】
熱交換器を連結する連結体は、熱交換器の前側体および後側体の空隙を遮風するものである。連結体は、前記冷媒の蒸発により温度が下がった熱交換器の伝熱を受け、表面に結露水が発生する。連結体は遮風するものであるため、連結体の近傍は結露水が蒸発しにくい。連結体の近傍を乾燥させることが困難であった。湿熱殺菌を実施することで、空気が流通しにくい連結体近傍の細菌やカビを殺して数を減少させることができる。
【0012】
空気調和機の防カビ方法は、前記熱交換器の加熱にあたって、前記熱交換器に連結されて、前記熱交換器から落ちる結露水を受けるドレンパンを備え、前記ドレンパンに溜まった結露水に前記熱交換器から熱を伝え、前記ドレンパンに溜まった結露水が設定温度に達するまで前記凝縮を実施してもよい。こうしてドレンパンに溜まった結露水が十分な設定温度まで加熱されるので、ドレンパンに溜められる結露水とともに細菌やカビは十分に加熱され、湿熱殺菌が実施される。
【0013】
前記凝縮時に設定される圧縮機の過負荷条件は、暖房運転時に設定される前記圧縮機の過負荷条件に比べて緩和されてもよい。凝縮時には圧縮機の過負荷条件は緩和されるので、暖房運転時に比べて熱交換器は高い温度まで加熱されることができる。細菌やカビの湿熱殺菌は実現される。
【0014】
空気調和機の防カビ方法は、前記熱交換器の加熱時に送風ファンの回転を停止してもよい。結露水の蒸発は確実に抑制されることができる。
【0015】
本発明の他の形態は、熱交換器と、熱伝導材から成形されて、前記熱交換器の下方に配置されるドレンパンと、熱伝導材から成形されて前記熱交換器および前記ドレンパンに溜まった結露水にそれぞれ連結される伝熱部材とを備える空気調和機に関する。
【0016】
伝熱部材を通じて熱交換器からドレンパンに溜まった結露水に確実に熱は伝達される。したがって、冷媒の凝縮に基づき熱交換器が加熱されると、ドレンパンに溜まった結露水は確実に設定温度まで加熱される。ドレンパンに溜められる結露水は十分に加熱されることができる。加熱された結露水中で細菌やカビは殺菌される。こうして細菌やカビを殺して数を減少させることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように開示の方法によれば、従来よりも効果的な殺菌を実現する空気調和機の防カビ方法は提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の構成を概略的に示す概念図である。
【
図2】一実施形態に係る室内機の外観を概略的に示す斜視図である。
【
図3】室内機の本体の構成を概略的に示す斜視図である。
【
図4】室内機の構造を概略的に示す分解斜視図である。
【
図6】制御部の構成を概略的に示すブロック図である。
【
図7】防カビ処理動作を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
【0020】
(1)空気調和機の構成
図1は本発明の一実施形態に係る空気調和機11の構成を概略的に示す。空気調和機11は室内機12および室外機13を備える。室内機12は例えば建物内の室内空間に設置される。その他、室内機12は室内空間に相当する空間に設置されればよい。室内機12には室内熱交換器14が組み込まれる。室外機13には圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18が組み込まれる。室内熱交換器14、圧縮機15、室外熱交換器16、膨張弁17および四方弁18は冷凍回路19を形成する。室外機13は、室外空気との熱交換が可能な屋外に設置されればよい。
【0021】
冷凍回路19は第1循環経路21を備える。第1循環経路21は四方弁18の第1口18aおよび第2口18bを相互に結ぶ。第1循環経路21には圧縮機15が設けられている。圧縮機15の吸入管15aは四方弁18の第1口18aに冷媒配管を介して接続される。第1口18aからガス冷媒は圧縮機15の吸入管15aに供給される。圧縮機15は低圧のガス冷媒を所定の圧力まで圧縮する。圧縮機15の吐出管15bは四方弁18の第2口18bに冷媒配管を介して接続される。圧縮機15の吐出管15bからガス冷媒は四方弁18の第2口18bに供給される。冷媒配管は例えば銅管であればよい。
【0022】
冷凍回路19は第2循環経路22をさらに備える。第2循環経路22は四方弁18の第3口18cおよび第4口18dを相互に結ぶ。第2循環経路22には、第3口18c側から順番に室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14が組み込まれる。室外熱交換器16は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーを交換する。室内熱交換器14は、通過する冷媒と周囲の空気との間で熱エネルギーを交換する。
【0023】
室外機13には送風ファン23が組み込まれる。送風ファン23は室外熱交換器16に通風する。送風ファン23は例えば羽根車の回転に応じて気流を生成する。送風ファン23の働きで気流は室外熱交換器16を通り抜ける。室外の空気は室外熱交換器16を通り抜け冷媒と熱交換する。熱交換された冷気または暖気の気流は室外機13から吹き出される。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
【0024】
室内機12には送風ファン24が組み込まれる。送風ファン24は室内熱交換器14に通風する。送風ファン24は羽根車の回転に応じて気流を生成する。送風ファン24の働きで室内機12には室内空気が吸い込まれる。室内空気は室内熱交換器14を通り抜け冷媒と熱交換する。熱交換された冷気または暖気の気流は室内機12から吹き出される。通り抜ける気流の流量は羽根車の回転数に応じて調整される。
【0025】
室内機12には上下風向板25a、25bを備える。上下風向板25a、25bは、室内機12から吹き出される気流の向きを規定する。上下風向板25a、25bの構造の詳細は後述される。
【0026】
冷凍回路19で冷房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第3口18cを相互に接続し第1口18aおよび第4口18dを相互に接続する。したがって、圧縮機15の吐出管15bから高温高圧の冷媒が室外熱交換器16に供給される。冷媒は室外熱交換器16、膨張弁17および室内熱交換器14を順番に流通する。室外熱交換器16では冷媒から外気に放熱する。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室内熱交換器14で周囲の空気から吸熱する。冷気が生成される。冷気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。
【0027】
冷凍回路19で暖房運転が実施される場合には、四方弁18は第2口18bおよび第4口18dを相互に接続し第1口18aおよび第3口18cを相互に接続する。圧縮機15から高温高圧の冷媒が室内熱交換器14に供給される。冷媒は室内熱交換器14、膨張弁17および室外熱交換器16を順番に流通する。室内熱交換器14では冷媒から周囲の空気に放熱する。暖気が生成される。暖気は送風ファン24の働きで室内空間に吹き出される。膨張弁17で冷媒は低圧まで減圧される。減圧された冷媒は室外熱交換器16で周囲の空気から吸熱する。その後、冷媒は圧縮機15に戻る。
【0028】
空気調和機11は温度センサ26aおよび湿度センサ26bを備える。温度センサ26aは室内熱交換器14に接続される。温度センサ26aは室内熱交換器14の温度を計測する。温度センサ26aは、計測された温度の温度情報を含む温度信号を出力する。湿度センサ26bは室内機12内に設置される。湿度センサ26bは室内機12内の相対湿度を計測する。湿度センサ26bは、計測された湿度の湿度情報を含む湿度信号を出力する。
【0029】
空気調和機11は制御部27を備える。制御部27は、例えば室外機13に組み込まれる図示しない制御ボード上に形成される。制御部27には、個別の信号線で、室外機13内の四方弁18、膨張弁17および圧縮機15が電気的に接続される。同様に、制御部27には、個別の信号線で室内機12内の送風ファン24の駆動モータ、上下風向板25a、25bの駆動源、温度センサ26aおよび湿度センサ26bが電気的に接続される。制御部27は、温度センサ26aからの温度信号や湿度センサ26bからの湿度信号に基づき、室外機13内の四方弁18、膨張弁17および圧縮機15、並びに、室内機12内の送風ファン24の動作を制御する。そうした制御の結果、後述されるように、空気調和機11の冷房運転や暖房運転、防カビ処理動作は実現される。制御部27は、リモコンから室内機12に入力される操作信号に基づき冷房運転中や暖房運転中に送風ファン24の動作や上下風向板25a、25bの動作を制御して、冷気や暖気の風量や風向きを変えることができる。
【0030】
(2)室内機の構成
図2は一実施形態に係る室内機12の外観を概略的に示す。室内機12の本体(筐体)28aにはアウターパネル28bが覆い被さる。本体28aの下面には吹出口29が形成される。吹出口29は室内に向けて開口する。本体28aは例えば室内の壁面に固定されることができる。室内熱交換器14で冷気または暖気が生成され、冷気または暖気の気流は吹出口29から吹き出す。
【0031】
吹出口29には前後1対の上下風向板25a、25bが配置される。上下風向板25a、25bはそれぞれ本体の長手方向と平行な水平軸線32a、32b回りに回転することができる。回転に応じて上下風向板25a、25bは吹出口29を開閉する。上下風向板25a、25bの角度に応じて、吹き出される気流の方向は変えられる。
【0032】
図3に示されるように、本体28aには吸込口33が形成される。吸込口33は本体28aの正面および上面で開口する。室内の空気は吸込口33から本体28a内に取り込まれ、室内熱交換器14に向けて供給される。
【0033】
吸込口33には水平軸線32a、32bに平行な方向にエアフィルタアセンブリ34が並べられる。エアフィルタアセンブリ34はエアフィルタ35およびダストボックス36を備える。エアフィルタ35はダストボックス36に保持される。ダストボックス36は本体28aに着脱自在に取り付けられる。ダストボックス36が本体28aにセットされると、エアフィルタ35は吸込口33の全面にわたって配置される。
【0034】
ダストボックス36には前側のフィルタレール38が形成される。本体28aには前側のフィルタレール38の延長線上に対応して後側のフィルタレール39が形成される。フィルタレール38、39は水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿って延びる。エアフィルタ35の左右両端はスライド自在にフィルタレール38、39に保持される。エアフィルタ35は、後述する第2従動ギア52により駆動され、フィルタレール38、39に沿って移動する。
【0035】
図4に示されるように、本体28aには送風ファン24が回転自在に支持される。送風ファン24には例えばクロスフローファンが用いられる。送風ファン24は水平軸線32a、32bに平行な回転軸41回りで回転する。送風ファン24の回転軸41は本体28aの設置時の水平方向に延びる。送風ファン24は吹出口29に平行に配置される。送風ファン24には駆動源(図示されず)から回転軸41回りの駆動力が伝達される。駆動源は本体28aに支持される。送風ファン24の回転に応じて気流は室内熱交換器14を通過する。その結果、冷気または暖気の気流が生成される。冷気または暖気の気流は吹出口29から吹き出される。
【0036】
室内熱交換器14は前側体14aおよび後側体14bを備える。前側体14aは送風ファン24の前側から送風ファン24に向き合わせられる。後側体14bは送風ファン24の後側から送風ファン24に向き合わせられる。前側体14aおよび後側体14bは後述されるように上端で相互に連結される。前側体14aおよび後側体14bは冷媒管42aを有する。すなわち、冷媒管42aは、水平軸線32a、32bに平行に延び、本体28aの正面視左右端で折り返され、再び水平軸線32a、32bに平行に延び、再び本体28aの正面視左右端で折り返され、これらが繰り返される。冷媒管42aは第2循環経路22の一部を構成する。冷媒管42aには複数の放熱フィン42bが結合される。放熱フィン42bは水平軸線32a、32bに直交しつつ相互に平行に広がる。冷媒管42aおよび放熱フィン42bは例えば銅やアルミニウムといった金属材料から形成されることができる。冷媒管42aおよび放熱フィン42bを通じて冷媒と空気との間で熱交換が実現される。
【0037】
図4に示されるように、エアフィルタアセンブリ34はフィルタ清掃ユニット43を備える。ダストボックス36はフィルタ清掃ユニット43の1構成要素を担う。ダストボックス36は上ダストボックス45および下ダストボックス46を備える。上ダストボックス45はエアフィルタ35の前面側に配置される。上ダストボックス45はカバー47を有する。カバー47はボックス本体48の貯留空間49を開閉する。下ダストボックス46はエアフィルタ35の後面側に配置される。上ダストボックス45および下ダストボックス46はエアフィルタ35挟み込む。エアフィルタ35の清掃時、概ねエアフィルタ35の前面の塵埃は上ダストボックス45のボックス本体48に回収され、エアフィルタ35の後面の塵埃は下ダストボックス46に回収される。
【0038】
フィルタ清掃ユニット43は第1従動ギア51および第2従動ギア52を備える。第1従動ギア51は上ダストボックス45に支持される。第1従動ギア51は水平軸53回りで回転する。第1従動ギア51の歯は上ダストボックス45の外面から部分的に露出する。同様に、第2従動ギア52は下ダストボックス46に支持される。第2従動ギア52は水平軸54回りで回転する。第2従動ギア52は、下ダストボックス46の両端でエアフィルタ35を駆動する。第2従動ギア52の歯は下ダストボックス46の外面から部分的に露出する。エアフィルタアセンブリ34が本体28aにセットされると、第1従動ギア51は本体28aに搭載の第1駆動ギア(図示されず)に噛み合い、同様に第2従動ギア52は本体28aに搭載の第2駆動ギア(図示されず)に噛み合う。個々の駆動ギアには個別に電動モータといった駆動源(図示されず)が連結される。個々の駆動源から供給される駆動力に応じて第1従動ギア51および第2従動ギア52は個別に回転する。
【0039】
図5に示されるように、フィルタ清掃ユニット43は清掃ブラシ66を備える。清掃ブラシ66は上ダストボックス45内に収納される。清掃ブラシ66はブラシ台座67を備える。ブラシ台座67は第1従動ギア51からの駆動力により水平軸68回りに回転することができる。ブラシ毛69はブラシ台座67の筒面上に所定の中心角範囲にわたって配置される。ブラシ毛69の植毛範囲はブラシ台座67の軸方向にエアフィルタ35を横切る広がりを有する。清掃ブラシ66は所定の回転位置でブラシ毛69をエアフィルタ35に接触させ当該回転位置以外ではブラシ毛69をエアフィルタ35から離脱させる。ブラシ毛69がエアフィルタ35に接触する状態で水平軸線32a、32bに直交する垂直面に沿った方向にエアフィルタ35が移動すると、エアフィルタ35の前面に付着した塵埃はブラシ毛69に絡め取られることができる。
【0040】
フィルタ清掃ユニット43はブラシ受け71を備える。ブラシ受け71は下ダストボックス46内に収納される。ブラシ受け71は受け面72を有する。受け面72は清掃ブラシ66に向き合わせられる。ブラシ毛69がエアフィルタ35に接触する際に受け面72はブラシ毛69との間にエアフィルタ35を挟み込む。その他、受け面72にはブラシ毛が植毛されてもよい。
【0041】
室内熱交換器14は、前側体14aおよび後側体14bを相互に連結する連結体73を備える。連結体73は、前側体14aの上端および後側体14bの上端に結合される。連結体73は、例えば銅やアルミニウムといった熱伝導性の良い金属材料から成形される。前側体14aと連結体73との間には前側体14aから連結体73に熱を伝える第1伝熱部材74aが挟み込まれる。前側体14aと連結体73とは相互に密着し前側体14aと連結体73との間には高い熱伝達率が確立される。第1伝熱部材74aには、樹脂フィラーで多数の銅粒子や銀粒子を含有する伝熱性接着剤、伝熱性を有するはんだ材、伝熱性を有する溶接材が用いられればよい。こうして室内熱交換器14から連結体73には前側体14aから効率的に熱が伝わる。同様に、後側体14bと連結体73との間には後側体14bから連結体73に熱を伝える第2伝熱部材74bが挟み込まれる。後側体14bと連結体73とは相互に密着し後側体14bと連結体73との間には高い熱伝達率が確立される。第2伝熱部材74bは第1伝熱部材74aと同様な素材から形成される。こうして室内熱交換器14から連結体73には後側体14bから効率的に熱が伝わる。
【0042】
室内熱交換器14は、前側体14aの下方に下側体14a1を備える。前側体14aおよび下側体14a1の隙間を遮風する遮風体88を備える。遮風体88は、前側体14aの下端および下側体14a1の上端に結合される。遮風体88は、例えば銅やアルミニウムといった熱伝導性の良い金属材料から成形される。前側体14aと遮風体88、および下側体14a1と遮風体88とは、相互に接触している。前側体14aおよび下側体14a1から遮風体88に伝熱される。こうして室内熱交換器14から遮風体88に熱が伝わる。こうして遮風体88の風下に溜まった凝縮水に熱が伝わる。
【0043】
空気調和機11の室内機12は、室内熱交換器14の下方に配置されるドレンパンを備える。ドレンパンは、前側体14aの下方に配置される第1ドレンパン75aと、後側体14bの下方に配置される第2ドレンパン75bとを含む。第1ドレンパン75aは、送風ファン24の前方で本体28aに支持される。第2ドレンパン75bは、送風ファン24の後方で本体28aに支持される。第1ドレンパン75aおよび第2ドレンパン75bの一部には、熱伝導材により熱交換器の熱が伝熱されるようにしてもよい。前側体14aの表面に生成される結露水は重量の作用で第1ドレンパン75aに流れ落ちる。後側体14bの表面に生成される結露水は同様に重力の作用で第2ドレンパン75bに流れ落ちる。第1ドレンパン75aおよび第2ドレンパン75bは、それぞれ最下位置の排出口(図示されず)に向けて緩やかに傾斜する。個々の排出口には室外機13に繋がる配管が接続される。
【0044】
前側体14aと第1ドレンパン75aとの間には前側体14aから第1ドレンパン75aに溜まった結露水に熱を伝える第3伝熱部材76が挟み込まれる。第3伝熱部材76には、伝熱性を有する素材が用いられればよい。こうして室内熱交換器14から第1ドレンパン75aに溜まった結露水に熱が伝わる。
【0045】
前側体14aと第2ドレンパン75bとの間には後側体14bから第2ドレンパン75bに溜まった結露水に熱を伝える第4伝熱部材77が挟み込まれる。第4伝熱部材77には第3伝熱部材76と同様な素材が用いられる。こうして室内熱交換器14から第2ドレンパン75bに溜まった結露水に熱が伝わる。
【0046】
(3)制御系の構成
図6に示されるように、制御部27は、冷房運転の動作を管理する冷房運転部78と、暖房運転の動作を管理する暖房運転部79と、防カビ処理の動作を管理する防カビ処理部81とを備える。これら冷房運転部78、暖房運転部79および防カビ処理部81には弁切替制御部82、開度制御部83、圧縮機制御部84、送風ファン制御部85および風向制御部86が接続される。弁切替制御部82は四方弁18に接続される。弁切替制御部82は四方弁18に向けて制御信号を出力する。四方弁18は受信した制御信号に応じて第1位置および第2位置の間で切り替えられる。第1位置では四方弁18は第2口18bおよび第3口18cを相互に接続し第1口18aおよび第4口18dを相互に接続する。第2位置では四方弁18は第2口18bおよび第4口18dを相互に接続し第1口18aおよび第3口18cを相互に接続する。弁切替制御部82は、冷房運転部78、暖房運転部79または防カビ処理部81からの指示に応じて、第1位置または第2位置を特定する制御信号を生成する。
【0047】
開度制御部83は膨張弁17に接続される。開度制御部83は膨張弁17に向けて制御信号を出力する。膨張弁17の開度は受信した制御信号に応じて調整される。制御信号は膨張弁17の開度を特定する。室内熱交換器14の温度の設定にあたって、後述される圧縮機15の制御とともに膨張弁17の開度の調整は用いられる。開度制御部83は、冷房運転部78、暖房運転部79または防カビ処理部81からの指示に応じて、膨張弁17の開度を特定する制御信号を生成する。
【0048】
圧縮機制御部84は圧縮機15に接続される。圧縮機制御部84は圧縮機15に向けて制御信号を出力する。圧縮機15の動作は受信した制御信号に応じて制御される。制御信号は例えば圧縮機15の回転数を特定する。室内熱交換器14の温度の設定にあたって、膨張弁17の開度とともに圧縮機15の動作は調整される。圧縮機制御部84は、冷房運転部78、暖房運転部79または防カビ処理部81からの指示に応じて、圧縮機15の回転数を特定する制御信号を生成する。
【0049】
送風ファン制御部85は送風ファン23、24に接続される。送風ファン制御部85は送風ファン23、24に向けて制御信号を出力する。送風ファン23、24の回転は受信した制御信号に応じて制御される。制御信号は例えば送風ファン23、24の回転および静止を切り替える。送風ファン23、24の回転時には制御信号は送風ファン23、24の回転数を特定する。送風ファン23、24の回転に基づく風量に応じて、室内熱交換器14あるいは室外熱交換器16で交換される熱エネルギー量は調整される。送風ファン制御部85は、冷房運転部78、暖房運転部79または防カビ処理部81からの指示に応じて、動作の停止や送風ファン23、24の回転数を特定する制御信号を生成する。
【0050】
風向制御部86は上下風向板25a、25bに接続される。風向制御部86は上下風向板25a、25bに向けて制御信号を出力する。水平軸線32a、32b回りで上下風向板25a、25bの姿勢は受信した制御信号に応じて制御される。制御信号は例えば水平軸線32a、32b回りで上下風向板25a、25bの角度を特定する。最小角度で上下風向板25a、25bは吹出口33を閉じる。最大角度で上下風向板25a、25bは最大限に吹出口33を開放する。風向制御部86は、冷房運転部78、暖房運転部79または防カビ処理部81からの指示に応じて、上下風向板25a、25bの角度を特定する制御信号を生成する。
【0051】
冷房運転部78は、弁切替制御部82に指示して冷房運転を確立する。冷房運転部78は、冷房運転時の設定温度および風量に応じて開度制御部83および圧縮機制御部84に指示して膨張弁17の開度および圧縮機15の回転数を制御する。暖房運転部79は、弁切替制御部82に指示して暖房運転を確立する。暖房運転部79は、暖房運転時の設定温度および風量に応じて開度制御部83および圧縮機制御部84に指示して膨張弁17の開度および圧縮機15の回転数を制御する。
【0052】
防カビ処理部81には温度センサ26aおよび湿度センサ26bが接続される。温度センサ26aおよび湿度センサ26bは、空気調和機の冷房運転あるいは暖房運転に用いられるセンサと兼用されるものであってもよい。防カビ処理部81は、室内熱交換器14の温度および本体28a内の湿度に基づき、室内熱交換器14の表面に生成される結露水の水量を推定する。ここでは、防カビ処理部81は例えば温度センサ26aで検出される温度ごとの飽和水蒸気量および冷房運転の経過時間に基づき結露水の水量を推定すればよい。
【0053】
防カビ処理部81にはタイマー87が接続される。タイマー87は防カビ処理部81の指示に従って計時する。空気調和機の運転の継続時間や運転終了時からの経過時間が測定される。タイマー87は防カビ処理部81に向けて計時信号を出力する。計時信号は、計時された時間の値を特定する。防カビ処理部81は、計時された時間の値に応じて、弁切替制御部82の動作や開度制御部83の動作、圧縮機制御部84の動作を制御する。
【0054】
(4)防カビ処理動作
次に、空気調和機11で実施される防カビ処理動作を説明する。防カビ処理動作の実行にあたって制御部27の防カビ処理部81は作動する。防カビ処理動作は例えば冷房運転後に室内熱交換器14の温度および湿度に基づき実行されればよい。こうした防カビ処理動作の実行にあたって、防カビ処理部81には、冷房運転の終了を知らせる通知が冷房運転部78から供給される。
【0055】
図7に示されるように、防カビ処理部81は、冷房運転終了の通知を受け取ると、ステップS1で送風ファン24の回転を停止する。停止の実現にあたって防カビ処理部81は送風ファン制御部85に指令信号を供給する。指令信号は送風ファン24の停止を特定する。送風ファン24の静止は室内熱交換器14の表面から結露水が蒸発することを抑制する。このとき、四方弁18は冷房運転時の位置が維持される。
【0056】
なお、ステップS1で防カビ処理部81から供給される指令信号は、ファンの回転数を低くしたり、回転を間欠的にするものであってもよい。結露水の水量に応じて、適宜調整されればよい。
【0057】
防カビ処理部81はステップS2で、室内熱交換器14の表面に生成される結露水の水量から、室内熱交換器14の濡れ量を特定する。濡れ量の特定にあたって防カビ処理部81は温度信号および湿度信号から飽和水蒸気量を推定する。防カビ処理部81は、推定された飽和水蒸気量、および、タイマー87で計時された継続時間や経過時間の値から結露水の水量を特定する。一般に、冷房運転後には室内熱交換器14の温度は低く室内熱交換器14の表面に結露水は生成される。
【0058】
推定された濡れ量が予め定めた規定量に不足する場合には、防カビ処理部81はステップS3で室内熱交換器14を冷却する。室内熱交換器14の冷却にあたって防カビ処理部81は開度制御部83および圧縮機制御部84に指令信号を供給する。指令信号は、例えば、室内熱交換器14内で冷媒の蒸発温度を下げる膨張弁17および圧縮機15の動作を特定する。その結果、室内熱交換器14の温度が下がり、結露水の生成は促進される。室内熱交換器14の表面では十分な濡れが確保されることができる。濡れ量の予め定めた規定量とは、湿熱殺菌を行うために室内熱交換器14を加熱している間に、蒸発することで湿熱殺菌が行えなくならない水量に設定されればよい。
【0059】
推定された濡れ量が予め定めた規定量に達していれば、防カビ処理部81はステップS4で室内熱交換器14を加熱する。室内熱交換器14の加熱にあたって冷媒の凝縮が用いられる。このとき、防カビ処理部81は弁切替制御部82に指令信号を供給する。指令信号は四方弁18の切り替えを特定する。四方弁18は暖房運転時の位置に切り替えられる。ここでは、加熱時の室内熱交換器14の温度は摂氏45度以上に設定される。好ましくは、室内熱交換器14の温度は摂氏60度以上に設定される。こうして従来行っていた乾燥の動作を経ずに、室内熱交換器14の表面で結露水を蒸発させずに室内熱交換器14は加熱される。室内熱交換器14によって、結露水は加熱される。加熱された結露水中で細菌やカビは加熱される。したがって、細菌やカビは湿熱殺菌される。細菌やカビを殺して数を減少させることができる。
【0060】
特に、室内熱交換器14の温度が摂氏45度以上に設定されると、結露水が摂氏45度以上に熱せられ、効果的に細菌やカビの湿熱殺菌は実現される。さらに、室内熱交換器14の温度が摂氏60度以上に設定されると、さらに効果的に細菌やカビの湿熱殺菌は実現される。殺菌までの時間は短縮されることができる。ただし、結露水の蒸発をできる限り抑制したいことから、室内熱交換器14の温度は摂氏70度以下でできる限り低い温度に設定されることが望まれる。前記熱交換器が乾燥している状態では、温度が摂氏45度以上に設定されても、細菌やカビの殺菌には繋がらない。
【0061】
室内熱交換器14の加熱にあたって、室内熱交換器14の温度が60度を超えて過負荷条件とならないようにするために、膨張弁17の開度および、送風ファン23、24の回転は適宜調整されればよい。
【0062】
このとき、連結体73並びに第1ドレンパン75aおよび第2ドレンパン75bには室内熱交換器14から熱が伝わる。冷媒の凝縮は、連結体73並びに第1ドレンパン75aおよび第2ドレンパン75bが設定温度に達するまで実行される。連結体73並びに第1ドレンパン75aおよび第2ドレンパン75bの温度は、室内熱交換器14の温度上昇に遅れて追従する。温度センサ26aの検出した温度に基づき、室内熱交換器14が予め定めた時間より長く、所定の温度以上となった場合に、設定温度に達したと判断すればよい。加熱する箇所の温度を直接測定するために、連結体73に、連結体の温度を検出する図示しない連結体温度センサを設けても良い。同様に、第1ドレンパン75aおよび第2ドレンパン75bの加熱が行われる近傍に、図示しないドレンパン温度センサを設けても良い。こうして室内熱交換器14では連結体73が十分な設定温度まで加熱されるので、連結体73の表面に生成される結露水中で細菌やカビは十分に加熱され湿熱殺菌される。同様に、第1ドレンパン75aおよび第2ドレンパン75bが十分な設定温度まで加熱されるので、第1ドレンパン75aおよび第2ドレンパン75bに溜められる結露水中で細菌やカビは十分に加熱され湿熱殺菌される。
【0063】
ステップS5で防カビ処理部81は湿熱殺菌の完了を判断する。判断にあたって例えば防カビ処理部81はタイマー87の計時を用いる。タイマー87は、設定温度の持続時間を計測する。設定温度の持続時間が規定値に達すると、防カビ処理部81は湿熱殺菌を終了する。設定温度の持続時間が規定値未満であれば、防カビ処理部81は加熱の動作を継続する。設定温度の持続時間の規定値は、湿熱殺菌の効果が得られる時間以上であればよい。出願人の実験によれば、大腸菌であれば3分以上、黒カビであれば5分以上とすることで、湿熱殺菌の効果が得られることが分かっている。またレジオネラ菌であれば10分以上が望ましいことが分かっている。このとき、防カビ処理部81はステップS6で圧縮機15の動作を観視する。設定温度までの加熱にあたって圧縮機15の過負荷が検知されると、ステップS7で防カビ処理部81は圧縮機15の吐出温度を低下させ、加熱の動作を終了する。過負荷が検知されなければ、ステップS5で湿熱殺菌の完了が判断されるまで、加熱の動作は継続される。
【0064】
ここでは、凝縮時に設定される圧縮機15の過負荷条件は、暖房運転時に設定される圧縮機15の過負荷条件に比べて緩和される。つまり、過負荷条件のしきい値となる吐出温度が高く設定されたり、吐出温度が過負荷条件のしきい値を所定時間超えた際に過負荷保護動作となるまでの時間が長く設定されたりする。防カビ処理動作時には圧縮機15の過負荷条件は緩和されるので、暖房運転時に比べて室内熱交換器14は高い温度まで加熱されることができる。細菌やカビの湿熱殺菌は実現される。
【0065】
空気調和機11の防カビ処理動作では湿熱殺菌の処理に続いて本体28a内の乾燥処理が実施されてもよい。この乾燥処理では室内熱交換器14の加熱が維持されたまま、送風ファン24の回転が開始される。送風ファン24の回転動作にあたって防カビ処理部81は送風ファン制御部85に指令信号を供給する。指令信号は送風ファン24の回転数を特定する。送風ファン24の回転は加熱された結露水の蒸発を促進する。このとき、吹出口33は上下風向板25a、25bで閉じられてもよい。吹出口33の閉鎖にあたって防カビ処理部81は風向制御部86に向けて指令信号を供給する。指令信号は上下風向板25a、25bの最小角度を特定する。こうして冷房運転後の暖気の吹き出しは回避される。こうして湿熱殺菌の処理に引き続き乾燥加熱が継続されることで、湿熱殺菌で残存する細菌やカビの成長は抑制される。
【符号の説明】
【0066】
11…空気調和機、14…熱交換器(室内熱交換器)、14a…前側体、14b…後側体、15…圧縮機、24…(室内機の)送風ファン、73…連結体、75a…ドレンパン(第1ドレンパン)、75b…ドレンパン(第2ドレンパン)、76…伝熱部材(第3伝熱部材)、77…伝熱部材(第4伝熱部材)。