(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】骨欠損部を治療するためのインプラントおよびキット
(51)【国際特許分類】
A61F 2/34 20060101AFI20220729BHJP
A61F 2/28 20060101ALI20220729BHJP
A61F 2/38 20060101ALI20220729BHJP
A61L 27/12 20060101ALI20220729BHJP
A61L 27/56 20060101ALI20220729BHJP
A61L 27/22 20060101ALI20220729BHJP
A61L 27/24 20060101ALI20220729BHJP
A61L 27/58 20060101ALI20220729BHJP
A61L 27/40 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
A61F2/34
A61F2/28
A61F2/38
A61L27/12
A61L27/56
A61L27/22
A61L27/24
A61L27/58
A61L27/40
(21)【出願番号】P 2019547184
(86)(22)【出願日】2017-11-15
(86)【国際出願番号】 EP2017079312
(87)【国際公開番号】W WO2018091524
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2020-10-16
(31)【優先権主張番号】102016222603.7
(32)【優先日】2016-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】508312027
【氏名又は名称】アエスクラップ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】特許業務法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】アベレ ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】ヘティヒ ゲオルク
(72)【発明者】
【氏名】ケーニヒ ジルケ
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-284302(JP,A)
【文献】特開平07-148243(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0143490(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0010988(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/28
A61F 2/30
A61L 27/12
A61L 27/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に骨欠損部を治療するためのインプラントであって、
骨伝導支持体と、
挿入補助部と、
を備え、
前記挿入補助部が、前記骨伝導支持体を骨欠損部に挿入するように、かつ前記骨伝導支持体を合わせて保持するように設計されており、
前記挿入補助部が、テキスタイル扁平構造体と結合剤との組合せとして構成されており、かつ
前記骨伝導支持体が、ペースト状または捏和可能な調製品の形態での前記結合剤を用いて、互いに結合されて
おり、
さらに下記特徴(a)または(b)を有する、インプラント
:
(a)前記結合剤が、前記結合剤の総重量に基づき60wt%~90wt%の量の液体希釈剤を含む、
(b)前記骨伝導支持体が、縦長構造要素を備える成形体である。
【請求項2】
前記骨伝導支持体が、燐灰石および/またはリン酸三カルシウムを含み、または燐灰石および/またはリン酸三カルシウムからなることを特徴とする、請求項1に記載のインプラント。
【請求項3】
前記燐灰石および/または前記リン酸三カルシウムが、1%~50%、特に5%~20%、好ましくは10%~15%の多孔率を有することを特徴とする、請求項2に記載のインプラント。
【請求項4】
前記燐灰石および/またはリン酸三カルシウムが、多孔質であるように構成されていないことを特徴とする、請求項2に記載のインプラント。
【請求項5】
前記燐灰石が、水酸燐灰石、フッ素燐灰石、塩素燐灰石、炭素フッ素燐灰石、および上述した燐灰石のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項6】
前記リン酸三カルシウムが、アルファ-リン酸三カルシウム、ベータ-リン酸三カルシウム、ならびにアルファ-リン酸三カルシウムおよびベータ-リン酸三カルシウムの混合物からなる群から選択されていることを特徴とする、請求項2~5のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項7】
テキスタイル扁平構造体は、メッシュであることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項8】
前記結合剤が、たんぱく質、特にコラーゲンおよび/もしくはゼラチン、ならびに/または多糖、特に、カルボキシメチルセルロースおよび/もしくはヒアルロン酸等のセルロース誘導体を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項9】
前記液体希釈剤
がグリセロール
であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項10】
前記結合剤は、結合剤の総重量に基づき
、70wt%~80wt%の量の
前記液体希釈剤、好ましくはグリセロールおよび/または水を含むことを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項11】
前記結合剤は、結合剤の総重量に基づき
、3wt%未満、好ましくは1wt%未満の含水量を有することを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項12】
前記結合剤は、カルボキシメチルセルロースおよびグリセロールを含む、ことを特徴とする、請求項
11に記載のインプラント。
【請求項13】
前記結合剤は、接着剤として構成される、ことを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のインプラント。
【請求項14】
前記接着剤は、オリゴペプチド、特に2~100のアミノ酸単位を有する、および/または窒素官能基化多糖および/または末端オリゴラクトンを含むことを特徴とする、請求項
13に記載のインプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、骨欠損部を治療するためのインプラントおよびキットに関する。
【背景技術】
【0002】
寛骨臼の大きい骨欠損部は、股関節の再置換手術における主な問題となる。股関節再置換手術では、3つの主な目標は以下の通りである。
【0003】
第1に、元の股関節中心を回復しなければならない。
【0004】
別の目標は、骨欠損部を治療するために使用されるインプラントの安定した固定である。インプラントの固定では、概して、いわゆる初期固定といわゆる二次固定とが識別される。
【0005】
初期固定は、たとえば骨スクリュー等の摩擦または締結要素による手術後の最初の数週間におけるインプラントの固定を指すように理解される。二次固定は、骨癒合に基づくインプラントの固定を指すように理解される。二次固定は、通常、外科手術の約1か月後に達成され、数年間持続する可能性がある。
【0006】
最終目標は、骨欠損部のいわゆる生物学的再建である。生物学的再建は、内因性の骨を使用する骨欠損部の再構築を指すように理解される。
【0007】
以下に記載する2つのオプションは、骨欠損部の治療に対して実際に許容された。
【0008】
第1オプションは、たとえば、金属多孔質構造の形態の、金属増強材料を使用する。金属増強材料の使用は、通常、元の股関節中心を好都合に回復することができるため有利である。さらに、インプラントの良好な固定を達成することができる。しかしながら、欠点は、金属増強材料は体内で変化しないまま残り、その結果、骨欠損部の生物学的再建が起こらないということである。さらに、(繰り返される)再置換の場合、増強材料全体を交換しなければならず、それにより、通常、欠損部が拡大する。これは、特に、金属増強材料への骨癒合の場合に当てはまる。さらなる欠点は、金属増強材料は成形可能ではないということである。これは、さらに、欠損部が増強材料にも適合するはずであり、それによってまた、欠損部の拡大がもたらされることを意味する。さらなる欠点は、金属増強材料は加工可能ではなく、その結果、増強材料は、(繰り返される)再置換の場合に埋め込まれる構造体のための基礎として使用することができない、ということである。
【0009】
骨欠損部の治療に使用されるインプラントの固定に対する第2オプションは、骨細片または切削片の使用である。骨細片または切削片は、骨欠損部の再建を可能にするという点で有利である。通常、回転中心の回復はいかなる問題も課さない。しかしながら、欠点は、骨細片または切削片の外科手術的取扱いである。骨材料は、通常、外科手術中に提供されなければならない。この目的で、同種の大腿骨頭が解凍され粉砕される。骨粒子の不規則な形状により、取扱いはより困難になる。したがって、外科医は、これらの骨充填材料を正確に使用するために、相当な経験を有しなければならない。骨バンクもまた、厳密な要件が課されるため、骨細片または切削片を得ることは全体的に極めて複雑でありかつコストがかかる。さらなる欠点は、感染のリスクの可能性である。最後の不都合は、骨細片または切削片は、一般に、限られた機械的耐荷重能力(不十分な初期固定)しかないことにより特徴付けられる、ということである。いかなる骨成長も始まるかまたは起こることもなく吸収が発生するというリスクもある。言い換えれば、二次固定を達成することができなくなるというある一定のリスクがある。
【0010】
米国特許第8,562,613B2号明細書は、骨伝導材料および骨誘導材料の混合物と多孔質容器とを備える、骨欠損部を治療するためのキットを開示している。
【0011】
欧州特許第0764008B1号明細書の主題は、可撓性バッグを備える、脊椎運動分節を安定させるために使用される装置であり、バッグは、骨癒合または線維性癒合を促進する生物学的充填材料を収容することができる。
【0012】
欧州特許第1408888B1号明細書は、多孔質バッグおよび充填器具を備える、脊椎圧迫骨折を矯正するシステムを開示しており、充填器具は、圧力下で骨充填材料を多孔質バッグ内に注入するように設計されている。
【0013】
国際公開第2012/061024A1号パンフレットは、少なくとも部分的に脱灰した骨誘導骨粒子を収容する埋込型容器を開示している。
【0014】
Honnami et al.による刊行物”Bone Regeneration by the Combined Use of Tetrapod-Shaped Calcium Phosphate Granules with Basic Fibroblast Growth Factor-Binding Ion Complex Gel in Canine Segmental Radial Defects(J.Vet.Med.Sci.76(7):955-961,2014)”は、アルファ-リン酸三カルシウムの四脚体形状の細粒と骨誘導ゲルとの組合せに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目的は、特に股関節再置換手術に関連して、上述した欠点を回避するかまたは少なくとも大幅に回避する、骨欠損部、特に人工関節周囲骨欠損部を治療するのに好適なインプラントを提供することである。インプラントは、初期固定および/または二次固定等、十分な力学的安定性を有するべきであり、任意選択的に、骨欠損部の生物学的再建を可能にし、可能な限り取扱いが簡単であるべきである。特に、インプラントは、股関節再置換手術に関連して言及した要件の3つすべて(初期固定、二次固定および生物学的再建)を満たすのに好適であるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的は、独立請求項1による特徴を備えたインプラントおよび請求項24によるキットによって達成される。好ましい実施形態は、従属請求項において定義されている。請求項のすべての表現は、全体として参照により本明細書の内容に援用される。さらに、本発明は、骨欠損部を治療する方法に関する。本発明のさらなる目的は本明細書に開示されている。
【0017】
第1態様によれば、本発明は、好ましくは、骨欠損部の治療および/または生物学的再建、特に、裏当ておよび/または封止および/またはパッキングおよび/または少なくとも部分的な充填のためのインプラントに関する。インプラントは、好ましくは外科インプラントである。
【0018】
インプラントは、以下を備えるかまたは以下からなる。
-骨伝導支持体および
-挿入補助部。
【0019】
インプラントは、特に、挿入補助部が、骨伝導支持体を骨欠損部に挿入するように、かつ、好ましくは骨欠損部への挿入中および/または挿入後に、骨伝導支持体を合わせて保持する、特に、永久的にまたは一時的に合わせて保持するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
「骨欠損部」という用語は、本発明の意味では、骨組織、特に関節骨組織、好ましくは股関節または膝関節骨組織、または椎骨組織の喪失による影響を受ける骨領域、特に関節骨領域、好ましくは股関節もしくは膝関節骨領域または椎骨領域を指す。骨喪失は、骨折、骨外傷、新生物(腫瘍性)疾患等の骨疾患、または外科的介入/再介入、特に、股関節もしくは膝関節全置換の後の再置換の結果であり得る。好ましくは、本発明の意味での「骨欠損部」という用語は、人工関節周囲骨欠損部、すなわち、人工関節周囲骨組織喪失、特に、力学的過負荷および/または摩耗による骨溶解および/またはインプラント移動に起因する組織損失によって影響を受ける骨領域を指す。
【0021】
好ましくは、骨欠損部は、関節骨欠損部、特に、膝関節骨欠損部または股関節骨欠損部、好ましくは寛骨臼欠損部である。
【0022】
さらに、本発明の意味での「骨欠損部」という用語は、ヒト骨欠損部または動物骨欠損部を指す可能性がある。
【0023】
「動物骨欠損部」という用語は、本発明の意味では、たとえば、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、またはたとえばウサギ、ラットもしくはマウス等の齧歯動物等、非ヒト哺乳動物における骨欠損部を指すものとして理解されるべきである。
【0024】
「支持体」という用語は、本発明の意味では、変形もしくは破壊なしに、または少なくとも実質的な変形もしくは破壊なしに、治療対象である骨欠損部において通常発生する力に耐えるように、したがって、耐荷重機能を引き継ぐように設計される、物体、特に、規則的にかつ/または不規則に形成された物体を指す。この理由で、本発明の意味での支持体はまた、骨伝導、耐重量支持体とも呼ぶことができる。
【0025】
支持体に関連して使用する「骨伝導」という用語は、本発明の意味では、骨組織、特に新生骨組織の成長を促進する、3次元構造体、特にガイド構造体、または3次元マトリックス、特にガイドマトリックスを形成する支持体の能力を指す。
【0026】
「挿入補助部」という用語は、本発明の意味では、骨伝導支持体を骨欠損部に挿入し、好ましくは、骨欠損部への骨伝導支持体の挿入中および/または挿入後に、骨伝導支持体を合わせて、特に永久的にまたは一時的に保持するように設計された手段を指す。したがって、挿入補助部は、本発明の意味では、挿入手段とも呼ぶことができる。
【0027】
本発明の意味で、「骨形成促進(osteoactive)かつ生体内分解性/生体内吸収性」という用語は、骨形成促進かつ生体内分解性または骨形成促進かつ生体内吸収性を意味する。
【0028】
「骨形成促進」という用語は、好ましくは、本発明の意味では、いわゆる骨形成物質、すなわち、(すでに存在する)骨組織の成長を刺激するかまたは促進する物質、および/またはいわゆる骨誘導物質、すなわち、骨組織の新生(neoformation)(いわゆる新生(neogenesis))を刺激するかまたは促進する物質を指す。特に、「骨形成促進」という用語は、骨形成促進特性および骨誘導特性を有する物質を指す場合がある。
【0029】
「生体内分解性」という用語は、本発明の意味では、特に酵素の作用下で、ヒトまたは動物の体内で代謝させることができる物質または材料を指す。物質または材料の分解は、鉱化作用、すなわち、化学元素の放出およびそれらの、たとえば二酸化炭素、酸素および/またはアンモニア等の無機化合物への取込み、または、耐分解性の中間もしくは変換生成物の段階における停止まで発生する可能性がある。
【0030】
「動物身体」という用語は、本発明の意味では、たとえば、ウマ、ウシ、ヤギ、ヒツジ、ブタ、またはたとえばウサギ、ラットもしくはマウス等の齧歯動物等、非ヒト哺乳動物の身体を指すものとして理解されるべきである。
【0031】
「生体内吸収性」という用語は、本発明の意味では、材料の分解または著しい分解が発生することなく、ヒトまたは動物の体内で、たとえば腎臓等、生体細胞または生体組織により吸収することができる物質または材料を指す。
【0032】
「シース」という用語は、本発明の意味では、(少なくとも)骨伝導支持体を完全に包囲するかまたは封入するように構成される構造体または構築物を指すものとして理解されるべきである。この目的で、シースは、好ましくは、少なくとも部分的に、好ましくは部分的にのみ、(少なくとも)骨伝導支持体で充填可能なまたは充填される中空空間を備える。
【0033】
本発明は、特に、以下の利点によって特徴付けられる。
-治癒の良好な過程の間、骨伝導支持体は、特に有利な方法で、内因性の骨に取り込まれるかまたは細胞に分化転換することができる。このように、骨欠損部の生物学的再建を確保することができる。骨成長の遅い患者では、骨伝導支持体は、好ましくは、少なくとも十分な二次固定が達成されるまで保持される。これは、骨成長が起こらなくなることが多い高齢の患者に関して特に有利である。
-さらなる利点は、骨伝導支持体は、圧縮された、好ましくは嵌入した(impacted)(締め付けられたまたは押し込まれた)状態で、プレースホルダおよび/またはガイド構造体として作用して、組織、特に新生骨組織がインプラント内に、特に治療対象である骨欠損部内に成長するのを可能にすることができる。
-さらなる利点は、特に、骨伝導支持体が、圧縮された、好ましくは嵌入した(締め付けられたまたは押し込まれた)状態にあるとき、インプラントに対し、永久的に、特に均質的に負荷をかけることができるということである。均質なインプラントの負荷は、骨成長に対して基本的な必要条件である。たとえば、特に、圧縮された、好ましくは嵌入した状態にある骨伝導支持体を備えるインプラントは、最大10MPaの圧負荷で長期間負荷をかけることができる。ここで、圧縮、特に嵌入により形成され、かつ骨伝導支持体によって生成される構造体は、特に有利に、特に5%~15%の弾性変形と、特に50MPa~300MPaの低い弾性係数とを示すことができる。
-一般的なインプラント、特に、インプラントの縁領域における中間空間のみに力学的負荷がかかる金属増強材料とは対照的に、骨伝導支持体が圧縮状態にあるとき、存在する中空および/または中間空間に対して、弾性係数が低いため、完全な欠損部充填において、すなわち均質に(微小移動)力学的負荷をかけることができる。これにより、骨成長、特に骨再生の刺激および/または促進がもたらされる。全体的に、これにより、骨欠損部全体の均質な骨形成を達成することができる。
-挿入補助部を用いて、骨伝導支持体の治療対象である骨欠損部内への挿入、したがって特にインプラントの手術での取扱いが、使用者、好ましくは外科医に対して特に有利な方法で容易になる。
-挿入補助部のさらなる利点は、特に、特に外科手術中に、骨伝導支持体を合わせて保持することにより、治療対象である骨欠損部内の骨伝導支持体の望ましくない転位または散乱が防止されるということである。言い換えれば、挿入補助部により、治療対象である骨欠損部内の骨伝導支持体の局所結合を達成することができ、したがって、それらの骨伝導性および支持体に関連して言及した上記利点を、特に好都合な方法で明示することができる。たとえば、挿入補助部は、骨欠損部内の圧縮、特に嵌入中の支持体の少なくとも一部の制御されない散乱なしに、骨欠損部内への挿入後に支持体の可能な限り完全な圧縮、特に嵌入を可能にする。このように、支持体により、特に有効な骨伝導ガイド構造体を構築することができ、それはさらに、十分な二次固定、特に生物学的再建に対して必須である。
-本発明によるインプラントは、特に、大きい骨欠損部、特に、最大10MPaの圧力の負荷安定性を必要とする骨欠損部の生物学的再建に好適である。
【0034】
好ましい実施形態では、骨伝導支持体は、燐灰石および/またはリン酸三カルシウムを含み、または燐灰石および/またはリン酸三カルシウムからなる。本発明は、特に、骨伝導支持体に関連して上述した利点が、支持体が燐灰石および/またはリン酸三カルシウムを含み、または燐灰石および/またはリン酸三カルシウムからなる場合に特に強化されるという意外な発見に基づく。
【0035】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、燐灰石を含み、または燐灰石からなる。
【0036】
さらなる実施形態では、燐灰石は、非生体内分解性/非生体内吸収性の燐灰石である。これにより、(十分な)骨成長を期待することができなくなった患者であっても、十分な二次固定を達成することができる。これは、高齢患者における骨欠損の治療において特に有利である。
【0037】
さらなる実施形態では、燐灰石は、生体内分解性/生体内吸収性の燐灰石、好ましくは、徐々に生体内分解性/生体内吸収性の燐灰石である。
【0038】
さらなる実施形態では、燐灰石は、6か月間~30年間、特に1年間~20年間、好ましくは4年間~10年間の生体内分解(decomposition)時間(分解(degradation)時間)または生体内吸収時間を有する。本段落に開示する分解または吸収時間は、骨成長が遅い患者の治療において特に有利である。
【0039】
さらなる実施形態では、燐灰石は、結晶形態である。結晶度が高いことにより、高い強度を達成することができる。結晶度が低いことにより、良好なかつ/または迅速な分解性を達成することができる。
【0040】
さらなる実施形態では、燐灰石は、微小結晶燐灰石、すなわち、μm範囲、特に>0.5μm、特に0.6μm~500μm、好ましくは0.6μm~100μmの範囲の少なくとも1つの測定値または寸法を有するクリスタリットを有する燐灰石である。少なくとも1つの測定値または寸法は、特に、クリスタリットの長さおよび/または幅(厚さまたは高さ)および/または直径、特に平均直径であり得る。
【0041】
しかしながら、概して、燐灰石は微小結晶燐灰石でもあり得る。
【0042】
さらなる実施形態では、燐灰石は、ナノ結晶燐灰石、すなわち、nm範囲、特に0.1nm~500nm、好ましくは0.1nm~100nmの範囲の少なくとも1つの測定値または寸法を有するクリスタリットを有する燐灰石である。少なくとも1つの測定値または寸法は、特に、クリスタリットの長さおよび/または幅(厚さまたは高さ)および/または直径、特に平均直径であり得る。
【0043】
さらなる実施形態では、燐灰石は非晶質形態である。これにより、特に良好なかつ/または迅速な吸収を達成することができる。
【0044】
さらなる実施形態では、燐灰石は、高相純度(phase-pure)燐灰石である。「高相純度」という用語は、関連する標準規格の意味で、特に、好ましくはASTM F1185による高相純度を意味するように理解される。
【0045】
さらなる実施形態では、燐灰石は、50%未満、特に20%未満、好ましくは15%未満の多孔率を有する。低い多孔率により、高い力学的安定性を達成することができる。
【0046】
さらなる実施形態では、燐灰石は、多孔質であるように構成されない。
【0047】
特に、支持体は、特に、支持体が付加製造法に従って製造される場合、多孔質燐灰石および/または可変多孔率の燐灰石および/または無孔質燐灰石の組合せを含むことができる。
【0048】
さらなる実施形態では、燐灰石は、自然に存在する燐灰石、または天然燐灰石から得られる燐灰石である。
【0049】
さらなる実施形態では、燐灰石は、合成、すなわち人造または人工燐灰石である。
【0050】
さらなる実施形態では、燐灰石は、水酸燐灰石、フッ素燐灰石、塩素燐灰石、炭素フッ素燐灰石、および上述した燐灰石のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
【0051】
特に好ましくは、燐灰石は、水酸燐灰石である。たとえば、水酸燐灰石は、完全合成のナノ結晶の高相純度の水酸燐灰石であり得る。こうした水酸燐灰石は、たとえば、商標名OstimまたはNanogelで市販されている。
【0052】
さらなる実施形態では、燐灰石は焼結燐灰石である。
【0053】
好ましくは、焼結燐灰石は、焼結水酸燐灰石、焼結フッ素燐灰石、焼結塩素燐灰石、焼結炭素フッ素燐灰石、および上述した焼結燐灰石のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
【0054】
さらなる好ましい実施形態では、骨伝導支持体は、リン酸三カルシウムを含み、またはリン酸三カルシウムからなる。
【0055】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、非生体内分解性/非生体内吸収性リン酸三カルシウムである。これにより、(十分な)骨成長を期待することができなくなった患者であっても、十分な二次固定を達成することができる。これは、高齢患者における骨欠損部の治療において特に有利である。
【0056】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、生体内分解性/生体内吸収性のリン酸三カルシウム、好ましくは、徐々に生体内分解性/生体内吸収性のリン酸三カルシウムである。
【0057】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、1か月~15年間、特に6か月間~10年間、好ましくは1年間~5年間の生体内分解(decomposition)時間(分解(degradation)時間)または生体内吸収時間を有する。この段落に開示する分解または吸収時間は、骨成長が遅い患者の治療において特に有利である。
【0058】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、結晶形態である。結晶度が高いことにより、高い強度を達成することができる。結晶度が低いことにより、良好なかつ/または迅速な分解性を達成することができる。
【0059】
好ましくは、リン酸三カルシウムは、50%~99%、特に75%~95%の結晶度を有する。
【0060】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、微小結晶リン酸三カルシウム、すなわち、μm範囲、特に>0.5μm、特に0.6μm~500μm、好ましくは0.6μm~100μmの範囲の少なくとも1つの測定値または寸法を有するクリスタリットを有するリン酸三カルシウムである。少なくとも1つの測定値または寸法は、特に、クリスタリットの長さおよび/または幅(厚さまたは高さ)および/または直径、特に平均直径であり得る。
【0061】
しかしながら、概して、リン酸三カルシウムは微小結晶リン酸三カルシウムでもあり得る。
【0062】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、ナノ結晶リン酸三カルシウム、すなわち、ナノメートル範囲、特に0.1nm~500nm、好ましくは0.1nm~100nmの範囲の少なくとも1つの測定値または寸法を有するクリスタリットを有するリン酸三カルシウムである。少なくとも1つの測定値または寸法は、特に、クリスタリットの長さおよび/または幅(厚さまたは高さ)および/または直径、特に平均直径であり得る。
【0063】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは非晶質形態である。これにより、特に良好なかつ/または迅速な吸収を達成することができる。
【0064】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、高相純度リン酸三カルシウムである。「高相純度」という用語は、関連する標準規格の意味で、特に、好ましくはASTM F1088による高相純度を意味するように理解される。
【0065】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、50%未満、特に20%未満、好ましくは15%未満の多孔率を有する。
【0066】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、多孔質であるように構成されない。
【0067】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、自然に存在するリン酸三カルシウム、または天然リン酸三カルシウムから得られるリン酸三カルシウムである。
【0068】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは、合成、すなわち人造または人工リン酸三カルシウムである。
【0069】
リン酸三カルシウムは、特に好ましい実施形態では、アルファ-リン酸三カルシウム(α-TCP)、ベータ-リン酸三カルシウム(β-TCP)ならびにアルファ-リン酸三カルシウムおよびベータ-リン酸三カルシウムの混合物からなる群から選択される。
【0070】
さらなる実施形態では、リン酸三カルシウムは焼結リン酸三カルシウムである。
【0071】
好ましくは、焼結リン酸三カルシウムは、焼結アルファ-リン酸三カルシウム、焼結ベータ-リン酸三カルシウム、ならびに焼結アルファ-リン酸三カルシウムおよび焼結ベータ-リン酸三カルシウムの混合物からなる群から選択される。
【0072】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、燐灰石およびリン酸三カルシウム、いわゆる二相性リン酸カルシウム(BCP)を含み、または燐灰石およびリン酸三カルシウムからなる。好ましくは、骨伝導支持体は、水酸燐灰石およびベータ-リン酸三カルシウムを含み、または水酸燐灰石およびベータ-リン酸三カルシウムからなる。二相性リン酸カルシウムは、特に、80:20~20:80の水酸燐灰石(HA)対ベータ-リン酸三カルシウム(β-TCP)の比を有する。たとえば、二相性リン酸カルシウムは、60%の水酸燐灰石(HA)および40%のベータ-リン酸三カルシウム(β-TCP)からなることができる。特に、二相性リン酸カルシウムは、50%の水酸燐灰石(HA)および50%のベータ-リン酸三カルシウム(β-TCP)からなり得る。水酸燐灰石(HA)の含有量が大きいほど、分解(breakdown)(分解(degradation))または吸収がより遅くかつ制御される。焼結を用いて、クリスタリットサイズが数μmである、緻密な高結晶構造体を形成することができる。燐灰石およびリン酸三カルシウムのさらなる特徴および利点に関して、上記説明は参照によりここに援用される。
【0073】
さらなる実施形態では、支持体は、粗化面を有する。これにより、骨組織の、特に支持体によって形成される骨伝導ガイド構造体への成長または癒合を最適化することができる。「粗化する」という用語は、本発明の意味において、特に、表面の粗度が支持体の成形後に、特にこの目的で提供される製造ステップにおいて増大することを意味するものとして理解されるべきである。粗化は、たとえば、特にリン酸を用いるエッチングによって行うことができる。好ましくは、支持体は、粗度が非粗化支持体表面と比較して少なくとも10%増大する粗化面を有する。「粗度」という用語は、支持体の表面の不均一性を意味するように理解される。
【0074】
さらなる実施形態では、支持体は、付加製造法を用いて製造することができる。
【0075】
さらなる実施形態では、支持体は、リン酸カルシウムセメントを含み、またはリン酸カルシウムセメントからなる。特に、リン酸カルシウムセメントは、完全な硬化の前に少なくとも2バールの圧力、好ましくは絶対圧にさらされるリン酸カルシウムセメントであり得る。このように、多孔率を特に有利な方法で低下させることができる。
【0076】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、材料結合により互いに取り付けられる、特に互いに接着される。
【0077】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、結合剤によってコーティングされる。結合剤は、好ましくは、たとえば、熱、またはN-メチルピロリドン(NMP)もしくはアセトン等の溶剤によって部分的に溶解させることができる結合剤である。こうした結合剤を使用することにより、加熱および後続する冷却により、または溶剤を追加することにより、骨伝導支持体を互いに結合することができる。結合剤は、たとえば、ポリ乳酸および/またはポリ(乳酸-ポリグリコール酸共重合体)(PLGA)であり得る。別法としてまたは組み合わせて、結合剤は、多糖であり得るか、または、結合剤は多糖を含むことができる。多糖は、特に、澱粉、アミロース、アミロペクチン、デキストラン、デキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン4-硫酸および/またはコンドロイチン6-硫酸等のコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。別法としてまたは組合せで、結合剤は、合成ポリマーであり得るか、または、結合剤は、合成ポリマーを含むことができる。合成ポリマーは、特に、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体(EO-PO重合体)、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロック共重合体(EO-POブロック共重合体)、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドンホモポリマー、ポリビニルピロリドン共重合体およびそれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0078】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、たとえば、インパクタ等の好適な器具を用いて、支持体の圧縮、好ましくは嵌入、特に相互締付けまたは押込みを容易にするように構成されている。骨伝導支持体の、対応して好適な構成に関して、以下の説明は参照によりここに援用される。
【0079】
さらなる実施形態では、骨伝導体は、規則的に形成され、すなわち、さらなる実施形態によれば、成形体の形態である。「規則的に形成された」という用語は、本発明の意味において、特に以下に記載する形態を指すものとして理解されるべきである。
【0080】
骨伝導支持体、特に成形体は、特に、多角形断面を有することができる。たとえば、骨伝導支持体、特に成形体は、三角形、正方形、矩形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形または星形断面を有することができる。
【0081】
さらに、骨伝導支持体、特に成形体は、異なる断面を有することができる。あり得る断面に関して、先行する段落で言及した断面は、参照によりここに援用される。
【0082】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体、特に成形体は、多面体、特に直方体、立方体形、四面体形、角柱形、角錐形、切頭角錐形またはへら形であるように構成される。
【0083】
さらに、骨伝導支持体、特に成形体は、異なる多面体構成を有することができる。言い換えれば、骨伝導支持体、特に成形体は、異なる多面体形態であり得る。あり得る多面体構成に関して、先行する段落は参照によりここに援用される。
【0084】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体、特に成形体は、角なし断面を有する。たとえば、構造要素は、卵形、特に円形または楕円形断面を有することができる。
【0085】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体、特に成形体は、非多面体、特に球形、円錐形、切頭円錐形、環状、トロイド形または円柱形であるように構成される。
【0086】
さらに、骨伝導支持体、特に成形体は、異なる非多面体構成を有することができる。言い換えれば、骨伝導支持体、特に成形体は、異なる非多面体形態であり得る。あり得る非多面体構成に関して、先行する段落は参照によりここに援用される。
【0087】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体、特に成形体は、少脚体(oligopod)の形態で構成され、すなわち少脚体形状である。
【0088】
少脚体は、円錐形構成、特に回転対称構成の脚を有することができる。脚は、5°~25°、特に7°~15°の円錐角を有することができる。
【0089】
さらに、少脚体は、0.5mm~5mm、特に1.5mm~2.5mmの長さの脚を有することができる。
【0090】
さらに、少脚体は、0.2mm~3mm、特に0.3mm~0.7mmの平均直径の脚を有することができる。
【0091】
少脚体は、三脚体、四脚体、五脚体、六脚体、七脚体、八脚体、および上述した少脚体のうちの少なくとも2つの混合物からなる群から選択することができる。
【0092】
本発明によれば、骨伝導支持体は四脚体形状構成を有することが特に好ましい。四脚体形状構成により、骨伝導支持体の特に有効な相互係合が可能になる。
【0093】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体、特に成形体は、縦長(oblong)構造要素を備える。特に、骨伝導支持体、特に成形体は、縦長構造要素からなり得る。
【0094】
「縦長構造要素」という用語は、本発明の意味では、長さ-幅比または長さ-直径比>(大なりと読む)1である構造要素を指すものとして理解されるべきである。
【0095】
好ましくは、骨伝導支持体、特に成形体は、縦長でありかつ直線的に延在する構造要素を有する。好ましくは、骨伝導支持体、特に成形体は、縦長でありかつ直線的に延在する構造要素からなる。
【0096】
縦長構造要素は、好ましくは、多面体、特に直方体、立方体形、角柱形、角錐形、切頭角錐形またはへら形構成を有する。言い換えれば、各骨伝導支持体、特に成形体の構造要素は、好ましくは、多面体、特に直方体、立方体形、角柱形、角錐形、切頭角錐形またはへら形構成を有する。
【0097】
縦長構造要素は、0.4mm~5mm、特に0.8mm~4.5mm、好ましくは1mm~4mmの長さを有することができる。
【0098】
縦長構造要素は、0.4mm~5mm、特に0.8mm~4.5mm、好ましくは1mm~4mmの幅または直径を有することができる。
【0099】
さらに、縦長構造要素は、角なし断面を有することができる。たとえば、構造要素は、卵形、特に円形または楕円形断面を有することができる。
【0100】
別法として、構造要素は、多角形断面を有することができる。たとえば、構造要素は、三角形、正方形、矩形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形または星形断面を有することができる。
【0101】
特に上記実施形態に記載したように、特に成形体の形態であり、縦長であり特に直線的に延在する構造要素を備える骨伝導支持体は、支持体、特に成形体に関する構造要素の相互配置により、追加の中空空間容積を生成することができ、それにより、支持体、特に成形体の、したがってインプラントの骨伝導特性をさらに向上させることができる。特に、これにより、ヒトまたは動物の骨の細孔サイズ(絶対中空空間容積)および多孔率(材料体積対中空空間容積の比)を最適に再現することができる。
【0102】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は不規則な形状である。
【0103】
骨伝導支持体は、特に、粒状形態、すなわち粒子の形態であり得る。
【0104】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、破砕材料として構成される。
【0105】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、非破砕材料として構成される。たとえば、骨伝導支持体は、付加的に製造された材料として、すなわち、付加製造法を用いて製造される材料として構成することができる。
【0106】
好ましくは、骨伝導支持体は、バルク材料として、特に細粒として構成される。
【0107】
「バルク材料」という用語は、本発明の意味では、粒状材料、すなわち、7mm未満、好ましくは0.5mm~5mmのサイズ範囲の少なくとも1つの測定値または寸法を有する粒子の形態の材料を指すものとして理解されるべきである。少なくとも1つの測定値または寸法は、特に、粒子の高さおよび/または長さおよび/または幅(厚さ)および/または直径、特に平均直径であり得る。「細粒」という用語は、本発明の意味では、不規則な形状の、特に破砕されたかつ/またはふるいにかけられた材料からなる粒状材料を指すものとして理解されるべきである。
【0108】
好ましくは、骨伝導支持体は、0.5mm~5mm、特に0.1mm~3mm、好ましくは1mm~2mmのサイズ範囲の少なくとも1つの測定値または寸法を有する。少なくとも1つの測定値または寸法は、特に、骨伝導支持体の高さおよび/または幅(厚さ)および/または長さおよび/または直径、特に平均直径であり得る。
【0109】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、互いに対して移動可能、特に互いに対して変位可能である。
【0110】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、嵌入可能である、すなわち、相互に締付け可能または相互に押込み可能であるように構成される。
【0111】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、嵌入形態である、すなわち相互に締め付けられるかまたは相互に押し込まれる。
【0112】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、好ましくは嵌入により、特に中空かつ/または中間空間を備える、3次元構造体もしくはマトリックスに変換することができ、または、こうした構造体もしくはマトリックスの形態である。本発明の意味において、こうした構造体またはマトリックスはまた、骨伝導ガイド構造体または骨伝導ガイドマトリックスとも呼ぶことができる。
【0113】
構造体またはマトリックスの中空または中間空間は、0.1mm~1.2mm、特に0.2mm~1mm、好ましくは0.3mm~0.8mmの直径、特に平均直径を有することができる。
【0114】
さらに、特に有利な方法で、構造体またはマトリックスは、5%~95%、特に10%~80%、好ましくは20%~70%の中空または中間空間容積を有することができる。こうした中空または中間空間容積は、最適に、ヒトまたは動物の海綿質の細孔容積を反映し、インプラントの骨伝導性、特に骨欠損部の生物学的再建の改善を可能にする。
【0115】
さらに、構造体またはマトリックスの中空または中間空間は、好ましくは、少なくとも部分的に互いに接続される。このように、3次元構造体は、最適に、ヒトまたは動物の海綿質の多孔性、特に通気多孔性を反映する。これにより、特に有利な方法で、骨組織の欠損骨領域内への成長、特に欠損骨領域を通しての生体骨組織の侵入を刺激しかつ/または促進することも可能になる。これはまた、インプラントの骨伝導特性、特に骨欠損部の生物学的再建の改善にも寄与する。
【0116】
さらに、構造体またはマトリックスは、好ましくは、10MPa~10GPa、特に50MPa~1GPa、好ましくは80MPa~350MPaの弾性係数(以下、E係数とも呼ぶ)を有する。「弾性係数(E係数)」という用語は、本発明の意味において、弾性係数を指すものとして理解されるべきである。弾性係数は、材料のその弾性変形に対する抵抗が増大するにしたがって増大する。したがって、高弾性係数の材料からなる物体は、低弾性係数の材料からなる同じ構成(同じ幾何学的寸法)の物体より硬い。この段落で開示する弾性係数の値は、100MPa~1,000MPaの弾性係数を有する海綿骨の対応する値を最適に反映する。
【0117】
先行する段落に記載した低いE係数に起因して、骨伝導支持体は、一様に、すなわち均質に、力学的負荷にさらされ得る。特に、先行する段落に記載した構造体またはマトリックスの中空または中間空間は、力学的に負荷がかけられる可能性がある。骨伝導支持体、したがってインプラントの一様なまたは均質な力学的負荷により、さらに、骨欠損領域全体内での骨形成、特に骨再生を特に有利な方法で達成することができる。
【0118】
支持または耐重量能力の観点からさらに有利な実施形態では、骨伝導支持体は、開口部または凹部、特に貫通開口部を有する。開口部または凹部は、穴、細孔、裂け目、スリット、割れ目、間隙、切欠き、および上述した開口部または凹部のうちの少なくとも2つの組合せからなる群から選択することができる。
【0119】
支持体のこうした構成は、支持体を負荷時に(より容易に)圧縮させる、特に変形させることができるという点で有利である。支持体の圧縮をもたらす対応する負荷は、たとえば、使用者、好ましくは外科医が力を加えることで生じる可能性がある。このように、骨伝導支持体の圧縮、特に嵌入をさらに改善することができ、その結果、インプラントの耐重量特性が向上する。
【0120】
開口部または凹部は、さらに、幾何学的に画定されたかまたは画定されていない開口部または凹部であり得る。
【0121】
特に、開口部または凹部は、卵形、特に円形または楕円形断面を有することができる。別法としてまたは組み合わせて、開口部または凹部は、多角形、特に三角形、正方形、矩形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形または星形断面を有することができる。
【0122】
開口部または凹部は、0.01mm~5mm、特に0.1mm~4mm、好ましくは0.5mm~3mmの直径を有することができる。こうした直径は、骨伝導支持体を互いに結合するかまたは固定するために、後にさらに詳細に説明するように、引張要素が誘導される貫通開口部として構成される場合、好ましい可能性がある。
【0123】
代替実施形態では、開口部または凹部は、60μm~500μm、好ましくは100μm~400μmの直径、特に平均直径を有する。こうした直径は、開口部または凹部が細孔として構成されている場合に好ましい。
【0124】
好ましくは、開口部または凹部は細孔である。言い換えれば、骨伝導支持体は、好ましくは、開孔があるように構成される。特に、骨伝導支持体は、通気多孔性を示すことができる。
【0125】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は繊維を備える。繊維は、概して、短繊維および/または長繊維であり得る。
【0126】
「短繊維」という用語は、本発明の意味において、0.01mm~1mm、特に0.1mm~1mm、好ましくは0.5mm~1mmの長さの繊維を指すものとして理解されるべきである。
【0127】
「長繊維」という用語は、本発明の意味において、長さ>(大なりと読む)1mmの繊維を指すものとして理解されるべきである。
【0128】
短繊維または長繊維は、金属繊維および/またはポリマー繊維であり得る。短繊維または長繊維を形成することができるあり得る金属および/またはポリマーに関して、挿入補助部に関連して以下に言及する金属またはポリマーは、参照によりここに援用される。
【0129】
さらなる実施形態では、インプラントは引張要素をさらに備える。引張要素は、好ましくは、骨伝導支持体の貫通開口部を介して誘導されるように構成される。したがって、特に有利な方法で、骨伝導支持体を互いに結合または固定することができる。したがって、引張要素は、好ましくは縦長引張要素である。
【0130】
好ましくは、引張要素は、テキスタイル、特に糸状引張要素である。たとえば、引張要素は、糸(引き糸)、特にモノフィラメント、疑似モノフィラメントまたはマルチフィラメント糸であり得る。特に、引張要素は、外科縫合材料であり得る。
【0131】
さらに、引張要素は、テキスタイル扁平構造体、特に、編物、編組生地、かぎ編み生地、レイドファブリック(laid fabric)、織布または不織布であり得る。好ましくは、引張要素は、メッシュ、特に小細孔メッシュ、好ましくはヘルニアメッシュである。骨伝導支持体をメッシュ状引張要素に組み込むことにより、支持体の規則的な配置を得ることができる。
【0132】
別法として、引張要素は、ワイヤ(引張ワイヤ)であり得る。
【0133】
引張要素を使用することによって提供することができるさらなる利点について以下に記載する。
【0134】
引張要素の使用により、骨伝導支持体の固定または締結が可能となり、それにより、骨伝導支持体の、したがってインプラントの相互強度の即時の増大を達成することができる。特に有利な方法で、これは、重量を支持しまたは重量に耐えることができるインプラントを得るために、必要な骨セメントがより少量になることを意味することができる。さらに、骨伝導支持体のこうした強度の増大により、支持体によって形成される枠組構造体が脆性破壊の結果としてばらばらになるリスクを低減させることができる。開孔枠組構造体は、骨伝導支持体の固定または締結により特に有利な方法で得ることができる。さらに、1つの引張要素支持体ユニット(または任意選択的に、複数の引張要素支持体ユニット)をさらなるインプラントおよび/または骨に固定し、したがって、局部的に安定した方法で適所に締結具することも可能である。この締結により、1つの引張要素支持体ユニット(または複数の引張要素支持体ユニット)を、さらなるインプラント、たとえば新たにされた骨に押し付けることができる。これにより、骨に対する最適な結合が可能となり、結果としての骨に対する圧力により骨成長が促進される。インプラントは、好ましくは、骨欠損部への力の伝達を吸収する。これにより、骨リモデリングをもたらす圧力刺激がなくなる(応力遮蔽)。この圧力刺激を、骨に対して圧力がかけられる引張要素支持体ユニットによって構築することができる。
【0135】
引張要素は、挿入補助部に関してさらに詳細に後述するように、材料、特にポリマーおよび/もしくは金属を含み、または、材料、特にポリマーおよび/もしくは金属からなり得る。
【0136】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、押込み式結合、非押込み式結合および/または材料結合により互いに接続可能である。好ましくは、骨伝導支持体は、押込み式結合により互いに接続可能であるように構成される。たとえば、支持体は、差込み式システムを介してまたは差込み式システムの方法で互いに接続することができるように構成することができる。差込み式システムは、いわゆるピンホール原理に基づくことができ、好ましくは、骨伝導支持体のより良好な固定のためにアンダーカットがある。この目的で、骨伝導支持体の部品にピンを設けることができ、骨伝導支持体の別の部品に、対応するピンホールまたはスリットを設けることができる。
【0137】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、押込み式結合、非押込み式結合および/または材料結合により互いに接続される。好ましくは、支持体は、押込み式結合により互いに接続される。たとえば、骨伝導支持体は、差込み式システムを介してまたは差込み式システムの方法で互いに接続することができる。差込み式システムに関して、先行する段落は参照によりここに援用される。
【0138】
さらなる実施形態では、支持体は、押込み式結合、非押込み式結合および/または材料結合により別のインプラントに接続可能であるように構成される。好ましくは、支持体は、押込み式結合により別のインプラントに接続可能であるように構成される。たとえば、支持体は、差込み式システムを介してまたは差込み式システムの方法でインプラントに接続することができるように構成することができる。差込み式システムは、いわゆるピンホール原理に基づくことができる。この目的で、支持体にピンを設けることができ、他のインプラントに、対応するピンホールまたはスリットを設けることができる。本発明により逆の状況も可能である。
【0139】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、縦長接続要素を介して互いに接続される。好ましくは、接続要素は、この目的で、支持体の凹部または開口部内に突出する。支持体の凹部または開口部のあり得る構成に関して、上記説明は参照によりここに援用される。接続要素および骨伝導支持体は、同じ材料を含み、または同じ材料から構成され得る。しかしながら、接続要素および骨伝導支持体は、異なる材料を含みまたは異なる材料からなることが好ましい。
【0140】
縦長接続要素は、挿入補助部に関してさらに詳細に後述するように、材料、特にポリマーおよび/または金属を含み、または、材料、特にポリマーおよび/または金属からなり得る。
【0141】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体の含有量は、インプラントの総重量に基づき、10wt%~95wt%、特に20wt%~90wt%、好ましくは30wt%~70wt%である。
【0142】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、少なくとも部分的に可撓性または弾性であるように構成される。少なくとも部分的に可撓性または弾性であるように構成された挿入補助部は、挿入支持具を、たとえば曲げにより、骨の輪郭により容易に適合させることができるという点で有利である。さらなる利点は、少なくとも部分的に可撓性または弾性であるように構成された挿入補助部により、骨欠損部への挿入の後に骨伝導支持体への圧力または力の印加が容易になるということである。これにより、好ましくは骨伝導ガイド構造体の形成により、骨伝導支持体の圧縮、特に嵌入が容易になり、したがって、十分な二次固定、特に治療対象である骨欠損部の生物学的再建が達成される。
【0143】
挿入補助部は、特に、完全に可撓性または弾性であるように構成することができる。
【0144】
代替実施形態では、挿入補助部は、剛性であるように構成される。
【0145】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、寸法的に変動するように構成される。寸法的に変動する挿入補助部は、治療対象である骨欠損部へのインプラントの適合を容易にするという点で有利である。挿入補助部の好ましい寸法的に変動する構成は、特にメッシュまたは結合剤であり、これについては、後にさらに詳細に説明する。
【0146】
代替実施形態では、挿入補助部は、寸法的に安定しているように構成される。挿入補助部の好ましい寸法的に安定した構成は、特に板状カバーであり、これについては後にさらに詳細に説明する。
【0147】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、細胞外たんぱく質等のたんぱく質、ムコ多糖類および/またはセルロース誘導体等の多糖類、生物学的組織、調製または精製された生物学的組織、細胞外マトリックス、ポリトリメチレンカーボネート等のポリカーボネート、ポリ-パラ-ジオキサノン、ポリヒドロキシアルカン酸、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体(EO-PO重合体)、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロック共重合体(EO-POブロック共重合体)、グリセロール、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリル酸、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドンホモポリマー、ポリビニルピロリドン共重合体、熱可塑性エラストマー等のエラストマー、ポリエーテルケトン、有機多硫化物、金属、合金、および上述した材料のうちの少なくとも2つの組合せ、特に混合物または複合構造体からなる群から選択された材料を含み、またはそうした材料からなる。
【0148】
たんぱく質は、特に、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、レチクリン、フィブロネクチン、フィブリン、ラミニン、アルブミン、および上述したたんぱく質のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択することができる。コラーゲンは、好ましくは、I型コラーゲン、III型コラーゲン、またはI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンを含みもしくはそれらからなる混合物である。
【0149】
多糖は、特に、澱粉、アミロース、アミロペクチン、デキストラン、デキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン4-硫酸および/またはコンドロイチン6-硫酸等のコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、および上述した多糖類のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択することができる。
【0150】
生物学的組織は、特に、動物または異種の、好ましくはウシ、ウマまたはブタ組織であり得る。
【0151】
組織は、概して、心膜、腹膜、小腸粘膜下組織、胃粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、子宮粘膜下組織、漿膜、および上述した組織のうちの少なくとも2つの混合物からなる群から選択することができる。
【0152】
好ましくは、組織は、心膜(心嚢)、線維性心膜、漿膜性心膜、心外膜、扁平上皮、漿膜、たとえば心筋等の筋肉、および上述した組織のうちの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。
【0153】
特に好ましくは、組織は、心膜組織、特にウシ心膜、すなわちウシ心膜組織である。
【0154】
調製または精製された生物学的組織は、特に、非コラーゲン成分、好ましくは脂肪および/または酵素および/または非コラーゲンたんぱく質のない生物学的組織であり得る。特に好ましくは、調製または精製された組織は、ウシ心膜から生成された、非コラーゲン成分、特に脂肪、酵素および非コラーゲンたんぱく質を除去して浄化され、フリーズドライにされたコラーゲン物質である。こうした物質は、硬膜置換のために商標名Lyoplant(登録商標)として本出願人によりすでに販売されている。組織のさらなる特徴に関して、上記説明は参照によりここに援用される。
【0155】
細胞外マトリックスは、特に、生物学的組織の細胞外マトリックスであり得る。好ましくは、細胞外マトリックスは、動物、特に、ウシ、ウマまたはブタ組織の細胞外マトリックスである。組織のさらなる特徴に関して、上記説明はまた参照によりここに援用される。
【0156】
ポリヒドロキシアルカン酸は、特に、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸、上述したポリマーのうちの少なくとも2種の共重合体、および上述したポリマーのうちの少なくとも2種の混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0157】
ポリオレフィンは、特に、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロプロピレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、上述したポリオレフィンのうちの少なくとも2種の共重合体、および上述したポリオレフィンのうちの少なくとも2種の混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0158】
ポリエステルは、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、上述したポリエステルのうちの少なくとも2種の共重合体、および上述したポリエステルのうちの少なくとも2種の混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0159】
ポリアミドは、特に、ポリアミド6(ε-カプロラクタムまたはω-アミノカプロン酸単位のポリマー)、ポリアミド66(ヘキサメチレンジアミンおよびアジピン酸単位のポリマー)、ポリアミド69(ヘキサメチレンジアミンおよびアゼライン酸単位のポリマー)、ポリアミド612(ヘキサメチレンジアミンおよびドデカン二酸単位のポリマー)、ポリアミド11(11-アミノウンデカン酸単位のポリマー)、ポリアミド12(ラウロラクタムまたはω-アミノドデカン酸単位のポリマー)、ポリアミド46(テトラメチレンジアミンおよびアジピン酸単位のポリマー)、ポリアミド1212(ドデカンジアミンおよびドデカン二酸単位のポリマー)、ポリアミド6/12(カプロラクタムおよびラウロラクタム単位のポリマー)、ポリアミド66/610(ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸およびセバシン酸単位のポリマー)、上述したポリアミドのうちの少なくとも2種の共重合体、および上述したポリアミドのうちの少なくとも2種の混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0160】
熱可塑性エラストマーは、特に、熱可塑性コポリアミド、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、熱可塑性コポリエステル、オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレンブロック共重合体、ウレタン系熱可塑性エラストマー、オレフィン系架橋熱可塑性エラストマー、上述したエラストマーのうちの少なくとも2種の共重合体、および上述したエラストマーのうちの少なくとも2種の混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0161】
ポリエーテルケトンは、特に、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトンケトン、ポリエーテルケトンエーテルケトンケトン、上述したポリエーテルケトンのうちの少なくとも2種の共重合体、および上述したポリエーテルケトンのうちの少なくとも2種の混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0162】
金属は、特に、チタンおよびタンタルからなる群から選択することができる。
【0163】
合金は、特に、特に、クロム、ニッケル、二相鋼およびそれらの混合物を含む、高級鋼、ステンレス鋼または高合金鋼等の鋼からなる群から選択することができる。
【0164】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体を含む。
【0165】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体として構成される。
【0166】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、テキスタイル扁平構造体に固定されるかまたは締結される。特に好ましくは、骨伝導支持体は、構造体の1つの面においてのみ、特に、挿入されたときに骨欠損部に面する面においてのみ、テキスタイル扁平構造体に固定されるかまたは締結される。
【0167】
テキスタイル扁平構造体は、特に、薄織物、編物、かぎ編み生地、編組生地、織布、不織布、メッシュ、フェルトおよびメッシュ生地からなる群から選択することができる。
【0168】
さらに、テキスタイル扁平構造体は、モノフィラメント、疑似モノフィラメント、マルチフィラメント、および上述した糸のうちの少なくとも2種の組合せからなる群から選択された糸を含み、またはそうした糸からなり得る。
【0169】
特に好ましい実施形態によれば、テキスタイル扁平構造体は、メッシュ、特に編みメッシュである。言い換えれば、挿入補助部は、メッシュ、特に編みメッシュを含み、または、メッシュ特に編みメッシュとして構成されることが特に好ましい。
【0170】
さらなる実施形態では、テキスタイル扁平構造体、特にその糸は、たとえば、活性化合物および/またはX線造影剤等、添加剤を含む。好適な添加剤に関して、後にさらに詳細に説明する添加剤は、参照によりここに援用される。
【0171】
概して、テキスタイル扁平構造体の糸は、同じ糸厚さ(糸径)を有することができる。しかしながら、寸法的安定性の観点から、テキスタイル扁平構造体は、異なる糸厚さ(糸径)の糸を備えることが好ましい場合がある。
【0172】
さらに、テキスタイル構造体は、染色形態であり、特に、少なくとも部分的に染色され、たとえば、白色および/または青色で染色され得る。染色された糸は、特に、方向付け糸とすることができ、それにより、使用者、好ましくは外科医に対して挿入補助部、特にインプラントの適切な配置が容易になる。
【0173】
さらなる実施形態では、テキスタイル扁平構造体は、締結装置を備える。締結装置は、好ましくは、テキスタイル扁平構造体を骨にまたは骨の中に締結するのを可能にするように構成される。
【0174】
締結装置は、たとえば、穴、補強された穴、アイレット、スリーブ、スリット、間隙またはループとして構成することができる。
【0175】
締結装置は、さらに、テキスタイルとして、特に、糸または糸ループとして構成することができる。
【0176】
特に有利な方法で、締結装置は、テキスタイル扁平構造体より硬い材料から構成することができる。
【0177】
さらなる実施形態では、テキスタイル扁平構造体、特にメッシュは、商標名Optilene(登録商標)メッシュとして本出願人から入手可能な製品である。これは、モノフィラメントポリプロピレン糸による、単位面積あたりの重量が60g/m2であり細孔径が約1.5mmである、編みメッシュである。
【0178】
さらなる実施形態では、テキスタイル扁平構造体、特にメッシュは、商標名Optilene(登録商標)Mesh LPとして本出願人から入手可能な製品である。これは、モノフィラメントポリプロピレン糸による、単位面積あたりの重量が36g/m2であり細孔径が約1.0mmである、編みメッシュである。
【0179】
さらなる実施形態では、テキスタイル扁平構造体、特にメッシュは、商標名Optilene(登録商標)Mesh Elasticとして本出願人から入手可能な製品である。これは、モノフィラメントポリプロピレン糸による、単位面積あたりの重量が48g/m2であり細孔径が約3.6mm×2.8mmである、編みメッシュである。
【0180】
テキスタイル扁平構造体、特にメッシュに対するさらなる好適な材料に関して、挿入補助部に関連してすでに記載した材料、特にポリマーは、参照によりここに援用される。
【0181】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、格子状扁平構造体を備える。
【0182】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、格子状扁平構造体として構成される。
【0183】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、格子状扁平構造体に固定されるかまたは締結される。特に好ましくは、骨伝導支持体は、前記構造体の1つの面のみにおいて、特に、挿入されたときに骨欠損部に面する面のみにおいて、格子状扁平構造体に固定されるかまたは締結される。
【0184】
格子状扁平構造体は、好ましくは、金属を含みまたは金属からなる。金属は、特に、チタンおよび/またはタンタルであり得る。好ましくは、格子状扁平構造体は、特にチタンおよび/またはタンタルから構成された金属格子である。
【0185】
格子状扁平構造体に対するさらなる好適な材料に関して、挿入補助部に関連してすでに記載した材料、特に金属は、参照によりここに援用される。
【0186】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、結合剤、特に、硬化または凝固結合剤を含む。結合剤の使用は、接着により、治療対象である骨欠損部内への挿入時の骨伝導支持体の制御されない散乱を防止することができるという点で有利である。
【0187】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、結合剤、特に硬化または凝固結合剤として構成される。
【0188】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、好ましくは捏和可能なまたはペースト状の塊または調製品の形態である結合剤により、互いに接続され、特に接着される。結合剤および骨伝導支持体によって生成される塊または調製品の捏和可能なまたはペースト状の粘稠度により、特に有利な方法で、その形態および/または量の手術中の変更が可能になる。これにより、治療対象である骨欠損部に対するインプラントの適合が促進され、したがって、インプラントの取扱いが改善される。
【0189】
さらなる実施形態では、結合剤は、細胞外たんぱく質等のたんぱく質を含み、または細胞外たんぱく質等のたんぱく質からなる。たんぱく質は、好ましくは、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、ラミニン、レチクリン、フィブロネクチン、フィブリン、アルブミン、および上述したたんぱく質のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。さらなる好適なたんぱく質について、挿入補助部に関連してすでに記載したたんぱく質は、参照によりここに援用される。
【0190】
さらなる実施形態では、結合剤は、セルロース誘導体および/またはムコ多糖等の多糖を含む。多糖は、好ましくは、澱粉、アミロース、アミロペクチン、デキストラン、デキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アルギン酸、アルギン酸塩、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン4-硫酸および/またはコンドロイチン6-硫酸等のコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、および上述した多糖類のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
【0191】
さらなる実施形態では、結合剤は、合成ポリマーを含む。合成ポリマーは、好ましくは、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、エチレンオキシド-プロピレンオキシド共重合体(EO-PO重合体)、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロック共重合体(EO-POブロック共重合体)、アクリル酸ホモポリマー、アクリル酸共重合体、ポリビニルピロリドンホモポリマー、ポリビニルピロリドン共重合体およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0192】
さらなる実施形態では、結合剤は、たんぱく質および多糖類の混合物、たんぱく質および合成ポリマーの混合物、多糖および合成ポリマーの混合物、またはたんぱく質、多糖および合成ポリマーの混合物を含む。好適なたんぱく質、好適な多糖類および好適な合成ポリマーに関して、先行する段落は、参照によりここに援用される。
【0193】
さらなる実施形態では、結合剤は希釈剤を含む。希釈剤は、好ましくはグリセロールである。希釈剤含有結合剤は、骨欠損部治療の完了まで結合剤の好ましくペースト状のまたは捏和可能な粘稠度を維持することができるという点で、有利である。これにより、治療対象である骨欠損部の形態に対するインプラントの適合が促進される。
【0194】
さらなる実施形態では、結合剤は、結合剤の総重量に基づき、50wt%~95wt%、特に60wt%~90wt%、好ましくは70wt%~80wt%の量の液体希釈剤、好ましくはグリセロールおよび/または水を含む。この段落に記載する希釈剤含有量は、骨欠損部治療の完了まで結合剤の好ましくはペースト状または捏和可能な粘稠度の維持に関して特に有利である。
【0195】
さらなる実施形態では、結合剤は、無水結合剤または本質的に無水の結合剤である。「本質的に無水の結合剤」という用語は、本発明の意味において、結合剤の総重量に基づき、5wt%未満、特に3wt%未満、好ましくは1wt%未満の含水量を有する結合剤を指すものとして理解されるべきである。好ましくは、結合剤は、カルボキシメチルセルロースおよびグリセロールを含む、無水結合剤または本質的に無水の結合剤である。これにより、パン生地のような粘稠度を達成することができ、これにより、粘着特性が提供され、したがって、治療対象である骨欠損部における好都合な予備固定が可能になる。
【0196】
さらなる実施形態では、結合剤は、ヒトまたは動物(非ヒト)の体内で、30分間~144時間、特に30分間~72時間、好ましくは30分間~24時間の溶解時間を有する。このように、特に有利な方法で、骨欠損部内への骨組織の迅速な成長を達成することができる。
【0197】
好ましい実施形態では、結合剤は、接着剤として構成される。接着剤は、好ましくは、オリゴペプチド、特に2~100のアミノ酸単位を有する、および/または窒素官能基化多糖および/または末端オリゴラクトンを含む。窒素官能基化多糖および末端オリゴラクトンを含む接着剤は、欧州特許2185207B1号明細書から既知であり、その開示内容は、その全体が参照により本明細書の内容に援用される。さらに、接着剤は、特に、特に少なくとも2種の成分を含む反応性接着剤として、または、完成したホットメルト接着剤として構成することができる。
【0198】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュと結合剤とを備える。
【0199】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュと結合剤との組合せ、特に複合材として構成される。
【0200】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、結合剤により、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュに固定されるか、または、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュに結合され、特に接着される。特に好ましくは、骨伝導支持体は、前記テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュの、1つの面のみにおいて、特に、挿入されたときに骨欠損部に面する面のみにおいて、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュに固定されるかまたは結合され、特に接着される。テキスタイル扁平構造体、特にメッシュおよび結合剤のさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0201】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子と、結合剤とを備える。
【0202】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子と結合剤との組合せ、特に複合材として構成される。
【0203】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、結合剤により、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子に固定され、または、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子に、結合され、特に接着される。特に好ましくは、骨伝導支持体は、前記構造体または格子の、1つの面のみにおいて、特に、挿入されたときに骨欠損部に面する面のみにおいて、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子に固定されるかまたは結合され、特に接着される。格子状扁平構造体、特に金属格子および結合剤のさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0204】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュと、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子と、結合剤とを備える。
【0205】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュと、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子と、結合剤との組合せ、特に複合材として構成される。
【0206】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、結合剤により、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュおよび/または格子状扁平構造体、好ましくは金属格子に固定され、または、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュおよび/または格子状扁平構造体、好ましくは金属格子に結合され、特に接着される。特に好ましくは、骨伝導支持体は、前記構造体の1つの面のみにおいて、特に、挿入されたときに骨欠損部に面する面のみにおいて、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュおよび/または格子状扁平構造体、好ましくは金属格子に固定されるかまたは結合され、特に接着される。テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュ、格子状扁平構造体、特に金属格子および結合剤のさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0207】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、支持体を封入するかまたは包囲するシースを備える。
【0208】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、支持体を封入するかまたは包囲するシースとして構成される。
【0209】
シースの使用は、治療対象である骨欠損部内に挿入するときの骨伝導支持体の制御されない移動を防止することができるという点で有利である。
【0210】
概して、シースは、寸法的に変動する、特に袋状構成を有することができる。
【0211】
別法として、シースは、寸法的に安定しており、特に事前成形することができる。たとえば、シースは、液体容器(vessel)状、受入容器(recipient)状または容器(入れ物)(container)状構成を有することができる。好ましくは、シースは、解剖学的に適合される、すなわち治療対象である骨欠損部に適合される形状を有する。
【0212】
好ましくは、シースは、枕形、大袋もしくは小袋状、くさび形、リンゴのスライス形、鎌形、鎌くさび形、環状、トロイド状またはクローバー形構成を有する。
【0213】
さらなる実施形態では、シースは、特に糸、好ましくは引糸または固定糸により、閉鎖可能であるように構成される。別法として、シースは、Velcro(登録商標)ファスナを有することができる。
【0214】
さらなる実施形態では、シースは、開口部または凹部を備える。開口部または凹部は、穴、細孔、裂け目、スリット、割れ目、間隙、切欠き、および上述した開口部または凹部のうちの少なくとも2つの組合せからなる群から選択することができる。好ましくは、開口部または凹部は細孔である。
【0215】
好ましい実施形態では、シースは、開孔があるように構成される。
【0216】
好ましくは、シースは、10μm~5mm、特に100μm~3mm、好ましくは500μm~2mmの直径、好ましくは平均直径を有する開口部、特に細孔を備える。こうした開口部直径、特に細孔直径は、骨組織の成長に対して特に有利であることが分かった。好ましくは、シースの開口部は、支持体の最小寸法より小さい。
【0217】
さらなる実施形態では、シースは、非テキスタイル構造体を備える。特に、シースは、非テキスタイル構成を有することができ、すなわち、非テキスタイル構造の形態であり得る。
【0218】
シースは、さらなる実施形態では、ランダム化した繊維構造体、すなわち、ランダムに配置されかつ/または配向された繊維を有する構造体を備え、またはこうした構造体からなる。
【0219】
さらなる実施形態では、シースは、凍結乾燥、すなわちフリーズドライ形態である。
【0220】
さらなる実施形態では、シースは、格子状、すなわち格子、特に金属格子の形態であるように構成される。好適な金属について、挿入補助部に関連してすでに記載した金属または合金は、参照によりここに援用され、チタンおよび/またはタンタルが好ましい。
【0221】
さらなる実施形態では、シースは、テキスタイル構造体を含む。本発明によれば、シースは、特に、テキスタイル形態で、すなわちテキスタイル構造体の形態で構成されることが好ましい場合がある。
【0222】
テキスタイル構造体は、モノフィラメント、疑似モノフィラメント、マルチフィラメント、および上述した糸のうちの少なくとも2種の組合せからなる群から選択された糸を含み、またはそうした糸から構成され得る。
【0223】
テキスタイル構造体、特にその糸は、たとえば活性化合物および/またはX線造影剤等、添加剤を含むことができる。好適な展開剤に関して、後述する添加剤は、参照によりここに援用される。
【0224】
概して、テキスタイル扁平構造体の糸は、同じ糸厚さ(糸径)を有することができる。
【0225】
しかしながら、寸法的安定性の観点から、シース、特にテキスタイル扁平構造体は、異なる糸厚さ(糸径)を有する糸を含むことが好ましい場合がある。
【0226】
さらに、テキスタイル構造体の糸は、染色形態であり、特に、少なくとも部分的に染色され、たとえば、白色および/または青色で染色され得る。染色された糸は、特に、方向付け糸とすることができ、それにより、使用者、好ましくは外科医に対してシース、特にインプラントの適切な配置が促進される。
【0227】
さらに、テキスタイル構造体は、薄織物、編物、かぎ編み生地、編組生地、織布、不織布、メッシュ、フェルトおよびメッシュ生地からなる群から選択することができる。
【0228】
本発明によれば、したがって、シースは、織り、編み、かぎ編み、編組、織布タイプ、不織布タイプ、メッシュタイプ、フェルトタイプまたはメッシュ生地タイプ構造体を有し、またはこうした構造体からなることが好ましい場合がある。
【0229】
特に好ましい実施形態によれば、シースの構成は、メッシュタイプ、すなわちメッシュ、特に編みメッシュの形態である。
【0230】
メッシュは、たとえば、商標名Optilene(登録商標)Mesh、Optilene(登録商標)Mesh LPおよびOptilene(登録商標)Mesh Elasticとして本出願人によって販売されている、上述した製品のうちの1つであり得る。
【0231】
さらなる実施形態では、シースは、収縮性糸、すなわちいわゆる収縮糸を含む。好ましくは、収縮糸は、治療対象である骨欠損部および/またはシースの閉鎖部へのシースの形状の変化、特に形状適合を、収縮によりもたらすように構成される。糸の収縮は、たとえば、放射線照射および固定によってもたらすことができる。収縮糸は、たとえば、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸を含み、またはポリ-4-ヒドロキシ酪酸からなり得る。
【0232】
さらなる実施形態では、シースは、多層、特に2層構成を有する。言い換えれば、シースは、さらなる実施形態によれば、複数の層、特に2つの層を備える。
【0233】
層は、同じであるようにも異なるようにも構成することができる。特に、層は、同じ材料を含み、または同じ材料からなり得る。別法として、層は、1つまたは複数の異なる材料からなり得る。好適な材料に関して、挿入補助部に関連して記載した材料は、それらの全体が参照によりここに援用される。
【0234】
さらに、層の各々は、テキスタイル形態でも非テキスタイル形態でも構成することができる。
【0235】
さらに、シースは、少なくとも1つのテキスタイル形態層および少なくとも1つの非テキスタイル形態層を備えることができる。
【0236】
層は、好ましくは、互いに重なって配置され、互いに接続され、特に縁部において互いに接続される。
【0237】
層の結合は、縫目、特に層の縁部に沿って伸びる縫目に基づき、または、材料結合部、たとえば接着もしくは溶接結合部等、層の縁部に沿って伸びる材料結合部に基づくことができる。
【0238】
さらなる実施形態では、シースは、骨伝導支持体により部分的にのみ充填される。
【0239】
シースは、特に、骨伝導支持体により、最大90%、特に最大85%、好ましくは最大70%まで充填することができる。シースは、さらに好ましくは、骨伝導支持体により、少なくとも5%まで、好ましくは少なくとも10%まで充填される。これにより、特に有利な方法で、骨欠損部の成形可能であるがそれにも関わらず安定した充填が確実になる。
【0240】
さらなる実施形態では、シースの含有量は、インプラントの総重量に基づき、0.5wt%~50wt%、特に5wt%~40wt%、好ましくは2wt%~50wt%である。
【0241】
シースに対して好適な材料に関して、挿入補助部に関連してすでに記載した材料は、参照によりここに援用される。
【0242】
さらなる実施形態では、インプラントは、それぞれシースとして構成される複数の挿入補助部を備える。ここで、各シースまたはシースの一部のみが、骨伝導支持体を備えることができる。特に、シースのうちの1つのみが、骨伝導支持体を備えることができる。特に有利な方法で、このシースは、他の(空の)シースを充填するための一種の「リザーバシース」としての役割を果たすことができる。
【0243】
さらに、シースは、異なるサイズであり得る。特に、1つまたは複数の小さい方のシースを大きい方のシース内に収容することができる。小さい方の1つのシースまたは複数のシースおよび/または大きい方のシースは、生体内分解性または生体内吸収性材料を含み、またはそうした材料からなり得る。好適な材料に関して、挿入補助部に関連して記載した材料は、参照によりここに援用される。
【0244】
さらなる実施形態では、隣接するシースは、インプラントの中間領域により互いから分離される。中間領域は、好ましくは、テキスタイル構造体を含む。しかしながら、別法として、中間領域は、非テキスタイル構造体を含むことも可能である。好適なテキスタイルまたは非テキスタイル構造体に関して、シースに関連して記載した対応する説明は、参照によりここに援用される。
【0245】
シースのさらなる特徴および利点に関して、先行する段落に記載した説明は、必要な変更を加えて適用され、参照によりここに援用される。
【0246】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、支持体を封入しまたは包囲するシースと結合剤とを備える。
【0247】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、骨伝導支持体を封入しまたは包囲するシースと結合剤との組合せ、特に複合材として構成される。
【0248】
好ましくは、記載したすぐ上の2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、結合剤によりシースに固定されるかまたは接続され、特に接着される。シースのおよび結合剤のさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0249】
さらなる実施形態では、挿入補助部はカバーを備える。
【0250】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、カバーとして構成される。
【0251】
カバーは、好ましくは、骨欠損部の完全な閉鎖をもたらすように構成される。特に有利な方法で、カバーはまた、好ましくは人工関節窩に対して、すなわち骨に対して生体内で作用する力に関して支持を提供することも可能であり、それにより、全体的により高い安定性を達成することができる。
【0252】
「完全な閉鎖」という用語は、本発明の意味において、骨欠損部が人工関節窩により不完全にしか閉鎖されず、カバーが残りの領域において骨欠損部を覆うことを意味するものとして理解されるべきである。
【0253】
特に好ましい実施形態では、カバーは、板状カバーである。言い換えれば、カバーが、板状である、すなわち板として構成されることが特に好ましい。
【0254】
カバーは、さらなる実施形態では、湾曲しているかまたは曲がっているように構成される。好ましくは、カバーは、凹状面および/または凸状面、好ましくは凹状面および凸状面、特に好ましくは凹状面および反対側の凸状面を有する。凹状面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損に面するカバーの面であり得る。さらに、凸状面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部から離れる方向に面するカバーの面であり得る。さらに、この段落で記載する1つの面またはこの段落で記載する複数の面は、特に、カバーの1つの部分的な面または複数の部分的な面であり得る。
【0255】
さらなる実施形態では、カバーは、直線状、すなわち、湾曲しておらずかつ曲がっていない板の形態で構成される。
【0256】
好ましい実施形態では、骨伝導支持体は、カバーに固定されるかまたは締結される。
【0257】
さらなる実施形態では、骨伝導支持体は、その1つの面においてのみ、特に、挿入されたときに骨欠損部に面する面においてのみ、カバーに固定されるかまたは締結される。
【0258】
特に好ましい実施形態によれば、骨伝導支持体は、カバーの湾曲した、好ましくは凹状面、特に部分的な面に固定されるかまたは締結される。特に、骨伝導支持体は、さらに詳細に後述するように、メッシュ等のテキスタイル扁平構造体および/または金属格子等の格子状扁平構造体および/またはシースおよび/または結合剤により、面、特に部分的な面に固定するかまたは締結することができる。カバーの面、特に部分的な面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面する面、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面する部分的な面であり得る。
【0259】
さらなる実施形態では、カバーは、接続領域を含む。接続領域は、好ましくは、人工関節窩への、特に、人工関節窩の外面への接続部として構成される。
【0260】
接続領域は、好ましくは、人工関節窩に、特に人工関節窩の外面に対応するように構成される。
【0261】
特に好ましくは、接続領域は、カバーの湾曲した、好ましくは凹状面、特に部分的な面として構成される。面、特に部分的な面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの面、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの部分的な面であり得る。
【0262】
さらなる実施形態では、カバーは、単位部品として構成される。
【0263】
さらなる実施形態では、カバーは、複数の部品、たとえば2つまたは3つの部品として構成される。カバーの部品は、好ましくは、材料結合により互いに接続され、特に、互いに接着されるかまたは溶接される。たとえば、カバーの部品は、ポリメチルメタクリレート接着剤(PMMA接着剤)により互いに接続することができる。
【0264】
「ポリメチルメタクリレート接着剤」という用語は、本発明の意味において、硬化した後に、ポリメチルメタクリレートの形態であるかまたはポリメチルメタクリレートを含む、接着剤、特に二液型接着剤を指すものとして理解されるべきである。
【0265】
さらなる実施形態では、カバーは、少なくとも1つの固定ピンを備える。少なくとも1つの固定ピンは、好ましくは、カバーを骨にまたは骨の中に締結するかまたは固定するように構成される。
【0266】
「少なくとも1つの固定ピン」という用語は、本発明の意味において、1つの固定ピンまたは複数の固定ピン、すなわち2つ以上の固定ピンを指すものとして理解されるべきである。
【0267】
少なくとも1つの固定ピンは、特に、少なくとも少なくとも1つのとげ状固定ピン、少なくとも1つのスパイク状固定ピン、少なくとも1つの釘状固定ピン、少なくとも1つのねじ状固定ピン、少なくとも1つのフック状固定ピン、少なくとも1つのプロング状固定ピン、少なくとも1つのかかり状固定ピン、少なくとも1つの刀状固定ピン、少なくとも1つの矢状固定ピンおよびそれらの組合せからなる群から選択することができる。
【0268】
好ましい実施形態では、カバーは、複数の固定ピンを備える。固定ピンは、好ましくは、カバーを骨にまたは骨内に締結し固定することができる。
【0269】
固定ピンは、好ましくは、とげ状固定ピン、スパイク状固定ピン、釘状固定ピン、ねじ状固定ピン、フック状固定ピン、プロング状固定ピン、かかり状固定ピン、刀状固定ピン、矢状固定ピン、および上述した固定ピンのうちの少なくとも2つの組合せからなる群から選択することができる。
【0270】
さらなる実施形態では、カバーは、少なくとも1つの締結手段開口部を備える。
【0271】
「少なくとも1つの締結手段開口部」という用語は、本発明の意味において、1つの締結手段開口部または複数の締結手段開口部、すなわち2つ以上の締結手段開口部を指すものとして理解されるべきである。
【0272】
少なくとも1つの締結手段開口部は、たとえば、特に止めねじまたは骨釘の形態の骨スクリュー等、締結手段を収容するように構成される。特に有利な方法で、これにより、カバーを骨にまたは骨の中に締結するかまたは固定する(さらなる)可能性が提供される。
【0273】
少なくとも1つの締結手段開口部は、卵形、特に円形または楕円形断面を有することができる。別法として、少なくとも1つの締結手段開口部は、多角形、特に三角形、矩形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形または星形断面を有することができる。
【0274】
カバーが複数の締結手段開口部を備える場合、少なくとも1つの締結手段開口部に関連して記載した実施形態が、必要な変更を加えて適用される。
【0275】
さらなる実施形態では、カバーは、少なくとも1つの血液充填開口部を備える。少なくとも1つの血液充填開口部は、好ましくは、カバーおよび任意選択的に存在する人工関節窩によって遮蔽される空間を血液または別の流体で充填するように構成される。血液充填開口部はまた、結合剤を流し出すためにも使用することができる。
【0276】
本発明の意味において、「少なくとも1つの血液充填開口部」という用語は、1つの血液充填開口部または複数の血液充填開口部、すなわち2つ以上の血液充填開口部を指す。
【0277】
概して、少なくとも1つの血液充填開口部は、卵形、特に円形または楕円形断面を有することができる。
【0278】
別法として、少なくとも1つの血液充填開口部は、多角形、特に三角形、矩形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形または星形断面を有することができる。
【0279】
特に、少なくとも1つの血液充填開口部は、支持体の最小寸法より小さい直径を有することができる。
【0280】
カバーが複数の血液充填開口部を備える場合、少なくとも1つの血液充填開口部に関連して記載した実施形態が、必要な変更を加えて適用される。
【0281】
さらなる実施形態では、カバーは、脆弱領域、特に局部的に限られた脆弱領域を備える。
【0282】
脆弱領域は、好ましくは、スリットおよび/またはスロット等の開口部、溝および/または切欠き等の凹部、穿孔、厚さの低減等の厚さの変化、および上述した脆弱化領域のうちの少なくとも2つの組合せからなる群から選択される。
【0283】
脆弱領域は、骨欠損部への、特に周囲の骨の輪郭へのカバーの適合を容易にすることができるという点で有利である。開口部の形態の脆弱領域は、カバーのある程度の「通気」または「圧送」を可能にするというさらなる利点を有する。
【0284】
さらなる実施形態では、カバーは、開孔があるように構成される。特に有利な方法で、これにより周囲の骨組織がカバー内に成長することができ、それにより、十分な二次固定、特に、治療対象である骨欠損部の生物学的再建を達成することができる。好ましくは、カバーは、いくつかの部分にのみ開孔があるように構成される。
【0285】
さらなる実施形態では、カバーは、多孔質であるようには構成されない。多孔質であるように構成されないカバーは、特に股関節再置換手術中に、カバーを取り除く場合、(新たに形成された)骨組織は、取り除かれるのが極めてわずかであるかまたはまったく取り除かれるべきではないため、有利である。好ましくは、カバーは、いくつかの部分においてのみ、多孔質であるように構成されない。
【0286】
さらなる実施形態では、カバーは、平滑である、すなわち、凹凸領域がないように構成される。平滑カバーもまた、特に股関節再置換手術中に、カバーを取り除く場合、(新たに形成された)骨組織は、取り除かれるのが極めてわずかであるかまたはまったく取り除かれるべきではないため、有利である。好ましくは、カバーは、いくつかの部分においてのみ平滑であるように構成される。
【0287】
さらなる実施形態では、カバーは、埋め込まれたときに骨欠損部に面する部分に沿ってのみ開孔があるように構成され、埋め込まれたときに骨欠損部から離れる方向に面する部分に沿ったカバーは、平滑でありかつ/または多孔質であるように構成されない。これにより、上記段落に記載した利点を互いに結合することができる。
【0288】
さらなる実施形態では、カバーは、棚状部を備える。特に好ましい方法で、これにより、大量の骨伝導支持体を治療対象である骨欠損部内に挿入することができる。
【0289】
さらなる実施形態では、カバーは、カバーを負圧または真空源、特に負圧または真空ポンプに接続する接続装置を備える。このように、たとえば、治療対象である骨欠損部を洗浄して、特に、たとえば血液等、遊離した骨粒子および/または体液を除去することができる。
【0290】
さらなる実施形態では、カバーは、金属、特にチタンおよび/またはタンタルを含み、または、金属、特にチタンおよび/またはタンタルからなる。
【0291】
さらなる実施形態では、カバーは、ポリマーを含み、またはポリマーからなり、ポリマーは、好ましくは、ポリ乳酸、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、および上述したポリマーのうちの少なくとも2種の混合物(ブレンド)からなる群から選択される。
【0292】
概して、カバーは、治療対象であるそれぞれの骨欠損部に応じてさまざまな形態であり得る。
【0293】
さらなる実施形態では、カバーは、付加または造形製造法を用いて製造される。
【0294】
「付加製造法」または「造形製造法」という用語は、本発明の意味において、モデル、パターン、サンプル、プロトタイプ、ツールおよび最終製品の迅速かつ安価な製造方法(「付加製造」)を指すものとして理解されるべきである。この製造は、化学および/または物理プロセスにより、無形の(formless)材料(流体、粉末等)または中間的形状の(form-neutral)(帯状またはワイヤ状)材料のコンピュータ内部データモデルに直接基づいて行われる。
【0295】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、結合剤およびカバーを備える。
【0296】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、結合剤およびカバーの組合せ、特に複合材として構成される。
【0297】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は結合剤により、互いに固定されるかまたは締結され、特に接着され、カバーに、好ましくは、カバーの湾曲した、好ましくは凹状面、特に部分的な面に固定されるかまたは締結される。面、特に部分的な面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面する面、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの部分的な面であり得る。結合剤およびカバーのさらなる特徴および利点に関し、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0298】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュと、カバーとを備える。
【0299】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュと、カバーとの組合せ、特に複合材として構成される。
【0300】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュにより、カバーに、好ましくは湾曲した、好ましくは凹状面に、特に前記カバーの部分的な面に固定されるかまたは締結される。この目的で、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュは、特に、材料結合により、たとえば接着または溶接により、カバーまたは面、特に部分的な面に固定することができる。面、特に部分的な面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの面、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの部分的な面であり得る。テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュとカバーとのさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0301】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュと、結合剤と、カバーとを備える。
【0302】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュと、結合剤と、カバーとの組合せ、特に複合材として構成される。
【0303】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、互いに接続され、特に接着され、結合剤および/またはテキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュにより、カバーに、好ましくは湾曲した、好ましくは凹状面、特に、カバーの部分的な面に、固定されるかまたは締結される。この目的で、テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュは、特に、材料的に結合する方法で、たとえば接着または溶接により、カバーまたは面、特に部分的な面に固定することができる。面、特に部分的な面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの面、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面する部分的な面であり得る。テキスタイル扁平構造体、好ましくはメッシュ、結合剤およびカバーのさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、全体が参照によりここに援用される。
【0304】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子とカバーとを備える。
【0305】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子とカバーとの組合せ、特に複合材として構成される。
【0306】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、カバーに、好ましくは湾曲した、好ましくは凹状面、特にカバーの部分的な面に、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子により、固定されるかまたは締結される。この目的で、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子は、特に、材料結合により、たとえば接着または溶接により、カバーまたは面、特に部分的な面に固定することができる。面、特に部分的な面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの面、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面する部分的な面であり得る。格子状扁平構造体、好ましくは金属メッシュとカバーとのさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0307】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子と、結合剤と、カバーとを備える。
【0308】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子と、結合剤と、カバーとの組合せ、特に複合材として構成される。
【0309】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、結合剤により互いに接続され、特に接着され、結合剤および/または格子状扁平構造体、好ましくは金属格子により、カバーに、好ましくはカバーの湾曲した、好ましくは凹状面、特に部分的な面に、固定されるかまたは締結される。この目的で、格子状扁平構造体、好ましくは金属格子は、特に、材料結合により、たとえば接着または溶接により、カバーまたは面、特に部分的な面に固定することができる。面、特に部分的な面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの面、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面する部分的な面であり得る。格子状扁平構造体、好ましくは金属格子、結合剤およびカバーのさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0310】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、骨伝導支持体を封入するかまたは包囲するシースとカバーとを備える。
【0311】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、骨伝導支持体を封入するかまたは包囲するシースとカバーとの組合せ、特に複合材として構成される。
【0312】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、シースに収容され、シースは、カバーに、好ましくは湾曲した、好ましくは凹状面、特に、カバーの部分的な面に、固定されるかまたは締結される。この目的で、シースは、特に、材料結合により、たとえば接着または溶接により、カバーまたは面、特に部分的な面に固定することができる。面、特に部分的な面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの面、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面する部分的な面であり得る。シースおよびカバーのさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0313】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、骨伝導支持体を封入するかまたは包囲するシースと、結合剤と、カバーとを備える。
【0314】
さらなる実施形態では、挿入補助部は、骨伝導支持体を封入するかまたは包囲するシースと、結合剤と、カバーとの組合せ、特に複合材として構成される。
【0315】
好ましくは、すぐ上に記載した2つの実施形態の場合、骨伝導支持体は、シースに収容される。さらに好ましくは、骨伝導支持体は、結合剤により、互いに接続され、特に接着され、結合剤および/またはシースにより、カバーの湾曲した、好ましくは凹状面、特に部分的な面に固定されるかまたは締結される。この目的で、シースは、特に、材料結合により、たとえば接着または溶接により、カバーまたは面、特に部分的な面に固定することができる。面、特に部分的な面は、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面するカバーの面、特に、埋め込まれたときに骨欠損部に面する部分的な面であり得る。シース、結合剤およびカバーのさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0316】
さらなる実施形態では、インプラントは、人工関節窩をさらに備える。人工関節窩は、好ましくは、挿入補助部のカバーにまたはカバーとして構成された挿入補助部に固定されるかまたは締結される。好ましくは、人工関節窩は、カバーの接続領域に固定されるかまたは締結される。固定または締結は、好ましくは、たとえばPMMA接着剤により、材料結合部、特に接着剤結合に基づく。カバーおよびカバーの接続領域のさらなる特徴および利点に関して、上記説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0317】
さらなる実施形態では、インプラントは締結装置をさらに備える。締結装置は、好ましくは、インプラントの骨へのまたは骨内への締結を行うように構成される。
【0318】
締結装置は、たとえば、穴、補強された穴、アイレット、スリーブ、スリット、間隙またはループとして構成することができる。
【0319】
締結装置は、さらに、テキスタイルとして、特に糸または糸ループとして構成することができる。
【0320】
特に有利な方法で、締結装置は、テキスタイル扁平構造体より硬い材料から構成することができる。
【0321】
さらなる実施形態では、インプラントは、補強構造体(外装構造体)をさらに備える。補強構造体は、好ましくは、インプラントの外装、すなわち補強または強化を提供するように構成される。
【0322】
補強構造体は、たとえば、テキスタイル構造体を含み、またはこうした構造体からなり得る。
【0323】
好ましくは、補強構造体は、メッシュの形態で、特に織メッシュの形態で構成される。補強構造体は、特に、ポリプロピレンメッシュ、すなわち、ポリプロピレン糸、特にモノフィラメントポリプロピレン糸のメッシュであり得る。好ましくは、それは、編みポリプロピレンメッシュであり得る。たとえば、メッシュは、商標名Optilene(登録商標)Mesh、Optilene(登録商標)Mesh LPおよびOptilene(登録商標)Mesh Elasticとして本出願人により市販されているメッシュのうちの1つであり得る。
【0324】
代替実施形態では、補強構造体は、格子構造体、特に金属格子である。たとえば、補強構造体は、チタンまたはタンタル格子であり得る。
【0325】
補強構造体に対するさらなる好適な材料に関して、挿入補助部に関連して言及した材料は、それらの全体が参照によりここに援用される。
【0326】
さらなる実施形態では、インプラント、特に骨伝導支持体および/または挿入支持具は、添加剤をさらに備える。
【0327】
添加剤は、少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または完全に、インプラント、特に骨伝導支持体および/または挿入補助部をコーティングすることができる。別法として、添加剤を含むコーティングが、少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または完全に、インプラント、特に骨伝導支持体および/または挿入補助部をコーティングすることができる。
【0328】
好ましくは、添加剤は、骨伝導支持体とともに、混合物、特に不均一混合物の形態である。
【0329】
さらに好ましくは、添加剤は、骨伝導支持体の間に配置される。
【0330】
特に好ましくは、骨伝導支持体の間に形成されるかまたは存在する中間空間は、少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、または完全に、添加剤で充填される。この実施形態では、添加剤は、充填剤と呼ぶことができる。
【0331】
さらなる実施形態では、添加剤は、粒状形態、すなわち、粒子の形態、特に、バルク材料、好ましくは細粒の形態である。
【0332】
さらなる実施形態では、添加剤は、0.1mm~4mm、特に0.5mm~2mm、好ましくは1mm~1.5mmの範囲の少なくとも1つの測定値または寸法を有する粒子を含み、またはそうした粒子の形態である。少なくとも1つの寸法は、特に、粒子の高さおよび/または幅(厚さまたは高さ)および/または長さおよび/または直径、特に平均直径であり得る。
【0333】
さらなる実施形態では、添加剤は、多面体粒子を含み、または、多面体粒子の形態である。粒子のあり得る多面体構成に関して、骨伝導支持体に関連して記載した多面体形態は、参照によりここに援用される。
【0334】
さらなる実施形態では、添加剤は、非多面体粒子を含み、または非多面体粒子の形態である。粒子のあり得る非多面体構成に関して、骨伝導支持体に関連して記載した非多面体形態は、参照によりここに援用される。
【0335】
さらなる実施形態では、添加剤は、少脚体形粒子を含み、または少脚体形粒子の形態である。粒子のあり得る少脚体形構成に関して、骨伝導支持体に関連して記載した少脚体形態は、参照によりここに援用される。
【0336】
添加剤は、好ましくは、骨形成促進物質、抗生物質等の抗菌性物質、抗炎症薬、細胞増殖抑制剤、サイトカイン、骨形成たんぱく質(BMP)、抗骨粗しょう症剤、ヒアルロン酸、造影剤、および上述した添加剤のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
【0337】
骨形成促進物質は、添加剤として特に好ましい。こうした添加剤により、骨組織の新生は、特に有利な方法で刺激することができ、それはさらに、骨欠損部の治癒プロセスをサポートする。骨形成促進物質は、骨芽細胞がインプラント内に、特に、支持体によりそれらの圧縮の後に形成される構造体内に成長し、類骨を形成することができ、類骨がその後、鉱化し骨になる、という点で、特に有利である。
【0338】
骨形成促進物質は、好ましくは、骨形成および/または骨誘導物質である。
【0339】
さらに、骨形成促進物質は、生体内分解性または生体内吸収性であることが好ましい。
【0340】
骨形成促進物質は、特に、1日~2年間、特に3日間~10か月間、好ましくは1週間~6か月間の生体内分解(decomposition)時間(分解(degradation)時間)を有することができる。
【0341】
さらに、骨形成促進物質は、特に、1時間~1年間、特に12時間~6か月、好ましくは3日間~3か月の生体内吸収時間を有することができる。
【0342】
さらに、骨形成促進物質は、可撓性、特に軟質物質であり得る。
【0343】
好ましくは、骨形成促進物質は、骨伝導支持体より可撓性がある、特により軟質であるように構成される。
【0344】
好ましくは、骨形成促進添加剤は、埋込後、治療対象である骨欠損部の新たに粗化された出血する骨層、好ましくは寛骨臼と直接接触し、したがって、骨芽細胞の成長のために好都合な必要条件を提供する。これらは、類骨を形成することができ、類骨は、鉱化し骨になる。
【0345】
さらなる実施形態では、骨形成促進物質は、インプラントの総重量に基づき、5wt%~70wt%、特に10wt%~50wt%、好ましくは15wt%~25wt%の含有量を有する。
【0346】
骨形成促進添加剤は、好ましくは、細胞外たんぱく質等のたんぱく質、ムコ多糖類および/またはセルロース誘導体等の多糖類、生物学的組織、調製または精製された生物学的組織、細胞外マトリックス、ポリトリメチレンカーボネート、ポリパラジオキサノン(ポリ-1,4-ジオキサン-2-オン)、ポリヒドロキシアルカン酸、金属、および上述した添加剤のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択される。
【0347】
たんぱく質は、特に、コラーゲン、ゼラチン、エラスチン、レチクリン、フィブロネクチン、フィブリン、ラミニン、アルブミン、および上述したたんぱく質のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択することができる。コラーゲンは、好ましくは、I型コラーゲン、III型コラーゲン、またはI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンを含むかまたはI型コラーゲンおよびIII型コラーゲンからなる混合物である。
【0348】
多糖は、特に、澱粉、アミロース、アミロペクチン、デキストラン、デキストリン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ブチルセルロース、ヒドロキシブチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、キチン、キトサン、ヒアルロン酸、デキストラン硫酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、コンドロイチン4-硫酸および/またはコンドロイチン6-硫酸等のコンドロイチン硫酸、デルマタン硫酸、ケラタン硫酸、および上述した多糖類のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択することができる。
【0349】
生物学的組織は、特に、動物または異種の、好ましくはウシ、ウマまたはブタ組織であり得る。
【0350】
組織は、概して、心膜、腹膜、小腸粘膜下組織、胃粘膜下組織、膀胱粘膜下組織、子宮粘膜下組織、漿膜、および上述した組織のうちの少なくとも2つの混合物からなる群から選択することができる。
【0351】
好ましくは、組織は、心膜(心嚢)、線維性心膜、漿膜性心膜、心外膜、扁平上皮、漿膜、たとえば心筋等の筋肉、および上述した組織のうちの少なくとも2つの混合物からなる群から選択される。
【0352】
特に好ましくは、組織は、心膜組織、特にウシ心膜、すなわちウシ心膜組織である。
【0353】
調製または精製された生物学的組織は、特に、非コラーゲン成分、好ましくは脂肪および/または酵素および/または非コラーゲンたんぱく質のない生物学的組織であり得る。特に好ましくは、調製または精製された生物学的組織は、ウシ心膜から生成された、非コラーゲン成分、特に脂肪、酵素および非コラーゲンたんぱく質を除去して浄化され、フリーズドライにされたコラーゲン物質である。こうした物質は、硬膜置換のために商標名Lyoplant(登録商標)として本出願人によりすでに販売されている。組織のさらなる特徴に関して、上記説明は参照によりここに援用される。
【0354】
細胞外マトリックスは、特に、生物学的組織の細胞外マトリックスであり得る。好ましくは、細胞外マトリックスは、動物、特に、ウシ、ウマまたはブタ組織の細胞外マトリックスである。組織のさらなる特徴に関して、上記説明はまた参照によりここに援用される。
【0355】
ポリヒドロキシアルカン酸は、特に、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリ-3-ヒドロキシ酪酸、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸、上述したポリマーのうちの少なくとも2種の共重合体、および上述したポリマーのうちの少なくとも2種の混合物(ブレンド)からなる群から選択することができる。
【0356】
金属は、特にチタンおよび/またはタンタルであり得る。
【0357】
さらなる実施形態では、骨形成促進添加剤は、非架橋形態である。
【0358】
さらなる実施形態では、骨形成促進添加剤は、架橋形態である。たとえば、骨形成促進添加剤は、架橋たんぱく質、特に架橋コラーゲンまたは架橋ゼラチンであり得る。
【0359】
添加剤に関連して言及したサイトカインは、特に、インターフェロン、インターロイキン-1βおよび/またはインターロイキン-6等のインターロイキン、コロニー刺激因子、ケモカイン、ならびに上述したサイトカインのうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択することができる。
【0360】
添加剤に関連して言及した骨形成たんぱく質は、特に、BMP1、BMP2、BMP3、BMP3B、BMP4、BMP5、BMP6、BMP7、BMP8A、BMP8B、BMP10、BMP15、および上述した骨形成たんぱく質のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択することができる。
【0361】
添加剤に関連して言及した抗菌性物質は、特に、好ましくはナノ粒子の形態である、ポリヘキサメチレンビグアナイド(PHMB)、銀、銀化合物、特に銀塩、および上述した抗菌性物質のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択することができる。
【0362】
添加剤に関連して言及した抗生物質は、特にゲンタマイシンであり得る。
【0363】
添加剤に関連して言及した造影剤は、特に、ヨウ素化合物、硫酸バリウム等の重金属塩、酸化ジルコニウム、および上述した造影剤のうちの少なくとも2種の混合物からなる群から選択することができる。
【0364】
さらなる実施形態では、インプラントは、骨欠損部の治療および/または生物学的再建、特に裏当ておよび/または封止および/またはパッキングおよび/または少なくとも部分的な充填に使用されるインプラントである。
【0365】
上述したように、骨欠損部は、特に、関節欠損部、好ましくは股関節欠損部、特に好ましくは寛骨臼欠損部であり得る。
【0366】
さらなる実施形態では、治療は再置換である。
【0367】
さらなる実施形態では、インプラントは骨インプラントである。
【0368】
さらなる実施形態では、インプラントは骨置換材料である。
【0369】
本発明は、第2態様によれば、好ましくは、本発明の第1態様による、かつ/または骨欠損部の治療および/または生物学的再建、特に裏当ておよび/または封止および/またはパッキングおよび/または少なくとも部分的な充填のためのインプラントを製造するためのキット、特に外科用キットに関する。
【0370】
骨欠損部は、特に、寛骨臼欠損部または関節欠損部、特に膝関節欠損部であり得る。特に好ましくは、骨欠損部は寛骨臼欠損部である。
【0371】
キットは、互いに空間的に分離されている以下の構成要素、すなわち、
骨伝導支持体と、
挿入補助部と
を備える。
【0372】
キットは、特に、挿入補助部が、骨伝導支持体を骨欠損部に挿入するように、かつ、好ましくは骨伝導支持体の骨欠損部内への挿入中および/または挿入後に、骨伝導支持体を合わせて保持する、特に永久的にまたは一時的に合わせて保持するように構成されることを特徴とする。
【0373】
好ましい実施形態では、骨伝導支持体は、燐灰石および/またはリン酸三カルシウムを含み、または燐灰石および/またはリン酸三カルシウムからなる。
【0374】
好ましい実施形態では、キットは、骨接着剤、補強構造体、体内プロテーゼ、支持シェル、スペーサインプラント、締結要素、および上述した構成要素のうちの少なくとも2つの組合せからなる群から選択された少なくとも1つの構成要素を備える。
【0375】
骨接着剤は、たとえば、たとえばリン酸カルシウムセメント、リン酸マグネシウムセメントまたはリン酸マグネシウム-カルシウムセメント等、骨セメントであり得る。
【0376】
上述した補強構造体に関して、本発明の第1態様に関して行った説明は、それらの全体が参照によりここに援用される。
【0377】
締結要素は、たとえば、骨スクリュー、骨釘またはねじ、特に外科縫合材料であり得る。
【0378】
体内プロテーゼは、好ましくは、人工関節窩または人工関節窩インレーである。
【0379】
キットの、特に骨伝導支持体および挿入補助部のさらなる特徴および利点に関して、本発明の第1態様に関して行った説明は、キットにも(必要な変更を加えて)適用され、それらの全体が参照によりここに援用される。
【0380】
第3態様によれば、本発明は、骨欠損部の治療および/または生物学的再建、特に、裏当ておよび/または封止および/またはパッキングおよび/または少なくとも部分的な充填の方法に関する。
【0381】
骨欠損部は、特に、寛骨臼欠損部または関節欠損部、特に膝関節欠損部であり得る。好ましくは、骨欠損部は、寛骨臼欠損部である。
【0382】
本方法は、以下のステップ、
-本発明の第1態様によるインプラントの骨欠損部内への配置
を含む。
【0383】
好ましい実施形態では、本方法は、以下のステップ、
-いわゆるインパクタ、すなわち、骨伝導支持体の圧縮、特に嵌入のための外科用器具を用いる、配置されたインプラントの嵌入
をさらに含む。
【0384】
さらなる実施形態では、本方法は、以下のステップ、
-配置された、特に嵌入されたインプラントに対する骨セメントの付加
をさらに含む。
【0385】
さらなる実施形態では、本方法は、以下のステップ、
-挿入補助部への、特にそのカバーへの、またはカバーとして構成された挿入補助部への、人工関節窩の固定または取付
をさらに含む。
【0386】
さらなる実施形態では、本方法は、以下のステップ、
-骨への、好ましくは、骨欠損部を少なくとも部分的に包囲する骨への人工関節窩の締結
をさらに含む。
【0387】
本方法の特に、インプラントのさらなる特徴および利点に関して、上記説明、特に、本発明の第1態様に関して行った説明は、治療方法にも(必要な変更を加えて)適用され、それらの全体が参照によりここに援用される。
【0388】
本発明のさらなる特徴および利点は、図の説明および添付の図に基づき、特許請求の範囲および以下の好ましい実施形態の説明から導出することができる。本発明の特徴は、個々に、またはそれぞれ互いに組み合わせて、実装することができる。以下に説明する実施形態は、本発明について、発明を前記実施形態に限定することなく、さらに説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0389】
【
図2】本発明によるインプラントの実施形態である。
【
図3】本発明によるインプラントのさらなる実施形態である。
【
図4】本発明によるインプラントのさらなる実施形態である。
【
図5】本発明によるインプラントのさらなる実施形態である。
【
図7】糸状引張要素と組み合わされた骨伝導支持体の実施形態である。
【
図8】本発明によるインプラントを用いる欠損した寛骨臼の治療である。
【
図10】本発明によるインプラントのさらなる実施形態である。
【
図11】本発明によるインプラントのさらなる実施形態である。
【
図12】本発明によるインプラントのさらなる実施形態である。
【
図13】本発明によるインプラントのさらなる実施形態である。
【発明を実施するための形態】
【0390】
図1は、股関節窩または寛骨臼(cotyloid cavity)とも呼ばれるヒトの寛骨臼1との概略上面図である。それは、骨盤によって形成される股関節の骨部分である。寛骨臼は、坐骨、腸骨および恥骨の部分の融合によって形成される。この融合は、約6か月の年齢で完成する。
【0391】
理想的な環境下では、寛骨臼および大腿骨頭は互いに対応し、すなわち、丸い大腿骨頭は寛骨臼内に正確に嵌合し、寛骨臼は、広い領域にわたり大腿骨頭を埋め込み封入する。股関節は、多軸球関節(臼状関節)であり、したがって、実質的に任意の方向において事実上自由に移動可能である。これにより、高い可動性および耐荷重能力が確保される。
【0392】
股関節の関節形成部分は、結合組織被膜によって包囲され、結合組織被膜の内層、すなわち滑膜は、新たな滑液を連続的に生成する。骨窩の縁部は、軟骨からなる環状関節唇によって形成される。
【0393】
寛骨臼1は、前角とも呼ばれる前寛骨臼縁2と、後角とも呼ばれる後寛骨臼縁4とを有する。これらの構造の間に位置する寛骨臼蓋3は、丸いまたは本質的に丸い構成を有する。
【0394】
図2は、本発明によるインプラント100の実施形態の概略図である。
【0395】
インプラント100は、骨伝導支持体110および挿入補助部130を備える。挿入補助部130は、骨伝導支持体110を包囲するシースとして構成されている。
【0396】
骨伝導支持体110は、たとえば、図示するように、四面体の形態であり得る。支持体110の四面体状構成により、支持体の圧縮、特に嵌入が促進され、それにより3次元構造体を生成することができ、これは、特に、ヒトまたは動物の骨の海綿質を反映することができる。
【0397】
シース130は、互いに重ねて配置された2つの層131、132を備え、それらは、縫目135によりそれらの縁部において互いに接続されている。層131、132は、図示するように、たとえば、略ディスク状構成を有することができる。縫目135は、たとえば、たとえば、ポリプロピレン糸等、非生体内分解性/非生体内吸収性縫合材料、または、たとえばポリグリコール酸糸等、生体内分解性/生体内吸収性材料から構成することができる。
【0398】
互いに縫合された2つの層131、132は、少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、骨伝導支持体110によって充填される中空空間を封入する。
【0399】
2つの層131、132は、好ましくは、生体内分解性/生体内吸収性材料から構成される。材料は、特に、コラーゲン、好ましくは、ウシ心膜から導出されたコラーゲンであり得る。これは、新たな骨組織がインプラント内に、したがって骨欠損部内に成長するのを可能にするという点で有利である。
【0400】
骨伝導支持体110は、特に有利な方法で、成長している骨組織のためのガイド構造体として機能する。
【0401】
図3は、本発明によるインプラント100のさらなる実施形態の概略図である。
【0402】
インプラント100は、骨伝導支持体110と、たとえばコラーゲンおよび/またはフィブリン等の骨形成促進物質120と、挿入補助部130とを備える。挿入補助部130は、骨伝導支持体110および骨形成促進物質120を包囲するシースとして構成されている。
【0403】
インプラント100、特に挿入補助部またはシース130のさらなる特徴および利点に関して、
図2に対して記載した説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0404】
図4は、本発明によるインプラント100のさらなる実施形態の概略図である。
【0405】
インプラント100は、骨伝導支持体110と、それぞれシースとして構成されている2つの挿入補助部130aおよび130bとを備える。骨伝導支持体110は、それぞれ2つのシース130a、130bに収容されている。
【0406】
インプラントは、中間領域150と側方領域160とをさらに備える。
【0407】
側方領域160は、たとえばスリーブの形態である締結装置165を備えることができる。締結装置165は、好ましくは骨欠損部に隣接する骨組織へのインプラント100の締結を可能にするように好ましくは構成されている。
【0408】
インプラント100は、シース130a、130bを形成しかつ/または補強するための縫目135をさらに備えることができる。縫目135は、好ましくは、インプラント100および/または2つのシース130a、130bの縁領域に沿って連続的に伸びるように構成されている。縫目135は、たとえば、ポリ-4-ヒドロキシ酪酸の糸等、収縮性糸によって形成することができる。これにより、特に有利な方法で、たとえば、縫目135の放射線誘導収縮により、インプラント100の形状を骨欠損部の患者特定の形状に適合させることができる。
【0409】
2つのシース130a、130bと部分150および160との両方は、それぞれ、たとえばモノフィラメントポリプロピレン糸のメッシュ構造体、特に編みメッシュ構造体を備えることができる。
【0410】
図示するインプラント100のさらなる特徴および利点に関して、
図2に対して記載した説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0411】
図5は、本発明によるインプラント100のさらなる実施形態の概略図である。
【0412】
インプラント100は、中心領域140と、シースとして構成された3つの挿入補助部130a、130b、130cとを備える。
【0413】
シース130a、130b、130cは、中心領域140の周囲に放射状に配置されている。
【0414】
それぞれのシース130a、130b、130cは、少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、骨伝導支持体110によって充填されている。
【0415】
中心領域140は、好ましくは、骨欠損部の床領域に適用されるように構成され、シース130a、130b、130cは、好ましくは、側壁、特に、骨性欠損部床を放射状に包囲する骨壁に適用されるように構成されている。
【0416】
シース130a、130b、130cと中心領域140とはともに、それぞれ、縁部に沿って伸びる縫目135を備える。この場合も同様に、縫目135は、たとえばポリ-4-ヒドロキシ酪酸の糸等、収縮糸によって形成することができる。たとえば放射線照射による、縫目135の選択的収縮により、骨欠損部の床を放射状に包囲する骨壁へのシース130a、130b、130cの適用を容易にすることができる。
【0417】
シース130a、130b、130cと中心領域140とは、それぞれ、互いに重なって配置されかつ縫目135により互いに縁部において接続されている、2つのメッシュ層、特に編みメッシュ層を備えることができる。
【0418】
このように、シース130a、130b、130cと中心領域140とは、それぞれの中空空間を画定する。少なくともシース130a、130b、130cの中空空間を、少なくとも部分的に、特に部分的にのみ、骨伝導支持体110で充填することができる。
【0419】
全体として、インプラント100は、好ましくは、3枚羽根プロペラのように構成され、そこでは、中心領域140はプロペラの「シャフト」を形成し、シース130a、130b、130cは「羽根」を形成する。
【0420】
図5に示すインプラント100のさらなる特徴および利点に関して、
図2に対して記載した説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0421】
図6a~
図6dは、骨伝導支持体110の各々の一実施形態を示し、それらの各々は、たとえばインパクタにより、圧縮、特に嵌入を容易にする。
【0422】
図6aに示す支持体110は、四面体状の全体構造を形成するように組み立てられている、矩形状に延在する縦長構造要素112を備える。構造要素112の相互配置によって生成される中空空間容積114は、特に有利な方法で、骨伝導支持体の圧縮、特に嵌入によって得ることができる、3次元の骨伝導構造体の絶対中空空間容積を増大させることに寄与する。このように、たとえば、特に多孔性に関して、ヒトまたは動物の骨の海綿質をシミュレートすることができる。
【0423】
さらに、
図6aに示す実施形態は、力を加えたときの骨伝導支持体の係合、特に相互締付け、したがって、支持体によって形成されるガイド構造体の生成を促進する。
【0424】
図6bに示す支持体110は、四脚体の形態である。支持体の四脚体状構成によってもまた、力を加えたときの骨伝導支持体の係合、特に相互締付け、したがって、支持体によって形成されるガイド構造体の生成が促進される。
【0425】
図6cに示す支持体110は、四面体の形態である。支持体の四面体状構成によってもまた、力を加えたときの骨伝導支持体の係合、特に相互押込み、したがって、支持体によって形成されるガイド構造体の生成が促進される。
【0426】
図6dに示す支持体110は、角錐の形態である。支持体の角錐状構成によってもまた、力を加えたときの骨伝導支持体の係合、特に相互押込み、したがって、支持体によって形成されるガイド構造体の生成が促進される。
【0427】
図7は、本発明に関して使用することができる、骨伝導支持体110および縦長引張要素170の概略図である。
【0428】
支持体110は、それぞれの貫通開口部114を有し、図示するように、たとえば、直方体構成を有することができる。縦長引張要素170は、図示するように、開口部114を通して誘導することができる。このように、骨伝導ガイド構造体の形態での支持体110の圧縮、特に固定を達成することができる。引張要素170は、好ましくは、たとえば、たとえばポリ乳酸またはポリグリコール酸等、ポリプロピレンまたはポリヒドロキシアルカン酸の糸である。
【0429】
図8a~
図8cは、本発明によるインプラントによる欠損した寛骨臼の治療の概略図を示す。
【0430】
図8aは、欠損部12のある寛骨臼10と周囲の骨組織14とを示す。
【0431】
インプラント100は、骨伝導支持体110、骨形成促進物質120および挿入補助部130を備える。挿入補助部130は、骨伝導支持体110および骨形成促進物質120を包囲するシースとして構成される(
図8bを参照)。
【0432】
インプラント100は、最初に、欠損した寛骨臼10内に配置される。
【0433】
インプラント100の配置後、骨伝導支持体110は、好ましくは、圧縮、特に嵌入状態にされる。これは、たとえば、いわゆるインパクタによって行うことができる。
【0434】
そして、インプラント100の上に、または任意選択的にあらかじめインプラント100に適用された骨セメントに、人工関節窩200が配置される(
図8cを参照)。
【0435】
シース130が、生体内分解性または生体内吸収性でありかつ/または開孔があるように構成されている場合、骨組織、特に新たな骨組織のインプラント100内への、したがって欠損した寛骨臼10内への成長は、手術後最初の4週間の間に有利に発生する。
【0436】
インプラント100の好ましくは圧縮した、特に嵌入した支持体110は、骨組織の成長のための骨伝導ガイド構造体として作用し、骨形成促進物質120は、特に有利な方法で骨組織の成長を促進しかつ/または刺激する。このように、インプラント100は、埋め込まれた関節窩200の二次固定を有効に増大させることができる。
【0437】
インプラント100のさらなる特徴および利点に関して、
図2に対して記載した説明は、その全体が参照によりここに援用される。
【0438】
図9は、板状カバーとして構成された挿入補助部130の概略図である。
【0439】
カバー130は、骨伝導支持体を固定するかまたは締結することができる凹状面133を備える。
【0440】
さらに、カバー130は、凹状接続領域134を備える。接続領域134は、人工関節窩への、特に人工窩の凸状面への接続を提供するように構成されている。
【0441】
さらに、カバー130は、固定ピン136を備える。固定ピン136は、骨内に押し込むことができ、それにより、カバー130を治療対象である骨欠損部の領域内に固定することができる。
【0442】
カバー130は、締結手段開口部137をさらに備える。開口部137は、たとえば、止めねじ等、締結手段を収容するように構成されている。このように、カバー130を固定する追加の可能性が提供される。
【0443】
固定ピン136および締結手段開口部137両方の目的は、初期固定を達成することである。
【0444】
図10は、本発明によるインプラント100のさらなる実施形態の概略図を示す。
【0445】
インプラント100は、骨伝導支持体110と、メッシュ130aおよび板状カバー130bの組合せとして構成された挿入補助部とを備える。
【0446】
メッシュ130aは、好ましくは、骨伝導支持体110をカバー130bの凹状面133に固定する。この目的で、メッシュ130aは、好ましくは、面133に材料的に結合される。たとえば、メッシュ130aは、面133に接着することができる。
【0447】
さらに、メッシュ130aは、編みメッシュ、特に編みポリプロピレンメッシュであり得る。
【0448】
カバー130bのさらなる特徴および利点に関して、
図9に対して記載した説明は、その全体が参照によりここに援用される。カバー130に関してそこに記載した説明はまた、
図10に示すカバー130bにも必要な変更を加えて適用される。
【0449】
図11は、本発明によるインプラント100のさらなる実施形態を示す。
【0450】
インプラント100は、骨伝導支持体110と、結合剤130aおよび板状カバー130bの組合せとして構成された挿入補助部とを備える。
【0451】
結合剤130aは、骨伝導支持体110を互いに結合し、好ましくは接着する。同時に、結合剤130aは、好ましくは、骨伝導支持体110をカバー130bの凹状面133に固定する。
【0452】
結合剤130aは、好ましくは、たんぱく質、特にコラーゲンおよび/もしくはゼラチン、ならびに/または多糖、特に、セルロース誘導体および/もしくはヒアルロン酸を含む。
【0453】
カバー130bのさらなる特徴および利点に関して、
図9に対して記載した説明は、その全体が参照によりここに援用される。カバー130に関してそこに記載した説明はまた、
図11に示すカバー130bにも必要な変更を加えて適用される。
【0454】
図12は、本発明によるインプラント100のさらなる実施形態を示す。
【0455】
インプラント100は、骨伝導支持体110と、シース130aおよび板状カバー130bの組合せとして構成された挿入補助部とを備える。
【0456】
シース130aは、好ましくは、カバー130bの凹状面133に骨伝導支持体110を固定する。この目的で、シース130aは、好ましくは、材料結合により面133に接続される。たとえば、シース130aは、面133に接着することができる。たとえば、この目的で、
図11に記載する結合剤を使用することができる。
【0457】
シース130aは、メッシュ状に構成するか、または、動物膜、好ましくは心膜から生成することができる。
【0458】
カバー130bのさらなる特徴および利点に関して、
図9に対して記載した説明は、その全体が参照によりここに援用される。カバー130に関してそこに記載した説明はまた、
図12に示すカバー130bにも必要な変更を加えて適用される。
【0459】
図13は、本発明によるインプラント100のさらなる実施形態の概略図である。
【0460】
インプラント100は、骨伝導支持体110と結合剤として構成された挿入補助部130とを備える。
【0461】
結合剤130は、骨伝導支持体110を互いに結合し、好ましくは接着する。
【0462】
特に有利な方法で、図示するインプラント100は、形状および量に関して、治療対象である骨欠損部への手術中に容易に適合させることができる。
【0463】
図に示すインプラントのさらなる特徴および利点に関して、全体的な説明は、その全体が参照によりここに援用される。