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特許7113839滑らかなFDM3D物品を印刷するためのコア-シェルフィラメント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】滑らかなFDM3D物品を印刷するためのコア-シェルフィラメント
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/314 20170101AFI20220729BHJP
   B29C 64/118 20170101ALI20220729BHJP
   B29C 64/295 20170101ALI20220729BHJP
【FI】
B29C64/314
B29C64/118
B29C64/295
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019548610
(86)(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2018054678
(87)【国際公開番号】W WO2018162268
(87)【国際公開日】2018-09-13
【審査請求日】2021-02-15
(31)【優先権主張番号】17160091.9
(32)【優先日】2017-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヒクメット リファト アタ ムスタファ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ハル パウルス アルベルトゥス
【審査官】坂本 薫昭
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-520459(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0337256(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/10,64/106,64/118,64/20,
64/295,64/314,64/336
B33Y 10/00,30/00,50/00,70/00,80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3D印刷によって3D物品を製造するための方法であって、
印刷段階中に、3D印刷可能材料を堆積させて、3D印刷された材料を設けるステップを含み、前記3D印刷可能材料は、コア-シェルフィラメントを含み、前記コア-シェルフィラメントは、コア及びシェルを含み、前記コアは、コアガラス温度Tg1及びコア融解温度Tm1の1つ以上を有するコア材料を含み、前記シェルは、シェルガラス温度Tg2及びシェル融解温度Tm2の1つ以上を有するシェル材料を含み、前記シェルガラス温度Tg2及び前記シェル融解温度Tm2の1つ以上が、前記コアガラス温度Tg1及び前記コア融解温度Tm1の1つ以上よりも低く、
前記方法は更に、
仕上げ段階中に、前記3D印刷された材料を前記シェルガラス温度Tg2及び前記シェル融解温度Tm2の1つ以上と等しいか又はそれよりも高く、かつ前記コアガラス温度Tg1及び前記コア融解温度Tm1の1つ以上よりも低い温度に加熱するステップを含む、方法。
【請求項2】
(a)前記コアガラス温度Tg1と前記シェルガラス温度Tg2、(b)前記コア融解温度Tm1と前記シェル融解温度Tm2、(c)前記コア融解温度Tm1と前記シェルガラス温度Tg2、及び(d)前記コアガラス温度Tg1と前記シェル融解温度Tm2の1つ以上が、少なくとも40℃だけ異なる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コア材料は、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、高Tgポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、結晶性ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルエーテルケトンからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、前記シェル材料は、非晶質ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリスチレン、スチレンメチルメタクリレート、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン、スチレン系ブロックコポリマー、及び熱可塑性ポリウレタンからなる群から選択される1つ以上の材料を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記コア-シェルフィラメントは、100~3000μmの範囲から選択されるコア直径を有し、前記シェル厚さは100~2000μmの範囲から選択され、前記コア直径は前記シェル厚さよりも大きい、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記加熱するステップは、(i)前記3D印刷された材料に高温ガスを供給すること、(ii)前記3D印刷された材料にIR放射を供給すること、及び(iii)前記3D印刷された材料を加熱チャンバ内で加熱することのうちの1つ以上を含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記3D印刷された材料は、前記3D物品の表面を形成し、前記仕上げ段階中に、前記3D印刷された材料は、前記表面の少なくとも一部が、少なくとも25mmの面積に対して5μm以下の所定の平均表面粗さを有するまで加熱される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記印刷段階中に、第1の寸法及び第2の寸法を有する変形したコアを有する堆積したコア-シェルフィラメントを設けるために、前記コア-シェルフィラメントに圧力が加えられ、前記第1の寸法及び前記第2の寸法は、互いに垂直であり、前記コア-シェルフィラメントの長手方向軸線と垂直であり、1未満の比率を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
3D印刷された材料により形成された表面を備える3D物品であって、前記3D印刷された材料は、複数のコア-シェルフィラメントを含み、各コア-シェルフィラメントは、コア及びシェルを含み、前記コアは、コアガラス温度Tg1及びコア融解温度Tm1の1つ以上を有するコア材料を含み、前記シェルは、シェルガラス温度Tg2及びシェル融解温度Tm2の1つ以上を有するシェル材料を含み、
前記シェルガラス温度Tg2及び前記シェル融解温度Tm2の1つ以上が、前記コアガラス温度Tg1及び前記コア融解温度Tm1の1つ以上よりも低く、
前記表面の少なくとも一部が、少なくとも25mmの面積に対して5μm以下の平均表面粗さを有する、3D物品。
【請求項9】
前記コア材料は、高Tgポリカーボネート、ポリスルホン、及びポリエーテルエーテルケトンからなる群から選択される1つ以上の材料を含み、前記シェル材料は、非晶質ポリエチレンテレフタレート及びアクリロニトリルブタジエンスチレンからなる群から選択される1つ以上の材料を含む、請求項8に記載の3D物品。
【請求項10】
前記コア-シェルフィラメントの1つ以上が、第1の寸法及び第2の寸法を有する変形したコアを有し、前記第1の寸法及び前記第2の寸法は、互いに垂直であり、前記コア-シェルフィラメントの長手方向軸線と垂直であり、1未満の比率を有し、隣り合うコアが、最大100μmの範囲から選択されるコア-コア距離を有する、請求項8又は9に記載の3D物品。
【請求項11】
請求項8乃至10のいずれか一項に記載の3D物品を備える照明デバイスであって、前記3D物品は、照明デバイスハウジングの少なくとも一部、照明チャンバの壁、及び光学要素のうちの1つ以上として構成されている、照明デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D(印刷された)物品を製造するための方法と、そのような方法を実施するための3Dプリンタと、そのような方法を実行するためのコンピュータプログラム製品とに関する。本発明はまた、そのような方法で得られた3D(印刷された)物品に関する。更に、本発明は、そのような3D(印刷された)物品を含む照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
層を含む押出される3Dプリンタ投入材料を使用することが、当該技術分野で知られている。国際公開第2015/077262号は、例えば、分離された層又はセクションを含むフィラメントを含む3Dプリンタ投入材料について記載している。特にフィラメントを含む、これらの投入材料は、共押出、ミクロ層共押出、又は多成分/フラクタル共押出によって調製され得る。これらの投入材料、特にフィラメントは、いわゆる3D印刷プロセス中に1つ以上のノズルによって異なる材料を同時に積層すること、又は組み合わせることを可能にする。これらの技術は、より小さな層サイズ(ミリ、マイクロ、及びナノ)の異なる層構成、及び、さもなければ標準的な3Dプリンタ法において使用できないであろう材料を採用する可能性を容易にする。
【0003】
欧州特許第2676784号は、物体を製造する方法を開示しており、方法は、フィラメントを押出ヘッドに供給するステップを含む。フィラメントは、半結晶性ポリマー補強部分及びポリマーマトリックス部分を有する。補強部分及びマトリックス部分は、フィラメントの長さに沿って連続的に延びる。補強部分は、マトリックス部分よりも高い融点及び高い結晶化度を有する。フィラメントの温度は、フィラメントのマトリックス部分が押出ヘッド内で融解し、それによって押出ヘッド内で部分的に融解したフィラメントを形成するように、マトリックス部分の融点よりも高く、補強部分の融点よりも低い温度に、押出ヘッド内で高められる。部分的に融解したフィラメントは、押出ヘッドから基材上に押し出され、部分的に融解したフィラメントの補強部分は、押出ヘッドから押し出されるときに半結晶状態に留まる。基材上に押出ラインを形成するために、部分的に融解したフィラメントが基材上に押し出されると、押出ヘッドと基材との間に相対的な移動が生じる。押出ラインのマトリックス部分は、押出ラインが基材上に形成された後に固化する。
【0004】
今後10~20年以内に、デジタルファブリケーションは、グローバル製造業の性質を、ますます変貌させていくであろう。デジタルファブリケーションの諸態様のうちの1つは、3D印刷である。現在、セラミック、金属、及びポリマーなどの様々な材料を使用して3D印刷された様々な物体を製造するために、多くの異なる技術が開発されている。3D印刷はまた、金型を製造する際にも使用されることができ、金型は、その後、物体を複製するために使用されることができる。
【0005】
金型を作製する目的のために、ポリジェット技術の使用が提案されている。この技術は、光重合性材料の層ごとの堆積を利用するものであり、光重合性材料は、各堆積の後に硬化されて、固体構造体を形成する。この技術は、滑らかな表面を作り出すが、光硬化性材料は、さほど安定したものではなく、それらの材料はまた、射出成形用途に関して有用となる熱伝導率も、比較的低い。
【0006】
最も広く使用される積層造形技術は、熱溶解積層法(Fused Deposition Modeling;FDM)として知られているプロセスである。熱溶解積層法(FDM)は、モデリング、プロトタイピング、及び製造の用途に関して一般に使用される積層造形技術である。FDMは、材料を層状に配置することによる「付加」原理に基づいて機能するものであり、プラスチックフィラメント又は金属ワイヤが、コイルから巻き出され、部品を製造するための材料を供給する。場合により、(例えば、熱可塑性樹脂に関しては)フィラメントは、配置される前に、融解されて押し出される。FDMは、高速プロトタイピング技術である。FDMの他の表現は「融合フィラメント加工」(Fused Filament Fabrication;FFF)又は「フィラメント3D印刷」(Filament 3D Printing;FDP)であり、これらはFDMと等しいものと見なされる。一般に、FDMプリンタは、熱可塑性フィラメントを使用するものであり、熱可塑性フィラメントは、その融点に加熱され、次いで、一層ずつ(又は、実際には、フィラメントが次々に)押し出されて、3次元物体を作り出す。FDMプリンタは、比較的高速であり、複雑な物体を印刷するために使用されることができる。
【0007】
FDMプリンタは、比較的高速で、低コストであり、複雑な3D物体を印刷するために使用されることができる。そのようなプリンタは、様々なポリマーを使用して様々な形状を印刷する際に使用される。本技術はまた、LED照明器具及び照明ソリューションの製造において更に開発されつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
熱溶解積層法(FDM)は、積層造形(3-D印刷)に基づいて物体を製造する際に使用される、最も頻繁に使用される技術の1つである。FDMは、プラスチック材料を層状に配置することによる「付加」原理に基づいて機能する。プロセスの性質上、このことは一般に、粗いリブ状の表面仕上げをもたらす。このことは、例えば、装飾的な理由から、また表面の反射率、表面の処理可能性などの機能的な理由から、必ずしも望ましくない場合がある。したがって、いくつかの用途では、滑らかな表面が要求される。この目的のために、機械的研磨及び溶剤処理などの様々な表面後処理方法が使用され得る。しかし、そのような方法は、精巧であり、及び/又は追加の化学物質を使用する場合がある。3D印刷された製品全体の熱処理は、製品の脆弱化し、形状及び/又は機能を損うことになる場合がある。
【0009】
したがって、本発明の一態様は、好ましくは上述された欠点の1つ以上を更に少なくとも部分的に取り除く、代替的な3D印刷方法及び/又は3D(印刷された)物品を提供することである。本発明は、先行技術の欠点の少なくとも1つを克服若しくは改善する目的、又は有用な代替物を提供する目的を有し得る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
とりわけ、本明細書では、同心層を有するフィラメントを使用すること、又は、2種類の材料が同心層の形態でノズルから出てくる1つの材料をもたらすようにプリンタノズル及びフィラメントフィーダを使用することが提案される。材料は、外側表面が、コア材料のTg又は融解温度Tmよりも低いTg又は融解温度Tmを有するポリマーで作られるように、ガラス転移温度のみを有するガラス状ポリマー、又は融解温度及びガラス転移温度を有する半結晶性ポリマーとして選ぶことができる。このようにして印刷された物体は、コアポリマーよりも低いTg又は融解温度Tmを有する外側表面を有する層を有する。オーブン内又はIR放射器内に物体を配置することで、外側ポリマーをそのTg又はTmよりも高い温度に加熱できるが、内側ポリマーのTg又はTmよりも低く維持することで、滑らかな表面構造をもたらす外側ポリマーの流れを作る。ポリマーが半結晶性であるとき、融解温度がリードする。特定の実施形態において、ポリマーは非相溶性である。非相溶性のポリマーは、分子レベルで混合することができない。非相溶性のポリマーは、一緒に混合されると相分離する。
【0011】
したがって、第1の態様において、本発明は、3D物品(「物品」又は「3D印刷された物品」)を製造するための方法を提供し、方法は、印刷段階中に、3D印刷可能材料(「印刷可能材料」)を堆積させて、3D印刷された材料(「印刷された材料」、すなわち堆積後の印刷可能材料)を設けるステップを含み、3D印刷可能材料は、コア-シェルフィラメントを含み、コア-シェルフィラメントは、コア及びシェルを含み、コアは、コアガラス温度(Tg1)及びコア融解温度(Tm1)の1つ以上を有するコア材料を含み、シェル(「ジャケット」と示される場合もある)は、シェルガラス温度(Tg2)及びシェル融解温度(Tm2)の1つ以上を有するシェル材料を含み、シェルガラス温度(Tg2)及びシェル融解温度(Tm2)の1つ以上が、コアガラス温度(Tg1)及びコア融解温度(Tm1)の1つ以上よりも低い。方法は更に、仕上げ段階中に、3D印刷された材料をシェルガラス温度(Tg2)及びシェル融解温度(Tm2)の1つ以上と等しいか又はそれよりも高く、かつコアガラス温度Tg1及びコア融解温度Tm1の1つ以上と等しいか又はそれよりも低い温度に加熱するステップを含む。したがって、コア材料とシェル材料の両方は、ポリマー材料を含む。
【0012】
本発明の第1の態様による方法を用いることで、表面粗さが、例えば、フィラメントのμm寸法から加熱後にnm寸法に減少し得る。更に、このような方法を用いることで、比較的容易に滑らかにすることができる。望まれれば、物品全体が、形状及び/又は機能を損わずに、本質的に加熱され得る。更に、このような方法を用いることで、本質的に各フィラメント内のコア材料からなり得る骨格材料は、表面が平滑化され得、本質的に改変されないままであり得る。したがって、比較的滑らかな表面を有する頑丈なデバイスが提供され得る。
【0013】
加熱は、異なるやり方で行うことができる。実施形態において、加熱は、3D印刷された材料に高温ガスを供給すること、3D印刷された材料にIR放射を供給すること、及び3D印刷された材料を加熱チャンバ内で加熱することのうちの1つ以上を含む。加熱は、3D物品が提供された後、又はその一部が3D印刷された後に実行することができる。したがって、加熱を含む仕上げ段階は、印刷中に、印刷後に、又はそれらの両方で行われてもよい。加熱は、局所的に、例えば、印刷されたばかりの部分の局所的な放射で行われてもよく、又は、3D印刷された物品全体に対して実行されてもよい。加熱方法の組合せも、適用されてもよい。したがって、印刷段階と仕上げ段階は、同時に組み合わされてもよく、又は交互に実行されてもよい。
【0014】
上述されたように、加熱は、比較的滑らかな表面をもたらし得る。特定の実施形態において、10μm未満、ましては5μm未満、ましては1μm未満の表面粗さが得られ得る。したがって、加熱は、粗さの低減に供され得る。このことは、例えば、レーザー散乱によって測定され得る。したがって、実施形態において、3D印刷された材料は、3D物品の表面を形成し、仕上げ段階中に、3D印刷された材料は、表面の少なくとも一部が、少なくとも100mmなど、少なくとも25mmの面積に対して5μm以下の所定の平均表面粗さ(Ra)を有するまで加熱される。実施形態において、3D印刷された材料は、3D印刷された物品の外面全体を形成し、そのような平均表面粗さを有してもよい。
【0015】
上述されたように、方法は、印刷段階中に、3D印刷可能材料を堆積させることを含む。本明細書において、「3D印刷可能材料」という用語は、堆積又は印刷される材料を指し、「3D印刷された材料」という用語は、堆積後に得られた材料を指す。これらの材料は、本質的に同じであってもよい。これは、3D印刷可能材料は、プリンタヘッド又は押出機内の高温の材料を特に指し、3D印刷された材料は、堆積された後の段階の同じ材料を指すためである。3D印刷可能材料は、フィラメントとして印刷され、そのように堆積される。3D印刷可能材料は、フィラメントとして供給されてもよく、又はフィラメント内に形成されてもよい。したがって、いかなる始動材料が適用される場合でも、3D印刷可能材料を含むフィラメントが、プリンタヘッドによって供給され、3D印刷される。
【0016】
本明細書において、「3D印刷可能材料」という用語は、「印刷可能材料」と示される場合もある。「ポリマー材料」という用語は、実施形態では、異なるポリマーのブレンドを指す場合があるが、実施形態では、異なるポリマー鎖長を有する本質的に単一の種類のポリマーを指す場合もある。したがって、「ポリマー材料」又は「ポリマー」という用語は、単一の種類のポリマーを指す場合があるが、異なる複数のポリマーを指す場合もある。「印刷可能材料」という用語は、単一の種類の印刷可能材料を指す場合があるが、異なる複数の印刷可能材料を指す場合もある。「印刷された材料」という用語は、単一の種類の印刷された材料を指す場合があるが、異なる複数の印刷された材料を指す場合もある。
【0017】
したがって、「3D印刷可能材料」という用語は、2つ以上の材料の組合せを指す場合もある。一般に、これらの(ポリマー)材料は、ガラス転移温度T及び/又は融解温度Tを有する。3D印刷可能材料は、ノズルから出る前に、3Dプリンタによって、少なくともガラス転移温度、一般には少なくとも融解温度の温度に加熱される。それゆえ、特定の実施形態において、3D印刷可能材料は、ガラス転移温度(T)及び/又は融点(T)を有する熱可塑性ポリマーを含み、プリンタヘッドの動作は、3D印刷可能材料をガラス転移を超えて、その材料が半結晶性ポリマーである場合には融解温度を超えて、加熱することを含む。
【0018】
また別の実施形態において、3D印刷可能材料は、融点(T)を有する(熱可塑性)ポリマーを含み、プリンタヘッドの動作は、受け物品上に堆積される3D印刷可能材料を少なくとも融点の温度に加熱することを含む。ガラス転移温度は、一般に融解温度と同じではない。融解は、結晶性ポリマーにおいて生じる転移である。融解は、ポリマー鎖がそれらの結晶構造から脱落し、無秩序な液体となるときに起こる。ガラス転移は、非晶質ポリマー、すなわち、鎖が規則的な結晶内に配置されておらず、固体状態でも任意の様式で散乱している、ポリマーに起こる転移である。ポリマーは、本質的にガラス転移温度を有するが融解温度を有していない非晶質であってもよく、又は、一般にガラス転移温度と融解温度の両方を有し、一般に後者が前者よりも高い、(半)結晶質であってもよい。ガラス温度は、例えば、示差走査熱量測定によって決定され得る。融点又は融解温度も、示差走査熱量測定によって決定することができる。
【0019】
したがって、上述されたように、本発明は、3D印刷可能材料のフィラメントを供給することと、印刷段階中に、3D印刷可能材料を基材上に印刷して3D物品を提供することとを含む方法を提供する。3D印刷可能材料として特に適格であり得る材料は、金属、ガラス、熱可塑性ポリマー、シリコーンなどからなる群から選択されてもよい。特に、3D印刷可能材料は、ABS(acrylonitrile butadiene styrene;アクリロニトリルブタジエンスチレン)、ナイロン(又は、ポリアミド)、アセテート(又は、セルロース)、PLA(poly lactic acid;ポリ乳酸)、テレフタレート(PETポリエチレンテレフタレートなど)、アクリル(ポリメチルアクリレート、Perspex(登録商標)、ポリメチルメタクリレート(polymethylmethacrylate;PMMA)、ポリプロピレン(又は、ポリプロペン)、ポリスチレン(polystyrene;PS)、PE(膨張性高衝撃ポリテン(又は、ポリエテン)、低密度(LDPE)高密度(HDPE)など)、PVC(polyvinyl chloride;ポリ塩化ビニル又はポリクロロエテン)、ポリカーボネート(polycarbonate;PC)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン、イミド(ポリエーテルイミドなど)などからなる群から選択される、(熱可塑性)ポリマーを含む。任意選択的に、3D印刷可能材料は、尿素ホルムアルデヒド、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、メラミンホルムアルデヒド、ゴムなどからなる群から選択される3D印刷可能材料を含む。
【0020】
印刷された材料をシェルガラス温度を超えて加熱することにより、表面は滑らかになる一方、コア材料は実質的に脆弱化しない。したがって、表面は滑らかになるが、3D物品の構造はそのままであり得る。
【0021】
加熱時間に応じて、加熱は、コアガラス温度よりも一時的に高くなる場合があるが、温度は、特に加熱時間全体にわたっては、その高温にはない。したがって、特定の実施形態において、方法は、仕上げ段階中に、コアガラス温度(Tg1)及び/又はコア融解温度(Tm1)と等しいか又はそれよりも低い温度に、特に、コアガラス温度(Tg1)及び/又はコア融解温度(Tm1)よりも低いが、シェルガラス温度(Tg2)及び/又はシェル融解温度(Tm2)と等しいか又はそれよりも高い温度、特にシェルガラス温度(Tg2)及び/又はシェル融解温度(Tm2)よりも高い温度に、3D印刷された材料を加熱することを含む。例えば、加熱は、シェルガラス温度及び/又はシェル融解温度よりも少なくとも1℃、特に少なくとも10℃のように、少なくとも5℃など高く、かつ、特に、コアガラス温度及び/又はコア融解温度よりも少なくとも1℃、特に少なくとも10℃のように、少なくとも5℃など低くてもよい。「ガラス温度」という用語に代えて、「ガラス転移温度」という用語が使用される場合がある。コア材料及びシェル材料の一方又は両方が融解温度を有するとき、ガラス温度の代わりに融解温度が選ばれ得る。
【0022】
一般に、コア材料のガラス温度とシェル材料のガラス温度との差は、少なくとも20℃など、少なくとも10℃である。特に、ガラス温度間に実質的な差を有する材料が選ばれる。したがって、特定の実施形態において、コア融解温度Tm1又はコアガラス温度(Tg1)と、シェル融解温度Tm2又はガラス温度(Tg2)は、いずれが適用される場合も、50~150℃の範囲など、少なくとも40°だけ異なる。
【0023】
以下の状況は区別されてもよく、Tは仕上げ段階中の加工時間を示す。
【表1】
【0024】
実施形態において、コア材料は、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、PPS、PSU、高TgPC(APEC(コベストロ社))、PBT、結晶性PET、PEN、PEEKなどからなる群から選択される1つ以上の材料を含んでもよく、シェル材料は、非晶質ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate;PET)、非晶質コポリエステル、ABS、PMMA、ポリスチレン、スチレンメチルメタクリレート、MABS、SBC、熱可塑性ポリウレタンなどからなる群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。
【0025】
したがって、特定の実施形態において、コア材料は、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン(polysulfone;PSU)、ポリフェニレンスルフィド(polyphenyleen sulfide;PPS)、高Tg(約183℃超など)変性ポリカーボネートコポリマー(APEC-1895コベストロ社)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate;PBT)、結晶性ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate;PEN)、ポリエーテルエーテルケトン(polyether ether ketone;PEEK)からなる群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。また更なる特定の実施形態において、シェル材料は、非晶質ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリ(メチルメタクリレート)PMMA、ポリスチレン(PS)、スチレンメチルメタクリレート、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン(methylmethacrylate acrylonitrile butadiene styrene;MABS)、スチレン系ブロックコポリマー(styrenic block copolymer;SBC)、及び熱可塑性ポリウレタンからなる群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。特に、このような材料は、比較的滑らかな表面が得られ得るように仕上げられ得る、3D物品のコア-シェルフィラメント3D印刷に好適に使用され得る。
【0026】
更に、材料はいくつかの点で異なることが望ましい場合がある。特定の実施形態において、コア材料は、コア材料粘度を有し、シェル材料はシェル材料粘度を有し、コアガラス温度(Tg1)又はコア融解温度Tmを超える温度では、コア材料粘度は、特により高い。このことは、仕上げ段階中の加熱温度で、良好かつ迅速に滑らかにすることを可能にし得る。更に、このことは、印刷段階中の良好な加工も可能にし得る。好ましくは、より短い鎖長を有する分子が、シェル部に使用される。このことは、材料の流れをより速くし、滑らかな表面を得ることを可能にする。特にISO-113によって指定される条件(300℃;1.2kg)下での融解流量は、特に20cm/10分よりも大きく、より特に50cm/10分よりも大きく、最も特に100cm/10分よりも大きい。特定の実施形態において、コア及びシェルのポリマー材料は、非相溶性である場合がある。このことは、特に、(コア及びシェルの)2つの層の境界面には本質的に混合がないことを意味し得る。フィラメント間の結合は、特にシェルによってもたらされ得る。
【0027】
特定の実施形態において、コア-シェルフィラメントは、100~3000μmの範囲から選択されるコア直径(d1)を有し、シェル厚さ(d2)は、100~2000μmの範囲、特に最大約1000μm、100~500μmの範囲などから選択される。コア-シェルフィラメントは、そのようなものとして供給され、そのように印刷されてもよく、又は、共押出プリンタヘッドなどを用いて、プリンタヘッド内で生成されてもよい。
【0028】
シェルの利用可能性により、特に加熱が適用されるときに、フィラメント間の接着が影響を受けることがある。したがって、3D印刷された材料中のフィラメント間のシェルの厚さを比較的薄く、特に、3D印刷可能材料(すなわち、まだ印刷されていない材料)よりも薄くすることが望ましい場合がある。したがって、特定の実施形態において、支持体又は受け物品上(すなわち、受け物品上に3D印刷された材料の上を含む)に堆積される間に、印刷可能材料に圧力が加えられる。この圧力は、特にプリンタヘッドによって加えられてもよい。このようにして、本質的に円形の断面形状を有しておらず、軸線に沿って延ばされたような圧縮された管形状を有するフィラメントが印刷されてもよい。したがって、特定の実施形態において、第1の寸法(h1)及び第2の寸法(w1)を有する変形したコアを有する堆積したコア-シェルフィラメントを設けるために、印刷中に、コア-シェルフィラメントに圧力が加えられ、第1の寸法(h1)及び第2の寸法(w1)は、互いに垂直であり、コア-シェルフィラメントの長手方向軸線(A)と垂直であり、特に、0.2~0.6の範囲内など、0.8未満のような、0.9未満など、1未満の比率(h1/w1)を有してもよい。上述されたように、圧力は、3D印刷可能材料の堆積中にプリンタヘッドによって加えられてもよい。
【0029】
印刷可能材料は、受け物品上に印刷される。特に、受け物品は、構築プラットフォームとすることができ、又は構築プラットフォームに含まれることができる。受け物品もまた、3D印刷中に加熱されることができる。しかし、受け物品はまた、3D印刷中に冷却されてもよい。
【0030】
「受け物品上に印刷する」というフレーズ及び同様のフレーズは、とりわけ、受け物品上に直接印刷すること、受け物品上のコーティング上に印刷すること、又は受け物品上に、先に印刷された3D印刷された材料上に印刷することを含む。「受け物品」という用語は、印刷プラットフォーム、印刷台、基材、支持体、ビルドプレート、又は構築プラットフォームなどを指す場合がある。「受け物品」という用語に代えて、「基材」という用語が使用される場合がある。「受け物品上に印刷する」というフレーズ及び同様のフレーズは、とりわけまた、印刷プラットフォーム、印刷台、支持体、ビルドプレート、又は構築プラットフォームなどの上の別個の基材上、又はそれらに含まれた別個の基材上に印刷することを含む。したがって、「基材上に印刷する」というフレーズ及び同様のフレーズは、とりわけ、基材上に直接印刷すること、基材上のコーティング上に印刷すること、又は基材上に先に印刷された3D印刷された材料上に印刷することを含む。以下では、更に基材という用語が使用され、この用語は、印刷プラットフォーム、印刷台、基材、支持体、ビルドプレート、又はビルドプラットフォームなど、又はそれらの上の別個の基材、若しくはそれらに含まれる別個の基材を指す場合がある。
【0031】
本明細書にて説明される方法は、3D印刷された物品を提供する。したがって、第2の態様において、本発明はまた、本明細書にて説明される方法によって得ることができる、3D印刷された物品を提供する。特に、本発明は、3D印刷された材料により形成された表面を備える3D物品を提供し、3D印刷された材料は、複数のコア-シェルフィラメントを含み、各コア-シェルフィラメントは、コア及びシェルを含み、コアは、コアガラス温度(Tg1)を有するコア材料を含み、シェルは、シェルガラス温度(Tg2)を有するシェル材料を含み、シェルガラス温度(Tg2)は、コアガラス温度(Tg1)よりも低く、表面の少なくとも一部が、少なくとも25mmの面積に対して5μm以下の平均表面粗さを有する。
【0032】
上述された3D印刷方法に関連した、いくつかの特定の実施形態は、方法だけでなく、3D印刷された物品にも関連する。以下では、3D印刷された物品に関するいくつかの特定の実施形態が、より詳細に説明される。
【0033】
上述されたように、コアガラス温度(Tg1)とシェルガラス温度(Tg2)は、少なくとも40℃だけ異なってもよい。
【0034】
したがって、3D印刷可能材料に関連して上述された特定の材料が、3D印刷された材料にも適用される。したがって、実施形態において、コア材料は、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、PPS、PSU、高TgPC(APEC(コベストロ社))、PBT、結晶性PET、PEN、PEEKなどからなる群から選択される1つ以上の材料を含んでもよく、シェル材料は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶質ポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶質コポリエステル、ABS、PMMA、ポリスチレン、スチレンメチルメタクリレート、MABS、SBC、熱可塑性ポリウレタンなどからなる群から選択される1つ以上の材料を含んでもよい。
【0035】
上述されたように、コア-シェルフィラメントの1つ以上が、第1の寸法(h1)及び第2の寸法(w1)を有する変形したコアを有し、第1の寸法(h1)及び第2の寸法(w1)は、互いに垂直であり、コア-シェルフィラメントの長手方向軸線(A)と垂直であり、1未満の比率(h1/w1)を有する。特に、このことは、全コアの少なくとも70%など、少なくとも50%に適用され得る。したがって、コアの合計長さの少なくとも50%が、変形したコアを有する。更に、隣接するコアが、最大200μm、最大50μmのような、最大100μmなど、ましては最大20μmなどの、より小さな範囲から選択されるコア-コア距離(d23)を有してもよい。
【0036】
本明細書にて説明され、本明細書にて説明されるような方法によって得ることができるような3D物品は、実質的に任意の種類の物品でもよい。本明細書における3D物品は、特に、部分的に中空でもよく、又は質量体でもよい、本体である。3D物品は、プレート、成形物などでもよい。本発明によって作り出され得るとともに、本明細書にて説明される方法の結果であり得る物品の具体的な例は、例えば、光学(半透明)フィルタ、反射器、光混合チャンバ、コリメータ、複合放物面集光器などである。
【0037】
このようにして得られた3D印刷された物品は、それ自体で機能できてもよい。例えば、3D印刷された物品は、レンズ、コリメータ、反射器などでもよい。このようにして得られた3D物品は(代替的に)、装飾又は芸術目的で使用されてもよい。3D印刷された物品は、機能性構成要素を含んでもよく、又は機能性構成要素を備えてもよい。機能性構成要素は、特に、光学構成要素、電気構成要素、及び磁気構成要素からなる群から選択されてもよい。「光学構成要素」という用語は、特に、レンズ、ミラー、(LEDのような)光源などの光学機能を有する構成要素を指す。「電気構成要素」という用語は、例えば、集積回路、PCB、バッテリ、ドライバを指す場合もあるが、光源(光源が、光学構成要素及び電気構成要素と見なされ得るため)などを指す場合もある。磁気構成要素という用語は、例えば、磁気コネクタ、コイルなどを指す場合がある。代わりに又は加えて、機能性構成要素は、(例えば、電気構成要素を冷却又は加熱するように構成された)熱構成要素を含んでもよい。したがって、機能性構成要素は、熱を発生させたり、熱を回収したりなどするように構成されてもよい。
【0038】
上述されたように、3D印刷された物品は、異なる目的で使用されてもよい。とりわけ、3D印刷された物品は、照明に使用されてもよい。したがって、また更なる態様において、本発明はまた、本明細書に規定されるような3D物品を備える照明デバイスを提供する。特に、3D物品は、照明デバイスハウジングの少なくとも一部、照明チャンバの壁、及び光学要素のうちの1つ以上として構成されてもよい。比較的滑らかな表面が設けられ得るので、3D印刷された物品は、ミラー又はレンズなどとして使用されてもよい。
【0039】
3D印刷プロセスに戻ると、本明細書にて説明される3D印刷された物品を提供するために、特定の3Dプリンタが使用され得る。したがって、第3の態様において、本発明はまた、3D印刷可能材料を基材に供給するための3Dプリンタ(熱溶解積層法3Dプリンタなど)を提供する。3D印刷可能材料は、もちろん、本発明の第1の態様による方法に関して従前に説明されたのと同じ材料である。つまり、3D印刷可能材料は、コア-シェルフィラメントを含み、コア-シェルフィラメントは、コア及びシェルを含み、コアは、コアガラス温度Tg1及びコア融解温度Tm1の1つ以上を有するコア材料を含み、シェルは、シェルガラス温度Tg2及びシェル融解温度Tm2の1つ以上を有するシェル材料を含み、シェルガラス温度Tg2及びシェル融解温度Tm2の1つ以上が、コアガラス温度Tg1及びコア融解温度Tm1の1つ以上よりも低い。3Dプリンタは、プリンタノズルと、3D印刷可能材料をプリンタヘッドに供給するように構成された3D印刷可能材料供給デバイスと、(3D印刷された材料を加熱するための)加熱システムとを備える。特に、3Dプリンタは更に、制御システム(C)を備え、制御システム(C)は、本発明の第1の態様による方法、特に、印刷中に、第1の寸法(h1)及び第2の寸法(w1)を有する変形したコアを有する堆積したコアシェルフィラメントを設けるために、コアシェルフィラメントに圧力が加えられ、第1の寸法(h1)及び第2の寸法(w1)は、互いに垂直であり、コア-シェルフィラメントの長手方向軸線(A)と垂直であり、1未満の比率(h1/w1)を有する方法を実行するように構成される。3D印刷可能材料供給デバイスは、3D印刷可能材料を含むフィラメントをプリンタヘッドに供給してもよく、又は3D印刷可能材料を含むフィラメントを作り出すプリンタヘッドに3D印刷可能材料自体を供給してもよい。したがって、実施形態において、本発明は、(a)プリンタノズルを備えるプリンタヘッドと、(b)3D印刷可能な材料を含むフィラメントをプリンタヘッドに供給するように構成されたフィラメント供給デバイスとを備える、熱溶解積層法3Dプリンタなどの3Dプリンタを提供し、3Dプリンタは、3D印刷可能材料を基材に供給するように構成される。
【0040】
「熱溶解積層法(FDM)3Dプリンタ」という用語に代えて、「3Dプリンタ」、「FDMプリンタ」又は「プリンタ」という短縮された用語が使用される場合がある。プリンタノズルは、「ノズル」又は時には「押出機ノズル」と示される場合もある。
【0041】
最後に、第4の態様において、本発明は、本発明の第3の態様による3Dプリンタ上で実行されるときに、本発明の第1の態様による方法を実行するために使用できるコンピュータプログラム製品を提供する。したがって、本発明は、3Dプリンタのコントローラによって実行されるときに、本明細書にて説明されるような方法を3Dプリンタに実行させる命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。3Dプリンタのコントローラは、3Dプリンタに機能的に接続されてもよく、又はそのような3Dプリンタに含まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0042】
ここで、本発明の実施形態が、添付の概略図面を参照して例としてのみ説明され、図面中、対応する参照記号は、対応する部分を示す。
図1a】3Dプリンタのいくつかの一般的な態様を概略的に示す。
図1b】3Dプリンタのいくつかの一般的な態様を概略的に示す。
図2a】本発明のいくつかの態様を概略的に示す。
図2b】本発明のいくつかの態様を概略的に示す。
図2c】本発明のいくつかの態様を概略的に示す。
図3a】例えばフィラメントに関する、いくつかの態様を概略的に示す。
図3b】例えばフィラメントに関する、いくつかの態様を概略的に示す。
図3c】例えばフィラメントに関する、いくつかの態様を概略的に示す。
図4】200μmの層高さで印刷された立方体のアニール前後の(DEKTAK 6Mで得られた)粗さ測定値を示す。
図5】3D印刷された物品のアニール前後の粗さを示す。
図6】フィラメントの堆積後の断面のアニール前(図6)及びアニール後(図7)の写真の線図を示す。
図7】フィラメントの堆積後の断面のアニール前(図6)及びアニール後(図7)の写真の線図を示す。 これらの概略図面は、必ずしも正しい縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1aは、3Dプリンタのいくつかの態様を概略的に示す。参照符号500は、3Dプリンタを示す。参照符号530は、3D印刷、特にFDM3D印刷を行うように構成されている、機能ユニットを示し、この参照符号はまた、3D印刷段階ユニットを示してもよい。この図では、FDM3Dプリンタヘッドなどの、3D印刷された材料を設けるためのプリンタヘッドのみが、概略的に示されている。参照符号501は、プリンタヘッドを示す。本発明の3Dプリンタは、特に、複数のプリンタヘッドを含んでもよいが、他の実施形態もまた可能である。参照符号502は、プリンタノズルを示す。本発明の3Dプリンタは、特に、複数のプリンタノズルを含んでもよいが、他の実施形態もまた可能である。参照符号320は、印刷可能な(上述のものなどの)3D印刷可能材料のフィラメントを示す。明瞭性のために、3Dプリンタの全ての特徴部は示されておらず、本発明に特に関連する特徴部(以下もまた更に参照されたい)のみが示されている。
【0044】
3Dプリンタ500は、実施形態では少なくとも一時的に冷却されてもよい受け物品550上に、複数のフィラメント320を堆積させることによって、3D物品10を生成するように構成されており、各フィラメント20は、融点Tを有するような3D印刷可能材料を含む。3Dプリンタ500は、プリンタノズル502の上流でフィラメント材料を加熱するように構成されている。このことは、例えば、押出機能及び/又は加熱機能の1つ以上を有するデバイスで行われてもよい。そのようなデバイスは、参照符号573で示されており、プリンタノズル502の上流に(すなわち、フィラメント材料がプリンタノズル502から出る前の時点に)配置されている。プリンタヘッド501は、(それゆえ)液化器又は加熱器を含み得る。参照符号201は、印刷可能材料を示す。堆積されると、この材料は、(3D)印刷された材料として示され、これは、参照符号202で示されている。
【0045】
参照符号572は、特にワイヤの形態の材料を有する、スプール又はローラを示す。3Dプリンタ500は、この材料を、受け物品上で、又は既に堆積されている印刷された材料上で、フィラメント又はファイバ320に変換する。一般に、ノズルの下流のフィラメントの直径は、プリンタヘッドの上流のフィラメントの直径に対して低減されている。それゆえ、プリンタノズルは(また)、押出機ノズルとして示される場合がある。フィラメントを1つずつ順に重ね合わせて配置することにより、3D物品10が形成されてもよい。参照符号575は、フィラメント供給デバイスを示し、このデバイスは、この場合とりわけ、参照符号576で示される、スプール又はローラ及び駆動輪を含む。
【0046】
参照符号Aは、長手方向軸線つまりフィラメント軸線を示す。
【0047】
参照符号Cは、特に、受け物品550の温度を制御するように構成された温度制御システムなどの、制御システムを概略的に示す。制御システムCは、受け物品550を少なくとも50℃の温度に、特に、少なくとも200℃など、約350℃の範囲まで加熱できるヒータを含んでもよい。
【0048】
図1bは、構築中の3D物品10の印刷を、より詳細な3Dで概略的に示す。この場合、この概略図面では、単一平面内のフィラメント320の端部は、相互接続されていないが、現実には、実施形態において、このことが当てはまる場合もある。
【0049】
それゆえ、図1a~図1bは、(a)プリンタノズル502を備える第1のプリンタヘッド501、(b)3D印刷可能材料201を含むフィラメント320を第1のプリンタヘッド501に供給するように構成されたフィラメント供給デバイス575、及び任意選択的に(c)受け物品550を備える、熱溶解積層法3Dプリンタ500のいくつかの態様を概略的に示す。図1a~図1bでは、第1若しくは第2の印刷可能材料又は第1若しくは第2の印刷された材料は、印刷可能材料201及び印刷された材料202という総括的な表示で示されている。
【0050】
熱溶解積層法(FDM)は、積層造形(3-D印刷)に基づいて物体を製造する際に使用される最も頻繁に使用される技術の1つである。FDMは、プラスチック材料を層状に配置することによる「付加」原理に基づいて機能する。プロセスの性質上、このことは、図2aに概略的に示されるような粗いリブ状の表面仕上げをもたらす。図2aは、フィラメント320からなる3D印刷された物品1を非常に概略的に示す。
【0051】
しかし、一部の用途では、滑らかな表面が要求される。本明細書において、本発明者らは、以下の図2bに示されるような同心層を有するフィラメントの使用を提案する。コアは、参照符号321で示され、コア材料1321を含む。シェルは、参照符号322で示され、シェル材料1322を含む。図示のフィラメント320は、印刷可能な、すなわち堆積前の3D材料201であってもよく、又は印刷された、すなわち堆積後の3D材料202を意味してもよい。したがって、参照符号201及び202の両方が適用される。コア-シェルフィラメント320は、100~3000μmの範囲から選択されるコア直径d1を有する。シェル厚さ(d2)は、100~2000μmの範囲から選択されてもよい。一般に、シェル厚さは、コア直径よりも小さい。
【0052】
ノズルから出てくる1つの材料をもたらす2種類の材料が同心層の形態をなすように、プリンタノズル及びフィラメントフィーダを使用することもできる。図2cには、ノズルの断面及びノズルから出るくる材料が概略的に示されている。そのようなシステムは、とりわけ、3D物品1を3D印刷することを含む方法を可能にし、方法は、印刷段階中に、3D印刷可能材料201を堆積させて、3D印刷された材料202を設けることを含み、3D印刷可能材料201は、(i)コアガラス温度Tg1及びコア融解温度Tm1の1つ以上を有するコア材料1321を含むコア321と、(ii)シェルガラス温度Tg2及びシェル融解温度Tm2の1つ以上を有するシェル材料1322を含むシェル322とを含むコア-シェルフィラメント320を含み、シェルガラス温度Tg2及びシェル融解温度Tm2の1つ以上が、コアガラス温度Tg1及びコア融解温度Tm1の1つ以上よりも低く、方法は更に、仕上げ段階中に、3D印刷された材料202をシェルガラス温度Tg2及びシェル融解温度Tm2の1つ以上と等しいか、又はそれよりも高い温度に加熱することを含む。
【0053】
図2cはまた、(a)プリンタノズル502を備えるプリンタヘッド501と、(b)3D印刷可能材料201をプリンタヘッド501に供給するように構成された3D印刷可能材料供給デバイス(ここでは不図示であり、図1a~図1bを参照されたい)とを備える、熱溶解積層法3Dプリンタ500を非常に概略的に示す。熱溶解積層法3Dプリンタ500は、3D印刷可能材料201を基材1550に供給するように構成される。熱溶解積層法3Dプリンタ500は更に、加熱システム700及び制御システムCを備え、制御システムCは、本明細書にて説明される方法を実行するように構成される。例として、加熱システムは、IR放射を供給するように構成されてもよい。プリンタノズル502は、コアについての内径dint及びシェルについての外径dextを有する。
【0054】
印刷中に、第1の寸法h1及び第2の寸法w1は、互いに垂直であり、コア-シェルフィラメント320の長手方向軸線Aと垂直であり、1未満の比率h1/w1を有する変形したコア321を有する、堆積したコア-シェルフィラメントを設けるために、コア-シェルフィラメント320に圧力が加えられ得る(図3a~図3bも参照されたい)。このようにして、図2bの参照符号d2で示されるシェル322の元の厚さも、参照符号d23で示されるように、2つのコアの間で減少し得るが、参照符号d22で示される細長い側面にて増加し得るように変化する。したがって、堆積したシェル322の一部には、d23<d2が適用されてもよく、他の部品には、d22>d2が適用されてもよい。熱を加えた後、表面は、図3bに概略的に示されるように滑らかにされてもよい。したがって、印刷条件、及びコア直径に対するジャケット厚さは、層を互いの上に印刷した後、大部分のジャケット材料が絞り出され、ジャケット材料の薄い層がコア材料の間に残るように選ばれる。図3aには、コアシェル層で作られた構造の断面が概略的に示されている。コア材料及びジャケット材料は、外側表面がコア材料のTgよりも低いTgを有するポリマーで作られるように選ぶことができる。このようにして印刷された物体は、コアポリマーよりも低いTgを有する外側表面を有する層を有する。オーブン内又はIR放射器内に物体を配置することで、外側ポリマーをそのTgを超える温度に加熱できるが、内側ポリマーのTgよりも低く維持することで、図3bに概略的に示されるように滑らかな表面構造をもたらす外側ポリマーの流れを作る。表面は参照符号205で示される。
【0055】
図3cは、3D物品1を備える照明デバイス1000の一実施形態を概略的に示す。3D物品(1)は、照明デバイスハウジングの少なくとも一部、照明チャンバの壁、及び光学要素のうちの1つ以上として構成される。ここで、例として、3D物品1は、壁及び/又は(鏡面反射性)ミラーとして構成される。
【0056】
実験
実験の1つでは、コア材料としてマクロロン製のPC 2805を使用し、ジャケット材料としてXT PETを使用した。PC及びPETのガラス温度は、それぞれ、140℃及び70℃であった。したがって、本発明者らは、骨格材料としてPCを使用し、外側形態を安定に保ちながら外側表面を滑らかにするために、70℃を超える温度で試料をアニールすることができる。本発明者らは、130℃の温度で、一晩にわたって製品をアニールした。外径dext(d1+2d2)=1800μmを有するノズル、コア径d1=1000μm、及び層高さh=200μmを使用して試料を印刷した。PCとPETの比率は、60:40であった。60℃の床温で250℃で構造を印刷した。
【0057】
図4は、200μmの層高さで印刷された立方体のアニール前後の粗さ測定値(DEKTAK 6Mで得られた)を示す。曲線Aは、長さL(ここでは2000μm)のトラックに沿った、アニール後の表面の高さを示し、曲線Bは、アニール前の表面の高さを示す。
【0058】
図5には、アニール前後の試料について、平均値の絶対粗さ(Ra)、二乗平均粗さ(Rq)、及びプロファイルの最大高さ(Rt)がプロットされている。明確には、粗さは、アニールステップ後に一桁減少する。アニール前には、層高さによって支配される典型的な粗面を見ることができる。アニール後には、この構造的特徴は、もはや観察されない。高い方のバーはアニール前であり、低い方のバーはアニール後である。
【0059】
顕微鏡写真6及び7は、コアの黒色PC(Tg=140℃)と、シェルの透明PET(Tg=70)とを用いてコアジャケットノズルを使用してFDM印刷された試料の断面を示す。図7において、外側層PCLは、透明PET層を滑らかにした後に作製される薄い白色粉末コーティング層である。したがって、少量の粉末コート材料が、(更に)滑らかにするために使用されてもよく、したがって、(開口を充填するために通常必要とされる)高価なコーティング材料の量が削減され得る。印刷の直後に、構造は、印刷の層厚さによって本質的に決まる粗さでリブ状となる。この生成物をTg PET(70C)とTg PC(140)との間の温度、すなわち130Cで2時間にわたってアニールした後に、外側は、「融解」し、顕微鏡写真によって可視化され得るように滑らかになり、DEKTAK測定値によって定量化される(図4及び図5を参照されたい)。重要なことに、内部のPC材料は、黒色PC材料中にリブ状構造が依然として存在するように、アニールによって本質的に撹乱されない。
【0060】
この生成物をTg PET(70C)とTg PC(140)との間の温度、すなわち130Cで2時間にわたってアニールした後に、外側は、「融解」し、したがって、アニール前の試料及びアニール後の同じ試料を示すDEKTAK測定値によって定量化されるように滑らかになる。試料は、200、400、600、800μmの層厚さ(h1+d23)を有していた。
【0061】
また、ポリスルホン及び高TgPCを用いて実験を行った。
【0062】
図6は、加熱前の堆積された材料を示し、リブ状構造が外側に見える。図7は、アニールされて粉末コーティングでコーティングされた試料を示す。見られるように、コアからなる骨格は、本質的に変化しないが、シェルは滑らかになる。層厚さ、すなわち表面205から表面205までの厚さは、約2000μmである。更に、写真は、滑らかな外側表面を覆う粉末コーティング層(PCL)を示す。
【0063】
したがって、本発明は、リボン状の内部構造を有するが、リボン状の内部構造よりもはるかに小さい粗さを少なくとも有する、比較的滑らかな表面を有する3D構造を製造し得る。
【0064】
本明細書における「実質的に成る」など、「実質的に」という用語は、当業者によって理解されるであろう。用語「実質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態も含み得る。それゆえ、実施形態では、この形容詞はまた、実質的に削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」はまた、95%以上、特に99%以上、更に特に99.5%以上などの、100%を含めた90%以上にも関連し得る。用語「備える(comprise)」は、用語「備える(comprise)」が「から成る(consists of)」を意味する実施形態もまた含む。用語「及び/又は」は、特に、その「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関連する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2の1つ以上に関連し得る。用語「備える(comprising)」は、一実施形態では、「から成る(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義されている種、及びオプションとして1つ以上の他の種を包含する」も指す場合がある。
【0065】
更には、明細書本文及び請求項での、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されるもの以外の、他の順序での動作が可能である点を理解されたい。
【0066】
本明細書のデバイスは、とりわけ、動作中について説明されている。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法又は動作時のデバイスに限定されるものではない。
【0067】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「備える(to comprise)」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実装されてもよい。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0068】
本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイスに適用される。本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0069】
本特許で論じられている様々な態様は、更なる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。更には、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。更には、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。
【0070】
第1の(印刷可能又は印刷された)材料及び第2の(印刷可能又は印刷された)材料の1つ以上が、材料のT又はTに影響を及ぼさない(影響を及ぼす必要がない)ガラス及び繊維などの充填剤を含んでもよいことは言うまでもない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A-3B】
図3C
図4
図5
図6
図7