(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】ROCK阻害剤としてのスピロラクタム
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20220729BHJP
A61K 31/4155 20060101ALI20220729BHJP
A61K 31/437 20060101ALI20220729BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20220729BHJP
A61K 31/4747 20060101ALI20220729BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20220729BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20220729BHJP
A61P 9/04 20060101ALI20220729BHJP
A61P 9/08 20060101ALI20220729BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20220729BHJP
A61P 9/12 20060101ALI20220729BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20220729BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220729BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220729BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20220729BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220729BHJP
C07D 403/10 20060101ALI20220729BHJP
C07D 471/10 20060101ALI20220729BHJP
C07D 471/20 20060101ALI20220729BHJP
C07D 487/10 20060101ALI20220729BHJP
C07D 491/107 20060101ALI20220729BHJP
C07D 519/00 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
C07D401/14 CSP
A61K31/4155
A61K31/437
A61K31/4439
A61K31/4747
A61K31/497
A61P9/00
A61P9/04
A61P9/08
A61P9/10
A61P9/10 101
A61P9/10 103
A61P9/12
A61P21/00
A61P25/00
A61P35/00
A61P37/02
A61P43/00 111
C07D403/10
C07D471/10 101
C07D471/20
C07D487/10
C07D491/107
C07D519/00 311
(21)【出願番号】P 2019500399
(86)(22)【出願日】2017-07-06
(86)【国際出願番号】 US2017040850
(87)【国際公開番号】W WO2018009625
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-07-03
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391015708
【氏名又は名称】ブリストル-マイヤーズ スクイブ カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BRISTOL-MYERS SQUIBB COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100126778
【氏名又は名称】品川 永敏
(74)【代理人】
【識別番号】100162684
【氏名又は名称】呉 英燦
(74)【代理人】
【識別番号】100162695
【氏名又は名称】釜平 双美
(74)【代理人】
【識別番号】100156155
【氏名又は名称】水原 正弘
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ダブリュー・グランツ
(72)【発明者】
【氏名】インダワティ・デルッカ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ケイ・ディルガー
【審査官】西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-510033(JP,A)
【文献】SHAH, S et al.,A review on ROCK-II inhibitors: From molecular modelling to synthesis,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2016年,Vol. 26,pp. 2383-2391
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】
[式中、
環Aは独立して、
【化2】
から選択され;
J
1、J
2、J
3、およびJ
4は独立して、N、CR
3、およびCR
4から選択され;但し、J
1、J
2、J
3、およびJ
4のうち2つ以下がNであり;
Kはそれぞれ独立して、N、CR
1、およびCR
2から選択され;
R
6およびR
7は、それらが共に結合する炭素原子と一緒になって、
【化3】
[式中、*は式(I)の残りの構造への結合点を示す]
を形成し;
X
1は独立して、CR
9R
9、O、およびNR
8から選択され;
X
2は独立して、CR
9およびNから選択され;但し、X
2の
4つ以上はNでなく;
R
1はそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、OH、CN、NR
aR
a、0~3個のR
eで置換された-OC
1-4アルキル、および0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
2はそれぞれ独立して、H、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rCN、-(CH
2)
rC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)OR
b、-(CH
2)
rOC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)OR
b、-(CH
2)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pR
c、0~3個のR
eで置換された(CH
2)
r-C
3-6カルボシクリル、および0~3個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
3は独立して、H、F、Cl、Br、CN、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rCN、-(CH
2)
rNR
aC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aC(=O)OR
b、-(CH
2)
rOC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)OR
b、-(CH
2)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pR
c、0~3個のR
eで置換された(CH
2)
r-C
3-6カルボシクリル、および0~3個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
4は独立して、H、F、Cl、Br、OH、CN、0~3個のR
eで置換されたOC
1-4アルキル、NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rCN、-(CH
2)
rC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)OR
b、-(CH
2)
rOC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)OR
b、-(CH
2)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pR
c、0~3個のR
eで置換された(CH
2)
r-C
3-6カルボシクリル、0~3個のR
eで置換された-C(=O)-ヘテロシクリル、および0~3個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、ニトロ、-(CHR
d)
rS(O)
pR
c、-(CHR
d)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CHR
d)
rNR
aS(O)
pR
c、-(CHR
d)
rOR
b、-(CHR
d)
rCN、-(CHR
d)
rNR
aR
a、-(CHR
d)
rNR
aC(=O)R
b、-(CHR
d)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CHR
d)
rC(=O)OR
b、-(CHR
d)
rC(=O)R
b、-(CHR
d)
rC(=O)NR
aR
a、-(CHR
d)
rOC(=O)R
b、-(CHR
d)
r-シクロアルキル、-(CHR
d)
r-ヘテロシクリル、-(CHR
d)
r-アリール、および-(CHR
d)
r-ヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、0~4個のR
eで置換され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
cはそれぞれ独立して、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、C
3-6カルボシクリル、およびヘテロシクリルから選択され;
R
dはそれぞれ独立して、H、および0~5個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、-(CH
2)
r-ヘテロシクリル、-(CH
2)
r-アリール、-(CH
2)
r-ヘテロアリール、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、-(CH
2)
rOR
f、S(O)
pR
f、C(=O)NR
fR
f、NR
fC(=O)R
f
、S(O)
pNR
fR
f、NR
fS(O)
pR
f
、NR
fC(=O)OR
f
、OC(=O)NR
fR
fおよび-(CH
2)
rNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
pはそれぞれ独立して、0、1、および2から選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、3、および4から選択され;
mは独立して、0および1から選択され;
nは独立して、1および2から選択される。]
で示される化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項2】
式(II):
【化3】
[式中、
環Aは独立して、
【化4】
から選択され;
J
2、J
3、およびJ
4は独立して、N、CR
3、およびCR
4から選択され;
Kはそれぞれ独立して、N、CR
1、およびCR
2から選択され;
X
1は独立して、CR
9R
9
、O、およびNR
8から選択され;
X
2は独立して、CR
9およびNから選択され;但し、X
2の
4つ以上はNでなく;
R
1はそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、NR
aR
a、および0~
3個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
2はそれぞれ独立して
、OH、CN、
およびNR
a
R
a
から選択され;
R
3は独立して、H、F、Cl、Br、CN、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
4は独立して、H、F、Cl、Br、OH、CN、0~3個のR
eで置換されたOC
1-4アルキル、および0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
5は独立して、H
、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、C(=O)R
b、
(CH
2
)
r
S(O)
p
R
c
、-(CH
2
)
r
C(=O)R
b
、-(CH
2
)
r
NR
a
R
a
、-(CH
2
)
r
CN、および-C(=O)OR
bから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9は独立して、H、F、Cl、Br、C
1-4アルキル、ニトロ、-(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pR
c、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rCN、-(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)OR
b、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-C(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rOC(=O)R
b、-(CH
2)
r-シクロアルキル、-(CH
2)
r-ヘテロシクリル、-(CH
2)
r-アリール、および-(CH
2)
r-ヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、0~4個のR
eで置換され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
cはそれぞれ独立して、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、C
3-6カルボシクリル、およびヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、-(CH
2)
r-ヘテロシクリル、-(CH
2)
r-アリール、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、-(CH
2)
rOR
f、S(O)
pR
f、S(O)
pNR
fR
f、および-(CH
2)
rNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
mは独立して、0および1から選択され;
nは独立して、1および2から選択され;
pはそれぞれ独立して、0、1、および2から選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、3、および4から選択される。]
を有する、請求項1に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項3】
式(III):
【化5】
[式中、
J
2は独立して、NおよびCR
3から選択され;
R
1は独立して、HおよびCF
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル
、-OC
1-3アルキル、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、OH、OC
1-4アルキル、およびNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
を有する、請求項2に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項4】
式(IV):
【化6】
[式中、
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル
、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
を有する、請求項3に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項5】
式(V):
【化7】
[式中、
環Aは独立して、
【化8】
から選択され;
J
2およびJ
3は独立して、NおよびCR
3から選択され;
R
1は独立して、HおよびCF
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、-OC
1-3アルキル、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、OH、OC
1-4アルキル、およびNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか;あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
nは独立して、1および2から選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
を有する、請求項2に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項6】
式(VI):
【化9】
[式中、
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
を有する、請求項5に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項7】
式(VII):
【化10】
[式中、
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル
、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
を有する、請求項5に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項8】
式(VIII):
【化11】
[式中、
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
を有する、請求項5に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項9】
式(IX):
【化12】
[式中、
J
2は独立して、N、およびCR
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルを形成し;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
を有する、請求項5に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項10】
式(X):
【化13】
[式中、
J
2は独立して、N、およびCR
3から選択され;
R
1は独立して、H、およびCF
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、-OC
1-3アルキル、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、OH、OC
1-4アルキル、およびNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
nは独立して、1および2から選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
を有する、請求項2に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項11】
式(XI):
【化14】
[式中、
J
2は独立して、N、およびCR
3から選択され;
R
1は独立して、H、およびCF
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、-OC
1-3アルキル、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O
、OH、OC
1-4アルキル、およびNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
を有する、請求項10に記載の化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項12】
以下:
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン TFA;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-インダゾール-5-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシ-1-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
5-フルオロ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
5-メトキシ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1’,3’-ジヒドロスピロ[ピロリジン-3,2’-ピロロ[3,2-b]ピリジン]-2-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(3-メトキシ-
4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-
スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(3-メトキシ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-ヒドロキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-フルオロ-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピラジン-2-イル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[ピロリジン-3,2’-キノリン]-2-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-3,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)フェニル)-1,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-3,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[クロマン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3,3-ジメチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(ヒドロキシメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(アミノメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
(2S)-1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(ヒドロキシメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;
(2R)-1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(ヒドロキシメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン;および
1-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-(ヒドロキシメチル)-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[ピロリジン-3,2’-キノリン]-2-オン
から選択され
る化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオマー、立体異性体、互変異性体、もしくは薬学的に許容可能な塩。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載される1つ以上の化合物、および薬学的に許容可能な担体または希釈剤を含む、医薬組成物。
【請求項14】
異常なRhoキナーゼ活性に関連する障害の予防剤および/または治療剤の製造における、請求項1~12のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項15】
前記障害が、心血管障害、平滑筋関連障害、線維性疾患、炎症性疾患、神経障害、腫瘍性障害、および自己免疫性障害から成る群から選択される、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記心血管障害が、狭心症、アテローム性動脈硬化症、脳卒中、脳血管疾患、心不全、冠動脈疾患、心筋梗塞、末梢血管疾患、狭窄、血管攣縮、高血圧および肺高血圧から成る群から選択される、請求項15に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、35 U.S.C.§119(e)の下で、米国仮特許出願第62/359,354号(2016年7月7日出願)の優先権を主張し、その全体が引用によって本明細書に援用される。
【0002】
本発明は、新規なスピロラクタム、それらを含む組成物、および例えば、異常なRhoキナーゼ活性に関連する障害の治療または予防のための、それらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
Rhoキナーゼ(ROCK)は、セリンスレオニンタンパク質キナーゼファミリーの一員である。ROCKはROCK1およびROCK2の2つのアイソフォームで存在する(Ishizaki, T. et al., EMBO J., 15:1885-1893 (1996))。ROCKは、多くの細胞シグナル伝達経路において重要な役割を有する低分子GTP結合タンパク質(Gタンパク質)である、RhoAエフェクター分子として特定されている。ROCKおよびRhoAは組織に広範に発現する。RhoA/ROCKシグナル伝達経路は、アクチン(登録商標)の組織化、細胞接着、細胞遊走、および細胞質分裂などの、多くの細胞機能に関連する(Riento, K. et al., Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 4:446-456 (2003))。これはまた、平滑筋収縮の制御に直接関連している(Somlyo, A.P., Nature, 389:908-911 (1997))。受容体の活性化によって、RhoAが活性化され、その後これがROCKを活性化する。活性化ROCKは、ミオシン軽鎖ホスファターゼのミオシン結合サブユニットをリン酸化し、これによってホスファターゼの活性が阻害され、収縮が生じる。脈管構造における平滑筋の収縮が血圧を上昇させ、高血圧をもたらす。
【0004】
RhoA/ROCKシグナル伝達経路が、いくつかの血管動作性因子、例えば、アンギオテンシンII(Yamakawa, T. et al., Hypertension, 35:313-318 (2000))、ウロテンシンII(Sauzeau, V. et al., Circ. Res., 88:1102-1104 (2001))、エンドセリン-1(Tangkijvanich, P. et al., Hepatology, 33:74-80 (2001))、セロトニン(Shimokawa, H., Jpn. Circ. J., 64:1-12 (2000))、ノルエピネフリン(Martinez, M.C. et al., Am. J. Physiol., 279:H1228-H1238 (2000))、および血小板由来増殖因子(PDGF)(Kishi, H. et al., J. Biochem., 128:719-722 (2000))によって開始されるシグナル変換において、重要な役割を有することの考慮すべき証拠が文献にある。これらの因子の多くは、心血管疾患の病因に関わる。
【0005】
文献におけるさらなる研究は、いくつかは既知のROCK阻害剤であるファスジル(Asano, T. et al., J. Pharmacol. Exp. Ther., 241:1033-1040 (1987))、またはY-27632(Uehata, M. et al., Nature, 389:990-994 (1997))を用いて、さらにROCKと心血管疾患との関連を説明する。例えば、ROCKの発現および活性は、自然発症性高血圧ラットにおいて上昇していることが示され、このことはこれらの動物における高血圧の発達との関連を示唆する(Mukai, Y. et al., FASEB J., 15:1062-1064 (2001))。ROCK阻害剤Y-27632(Uehata, M. et al., Nature, 同書)は、コントロールラットにおいて、血圧にわずかな影響しか有しないが、高血圧の3つのラットモデル、自然発症性高血圧ラット、腎臓高血圧ラット、およびデオキシコルチゾン酢酸塩高血圧ラットモデルなどにおいて、有意に血圧を減少させることが示された。これは、ROCKと高血圧との関連を強固にする。
【0006】
他の研究は、ROCKとアテローム性動脈硬化症との関連を示唆する。例えば、ROCKのドミナントネガティブ型の遺伝子導入によって、ブタ大腿動脈におけるバルーン障害後の新生内膜形成が抑制された(Eto, Y. et al., Am. J. Physiol. Heart Circ. Physiol., 278:H1744-H1750 (2000))。同様のモデルにおいて、ROCK阻害剤Y-27632はまた、ラットにおける新生内膜形成を阻害した(Sawada, N. et al., Circulation, 101:2030-2033 (2000))。IL-1ベータ誘導冠動脈狭窄のブタモデルにおいて、ROCK阻害剤であるファスジルによる長期間の治療によって、冠動脈狭窄の進行を軽減すること、並びに冠動脈狭窄リモデリングの退縮を促進することが示された(Shimokawa, H. et al., Cardiovasc. Res., 51:169-177 (2001))。
【0007】
さらなる調査によって、ROCK阻害剤が他の心血管疾患の治療において有用でありうることが示唆される。例えば、ラットの脳卒中モデルにおいて、ファスジルは梗塞の大きさ、および神経障害の両方を減少させることが示された(Toshima, Y., Stroke, 31:2245-2250 (2000))。ROCK阻害剤Y-27632は、心室肥大化、線維症、およびDahl塩感受性ラットのうっ血性心不全モデルにおける機能を向上させることが示された(Kobayashi, N. et al., Cardiovasc. Res., 55:757-767 (2002))。
【0008】
他の動物または臨床試験は、冠攣縮(Shimokawa, H. et al., Cardiovasc. Res., 43:1029-1039 (1999))、脳血管攣縮(Sato, M. et al., Circ. Res., 87:195-200 (2000))、虚血/再潅流傷害(Yada, T. et al., J. Am. Coll. Cardiol., 45:599-607 (2005))、肺高血圧(Fukumoto, Y. et al., Heart, 91:391-392 (2005))、狭心症(Shimokawa, H. et al., J. Cardiovasc. Pharmacol., 39:319-327 (2002))、腎臓病(Satoh, S. et al., Eur. J. Pharmacol., 455:169-174 (2002))、および勃起不全(Gonzalez-Cadavid, N.F. et al., Endocrine, 23:167-176 (2004))などのさらなる疾患におけるROCKを示唆している。
【0009】
RhoA/ROCKシグナル伝達経路の阻害によって、単球の増殖性遊走を阻害する、多くの競合するラメリポディアの形成が生じることが、別の研究において実証されている(Worthylake, R.A. et al., J. Biol. Chem., 278:13578-13584 (2003))。Rhoキナーゼの小分子阻害剤は、インビトロでのMCP-1介在性の走化性を阻害することができることもまた、報告されている(Iijima, H., Bioorg. Med. Chem., 15:1022-1033 (2007))。免疫細胞遊走が、RhoA/ROCKシグナル伝達経路に依存しているため、Rhoキナーゼの阻害もまた、リウマチ性関節炎、乾癬、および炎症性腸疾患などの疾患に利益があるはずであると予想されうる。
【0010】
前記の研究によって、ROCKと、高血圧、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、脳卒中、心不全、冠攣縮、脳血管攣縮、虚血/再潅流傷害、肺高血圧および狭心症などの心血管疾患、並びに腎臓病および勃起不全との関連についての証拠が提示される。平滑筋におけるROCKの検証された効果から考えると、ROCK阻害剤はまた、喘息および緑内障などの平滑筋の過反応性に関連する他の疾患において有用でありうる(Shimokawa, H. et al., Arterioscler. Thromb. Vase. Biol., 25:1767-1775 (2005))。さらに、Rhoキナーゼは、気道炎症および過敏症(Henry, P.J. et al., Pulm. Pharmacol. Ther., 18:67-74 (2005))、癌(Rattan, R. et al., J. Neurosci. Res., 83:243-255 (2006); Lepley, D. et al., Cancer Res., 65:3788-3795 (2005))、線維性疾患(Jiang, C. et al., Int. J. Mol. Sci., 13:8293-8307 (2012); Zhou, L. et al., Am. J. Nephrol., 34:468-475 (2011))、並びに脊髄損傷、アルツハイマー病、多発性硬化症、脳卒中、および神経障害性疼痛などの神経障害(Mueller, B.K. et al., Nat. Rev. Drug Disc., 4:387-398 (2005); Sun, X. et al., J. Neuroimmunol., 180:126-134 (2006))などの他の様々な疾患の治療の薬物標的として示唆されている。
【0011】
心血管疾患の治療のための新たな薬物のアンメット・メディカル・ニーズが存在する。米国心臓協会からの心疾患および脳卒中の統計の2012年の最新情報において(Circulation, 125:e2-e220 (2012))、心血管疾患は、米国における全ての死亡の32.8%を占め、冠動脈心疾患は米国において、全体の死亡者の6人に~1人を占めることが報告された。これらの数に寄与しているのは、米国の成人の人口の~33.5%が高血圧であることが分かり、2010年において、米国の成人660万人が心不全を有することが推定された。そのため、利尿剤、ベータブロッカー、アンギオテンシン変換酵素阻害剤、アンギオテンシンブロッカーおよびカルシウムチャネルブロッカーなどの心血管疾患(CVD)を治療することが可能な治療の数に反して、CVDは多くの患者にとって、制御が不十分であるか、または現在の治療に耐性を有する。
【0012】
調査中のROCK阻害剤の多くの報告があるが(例えば、US 2008/0275062 A1を参照されたい)、ファスジルは現時点で唯一販売されているROCK阻害剤である。静脈投与製剤が、脳血管攣縮の治療のために日本で承認された。心血管疾患、癌、神経障害、腎臓病、線維性疾患、気管支喘息、勃起不全、および緑内障の治療のための、ROCK阻害剤などの新たな治療剤の必要性がある。
【発明の概要】
【0013】
本発明は、Rhoキナーゼの選択的阻害剤として有用な、新規なスピロ縮合環尿素を提供し、その立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、または溶媒和物を含む。
本発明はまた、本発明の化合物を製造するための方法および中間体を提供する。
本発明はまた、薬学的に許容可能な担体、および少なくとも1つの本発明の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物を含む、医薬組成物を提供する。
【0014】
本発明の化合物は、異常なROCK活性に関連する病状の治療および/または予防において用いられうる。
本発明の化合物は、治療において用いられうる。
本発明の化合物は、異常なROCK活性に関連する病状の治療および/または予防のための医薬の製造のために用いられうる。
【0015】
別の局面において、本発明は心血管または関連疾患を治療する方法を対象とし、当該方法は、前記の本発明の化合物を、そのような治療が必要な患者に投与することを特徴とする。そのような治療されうる疾患の例としては、例えば、高血圧、アテローム性動脈硬化症、再狭窄、脳卒中、心不全、腎不全、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、冠攣縮、脳血管攣縮、虚血/再潅流傷害、肺高血圧、狭心症、勃起不全および腎臓病が挙げられる。
【0016】
別の局面において、本発明は喘息、勃起不全および緑内障などの、平滑筋過反応性に関する疾患を治療する方法を対象とし、当該方法は、前記の本発明の化合物を、そのような治療が必要な患者に投与することを特徴とする。
【0017】
別の局面において、本発明は、線維性疾患、腫瘍学、脊髄損傷、アルツハイマー病、多発性硬化症、脳卒中、神経障害性疼痛、リウマチ性関節炎、乾癬および炎症性腸疾患などの、少なくとも部分的にRhoキナーゼによって介在される疾患を治療する方法を対象とし、当該方法は、前記の本発明の化合物を、そのような治療を必要とする患者に投与することを特徴とする。
【0018】
さらに別の局面において、本発明は前記の化合物を含む医薬組成物、前記の化合物を製造するための方法、およびこれらの方法において用いられる中間体を対象とする。
本発明の化合物は、単体で、本発明の他の化合物との組み合わせで、または1つ以上、好ましくは1から2個の他の薬剤との組み合わせで用いることができる。
【0019】
これらの、および他の本発明の特徴は、続く開示で、拡大された形式で記載される。
【0020】
本発明の詳細な説明
I.本発明の化合物
ある局面において、本発明はとりわけ、式(I):
【化1】
[式中、
環Aは独立して、
【化2】
から選択され;
J
1、J
2、J
3、およびJ
4は独立して、N、CR
3、およびCR
4から選択され;但し、J
1、J
2、J
3、およびJ
4のうち2つ以下がNであり;
Kはそれぞれ独立して、N、CR
1、およびCR
2から選択され;
R
1はそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、OH、CN、NR
aR
a、0~3個のR
eで置換された-OC
1-4アルキル、および0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
2はそれぞれ独立して、H、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rCN、-(CH
2)
rC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)OR
b、-(CH
2)
rOC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)OR
b、-(CH
2)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pR
c、0~3個のR
eで置換された(CH
2)
r-C
3-6カルボシクリル、および0~3個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
3は独立して、H、F、Cl、Br、CN、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rCN、-(CH
2)
rNR
aC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aC(=O)OR
b、-(CH
2)
rOC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)OR
b、-(CH
2)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pR
c、0~3個のR
eで置換された(CH
2)
r-C
3-6カルボシクリル、および0~3個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
4は独立して、H、F、Cl、Br、OH、CN、0~3個のR
eで置換されたOC
1-4アルキル、NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rCN、-(CH
2)
rC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)OR
b、-(CH
2)
rOC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)OR
b、-(CH
2)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pR
c、0~3個のR
eで置換された(CH
2)
r-C
3-6カルボシクリル、0~3個のR
eで置換された-C(=O)-ヘテロシクリル、および0~3個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
6およびR
7は、それらが共に結合する炭素原子と一緒になって、二環式カルボシクリル、または炭素原子と、NR
8、O、およびSから選択される1~5個のヘテロ原子とを含む二環式ヘテロシクリルを形成し;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、C
1-4アルキル、C
2-4アルケニル、C
2-4アルキニル、ニトロ、-(CHR
d)
rS(O)
pR
c、-(CHR
d)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CHR
d)
rNR
aS(O)
pR
c、-(CHR
d)
rOR
b、-(CHR
d)
rCN、-(CHR
d)
rNR
aR
a、-(CHR
d)
rNR
aC(=O)R
b、-(CHR
d)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CHR
d)
rC(=O)OR
b、-(CHR
d)
rC(=O)R
b、-(CHR
d)
rC(=O)NR
aR
a、-(CHR
d)
rOC(=O)R
b、-(CHR
d)
r-シクロアルキル、-(CHR
d)
r-ヘテロシクリル、-(CHR
d)
r-アリール、および-(CHR
d)
r-ヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、0~4個のR
eで置換され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
cはそれぞれ独立して、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、C
3-6カルボシクリル、およびヘテロシクリルから選択され;
R
dはそれぞれ独立して、H、および0~5個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、-(CH
2)
r-ヘテロシクリル、-(CH
2)
r-アリール、-(CH
2)
r-ヘテロアリール、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、-(CH
2)
rOR
f、S(O)
pR
f、C(=O)NR
fR
f、NR
fC(=O)R
d、S(O)
pNR
fR
f、NR
fS(O)
pR
d、NR
fC(=O)OR
d、OC(=O)NR
fR
fおよび-(CH
2)
rNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
pはそれぞれ独立して、0、1、および2から選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、3、および4から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0021】
別の局面において、本発明は、式(II):
【化3】
[式中、
環Aは独立して、
【化4】
から選択され;
J
2、J
3、およびJ
4は独立して、N、CR
3、およびCR
4から選択され;
Kはそれぞれ独立して、N、CR
1、およびCR
2から選択され;
X
1は独立して、CR
9R
9O、およびNR
8から選択され;
X
2は独立して、CR
9およびNから選択され;但し、
4つ以上のX
2はNでなく;
R
1はそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、NR
aR
a、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
2はそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、OH、CN、NR
aR
a、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
3は独立して、H、F、Cl、Br、CN、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
4は独立して、H、F、Cl、Br、OH、CN、0~3個のR
eで置換されたOC
1-4アルキル、および0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、=O、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、C(=O)R
b、および-C(=O)OR
bから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9は独立して、H、F、Cl、Br、C
1-4アルキル、ニトロ、-(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rS(O)
pNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aS(O)
pR
c、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rCN、-(CH
2)
rNR
aR
a、-(CH
2)
rNR
aC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aC(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rC(=O)OR
b、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-C(=O)NR
aR
a、-(CH
2)
rOC(=O)R
b、-(CH
2)
r-シクロアルキル、-(CH
2)
r-ヘテロシクリル、-(CH
2)
r-アリール、および-(CH
2)
r-ヘテロアリールから選択され、ここで、前記アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールは、0~4個のR
eで置換され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
cはそれぞれ独立して、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルケニル、0~5個のR
eで置換されたC
2-6アルキニル、C
3-6カルボシクリル、およびヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、C
2-6アルケニル、C
2-6アルキニル、-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、-(CH
2)
r-ヘテロシクリル、-(CH
2)
r-アリール、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、-(CH
2)
rOR
f、S(O)
pR
f、S(O)
pNR
fR
f、および-(CH
2)
rNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
mは独立して、0および1から選択され;
nは独立して、1および2から選択され;
pはそれぞれ独立して、0、1、および2から選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、3、および4から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0022】
別の局面において、本発明は式(III):
【化5】
[式中、
J
2は独立して、N、およびCR
3から選択され;
R
1は独立して、H、およびCF
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル
、-OC
1-3アルキル、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、OH、OC
1-4アルキル、およびNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0023】
別の局面において、本発明は式(IV):
【化6】
[式中、
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0024】
別の局面において、本発明は式(V):
【化7】
[式中、
環Aは独立して、
【化8】
から選択され;
J
2およびJ
3は独立して、N、およびCR
3から選択され;
R
1は独立して、H、およびCF
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル
、-OC
1-3アルキル、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、OH、OC
1-4アルキル、およびNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
nは独立して、1および2から選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0025】
別の局面において、本発明は式(VI):
【化9】
[式中、
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0026】
別の局面において、本発明は式(VII):
【化10】
[式中、
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0027】
別の局面において、本発明は式(VIII):
【化11】
[式中、
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
で示される化合物、またはそのエナンチオマー、ジアステレオ異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0028】
別の局面において、本発明は式(IX):
【化12】
[式中、
J
2は独立して、N、およびCR
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル、および-OC
1-3アルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
8は独立して、H、および0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキルから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、OH、およびOC
1-4アルキルから選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0029】
別の局面において、本発明は式(X):
【化13】
[式中、
J
2は独立して、N、およびCR
3から選択され;
R
1は独立して、H、およびCF
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル
、-OC
1-3アルキル、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、OH、OC
1-4アルキル、およびNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
nは独立して、1および2から選択され;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0030】
別の局面において、本発明は式(XI):
【化14】
[式中、
J
2は独立して、N、およびCR
3から選択され;
R
1は独立して、H、およびCF
3から選択され;
R
3は独立して、H、CN、C
1-4アルキル
、-OC
1-3アルキル、および-C
3-6シクロアルキルから選択され;
R
5は独立して、H、0~4個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-(CH
2)
rOR
b、(CH
2)
rS(O)
pR
c、-(CH
2)
rC(=O)R
b、-(CH
2)
rNR
aR
a、および-(CH
2)
rCNから選択され;
R
9はそれぞれ独立して、H、F、Cl、0~3個のR
eで置換されたC
1-4アルキル、-OR
b、CN、C(=O)NR
aR
a、および0~3個のR
eで置換されたヘテロシクリルから選択され;
R
aはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-6シクロアルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-アリール、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択されるか;あるいは、R
aおよびR
aは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、0~5個のR
eで置換されたヘテロ環式環を形成し;
R
bはそれぞれ独立して、H、0~5個のR
eで置換されたC
1-6アルキル、0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-C
3-10カルボシクリル、および0~5個のR
eで置換された-(CH
2)
r-ヘテロシクリルから選択され;
R
eはそれぞれ独立して、0~5個のR
fで置換されたC
1-6アルキル、F、Cl、Br、CN、NO
2、=O、CO
2H、OH、OC
1-4アルキル、およびNR
fR
fから選択され;
R
fはそれぞれ独立して、H、F、Cl、Br、CN、OH、C
1-5アルキル、C
3-6シクロアルキル、およびフェニルから選択されるか、あるいは、R
fおよびR
fは、それらが共に結合する窒素原子と一緒になって、適宜C
1-4アルキルで置換されたヘテロ環式環を形成し;
rはそれぞれ独立して、0、1、2、および3から選択される。]
で示される化合物、またはその立体異性体、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグを提供する。
【0031】
本発明は、その精神または本質的な性質から逸脱することなく、他の特定の形態において具体化されうる。本発明はまた、本明細書に記載される本発明の別の局面の全ての組み合わせを含む。本発明の任意のおよび全ての実施態様は、本発明のさらなる実施態様を記述するために、他の任意の実施態様と組み合わせられうる。さらに、さらなる実施態様を記述するために、実施態様の任意の要素(個々の変数の定義を含む)は、任意の実施態様からの任意の、および全ての他の要素と組み合わせられることが意図される。
【0032】
別の局面において、本発明は、本出願に例示される化合物の一覧の任意のサブセットから選択される化合物を提供する。
別の実施態様において、本発明の化合物は<10μMのROCK IC50値を有する。
別の実施態様において、本発明の化合物は<1μMのROCK IC50値を有する。
別の実施態様において、本発明の化合物は<0.5μMのROCK IC50値を有する。
別の実施態様において、本発明の化合物は<0.1μMのROCK IC50値を有する。
別の実施態様において、本発明の化合物は<0.05μMのROCK IC50値を有する。
別の実施態様において、本発明の化合物は<0.01μMのROCK IC50値を有する。
【0033】
II.本発明の別の実施態様
別の実施態様において、本発明は、本発明の少なくとも1つの化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物を含む組成物を提供する。
別の実施態様において、本発明は、薬学的に許容可能な担体、および治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物を含む医薬組成物を提供する。
【0034】
別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物を製造するための方法を提供する。
別の実施態様において、本発明は、本発明の化合物を製造するための中間体を提供する。
別の実施態様において、本発明は、さらなる治療剤をさらに含む医薬組成物を提供する。
【0035】
別の実施態様において、本発明は、治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物を、そのような治療および/または予防が必要な患者に投与することを特徴とする、異常なROCK活性に関連する病状の治療および/または予防のための方法を提供する。本明細書で用いられる用語「患者」は、全ての哺乳動物腫を含む。
【0036】
本明細書で用いられる「治療する」または「治療」は、哺乳動物、特にヒトにおける、疾患状態の治療を含み、(a)疾患状態を阻害する、すなわち、その進行を停止させること;および/または(b)疾患状態を軽減する、すなわち、疾患状態の退縮を引き起こすことが挙げられる。
【0037】
本明細書で用いられる「予防」は、治療上の有効量の少なくとも1つの本発明の化合物、またはその立体異性体、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、もしくは溶媒和物を、患者に投与することによって、疾患状態の再発のリスクを軽減する、および/もしくは最小化するための、疾患状態の予防的治療、並びに/または疾患状態の再発のリスクの軽減である。患者は、一般的な集団と比較して、臨床的な疾患状態を患うリスクが上昇していることが既知である因子に基づいて、予防的治療のために選択されうる。予防的治療のために、臨床的疾患状態の病状は存在していても、していなくてもよい。「予防的」治療は、(a)一次予防、および(b)二次予防に分類することができる。一次予防は、身障的疾患状態が未だ存在していない患者において、疾患状態のリスクを軽減する、または最小化するための治療として定義され、一方で、二次予防は同様のまたは類似の臨床的疾患状態の再発、または二次的な発症のリスクを最小化する、または軽減することとして定義される。
【0038】
本明細書で用いられる「予防」は、臨床的な疾患状態の発症の可能性を減少させることを目的とする、哺乳動物、特にヒトにおいて、無症状の疾患状態の予防的治療を含む。患者は、一般的な集団と比較して、臨床的な疾患状態を患うリスクが上昇することが既知である因子に基づいて、予防的治療のために選択される。
【0039】
本発明は、その精神または本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態において具体化されうる。本発明は、本明細書に記載される、本発明の好ましい局面の全ての組み合わせを含む。本発明の任意の、および全ての実施態様は、さらなる実施態様を説明するために、他の任意の実施態様と組み合わされうることが理解される。実施態様のそれぞれの個々の要素は、それ自体、独立した実施態様であることもまた理解される。さらに、実施態様の任意の要素は、さらなる実施態様を記載するために、任意の実施態様からの任意のおよび全ての他の要素と組み合わされることが意図される。
【0040】
III.化学
明細書および付属の特許請求の範囲にわたって、示される化学式または名前は、そのような異性体が存在する場合、その全ての立体および光学異性体およびラセミ体を含むであろう。特に言及されない限り、全てのキラル(エナンチオマー性およびジアステレオマー性)およびラセミ体は、本発明の範囲内である。C=C二重結合、C=N二重結合、環系などの多くの幾何異性体もまた、化合物中に存在することができ、そのような全ての安定な異性体が本発明において考慮される。本発明の化合物のシス-およびトランス-(またはE-およびZ-)幾何異性体が記載され、異性体の混合物として、または分離された異性体として単離されうる。当該化合物は、光学活性体またはラセミ体で単離することができる。光学活性体は、ラセミ体の分割によって、または光学活性な出発物質の合成によって、合成されうる。本発明の化合物およびその中で合成される中間体を製造するために用いられる全ての方法は、本発明の一部であると考えられる。エナンチオマーまたはジアステレオマー性生成物が製造される場合、これらは従来の方法、例えば、クロマトグラフィーまたは分別結晶によって分離されうる。方法の条件に応じて、本発明の最終生成物は、遊離(中性)または塩のいずれかの形態で得られる。これらの最終生成物の遊離形態および塩のいずれも、本発明の範囲内である。必要であれば、化合物のある形態は、別の形態に変換されうる。遊離塩基または酸は塩に変換されてもよく;塩は遊離化合物または他の塩に変換されてもよく;本発明の異性体化合物の混合物は、個々の異性体に分離されてもよい。本発明の化合物、その遊離形態、および塩は、水素原子が分子の他の部分に転移し、分子の原子間の化学結合がそれによって再配置される、多くの互変異性体で存在しうる。全ての互変異性体は、それらが存在する限り、本発明に含まれるものと理解されるべきである。
【0041】
用語「立体異性体」は、空間中の原子の配置が異なる、同一組成の異性体をいう。エナンチオマーおよびジアステレオマーは、立体異性体の例である。用語「エナンチオマー」は、互いに鏡像であり、重ね合わせることができない、分子種の対のうちの1つをいう。用語「ジアステレオマー」は、鏡像でない立体異性体をいう。用語「ラセミ体」または「ラセミ混合物」は、等モル量の2つのエナンチオマー種から成る組成物をいい、当該組成物は光学活性を有さない。
【0042】
記号「R」および「S」は、キラル炭素原子の周りの置換基の配置を表す。異性体の記述語「R」および「S」は、核分子に対する原子配置を示すために、本明細書において記述されるように用いられ、文献(IUPAC Recommendations 1996, Pure and Applied Chemistry, 68:2193-2222 (1996))において定義されるように用いられることが意図される。
【0043】
用語「キラル」は、その鏡像体と重ね合わせることができない、分子の構造的な特性をいう。用語「ホモキラル」は、エナンチオマー的に純粋な状態をいう。用語「光学活性」は、ホモキラル分子、またはキラル分子の非ラセミ混合物の偏光の面を回転させる程度をいう。
【0044】
本明細書で用いられる用語「アルキル」または「アルキレン」は、特定の数の炭素原子を有する、分岐鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことが意図される。例えば、「C1からC10アルキル」または「C1-10アルキル」(またはアルキレン)は、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、およびC10アルキル基を含むことが意図される。さらに、例えば、「C1からC6アルキル」または「C1-C6アルキル」は、1から6個の炭素原子を有するアルキルを表す。アルキル基は、非置換であっても、または少なくとも1つの水素原子が他の化学基によって置き換えられることによって置換されていてもよい。アルキル基の例としては、これらに限定はされないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n-プロピルおよびイソプロピル)、ブチル(例えば、n-ブチル、イソブチル、t-ブチル)、およびペンチル(例えば、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)が挙げられる。
【0045】
「アルケニル」または「アルケニレン」は、特定の数の炭素原子、および鎖の安定な任意の点において生じうる、1つ以上の、好ましくは1から2個の炭素-炭素二重結合を有する、直鎖または分岐鎖配置のいずれかの炭化水素鎖を含むことが意図される。例えば、「C2からC6アルケニル」または「C2-6アルケニル」(またはアルケニレン)は、C2、C3、C4、C5、およびC6アルケニル基を含むことが意図される。アルケニルの例としては、これらに限定はされないが、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、2-メチル-2-プロペニル、および4-メチル-3-ペンテニルが挙げられる。
【0046】
「アルキニル」または「アルキニレン」は、鎖の安定な任意の点において生じうる、1つ以上の、好ましくは1から3個の炭素-炭素三重結合を有する、直鎖または分岐鎖配置のいずれかの炭化水素鎖を含むことが意図される。例えば、「C2からC6アルキニル」または「C2-6アルキニル」(またはアルキニレン)は、C2、C3、C4、C5、およびC6アルキニル基;エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、およびヘキシニルなどを含むことが意図される。
【0047】
用語「アルコキシ」または「アルキルオキシ」は、-O-アルキル基をいう。「C1からC6アルコキシ」または「C1-6アルコキシ」(またはアルキルオキシ)は、C1、C2、C3、C4、C5、およびC6アルコキシ基を含むことが意図される。アルコキシ基の例としては、これらに限定はされないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば、n-プロポキシおよびイソプロポキシ)、およびt-ブトキシが挙げられる。同様に、「アルキルチオ」または「チオアルコキシ」は、硫黄架橋を介して結合した、示される数の炭素原子を有する、前記で定義されるアルキル基;例えば、メチル-S-およびエチル-S-を表す。
【0048】
「ハロ」または「ハロゲン」としては、フルオロ(F)、クロロ(Cl)、ブロモ(Br)、およびヨード(I)が挙げられる。「ハロアルキル」は、1つ以上のハロゲンで置換された、特定の数の炭素原子を有する、分岐鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むことが意図される。ハロアルキルの例としては、これらに限定はされないが、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリクロロメチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、およびヘプタクロロプロピルが挙げられる。ハロアルキルの例としてはまた、1つ以上のフッ素原子で置換された、特定の数の炭素原子を有する、分岐鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基を含むことが意図される、「フルオロアルキル」が挙げられる。
【0049】
「ハロアルコキシ」または「ハロアルキルオキシ」は、酸素架橋を介して結合した、特定の数の炭素原子を有する、前記で定義されたハロアルキル基を表す。例えば、「C1からC6ハロアルコキシ」または「C1-6ハロアルコキシ」は、C1、C2、C3、C4、C5、およびC6ハロアルコキシ基を含むことが意図される。ハロアルコキシの例としては、これらに限定はされないが、トリフルオロメトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、およびペンタフルオロトオキシ(pentafluorothoxy)が挙げられる。同様に、「ハロアルキルチオ」または「チオハロアルコキシ」は、硫黄架橋を介して結合した、特定の数の炭素原子を有する、前記で定義されるハロアルキル基;例えば、トリフルオロメチル-S-、およびペンタフルオロエチル-S-を表す。
【0050】
用語「シクロアルキル」は、単環式、二環式、または多環式環系などの、環化アルキル基をいう。「C3からC7シクロアルキル」または「C3-7シクロアルキル」は、C3、C4、C5、C6、およびC7シクロアルキル基を含むことが意図される。シクロアルキル基の例としては、これらに限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびノルボロニルが挙げられる。1-メチルシクロプロピルおよび2-メチルシクロプロピルなどの分岐シクロアルキル基は、「シクロアルキル」の定義に含まれる。
【0051】
本明細書で用いられる「炭素環」、「炭素環式」、または「炭素環式基」は、任意の安定な3、4、5、6、7、もしくは8員単環式もしくは二環式、または7、8、9、10、11、12、もしくは13員二環式もしくは三環式炭化水素環を意味することが意図され、これらのうちのいずれかは、飽和、部分的に不飽和、不飽和、または芳香族であってもよい。これらの炭素環の例としては、これらに限定はされないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン(デカリン)、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチル、アントラセニル、およびテトラヒドロナフチル(テトラリン)が挙げられる。前記で示すように、架橋環はまた、炭素環の定義に含まれる(例えば、[2.2.2]ビシクロオクタン)。好ましい炭素環は、特に言及されない限り、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、フェニル、およびインダニルである。用語「炭素環」が用いられる場合、「アリール」を含むことが意図される。1つ以上の炭素原子が、2つの隣接しない炭素原子を連結する場合、架橋環が生じる。好ましい架橋は1または2個の炭素原子である。架橋は常に、単環式環を三環式環に変換することに注意されたい。環が架橋されている場合、環について引用される置換基はまた、架橋上にも存在しうる。
【0052】
本明細書で用いられる用語「二環式炭素環式」または「二環式炭素環式基」は、2つの縮合環を含む、炭素原子から成る、安定な9または10員炭素環式環系を意味することが意図される。2つの縮合環のうち、1つの環は第二の環に縮合したベンゾ環であり;第二の環は飽和、部分的に不飽和、または不飽和である、5または6員炭素環である。二環式炭素環式基は、安定な構造を生じる任意の炭素原子において、ペンダント基に結合しうる。本明細書に記載される二環式炭素環式基は、得られる化合物が安定である場合、任意の炭素において置換されうる。二環式炭素環式基の例としては、これらに限定はされないが、ナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、およびインダニルが挙げられる。
【0053】
「アリール」基は、単環式または多環式芳香族炭化水素、例えば、フェニル、ナフチル、およびフェナントレニルなどをいう。アリール基は周知であり、例えば、Lewis, R.J., ed., Hawley's Condensed Chemical Dictionary, 13th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York (1997)において記載されている。「C6またはC10アリール」または「C6-10アリール」は、フェニルおよびナフチルをいう。特に言及されない限り、「アリール」、「C6またはC10アリール」、または「C6-10アリール」、または「芳香族残基」は、置換されていなくてもよく、1から5個の基、好ましくは1から3個の基、OH、OCH3、Cl、F、Br、I、CN、NO2、NH2、N(CH3)H、N(CH3)2、CF3、OCF3、C(=O)CH3、SCH3、S(=O)CH3、S(=O)2CH3、CH3、CH2CH3、CO2H、およびCO2CH3で置換されていてもよい。
【0054】
本明細書で用いられる用語「ベンジル」は、水素原子の1つがフェニル基で置換されたメチル基をいい、ここで、前記フェニル基は適宜、1から5個の基、好ましくは1から3個の基、OH、OCH3、Cl、F、Br、I、CN、NO2、NH2、N(CH3)H、N(CH3)2、CF3、OCF3、C(=O)CH3、SCH3、S(=O)CH3、S(=O)2CH3、CH3、CH2CH3、CO2H、およびCO2CH3で置換されていてもよい。
【0055】
本明細書で用いられる用語「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」、または「ヘテロ環式環」は、飽和、部分的に不飽和、または完全に不飽和であり、炭素原子と、N、OおよびSから成る群から独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子とを含む、安定な3、4、5、6、もしくは7員単環式または二環式、または7、8、9、10、11、12、13、もしくは14員多環式ヘテロ環式環;および前記に定義される任意のヘテロ環式環がベンゼン環に縮合した、任意の多環式基などを意味することが意図される。窒素および硫黄ヘテロ原子は適宜、酸化されていてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)p、ここで、pは0、1または2である)。窒素原子は、置換されていても、置換されていなくてもよい(すなわち、NまたはNR、ここで、Rは、定義されている場合、Hまたは他の置換基である)。ヘテロ環式環は、安定な構造を生じる任意のヘテロ原子または炭素原子において、そのペンダント基に結合していてもよい。本明細書において記載されるヘテロ環式環は、得られる化合物が安定である場合、炭素または窒素原子において置換されていてもよい。ヘテロ環における窒素は、適宜4級化されていてもよい。ヘテロ環中のSおよびO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しないのが好ましい。ヘテロ環中のSおよびO原子の総数は、1を超えないのが好ましい。用語「ヘテロ環」が用いられる場合、ヘテロアリールを含むことが意図される。
【0056】
架橋環はまた、ヘテロ環の定義に含まれる。1つ以上の原子(すなわち、C、O、N、またはS)が、隣接していない2つの炭素または窒素原子を結合する場合、架橋環が生じる。架橋環の例としては、これらに限定はされないが、1つの炭素原子、2つの炭素原子、1つの窒素原子、2つの窒素原子、および炭素-窒素基が挙げられる。架橋は常に、単環式環を三環式環に変換することに注意されたい。環が架橋されている場合、環について引用される置換基はまた、架橋上に存在しうる。
【0057】
ヘテロ環の例としては、これらに限定はされないが、アクリジニル、アゼチジニル、アゾチニル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンズオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、イミダゾロピリジニル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イサチノイル(isatinoyl)、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソチアゾロピリジニル、イソオキサゾリル、イソキサゾロピリジニル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾロピリジニル、オキサゾリジニルペリミジニル、オキシインドリル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル(phenoxathiinyl)、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾロピリジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾリル、ピリドイミダゾリル、ピリドチアゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2-ピロリドニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラゾリル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアンスレニル、チアゾリル、チエニル、チアゾロピリジニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、およびキサンテニルが挙げられる。また、例えば前記のヘテロ環を含む縮合環、およびスピロ化合物も含まれる。
【0058】
5から10員のヘテロ環の例としては、これらに限定はされないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、トリアゾリル、ベンゾイミダゾリル、1H-インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンズテトラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、オキシインドリル、ベンズオキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズイソチアゾリル、イサチノイル(isatinoyl)、イソキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、イソキサゾロピリジニル、キナゾリニル、キノリニル、イソチアゾロピリジニル、チアゾロピリジニル、オキサゾロピリジニル、イミダゾロピリジニル、およびピラゾロピリジニルが挙げられる。
【0059】
5から6員のヘテロ環の例としては、これらに限定はされないが、ピリジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、イミダゾリル、イミダゾリジニル、インドリル、テトラゾリル、イソオキサゾリル、モルホリニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、テトラヒドロフラニル、チアジアジニル、チアジアゾリル、チアゾリル、トリアジニル、およびトリアゾリルが挙げられる。また、例えば前記のヘテロ環を含む縮合環、およびスピロ化合物が含まれる。
【0060】
本明細書で用いられる用語「二環式ヘテロ環」または「二環式ヘテロ環式基」は、2つの縮合環を含み、炭素原子と、N、OおよびSから成る群から独立して選択される、1、2、3、または4個のヘテロ原子とから成る、安定な9または10員ヘテロ環式環系を意味することが意図される。2つの縮合環のうち、1つの環は5員ヘテロアリール環、6員ヘテロアリール環またはベンゾ環などの、5または6員単環式芳香環であり、それぞれが第二の環に縮合している。第二の環は、飽和、部分的に不飽和、または不飽和である、5または6員単環式であり、5員ヘテロ環、6員ヘテロ環または炭素環を含む(但し、第二の環が炭素環である場合、第一の環はベンゾではない)。
【0061】
二環式ヘテロ環式基は、安定な構造を生じる任意のヘテロ原子または炭素原子において、そのペンダント基に結合していてもよい。本明細書に記載される二環式ヘテロ環式基は、得られる化合物が安定である場合、炭素または窒素原子上で置換されていてもよい。ヘテロ環中のSおよびO原子の数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接していないのが好ましい。ヘテロ環中のSおよびO原子の総数が1を超えないのが好ましい。
【0062】
二環式ヘテロ環式基の例としては、これらに限定はされないが、キノリニル、イソキノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、1H-インダゾリル、ベンゾイミダゾリル、1,2,3,4-テトラヒドロキノリニル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-キノリニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾフラニル、クロマニル、1,2,3,4-テトラヒドロ-キノキサリニル、および1,2,3,4-テトラヒドロ-キナゾリニルが挙げられる。
【0063】
本明細書で用いられる用語「芳香族ヘテロ環式基」または「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環中に、少なくとも1つのヘテロ原子(O、SまたはN)を有する、置換された、または置換されていない、芳香族5もしくは6員の単環式基、9もしくは10員の二環式基、および11から14員の三環式基をいい、前記ヘテロ原子含有環は、好ましくは、O、S、およびNから選択される、1、2、または3個のヘテロ原子有する。ヘテロ原子を含むヘテロアリール基のそれぞれの環は、1つまたは2つの酸素または硫黄原子、および/または1から4個の窒素原子を含むことができるが、但し、それぞれの環におけるヘテロ原子の総数は、4個以下であり、それぞれの環は少なくとも1つの炭素原子を有する。ヘテロアリール基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。窒素原子は、置換されていても、置換されていなくてもよい(すなわち、NまたはNR、ここで、Rは、定義されている場合、Hまたは他の置換基である)。窒素および硫黄ヘテロ原子は適宜、酸化されていてもよく(すなわち、N→OおよびS(O)p)、窒素原子は適宜、4級化されていてもよい。
【0064】
二環式または三環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1つの完全な芳香環を含まなければならないが、他の縮合環は芳香族または非芳香族であってもよい。ヘテロアリール基は、任意の環の、任意の利用可能な窒素または炭素原子において、結合されうる。ヘテロアリール環系は、0、1、2、または3個の置換基を含みうる。ヘテロアリール基としては、これらに限定はされないが、ピリジル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、フリル、キノリル、イソキノリル、チエニル、イミダゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロール、オキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンズチアゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、インダゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、イソチアゾリル、プリニル、カルバゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリニル、ベンゾジオキソラニル、およびベンゾジオキサンが挙げられる。
【0065】
用語「対イオン」は、クロライド、ブロマイド、ヒドロキシド、アセテート、およびサルフェートなどの負に帯電した種を表すために用いられる。
点線の環が環構造の内部に用いられている場合、これは環構造が飽和、部分的に飽和、または不飽和であってもよいことを示す。
【0066】
本明細書で用いられる用語「置換された」は、少なくとも1つの水素原子が非水素原子で置き換えられているが、但し、通常の価数は維持され、置換によって安定な化合物を生じることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合、原子上の2つの水素が置換される。ケト置換基は、芳香族基上に存在しない。環系(例えば、炭素環式またはヘテロ環式)がカルボニル基または二重結合で置換されていると言われる場合、カルボニル基または二重結合は、環の一部(すなわち内部)であることが意図される。本明細書において用いられる環二重結合は、2つの隣接する環原子間に形成される二重結合である(例えば、C=C、C=N、またはN=N)。
【0067】
本発明の化合物上に窒素原子(例えばアミン)が存在する場合、これらは酸化剤(例えば、mCPBAおよび/または過酸化水素)による処理によって、N-オキシドに変換されて、本発明の他の化合物を生じうる。そのため、示される、および請求される窒素原子は、示される窒素原子およびそのN-オキシド(N→O)誘導体の両方を含むことが考えられる。
【0068】
任意の変数が、化合物についての任意の構成要素または式において、1回より多く出現する場合、それぞれの場合において、その定義は、他のそれぞれの場合におけるその定義とは独立している。そのため、例えば、基が0~3個のR基で置換されていることが示されている場合、前記基は適宜、最大で3つのR基で置換されていてもよく、それぞれの場合において、RはRの定義から独立して選択される。また、置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物を生じる場合にのみ、許容される。
【0069】
置換基への結合が、環中の2つの原子を連結する結合を横切って示されている場合、そのような置換基は、環上の任意の原子に結合されていてもよい。置換基が、所定の式の化合物の残りに結合する原子を示さずに、列挙されている場合、該置換基は、該置換基のうちの任意の原子を介して結合しうる。置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物を生じる場合にのみ、許容される。
【0070】
語句「薬学的に許容可能な」は、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー性応答、および/または他の問題もしくは合併症がなく、合理的な利益/リスク比に見合う、ヒトおよび動物の組織に接触させて用いるのに適切な、化合物、物質、組成物、および/または投与形態をいうために、本明細書において用いられる。
【0071】
本明細書で用いられる「薬学的に許容可能な塩」は、開示される化合物の誘導体をいい、ここで、親化合物は、その酸性または塩基性塩を製造することによって、修飾される。薬学的に許容可能な塩の例としては、これらに限定はされないが、アミンなどの塩基性基の無機または有機酸塩;およびカルボン酸などの酸性基のアルカリまたは有機塩が挙げられる。薬学的に許容可能な塩としては、例えば、非毒性の無機または有機酸から生成される、親化合物の従来の非毒性塩、または4級アンモニウム塩が挙げられる。例えば、そのような従来の非毒性塩としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸、および硝酸などの無機酸に由来するもの;並びに、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、およびイセチオン酸などの有機酸から製造される塩が挙げられる。
【0072】
本発明の薬学的に許容可能な塩は、従来の化学的方法によって、塩基性または酸性基を含む親化合物から合成することができる。一般に、そのような塩は、水、または有機溶媒中で、または2つの混合物中で、化学量論量の適切な塩基または酸で、それらの化合物の遊離酸または塩基の形態を反応させることによって、製造することができ;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性溶媒が好ましい。適切な塩の一覧は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition, Mack Publishing Company, Easton, PA (1990)において存在し、この開示はこれにより、引用によって援用される。
【0073】
さらに、式Iの化合物は、プロドラッグの形態を有しうる。インビボで変換されて、生理活性剤(すなわち、式Iの化合物)を生じる任意の化合物は、本発明の範囲および精神に含まれるプロドラッグである。プロドラッグの様々な形態は、当技術分野において周知である。そのようなプロドラッグ誘導体の例としては、以下を参照されたい:
a) Bundgaard, H., ed., Design of Prodrugs, Elsevier (1985), and Widder, K. et al., eds., Methods in Enzymology, 112:309-396, Academic Press (1985);
b) Bundgaard, H., Chapter 5, ‘‘Design and Application of Prodrugs’’, A Textbook of Drug Design and Development, pp. 113-191, Krosgaard-Larsen, P. et al., eds., Harwood Academic Publishers (1991);
c) Bundgaard, H., Adv. Drug Deliv. Rev., 8:1-38 (1992);
d) Bundgaard, H. et al., J. Pharm. Sci., 77:285 (1988); および
e) Kakeya, N. et al., Chem. Pharm. Bull., 32:692 (1984).
【0074】
カルボキシ基を含む化合物は、体内で加水分解されて、式Iの化合物自体を生じることによって、プロドラッグとして機能する、生理学的に加水分解可能なエステルを形成することができる。加水分解は、多くの場合、主に消化酵素の影響下で生じるため、そのようなプロドラッグは好ましくは、経口投与される。エステルがそれ自体で活性である場合、または加水分解が血液中で生じる場合に、非経口投与が用いられうる。式Iの化合物の生理学的に加水分解可能なエステルの例としては、C1-6アルキル、C1-6アルキルベンジル、4-メトキシベンジル、インダニル、フタリル、メトキシメチル、C1-6アルカノイルオキシ-C1-6アルキル(例えば、アセトキシメチル、ピバロイルオキシメチルまたはプロピオニルオキシメチル)、C1-6アルコキシカルボニルオキシ-C1-6アルキル(例えば、メトキシカルボニル-オキシメチルまたはエトキシカルボニルオキシメチル、グリシルオキシメチル、フェニルグリシルオキシメチル、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)-メチル)、並びに、例えば、ペニシリンおよびセファロスポリンの分野において用いられる、他の周知の生理学的に加水分解可能なエステルが挙げられる。そのようなエステルは、当技術分野において既知の従来技術によって製造されうる。
【0075】
プロドラッグの製造は、当技術分野において周知であり、例えば、King, F.D., ed., Medicinal Chemistry: Principles and Practice, The Royal Society of Chemistry, Cambridge, UK (1994); Testa, B. et al., Hydrolysis in Drug and Prodrug Metabolism. Chemistry, Biochemistry and Enzymology, VCHA and Wiley-VCH, Zurich, Switzerland (2003); Wermuth, C.G., ed., The Practice of Medicinal Chemistry, Academic Press, San Diego, CA (1999)において記載される。
【0076】
本発明は、当該化合物において生じる原子の全ての同位体を含むことが意図される。同位体としては、同じ原子数であるが、異なる質量数を有する原子が挙げられる。一般的な例として、これらに限定はされないが、水素の同位体としては、重水素およびトリチウムが挙げられる。重水素は、その核中に1つのプロトン、および1つの中性子を有し、通常の水素の二倍の質量を有する。重水素は、「2H」または「D」などの記号によって表すことができる。本明細書においてそれ自体で、または化合物もしくは基を修飾するために用いられる、用語「重水素化」は、炭素原子に結合する1つ以上の水素原子を、重水素原子で置換することをいう。炭素原子の同位体としては、13Cおよび14Cが挙げられる。
【0077】
同位体標識した本発明の化合物は、一般に、当業者によって既知の従来の技術によって、または本発明に記載されるものと類似の方法によって、そうでない場合に用いられる非置換試薬の代わりに、適切に同位体標識した試薬を用いて、合成することができる。そのような化合物は、例えば、潜在的な医薬化合物の、標的タンパク質または受容体へ結合する能力の決定における、標準および試薬として、または生理学的な受容体に、インビボまたはインビトロで結合した、本発明の化合物のイメージングのためなどの、様々な潜在的な用途を有する。
【0078】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物からの利用可能な純度への単離、および有効な治療剤への製剤化に耐えるのに十分に頑丈な化合物を示すことが意図される。本発明の化合物は、N-ハロ、S(O)2H、またはS(O)H基を含まないのが好ましい。
【0079】
用語「溶媒和物」は、有機的または無機的のいずれであっても、本発明の化合物と1つ以上の溶媒分子との物理的な会合を意味する。この物理的な会合としては、水素結合が挙げられる。いくつかの例において、溶媒和物は例えば、1つ以上の溶媒分子が結晶固体の結晶格子に組み込まれている場合、単離することができる。溶媒和物中の溶媒分子は、規則的な配置および/または不規則的な配置において存在しうる。溶媒和物は、溶媒分子の化学量論量または非化学量論量のいずれかを含みうる。「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を含む。溶媒和物の例としては、これらに限定はされないが、水和物、エタノラート、メタノラート、およびイソプロパノラートが挙げられる。溶媒和の方法は一般に、当技術分野において既知である。
【0080】
本明細書で用いられる略語は、以下のように定義される:「1×」は1回、「2×」は2回、「3×」は3回、「℃」はセルシウス度、「eq」は当量、「g」はグラム、「mg」はミリグラム、「L」はリットル、「mL」はミリリットル、「μL」はマイクロリットル、「N」は規定、「M」はモーラー、「mmol」はミリモル、「min」は分、「h」は時間、「rt」は室温、「RT」は保持時間、「atm」は雰囲気、「psi」は重量ポンド毎平方インチ、「conc.」は濃度、「sat」または「saturated」は飽和、「MW」は分子量、「mp」は融点、「ee」は鏡像体過剰率、「MS」または「Mass Spec」はマススペクトロメトリー、「ESI」はエレクトロスプレーイオン化質量分析、「HR」は高分解能、「HRMS」は高分解能マススペクトロメトリー、「LCMS」は液体クロマトグラフィーマススペクトロメトリー、「HPLC」は高速液体クロマトグラフィー、「RP HPLC」は逆相HPLC、「TLC」または「tlc」は薄層クロマトグラフィー、「NMR」は核磁気共鳴スペクトロスコピー、「nOe」は核オーバーハウザー効果スペクトロスコピー、「1H」はプロトン、「δ」はデルタ、「s」はシングレット、「d」はダブレット、「t」はトリプレット、「q」はカルテット、「m」はマルチプレット、「br」はブロード、「Hz」はヘルツ、並びに「α」、「β」、「R」、「S」、「E」、および「Z」は当業者に周知の立体化学的記号である。
【0081】
【0082】
【0083】
本発明の化合物は、有機合成の分野における当業者に既知の多くの方法で合成することができる。
【0084】
IV.生物学
インビトロアッセイ
ROCK阻害剤としての本発明の化合物の有効性を、20mM HEPES、pH7.5、20mM MgCl2、0.015% Brij-35、4mM DTT、5μM ATPおよび1.5μM ペプチド基質(FITC-AHA-AKRRRLSSLRA-OH)(配列番号:1)を含む、30μLアッセイにおいて決定することができる。DMSOの最終濃度が<2%となるように、化合物をDMSOに溶解させ、Rhoキナーゼバリアントによって反応を開始した。インキュベーションの後、EDTAを添加することによって反応を終了させ、LABCHIP(登録商標)3000リーダー(Caliper Life Sciences)を用いて、リン酸化および非リン酸化ペプチドを分離した。対照は化合物を含んでいないアッセイから成り、バックグラウンドは、酵素および基質を含むが、キナーゼ活性を阻害する反応の開始からのEDTAを有しないアッセイから成る。化合物を用量応答形式において試験し、キナーゼ活性の阻害は、化合物のそれぞれの濃度において計算した。阻害データは、IC50;すなわち、キナーゼ活性の50%を阻害するのに必要な化合物の濃度を決定するための曲線近似プログラムを用いて適合させた。
【0085】
代表的な実施例を前記のROCK2アッセイにおいて試験し、ROCK2阻害活性を有することが分かった。
<2μM(2000nM)のこれらのROCK2阻害活性(IC
50値)が観測され、以下の表Aに示す。ROCK2 IC
50値の範囲は以下の通りである:ROCK2 IC
50:++++(<3nM)+++(3~30nM)++(30~300nM)+(300~2000nM)。
【表5】
【表6】
【0086】
V.医薬組成物、製剤、および組み合わせ
本発明の化合物は、錠剤、カプセル(それぞれ、徐放性または持続放出性製剤が挙げられる)、丸剤、散剤、顆粒、エリキシル、チンキ、懸濁液、シロップ、およびエマルジョンなどの、経口剤形において投与することができる。これらはまた、静脈内(ボーラスまたは点滴)、腹腔内、皮下、または筋肉内剤形において、全て製剤分野の当業者に周知の剤形を用いて投与されうる。これらは単体で投与することができるが、一般に、選択される投与経路および標準的な薬務に基づいて選択される、薬学的な単体と共に投与することができる。
【0087】
用語「医薬組成物」は、本発明の化合物を、少なくとも1つのさらなる薬学的に許容可能な単体との組み合わせで含む組成物を意味する。「薬学的に許容可能な担体」は、動物、特に哺乳動物に、生物学的に活性な薬剤を送達するために、投与様式および投与形態の性質に応じて、当技術分野において一般に許容されている媒体、すなわち、希釈剤、防腐剤、充填剤、流量調節剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、抗細菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分散剤などのアジュバント、賦形剤またはビヒクルをいう。薬学的に許容可能な担体は、当業者に理解される範囲内の多数の要因に従って、製剤化される。これらとしては、限定されないが、製剤化される活性薬剤の種類および性質;組成物を含む薬剤を投与する患者;組成物の意図される投与経路;および標的とされる治療上の適応症が挙げられる。薬学的に許容可能な担体としては、水性および非水性の液体媒体の両方、並びに様々な固形剤および半固形剤が挙げられる。そのような担体は、活性剤に加えて、様々な理由、例えば活性剤の安定化のために製剤に含まれているさらなる成分、結合剤などの、当業者に周知の多くの異なる成分および添加物を含むことができる。適切な薬学的に許容可能な担体、およびそれらの選択に関わる因子の説明は、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, 18th Edition (1990)などの、様々な容易に入手可能な情報源において存在する。
【0088】
本発明の化合物のための投与レジメンは、特定の薬剤並びにその投与形態および経路の薬力学的特性;受容者の種、年齢、性別、健康状態、治療状態、および体重;症状の性質および程度;併用療法の種類;治療の頻度;投与経路、患者の腎臓および肝臓機能、並びに目的とする効果などの既知の因子に応じて、当然ながら変化する。医師または獣医師は、障害の進行を予防、対抗、または阻止するのに必要な、薬物の有効量を決定し、処方することができる。
【0089】
一般的な指針として、それぞれの活性成分の1日経口用量は、示される効果のために用いられる場合、1日あたり約0.001から約1000mg/体重kgの間、好ましくは約0.01から約100mg/体重kgの間、最も好ましくは約0.1から約20mg/kg/日の間の範囲である。静脈内では、もっとも好ましい用量は、定速の点滴の間、約0.001から約10mg/kg/分の範囲である。本発明の化合物は、単一の1日用量において投与されてもよく、または全量の1日用量を、1日2、3、または4回の分割用量において投与されてもよい。
【0090】
本発明の化合物はまた、非経口投与(例えば、静脈内、動脈内、筋肉内、または皮下)によって投与することができる。静脈内または動脈内に投与される場合、投与は連続的または間欠的にされることができる。さらに、製剤は活性な薬物成分の逐次的な放出を確実にするために、筋肉内および皮下送達のために開発することができる。
【0091】
本発明の化合物は、適当な鼻腔内ビヒクルの局所的な使用、または経皮皮膚パッチを用いた経皮経路によって、鼻腔内の剤形において投与することができる。経皮送達系の剤形において投与される場合、用量の投与は当然、用量レジメンの間、間欠的ではなく連続的である。
【0092】
化合物は一般に、目的の投与形態、例えば、経口錠剤、カプセル、エリキシル、およびシロップに関して適切に選択され、従来の薬務に一致する、適切な薬学的な希釈剤、賦形剤、または担体(本明細書において、合わせて薬学的な担体として称される)との混合物において投与される。
【0093】
例えば、錠剤またはカプセルの剤形における経口投与のために、活性な薬物成分は、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、ソルビトールなどの経口、非毒性の薬学的に許容可能な不活性担体と組み合わせることができ;液体剤形における経口投与のために、経口薬物成分は、エタノール、グリセロール、水などの任意の経口、非毒性の薬学的に許容可能な不活性担体と組み合わせることができる。さらに、望ましい場合または必要である場合、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、および着色剤はまた、混合物中に組み込むことができる。適当な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、グルコースまたはベータ-ラクトースなどの天然糖、コーンシロップ、アカシア、トラガカント、またはアルギン酸ナトリウムなどの天然および合成ゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが挙げられる。これらの剤形において用いられる滑沢剤としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。崩壊剤としては、これらに限定はされないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴムなどが挙げられる。
【0094】
本発明の化合物はまた、小型単層ベシクル、大型単層ベシクル、および多層ベシクルなどの、リポソーム送達系の剤形において投与することができる。リポソームは、コレステロール、ステアリルアミン、またはホスファチジルコリンなどの様々なリン脂質から生成することができる。
【0095】
本発明の化合物はまた、標的化可能な薬物担体として、可溶性ポリマーに結合されうる。そのようなポリマーとしては、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド-フェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル残基で置換されたポリエチレンオキシド-ポリリシンを挙げることができる。さらに、本発明の化合物は、薬物の制御放出を達成するために有用な生分解性ポリマーの種類、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ乳酸とポリグリコール酸とのコポリマー、ポリイプシロンカプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロピラン、ポリシアノアシレート、およびヒドロゲルの架橋または両親媒性ブロックコポリマーに結合されうる。
【0096】
投与に適切な剤形(医薬組成物)は、単位用量ごとに、約1ミリグラムから約1000ミリグラムの活性成分を含みうる。これらの医薬組成物において、活性成分は通常、組成物の総重量に基づいて、約0.1~95重量%の分量で存在する。
【0097】
ゼラチンカプセルは、活性成分と、ラクトース、デンプン、セルロース誘導体、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸などの粉末化担体とを含みうる。同様の希釈剤は、圧縮製剤を製造するために用いることができる。錠剤およびカプセルのいずれも、数時間にわたる薬物の持続放出のために提供される、徐放性生成物として製造することができる。圧縮製剤は、任意の不快な味を覆い隠し、大気から錠剤を保護するための糖衣またはフィルムコーティング、または消化管における選択的な崩壊のための腸溶性コーティングすることができる。
経口投与のための液体剤形は、患者の受け入れを高めるために、着色剤および香味剤を含むことができる。
【0098】
一般に、水、適切な油、食塩水、デキストロース(グルコース)水溶液、および関連する糖の溶液、およびプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールは、非経口溶液に適切な担体である。非経口投与のための溶液は好ましくは、活性成分の水溶性の塩、適切な安定化剤、および必要に応じて緩衝物質を含む。亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、またはアスコルビン酸などの抗酸化剤は、単体または組み合わせのいずれかで、適切な安定化剤である。また、クエン酸およびその塩、およびナトリウムEDTAも用いられる。さらに非経口溶液は、塩化ベンザルコニウム、メチル-またはプロピル-パラベン、およびクロロブタノールなどの防腐剤を含むことができる。
【0099】
本発明の化合物は、単体でまたは1つ以上のさらなる治療剤との組み合わせで投与することができる。「組み合わせで投与される」または「組み合わせ療法」は、本発明の化合物、および1つ以上のさらなる治療剤が、治療される哺乳動物に同時に投与されることを意味する。組み合わせで投与される場合、それぞれの要素は同時に、または異なる時点において任意の順で順次投与されうる。そのため、それぞれの成分は、別個であるが、目的の治療効果を得るために十分に近い時間内に、投与されうる。
【0100】
本発明の化合物はまた、ROCK阻害に関連する試験またはアッセイにおいて、例えば品質基準、または対照として、標準または参照化合物としても利用可能である。そのような化合物は、例えば、ROCKに関する薬学的研究において用いるための、市販のキットにおいて提供されうる。例えば、本発明の化合物は、その既知の活性を、未知の活性を有する化合物と比較するためのアッセイにおいて、参照として用いられうる。これは、アッセイが適切に行われたことを実験者に保証し、特に試験化合物が参照化合物の誘導体である場合に、比較の基準を提供する。新たなアッセイまたはプロトコルが開発された場合、本発明に記載の化合物は、それらの有効性を試験するために用いられうる。
【0101】
本発明はまた、製品を含む。本明細書で用いられる製品は、これらに限定はされないが、キットおよび包装を含むことが意図される。本発明の製品は、(a)第一容器;(b)第一容器内に存在する医薬組成物、ここで、医薬組成物は本発明の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の形態を含む、第一治療剤を含む;および(c)医薬組成物を、(前記のように)心血管および/または炎症性障害の治療に用いることができることを記載した添付文書を含む。別の実施態様において、添付文書は、医薬組成物が心血管および/または炎症性障害を治療するために、(前記のように)第二治療剤との組み合わせで用いることができることを記載する。製品はさらに、(d)第二容器を含むことができ、ここで、構成要素(a)および(b)は第二容器内に存在し、構成要素(c)は第二容器の内部または外部に存在する。第一および第二容器内に存在するとは、別個の容器がその境界内に当該物質を保持していることを意味する。
【0102】
第一容器は、医薬組成物を保持するために用いられる容器である。この容器は、製造、保管、配送、および/または個別/バルク販売のためでありうる。第一容器は、ボトル、ジャー、バイアル、フラスコ、シリンジ、チューブ(例えば、クリーム製剤のため)、または医薬生成物を製造、保持、保管、または分配するために用いられる他の任意の容器を含むことが意図される。
【0103】
第二容器は、第一容器と適宜、添付文書とを保持するために用いられるものである。第二容器の例としては、これらに限定はされないが、箱(例えば、段ボールまたはプラスチック)、クレート、カートン、袋(例えば、紙またはプラスチック袋)、小袋、および大袋が挙げられる。添付文書はテープ、糊、ホチキス、または他の添付方法によって第一容器の外側に物理的に添付することができ、あるいは第一容器に物理的に添付することなく、第二容器の内部に置くことができる。あるいは、添付文書は第二容器の外側に位置している。第二容器の外側に位置する場合、添付文書はテープ、糊、ホチキス、または他の添付方法によって、物理的に添付されているのが好ましい。あるいは、物理的に添付されることなく、第二容器の外側に隣接して、または接触していてもよい。
【0104】
添付文書は第一容器の内部に存在する医薬組成物に関する情報を記載するラベル、タグ、しおりなどである。記載される情報は、通常、製品が販売される地域を統制する規制当局(例えば、米国食品医薬品局)によって決定される。好ましくは、添付文書は特に、医薬組成物が承認される適応症を記載する。添付文書はその中にまたはその上に含まれる情報を人が読むことができる、任意の材料から作成されうる。好ましくは、添付文書は、目的の情報が形成されている(例えば、印刷または添付されている)、印刷可能な材料(例えば、紙、プラスチック、段ボール、ホイル、片面粘着紙、またはプラスチックなど)である。
【0105】
本発明の他の特徴は、本発明の説明のために示され、それを限定することを意図しない、例示的な実施態様の以下の記載の過程で明らかになる。以下の実施例は、本明細書に開示される方法を用いて、合成され、単離され、特徴付けられた。
【0106】
VI.スキームなどの一般的な合成
本発明の化合物は、有機化学の分野における当業者に利用可能な多くの方法によって合成されうる(Maffrand, J.P. et al., Heterocycles, 16(1):35-37 (1981))。本発明の化合物の合成のための一般的な合成スキームは、以下に記載される。これらのスキームは例示であり、当業者が本明細書に開示される化合物を製造するために用いることのできる可能な技術を限定することを意図しない。本発明の化合物を製造するための異なる方法は、当業者に明らかである。さらに、合成における様々なステップは、目的の化合物を得るために、別の順序で行ってもよい。
【0107】
一般的なスキームにおいて記載される方法によって合成される本発明の化合物の例は、以下に記載される中間体および実施例の節において示される。ホモキラルな実施例の製造は、当業者に既知の技術によって行われうる。例えば、ホモキラルな化合物は、キラル相分取HPLCによるラセミ生成物の分離によって製造されうる。あるいは、実施例化合物はエナンチオマー的に濃縮された生成物が生じる、既知の方法によって製造されうる。これらとしては、限定はされないが、変換のジアステレオ選択性を制御するために機能するキラル補助官能基を、ラセミ体中間体に組み込むことにより、キラル補助基の切断に応じてエナンチオ濃縮生成物が提供されることが挙げられる。
【0108】
本発明の化合物は、有機合成の分野における当業者に既知の多くの方法によって合成することができる。本発明の化合物は、合成有機化学の分野において既知の合成方法と共に、以下に記載される方法を用いて、または当業者に理解されるそれらの改変によって、合成することができる。好ましい方法としては、これらに限定はされないが、以下に記載されるものが挙げられる。
反応は、用いられる試薬および物質に適切な、および生じる変換に適切な、溶媒または溶媒混合物中で行われる。分子上に存在する官能基は、提案される変換と一致するべきであることが、有機合成の当業者に理解されるであろう。これは時に、本発明の目的の化合物を得るために、合成ステップの順番を変更すること、またはある特定の工程スキームを他のものに換わって選択することの決断を必要とする。
【0109】
当分野における任意の合成経路の設計における他の主な考慮事項は、本発明に記載の化合物中に存在する、反応性官能基の保護のために用いられる保護基の賢明な選択である。熟練した医師に対して多くの代替案を説明している権威ある報告は、Greene et al., (Protective Groups in Organic Synthesis, 4th Edition, Wiley-Interscience (2006))である。
【0110】
【化15】
スキーム1は、ラクタムのβ位において置換基を有する、スピロラクタム類似体の合成に用いられる方法を記載する。適切に置換されたアリルエステル、1aを塩基にさらし、温度を上昇させて、クライゼン転位を起こす。その後、カルボン酸を次いで、標準的な条件下(例えば、TMS-ジアゾメタン)で1bにエステル化する。1bにおけるオレフィンを次いで、酸化的切断、およびブロモアニリンにより還元的アミノ化を行い、1cを得る。塩基性条件下で、1cをラクタム1dに変換する。構造1eの最終的な類似体は、アリールブロマイドの鈴木カップリングと、任意の保護基の除去によって生成する。
【0111】
【化16】
スキーム2は、ラクタム環において置換基を有さない類似体の合成を記載する。エステル2aを塩基、次いでアリルブロマイドで処理し、アリル化エステル2bを得る。2bから2eへの残りの合成は、1bからの1eの合成と類似である。
【0112】
【化17】
スキーム3は、2eと類似の別の合成経路を記載する。アリル化酸3aは、ブロモアニリンによるアミド形成を受けて、アリル化アミド3bを生成する。3bの酸化的切断によって、中間体アルデヒド3cが生じ、これを側鎖のアミドによって捕捉して、ヘミアミナール3dを生成する。この遷移種の還元によって、ラクタム2dが生じる。最終生成物2eは、スキーム1に記載されるものと同様の方法で合成される。
中間体および最終生成物の生成は、順相または逆相クロマトグラフィーのいずれかによって行った。順相クロマトグラフィーは、特に言及されない限り、あらかじめ充填されたSiO
2カートリッジを用いて、ヘキサンおよびEtOAcまたはDCMおよびMeOHのいずれかの勾配によって溶出しながら行った。逆相分取HPLCは、C18カラムを用いて、溶媒A(90%H
2O、10%MeOH、0.1%TFA)および溶媒B(10%H
2O、90%MeOH、0.1%TFA、UV220nm)の勾配、または溶媒A(90%H
2O、10%ACN、0.1%TFA)および溶媒B(10%H
2O、90%ACN、0.1%TFA、UV220nm)の勾配、または溶媒A(98%H
2O、2%ACN、0.05%TFA)および溶媒B(98%ACN、2%H
2O、0.05%TFA、UV220nm)の勾配のいずれかによって、(または)Sunfire Prep C18 OBD 5u 30x100mm、0-100%Bの25分間の勾配によって溶出しながら行った。A=H
2O/ACN/TFA 90:10:0.1。B=ACN/H
2O/TFA 90:10:0.1 (または)Waters XBridge C18、19x200mm、5μm粒子;ガードカラム:Waters XBridge C18、19x10mm、5μm粒子;溶媒A:20mM 酢酸アンモニウムを含む水;溶媒B:20mM 酢酸アンモニウムを含む、95:5 アセトニトリル:水;勾配:20分にわたり、25-65%B、次いで5分間、100%Bで保持;流速:20mL/分。
特に言及されない限り、最終生成物の分析は逆相HPLCで行った。
【0113】
方法A:Sunfire C18カラム(3.5μm C18、3.0×150mm)。10分にわたり、10-100%溶媒B、次いで5分間、100%溶媒Bの勾配溶出(1.0mL/分)を用いた。溶媒Aは(95%水、5%アセトニトリル、0.05%TFA)であり、溶媒Bは(5%水、95%アセトニトリル、0.05%TFA、UV254nm)である。
方法B:XBridge フェニルカラム(3.5μm C18、3.0×150mm)。10分にわたり、10-100%溶媒B、次いで5分間、100%溶媒Bの勾配溶出(1.0mL/分)を用いた。溶媒Aは(95%水、5%アセトニトリル、0.05%TFA)であり、溶媒Bは(5%水、95%アセトニトリル、0.05%TFA、UV254nm)である。
方法C:Waters BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:0.05%TFAを含む、5:95 アセトニトリル:水;移動相B:0.05%TFAを含む、95:5 アセトニトリル:水;温度:50℃;勾配:3分にわたり、0-100%B;流速:1.11mL/分。
方法D:Waters BEH C18、2.1x50mm、1.7μm粒子;移動相A:10mM 酢酸アンモニウムを含む、5:95 アセトニトリル:水;移動相B:10mM 酢酸アンモニウムを含む、95:5 アセトニトリル:水;温度:50℃;勾配:3分にわたり、0-100%B;流速:1.11mL/分。
【0114】
実施例1
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、ラセミ体
【化18】
実施例1A.メチル インドリン-2-カルボキシレート
【化19】
インドリン-2-カルボン酸(5g、12.26mmol)のMeOH(40mL)中の溶液に、硫酸(2.45mL、46.0mmol)を滴下して加えた。反応液を80℃で8時間加熱し、次いで氷浴で冷却し、1.5M K
2HPO
4で中性化し、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせて、飽和NaHCO
3、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、メチル インドリン-2-カルボキシレート(5.17g、収率95%)を褐色の油状物として得て、これをさらに精製を行わず、次のステップで用いた。MS(ESI) m/z: 178.0 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.11 - 7.00 (m, 2H), 6.77 - 6.68 (m, 2H), 4.39 (dd, J=10.1, 5.5 Hz, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.44 - 3.25 (m, 2H).
【0115】
実施例1B.1-tert-ブチル 2-メチル インドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化20】
メチル インドリン-2-カルボキシレート(5.17g、29.2mmol)のCH
2Cl
2(50mL)中の溶液に、BOC-無水物(10.84mL、46.7mmol)を少しずつ加えた。反応液を室温で一晩攪拌し、濃縮し、順相クロマトグラフィーで精製し、1-tert-ブチル 2-メチル インドリン-1,2-ジカルボキシレート(7.2g、収率89%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 178.0 (M+H-Boc)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.89 (br. s., 0.6H), 7.64 - 7.40 (m, 0.4H), 7.19 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.11 (d, J=7.3 Hz, 1H), 6.97 - 6.90 (m, 1H), 4.87 (br. s., 1H), 3.75 (s, 3H), 3.51 (dd, J=16.4, 11.6 Hz, 1H), 3.11 (dd, J=16.6, 4.5 Hz, 1H), 1.67 - 1.43 (m, 9H) ジアステレオマー。
【0116】
実施例1C.1-Tert-ブチル 2-メチル 2-アリルインドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化21】
1-tert-ブチル 2-メチル インドリン-1,2-ジカルボキシレート(2g、7.21mmol)のTHF(30mL)中の溶液に、THF中の1MのNaHMDS(14.42mL、14.42mmol)をシリンジで(10分間)滴下して加えた。混合物を-30℃で30分間攪拌し、-78℃に再度冷却し、アリルブロマイド(1.997mL、23.08mmol)をゆっくりと加えた。氷浴槽を取り除き、反応液を室温で2時間攪拌し、飽和NH
4Clで反応を停止させ、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて濃縮し、次いで順相クロマトグラフィーで精製し、1-tert-ブチル 2-メチル 2-アリルインドリン-1,2-ジカルボキシレート(1.36g、収率59%)を黄色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 318.1 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.89 (br. s., 0.57H), 7.59 - 7.36 (m, 0.27H), 7.18 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.10 - 7.02 (m, 1H), 6.98 - 6.90 (m, 1H), 5.63 (ddt, J=17.1, 9.8, 7.3 Hz, 1H), 5.13 (dd, J=17.1, 1.9 Hz, 1H), 5.01 (d, J=9.9 Hz, 1H), 3.74 (s, 3H), 3.42 - 3.15 (m, 2H), 3.10 (br. s., 1H), 2.79 - 2.61 (m, 1H), 1.70 - 1.41 (m, 9H) 回転異性体。
【0117】
実施例1D.1-Tert-ブチル 2-メチル 2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化22】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-アリルインドリン-1,2-ジカルボキシレート(1.36g、4.29mmol)のMeOH(60mL)および水(30mL)中の溶液に、四酸化オスミウム(tBuOH中に2.5%)(3.77mL、0.300mmol)を加えた。5分後、過ヨウ素酸ナトリウム(2.75g、12.86mmol)を3回に分けて、5分かけて加えた。2時間後、水を加え、反応液をEtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて、水、ブラインで洗浄し、濃縮し、順相クロマトグラフィーで精製し、1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート(1.02g、収率75%)を灰色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 220.0 (M+H-Boc)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 9.82 (br. s., 1H), 8.03 - 7.35 (m, 1H), 7.22 (t, J=7.7 Hz, 1H), 7.13 (d, J=7.3 Hz, 1H), 7.05 - 6.91 (m, 1H), 3.81 - 3.72 (m, 3H), 3.59 - 3.45 (m, 1H), 3.36 (d, J=15.2 Hz, 1H), 3.22 (dd, J=15.4, 3.3 Hz, 1H), 3.00 (br. s., 1H), 1.55 (d, J=7.5 Hz, 9H) 回転異性体
【0118】
実施例1E.1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化23】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート(0.8g、2.505mmol)および4-ブロモアニリン(0.431g、2.505mmol)のMeOH(6mL)中の溶液を、室温で30分間攪拌した。NaBH
3CN(THF中に1M)(5.0mL、5.0mmol)を加えた。反応液を室温で一晩攪拌し、1N NaOHで反応を停止させ、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて濃縮し、逆相クロマトグラフィーで精製した。
目的の生成物の画分を濃縮し、次いで飽和NaHCO
3を用いて遊離塩基にし、EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせて、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート(617mg、収率52%)をピンク色の泡状物として得た。MS(ESI) m/z: 476.9 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.94 (br. s., 1H), 7.25 - 7.16 (m, 3H), 7.10 (d, J=7.0 Hz, 1H), 7.03 - 6.89 (m, 1H), 6.40 - 6.32 (m, 2H), 3.74 (s, 3H), 3.45 (d, J=16.7 Hz, 1H), 3.22 - 3.07 (m, 4H), 2.66 (br. s., 1H), 2.22 (dt, J=14.1, 6.8 Hz, 1H), 1.68 - 1.34 (m, 9H) 回転異性体。
【0119】
実施例1F.Tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、ラセミ体
【化24】
圧力バイアルに、1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート(57mg、0.120mmol)のTHF(1mL)溶液、および水素化ナトリウム(10mg、0.25mmol)を、N
2下で添加した。バイアルに栓をして、反応液を65℃で一晩加熱した。混合物をEtOAcで希釈し、水で反応を停止させ、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて、濃縮し、順相クロマトグラフィーで精製し、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート(30mg、収率56%)を赤色のフィルム状物として得た。MS(ESI) m/z: 389.1 (M+H-tBu)
+.
【0120】
実施例1G.Tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、ピーク1、およびtert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、ピーク2
【化25】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、400mgのラセミ体のキラル分割によって、ピーク1(191mg)を白色の固形物(分析 RT 6.039分)として、およびピーク2(192mg)を白色の固形物(分析 RT 9.26分)として得た。
分析キラルクロマトグラフィー条件:
Chiralpak IC、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:20%MeOH/80%CO
2。流量:2.0mL/分、150Bar、40℃。
分取キラルクロマトグラフィー条件:
Chiralpak IC、21x250mm、5ミクロン。移動相:20%MeOH/80%CO
2。流量:45mL/分、100Bar、40℃。
【0121】
実施例1.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、ラセミ体
【化26】
マイクロ波バイアルに、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1F(30mg、0.068mmol)、tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(30mg、0.102mmol)のTHF(2.0mL)中の溶液、およびリン酸、カリウム塩(3M水溶液)(0.11mL、0.34mmol)を添加し、N
2をパージした。Pd-XPhos G3(1mg、1.181μmol)を加えた。バイアルに栓をして、90℃で1時間加熱し、次いで120℃で45分間マイクロ波照射をした。反応液を室温に冷却し、EtOAcで抽出した。有機層を濃縮し、次いで残留物を溶解させ、CH
2Cl
2(2mL)およびTFA(1mL)中で、室温で0.5時間攪拌した。混合物を乾燥するまで濃縮し、逆相クロマトグラフィーで精製し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(5.9mg、収率16%)を得た。HPLC: 方法C, RT 1.59 分. 純度 100%. MS(ESI) m/z: 331.0 (M+H)
+.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.14 (br. s., 1H), 7.94 (br. s., 1H), 7.76 - 7.68 (m, 2H), 7.65 (d, J=8.5 Hz, 2H), 7.01 (d, J=7.0 Hz, 1H), 6.95 (t, J=7.6 Hz, 1H), 6.56 (t, J=7.3 Hz, 1H), 6.49 (d, J=7.6 Hz, 1H), 3.93 - 3.75 (m, 2H), 3.47 - 3.37 (m, 1H), 3.29 - 3.17 (m, 1H), 3.08 (d, J=16.2 Hz, 1H), 2.34 - 2.14 (m, 2H)
【0122】
実施例2.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、「エナンチオマー1」および
実施例3.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(「エナンチオマー2」)
【化27】
ラセミ体の1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、実施例1を、Chiralpak IB、21x250mm、5ミクロンを用いて;40%MeOH/60%CO
2、流速45mL/分、150Bar、40℃で溶出し、キラル分割して、2つのピークを得た。第1のピーク、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(「エナンチオマー1」)、実施例2(17.9mg)を褐色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 331.2 (M+H)
+
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 12.91 (br. s., 1H), 8.17 (br. s., 1H), 7.91 (br. s., 1H), 7.85 - 7.52 (m, 4H), 7.13 - 6.81 (m, 2H), 6.65 - 6.39 (m, 2H), 6.31 (br. s., 1H), 4.07 - 3.66 (m, 2H), 3.22 (d, J=16.0 Hz, 1H), 3.07 (d, J=16.0 Hz, 1H), 2.35 - 2.04 (m, 2H)
HPLC: 方法A、RT 6.01 分、純度98.5%; 方法B、RT 7.65 分、純度99%
エナンチオマー過剰率 >99.0 %、RT 6.77 分。分析キラルクロマトグラフィー条件:
Chiralpak IB、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:40%MeOH/60%CO
2。流速:2.0mL/分、150Bar、40℃。
【0123】
第2のピーク、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(「エナンチオマー2」)、実施例3(19.6mg)を褐色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 331.2 (M+H)+
1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.91 (br. s., 1H), 8.17 (br. s., 1H), 7.91 (br. s., 1H), 7.86 - 7.44 (m, 4H), 7.22 - 6.78 (m, 2H), 6.66 - 6.40 (m, 2H), 6.31 (br. s., 1H), 4.02 - 3.65 (m, 2H), 3.08 (br. s., 1H), 2.36 - 2.05 (m, 2H). HPLC: 方法A、RT 5.95 分、純度99.5%; 方法B、RT 7.59 分、純度99.3%。エナンチオマー過剰率 >99.0 %、RT 9.15 分。分析キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak IB、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:40%MeOH/60%CO2。流速:2.0mL/分、150Bar、40℃。
あるいは、実施例2.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、「エナンチオマー1」および実施例3.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(「エナンチオマー2」)は、以下のように合成することができる、
【0124】
実施例2.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、「エナンチオマー1」
【化28】
マイクロ波バイアルに、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート(80mg、0.180mmol)、実施例1Gピーク2、tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレート(80mg、0.271mmol)のジオキサン(5.0mL)溶液、およびリン酸カリウム塩(3M水溶液)(0.30mL、0.90mmol)を添加し、アルゴンをパージした。Pd-XPhos G3(5mg、5.91μmol)を加えた。バイアルに栓をして、反応混合物を120℃で45分間、マイクロ波を照射した。反応液を室温に冷却し、EtOAcで抽出した。有機層を濃縮し、次いで順相クロマトグラフィーで精製し、ビスおよびモノBoc生成物の混合物を白色の固形物(93mg)として得た。
固形物を溶解し、CH
2Cl
2(1mL)およびTFA(1mL、12.98mmol)中、室温で0.5時間攪拌した。混合物を乾燥するまで濃縮し、MeOHを沈殿した目的の生成物に加えた。固形物を濾過し、メタノールで洗浄し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、実施例2(48mg、収率79%)をベージュ色の固形物として得た。
MS(ESI) m/z: 331.1 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.19 (br. s., 1H), 7.93 (br. s., 1H), 7.79 - 7.70 (m, 2H), 7.70 - 7.58 (m, 2H), 7.01 (d, J=7.3 Hz, 1H), 6.95 (t, J=7.6 Hz, 1H), 6.56 (t, J=7.4 Hz, 1H), 6.49 (d, J=7.7 Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 3.96 - 3.74 (m, 2H), 3.27 - 3.04 (m, 2H), 2.32 - 2.14 (m, 2H). HPLC: 方法A、RT = 6.39 分、純度98.3%; 方法B、RT =8.14 分、純度99.5 %。エナンチオマー過剰率 >99.0 %、RT 6.80 分。分析キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak IB、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:35%MeOH/65%CO
2。流速:2.0mL/分、150Bar、40℃。
【0125】
実施例3.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(「エナンチオマー2」)
【化29】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1G ピーク2を、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1G ピーク1に置き換えたこと以外は、実施例2(代替)と同様の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、実施例3(48mg、収率79%)を灰白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 331.1 (M+H)
+.
HPLC: 方法A、RT = 6.41 分、純度98.2 %; 方法B、RT =8.18 分、純度98.3 %。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.06 (br. s., 2H), 7.77 - 7.69 (m, 2H), 7.68 - 7.60 (m, 2H), 7.01 (d, J=7.3 Hz, 1H), 6.95 (t, J=7.6 Hz, 1H), 6.57 (t, J=7.3 Hz, 1H), 6.49 (d, J=7.7 Hz, 1H), 3.97 - 3.75 (m, 2H), 3.27 - 3.02 (m, 2H), 2.36 - 2.13 (m, 2H). エナンチオマー過剰率 >99.0 %、RT 9.83 分。分析キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak IB、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:35%MeOH/65%CO
2。流速:2.0mL/分、150Bar、40℃。
【0126】
実施例4.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化30】
実施例4A.1-Tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化31】
メチル 6-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレート(1g、4.87mmol)のEtOAc(10mL)中の溶液に、0℃で、Et
3N(1.019mL、7.31mmol)、DMAP(0.060g、0.487mmol)およびBoc-無水物(1.36mL、5.85mmol メチル 6-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレート)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。水を反応混合物に加え、AcOEtで抽出した。有機層を1M HCl、飽和NaHCO
3、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、留去し、1-tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシ-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレートを黄色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 250.1 (M+H-tBu)
+.
【0127】
実施例4B.1-Tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化32】
1-tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシ-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレートをEtOH(20mL)に溶解し、N
2下で10%Pd/C(0.2g)を加えた。混合物を窒素雰囲気下(バルーン、1atm)、50℃で6時間攪拌した。触媒を濾過し、濾液を留去して、1-tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレート(1.45g、収率97%)を無色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 252.1 (M+H-tBu)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.58 (br. s., 0.6H), 7.15 (br. s., 0.25H), 6.97 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.50 (dd, J=8.1, 2.2 Hz, 1H), 4.88 (br. s., 1H), 3.81 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.43 (dd, J=16.0, 11.6 Hz, 1H), 3.03 (dd, J=16.1, 4.4 Hz, 1H), 1.69 - 1.43 (m, 9H).
【0128】
実施例4C.1-Tert-ブチル 2-メチル 2-アリル-6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化33】
1-tert-ブチル 2-メチル インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Bを、1-tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレートに置き換え、NaHMDSをLiHMDSに置き換えたこと以外は、実施例1Cと同様の方法を用いて合成し、1-tert-ブチル 2-メチル 2-アリル-6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレート(1.06g、収率65%)を得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.63 - 7.45 (m, 1H), 6.93 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.51 (dd, J=8.1, 2.2 Hz, 1H), 5.64 (ddt, J=17.1, 9.9, 7.4 Hz, 1H), 5.23 - 4.91 (m, 2H), 3.80 (s, 3H), 3.74 (s, 3H), 3.34 - 3.00 (m, 3H), 2.70 (dd, J=14.4, 7.6 Hz, 1H), 1.66 - 1.43 (m, 9H). MS(ESI) m/z: 248.1 (M+H-Boc)
+.
【0129】
実施例4D.1-Tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシ-2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化34】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-アリルインドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Cを、1-tert-ブチル 2-メチル 2-アリル-6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレートに置き換えること以外は、実施例1Dと同様の方法を用いて合成し、1-tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシ-2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート(0.72g、収率68%)を透明な油状物として得た。MS(ESI) m/z: 250.1 (M+H-Boc)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 9.80 (br. s., 1H), 7.66 - 7.43 (m, 0.52H), 7.21 - 7.05 (m, 0.29H), 6.99 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.55 (dd, J=8.3, 2.3 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.78 (s, 3H), 3.51 - 3.23 (m, 2H), 3.19 (dd, J=15.3, 3.2 Hz, 1H), 3.01 (br. s., 1H), 1.69 - 1.36 (m,9H)
【0130】
実施例4E.1-Tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)-6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化35】
1-tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシ-2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート(0.54g、1.546mmol)および4-ブロモアニリン(0.319g、1.855mmol)のDCM(10mL)中の混合物を、室温で20分間攪拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(0.557g、2.63mmol)、次いで酢酸(0.088mL、1.546mmol)を加えた。室温で5時間後、反応液を4日間冷凍庫に入れ、次いで室温で6時間置いた。反応液を1N NaOHで反応を停止させ、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて濃縮し、順相クロマトグラフィー、次いで逆相クロマトグラフィーで精製した。目的の生成物の画分を合わせて、飽和NaHCO
3でわずかに塩基性にし、濃縮して、大部分のメタノールを留去した。残留した水層をEtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)-6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレート(186mg、収率24%)を帯褐色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 505.3 (M+H)
+.
【0131】
実施例4F.Tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-メトキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート
【化36】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Eを1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)-6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレートに置き換えたこと以外は、実施例1Fと同様の方法を用いて合成し、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-メトキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート(134mg、収率77%)を得た。MS(ESI) m/z: 417.2 (M+H-tBu)
+.
【0132】
実施例4.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化37】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1Fをtert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-メトキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレートに置き換えたこと以外は、実施例1と同様の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA(7mg、収率11%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 361.0 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.04 (br. s., 2H), 7.75 - 7.59 (m, 4H), 6.86 (d, J=7.9 Hz, 1H), 6.11 (dd, J=8.0, 2.3 Hz, 1H), 6.07 (d, J=2.4 Hz, 1H), 3.89 - 3.72 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.03 - 2.95 (m, 1H), 2.32 - 2.13 (m, 2H). HPLC: 方法A、RT = 6.20 分、純度99.1% ; 方法B、RT =7.84 分、純度98.4%。
【0133】
実施例5.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(エナンチオマー1)および
実施例6.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(エナンチオマー2)
【化38】
Chiralpak IB、21x250mm、5ミクロンを用いて;35%MeOH/65%CO
2.流速45mL/分、150Bar、40℃で溶出し、ラセミ体、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、実施例4のキラル分割によって、2つのエナンチオマーを得た。
実施例5.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(エナンチオマー1).第1のピーク(10mg)を青色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 361.3 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.05 (br. s., 2H), 7.78 - 7.69 (m, 2H), 7.67 - 7.59 (m, 2H), 6.87 (d, J=7.9 Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 6.12 (dd, J=8.0, 2.3 Hz, 1H), 6.07 (d, J=2.2 Hz, 1H), 3.91 - 3.75 (m, 2H), 3.67 (s, 3H), 3.20 - 2.94 (m, 2H), 2.32 - 2.14 (m, 2H). HPLC: 方法 A、RT 6.39 分、純度96%; 方法 B、RT 8.15 分、純度96%。エナンチオマー過剰率 >99.0 %、RT 11.05 分。分析キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak IB、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:35%MeOH/65%CO
2。流速:2.0mL/分、150Bar、40℃。
【0134】
実施例7.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA、ラセミ体
【化39】
メチル 6-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレート、実施例4Aを、エチル 5-フルオロ-1H-インドール-2-カルボキシレートに置き換えること以外は、実施例4と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA(17mg、収率25%)を得た。HPLC: 方法 A、RT = 6.37 分、純度99.3 % ; 方法 B RT =8.04 分、純度98.7%。MS(ESI) m/z: 349.0 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 12.92 (br. s., 1H), 8.18 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.76 - 7.68 (m, 2H), 7.69 - 7.59 (m, 2H), 6.89 (dd, J=8.7, 2.5 Hz, 1H), 6.81 - 6.69 (m, 1H), 6.43 (dd, J=8.6, 4.4 Hz, 1H), 6.23 (s, 1H), 3.98 - 3.70 (m, 2H), 3.29 - 3.01 (m, 2H), 2.35 - 2.13 (m, 2H)
【0135】
実施例8.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1、および
実施例9.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2
【化40】
Chiralpak IB、21x250mm、5ミクロンを用いて;35%MeOH/65%CO
2.流速45mL/分、150Bar、40℃で溶出し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、実施例7のキラル分割によって、個々のエナンチオマーを得た。
【0136】
実施例8、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA(エナンチオマー1)。灰白色固体。MS(ESI) m/z: 349.3 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 12.91 (br. s., 1H), 8.15 (br. s., 1H), 7.94 (br. s., 1H), 7.76 - 7.67 (m, 2H), 7.67 - 7.60 (m, 2H), 6.94 - 6.84 (m, 1H), 6.80 - 6.69 (m, 1H), 6.53 (s, 2H), 6.43 (dd, J=8.4, 4.5 Hz, 1H), 6.23 (br. s., 1H), 3.94 - 3.72 (m, 2H), 3.25 (d, J=16.5 Hz, 1H), 3.09 (d, J=16.5 Hz, 1H), 2.34 - 2.14 (m, 2H), 19F NMR (471MHz, DMSO-d6) δ -78.50 (s, 3F), -133.23 (s, 1F). HPLC: 方法 A、RT 6.24 分、純度97.9% ; 方法 B、RT 8.02 分、純度98.0%。エナンチオマー過剰率 97.8 %、RT 6.19 分。分析キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak IB、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:35%MeOH/65%CO2。流速:2.0mL/分、150Bar、40℃。
実施例9.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA(エナンチオマー2)。灰白色固体。MS(ESI) m/z: 349.0 [M+H]+. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.04 (br. s., 2H), 7.74 - 7.67 (m, 2H), 7.67 - 7.60 (m, 2H), 6.87 (dd, J=8.5, 2.5 Hz, 1H), 6.79 - 6.70 (m, 1H), 6.42 (dd, J=8.4, 4.5 Hz, 1H), 3.88 - 3.75 (m, 2H), 3.24 (d, J=16.5 Hz, 1H), 3.08 (d, J=16.8 Hz, 1H), 2.32 - 2.23 (m, 1H), 2.24 - 2.15 (m, 1H), 19F NMR (471MHz, DMSO-d6) δ -73.85 (br. s., 3F), -128.18 (s, 1F). HPLC: 方法 A、RT 6.19 分、純度92% ; 方法 B、RT 7.98 分、純度94%。エナンチオマー過剰率 93.6 %、RT 8.50 分。分析キラルクロマトグラフィー条件: Chiralpak IB、4.6 x 250 mm、5ミクロン。移動相: 35% MeOH / 65% CO2、流量: 2.0 mL/分、150 Bar、40 ℃。
【0137】
実施例10.
1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA
【化41】
実施例10A.5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミン
【化42】
6-メトキシピリジン-2-アミン(0.873g、7.03mmol)のアセトニトリル(40mL)中の溶液に、N-ブロモスクシンイミド(0.626g、3.52mmol)を加え、反応混合物を室温で1.25時間攪拌した。さらにN-ブロモスクシンイミド(0.626g、3.52mmol)を加え、反応混合物を室温でさらに30分間攪拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAc(2x)で抽出した。有機性抽出物を合わせて、ブラインで洗浄し、濃縮し、順相クロマトグラフィーで精製し、5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミン(354mg、収率25%)を橙色の油状物として得て、これを放置して凝固させた。MS(ESI) m/z: 202.9 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.48 (d, J=8.1 Hz, 1H), 5.98 (d, J=8.1 Hz, 1H), 4.31 (br. s., 2H), 3.91 (s, 3H).
【0138】
実施例10.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA
【化43】
実施例1Eにおいて、MeOH中の4-ブロモアニリンおよびNaBH
3CNを、THF中の5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミン、実施例10AおよびNaBH(OAc)
3、酢酸に置き換えること以外は、実施例1と同様の方法を用いて合成し、1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA(21mg、収率42%)を得た。HPLC: 方法 A、RT = 10.91 分、純度98.6 % ; 方法 B、RT =13.86 分、純度100%。MS(ESI) m/z: 362.3 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 - 8.03 (m, 1H), 7.93 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.01 (d, J=7.3 Hz, 1H), 6.96 (t, J=7.7 Hz, 1H), 6.57 (td, J=7.4, 0.9 Hz, 1H), 6.49 (d, J=7.7 Hz, 1H), 4.18 - 4.09 (m, 1H), 4.02 (s, 3H), 4.00 - 3.92 (m, 1H), 3.30 - 3.06 (m, 2H), 2.32 - 2.15 (m, 2H).
【0139】
実施例11.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA
【化44】
実施例11A.1’-(4-ブロモフェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化45】
1-(4-ブロモフェニル)ピロリジン-2-オン(200mg、0.833mmol)のTHF(5mL)中の溶液に、LiHMDS(2.499mL、2.499mmol)を-78℃で滴下して加えた。反応液を-30℃で30分間攪拌し、次いで-78℃に再度冷却した。THF(5mL)中の1,2-ビス(ブロモメチル)ベンゼン(264mg、1.000mmol)を滴下して加え、反応液を室温で一晩攪拌した。混合物を飽和NH
4Clで反応を停止させ、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて濃縮し、次いで順相クロマトグラフィーで精製し、1’-(4-ブロモフェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(57mg、収率20%)を帯褐色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 341.95/343.95 (M+H)
+.
【0140】
実施例11.1’-(4-ブロモフェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA
【化46】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1Fを1’-(4-ブロモフェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オンに置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、TFA(4mg、収率5%)を得た。MS(ESI) m/z: 330.3 (M+H)
+. HPLC : 方法 A、RT = 11.33 分、純度96.5 % ; 方法 B、RT =14.29 分、純度97.9%。
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.18 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.77 - 7.69 (m, 2H), 7.67 - 7.59 (m, 2H), 7.29 - 7.21 (m, 2H), 7.20 - 7.13 (m, 2H), 3.89 (t, J=6.7 Hz, 2H), 3.30 - 3.21 (m, 3H), 3.00 (d, J=15.8 Hz, 2H), 2.13 (t, J=6.7 Hz, 2H)
【0141】
実施例12.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化47】
メチル 6-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレートをエチル 5-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレートに置き換え、還元的アミノ化において、MeOH中のNaBH
3CNを用いたこと以外は、実施例4と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(45mg、収率50%)を灰色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 361.05 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.05 (br. s., 2H), 7.77 - 7.67 (m, 2H), 7.66 - 7.60 (m, 2H), 6.70 (d, J=2.4 Hz, 1H), 6.56 (dd, J=8.5, 2.5 Hz, 1H), 6.42 (d, J=8.4 Hz, 1H), 5.91 (br. s., 1H), 3.93 - 3.75 (m, 2H), 3.66 (s, 3H), 3.35 (br. s., 1H), 3.26 - 3.00 (m, 2H), 2.32 - 2.12 (m, 2H). HPLC : 方法 A、RT = 5.13 分、純度97.1 % ; 方法 B、RT = 6.98 分、純度96.8%。
【0142】
実施例13.
1’-(4-(1H-インダゾール-5-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化48】
tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートをtert-ブチル 5-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-インダゾール-1-カルボキシレートに置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-インダゾール-5-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(1.2mg、収率7%)を得た。MS(ESI) m/z: 381.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.61 分。
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.15 - 8.10 (m, 1H), 8.06 - 8.01 (m, 1H), 7.86 - 7.81 (m, 2H), 7.78 - 7.73 (m, 2H), 7.71 - 7.66 (m, 1H), 7.64 - 7.59 (m, 1H), 7.03 - 6.99 (m, 1H), 6.98 - 6.91 (m, 1H), 6.60 - 6.53 (m, 1H), 6.51 - 6.46 (m, 1H), 6.38 - 6.32 (m, 1H), 3.94 - 3.79 (m, 2H), 3.28 - 3.06 (m, 2H), 2.34 - 2.14 (m, 2H).
【0143】
実施例14.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシ-1-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化49】
実施例14A.1’-(4-ブロモフェニル)-6-メトキシ-1-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化50】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-メトキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例4F(57mg、0.120mmol)のDCM(0.5mL)中の溶液に、TFA(9.28μl、0.120mmol)を加えた。反応液を室温で0.5時間攪拌し、次いで濃縮した。残留物にEtOAc、および飽和NaHCO
3を加えた。EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて、乾燥するまで濃縮した。残留物にアセトニトリル(2mL)、K
2CO
3(49.9mg、0.361mmol)、次いでヨードメタン(0.011mL、0.181mmol)を加えた。4時間後、さらにヨードメタン(0.03mL)を加え、バイアルに栓をし、65℃で一晩加熱した。水を加え、反応液をEtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて濃縮し、次いで順相クロマトグラフィーで精製し、1’-(4-ブロモフェニル)-6-メトキシ-1-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(45mg、収率75%)を得た。MS(ESI) m/z: 389.0 (M+H)
+.
【0144】
実施例14.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシ-1-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化51】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1Fを、1’-(4-ブロモフェニル)-6-メトキシ-1-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オンに置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-メトキシ-1-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(8.2mg、収率33%)を得た。MS(ESI) m/z: 375.3 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT = 1.54 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.03 (br. s., 2H), 7.74 - 7.56 (m, 4H), 6.85 (d, J=7.7 Hz, 1H), 6.10 (d, J=7.7 Hz, 1H), 6.02 (s, 1H), 3.88 - 3.76 (m, 2H), 3.69 (s, 1H), 3.56 (d, J=10.5 Hz, 1H), 3.07 (q, J=15.6 Hz, 2H), 2.69 (s, 3H), 2.51 (br. s., 9H), 2.45 - 2.34 (m, 1H), 2.12 (d, J=12.8 Hz, 1H)
【0145】
実施例15.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化52】
実施例15A.メチル 6-フルオロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート
【化53】
無水THF(10mL)および水素化ナトリウム60%の油(0.84g、21.0mmol)中の懸濁液に、室温で炭酸ジメチル(1.179mL、14.0mmol)を少しずつ加えた。反応液を70℃で0.5時間加熱し、次いで0℃に冷却し、6-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン(1.05g、7mmol)のTHF(10mL)中の溶液を滴下して加えた。得られた混合物を70℃に加熱した。攪拌を補助するために、トルエン(10mL)を加えた。70℃で一晩加熱した後、反応液を氷浴で冷却し、水および1N HClで反応を停止させた(酸性)。EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせて、ブラインで洗浄し、濃縮し、次いで順相クロマトグラフィーで精製し、メチル 6-フルオロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート(1.16g、収率80%)を橙色の油状物として得て、これを放置して凝固させた。MS(ESI) m/z: 209.1 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.78 (dd, J=8.6, 5.3 Hz, 1H), 7.17 (dt, J=8.6, 0.9 Hz, 1H), 7.10 (td, J=8.6, 2.2 Hz, 1H), 3.80 (s, 3H), 3.77 (dd, J=8.1, 4.0 Hz, 1H), 3.61 - 3.53 (m, 1H), 3.42 - 3.31 (m, 1H).
【0146】
実施例15B.メチル 5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート
【化54】
メチル 6-フルオロ-1-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート(0.6g、2.88mmol)のTFA(8mL)中の褐色の溶液に、N
2下0℃で、トリエチルシラン(1.381mL、8.65mmol)で滴下して加えた。反応液を0℃で0.5時間、次いで室温で一晩攪拌した。反応液を濃縮し、次いで飽和NaHCO
3に注ぎ、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて濃縮し、次いで順相クロマトグラフィーで精製し、メチル 5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート(453mg、収率81%)を橙色の油状物として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.12 (dd, J=7.9, 5.3 Hz, 1H), 6.92 - 6.79 (m, 2H), 3.73 (s, 3H), 3.44 - 3.31 (m, 1H), 3.30 - 3.11 (m, 4H)
【0147】
実施例15C.メチル 2-アリル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート
【化55】
1-tert-ブチル 2-メチル インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Bを、メチル 5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレートに置き換えたこと以外は、実施例1Cと類似の方法を用いて合成し、メチル 2-アリル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート(465mg、収率85%)を黄色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 235.1 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.09 (dd, J=8.0, 5.2 Hz, 1H), 6.91 - 6.76 (m, 2H), 5.76 - 5.61 (m, 1H), 5.12 - 4.98 (m, 2H), 3.70 (s, 3H), 3.40 (dd, J=18.3, 17.2 Hz, 2H), 2.91 (dd, J=16.3, 11.0 Hz, 2H), 2.46 (dq, J=7.3, 1.2 Hz, 2H)
【0148】
実施例15D.メチル 5-フルオロ-2-(2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート
【化56】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-アリルインドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Cを、メチル 2-アリル-5-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレートで置き換えたこと以外は、実施例1Dと類似の方法を用いて合成し、メチル 5-フルオロ-2-(2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート(330mg、収率70%)を褐色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 237.1 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 9.73 (t, J=1.1 Hz, 1H), 7.11 (dd, J=7.7, 5.3 Hz, 1H), 6.92 - 6.80 (m, 2H), 3.75 - 3.70 (m, 3H), 3.62 - 3.44 (m, 2H), 2.99 - 2.86 (m, 4H).
【0149】
実施例15E.1’-(4-ブロモフェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化57】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Dを、メチル 5-フルオロ-2-(2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレートに置き換えたこと以外は、実施例1Dから実施例1Fと同様の方法を用いて合成し、1’-(4-ブロモフェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(103mg、収率71%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 360.2/362 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.65 - 7.55 (m, 1H), 7.53 - 7.46 (m, 1H), 7.14 (dd, J=8.1, 5.1 Hz, 1H), 6.90 (t, J=9.2 Hz, 2H), 3.82 (t, J=6.7 Hz, 2H), 3.55 - 3.35 (m, 2H), 2.89 (dd, J=15.7, 6.3 Hz, 2H), 2.18 (t, J=6.7 Hz, 2H).
【0150】
エナンチオマーを分離した。103mgのラセミ混合物から、エナンチオマー1(44.5mg、収率43%)を白色の固形物、RT 12.07、>99.0%エナンチオマー過剰率として、エナンチオマー2(44.5mg、収率43%)を白色の固形物、RT17.83、90.2%エナンチオマー過剰率として得た。
分析キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak AS-H、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:25%MeOH/75%CO2。流量:2.0mL/分、150Bar、40℃。
分取キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak AS-H、21x250mm、5ミクロン。移動相:25%MeOH/75%CO2。流量:45mL/分、100Bar、40℃。
【0151】
実施例15.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化58】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、1Fを、1’-(4-ブロモフェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(実施例15E、エナンチオマー1)に置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(2.2mg、収率11%)を得た。MS(ESI) m/z: 348.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.76 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.14 (br. s., 1H), 7.94 (br. s., 1H), 7.73 - 7.57 (m, 4H), 7.27 - 7.19 (m, 1H), 7.07 (d, J=8.9 Hz, 1H), 6.97 (t, J=8.2 Hz, 1H), 3.86 (t, J=6.6 Hz, 2H), 3.30 - 3.12 (m, 2H), 3.04 - 2.89 (m, 2H), 2.12 (t, J=6.6 Hz, 2H)
【0152】
実施例16.
1’-(4(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン-2’-オン]、エナンチオマー2
【化59】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、1Fを、1’-(4-ブロモフェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(実施例15E、エナンチオマー2)に置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(4.2mg、収率42%)を得た。MS(ESI) m/z: 348.2 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.68 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.16 (br. s., 1H), 7.92 (br. s., 1H), 7.73 - 7.66 (m, 2H), 7.66 - 7.58 (m, 2H), 7.29 - 7.19 (m, 1H), 7.07 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.98 (t, J=8.7 Hz, 1H), 3.90 - 3.81 (m, 2H), 3.30 - 3.14 (m, 2H), 2.97 (t, J=15.6 Hz, 2H), 2.12 (t, J=6.5 Hz, 2H).
【0153】
実施例17.
5-フルオロ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化60】
実施例17A.5-フルオロ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化61】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Dおよび4-ブロモアニリンを、メチル 5-フルオロ-2-(2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート、実施例15Dおよび5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミン、実施例10Aで置き換えたこと以外は、実施例1Eから1Fと類似の方法を用いて合成し、1’-(5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-イル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(76mg、収率73%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 391.2/393.2 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.94 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.79 (d, J=8.4 Hz, 1H), 7.14 (dd, J=8.1, 5.3 Hz, 1H), 6.95 - 6.81 (m, 2H), 4.08 (td, J=6.8, 1.5 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.58 - 3.32 (m, 2H), 2.91 (dd, J=15.8, 6.2 Hz, 2H), 2.15 (dd, J=7.5, 6.4 Hz, 2H).
エナンチオマーを、実施例9Cに記載される条件で分離した。
エナンチオマー1 RT 7.79、>99.0% エナンチオマー過剰率。
エナンチオマー2 RT 9.12、>99.0% エナンチオマー過剰率。
【0154】
実施例17.5-フルオロ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(エナンチオマー1)
【化62】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、1Fを、1’-(5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-イル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(ピーク1)に置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、5-フルオロ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(エナンチオマー1)(3.2mg、収率26%)を得た。MS(ESI) m/z: 479.20 (M+H)
+. HPLC: 方法 C, RT 1.95 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.20 - 7.80 (m, 4H), 7.33 - 7.18 (m, 1H), 7.07 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.98 (t, J=8.4 Hz, 1H), 4.07 (t, J=6.4 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.32 - 3.11 (m, 2H), 3.05 - 2.90 (m, 2H), 2.11 (t, J=6.6 Hz, 2H)
【0155】
実施例18.
5-フルオロ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2
【化63】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、1Fを、1’-(5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-イル)-5-フルオロ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(ピーク2、エナンチオマー2)に置き換えたこと以外は、実施例1と同様の方法を用いて合成し、5-フルオロ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(エナンチオマー2)(5mg、収率49%)を得た。MS(ESI) m/z: 379.3 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.92 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.20 - 7.95 (m, 3H), 7.90 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.27 - 7.19 (m, 1H), 7.07 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.98 (t, J=8.6 Hz, 1H), 4.06 (t, J=6.7 Hz, 2H), 3.98 (s, 3H), 3.31 - 3.13 (m, 2H), 2.99 (t, J=15.7 Hz, 2H), 2.11 (t, J=6.6 Hz, 2H)
【0156】
実施例19
5-メトキシ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化64】
実施例19A.メチル 5-メトキシ-2-(2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート
【化65】
6-フルオロ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンを6-メトキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンに置き換えたこと以外は、実施例15A~15Dと類似の方法を用いて合成し、メチル 5-メトキシ-2-(2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート(239mg、収率67%)を褐色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 249.2 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 9.72 (t, J=1.2 Hz, 1H), 7.07 (d, J=9.0 Hz, 1H), 6.77 - 6.67 (m, 2H), 3.78 (s, 3H), 3.74 - 3.68 (m, 3H), 3.62 - 3.43 (m, 2H), 2.94 - 2.83 (m, 4H)
【0157】
実施例19B.5-メトキシ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化66】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Dを、メチル 5-メトキシ-2-(2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレートで置き換え、ブロモアニリンを、5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミンで置き換えたこと以外は、実施例1Dから実施例1Fと類似の方法を用いて合成し、1’-(5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-イル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(27mg、収率32%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 403.2/405.2 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.95 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.78 (d, J=8.6 Hz, 1H), 7.11 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.83 - 6.68 (m, 2H), 4.12 - 4.03 (m, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.53 - 3.34 (m, 2H), 2.88 (dd, J=15.6, 5.9 Hz, 2H), 2.20 - 2.09 (m, 2H).
移動相:20%MeOH/80%CO
2以外は、実施例15Eに記載される条件を用いて、エナンチオマーを分離した。
エナンチオマー 1 RT 7.990、>99.0 % エナンチオマー過剰率
エナンチオマー 2 RT 10.816、>99.0 % エナンチオマー過剰率
【0158】
実施例19.5-メトキシ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化67】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、1Fを1’-(5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-イル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(エナンチオマー1)で置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、5-メトキシ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1(6.5mg、収率53%)を得た。MS(ESI) m/z: 391.1 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.09 (d, J=8.4 Hz, 3H), 7.94 (d, J=8.1 Hz, 1H), 7.14 (d, J=8.4 Hz, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.76 (dd, J=8.1, 2.4 Hz, 1H), 4.09 (t, J=7.4 Hz, 2H), 4.02 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 3.30 - 3.16 (m, 4H), 3.05 - 2.87 (m, 2H), 2.12 (t, J=6.8 Hz, 2H). HPLC 方法 A、RT = 5.09 分、純度 97 % ; 方法 B、RT = 6.99 分、純度 95 % 。
【0159】
実施例20
5-メトキシ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2
【化68】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、1Fを1’-(5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-イル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(エナンチオマー2)で置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、5-メトキシ-1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2(3.1mg、収率26%)を得た。MS(ESI) m/z: 391.3 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、純度 98 %、RT 1.85 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.14 (br. s., 1H), 8.06 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.99 (br. s., 1H), 7.91 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.12 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.73 (d, J=8.0 Hz, 1H), 4.06 (br. s., 2H), 3.99 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 3.29 - 3.10 (m, 2H), 2.93 (t, J=16.8 Hz, 2H), 2.09 (t, J=6.6 Hz, 2H).
【0160】
実施例21.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化69】
実施例21A.1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化70】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-オキソエチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Dを、メチル 5-メトキシ-2-(2-オキソエチル)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボキシレート、実施例19Aに置き換え、ブロモアニリンを、5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミン、実施例10Aに置き換えたこと以外は、実施例1Eから実施例1Fと類似の方法を用いて合成し、1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(78mg、収率86%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 372/374.2 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.68 - 7.54 (m, 2H), 7.54 - 7.43 (m, 2H), 7.11 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.84 - 6.69 (m, 2H), 3.87 - 3.75 (m, 5H), 3.54 - 3.34 (m, 2H), 2.86 (dd, J=15.4, 6.4 Hz, 2H), 2.25 - 2.11 (m, 2H).
【0161】
エナンチオマーをキラルクロマトグラフィーで精製した。
分析キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak AS-H、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:25%MeOH/75%CO2。流速:2.0mL/分、150Bar、40℃。
分取キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak AS-H、21x250mm、5ミクロン。移動相:25%MeOH/75%CO2。流速:45mL/分、100Bar、40℃。
エナンチオマー1 RT 8.97分、>99.0%エナンチオマー過剰率、1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、ピーク1(39.2mg、収率50%)を白色の固形物として単離した。MS(ESI) m/z: 372.0/374.0 (M+H)+.
エナンチオマー2 RT 11.44分、98.0%エナンチオマー過剰率、1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、ピーク2(32.6mg、収率42%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 372.0/374.1 (M+H)+.
【0162】
実施例21.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化71】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、1Fを1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、ピーク1に置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1(6.7mg、収率32%)を得た。MS(ESI) m/z: 360.1 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.19 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.77 - 7.60 (m, 4H), 7.14 (d, J=8.1 Hz, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.79 - 6.70 (m, 1H), 3.88 (t, J=6.8 Hz, 2H), 3.75 (s, 3H), 3.29 - 3.12 (m, 2H), 3.02 - 2.84 (m, 2H), 2.13 (t, J=6.7 Hz, 2H). HPLC: 方法 A、RT = 4.74 分、純度 93 % ; 方法 B、RT = 6.83 分、純度 95 %.
【0163】
実施例22.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2
【化72】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1Fを、1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、ピーク2で置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2(3.6mg、収率37%)を得た。MS(ESI) m/z: 360.3 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、純度 99 %、RT 1.61 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.03 (br. s., 2H), 7.73 - 7.65 (m, 2H), 7.65 - 7.58 (m, 2H), 7.12 (d, J=8.2 Hz, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.73 (d, J=8.6 Hz, 1H), 3.85 (t, J=6.6 Hz, 2H), 3.71 (s, 3H), 3.25 - 3.09 (m, 2H), 2.91 (t, J=16.8 Hz, 2H), 2.10 (t, J=6.2 Hz, 2H).
【0164】
実施例23.
1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化73】
メチル インドリン-2-カルボキシレート、実施例1Aの合成において、インドリン-2-カルボン酸を2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボン酸で置き換え、1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Eの合成において、ブロモアニリンを5-ブロモ-6-メトキシピリジン-2-アミン、実施例10Aで置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(6-メトキシ-5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(1.9mg、収率15%)を得た。MS(ESI) m/z: 360.9 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.82 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.21 - 7.97 (m, 3H), 7.91 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.23 (d, J=3.4 Hz, 2H), 7.20 - 7.13 (m, 2H), 4.07 (t, J=6.7 Hz, 2H), 3.99 (s, 3H), 3.26 (d, J=15.9 Hz, 2H), 3.00 (d, J=15.9 Hz, 2H), 2.10 (t, J=6.7 Hz, 2H)
【0165】
実施例24.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化74】
実施例24A.メチル 5-メトキシベンゾフラン-2-カルボキシレート
【化75】
5-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸(2000mg、10.41mmol)のCH
2Cl
2(30mL)およびメタノール(3mL)中の溶液に、氷浴において、2M TMS-ジアゾメタン(6.76mL、13.53mmol)を滴下して加えた。反応液を0℃で0.5時間攪拌した。反応液を濃縮し、ベージュ色の固形物を濾過し、ヘキサンで洗浄し、メチル 5-メトキシベンゾフラン-2-カルボキシレート(1.96g、収率91%)を得た。MS(ESI) m/z: 207.0 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.59 - 7.40 (m, 2H), 7.14 - 7.00 (m, 2H), 3.97 (s, 3H), 3.85 (s, 3H).
【0166】
実施例24B.メチル 5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-カルボキシレート
【化76】
水素化フラスコにおいて、メチル 5-メトキシベンゾフラン-2-カルボキシレート(1.98g、9.60mmol)をエタノール(100mL)中に溶解させた。溶液をN
2で5分間バブリングし、次いでパラジウム/炭素(10%)(0.34g、3.19mmol)を加えた。反応液を55psiの水素で一晩水素化した。混合物を濾過し、EtOHおよびEtOAcで洗浄し、さらに500mgの10%Pd/Cを加えた。500mg Pd/Cによって、55psiのH
2下で、6日間水素化した。混合物をセライトを介して濾過し、濃縮して、メチル 5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-カルボキシレート(1.9g、収率95%)を透明な黄色の油状物として得た。MS(ESI) m/z: 209.0 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 6.80 (d, J=8.8 Hz, 1H), 6.77 - 6.73 (m, 1H), 6.72 - 6.65 (m, 1H), 5.20 (dd, J=10.6, 6.8 Hz, 1H), 3.81 (s, 3H), 3.76 - 3.72 (m, 3H), 3.54 (dd, J=16.1, 10.3 Hz, 1H), 3.42 - 3.31 (m, 1H)
【0167】
実施例24.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化77】
1-tert-ブチル 2-メチル インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Bを、メチル 5-メトキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-カルボキシレートに置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(2.7mg、収率54%)を得た。MS(ESI) m/z: 362.0 (M+H)
+.
HPLC: 方法 C、RT 1.39 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.18 (br. s., 1H), 7.93 (br. s., 1H), 7.75 - 7.68 (m, 2H), 7.68 - 7.61 (m, 2H), 6.87 (s, 1H), 6.69 (s, 2H), 3.95 (d, J=6.8 Hz, 1H), 3.86 (br. s., 1H), 3.69 (s, 3H), 3.28 (d, J=16.4 Hz, 1H), 2.44 (dd, J=15.5, 7.4 Hz, 2H).
【0168】
実施例25.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化78】
1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オンを、1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1に置き換えて、実施例24と同様に合成した。
1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オンのキラル分割は、以下の条件を用いて行った、
分取:Chiralcel OJ-H、21x250mm、5ミクロン。45mL/分において25%MeOH/75%CO
2、150Bar、40℃
分析:Chiralcel OJ-H、4.6x250mm、5ミクロン。2mL/分において、25%MeOH/75%CO
2、150Bar、40℃
エナンチオマー 1, RT 11.33 分, エナンチオマー過剰率 >99.0%
エナンチオマー 2, RT 15.26 分, エナンチオマー過剰率 >96.6%
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1(13mg、収率43%)を、白色の固形物として単離した。MS(ESI) m/z: 362.1 (M+H)
+. HPLC : 方法 A、RT = 7.13 分、純度 95.4% ; 方法 B、RT = 8.83 分、純度 98.6%.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.09 (br. s., 2H), 7.81 - 7.72 (m, 2H), 7.71 - 7.61 (m, 2H), 6.89 (d, J=0.9 Hz, 1H), 6.76 - 6.64 (m, 2H), 4.05 - 3.93 (m, 1H), 3.91 - 3.81 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.51 (d, J=16.7 Hz, 1H), 3.29 - 3.12 (m, 1H), 2.48 - 2.38 (m, 2H)
【0169】
実施例26.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2
【化79】
1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オンを、1’-(4-ブロモフェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2に置き換えて、実施例24と同様に合成した。1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-メトキシ-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2(12mg、収率40%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 362.1 (M+H)
+. HPLC : 方法 A、RT = 7.14 分、純度96.4% ; 方法 B、RT = 8.83 分、純度97.4 %.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.09 (br. s., 2H), 7.79 - 7.71 (m, 2H), 7.70 - 7.61 (m, 2H), 6.89 (d, J=1.1 Hz, 1H), 6.76 - 6.66 (m, 2H), 4.04 - 3.92 (m, 1H), 3.91 - 3.83 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.51 (d, J=16.9 Hz, 1H), 3.32 - 3.24 (m, 1H), 2.50 - 2.35 (m, 2H).
【0170】
実施例27.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化80】
実施例27A.メチル 4-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレート
【化81】
4-メチル-1H-インドール-2-カルボン酸(0.5g、2.85mmol)のMeOH(5mL)中の溶液に、硫酸(0.25ml、4.69mmol)を滴下して加え、65℃で一晩加熱した。反応液をEtOAcで希釈し、1M K
2HPO
4で中性化し、EtOAc(2x)で抽出した。有機層を合わせて、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、メチル 4-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレートを褐色の固形物として得て、これをさらに精製を行わずに用いた。MS(ESI) m/z: 190.1 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.36 - 7.18 (m, 4H), 6.95 (d, J=6.8 Hz, 1H), 3.95 (s, 3H), 2.57 (s, 3H).
【0171】
実施例27.実施例4Aにおいて、メチル 6-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレートをメチル 4-メチル-1H-インドール-2-カルボキシレートに置き換え、還元的アミノ化において、MeOH中のNaBH3CNを用いたこと以外は、実施例4と類似の方法を用いて、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オンを合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-メチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(3.3mg、収率21%)を得た。MS(ESI) m/z: 345.0 (M+H)+. HPLC: 方法 C RT 1.33 分. 1H NMR (500MHz, DMSO-d6) δ 8.13 (br. s., 1H), 7.93 (br. s., 1H), 7.74 - 7.55 (m, 4H), 6.84 (t, J=7.5 Hz, 1H), 6.47 - 6.25 (m, 2H), 6.19 (s, 1H), 3.81 (d, J=6.2 Hz, 1H), 3.73 - 3.52 (m, 1H), 3.21 - 2.91 (m, 2H), 2.32 - 2.13 (m, 2H), 2.10 (s, 3H).
【0172】
実施例28.
1-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1’,3’-ジヒドロスピロ[ピロリジン-3,2’-ピロロ[3,2-b]ピリジン]-2-オン
【化82】
メチル 6-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレートをメチル 1H-ピロロ[3,2-b]ピリジン-2-カルボキシレートに置き換え、実施例1Eのように、還元的アミノ化においてMeOH中のNaBH
3CNを用いたこと以外は、実施例4と類似の方法を用いて合成し、1-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1’,3’-ジヒドロスピロ[ピロリジン-3,2’-ピロロ[3,2-b]ピリジン]-2-オン(0.9mg、13%)を得た。MS(ESI) m/z: 332.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 0.58 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.04 (br. s., 2H), 7.81 - 7.57 (m, 5H), 6.99 - 6.87 (m, 1H), 6.75 (d, J=7.7 Hz, 1H), 3.97 - 3.74 (m, 2H), 3.41 - 3.09 (m, 2H), 2.42 - 2.32 (m, 1H), 2.29 - 2.15 (m, 1H)
【0173】
実施例29.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン ラセミ体
【化83】
メチル 5-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-カルボキシレートを、2,3-ジヒドロベンゾフラン-2-カルボン酸に置き換えたこと以外は、実施例24と同様の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(3mg、収率20%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 332.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 7.43 分、純度94.8 % ; 方法 B、RT = 9.12 分、純度100 %.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.21 (br. s., 1H), 7.94 (br. s., 1H), 7.77 - 7.71 (m, 2H), 7.70 - 7.64 (m, 2H), 7.27 (d, J=6.6 Hz, 1H), 7.15 (t, J=7.2 Hz, 1H), 6.90 (td, J=7.4, 1.0 Hz, 1H), 6.81 (d, J=8.1 Hz, 1H), 4.00 (dt, J=9.9, 6.8 Hz, 1H), 3.94 - 3.85 (m, 1H), 3.54 (d, J=16.5 Hz, 1H)
【0174】
実施例30.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン エナンチオマー1
【化84】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、エナンチオマー1を、1’-(4-ブロモフェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1に置き換えて、実施例1と同様に合成した。1’-(4-ブロモフェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オンのキラル分割は、移動相:25%MeOH/75%CO
2以外は、実施例1Fに記載される条件を用いて行った。1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1(17mg、収率49%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 332.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 7.34 分、純度97.3 % ; 方法 B、RT = 9.04 分、純度97.7%.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.08 (br. s., 2H), 7.80 - 7.71 (m, 2H), 7.71 - 7.62 (m, 2H), 7.32 - 7.19 (m, 1H), 7.17 - 7.07 (m, 1H), 6.90 (td, J=7.5, 0.9 Hz, 1H), 6.81 (d, J=7.9 Hz, 1H), 4.04 - 3.95 (m, 1H), 3.93 - 3.82 (m, 1H), 3.53 (d, J=16.1 Hz, 2H), 3.37 - 3.26 (m, 2H), 2.50 - 2.39 (m, 2H)
【0175】
実施例31.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン エナンチオマー2
【化85】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、エナンチオマー1を、1’-(4-ブロモフェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2で置き換えて、実施例1と同様に合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2(15mg、収率43%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 332.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 7.36 分、純度96.8% ; 方法 B、RT = 9.05 分、純度96.8%.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.08 (br. s., 2H), 7.79 - 7.72 (m, 2H), 7.72 - 7.63 (m, 2H), 7.33 - 7.23 (m, 1H), 7.18 - 7.07 (m, 1H), 6.90 (td, J=7.5, 0.9 Hz, 1H), 6.81 (d, J=7.9 Hz, 1H), 4.04 - 3.95 (m, 1H), 3.93 - 3.83 (m, 1H), 3.53 (d, J=16.3 Hz, 1H), 3.35 - 3.27 (m, 1H), 2.50 - 2.39 (m, 2H)
【0176】
実施例32.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、ラセミ体
【化86】
ステップ1Eにおいて、4-ブロモアニリンを4-ブロモ-3-メトキシアニリンに置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(3-メトキシ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(6mg、収率39%)を灰白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 361.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 6.67 分、純度98.9 % ; 方法 B、RT = 8.43 分、純度98.9 %.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.04 (br. s., 2H), 7.70 - 7.62 (m, 2H), 7.21 (dd, J=8.5, 2.1 Hz, 1H), 7.01 (d, J=7.3 Hz, 1H), 6.96 (t, J=7.0 Hz, 1H), 6.61 - 6.54 (m, 1H), 6.49 (d, J=7.7 Hz, 1H), 6.33 (br. s., 1H), 3.97 - 3.78 (m, 5H), 3.29 - 3.03 (m, 2H), 2.37 - 2.15 (m, 2H)
【0177】
実施例33.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化87】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1G エナンチオマー1を、1’-(4-ブロモフェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1に置き換えて、実施例1と同様に合成した。移動相:20%MeOH/80%CO
2以外は、実施例1Gに記載される条件を用いて、tert-ブチル 1’-(4-ブロモ-3-メトキシフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレートのキラル分割を行った。
ピーク1 RT 11.23分、>99.0% エナンチオマー過剰率
ピーク2 RT 15.64分、>99.0% エナンチオマー過剰率
1’-(3-メトキシ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1(10mg、収率43%)を、ベージュ色の固形物として単離した。MS(ESI) m/z: 361.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 6.52 分、純度98.0% ; 方法 B、RT =8.32 分、純度98.0 %.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.12 (br. s., 1H), 7.97 (br. s., 1H), 7.70 - 7.60 (m, 2H), 7.21 (dd, J=8.6, 2.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J=7.3 Hz, 1H), 6.96 (t, J=7.6 Hz, 1H), 6.57 (t, J=7.3 Hz, 1H), 6.49 (d, J=7.7 Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 3.96 - 3.79 (m, 5H), 3.25 (d, J=16.1 Hz, 1H), 3.14 - 3.04 (m, 1H), 2.38 - 2.16 (m, 2H)
【0178】
実施例34.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2
【化88】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1G エナンチオマー1を、1’-(4-ブロモフェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2に置き換えて、実施例1と同様に合成した。1’-(3-メトキシ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(10mg、収率43%)を、ベージュ色の固形物として単離した。MS(ESI) m/z: 361.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 6.55 分、純度97.3 % ; 方法 B、RT = 8.32 分、純度97.6 %.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.19 - 7.90 (m, 2H), 7.72 - 7.61 (m, 2H), 7.21 (dd, J=8.6, 2.0 Hz, 1H), 7.01 (d, J=7.3 Hz, 1H), 6.96 (t, J=7.7 Hz, 1H), 6.57 (t, J=7.3 Hz, 1H), 6.49 (d, J=7.7 Hz, 1H), 6.33 (s, 1H), 3.96 - 3.78 (m, 5H), 3.28 - 3.04 (m, 2H), 2.37 - 2.16 (m, 2H).
【0179】
実施例35.
1’-(3-メトキシ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化89】
実施例1Aにおいて、インドリン-2-カルボン酸を2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-カルボン酸に置き換えて、実施例1Eにおいて、4-ブロモアニリンを4-ブロモ-3-メトキシアニリンに置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、1’-(3-メトキシ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1,3-ジヒドロスピロ[インデン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(7.2mg、収率37%)を得た。MS(ESI) m/z: 360.0 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.63 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.19 - 7.84 (m, 2H), 7.69 - 7.57 (m, 2H), 7.23 (d, J=3.5 Hz, 2H), 7.17 (d, J=3.9 Hz, 3H), 3.94 - 3.79 (m, 5H), 3.25 (d, J=15.8 Hz, 2H), 2.99 (d, J=15.9 Hz, 2H), 2.12 (t, J=6.6 Hz, 2H).
【0180】
実施例36
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-ヒドロキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化90】
実施例37.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化91】
実施例36A.1’-(4-ブロモフェニル)-6-ヒドロキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化92】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-メトキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、2E(1.08g、2.282mmol)の無水CH
2Cl
2中の溶液に、0℃で、ヘプタン中の1MのBBr
3(6.84ml、6.84mmol)を滴下して加えた。得られた溶液を室温にゆっくりと昇温させ、室温で一晩攪拌した。反応液を氷浴で冷却し、飽和NaHCO
3で反応を停止させた。EtOAc(3x)で抽出した。有機層を合わせて、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、1’-(4-ブロモフェニル)-6-ヒドロキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(0.82g、収率100%)を灰白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 360.9 (M+H)
+.
【0181】
実施例36B.Tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-ヒドロキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート
【化93】
1’-(4-ブロモフェニル)-6-ヒドロキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(1.13g、3.15mmol)のCH
2Cl
2(20mL)中の溶液に、Et
3N(0.66mL、4.72mmol)、DMAP(0.038g、0.315mmol)およびBOC無水物(0.876mL、3.77mmol)を加えた。1時間後、水を反応混合物に加えて、AcOEtで抽出し、有機層を1M HCl、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで洗浄し、濃縮し、次いで順相クロマトグラフィーで精製し、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-ヒドロキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート(530mg、収率37%)を白色の固形物として得た。
1H NMR (500MHz, CDCl
3) δ 7.65 - 7.57 (m, 2H), 7.50 (d, J=9.1 Hz, 2H), 7.02 (d, J=8.0 Hz, 1H), 6.55 (dd, J=8.0, 2.2 Hz, 1H), 6.50 (d, J=2.2 Hz, 1H), 3.81 - 3.75 (m, 2H), 3.40 (dd, J=15.5, 1.0 Hz, 1H), 3.07 (d, J=15.7 Hz, 1H), 2.43 (dt, J=12.7, 4.8 Hz, 1H), 2.24 (dt, J=12.9, 8.4 Hz, 1H), 1.55 (s, 9H).
キラル分割は、以下の条件を用いて行った:
分析キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak IB、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:35%MeOH/65%CO
2。流速:2.0mL/分、150Bar、40℃。
エナンチオマー1 RT 7.26分
エナンチオマー2 RT 8.71分
分取キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak IB、21x250mm、5ミクロン。移動相:35%MeOH/65%CO
2。流速:45mL/分、100Bar、40℃。
【0182】
実施例36C.Tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート
【化94】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-ヒドロキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート(50mg、0.109mmol)のアセトニトリル(2mL)および水(0.13mL)中の溶液に、K
2CO
3(60.2mg、0.435mmol)および2,2-ジメチルオキシラン(0.147mL、1.633mmol)を室温で加えた。反応液を120℃で30分間、マイクロ波照射した。MS(ESI) m/z: 373/375.0 (M+H-tBu)
+. 反応混合物をEtOAcで希釈し、1.0N HClで酸性にし、水およびブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮して、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレートおよびtert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-ヒドロキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレートを含む粗製混合物を得て、これをさらに精製を行わずに次のステップでそのまま用いた。
【0183】
実施例36.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オンおよび実施例37.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-ヒドロキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化95】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、1Fを、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレートおよびtert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-ヒドロキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレートを含む粗製混合物に置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、実施例36、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロポキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(0.4mg、1%)を得た。MS(ESI) m/z: 419.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.28 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.12 (br. s., 2H), 7.77 - 7.67 (m, 2H), 7.63 (d, J=8.5 Hz, 2H), 6.85 (d, J=7.9 Hz, 1H), 6.29 (s, 1H), 6.17 - 6.04 (m, 2H), 3.89 - 3.67 (m, 2H), 3.60 (s, 2H), 3.16 - 2.94 (m, 2H), 2.33 - 2.14 (m, 2H), 1.18 (s, 6H)
実施例37、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-ヒドロキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、(12.2 mg、23%). MS(ESI) m/z: 346.8 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 0.97 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.03 (br. s., 2H), 7.73 - 7.66 (m, 2H), 7.65 - 7.59 (m, 2H), 6.74 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.02 - 5.91 (m, 2H), 3.90 - 3.70 (m, 2H), 3.13 - 2.83 (m, 2H), 2.27 - 2.09 (m, 2H)
【0184】
実施例38.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-フルオロ-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、ラセミ体
【化96】
実施例38A.(Z)-メチル 2-アジド-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アクリレート
【化97】
MeOH(20mL)中の、ナトリウムメトキシド25%/MeOH(11.87mL、51.9mmol)の溶液を-10℃に冷却した。この溶液に、2-フルオロ-4-メトキシベンズアルデヒド(2.0g、13.0mmol)およびエチル アジドアセテート(6.70g、51.9mmol)のMeOH(5ml)溶液を、滴下漏斗を介して0.5時間にわたり滴下して加えた。濃黄色になった反応液を、さらに1.5時間、-10℃で攪拌した。水を加えて、混合物をエーテル(3×)で抽出した。有機層を合わせて、水で洗浄し、濃縮し、次いで順相クロマトグラフィーで精製し、(Z)-メチル 2-アジド-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アクリレート(1.96g、収率60%)を淡黄色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 224.0 (M+H-N
2)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 8.28 (t, J=8.8 Hz, 1H), 7.12 (s, 1H), 6.73 (dd, J=8.9, 2.5 Hz, 1H), 6.62 (dd, J=12.4, 2.5 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.83 (s, 3H)
【0185】
実施例38B.メチル 4-フルオロ-6-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレート
【化98】
(Z)-メチル 2-アジド-3-(2-フルオロ-4-メトキシフェニル)アクリレート(800mg、3.18mmol)のキシレン(10ml)中の溶液を、還流したキシレン(10mL)に、N
2下138℃で滴下して加え、次いで138℃で1時間攪拌した。溶媒を留去し、残留物をさらに精製を行わずに用いて、メチル 4-フルオロ-6-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレート(0.57g、収率80%)を黄色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 224.1 (M+H)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.21 (dd, J=2.2, 0.9 Hz, 1H), 6.63 (dd, J=2.0, 0.9 Hz, 1H), 6.52 (dd, J=11.6, 1.9 Hz, 1H), 3.93 (s, 3H), 3.84 (s, 3H)
【0186】
実施例38C.1-Tert-ブチル 2-メチル 4-フルオロ-6-メトキシ-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレート
【化99】
メチル 4-フルオロ-6-メトキシ-1H-インドール-2-カルボキシレート(0.57g、2.55mmol)のEtOAc(10mL)中の溶液に、0℃で、Et
3N(0.534mL、3.83mmol)、DMAP(0.031g、0.255mmol)およびBOC無水物(0.71mL、3.06mmol)を加えた。混合物を室温で一晩攪拌した。水を反応混合物に加えて、EtOAcで抽出した。有機層を1M HCl、飽和NaHCO
3水溶液およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮し、順相クロマトグラフィーで精製し、1-tert-ブチル 2-メチル 4-フルオロ-6-メトキシ-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレート(762mg、収率92%)を得た。MS(ESI) m/z: 224.0(M+H-Boc)
+.
1H NMR (400MHz, CDCl
3) δ 7.43 (d, J=1.8 Hz, 1H), 7.14 (d, J=0.7 Hz, 1H), 6.60 (dd, J=11.0, 2.0 Hz, 1H), 3.90 (s, 3H), 3.88 (s, 3H)
【0187】
実施例38D.1-Tert-ブチル 2-メチル 4-フルオロ-6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化100】
水素化フラスコにおいて、1-Tert-ブチル 2-メチル 4-フルオロ-6-メトキシ-1H-インドール-1,2-ジカルボキシレート(760mg、2.351mmol)を、エタノール(100mL)中に溶解し、次いで10Pd/C(100mg、0.940mmol)を加えた。混合物を55psiのH
2で一晩水素化した。混合物をセライトを介して濾過し、濃縮して、1-tert-ブチル 2-メチル 4-フルオロ-6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレート(0.71g、収率93%)を無色透明な油状物として得て、これを放置して凝固させた。MS(ESI) m/z: 326.1 (M+H)
+.
【0188】
実施例38.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-フルオロ-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、ラセミ体
【化101】
実施例4Eにおいて、1-tert-ブチル 2-メチル 6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレートを、1-tert-ブチル 2-メチル 4-フルオロ-6-メトキシインドリン-1,2-ジカルボキシレートに置き換え、還元的アミノ化において、NaBH
3CNおよびMeOHを用いたこと以外は、実施例4と同様の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-フルオロ-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(3.9mg、収率25%)を得た。MS(ESI) m/z: 379.0 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.44 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.17 (br. s., 1H), 7.94 (br. s., 1H), 7.74 - 7.59 (m, 5H), 6.71 (s, 1H), 5.96 (d, J=10.9 Hz, 1H), 5.91 (s, 1H), 3.88 - 3.76 (m, 2H), 3.68 - 3.68 (m, 1H), 3.67 (s, 3H), 3.19 - 3.02 (m, 2H), 2.36 - 2.14 (m, 2H)
【0189】
実施例39.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-フルオロ-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化102】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1Fを、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-4-フルオロ-6-メトキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、エナンチオマー1に置き換えて、実施例1と同様に合成した。
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-4-フルオロ-6-メトキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレートのキラル分割は、以下の条件を用いて行った:
分析キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak AD-H、4.6x250mm、5ミクロン。移動相:35%IPA/65%CO
2。流速:2.0mL/分、150Bar、40℃。
分取キラルクロマトグラフィー条件:Chiralpak AD-H、21x250mm、5ミクロン。移動相:20%MeOH/80%CO
2。流速:45mL/分、100Bar、40℃。
エナンチオマー 1 RT 2.98、>99.0% エナンチオマー過剰率
エナンチオマー 2 RT 4.34、>99.0% エナンチオマー過剰率
【0190】
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-フルオロ-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1(19mg、収率60%)を灰白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 379.1 (M+H)+. HPLC: 方法 A、RT = 7.21 分、純度96.6 % ; 方法 B、RT =8.86 分、純度98.9 %. 1H NMR (400MHz, DMSO-d6) δ 8.06 (br. s., 2H), 7.81 - 7.69 (m, 2H), 7.69 - 7.61 (m, 2H), 6.71 (br. s., 1H), 6.04 - 5.86 (m, 2H), 3.93 - 3.78 (m, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.22 - 2.97 (m, 2H), 2.42 - 2.12 (m, 2H)
【0191】
実施例40.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-フルオロ-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2
【化103】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例1Fを、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-4-フルオロ-6-メトキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、エナンチオマー2に置き換えて、実施例1と同様に合成した。
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-フルオロ-6-メトキシスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2(22mg、収率71%)を、灰白色の固形物として単離した。MS(ESI) m/z: 379.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 7.20 分、純度98.5 % ; 方法 B、RT =8.85 分、純度99.6 %.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.05 (br. s., 2H), 7.79 - 7.56 (m, 4H), 6.71 (br. s., 1H), 6.05 - 5.85 (m, 2H), 3.94 - 3.76 (m, 2H), 3.69 (s, 3H), 3.21 - 3.01 (m, 2H), 2.38 - 2.14 (m, 2H)
【0192】
実施例41
1’-(5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピリジン-2-イル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化104】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Eの合成において、4-ブロモアニリンを5-ブロモピリジン-2-アミンに置き換えたこと以外は、実施例1と同様の方法を用いて合成し、(6mg、収率50%)を得た。MS(ESI) m/z: 332.2 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.16 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.71 (s, 1H), 8.41 - 8.15 (m, 2H), 8.11 - 7.91 (m, 2H), 7.11 - 6.87 (m, 2H), 6.66 - 6.41 (m, 2H), 6.33 (s, 1H), 4.13 - 3.98 (m, 1H), 3.91 (dt, J=10.9, 7.0 Hz, 1H), 3.28 - 3.18 (m, 1H), 3.09 (d, J=16.2 Hz, 1H), 2.33 - 2.09 (m, 2H)
【0193】
実施例42.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化105】
実施例42A.Tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、エナンチオマー1
【化106】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-ヒドロキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例36B エナンチオマー1(30mg、0.065mmol)の、DMF(1mL)中の溶液に、炭酸カリウム(36.1mg、0.261mmol)、次いで(ヨードメチル)シクロプロパン(35μl、0.196mmol)を加えた。一晩攪拌した後、主に出発物質が観察された。NaH(5.2mg、0.13mmol)および(ブロモメチル)シクロプロパン(20μl、0.206mmol)を加えた。反応液を室温で5時間攪拌し、次いで濃縮し、順相クロマトグラフィーで精製し、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、エナンチオマー1(17mg、収率51%)を透明なガラス状物質として得た。MS(ESI) m/z: 412.9/414.9 (M+H-Boc)
+.
【0194】
実施例42.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1
【化107】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-メトキシ-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、実施例4Fを、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、エナンチオマー1に置き換えたこと以外は、実施例4と同様の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー1(4.2mg、収率30%)を得た。MS(ESI) m/z: 401.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.59 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.17 (br. s., 1H), 7.92 (br. s., 1H), 7.76 - 7.68 (m, 2H), 7.63 (d, J=8.2 Hz, 2H), 6.84 (d, J=7.6 Hz, 1H), 6.29 (s, 1H), 6.14 - 5.99 (m, 2H), 3.97 - 3.74 (m, 2H), 3.71 (d, J=6.7 Hz, 2H), 3.19 - 2.88 (m, 2H), 2.33 - 2.10 (m, 2H), 1.18 (br. s., 1H), 0.55 (d, J=7.3 Hz, 2H), 0.29 (d, J=4.6 Hz, 2H)
【0195】
実施例43.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2
【化108】
tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、エナンチオマー1を、tert-ブチル 1’-(4-ブロモフェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-1-カルボキシレート、エナンチオマー2に置き換えたこと以外は、実施例42と類似の方法を用いて合成し、1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-6-(シクロプロピルメトキシ)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン、エナンチオマー2(5.1mg、収率31%)を得た。MS(ESI) m/z: 401.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.59 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.17 (br. s., 1H), 7.92 (br. s., 1H), 7.77 - 7.54 (m, 4H), 6.84 (d, J=7.3 Hz, 1H), 6.29 (br. s., 1H), 6.16 - 5.97 (m, 2H), 3.92 - 3.75 (m, 2H), 3.71 (d, J=6.7 Hz, 2H), 3.18 - 2.88 (m, 2H), 2.32 - 2.08 (m, 2H), 1.18 (br. s., 1H), 0.55 (d, J=7.3 Hz, 2H), 0.30 (br. s., 2H)
【0196】
実施例44.
1’-(5-(1H-ピラゾール-4-イル)ピラジン-2-イル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化109】
1-tert-ブチル 2-メチル 2-(2-((4-ブロモフェニル)アミノ)エチル)インドリン-1,2-ジカルボキシレート、実施例1Eの合成において、4-ブロモアニリンを5-ブロモピラジン-2-アミンに置き換えたこと以外は、実施例1と類似の方法を用いて合成し、(9mg、収率43%)を得た。MS(ESI) m/z: 333.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.25 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 9.49 (s, 1H), 8.85 (s, 1H), 8.41 (br. s., 1H), 8.12 (br. s., 1H), 7.11 - 6.89 (m, 2H), 6.68 - 6.44 (m, 2H), 6.37 (s, 1H), 4.03 (br. s., 1H), 3.94 - 3.77 (m, 1H), 3.30 (d, J=16.2 Hz, 1H), 3.12 (d, J=16.2 Hz, 1H), 2.37 - 2.13 (m, 2H)
【0197】
実施例45.
1’-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化110】
tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートを、ピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステルに置き換えて、実施例2と同様に合成して、1’-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(8.2mg、収率69%)を得た。MS(ESI) m/z: 342.0 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.07 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.59 (br. s., 2H), 7.87 (s, 4H), 7.73 (d, J=4.5 Hz, 2H), 7.04 - 6.87 (m, 2H), 6.61 - 6.42 (m, 2H), 6.26 (s, 1H), 3.86 (d, J=16.1 Hz, 1H), 3.31 - 2.98 (m, 3H), 2.35 - 2.14 (m, 2H)
【0198】
実施例46.
1’-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化111】
tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートを、ピリジン-4-ボロン酸ピナコールエステルに置き換えて、実施例31と同様に合成して、1’-(4-(ピリジン-4-イル)フェニル)-3H-スピロ[ベンゾフラン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン(7.2mg、収率72%)を得た。MS(ESI) m/z: 343.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 C RT 1.26 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.64 (br. s., 2H), 7.96 - 7.79 (m, 7H), 7.35 - 7.01 (m, 5H), 6.94 - 6.73 (m, 2H), 4.07 - 3.88 (m, 2H), 3.53 - 3.27 (m, 2H), 2.94 - 2.68 (m, 2H)
【0199】
実施例47.
1-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[ピロリジン-3,2’-キノリン]-2-オン
【化112】
1Bを1-(tert-ブチル) 2-メチル 3,4-ジヒドロキノリン-1,2(2H)-ジカルボキシレートに置き換えることによって、実施例1と類似の方法を用いて合成した。MS(ESI) m/z: 345.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 10.19 分、純度99 % ; 方法 B、RT =8.57 分、純度99 %.
1H NMR (400MHz, DMSO-d
6) δ 8.06 (br. s., 2H), 7.75 - 7.69 (m, 2H), 7.68 - 7.62 (m, 2H), 6.96 - 6.85 (m, 2H), 6.59 - 6.42 (m, 2H), 3.93 - 3.76 (m, 2H), 2.94 - 2.80 (m, 1H), 2.65 (dt, J=16.1, 5.8 Hz, 1H), 2.25 - 2.10 (m, 2H), 2.07 - 1.90 (m, 1H), 1.88 - 1.73 (m, 1H), 1.33 - 1.18 (m, 3H)
【0200】
実施例48.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-1,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-3,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化113】
1Bを2-(tert-ブチル) 3-メチル 3,4-ジヒドロイソキノリン-2,3(1H)-ジカルボキシレートで置き換えることによって、実施例1と類似の方法を用いて合成した。MS(ESI) m/z: 344.9 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.06 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 7.75 - 7.60 (m, 4H), 7.25 - 7.11 (m, 4H), 4.25 - 4.04 (m, 2H), 3.99 - 3.84 (m, 2H), 3.02 - 2.90 (m, 2H), 2.29 - 2.16 (m, 1H), 2.08 - 1.97 (m, 1H)
【0201】
実施例49.
1’-(4-(1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-4-イル)フェニル)-1,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-3,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化114】
1Bを2-(tert-ブチル) 3-メチル 3,4-ジヒドロイソキノリン-2,3(1H)-ジカルボキシレートで置き換えて、tert-ブチル 4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール-1-カルボキシレートを4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジンで置き換えることによって、実施例1と類似の方法を用いて合成した。MS(ESI) m/z: 395.2 (M+H)
+. HPLC: 方法 C, RT 0.87 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.32 (d, J=4.9 Hz, 1H), 7.98 - 7.86 (m, 4H), 7.59 (br. s., 1H), 7.32 (d, J=3.7 Hz, 3H), 7.30 - 7.23 (m, 3H), 6.67 (br. s., 1H), 4.53 - 4.39 (m, 2H), 4.18 - 4.04 (m, 2H), 3.35 - 3.12 (m, 2H), 2.55 (s, 3H), 2.18 (dd, J=12.6, 5.9 Hz, 1H)
【0202】
実施例50.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)スピロ[クロマン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化115】
1Bをメチル クロマン-2-カルボキシレートで置き換えることによって、実施例1と類似の方法を用いて合成した。MS(ESI) m/z: 346.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 9.39 分、純度96 % ; 方法 B、RT = 7.88 分、純度96 %.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.24 - 8.14 (m, 1H), 7.98 - 7.88 (m, 1H), 7.75 - 7.69 (m, 2H), 7.68 - 7.63 (m, 2H), 7.15 - 7.07 (m, 2H), 6.89 - 6.84 (m, 1H), 6.82 - 6.78 (m, 1H), 3.96 - 3.84 (m, 2H), 2.98 - 2.88 (m, 1H), 2.87 - 2.76 (m, 1H), 2.40 - 2.25 (m, 2H), 2.22 - 2.12 (m, 1H), 2.06 - 1.96 (m, 1H)
【0203】
実施例51.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3,3-ジメチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化116】
実施例51A.エチル 3,3-ジメチルインドリン-2-カルボキシレート
【化117】
エチル 3-メチル-2-オキソブタノエート(6.67g、46.3mmol)およびフェニルヒドラジン(6mL、61.0mmol)を無用媒で40mLバイアル中で混合し、穏やかな窒素気流下で75℃に加熱し、水を追い出した。濃橙色の溶液が濁っていたところから透明になり、目に見える水滴がなくなった後、反応液を室温に冷却した。粘性の固形物が生成した。この固形物質をEtOH(40mL)および12N HCl(11.57mL、139mmol)で希釈した。75℃で一晩加熱した。反応混合物を次いで、150mLのMeOHを含む1Lの三角フラスコに移した。NaBH
4(4.97g、139mmol)をゆっくりと加えて、激しいバブリングを制御した。NaBH
4を加えた後、反応液を1時間攪拌した。反応液をついで水で反応を停止させ、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて濃縮し、0%から40%EtOAc/ヘキサンの直線的勾配で溶出することによって、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。このように、エチル 3,3-ジメチルインドリン-2-カルボキシレート(8.2g、収率74%)を淡黄色の油状物として単離した。MS(ESI) m/z: 220.1 (M+H)
+.
【0204】
実施例51B.1-(tert-ブチル) 2-エチル 3,3-ジメチルインドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化118】
エチル 3,3-ジメチルインドリン-2-カルボキシレート(1.75g、7.98mmol)をCH
2Cl
2に溶解させ、次いでBoc
2O(1.85ml、7.98mmol)を添加し、反応液を8時間攪拌した。反応液を次いで濃縮し、0%から25%EtOAc/ヘキサンの直線的勾配で溶出しながら、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。1-tert-ブチル 2-エチル 3,3-ジメチルインドリン-1,2-ジカルボキシレート(2.4g、7.51mmol、収率94%)を琥珀色の油状物として単離した。MS(ESI) m/z: 264.0 (M-tBu+2H)
+.
【0205】
実施例51C.1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,3-ジメチルインドリン-2-カルボン酸
【化119】
NaOH(0.5g、12.50mmol)を水(5mL)に溶解させ、1-tert-ブチル 2-エチル 6-メトキシ-3,3-ジメチルインドリン-1,2-ジカルボキシレート(0.35g、1.00mmol)のMeOH(15mL)中の溶液に加えた。反応液を80℃で1時間加熱し、この時点で乾燥するまで濃縮させた。エーテル(15mL)および水(10mL)を加えて、反応液を1N HClで中性化した。層を分離し、水層をさらにEtOAcで抽出した。有機層を乾燥させ、濃縮し、次のステップで単離して用いた。1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,3-ジメチルインドリン-2-カルボン酸(0.25g、収率78%)を褐色の固形物として単離した。MS(ESI) m/z: 292.2 (M+H)
+.
【0206】
実施例51D.2-アリル 1-(tert-ブチル) 3,3-ジメチルインドリン-1,2-ジカルボキシレート 1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,3-ジメチルインドリン-2-カルボキシレート
【化120】
1-(tert-ブトキシカルボニル)-3,3-ジメチルインドリン-2-カルボン酸(0.9g、3.09mmol)および炭酸セシウム(1.00g、3.09mmol)を含むバイアルに、DMF(6mL)を加えた。アリルブロマイド(0.267mL、3.09mmol)を加えて、90℃で1時間加熱した。反応液を水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせて濃縮し、0%から40%EtOAc/ヘキサンの直線的勾配で溶出しながら、残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。2-アリル 1-tert-ブチル 3,3-ジメチルインドリン-1,2-ジカルボキシレート(0.95g、収率93%)を白色の固形物として単離した。MS(ESI) m/z: 332.1 (M+H)
+.
【0207】
実施例51E.1-(tert-ブチル) 2-メチル 2-アリル-3,3-ジメチルインドリン-1,2-ジカルボキシレート
【化121】
2-アリル 1-tert-ブチル 3,3-ジメチルインドリン-1,2-ジカルボキシレート(0.84g、2.53mmol)を超脱水THF(10mL)中に溶解し、-78℃に冷却した。LiHMDS(3.2mL、3.2mmol)を3分間ゆっくりと加えた。色がわずかに橙色に変化した。反応温度を室温に昇温させ、次いで4時間還流した。LCMS(同じMWを有するさらに極性の生成物の観測)によって反応が完了した後、反応液を飽和NH
4Cl水溶液で反応を停止させ、EtOAcで希釈した。水層をEtOAcで抽出した。有機層を乾燥させ濃縮した。残留物を60mLの4:1 DCM-MeOHに溶解させ、TMS-ジアゾメタン(2.5mL、5.07mmol)を滴下して加えた。これを室温で30分間攪拌した。反応液をHOAcで反応を停止させ、濃縮した。0%から50%のEtOAc/ヘキサンの直線的勾配で溶出しながら、生成物を精製した。1-tert-ブチル 2-メチル 2-アリル-3,3-ジメチルインドリン-1,2-ジカルボキシレート(0.58g、1.67mmol、収率65.7%)を透明な油状物として得た。MS(ESI) m/z: 346.1 (M+H)
+.
【0208】
実施例51.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-3,3-ジメチルスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
1Dを51Eで置き換えることによって、実施例1と類似の方法を用いて合成した。MS(ESI) m/z: 359.1 (M+H)+. HPLC: 方法 A、RT = 8.58 分、純度94 % ; 方法 B、RT = 7.26 分、純度94 %. 1H NMR (400MHz, メタノール-d4) δ 8.01 - 7.85 (m, 2H), 7.60 (d, J=10.3 Hz, 5H), 6.96 (s, 2H), 6.73 - 6.64 (m, 1H), 6.65 - 6.57 (m, 1H), 3.90 - 3.81 (m, 2H), 2.75 - 2.62 (m, 1H), 2.34 - 2.16 (m, 1H), 1.38 (s, 3H), 1.34 - 1.28 (m, 3H), 0.97 - 0.78 (m, 2H)
【0209】
実施例52.
1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(ヒドロキシメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化122】
実施例52A.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-((ベンジルオキシ)メチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化123】
51Cを1-(tert-ブトキシカルボニル)インドリン-2-カルボン酸に、アリルブロマイドを(E)-(((4-ブロモブト-2-イン-1-イル)オキシ)メチル)ベンゼンに置き換えることによって、実施例51と類似の方法を用いて合成した。
【0210】
実施例52.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(ヒドロキシメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化124】
52A(0.5mmol)のEtOH(15mL)に溶解させ、Pd(C)(57mgの10%Pd/炭素)を加えた。55psiのH
2下で3時間攪拌し、セライト(登録商標)を介して濾過し、濃縮した。分取HPLCで残留物を精製し、実施例52(0.04g、収率20%)を白色の固形物として得た。MS(ESI) m/z: 361.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 6.60 分、純度94 % ; XBridge、RT = 5.08 分、純度94 %.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.22 - 8.11 (m, 1H), 7.96 - 7.87 (m, 1H), 7.74 - 7.69 (m, 2H), 7.66 - 7.62 (m, 2H), 7.01 - 6.96 (m, 1H), 6.96 - 6.90 (m, 1H), 6.58 - 6.50 (m, 1H), 6.50 - 6.46 (m, 1H), 6.33 (s, 1H), 4.82 - 4.75 (m, 1H), 3.99 - 3.92 (m, 1H), 3.71 - 3.61 (m, 2H), 3.61 - 3.52 (m, 1H), 2.96 - 2.90 (m, 1H), 2.49 - 2.44 (m, 1H)
【0211】
実施例53.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(アミノメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化125】
実施例53A.2-((1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-2’-オキソスピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-4’-イル)メチル)イソインドリン-1,3-ジオン
【化126】
51Cを1-(tert-ブトキシカルボニル)インドリン-2-カルボン酸に置き換え、アリルブロマイドを(E)-2-(4-ブロモブト-2-イン-1-イル)イソインドリン-1,3-ジオンに置き換えることによって、実施例51と類似の方法を用いて合成した。
【0212】
実施例53.1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(アミノメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
実施例53A(0.16mmol)をEtOH(15mL)に溶解させ、ヒドラジン水和物(0.1mL)を加え、60℃で1時間加熱した。橙色の残留物に濃縮し、分取HPLCで精製し、実施例53を合成した。MS(ESI) m/z: 360.1 (M+H)+. HPLC: 方法 A、RT = 5.70 分、純度99 % ; 方法 B、RT = 3.47 分、純度99 %. 1H NMR (500MHz, メタノール-d4) δ 7.98 (s, 2H), 7.72 - 7.63 (m, 4H), 7.05 (s, 2H), 6.70 (d, J=7.7 Hz, 2H), 4.07 - 3.99 (m, 1H), 3.77 (s, 1H), 3.37 (s, 1H), 3.30 - 3.22 (m, 2H), 3.11 (s, 1H), 3.01 (s, 1H), 2.88 (d, J=0.6 Hz, 1H), 2.81 - 2.72 (m, 1H)
【0213】
実施例54.
(2S)-1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(ヒドロキシメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
実施例55.
(2R)-1’-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4’-(ヒドロキシメチル)スピロ[インドリン-2,3’-ピロリジン]-2’-オン
【化127】
実施例54および55を、実施例52のキラル分割によって得た。
Chiralpak IB、21 x 250 mm、5ミクロン、移動相: 40% MeOH / 60% CO
2、流量条件: 45 mL/分、150 Bar、40 ℃、検出波長: 275 nm.
【化128】
MS(ESI) m/z: 361.1 (M+H)
+. HPLC: 方法 A、RT = 5.08 分; 方法 B、RT = 6.60 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.22 - 8.11 (m, 1H), 7.96 - 7.87 (m, 1H), 7.74 - 7.69 (m, 2H), 7.66 - 7.62 (m, 2H), 7.01 - 6.96 (m, 1H), 6.96 - 6.90 (m, 1H), 6.58 - 6.50 (m, 1H), 6.50 - 6.46 (m, 1H), 6.33 (s, 1H), 4.82 - 4.75 (m, 1H), 3.99 - 3.92 (m, 1H), 3.71 - 3.61 (m, 2H), 3.61 - 3.52 (m, 1H), 2.96 - 2.90 (m, 1H), 2.49 - 2.44 (m, 1H)
【化129】
MS(ESI) m/z: 361.1 (M+H)
+. 15分間のHPLC: HPLC: 方法 A、RT = 5.08 分; 方法 B、RT = 6.60 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.22 - 8.11 (m, 1H), 7.96 - 7.87 (m, 1H), 7.74 - 7.69 (m, 2H), 7.66 - 7.62 (m, 2H), 7.01 - 6.96 (m, 1H), 6.96 - 6.90 (m, 1H), 6.58 - 6.50 (m, 1H), 6.50 - 6.46 (m, 1H), 6.33 (s, 1H), 4.82 - 4.75 (m, 1H), 3.99 - 3.92 (m, 1H), 3.71 - 3.61 (m, 2H), 3.61 - 3.52 (m, 1H), 2.96 - 2.90 (m, 1H), 2.49 - 2.44 (m, 1H)
【0214】
実施例56.
1-(4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-4-(ヒドロキシメチル)-3’,4’-ジヒドロ-1’H-スピロ[ピロリジン-3,2’-キノリン]-2-オン
【化130】
51Cを1-(tert-ブトキシカルボニル)-1,2,3,4-テトラヒドロキノリン-2-カルボン酸で置き換えることによって、実施例51と類似の方法を用いて合成した。MS(ESI) m/z: 375.2 (M+H)
+. HPLC: 方法 C、RT 1.25 分.
1H NMR (500MHz, DMSO-d
6) δ 8.11 - 7.96 (m, 1H), 7.70 - 7.57 (m, 4H), 6.83 (br. s., 2H), 6.55 - 6.41 (m, 2H), 6.14 (s, 1H), 3.93 - 3.85 (m, 1H), 3.69 (br. s., 1H), 3.48 (d, J=16.7 Hz, 3H), 2.89 - 2.75 (m, 1H), 1.97 - 1.86 (m, 1H), 1.71 - 1.58 (m, 1H), 0.90 - 0.80 (m, 1H)
【配列表】