(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】デジタル回路のPVT変動を補償するための補償装置
(51)【国際特許分類】
H03K 19/003 20060101AFI20220729BHJP
H03K 19/00 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
H03K19/003
H03K19/00 210
(21)【出願番号】P 2019503345
(86)(22)【出願日】2016-07-22
(86)【国際出願番号】 IB2016054383
(87)【国際公開番号】W WO2018015791
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2019-07-10
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】593198670
【氏名又は名称】セー エス ウー エム・サントル・スイス・デレクトロニク・エ・ドゥ・ミクロテクニク・エス アー・ルシェルシュ・エ・デヴェロプマン
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(72)【発明者】
【氏名】リュフィユー・ダヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】サラザール・グティエレス・カミロ・アンドレス
(72)【発明者】
【氏名】ポンス・ソレ・マルク
(72)【発明者】
【氏名】セヴラック・ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ナジェル・ジャン-リュック
(72)【発明者】
【氏名】ポレ・アラン-セルジュ
【審査官】及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-165649(JP,A)
【文献】国際公開第2004/077673(WO,A1)
【文献】特表2005-536105(JP,A)
【文献】特表平08-508600(JP,A)
【文献】特開2011-055459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0167420(US,A1)
【文献】特開2015-188214(JP,A)
【文献】特開2011-096950(JP,A)
【文献】特開2014-106085(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03K 19/003
H03K 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デジタル回路のPVT変動を補償するための補償装置において、
前記補償装置は、
-1つのトランジスタと、
-予め設定された値の電流を生成するように構成された1つの電流生成モジュールと、
-前記第4端子(B,G′,G″)の電圧を調整することによって前記第1端子(D)と前記第3端子(S)との間に電流を通電させるように構成された1つの補償モジュールとを有し、
前記トランジスタは、
-1つの第1端子(D)と、
-1つの第2端子(G)と、
-1つの第3端子(S)と、
-1つの第4端子(B,G′,G″)とを有し、この第4端子(B,G′,G″)は、前記トランジスタの閾値電圧(Vth)を変えることを可能にし、
前記トランジスタの前記第4端子(B,G′,G″)に接続されている前記補償モジュールの出力端子(OUT)が、補償されるべき前記デジタル回路の対応するトランジスタの第4端子に接続されるように構成されていて、前記補償されるべきデジタル回路のトランジスタは、前記補償装置の前記トランジスタと同じ技術によるものであり、
前記トランジスタが、飽和領域内にあるように構成されていて、
前記第3端子(S)の電圧が、予め設定された値を有し、
前記第2端子(G)の電圧と前記第3端子(S)の電圧との間の差が、予め設定された値を有し、
前記
デジタル回路の
前記トランジスタの速度が、前記電流生成モジュールの電流に比例する結果、前記
デジタル回路の
前記トランジスタの速度が、前記電流生成モジュールの電流の値を選択することによってユーザによって調整され、
前記ユーザによる前記
デジタル回路の
前記トランジスタの速度の調整中に、前記補償装置の電圧供給が一定に保持されるように、前記補償装置は構成されている当該補償装置。
【請求項2】
前記第4端子(B,G′,G″)は、前記トランジスタのバルク端子(B)又は前記トランジスタのバックゲート端子(G′)であり、-前記トランジスタが、2つのゲート端子を有するならば-前記トランジスタの第2ゲート端子(G″)である請求項1に記載の補償装置。
【請求項3】
前記電流生成モジュールによって生成された所定の又は既知の値の電流は、少なくとも1つの供給源の関数であり、好ましくは、第1供給源(VSSD;VDDD)と第2供給源(VDDD;VSSD)との間の差の関数である請求項1~2のいずれか1項に記載の補償装置。
【請求項4】
前記電流生成モジュールは、
-前記トランジスタの前記第1端子(D)又は前記第3端子(S)に接続された1つの電流源、又は
-前記トランジスタの前記第1端子(D)又は前記第3端子(S)に接続され、既知の複数の電圧の2つのノード間に設置された1つの抵抗器を有し、
前記トランジスタに通電する電流が、別の電流に関連する請求項1~3のいずれか1項に記載の補償装置。
【請求項5】
前記抵抗器は、物理的な抵抗器、スイッチキャップ回路又はバイアスされたトランジスタによって実装される請求項
4に記載の補償装置。
【請求項6】
前記トランジスタは、サブスレッショルド領域又はニアスレッショルド領域内で動作するように操作される請求項1~5のいずれか1項に記載の補償装置。
【請求項7】
-請求項1~6のいずれか1項に記載の少なくとも1つの補償装置と、
-少なくとも1つのトランジスタを有する1つの
デジタル回路と、
-補償モジュールの1つの出力端子(OUT)を前記
デジタル回路の前記トランジスタの第4端子(VBP,VBN)に接続するための手段とを有する電子装置において、
所定の時点では、前記補償装置の前記トランジスタの第2端子(G)の電圧と第3端子(S)の電圧との間の差が、前記
デジタル回路の前記トランジスタの前記第2端子(G)の電圧と前記第3端子(S)の電圧との間の差にほぼ等しく、
その同じ時点では、前記補償装置の前記トランジスタの前記第4端子(B,G′,G″)の電圧と前記第3端子(S)の電圧との間の差が、前記
デジタル回路の前記トランジスタの前記第4端子(B,G′,G″)の電圧と前記第3端子(S)の電圧との間の差にほぼ等しく、
前記補償装置の前記トランジスタは、前記
デジタル回路の前記トランジスタと同じ技術によるものである当該電子装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アナログ及び/又はデジタル回路のPVT変動を補償するための補償装置に関する。特に、本発明は、所定の供給電圧で動作する、好ましくはサブスレッショルド領域又はニアスレッショルド領域内で動作する、補償されるべきデジタル及び/又はアナログ回路の少なくとも1つのトランジスタを最適に且つ動的に制御することを可能にする補償装置に関する。
【背景技術】
【0002】
これまでに速度性能を向上させているMOSトランジスタのスケーリング則によって、アナログ及び/又はデジタル回路(例えば、非限定的に、デジタルゲート)を低電圧で供給して、要求される速度性能が適えられ得る範囲内で(f・C・V2(ここで、fは、クロック周波数であり、Cは、スイッチ時のゲート容量であり、Vは、回路の供給電圧である)に等しい)動的電力を削減することが長年にわたって提唱されている。
【0003】
当該トランジスタが、強反転領域又は閾値電圧を超える領域(super-VTh)で動作される場合(すなわち、当該トランジスタのゲート・ソース電圧が、当該トランジスタの閾値電圧よりも高い場合、すなわち|VGS|>>VThである場合)、(以下では、「PVT変動」と呼ばれる)プロセス・電圧・温度の変動が、適切に維持され、例えばバンドギャップ回路又は類似の回路を使用することによって、より低い基準電圧の生成が可能になり、PVTにほとんど鈍感な定電圧出力を提供する。こうして、制御される動的電力損失を保証することが可能である。例えば、1.8Vの公称コア電圧VDDと450mVの閾値電圧VThと0.8~1VのVDDの動作範囲を呈する180nmノードのCMOSは、約4倍の電力削減を可能にする。
【0004】
しかしながら、エネルギーの著しい節約が要望されるならば、電圧のより劇的な減少を必要とするより進歩したノードが、より薄いゲート酸化物に起因して一定の公称電圧を減少させる(例えば、55~65nmのCMOSに対しては1V~1.2V)。当該トランジスタの閾値電圧VThは、公称電圧のように急速に減少しないので、アナログ及び/又はデジタル回路の当該トランジスタは、ますますニアスレッショルド領域内又はサブスレッショルド領域内で動作され、PVT変動に対する当該トランジスタの感度を激化させる。
【0005】
これに関連して、用語「サブスレッショルド領域」は、当該トランジスタのゲート・ソース電圧が当該トランジスタの閾値電圧よりも低いことを示す。すなわち、|VGS|<VThである。
【0006】
これに関連して、用語「ニアスレッショルド領域」は、当該トランジスタのゲート・ソース電圧が当該トランジスタの閾値電圧にあるか又は当該トランジスタの近くにあることを示す。すなわち、|VGS|≒<VThである。換言すれば、当該トランジスタのゲート・ソース電圧と当該トランジスタの閾値電圧との電圧差は、多くて数十パーセントである。
【0007】
ニアスレッショルド領域又はサブスレッショルド領域内では、PVT変動を追跡する適応性のある基準生成装置を必要とする、閾値電圧を超える領域内で使用されるバンドギャップに基づく定電圧手段は、その限界に達している。
【0008】
5Vの公称電圧V
DD及び約2Vの閾値電圧V
Thに対する論理回路の電力損失を制御するための方法が、時計回路用に提唱された。1つの例が、
図1に示されている。この例は、文献E.Vittoz et.al.,“High-Perforamce Crystal Oscillator Circuits:
Theory and Spplication”,IEEE,J.Solid State Circuits,Vol.23,no.3,pp.774-783,June1998に記載されている。この場合、適応性のある基準電圧VREF1が、直列に積層され、ダイオード接続された2つのNMOSトランジスタ及びPMOSトランジスタに所定の電流Iを供給することによって生成される。当該生成された基準電圧VREF1は、NMOSトランジスタT
Nの閾値電圧V
thとPMOSトランジスタT
pの閾値電圧V
thとこれらのMOSトランジスタの反転係数に依存する項との合計に相当する。したがって、トランジスタT
N及びT
Pの同じ技術の複数のトランジスタから成り、ユニティゲインバッファ10の出力(VREG1=VREF1)によって電力供給される論理ゲートとしてのデジタル回路が、これらのトランジスタの(約1/2VREFのゲート・ソース電圧に対応する)遷移速度を若干制御する切換点で同様な電流によって通電される。
【0009】
図1に示された補償装置の主な欠点は、PVT変動に対する基準電圧VREF1の800mVを超え得る大きい変動である。何故なら、NMOSの閾値電圧の変動の寄与とPMOSの閾値電圧の変動の寄与とが合算するからである。結果として、このような装置によって補償される論理ゲートによる動的な電力損失が著しく変化する。さらに、V
DDとVREF1との間のエネルギーであるヘッドルーム電圧が僅かしか減少しない低ドロップアウト・レギュレータ(「LDO」)よりも効率的なDCDCに基づく電源は、あまり魅力的でなく且つ実装するのが容易でない。さらに、バイアス電流Iが極端に小さくない場合、VREF1はむしろ大きいので、速度要求が、緩やかであるか又は低いならば、論理ゲートに対する閾値電圧を超える領域(super-V
Th)の特性(regime)は、最適とみなされる電力損失からかけ離れている。
【0010】
図2は、より低い電圧を生成する公知の別の補償装置の概略図である。この補償装置は、文献S.Z.Asl,et.,al.,“A 3 ppm 1.5×0.8mm
2 1.0μA 32.768kHz MES-Based Oscillator”,J. Solid-State Circuits,Vol.50,no.1,pp.1-12,Jan.2015に記載されている。2つのNMOS基準トランジスタT
N及びPMOS基準トランジスタT
Pのそれぞれのゲートが、約1/2VREFの電圧で一緒に短絡しているのではなくて、対向する複数のレールのVREF2とグラウンドとにネスト化されたダイオード配置で接続されている。
図1の補償装置で使用される電流と同様な電流Iが使用される場合、基準電圧VREF2は、T
Nの閾値電圧とT
Pの閾値電圧との間の最大値とMOSの反転係数に依存する項との合計から成るので、基準電圧VREF2は、VREG1に対してほぼ半分である。
【0011】
図1に示された補償装置に対する
図2に示された補償装置の長所は、PVT変動から発生する補償装置の基準電圧VREF2の変動が
図1の補償装置に比べて半分である点である。しかしながら、それでもまだ、当該変動は、400mVにまで及ぶ。したがって、電圧レベルVREF2で電力供給され、このような装置によって補償されるトランジスタT
N及びT
Pの同じ技術の複数のトランジスタから成る論理ゲートが、最小の回路速度を保証するバイアス電流Iに類似するION電流を提供する当該論理ゲートの最も遅いトランジスタ(NMOS又はPMOS)を有する。その他のトランジスタ型式(PMOS又はNMOS)の速度は、低速値・高速値(SF)又は高速値・低速値(FS)の場合に最大であり、むしろ典型値・典型値(TT)、高速値・高速値(FF)又は低速値・低速値(SS)の場合に近い特定のプロセスコーナーに依存する。
【0012】
当該トランジスタが、サブスレッショルド領域又はニアスレッショルド領域内で動作される場合の低い電圧動作の下では、N型MOSトランジスタ対P型MOSトランジスタの電流比が非常に大きくなる。その結果、漏れ電流が大きくなるか、又は、補償されるべき回路のSRAMセルを放置せざるを得ない。
【0013】
これに関連して、回路に対する用語「低電圧動作」は、回路の第1供給源の電圧と第2供給源の電圧との間の差が50mVと900mVとの間にあり、好ましくは500mVにほぼ等しいことを示す。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【文献】E.Vittoz et.al.,“High-Perforamce Crystal Oscillator Circuits: Theory and Spplication”,IEEE,J.Solid State Circuits,Vol.23,no.3,pp.774-783,June1998
【文献】S.Z.Asl,et.,al.,“A 3 ppm 1.5×0.8mm2 1.0μA 32.768kHz MES-Based Oscillator”,J. Solid-State Circuits,Vol.50,no.1,pp.1-12,Jan.2015
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明の課題は、上記の欠点が除去又は軽減される補償装置を提供することにある。
【0016】
本発明の課題は、アナログ及び/又はデジタル回路内の電力損失が著しく変化しないこの回路のPVT変動を補償するための補償装置を提供することにある。
【0017】
本発明の課題は、電力損失が最適化されるアナログ及び/又はデジタル回路のPVT変動を補償するための補償装置を提供することにある。
【0018】
本発明の課題は、低い電圧で動作するアナログ及び/又はデジタル回路のPVT変動を効率的な方法で補償する補償装置を提供することにある。
【0019】
本発明の課題は、サブスレッショルド領域又はニアスレッショルド領域内で動作するアナログ及び/又はデジタル回路のPVT変動を効率的な方法で補償する補償装置を提供することにある。
【0020】
本発明の課題は、PVT変動を監視する構成を有しない補償装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明によれば、これらの課題は、アナログ及び/又はデジタル回路のPVT変動を補償するための補償装置によって解決される。当該補償装置は、
-1つの第1端子と、
-1つの第2端子と、
-1つの第3端子と、
-1つの第4端子とを有する1つのトランジスタを備える。
【0022】
本発明の文脈では、用語「端子」は、ノードの同意語とみなされる。当該端子は、ユーザによって物理的にアクセスされ得るピンであることを示すとは限らない。
【0023】
1つの実施の形態では、第1端子は、トランジスタのドレイン端子であり、第2端子は、トランジスタのゲート端子であり、第3端子は、トランジスタのソース端子である。本発明によれば、第4端子は、トランジスタの閾値電圧を変えることを可能にする。この場合、1つの実施の形態では、第4端子は、トランジスタのバルク端子である。別の実施の形態では、特に、トランジスタが、シリコンオンインシュレータ(SOI)技術又は完全空乏型シリコンオンインシュレータ(FDSOI)技術で実現されるならば、第4端子は、トランジスタのバックゲート端子である。トランジスタが2つのゲート端子を有する別の実施の形態では、第4端子は、当該2つのゲート端子のうちの1つのゲート端子である。
【0024】
本発明によれば、トランジスタは、飽和領域内にあるように構成されている。すなわち、この領域内では、第1端子と第3端子との間に流れる電流が、第1端子と第3端子との間の電圧から実質的に独立している。例えば、強反転で動作するN型のトランジスタに対しては、VDS>VGS-Vthであることを意味する。
【0025】
本発明によれば、第3端子の電圧は、所定の又は予め設定された値を有する。1つの実施の形態では、この第3端子の電圧が、供給源の電圧に等しいか又はこの第3端子の電圧が、この供給源の電圧に関連するように、この第3端子は、この供給源に接続されている。別の実施の形態によれば、この第3端子は、この所定の又は予め設定された値をこの第3端子に間接に又は実際に印加することを可能にする手段に接続されている。例えば、この第3端子は、演算増幅器の入力端子に接続され得る。この演算増幅器の別の入力端子が、所定の電圧にある(例えば、この別の入力端子は、供給電圧に接続されている)。この場合には、この演算増幅器の仮想接地が、この第3端子の電圧をこの供給源の電圧に固定することを可能にする。
【0026】
本発明によれば、第2端子の電圧と第3端子の電圧との間の差が、既知であるか又は予め設定された値を有する。
【0027】
さらに、本発明による補償装置は、既知の又は予め設定された値の電流を生成するように構成された電流生成モジュールと、第4端子の電圧を調整することによって第1端子と第3端子との間にこの電流を通電させるように構成された補償モジュールとを有する。
【0028】
換言すれば、当該補償モジュールは、PVT変動を補償するために、電流生成モジュールの電流をトランジスタに通電させ、PVT変動に依存する第4端子の電圧を適切に変えるために構成されたモジュールである。
【0029】
実際には、電流の値が分かるか又は既知であれば、-所定の供給電圧に対する-第4端子の電圧は、プロセス、温度及び/又は電圧の変動の関数の点で相違する幾つかのパラメータだけに依存する。PVT変動に依存する第4端子の電圧を適切に調整することによって、これらのパラメータの各々を個別に監視することなしに、当該全ての変動を同時に補償することが可能である。
【0030】
トランジスタの第4端子に接続されている補償モジュールの出力部が、補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路のトランジスタの対応する第4端子に接続されるように構成されている。補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路のトランジスタは、補償装置のトランジスタと同じ技術によるものである。
【0031】
したがって、本発明による補償装置は、所定の電圧に対して電流生成モジュールからの電流にほぼ等しい電流をアナログ及び/又はデジタル回路に通電させることを可能にする。実際には、所定の時点で、この補償装置の第4端子が、この電流生成モジュールの電流を補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路のトランジスタに通電させることを可能にする。2つのトランジスタ(すなわち、当該補償装置のトランジスタ及び補償されるべき当該回路のトランジスタ)が、第2端子と第3端子との間の同じ電圧差と、第4端子と第3端子との間の同じ電圧差とを有する。
【0032】
したがって、本発明による補償装置は、補償されるべき当該回路のトランジスタの第4端子にわたるこのトランジスタの閾値電圧を調整することによって、当該トランジスタに通電する電流を制御することを可能にする。好ましくは、PVT変動によって引き起こされる当該既知の回路に存在する電圧ヘッドルームがもはや必要でないので、このことは、当該補償されるべき回路の供給電圧を最小にすることを可能にする。
【0033】
実際には、1つの実施の形態によれば、アナログ及び/又はデジタル回路には、電圧ヘッドルームが存在しない。
【0034】
換言すれば、本発明による補償装置は、低い電圧のアナログ及び/又はデジタル回路を実装することを可能にし、したがって電力を節約する。例えば、当該アナログ及び/又はデジタル回路の最小供給電圧を単体のNMOS又はPMOS構造(VTN又はVTP構造)においては300mVだけ減少させることが可能であり、又はスタック型のNMOS及びPMOS構造(VTN+VTP構造)に対しては600mVも減少させることが可能である。
【0035】
好ましくは、本発明による補償装置は、PVT変動を監視する必要な構成なしに、所定のPVT変動の影響を減少させることを可能にし、又は除去することさえも可能にする(公知の解決策に対して~100k倍の減少)。実際には、本発明による補償装置は、PVT変動に依存する第4端子の電圧を自動的に且つ適切に調整する。
【0036】
好ましくは、本発明による補償装置は、動的電力の損失を最適化することを可能にする。
【0037】
当該補償されるべき回路が、デジタル回路であるならば、本発明による補償装置は、当該デジタル回路の立ち上がりエッジと立ち下りエッジの双方の遷移の速度を制御することを可能にし、さらに立ち上がり時間と立ち下がり時間を適合することを可能にする。
【0038】
好ましくは、本発明による補償装置は、N型トランジスタとP型トランジスタとからの漏れ成分を制御することを可能にする。
【0039】
1つの実施の形態では、当該補償装置は、第1供給源と、好ましくはこの第1供給源とは違う第2供給源とを有する。
【0040】
1つの実施の形態によれば、電流生成モジュールによって生成された所定の又は既知の値の電流は、少なくとも1つの供給源、好ましくは2つの供給源間の差の関数である。2つの供給源のうちの1つの供給源が、F=I/(CV)=1/(RC)として変化するならば、この実施の形態は、補償されるべきデジタル回路の周波数fをより良好に制御することを可能にする。
【0041】
可能な第1の実施の形態によれば、当該補償モジュールは、1つの反転入力端子と1つの非反転入力端子と1つの出力端子とから成る1つの演算増幅器を有し、
-当該反転入力端子が、当該電流生成モジュールと当該トランジスタの当該第3端子とに接続されていて、
-当該非反転入力端子が、当該第1供給源に接続されていて、
-当該出力端子が、当該第4端子に接続されていて、
当該第2供給源が、当該トランジスタの当該第1端子に接続されている。
【0042】
本発明の文脈によれば、表現「に接続」は、接続が直接に(すなわち、2つの接続部分間の任意の構成要素なしに)成され得ることを意味するか、又は、2つの接続部が、これらの接続部間の電圧を変えない1つ以上の構成要素から成る電子経路を介して接続されていることを意味する。表現「に接続」は、2つの接続部が、これらの接続部間の電圧を変え得る1つ以上の構成要素から成る電子経路を介して接続されていることも意味し得る。
【0043】
可能な第2の実施の形態によれば、上記の第1の実施の形態の代わりに、当該補償モジュールは、1つの反転入力端子と1つの非反転入力端子と1つの出力端子とから成る1つの演算増幅器を有し、
-当該非反転入力端子が、当該電流生成モジュールと当該トランジスタの当該第1端子とに接続されていて、
-当該反転入力端子が、当該第2供給源又は当該トランジスタの飽和を保証する電圧に接続されていて、
-当該出力端子が、当該第4端子に接続されていて、
当該第1供給源が、当該トランジスタの当該第3端子に接続されている。
【0044】
留意すべきは、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、電流生成モジュールと演算増幅器の入力端子とが、接続されている、好ましくは直接に接続されている点である。双方が、トランジスタの1つの端子に接続されている。トランジスタの第1端子が使用されるならば、当該トランジスタの型(N又はP)に関係なく、当該演算増幅器の入力端子は、非反転入力端子である。トランジスタの第3端子が使用されるならば、当該トランジスタの型(N又はP)に関係なく、当該演算増幅器の入力端子は、反転入力端子である。
【0045】
可能な第3の実施の形態によれば、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態の代わりに、補償モジュールは、比較器並びに後続するチャージポンプモジュレータ及び積分器を有する。この実施の形態では、演算増幅器の機能が、比較器並びにチャージポンプモジュレータ及び積分器によって実行されるので、この補償モジュールには、演算増幅器がない。
【0046】
1つの実施の形態によれば、トランジスタの第2端子が、
-第1端子、
-固定された電圧のノード、又は
-第3端子、例えば、VDD/2にほぼ等しい電圧を有するノードに接続され得る。
【0047】
当該第1端子の場合には、トランジスタは、(VG=VD)に構成されたダイオードであり、ION電流を補償されるべきデジタル回路に通電させることが可能である。
【0048】
当該固定された電圧のノードの場合には、スイッチング電流を補償されるべきデジタル回路に通電させることが可能である。
【0049】
当該第3端子の場合には、補償されるべきデジタル回路の漏れ電流を制御することが可能である。当該デジタル回路が、メモリセル、例えばSRAMセルを有するならば、当該制御は有益である。
【0050】
1つの実施の形態によれば、当該電流生成モジュールは、
-当該トランジスタの当該第1端子又は当該第3端子に接続された1つの電流源、又は
-当該トランジスタの当該第1端子又は当該第3端子に接続され、既知の複数の電圧の2つのノード間に設置された1つの抵抗器を有し、
当該トランジスタに通電する電流が、別の電流に関連する。
【0051】
上記の抵抗器は、物理的な抵抗器、スイッチキャップ回路又は適切に寸法決めされ且つバイアスされたトランジスタによって実装され得る。
【0052】
別の実施の形態によれば、当該電流生成モジュールは、ユーザによって異なる複数の値から選択され得る所定の値の電流を生成する可変の電流生成モジュールである。
【0053】
別の実施の形態によれば、第1供給源の電圧と第2供給源の電圧との間の差は、50mVと900mVとの間にあり、好ましくは500mVにほぼ等しい。動的電力が、供給電圧の二乗に比例するので、このような低い電圧での操作は、動的電力を節約することを可能にする。
【0054】
別の実施の形態によれば、当該トランジスタは、サブスレッショルド領域又はニアスレッショルド領域内で動作する。サブスレッショルド領域の1つの挑戦は、トランジスタの指数法則に由来する(ドレイン電流が、VGSに対して指数関数的に関連する)。当該指数法則は、VDDが低下されるにつれて、漏れ電流の相対度を増大させ、PVT変動に対する感度を最高にする。好ましくは、本発明による補償装置は、PVT変動によって引き起こされる全ての所定の変動を除去することを可能にし、サブスレッショルド領域又はニアスレッショルド領域内で動作されるトランジスタの使用を可能にする。
【0055】
別の実施の形態によれば、本発明による補償装置は、バッテリと、このバッテリ、例えば少なくとも1つの低ドロップアウト・レギュレータ及び/又は少なくとも1つのDCDCコンバータから第1供給源の電圧と第2供給源の電圧とを生成するための手段とを有する。
【0056】
バッテリの代わりに、本発明による補償装置は、第1供給源の電圧と第2供給源の電圧との間の差を直接に生成する太陽電池又は環境発電源を有してもよい。
【0057】
別の実施の形態によれば、本発明による補償装置は、電流生成モジュール及び/又は補償モジュールに給電するための第1供給源の電圧及び第2供給源の電圧よりも高い及び/又は低い電圧を生成するための手段(例えば、限定的でないチャージポンプ)も有する。
【0058】
別の実施の形態によれば、本発明による補償装置のトランジスタは、完全空乏型シリコンオンインシュレータ(FDSOI)技術又は深い空乏層のチャネル(DDC)技術で実現される。
【0059】
別の実施の形態によれば、補償装置のトランジスタは、N又はP型の第1トランジスタであり、当該電流生成モジュールは、第1電流生成モジュールであり、当該補償モジュールは、第1補償モジュールであり、当該装置は、
-P又はN型の1つの第2トランジスタと、
-当該第1電流生成モジュールによって生成された電流と等しい必要のない所定の値の電流を生成するように構成された1つの第2電流生成モジュールと、
-当該第2トランジスタの当該第4端子の電圧を調整することによって当該第2トランジスタの当該第1端子と当該第3端子との間に当該第2電流生成モジュールによって生成された電流を通電させるように構成された1つの補償モジュールとをさらに有し、
当該第2トランジスタが、
-1つの第1端子(ドレイン)と、
-1つの第2端子(ゲート)と、
-1つの第3端子(ソース)と、
-1つの第4端子とを有し、この第4端子は、当該第2トランジスタの閾値電圧を変えることを可能にし、
当該第2トランジスタが、飽和領域内にあるように構成されていて、
当該第2トランジスタの当該第3端子(ソース)の電圧が、予め設定された値を有し、当該第2トランジスタの当該第2端子(G)の電圧と当該第3端子(S)の電圧との間の差が、予め設定された値を有する。
【0060】
上記の実施の形態は、両型式のMOSの電流-それ故に、補償されるべきデジタル回路の速度又は遅延-を、これらのMOSの閾値電圧をこれらのMOSの第4端子を通じて調整することによって独立して制御することを可能にする。
【0061】
本発明は、
-本発明による少なくとも1つの補償装置と、
-少なくとも1つのトランジスタを有する1つのアナログ及び/又はデジタル回路と、
-補償モジュールの1つの出力端子を当該アナログ及び/又はデジタル回路の当該トランジスタの第4端子に接続するための手段とを有する電子装置にも関する。この場合、
所定の時点では、当該補償装置の当該トランジスタの第2端子の電圧と第3端子の電圧との間の差が、当該アナログ及び/又はデジタル回路の当該トランジスタの当該第2端子の電圧と当該第3端子の電圧との間の差にほぼ等しく、
その同じ時点では、当該補償装置の当該トランジスタの当該第4端子の電圧と当該第3端子の電圧との間の差が、当該アナログ及び/又はデジタル回路の当該トランジスタの当該第4端子の電圧と当該第3端子の電圧との間の差にほぼ等しく、
当該補償装置の当該トランジスタは、当該アナログ及び/又はデジタル回路の当該トランジスタと同じ技術によるものである。
【0062】
補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路の例は、限定されないが、電圧又は電流基準、増幅器、発振器、メモリセル(例えば、SRAM又はROMセル)、デジタル加速度計、プロセッサ等である。
【0063】
1つの実施の形態では、本発明による電子装置1が、本発明による2つ以上の補償装置を有し、アナログ及び/又はデジタル回路のトランジスタの第4端子を当該補償モジュールの2つ以上の出力端子のうちの1つの出力端子に接続するために配置された少なくとも1つのスイッチを有する。
【0064】
補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路が、N又はP型の第1トランジスタと、P又はN型の1つの第2トランジスタを有するならば、当該電子装置は、当該第2補償モジュールの当該出力端子を当該アナログ及び/又はデジタル回路の当該第2トランジスタの当該第4端子に接続するための手段をさらに有する。
【0065】
別の実施の形態によれば、本発明による補償装置は、1つの発振器と、この発振器によってクロックされ、この発振器の電圧基準が第1供給電圧及び第2供給電圧に関連する結果、これらの供給電圧の比が一定に保持される1つのスイッチトキャパシタ回路と、当該デジタル回路のコンデンサの静電容量の変動を補償するように当該デジタル回路のコンデンサを適合する1つのコンデンサCIとを有する。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図3】本発明の実施の形態による電子装置の概略図である。
【
図4】本発明の別の実施の形態による補償装置の概略図である。
【
図5】本発明の別の実施の形態による補償装置の概略図である。
【
図6】本発明の別の実施の形態による補償装置の概略図である。
【
図7】本発明の別の実施の形態による補償装置の概略図である。
【
図8】どのように、0.9VのION_min条件に対して規格化された速度、動特性(動的電力)及び漏れ電力が、VDD及びVBBの範囲にわたって推移するかを示す。この技術(低電圧技術、LVT)で利用できる最も速い速度のMOSとの比較がさらに示されている。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図3は、本発明の実施の形態による電子装置100の概略図である。当該図示された実施の形態では、電子装置100は、
-アナログ及び/又はデジタル回路2のPVT変動を補償するための補償装置1と、
-アナログ及び/又はデジタル回路2と、
-入力/出力回路3とから成る。
【0068】
補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路2の例は、限定されないが、電圧又は電流基準、増幅器、発振器、メモリセル(例えば、SRAM又はROMセル)、デジタル加速度計、プロセッサ等である。
【0069】
当該図示された実施の形態では、入力/出力回路3が、VDDIO-VSSIOに等しい電圧を生成するために配置されたバッテリBATと、補償装置1及びアナログ及び/又はデジタル回路2の供給源VDDD及び供給源VSSDの電圧を生成するために配置された手段30,32(この場合は2つのLDO)とから成る。しかしながら、留意すべきは、DCDCコンバータのようなその他の手段が、LDOの代わりに使用され得る点である。
【0070】
さらに留意すべきは、本発明はバッテリの存在に限定されない点である。実際には、バッテリの代わりに、本発明による電子装置が、第1供給源VDDDの電圧と第2供給源VSSDの電圧との間の差を直接に生成する太陽電池(例えば、0.5Vの太陽電池)又は環境発電源を有してもよい。
【0071】
本発明による補償装置は、説明するように、電流生成モジュール及び/又は補償モジュールに給電するための第1供給源の電圧及び第2供給源の電圧よりも高い及び/又は低い電圧を生成するための手段も有する。
【0072】
本発明による補償装置は、ただ1つの供給源(VDDD又はVSSD)の電圧を知ることによって作動することが分かる。
【0073】
図3の補償装置1は、第1端子D、第2端子G、第3端子S及び第4端子を有するN型の第1トランジスタT
Nを備える。第4端子は、当該トランジスタの閾値電圧V
thを変更することを可能にする。このとき、1つの実施の形態では、第4端子は、当該トランジスタのバルク端子Bである。別の実施の形態では、特に当該トランジスタが、シリコンオンインシュレータ(SOI)技術又は完全空乏型シリコンオンインシュレータ(FDSOI)技術で実現されるならば、第4端子は、当該トランジスタのバックゲート端子G′である。当該トランジスタが2つのゲート端子G及びG″を有する別の実施の形態では、第4端子は、当該2つのゲート端子のうちの1つのゲート端子(G″)である。
【0074】
好適な実施の形態では、供給源VSSDの電圧と供給源VDDDの電圧との間の差は、50mVと900mVとの間にあり、好ましくはほぼ500mVに等しい。このような低い電圧での動作は、動的電力を節約することを可能にする。
【0075】
好適な実施の形態では、トランジスタTNは、サブスレッショルド領域又はニアスレッショルド領域内で動作するように操作される。
【0076】
好適な実施の形態では、トランジスタTNは、完全空乏型シリコンオンインシュレータ(FDSOI)技術又は深い空乏層のチャネル(DDC)技術で実現される。
【0077】
本発明によれば、トランジスタTNは、飽和領域にあるように構成されている。トランジスタTNは、VG=VDとして構成されたダイオードである。
【0078】
しかしながら、本発明は、トランジスタTNのダイオード構成に限定されないことが分かる。実際には、第2端子Gが、固定された電圧のノード、例えばVDDD/2にほぼ等しい電圧を有するノード又は第3端子Sに接続されてもよい。
【0079】
本発明によれば、トランジスタTNの第3端子Sの電圧が、予め設定された値を有する。当該図示された実施の形態では、この値は、演算増幅器10Nの仮想接地によって固定されている。実際には、演算増幅器10Nの非反転端子IN+が、ここでは供給源VSSDに直接に接続されていて、演算増幅器10Nの反転端子IN-が、ここではトランジスタTNの第3端子Sに直接に接続されている。
【0080】
しかしながら、その他の実施の形態は、所定の値の電圧をトランジスタT
Nの第3端子Sに印加することを可能にする。例えば、
図6~8の実施の形態では、第1トランジスタT
Nの第3端子Sが、ここでは供給源(VSSD)に対して直接に接続されている。
【0081】
さらに、所定の値の電圧をトランジスタTNの第3端子Sに間接に又は実際に印加するためには、演算増幅器は必要でないことが分かる。この代わりに、少なくとも1つ(好ましくは、2つの入力端子)と1つの出力端子とを有するあらゆる電子モジュールが使用され得る。この場合、これらの入力端子間の電圧差を予め設定された値、例えば0V又はオフセット電圧に設定するため、この出力端子は、閉回路を経由して1つの入力端子に負帰還接続されている。
【0082】
本発明によれば、第2端子Gの電圧と第3端子Sの電圧との間の差が予め設定されている。この場合には、この差は、VDDD-VSSDに等しい。
【0083】
電流生成モジュール(当該図示された実施の形態では、電流生成器20N)が、予め設定された値の電流INを生成するように構成されている。
【0084】
しかしながら、本発明は、電流生成器を設けることに限定されず、説明するように、その他の手段が予め設定された値の電流INを生成するために使用され得ることが分かる。
【0085】
当該図示された実施の形態では、電流生成モジュール(すなわち、電流生成器20N)は、ここではトランジスタTNの第3端子Sに直接に接続されている。
【0086】
本発明によれば、第4端子の電圧を調整することによって、トランジスタTNの第1端子Dと第3端子Sとの間にこの電流INを通電させるように、補償モジュールが構成されている。
【0087】
当該図示された実施の形態では、この補償モジュールは、演算増幅器10Nを有する。この演算増幅器10Nは、反転入力端子IN-、非反転入力端子IN+及び出力端子VBNを有する。この場合、
-反転入力端子IN-は、ここでは電流生成モジュール20NとトランジスタTNの第3端子Sとに直接に接続されていて、
-非反転端子IN+は、ここでは供給源VSSDに直接に接続されていて、
-出力端子VBNは、ここではトランジスタTNの第4端子に直接に接続されている。この場合、
-その他の供給源VDDDは、ここではトランジスタTNの第1端子Dに直接に接続されている。
【0088】
しかしながら、当該補償モジュールは、演算増幅器を有することに限定されないことが分かる。代わりに、当該補償モジュールは、比較器並びに後続するチャージポンプモジュレータ及び積分器を有してもよい。この場合には、この比較器の出力が、零よりも高いならば、電荷が、出力ノードの電圧を上げるためにこのチャージアップモジュールによってこの出力ノードに注入され、この比較器の出力が、零よりも低いならば、電荷が、この出力ノードの電圧を下げるためにこのチャージアップモジュールによってこの出力ノードから除去される。この出力ノードは、積分器、例えばコンデンサに接続されている。当該積分器の出力が、当該トランジスタの第4端子をドライブする。
【0089】
当該全ての場合には、PVT変動を補償するため、トランジスタ(
図3の場合では、T
N)を通じて電流(
図3の場合では、I
N)を通電させ、PVT変動に依存して第4端子VBNの電圧を適切に変えるように、当該補償モジュールは構成されている。
【0090】
実際には、電流INの値が分かるか又は既知であれば、所定の供給電圧に対する第4端子VBNの電圧は、プロセス、温度及び/又は電圧の変動の関数の点で相違する幾つかのパラメータだけに依存する。PVT変動に依存する第4端子VBNの電圧を適切に調整することによって、これらのパラメータの各々を個別に監視することなしに、当該全ての変動を同時に補償することが可能である。
【0091】
例えば、1つの実施の形態では、当該トランジスタの第4端子は、バルク端子Bである。この場合には、その電圧VBB(すなわち、VS=0Vのときの電圧VSB)が、サブスレッショルド領域内で有効な以下の方程式によって決定される。
【0092】
【数1】
ここで、
-nは、トランジスタの基板バイアス係数である。
-U
Tは、熱力学的な
電圧(約25mV)である。
-I
ON0.5Vは、電流I
Nである。
-ISは、トランジスタの特定電流である。
-V
TOは、トランジスタの公称閾値電圧である。
-V
DDは、トランジスタに印加されるVDDD-VSSDに等しいゲート・ソース電圧(V
GS)である。
-ΔV
DDは、電圧V
DDの変動である。
-ΔV
T,Procは、プロセスの関数における閾値電圧の変動である。
-ΔV
T,Tempは、温度の関数における閾値電圧の変動である。
【0093】
留意すべきは、上記の式において:
-n,IS及びΔVTは、プロセスによって変わり、
-UT及びVT,Tempは、温度によって変わり、
-ΔVDDは、供給電圧によって変わる点である。
【0094】
したがって、電流IN及び電圧VDDが規定されると、上記の式におけるその他の全てのパラメータの変動が、これらのパラメータを個別に監視する必要なしに、VBBに作用することによって自動的に同時に補償される。
【0095】
トランジスタTNの第4端子に接続されている補償モジュールの出力部VBNが、補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路2の対応するトランジスタT′Nの第4端子に接続されるように構成されている。補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路2のトランジスタT′Nは、補償装置1のトランジスタTNと同じ技術によるものである。
【0096】
特に、所定の時点では、補償装置1のトランジスタTNの第2端子Gの電圧と第3端子Sの電圧との間の差が、アナログ及び/又はデジタル回路2のトランジスタT′Nの第2端子G′の電圧と第3端子S′の電圧との間の差にほぼ等しい。さらに、その同じ時点では、補償装置1のトランジスタTNの第4端子の電圧VBNと第3端子Sの電圧との間の差が、アナログ及び/又はデジタル回路2の当該トランジスタの第4端子の電圧VBNと第3端子S′の電圧との間の差にほぼ等しい。
【0097】
有利には、PVT変動によって印加される当該既知の回路に存在する電圧ヘッドルームがむしろ必要でないので、本発明による補償装置1は、補償されるべき回路2の供給電圧を最少にすることを可能にする。実際には、1つの実施の形態によれば、アナログ及び/又はデジタル回路2には、電圧ヘッドルームが存在しない。
【0098】
図3の実施の形態では、補償装置1は、P型の第2トランジスタT
Pも有する。これに対しては、上記のN型の第1トランジスタT
Nと同じ考察が有効である。第2電流生成モジュール(当該図示された場合には、電流生成器20
P)が、電流生成器20
Nによって生成される電流I
Nに等しいとは限らない所定の値の電流I
Pを生成するように構成されている。第2トランジスタT
Pの第4端子の電圧VBPを調整することによって、第3端子Sと第1端子Dとの間に電流I
Pを通電させるように、第2補償モジュール10
Pが構成されている。
【0099】
上記の第1電流生成モジュールについての考察は、第2電流生成モジュールに対して有効である。上記の第1補償モジュール10Nについての考察は、第2補償モジュール10Pに対して有効である。
【0100】
補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路2の対応する第2トランジスタT′Pの対応する第4端子に接続されているように、第2トランジスタTPの第4端子に接続されている当該第2補償モジュールの出力部VBPが構成されている。補償されるべきアナログ及び/又はデジタル回路2のトランジスタT′Pは、補償装置1のトランジスタTPと同じ技術によるものである。したがって、N型のトランジスタとP型のトランジスタとの双方の電流-それ故に、補償されるべきデジタル回路の速度又は遅延-を、これらのトランジスタの閾値電圧をこれらのトランジスタの第4端子を通じて調整することによって独立して制御することが可能である。
【0101】
図3に示された実施の形態では、VBN、VBP電圧の変動範囲は、これらの電圧のそれぞれの供給電圧VSSD、VDDDに及ぶ。好適な実施の形態では、VDDD-VSSD=0.5Vに対して、VBN、VBP電圧の変動範囲は、[VDDD-1 V; VSSD+0.6V]及び[VDDD-0.6V; VDDD+1V]の範囲に故意に限定されている。それぞれのトランジスタの型ごとに、当該-1Vの値は、技術限界に依存し、値0.6Vは、ダイオードの順方向電圧の限界に依存する。このような最小の2.5VのVDDIO-VSSIOのバッテリ供給電圧が望ましいので、当該0.5VのVDDD-VSSDコア供給電圧(この例では、約0.5V)に加えて、2×1Vの逆バイアスの変動範囲が存在する。
【0102】
好適な実施の形態では、
(VDDIO+VSSIO)/2=(VDDD-VSSD)/2
のように、VDDDのレベルとVSSDのレベルとを調整することが有益である。
【0103】
別の実施の形態では、電流生成器20N及び/若しくは20P並びに/又は演算増幅器10N及び/若しくは10Pに印加するための負の電圧VNEG<VSSの生成をさらに必要とするVSSIO及びVSSDの双方が、同じ接地レベルVSSに接地されてもよい。
【0104】
図3に示されているように、電流生成器20
N及び20
P並びに/又は演算増幅器10N及び10Pは、供給源VDDDの電圧よりも高い電圧によって印加され得、及び/又は供給源VSSDの電圧よりも低い電圧によって印加され得る。
【0105】
補償モジュールが、演算増幅器の代わりに比較器並びに後続するチャージポンプモジュレータ及び積分器を有する実施の形態では、当該補償モジュールの印加が、供給源VDDDの電圧よりも高く、及び/又は供給源VSSDの電圧よりも低いことは要求されない点に留意すべきである。
【0106】
本発明による補償装置が、アナログ回路を補償するために使用されるならば、当該補償装置は、少なくとも幾つかのノードに十分な電圧範囲を持たせるためのアナログ信号を可能にする電圧を生成するために構成されたモジュールを有してもよい。当該アナログ信号が、当該十分な電圧範囲内で振動し得る。このモジュールは、
-当該補償装置のトランジスタに直列にされ、第1供給源と第2供給源との間に設置された電圧生成器、及び/又は
-上記の範囲を可能にするように当該2つの供給源VSSD、VDDDの値を変更するための手段、及び/又は
-当該補償モジュールのオフセットを生成し及び/又は変更するための手段を有し得る。
【0107】
(図示されなかった)1つの実施の形態では、本発明による電子装置1が、本発明による2つ以上の補償装置を有し、アナログ及び/又はデジタル回路2のトランジスタの第4端子を当該補償モジュールの2つ以上の出力端子のうちの1つの出力端子に接続するために配置された少なくとも1つのスイッチを有する。
【0108】
図4は、N型のトランジスタT
Nを有する本発明による補償装置1の別の実施の形態を示す。この場合には、補償モジュールが、演算増幅器10
Nを有する。この場合、
-この演算増幅器10
Nの非反転入力端子IN+が、電流生成モジュール(電流源20
N)と当該トランジスタの第1端子Dとに接続されていて、
-この演算増幅器10
Nの反転入力端子IN-が、供給源VDDDに接続されていて、
-この演算増幅器10
Nの出力端子VBNが、第4端子に接続されていて、及び
-供給源VSSDが、当該トランジスタの第3端子Sに接続されている。
【0109】
図4に示された実施の形態では、トランジスタT
Nの第2端子の電圧がVDDDに等しいことが望ましいならば、当該電流生成モジュール(電流源20
N)が、電圧V>VDDDによって印加されなければならない。当該電流生成モジュール(電流源20
N)が、電圧V=VDDDで印加されるときでも、当該電流生成モジュール(電流源20
N)の飽和を保証するためには、代わりに、100mVよりも大きいオフセット電圧が、演算増幅器に故意に印加されてもよい。このような実施の形態は、アナログ回路を補償するときに一般に使用され得る。
【0110】
図4に示された構成と同様な構成が、P型のトランジスタを有する補償装置1に対して使用され得る。
【0111】
図5は、N型のトランジスタT
Nを有する本発明による補償装置1の別の実施の形態を示す。この場合には、補償モジュールが、演算増幅器10
Nを有する。この場合、
-この演算増幅器10
Nの非反転入力端子IN+が、当該電流生成モジュール(電流源20
N)と当該トランジスタの第1端子Dとに接続されていて、
-この演算増幅器10
Nの反転入力端子IN-が、
図4のように供給源VDDDに接続されていないが、当該電流生成モジュールとトランジスタT
Nとの双方の飽和を保証する電圧(例えば、VDD/2)に接続されていて、
-この演算増幅器10
Nの出力端子VBNが、第4端子に接続されていて、及び
-供給源VSSDが、当該トランジスタの第3端子Sに接続されている。
【0112】
したがって、
図5に示された実施の形態では、オフセット電圧が、当該演算増幅器内に存在しないときは、当該電流生成モジュール(電流源20
N)を電圧V>VDDDによって印加することは必要でない。
【0113】
図6は、本発明による補償装置1の別の実施の形態を示す。この実施の形態には、電流生成器が、トランジスタに直接に接続されていない。この実施の形態では、電流I′
Nを生成する電流生成器30が、既知の値の抵抗器R
1に直列にされている。この直列接続は、VSSDとVDDDとの間に配線されているので、演算増幅器10
Nの反転入力端子IN-の電圧値は既知である。この演算増幅器10
Nは、仮想接地されているので、この演算増幅器10
Nの非反転端子IN+の電圧値も既知である。VDDDと演算増幅器10
Nの非反転端子IN+との間に設置された抵抗器R
2の値を知ることによって、トランジスタT
Nに通電される電流INが分かり、R
1の値とR
2の値とに依存する電流生成器30の値に関連付けられる。
【0114】
したがって、本発明による補償装置の電流生成モジュールは、当該トランジスタの第1端子D若しくは第3端子Sに接続された、好ましくは直接に接続された電流源を有し、又は(
図6に示されたように)当該トランジスタの第1端子D若しくは第3端子Sに接続され、既知の電圧の2つのノード間に設置された抵抗器を有する。当該トランジスタに通電する電流は、別の既知の電流(例えば、電流生成器30の電流)に関連付けられる。
【0115】
好ましくは、この抵抗器は、
図6に示されたような物理的な抵抗器又はスイッチキャップ回路又は適切にバイアスされたトランジスタによって実装され得る。
【0116】
図7は、1つの電流生成モジュールがN型のトランジスタT
NとP型のトランジスタT
Pとによって共有されている本発明による補償装置1の別の実施の形態を示す。当該実施の形態における電流生成モジュールは、既知の電圧の2つのノード(すなわち、演算増幅器10
P及び10
Nの2つの非反転入力端子IN+)間に設置されている既知の値の抵抗器R
6を有する。実際には、演算増幅器10
P及び10
Nは、仮想接地されているので、これらの演算増幅器の非反転入力端子IN+の電圧は、VDDDとVSSDとの間に設置された既知の値の抵抗器R
3、R
4及びR
5から成る分圧器によって決定されるように既知であるこれらの演算増幅器の反転入力端子IN-の電圧に相当する。
【0117】
図7の実施の形態では、トランジスタT
N及びT
Pに通電する所定の又は既知の値の電流が、2つの供給源VDDDとVSSD間の差の関数である。当該2つの供給源のうちの1つの供給源が、f=I/(CV)=1/(RC)として変わるならば、この実施の形態は、補償されるべきデジタル回路の周波数fをより良好に制御することを可能にする。
【0118】
図7の破線は、N型のトランジスタT
Nを有する補償装置がP型のトランジスタT
Pを有する補償装置に対して完全に対称であるように、それぞれの抵抗器R
4及びR
6を分割することが可能であることを示す。
【0119】
同様に留意すべきは、
図7の場合には、N型のトランジスタT
Nを有する補償装置が、P型のトランジスタT
Pを有する補償装置に接続されている点である。したがって、この実施の形態は、例えば
図3に示された実施の形態よりもコンパクトである。
【0120】
別の実施の形態によれば、電流生成モジュールは、ユーザによって異なる複数の値から選択され得る所定の値の電流を生成する可変の電流生成モジュールである。
【0121】
好適な1つの実施の形態では、電流DACが、補償装置1のトランジスタをバイアスするために使用され得るプログラミング可能な電流を生成するために使用され得る。この電流DACは、入力として基準電流を要求する。PTAT電流基準が、温度(T)及び抵抗器(R)の値に依存する電流(T/Rに比例するI)を提供する。代わりに、当該抵抗器が、当業者から周知の特別な電流生成回路を使用して3極管領域内で動作するMOSトランジスタによって置換されるならば、望まない温度依存性が除去され得る。
【0122】
(図示されなかった)別の実施の形態によれば、本発明による補償装置は、発振器(例えば、周波数fXOの水晶発振器)と、この発振器によってクロックされ、この発振器の電圧基準が第1及び第2の供給電圧VSSD及びVDDDに関連する結果、これらの供給電圧の比が一定に保持されるスイッチトキャパシタ回路と、補償されるべき回路2のコンデンサに適合する結果、このコンデンサの静電容量の変動を補償するコンデンサCIとを有する。
【0123】
1つの実施の形態では、コンデンサCIの静電容量は、論理設計条件に適合するために、配置されルーティング(P&R)された複数のセルの組み合わせを使用して形成される。
【0124】
換言すれば、例えば双方に対するバンドギャップ基準を使用してコア論理供給電圧(VDDD)の分数としてスイッチング電圧(VI)を規定することは、以下の関係を導く:
fDIG=K・fXO・(CT・VI)/(CDIG・VDDD)
ここで、Kは、電流DAC利得であり、異なる論理深さを有する設計を考慮して適合され得るパラメータである。その他の全ての項は、複数の等しい物理パラメータの比であり、したがって、これらの物理パラメータは相殺する。結果として、複数のデジタルセルの遅延が、当該発振器の周波数にロックされる。
【0125】
図3~
7は、多くて2つのトランジスタ(N型の1つのトランジスタ及びP型の1つのトランジスタ)を有する補償回路を示すものの、本発明は、このような数に限定されないことが分かる。実際には、トランジスタの数は、より多くでき(例えば、30又は40個のトランジスタ)、同じ型(N又はP)の複数のトランジスタが、これらのトランジスタのプロセス変動をより良好に平均化するために直列に及び/又は並列に配置され得る。
【0126】
図8は、どのように、0.9VのION_min条件に対して規格化された速度、動特性(動的電力)及び漏れ電力が、VDD及びVBBの範囲にわたって推移するかを示す。この技術(低電圧技術、LVT)で利用できる最も速い速度のMOSとの比較がさらに示されている。
【0127】
当該動特性(動的電力)及び漏れ電力を示す複数のドットによる複数の線が、異なる複数の供給電圧に対する所定の周波数fmaxに動作に相当する。IONが、対応する可能な範囲にわたって掃引されるにつれて、複数の長方形が、所定の供給電圧で達成可能な周波数の範囲を再編成する。
【0128】
例えばメモリのように、作動しているセルに対する作動していないセルの比が非常に高く、漏れに弱い用途に対しては、
図8は、希望した速度に達するには、第4端子を調整することによってトランジスタのVthを下げるよりは、むしろ供給電圧を上げることが最良であることを示す。これは、従来のDVFS(dynamic voltage frequency terminal)技術である。
【0129】
例えばデジタル加速度計又はプロセッサのように、漏れが、動的電力よりも優勢でなく、ゲートごとの平均遷移速度がより高い場合、低い供給電圧を維持しつつ、速度が増大すると、より速く著しく増大する漏れが犠牲になるものの、動的電力が著しく節約される(0.5Vに対して、速度が60倍になると、漏れが2000倍になる)。これは、
図8においてDVBBFS(ここで、BBは、ボディバイアスを表す)と呼ばれる本発明によって提案された新しい手段である。
【0130】
したがって、本発明による補償装置は、設計の種類(メモリ又はプロセッサ/加速度計の非常に多様な要求)に依存する、動的電力と漏れ電力との最良のトレードオフを可能にする。
【0131】
電流のION/IOFF比の良好な制御が保証される。それ故に、ロバストなリテンション(記憶)が、(例えば、SRAMにおいて)低い電圧で可能になる。
【0132】
リテンションが、ION電流を最小にすることによってSRAMにおける低い漏れで可能になる。
【0133】
速度及び漏れ(例えば、アイドルモードでの低い漏れ、高速モードでのより高い漏れ)が、動的に調整され得る。その結果、パワーゲーティングの必要性及びリテンション用のフリップフロップの使用が除去される。
【符号の説明】
【0134】
1 補償装置
2 アナログ及び/又はデジタル回路
3 入力/出力回路
10 ユニティゲインバッファ
100 電子装置
30 手段(LDO、DCDCコンバータ)
32 手段(LDO、DCDCコンバータ)
10N 第1補償モジュール
10P 第2補償モジュール
20N 電流生成器
20P 電流生成器
30 電流生成器
D 第1端子
G 第2端子
S 第3端子
G′ 第4端子
G″ 第4端子
VDDD 第1供給源
VSSD 第2供給源
TN 第1トランジスタ
TP 第2トランジスタ
IN+ 非反転端子
IN- 反転端子
IN 電流
IP 電流
VBN 出力端子
B バルク端子
R1-6 抵抗器