(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】過剰のポリアルコキシル化試薬の回収及び再使用を可能にする核酸のポリアルコキシル化法
(51)【国際特許分類】
C12N 15/10 20060101AFI20220729BHJP
C12N 15/11 20060101ALI20220729BHJP
C12Q 1/6876 20180101ALI20220729BHJP
G01N 33/53 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
C12N15/10 Z
C12N15/11 Z
C12Q1/6876 Z
G01N33/53 M
(21)【出願番号】P 2019528500
(86)(22)【出願日】2017-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2017001399
(87)【国際公開番号】W WO2018099600
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-11-30
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509019004
【氏名又は名称】ノクソン・ファルマ・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ベートゲ,ルーカス
【審査官】中山 基志
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-514329(JP,A)
【文献】特開2010-046092(JP,A)
【文献】国際公開第2015/113776(WO,A1)
【文献】RNA Aptamers and Spiegelmers: Synthesis, Purification, and Post-Synthetic PEG Conjugation,Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry,2011年,Chapter 4, Unit 4.46.1-30
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N15/00-15/90
C12Q1/00-3/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の反応物質と第2の反応物質を反応させることにより、核酸部分及び非核酸部分を含む改変された核酸分子を調製する方法であって、前記第1の反応物質が、前記非核酸部分とカルボキシル基とを含み、
当該非核酸部分がポリアルコキシ化合物であり、前記第2の反応物質が、前記核酸部分と前記核酸部分に連結したアミノ基を含むアミノ修飾部とを含むアミノ修飾核酸分子であり、
a)水混和性有機溶媒中の縮合試薬により
、前記第1の反応物質のカルボキシル基を活性化させるステップと、
b)ステップa)
の前記活性化した第1の反応物質のカルボキシル基と、水中に、又は水混和性有機溶媒と水からなる混合物中に溶解し
た前記アミノ修飾核酸分子のアミノ修飾部のアミノ基とを反応させるステップと
を含み、それによって改変された核酸分子が形成される、前記方法。
【請求項2】
前記アミノ修飾核酸分子が、四級アンモニウム塩の存在下で、水と水混和性有機溶媒からなる混合物中に溶解している、及び/または、
ステップa)の前記活性化した第1の反応物質が、水中に、又は水混和性有機溶媒と水からなる混合物中に溶解した前記アミノ修飾核酸分子に添加される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アミノ修飾核酸分子が、アミノ修飾アプタマー、アミノ修飾シュピーゲルマー、アミノ修飾免疫賦活性核酸、アミノ修飾siRNA、アミノ修飾miRNA分子、及びアミノ修飾核酸アンチセンス分子を含む群から選択され、好ましくは、アプタマーは、L-及び/又はD-ヌクレオチドからなるアプタマーであり、並びに/或いは前記核酸部分が、アプタマー、シュピーゲルマー、免疫賦活性核酸、siRNA、miRNA分子、及び核酸アンチセンス分子を含む群から選択され、好ましくは、アプタマーは、L-及び/又はD-ヌクレオチドからなるアプタマーである、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ステップb)において、前記活性化した第1の反応物質ついて、前記アミノ修飾核酸分子よりも過剰の分子が使用され、好ましくは、前記過剰が、前記活性化した第1の反応物質の分子と前記アミノ修飾核酸分子とのモル比として表わされ、前記モル比が、約1.1~約10、好ましくは約1.5~約3.5である、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
ステップa)に基づき前記第1の反応物質を活性化させるために、前記第1の反応物質が水混和性有機溶媒に溶解され、
縮合試薬及び塩基、好ましくは、最初に
縮合試薬、その後に塩基が添加され、好ましくは、前記
縮合試薬が水混和性有機溶媒に溶解される、好ましくは、前記塩基が、非求核塩基であり、より好ましくは、前記塩基が、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリメチルアミン、及びDBUを含む群、好ましくはジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)から選択される請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記
縮合試薬が、
a)ホスホニウム塩、例えばBOP、PyBOP、PyBrop、AOP、PyAOP、BrOP、及びPyClOP等、
b)ウロニウム塩、例えばHCTU、TCTU、TBTU、HBTU、HATU、TOTU、及びCOMU等、並びに
c)カルボジイミド、好ましくは、DCC(N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)、及びDIC(N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド)を含む群から選択されるカルボジイミド、
を含む群から選択され、
好ましくは、前記
縮合試薬が、PyBOP、TBTU、COMU、HBTU、より好ましくはHBTUである、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記水混和性有機溶媒が、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、エチルホルムアミド、エチルメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルプロパノエート、テトラヒドロフラン、及びジオキサン、好ましくはジメチルホルムアミド、アセトニトリル、及びジメチルスルホキシドを含む群から選択される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
ステップb)の終了後に、未反応の第1の反応物質のすべてが限外濾過及び/又はクロマトグラフィーにより、好ましくはイオン交換クロマトグラフィーにより反応から分離される、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
分離された第1の反応物質が、ステップa)においてリサイクル及び使用される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ポリアルコキシ化合物が、直鎖状又は分岐状のポリアルコキシ化合物である、請求項3から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリアルコキシ化合物が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロールを含む群から選択される、請求項3から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリアルコキシ化合物が、5,000Da~100,000Da、好ましくは20,000Da~80,000Da、より好ましくは40,000Daの分子量を有する、請求項3から11のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の反応物質と第2の反応物質を反応させることにより、核酸部分及び非核酸部分を含む改変された核酸分子を調製する方法であって、第1の反応物質が、前記非核酸部分とカルボキシル基とを含み、第2の反応物質が、前記核酸部分と前記核酸部分に連結したアミノ基を含むアミノ修飾部とを含むアミノ修飾核酸分子である前記方法、前記方法により取得される改変された核酸分子、治療で使用される、前記方法により取得される改変された核酸分子、診断で使用される、前記方法により取得される改変された核酸分子、及びサンプルを分析するin vitroでの方法における、前記方法により取得される改変された核酸分子の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
薬物、例えば核酸、ペプチド、タンパク質、及びナノ粒子等と、ポリアルコキシ化合物等のその他の部分とのコンジュゲーションは、治療用途におけるバイオアベイラビリティー、安定性、安全性、及び有効性を高めるために幅広く使用されている。オリゴヌクレオチド治療薬の分野において、アプタマー及びシュピーゲルマー(Spiegelmer)(ミラーイメージアプタマーとも呼ばれる)は、一般的にポリアルコキシル化される。ポリエチレングリコール(略称PEG)は、静脈内、経口、及び経皮投与される薬物の一部として食品医薬品局により承認された、一般的に使用されているポリアルコキシ化合物である。
【0003】
一般的に、ポリアルコキシル化核酸は、反応性の基を含有する核酸を固相上にまずアセンブルする方法により調製される(Hoffmann et.al,Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry 2011,4:4.46.1-4.46.30)。固相から切断及び脱保護された後、合成された核酸は、逆相高速液体クロマトグラフィー(略称RP-HPLC)、又はイオン交換クロマトグラフィー・高速液体クロマトグラフィー(略称IEX-HPLC)、又は限外濾過(略称UF)等の方法により精製される。核酸の反応性の基は、次にポリアルコキシ化合物と核酸からなるコンジュゲートを形成するために、ふさわしい適合する反応性の基を有するポリアルコキシ化合物と反応し得る。コンジュゲーション後、ポリアルコキシル化核酸分子と非ポリアルコキシル化核酸分子からなる粗生成物は、HPLC、特にRP-又はIEX-HPLC、及び限外濾過の併用であり得る方法により精製される。
【0004】
ポリアルコキシル化反応の収量は、ポリアルコキシル化される核酸の性質及び純度、ポリアルコキシル化反応の種類、及び反応条件そのものに依存する。核酸のポリアルコキシル化で使用される最も一般的に使用される反応の種類として、
a)塩基存在下でのアミノ修飾オリゴヌクレオチドによるポリアルコキシカルボン酸活性エステルのアミノリシス;
b)チオール修飾オリゴヌクレオチドの、マレイミド基を担持するポリアルコキシ化合物への付加;及び
c)アジド修飾オリゴヌクレオチドとアルキン基を担持するポリアルコキシ化合物との、又はアルキン修飾オリゴヌクレオチドとアジド基を担持するポリアルコキシ化合物との1,3-双極子環化付加
が挙げられる。
【0005】
最も幅広く用いられているポリアルコキシル化反応は、塩基存在下でのアミノ修飾オリゴヌクレオチドによるポリアルコキシカルボン酸活性エステルのアミノリシスである。反応は迅速で、容易にスケールアップ可能である。マレイミド-チオール付加は塩基を一切必要とせず、また迅速で選択的な反応であるが、しかし別の反応ステップにおいて、DTT等の還元剤を用いて、チオールをジスルフィド前駆体から放出する必要がある。過剰のDTTはマレイミドにやはり付加し、したがって収量を低下させるので、コンジュゲーション反応前にそれを完全に除去しなければならない。放出されたチオールは酸化を受けるので、DTTの除去は迅速でなければならない。これは大スケール製造での使用を複雑にする。1,3-双極子環化付加は「クリック反応」とも呼ばれ、触媒としての銅、又は立体的に制約されたアルキン種が存在する必要がある。金属を含まない「クリック反応」の場合、アジド及び立体的に制約されたアルキンは、いずれも求核的な塩基、例えばオリゴヌクレオチドの切断及び脱保護で使用されるメチルアミン/アンモニア等に対して敏感なので、アジド又は立体的に制約されたアルキンは合成後にオリゴヌクレオチドに導入される必要がある。
【0006】
マレイミド-チオール付加及び「クリック反応」の制約を考慮すれば、大スケールでのポリアルコキシル化オリゴヌクレオチドの形成は、アミノ修飾オリゴヌクレオチドによるポリアルコキシカルボン酸活性エステルのアミノリシスにより最良に実施される。一般的に、ポリアルコキシカルボン酸は、別の反応において調製されるN-ヒドロキシスクシンイミドエステルとして活性化され、精製され、そして利用まで保管される。その反応上の性質に起因して、上記エステルは、加水分解して対応するフリーのポリアルコキシカルボン酸とN-ヒドロキシスクシンイミドになりやすい。これは、そのような物質を取り扱い、保管し、又は輸送する際、注意する必要が不可欠である。
【発明の概要】
【0007】
本発明に潜在する問題として、改変された核酸分子、より具体的にはポリアルコキシル化核酸分子、例えばPEG化された核酸分子等を調製する方法の提供が挙げられる。
【0008】
この問題とその他の問題は、添付の独立請求項の主題により解決される。好ましい実施形態は、添付の従属請求項に由来し得る。
【0009】
本発明に潜在する問題は、第1の反応物質と第2の反応物質を反応させることにより、核酸部分と非核酸部分とを含む改変された核酸分子を調製する方法により、第1の態様の第1の実施形態でもある第1の態様においてより具体的に解決されるが、第1の反応物質は、前記非核酸部分とカルボキシル基とを含み、第2の反応物質は、前記核酸部分と該核酸部分に連結したアミノ基を含むアミノ修飾部とを含むアミノ修飾核酸分子であり、該方法は下記のステップ
a)水混和性有機溶媒中の縮合試薬により、第1の反応物質、好ましくは第1の反応物質のカルボキシル基を活性化させるステップと
b)ステップa)の活性化した第1の反応物質、好ましくは活性化した第1の反応物質のカルボキシル基と、水中に、又は水混和性有機溶媒と水からなる混合物中に溶解した第2の反応物質、好ましくは前記アミノ修飾核酸分子のアミノ修飾部のアミノ基とを反応させるステップと
を含み、それによって改変された核酸分子が形成される。
【0010】
第1の態様の第1の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第2の実施形態では、アミノ修飾核酸分子は、四級アンモニウム塩の存在下で、水と水混和性有機溶媒からなる混合物中に溶解している。
【0011】
第1の態様の第1及び第2の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第3の実施形態では、ステップa)の活性化した第1の反応物質は、水中に、又は水混和性有機溶媒と水からなる混合物中に溶解したアミノ修飾核酸分子に添加される。
【0012】
第1の態様の第1、第2、及び第3の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第4の実施形態では、第1の反応物質及び/又は非核酸部分は、ポリアルコキシ化合物、ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、核酸、炭化水素部分、及びペプチド、タンパク質、糖タンパク質、核酸、及び/又は炭化水素に基づく部分とは異なる化学的部分を含む群から選択され、好ましくは第1の反応物質及び/又は非核酸部分は、ポリアルコキシ化合物である。
【0013】
第1の態様の第1、第2、第3、及び第4の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第5の実施形態では、アミノ修飾核酸分子は、分析法、診断、及び/又は治療における使用に適する。
【0014】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、及び第5の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第6の実施形態では、アミノ修飾核酸分子が、アミノ修飾アプタマー、アミノ修飾シュピーゲルマー、アミノ修飾免疫賦活性核酸、アミノ修飾siRNA、アミノ修飾miRNA分子、及びアミノ修飾核酸アンチセンス分子を含む群から選択され、好ましくは、アプタマーは、L-及び/又はD-ヌクレオチドからなるアプタマーであり、並びに/或いは核酸部分が、アプタマー、シュピーゲルマー、免疫賦活性核酸、siRNA、miRNA分子、及び核酸アンチセンス分子を含む群から選択され、好ましくは、アプタマーは、L-及び/又はD-ヌクレオチドからなるアプタマーである。
【0015】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、及び第6の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第7の実施形態では、ステップb)において、活性化した第1の反応物質について、アミノ修飾核酸分子よりも過剰の分子が使用される。
【0016】
第1の態様の第7の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第8の実施形態では、過剰は、活性化した第1の反応物質の分子とアミノ修飾核酸分子とのモル比として表わされ、該モル比は、約1.1~約10、好ましくは約1.5~約3.5である。
【0017】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、及び第8の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第9の実施形態では、ステップa)に基づき第1の反応物質を活性化させるために、第1の反応物質が水混和性有機溶媒に溶解され、縮合性剤及び塩基、好ましくは、最初に縮合性剤、その後に塩基が添加され、好ましくは、前記縮合性剤は水混和性有機溶媒に溶解される。
【0018】
第1の態様の第9の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第10の実施形態では、塩基は、非求核塩基である。
【0019】
第1の態様の第9及び第10の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第11の実施形態では、塩基を添加した後、0.25分~60分の間、好ましくは0.5分~20分の間、及びより好ましくは1.0分~5.0分の間、このようにして得られた溶液が、アミノ修飾核酸分子を含有する溶液に添加され、好ましくは塩基を添加した後1.0分~5.0分の間、縮合性剤及び塩基を含む溶液が、アミノ修飾核酸分子を含有する溶液に添加される。
【0020】
第1の態様の第9、第10、及び第11の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第12の実施形態では、縮合性剤は、
a)ホスホニウム塩、例えばBOP、PyBOP、PyBrop、AOP、PyAOP、BrOP、及びPyClOP等、
b)ウロニウム塩、例えばHCTU、TCTU、TBTU、HBTU、HATU、TOTU、及びCOMU等、並びに
c)カルボジイミド、
を含む群から選択され、好ましくは、縮合溶媒は、PyBOP、TBTU、COMU、HBTU、より好ましくはHBTUである。
【0021】
第1の態様の第12の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第13の実施形態では、カルボジイミドは、DCC(N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)、及びDIC(N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド)を含む群から選択される。
【0022】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、及び第13の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第14の実施形態では、水混和性有機溶媒は、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、エチルホルムアミド、エチルメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルプロパノエート、テトラヒドロフラン、及びジオキサン、好ましくはジメチルホルムアミド、アセトニトリル、及びジメチルスルホキシドを含む群から選択される。
【0023】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、及び第14の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第15の実施形態では、塩基は、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリメチルアミン、及びDBUを含む群、好ましくはジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)から選択される。
【0024】
第1の態様の第9、第10、第11、第12、第13、第14、及び第15の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第16の実施形態では、第1の反応物質に対する塩基のモル比は、1に等しい又はそれを上回る。
【0025】
第1の態様の第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、及び第16の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第17の実施形態では、アミノ修飾核酸分子の溶液は、塩基、好ましくは非求核塩基を含有し、その場合、好ましくはアミノ修飾核酸分子内のホスホジエステルの数に対する非求核塩基のモル比が3を上回る。
【0026】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、及び第17の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第18の実施形態では、ステップa)は、5℃~60℃の温度、好ましくは10℃~40℃の温度、より好ましくは15℃~30℃の温度、最も好ましくは周囲温度で実施される。
【0027】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、及び第18の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第19の実施形態では、ステップb)は、5℃~60℃の温度、好ましくは10℃~40℃の温度、より好ましくは15℃~30℃の温度、最も好ましくは周囲温度で実施される。
【0028】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、及び第19の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第20の実施形態では、活性化した第1の反応物質のカルボキシル基とアミノ修飾核酸分子のアミノ基との反応は、5分~6時間後、好ましくは15分~45分後、より好ましくは15~30分後に完了する。
【0029】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、及び第20の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第21の実施形態では、ステップb)は、7.5~10のpH範囲、好ましくは7.5~9のpH範囲、及びより好ましくは7.5~8.5のpH範囲で実施される。
【0030】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、及び第21の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第22の実施形態では、ステップb)において、アミノ修飾分子の80%~100%が第1の反応物質と反応するまで、好ましくはアミノ修飾核酸分子の90%~100%が第1の反応物質と反応するまで、活性化した第1の反応物質は、アミノ修飾核酸分子の溶液に添加される。
【0031】
第1の態様の第1、第2、第3、第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、及び第22の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第23の実施形態では、ステップb)の終了後に、未反応の第1の反応物質のすべてが限外濾過及び/又はクロマトグラフィーにより、好ましくはイオン交換クロマトグラフィーにより反応から分離される。
【0032】
第1の態様の第23の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第24の実施形態では、分離された第1の反応物質は、ステップa)においてリサイクル及び使用される。
【0033】
第1の態様の第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、及び第24の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第25の実施形態では、ポリアルコキシ化合物は、直鎖状又は分岐状のポリアルコキシ化合物である。
【0034】
第1の態様の第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、第24、及び第25の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第26の実施形態では、ポリアルコキシ化合物は、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロールを含む群から選択される。
【0035】
第1の態様の第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、第24、第25、及び第26の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第27の実施形態では、ポリアルコキシ化合物は、ポリエチレングリコールである。
【0036】
第1の態様の第4、第5、第6、第7、第8、第9、第10、第11、第12、第13、第14、第15、第16、第17、第18、第19、第20、第21、第22、第23、第24、第25、第26、及び第27の実施形態の実施形態でもある第1の態様の第28の実施形態では、ポリアルコキシ化合物は、5,000Da~100,000Da、好ましくは20,000Da~80,000Da、より好ましくは40,000Daの分子量を有する。
【0037】
本発明に潜在する問題は、第1の態様、そのいずれかの実施形態を含め、それに基づく方法により取得される改変された核酸分子により、第2の態様において解決される。
【0038】
本発明に潜在する問題は、治療で使用される、第1の態様、そのいずれかの実施形態を含め、それに基づく方法により取得される改変された核酸分子により、第3の態様において解決される。
【0039】
本発明に潜在する問題は、診断で使用される、第1の態様、そのいずれかの実施形態を含め、それに基づく方法により取得される改変された核酸分子により、第4の態様において解決される。
【0040】
本発明に潜在する問題は、サンプルを分析するin vitroでの方法において、第1の態様、そのいずれかの実施形態を含め、それに基づく方法により取得される改変された核酸分子の使用により、第5の態様において解決される。
【0041】
本発明は、アミノ修飾オリゴヌクレオチドのポリアルコキシル化について、そのプロトコールを改善することで、最新技術分野において公知のポリアルコキシル化核酸のより効率的な製造が可能になるという驚くべき認識に基づく(Hoffmann et.al,Current Protocols in Nucleic Acid Chemistry 2011,4:4.46.1-4.46.30)。本発明は、コンジュゲーション反応直前に、アミノ修飾核酸と、縮合試薬を用いて活性化させたポリアルコキシカルボン酸との反応を含む、ポリアルコキシル化核酸を調製する方法を特に提供する。更に、完了するまで反応を推進するために過剰に使用されたポリアルコキシカルボン酸が、例えば未精製ポリアルコキシル化生成物のUF及び/又はHPLC精製等によって下流処理期間中に回収され得ることが驚くべきことに判明した。乾燥後、リサイクルされたポリアルコキシカルボン酸は、別のポリアルコキシル化反応に再利用可能であった。
【0042】
本発明の方法には、先行技術の方法と比較して様々な長所が付随する。より具体的には、本発明の方法は、より労力を必要とせず、また環境にもなじみやすい製造プロセスであり、カルボキシル基を担持する第1の反応物質が過剰に使用されても、そのリサイクリングを可能にする。また、カルボキシル基を担持する第1の反応物質の調製は、それが必要とする製造ステップがより少なく、したがって先行技術に記載されている活性化したカルボキシル反応物質の調製及び単離よりも労力を必要としない。また、カルボキシル基を担持する第1の反応物質は、先行技術に記載されている活性化したカルボキシル部分よりも安定であり、また特別な冷却保管条件を必要とせず、本発明の方法の長所に加えられる。
【0043】
上記に照らし及び本発明に基づき、ポリアルコキシカルボン酸そのものは、改変された核酸分子及び改変されたオリゴヌクレオチドをそれぞれ形成するために、アミノ修飾核酸分子、例えばアミノ修飾オリゴヌクレオチド等との反応用の出発物質として使用可能であり、それ場合の改変は、好ましくはポリアルコキシ部分、より好ましくはPEG部分である。
【0044】
本発明の方法の一実施形態では、本発明の方法のステップa)において調製される活性化した第1の反応物質は、アミノ修飾核酸分子と反応し、それによって溶液中で反応が生ずる。そのような溶液の要素は、前記活性化した第1の反応物質、及び前記アミノ修飾核酸分子、及び溶媒を含み、その場合、溶媒は水及び水混和性有機溶媒と水からなる混合物を含む群から選択される。好ましくは、活性化した第1の反応物質及び/又はアミノ修飾核酸分子は、溶媒又はそのような溶媒の一部に溶解又は分散される。本明細書において好適に使用される場合、溶媒の一部は、溶媒の1つの相又は溶媒により形成された相のうちの1つである。
【0045】
本発明の方法の一実施形態では、活性化した第1の反応物質が、アミノ修飾核酸に添加され、その場合、アミノ修飾核酸は溶液中に存在するのが好ましい。代替的実施形態では、溶液中に好適に存在するアミノ修飾核酸が、第1の活性化した反応物質、好ましくはステップa)の第1の活性化した反応物質に添加される。
【0046】
本発明の方法の一実施形態では、核酸部分は、核酸分子を含む。
【0047】
本発明の方法の一実施形態では、非核酸部分は、カルボキシル基を担持する。
【0048】
本発明の方法の一実施形態では、アミノ修飾核酸分子は、核酸部分及び該核酸部分に連結したアミノ修飾部を含む。
【0049】
本発明の方法の一実施形態では、アミノ修飾核酸分子は、アミノ修飾核酸分子が第1の反応物質と反応する前に、水中に、又は水混和性有機溶媒と水からなる混合物中に溶解している。したがって、アミノ修飾核酸分子が第1の反応物質と反応する前及びその後において存在する溶液は、溶液及びそのような溶液を形成する溶媒に関してやはり異なる。
【0050】
一実施形態では、本明細書で好適に使用される場合、炭化水素部分は、炭化水素又は炭化水素のポリマーを含む部分である。炭化水素部分として、炭化水素、炭化水素のポリマー、糖タンパク質、ヌクレオチド、及び核酸が挙げられるが、ただしこれらに限定されない。
【0051】
本発明の方法の一実施形態では、アミノ修飾免疫賦活性核酸は、ある一つのアミノ修飾免疫賦活性核酸である。
【0052】
本発明の方法の一実施形態では、免疫賦活性核酸は、ある一つの免疫賦活性核酸である。
【0053】
本発明の方法の一実施形態では、アプタマーは、ワトソン・クリック塩基対形成又はフーグスティーン塩基対形成とは異なる結合を通じて標的と好ましくは結合する標的結合核酸である。好ましくは、アプタマーは、D-ヌクレオチドから構成される。代替的実施形態では、アプタマーは、複数のD-ヌクレオチドと少なくとも1つのL-ヌクレオチドの両方を含む混合型アプタマーであり、その場合、アプタマー内のL-ヌクレオチドの数は、D-ヌクレオチドの数よりも小さいのが好ましい。
【0054】
本発明の方法の一実施形態では、シュピーゲルマーは、L-ヌクレオチドの標的結合核酸であり、同核酸は、ワトソン・クリック塩基対形成又はフーグスティーン塩基対形成とは異なる結合を通じて標的と結合するのが好ましい。好ましくは、シュピーゲルマーは、複数のL-ヌクレオチドから構成される。代替的実施形態では、シュピーゲルマーは、複数のL-ヌクレオチドと少なくとも1つのD-ヌクレオチドの両方を含む混合型シュピーゲルマーであり、その場合、アプタマー内のD-ヌクレオチドの数は、L-ヌクレオチドの数よりも小さいのが好ましい。
【0055】
アプタマー及びシュピーゲルマーは、いずれも改変され得る。そのような改変は、そのようなアプタマー及びシュピーゲルマーのヌクレオチド配列の単一のヌクレオチドと関連し得るが、また当技術分野において周知されている。そのような改変の例は、とりわけ、Venkatesan等の(Venkatesan,N.,Kim,S.J.,et al.,Curr.Med.Chem.10,1973(2003))及びKusserの(Kusser,W.,J.Biotechnol.74,27(2000))により記載されている。そのような改変は、アプタマーを構成する個々のヌクレオチドの2’位に位置するH原子、F原子、又はOCH3基、又はNH2基であり得る。また、本発明によるアプタマーは、少なくとも1つのロックされたヌクレオチド(LNA)又はロック解除されたヌクレオチド(UNA)を含み得る。
【0056】
一実施形態では、本明細書で好ましく使用される場合、周囲温度とは20℃~22℃を意味する。
【0057】
本発明の方法の一実施形態では、アミノ修飾核酸分子は、アミノ基を含む;好ましくは、アミノ基は、カルボキシル基、好ましくは活性化したカルボキシル基と反応することができる。
【0058】
本発明の方法の一実施形態では、活性化した第1の反応物質は、縮合試薬によって活性化した第1の反応物質である;好ましくは、活性化した第1の反応物質は、活性化したカルボキシル基を含む第1の反応物質であり、その場合、活性化したカルボキシル基は、縮合試薬によって活性化した第1の反応物質のカルボキシル基に起因する。
【0059】
本発明の方法の実施形態で使用される四級アンモニウム塩が、水と水混和性有機溶媒からなる混合物中のアミノ修飾核酸分子の溶解度を増強するのに使用される。該四級アンモニウム塩は、テトラアルキルアンモニウム塩化物、テトラアルキルアンモニウム臭化物、テトラアルキルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラアルキル(アンモニウム)ヘキサフルオロホスフェート、テトラアルキル(アンモニウム)硫酸水素塩、テトラアルキル(アンモニウム)リン酸水素塩を含む群から選択され、アルキルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13,14、15、16、17、又は18個のC原子からなるアルキル鎖であり、好ましくは、四級アンモニウム化合物は、テトラブチルアンモニウムブロミドである。
【0060】
本発明の方法の一実施形態では、脂肪酸として、飽和脂肪酸、及び1つ又はいくつかの二重結合を含む不飽和脂肪酸が挙げられる。飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のいずれも、長さ8~30個の炭素原子、すなわち長さ8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30個の炭素原子の鎖を有し得る。
【0061】
本発明の方法の一実施形態では、ステロイドとして、コルチコステロイド、例えばコレステロール等、胆汁酸、例えばコール酸及びリトコール酸等、ステロイドホルモン、例えばコルチゾール又はプロゲステロン等、ステロイドグリコシド、例えばジゴキシゲニン等、及び上記ステロイドの代謝物が挙げられる。
【0062】
本発明の方法の一実施形態では、塩基及び好ましくは非求核塩基が、トリアルキルアミン、例えばジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリメチルアミン、トリイソプロピルアミン等、過アルキル化立体障害型ポリアミノホスファゼン塩基、例えばt-Bu-P4、1,8-ジアザビシクロウンデセン-7-エン(DBU)、2,6-ジ-tert-ブチルピリジン、1,8-ビス(ジメチルアミノ)ナフタレン、リチウムテトラメチルピペリジド、カリウムtert-ブトキシド、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン等を含む群から選択される。好ましい実施形態では、塩基は、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)である。
【0063】
本発明のポリアルコキシル化法は、天然の糖部分を含有する核酸、例えば2’-デオキシリボ核酸(以後「DNA」)及びリボ核酸(以後「RNA」)、並びに改変された糖部分、改変されたリン酸部分、又は改変された核酸塩基を含有する核酸に適用され得る。本発明による方法は、RNA及びDNAの天然の立体異性体に限定されない。また、鏡像DNA(L-DNA)又はRNA(L-RNA)、並びに糖-、リン酸-、又はヌクレオチド-改変型L-DNA又はL-RNA、並びにD/L-ハイブリッドオリゴヌクレオチド及びその改変体を含むポリアルコキシル化核酸は、本発明による方法により調製され得る。糖部分に対する改変には、環サイズの変更(例えば、フラノース、ヘキソース)、単環原子の置換、導入、又は除去(例えば、カルバ糖、アザ糖)、側鎖基又は側鎖原子の置換、導入、又は除去(例えば、2’-F、2’OMe)、非環式誘導体又はポリ環状誘導体(例えばロック解除された核酸、アミノ酸核酸、ロックされた核酸、三環式核酸)による環の置換、核酸塩基の配向又は位置(α-アノマー配向、ヘキシトール核酸)が含まれる。オリゴヌクレオチドは、1つ又は複数の天然又は非天然の脱塩基部分(abasic moiety)(例えば、テトラヒドロフラン、エチレングリコール)から構成される可能性もある。改変されたリン酸部分として、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホネート、アルキルホスフェート、ホスホロアミデート、及びホスホロチオアミデートが挙げられる。核酸塩基の改変は、自然発生的な、例えばイノシン、キサンチン、5,6-ジヒドロウラシル、又は5-メチルシトシン等、又は人工的な改変、例えばC5-アルキニルピリミジン、N-アルキル化プリン及びピリミジン、ピリミジン及びプリンのC6-及び/又はC5-誘導体等であり得る。核酸は、1つ又は複数の上記命名の改変も含み得る又はそれから構成される。
【0064】
核酸をアセンブルする方法は当技術分野において周知されている。複数の実施形態において、核酸は、固体支持体上の出発核酸に対する、保護された構成ブロックのステップワイズカップリングを利用するアミド亜リン酸法によりアセンブルされる(Beaucage et.al.,Tetrahedron 1992,48(12),2223-2311)。好ましい実施形態では、合成方向は、3’から5’方向であるが、しかし5’から3’方向の逆合成も適用可能である(Srivastava et.al.Nucleic Acids Symposium Series 2008,52,103-104)。所望の核酸配列がアセンブルされ、そして下流処理するためのすべての必要な改変が導入されたら、核酸は、固体支持体から切り離され、脱保護される。核酸は、次に当技術分野において公知の任意の手段により精製され得る。
【0065】
一般的に、切断及び脱保護ステップは、アンモニア及び/又はアルキルアミン又はアンモニア塩の利用と関係する。例えば、RNAは、NH3/MeNH2とその後のNEt3・HF又はBu4NFにより切り離される。ポリアルコキシル化が後続する場合、このようなアミン及びアンモニウム塩はポリアルコキシル化期間中にカップリング効率を低下させる望ましくない副反応を引き起こすので、除去されなければならない。アミン種の除去は、大量のナトリウム塩の添加、その後の沈殿若しくは限外濾過により実施可能である塩交換により、又はIEX-HPLC期間中にナトリウム塩グラジエントを使用して溶出させることにより達成される。IEX-HPLC精製後、ポリアルコキシル化前に過剰の塩を除去することも必要である。必要な場合には、複数の異なる技術が適用可能である。好ましい実施形態では、塩交換とその後の限外濾過は、ポリアルコキシル化前に使用される。第2の反応物質内の、好ましくはアミノ修飾核酸分子、例えばオリゴヌクレオチド等内のアミノ修飾の位置は、第2の反応物質の、好ましくはアミノ修飾核酸分子、例えば、オリゴヌクレオチド等の3’末端、及び/又は5’末端上、及び/又は3’末端ヌクレオチドと5’末端ヌクレオチドの間の任意の位置であり得る。本発明を説明する実施例で使用されるアミノ修飾核酸を実施例1~3に基づき合成及び精製した。
【0066】
本発明で使用可能であるポリアルコキシ化合物として、ポリ(酸化エチレン)、ポリ(酸化プロピレン)、及び混合型のポリ(酸化エチレン)/ポリ(酸化プロピレン)化合物が挙げられる。ポリアルコキシ化合物は、好ましくは式:PrO-(CH2CH2O-)x-(CH2CHRO-)y-(CH2CH2O-)zQの化合物であり、式中x、y、及びzは、それぞれ独立してゼロ又は正の整数であるが、ただし、x、y、及びzのうちの少なくとも1つはゼロでない;Rは、H又はアルキル、例えばC1、C2、C3、又はC4アルキル等、好ましくはメチル基であり、Prは、キャッピング基又はラベリング基であり、及びQは、オリゴヌクレオチドとのカップリングを可能にする基である。x、y、又はzがゼロではないとき、それらは一般的に最大1000である。いくつかの実施形態では、xは3~1000、例えば100~500であり、及びyとzのいずれもゼロである。その他の実施形態では、x及びyは、それぞれ独立して3~1000、例えば100~500あり、及びzはゼロである。なおもその他の実施形態では、x及びzは、それぞれ独立して3~500、例えば100~300であり、及びyは、3~1000、例えば100~500である。好ましくは、ポリアルコキシ化合物は、例えば、C1、C2、C3、又はC4アルキル、好ましくはメチル基によりキャップ化される。Prにより表され得るラベリング基として、フルオレセイン及びビオチンが挙げられ、又は例えば、チオール、マレイミド、アジド、又はアルキン等の任意のその他の反応性の基もやはり挙げられ得る。使用されるポリアルコキシ化合物は、そのおよその平均分子量及び省略された化学的名称により一般的に識別される(例えば、PEG=ポリ(エチレングリコール);PPG=ポリ(プロピレングリコール))。ポリアルコキシ化合物は、直鎖状又は分岐状であり得るが、また約0.2kD~約60kD、好ましくは約2kD~約40kDの平均分子量を一般的に有する。ポリアルコキシ化合物が分岐状であるとき、オリゴヌクレオチドとのカップリングを可能にする基Qは、2つ又はそれ超のポリアルコキシ部分を担持し得る。例えば、Qは、2つのポリアルコキシ部分及び反応性の基を担持するリジン又は同等の部分に該当し得る。本発明の方法の好ましい実施形態では、オリゴヌクレオチドとのカップリングを可能にする基Qはカルボン酸部分を含む。好ましくは、ポリアルコキシ化合物はPEGである。
【0067】
カルボン酸とアミンとの間のアミド結合形成は、カルボキシル基を含む第1の反応物質と、第2の反応物質、すなわちアミノ基を含むアミノ修飾核酸分子の間で、本発明の方法において好適に実現されるが、そのようなアミド結合の形成は160~180℃で達成され得る縮合反応である(Jursic,B.S.;Zdravkovski,Z.Synth.Commun.1993,23,2761-2770)。ただし、高温はオリゴヌクレオチドにとって不適である。したがって、カルボン酸は、例えばエステルとして活性化される。電子求引性アルコール、例えばp-ニトロフェノール(pNP)、ペンタフルオロフェノール、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)等からなるエステルは、カルボニル中心において求電子性の増加を示し、したがってこれらのエステルと多種多様な求核試薬との反応を容易にする。本明細書によれば、この種類のアルコールが本発明の方法の複数の実施形態において好ましい。カルボン酸は穏和な条件下でアミンと反応して所望のアミドを生み出す。ポリアルコキシカルボン酸が生体分子、例えばDNA、RNA、又はタンパク質等とコンジュゲーションする場合、最も一般的には、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(NHS-エステル)が使用される。
【0068】
好ましくは、アミノ修飾オリゴヌクレオチドとPEG-NHS-エステルとの反応は、水性の有機溶媒、又は水及び水混和性有機溶媒を含む溶液中で実施される。好ましい有機溶媒は、非プロトン性、極性であり、例えばDMF、DMSO、NMP、又はアセトニトリルが挙げられる。水混和性有機溶媒を含む溶液中の有機溶媒の濃度は、約10%から約75%まで変化し得る。核酸、例えば、オリゴヌクレオチド等は、第2の反応物質に同様に適用されるのが一般的である、わずかにアルカリ性の水溶液中で通常使用される又はその中に存在する。わずかにアルカリ性のpHバッファーを実現するために、例えば重炭酸ナトリウム又はホウ酸ナトリウム等の他、非求核性三級アミン塩基、例えばNEt3又はDIPEA等が使用可能である。好ましくは、オリゴヌクレオチド溶液のpHは、8.5~9.5に調整される。緩衝化するために非求核性アミンを使用する場合、これは、存在するオリゴヌクレオチドにより提供されるホスホジエステル架橋の合計数に対して2~5倍過剰の塩基を添加することにより達成され得る。PEG-NHS-エステルは、水混和性有機溶媒中の溶液として使用され、そしてオリゴヌクレオチドの水溶液に添加された際には、なおも溶液の状態に留まる。PEG-NHS-エステルのモル比及びオリゴヌクレオチドのモル比は、オリゴヌクレオチドにより提供される反応性のアミノ基1つに対して、スケール及び反応性に応じて1:1から5:1まで変化し得る。PEG-NHS-エステルの添加は、反応が終了するまで継続するのが好ましい。反応は、当業者にとって利用可能なあらゆる分析技法により追跡可能である。本発明の複数の実施形態において、RP-HPLCが、PEG化反応を追跡するのに適用される。最良の変換を実現するために、温度は周囲温度から45℃まで変化し得る。
【0069】
上記ポリアルコキシカルボン酸-NHSエステル、又はより具体的にはPEG-NHSエステルは、別の反応において事前形成されるのが好ましく、その後精製され、本発明の方法でそれを利用するまで保管される。NHS-エステルは、例として、縮合剤、例えばカルボジイミド、例えば、DCC、EDC、又はDIC等の存在下で、カルボン酸とNHSを反応させることにより調製される。ペプチド化学では、過剰の縮合剤は、カルボン酸とアミンの間のアミド結合形成において利用可能である。縮合剤の群は、ホスホニウム塩、例えばBOP、PyBOP、PyBrop、AOP、PyAOP、BrOP、及びPyClOP等、ウロニウム塩、例えばHCTU、TCTU、TBTU、HBTU、HATU、TOTU、及びCOMU等、並びに多くのその他(C.A.G.N.Montalbetti,V.Falque Tetrahedron,2005,61,10827-10852,Ayman El-Faham and Fernando Albericio,Chem.Rev.,2011,111,(11),6557-6602)を含み、そのすべてが本発明の実施形態で使用され得る。縮合剤は、カルボン酸と反応して、アミン又はその他の求核試薬に対して高い反応性を有するエステルを形成する試薬であり、これにより穏和な条件下で所望の縮合反応を可能にする。溶液中でのアミド結合形成及び固相ペプチド合成は、含水量が低い有機溶媒、例えばDMF、NMP、DMSO、ACN、又はCH2Cl2等の中で実施される。しかし、オリゴヌクレオチドは、水を含まない有機溶媒中に溶解しない。
【0070】
本発明者は、縮合試薬を用いたPEG-COOHの活性化が、水混和性有機溶媒中で0.5分~60分間、好ましくは1~20分間実施され、その後に水中のアミノ修飾オリゴヌクレオチドに対して活性化したPEGの添加が後続する場合、PEG化されたオリゴヌクレオチドの調製という文脈において、上記のような一般的な縮合試薬が、PEGカルボン酸(PEG-COOH)の活性化に対して非常に効率的に使用可能であることを驚くべきことに更に見出した(実施例4~10を参照)。
図3は、PEG化前の未精製5’-アミノ修飾L-RNAシュピーゲルマーNOX-E36(5’-NH
2-NOX-E36、表1、エントリー1)を、A)IEX-HPLCにより、及びC)RP-HPLCにより分析した際の代表的なクロマトグラムを示す。40kDaのPEG-COOH及び縮合化試薬HBTUを用いたPEG化後の未精製5’-NH
2-NOX-E36の代表的なクロマトグラムを、
図3B及び
図3Dにそれぞれ示す(実施例9)。提示する実施例において、遅れて溶出する生成物のピークのUV領域の割合(%)が、IEX-HPLCにより判明した5’-アミノ修飾オリゴヌクレオチドの完全長生成物含有量の割合(%)に等しい又はそれよりわずかに高い場合には、RP-HPLC分析は完全変換を示唆する。例えば、実施例4~10で使用した未精製5’-NH
2-NOX-E36は、IEX-HPLCにより完全長生成物について47%の純度を示す。粗生成物は、所望のヌクレオチド配列を有さないアミノ修飾種、例えば欠陥及び付加配列等を最大15%含有し、それもやはりPEG化可能である。したがって、この場合、RP-HPLCによる生成物ピークのUV領域のうち、その最大60%が完全変換に帰属し得る(実施例5)。
【0071】
PyBOP、TBTU、又はCOMUを使用したとき、同等の結果を実現した(実施例4~7)。また、小分子のカルボン酸は、アミノ修飾オリゴヌクレオチドと効率的にカップリングすることが実証された。実施例11に示すように、ビオチンは非常に高い効率で活性化され、5’-NH
2-NOX-A12とカップリングした(表1、エントリー2)。事前活性化するためにHBTUを使用してビオチン化を行う前の、未精製5’-NH
2-NOX-A12のIEX-HPLC分析結果を、
図4Aに示す。得られた未精製5’-ビオチン-NOX-A12のLC-MS及びIEX-HPLC分析結果を
図4B及び
図4Cに示すが、ビオチン化された生成物について正しい分子量及び期待されるリテンションタイム変化が検証される。
【0072】
更に、本発明者は、完了するまでPEG化反応を推進するのに使用される過剰のPEG-COOH、例えば40kDaのPEG-COOH等は、未精製のPEG化されたオリゴヌクレオチドの限外濾過(実施例12)により、又はIEX-精製期間中に、未精製の反応混合物から回収され得ることを驚くべきことに見出した(実施例15)。反応に含まれる小分子、例えば縮合試薬、有機溶媒、又は塩等をUF及び後続する乾燥ステップにより除去した後(実施例16)、回収されたPEG-COOHはアミノ修飾オリゴヌクレオチドのPEG化において再使用可能であった(実施例18、19、及び22)。PEG化前の未精製5’-NH
2-NOX-A12のIEX-HPLC分析結果を
図5Aに示す。「新鮮な」PEG-COOHによるPEG化後の未精製NOX-A12の代表的なIEX-クロマトグラムを、
図5Bに示す。得られた精製後のPEG化されたNOX-A12生成物の代表的なIEX-クロマトグラムを、
図5Cに示す。「新鮮な」PEG-COOHと比較して、リサイクルされた40kDaのPEG-COOHは、類似した高いコンジュゲーション効率を示した(それぞれ実施例18、19、及び17)。PEG化された生成物の収量及び品質は、「新鮮な」及びリサイクルされた40kDaのPEGについて同じように高かった。
図5C及び
図5Eは、「新鮮な」及び「リサイクルされた」40kDaのPEG-COOHでPEG化した後の精製後のPEG化されたNOX-A12の代表的なIEX-HPLC分析結果をそれぞれ示す。
【0073】
本発明は、アミノ修飾核酸分子、例えばオリゴヌクレオチド等のポリアルコキシル化において、ポリアルコキシカルボン酸NHS-エステルの代わりにポリアルコキシカルボン酸を使用することで、本発明が優れていることを証明する。中間体の生成及びポリアルコキシカルボン酸からの活性化したすべてのNHS-エステルの単離を一切必要とせず、これにより全体的な反応ステップの数を低下させるので、この方法は優れている。また、ポリアルコキシカルボン酸は、湿気に敏感なポリアルコキシカルボン酸NHSエステルよりも安定であり、また保管が容易である。更に、本発明の方法は、完了するまで反応を推進するために過剰に使用されるのが一般的である試薬の経済的な再使用を可能にする。
【0074】
本明細書によれば、また本発明の方法の一実施形態では、その様々な実施形態において、ステップb)の終了後、未反応の第1の反応物質は、好ましくは限外濾過及び/又はクロマトグラフィー、好ましくはイオン交換クロマトグラフィーによって反応からすべて分離される。過剰の第1の反応物質の性質に応じて、未反応の物質、すなわち未反応の第1の反応物質は、限外濾過(UF)又はクロマトグラフィーにより、核酸分子から、より具体的には改変された核酸分子から、好ましくは所望の改変された核酸分子から分離され得る。第1の反応物質と非改変型及び改変型核酸分子の間で、分子量と関連する流体力学的容積に十分に大きな差異が存在する場合、UFが最良の方法である。或いは、第1の反応物質と非改変型及び改変型核酸分子の間の電荷又は親油性の差異の場合、イオン交換(IEX HPLC)又は逆相(RP HPLC)クロマトグラフィーが使用され得る。非電荷(中性)の第1の反応物質、例えばポリアルコキシ化合物、ステロイド、炭化水素、及び脂肪酸等の場合、樹脂は核酸に対するよりも第1の反応物質に対して弱い親和性を有するので、IEX-HPLCが最良の方法である。両親媒性のペプチド、タンパク質、又は糖タンパク質の場合、IEX-HPLC又はRP-HPLCが採用され得る。
【0075】
核酸が核酸分子であることは本発明の範囲内である。別途記載のない限り、核酸及び核酸分子という用語は、本明細書において同義で使用される。更に、そのような核酸(複数可)は、本明細書において、本発明による核酸分子(複数可)、本発明による核酸(複数可)、本発明の核酸(複数可)、又は本発明の核酸分子(複数可)も好ましくは意味する。更に、核酸がオリゴヌクレオチドであるということも本発明の範囲内である。それに照らせば、本出願の本開示は、明確に換言されない限り、オリゴヌクレオチドを意味する範囲において、あらゆる核酸に同じように適用され、またその逆も成り立つものと理解される。また、本発明の方法におけるオリゴヌクレオチドの使用と関連して本明細書に提示する論説は、いずれも本発明の方法における第1の反応物質及びその使用に対して同じように適用される
【0076】
別の態様では、本発明は、本発明の方法により取得される改変された核酸分子と関連する。
【0077】
更なる態様では、本発明は、治療で使用される、本発明の方法により取得される改変された核酸分子と関連する。治療におけるそのような使用は、それを必要としている対象に対する改変された核酸分子の投与を含む。そのような対象は、疾患に罹患している、又は疾患に罹患するリスクを有するヒトであるのが好ましい。そのような使用では、改変された核酸分子は、そのような疾患を治療する、又はそのような疾患を予防する能力を有する。
【0078】
なおも更なる態様では、本発明は、診断で使用される、本発明の方法により取得される改変された核酸分子と関連する。そのような診断は、in vivo診断又はin vitro診断であり得る。In vivo診断の場合、改変された核酸分子は、診断される対象に投与される。そのような対象は、疾患に罹患している、疾患に罹患するリスクを有する、又はそのような疾患の罹患若しくは発症が疑われるヒトであるのが好ましい。そのような使用では、改変された核酸分子は、疾患と関連するバイオマーカーに結合する能力を有する。
【0079】
最後に、別の態様において、本発明は、サンプルを分析するin vitroでの方法における、本発明の方法により取得される改変された核酸分子の使用と関連する。そのようなサンプルの分析は、アナライトの有無を検出するように意図されている。そのように使用される場合、核酸分子はアナライトに結合する能力を有する。
【0080】
本発明の方法により取得される改変された核酸分子の分析上及び診断上のアプリケーションは、核酸をin vitro若しくはin vivoでハイブリダイゼーションする方法、又はアプタマーの場合、核酸を標的分子とin vitro若しくはin vivoで結合させる方法、及び放射能、光の吸収又は放射率によってハイブリダイズした又は結合した核酸を検出する方法を包含し得ることを、当業者は理解するであろう。
【0081】
合成アプリケーションには、不整触媒、核酸コード化ライブラリー、及びアフィニティークロマトグラフィーにおける核酸の使用が含まれる。
【0082】
本発明に基づく核酸は、好ましくはホスホジエステルリンク又は結合を通じて、相互に共有結合したヌクレオチドから構成されるのが好ましいものと当業者は理解するであろう。本発明が主題とする核酸分子中に存在するその他のリンク又は結合は、それぞれホスホチオエートリンク及び結合、並びにそれぞれホスホアミデートリンク及び結合である。
【0083】
縮合化剤及び縮合性剤という用語は、本明細書では同義的に使用されるものと理解される。
【0084】
用語「本発明の(of the invention)」及び「本発明の(of the present invention)」は、本明細書では同義的に使用されるものと理解される。
【0085】
本明細書で示される割合(%)は、いずれも容積/容積(v/v)であると理解される。
【0086】
本発明は、表、図、及び実施例によって更に例証されるが、それらから更なる特性、実施形態、及び利点が把握され得る。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】本発明に基づく方法の概略的な図表現を示す図である。
【
図2】反応性のアミノ基の核酸への導入を可能にする試薬を示す図である。
【
図3A】PEG化前の5’NH
2-NOX-E36について、その代表的な未精製合成生成物のIEX-HPLC分析結果を示す図である。
【
図3B】PEG化後の5’NH
2-NOX-E36について、その代表的な未精製合成生成物のIEX-HPLC分析結果を示す図である。
【
図3C】PEG化前の5’NH
2-NOX-E36について、その代表的な未精製合成生成物のRP-HPLC分析結果を示す図である。
【
図3D】PEG化後の5’NH
2-NOX-E36について、その代表的な未精製合成生成物のRP-HPLC分析結果を示す図である。
【
図4A】コンジュゲーション前の5’NH
2-NOX-A12について、その代表的な未精製合成生成物のIEX-HPLC分析結果を示す図である。
【
図4B】ビオチンコンジュゲーション後の5’NH
2-NOX-A12について、その代表的な未精製合成生成物のLCMS分析結果を示す図である。
【
図4C】ビオチンコンジュゲーション後の5’NH
2-NOX-A12について、その代表的な未精製合成生成物のIEX-HPLC分析結果を示す図である。
【
図5A】PEG化前の5’NH
2-NOX-A12について、その代表的な未精製合成生成物のIEX-HPLC分析結果を示す図である。
【
図5B】「新鮮な」PEGを用いてPEG化した後の5’NH
2-NOX-A12について、その代表的な粗生成物のIEX-HPLC分析結果を示す図である。
【
図5C】「新鮮な」PEGを用いてPEG化した後の5’NH
2-NOX-A12について、その代表的な精製後生成物のIEX分析結果を示す図である。
【
図5D】「リサイクルされた」PEGを用いてPEG化した後の5’NH
2-NOX-A12について、その代表的な粗生成物のIEX-HPLC分析結果を示す図である。
【
図5E】「リサイクルされた」PEGを用いてPEG化した後の5’NH
2-NOX-A12について、その代表的な精製後生成物のIEX分析結果を示す図である。
【0088】
【実施例】
【0089】
[実施例1]
RNAの合成
RNAシュピーゲルマーを、AktaPilot100シンセサイザー(GE Healthcare社、Freiburg)を使用して、48mLの体積固定式のカラム内で2’-TBDMS RNAホスホラミダイト化学を使用する固相合成法により生成した(Damha and Ogilvie,Methods in Molecular Biology,1993,81-114,The Humana Press Inc.,Totowa,New Jersey)。L-rA(N-Bz)-、L-rC(Ac)-、L-rG(N-ibu)-、及びL-rU-ホスホラミダイトは、ChemGenes社からを購入した(Wilmington、MA、米国)。5’-アミノ修飾剤amC6をChemGenes社から購入した(Wilmington、MA、米国)。アミノ修飾シュピーゲルマーの合成を、L-riboG、又はL-riboC修飾CPG、ポアサイズ600Å上で開始した(Prime Synthesis社、Aston、PA、米国)。代替法として、3’アミノ(TFA)修飾CPG、ポアサイズ1000Å(ChemGenes社、Wilmington、MA、米国)も使用可能であった。カップリング(1サイクル当たり12分)では、アセトニトリル中の0.6Mのエチルチオテトラゾール(Azide Chemical Co.,Ltd社、Anzhen、Wuxi、CN)、及びアセトニトリル中の0.2Mホスホラミダイト溶液について、それぞれ1.5~4等量を使用した。キャッピング-酸化サイクルを使用した。オリゴヌクレオチド合成用の標準的な溶媒及び試薬は、Biosolve社(Valkenswaard、NL)、Proligo社(Hamburg、D)、VWR社(Karlsruhe、D)、又はSigma Aldrich社(Taufkirchen、D)からを購入した。シュピーゲルマーは、5’-MMT-ONで合成した。Wincott等(Wincott,Nucleic Acids Research 1995,23(14),2677-2684)に基づき、ただし軽微な改変を施して切断及び脱保護を実現した。詳細には、自動的合成を終了したら、CPG結合オリゴヌクレオチド(700μmol)を短時間乾燥し、そしてガラスボトルに移した。200mLのaq.MeNH2(40%)を添加し、そして懸濁物を室温で軽くかき混ぜた。90分後、スラリーを濾過し、そして残留CPGをaq.EtOH(50%)で数回洗浄した。一つにまとめた濾過液を濃縮し、そして最終的に乾燥するまで凍結乾燥した。2’-TBDMS基の除去では、乾燥粗生成物を、120mLのDMSO、その後に60mLのNEt3及び80mLのNEt3・3HFに溶解した。この混合物を65℃で2時間軽くかき混ぜた。2’-TBDMS基の切断後、1Lの氷水を添加することにより反応を急冷した。酢酸(25mL)を添加してMMT基の除去を促進した。その後、2kDaの再生セルロース膜(Sartorius社、Gottingen、D)を使用するタンジェンシャルフロー濾過により、シュピーゲルマーを脱塩した。塩交換では、0.25MのNaCl溶液、3Lを添加し、そして溶液をタンジェンシャルフロー濾過により脱塩した。最終的に、生成物を採取し、凍結乾燥により乾燥した。
【0090】
[実施例2]
5’NH2-NOX-E36の合成(1prePEG)
実施例1に記載されている手順を適用し、ヌクレオチドカップリング1サイクル当たり2eq.のアミダイトを用いて5’NH2-NOX-E36(1prePEG)をアセンブルするのに、L-rG CPG(600Å、70μmol/g、711μmol)、10.2gを使用した。UF後の収量:150732OD、純度:47%、質量:12997Da(観測値)、12996Da(計算値)。
【0091】
[実施例3]
5’NH2-NOX-A12の合成(2prePEG)
実施例1に記載されている手順を適用し、ヌクレオチドカップリング1サイクル当たり2.5eq.のアミダイトを用いて5’NH2-NOX-A12(2prePEG)をアセンブルするのに、L-rC CPG(600Å、72μmol/g、123μmol)、1.7gを使用した。UF後の収量:23985OD、純度:52%、質量:14656Da(観測値)、14656Da(計算値)。
【0092】
[実施例4]
活性化用としてPyBOP及び共溶媒としてDMFを使用した5’NH2-NOX-E36のPEG化
水、1mLに、1000OD(40mg、1.54μmol)の5’NH2-NOX-E36(1prePEG)を溶解した溶液に対して、DMF、750mLにBu4NBr、193mg(600μmol)を溶解した溶液を、その後にDIPEA、69μL(52mg、405μmol)を添加した。別の反応槽では、DMF、2.5mLに、40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、92mg(2.31μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、DMF、60μLに溶解したPyBOP、1.8mg(3.5μmol)を、その後にDIPEA、6.0μL(4.6mg、35μmol)を添加した。PEG溶液を、次に徹底的にボルッテックス撹拌し、そして2分後、オリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、52%の変換が明らかとなった。
【0093】
[実施例5]
活性化用としてPyBOP及び共溶媒としてDMSOを使用した5’NH2-NOX-E36のPEG化
水、1mLに、1000OD(40mg、1.54μmol)の5’NH2-NOX-E36(1prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、2mLにBu4NBr、193mg(600μmol)を溶解した溶液を、その後にDIPEA、69μL(52mg、405μmol)を添加した。別の反応槽では、ACN、0.5mLに、40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、92mg(2.31μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、60μLに溶解したPyBOP、1.8mg(3.5μmol)を、その後にDIPEA、6.0μL(4.6mg、35μmol)を添加した。PEG溶液を、次に徹底的にボルッテックス撹拌し、そして2分後、オリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、60%の変換が明らかとなった。
【0094】
[実施例6]
活性化用としてTBTUを使用した5’NH2-NOX-E36のPEG化
水、1mLに、1000OD(40mg、1.54(μmol))の5’NH2-NOX-E36(1prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、2mLにBu4NBr、193mg(600μmol)を溶解した溶液を、その後にDIPEA、69μL(52mg、405μmol)を添加した。別の反応槽では、ACN、0.5mLに、40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、92mg(2.31μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、60μLに溶解したTBTU、1.1mg(3.5μmol)を、その後にDIPEA、6.0μL(4.6mg、35μmol)を添加した。PEG溶液を、次に徹底的にボルッテックス撹拌し、そして2分後、オリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を、30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、59%の変換が明らかとなった。
【0095】
[実施例7]
活性化用としてCOMUを使用した5’NH2-NOX-E36のPEG化
水、1mLに、1000OD(40mg、1.54μmol)の5’NH2-NOX-E36(1prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、2mLにBu4NBr、193mg(600μmol)を溶解した溶液を、その後にDIPEA、69μL(52mg、405μmol)を添加した。別の反応槽では、ACN、0.5mLに、40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、92mg(2.31μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、60μLに溶解したCOMU、1.5mg(3.5μmol)を、その後にDIPEA、6.0μL(4.6mg、35μmol)を添加した。PEG溶液を、次に2分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、45%の変換が明らかとなった。
【0096】
[実施例8]
Bu4NBrの存在下、活性化用としてHBTUを使用した5’NH2-NOX-E36のPEG化
水、1mLに、1000OD(40mg、1.54μmol)の5’NH2-NOX-E36(1prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、2mLにBu4NBr、193mg(600μmol)を溶解した溶液を、その後にDIPEA、69μL(52mg、405μmol)を添加した。別の反応槽では、ACN、0.5mLに、40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、92mg(2.31μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、7.5μLに溶解したHBTU、1.3mg(3.5μmol)を、その後にDIPEA、6.0μL(4.6mg、35μmol)を添加した。PEG溶液を、次に5分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、42%の変換が明らかとなった。
【0097】
[実施例9]
Bu4NBrの非存在下、活性化用としてHBTUを使用した5’NH2-NOX-E36のPEG化
水、6mLに、6000OD(240mg、9.23μmol)の5’NH2-NOX-E36(1prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、12mLを、その後にDIPEA、414μL(307mg、2.38mmol)を添加した。別の反応槽では、ACN、2.5mLに、40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、554mg(13.8μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、100μLに溶解したHBTU、7.85mg(20.7μmol)を、その後にDIPEA、36.0μL(26.8mg、207μmol)を添加した。PEG溶液を、次に5分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、45.5%の変換が明らかとなった。
【0098】
[実施例10]
Bu4NBrの非存在下、活性化用としてHBTUを使用した5’NH2-NOX-A12のPEG化
水、16mLに、15966OD(638mg、19.6μmol、50%FLP)の5’NH2-NOX-A12(2prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、32mLを、その後にDIPEA、1.12mLを添加した。別の反応槽では、ACN、8mLに、40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、1.97g(49.3μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、200μLに溶解したHBTU、19.9mg(52.5μmol)を、その後にDIPEA、83μLを添加した。PEG溶液を、次に5分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、58%の変換が明らかとなった。
【0099】
[実施例11]
活性化用としてHBTUを使用した5’NH2-NOX-A12のビオチン化
水、200μLに、200OD(8mg、0.237μmol、50%FLP)の5’NH2-NOX-A12(2prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、400μLを、その後にDIPEA、12.5mLを添加した。別の反応槽では、DMSO、90μLに、ビオチン、0.167mg(0.683μmol)を溶解した。ビオチン溶液に対して、ACN、10μLに溶解したHBTU、0.259mg(0.683μmol)を、その後にDIPEA、1.8μLを添加した。ビオチン溶液を、次に1分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、55%の変換が明らかとなった。3Mの酢酸ナトリウム溶液、20μL、及びEtOH、10mLを添加して粗生成物を析出させ、そして-20℃で2時間保管した。析出物を遠心分離(4000g)及びデカンテーションにより収集した。ペレットを水に溶解し、そしてサイズ排除クロマトグラフィーにより脱塩して、159OD(6.4mg、0.192μmol)のビオチン化されたNOX-A12が得られ、IEX-HPLCにより純度は45%であった。MS:14883Da(計算値)、14883Da(観測値)。
【0100】
[実施例12]
5’NH2-NOX-A12のペグ化後に過剰に存在する40kDa PEG-COOHのUFリサイクリング
実施例10に基づき調製した7983ODの未精製NOX-A12PEG化生成物の一定分量について、30kDa分子量カットオフ(MWCO)再生セルロース膜(Sartorius社、Gottingen、D)を使用するタンジェンシャルフロー限外濾過(UF)を実施した。ポンプ圧力を1バールに設定し、そしてフィードとして水、10Lを使用した。被保持液を採取し、そして凍結乾燥して無色の固形物、0.87g(7264OD)を得た。濾液をその後濃縮し、そして2kDaカットオフ再生セルロース膜(Sartorius社、Gottingen、D)を使用するタンジェンシャルフロー濾過により脱塩した。ポンプ圧力を1バールに設定し、そしてフィードとして水を使用した。この方法を、濾液の示す導電性が20μS/cm未満となるまで継続した。被保持液を採取し、凍結乾燥して無色の固形物として40kDaのPEG-COOH、0.51gを得た。
【0101】
[実施例13]
未精製のNOX-A12PEG化混合物の限外濾過
実施例10に基づき調製した7983ODの未精製NOX-A12PEG化生成物の別の一定分量について、2kDaのMWCO再生セルロース膜(Sartorius社、Gottingen、D)を使用するタンジェンシャルフロー限外濾過(UF)を実施した。ポンプ圧力を1バールに設定し、そしてフィードとして水、10Lを使用した。被保持液を採取し、凍結乾燥して無色の固形物、1.38g(7829OD)を得た。
【0102】
[実施例14]
PEG化されたNOX-A12のIEX-HPLC精製及び後続するUF
実施例12で得られた未精製NOX-A12生成物、0.87g(7264OD)を、IEX-HPLCクロマトグラフィーにより更に精製した。6000ODのサンプルの水溶液を、12mLのTOSOH Super Q5PW IEX-HPLCカラム(樹脂1mL当たり500OD、50℃)にチャージし、そして50℃で下記のバッファー系からなるグラジエントを適用することにより溶出させた(バッファーA:25mMのNa2HPO4、pH7.5、10%のACN;バッファーB:25mMのNa2HPO4、1MのNaBr、pH7.5、10%のACN;グラジエント:25CVにおいて5%B~35%B)。生成物を含有する分画(IEX-HPLCにより75%を超えるFLP)をすべて一つにまとめ(842OD)、5kDaのMWCO再生セルロース膜(ミリポア社、Bedford、MA)を使用するUFにより脱塩し、最終的に凍結乾燥した。収量:801OD、76%FLP。
【0103】
[実施例15]
5’NH2-NOX-A12のPEG化後に過剰に存在する40kDa PEG-COOHのIEX-HPLCリサイクリング
実施例13で得られた未精製NOX-A12生成物(1.38g、7829OD)を、IEX-HPLCクロマトグラフィーにより更に精製した。6000ODのサンプルの水溶液を、12mLのTOSOH Super Q5PW IEX-HPLCカラム(樹脂1mL当たり500OD、50℃)にチャージし、そして50℃で下記のバッファー系からなるグラジエントを適用することにより溶出させた(バッファーA:25mMのNa2HPO4、pH7.5、10%のACN;バッファーB:25mMのNa2HPO4、1MのNaBr、pH7.5、10%のACN;グラジエント:25CVにおいて5%B~35%B)。ローディング及び2CVローディング後洗浄の期間中、通過画分を収集し、2kDaのMWCO再生セルロース膜(Sartorius社、Gottingen、D)により脱塩し、そして凍結乾燥して無色の40kDa PEG-COOHの固形物、410mgを得た。生成物を含有する分画(IEX-HPLCにより75%を超えるFLP)をすべて一つにまとめ(1004OD)、5kDaのMWCO再生セルロース膜(ミリポア社、Bedford、MA)を使用するUFにより脱塩し、そして最終的に凍結乾燥した。収量:1042OD、76%FLP。
【0104】
[実施例16]
5’NH2-NOX-A12のPEG化において後続的に使用されるリサイクルされた40kDa PEG-COOHの乾燥
実施例12及び15に例示するように、IEX-HPLCクロマトグラフィー又はタンジェンシャルフロー濾過により回収した40kDaのPEG-COOHを、アセトニトリル(20mL/g)に溶解し、そしてモレキュラーシーブ乾燥パッド上、オーバーナイトで保管して残留水分をすべて取り除いた。モレキュラーシーブを除去し、そしてPEG溶液を減圧濃縮した。
【0105】
[実施例17]
「新鮮な」40kDa PEG-COOH、及び活性化用としてHBTUを使用する5’NH2-NOX-A12のPEG化
水、100μLに、100OD(4mg、0.14μmol、50%FLP)の5’NH2-NOX-A12(2prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、200μLを、その後にDIPEA、7.5mLを添加した。別の反応槽では、ACN、60μLに、「新鮮な」40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、13.7mg(0.34μmol)を溶解した。PEG-COOH溶液に対して、ACN、10μLに溶解したHBTU、0.13mg(0.34μmol)を、その後にDIPEA、0.6μLを添加した。PEG溶液を、5分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を、30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、43%の変換が明らかとなった。
【0106】
[実施例18]
「UF回収した」40kDa PEG-COOH、及び活性化用としてHBTUを使用する5’NH2-NOX-A12のPEG化
水、100μLに、100OD(4mg、0.14μmol、50%FLP)の5’NH2-NOX-A12(2prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、200μLを、その後にDIPEA、7.5mLを添加した。別の反応槽では、ACN、60μLに、「UF回収」及び乾燥した(実施例12及び16と同様に取得した)40kDaのPEG-COOH、13.7mg(0.34μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、10μLに溶解したHBTU、0.13mg(0.340μmol)を、その後にDIPEA、0.6μLを添加した。PEG-COOH溶液を、5分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を、30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、48%の変換が明らかとなった。
【0107】
[実施例19]
「IEX-HPLC回収した」40kDa PEG-COOH、及び活性化用としてHBTUを使用する5’NH2-NOX-A12のPEG化
水、100μLに、100OD(4mg、0.14μmol、50%FLP)の5’NH2-NOX-A12(2prePEG)を溶解した溶液に対して、DMSO、200μLを、その後にDIPEA、7.5mLを添加した。別の反応槽では、ACN、60μLに、「IEX-HPLC回収した」及び乾燥した(実施例15及び16と同様に取得した)40kDaのPEG-COOH、13.7mg(0.34μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、10μLに溶解したHBTU、0.13mg(0.34μmol)を、その後にDIPEA、0.6μLを添加した。PEG-COOH溶液を、5分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、47%の変換が明らかとなった。
【0108】
[実施例20]
5’NH2-NOX-A12の固相合成
実施例1に記載されている手順を適用して、ヌクレオチドカップリング1サイクル当たり2.5eq.のアミダイトを用いて、5’NH2-NOX-A12(2prePEG)をアセンブルするのに、L-rC CPG、1.70g(600Å、72μmol/g、122μmol)を使用した。脱保護及びUF後の収量:23378OD、純度:49%、質量:14656Da(観測値)、14656Da(計算値)。
【0109】
[実施例21]
「新鮮な」40kDa PEG-COOHによる5’NH2-NOX-A12のPEG化、及びNOX-A12を生成するための後続する下流処理
水、6mLに、6000OD(240mg、7.86μmol、48%FLP)の5’NH2-NOX-A12(2prePEG、実施例20に基づき合成した)を溶解した溶液に対して、DMSO、12mLを、その後にDIPEA、0.42mLを添加した。別の反応槽では、ACN、2.55mLに、40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、628mg(15.7μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、50μLに溶解したHBTU、5.96mg(15.7μmol)、その後にDIPEA、40μLを添加した。PEG溶液を、5分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を、30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングして、39%の変換が明らかとなった。ACN、0.7mLに、40kDaのPEG-COOH(JenKem Technology社、Allen、TX、米国)、157mg(1.97μmol)を溶解させることにより、0.5eqのPEG-COOHについて、その追加の一定分量を調製した。PEG溶液に対して、ACN、12.5μLに溶解したHBTU、1.49mg(1.97μmol)、その後にDIPEA、10μLを添加した。PEG溶液を、5分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を、30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応を改めてモニタリングして、52%の変換が明らかとなった。0.5eqの活性化したPEG-COOHを追加添加すると、更に30分後、58%の変換を実現した。水、500mLで希釈することにより反応を停止し、そして30kDaのMWCO再生セルロース膜(Sartorius社、Gottingen、D)を使用してタンジェンシャルフロー濾過を実施した。ポンプ圧力を1バールに設定し、そしてフィードとして水、20Lを使用した。被保持液を採取し、5581ODが得られた。未精製NOX-A12生成物を、IEX-HPLCクロマトグラフィーにより更に精製した。生成物を12mLのTOSOH Super Q5PW IEX-HPLCカラム(樹脂1mL当たり500OD、50℃)にチャージし、そして50℃で下記のバッファー系からなるグラジエントを適用することにより溶出させた(バッファーA:25mMのトリス、pH7.5、10%のACN;バッファーB:25mMトリス、2MのNaCl、pH7.5、10%のACN;グラジエント:25CVにおいて5%B~35%B)。生成物を含有する分画(IEX-HPLCにより75%を超えるFLP)をすべて一つにまとめ、2kDaのMWCO再生セルロース膜(ミリポア社、Bedford、MA)を使用するUFにより脱塩し、そして最終的に凍結乾燥した。収量:1474OD、75%FLP。
【0110】
[実施例22]
「IEX-HPLC回収した」40kDa PEG-COOHによる5’NH2-NOX-A12のPEG化、及びNOX-A12を生成するための後続する下流処理
水、6mLに、6000OD(240mg、7.86μmol、48%FLP)の5’NH2-NOX-A12(2prePEG、実施例20に基づき合成した)を溶解した溶液に対して、DMSO、12mLを、その後にDIPEA、0.42mLを添加した。別の反応槽では、ACN、2.55mLに、「IEX-HPLC回収した」及び乾燥した40kDaのPEG-COOH(実施例15及び16と同様に取得した)、628mg(15.7μmol)を溶解した。PEG溶液に対して、ACN、50μLに溶解したHBTU、5.96mg(15.7μmol)を、その後にDIPEA、40μLを添加した。PEG溶液を、5分間徹底的にボルッテックス撹拌した後、それをオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を、30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応をモニタリングすると、29%の変換が明らかとなった。0.5eq.のPEG-COOHについて、その追加の一定分量を、「IEX回収した」及び乾燥した40kDaのPEG-COOH、157mg(1.97μmol)をACN、0.7mLに溶解することにより調製した。PEG溶液に対して、ACN、12.5μLに溶解したHBTU、1.49mg(1.97μmol)を、その後にDIPEA、10μLを添加した。PEG溶液を、5分間徹底的にボルッテックス撹拌し、そしてオリゴヌクレオチド溶液に添加した。反応混合物を30分間軽くかき混ぜた。RP-HPLCにより反応を改めてモニタリングすると、37%の変換が明らかとなった。「IEX回収した」及び乾燥した活性化PEG-COOHについて、その第2及び第3回の0.5eq.を添加すると、更に30分後、45%及び52%の変換を実現した。水、500mL中で希釈することにより反応を停止し、そして30kDaのMWCO再生セルロース膜(Sartorius社、Gottingen、D)を使用するタンジェンシャルフロー濾過を実施した。ポンプ圧力を1バールに設定し、フィードとして水、20Lを使用した。被保持液を採取し、そして凍結乾燥して5711ODを得た。未精製NOX-A12生成物をIEX-HPLCクロマトグラフィーにより更に精製した。生成物を12mLのTOSOH Super Q5PW IEX-HPLCカラム(樹脂1mL当たり500OD、50℃)にチャージし、そして50℃で下記のバッファー系からなるグラジエントを適用することにより溶出させた(バッファーA:25mMのトリス、pH7.5、10%のACN;バッファーB:25mMのトリス、2MのNaCl、pH7.5、10%のACN;グラジエント:25CVにおいて5%B~35%B)。生成物を含有する分画(IEX-HPLCにより75%を超えるFLP)すべてを一つにまとめ、2kDaのMWCO再生セルロース膜(ミリポア社、Bedford、MA)を使用するUFにより脱塩し、そして最終的に凍結乾燥した。収量:1242OD、70%FLP。
【0111】
本明細書で開示する本発明の特性、特許請求の範囲、及び/又は図面は、個別及びその任意の組み合わせの両方において、その様々な形態で本発明を実現するのに不可欠であり得る。
出願時の特許請求の範囲は、以下の通り。
[請求項1]
第1の反応物質と第2の反応物質を反応させることにより、核酸部分及び非核酸部分を含む改変された核酸分子を調製する方法であって、前記第1の反応物質が、前記非核酸部分とカルボキシル基とを含み、前記第2の反応物質が、前記核酸部分と前記核酸部分に連結したアミノ基を含むアミノ修飾部とを含むアミノ修飾核酸分子であり、
a)水混和性有機溶媒中の縮合試薬により、前記第1の反応物質、好ましくは前記第1の反応物質のカルボキシル基を活性化させるステップと、
b)ステップa)の前記活性化した第1の反応物質、好ましくは前記活性化した第1の反応物質のカルボキシル基と、水中に、又は水混和性有機溶媒と水からなる混合物中に溶解した前記第2の反応物質、好ましくは前記アミノ修飾核酸分子のアミノ修飾部のアミノ基とを反応させるステップと
を含み、それによって改変された核酸分子が形成される、前記方法。
[請求項2]
前記アミノ修飾核酸分子が、四級アンモニウム塩の存在下で、水と水混和性有機溶媒からなる混合物中に溶解している、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
ステップa)の前記活性化した第1の反応物質が、水中に、又は水混和性有機溶媒と水からなる混合物中に溶解した前記アミノ修飾核酸分子に添加される、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
[請求項4]
前記第1の反応物質及び/又は前記非核酸部分が、ポリアルコキシ化合物、ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、核酸、炭化水素部分、及びペプチド、タンパク質、糖タンパク質、核酸、及び/又は炭化水素に基づく部分とは異なる化学的部分を含む群から選択され、好ましくは前記第1の反応物質及び/又は前記非核酸部分が、ポリアルコキシ化合物である、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
[請求項5]
前記アミノ修飾核酸分子が、分析法、診断、及び/又は治療において使用するのに適する、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
[請求項6]
前記アミノ修飾核酸分子が、アミノ修飾アプタマー、アミノ修飾シュピーゲルマー、アミノ修飾免疫賦活性核酸、アミノ修飾siRNA、アミノ修飾miRNA分子、及びアミノ修飾核酸アンチセンス分子を含む群から選択され、好ましくは、アプタマーは、L-及び/又はD-ヌクレオチドからなるアプタマーであり、並びに/或いは前記核酸部分が、アプタマー、シュピーゲルマー、免疫賦活性核酸、siRNA、miRNA分子、及び核酸アンチセンス分子を含む群から選択され、好ましくは、アプタマーは、L-及び/又はD-ヌクレオチドからなるアプタマーである、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
[請求項7]
ステップb)において、前記活性化した第1の反応物質ついて、前記アミノ修飾核酸分子よりも過剰の分子が使用される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
[請求項8]
前記過剰が、前記活性化した第1の反応物質の分子と前記アミノ修飾核酸分子とのモル比として表わされ、前記モル比が、約1.1~約10、好ましくは約1.5~約3.5である、請求項7に記載の方法。
[請求項9]
ステップa)に基づき前記第1の反応物質を活性化させるために、前記第1の反応物質が水混和性有機溶媒に溶解され、縮合性剤及び塩基、好ましくは、最初に縮合性剤、その後に塩基が添加され、好ましくは、前記縮合性剤が水混和性有機溶媒に溶解される、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
[請求項10]
前記塩基が、非求核塩基である、請求項9に記載の方法。
[請求項11]
前記塩基を添加した後、0.25分~60分の間、好ましくは0.5分~20分の間、及びより好ましくは1.0分~5.0分の間、このようにして得られた溶液が、前記アミノ修飾核酸分子を含有する溶液に添加され、好ましくは前記塩基を添加した後、1.0分~5.0分の間、前記縮合性剤及び前記塩基を含む溶液が、前記アミノ修飾核酸分子を含有する溶液に添加される、請求項9または10に記載の方法。
[請求項12]
前記縮合性剤が、
a)ホスホニウム塩、例えばBOP、PyBOP、PyBrop、AOP、PyAOP、BrOP、及びPyClOP等、
b)ウロニウム塩、例えばHCTU、TCTU、TBTU、HBTU、HATU、TOTU、及びCOMU等、並びに
c)カルボジイミド、
を含む群から選択され、
好ましくは、縮合溶媒が、PyBOP、TBTU、COMU、HBTU、より好ましくはHBTUである、請求項9から11のいずれか1項に記載の方法。
[請求項13]
前記カルボジイミドが、DCC(N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド)、EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)、及びDIC(N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド)を含む群から選択される、請求項12に記載の方法。
[請求項14]
前記水混和性有機溶媒が、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ホルムアミド、メチルホルムアミド、ジメチルホルムアミド、エチルホルムアミド、エチルメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、2-ピロリドン、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、アセトニトリル、アセトン、エチルメチルケトン、メチルプロピルケトン、ジエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルプロパノエート、テトラヒドロフラン、及びジオキサン、好ましくはジメチルホルムアミド、アセトニトリル、及びジメチルスルホキシドを含む群から選択される、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
[請求項15]
前記塩基が、ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、トリメチルアミン、及びDBUを含む群、好ましくはジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)から選択される、請求項9から14のいずれか1項に記載の方法。
[請求項16]
前記第1の反応物質に対する前記塩基のモル比が、1に等しい又はそれを上回る、請求項9から15のいずれか1項に記載の方法。
[請求項17]
前記アミノ修飾核酸分子の溶液が、塩基、好ましくは非求核塩基を含有し、その場合、好ましくは、前記アミノ修飾核酸分子内のホスホジエステルの数に対する前記非求核塩基のモル比が3を上回る、請求項9から16のいずれか1項に記載の方法。
[請求項18]
ステップa)が、5℃~60℃の温度、好ましくは10℃~40℃の温度、より好ましくは15℃~30℃の温度、最も好ましくは周囲温度で実施される、請求項1から17のいずれか1項に記載の方法。
[請求項19]
ステップb)が、5℃~60℃の温度、好ましくは10℃~40℃の温度、より好ましくは15℃~30℃の温度、最も好ましくは周囲温度で実施される、請求項1から18のいずれか1項に記載の方法。
[請求項20]
前記活性化した第1の反応物質のカルボキシル基と前記アミノ修飾核酸分子のアミノ基との反応が、5分~6時間後、好ましくは15分~45分後、より好ましくは15~30分後に完了する、請求項1から19のいずれか1項に記載の方法。
[請求項21]
ステップb)が、7.5~10のpH範囲、好ましくは7.5~9のpH範囲、及びより好ましくは7.5~8.5のpH範囲で実施される、請求項1から20のいずれか1項に記載の方法。
[請求項22]
ステップb)において、前記アミノ修飾分子の80%~100%が前記第1の反応物質と反応するまで、好ましくは前記アミノ修飾核酸分子の90%~100%が前記第1の反応物質と反応するまで、前記活性化した第1の反応物質が、前記アミノ修飾核酸分子の溶液に添加される、請求項1から21のいずれか1項に記載の方法。
[請求項23]
ステップb)の終了後に、未反応の第1の反応物質のすべてが限外濾過及び/又はクロマトグラフィーにより、好ましくはイオン交換クロマトグラフィーにより反応から分離される、請求項1から22のいずれか1項に記載の方法。
[請求項24]
分離された第1の反応物質が、ステップa)においてリサイクル及び使用される、請求項23に記載の方法。
[請求項25]
前記ポリアルコキシ化合物が、直鎖状又は分岐状のポリアルコキシ化合物である、請求項4から24のいずれか1項に記載の方法。
[請求項26]
前記ポリアルコキシ化合物が、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリグリセロールを含む群から選択される、請求項4から25のいずれか1項に記載の方法。
[請求項27]
前記ポリアルコキシ化合物が、ポリエチレングリコールである、請求項4から26のいずれか1項に記載の方法。
[請求項28]
前記ポリアルコキシ化合物が、5,000Da~100,000Da、好ましくは20,000Da~80,000Da、より好ましくは40,000Daの分子量を有する、請求項4から27のいずれか1項に記載の方法。
[請求項29]
請求項1から28のいずれか1項に記載の方法により取得される改変された核酸分子。
[請求項30]
治療における使用のための、請求項1から28のいずれか1項に記載の方法により取得される改変された核酸分子。
[請求項31]
診断における使用のための、請求項1から28のいずれか1項に記載の方法により取得される改変された核酸分子。
[請求項32]
サンプルを分析するin vitroでの方法における、請求項1から28のいずれか1項に記載の方法により取得される改変された核酸分子の使用。
【配列表】