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特許7113849テクスチャ化された取り外し可能タブおよび同タブを有するバッテリアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】テクスチャ化された取り外し可能タブおよび同タブを有するバッテリアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/153 20210101AFI20220729BHJP
   H01M 50/184 20210101ALI20220729BHJP
   H01M 12/08 20060101ALI20220729BHJP
   H01M 50/164 20210101ALI20220729BHJP
   H01M 50/197 20210101ALI20220729BHJP
   H01M 50/131 20210101ALI20220729BHJP
   H01M 50/198 20210101ALI20220729BHJP
   H01M 50/16 20210101ALI20220729BHJP
   H01M 50/193 20210101ALI20220729BHJP
   H01M 50/157 20210101ALI20220729BHJP
   H01M 50/191 20210101ALI20220729BHJP
   H01M 50/133 20210101ALI20220729BHJP
【FI】
H01M50/153
H01M50/184 E
H01M12/08 K
H01M50/164
H01M50/197
H01M50/131
H01M50/198
H01M50/16
H01M50/193
H01M50/157
H01M50/191
H01M50/133
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2019558503
(86)(22)【出願日】2018-05-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-27
(86)【国際出願番号】 US2018030663
(87)【国際公開番号】W WO2018217418
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-03-16
(31)【優先権主張番号】15/606,585
(32)【優先日】2017-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315014051
【氏名又は名称】デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ジーン、マリー、メテ
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド、ゴールドファーブ
【審査官】立木 林
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-544463(JP,A)
【文献】特開昭62-142165(JP,A)
【文献】特開昭58-078570(JP,A)
【文献】特開2004-103436(JP,A)
【文献】特開平05-121057(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0027920(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/00-50/198
H01M 12/00-16/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリアセンブリであって、
第1の表面を有するバッテリと、前記バッテリの前記第1の表面に取り付けられた取り外し可能タブと
を備え、前記取り外し可能タブは、
第1の表面および反対側に配置された第2の表面を有するメインタブ層であり、前記メインタブ層は、電池取り付け領域および前記電池取り付け領域に隣接する把持領域を含む、メインタブ層と、
前記メインタブ層の前記第1の表面の上に配置された第1の層と、
前記把持領域のみにある前記メインタブ層の前記第2の表面の一部分の上に配置された第2の層と
を備え、
前記第1の層および前記第2の層の一方または両方は、0.6マイクロメートル~6マイクロメートルの平均表面粗さを有するテクスチャ化層であり、前記テクスチャ化層は、前記取り外し可能タブに外面を提供する、バッテリアセンブリ。
【請求項2】
前記バッテリが金属/空気バッテリである、請求項1に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項3】
前記金属/空気バッテリが亜鉛空気ボタン電池である、請求項2に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項4】
前記第1の層が前記テクスチャ化層である、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項5】
前記第2の層が平滑である、請求項4に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項6】
前記第2の層が前記テクスチャ化層である、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の層が平滑である、請求項6に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の層が、二軸延伸ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン、および共押出体、積層体、および上記の他の組み合わせから成る群から選択される材料を含む、請求項7に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の層および前記第2の層の両方がテクスチャ化層である、請求項1から3のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項10】
前記第1の層および前記第2の層が同じ平均表面粗さを有する、請求項9に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項11】
前記第1の層および前記第2の層が、異なる平均表面粗さを有する、請求項9に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項12】
前記テクスチャ化層が、濁粒子を含むインクコーティングを有する印刷材料を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項13】
前記テクスチャ化層が、エンボス加工層または研磨層である、請求項1から12のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項14】
前記タブは、前記電池取り付け領域と比較して、前記把持領域においてより厚い、請求項1から13のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項15】
前記第2の層は、1ミル~10ミルの厚さを有する、請求項1から14のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項16】
前記第2の層は、2ミルより大きい厚さを有する、請求項1から12のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項17】
前記第1の層と前記メインタブ層との間に配置された印刷層をさらに備える、請求項1から16のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項18】
前記第2の層が、二軸延伸ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン、および共押出体、積層体、および上記の他の組み合わせから成る群から選択される材料を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項19】
前記バッテリアセンブリは、前記メインタブ層の前記第2の表面上の接着剤をさらに備え、前記第2の層は、前記把持領域内の前記接着剤を覆う、請求項1から18のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項20】
前記メインタブ層は、前記電池取り付け領域内に第1の側壁および第2の側壁を備え、前記第1の側壁および前記第2の側壁の少なくとも一方は、前記バッテリの周縁部から内側に湾曲し、結果、前記バッテリの前記第1の表面の一部分が、前記バッテリの前記周縁部と前記第1の側壁および前記第2の側壁の前記少なくとも一方との間に露出する、請求項1から19のいずれか一項に記載のバッテリアセンブリ。
【請求項21】
電池のための取り外し可能タブであって、
第1の表面および反対側に配置された第2の表面を有するメインタブ層であり、前記メインタブ層は、電池取り付け領域および前記電池取り付け領域に隣接する把持領域を含む、メインタブ層と、
前記メインタブ層の前記第1の表面の上に配置された第1の層と、
前記把持領域のみにある前記メインタブ層の前記第2の表面の一部分の上に配置された第2の層と
を備え、
前記第1の層および前記第2の層の一方または両方は、0.6マイクロメートル~6マイクロメートルの平均表面粗さを有するテクスチャ化層であり、前記テクスチャ化層は、前記取り外し可能タブに外面を提供する、取り外し可能タブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、グリップを改善された取り外し可能タブおよびそれを有するバッテリアセンブリに関し、より詳細には、テクスチャ化層を有する取り外し可能タブおよびそれを有するバッテリアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
過去15年にわたって、難聴を患う人の数はほぼ2倍になった。難聴を患っている人の多くは高齢者であり、特に65歳以降、男性と女性の両方で年齢とともに手の機能が低下する。この手の機能の損失によって、消費者による取り扱いが容易になるようにバッテリに接着される比較的長いタブである、EasyTab(登録商標)(Duracell U.S. Operations, Inc.)などのタブを使用しても、補聴器のバッテリを交換することがより困難になる可能性がある。EasyTab(登録商標)などの従来の補聴器タブは、通常、バッテリの上面全体がタブで覆われて接着されるようにバッテリに取り付けられる。比較的長いタブは、消費者による補聴器へのバッテリの挿入を容易にするという事実にもかかわらず、補聴器へのバッテリの挿入は、バッテリおよび関連するタブの頻繁な不用意な落下を含む取り扱いの課題を提示し続け、したがって、特に高齢の消費者にとって、多大な消費者のフラストレーションの原因となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示は、バッテリの交換中にユーザによる表面の把持を有利に増進する補聴器バッテリタブを提供する。本開示による補聴器バッテリタブはまた、タブを握るときに、改善された触覚フィードバックをユーザに提供することもできる。これは、高齢者、または、神経障害もしくは他の触覚低下を経験している可能性のある人に特に有用であり得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一実施形態によれば、バッテリアセンブリは、第1の表面を有するバッテリと、バッテリの第1の表面に取り付けられた取り外し可能タブとを含む。取り外し可能タブは、第1の表面および反対側に配置された第2の表面を有するメインタブ層を含み、メインタブ層は、電池取り付け領域および電池取り付け領域に隣接する把持領域を含む。取り外し可能タブは、メインタブ層の第1の表面の上に配置された第1の層と、把持領域にあるメインタブ層の第2の表面の一部分の上に配置された第2の層とをさらに含む。第1の層および第2の層の一方または両方は、約0.6マイクロメートル~約6マイクロメートルの平均表面粗さを有するテクスチャ化層である。テクスチャ化層は、取り外し可能タブに外面を提供する。
【0005】
本開示の別の実施形態によれば、電池のための取り外し可能タブは、第1の表面および反対側に配置された第2の表面を有するメインタブ層を含む。メインタブ層は、電池取り付け領域と、電池取り付け領域に隣接する把持領域とを含む。取り外し可能タブは、メインタブ層の第1の表面の上に配置された第1の層と、
【0006】
把持領域にあるメインタブ層の第2の表面の一部分の上に配置されている第2の層とをさらに含む。第1の層および第2の層の一方または両方は、約0.6マイクロメートル~約6マイクロメートルの平均表面粗さを有するテクスチャ化層である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】従来のバッテリアセンブリの概略図である。
図2】本開示の一実施形態によるバッテリアセンブリの概略図である。
図3】本開示の別の実施形態によるバッテリアセンブリの概略図である。
図4図3に示されているような層構造を有する本開示の一実施形態によるバッテリアセンブリの上面図である。
図5】本開示の一実施形態によるバッテリアセンブリの底面図である。
図6】本開示の一実施形態によるバッテリアセンブリの斜視図である。
図7】本開示の一実施形態によるバッテリアセンブリの底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の一実施形態によるバッテリアセンブリ10は、第1の表面14を有するバッテリ12と、バッテリ12の第1の表面14に取り付けられた取り外し可能タブ16とを含む。本明細書に開示される実施形態のいずれかの取り外し可能バッテリタブ16は、任意の適切なバッテリタイプおよび/またはサイズで利用することができる。例えば、バッテリは補聴器バッテリとすることができる。一態様において、補聴器バッテリは金属/空気バッテリであり、例えば、補聴器バッテリは亜鉛空気ボタン電池とすることができる。さらに、当該技術分野で知られているように、ボタン電池には様々なサイズがある。取り外し可能タブ16の寸法は、取り付けられるバッテリのサイズに応じて調整することができる。そのような調整は、タブのバッテリ取り付け領域の幅および/または長さの変更を含むことができる。付加的にまたは代替的に、バッテリサイズに応じて、必要に応じてタブ全体の長さを調整することができる。本開示の実施形態によれば、バッテリおよび取り外し可能タブを含むバッテリアセンブリが提供される。他の実施形態によれば、バッテリへのその後の取り付けのために、取り外し可能タブが提供される。
【0009】
図2および図3を参照すると、取り外し可能タブ16は、バッテリ12の第1の表面14に接着して取り付けられる電池取り付け領域18と、取り外し可能タブ16に外面を提供するテクスチャ化層22とを含み、結果、消費者が取り外し可能タブ16を保持するときにテクスチャ化層外面と相互作用することができる。テクスチャ化層22は、少なくとも取り外し可能タブ16の把持領域20内に配置される。把持領域20は、電池取り付け領域18と同一の広がりを有しない、取り外し可能タブ16の一部分である。より具体的には、把持領域20は、バッテリ12の第1の表面14と同一の広がりを有する取り外し可能タブのいかなる部分とも重なり合わない。テクスチャ化層22は、従来の取り外し可能タブの滑りやすい表面を有利に排除し、バッテリ交換中にタブ16をより確実に把持することを可能にする改善された把持領域20を提供し、それにより、補聴器などのデバイスへのバッテリの挿入中の消費者のフラストレーションを最小限に抑える。
【0010】
再び図2および図3を参照すると、本開示の一実施形態によれば、取り外し可能タブ16は、第1の表面28および反対側に配置された第2の表面30を有するメインタブ層26を含むことができる。第1の層32が、メインタブ層26の第1の表面28の上に配置され、第2の層34が、把持領域20内の、メインタブ層26の第2の表面30の一部分の上に配置される。第1の層32および第2の層34の一方または両方は、少なくとも把持領域20において取り外し可能タブ16に外面を提供するテクスチャ化層22である。
【0011】
例えば、図3および図4を参照すると、一実施形態では、第1の層32は、テクスチャ化層22であるか、またはそれを含む。そのような実施形態では、第2の層34は実質的に平滑化することができる。別の実施形態では、図2および図5を参照すると、第2の層34は、テクスチャ化層22であるか、またはそれを含む。そのような実施形態では、第1の層32は実質的に平滑化することができる。さらに別の実施形態では、第1の層32および第2の層34の両方がテクスチャ化層22を含むか、またはそれ自体がテクスチャ化層22である。そのような実施形態では、第1の層32および第2の層34は同じまたは異なるテクスチャを有することができる。例えば、第1の層32および第2の層34がテクスチャ化層22であるか、またはテクスチャ化層22を含む場合、層32、34は両方とも、実質的に同じ平均表面粗さを有することができる。代替的に、第1の層32および第2の層34がテクスチャ化層22であるか、またはテクスチャ化層22を含む場合、層32、34は両方とも、異なる平均表面粗さを有することができる。
【0012】
第1の層32または第2の層34が平滑層である実施形態では、第1の層32または第2の層34は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ酢酸ビニル、ベルベット層、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される材料であり得る。他の熱可塑性材料も平滑層として使用することができる。さらに、滑らかなワニスを任意の適切な材料に施与するか、メインタブ層26に直接施与して、第1の層32および/または第2の層34に平滑面を提供することができる。
【0013】
テクスチャ化層22は、約0.6マイクロメートル~約6マイクロメートル、約0.6マイクロメートル~1マイクロメートル、約0.8マイクロメートル~約1.8マイクロメートル、約1マイクロメートル~約2マイクロメートル、約0.7マイクロメートル~約1.2マイクロメートル、約0.8マイクロメートル~約1マイクロメートル、約0.6マイクロメートル~約1.5マイクロメートル、約1.5マイクロメートル~約2マイクロメートル、約1マイクロメートル~約6マイクロメートル、約2マイクロメートル~約5マイクロメートル、約3マイクロメートル~約6マイクロメートル、および約1マイクロメートル~約3マイクロメートルの平均表面粗さを有することができる。他の適切な粗さは、約0.6,0.7,0.8,0.9,1,1.1,1.2,1.3,1.4,1.5,1.6,1.7,1.8,1.9,2,2.1,2.2,2.3,2.4,2.5,2.6,2.7,2.8,2.9,3,3.1,3.2,3.3,3.4,3.5,3.6,3.7,3.8,3.9,4,4.1,4.2,4.3,4.4,4.5,4.6,4.7,4.8,4.9.5,5.1,5.2,5.3,5.4,5.5,5.6,5.7,5.8,5.9,および6マイクロメートルを含む。
【0014】
テクスチャ化層22は、例えば、平均表面粗さが適用される層または固有の表面粗さを有する層とすることができる。例えば、テクスチャ化層22は、固有の表面粗さを有する、織物、ゴム材料、プラスチック、発泡体、ガラス繊維/ガラス、紙、ワックス、ホイル、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される材料とすることができるか、または、その材料を含むことができる。代替的または付加的に、表面粗さは、コーティングの付加、材料の研磨、または材料のエンボス加工によって付与することができる。例えば、表面に懸濁粒子を含むインクを施与することにより、テクスチャを提供することができる。表面粗さを達成するためにインクに使用するのに適した粒子は、金属粒子、プラスチック粒子、石英粒子、およびセラミック粒子を含むが、これらに限定されない。例えば、一実施形態では、粒子は高純度石英とすることができる。一般に、インクに溶解しない粒子であれば、いかなる粒子も使用することができる。粒子は、付与される所望の表面粗さに応じて、任意の適切な直径を有することができる。例えば、粒子は、約5μm~50μm、約10μm~約20μm、約15μm~約30μm、約10μm~約30μm、および約25μm~約45μmの平均直径を有することができる。他の適切な平均粒子直径は、約5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,および50μmであり得る。
【0015】
様々な実施形態において、メインタブ層26は、タブ16をバッテリ12の第1の表面14に取り付けるために、少なくとも取り外し可能タブ16の電池取り付け領域18上で、メインタブ層26をバッテリに取り付けるために、第2の表面30上に接着層36を含むことができる。接着層36として使用するのに適した接着剤は、感圧接着剤、例えばアクリル系感圧接着剤を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、接着層36は、例えば、取り外し可能タブ16の全長にわたって配置することができる。接着層36は、把持領域20において望ましくない粘着面が提示されないように、把持領域20において第2の層34によって覆うことができる。そのような実施形態では、第2の層34は、熱可塑性材料、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、シリコン処理紙、ポリコート紙、ポリプロピレン、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリオレフィン、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される材料とすることができる。第2の層34がテクスチャ化層22である実施形態では、テクスチャをそのような材料に適用することができ、または別個のキルテープを接着剤36に取り付けることができ、次いで、テクスチャ化層22としての第2の層34がこれに取り付けられる。
【0016】
メインタブ層26は、バッテリタブに従来使用されている任意の適切な材料とすることができるか、またはそれを含むことができる。例えば、メインタブ層26は熱可塑性材料を含むことができる。一実施形態では、メインタブ層26は、二軸延伸ポリプロピレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリエチレン、および共押出体、積層体、およびそれらの他の組み合わせを含む。本明細書に開示されるすべての実施形態において、メインタブ層26および特に電池取り付け領域18は、米国特許第6,329,095号に記載されているように構造化および構成することができ、当該特許文献の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書の開示の実施形態のいずれにおいても、タブは、接着層、結合層、印刷層、強度または剛性強化層、発泡体層、およびそれらの組み合わせなどの追加の層をさらに含むことができる。
【0017】
様々な実施形態では、取り外し可能タブ16は均一な厚さを有することができる。他の実施形態では、取り外し可能タブ16は、タブの長さにわたって可変の厚さを有することができる。例えば、タブ16は、例えば把持領域20などの電池取り付け領域18の遠位にあるタブの部分と比較して、電池取り付け領域18内または電池取り付け領域18に近接するところで薄くすることができる。厚さの変化は、例えば、材料の追加によって提供することができる。例えば、電池取り付け領域18が、メインタブ層26および接着層36のみを含むことができ、一方、把持領域20が、少なくとも第1の層32、メインタブ層26、接着層36、および第2の層34を含むことができる。他の実施形態では、電池取り付け領域18は、メインタブ層26、接着層36、および第2の層34ではなく第1の層32を含むことができ、把持領域20は、第2の層34をさらに含むことにより、より厚くなる。
【0018】
さらに別の実施形態では、層自体に厚さの変化を与えることができる。例えば、メインタブ層26は、その長さにわたって変化する厚さを有することができる。したがって、様々な実施形態において、把持領域20は、その長さにわたって厚さの変化を提供され得る。タブの厚さが変化する実施形態のいずれにおいても、変化は、長さにわたる厚さの勾配として、または、タブ16の長さにわたる厚さの明確な段階的変化として提供され得る。
【0019】
様々な実施形態において、タブ16は、約0.1mm~約1mm、約0.5m~約0.9mm、約0.2mm~約0.8mm、約0.4mm~約1mm、約0.3mm~約0.7mm、または約0.1mm~約0.5mmの全体的な厚さを有することができる。他の適切な厚さは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9および1mmを含む。
【0020】
メインタブ層26は、任意の適切な厚さを有することができる。例えば、メインタブ層26は、約1ミル~約10ミル、約2ミル~約8ミル、約3ミル~約7ミル、約5ミル~約10ミル、約4ミル~約6ミル、または約1ミル~約5ミルの厚さを有することができる。他の適切な厚さは、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10ミルを含む。
【0021】
第1の層32は、任意の適切な厚さを有することができる。例えば、第1の層32は、約0.2ミル~約10ミル、約0.5ミル~約8ミル、約1ミル~約10ミル、約2ミル~約8ミル、約3ミル~約7ミル、約5ミル~約10ミル、約4ミル~約6ミル、または約1ミル~約5ミルの厚さを有することができる。他の適切な厚さは、例えば、約0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10ミルを含む。
【0022】
第2の層34は、任意の適切な厚さを有することができる。例えば、第2の層34は、約1ミル~約10ミル、約2ミル~約8ミル、約3ミル~約7ミル、約5ミル~約10ミル、約4ミル~約6ミル、または約1ミル~約5ミルの厚さを有することができる。他の適切な厚さは、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10ミルを含む。一実施形態では、第2の層は2ミルより大きい厚さを有する。
【0023】
タブ16の全長は、タブ16が取り付けられるバッテリ12に応じて変わり得る。一般に、タブ16は、約8mm~約40mm、約8mm~約15mm、約22mm~30mm、約25mm~35mm、約20mm~25mm、および約30mm~約35mmの長さを有することができる。他の適切な長さは、例えば、約8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、および40mmを含む。
【0024】
電池取り付け領域は、タブが取り付けられるバッテリサイズに応じて、任意の適切な長さを有することができる。一般に、電池取り付け領域は、取り付けられるバッテリの直径と同じ長さを有することができる。一般的な補聴器バッテリの直径は、約5.8mm、7.9mm、および11.6mmを含む。電池取り付け領域18は、様々な実施形態において実質的に同じまたは同じ長さを有することができる。一般に、電池取り付け領域18は、約4mm~約15mm、約5mm~約10mm、約5.5mm~約12mm、約4mm~約8mm、および約10mm~約15mmの長さを有することができる。他の適切な長さは、約4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、および15mmを含む。いくつかの実施形態では、電池取り付け領域18は、把持領域20を介して取り外し可能タブ16をねじるおよび/または引くことにより、電池取り付け領域18への剥離力の印加をさらに容易にするように、バッテリ取り付け領域18の長さが、取り付けられるまたは取り付けられるように適合されている電池の直径よりも長くなるように、電池の上面に対して平行な方向に延伸することができる。
【0025】
把持領域20はまた、取り外し可能タブ16が取り付けられるか、または取り付けられるように適合されたバッテリのサイズに応じて変化することもできる。例えば、把持領域20は、約2mm~約35mm、約2mm~約9mm、約4mm~約20mm、約10mm~約35mm、約15mm~約30mm、約10mm~約20mm、約15mm~約20mm、約10mm~約15mm、約12mm~約18mm、および約13mm~約17mmの長さを有することができる。他の適切な長さは、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、および35 mmを含む。
【0026】
例えば、取り外し可能タブ16が675サイズ電池に施与される場合、把持領域20は、バッテリ12の周縁部から測定して約12.7mm~約19.1mm、または約15.9mmの長さを有することができる。別の例示的な実施形態では、タブ16は、サイズ10(直径5mmおよび高さ3.5mmを有する)またはサイズ13(直径7mmおよび高さ5mmを有する)電池などのより小さいサイズのボタン電池に施与することができる。取り外し可能タブ16は、例えば、675サイズ電池の場合と同じ把持領域長を有することができる。様々な取り外し可能タブの長さを提供することもできる。
【0027】
取り外し可能タブ16には、追加の層をいくつでも含めることができる。例えば、印刷層38、結合層、発泡体層、構造強化層、接着層、カバー層、および他のそのような既知の層を、把持領域および電池取り付け領域の一方または両方において取り外し可能タブ16に含めることができる。
【0028】
有利なことに、本開示の実施形態による新たに施与される取り外し可能タブ16は、テクスチャ化層を有しない新たに施与される標準タブ(対照タブ)と比較して、剥離力が少なくとも10%低減されることを示し得るが、取り付け領域内でタブを表面に取り付けるために同じ接着剤が使用されることが見出された。剥離力は、電池の表面からタブを取り外すために一定の速度/速さで90°の引っ張りの間に加えられるピーク力として測定される。
【0029】
図4を参照すると、様々な実施形態において、タブ16の電池取り付け領域18は、対向して配置された第1の側壁40および第2の側壁42を含むことができる。少なくとも1つの側壁は、バッテリ12の周縁部15から内側に配置され、結果、バッテリの上面14の一部分44がタブ16の側壁40、42とバッテリ12の周縁部15との間に露出する。さらに別の実施形態では、電池取り付け領域18の周縁部の任意の部分を周縁部の残りの部分から内側に配置して、バッテリの上面14の一部分44を露出させることができる。この露出面44は、バッテリ12からタブ16を取り外すために剥離力を加えながらバッテリ12を所望の位置に維持するためにユーザが押し下げることができる領域を有利に提供し、それにより、バッテリを補聴器などのデバイスに挿入する間の消費者のフラストレーションがさらに最小限に抑えられる。
【0030】
少なくとも1つの側壁40、42は、露出領域44を提供するために、バッテリ12の中心に向かって内側に湾曲することができる。いくつかの実施形態では、補聴器などのデバイスにバッテリを挿入した後、指を使用してバッテリを所定の位置に保持するとき、側壁40、42の曲率は親指などの指の曲率を実質的に反映することができる。様々な実施形態では、図に示されるように、第1の側壁40および第2の側壁42の両方が内側に湾曲して、バッテリ12の2つの露出面44を提供する。例えば、第1の側壁40および/または第2の側壁42の曲率半径は、約0.1mm~約10mm、約1mm~約5mm、約6mm~約10mm、約0.1mm~約1mm、約1mm~約8mm、および約0.3mm~約1.5mmとすることができる。他の適切な曲率半径は、約0.1,0.2,0.3,0.4,0.5,0.6,0.7,0.8,0.9,1,1.5,2,2.5,3,3.5,4,4.5,5,5.5,6,6.5,7,7.5,8,8.5,9,9.5,および10mmを含む。第1の側壁40および第2の側壁42の両方が内側に配置されて上面の一部分44を露出する場合、第1の側壁40および第2の側壁42は同じまたは異なる曲率半径を有することができる。
【0031】
バッテリ12の上面の約5%~約75%を露出させることができ、上面の残りの部分は取り外し可能タブ16で覆われている。上面44の他の適切な露出量は、約10%~約70%、約15%~約60%、約5%~約10%、約10%~約20%、約5%~約50%を含む。例えば、バッテリ上面44の約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、または75%が露出され得る。上面44の露出量は、例えば、バッテリのタイプおよびサイズに部分的に依存し得る。例えば、取り外し可能タブ16によって覆われなければならない上面に穴(図示せず)を含む金属/空気バッテリの上面44の露出量は、上面上の穴のサイズおよび構成によって決定され得る。
実施例
実施例1:粗さ測定
【0032】
本開示の実施形態によるテクスチャ化タブの表面粗さを、テクスチャ化されていない対照タブと比較した。表面粗さは、ミツトヨサーフテストsj-210粗さ測定器を使用して測定した。測定は、3mmの距離にわたって単一ライン内で行われた。タブサイズに依存する、テクスチャ化タブの最大表面積の領域を、測定領域として選択した。タブは製造ロールから取得し、製造ロールの開始、中間、および終了時に測定を行って、製造ロールに沿った表面粗さの一貫性を評価した。
【0033】
本開示の実施形態によるタブおよび対照タブには、ポリプロピレンおよびFASSON R-143感圧接着剤で積層された二軸延伸ポリプロピレンのメインタブ層が含まれた。本開示の実施形態によるタブには、懸濁粒子を含むインクを用いてタブを印刷することによって提供されるテクスチャ化層が含まれた。インクは、約2.33グラム/ミリリットルの密度の高純度石英粒子を含み、粒子の平均直径は約20μmであった。使用されたインクは水性インクであった。
【表1】
実施例2:剥離力の測定
【0034】
本開示の実施形態によるテクスチャ化タブの剥離力を、テクスチャ化されていない対照タブと比較して試験した。タブをバッテリに取り付ける接着層の接着材料は、テストされた各サンプルで同じとした。以下の表に示されるように、本開示によるタブは、対照タブと比較して剥離力の著しい減少を実証した。
【0035】
本開示の実施形態によるタブおよび対照タブには、ポリプロピレンおよびFASSON R-143感圧接着剤で積層された二軸延伸ポリプロピレンのメインタブ層が含まれた。本開示の実施形態によるタブには、懸濁粒子を含むインクを用いてタブを印刷することによって提供されるテクスチャ化層が含まれた。インクは、約2.33粒子/体積の密度の高純度石英粒子を含み、粒子の平均直径は約20μmであった。使用されたインクは水性インクであった。本開示によるタブの表面粗さは、最小約0.9μm、最大約5μmであった。
【0036】
剥離力は、タブがバッテリの表面から外れるまでの、一定の速度/速さにおける90°の引っ張りのピーク負荷として試験した。試験は、ASTM-D6862に従って行われ、プレートではなくバッテリからタブを剥離するように試験装置を変更した。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【0037】
本開示によるテクスチャ化層を有するタブは、剥離力の少なくとも10%の減少を実証した。サイズ312バッテリの場合、本開示のタブに起因する平均剥離力の平均低下は50%であり、一方で、サイズ675およびサイズ10バッテリの剥離力の平均低下は約30%であった。
【0038】
本明細書において開示されている寸法および値は、記載されている正確な数値に厳密に限定されるように理解されるべきではない。そうではなく、別途指定されない限り、そのような寸法は、記載されている値と、その値を取り巻く機能的に均等な範囲の両方を意味するように意図されている。例えば、「40mm」として開示されている寸法は、「約40mm」を意味するように意図されている。
【0039】
任意の相互参照付きのまたは関連特許または出願、および、本出願がその優先権または利益を主張する任意の特許出願または特許は、明確に除外されるか、または、別途限定されない限り、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。任意の文献の引用は、それが、本明細書において開示もしくは特許請求されている任意の実施形態に対する先行技術であること、または、それが単独で、もしくは、任意の他の1つもしくは複数の引用文献と組み合わせて、任意のそのような実施形態を教示、示唆もしくは開示していることを認めるものではない。さらに、本明細書における用語の任意の意味または定義が、参照により組み込まれる文献内の同じ用語の任意の意味または定義と矛盾する限りにおいては、本明細書においてその用語に与えられている意味または定義が優先するものとする。
【0040】
本開示の特定の実施形態が図示および説明されているが、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な他の変更および修正を行うことができることが、当業者には明らかであろう。それゆえ、添付の特許請求の範囲において、本開示の範囲内に入るすべてのそのような変更および修正をカバーすることが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7