(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】身体着用可能な医療用装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/1473 20060101AFI20220729BHJP
A61M 5/142 20060101ALI20220729BHJP
A61M 5/168 20060101ALI20220729BHJP
A61M 5/172 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
A61B5/1473
A61M5/142 522
A61M5/168 540
A61M5/168 550
A61M5/172
(21)【出願番号】P 2019554660
(86)(22)【出願日】2018-04-04
(86)【国際出願番号】 EP2018058566
(87)【国際公開番号】W WO2018185138
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2019-11-06
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-10
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】特許業務法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クーベ、オリバー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター、ヘルムート
(72)【発明者】
【氏名】ポッゲンウィッシュ、アレキサンダー
【合議体】
【審判長】福島 浩司
【審判官】渡戸 正義
【審判官】石井 哲
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/003857(WO,A1)
【文献】特開2012-2804(JP,A)
【文献】特開2011-125677(JP,A)
【文献】特表2010-507457(JP,A)
【文献】特表2010-540181(JP,A)
【文献】特表2008-532596(JP,A)
【文献】特表2016-539698(JP,A)
【文献】特表2009-509166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0324392(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0273042(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/00-5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体着用可能な医療用装置(10)であって、ユーザーの皮膚(50)に接着し、前記皮膚(50)の輪郭に追従するように変形可能な自己接着型の可撓性電子パッチ(12)を備え、電子パッチ(12)は、箔基板(16)上に直接適用される可撓性プリント回路構成(14)を含み、
前記電子パッチ(12)は、前記箔基板(16)、可撓性プリントバッテリ(20)および保護上部カバーとしての上部フィルム(22)が積層されて形成された層状可撓性アセンブリとして構成され、前記箔基板(16)、前記可撓性プリントバッテリ(20)および前記上部フィルム(22)はそれぞれ、電気化学針センサ(18)が挿通可能な開口部(32、30、28)を含み、前記開口部(32、30、28)は、前記電気化学針センサ(18)が前記開口部(32、30、28)に挿通されるときに、前記可撓性プリント回路構成(14)のコネクタ(34)に前記電気化学針センサ(18)が接触するように配置され、ユーザーインターフェイス(17)は、前記ユーザーが装置(10)を制御できるようにするように構成され、前記ユーザーインターフェイス(17)は、前記装置(10)の動作に関連する情報を表示するために動作可能なディスプレイ構成要素を含み、前記ユーザーインターフェイス(17)は、前記自己接着型の可撓性電子パッチ(12)から離間して配置され、前記可撓性プリント回路構成(14)と前記ユーザーインターフェイス(17)との間のデータ接続(52)が、導電性織物によって提供され、前記箔基板(16)は、その初期長さの20%以上、少なくとも1つの方向に伸縮可能であり、前記ディスプレイ構成要素は、可撓性スクリーンとして形成され、前記可撓性スクリーンは、前記自己接着型の可撓性電子パッチ(12)と通信する別個の可撓性パッチとして身体上に装着される、装置。
【請求項2】
前記装置(10)が、検体モニタリングシステ
ムである、請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記ユーザーインターフェイス(17)は、少なくとも1つのスイッチ(46)を備え、前記スイッチ(46)は、前記電子パッチ(12)上の構成要素を操作するように構成される、請求項1または2記載の装置。
【請求項4】
前記スイッチ(46)は、前記箔基板(16)上に適用されたプリント導電性要素を備える、請求項3記載の装置。
【請求項5】
前記スイッチ(46)は、前記ユーザーによって手動で操作可能であるか、または所定のスイッチング条件に応じて自動的に操作可能である、請求項3または4記載の装置。
【請求項6】
前記スイッチ(46)は、電源のオン/オフ、ボーラス投与の送達、緊急停止を含む群の少なくとも1つのために使用される、請求項3~5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
前記ディスプレイ構成要素は、装置の状態、測定結果、ユーザーガイダンス、警告のうちの少なくとも1つに関連する情報を表示するために動作可能である、請求項1~6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記ユーザーインターフェイス(17)は、前記装置(10)の使用に関連する情報を表示するために動作可能なディスプレイ構成要素として少なくとも1つの単一のLEDまたはLEDのアレイを備える、請求項1~7のいずれか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記可撓性スクリーンは、可撓性OLEDスクリーンである、請求項1~8のいずれか1項に記載の装置。
【請求項10】
前記箔基板(16)は、1mm未満の厚さを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記箔基板(16)は、10~250ミクロンの厚さを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
前記箔基板(16)は、50~100ミクロンの厚さを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
前記箔基板(16)は、70~80ミクロンの厚さを有する、請求項1~9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項14】
前記可撓性プリント回路構成(14)は、変形可能な構成要素として、導電経路(36)、抵抗器、
およびコンデン
サのうちの少なくとも1つを含む、請求項1~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記可撓性プリントバッテリ(20)は、可撓性基板上にプリントされた機能性材料から構成され
る、請求項1~14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
前記可撓性プリント回路構成(14)は、遠隔装置(56)への無線接続のためのアンテナ(40)を備え、前記アンテナ(40)は、前記
可撓性プリントバッテリ(20)によってユーザーの身体から離れる方向に遮蔽されないように配置される、請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記装置(10)が、検体モニタリングシステムであり、前記検体モニタリングシステムは、前記皮膚(50)に少なくとも部分的に挿入可能であるか、または前記皮膚(50)の下に完全に埋め込み可能である皮膚埋め込み可能なグルコースセンサ(18)
としての前記電気化学針センサ(18)を備える連続グルコースモニタリングシステムとして形成される、請求項1~16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1項に記載の少なくとも1つの身体着用可能な医療用装置を制御するための方法であって、前記方法は、以下の
i)自己接着型の可撓性電子パッチ(12)をユーザーの皮膚(50)に接着するステップであって、前記自己接着型の可撓性電子パッチ(12)は、前記皮膚(50)の輪郭に追従するように変形可能であり、電子パッチ(12)は、箔基板(16)上に直接適用される可撓性プリント回路構成(14)を含
み、前記電子パッチ(12)は、前記箔基板(16)、可撓性プリントバッテリ(20)および保護上部カバーとしての上部フィルム(22)が積層されて形成された層状可撓性アセンブリとして構成され、前記箔基板(16)、前記可撓性プリントバッテリ(20)および前記上部フィルム(22)はそれぞれ、電気化学針センサ(18)が挿通可能な開口部(32、30、28)を含み、前記開口部(32、30、28)は、前記電気化学針センサ(18)が前記開口部(32、30、28)に挿通されるときに、前記可撓性プリント回路構成(14)のコネクタ(34)に前記電気化学針センサ(18)が接触するように配置される、ステップと、
ii)ユーザーインターフェイス(17)を使用することにより、前記ユーザーにより装置(10)を制御するステップであって、前記ユーザーインターフェイス(17)は、前記装置(10)の動作に関連する情報を表示するために動作可能なディスプレイ構成要素を含み、前記ユーザーインターフェイス(17)は、前記自己接着型の可撓性電子パッチ(12)から離間して配置され、前記可撓性プリント回路構成(14)と前記ユーザーインターフェイス(17)との間のデータ接続(52)が、導電性織物によって提供され、前記ディスプレイ構成要素は、可撓性スクリーンとして形成され、前記可撓性スクリーンは、前記自己接着型の可撓性電子パッチ(12)と通信する別個の可撓性パッチとして身体上に装着される、ステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特許請求の範囲の請求項1の前文に記載の、検体モニタリングシステムまたはパッチ装着ポンプなどの身体着用可能な医療用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
そのようなシステムは、特定の検体または薬剤、特に血液または間質液などの体液中のグルコースまたは乳酸を、埋め込みセンサ、特に電気化学センサの読取値によってモニタリングするために利用可能である。皮下に埋め込まれたセンサは、数週間に至るまでの長期間にわたって間質組織に留まる。生体内で検出された測定信号は、検体、たとえば被験者の血液中のグルコースを示し得る。モニタリングは、サンプルの取り扱いや同様のユーザーの相互作用なしで検体値を頻繁に提供/更新するためのほぼリアルタイムの連続的または準連続的または定期的なアプローチである。
【0003】
現在の実施において、連続グルコースモニタリング(CGM)システムは、センサに電気的に結合された電子ユニットが取り付けられる剛性ハウジング部分または堅固な取り付けプラットフォームを備える、いわゆるボディマウントをパッチとして含む。人体は比較的柔らかくて柔軟であるため、センサに関連する剛性のハウジングまたはプラットフォームはたわみや伸びに追従できず、その結果、皮膚からのボディマウントの早期剥離につながるせん断力が生じる。さらに、身体上のプラットフォームは、その下に湿度が蓄積するように、通気性を低下させているだけであり、それはまた、可能な着用時間を望ましくなく短縮する。さらなる問題として、ユーザーは、装置を作動させるための遠隔制御が必要になる場合がある。
【0004】
特許文献1には、装置が読み取り装置と無線で通信することを可能にするセンサタグICを含む極薄型着用可能感知装置が記載されている。着用可能感知装置は、感知装置が接触する人、動物または物体の特性を感知するセンサタグICに接続された1つまたは複数のセンサを含む。感知される特性には、生体信号(たとえばECG、EMG、およびEEG)、温度、皮膚電気反応(GSR)、熱流束、および皮膚から放出される化学物質または液体が含まれ得る。読取装置は、情報をユーザーに表示することができ、および/またはさらなる処理のためにセンサデータを遠隔地に送信することができる。医師は、データを確認するか、またはデータをさらに分析し、このデータまたは情報を使用して処置を支援することができる。
【0005】
特許文献2には、接着膜と、接着膜の上に配置された可撓性または伸縮性基板と、可撓性または伸縮性基板上に配置された、イオン導入電極を含む陽極電極アセンブリとを含む非侵襲性表皮電気化学センサ装置が記載されている。この装置は、可撓性または伸縮性基板上で陽極電極アセンブリに隣接して配置された陰極電極アセンブリを含み、イオン導入電極を含む。カソード電極アセンブリまたはアノード電極アセンブリのいずれかは、作用電極と、対向電極または参照電極の少なくとも一方とを含む感知電極も含む。感知電極を含む陽極電極アセンブリまたは陰極電極アセンブリのいずれかのイオン導入電極は、作用電極と、対向電極または参照電極の少なくとも一方とを少なくとも部分的に囲むように基板上に配置される。この装置は、独立した導電接点を含む電極インターフェイスアセンブリを含む。
【0006】
特許文献3には、たとえば、哺乳類の皮膚に、センサまたは流体輸送構造または流体輸送構造センサの組み合わせなどの装置を送達し、センサなどの装置からの信号を受信、分析、および表示するための装置、システム、および方法が記載されている。システムは、送信機、マイクロコントローラ、およびハウジングを含む再利用可能なセンサアセンブリに加えて、バイオセンサの遠位端を受け入れる開口部を有するハウジングを含む使い捨てセンサアセンブリと、センサ挿入誘導構造と、センサから受信した信号を、外部の電子モニタリングユニットに送信するための再利用可能なセンサセンブリに送信する送信機器とを含む。
【0007】
特許文献4には、被験者の1つまたは複数の健康状態(たとえば、睡眠障害や呼吸障害、身体活動、不整脈)に関連するイベントを自動的にモニタリング、スクリーニング、および/または報告するための着用可能なパッチおよび方法が記載されている。
【0008】
特許文献5には、減圧創傷治療用の、被覆材に装着された、または被覆材によって支持されたポンプアセンブリが記載されている。被覆材は、被覆材内の圧力、飽和、および/または温度のレベルの視覚的表示を提供するために、視覚的圧力、飽和、および/または温度センサを有し得る。さらに、ポンプアセンブリは、ポンプを通る流路と連通する圧力センサと、ハウジングによって支持される少なくとも1つのスイッチまたはボタンであって、ユーザーにアクセス可能であり、コントローラと連通する少なくとも1つのスイッチまたはボタンとを有し得る。ポンプアセンブリは、ハウジング内またはハウジングによって支持されたコントローラであって、ポンプの動作を制御するように構成されたコントローラを有し得る。ポンプは、ポンプのすべての構成要素が滅菌されるように、ポンプの組み立て後に滅菌されるように構成され得る。
【0009】
特許文献6には、生体の皮膚に装着するように構成された可撓性基板を含む、可撓性を有する身体装着可能な検体感知装置が記載されている。感知装置はさらに、可撓性基板に取り付けられ、皮膚を貫通するように構成されたセンサプローブを含み、センサプローブの端部に配置されたセンサが、間質液中の検体に曝され得る。センサは、センサプローブの端部に配置され、検体を電気化学的に検出するように構成された2つ以上の電極を含む電気化学センサであり得る。感知装置は、間質液中の検体に関する検出濃度または他の情報を表示するように構成される。感知装置の可撓性基板は、生体の活動に対する影響を最小限にする方法で皮膚に接着されるか、さもなければ装着されるように構成される。
【0010】
特許文献7には、ユーザーの皮膚表面でイオン関連測定基準を測定する技術が記載されている。一態様では、着用可能装置を動作させる方法は、1つまたは複数のイオン選択性電界効果トランジスタセンサの出力に基づいて、水和状態、皮膚の健康状態などの様々な生理学的条件、または着用可能装置もしくは関連する外観の清潔さを判定することを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】国際公開第2016/187536号
【文献】国際公開第2016/090189号
【文献】米国特許出願公開第2008/161656号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/276167号明細書
【文献】国際公開第2013/136181号
【文献】国際公開第2017/003857号
【文献】米国特許出願公開第2016/310049号明細書
【発明の概要】
【0012】
これに基づいて、本発明の目的は、既知のシステムをさらに改善し、長期的な着用能力および改善されたユーザーの利便性を可能にする設計を提供することである。
【0013】
この目的を達成するために、請求項1に記載されている特徴の組み合わせが提案される。本発明の有利な実施形態およびさらなる発展は、従属請求項から導かれる。
【0014】
本発明は、一体化された電子インターフェイスまたはアクチュエータを備えた快適な自己接着型の可撓性電子パッチを提供するという思想に基づいている。本明細書で使用されるとき、「パッチ」という用語は、ユーザーの皮膚に直接、すなわち追加またはさらなる留め要素を使用せずに直接取り付けるように構成された少なくとも1つの任意の形状の留め要素を指す。本明細書で使用されるとき、「自己接着」という用語は、皮膚にパッチを取り付ける、および/または装着するように適合された少なくとも1つの取り付け面、たとえば底面を含むパッチを指し、取り付け面は、少なくとも1つの接着剤を含む、および/または少なくとも1つの接着剤被膜で被覆されている。本明細書で使用されるとき、「電子パッチ」という用語は、少なくとも1つの電子要素を備えるパッチを指す。本明細書で使用されるとき、「可撓性電子パッチ」という用語は、電子パッチが、皮膚の輪郭に追従するように屈曲可能および/または伸縮可能であるような可撓性特性を有するという事実を指す。パッチは、少なくとも2つの方向、好ましくはすべての方向に少なくとも20%の伸縮性を有してもよい。本明細書で使用されるとき、「少なくとも20%の伸縮性」とは、たとえば、10cm(センチメートル)の長さを有するパッチを、少なくとも12cm(センチメートル)の長さに伸長できることを指す。したがって、電子パッチが、箔基板に直接適用される可撓性プリント回路構成または回路を含むこと、およびユーザーインターフェイスが、ユーザーが装置を直接制御できるようにするために、パッチに一体化されることが提案される。本明細書で使用されるとき、「電子パッチが、1つまたは複数の可撓性プリント回路構成または回路を含む」という用語は、少なくとも1つの可撓性プリント回路構成がパッチの一部であり、および/もしくはパッチの内部もしくはパッチ内に一体化され、特にパッチの少なくとも1つの基板の内部および/もしくはパッチの少なくとも1つの基板上に一体化され、および/もしくはパッチの少なくとも1つの層の内部に一体化されていること、ならびに/または、可撓性プリント回路構成がパッチの内部に埋め込まれていること、ならびに/または、可撓性プリント回路構成がパッチの内部に組み込まれていることを指す。パッチは、その上にプリントされた可撓性プリント回路を有する箔基板を備える。具体的には、少なくとも1つの可撓性プリント回路構成は、パッチ自体が電子ユニットとして配置および/または構成されるように、パッチに一体化され、および/または組み込まれ、および/または埋め込まれてもよい。したがって、少なくとも1つの可撓性プリント回路構成は、ハウジングまたはベースユニットまたは同様のものなどの可撓性プリント回路構成を格納または収容するように適合される追加および/または別個の要素を必要とせずに、パッチ自体に備えられてもよい。したがって、可撓性パッチは、剛性プラットフォームの不利な点を回避し、皮膚の輪郭に追従するように屈曲可能および/または伸縮可能である。同時に、一体化されたインターフェイスは、堅固なハウジングにアクチュエータを提供する必要なく、ユーザーの相互作用を可能にする。これにより、全体の動作サイクルを延長することができ、ユーザーの利便性を大幅に向上することができる。
【0015】
これに関連して、さらなる改善により、ユーザーインターフェイスは、自己接着型の可撓性電子パッチの一体化された部分であることが提供される。ユーザーインターフェイスが箔基板に直接適用されることがさらに好ましい。本明細書で使用されるとき、「ユーザーインターフェイスは、自己接着型の可撓性電子パッチの一体化された部分である」という用語は、ユーザーインターフェイスが、パッチの一部である、および/もしくはパッチの内部もしくはパッチ内に備えられる、特にパッチの少なくとも1つの基板の内部、および/もしくはパッチの少なくとも1つの基板上に一体化されている、および/もしくはパッチの少なくとも1つの層の内部に一体化されていること、ならびに/または、ユーザーインターフェイスが、パッチの内部に埋め込まれていること、ならびに/または、ユーザーインターフェイスが、パッチに組み込まれていることを指す。たとえば、パッチは、その上にプリントされたユーザーインターフェイスを有する箔基板を備えてもよい。したがって、ユーザーインターフェイスは、ハウジングまたはベースユニットまたは同様のものなどのユーザーインターフェイスを格納または収容するように適合される追加および/または別個の要素を必要とせずに、パッチ自体に備えられてもよい。
【0016】
有利な構成では、ユーザーインターフェイスは、少なくとも1つのスイッチを備え、スイッチは、遠隔制御なしで直接的なユーザーの相互作用が可能であるように、電子パッチ上の構成要素を操作するように構成される。
【0017】
一体化をさらに改善するために、スイッチは、箔基板上に適用されたプリント導電性要素を備える。
【0018】
好ましくは、スイッチは、ユーザーによって手動で操作可能であるか、または所定のスイッチング条件に応じて自動的に操作可能である。
【0019】
これに関連して、電源のオン/オフ、ボーラス投与の送達、緊急停止を含む群の少なくとも1つの機能のためにスイッチを使用することも有利である。
【0020】
有利には、スイッチは、システムのディスプレイ構成要素の電源をオンまたはオフにするように構成され得る。
【0021】
別個のポンプシステムと組み合わせて、スイッチは、ポンプシステムの機能と相互作用するように構成され得る。たとえば、スイッチは、ボーラスを送達するためのボーラスボタンとして使用されてもよい。そのような実施形態では、グルコースレベルを示すセンサデータが使用されて対応するボーラスが決定されてもよく、決定されたボーラスは、たとえば対応する信号をポンプに通信することによりスイッチが押されるときに、ポンプによって放たれてもよい。
【0022】
付加的または代替的に、スイッチは、ポンプの緊急停止を提供するように構成されてもよい。このような状況は、センサが低血糖になる傾向の血糖値を示している場合に発生し得る。この状況では、基礎インスリンの送達を直ちに中断する必要がある。
【0023】
具体的には、身体に着用されるパッチポンプに関連して、可撓性プリント回路構成上に設けられる可撓性スイッチは、インスリンのボーラス投与を手動でトリガーするのに有利である。これにより、直接的なユーザーの相互作用の小規模な実装が可能になる。
【0024】
さらなる有利な実施形態では、ユーザーインターフェイスは、装置の動作に関連する情報、特に装置の状態、測定結果、ユーザーガイダンス、警告のうちの少なくとも1つに関連する情報を表示するために動作可能なディスプレイ構成要素を備える。したがって、外部装置を剛性ハウジングに入れなくても、ユーザーの情報または相互作用が可能である。
【0025】
簡略化された実施形態では、ユーザーインターフェイスは、装置の使用に関連する情報を表示するために動作可能なディスプレイ構成要素として、少なくとも1つの単一のLEDまたはLEDのアレイを備える。
【0026】
より洗練されたアプローチは、ディスプレイ構成要素が、可撓性スクリーン、特に可撓性OLEDスクリーンとして形成され、スクリーンが、箔基板上に埋め込まれるか、または別個の可撓性パッチとして身体上に取り付けられ、自己接着型の可撓性電子パッチと距離をおいて通信することを提供する。後者の場合、センサパッチは、目に見えない身体の領域に着用され得るが、ディスプレイパッチは、目に見える形で身体に取り付けられる。そして、電子パッチ上のユーザー起動スイッチング構成と組み合わせて、外部の遠隔制御から独立して装置が操作され得る。
【0027】
これに関連して、可撓性プリント回路構成とディスプレイ構成要素との間のデータ接続が、導電性織物によって提供されるとさらに有利である。これにより、ディスプレイを衣服の上で常に見ることができるようにできる。
【0028】
さまざまな皮膚の輪郭に容易に適合するために、可撓性プリント回路構成の箔基板は、1mm未満、好ましくは10~250ミクロン、有利には50~100ミクロン、より好ましくは60~90ミクロン、最も好ましくは70~80ミクロンの厚さを有する。箔の安定性に応じて、10~50ミクロンの範囲の厚さも実現可能である。
【0029】
さらなる改善は、箔基板が、その初期長さの20%以上、少なくとも1つの方向に伸縮可能であることを提供する。一実施形態では、箔基板は、20%よりも大きく、少なくとも2つの方向に伸縮可能であり得る。一実施形態では、箔基板は、20%よりも大きく、全方向に伸縮可能である。本明細書で使用されるとき、一実施形態における「20%よりも大きい」という用語は、たとえば10cm(センチメートル)の長さを有する箔基板が、その長さに沿って少なくとも12cm(センチメートル)まで伸長され得ることを意味する。20%の範囲の伸縮性は、皮膚の伸縮性と類似しており、最適化され、長続きする着用の快適さを提供する。
【0030】
電子パッチは、少なくとも1つの変形可能な電子要素および/または少なくとも1つの剛性もしくは半剛性電子要素を備えてもよい。たとえば、電子パッチは、少なくとも1つの導電経路、少なくとも1つの抵抗器、少なくとも1つのコンデンサ、および少なくとも1つのバッテリからなる群から選択される少なくとも1つの電子要素を含む少なくとも1つの可撓性プリント回路構成を備えてもよく、電子要素は、変形可能な構成要素であってもよい。たとえば、電子パッチは、少なくとも1つの集積回路チップ、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つの記憶媒体、少なくとも1つのアンテナ、および少なくとも1つのバッテリのうちの1つまたは複数などの剛性または半剛性構成要素を備えてもよい。本明細書で使用されるとき、「少なくとも1つの変形可能な電子要素および/または少なくとも1つの剛性もしくは半剛性電子要素を備える」という用語は、変形可能な電子要素および/もしくは剛性もしくは半剛性電子要素が、パッチの一部である、および/もしくはパッチの内部もしくはパッチ内に一体化される、特に、パッチの少なくとも1つの基板の内部および/もしくはパッチの少なくとも1つの基板上に一体化される、および/もしくはパッチの少なくとも1つの層の内部に一体化されること、ならびに/または、変形可能な電子要素および/もしくは剛性もしくは半剛性電子要素がパッチの内部に埋め込まれていること、ならびに/または、変形可能な電子要素および/もしくは剛性もしくは半剛性電子要素がパッチ内に組み込まれていることを指す。たとえば、パッチは、特に直接、その上にプリントされた変形可能な電子要素および/または剛性もしくは半剛性電子要素を有する絶縁箔基板を備えてもよい。具体的には、パッチ自体が電子ユニットとして配置および/または構成されるように、変形可能な電子要素および/または剛性もしくは半剛性電子要素が、パッチに一体化され、および/または組み込まれ、および/または埋め込まれてもよい。したがって、変形可能な電子要素および/または剛性もしくは半剛性電子要素は、ハウジングまたはベースユニットまたは同様のものなどの変形可能な電子要素および/または剛性もしくは半剛性電子要素を格納または収容するように適合される追加および/または別個の要素を必要とせずに、パッチ自体に備えられてもよい。
【0031】
特定の実施形態は、可撓性プリント回路構成が、変形可能な構成要素として、導電性経路、抵抗器、コンデンサおよびバッテリのうちの少なくとも1つを含むことをさらに含む。
【0032】
別の可能性は、可撓性電子パッチが、集積回路チップ、プロセッサ、記憶媒体、アンテナ、およびバッテリのうちの少なくとも1つを、使用中にユーザーの皮膚のさまざまな輪郭にその形状を適合させるように電子パッチ全体が変形可能なままであるように分配される剛性または半剛性構成要素として備えることを提供する。
【0033】
有利には、可撓性電子パッチは、可撓性基板上にプリントされた機能性材料、たとえば亜鉛二酸化マンガン系により構成されるプリントバッテリを備える。大容量を提供するために、プリントバッテリは、広い領域またはパッチ全体を覆う必要がある。
【0034】
これに関連して、可撓性プリント回路構成が、遠隔装置への無線接続のためのアンテナを備える場合、およびアンテナが、プリントバッテリ(金属箔を含む場合もある)によってユーザーの身体から離れる方向に遮蔽されないように配置される場合も有利である。特定の構成では、複数のアンテナが、プリントバッテリの上下または側面で使用され得る。
【0035】
特定の有用な実施形態では、検体モニタリングシステムは、皮膚埋め込み可能なグルコースセンサを備える連続グルコースモニタリングシステムとして形成される。
【0036】
閉ループ動作の場合、インスリンなどの所定の投与量の薬剤をユーザーの身体に送達するために、パッチ装着ポンプが提供されることも好ましい。
【0037】
さらなる態様では、上述の、または以下に詳細に説明する実施形態のいずれか1つによる少なくとも1つの身体着用可能な医療用装置を制御するための方法が提案される。この方法は、一例として、所与の順序で実行され得る以下のステップを含む。ただし、別の順序も可能である。また、1つまたは複数の方法ステップを1回または繰り返し実行することも可能である。また、2つ以上の方法ステップを同時に、または時間的に重複するように実行することが可能である。この方法は、列挙されていないさらなる方法ステップを含んでもよい。この方法は、以下の
i)自己接着型の可撓性電子パッチをユーザーの皮膚に接着するステップであって、自己接着型の可撓性電子パッチは、皮膚の輪郭に追従するように変形可能であり、電子パッチは、箔基板上に直接適用される可撓性プリント回路構成を含む、ステップと、
ii)ユーザーインターフェイスを使用することにより、ユーザーにより装置を制御するステップであって、ユーザーインターフェイスは、自己接着型の可撓性電子パッチの一体化された部分である、ステップと
を含む。
【0038】
方法の実施形態および定義に関しては、上記および以下でさらに詳細に説明する身体着用可能な医療用装置の説明が参照される。
【0039】
さらなる可能な実施形態を除外することなく要約すると、以下の実施形態が想定され得る。
【0040】
実施形態1:検体モニタリングシステムまたはパッチ装着ポンプなどの身体着用可能な医療用装置であって、ユーザーの皮膚に接着し、皮膚の輪郭に追従するように変形可能な自己接着型の可撓性電子パッチを備え、電子パッチは、箔基板上に直接適用される可撓性プリント回路構成を含み、ユーザーインターフェイスは、ユーザーが装置を制御できるようにするように構成される、装置。
【0041】
実施形態2:ユーザーインターフェイスは、少なくとも1つのスイッチを備え、スイッチは、電子パッチ上の構成要素を操作するように構成される、実施形態1に記載の装置。
【0042】
実施形態3:スイッチは、箔基板上に適用されたプリント導電性要素を備える、実施形態2に記載の装置。
【0043】
実施形態4:スイッチは、ユーザーによって手動で操作可能であるか、または所定のスイッチング条件に応じて自動的に操作可能である、実施形態2または3に記載の装置。
【0044】
実施形態5:スイッチは、電源のオン/オフ、ボーラス投与の送達、緊急停止を含む群の少なくとも1つのために使用される、実施形態2~4のいずれかに記載の装置。
【0045】
実施形態6:ユーザーインターフェイスは、装置の動作に関連する情報、特に装置の状態、測定結果、ユーザーガイダンス、警告のうちの少なくとも1つに関連する情報を表示するために動作可能なディスプレイ構成要素を備える、実施形態1~5のいずれかに記載の装置。
【0046】
実施形態7:ユーザーインターフェイスは、装置の使用に関連する情報を表示するために動作可能なディスプレイ構成要素として少なくとも1つの単一のLEDまたはLEDのアレイを備える、実施形態6の装置。
【0047】
実施形態8:ディスプレイ構成要素は、可撓性スクリーン、特に可撓性OLEDスクリーンとして形成され、スクリーンは、箔基板上に埋め込まれるか、または自己接着型の可撓性電子パッチ(12)と通信する別個の可撓性パッチとして身体上に装着される、実施形態6または7の装置。
【0048】
実施形態9:可撓性プリント回路構成とユーザーインターフェイスとの間のデータ接続が、導電性織物によって提供される、実施形態1~8のいずれかに記載の装置。
【0049】
実施形態10:箔基板は、1mm未満、好ましくは10~250ミクロン、より好ましくは50~100ミクロン、最も好ましくは70~80ミクロンの厚さを有する、実施形態1~9のいずれかに記載の装置。
【0050】
実施形態11:箔基板は、その初期長さの20%以上、少なくとも1つの方向に伸縮可能である、実施形態1~10のいずれかに記載の装置。
【0051】
実施形態12:可撓性プリント回路構成は、変形可能な構成要素として、導電経路、抵抗器、コンデンサ、およびバッテリのうちの少なくとも1つを含む、実施形態1~11のいずれかに記載の装置。
【0052】
実施形態13:電子パッチは、可撓性基板上にプリントされた機能性材料から構成されるプリントバッテリを備える、実施形態1~12のいずれかに記載の装置。
【0053】
実施形態14:可撓性プリント回路構成は、遠隔装置への無線接続のためのアンテナを備え、アンテナは、プリントバッテリによってユーザーの身体から離れる方向に遮蔽されないように配置される、実施形態13の装置。
【0054】
実施形態15:検体モニタリングシステムは、皮膚に少なくとも部分的に挿入可能であるか、または皮膚の下に完全に埋め込み可能である皮膚埋め込み可能なグルコースセンサを備える連続グルコースモニタリングシステムとして形成される、実施形態1~14のいずれかに記載の装置。
【0055】
実施形態16:実施形態1~15のいずれかに記載の少なくとも1つの身体着用可能な医療用装置を制御するための方法であって、方法は、以下の
i)自己接着型の可撓性電子パッチをユーザーの皮膚に接着するステップであって、自己接着型の可撓性電子パッチは、皮膚の輪郭に追従するように変形可能であり、電子パッチは、箔基板上に直接適用される可撓性プリント回路構成を含む、ステップと、
ii)ユーザーインターフェイスを使用することにより、ユーザーにより装置を制御するステップであって、ユーザーインターフェイスは、自己接着型の可撓性電子パッチの一体化された部分である、ステップと
を含む、方法。
【0056】
以下において、図面に概略的に示される実施形態の例に基づいて、本発明がさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】可撓性電子パッチを含む身体着用可能なグルコースモニタリングシステムの3D拡大分解図である。
【
図2】
図1と同様の図で別の実施形態を示す図である。
【
図3】携帯式データ取得装置に関連する身体着用可能なグルコースモニタリングシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
図1を参照すると、連続グルコースモニタリング(CGM)のための身体着用可能な医療用センサシステム10は、ユーザーの皮膚に接着し、可撓性プリント回路(FPC)14を含む可撓性電子パッチ12を備え、可撓性プリント回路(FPC)14は、パッチ12が皮膚の輪郭に追従するように屈曲可能および/または伸縮可能であるように、可撓性箔基板16上に、たとえば薄いポリマーフィルム上に、直接適用される。
【0059】
以下でさらに詳述するように、ユーザーインターフェイス17は、ユーザーが装置10を制御できるようにするように構成される。ユーザーインターフェイス17は、FCP14の一部であってもよく、またはFCP14に接続された、別個の身体に着用可能なユニットであってもよい。これに関連して、ユーザーが装置10を制御できるようにするということは、たとえば情報を読み取ることにより、または遠隔操作なしで装置の状態に影響を及ぼすことにより、ユーザーが装置10と直接相互作用できるように、機能構成要素が身体上に提供されることを意味する。
【0060】
特定の実施形態では、システム10はさらに、皮膚に部分的に挿入できる電気化学針センサ18、可撓性プリントバッテリ20(ソフトバッテリ)、保護上部カバーとしての上部フィルム22、およびセンサ18用のカバーフィルム24を含む。皮膚装着前の前もって組み立てられた状態では、箔基板16、プリントバッテリ20、および上部カバー22が互いに積層されて、パッチ12をユーザーの皮膚に取り付けるための接着剤26を下面に有する層状可撓性アセンブリを形成する。次に、針センサ18の遠位部分は、近位センサ部分がFPC14のコネクタ34に接触するように、挿入補助具(図示せず)によって層状アセンブリの開口部28、30、32を通して皮膚に挿入することができる。
【0061】
FPC14は、可撓性のプリント導電経路36、コンデンサ、抵抗器、および最終的に剛性または半剛性の電子構成要素38を担持し、これらはすべて、箔基板16に直接取り付けられる。さらなる剛性要素は、挿入開口部32を少なくとも部分的に取り囲む、センサ8のための挿入インターフェイス、およびセンサ電子接続用のコネクタ、プリントカーボンピルまたは導電性ゴムなどの接触要素を含み得る。より剛性の高い構成要素は、FPC14が全体的に変形可能なままであり、使用中にその形状を皮膚の様々な輪郭に適合させるように分配されている。また、プロセッサ、通信用アンテナ、および記憶媒体も、完全な可撓性FPCにつながる可撓性構成要素として一体化されることも考えられ得る。
【0062】
十分な可撓性を維持するために、箔基板は、10~250ミクロンの範囲の厚さを有する。好ましくは、ポリイミドまたはポリエステルフィルムを使用することができる。様々な条件下で皮膚の輪郭に追従するために、箔基板16が、その最初の長さの20%以上で少なくとも1つの方向に伸縮可能である場合にも有利である。プリントバッテリ20および上部フィルム22のような追加の積み重ねられた層の場合、2mm未満、好ましくは1mm未満の全体の厚さが目標とされる。
【0063】
プリントバッテリ20は、可撓性箔基板上にプリントされた電解質材料、たとえば亜鉛二酸化マンガン系、および機能性電極層から構成される。無線データ送信のためのアンテナ40は、金属電極層によって遮蔽されないように、プリントバッテリ20の上部に配置される。次に、FPC14へのガルバニック接続42が、バッテリ基板のリム上に案内される。特定の構成では、複数のアンテナが、プリントバッテリ20の上下または側面で使用され得る。
【0064】
図1に概略が示されているように、ユーザーインターフェイス17は、装置10の動作に関連する情報を表示するディスプレイ構成要素44を備えてもよい。このような情報は、装置の状態、測定結果、ユーザーガイダンス、警告などに関連してもよい。ディスプレイ構成要素44は、バッテリ20およびカバー箔22の透明部分または切り欠き部分を通して読み取り可能であってもよい。目的にかなって、ディスプレイ構成要素44は、可撓性OLEDスクリーンとして形成され、スクリーンは、箔基板16上に埋め込まれる。
【0065】
ユーザーインターフェイス17はまた、FPC14の電子構成要素を操作する少なくとも1つのスイッチ46を備えてもよい。スイッチ46は、箔基板16上に適用されたプリント導電性要素により実現することができ、適切に印が付けられたカバー箔22を介した手動圧力により動作可能であり得る。そのようなスイッチ46は、電源オン/オフもしくは緊急シャットダウン、またはインスリン送達パッチポンプ(図示せず)によってボーラス用量をユーザーの身体に送達するような他のユーザー開始機能に使用されてもよい。FPC14上の一体化されたスイッチが、所定のスイッチング条件、たとえば、センサによって取得された読み取り値に依存して自動的に動作可能であることも考えられる。
【0066】
図2は、上記と同じまたは類似の要素に対して同じ符号が使用されているさらなる実施形態を示している。この実施形態では、可撓性プリントバッテリ20は、可撓性プリント回路または回路構成14の下に配置される。その結果、バッテリ箔基板の下側には、皮膚に接着するための接着剤層が設けられる。さらに、アンテナ40は、プリントバッテリ20によってユーザーの身体から離れる方向に遮蔽されないため、FPC14上に残る。バッテリ接点48は、直接電力供給のためにFPC14上の接続点に貫通接続される。
【0067】
図3は、皮膚領域50に装着された、組み立てられた状態の身体着用可能なCGMシステム10の実施形態を示している。可撓性プリント回路構成14と、離間したインターフェイスまたはディスプレイ構成要素17との間のデータ接続52は、好ましくは導電性織物によって提供される。これにより、衣服の上でディスプレイ17を連続的に見ることができる。さらに、一体化されたアンテナ40を介して、遠隔携帯式データ取得装置56への無線接続54を確立することができ、遠隔携帯式データ取得装置56は、アプリの形態の適合ソフトウェアを装備したスマートフォンとして提供され得る。