(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】磁気構造体を含むデバイス、システム、および方法
(51)【国際特許分類】
G01R 33/02 20060101AFI20220729BHJP
G01R 33/09 20060101ALI20220729BHJP
H01L 43/08 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
G01R33/02 V
G01R33/09
G01R33/02 W
H01L43/08 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019199980
(22)【出願日】2019-11-01
(62)【分割の表示】P 2016243308の分割
【原出願日】2016-12-15
【審査請求日】2019-11-07
(32)【優先日】2015-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515280067
【氏名又は名称】アナログ・デヴァイシズ・グローバル・アンリミテッド・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】アラン ジェイ. オドネル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート グジョル
(72)【発明者】
【氏名】マリア ホセ マルティネス
(72)【発明者】
【氏名】ジャン クビック
(72)【発明者】
【氏名】パドレイグ エル. フィッツジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ハビエル カルぺ マラビジャ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ピー. リンチ
(72)【発明者】
【氏名】オーエン エドワード イングリッシュ
【審査官】山崎 仁之
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-128842(JP,A)
【文献】特開2014-055976(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0103768(US,A1)
【文献】特開2015-121560(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 33/02
G01R 33/09
H01L 43/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気特性を有する材料からなる第1のパターン化層と、
前記第1のパターン化層に電気的に結合されている回路と、
基板と、
前記基板上に取り付けられているキャップと、
前記キャップの下で前記基板上に形成されている基板構造体と、を備え、
前記基板構造体が
、磁気特性を有する材料からなる第2のパターン化
層であり、
前記キャップが前記基板構造体を囲み、
前記第1のパターン化層が前記キャップの表面に物理的に結合されている、磁気デバイス。
【請求項2】
前記第1のパターン化層が、円形パターンと、正方形パターンと、長方形パターンと、螺旋形パターンとのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項3】
前記第1のパターン化層が、複数の同心リングと、複数の長方形パターンと、複数の線形パターンと、複数の弓形パターンと、複数のT形パターンと、複数のL形パターンとのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項4】
前記第1のパターン化層の材料が、該材料が受ける磁場に応じて変動する電気抵抗を有する磁気抵抗材料である、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項5】
前記第1のパターン化層の材料が、磁場を生成する磁気材料である、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項6】
前記第1のパターン化層の材料が、所定の閾値を上回る磁場に対する導磁性を有する磁束導体である、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項7】
前記基板が半導体基板である、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項8】
前記基板がガラスとセラミックとのうち少なくとも一つを含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項9】
前記第1のパターン化層が、前記第1のパターン化層についての磁場を表わす電気信号を出力し、前記回路が、該磁場を表わす電気信号を受信及び処理する、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項10】
前記回路が、
前記第1のパターン化層によって出力された電気信号を受信し、かつ増幅信号を出力するように、前記第1のパターン化層に結合されている増幅回路と、
前記増幅信号を受信し、かつデジタル信号を出力するように、前記増幅回路に結合されているアナログデジタル変換器と、
前記デジタル信号を受信するように、前記アナログデジタル変換器に結合されているプロセッサと、を含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項11】
前記回路が、
デジタル信号を生成するためのプロセッサと、
前記デジタル信号に基づいてアナログ信号を生成するように前記プロセッサに結合されているデジタルアナログ変換器と、
前記アナログ信号に基づいて駆動信号を生成し、かつ前記駆動信号に基づいて前記第1のパターン化層を電気的に駆動するように、デジタルアナログコントローラ及び前記第1のパターン化層に結合されているドライバ回路と、を含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項12】
前記第1のパターン化層によって出力された電気信号に応じて信号を通信するための送信要素を更に備える請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項13】
前記第1のパターン化層が磁気センサの少なくとも一部を形成する、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項14】
前記第1のパターン化層が、磁束をチャネリングすることと、磁束を集束することとのうちの少なくとも一つを行うための磁束集束器の少なくとも一部を形成する、請求項1に記載の磁気デバイス。
【請求項15】
前記回路が少なくとも一つの伝導性コイルを含む、請求項1に記載の磁気デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
多くの用途は、デバイス、例えば、集積回路、センサ、および微小機械デバイス等において、検知、作動、および通信等を行うために磁気構造体を利用する。かかるデバイスは、例えば、電子構造体のような他の要素の代わりにまたはそれに加えて、磁気構造体を含み得る。
【背景技術】
【0002】
しかしながら、磁気構造体を様々なデバイスに一体化するときに問題が生じる。特定の磁気特性を有する材料を製造すること、例えば、磁場を作り出すことまたは磁場に応じて変動する電気特性を有することは、典型的には、特定の要件、例えば、製造プロセスの間の温度または汚染物質に関連するようなものを伴う。これらの要件は、同じデバイスにおいて、他の材料、例えば、半導体、誘電体、および金属などの製造と矛盾すること、またはそれを過度に制限することが多い。
【0003】
磁気構造体を含むデバイスはまた、典型的には、例えば、磁場の経路に関連するような特定の動作上の調整も必要とし、それは、同じデバイスに含まれる他の要素の、例えば、他の電場、磁場、または電磁場に関連するような動作上の調整と矛盾すること、またはそれを過度に制限することがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、磁気構造体を改善された様態で一体化する磁気デバイス、システム、および対応する方法のための必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記載される技術のデバイス、システム、および方法は、いくつかの態様をそれぞれ有し、それらのただ1つも、その望ましい特性に単独で関与しない。特許請求の範囲を限定せずに、本開示のいくつかの顕著な特徴が、ここで簡潔に記載される。
【0006】
本開示の一態様は、選択された磁気特性を有する材料のパターン化層を含む磁気構造体と、磁気構造体に物理的に結合されたデバイス構造体と、磁気構造体に電気的に結合された回路と、を含む、磁気デバイスである。
【0007】
本開示の別の態様は、基板上に取り付けられたキャップと、基板上およびキャップの下の微小機械構造体と、キャップに対して垂直に配置された磁気構造体と、磁気特性を有する材料のパターン化層を含む磁気構造体と、磁気構造体に電気的に結合された回路と、を含む、磁気デバイスである。
【0008】
本開示の別の態様は、パターン化された磁気抵抗材料を含む磁気センサと、磁気センサに電気的に結合された回路と、磁気センサの方へ磁場の磁束をチャネリングするおよび/または集束するための磁束集束器であって、基板上のおよび磁気特性を有する磁気材料のパターン化層を備える、磁束集束器と、を含む、磁気デバイスである。
例えば、本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
選択された磁気特性を有する材料のパターン化層を含む磁気構造体と、
前記磁気構造体に物理的に結合されたデバイス構造体と、
前記磁気構造体に電気的に結合された回路と、を備える、磁気デバイス。
(項目2)
前記材料のパターン化層が、円形領域、正方形領域、長方形領域、または螺旋形領域のうちの少なくとも1つを含む成形部分を含む、上記項目に記載の磁気デバイス。
(項目3)
前記材料のパターン化層が、複数の同心リング、複数の長方形領域、複数の線形領域、複数の弓形領域、複数のT形領域、または複数のL形領域のうちの少なくとも1つを含む複数の成形部分を含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目4)
前記材料が、前記材料によって経験される磁場に応じて変動する電気抵抗を有する磁気抵抗材料である、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目5)
前記材料が、磁場を生成する磁気材料である、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目6)
前記材料が、所定の閾値を上回る磁場に対する導磁性を有する磁束導体である、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目7)
前記デバイス構造体が、前記磁気構造体の少なくとも一部分の周りに形成されたパッケージ開口を含み、前記構造体を前記パッケージの外部の環境に露出する、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目8)
基板を更に備え、前記デバイス構造体が、前記基板上に表面を含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目9)
前記基板が、半導体基板である、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目10)
前記基板が、少なくとも、ガラス基板またはセラミック基板製である、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目11)
基板を更に備え、前記デバイス構造体が、前記基板上に凹部を含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目12)
基板と、
前記基板上に取り付けられたキャップと、
前記キャップの下に前記基板上に形成された基板構造体と、を更に備え、
前記磁気構造体に物理的に結合された前記デバイス構造体が、前記キャップの表面を含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目13)
前記基板構造体が、微小機械構造体を含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目14)
前記磁気構造体が、前記微小機械構造体の移動に応答して電気信号を生成する、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目15)
前記磁気構造体の前記材料が、前記材料が基板上に形成されるその基板に対してある角度で表面を有する、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目16)
前記磁気構造体が、前記磁気構造体についての磁場を表わす電気信号を出力し、前記回路が、前記磁場を表わす前記電気信号を受信および処理する、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目17)
前記回路が、
前記磁気構造体によって出力された電気信号を受信し、かつ増幅信号を出力するように、前記磁気構造体に結合された増幅回路と、
前記増幅信号を受信し、かつデジタル信号を出力するように、前記増幅回路に結合されたアナログデジタル変換器と、
前記デジタル信号を受信するように、前記アナログデジタル回路に結合されたプロセッサと、を含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目18)
前記回路が、
デジタル信号を生成するためのプロセッサと、
前記デジタル信号に基づいてアナログ信号を生成するように前記プロセッサに結合されたデジタルアナログ変換器と、
前記アナログ信号に基づいて駆動信号を生成し、かつ前記駆動信号に基づいて前記磁気構造体を電気的に駆動するように、デジタルアナログコントローラおよび前記磁気構造体に結合されたドライバ回路と、を含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目19)
前記磁気構造体によって出力された電気信号に応じて信号を通信するための送信要素を更に備える、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目20)
前記磁気構造体が、磁気センサの少なくとも一部を形成する、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目21)
前記磁気構造体が、磁束をチャネリングすることまたは集束することのうちの少なくとも1つを行うための磁束集束器の少なくとも一部を形成する、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目22)
前記磁束集束器が、第1の磁束表面積を有する材料の第1のパターン化層と、第2の磁束表面積を有する磁気材料の第2のパターン化層と、を含み、前記第2の磁束面積が、前記第1の磁束面積とは異なる、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目23)
前記磁気構造体が、磁気遮蔽を形成する材料の第1のパターン化層と、磁気センサを形成する材料の第2のパターン化層と、を含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目24)
前記磁気構造体が、微小機械構造体の少なくとも一部を形成する、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目25)
第2の材料によって分離された前記材料のパターン化層の複数の部分を含む複合層を更に備える、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目26)
複数の基板を更に備え、前記デバイス構造体が、前記複数の基板を通って延在する開口を含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目27)
前記回路が、少なくとも1つの伝導性コイルを含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目28)
流体チャネルを更に備え、前記磁気構造体が、前記流体チャネルの周りに形成される、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目29)
基板上に取り付けられたキャップと、
前記基板上および前記キャップの下の微小機械構造体と、
前記キャップに対して垂直に配置された磁気構造体であって、磁気特性を有する材料のパターン化層を含む、磁気構造体と、
前記磁気構造体に電気的に結合された回路と、を備える、磁気デバイス。
(項目30)
前記磁気構造体が前記キャップの下方にあり、前記微小機械構造体が、前記磁気構造体を含む磁気スイッチを備える、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目31)
前記微小機械構造体の下にパターン化された第2の層材料を含む第2の磁気構造体を更に備える、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目32)
前記磁気構造体が、前記キャップの上方および前記キャップの表面上にある、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目33)
前記磁気構造体を前記回路に電気的に接続するための伝導性配線を更に備え、前記回路が、前記基板内にある、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目34)
前記キャップの前記表面上に伝導性コイルを更に備える、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目35)
前記磁気構造体に実質的に直交する方向に延在する磁束集束器を更に備える、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目36)
パターン化された磁気抵抗材料を含む磁気センサと、
前記磁気センサに電気的に結合された回路と、
前記磁気センサの方へ磁場の磁束をチャネリングするおよび/または集束するための磁束集束器であって、基板上におよび磁気特性を有する磁気材料のパターン化層を備える、磁束集束器と、を備える、磁気デバイス。
(項目37)
前記磁束集束器が、前記パターン化層に隣接した磁気材料の第2のパターン化層を備え、前記第2のパターン化層の前記磁気材料が、前記パターン化層の前記磁気材料とは異なる磁束表面積を有する、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目38)
前記第2のパターン化層の前記磁気材料が、前記基板上にあり、前記パターン化層の前記磁気材料とは異なる前記基板からの高さまで延在する、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目39)
前記第2のパターン化層の前記磁気材料が、前記基板内の凹部の表面上にある、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目40)
前記基板上にキャップを更に備え、前記磁気センサが、前記キャップ上にある、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(項目41)
前記磁気センサが、異方性磁気抵抗センサを含む、上記項目のいずれか一項に記載の磁気デバイス。
(摘要)
磁気デバイスは、磁気構造体、デバイス構造体、および関連する回路を含み得る。磁気構造体は、所定の磁気特性を有する材料のパターン化層を含み得る。パターン化層は、例えば、磁場を提供する、磁場を検知する、磁束をチャネリングするもしくは集束する、磁場からの成分を遮蔽すること、または磁気的に作動される動きを提供すること等を行うように構成され得る。デバイス構造体は、例えば、磁気構造体を構造体的に支持する、磁気構造体の動作を可能にする、または他の場合では、磁気構造体を磁気デバイスに組み込む等のために、磁気構造体に物理的に接続されている、またはその磁気構造体に対して配設されているデバイスの別の構造体であってもよい。関連する回路は、磁気デバイスの信号の受信、提供、調整、または処理のために磁気構造体に電気的に接続され得る。
【0009】
本発明の特徴が理解され得るように、多数の図面が以下に説明される。しかしながら、添付図面は、発明の特定の実施形態のみを例示し、本発明は他の同様に効果的な実施形態を包含し得るので、したがって、その範囲を限定するものとして考慮されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、磁気デバイスのある実施形態を描写する概略図である。
【
図2】
図2(a)~2(k)は、選択された磁気特性を有する材料のパターン化層の実施形態を描写する上面図である。
図2(a)は、十字形状を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(b)は、円形状を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(c)は、正方形または長方形形状を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(d)は、互いに向き合って配設された部分のサブセットを伴うパターンに配設された部分を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(e)は、アレイに配設された部分を有するパターン化層の実施形態であって、それらの間に特徴的な間隔を有する、実施形態を描写する。
図2(f)は、同心リングを形成する複数の別個の部分を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(g)は、位置合わせした中心を伴って長方形形状の輪郭を描くストライプを形成する複数の別個の部分を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(h)は、リングの輪郭を描くように配設された複数の別個の弓形セグメントを有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(i)は、正方形または長方形の輪郭を描くように配設された複数のセグメントを有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(j)は、前後の経路に従う単一の一体型セグメントを形成するように共に接続された複数の線形部分を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(k)は、螺旋形状を有するパターン化層の実施形態を描写する。
【
図3】
図3(a)~3(c)は、材料のパターン化層の実施形態を描写する断面側面図である。
図3(a)は、形状を画定する平面に平行な軸に沿う層の形状を画定する平面に垂直な方向に実質的に一定の高さを有するパターン化層の実施形態を描写する。
図3(b)は、実質的にゼロから所定の高さまで変動する高さを有するパターン化層の実施形態を描写する。
図3(c)は、第1の所定の高さから第2の所定の高さまで変動する高さを有するパターン化層の実施形態を描写する。
【
図4】
図4(a)~4(d)は、材料のパターン化層を含む複合層の実施形態を描写する斜視図および断面側面図である。
図4(a)は、材料の別の層との一体型の様態で形成された材料のパターン化層の実施形態の斜視図を描写する。
図4(b)は、
図4(a)の実施形態の断面図を描写する。
図4(c)は、複合層の別の実施形態の断面上面図を描写する。
図4(d)は、複合層の別の実施形態の断面側面図を描写する。
【
図5】
図5(a)~5(d)は、選択された磁気特性を有する材料のパターン化層の実施形態を描写する断面側面図である。
図5(a)は、複数の突出部および凹部を伴う上面を有する材料の層の断面図を描写する。
図5(b)では、パターン化層の突出部が、材料の第2の層の上面の上に露出された部分を含み得る。
図5(c)では、パターン化層の突出部および材料の第2の層の上面が、実質的に同じ高さに位置し得る。
図5(d)では、材料の第2の層が、パターン化層の突出部を完全に囲み得る。
【
図6】
図6(a)~6(d)は、材料のパターン化層の実施形態を描写する上面図である。
図6(a)は、二次元アレイに配設された複数の別個の部分であって、それぞれが同じ方向に位置合わせした磁極軸を有する、複数の別個の部分を含むパターン化層の実施形態を描写する。
図6(b)は、第1の複数の別個の部分および第2の複数の別個の部分を含むパターン化層の実施形態を描写する。
図6(c)は、第1の複数の別個の部分および第2の複数の別個の部分を含むパターン化層の別の実施形態を描写する。
図6(d)は、第1および第2の複数の別個の部分ならびに第3および第4の別個の部分を含むパターン化層の実施形態を描写する。
【
図7】
図7は、基板をベースとした磁気デバイスとして磁気デバイスの実施形態を描写する概略図である。
【
図8】
図8(a)~8(d)は、基板上に磁気構造体を形成するための製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する斜視図である。
図8(a)および8(b)は、能動回路を伴わない1つ以上の領域と、能動回路を伴うまたは能動回路が計画される1つ以上の領域と、を含む基板が提供された後の、磁気デバイスを製作する方法の第1の段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。
図8(c)および8(d)は、材料のパターン化層が、能動回路を伴わない1つ以上の領域内に基板上に形成されている、製作方法の第2の段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。
【
図9】
図9(a)~9(c)は、ウェハ上に磁気構造体を形成するための製作段階における半導体ウェハの実施形態を描写する下面図である。
図9(a)は、複数の集積回路または他の基板デバイスが、処理後に半導体ウェハから最終的に分離され得る、半導体ウェハの下面図の実施形態を描写する。
図9(b)は、選択された磁気特性を有する材料の層が、実質的にウェハの裏面全体にわたって形成された後の製作段階における
図9(a)のウェハの下面図の実施形態を描写する。
図9(c)は、その層が、ウェハの裏側にパターン化層形状を形成するようにパターン化された後の更なる製作段階における
図9(a)および9(b)のウェハの下面図の実施形態を描写する。
【
図10】
図10(a)~10(b)は、磁気構造体の実施形態を描写する斜視図である。
図10(a)は、別個の構造体として形成されたパターン化層の実施形態を描写する。
図10(b)は、別個の構造体として対応する基板上に形成されたパターン化層の実施形態を描写する。
【
図11】
図11は、基板上の磁気構造体の実施形態を描写する斜視図である。
【
図12】
図12は、磁気構造体および伝導性コイルの実施形態を描写する上面図である。
【
図13】
図13は、基板上に磁気構造体および伝導性コイルを含む磁気デバイスの実施形態を描写する斜視図である。
【
図14】
図14(a)~14(d)は、基板上に磁気構造体および伝導性コイルを含む磁気デバイスの実施形態の上面、側面、および下面図を描写する。
図14(a)は、磁気デバイスの上面図を描写し、基板の第1の側の層として形成された伝導性コイルを示す。
図14(b)は、磁気デバイスの側面断面図を描写する。
図14(c)は、磁気デバイスの下面図を描写する。
図14(d)は、
図14(a)~14(c)のものに類似する磁気デバイスの別の実施形態の側面断面図を描写する。
【
図15】
図15は、基板上の磁気構造体の実施形態の斜視図を描写する。
【
図16】
図16(a)~16(c)は、基板上に磁気構造体を形成するための製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する断面側面図である。
図16(a)は、基板が提供された後の、方法の第1の段階における磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。
図16(b)は、パターン化層が基板上に形成された後の、方法の第2の段階における磁気デバイスの断面側面図を描写する。
図16(c)は、開口がパターン化層および基板を通って形成された後の、方法の第3の段階における磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。
【
図17】
図17(a)~17(b)は、基板上に磁束集束器および磁気センサを含む磁気デバイスの実施形態を描写する上面図および断面側面図である。
図17(a)は、磁束集束器を提供するように構成された磁気デバイスの実施形態の上面図を描写する。
図17(b)は、
図17(a)に示される軸に沿って取られた磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。
【
図18】
図18(a)~18(b)は、基板上に磁束集束器および磁気センサを含む磁気デバイスの実施形態を描写する上面図および断面側面図である。
【
図19】
図19は、磁気センサのある実施形態を描写する回路概略図である。
【
図20】
図20(a)~20(e)は、基板上に磁気遮蔽を有する磁気センサを含む磁気デバイスの実施形態を描写する断面側面図および上面図である。
図20(a)は、磁気センサを実現するために使用され得る磁気構造体の断面側面図を描写する。
図20(b)は、
図20(a)の磁気センサの実施形態の断面上面図を描写し、第2のパターン化層の実施形態の更なる詳細を示す。
図20(c)は、
図20(a)の磁気センサの実施形態の断面上面図を描写し、第1のパターン化層の実施形態の更なる詳細を示す。
図20(d)は、磁気センサの別の実施形態の断面側面図を描写する。
図20(e)は、磁気センサの第2のパターン化層の別の実施形態の上面図を描写する。
図20(f)は、磁気センサの第1のパターン化層の別の実施形態の上面図を描写する。
【
図21】
図21は、複数の積み重ねられた磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する側面図である。
【
図22】
図22(a)~22(d)は、基板上の1つ以上の凹部内に磁気構造体を形成するための製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する斜視図である。
図22(a)は、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。
図22(b)は、第1の製作段階における磁気デバイスの別の実施形態を描写する。
図22(c)は、第2の製作段階における
図22(a)の磁気デバイスの実施形態を描写する。
図22(d)は、第2の製作段階における
図22(b)の磁気デバイスの実施形態を描写する。
【
図23】
図23(a)~23(d)は、基板上の複数の凹部をコーティングする磁気構造体を形成するための製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する断面側面図である。
図23(a)は、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。
図23(b)は、第2の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。
図23(c)は、第2の製作段階における磁気デバイスの別の実施形態を描写する。
図23(d)は、第2の製作段階における磁気デバイスの別の実施形態を描写する。
【
図24】
図24(a)~24(i)は、基板上の1つ以上の凹部内およびその周りに磁気構造体ならびに伝導性配線を形成するための製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する斜視図である。
図24(a)は、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(b)は、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(c)は、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(d)は、第2の製作段階における
図24(a)の磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(e)は、第2の製作段階における
図24(b)の磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(f)は、第2の製作段階における
図24(c)の磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(g)は、第3の製作段階における
図24(a)および
図24(d)の磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(h)は、第3の製作段階における
図24(b)および
図24(e)の磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(i)は、第3の製作段階における
図24(c)および
図24(f)の磁気デバイスの実施形態を描写する。
【
図25】
図25(a)~25(d)は、基板上の凹部内およびその周りに磁気構造体を形成するための製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する断面側面図である。
図25(a)は、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態の上面図を描写する。
図25(b)は、第1の製作段階における
図25(a)の磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。
図25(c)は、第2の製作段階における
図25(a)の磁気デバイスの上面図を描写する。
図25(d)は、第2の製作段階における
図25(b)の磁気デバイスの断面側面図を描写する。
【
図26】
図26(a)~26(d)は、基板上の凹部内およびその周りに磁気構造体を形成するための製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する断面側面図である。
図26(a)は、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態の上面図を描写する。
図26(b)は、第1の製作段階における
図26(a)の磁気デバイスの断面側面図を描写する。
図26(c)は、第2の製作段階における
図26(a)および
図26(b)の磁気デバイスの側面断面図を描写する。
図26(d)は、第3の製作段階における
図26(a)~26(c)の磁気デバイスの側面断面図を描写する。
【
図27】
図27(a)~27(c)は、基板の異なる高さ上の磁気構造体の実施形態を描写する断面上面図および側面図である。
図27(a)は、リングの輪郭を描くように配設された複数の別個の弓形セグメントを有するパターン化層を含む磁気デバイスの実施形態の上面図を描写する。
図27(b)は、セグメントの第1のサブセットを通過する第1の軸に沿って取られた
図27(a)の磁気デバイスの断面側面図を描写する。
図27(c)は、セグメントの第2のサブセットを通過する第2の軸に沿って取られた
図27(a)の磁気デバイスの断面側面図を描写する。
【
図28】
図28(a)~28(b)は、基板上の凹部内およびその周りに磁束集束器ならびに磁気センサを含む磁気デバイスの実施形態を描写する断面側面図である。
図28(a)は、
図17(a)の磁束集束器デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。
図28(b)は、
図17(a)の磁気デバイスの別の実施形態の断面側面図を描写する。
【
図29】
図29は、基板の裏側上の凹部内の磁気構造体の実施形態を描写する断面側面図である。
【
図30】
図30(a)~30(b)は、それぞれ、基板上の凹部の傾斜壁上に形成された磁気構造体の実施形態を描写する断面側面図および上面図である。
【
図31】
図31(a)~31(b)は、それぞれ、基板上の凹部の複数の傾斜壁上に形成された磁気構造体の実施形態を描写する断面側面図および上面図である。
【
図32】
図32は、基板上の複数の凹部の傾斜壁上に形成された磁気構造体の実施形態を描写する上面図である。
【
図33】
図33(a)~33(d)は、基板上のキャップ上に磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する斜視図および断面側面図である。
図33(a)は、磁気デバイスの実施形態の斜視図を描写する。
図33(b)は、
図33(a)の磁気デバイスの断面側面図を描写する。
図33(c)は、
図33(a)および
図33(b)の実施形態に類似する磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。
図33(d)は、
図33(a)および
図33(b)の実施形態に類似する磁気デバイスの別の実施形態の断面側面図を描写する。
【
図34】
図34(a)~34(b)は、それぞれ、基板上のキャップ上およびその周りに磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する斜視図および断面側面図である。
【
図35】
図35は、基板上のキャップ上に磁気構造体およびコイルを含む磁気デバイスの実施形態を描写する斜視図である。
【
図36】
図36(a)~36(b)は、基板上のキャップ内、その上、およびその周りに磁気センサおよび磁束集束器を含む磁気デバイスの実施形態の断面側面図である。
図36(a)は、基板上に取り付けられたキャップ内およびその周りに磁束集束器を形成する第1の磁気構造体ならびに1つ以上の磁気センサを形成する1つ以上の第2の磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する。
図36(b)は、
図36(a)の実施形態に類似する磁気デバイスの別の実施形態を描写する。
【
図37】
図37(a)~37(c)は、微小機械構造体の少なくとも一部を含む磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態の断面側面図である。
図37(a)は、基板から吊るされた微小機械ビームを形成するパターン化層を有する磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する。
図37(b)は、磁気デバイスの別の実施形態を描写するが、パターン化層が微小機械デバイスの一部分のみを形成し得る。
図37(c)は、
図37(a)に描写される実施形態に類似する磁気デバイスの別の実施形態を描写する。
【
図38】
図38(a)~38(b)は、複数の微小機械構造体の少なくとも一部を含む磁気構造体の実施形態を描写する上面図である。
図38(a)は、複数の微小機械構造体を含む磁気構造体の実施形態を描写する上面図である。
図38(b)は、複数の微小機械構造体を含む磁気構造体の別の実施形態を描写する上面図である。
【
図39】
図39(a)~39(b)は、それぞれ、微小機械構造体の少なくとも一部を含む磁気構造体の実施形態の上面図および側面図である。
【
図40】
図40は、複数の微小機械構造体の少なくとも一部を含む磁気構造体の実施形態を描写する上面図である。
【
図41】
図41(a)~41(b)は、微小機械構造体の少なくとも一部を含む磁気構造体の実施形態の断面側面図である。
図41(a)は、微小機械構造体の少なくとも一部を含む磁気構造体の実施形態の断面側面図である。
図41(b)は、微小機械構造体の少なくとも一部を含む磁気構造体の別の実施形態の断面側面図である。
【
図42】
図42(a)~42(c)は、微小機械構造体上に形成された磁気構造体の実施形態の断面側面図である。
図42(a)は、パターン化層が凹部を部分的に充填する実施形態の断面側面図である。
図42(b)は、パターン化層が凹部を全体的に充填する実施形態の断面側面図である。
図42(c)は、パターン化層が凹部から溢れ出る実施形態の断面側面図である。
【
図43】
図43(a)~43(b)は、それぞれ、微小機械構造体上に形成された磁気構造体の実施形態の上面図および下面図である。
【
図44】
図44(a)~44(c)は、微小機械構造体上に形成された磁気構造体の実施形態の断面側面図である。
図44(a)は、静止した状態にある回転可能なプラットフォーム上の磁気構造体の断面図である。
図44(b)は、第1の軸の周りに回転される回転可能体上の磁気構造体の断面側面図である。
図44(c)は、第2の軸の周りに回転される回転可能なプラットフォーム上の磁気構造体の断面側面図である。
【
図45】
図45は、パッケージ化された磁気デバイスとして磁気デバイスの実施形態を描写する概略図である。
【
図46】
図46は、パッケージ化された磁気デバイスの実施形態を描写する断面側面図である。
【
図47】
図47(a)~47(c)は、パッケージ化された磁気デバイスの実施形態を描写する断面側面図である。
図47(a)は、パッケージ化された磁気デバイスの別の実施形態の断面図を描写する。
図47(b)は、
図47(a)に示されるものに類似するパッケージ化された磁気デバイスの実施形態の断面図を描写する。
図47(c)は、
図47(a)に示されるものに類似するパッケージ化された磁気デバイスの実施形態の断面図を描写する。
【
図48】
図48は、磁気モジュールとして磁気デバイスの実施形態を描写する概略図である。
【
図49】
図49(a)~49(d)は、磁気モジュールの実施形態を描写する斜視図および断面側面図である。
図49(a)は、モジュールの実施形態の斜視図を描写する。
図49(b)は、
図49(a)に示されるモジュールの断面側面図を描写する。
図49(c)および49(d)は、
図49(a)および49(b)に示されるものに類似する磁気モジュールの実施形態の断面側面図を描写する。
【
図50】
図50(a)~50(b)は、それぞれ、複数の基板の開口に位置合わせした磁気構造体の分解斜視図および側面図である。
【
図51】
図51(a)~51(d)は、複数の基板の開口内に位置合わせした磁気構造体を含む磁気モジュールの実施形態を描写する斜視図および断面側面図である。磁気構造体はまた、モジュールの1つ以上の開口と物理的に位置合わせされ得る。
図51(a)および51(b)は、それぞれ、磁気モジュールの実施形態の斜視図および断面側面図を描写する。
図51(c)は、
図51(b)に描写される実施形態に類似する磁気モジュールの別の実施形態を描写する断面側面図である。
図51(d)は、
図51(a)および51(b)に描写される実施形態に類似する磁気モジュールの別の実施形態を描写する斜視図である。
【
図52】
図52(a)~52(c)は、流体チャネルの周りに形成された磁気構造体および流体チャネルの周りに形成された磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する断面側面図である。
図52(a)では、パターン化層が、永久磁場を作り出す硬磁性材料を含み得る。
図52(b)は、例えば、
図52(a)に示されるようなマイクロ流体チャネルおよび磁気構造体と伝導性コイルとを含む磁気デバイスの一部分の別の実施形態を描写する断面側面図である。
図52(c)は、多層構造体における1つ以上の層として、例えば、
図52(a)および52(b)に示されるようなマイクロ流体および磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する。
【
図53】
図53は、磁気システムとしてまたはその一部として磁気デバイスの実施形態を描写する概略図である。
【
図54】
図54(a)~54(b)は、それぞれ、磁気構造体の実施形態を描写する分解斜視図および非分解斜視図である。
【
図55】
図55(a)~55(b)は、それぞれ、磁気構造体の実施形態を描写する分解斜視図および非分解斜視図である。
【
図56】
図56は、磁気構造体および磁気構造体からの信号を受信して処理するための回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【
図57】
図57は、磁気構造体および電気信号を生成して磁気構造体に提供するための回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【
図58】
図58は、電気信号を生成して伝導性コイルに提供するための回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【
図59】
図59は、磁気構造体および磁気構造体からの電気信号に基づいて信号を送信するための回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【
図60】
図60は、磁気センサおよび磁気センサによって検知される磁場を表わす出力を提供する増幅回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【
図61】
図61は、磁気センサおよび磁気センサによって検知される磁場を表わす出力を提供する増幅回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【
図62】
図62は、磁気センサおよび磁気センサによって検知される磁場を表わす出力を提供する増幅回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【
図63】
図63は、磁気センサおよび磁気センサによって検知される磁場を表わす出力を提供する増幅回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【
図64】
図64は、磁気センサおよび磁気センサによって検知される磁場を表わす出力を提供する増幅回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【
図65】
図65は、磁気センサおよび磁気センサを駆動するために使用され得るドライバ回路の実施形態を描写する回路概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
磁気デバイスの実施形態は、改善されたデバイス領域の利用、製造可能性、信頼性、性能、または費用のうちの1つ以上を提供するために改善された様態で磁気構造体を組み込み得る。磁気デバイスは、磁気構造体、別のデバイス構造体、および関連する回路を含み得る。
【0012】
磁気構造体は、磁気デバイスの環境と磁気的に相互作用し得る。磁気構造体は、磁場を生成すること、または磁場に対して応答性であることなどの選択された磁気特を有する材料の層を含み得る。その層は、選択された形状を有する1つ以上の別個の層部分を提供するようにパターン化され得、選択された磁気特性を提供するように他の層と組み合わされ得る。磁気構造体は、例えば、磁気の検知、磁束のチャネリング、磁束の集束、磁気の遮蔽、磁気的に作動される動き等の機能を提供し得る。
【0013】
デバイス構造体は、例えば、磁気構造体を構造体的に支持するために、磁気構造体の動作を可能にするために、または磁気構造体を磁気デバイスにより有利に一体化するために、所定の様態で、磁気構造体に物理的に接続されるあるいはそれに対して配設されるデバイスの別の構造体であってもよい。デバイス構造体は、例えば、基板、基板上の層、基板内の凹部もしくは開口、または基板上のキャップ等を含んでもよい。デバイス構造体はまた、任意選択的に、磁気構造体および/または磁気デバイスの環境と相互作用してもよい。例えば、デバイス構造体は、磁場を生成するために伝導性コイルを含んでもよい。デバイス構造体はまた、パッケージおよびモジュール要素を含んでもよい。
【0014】
関連する回路が、例えば、磁気デバイスの信号の受信、提供、調整、または処理などの機能を提供するために磁気構造体および他のデバイス構造体のうちの一方または両方に電気的に接続されてもよい。回路は、増幅回路、アナログデジタル変換器、デジタルアナログ変換器、ドライバ回路、プロセッサ、コントローラ等のうちの1つ以上を含み得る。回路は、同じ基板上の磁気構造体と一体化されてもよく、または別の基板上に設けられてもよい。回路はまた、例えば、パッケージ化されたデバイスまたはモジュールなどのデバイス内に別個の構成要素として提供されてもよい。
【0015】
図1は、改善されたデバイス領域の利用、製造可能性、信頼性、性能、または費用のうちの1つ以上を提供するために改善された様態で磁気構造体24を組み込む磁気デバイス20の実施形態を描写する。磁気デバイス20は、磁気構造体24、別のデバイス構造体28、および関連する回路32を含み得る。磁気構造体24は、磁気デバイス20の環境と磁気的に相互作用25し得る。デバイス構造体28は、所定の様態で、磁気構造体24に物理的に接続されるまたはそれに対して配設されるデバイス20の別の構造体であり得る。デバイス構造体28はまた、任意選択的に、磁気デバイス20の環境と相互作用29してもよい。関連する回路32が、1つ以上の機能、例えば、信号の提供、受信、調整、または処理などを提供するために磁気構造体24および他のデバイス構造体28のうちの一方または両方に電気的に接続27、31され得る。回路32はまた、データを磁気デバイスから受信するまたは磁気デバイスに提供するために磁気デバイスの外部に電気的に接続33され得る。
【0016】
磁気構造体は、例えば、磁場の生成または磁場に対する応答の生成などの選択された磁気特性を有する材料の層を含み得る。
【0017】
例えば、その材料は、一時的または永久磁場を生成し得る。一時的磁場を生成する材料は、軟磁性材料として称され得、永久磁場を生成する材料は、硬磁性材料として称され得る。軟磁性材料は、例えば、強磁性材料、フェリ磁性材料等を含み得る。強磁性材料は、例えば、鉄、ニッケル、コバルト、ガドリニウム等を含み得る。フェリ磁性材料は、例えば、マンガン、銅、ニッケル、鉄等のフェライトを含み得る。硬磁性材料は、アルニコ、SmCo、NdFeB等を含み得る。
【0018】
その材料は、磁場に対する選択された導磁性、例えば、所定の閾値を上回る導磁性などを有し得る。磁場に対する選択された導磁性、例えば、所定の閾値を上回る導磁性などを有する磁気材料は、軟磁性材料等を含み得る。
【0019】
材料は、その材料によって経験される磁場に応じて変動する電気特性を有することによって磁場に対する応答を生成し得る。かかる材料は、磁場に応じて変動する電気抵抗を有する磁気抵抗材料を含み得る。磁気抵抗材料は、例えば、異方性磁気抵抗材料、巨大磁気抵抗材料等を含み得る。異方性磁気抵抗材料は、例えば、ニッケル鉄等を含み得る。巨大磁気抵抗材料は、例えば、ペロブスカイト型マンガン酸化物等を含み得る。磁気抵抗材料の1つ以上の層はまた、複合磁気抵抗構造体を形成するように他の材料の1つ以上の層と共に配設されてもよい。かかる複合磁気抵抗構造体は、例えば、巨大磁気抵抗構造体、トンネル磁気抵抗構造体等を含み得る。
【0020】
本明細書に記述される磁気デバイスの実施形態のいずれかの磁気構造体は、本明細書に記述される磁気特性のいずれか、例えば、数ある特性の中でも、本明細書に記述されるような磁場の生成または磁場に対する応答の生成のいずれかなどを有する材料を含み得る。いくつかの実施形態では、磁気デバイスが、一定の選択された磁気特性を有する材料を具体的に利用することによって選択された機能を提供し得る。
【0021】
材料の層は、磁気構造体の特定の磁気特性を提供するために、層に外周部、境界、または形状を付与するようにパターン化され得る。特定の磁気特性は、特定の空間的方向または配向に沿って磁場を生成するまたはそれに応答する能力を含み得る。
【0022】
図2(a)~2(k)は、選択された外周部、境界、または形状を提供するようにパターン化された層の上面図を描写する。
図2(a)~2(c)は、それぞれ、十字形状、円形、および、正方形または長方形形状40、44、48を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(d)~2(e)は、あるパターンまたはアレイに、例えば、
図2(d)のように互いに向いて配設された部分のサブセットを伴って、または
図2(e)のようにそれらの間に特徴的な間隔を有するアレイなどに配設された、複数の別個の長方形、正方形、または線形部分52を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(f)~2(g)は、
図2(f)のように同心リング60を形成する複数の別個の部分、または
図2(g)のように中心が位置合わせされた長方形もしくは正方形形状の輪郭を描くストライプ部64を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(g)~2(h)は、
図2(g)のようにリングの輪郭を描くように配設された複数の別個の弓形セグメント68、あるいは
図2(h)のように正方形もしくは長方形の輪郭を描くように配設された複数のLまたはT形セグメント72を有するパターン化層の実施形態を描写する。
図2(j)は、前後の経路に従う単一の一体型セグメントを形成するように共に接続された複数の線形部分76を有するパターン化層のある実施形態を描写する。
図2(k)は、螺旋形状80を有するパターン化層のある実施形態を描写する。
【0023】
パターン化層の更なる実施形態は、1つ以上の層部分の他の配設を含んでもよい。材料のパターン化層は、
図2(a)~2(k)に描写される例示的な形状または他の形状のいずれかのうちの複数の配設を含んでもよい。例えば、パターン化層は、一次元または二次元での形状の実例間の特徴的な周期的間隔を有する一次元または二次元アレイに配設された複数の形状を含んでもよい。更なる実施形態は、
図2(f)~2(g)における形状の単一のリングまたはストライプ部のみ、異なる配設にある
図2(h)~2(i)に示される1つ以上の弓形、T形状、もしくはL形セクション、または異なる経路に従うように接続された
図2(e)および2(j)におけるものに類似する複数の線形もしくは他のセグメントを含んでもよい。
【0024】
材料のパターン化層はまた、層の外周部、境界、または形状が画定される平面に垂直な選択された高さ特徴を有し得る。選択された高さ特徴は、磁気構造体の特定の磁気特性、例えば、特定の空間的方向もしくは配向に沿って磁場を生成するまたはそれに応答する能力などを提供し得る。
【0025】
図3(a)~3(c)は、層の外周部、境界、または形状が画定される平面に垂直な選択された高さ特徴を有するパターン化層の実施形態の断面側面図を描写する。描写された断面は、層の外周部、境界、または形状が画定される平面に平行な軸に沿って、例えば、
図2(c)および2(e)に描写されるA-AもしくはB-B軸に沿って、または
図2(a)~2(k)の形状の平面における他の方向にある他の軸などに沿って取られたパターン化層の断片を表わし得る。
図3(a)は、形状を画定する平面に平行な軸82に沿う層の形状を画定する平面に垂直な方向に実質的に一定の高さ81を有するパターン化層のある実施形態を描写する。実質的に一定の高さは、軸に沿ってパターン化層の実質的に一定の磁気特性を提供し得る。
【0026】
図3(b)~3(c)は、形状を画定する平面に平行な軸に沿って変動する層の形状を画定する平面に垂直な方向に高さを有するパターン化層の実施形態を描写する。
図3(b)では、パターン化層が、実質的にゼロから所定の高さ83まで変動する高さを有し得、
図3(c)では、パターン化層が、第1の所定の高さ86から、第1の所定の高さとは異なる第2の所定の高さ87まで変動する高さを有し得る。パターン化層の高さはまた、軸85、89に沿う距離の選択された関数に従って変動し得る。
図3(b)~3(c)では、高さが、軸85、89に沿う距離の線形関数として変動し得る。他の実施形態では、高さが、軸85、89に沿う距離の他の関数、例えば、非線形関数、階段関数等に従って変動してもよい。変動する高さは、それに対応して、軸に沿うパターン化層の変動する磁気特性を提供し得る。例えば、変動する高さの実施形態は、軸に沿って対象の位置検出または電流検知を提供するように、軸に沿って磁場を生成するまたはそれに応答するために使用されてもよい。
【0027】
材料のパターン化層は、複合層を形成するように1つ以上の他の層との一体型の様態で形成されてもよい。
図4(a)~4(b)は、それぞれ、材料の別の層との一体型の様態で形成された材料のパターン化層の実施形態の斜視図および断面側面図を描写する。材料のパターン化層は、他の材料88が磁気層の別個の部分84間の空間を占有するように、他の材料88内に埋め込まれた複数の別個の部分84を含み得る。材料のパターン化層は、任意選択的に、複合層の第1の表面または境界において露出された第1の組の表面92、および複合層内の他の材料88によって覆われた第2の組の表面96を含んでもよい。材料88の他の層は、選択された磁気特性を有する材料または別の種類の材料であってもよい。
【0028】
複合層は、特定の磁気、電気、または構造体的特性を提供し得る。第2の材料88がまた選択された磁気特性を有する材料である実施形態では、第2の材料88が、複合層の特定の磁気特性を提供するために材料のパターン化層84の磁気特性を変え得、例えば、増大し得、減少し得、または他の場合には設定し得る。第2の材料88が別の種類の材料である実施形態では、第2の材料88がまた、複合層の特定の磁気特性を提供するために材料のパターン化層84の磁気特性を変え得るか、代替的に、構造体的または電気的特性を複合層に提供し得る。
【0029】
パターン化層の埋め込まれた部分はまた、選択された断面積を有し得る。
図4(a)~4(b)では、埋め込まれた部分が、丸いまたは半円形断面積を有し得る。他の実施形態では、埋め込まれた部分が、他の断面積、例えば、正方形、長方形、または台形断面積等のうちの1つ以上を有し得る。
【0030】
埋め込まれた部分の断面積はまた、軸に沿う選択された不変性を有し得る。
図4(a)~4(b)では、埋め込まれた部分は、それらの部分が位置合わせされた長手方向軸94に沿って実質的に一定の断面積を有し得る。
図4(c)は、埋め込まれた部分が、所定の様態で、例えば、線形様態などで、長手方向軸97に沿って変化する幅95を有する断面積を有し得る、複合層の別の実施形態の断面上面図を描写する。
図4(d)は、埋め込まれた部分が、所定の様態で、例えば、線形様態などで、長手方向軸101に沿って変化する高さ99を有する断面積を有し得る、複合層の別の実施形態の断面側面図を描写する。
【0031】
選択された磁気特性を有する材料の層は、選択された形態を有する表面を含み得る。選択された形態は、特定の磁気、電気、または構造体的特性を層に提供し得る。
図5(a)は、複数の突出部104および凹部108を備える上面100を有する材料の層102の断面図を描写する。複数の突出部104が、複数の凹部108であり得るような、それらの間の特徴的な周期的間隔を有するアレイに、形成され得る。突出部104および凹部108は、互いに交互配置され得る。選択された形態を有する材料の層がまた、上述したように、複合層を形成するように1つ以上の追加的な層との一体型の様態で形成されてもよい。
図5(b)~5(d)は、材料の別の層との一体型の様態で形成された選択された形態を有する材料のパターン化層の断面図を描写する。
図5(b)では、パターン化層102の突出部104が、材料の第2の層118の上面120より上方に露出される部分116を含み得る。
図5(c)では、パターン化層102の突出部104および材料の第2の層124の上面128が、実質的に同じ高さに位置し得る。
図5(d)では、材料の第2の層132が、パターン化層の突出部104を完全に囲み得る。
【0032】
選択された磁気特性を有する材料の層は、特定の磁気特性を提供するために選択された構成に従って位置合わせした磁気極性を有する複数の別個の部分を含み得る。
図6(a)~6(d)は、位置合わせした磁気極性を有する複数の別個の部分を含むパターン化層の実施形態の上面図を描写する。
図6(a)は、二次元アレイに配設された複数の別個の部分136であって、それぞれが、同じ方向に位置合わせした磁極軸を有する、別個の部分136含むパターン化層の実施形態を描写する。
図6(b)~6(c)は、同じ第1の方向に位置合わせした磁極軸をそれぞれ有する、アレイに配設された第1の複数の別個の部分140、148、および同じ第2の方向に位置合わせした磁極軸をそれぞれ有する、同様にアレイに配設された第2の複数の別個の部分144、152を含むパターン化層の実施形態であって、第1および第2の方向が互いに垂直である、実施形態を描写する。
図6(d)は、第1および第2の垂直方向にそれぞれ位置合わせした磁極軸を有する第1および第2の複数の別個の部分156、160、ならびに第3および第4の垂直方向にそれぞれ位置合わせした磁極軸を有する第3および第4の別個の部分164、168を含むパターン化層の実施形態を描写する。
【0033】
本明細書に記述される磁気デバイスの実施形態のいずれかの磁気構造体は、数ある特性の中でも、本明細書に記述されるパターン化層の特性のいずれか、例えば、
図2~6およびそれらの様々なサブ図面(すなわち、(a)、(b)等)のいずれかに関して記述されるパターン化層の特性のいずれかなどを有するパターン化層を含み得る。
【0034】
磁気構造体は、磁気構造体を構造体的に支持すること、磁気構造体の動作を可能にすること、または他の場合では磁気構造体を磁気デバイスに一体化することのうちの1つ以上のような所定の様態で、磁気デバイスの別の構造体に対するその物理的接続または配設を通して部分的に磁気デバイスに組み込まれてもよい。
【0035】
磁気構造体は、基板の構造体に対して接続または配設され得る。
図7は、基板の構造体に対して接続または配設されている磁気構造体を有する基板をベースとした磁気デバイスとして磁気デバイス161の実施形態を描写する。磁気デバイス161は、1つ以上の基板167、磁気構造体163、および関連する回路169を含み得る。
【0036】
基板は、1つ以上の基板構造体165、例えば、表面、凹部、側面等のうちの1つ以上などを含み得る。磁気構造体は、所定の様態で1つ以上の基板構造体に対して物理的に接続または配設され得る。
【0037】
磁気デバイスはまた、任意選択的に、1つ以上の他の構造体171、例えば、コイル、キャップ、微小機械構造体、アンテナ等を含んでもよい。磁気構造体は、所定の様態で、物理的に他の構造体に接続され得るかまたはそれに対して配設され得る。
【0038】
回路は、磁気構造体または他のデバイス構造体の信号の提供、受信、調整、または処理等のために、磁気構造体および他のデバイス構造体のうちの一方または両方に電気的に接続され得る。回路はまた、例えば、磁気デバイスの構成要素を制御するためにデータを受信すること、例えば、磁気構造体における磁場を設定するもしくは変えるための磁場を提供することなど、または、磁気デバイスの構成要素からデータを送信すること、例えば、磁気構造体によって生成された電気信号に基づいてデータを送信することなどのうちの1つ以上などのように、磁気デバイスの外部の電気信号を提供または受信し得る。
【0039】
基板は、半導体を含み得る。例えば、基板は、集積回路を製造するために利用されるような半導体基板であってもよい。いくつかのかかる実施形態では、磁気デバイスが、集積回路の一部であってもよい。基板は、代替的にまたは加えて、他の種類の材料、例えば、絶縁体、ガラス、セラミック等のうちの1つ以上などを含んでもよい。例えば、基板は、例えば、絶縁体上シリコンの回路を製造するために利用されるような絶縁体、例えば、表示部および他のデバイスを製造するために利用されるようなガラス、または例えば、ハイブリッド回路を製造するために利用されるようなセラミックを含み得る。
【0040】
磁気デバイスは、その上またはその周りに磁気構造体および回路が形成される単一基板を含んでもよい。例えば、一実施形態では、磁気デバイスが、磁気構造体および関連する回路の両方を含む単一集積回路であってもよい。代替的に、磁気デバイスは、2つ以上の基板を含んでもよい。例えば、磁気デバイスは、その上またはその周りに磁気構造体が形成される第1の基板167a、およびその上またはその周りに回路が形成される第2の基板167bを含んでもよい。
【0041】
本明細書に記述される磁気デバイスの実施形態のいずれかは、本明細書に記述される基板の実施形態のいずれかに従う1つ以上の基板を含み得る。
【0042】
磁気構造体は、基板上に形成され得る他の回路に関して所定の様態で基板上に形成された選択された磁気特性を有する材料のパターン化層を含み得る。実施形態では、パターン化層が、能動回路を伴わずに基板の1つ以上の領域上に形成されてもよい。
図8(a)~8(b)は、能動回路を伴わない1つ以上の領域176、178、および能動回路を伴わないまたはそれのために能動回路が計画される1つ以上の領域180、182を含む基板172、174が提供された後の、磁気デバイスを製作する方法の第1の段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。能動回路は、電動集積回路デバイス、例えば、トランジスタなどを含み得る。能動回路を伴わない1つ以上の領域176、178は、材料のパターン化層の形状と同じ形状を有し得るか、またはそれを包含し得る。基板172、174は、例えば、基板の上部上の層を除去すること、または他の場合では、材料のパターン化層をより効果的に受信するように領域を調整することなどによって、能動回路を伴わない1つ以上の領域176、178を生成するように処理され得る。
図8(c)~8(d)は、材料のパターン化層186、188が、能動回路を伴わない1つ以上の領域において
図8(a)~8(b)における基板上に形成された、製作の方法の第2の段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。層186、188は、上述したように様々な形状を呈し得る。層186、188は、能動回路の材料との磁気材料の相互汚染を防ぐまたは削減するために、別個の処理装置において、または両方とも、能動回路と別個の時間に、能動回路を伴わない領域内に形成され得る。
【0043】
他の実施形態では、パターン化層が、基板上で能動回路と同じ領域内に形成されてもよい。例えば、パターン化層は、基板上に形成された能動回路を含有する1つ以上の層の上または下の層として形成されてもよい。
【0044】
パターン化層はまた、基板の裏側に形成されてもよい。基板の裏側は、能動回路を含んでもよい。パターン化層は、複数の集積回路または他の基板デバイスのために同時に基板ウェハの裏側に形成されてもよい。
図9(a)は、複数の集積回路または他の基板デバイスが処理後に半導体ウェハ192から最終的に分離され得る、半導体ウェハ192の下面図の実施形態を描写する。
図9(b)は、選択された磁気特性を有する材料の層196が実質的にウェハの裏面全体にわたって形成された後の製作段階における
図9(a)のウェハの下面図の実施形態を描写する。
図9(c)は、ウェハがそれに分離され得る複数の集積回路または他の基板デバイスのそれぞれのためにウェハの裏側に、層がパターン化層形状200を形成するようにパターン化された後の、製作の更なる段階における
図9(a)~9(b)のウェハの下面図の実施形態を描写する。
【0045】
磁気構造体は、基板に取り付けられ得る別個の構造体として形成され得る。
図10(a)は、別個の構造体として形成されたパターン化層204の実施形態を描写する。別個の構造体は、別個の構造体への磁気層の穴あけ、鋳造、めっき、圧延、または堆積等のうちの1つ以上によって形成され得る。層はまた、別個の構造体として対応する基板上に形成されてもよい。
図10(b)は、別個の構造体として対応する基板212上に形成されたパターン化層208の実施形態を描写する。基板212は、層208と同じもしくはそれに対応する境界または形状を有し得る。基板212はまた、層208に構造体的支持を提供し得、ならびに層208の製作を容易にし得る。
【0046】
磁気デバイスは、基板に取り付けられた別個の磁気構造体を含み得る。
図11は、基板216に取り付けられた別個の磁気構造体を含み得る磁気デバイスの実施形態を描写する。
【0047】
磁気構造体はまた、物理的に他のデバイス構造体に接続され得るまたはそれに対して配設され得る。実施形態では、他のデバイス構造体が、伝導性コイルであってもよい。磁気構造体は、磁気構造体および伝導性コイルの間に磁気、電気、または構造体的相互作用のうちの1つ以上を提供するために所定の様態で伝導性コイルに対して位置し得る。例えば、伝導性コイルは、磁気構造体における磁場を設定するまたは変化させるために磁場を提供するように動作され得る。伝導性コイルはまた、磁気構造体によって生成された電気信号に基づいてデータを通信するための、例えば、磁気構造体によって検知される磁場または電流を表わすデータを送信するためのトランスミッタとして動作し得る。
【0048】
図12は、磁気構造体220および伝導性コイル224の実施形態の上面図を描写する。磁気構造体220は、伝導性コイル224の部分228に関して所定の様態で位置し得る。例えば、磁気構造体220は、伝導性コイル224のセクション228の上または下に位置し得る。伝導性コイル224のセクション228は、実質的に同じ方向に流れる電流を伴う複数の伝導性セグメント232 232を含み得る。伝導性コイル224は、実質的に同じ方向に流れる電流を伴う複数の伝導性セグメントを有するセクションを作り出すために、例えば、螺旋または他の巻き付けパターンなどのようなパターンに形成された金属などの伝導性材料の層を含み得る。
【0049】
磁気デバイスは、例えば、半導体または他の基板などの基板の同じ側の上に組み込まれた磁気構造体および伝導性コイルを含み得る。
図13は、基板236の第1の側に形成された磁気構造体220および伝導性コイル224を含み得る磁気デバイスの実施形態を描写する。
【0050】
磁気構造体および伝導性コイルはまた、基板の異なる領域または異なる側の上に組み込まれ得る。
図14(a)~14(c)は、基板248の両側の上に磁気構造体240および伝導性コイル244を組み込んでいる磁気デバイスの別の実施形態を描写する。
図14(a)は、基板248の第1の側の層として形成された伝導性コイル244を示す、磁気デバイスの上面図を描写する。
図14(c)は、基板248の第2の側にパターン化層として形成された磁気構造体240を示す、磁気デバイスの下面図を描写する。
図14(b)は、基板248の第1の側の層として伝導性コイル244および基板248の第2の側の磁気層240を示す、磁気デバイスの側面断面図を描写する。基板248はまた、任意選択的に、例えば、基板の第1または第2の側のいずれかなどに、能動回路252を含む領域を含んでもよい。
図14(c)では、能動回路252を含む領域が、磁気層240を含むものとは別個の領域内の基板248の第2の側に含まれ得る。
【0051】
伝導性コイルは、任意選択的に、複数の層として形成されてもよい。
図14(d)は、
図14(a)~14(c)のものに類似する磁気デバイスの別の実施形態の側面断面図を描写するが、基板260の第1の側から基板260の第2の側まで延在する複数の層として形成された伝導性コイル256を示す。
【0052】
磁気構造体が伝導性コイルのセクションの上または下に位置する実施形態、例えば、
図12、13、および14(a)~14(d)のものなどが、磁気構造体における磁場を設定するまたは変化させるように磁場を提供する動作に有用であり得る。磁気構造体が、基板の、伝導性コイルとは異なる領域または異なる側に位置し得る実施形態、例えば、
図14(a)~14(d)、および(以下に記述される)34のものなどが、磁気構造体によって生成された電気信号に基づいてデータを通信するためのトランスミッタとして伝導性コイルの動作に有用であり得る。代替的に、磁気デバイスは、磁気構造体によって生成された電気信号に基づいてデータを通信するためのトランスミッタとして動作するために伝導性コイル以外の構造体および/または回路、例えば、アンテナ、トランスミッタ回路等のうちの1つ以上などを含み得る。
【0053】
磁気デバイスは、磁気構造体を、それがデバイス構造体、例えば、基板構造体または他のデバイス構造体などにおける開口と物理的に位置合わせされるような所定の様態で組み込んでもよい。
図15は、基板268上に形成されたパターン化層264を有する磁気デバイスの実施形態を描写する。パターン化層264および基板268のそれぞれは、層264の上面または基板268から層264の下面または基板268まで延在する開口272、274を含み得る。なおその上に、パターン化層264は、パターン化層264における開口272が基板268における開口274と位置合わせするように、基板268に対して位置付けられ得る。開口272、274の位置合わせは、磁気デバイスの片側から他方側へと開口272、274を通る別の構成要素またはデバイスのための移動の経路を作り出し得る。
【0054】
磁気構造体および別のデバイス構造体における開口の位置合わせは、磁気デバイスのための製作プロセスの結果として達成され得る。
図16(a)~16(c)は、磁気デバイスを製作する方法の様々な段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。
図16(a)は、基板268が提供された後の、方法の第1の段階における磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。
図16(b)は、パターン化層264が基板268上に形成された後の、方法の第2の段階における磁気デバイスの断面側面図を描写する。パターン化層264は、異なる手法で、例えば、パターン化層の堆積、めっき、または成長等のうちの1つ以上などによって形成され得る。
図16(c)は、開口272、274がパターン化層264および基板268を通して形成された後の、方法の第3の段階における磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。開口272、274は、同じプロセスによって、例えば、開口を形成するように材料のエッチング、穿孔、または他の場合では除去のうちの1つ以上を行うことなどによって、パターン化層264および基板268の両方に形成され得る。同じプロセスを使用してパターン化層264および基板268の両方を通る開口272、274を形成することは、開口272、274を形成する効率的な方法と、パターン化層264および基板268における開口272、274の正確な位置合わせとの両方を提供し得る。
【0055】
磁気デバイスはまた、選択された磁気および他の機能を提供するために互いに対して配設された1つ以上の磁気構造体を含み得る。実施形態では、磁気デバイスは、磁束を選択的にチャネリングするまたは集束するための磁束集束器を提供するように配設された1つ以上の磁気構造体を含み得る。かかる磁気構造体は、磁束を選択的にチャネリングするまたは集束するように選択された磁気特性を有する材料の異なる分布で複数の別個の部分を有する1つ以上のパターン化層を含み得る。例えば、磁気構造体は、第1の磁束表面における第1の磁束集束から、第2の磁束表面における第1の磁束集束とは異なる第2の磁束集束へと磁束をチャネリングするまたは集束するための1つ以上のパターン化層を含み得、第2の磁束表面は、第1の磁束表面とは異なる分布または面積を有する。
【0056】
図17(a)は、磁束集束器を提供するように構成された磁気デバイスの実施形態の上面図を描写し、
図17(b)は、
図17(a)の軸に沿って取られた磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。磁気デバイスは、磁束集束器278、磁気センサ282、および基板286を含み得る。磁束集束器278は、選択された次元に沿う選択された磁気特性を有する材料の異なる分布、または異なる磁束表面積のうちの1つ以上を有する複数のパターン化層を含み得る。第1のパターン化層290は、外側同心リングを含み得、第2のパターン化層294は、内側同心リングを含み得る。外側同心リングは、第1の高さまで基板286上に形成され得、内側同心リングは、第1の高さよりも低い第2の高さまで基板286上に形成され得る。結果として、外側同心リングは、内側同心リングとは異なる垂直方向における材料分布および異なる磁束表面積を有し得る。磁束集束器のパターン化層の材料は、磁場に対して比較的高い導磁性、例えば、所定の閾値を上回る導磁性などを有する材料であってもよい。
【0057】
磁気センサ282はまた、材料のパターン化層298を含む磁気構造体を含み得る。磁気センサ282の材料のパターン化層298は、第1および第2のパターン化層290、294間の位置において基板286上に形成され得る。磁気センサ282はまた、以下に記述されるような電気的な相互接続および他の構成要素を含み得る。磁気センサの材料は、磁気抵抗材料であってもよい。
【0058】
動作中、
図17(a)~17(b)の磁束集束器278は、磁束が選択された方向に、かつ選択された集束で、磁気センサ282を通過するような所定の様態で、磁気デバイスの環境内の磁場の磁束をチャネリングおよび/または集束し得る。
図17(b)は、磁気デバイスの周りおよび磁気デバイスを通る空間における磁束302の例示的な経路を示す。磁気デバイスの上方および下方へと、磁束が、実質的に垂直方向に方向付けられ得る。磁束が磁束集束器278を通過する際、それは、パターン化層290、294の相対的配設の結果として描写された経路に沿って逸れ得、それは、それらの磁気特性に応じた優先的経路を磁束に提供し得る。これは、磁束が磁気センサ282を通過する際に実質的にまたは少なくともより水平な経路を取るような磁束の曲げを結果としてもたらし得る。選択された方向に沿って磁束をチャネリングすることおよび/または集束することは、多数の利点を提供し得、磁気センサ282が、垂直方向の代わりに水平方向に沿う磁場に対する動作感度を有するように構成されることを可能にすることであって、それは、センサ282の製作に有利であり得る、可能にすること、ならびに類似のセンサ配設を使用して垂直および水平磁場の両方を検知し得る磁気デバイスの構成を可能にすることのうちの1つ以上を含む。
【0059】
磁束集束器を提供するための磁気デバイスの実施形態は、他の形状を含むパターン化層を有する磁気構造体を含み得る。
図17(a)~17(b)のものに類似する磁気デバイスは、
図2(a)~2(k)に描写される形状のいずれかを含むそれぞれのパターン化層をそれぞれ有する磁束集束器および磁気センサを含み得る。例えば、磁束集束器は、例えば、
図2(g)に描写されるような第1および第2の位置合わせした長方形、
図2(h)および2(i)に描写されるものに類似するセグメント化された同心リングまたは位置合わせした正方形等を有するパターン化層を含み得る。
【0060】
磁束集束器を提供するための磁気デバイスの実施形態はまた、変動する高さを含むパターン化層を有する磁気構造体を含み得る。
図17(a)~17(b)のものに類似する磁気デバイスは、例えば、
図3(b)~3(c)に描写されるように、
図17(a)~17(b)における水平方向に沿って変動する
図17(a)~17(b)における垂直方向にある高さを有する磁束集束器または磁気センサのうちの1つ以上を含み得る。例えば、磁束集束器は、第1の位置における、例えば、外側部分の最も外側の位置などにおける、第1の高さと、第2の位置における、例えば、外側部分の最も内側の位置などにおける、第1の高さよりも低い第2の高さとの間で変動する高さを有する外側部分を有するパターン化層を含み得る。同様に、磁気センサはまた、第1の位置における第1の高さと、第2の位置における第1の高さとは異なる第2の高さとの間で変動する高さを有するパターン化層を含み得る。
【0061】
磁気デバイスは、異なる経路に沿って磁束を選択的にチャネリングするまたは集束するために、磁束集束器の他の実施形態を依然として提供し得る。
図18(a)~18(b)は、別の磁束集束器306を提供する磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態の上面図および側面断面図を描写する。磁気デバイスは、基板310上にまたは基板上の層上に形成された第1の磁気構造体および第2の磁気構造体を含み得る。第1の磁気構造体は、第2の磁気構造体のために磁束を集束するまたはチャネリングする磁束集束器306を提供する1つ以上の別個のセグメントを含む材料の第1のパターン化層314を含み得る。第2の磁気構造体は、磁気センサ318を提供し得る。磁束集束器の材料は、例えば、所定の閾値を上回る導磁性などの比較的高い磁場に対する導磁性を有する材料であり得、磁気センサの材料は、磁気抵抗材料であってもよい。
【0062】
第1のパターン化層314は、磁束移動のために減少する表面積を提供することによって、磁束をチャネリングすることまたは集束することを提供し得る。例えば、第1のパターン化層は、磁束入口領域326での第1の磁束集束から、磁束入口領域よりも小さな磁束出口領域332での第1の磁束集束よりも大きな第2の磁束集束へと磁束をチャネリングすることまたは集束することを提供するセグメント322を含み得る。第1のパターン化層はまた、磁束入口領域340での第3の磁束集束から、磁束入口領域よりも大きな磁束出口領域344での第3の磁束集束よりも小さな第4の磁束集束へと磁束をチャネリングすることまたは集束することを提供するセグメント336を含み得る。
【0063】
他の実施形態では、磁気デバイスが、磁束集束器のなお更なる構成を提供し得る。例えば、磁気デバイスは、
図17(a)~17(b)または18(a)~18(b)に関して上述されたものに類似する磁気構造体であって、ただし、磁束が、様々な異なる選択された方向において、例えば、垂直方向、水平方向、または別の方向などのような単一の方向において異なる集束間のうちの1つ以上に移動する際に、あるいは磁束が、例えば、水平方向から垂直方向への、垂直方向から水平方向への、または任意の第1の所定の方向から任意の第2の異なる所定の方向への方向における変化などのように、第1の方向から第2の方向へと方向を変える際に、磁束をチャネリングするまたは集束するように配設された、磁気構造体を含み得る。
【0064】
上記および他の実施形態では、磁気デバイスが、磁気センサとして動作するように配設された磁気構造体を含み得る。磁気センサは、例えば、ブリッジ構成などで、1つ以上の所定の電圧と1つ以上の出力端子との間で電気的に相互接続された複数の抵抗を含み得る。それらの抵抗のうちの少なくとも1つは、磁気抵抗材料のパターン化層から形成された磁気抵抗であってもよい。磁気抵抗は、センサが露出される磁場に応じて変動する電気抵抗を有する可変抵抗であってもよい。センサの電気構成は、磁場に応じて出力端子において出力電圧を提供するために可変抵抗を利用してもよい。
【0065】
図19は、磁気センサの実施形態の電気表現を描写する概略図である。磁気センサは、供給電圧VSと接地との間にブリッジ構成で配設された二対の抵抗R1、R2、R3、R4を含み得、第1および第2の出力端子が、ブリッジの2つの脚の中間に取られている。それらの抵抗のうちの1つ以上、例えば、ブリッジの脚のうちの一方の上半分からの1つの抵抗R2、および脚の他方の下半分からの別の抵抗R3などは、磁気抵抗であってもよい。動作中、ブリッジは、不均衡になり得、センサによって経験される磁場に応じて可変抵抗R2、R3の抵抗値における変動の結果として出力端子間の対応する出力電圧VOを提供し得る。
【0066】
磁気センサとして動作するように配設された磁気構造体の実施形態は、電気抵抗性材料から形成された1つ以上の標準抵抗、例えば、基板内に形成されたポリシリコン層または拡散領域など、および磁気抵抗材料のパターン化層から形成された1つ以上の磁気抵抗を含み得る。
【0067】
代替的に、磁気センサとして動作するように配設された磁気構造体の実施形態は、磁気抵抗材料のパターン化層および磁気遮蔽材料のパターン化層から形成された1つ以上の標準抵抗、ならびに磁気抵抗材料のパターン化層から形成された1つ以上の磁気抵抗を含んでもよい。
【0068】
図20(a)~20(f)は、例えば、
図19に描写されるような磁気センサを提供するように構成された磁気構造体の実施形態を描写する。
図20(a)は、磁気センサを実現するために使用され得る磁気構造体の断面側面図を描写する。磁気構造体は、基板上に形成された層の第1の表面上に形成された材料の第1のパターン化層348、および基板上に形成された第2の層の第2の表面上に形成された材料の第2のパターン化層352を含み得る。第1および第2の表面は、互いに垂直方向に露呈され得る。
【0069】
第1のパターン化層348は、磁気センサの抵抗を実現するために使用され得る。
図20(c)は、第1のパターン化層348の実施形態のより詳細を示す、
図20(a)の磁気センサの実施形態の断面上面図を描写する。第1のパターン化層348は、複数の別個のセグメント350を含み得、別個のセグメント350のそれぞれが、磁気センサの異なる抵抗を実現する。第1のパターン化された磁気層348は、第1の材料、例えば、磁気抵抗材料などを含み得る。
【0070】
第2のパターン化層352は、第1のパターン化層348の選択された部分の近傍における環境内の磁場を排除する、削減する、または他の場合では変えるための磁気遮蔽として機能し得る。
図20(b)は、第2のパターン化層352の実施形態のより詳細を示す、
図20(a)の磁気センサの実施形態の断面上面図を描写する。第2のパターン化層352はまた、複数のセグメント354を含み得る。セグメント354のそれぞれは、第1のパターン化層348のセグメント350のサブセットの対応するものと垂直に位置合わせし得る。各セグメント354は、磁場から第1のパターン化層348の対応するセグメントを遮蔽するように磁束をチャネリングし得るまたは集束し得る。第2のパターン化された磁気層352は、例えば、所定の閾値を上回る導磁性などの磁場に対して比較的高い導磁性を有する第2の材料、例えば、軟磁性材料を含み得る。第2のパターン化層のセグメントは、第1のパターン化層の対応するセグメントのより効果的な遮蔽を提供するために、上面図または下面図の観点から、第1のパターン化層の対応するセグメントよりも大きな表面積を占有し得る。
【0071】
それ故、磁気構造体は、材料の同じパターン化層から標準および磁気抵抗の両方を提供するために使用され得る。第2のパターン化層352のセグメントと位置合わせした第1のパターン化層348の第1のセグメントのサブセットは、例えば、磁気抵抗材料などの材料を含むにもかかわらず、第2のパターン化層によって提供された磁気遮蔽の存在に起因して、センサの周りの磁場に対する感度を有しないまたは減少した感度を有する磁気センサ内に対応する抵抗、例えば、
図19における第1および第4の抵抗R1、R4などを提供し得る。第2のパターン化層352のセグメントと位置合わせされない第1のパターン化層348の第2のセグメントのサブセットは、第2のパターン化層によって提供される磁気遮蔽の存在なしに、例えば、磁気抵抗材料などの材料を含むことに起因して、磁場に対する感度を有する磁気センサ内に磁気抵抗、例えば、
図19における第2および第3の抵抗R2、R3などを提供し得る。材料の同じパターン化層から標準および磁気抵抗の両方を提供することは、第2の抵抗性材料および対応する更なる製作ステップの必要性を排除することによって磁気デバイスの製作を単純化し得る。
【0072】
パターン化材料の異なる層は、異なる積層順序で設けられ得る。
図20(d)は、基板上に形成された別の層の表面上に形成された材料の第2のパターン化層352の上方に、基板上に形成された層の表面上に形成された材料の第1のパターン化層348を有する磁気センサの別の実施形態の断面側面図を描写する。
【0073】
第1および第2のパターン化層はまた、例えば、
図2(a)~2(k)に描写される形状構成のうちのいずれかなどの異なる形状および幾何学的構成、ならびに第1および第2のパターン化層の互いに対する様々な位置合わせを含み得る。
図20(e)~20(f)は、
図20(a)~20(d)の実施形態のものに類似する磁気センサの第1および第2のパターン化層355、357の別の実施形態の上面図を描写するが、第1および第2のパターン化層は、異なる形状および幾何学的構成を有し得る。
図20(f)では、第1のパターン化層355が、
図2(d)のものに類似する形状を有し得、長方形部分の第1のサブセットが、第1の配向に第1のアレイで配設され、長方形部分の第2のサブセットが、第1の配向に対して90°回転された第2の配向に第2のアレイで配設される。
図20(e)では、第2のパターン化層357が、長方形部分のサブセット全体の上に重なる単一の形状を有し得る。
【0074】
磁気センサは、他の要素、例えば、
図20(c)に概略形態で示される伝導体など、ならびに感度を高めるまたはその方向を選択するための伝導性ストライプを含み得る。磁気センサの実施形態はまた、異なる電気構成を含んでもよい。
【0075】
磁気デバイスは、
図20(a)に示されるものに類似するが、他の選択された磁気機能を生じるように、互いに対して配設された第1のパターン化層および第2のパターン化層を含んでもよい。第1のパターン化層は、選択された磁気特性を有する材料、例えば、磁気抵抗材料など、または一時的もしくは永久磁場を作り出す材料を含み得る。第2のパターン化層は、磁気遮蔽材料、例えば、所定の閾値を上回る磁場に対する導磁性を有する材料などを含み得る。第1および第2のパターン化層のそれぞれは、本明細書に記述されるパターン化層特性のうちのいずれか、例えば、
図2(a)~2(k)に関して記述されたパターン化層形状のうちのいずれかなどを有し得る。更に、第1もしくは第2のパターン化層のうちの一方または両方が、かかる形状の逆を有してもよく、すなわち、これらの形状の外側の領域のみを占有してもよい。第1および第2のパターン化層の異なる組み合わせは、異なる選択された磁気機能を作り出し得る。例えば、
図20(a)に示されるものに類似する実施形態では、第1のパターン化層が、特定のパターン化層形状を含み得、第2のパターン化層が、実質的に同じ形状のサブセットまたは所定の度合いへとより大きくもしくは小さく縮尺されたようなサブセットを含み得る。かかる実施形態は、同じ第1のパターン化層を使用して磁気および他の機能を提供するのに有用であり得る。他の実施形態では、第1のパターン化層が、特定のパターン化層形状を含み得、第2のパターン化層が、逆の形状を含み得る。かかる実施形態は、磁場が第1のパターン化層に到達するものの、例えば、中間の隣接し得る回路などの他の構成要素には到達しないことを可能にするのに有用であり得、または第1のパターン化層に対するいくつかの他の空間的関係を有し得る。
【0076】
磁気デバイスはまた、基板上に互いの上部上に積み重ねられた複数の磁気構造体を含んでもよい。
図21は、複数の積み重ねられた磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態の側面図を描写する。磁気デバイスは、第2の磁気構造体362の上部上に積み重ねられた第1の磁気構造体358を含み得る。積み重ねられた第1および第2の磁気構造体358、362は、例えば、基板366などの別のデバイス構造体の上部上に積み重ねられてもよい。積み重ねられた磁気構造体358、362は、1つ以上の絶縁または遮蔽層370、374によって分離され得る。積み重ねられた磁気構造体358、362のそれぞれは、基板386、390上に形成された選択された磁気特性を有する材料の層378、382を含み得る。
【0077】
磁気デバイスはまた、基板の凹部または基板上の1つ以上の層の凹部内にあるいは少なくとも部分的にその凹部内に形成された磁気構造体を含み得る。
図22(a)~22(b)は、基板394、398内にまたは基板394、398上の1つ以上の層内に形成された1つ以上の凹部402、406を含む基板394、398が提供された後の、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。1つ以上の凹部402、406は、磁気層の形状と同じ形状を有するまたはその形状を包含するように形作られ得る。基板394、398は、例えば、エッチング、スパッタリング等のうちの1つ以上によって基板394、398または基板上の層から材料を除去することなどによって、1つ以上の凹部402、406を作り出すように処理され得る。
図22(c)~22(d)は、選択された磁気特性を有する材料のパターン化層410、414が
図22(a)~22(b)に示される1つ以上の凹部内に形成された後の、第2の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。パターン化層410、414の形状は、凹部の形状と同じであってもよい。代替的に、凹部は、異なる形状を有する層または複数の形状を有する層を含んでもよい。
【0078】
磁気構造体はまた、1つ以上の凹部を共形的にコーティングしてもよく、または少なくとも部分的に共形的にコーティングしてもよい。
図23(a)は、複数の凹部415が基板内にまたは基板上の1つ以上の層内に形成される、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。複数の凹部は、例えば、周期的分離距離などに従って、非凹部表面によって互いに分離され得る。
図23(b)は、パターン化層419が、凹部および分離表面を含む領域を共形的にコーティングするように形成された、第2の製作段階における磁気デバイスの実施形態を描写する。代替的に、パターン化層は、凹部および分離表面を含む領域の一部分のみをコーティングしてもよい。
図23(c)は、パターン化層421が、凹部および分離表面を含む領域の一部分を共形的にコーティングするように形成された、第2の製作段階における磁気デバイスの別の実施形態を描写する。この部分的なコーティングは、部分的な領域内のみにコーティングを形成することによって直接的に、あるいは代替的に、例えば、
図23(b)に描写されるようにコーティングを形成した後に、コーティングの一部分を除去することによって、形成され得る。パターン化層はまた、凹部の一部分のみをコーティングしてもよい。
図23(d)は、パターン化層423が、凹部の一部分、例えば、凹部の底面などを共形的にコーティングするように形成された、第2の製作段階における磁気デバイスの別の実施形態を描写する。この部分的な共形的コーティングは、再度、部分的な領域内のみにコーティングを形成することよって直接的に、あるいは代替的に、例えば、
図23(b)に描写されるようなコーティングを形成した後に、コーティングの一部分を除去することによって、形成され得る。
【0079】
磁気デバイスは、凹部内に形成されたパターン化層の周りに配設された伝導性配線を含み得る。伝導性配線は、磁気層の周りに伝導性コイルまたは他の伝導性相互接続を提供し得る。伝導性配線は、伝導性層またはシリコン(もしくは他の基板)貫通電極(TSV)のうちの1つ以上を含み得る。伝導性層は、水平伝導性層または垂直伝導性層のうちの1つ以上を含み得る。
【0080】
図24(a)~24(c)は、基板418、422、426を有する、第1の製作段階における磁気デバイスであって、1つ以上の凹部430、434、438が形成され、かつ1つ以上のTSV442、446、450がその凹部430、434、438の周りに形成される、磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(d)~24(f)は、パターン化層454、458、462が1つ以上の凹部430、434、438内に形成された、第2の製作段階における
図24(a)~24(c)の磁気デバイスの実施形態を描写する。
図24(g)~24(i)は、1つ以上の伝導性層466、470、474が、1つ以上の凹部430、434、438内の材料454、458、462上でTSV442、446、450間に形成された、第3の製作段階における
図24(a)~24(f)の磁気デバイスの実施形態を描写する。別の伝導性層が、例えば、材料454、458、462の周りに伝導性コイルなどを形成するために、伝導性配線の相互接続を完成させるように下部層においてまたは基板の裏側に形成され得る。
【0081】
材料のパターン化層の周りの伝導性配線は、種々の構成を有するおよび種々の目的のための伝導性コイルを形成し得る。材料の周りの伝導性コイルは、材料内に磁場を生成または補強するために使用され得る。パターン化層の周りの伝導性コイルはまた、材料の磁化、例えば、磁気抵抗を実現するために使用される異方性磁気抵抗材料の磁化などの方向を設定、例えば、初期化または変更するために、使用され得る。伝導性コイルは、セグメントの1つ以上の位置においてパターン化層の1つ以上の別個のセグメントの周りに1つ以上の巻き線を含み得る。例えば、
図24(g)では、伝導性コイルが、パターン化層の単一の別個のセグメントの周りに複数の巻き線478を含み得る。
図24(h)では、伝導性コイルが、パターン化層の複数の別個のセグメントのそれぞれの周りに複数の巻き線482、484を含み得る。
図24(i)では、伝導性コイルが、パターン化層の単一の連続セグメントの第1の位置の周りに第1の複数の巻き線488、およびパターン化層の単一の連続セグメントの第2の位置482の周りに第2の複数の巻き線492を含み得る。第1および第2の複数の巻き線488、492は、任意選択的に、磁場を異なる方向においてセグメントの第1および第2の位置に提供するために使用され得る。パターン化層の単一のセグメントの第1および第2の位置は、任意選択的に、磁束を異なる方向に生成する、伝導する、チャネリングする、または集束するために使用され得る。
【0082】
選択された磁気特性を有する材料の1つ以上のパターン化層は、凹部内および凹部の周りの複数の階層に形成され得る。
図25(a)~25(b)は、複数の階層500を有する凹部496が基板504内に形成される、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態の上面図および断面側面図を描写する。凹部496の複数の階層500のそれぞれは、表面を含み得る。各表面は、基板504の一次平面に平行であり得る。各表面はまた、階層間の距離だけ他の階層表面からオフセットされ得る。
図25(c)~25(d)は、材料の複数のパターン化層が凹部496内および凹部496の周りの複数の階層に形成される、第2の製作段階における
図25(a)~25(b)の磁気デバイスの上面図および断面側面図を描写する。パターン化層は、凹部496の内側の階層500のうちの1つの表面上に凹部の内側に形成された1つ以上のパターン化層508を含み得る。
図25(c)~25(d)の例示的な実施形態は、凹部496の内側の単一の階層500における単一のパターン化層を描写するが、他の実施形態は、それぞれ凹部496の内側の異なる階層500において、複数のパターン化層を含んでもよい。パターン化層はまた、表面境界上または凹部496の境界の周りに形成されたパターン化層512を含み得る。パターン化層508、512は、凹部496または凹部496の階層と同じ形状を有し得、その上またはその周りにそれらが形成される。パターン化層508、512は、それらが上に形成される階層の間の階層間距離に従って互いからオフセットされ得る。
【0083】
磁気デバイスの実施形態は、異なる階層におけるパターン化層の存在に基づく機能を提供し得る。例えば、階層間距離だけ互いからオフセットされた異なる階層上に設けられた複数の層が、軸に沿って階層がオフセットされるその軸に応じて磁気検知を提供するために使用され得る。例えば、
図25(d)における磁気デバイスは、凹部496の中心軸516に応じて磁気検知を提供し得る。これは、凹部496に入り得る対象の特性、例えば、中心軸516に対する対象の位置、または中心軸516に対する対象と関連付けられた電流の存在もしくはレベルなどを検知するのに有用であり得る。
【0084】
異なる種類の磁気構造体が、凹部内および凹部の周りに形成され得る。
図26(a)~26(b)は、複数の階層524を有する凹部520が基板528内に形成される、第1の製作段階における磁気デバイスの実施形態の上面図および断面側面図を描写する。
図26(c)は、選択された磁気特性を有する材料のパターン化層532が凹部520内の階層524に形成される、第2の製作段階における
図26(a)~26(b)の磁気デバイスの側面断面図を描写する。
図26(d)は、磁気構造体536が凹部520内の別の階層524に配置される、第3の製作段階における
図26(a)~26(c)の磁気デバイスの側面断面図を描写する。磁気構造体536は、基板544上に形成されたパターン化層540を含み得る。
図26(d)では、凹部520の階層524上に形成されたパターン化層532が、凹部520内に配置された基板544上に形成されたパターン化層540と同じ垂直高さに形成され得る。しかしながら、他の実施形態では、凹部520内の階層524上のパターン化層532が、凹部520内の基板544上のパターン化層540のものとは異なる垂直高さにあってもよい。
【0085】
磁気構造体は、異なる階層に形成されたパターン化層の異なる形状またはその形状の一部分を含み得る。
図27(a)は、リングの輪郭を描くように配設された複数の別個の弓形セグメントを有するパターン化層548、552を含む磁気デバイスの実施形態の上面図を描写する。
図27(b)は、セグメントの第1のサブセット556を通過する第1の軸に沿って取られた
図27(a)の磁気デバイスの断面側面図を描写する。セグメントの第1のサブセット556は、基板または基板上の層の第1の表面上に第1のパターン化層548として形成され得る。
図27(c)は、セグメントの第2のサブセット560を通過する第2の軸に沿って取られた
図27(a)の磁気デバイスの断面側面図を描写する。セグメントの第2のサブセット560は、基板内または基板の層上の凹部内の第2の階層に第2のパターン化層552として形成され得る。パターン化層の異なる形状またはその形状の一部分を異なる階層上に形成することは、磁気デバイスの特定の機能、例えば、特定の磁気検知特性などを提供し得、異なる階層への幾何学的形状の分布を結果としてもたらす。
【0086】
磁気構造体はまた、磁束集束器を提供するために凹部の周りに配設され得る。
図28(a)は、磁束集束器のパターン化層のうちの少なくとも1つが、凹部564の内側の階層の表面上に形成され得る、
図17(a)の磁束集束器デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。磁束集束器のパターン化層のもう一方は、凹部564の周りの表面上に形成され得る。
図28(a)では、磁気センサがまた、凹部564の周りの表面上に形成され得る。しかしながら、他の実施形態では、磁気センサがまた、凹部564の内側の階層の表面上に形成されてもよい。
図28(b)は、
図28(a)の実施形態に類似する、
図17(a)の磁気デバイスの別の実施形態の断面側面図を描写するが、磁気センサは、凹部564の内側の階層の表面上に形成され得る。他の実施形態は、凹部内および凹部の周りの異なる階層への磁束集束器および磁気センサの構成要素の分布の更なる変形を含んでもよい。
【0087】
本明細書に記述される他の磁気デバイスはまた、1つ以上の凹部内およびその周りに構成され得る。例えば、
図18(a)~18(b)の磁気集束器デバイスのパターン化層のうちの1つ以上がまた、1つ以上の凹部内に形成され得る。同様に、
図20(a)~20(f)の磁気センサデバイスの実施形態のパターン化層のうちの1つ以上が、1つ以上の凹部内に形成され得る。
【0088】
磁気構造体は、基板の裏側または基板の裏側の凹部内に位置し得る。
図29は、基板の裏側576の対応する凹部572内にそれぞれ位置する、1つ以上の磁気構造体568を含む磁気デバイスの断面側面図を描写する。磁気構造体568のそれぞれは、基板584上に形成されたパターン化層580を含み得る。磁気デバイスはまた、集積回路592を含み得る基板の表側に磁気構造体を電気的に接続する1つ以上のTSV588を含み得る。
【0089】
磁気構造体はまた、傾斜面上に形成された選択された磁気特性を有する材料のパターン化層を含み得る。傾斜面は、凹部の壁の表面であり得る。傾斜面上にパターン化層を形成することは、例えば、かかる層から形成された磁気センサのための垂直または三次元感度のうちの1つ以上を可能にするように、表面の角度に応じて選択された機能を提供し得る。
【0090】
図30(a)は、基板608の凹部604の壁の傾斜面600上に形成されたパターン化層596を含む磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。表面600は、基板608の一次平面または基板608上の層の表面に対して所定の角度を有するように構成され得る。
図30(b)は、
図29(a)に描写される磁気デバイスの実施形態の上面図を描写する。層596は、例えば、磁気センサを形成するようにパターン化され得る。凹部604は、パターン化層596と同じ形状を有し得るか、またはパターン化層596を包含し得る。本明細書に記述される他の実施形態と同様に、パターン化層596は、本明細書に記述されるパターン化層特性のうちのいずれか、例えば、
図2(a)~2(k)に関して本明細書に記述されるパターン化層形状のうちのいずれかなどを有し得る。
【0091】
磁気構造体はまた、複数の異なる傾斜面上に形成されたパターン化層を含み得る。
図31(a)は、それぞれ、基板632の凹部628の壁の異なる傾斜面620、624上に形成された、複数のパターン化層612、616を含む磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写する。表面620、624のそれぞれは、基板632の一次平面または基板632上の層の表面に対して対応する所定の角度を有するように構成され得る。各壁についての所定の角度は、任意選択的に、他の壁のものとは異なってもよい。
図31(b)は、
図31(a)に描写される磁気デバイスの実施形態の上面図を描写する。層612、616は、例えば、磁気センサを形成するようにパターン化され得る。凹部628は、パターン化された磁気層612、616と同じ形状を有するまたはそれを包含するように形作られ得る。
【0092】
複数のパターン化層は、複数の異なる凹部の複数の異なる傾斜面上に形成されてもよい。
図32は、それぞれ、異なる凹部の壁を形成する異なる傾斜面652、656、660、664上に形成された、複数のパターン化層636、640、644、648を含む磁気デバイスの別の実施形態の上面図を描写する。パターン化層636、640、644、648のそれぞれは、異なる方向に配向された複数の別個のセグメントを含み得る。
【0093】
磁気構造体はまた、基板上に取り付けられたキャップ上に形成されてもよい。
図33(a)~33(b)は、基板672上に取り付けられたキャップ668上に形成された磁気構造体を有する磁気デバイスの実施形態の斜視図および断面側面図を描写する。磁気構造体は、キャップ668の上部部分の表面上または凹部内に形成された選択された磁気特性を有する材料のパターン化層676を含み得る。キャップ668は、キャップ668の外側の環境から基板構造体680の周りの容積を部分的または完全に囲むように基板構造体680の上の基板672上に取り付けられてもよい。キャップ668は、基板構造体680の上に位置する上部部分および上部部分から基板672まで延在する側壁を含み得る。キャップ668は、任意選択的に、別の基板から形成されたキャッピング基板であってもよい。基板構造体680は、キャップ668の下に位置してもよい。基板構造体680は、集積回路、微小機械構造体、センサ構造体、または別の磁気構造体等のうちの1つ以上を含み得る。
【0094】
磁気デバイスはまた、キャップ上の磁気構造体をキャップの下の回路構造体と電気的に相互接続するための伝導性配線を含み得る。
図33(c)は、
図33(a)~33(b)の実施形態に類似する磁気デバイスの実施形態の断面側面図を描写するが、キャップの上面からキャップを通ってキャップの下の基板まで延在する1つ以上のTSV684を含む。TSV684は、任意選択的に、1つ以上の伝導性層と共に、磁気構造体をキャップの下の基板構造体と電気的に相互接続してもよい。
図33(d)は、
図33(a)~33(b)の実施形態に類似する磁気デバイスの別の実施形態の断面側面図を描写するが、キャップ上の磁気構造体をキャップの下の基板構造体まで電気的に相互接続するためにキャップの上面から基板まで延在する1つ以上のワイヤボンド688を含み得る。
【0095】
磁気構造体はまた、キャップ上およびその周りの複数の異なる階層に形成され得る。
図34(a)~34(b)は、基板696上に取り付けられたキャップ692上およびその周りの複数の異なる階層に形成された磁気構造体を有する磁気デバイスの実施形態の斜視図ならびに断面側面図を描写する。第1の磁気構造体は、
図33(a)~(d)に関して上述したようにキャップ692上の第1の階層に形成された第1のパターン化層700を含み得る。第2の磁気構造体は、キャップ692の周りの基板696の凹部上またはその凹部内の第2の階層に形成された第2のパターン化層704を含み得る。第1の階層は、所定の距離だけ第2の階層からオフセットされ得る。第1および第2の磁気層700、704は、共通の形状、例えば、同心リングまたは位置合わせした正方形もしくは長方形形状などを有し得る。第2の層704は、キャップ692を部分的または全体的に囲繞し得る。
【0096】
本明細書に記述される他の実施形態と同様に、キャップ上に形成されたパターン化層は、選択された磁気機能を提供するために選択された磁気特性を有し得る。実施形態では、パターン化層が、磁気センサを形成するように配設された磁気抵抗材料を含み得る。他の実施形態では、パターン化層が、一時的または永久磁場を作り出す材料を含み得る。更なる他の実施形態では、パターン化層が、磁気遮蔽材料、例えば、所定の閾値を上回る磁場に対する導磁性を有する材料などを含み得る。
【0097】
他の構造体が、磁気構造体に加えてキャップ上に形成されてもよい。
図35は、基板720上に取り付けられたキャップ716上に形成された磁気構造体708および伝導性コイル712を含む磁気デバイスの実施形態を描写する。伝導性コイル712は、
図35におけるように、磁気構造体708とは別個の領域内に形成され得るか、または磁気構造体の下方もしくは上方に形成され得る。別個の領域内に形成された伝導性コイルは、例えば、無線識別構造体を提供し得る。磁気構造体の下方または上方に形成された磁気構造体は、磁気構造体の磁気特性を設定または修正する磁場を提供するために使用され得る。
【0098】
磁気デバイスはまた、キャップ上またはキャップ内に磁束集束器を提供し得る。
図36(a)は、基板上に取り付けられたキャップ内およびその周りに、磁束集束器を形成する第1の磁気構造体ならびに1つ以上の磁気センサを形成する1つ以上の第2の磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する。磁束集束器は、キャップの側壁に堆積された材料のパターン化層717を含み得る。パターン化層は、側壁の上部および底部まで、または上部および底部の所定の距離内まで実質的に延在し得る。磁束集束器のパターン化層は、実質的に垂直な平面に沿って形成され得る。1つ以上の磁気センサは、キャップ上および/または基板上に形成された材料のパターン化層715、719を含み得る。パターン化層は、磁束集束器のパターン化層の終端部の所定の距離内に形成され得る。磁気センサのパターン化層は、実質的に水平な平面に沿って形成され得る。磁束集束器のパターン化層は、磁場に対して比較的高い導磁性、例えば、所定の閾値を上回る導磁性などを有する材料を含み得、磁気センサのパターン化層は、磁気抵抗材料を含み得る。
【0099】
動作中、磁束集束器は、磁束がパターン化層の中へとパターン化層の上および下の領域内において垂直方向721に移動するように磁束をチャネリングまたは集束し得る。このチャネリングまたは集束は、磁気センサが位置する磁束集束器の終端部の近くで垂直方向または類似の方向から水平方向または類似の方向723への磁束の局所的な移動を生じ得る。磁束のチャネリングおよび/または集束は、磁気センサが垂直方向の代わりに水平方向に沿って磁場に対する動作感度を使用して垂直磁場を検知することを可能にし得る。
【0100】
図36(b)は、
図36(a)の実施形態に類似する磁気デバイスの別の実施形態を描写するが、磁束集束器は、キャップの側壁の表面上に堆積された材料のパターン化層725を含み得る。
【0101】
更に、磁気構造体は、数ある実施形態の中でも、例えば、
図7~44およびそれらの様々なサブ図面(すなわち、(a)、(b)等)などに関して、本明細書に記述される基板上に形成された磁気構造体の実施形態のいずれかに従ってキャップ上に形成され得、キャップが、基板であり、対応する基板構造体を有する。
【0102】
磁気構造体はまた、微小機械構造体上にまたはその一部として形成されたパターン化層を含み得る。微小機械構造体は、ビーム、プレート、櫛、ダイヤフラム、またはギア等のうちの1つ以上を含む、種々の異なる構造体のうちの1つ以上を含み得る。パターン化層は、微小機械構造体の機械的に能動的な部分の一部または全てを形成し得る。
【0103】
図37(a)は、基板728から吊るされる微小機械ビーム724を形成するパターン化層を有する磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する。ビーム724は、基板728にビーム724を接続する固定部分732および基板728の別の部分の上に吊るされる懸垂部分736を含むカンチレバーであり得る。ビーム724の懸垂部分736は可撓性であり得、刺激に応答して基板の方へおよび基板から離れて曲がるように構成され得る。パターン化層は、永久または一時的磁場を作り出す材料を含み得る。パターン化層は、
図37(a)に示されるように、固定部分732および懸垂部分736の両方を含む、ビーム全体724を実質的に形成し得る。しかしながら、磁気構造体のパターン化層は、代替的に、微小機械デバイスの一部分のみを形成してもよい。
図37(b)は、
図37(b)に描写される実施形態に類似する磁気デバイスの別の実施形態を描写するが、パターン化層、例えば、ビームの懸垂部分上のパターン化層740などが、微小機械デバイスの一部分のみを形成し得、それは、別の材料、例えば、酸化物、ポリシリコン、または他の材料などから形成され得る。
【0104】
磁気デバイスはまた、任意選択的に、基板728上、基板728内、または基板728の凹部内の微小機械構造体の下に形成されたパターン化層744を含む別の磁気構造体を含み得る。パターン化層は、永久または一時的磁場を作り出す材料を含み得る。第2の磁気構造体は、微小機械構造体724の磁気構造体と磁気的に相互作用し得る。他の実施形態は、微小機械構造体724の下に形成された第2の磁気構造体744を省略してもよい。
【0105】
磁気デバイスは、微小機械構造体724の周りに基板728上に取り付けられたキャップ748を更に含み得る。キャップ748は、磁気デバイスの周りの環境から微小機械構造体724を保護するように微小機械構造体724を部分的または全体的に囲み得る。
【0106】
磁気デバイスはまた、微小機械構造体を他のデバイス構成要素に電気的に相互接続するための伝導性配線を含み得る。伝導性配線は、
図37(a)に示されるように、基板728の微小機械構造体724と同じ側の他の位置に磁気構造体を電気的に相互接続する伝導性層752を含み得る。伝導性配線はまた、微小機械デバイスを基板の反対側の位置に相互接続する1つのまたは伝導性層およびTSVを含み得る。
図37(c)は、
図37(a)に描写される実施形態に類似する磁気デバイスの別の実施形態を描写するが、磁気デバイスは、微小機械デバイスを基板の反対側の位置に相互接続する1つのまたは伝導性層756およびTSV760を含み得る。
【0107】
動作中、
図37(a)~37(c)に描写される微小機械ビーム構造体は、種々の機能、例えば、スイッチ、センサ等として動作するものなどを提供し得る。例えば、微小機械ビーム構造体は、例えば、磁場などの外部刺激に応答して、ビーム724の自由端における伝導性接触子764とビーム724の自由端の下の基板728上の第2の伝導性接触子768との間を電気的に相互接続するための磁気スイッチ、例えば、リードリレーなどとして動作し得る。微小機械ビーム構造体はまた、かかる磁場に応答したビーム構造体の偏向に応じた外部磁場を検出するために使用され得る。微小機械ビーム構造体は、例えば、磁場または加速などの刺激に応答してビーム構造体を移動することによって選択的に変化する磁場を作り出すために更に使用され得る。選択的に変化する磁場は、様々な用途、例えば、隔離されたデータリンクの実現などに使用され得る。
【0108】
磁気デバイスは、磁気構造体から部分的または全体的に形成された複数の微小機械構造体を含み得る。
図38(a)~38(b)は、
図37(a)~37(b)に示されるようなものに類似するパターン化層から形成された複数の微小機械ビーム771、772を含む磁気デバイスの実施形態の上面図を描写する。
図38(a)では、複数のビーム771が、一次元アレイにおいて、同じ空間的配向で、互いに隣接して配設され得る。
図38(b)では、複数のビーム772が、互いに対して角度を付けた、例えば、90°または180°などの角度を付けた空間的配向で配設され得る。複数の微小機械構造体は、様々なデバイス、例えば、磁気スイッチの相互接続されたアレイなどを実現するように互いに対して配設され得る。例えば、
図38(a)の実施形態は、ビームのアレイに沿って磁場の変動に応じて機能を検出するまたは他の場合では提供するために使用され得る。
図38(b)の実施形態は、全体としてビームのアレイに対する磁場の方向性に応じて機能を検出または他の場合では提供するために使用され得る。
【0109】
磁気構造体から形成された微小機械ビーム構造体はまた、基板に向かっておよび基板を離れて曲がることの代わりにまたはそれに加えて、横方向に曲がるように構成され得る。微小機械ビームは、ビームの屈曲を可能にするその方向において所定の厚さを下回る寸法にビームを作ることによって、特定の方向に曲がるように構成され得る。
図39(a)~39(b)は、
図37(a)~37(b)に示されるようなものに類似するパターン化層から形成された微小機械ビーム773を含む磁気デバイスの実施形態の上面図および側面図を描写するが、ビームが、基板に向かっておよび基板から離れて曲げることの代わりにまたはそれに加えて、基板の一次平面に平行な方向に、左右に横方向に曲がるように構成され得る。磁気デバイスはまた、ビームの1つ以上の側に横方向に位置付けられた1つ以上の要素を含み得る。横方向要素は、移動制限構造体、電気接触子、または第2の磁気構造体のうちの1つ以上であってもよく、またはそれを含んでもよい。
【0110】
磁気デバイスは、磁気構造体から形成されたおよび横方向に移動するように構成された複数の微小機械ビームを含み得る。
図40は、
図39(a)~39(b)に示されるようなものに類似するパターン化層から形成された複数の微小機械ビーム777を含む磁気デバイスの実施形態の上面図を描写する。複数のビームは、互いに対して角度を付けた、例えば、90°または180°などの角度を付けた空間的配向で配設され得る。他の実施形態では、複数のビームが、例えば、
図38(a)に示されるようなものに類似するように、一次元アレイにおいて、同じ空間的配向で、互いに隣接して配設され得る。上述したように、複数の微小機械構造体は、様々なデバイスを実現するために互いに対して配設され得る。例えば、
図40の実施形態はまた、全体としてビームのアレイに対する磁場の方向性に応じて機能を検出するまたは他の場合では提供するために使用され得る。
【0111】
磁気構造体から形成された微小機械ビームは、
図37~40に描写されるカンチレバービーム以外の形態を取ってもよい。
図41(a)~41(b)は、磁気構造体から形成され得る微小機械ビーム構造体の更なる実施形態の側面図を描写する。
図41(a)では、ビーム構造体776が、構造体776を基板786に接続する、構造体776の両端における、第1および第2の固定部分780、784と、基板786の上に吊るされた懸垂部分788と、を含み得る。
図41(b)では、ビーム構造体792が、構造体792を基板800に接続する中心固定部分796と、基板800の上に吊るされた第1および第2の懸垂部分804、808を含み得る。それぞれの場合において、ビームの懸垂部分は、磁気刺激に応答して可撓性であり得るか、曲がり得る。
【0112】
図38~41は、パターン化層から全体的に形成されたビーム構造体を描写するが、他の実施形態では、これらの微小機械ビーム構造体が、例えば、
図37(a)~37(b)における比較によって示されるように、パターン化層から全体的または部分的のいずれかで形成され得る。更に、例示の明確さのさめに、
図38~41は、本質的に、複数の微小機械構造体のみを描写するが、磁気デバイスはまた、これらの構造体の機能を可能にするおよび/または強化するような他の構成要素、例えば、
図37(a)~37(c)に示されるようなものに類似するキャップ、電気接続、第2の磁気構造体等のうちの1つ以上などを含み得る。
【0113】
磁気構造体はまた、他の種類の微小機械構造体上にまたはその一部として形成されてもよい。例えば、磁気構造体は、微小機械ダイヤフラム上にまたはその一部として形成されてもよい。
図42(a)~42(c)は、基板803上に形成された微小機械ダイヤフラム上に形成された磁気構造体を含む磁気デバイスの断面側面図を描写する。ダイヤフラムは、基板、および基板の領域の上に吊るされた懸垂部分807に接続された1つ以上の固定部分805を含み得る。懸垂部分は、可撓性であり得、刺激に応答して基板に向かっておよび基板から離れて曲がるように構成され得る。懸垂部分は、パターン化層811、815、817が中に形成され得る1つ以上の凹部809を含み得る。パターン化層は、例えば、
図42(a)におけるように凹部を部分的に充填してもよく、例えば、
図42(b)におけるように凹部を全体的に充填てもよく、または、例えば、
図42(c)におけるように凹部から溢れ出てもよい。パターン化層は、永久または一時的磁場を作り出す材料を含み得る。
【0114】
例えば、
図33~37に示されるようなキャップはまた、例えば、
図42(a)~42(c)に示されるような微小機械ダイヤフラムとして構成されてもよい。
【0115】
磁気構造体はまた、他の種類の微小機械構造体上にまたはその一部として形成されてもよい。例えば、磁気構造体は、微小機械スキャナ上にまたはその一部として形成されてもよい。
図43(a)~43(b)は、微小機械スキャナ上に形成された磁気構造体を含む磁気デバイスの上面図および下面図を描写する。微小機械スキャナは、回転可能なプラットフォーム819、内部作動リング821、および外部作動リング823を含み得る。微小機械スキャナは、基板または基板上の層から形成され得る。
【0116】
回転可能なプラットフォームは、上面であって、その上に選択された反射率を有する材料の層が形成され得る上面と、下面であって、その上に選択された磁気特性を有する材料のパターン化層825およびパターン化層に接続された一組の電気接触子829が形成され得る下面と、1組の静電アクチュエータ構成要素827、例えば、駆動コム(comb)などと、を含み得る。回転可能なプラットフォームは、1つ以上のねじりバネ831によって内部作動リングに接続され得る。内部作動リングは、第1および第2の組の静電アクチュエータ構成要素832、833、例えば、駆動コムなどを含み得る。内部作動リングは、1つ以上のねじりバネ835によって外部アクチュエータリングに接続され得る。外部アクチュエータリングは、1組の静電アクチュエータ構成要素837、例えば、駆動コムなど、および一組の電気接触子839を含み得る。回転可能なプラットフォームの電気接触子は、一組のボンドワイヤ841によって外部アクチュエータリングの電気接触子に電気的に接続され得る。
図43(a)~43(b)では本質的に正方形の輪郭を有するように示されるが、回転可能なプラットフォーム、内部作動リング、および外部作動リングは、代替的に、他の輪郭、例えば、長方形、円形、または楕円形の輪郭などを有するように形成されてもよい。
【0117】
パターン化層は、磁気センサを形成するように配設された磁気抵抗材料を含み得る。例示の明確さのために、パターン化層は、
図43(b)では単一の正方形領域として示されるが、代わりに、本明細書に記述されるパターン化層形状構成のいずれか、例えば、磁気センサを形成するように電気的に相互接続されているおよび配設されている1つ以上のパターン化層形状などを含んでもよい。
【0118】
動作中、回転可能なプラットフォームは、プラットフォームおよび内部アクチュエータリングの静電アクチュエータ構成要素への電気信号の印加に応答して第1の軸843の周りに回転し得る。同様に、回転可能なプラットフォームは、内部アクチュエータリングおよび外部アクチュエータリングの静電アクチュエータ構成要素への電気信号の印加に応答して第2の軸845の周りに回転され得る。
図44(a)~44(c)は、ねじりバネからオフセットされた軸に沿って取られた、磁気デバイスの断面前面図を描写する。
図44(a)では、回転可能なプラットフォームが、静止した状態にあり得、どちらの軸の周りにも回転がない。
図44(b)では、回転可能なプラットフォームが、第1の軸の周りに回転され得る。
図44(c)では、回転可能なプラットフォームが、第2の軸の周りに回転され得る。反射性層は、光源、例えば、対応する二次元パターンで回転可能なプラットフォームの上に導かれるレーザなどを走査し得る。磁気センサは、全体として磁気デバイスに対して既知の配向を有し得る、磁気デバイスの環境における磁場を検知することによって、回転可能なプラットフォームの配向を表わす出力信号を提供し得る。例示の明確さのために、ボンドワイヤ841が、
図44(a)~44(c)から省略されるが、それらは、両方の軸の周りのプラットフォームの回転に適合するように十分なサイズおよび可撓性を有すると同時に、回転可能なプラットフォーム上の電気接触子829および外側リング上の電気接触子839間の電気接続を依然として維持するように構成され得る。
【0119】
本明細書に記述される磁気デバイスの実施形態のいずれかは、本明細書に記述される基板に対して物理的接続または配設のいずれか、例えば、数ある接続および配設の中でも、
図7~44およびそれらの様々なサブ図面(すなわち、(a)、(b)等)のいずれかに関して記述される接続または配設のいずれかなどを有するパターン化層を有する磁気構造体を含み得る。
【0120】
磁気デバイスは、パッケージの構造体に接続されているまたはそれに対して配設されている磁気構造体を含み得る。
図45は、パッケージの構造体に対して接続または配設されている磁気構造体を有するパッケージ化された磁気デバイスとして磁気デバイス801の実施形態を描写する。磁気デバイスは、パッケージ803、磁気構造体805、1つ以上の基板807、および関連する回路809を含み得る。
【0121】
パッケージは、1つ以上のパッケージ構造体811、例えば、開口、筐体等のうちの1つ以上などを含み得る。磁気構造体は、所定の様態で1つ以上のパッケージ構造体に対して物理的に接続または配設され得る。
【0122】
パッケージ化された磁気デバイスの磁気構造体、基板、基板構造体815、および回路は、数ある実施形態の中でも、例えば、
図7~44およびそれらの様々なサブ図面(すなわち、(a)、(b)等)に関して上述したような、これらの構成要素の実施形態のいずれかならびに磁気デバイスの任意の他の実施形態に関して上述したそれらの相互接続および配設を含み得る。
【0123】
図46は、パッケージ化された磁気デバイスの実施形態を描写する。パッケージ化された磁気デバイスは、磁気構造体、パッケージ、および対応する回路を含み得る。磁気構造体は、基板860上に形成されたパターン化層856を含み得る。関連する回路は、1つ以上の更なる基板上に形成された集積回路864を含み得る。磁気構造体およびその基板は、集積回路に取り付けられ得、基板の積み重ねを形成する。
【0124】
パッケージは、磁気構造体の一部分を選択的に露出すると同時にデバイスの他の部分を囲むための筐体868を含み得る。筐体は、磁気構造体の一部分、例えば、パターン化層の表面またはパターン化層のコーティングされた表面などをパッケージの外部の環境に露出するための開口857と、外部環境に対する防壁を提供するために磁気構造体または回路のうちの1つ以上の別の部分を囲む囲い込み部分859と、を含み得る。外部環境への磁気構造体の露出は、磁場による磁気構造体へのまたは磁気構造体からの選択的なアクセスを提供することによって、磁気構造体の磁気性能を増強し得る。磁気構造体または集積回路の他の部分を囲い込むことは、磁場、電場、もしくは電磁場による磁気構造体へのまたは磁気構造体からのアクセスを選択的に防ぐことによって、磁気構造体または集積回路の他の部分の電気性能を増強し得、あるいは外部環境からの他の種類の保護を提供し得る。パッケージはまた、パッケージおよび磁気構造体または集積回路のうちの1つ以上の端子間の電気接続を提供するために伝導性リードフレームおよびワイヤボンドを含み得る。
【0125】
他の実施形態では、パッケージ化された磁気デバイスが、
図42に示されるようなものに類似してパッケージ化される、単一基板上に、例えば、かかる基板の同じまたは異なる側などに、一緒に形成された磁気構造体および回路を含み得る。
【0126】
図47(a)は、例えば、
図43および44などに示されるような微小機械スキャナ上にまたはその一部として形成された磁気構造体を組み込む、パッケージ化された磁気デバイスの別の実施形態の断面図を描写する。パッケージ化された磁気デバイスは、筐体965と、例えば、
図43および44に示されるような微小機械スキャナ969を含む基板967と、パッケージ基板971と、レンズ973と、1つ以上の電気相互接続975と、を含み得る。例示の明確さのために、微小機械スキャナ969が、単一の概略的な実体として示されるが、それは、
図43~44に示される構成要素の全てを含んでもよい。筐体は、レンズを位置付けるおよび光をスキャナに入れるための開口977と、開口およびレンズに対してスキャナを受け入れて位置付けるための部分978と、を含み得る。ボンドワイヤを含み得る電気接続は、スキャナをパッケージ基板に電気的に接続し得る。
図43および44に関して上述したように、磁気センサを形成する磁気抵抗材料のパターン化層979が、スキャナ上に形成され得る。
【0127】
パッケージ化された磁気デバイスはまた、第2のパターン化層を含み得る。第2のパターン化層は、所定の永久または一時的磁場を提供する材料を含み得る。
図47(b)および47(c)は、
図47(a)に示されるものに類似するパッケージ化された磁気デバイスの実施形態の断面図を描写するが、第2のパターン化層を含む。
図47(b)では、第2のパターン化層981が、パッケージ筐体またはパッケージ基板の一部分上に形成されてもよい。動作中、第2のパターン化層は、スキャナの周りに所定の磁場を提供し得、第1のパターン化層から形成された磁気センサは、センサによって検知される磁場に基づいてスキャナの回転位置を表わす出力を提供し得る。
図47(c)では、パターン化層の性質が逆であり得、第1のパターン化層983が、所定の磁場を提供する材料を含むスキャナ上に形成され、第2のパターン化層985が、磁気センサを形成する磁気抵抗材料を含むパッケージ筐体またはパッケージ基板上に形成される。かかる実施形態は、
図47(b)の実施形態に類似の原理に従って動作し得るが、磁場の生成および検知が、交替された位置で行われる。
【0128】
磁気デバイスは、複数の基板を組み込むモジュールの構造体に接続されているまたはそれに対して配設されている磁気構造体を含み得る。
図48は、モジュール817をベースとした磁気デバイスとして磁気デバイスの実施形態を描写する。磁気デバイスは、複数の基板819、磁気構造体821、および関連する回路823を含み得る。磁気デバイスはまた、任意選択的に、1つ以上の他の構造体825、例えば、コイル、キャップ、微小機械構造体、アンテナ等も含み得る。
【0129】
磁気構造体は、モジュール基板のうちの1つ以上の1つ以上の構造体827に対して物理的に接続または配設され得る。例えば、磁気構造体は、数ある実施形態の中でも、
図7~44およびそれらの様々なサブ図面(すなわち、(a)、(b)等)に関して上述したように、基板をベースとした磁気デバイスに関して上述した磁気構造体および基板の実施形態のいずれかならびにそれらの相互接続および配設に従って、モジュール基板のうちの1つ以上の構造体に対して物理的に接続または配設され得る。実施形態では、磁気構造体が、これらの実施形態のいずれかに従って基板のうちの1つ上に形成される一方で、複数の基板が、以下に記述されるように磁気構造体および第1の基板に接続されているならびにそれに対して配設されている更なる複数の基板を含み得る。
【0130】
モジュール磁気デバイスの磁気構造体、基板、回路、および他の構造体は、他の磁気デバイスの実施形態に関して上述したこれらの構成要素の実施形態のいずれかならびにそれらの相互接続および配設を含み得る。
【0131】
図49(a)は、1つ以上の磁気構造体(または基板上の磁気構造体)816および複数の基板820を有する基板構造体を含み得るモジュール812の実施形態の斜視図を描写する。
図49(b)は、
図49(a)に示されるモジュールの断面側面図を描写する。基板構造体は、互いの上面上に重ねられた複数の基板820を含み得る。実施形態では、基板構造体が、複数の積層を含む積層基板構造体であり得る。
【0132】
1つ以上の磁気構造体が、基板構造体の基板に取り付けられ得る。磁気構造体816は、
図49(b)に示されるように、磁気構造体が基板構造体内に十分に埋め込まれるように、基板構造体の基板に取り付けられ得る。代替的に、磁気構造体は、磁気構造体がモジュールの外部表面に露出されるように基板構造体の基板に取り付けられてもよい。
図49(c)~49(d)は、
図49(a)~49(b)に示されるものに類似する磁気モジュールの実施形態の断面側面図を描写するが、磁気構造体、例えば、パターン化層の表面またはパターン化層のコーティングされた表面などが、モジュールの外部表面に露出されるように、磁気構造体が、基板構造体の基板に取り付けられ得る。
図49(c)では、磁気構造体、例えば、パターン化層の表面またはパターン化層のコーティングされた表面などがモジュールの同じ側の外部表面に露出されるように、複数の磁気構造体824が、基板構造体の基板に取り付けられ得る。
図49(d)では、磁気構造体、例えば、パターン化層の表面またはパターン化層のコーティングされた表面などが、モジュールの異なる側、例えば、反対側の外部表面において露出されるように、複数の磁気構造体828が、基板構造体の基板に取り付けられ得る。
【0133】
モジュールはまた、磁気構造体に加えて基板構造体の基板に取り付けられた1つ以上の構成要素を含み得る。構成要素は、基板に沿ってもしくはそれを通して置かれた伝導性トレースまたはビアのうちの1つ以上によって磁気構造体に電気的に接続され得る。
【0134】
磁気構造体は、複数の基板内の開口と物理的に位置合わせされ得る。
図50(a)は、開口が、基板の構造体の複数の基板836、840内の開口に位置合わせされた状態の、磁気構造体のパターン化層832を含む磁気デバイスの実施形態の分解図を描写する。基板構造体は、例えば、モジュールなどにおいて、互いの上部上に積み重ねられた複数の基板を含み得る。パターン化層は、パターン化層内の開口が、基板のそれぞれにおける開口と位置合わせされるように、2つの基板間に位置し得る。
図15~16に関して上述したように、開口の位置合わせは、磁気デバイスの片側から磁気デバイスのもう一方側への別の構成要素またはデバイスのための移動の経路を作り出し得る。
図50(b)は、
図50(a)に示される磁気デバイスの実施形態の側面図を描写する。パターン化層は、任意選択的に、積み重ねられた基板構造体への基板のより密なパッキングを可能にするように、基板のうちの1つ以上に形成された凹部内に位置付けられてもよい。
【0135】
磁気構造体はまた、モジュール内の1つ以上の開口と物理的に位置合わせされ得る。
図51(a)~51(b)は、複数の基板848を有する基板構造体内の開口845と位置合わせした1つ以上の磁気構造体を含み得る磁気モジュール844の実施形態の斜視図および断面側面図を描写する。開口は、複数の基板848を通ってモジュールの片側からもう一方側へと延在し得る。磁気構造体852は、磁気構造体が開口に露出されるように、開口の側面において基板のうちの1つ以上に接続され得る。
図51(c)は、
図51(b)に描写される実施形態に類似する磁気モジュールの別の実施形態を描写する断面側面図であるが、開口が、複数の基板を通ってモジュールの片側から延在し得、モジュールの内部において終了し得、磁気構造体853は、磁気構造体が開口に露出されるように、開口の底部において基板のうちの1つ以上に接続され得る。
図51(d)は、
図51(a)~51(b)に描写される実施形態に類似する磁気モジュールの別の実施形態を描写する斜視図であるが、追加的な開口855が、モジュールの第3の側から複数の基板を通ってモジュールの第4の側まで延在し得、その追加的な開口は、第1の開口に交わる。
【0136】
磁気構造体はまた、マイクロ流体構造体と関係して提供され得る。
図52(a)は、マイクロ流体チャネル857および磁気構造体859を含む磁気デバイスの一部分の実施形態を描写する断面側面図である。チャネルは、第1のチャネル部分863の中への流体の流動を受け入れるための入口861と、チャネルを複数の第2のチャネル部分867に分離するためのチャネル構造体865と、第2のチャネル部分からの流体流出を提供するための複数の出口と、を含み得る。磁気構造体は、チャネルの一部分の周りに形成された1つ以上のパターン化層、例えば、チャネルを少なくとも部分的に形成する壁に接続されてまたはそれに隣接して形成されたパターン化層など、を含み得る。例えば、
図52(a)に描写されるように、磁気構造体は、チャネルを少なくとも部分的に形成する第1の壁に接続されてまたはそれに隣接して形成された第1のパターン化層、例えば、チャネルの上部壁の上部上に形成された層869など、およびチャネルを少なくとも部分的に形成する第2の壁に接続されてまたはそれに隣接して形成された第2のパターン化層、例えば、チャネルを少なくとも部分的に形成する底壁の下に形成された層871など、を含み得る。
【0137】
パターン化層は、磁場を作り出す材料を含み得る。実施形態では、パターン化層が、永久磁場を作り出す材料を含み得る。
図52(a)では、パターン化層が、永久磁場を作り出す硬磁性材料を含み得る。他の実施形態では、パターン化層が、一時的磁場を作り出す材料を含み得る。かかる実施形態では、磁気デバイスがまた、材料内の磁場を設定するおよび/または変化させるような所定の様態で、パターン化層に接続されるまたはそれに対して配設されるコイルを含み得る。
図52(b)は、例えば、
図52(a)に示されるようなマイクロ流体チャネルおよび磁気構造体ならびに伝導性コイル873、875を含む磁気デバイスの一部分の別の実施形態を描写する断面側面図である。磁気構造体は、一時的磁場を作り出す軟磁性材料を含むパターン化層を含み得る。伝導性コイルは、材料によって作り出された磁場を設定および/または補足するために、例えば、単一の磁場配向を有する静磁場、または変化する磁場配向を有する変化する磁場のうちの1つ以上などを提供するために磁場を作り出すように、磁気デバイスの関連する回路によって駆動され得る。
【0138】
動作中、入口においてチャネルの中に流れる流体は、磁場に対して異なる応答を有する複数の異なる種類の粒子を含み得、磁気構造体は、磁場を提供して、異なる種類の粒子を第2のチャネル部分のそれぞれの異なるものに分離するために使用され得る。例えば、
図52(a)~52(b)に描写されるように、チャネル入口の中に流れる流体は、選択された印加磁場に応答して第2のチャネル部分の初めの方へ第1の方向に動き得る第1の種類の粒子877、および選択された印加磁場に応答して第2のチャネル部分の初めの方へ第2の方向に動き得る第2の種類の粒子879を含み得る。異なる種類の粒子は、それら自体の磁気特性の結果として磁場に対して異なる応答を呈し得る。他の実施形態では、流体または流体に加えられた粒子が、磁場に対する応答を呈し得、例えば、それらの密度に従って異なる種類の粒子を分離し得る、密度勾配などのような流体流動の特徴を作り出す。
【0139】
磁気デバイスは、種々の構成で、例えば、
図52(a)~52(b)に示されるようなマイクロ流体および磁気構造体を組み込み得る。
図52(c)は、多層構造体における1つ以上の層として、例えば、
図52(a)~52(b)に示されるようなマイクロ流体および磁気構造体を含む磁気デバイスの実施形態を描写する。多層構造体の層881は、種々の形態を取り得る。実施形態では、多層構造体の層が、基板上に形成された層であり得る。他の実施形態では、多層構造体の層が、例えば、磁気モジュールのような複数基板構造体の基板を含んでもよい。
【0140】
磁気デバイスは、システムの構造体に接続されているまたはそれに対して配設されている磁気構造体を含み得る。
図53は、システムの構造体に対して接続もしくは配設されている磁気構造体を有するシステムとしてまたはその一部として、磁気デバイス883の実施形態を描写する。磁気デバイスは、磁気構造体885、システム構造体887、および関連する回路889を含み得る。システム構造体は、本明細書において磁気デバイスの任意の他の実施形態に関して記述される磁気構造体に接続されているまたはそれに対して配設されている構造体のいずれかを含み得る。磁気構造体、システム構造体、および回路は、これらの構成要素の実施形態のいずれかならびに本明細書に記述される磁気デバイスの任意の実施形態のそれらの相互接続および配設を含み得る。
【0141】
磁気デバイスはまた、複数の位置合わせしたパターン化層を含む磁気構造体を含み得る。
図54(a)は、積み重ねて配設された複数のパターン化層872を含む磁気構造体の実施形態の分解図を描写する。パターン化層のそれぞれは、積み重ねにおいて他の磁気構造体の開口と位置合わせした開口を含み得る。パターン化層のそれぞれもまた、任意選択的に、積み重ねにおいて他の磁気構造体の境界または形状に位置合わせした境界または形状を含んでもよい。パターン化層は、例えば、
図10(a)~10(b)に関して上述したように、それぞれ別個に形成されたパターン化層であってもよい。
図54(b)は、
図54(a)に描写される磁気構造体の非分解斜視図を描写する。
【0142】
磁気構造体はまた、他の層と組み合わせて配設された複数の位置合わせしたパターン化層を含み得る。
図55(a)は、積み重ねにおいて他の層880と組み合わせて配設された複数のパターン化層876を含む磁気構造体の実施形態の分解図を描写する。パターン化層および他の層のそれぞれは、積み重ねにおいて他の層の開口と位置合わせした開口を含み得る。パターン化層のそれぞれもまた、任意選択的に、積み重ねにおいて他の磁気構造体の境界または形状に位置合わせした境界または形状を含んでもよい。パターン化層は、上述したように、例えば、対応する基板などを用いてまたは用いずに、それぞれ別個に形成されたパターン化層であり得る。他の層は、例えば、パターン化層が上に形成され得る基板などの非磁気材料、または別個のスペーサを含み得る。
図55(b)は、
図55(a)に描写される磁気構造体の非分解斜視図を描写する。
【0143】
上述したように、磁気デバイスは、例えば、磁気構造体および他のデバイス構造体の信号の提供、受信、調整、および処理などの機能を提供するために、磁気構造体および他のデバイス構造体のうちの1つ以上に電気的に接続され得る回路を含み得る。
【0144】
磁気デバイスは、磁気構造体と同じ基板上に回路を組み込んでもよい。例えば、磁気デバイスは、それぞれ、別個の領域内または同じ領域内において、基板の同じ側に回路および磁気構造体を組み込んでもよい。代替的に、磁気デバイスは、基板のうちの磁気構造体とは異なる側に回路を組み込んでもよい。磁気デバイスはまた、磁気構造体を含むものとは異なる基板上に回路を組み込んでもよい。
【0145】
磁気デバイスは、数ある機能の中でも、磁気デバイスの磁気構造体からの電気信号の受信および操作、磁気構造体への電気信号の生成および提供、伝導性コイルへの電気信号の生成および提供、またはトランスミッタへの電気信号の生成および提供のうちの1つ以上を行うための回路を含み得る。
【0146】
例えば、磁気デバイスは、磁気構造体からの電気信号を受信および操作するための回路を含み得る。
図56は、磁気構造体から電気信号を受信および操作するために使用され得る磁気構造体ならびに回路の実施形態を描写する。回路は、増幅回路900、アナログデジタル変換器(ADC)904、およびプロセッサまたはコントローラ908を含み得る。増幅回路900は、磁気構造体に電気的に結合され得、磁気構造体の出力を受信して、磁気構造体から受信された信号のバッファリングまたは増幅のうちの1つ以上を行う。増幅回路900は、バッファリングまたは増幅を行うために1つ以上の演算増幅器を含み得る。ADC904は、増幅回路に電気的に結合され得、増幅回路900の出力を受信して、受信信号をアナログからデジタル表現に変換する。ADC904は、フラッシュ型ADC、パイプライン型ADC、シグマデルタ型ADC、逐次比較型ADC等のうちの1つ以上を含み得る。プロセッサまたはコントローラ908は、ADC904に電気的に結合され得、ADC904の出力を受信して、受信したデジタル化信号の処理のうちの1つ以上を行い、デジタル化信号から情報を抽出するまたはデジタル化信号に応じて制御信号を生成する。
【0147】
磁気デバイスはまた、電気信号を生成して磁気構造体に提供するための回路を含み得る。
図57は、磁気構造体および電気信号を生成して磁気構造体に提供するために使用され得る回路の実施形態を描写する。回路は、プロセッサまたはコントローラ916、デジタルアナログ変換器(DAC)920、およびドライバ回路924を含み得る。プロセッサまたはコントローラ916は、磁気構造体に提供される電気信号を表わす制御信号を生成し得る。プロセッサまたはコントローラ916は、磁気構造体によって出力された信号または別の信号を表わすデジタル化信号に応じることによって制御信号を生成し得る。DAC920は、プロセッサまたはコントローラに電気的に結合され得、プロセッサまたはコントローラ916によって出力された制御信号を受信して、制御信号をデジタルからアナログ表現に変換する。DAC920は、R-2Rラダー型DAC、オーバーサンプリング型DAC、ハイブリッド型DAC等のうちの1つ以上を含み得る。ドライバ回路924は、DAC920に電気的に結合され得、DAC920から出力されたアナログ信号を受信して、対応する駆動信号を磁気構造体に提供する。ドライバ回路924は、DAC920からの信号のバッファリングまたは増幅のうちの1つ以上を行い得る。ドライバ回路924は、バッファリングまたは増幅を行うための1つ以上のトランジスタを含み得る。
【0148】
磁気デバイスはまた、電気信号を生成して伝導性コイルに提供するための回路を含み得る。伝導性コイルは、磁気構造体の特性を設定するまたは変えるように、または他の場合では磁気構造体と関係して使用されるように、磁場を生成するために使用され得る。
図58は、電気信号を生成して伝導性コイルに提供するために使用され得る回路の実施形態を描写する。回路は、プロセッサまたはコントローラ932、デジタルアナログ変換器(DAC)936、およびドライバ回路940を含み得る。プロセッサまたはコントローラ932は、伝導性コイルに提供される電気信号を表わす制御信号を生成し得る。プロセッサまたはコントローラ932は、磁気構造体によって出力された信号を表わすデジタル化信号または別の信号に応じることによって制御信号を生成し得る。DAC936は、プロセッサまたはコントローラに電気的に結合され得、プロセッサまたはコントローラ932によって出力された制御信号を受信して、制御信号をデジタルからアナログ表現に変換する。DAC936は、R-2Rラダー型DAC、オーバーサンプリング型DAC、ハイブリッド型DAC等のうちの1つ以上を含み得る。ドライバ回路940は、DAC936に電気的に結合され得、DAC936によって出力されたアナログ信号を受信して、対応する駆動信号を伝導性コイルに提供する。ドライバ回路940は、DAC936からの信号のバッファリングまたは増幅のうちの1つ以上を行い得る。ドライバ回路940は、バッファリングまたは増幅を行うための1つ以上のトランジスタを含み得る。
【0149】
磁気デバイスはまた、伝送のために、例えば、磁気構造体によって検知される磁場または電流などを表わす、磁気構造体からの信号に基づいて電気信号を生成および提供するための回路を含み得る。
図59は、磁気センサおよび電気信号を生成して送信要素に提供するために使用され得る回路の実施形態を描写する。回路は、増幅回路945、およびADC947、トランスミッタ949、ならびに送信要素951、例えば、伝導性コイル、アンテナ等を含み得る。増幅回路およびADCは、
図49の回路に関して上述したように構成され得、動作し得る。トランスミッタ回路は、ADCに電気的に結合され得、ADCによって出力されたデジタル信号を受信して、対応する伝送駆動信号を送信要素に提供する。
【0150】
磁気構造体が、例えば、異方性磁気抵抗センサまたは他の磁気抵抗センサなどの磁気センサを形成する実施形態では、増幅およびドライバ回路のいくつかの実施形態が提供され得る。
図60は、検知された磁場を表わす出力を提供するための磁気センサ960および増幅回路964の実施形態を描写する。増幅回路は、単一の演算増幅器を含み得、磁気センサは、単一の磁気抵抗968を含み得る。
図61は、磁気センサ968および増幅回路ならびに検知された磁場を表わす線形化出力を提供するための線形化回路972の実施形態を描写する。増幅および線形化回路は、単一の演算増幅器を含み得、磁気センサは、単一の磁気抵抗を含み得る。
図62は、磁気センサ976、増幅回路980、および検知された磁場を表わす線形化出力を提供するための線形化回路984の別の実施形態を描写する。増幅および線形化回路は、演算増幅器をそれぞれ含み得、磁気センサは、単一の磁気抵抗を含み得る。
図63は、磁気センサ988および増幅回路ならびに検知された磁場を表わす出力を提供するための線形化回路992の実施形態を描写する。増幅および線形化回路は、単一の演算増幅器を含み得、磁気センサは、一対の磁気抵抗を含み得る。
図64は、磁気センサ996、増幅回路1000、および検知された磁場を表わす線形化出力を提供するための線形化回路1004の実施形態を描写する。増幅および線形化回路は、演算増幅器をそれぞれ含み得、磁気センサは、一対の磁気抵抗を含み得る。他の実施形態では、検知された磁場を表わす出力を提供するための増幅回路が、1つ以上の演算相互コンダクタンス増幅器を含み得る。
【0151】
磁気センサはまた、センサの信号にバイアスをかける、それを駆動する、または変調するように駆動され得る。
図65は、磁気センサ1008および磁気センサの信号にバイアスをかける、それを駆動する、または変調するために使用され得るドライバ回路1012の実施形態を描写する。
図65の磁気センサおよびドライバ回路はまた、例えば、
図60~64における増幅および/または線形化回路の実施形態のいずれかなどの増幅回路の実施形態と共に使用され得る。
【0152】
磁気デバイスの回路の実施形態は、本明細書に記述される回路のいずれかの構成要素の任意のサブセットまたは組み合わせを含んでもよい。例えば、回路は、本明細書に記述される回路のいずれかの1つ以上の構成要素を含んでもよい。回路はまた、任意の順序、例えば、例示的な図面に示されるものとは異なる順序などで配設された、本明細書に記述される回路のうちの1つ以上の1つ以上の構成要素を含んでもよい。回路はまた、本明細書に記述される回路の構成要素または構成要素の任意のサブセットに加えて、構成要素を含んでもよい。
【0153】
上述した回路およびサブ回路の信号ならびにそれらの間の信号は、シングルエンドまたは異なる信号のいずれかであってもよい。
【0154】
本明細書に記述されるパターン化層は、薄膜、例えば、集積回路基板処理によって生成された層などとして形成されてもよい。代替的に、本明細書に記述されるパターン化層は、比較的厚い膜、例えば、スクリーン印刷または他の厚膜プロセスによって生成された層などであってもよい。
【0155】
本明細書に記載される磁気デバイスの実施形態のいずれかの任意の特徴は、任意選択的に、磁気デバイスの任意の他の実施形態において使用され得る。例えば、磁気デバイスの実施形態は、本明細書に記述される他のデバイス構造体の任意の実施形態および本明細書に記述される回路の任意の実施形態との、本明細書に記述される磁気構造体の任意の実施形態の任意の組み合わせを含んでもよい。また、磁気デバイスの実施形態は、任意選択的に、本明細書に記述される磁気デバイスの構成要素または特徴の任意のサブセットを含むことができる。例えば、磁気デバイスの実施形態は、任意選択的に、回路を省略すると同時に、本明細書に記述される他のデバイス構造体の任意の実施形態との、本明細書に記述される磁気構造体の任意の実施形態の任意の組み合わせを含んでもよい。