(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】隔離を実現するのに使用するための装置および方法
(51)【国際特許分類】
E04H 15/14 20060101AFI20220729BHJP
E04H 15/32 20060101ALI20220729BHJP
E04H 15/34 20060101ALI20220729BHJP
A61G 10/00 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
E04H15/14
E04H15/32 A
E04H15/34 E
A61G10/00 C
A61G10/00 K
(21)【出願番号】P 2019572262
(86)(22)【出願日】2018-03-15
(86)【国際出願番号】 AU2018050239
(87)【国際公開番号】W WO2018165715
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-12
(32)【優先日】2017-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】519334085
【氏名又は名称】ケア、ストラテジック、ディー.アイ.アール.ホールディングス、プロプライエタリー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CARE STRATEGIC D.I.R. HOLDINGS PTY. LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】アンナ、ルイーズ、バランタイン
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン、ダグラス、バランタイン
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ、エドワード、ロバート、バークウッド
【審査官】齋藤 卓司
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-000461(JP,A)
【文献】登録実用新案第3048933(JP,U)
【文献】国際公開第2014/019022(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 15/14
E04H 15/32
E04H 15/34
A61G 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隔離を実現するのに使用するための装置であって、本体を有する隔離テントを含み、前記本体は、
a)屋根部材と、
b)使用時に支持表面と前記屋根部材との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁と、
c)前記本体に結合された複数のコネクタであって、フレームに係合するように適合された複数のコネクタと、
d)電気部品であって、前記複数のコネクタのうちの少なくとも1つに電気的に接続されて、前記コネクタを介して電気信号が前記電気部品へ転送されるまたは前記電気部品から転送されることを可能にする、電気部品と
を含む、装置。
【請求項2】
前記コネクタは、
a)前記本体を前記フレームに物理的に取り付けることと、
b)前記フレームのフレーム・コネクタに物理的に結合することと
の少なくとも一方を行うように適合される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コネクタとフレーム・コネクタが、
a)相補的プラグおよびソケット接続と、
b)フックおよびアイと、
c)摩擦嵌めと、
d)締まり嵌めと、
e)クリップ嵌めと
のうちの少なくとも1つを使用して機械的に結合される、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記コネクタはピンを含み、前記フレーム・コネクタはソケットを含み、前記ピンは、前記フレームに前記フレーム・コネクタを結合するように、前記ソケットに挿入される、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記ソケットは、前記ピンを固定するためのキャッチと、前記ピンを選択的に解放するための解放機構とを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電気部品は、前記本体にわたって少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの導体であり、前記導体は、前記複数のコネクタのうちの少なくとも1つに電気的に接続されて、電気信号が前記少なくとも1つのコネクタおよび前記少なくとも1つの導体を介して伝導されることを可能にする、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つの導体は、以下のa)~c)のうちの少なくとも1つを満たす、請求項6に記載の装置。
a)
i)データ通信信号と、
ii)電力供給信号と
のうちの少なくとも1つを伝導するように適合される。
b)
i)前記本体に埋め込まれまたは取り付けられたワイヤと、
ii)前記本体の表面に設けられた銀メッキされたナイロン導体と、
iii)前記本体にプリント、縫い付け、埋め込み、または接着された導電性材料と、
iv)前記本体の表面に設けられた銀メッキされたナノワイヤ導体と
のうちの少なくとも1つを含む。
c)前記壁
と屋根との間の継ぎ目に少なくとも部分的に沿って延びる。
【請求項8】
以下のa)およびb)のうちの少なくとも1つを満たす、請求項6または7に記載の装置。
a)前記コネクタは、前記フレームに装着されたフレーム・コネクタに電気的に結合するように適合され、前記フレーム・コネクタは、それぞれの電気部品に電気的に接続される。
b)少なくとも1つのフレーム・コネクタが、電源に電気的に接続され、少なくとも1つのフレーム・コネクタが、前記フレームに装着された電気機器に電気的に接続され、したがって、前記電気機器は、前記少なくとも1つの導体を介して前記電源によって電力供給されることができる。
【請求項9】
前記電気部品は、前記内容積部を照明するための照明を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
以下のa)およびb)のうちの少なくとも1つを満たす、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
a)前記電気部品は、前記本体を検証するために使用される。
b)前記電気部品は、前記本体を検証するために使用され、前記装置は、以下のi)~iv)のうちの少なくとも1つを満たす。
i)前記電気部品は、検証データを記憶するメモリを含み、前記検証データは、前記フレームに前記本体が連結されたときに処理デバイスによって読み出され、したがって、前記処理デバイスが前記本体を検証することを可能にする。
ii)前記メモリは、書き込み可能であり、したがって、前記検証データが使用中に更新されることを可能にする。
iii)前記検証データは、
(1)前記本体が現在のフレームと共に使用するのに適切な本体であることと、 (2)前記本体が有効期限を超えていないことと、
(3)前記本体が貯蔵寿命を超えていないことと、
(4)前記本体が定義された使用期間を超えていないことと、
(5)前記本体が以前に使用されていないことと
のうちの少なくとも1つを確認するために前記本体を検証するために使用される。 iv)前記検証データは、
(1)デジタル署名と、
(2)一意の参照番号と、
(3)暗号化されたデータと
のうちの少なくとも1つを含む。
【請求項11】
前記本体は、前記内容積部内または前記内容積部外へ流れる空気を濾過するフィルタ部材を含み、
前記フィルタ部材は、前記フィルタ部材を前記フレームに物理的に取り付けるように適合されたコネクタを含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記フィルタ部材は、フィルタ本体を支持するフィルタ・フレームを含み、前記コネクタは、前記フレームにおけるフィルタ取付け部に係合する前記フィルタ・フレームによって形成され、それにより、前記フィルタ部材を前記フレームに取り付ける、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記フィルタ部材は、前記フィルタ・フレームに装着された第1および第2のフィルタ部材接触部を含み、
前記第1および第2のフィルタ部材接触部は、前記フィルタ取付け部に取り付けられたフレーム接触部に係合し、前記フレーム接触部は、電気機器に電気的に接続され、それにより、前記電気部品を前記電気機器に電気的に接続する、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記電気部品は、
a)空気濾過システムと、
b)ドア・アクチュエータと
のうちの少なくとも1つに対する電力を伝導するように構成される、請求項11から13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記本体は、以下のa)およびb)のうちの少なくとも1つを満たす、請求項11から14のいずれか一項に記載の装置。
a)前記フィルタ部材の周りに少なくとも部分的に延びる接着材を含み、それにより、前記本体を空気濾過システムに取り付ける。
b)空気濾過システムに密封係合するように適合される。
【請求項16】
隔離を実現するのに使用するための装置であって、本体を含み、前記本体は、
a)屋根部材と、
b)使用時に支持表面と前記屋根部材との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁と、
c)機械可読
な検証データであって、前記検証データは
、フレームに前記本体が連結されたときに処理デバイスによって読み出され、したがって、前記処理デバイスが前記本体を検証することを可能にする、機械可読
な検証データと
を有する、装置。
【請求項17】
前
記検証データは、
a
)隔離テント上に提供される視覚的マーキングとして提示されること、ならびに b)前記隔離テントに取り付けられたメモリに記憶され、
i)コネクタを介する有線接続と、
ii)フィルタ・ユニットと前記隔離テントまたはフィルタ部材のいずれかとの間の結合を介する有線接続と、
iii)無線接続と
のうちの少なくとも1つを介して読み取られること
の少なくとも一方がなされる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
本体を含む装置を使用して隔離を実現するのに使用するための方法であって、前記本体は、
a)屋根部材と、
b)使用時に支持表面と前記屋根部材との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁と
を有し、
前記方法は、1つまたは複数の電子処理デバイスにおいて、
i)
機械可読な検証データを、フレームに前記本体が連結されたとき
に読み取ることと、
ii)前記検証データを使用して前記本体を検証することと、
iii)前記本体の成功した検証に応答して1つまたは複数の電子部品を選択的に作動させることと
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隔離を実現するのに使用するための隔離テントに関し、一例では、病棟などの医療施設内で患者や機器のような対象を隔離するための隔離テントに関する。
【背景技術】
【0002】
本明細書における任意の先行刊行物(もしくはそれから得られる情報)または任意の既知の事項への言及は、先行刊行物(もしくはそれから得られる情報)または既知の事項が本明細書に関連する努力の分野における通常の一般的知識の一部を形成することの承認、容認、または任意の形態の示唆として解釈されず、または解釈されるべきではない。
【0003】
病院および他の医療施設における感染対策は、感染症や薬剤耐性感染などの発生率の上昇と共にますます重要になりつつある。そのような感染は、特に免疫不全の患者において深刻な結果を有することがあり、結果として、病院滞在期間の増大、治療費用の増大、および死亡率の増大をもたらす。推定では、医療機関によっては感染レベルが10~20%の領域にあり得ることを示し、これは、医療施設で得られた感染が年間の医療費のかなりの割合を占めることを意味する。
【0004】
感染は、典型的には、接触感染、飛沫感染、および空気感染を含むいくつかの異なるメカニズムを介して感染される。感染率を低下させるための現在の最良の実践は、典型的には、定期的な手洗い、表面消毒、および機器の滅菌などの基本的な衛生処置に依存し、それによって他の患者の感染を防止する。しかしながら、そのような処置の有効性は限定されており、世界保健機関の基準では、感染を有する患者または感染を有すると疑われる患者は他の患者から隔離されるべきであると示している。これは、感染患者を隔てるための十分なリソースおよび利用可能な空間を有しない多くの施設では困難であることを示し得る。
【0005】
このような問題に対しいくつかの解決策が提案されている。
【0006】
EP0,619,108は、外部フレームと、フレームから吊るされフレーム内で吊り下がる可撓性被覆体とを含む、患者を隔離するための囲いを記載している。被覆体は、底部、頂部、2つの側部、前壁部分、および後壁部分を有する。側部または前壁部分の1つに患者の進入を可能にする閉鎖可能な入口手段が備え付けられている。空気から感染性粒子を濾過して除去するように適合されかつポンプ手段と協働するように適合された一体式のフィルタ手段と、囲いの外側から内側への一方向の空気の通過を可能にする弁手段とが備え付けられた壁部分のうちの1つに開口がある。ポンプ手段は上記フィルタ手段を通して空気を吸引して、囲いの内部に負圧を形成し、それにより、空気が弁-囲い-フィルタ手段の方向に流れて、汚染物質が囲い内から外側に逃げ出さないようにする。
【0007】
米国特許出願公開第2004/074,212号は、折畳み可能な枠体と、組み立てられた枠体に取り付けられ得る可燃性樹脂シート製の可撓性被覆体と、被覆体から空気を排出または排気するための排気装置とを含む、患者隔離ユニットを記載している。排気装置は、UVランプ、HEPA(High-Efficiency Particulate Air)フィルタ、および送風機を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、これらの装置構成にはいくつかの欠点がある。たとえば、密封された被覆体を維持する必要性は、装置を複雑にし、したがって高価にする。これらの装置構成はまた、立設することが困難なばかりでなく、装置構成が立設された後に患者が被覆体内に移動させられることを必要とするため、不便な可能性があり、状況によっては装置構成が使用されるのを妨げることがある。最後に、これらの装置構成は、典型的には、ドアが手によって手動で開かれることを必要とし、これは、ドアが開かれているときに感染性物質が移される可能性があり、その後の前方感染につながり、それにより装置構成の有効性を限定する。
【0009】
WO2014/019022は、対象を隔離するのに使用するための装置を記載しており、この装置は、折畳みされた構成と立設された構成との間で可動なフレームと、フレームによって支持された本体であって、立設された構成において、対象を含むための内容積部を画定し、それにより周辺環境から対象を実質的に隔離する本体と、フレームによって支持されたドア・アクチュエータであって、ドアを開位置と閉位置との間で動かし、それにより内容積部に対するアクセスを提供するドア・アクチュエータとを含む。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの広範な形態では、本発明の態様は、隔離を実現するのに使用するための装置を提供しようとするものであり、装置は、本体を有する隔離テントを含み、本体は、屋根部材と、使用時に支持表面と屋根部材との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁と、本体に結合された複数のコネクタであって、フレームに係合するように適合された複数のコネクタと、電気部品であって、複数のコネクタのうちの少なくとも1つに電気的に接続されて、コネクタを介して電気信号が電気部品へ転送されるまたは電気部品から転送されることを可能にする、電気部品とを含む。
【0011】
一実施形態では、コネクタは、本体をフレームに物理的に取り付けることと、フレームのフレーム・コネクタに物理的に結合することとの少なくとも一方を行うように適合される。
【0012】
一実施形態では、コネクタはピンを含み、フレーム・コネクタはソケットを含み、ピンは、フレームにフレーム・コネクタを結合するように、ソケットに挿入される。
【0013】
一実施形態では、ソケットは、ピンを固定するためのキャッチと、ピンを選択的に解放するための解放機構とを含む。
【0014】
一実施形態では、コネクタとフレーム・コネクタが、相補的プラグおよびソケット接続と、摩擦嵌めと、フックおよびアイと、締まり嵌めと、クリップ嵌めとのうちの少なくとも1つを使用して機械的に結合される。
【0015】
一実施形態では、フレーム・コネクタは、フレームにおける溝を含み、コネクタは、溝内に摺動可能に装着されるスロット付きペグを含む。
【0016】
一実施形態では、フレームは、複数の溝を含み、各溝は、それぞれのスロット付きペグを受け入れる形状にされた開口を含み、それにより、ペグがそれぞれの溝内に摺動可能に装着されることを可能にする。
【0017】
一実施形態では、溝は、溝内にペグを選択的にロックするために使用される解放可能ロックを含む。
【0018】
一実施形態では、電気部品は、本体にわたって少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの導体であり、導体は、複数のコネクタのうちの少なくとも1つに電気的に接続されて、電気信号が少なくとも1つのコネクタおよび少なくとも1つの導体を介して伝導されることを可能にする。
【0019】
一実施形態では、少なくとも1つの導体は、データ通信信号と、電力供給信号とのうちの少なくとも1つを伝導するように適合される。
【0020】
一実施形態では、コネクタは、フレームに装着されたフレーム・コネクタに電気的に結合するように適合され、フレーム・コネクタは、それぞれの電気部品に電気的に接続される。
【0021】
一実施形態では、少なくとも1つのフレーム・コネクタが、電源に電気的に接続され、少なくとも1つのフレーム・コネクタが、フレームに装着された電気機器に電気的に接続され、したがって、電気機器は、少なくとも1つの導体を介して電源によって電力供給されることができる。
【0022】
一実施形態では、少なくとも1つの導体は、本体に埋め込まれまたは取り付けられたワイヤと、本体の表面に設けられた銀メッキされたナイロン導体と、本体にプリント、縫い付け、埋め込み、または接着された導電性材料と、本体の表面に設けられた銀メッキされたナノワイヤ導体とのうちの少なくとも1つを含む。
【0023】
一実施形態では、少なくとも1つの導体は、壁と屋根との間の継ぎ目に少なくとも部分的に沿って延びる。
【0024】
一実施形態では、電気部品は、内容積部を照明するための照明を含む。
【0025】
一実施形態では、電気部品は、本体を検証するために使用される。
【0026】
一実施形態では、電気部品は、検証データを記憶するメモリを含み、検証データは、フレームに本体が連結されたときに処理デバイスによって読み出され、したがって、処理デバイスが本体を検証することを可能にする。
【0027】
一実施形態では、メモリは、書き込み可能であり、したがって、検証データが使用中に更新されることを可能にする。
【0028】
一実施形態では、検証データは、本体が現在のフレームと共に使用するのに適切な本体であることと、本体が有効期限を超えていないことと、本体が貯蔵寿命を超えていないことと、本体が定義された使用期間を超えていないことと、本体が以前に使用されていないこととのうちの少なくとも1つを確認するために本体を検証するために使用される。
【0029】
一実施形態では、検証データは、デジタル署名と、一意の参照番号と、暗号化されたデータとのうちの少なくとも1つを含む。
【0030】
一実施形態では、本体は、内容積部内または内容積部外へ流れる空気を濾過するフィルタ部材を含む。
【0031】
一実施形態では、フィルタ部材は、側壁および屋根のうちの少なくとも1つに装着される。
【0032】
一実施形態では、フィルタ部材は、使用時に空気濾過システムの一部を形成する。
【0033】
一実施形態では、フィルタ部材は、フィルタ部材をフレームに物理的に取り付けるように適合されたコネクタを含む。
【0034】
一実施形態では、フィルタ部材は、フィルタ本体を支持するフィルタ・フレームを含み、コネクタは、フレームにおけるフィルタ取付け部に係合するフィルタ・フレームによって形成され、それにより、フィルタ部材をフレームに取り付ける。
【0035】
一実施形態では、フィルタ部材は、フィルタ・フレームに装着され電気部品に電気的に接続された、第1および第2のフィルタ部材接触部を含む。
【0036】
一実施形態では、第1および第2のフィルタ部材は、フィルタ取付け部に取り付けられたフレーム接触部に係合し、フレーム接触部は、電気機器に電気的に接続され、それにより、電気部品を電気機器に電気的に接続する。
【0037】
一実施形態では、電気部品は、第1のフィルタ部材接触部と第2のフィルタ部材接触部との間に延びる導体を含む。
【0038】
一実施形態では、フィルタ部材接触部は、フィルタ・フレームにおけるそれぞれの凹部に装着される。
【0039】
一実施形態では、電気部品は、空気濾過システムと、ドア・アクチュエータとのうちの少なくとも1つに対する電力を伝導するように構成される。
【0040】
一実施形態では、本体は、フィルタ部材の周りに少なくとも部分的に延びる接着材を含み、それにより、本体を空気濾過システムに取り付ける。
【0041】
一実施形態では、本体は、空気濾過システムに密封係合するように適合される。
【0042】
一実施形態では、フィルタ部材は、チャコール・フィルタと、炭素フィルタと、粒子フィルタと、HEPAフィルタとのうちの少なくとも1つである。
【0043】
一実施形態では、本体は、ドアを画定するカーテンを含む。
【0044】
一実施形態では、カーテンは、開位置で本体に取り付けられ、フレームに装着されたドア機構にカーテンが取り付けられることが可能であるように取外し可能である。
【0045】
一実施形態では、本体は、長方形の屋根部材に装着された4つの壁部材を含む。
【0046】
一実施形態では、屋根部材は、柔軟な通気性シート材料を備え、壁部材は、柔軟な耐水性シート材料を備える。
【0047】
一実施形態では、本体は、使用時にフレームの内側に取除き可能に装着される。
【0048】
一実施形態では、壁は、壁の下縁に設けられた少なくとも部分的に接着性の材料を使用して装置を支持する表面に係合する。
【0049】
一実施形態では、本体は使い捨てである。
【0050】
一実施形態では、本体は、開口を有するパッケージ内に供給され、本体は、本体を展開すること、およびパッケージから本体を取り除くことのうちの少なくとも1つを行うことなく複数のコネクタがアクセス可能であるように、パッケージ内に折り畳まれる。
【0051】
一実施形態では、使用時に、本体は、コネクタをフレームに取り付けてその後にパッケージが取り除かれることによって、折畳み位置でフレームに取り付けられることができるが、これは必須ではなく、代わりに、フレームに本体を取り付ける前にパッケージが取り除かれてもよい。
【0052】
一実施形態では、パッケージは、本体に取り付けられたままで、ごみ容器として機能するように適合される。
【0053】
1つの広範な形態では、本発明の態様は、隔離を実現するのに使用するための装置を提供しようとするものであり、装置は本体を含み、本体は、屋根部材と、使用時に支持表面と屋根部材との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁と、機械可読検証データであって、検証データは、フレームに本体が連結されたときに処理デバイスによって読み出され、したがって、処理デバイスが本体を検証することを可能にする、機械可読検証データとを有する。
【0054】
一実施形態では、機械可読検証データは、隔離テント上に提供される視覚的マーキングとして提示されること、ならびに、隔離テントに取り付けられたメモリに記憶され、コネクタを介する有線接続と、フィルタ・ユニットと隔離テントまたはフィルタ部材のいずれかとの間の結合を介する有線接続と、無線接続とのうちの少なくとも1つを介して読み取られること、の少なくとも一方がなされる。
【0055】
1つの広範な形態では、本発明の態様は、本体を含む装置を使用して隔離を実現するのに使用するための方法を提供しようとするものであり、本体は、屋根部材と、使用時に支持表面と屋根部材との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁とを有し、方法は、1つまたは複数の電子処理デバイスにおいて、フレームに本体が連結されたときに機械可読検証データを読み取ることと、検証データを使用して本体を検証することと、本体の成功した検証に応答して1つまたは複数の電子部品を選択的に作動させることとを含む。
【0056】
一実施形態では、1つまたは複数の電子処理デバイスは、フレームに本体が連結されたときに機械可読検証データを読み取り、検証データを使用して本体を検証し、本体の成功した検証に応答して1つまたは複数の電子部品を選択的に作動させる。
【0057】
1つの広範な形態では、本発明の態様は、隔離を実現するのに使用するための装置を提供しようとするものであり、装置は本体を含み、本体は、屋根部材と、使用時に支持表面と屋根部材との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁と、内容積部内または内容積部外へ流れる空気を濾過するフィルタ部材とを有する。
【0058】
一実施形態では、フィルタ部材は、フィルタ部材をフレームに物理的に取り付けるように適合されたコネクタを含む。
【0059】
一実施形態では、フィルタ部材は、フィルタ本体を支持するフィルタ・フレームを含み、コネクタは、フレームにおけるフィルタ取付け部に係合するフィルタ・フレームによって形成され、それにより、フィルタ部材をフレームに取り付ける。
【0060】
一実施形態では、装置は、電気部品であって、コネクタに電気的に接続されて、コネクタを介して電気信号が電気部品へ転送されるまたは電気部品から転送されることを可能にする、電機部品を含む。
【0061】
一実施形態では、フィルタ部材は、フィルタ・フレームに装着され電気部品に電気的に接続された、第1および第2のフィルタ部材接触部を含む。
【0062】
一実施形態では、第1および第2のフィルタ部材は、フィルタ取付け部に取り付けられたフレーム接触部に係合し、フレーム接触部は、電気機器に電気的に接続され、それにより、電気部品を電気機器に電気的に接続する。
【0063】
一実施形態では、フィルタ部材接触部は、フィルタ・フレームにおけるそれぞれの凹部に装着される。
【0064】
一実施形態では、電気部品は、第1のフィルタ部材接触部と第2のフィルタ部材接触部との間に延びる導体を含む。
【0065】
一実施形態では、電気部品は、空気濾過システムと、ドア・アクチュエータとのうちの少なくとも1つに対する電力を伝導するように構成される。
【0066】
一実施形態では、フィルタ部材は、使用時に空気濾過システムの一部を形成する。
【0067】
1つの広範な形態では、本発明の態様は、隔離を実現するのに使用するための装置を提供しようとするものであり、装置は本体を含み、本体は、屋根部材と、使用時に支持表面と屋根部材との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁と、ドアを画定するカーテンであって、開位置で本体に取り付けられ、フレームに装着されたドア機構にカーテンが取り付けられることが可能であるように取外し可能であるカーテンとを有する。
【0068】
1つの広範な形態では、本発明の態様は、隔離を実現するのに使用するための装置を提供しようとするものであり、装置は本体を含み、本体は、屋根部材と、使用時に支持表面と屋根部材との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁と、本体に結合された複数のコネクタであって、フレームに係合するように適合された複数のコネクタと、本体にわたって少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの導体であって、導体は、複数のコネクタのうちの少なくとも2つに電気的に接続されて、電気信号が2つのコネクタおよび少なくとも1つの導体を介して伝導されることを可能にする、少なくとも1つの導体とを有する。
【0069】
一実施形態では、装置は、折畳みされた構成と立設された構成との間で可動なフレームを含み、フレームは、いくつかの直立脚と、脚を相互連結するいくつかの横方向連結部材であって、連結部材は、収縮位置と伸展位置との間で可動なシザー・アームを含み、フレームの隣接する側面のシザー・アームは、フレームが第1の方向に延ばされ次いで第1の方向と直交する第2の方向に延ばされることが可能であるように、独立している、いくつかの横方向連結部材とを含む。
【0070】
一実施形態では、装置は、処理デバイスを含み、処理デバイスは、フレームに本体が連結されたときに、本体上に提供された機械可読検証データを読み取り、したがって、処理デバイスが本体を検証することを可能にする。
【0071】
一実施形態では、処理デバイスは、フレームに装着されたフィルタ・ユニット内に設けられる。
【0072】
一実施形態では、処理デバイスは、隔離テント上に提供される視覚的マーキングを光学的に感知すること、ならびに、隔離テントに取り付けられたメモリから、コネクタを介する有線接続と、フィルタ・ユニットと隔離テントまたはフィルタ部材のいずれかとの間の結合を介する有線接続と、無線接続とのうちの少なくとも1つを介して検証データを読み出すこと、の少なくとも一方によって機械可読検証データを読み取る。
【0073】
一実施形態では、処理デバイスは、1つまたは複数の機能部品を制御し、処理デバイスは、本体の検証に応答して機能部品を選択的に作動させる。
【0074】
一実施形態では、機能部品は、ドアを開くドア・アクチュエータと、空気濾過システムとのうちの少なくとも1つを含む。
【0075】
1つの広範な形態では、本発明の態様は、パッケージ内に本体を梱包する方法を提供しようとするものであり、本体は、屋根部材と、少なくとも1つの壁部材であって、屋根部材に取り付けられ、したがって、少なくとも1つの壁部材は、使用時に支持表面と屋根部材との間に延びることができ、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する、少なくとも1つの壁部材と、本体に結合された複数のコネクタであって、フレームに係合するように適合され、屋根部材の角部付近に設けられた、複数のコネクタとを含み、方法は、第2の対向する側面が近接されるように、直立した中心の線に沿って第1の対向する側面を折り畳むことと、いずれかの順序で、第2の対向する壁部材を蛇腹状に畳むこと、および本体を長さ方向に折り畳むことを行うこととを含む。
【0076】
一実施形態では、方法は、奇数の折り目を使用して、第2の対向する側面を蛇腹状に畳むことを含む。
【0077】
一実施形態では、方法は、対向する前壁および後壁を折り畳んで側壁を一緒にまとめることと、側壁を蛇腹状に畳むこととを含む。
【0078】
一実施形態では、方法は、対向する前側面および後側面を折り畳んで、前角部を一緒にまとめ、後角部を一緒にまとめることと、側壁を蛇腹状に畳むことと、左前角部および左後角部を折り重ねて、左角部を一緒にまとめ、右角部を一緒にまとめることとを含む。
【0079】
1つの広範な形態では、本発明の態様は、本体をフレームに取り付ける方法を提供しようとするものであり、方法は、本体を収容するパッケージから複数のコネクタにアクセスすることであって、コネクタは、本体を展開すること、およびパッケージから本体を取り除くことのうちの少なくとも1つを行うことなくアクセス可能である、アクセスすることと、折畳み位置でコネクタをフレームに取り付けることと、フレームが延ばされたときに本体が展開するようにフレームを延ばすこととを含む。
【0080】
本発明の広範な形態およびそれぞれの特徴は、併せて、交換可能に、および/または独立して使用されてよく、個々の広範な形態への言及は、限定することを意図されていないことは理解されよう。
【0081】
ここで、添付図面を参照して本発明の様々な例および実施形態が以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【
図1A】隔離テントを含む隔離装置の例の概略側面図である。
【
図2】隔離テント検証方法の例のフローチャートである。
【
図3】隔離テント検証システムの例の概略図である。
【
図4A】
図3の隔離テント検証システムを使用する隔離テント検証方法の具体例のフローチャートである。
【
図4B】
図3の隔離テント検証システムを使用する隔離テント検証方法の具体例のフローチャートである。
【
図5A】隔離テントフィルタを組み込んだ空気濾過システムの例の概略側面図である。
【
図5B】
図5Aの空気濾過システムの平面図の概略拡大正面図である。
【
図6A】隔離を実現するのに使用するための装置の例の概略斜視図である。
【
図6B】ドアが閉位置である
図6Aの装置の概略斜視図である。
【
図7A】立設された構成における
図6Aの装置のフレームの例の第1の概略斜視図である。
【
図7B】立設された構成における
図6Aの装置のフレームの例の第2の概略斜視図である。
【
図7C】
図7Bの屋根支持部のうちの1つの概略斜視図である。
【
図7D】折畳みされた構成における
図7Aのフレームの概略斜視図である。
【
図7E】収縮構成における
図7Dの屋根支持部の概略斜視図である。
【
図9A】患者のベッドを隔離するために
図6Aの装置を立設する方法を示す概略図である。
【
図9B】患者のベッドを隔離するために
図6Aの装置を立設する方法を示す概略図である。
【
図9C】患者のベッドを隔離するために
図6Aの装置を立設する方法を示す概略図である。
【
図9D】患者のベッドを隔離するために
図6Aの装置を立設する方法を示す概略図である。
【
図9E】患者のベッドを隔離するために
図6Aの装置を立設する方法を示す概略図である。
【
図10A】隔離テントを梱包する方法における第1のステップの例の概略図である。
【
図10B】隔離テントを梱包する方法における第1のステップの代替例の概略図である。
【
図10C】隔離テントを梱包する方法における第2のステップの例の概略図である。
【
図10D】隔離テントを梱包する方法における第3のステップの例の概略図である。
【
図10E】隔離テントを梱包する方法における第4のステップの例の概略図である。
【
図11A】コネクタのさらなる例の概略側面図である。
【
図11C】
図11Aのコネクタを使用して隔離テントをフレームに取り付ける際の第1の段階の概略平面図である。
【
図11D】
図11Aのコネクタを使用して隔離テントをフレームに取り付ける際の第2の段階の概略平面図である。
【
図11E】
図11Aのコネクタを使用して隔離テントをフレームに取り付ける際の第3の段階の概略平面図である。
【
図11F】
図11Aのコネクタを使用して隔離テントをフレームに取り付ける際の第4の段階の概略平面図である。
【
図11G】
図11Aのコネクタを使用してフレームに対して隔離テントを解放するための解放機構の概略平面図である。
【
図12E】追加の2次的フィルタ部材を有する
図12Aのフィルタ部材の概略側面図である。
【
図12F】フィルタ部材および
図12Eの2次的フィルタ部材のコネクタの概略拡大側面図である。
【
図13A】第1の例示的電気接続を有するフィルタ部材を含む隔離テントの例の概略正面図である。
【
図14A】第2の例示的電気接続を有するフィルタ部材を含む隔離テントの例の概略正面図である。
【
図15A】第3の例示的電気接続を有するフィルタ部材を含む隔離テントの例の概略正面図である。
【
図16A】第4の例示的電気接続を有するフィルタ部材を含む隔離テントの例の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0083】
容積を隔離するために、たとえば、患者および/または物品などの対象を隔離するために使用される隔離装置の例が、
図6Aから6C、
図7Aから7E、
図8Aから8C、および
図9Aから9Eを参照してここで説明される。
【0084】
以下の説明から理解されるように、装置は、隔離テントを含んでおり、参照により本明細書にその内容が組み込まれるWO2014/019022の開示に基づく次の例から隔離テントの動作の文脈が理解された後、隔離テントのさらなる特徴が以下により詳細に説明される。
【0085】
この例では、装置600は、折畳みされた構成と立設された構成との間で使用時に可動であるフレーム610を含む。本体620を有する隔離テントがフレーム610によって支持されることにより、本体620は、フレーム610が立設された構成であるとき、周辺環境から実質的に隔離され得る内容積部630を画定するようにされる。内容積部は、ベッド631上の患者、または滅菌された機器を含む他の機器などの対象を収容し、それにより、この対象を周辺環境から隔離することができる。これは、隔離された患者からの感染の広がりを防止するために使用されることができ、または機器などを滅菌するために装置が使用されている場合に環境内の人々のUV放射などの被爆を防止するために使用されることができる。
【0086】
装置600はまた、フレーム610によって支持された、特にフレーム610に対しまたはフレーム610内に取り付けられたドア・アクチュエータ640を含むことができる。ドア・アクチュエータ640は、
図6Aおよび
図6Bにそれぞれ示されるように、開位置と閉位置との間でドア642を動かすためのものである。閉位置ではドアが内部容積部を閉鎖し、開位置ではドアが内部容積部へのアクセスを提供し、それにより、必要なときに医師などのユーザが対象にアクセスすることを可能にし、その他のときは対象を隔離する。この例では、ドア・アクチュエータは、たとえば電気モータなどを使用してドアの開閉を制御する電子制御システムに接続されたボタンの形態であり、それにより、内部容積部630へのハンズフリー・アクセスを容易にする。同様のボタンが内部容積部内からドア642を開閉するためにフレームの内側に設けられてもよいことは理解されよう。しかしながら、この装置構成は必須ではなく、ケーブル駆動フット・ペダルのような他の装置構成が使用されてもよい。
【0087】
適切な本体620の使用は、感染率をかなり低下させるために十分な程度の隔離が実現されることを可能にできる。たとえば、装置は密封され得るが、これは必須でなく、より典型的には、装置は、固体、接触、流体、および液滴による汚染物質のうちの少なくとも1つによる汚染に対する障壁を単に提供するのを助けるように設計される。この一環として、本体の下縁は、装置が配置される床などの表面と係合するように適合され、それにより、本体と床との間を汚染物質が通過することを防止してもよい。これは、以下により詳細に説明されるように、様々な技法を使用して、たとえば接着材の配置の使用によって達成され得るが、代わりに、重み付けされた配置または同様のものが使用されてもよい
さらに、装置は、隔離された対象が感染性であるかまたは感染性の疑いがある個人への警告として作用し、それにより、手洗いなどの衛生要件に関して個人に思い出させる働きをし、これは、さらに接触感染に対する保護に役立つ。したがって、装置600は、密封シーリングなしであっても、たとえば接触または液滴感染による感染の機会をかなり減らすように動作する。
【0088】
上記の装置構成は、耐水性布やプラスチックシートなどの適切な柔軟なシート材料で本体が形成されることを可能にし、これは、本体が軽量で安価に製造され得ることを意味し、本体が使用後に廃棄されることを可能にする。使い捨て可能な本体の使用は、感染の発生を減らすことをさらに助長することができる。しかしながら、たとえばUV滅菌を行うときに、使い捨てでないテント本体が使用されてよいことは理解されよう。
【0089】
さらに、適切なドアおよびドア・アクチュエータの使用は、ユーザがドアに触れることを必要とせずに出入りを可能にすることができ、これは、感染性物質の拡散を減らすことをさらに支援することができる。たとえば、これは、カーテン・ドアのハンズ・フリー操作を可能にすることができ、ユーザがドアに触れる必要なしにドアを開閉することを可能にする。
【0090】
さらに、システムは、消毒目的のために使用されることができ、たとえば、機器またはベッドなどが内部容積部内に提供され、UV放射または同様のものを使用して消毒されることを可能にする。
【0091】
さらに、折畳みされた構成において、フレームはトロリーとして機能することができ、物品および装置600がその上に格納されて、必要に応じて輸送されることを可能にし、たとえば、必要に応じて医療施設の周辺でこれが移動されることを可能にする。
【0092】
次に、いくつかのさらなる特徴が説明される。
【0093】
装置600は、パネル651、652を含み、パネル651、652は、それらに組み込まれた1つまたは複数の取付け具を含む。第1のパネル651は、651.1、651.2、651.3、651.4、651.5に概略的に示される、医療物品を受け入れるための少なくとも1つの取付け部を含み、第2のパネル652は、掲示板として機能することができ、また、医療物品または機器を受け入れるための取付け具(図示せず)を含むこともできる。
【0094】
装置600が動作構成であるとき、パネル651、652はドアの両側に配置され、それにより、格納された物品および掲示板上の情報に対する容易なアクセスをユーザに提供する。フレーム610が
図6Cに示される折畳みされた構成であるとき、パネルは、フレーム610の外側に提供されることができ、それにより、アイテムがパネル上に装着されて保持されることを可能にする。これは、装置がトロリーとして機能することを可能にして、物品および装置600がその上に格納され、必要に応じて医療施設の周辺で移動されることを可能にする。さらに、この例では、第1パネル651は、フレーム610が上げられたときに第1パネル651が下げ位置に留まるように、フレーム610に取り付けられ、また、フレーム610が上げられたときに通知パネル652が下げ位置に留まるように、同様の配置が通知パネル652にも使用されてよい。これは、持ち上げられる必要のあるフレーム610の重さを減少させるとともに、より低い重心を維持する助けとなって安定性を改善することが理解されよう。
【0095】
次に、
図7Aから
図7Eを参照してフレーム610の例がより詳細に説明される。
【0096】
この例では、フレーム610は、3つの横方向連結部材721、722、723によって相互連結された5つの直立脚701、702、703、704、705、ならびに使用時にカーテン642を支持するようにフレーム610の前にわたって延びる折畳み可能なカーテン・レール725を含む。脚705は、脚704、705の間に横方向に延びる第1のパネル651および2次パネル708を介して、脚704に結合される。脚705は、脚702、704の間に位置付けられ、フレーム610の前にわたって部分的に延び、それにより、ドア642の追加の支持部を提供するとともに、ドア・アクチュエータ640を支持する。
【0097】
脚701、702、703、704、705は、複数の部分701.1、701.2、702.1、702.2、703.1、703.2、704.1、704.2、705.1、705.2からなり、伸縮式であり、任意選択でバイアスされ、フレーム610が、たとえば
図7Aに示される上げ位置と、たとえば
図7Dに示される下げ位置との間で動かされることを可能にする。この例では、パネル651は、脚704、705の下方部704.2、705.2に取り付けられ、2次パネル708は、脚704、705の上方部704.1、705.1に取り付けられる。この構成の結果として、医療機器を支持する第1のパネル651は、下げ位置のままであり、2次パネル708は上げられる。これは、上げられる必要のある重さを最小にするとともに、脚704、705がそれらの長さに沿って相互連結されることを確実にし、それにより、構造的剛性を向上させる。
【0098】
連結部材721、722、723は、固定および可動ブラケットを介して脚701、702、703に取り付けられた枢動可能に連結されたシザー・アームの対を含み、たとえば
図7Aに示される伸展位置とたとえば
図7Dに示される収縮位置との間でシザー・アームが動くことを可能にする。脚701、703は、収縮位置にあるとき、連結部材722の端部を受け入れるためのシュラウド701.4、701.5、703.4、703.5を含む。下方シュラウド703.4、701.4は、内部容積部630に出入りする空気を濾過するためのファン/フィルタ装置構成を支持してもよい。
【0099】
しかしながら、この例では、連結部材721、722、723は、脚下方部分701.2、702.2、703.2、704.2、705.2に取り付けられていて、脚が上げ位置に上げられたときに連結部材721、722、723は上げられないようにされている。これは、より低い重心を維持する助けとなって使用時に追加の安定性を提供する。これにもかかわらず、本体620が嵌合されると、本体620と折畳み可能なカーテン・レール725との組み合わせが、フレーム610が十分な構造的剛性を有することを確実にするのを助けることができる。
【0100】
一例では、フレームの隣接する側面の連結部材721、722、723のシザー・アームは独立しており、つまり、フレームは、直交する第1および第2の方向に独立して延ばされることができることに留意されたい。たとえば、フレームは、より詳細に後述されるように、ベッドを横切って幅方向に延ばされ、次いでベッドに沿って長さ方向に延ばされることができる。
【0101】
折畳み可能なカーテン・レール725は、典型的には、2つのレール部材725.1、725.2を含み、これらのレール部材は、フレーム610に、たとえば、脚702、705にヒンジ結合された第1の端部と、725.3によって相互に連結された第2の端部とを有する。レールは、ケーブル開/閉機構を組み込むことができるが、代替的装置構成が使用されてもよい。そのような代替的装置構成を含むカーテン・レールの具体例が以下により詳細に説明される。
【0102】
フレーム610は、典型的には、それぞれの脚701、702、703、704、705に装着された1つまたは複数の車輪711、712、713、714、715のグループを含み、それは、ロック可能なキャスタ・ホイールなどの任意の適切な形態とすることができ、フレーム610が可動または固定的に表面上に支持されることを可能にする。
【0103】
この例では、脚701、702、703、704は、使用時に本体620の屋根を支持するために屋根支持部701.6、702.6、703.6、704.6を受け入れる上部片701.3、702.3、703.3、704.3を含む。屋根支持部701.6、702.6、703.6、704.6は、典型的には屋根の一部を形成する。フレームが折畳みされた構成であるときに本体が設置された場合、屋根支持部は、
図7Dおよび
図7Eに示されるように、収縮位置に向かって枢動可能に付勢されることになる。しかしながら、フレームが
図7Bおよび
図7Cに示されている立設された構成であるとき、本体が屋根支持部に力を加え、それにより、示されるように屋根支持部が上げ位置へと枢動する。屋根支持部を収縮位置に向けて付勢することは、使用時に屋根に張力をかけ、したがって屋根を支持するとともに、屋根を上げて内容積部の高さを増大させることは理解されよう。しかしながら、以下の説明から、屋根支持部は必須とされず、これらは任意の特徴であることが理解されよう。
【0104】
これに関して、
図8Aから
図8Cに示されるように、本体620は、典型的には、屋根部材803と、装置600が動作構成であるときに支持表面と屋根部材803との間に延びるいくつかの壁801、802とを含む。
【0105】
この例では、屋根支持部701.6、702.6、703.6、704.6が、たとえば留め具などを使用して、図示されるように屋根803の角部に取り付けられる。しかしながら、代替的に他の装置構成が使用され、たとえば、屋根支持部をフレームに装着し、そして使用時にルーフに取除き可能に取り付けてもよいことは理解されよう。本体620がフレーム610に備え付けられると、屋根支持部701.6、702.6、703.6、704.6は、上部片701.3、702.3、703.3、704.3に結合され、屋根支持部701.6、702.6、703.6、704.6が付勢され、それにより、立設された構成に屋根があるときに、屋根に張力をかけて屋根を上げ、したがって屋根を支持する助けとなる。
【0106】
次に、
図9Aから
図9Eを参照して、装置600を立設してベッドを隔離するためのプロセスが説明される。
【0107】
ベッド631は、最初に壁900から外側へ移動される。本体620は、屋根支持部701.6、702.6、703.6、704.6を上部片701.3、702.3、703.3、704.3に挿入することによってフレームに結合される。装置600は、ベッドに隣接して壁900の近くに移動され、ベッドから最も外側の車輪または任意選択で最も外側の後輪711のみがロックされ、脚701、702、703、704、705が矢印901で示されるように上げられる。
【0108】
次いで、脚701、702を引っ張ることによって、フレーム610が矢印902の方向に延ばされて、ベッド631と壁900との間にフレーム610が延びる。連結部材723がベッド631と壁900との間の位置することができるように、まずフレーム610がベッドの後側で延ばされる必要があることは理解されよう。このプロセス中に、カーテン・レール725のヒンジが外れ、フレームが完全に延ばされると、ユーザは連結部材723を確認することができ、903に示されるように、カーテン・レール725は完全に延ばされ、所定の位置にロックされる。本体620が備え付けられた場合、本体620は、矢印904で示されるように展開されて、ベッド631と壁900との間を通過する。掲示板パネル652が使用される場合、それは、矢印905で示されるように外方へ揺動されることも可能である。次に、必要であれば、矢印906で示されるように、車輪712、714、715がロック解除されてフレーム610がベッド631上で移動され、これにより、連結部材721、723が完全に延ばされて所定の位置でロックされる。
【0109】
図9Eの点線908で示されるように、側壁および後壁801、802が、両面または他の形式で取り付けられる接着テープを用いて床に取り付けられる前に、本体620は、脚701、702、703、704に対して固定されることができる。一例では、接着テープは、製造中に本体の壁に固着されるので、ユーザは単にテープからカバー層を取り除き、テープを床に直接付ける必要がある。この後、カーテン642はカーテン・レール725に取り付けられ、必要な機器(たとえば壁酸素(wall oxygen))920への接続が、本体620の後壁における穿孔を使用して作られた開口を通して利用され得る。
【0110】
上記のプロセスはまた、フレーム610がベッド631上に立設されることを可能にし、必要に応じて、患者はその場に留まる。これは、患者を動かす必要性を回避するものであり、患者を動かすことは、近くの他の個人への感染のリスクを増大させ、また、患者の健康に潜在的に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0111】
次に、本発明の異なる態様を包含する隔離テントのいくつかの異なる実施形態が説明される。これらの態様のそれぞれは、典型的には、ここでさらに詳細に説明される
図1Aおよび
図1Bに示される隔離テントの一部として実装される。
【0112】
この例では、隔離テントは、本体100を含み、本体100は、屋根部材104と、使用時に支持表面(図示せず)と屋根部材104との間に延び、それにより、周辺環境から実質的に隔離された内容積部を少なくとも部分的に画定する少なくとも1つの壁とを有する。この例では、隔離テント100は、2つの平行な側壁103によって相互連結された実質的に平行の前壁および後壁101、102を持つ、実質的に直方体の形状を有する。
図8Aから
図8Cに関連して上述された例示的配置と同様に、前壁101は、内容積部へのアクセスを提供するドアを含んでよく、または開口を含んでよく、ドアは別個に提供されてよい。この後者の場合、前壁101は少なくとも部分的に開口した壁であってよく、壁という用語の使用は、これに関して限定することが意図されていないことは理解されよう。この配置は、単に例示を目的とするものであり、実際には他の形状を使用されてよいことも理解されよう。
【0113】
隔離テントは、本体に結合された複数のコネクタ122をさらに含む。複数のコネクタは、フレーム110に係合する、たとえば、本体をフレームに物理的に取り付けるように適合される。フレーム110は、任意の適切な形態をとり得るが、典型的には、隔離テントのそれぞれの角部を支持するための少なくとも4つの直立脚111を含む。1つの特定の例では、フレーム110は、
図7Aから
図7Eに関連して上述されたフレームと同様であり、折畳みされた構成と立設された構成との間で可動であり、フレームは、いくつかの直立脚と、脚を相互連結するいくつかの横方向連結部材とを含み、連結部材は、収縮位置と伸展位置との間で可動なシザー・アームを含み、フレームの隣接する側面のシザー・アームは、フレームが第1の方向に延ばされ次いで第1の方向と直交する第2の方向に延ばされることが可能であるように、独立している。
【0114】
隔離テント本体は、典型的には、柔軟な通気性シート材料から少なくとも部分的に作られた使い捨ての単回使用の本体であるが、他の適切な材料が使用されてもよい。一例では、屋根部材は、柔軟で通気性があるが水不溶性のシート材料を備え、テントの内外への空気の流れを可能にするが、これは必須ではなく他の構成が使用されてもよく、たとえば、特定のフィルタなどを介して空気の流れが発生することが可能である。壁部材は、典型的には、液体が壁部材を通過するのを防止する耐水性シート材料であるが、やはり、他の適切な装置構成が使用されてもよい。本体は、窓を提供する1つまたは複数の透明なパネルを組み込んでもよいが、これは必須ではない。本体は、典型的には、使用時にフレームの内側に取除き可能に装着され、本体100がコネクタ122によって吊るされることを可能にするが、任意の適切な装置構成が使用されてよい。
【0115】
図1Aから
図1Dにさらに詳細に示される本発明の第1の態様では、隔離テントは、1つまたは複数の電気部品を含み、例示のために、3つの異なる例示的電気部品130.1、130.2、130.3が示されている。電気部品は、任意の適切な形態であってよく、例として、隔離テント本体100を少なくとも部分的に横切る電気信号を伝導するための電気導体130.1、データを記憶するためのデータ記憶デバイス130.2、または、屋根に装着されたLEDストリップなどの照明要素130.3などを含む。しかしながら、他の幅広い範囲の電気部品、たとえば、センサやインジケータなどが隔離テント本体に組み込まれてよく、例は単に例示のために与えられ、限定することは意図されていないことは、以下の説明から理解されよう。電気部品130は、以下により詳細に説明されるように、本体100に取り付けられまたは組み込まれてよく、一例では、コネクタ122の一部を形成してよい。
【0116】
使用時に、コネクタ122は、電気信号が電気部品へ転送されるまたは電気部品から転送されることを可能にするために使用される。典型的には、これは、フレーム110内に設けられた少なくとも1つの電気接続131を有することによって達成され、たとえば、電気接続131は脚111のうちの1つを通って延び、これにより、信号がコネクタ122に送達され、次いで内部電気接続131.1、131.2を介して、テント本体に組み込まれた電気部品に転送されることを可能になる。
【0117】
電気信号は、任意の適切な形態であってよく、フレーム110に任意選択で装着される変圧器などの電源132から得られてよい低電圧電力信号などの電力信号を含み得る。しかしながら、代替的に、信号は、後述されるように、処理デバイスもしくは同様のものから受信された通信信号、または電気部品の動作を制御するために使用される制御信号であってもよい。
【0118】
したがって、上述の装置構成は、信号を伝導すること、またはデータの記憶およびダウンロードを可能にすることなどの追加の機能性を提供するために使用されることができる、統合された電気部品を有する隔離テントを含む。隔離テント本体をフレームに物理的に取り付けるために使用されるコネクタは、電気的接続性を提供するためにさらに使用され、それにより、
図9Aから
図9Eに関連して上述されたように、隔離装置を配備する通常のプロセスの一部として隔離テント本体がフレームに取り付けられるとき、フレーム内の対応する部品または他の回路構成に部品が自動的に接続されることを可能にする。したがって、絶縁テント本体をフレームに物理的に連結するために使用されるのと同じコネクタを介して電気接続が提供されることを可能にすることにより、必要とされる機能性が実現されるようにしながら、隔離システムをセットアップするのに必要とされるステップを減少させる。
【0119】
次に、本発明の第1の態様と関連付けられたいくつかのさらなる特徴が説明される。
【0120】
一例では、コネクタは、コネクタ・システムの一部を形成し、コネクタは、フレームに取り付けられまたはフレームの一部を形成する対応するフレーム・コネクタ121に対して物理的に結合するように適合されている。したがって、フレームは、隔離テント本体100に装着された対応するコネクタ122に取り付けし、それにより隔離テントをフレームに物理的に固定するフレーム・コネクタ121を含むことができる。コネクタ121、122は、任意の適切な形態であってよく、典型的には、
図1Dに示されるように、プラグおよびソケットのような相補的コネクタまたはバックル装置構成を含む。したがって、コネクタは、摩擦嵌め、フックおよびアイ、クリップ嵌め、または締まり嵌めなどの任意の適切な連結機構を使用して相互連結され得ることは理解されよう。コネクタは、好ましい実装形態に応じて、フレームおよびテント本体に直接取り付けられてよく、またはストラップなどの中間部材を介して取り付けられてよい。
【0121】
一例では、コネクタは、適切な形状のコネクタが提供された場合にのみそれらが物理的に結合されることが可能なように、相補的形状を有する。これは、コネクタを物理的に結合するために、コネクタがフレーム・コネクタ内に挿入可能であってフレーム・コネクタ内で回される必要があるように、ロックおよびキータイプの構成と同様の方法で機能することができる。これは、不適切な形状のコネクタを有するテント本体が使用されるのを防止する。同様に、コネクタの各々にコネクタのそれぞれの構成が使用されてよく、それにより、テント本体が望ましい方向付けでフレームに取り付けられることを確実にする。代替的に、コネクタの色コーディングなどの視覚表示が、正しい方向付けを補助するために使用されてよい。
【0122】
別の例では、コネクタはピンを含み、フレーム・コネクタはソケットを含み、ピンは、フレームにフレーム・コネクタを結合するようにソケットに挿入される。この例では、ソケットは、ピンを固定し、それにより、フレーム・コネクタに結合されたコネクタを保持するためのキャッチと、ピンを選択的に解放し、それにより、使用後にフレームからテントが分離されるのを可能にするためのボタンなどの解放機構とを含む。
【0123】
フレーム・コネクタ121は、フレーム中を延びるワイヤなどの電気コネクタ131を含み、それにより、フレーム・コネクタ121を、フレーム110に装着されたそれぞれの電気部品、たとえば、電源132、ドア・アクチュエータ・システム133、または処理デバイスなどに対して電気的に接続されることを可能にする。これは、フレームに取り付けられた電気部品と、隔離テント本体に組み込まれた電気部品との間に接続が提供されることを可能にする。
【0124】
一例では、電気部品は、本体にわたって少なくとも部分的に延びる少なくとも1つの導体130.1であり、導体は、コネクタ122のうちの少なくとも1つに電気的に接続されて、電気信号がコネクタ122および少なくとも1つの導体130.1を介して伝導されることを可能にする。たとえば、導体は、本体の両側でコネクタ122に電気的に接続され、電気信号が本体を横切って転送されることを可能にし、たとえば、フレームの一方の側面から他方の側面に送信されることを可能にする。信号の性質は、好ましい実装形態に応じて異なり、データ通信信号または電力供給信号などを含み得る。たとえば、フレーム・コネクタ121の1つが、フレーム110の後側に装着された電源132に電気的に接続され、別のフレーム・コネクタ121が、フレーム110の前側に装着された電気機器133に電気的に接続され、したがって、電気機器は電源によって電力供給されることができる。これは、フレームを横切って信号を送信することがフレームの構成を考慮して難しくなり得るとき、特に直立脚を相互接続するためにシザー・アームが使用される場合に、特に有益である。
【0125】
導体130.1または使用される任意の導体の性質は、好ましい実装形態に応じて異なる。たとえば、導体は、本体に埋め込まれまたは取り付けられた金属ワイヤなどのワイヤ、本体の表面に設けられた銀メッキされたナイロン導体、本体の表面に設けられた銀メッキされたナノワイヤ導体、本体にプリントまたは他の形式で付与された導電性トラック、たとえば、本体にプリント、縫い付け、埋め込み、または接着された導電性材料を含む。一例では、導体130.1は、壁と屋根との間の継ぎ目に少なくとも部分的に沿って延びる。本体のこの領域は、典型的には、より頑強であり、これは、導体の完全性を保証する、特に隔離テントの立設中に導体が損傷されないことを保証するのを助けることができる。
【0126】
別の例では、電気部品は、内容積部を照明するための照明130.3を含む。照明は、任意の適切な形態であってよく、LEDストリップなどを含んでよく、これらは、任意選択で、屋根104の下側にわたって、および/または屋根と壁との間の継ぎ目に沿って延びる。
【0127】
別の例では、電気部品は、メモリを含むタグを含み、データがそれに記憶され、テントがフレームに結合されたときに読み出されることを可能にする。タグは、テント本体の屋根および/または側壁内に装着されることができ、コネクタ122のうちの1つに組み込まれてよい。これは、テントに関する情報を読み出し、たとえば隔離装置の動作を制御するために使用され得る。代替的に、これは、検証プロセスの一部として使用されることができ、そのようなプロセスの例が、次にさらに詳細に説明される。
【0128】
特に、本発明の第2の態様では、使用前または使用中に隔離テント本体を検証するために使用される検証プロセスを提供することができる。検証プロセスは、隔離テント本体が真正の製品であり、したがって特定のフレームと使用するのに適し、さらに必要とされる程度の隔離を実現できることを保証するために使用されることができる。検証プロセスは、いくつかの方法で使用され得る隔離テント使用状況を追跡するために使用されることもできる。たとえば、これは、隔離テント本体が再使用されないことを保証するために使用されてよく、再使用は、対象の汚染などに関する問題をもたらす可能性がある。これを実装する際、電源切断の場合にテントが使用可能であることを保証するために、規則が適用される必要があり得ることは理解されよう。追跡はまた、隔離テント本体が使用される時間の長さを制限するために使用されてもよく、たとえば、テント本体が30日毎などに交換されることを保証し、それにより、感染性材料の蓄積などを防止する。
【0129】
次に、検証プロセスの一例が
図2を参照して説明される。
【0130】
例示のため、プロセスは、1つまたは複数の電子処理デバイスを使用して少なくとも部分的に実行されることが想定され、電子処理デバイスは、フレームに統合されることができ、かつ/または任意選択で遠隔で提供され必要に応じて隔離装置と通信することができる1つまたは複数の処理システムの一部を任意選択で形成する。
【0131】
この例では、ステップ200で、検証データはテントから読み取られる。検証データの性質、および検証データが読み取られる様式は、好ましい実装形態に応じて異なり得る。一例では、検証データは、たとえば、テント本体上にプリントまたは他の形式で表示されるQRコード(登録商標)などの2Dコードの一部として、隔離テント本体上に表示されることができ、2Dコードは、適切な撮像デバイスを使用して読み取られる。代替的に、検証データは、隔離テント本体に取り付けられまたは埋め込まれたタグ内に提供されたメモリに記憶されることができ、次いで、これは適切なタグ読取り装置によって読み出される。一例では、これは、無線で達成され得るが、代替的に、これは、本発明の第1の態様に関連して上述されたように、たとえばコネクタ122のうちの1つを介して確立された、有線接続を介して行われてもよい。
【0132】
ステップ205で、検証データは、本体を検証するために使用される。検証プロセスの性質は、好ましい実装形態に応じて異なり、検証データが不正に作成されおよび/または別のテント本体からコピーされるのを防止するために、様々なセキュリティ・プロトコルを含み得る。
【0133】
たとえば、各隔離テント本体は、一意の識別子を割り当てられてよく、一意の識別子は、これが真正であること、および任意選択でこれが特定の隔離テント本体に割り当てられた識別子であることを保証するためにチェックされる。加えておよび/または代わりに、これは、暗号鍵または他の復号機構を使用して、メッセージを認証すること、特に、メッセージが隔離テント本体の正当な供給業者によって作成されたことを保証することを含んでもよい。たとえば、テント識別子などの情報を含むメッセージが、供給業者のプライベート鍵を使用して暗号化されてテント本体のメモリに記憶されてよい。次いで、処理デバイスは、暗号化メッセージを公開鍵を用いて復号し、メッセージが期待された形態のものであるかを評価することによって、暗号化メッセージを確認し、暗号化されたテント識別子が暗号化されていないテント識別子に合致することをチェックすることを試みることができる。検証プロセスはまた、たとえば、隔離テント識別子を以前に使用された識別子のリストおよびテント本体の作成の既知の日付と比較することによって、隔離テント本体が以前に使用されていないこと、または設定された使用可能期限を超えて失効していないことを保証することを含んでもよい。検証プロセスの例は、以下により詳細に説明される。
【0134】
ステップ210で、1つまたは複数の処理デバイスは、隔離テント本体が検証されたかどうかを決定し、検証された場合、隔離装置に関連付けられた1つまたは複数の部品がステップ215で作動されることが可能である。たとえば、このプロセスは、ドア・アクチュエータ、電源、もしくは空気フィルタなどのようなフレームに装着された部品を作動させること、および/または照明などのような隔離テント本体の一部を形成する部品を作動させることを含むことができる。これは、すべての意図された機能性で隔離装置が機能することを可能にする。
【0135】
隔離テント本体が検証されない場合、典型的には部品は作動されず、それにより、隔離装置によって提供される機能性を少なくとも低減させる。これは、たとえば、フレームにおけるロック機構を無効にし、それにより装置の適正な立設を防止することによって、または電源もしくは空気フィルタなどの補助部品を無効にすることによって、装置の使用を不可能にすることから拡張され得る。
【0136】
加えておよび/または代わりに、検証の失敗の通知がステップ220で生成されてよく、これは、たとえば、処理デバイスにより生成される視覚的もしくは音響的通知を通してローカルに提供され、または処理デバイスによって遠隔処理システムへ通知を転送させることによってリモートで提供される。これは、医療従事者もしくは医療施設の管理者および/または隔離装置の供給業者に警告して、検証されていないテント本体を使用する試みがなされたことを彼らに通知するために使用され得る。
【0137】
したがって、これは、隔離テント本体を検証する機構を提供して、たとえば、品質要件が満たされるのを保証するために重要である、隔離テント本体が真正の隔離テント本体であること、および/または隔離テント本体がフレームと一緒に正しく機能することを保証し、それにより、適切な隔離を提供することは理解されよう。これは、健康被害をもたらし得る隔離テント本体の再使用を防止することもできる。したがって、検証プロセスは、本体の少なくとも1つが現在のフレームと共に使用するのに適切な本体であること、本体が有効期限、貯蔵寿命、もしくは定義された使用期間を超えていないこと、および/または本体が以前に使用されていないことを確認するために本体を検証するために使用されることができる。
【0138】
次に、第2の態様に関連付けられたいくつかのさらなる特徴が説明される。
【0139】
一例では、検証プロセスは、第1の態様に従って、コネクタを介して処理デバイスに任意選択で接続され得る、隔離テント本体の一部として提供される電気部品の使用を含む。この例では、電気部品は、検証データを記憶するメモリを含み、検証データは、フレームに本体が連結されたときに処理デバイスによって読み出され、したがって、処理デバイスが本体を検証することを可能にする。
【0140】
検証データを記憶するためのメモリの使用に加えておよび/または代えて、隔離テント本体は、別の方法で提供される機械可読検証データを含むことができる。これは、たとえば、隔離テント本体上にプリントされまたは他の形式で提示される機械可読コードを使用すること、たとえば、視覚的マーキング、またはRFIDタグなどの遠隔可読データ・ストアなどを使用することを含んでよい。やはり、検証データは、有線または無線接続を使用して処理デバイスによって読み取られることができる。たとえば、これは、スキャナまたは他の適切な撮像デバイスまたは無線RFIDタグ読取り装置などを使用することを含んでよく、それにより、本体がフレームに接続されたときに符号化データが読み取られることができ、処理デバイスが本体を検証することを可能にする。
【0141】
したがって、検証データは、隔離テント・コネクタにおける電気接続を介して処理デバイスに電気的に接続された可読メモリに記憶されてよく、または代替的に、隔離テント本体もしくは統合されたRFIDタグ上に提供され、必要に応じて離れて読み取られてよいことは理解されよう。
【0142】
これらの例では、隔離装置はまた、処理デバイスを含むことができ、処理デバイスは、フレームに本体が連結されたときに、本体上に提供された機械可読検証データを読み取り、したがって、処理デバイスが本体を検証することを可能にする。処理デバイスは、1つまたは複数の機能部品を制御するために使用されることができ、処理デバイスは、本体の検証に応答して機能部品を選択的に作動させる。機能部品は、ドアを開くドア・アクチュエータと空気濾過システムとのうちの任意の1つまたは複数を含み得る。これは、隔離テント本体が検証されない場合に機能部品の動作を防止するために使用されることができる。
【0143】
処理デバイスは、任意の適切な形態であってよく、マイクロ・プロセッサ、マイクロチップ・プロセッサ、論理ゲート構成、任意選択でFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)などの論理の実装に関連付けられたファームウェア、または他の任意の電子デバイス、システム、もしくは装置構成を含み得る。一例では、処理デバイスは、制御装置の一部を形成し、適切にプログラムされたコンピュータ・システムなどのような処理システムを含み、またはそれに結合されてよい。
【0144】
処理デバイスは、フレームに対して遠隔で提供され、またはフレームに装着されもしくはフレーム内に装着され得る。1つの具体例では、処理デバイスは、
図5Aおよび
図5Bに関連して以下により詳細に説明されるように、フレームに装着されたフィルタ・ユニット内に設けられる。この例では、処理デバイスは、フィルタ・ユニットと隔離テントまたはフィルタ部材のいずれかとの間の結合を介する有線接続を介して、機械可読検証データを読み取ることができるが、他の構成が使用されてもよく、たとえば、検証データを、無線でまたは
図1Aおよび
図1Bに関連して上述されたコネクタを介して読み取ることは理解されよう。
【0145】
別の例では、メモリは、書き込み可能とすることができ、したがって、検証データが使用中に更新されることを可能にし、たとえば、隔離テント本体の使用の時間および日付を示すために、または隔離テント本体のその後の再使用を防止するために検証を更新する。
【0146】
典型的には、検証データは、1つまたは複数のセキュリティ特徴を含むことができ、デジタル署名、一意の参照番号、および/または暗号化されたデータを含んでよい。したがって、処理デバイスは、データを読み出すことができ、デジタル署名を検証し、および/または適切な解読プロセスを使用して検証データが解読できることを確認することができる。
【0147】
別の例では、処理デバイスは、少なくとも部分的に遠隔サーバまたは他のコンピュータ・システムと通信することによって、検証プロセスを実行するために必要とされることがある。たとえば、これは、一意のテント識別子を調べ、これが以前に使用されていない正当な識別子であることを保証するために使用され得る。
【0148】
次に、
図3を参照して検証システムの具体例が説明される。
【0149】
この例では、システムは、隔離装置のフレーム110に取り付けられた処理システム310と、隔離テント本体100に取り付けられたタグ320とを含み、処理システム310とタグ320は、有線または無線接続を介して通信することができ、それにより、検証データが読み出されることを可能にする。
【0150】
処理システム310は、任意の適切な形態であってよいが、典型的には、少なくとも1つのマイクロ・プロセッサ311と、メモリ312と、任意選択の入力/出力デバイス313、たとえば入力ボタンおよび/もしくはディスプレイと、図示されるようにバス315を介して相互接続された外部インターフェース314とを含む。この例では、外部インターフェース314は、周辺装置、たとえば、通信ネットワーク340、タグ320、または隔離装置の一部を形成する他の電気機器などに対して、処理システム310を接続するために利用され得る。単一の外部インターフェース314が示されているが、これは単に例示のためであり、実際には、様々な方法(たとえば、イーサネット、シリアル、USB、または無線など)を使用する複数のインターフェースが提供されてよい。
【0151】
使用の際、マイクロ・プロセッサ311は、メモリ312に記憶されたアプリケーション・ソフトウェアの形態の命令を実行して、必要とされるプロセスが行われることを可能にする。アプリケーション・ソフトウェアは、1つまたは複数のソフトウェア・モジュールを含むことができ、オペレーティング・システム環境などのような適切な実行環境で実行され得る。
【0152】
したがって、処理システム310は、任意の適切な処理システムから形成されてよく、任意の電子処理デバイス、たとえば、マイクロ・プロセッサ、マイクロチップ・プロセッサ、論理ゲート構成、任意選択でFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)などの論理の実装に関連付けられたファームウェア、または他の任意の電子デバイス、システム、もしくは装置構成を含み得ることは理解されよう。1つの特定の例では、処理デバイスは、空気濾過システム、ドア・アクチュエータ、または電源などを含む組み込まれたシステムを制御するために動作する、隔離装置のための制御システムの一部である。
【0153】
タグ320は、典型的には、プロセッサ321、メモリ322、およびインターフェース323を含み、それらは、アンテナ(図示せず)に接続され、または、処理システム310との有線通信を可能にする有線接続を介してコネクタ122に接続され得る。タグはまた、電源を含んでよく、または代替的に、これは、有線接続もしくは誘導結合などを介して処理システムから受け取られる電力によって電力供給されてよい。一例では、タグは、Bluetooth(登録商標)またはRFIDタグであるが、これは必須ではなく、任意の適切なタグが使用されてよい。
【0154】
処理システム310は、インターネットおよび/もしくはいくつかのローカル・エリア・ネットワーク(LAN)などの1つまたは複数の通信ネットワーク340を介して、サーバなどの1つまたは複数の遠隔コンピュータ・システム330に結合されることもでき、それにより、以下により詳細に説明されるように、コンピュータ・システムが検証プロセスに参加することを可能にする。任意の数の処理システム310およびコンピュータ・システム330が提供されてよく、現在の表示は単に例示を目的としている。ネットワーク340の構成も単に例示を目的としており、実際には、処理システム310とコンピュータ・システム330は、任意の適切な機構を介して通信することができ、たとえば、モバイル・ネットワーク、802.11ネットワークなどのプライベート・ネットワーク、インターネット、LAN、またはWANなどを含むがこれらに限定されない有線または無線接続を介して、ならびにBluetooth(登録商標)などの直接またはポイント・ツー・ポイント接続を介して通信することができる。
【0155】
この例では、処理システム310は、検証データを読み出し、次いで、検証が実行されることを可能にするためにコンピュータ・システムと通信するように適合される。次に、この例が
図4Aおよび
図4Bに関連してさらに詳細に説明される。
【0156】
これらの例のために、コンピュータ・システム330が、関連するアクションが実行されることを可能にするソフトウェアを実行する1つまたは複数のサーバを含み、サーバ330によって実行されるアクションは、アプリケーション・ソフトウェアとしてメモリに記憶された命令、および/またはI/Oデバイスを介してユーザから受け取られた入力コマンドに従って、該当するプロセッサによって実行されることが想定される。また、処理システム310によって実行されるアクションは、アプリケーション・ソフトウェアとしてメモリ312に記憶された命令、および/またはI/Oデバイス313を介してユーザから受け取られた入力コマンドに従って、プロセッサ311によって実行されることが想定される。
【0157】
しかしながら、以下の例のために想定された上記の構成は必須ではなく、他の多数の構成が使用され得ることは理解されよう。また、異なる処理システム間の機能性の分割が、具体的な実装形態に応じて異なり得ることも理解されよう。
【0158】
この例では、ステップ400で、フレーム110が配備され、電源にプラグ・インされる。これにより、ステップ405で、処理システムが電源投入されまたはスリープ・モードから起動されることなどを通じて、処理システム310を作動させ、ステップ410で、処理システム310が、タグ320に記憶された検証データの読取りを開始することを可能にする。
【0159】
現在の例では、これは、典型的には、ポーリング・メッセージを生成することを含み、これにより、タグ・プロセッサ321が、タグ・メモリ322から読み出された検証データを含む応答を生成するようにする。これは、標準的なタグ読取りプロトコルに従って実行されるので、さらに詳細には説明しない。また、たとえば検証データが隔離テント本体に印刷されまたは他の形式で提供される代替的な実施形態では、代替的な読取りプロセッサが使用されてよいことは理解されよう。
【0160】
検証データは、典型的には、隔離テント本体に一意に関連付けられたテント識別子を示し、また典型的には、サーバ330に関連付けられた鍵を使用して暗号化された暗号化鍵を含む。一例では、暗号化情報は、サーバ330の公開/プライベート鍵ペアの秘密鍵を使用して作成された署名であり、所定の情報および隔離テント識別子を使用して作成され、それにより、暗号化情報が各隔離テント本体に対して一意であることを保証することができる。検証データは、隔離テント本体の製造中に作成され、隔離テント本体がエンド・ユーザへの配送のために出荷される前にタグに記憶されることは理解されよう。
【0161】
ステップ415で、処理システム310は、検証要求を生成し、ステップ420で、検証要求がサーバ330に転送される。検証要求は、任意の適切な形態とすることができ、処理デバイス310の識別子などのような他の関連情報と一緒に、読み出された検証データを含むことができる。
【0162】
サーバ330は、ステップ425で、検証データを復号し、特に公開/プライベート鍵ペアの公開鍵を使用して暗号化メッセージを解読し、隔離テント識別子を決定し、ステップ430で、これが有効な識別子であることを確認する。これは、典型的には、隔離テントに対して作成され割り当てられた隔離テント識別子のリストを含むセキュアなデータベースに記憶されたデータを照会することを含む。
【0163】
検証データが成功裏に解読され、隔離テント識別子が正当であると決定されたとすると、ステップ435で、隔離テントは有効な隔離テントであると想定され、ステップ440で、サーバ330が続いて隔離テント使用状況をチェックすることを可能にする。特に、これは、以前に使用されていた隔離テントの隔離テント識別子を識別する使用状況データを照会して、ステップ445で、隔離テントが使用されていたかどうかをサーバ330がチェックすることを可能にする。
【0164】
隔離テントが有効でない、または隔離テントが使用されていたとステップ445で決定された場合、プロセスはステップ450に進み、ステップ450でサーバ330は失敗通知を生成する。次いで、失敗通知は、処理システム310に提供されて、部品が作動されるべきでないことを処理システムに警告し、またはサード・パーティに提供されて、無効なもしくは以前に使用された隔離テントを使用する試みであることをサード・パーティに通知することができる。通知は、供給業者に提供されて、無効なテントを使用する試みまたは有効なテントを再使用する試みが行われていることを供給業者に警告してもよい。
【0165】
他の場合、ステップ460で、使用状況データは、隔離テントが再使用されるのを防止するために更新され、その後、成功通知が、ステップ465で生成され、ステップ470で処理システム310に提供され、ステップ475で、処理システムが空気フィルタ、ドア・アクチュエータ、または照明などの部品を作動させることを可能にする。
【0166】
したがって、これが、検証プロセスのセキュリティを保証するのを支援できる遠隔検証プロセスを提供することは理解されよう。加えて、これは隔離テントの使用状況を自動的に追跡するので、これは供給システムに統合されることにより、テントが使用されるときに交換テントが自動的に供給されることを可能にすることができる。
【0167】
次に、
図5Aおよび
図5Bを参照して、統合された空気フィルタ部材の使用を含む本発明の第3の態様が説明される。
【0168】
この例では、隔離テント本体100は、内容積部内または内容積部外へ流れる空気を濾過するフィルタ部材フィルタ部材501を含む。フィルタ部材501は、チャコール・フィルタ、炭素フィルタ、粒子フィルタ、HEPAフィルタ(High-Efficiency Particulate Arrestance)、または他の類似のフィルタの形態とすることができ、隔離テントの壁および/または屋根内に設けられることができる。
【0169】
隔離テント本体においてフィルタ部材を設けることは、いくつかの利点を与え、特に、対象が隔離されることになる毎に新たなフィルタが提供されることを保証し、それにより、適切な空気フィルタリングが行われることを保証し、対象の交差汚染を防止する。
【0170】
次に、本発明の第3の態様に関連付けられたいくつかのさらなる特徴が説明される。
【0171】
一例では、フィルタ部材は、強制空気濾過を可能にするために、空気フィルタ・ユニット540と共に使用されるように適合されることができる。この例では、濾過システム540は、ポンプまたはファン543を介して連結された入口541および出口542を含み、空気が入口を通して吸い込まれ、出口を通して排出されることを可能にする。フィルタ・ユニット540は、典型的には、フィルタ部材501を通して内容積部から空気を抽出するために、フィルタ部材501に隣接して入口541が位置付けられるようにフレーム110に装着される。一例では、隔離テント本体100は、空気濾過システムにシール係合するように適合されることができ、たとえば、フィルタ部材501の周りに少なくとも部分的に延びる両面テープなどの接着材501.1を有し、それにより、本体を空気濾過システムに取り付けることによってシール係合する。代替的に、少なくとも部分的なシーリングが、他の方法で、たとえば磁気結合などの使用によって達成されてもよい。たとえば、フィルタ部材は、強磁性外周部を含んでよく、強磁性外周部は、空気濾過システム内の磁石と係合し、それにより空気フィルタ入口と整合してフィルタ部材を保持する。加えておよび/または代わりに、ゴム・シールが、フィルタをシールし、および/またはフィルタを所定の位置に保持するために設けられてもよい。
【0172】
一例では、本体100は、フラップ100.1を含むこともでき、フラップ100.1は、壁の下縁に設けられた少なくとも部分的に接着性の材料503を使用して装置を支持する表面に係合し、それにより少なくとも部分的に壁を床にシールする。これは、少なくとも部分的に内容積部をシールし、容積部の外への空気の流れがフィルタ部材を通るのを保証するのを助けるために使用されることができ、空気が周辺領域内に排出される前に内容積部内からの汚染物質が取り除かれることを可能にする。接着材料は、任意の適切な形態とすることができ、隔離テント本体に取り付けられまたは他の形式で統合される接着テープまたは他の類似する材料を含んでよい。
【0173】
上記の隔離テント本体は、典型的には、開口を有するパッケージ内に提供され、本体は、本体を展開することおよび/またはパッケージから本体を取り除くことなしに、コネクタがアクセス可能であるように、パッケージ内に折り畳まれる。これは、隔離テント本体をフレームに取り付けることを含む本発明の第4の態様をもたらす。
【0174】
この態様では、隔離テント本体をフレームに取り付ける方法が、本体を含むパッケージから複数のコネクタにアクセスすることを含み、コネクタは、パッケージから本体を展開するまたは取り除くことなしにアクセス可能である。これに続いて、コネクタは、フレームを延ばす前に折畳み位置でフレームに取り付けられ、フレームが延ばされると本体が展開する。したがって、隔離テントは、パッケージ内に供給され、それにより、フレームが少なくとも部分的に収縮された構成でありながら、これがフレームに容易に連結されることを可能にし、フレームが立設されると隔離テント本体が配備される。
【0175】
これの一部として、テント本体が内側パッケージ内に含まれながら、コネクタがアクセスされることができる前に、取り除かれる必要がある外側パッケージ内に本体が提供されることが可能である。これは、コネクタが輸送または格納中にからまったりまたは引っ掛かったりすることを回避しながら、無菌状態を保証するのを助けることができる。
【0176】
パッケージは、フレームを立設する前に取り除かれてよく、またはフレームが立設されるときに本体を展開する動作の一部として取り除かれてよい。
【0177】
パッケージは、本体に取り付けられたままで、ごみ容器として機能するように適合され、たとえば、これは、使用後にテント本体が収納できるバッグまたは他の類似の構成を提供することができ、テント本体がより容易に廃棄されることを可能にする。
【0178】
これの一部として、隔離テント本体は、ドアを画定するカーテンを含むことができ、カーテンは、開位置で本体に取り付けられ、フレームに装着されたドア機構にカーテンが取り付けられることが可能であるように取外し可能である。この例では、これは、隔離装置の立設を促進することができ、具体的には、隔離装置がその場で立設される場合、隔離テントが患者、ベッド、または他の物品上により容易に延ばされることを可能にする。
【0179】
この動作形態を達成するために、本体は、本発明の第5の態様に従って特定の方法でパッケージに梱包される必要がある。
【0180】
この例では、方法は、第1の対向する側面であって各側面が1つまたは複数の側壁に対応する側面を、直立した中心の線に沿って折り畳み、第2の対向する側面が近接されるようにすることによって、本体をパッケージ内に梱包することと、いずれかの順序で、第2の対向する壁部材を蛇腹状に畳むこと、または本体を長さ方向に折り畳むこととを含む。
【0181】
この梱包方法を利用することにより、コネクタが本体の1つの側面に沿って設けられ、フレームに直接取り付けられることができ、その後、フレームは隔離テント本体が展開するように延ばされることを確実にする。
【0182】
次に、本発明の第5の態様のいくつかのさらなる特徴が説明される。
【0183】
方法は、典型的には、奇数の折り目、一例では7つの折り目を使用して、第2の対向する側面を蛇腹状に畳むことをさらに含むが、いくつかの例では偶数の折り目が使用されてよいことは理解されよう。より具体的には、方法は、典型的には、対向する前壁および後壁を折り畳んで、これらの側壁を一緒にまとめることと、側壁を蛇腹状に畳むこととを含む。これを行うことにより、対向する前壁および後壁が折り畳まれて、前角部を一緒にまとめ、後角部を一緒にまとめ、側壁が蛇腹状に畳まれ、次いで、左前角部および左後角部を折り重ねて、左角部を一緒にまとめ、右角部を一緒にまとめる。
【0184】
【0185】
この例では、折畳みプロセスの第1のステップは、前壁および後壁101、102を中心の線に沿って内方へ折り畳むことを含み、屋根104は内方および下方へ引かれ、側壁103が一緒にまとめられることを可能にする。この例では、折畳みプロセスの理解を容易にするために、右前、左前、右後、および左後の角部はそれぞれ、120.1、120.2、120.3、および120.4とラベル付けされている。
【0186】
図10Bの例では、ドア101.1、101.2は、折り畳まれて開いて、それぞれの側壁103の内面に取り付けられて、隔離テントの配備中にドアが開いたままである。
【0187】
図10Cに示される第2のステップでは、テント本体は、側壁を7回折り曲げることによって蛇腹状に畳まれ、左前角部および左後角部120.2、120.4は折り重ねられ、したがって、
図10Dに示されるように、左前角部および左後角部120.2、120.4が一緒にまとめられ、右前角部および右後角部120.1、120.3が一緒にまとめられる。最後に、テント本体は、
図10Eに示されるように高さ方向に折り畳まれる。
【0188】
これは、テント本体を折り畳み、それが梱包されることができるようにし、コネクタ122はアクセス可能であり、フレームの配備前にフレームに連結されることが可能であり、したがって、テント本体は、フレームが立設されるときに展開されることができることは理解されよう。また、
図10Eと
図10Cのステップは置き換えられてよく、したがって、テント本体は、蛇腹状に畳まれる前に高さ方向に折り畳まれるが、依然として同じ結果が達成されることを可能にしていることは理解されよう。
【0189】
上記から、様々な異なるコネクタ構成が使用されてよいことが理解されよう。1つの代替例では、フレーム・コネクタは、フレームにおける溝を含み、コネクタは、溝内に摺動可能に装着されるスロット付きペグを含む。フレームは、複数の溝を含み、各溝は、それぞれのスロット付きペグを受け入れる形状にされた開口を含み、それにより、ペグがそれぞれの溝内に摺動可能に装着されることを可能にする。溝は、溝内にペグを選択的にロックするために使用される解放可能ロックを含む。次に、
図11Aから
図11Gを参照して、そのような構成の具体例が説明される。
【0190】
この例では、隔離テント1100は、それぞれの継ぎ目で接合された側壁1102および屋根1104を含み、リム1106が、典型的には継ぎ目から外方へ延び、1つまたは複数の装着タブ1105が、各角部に隣接するリムから外方へ延び、取り付けコード1122.1がそれに取り付けられるのを可能にする。取り付けコード1122.1は、スロット付きペグ1122.2の形態のコネクタ1122に取り付けられる。スロット付きペグ1122.2は、典型的には細長く、両端部に接触プレート1122.3を有する円周スロット1122.4を含み、フレーム脚1111の上端に設けられた溝1121.2内にペグが設けられることを可能にし、溝1121.2のフランジ付き縁部がスロット内に設けられ、これにより、ペグ1122.2が溝1121.2内に摺動可能に装着されることを可能にする。
【0191】
図11Aおよび
図11Bに示される例では、スロット付きペグ122.2は、円形の断面形状を有し、これが相補的形状の溝開口1121.1を介して溝1121.2内に挿入されることを可能にする。しかしながら、
図11Cから
図11Gに示されるように、各溝は、それぞれの成形された開口を有することができ、隔離テントの異なるコネクタ1122がフレームに選択的に取り付けられることを可能にし、それにより、隔離テントが正しい方向付けにあるようにする。
【0192】
これに関して、
図11Cから
図11Fに示されるように、フレームは、最初に折畳みされた構成で提供され、脚1111が当接して設けられ、隔離テント1100が配置されることができる開口領域1111.1を画定する。これに関して、隔離テントは、最初にパッケージ内に設けられ、コネクタ1122.2が露出され、これらの各コネクタが、対応する形状を有するそれぞれの開口1121.1内に挿入されることを可能にする。
【0193】
これに続いて、コネクタ1122.2は、矢印1124によって示されるように、溝1121.1に沿って外方へ溝1121.2の端部まで移動されることができ、ここで、コネクタは、ロック機構によって所定の位置にロックされる。このアクションは、取り付けコード1122.1に張力をかけて隔離テントに張力をかけ、一例では、パッケージを割って開くようにし、それにより隔離テント1100を解放する。
【0194】
次いで、フレームは、
図11Fに示されるようにアクションが隔離テントを開き、立設されることができる。
【0195】
隔離テントが使用されているとき、アクチュエータ1123.1に結合された解放ボタンを押すことによって、隔離テントがフレームから取り除かれることができ、解放ボタンは、ばね1123.2によって付勢され、またコネクタ1122.2に係合する。アクチュエータが押下されると、これはコネクタ1122.2を解放し、これが溝1121.2に沿って開口1121.1まで摺動することを可能にし、したがって、コネクタ1122.2ひいては隔離テントがフレームから取り除かれることができる。
【0196】
最後に、コネクタ1122.2はまた、典型的には、リム1106を通って継ぎ目に沿って延びるワイヤ1131.1を含み、たとえば先に説明されたように、1つまたは複数の電気部品への接続を可能にする。この例では、ワイヤ1131.1は、縫い目1106.1を介してリム1106に取り付けられ、それにより、ワイヤ1131.1を所定の位置に保持し、使用時にこれらが損傷され、またはテントから引っ張られることを防止することができる。
【0197】
【0198】
この例では、隔離テント1200は、フィルタ部材の後壁1202に装着されるフィルタ部材1250を含み、テントは、典型的には、前壁および側壁1201、1203、屋根1204、およびドア1242をやはり含む。
【0199】
フィルタ部材1250は、フィルタ部材をフレーム1310に物理的に取り付けるように適合されたコネクタを含み、一例では、フレーム1310に結合された空気濾過システム1305に取り付ける。フレーム1310は、先に説明されたものとほぼ同様の形態であり、テントを支持するコネクタ1322を有する、シザー・アームによって相互連結された直立脚1311を含む。
【0200】
空気濾過システム1305は、
図5Aおよび
図5Bを参照して上述されたものと同様とすることができ、典型的には、ポンプまたはファン1305.1を介して連結された入口および出口を含み、空気が入口を通して吸い込まれ、出口を通して排出されることを可能にすることは理解されよう。フィルタ部材1250は、チャコール・フィルタ、炭素フィルタ、粒子フィルタ、HEPAフィルタ(High-Efficiency Particulate Arrestance)、または他の類似のフィルタを含むことができ、テント内の内容積部から抽出された空気を濾過する。
【0201】
現在の例では、フィルタ部材は、フィルタ本体1252を支持するフィルタ・フレーム1251を含む。この場合、コネクタは、フィルタ・フレーム1251によって形成され、フィルタ・フレームは、フレーム上でフィルタ取付け部1205に係合して、それにより、フィルタ部材をフレームに取り付ける。フィルタ取付け部1205は、典型的には、濾過システムの一部として提供され、フィルタ部材は、フィルタ取付け具とシール係合し、濾過システムが、フィルタ部材1250を通して内容積部からの空気を抽出することを可能にする。フィルタ取付け部1205およびフィルタ・フレーム1251は、摩擦嵌め、フックおよびアイ、締まり嵌め、またはクリップ嵌めなどの任意の適切な結合機構を使用して結合されることができる。
【0202】
現在の装置構成では、装置は、電気部品を含み、電気部品は、コネクタに電気的に接続されて、コネクタを介して電気信号が電気部品へ転送されるまたは電気部品から転送されることを可能にする。特に、この例では、フィルタ部材は、フィルタ・フレーム1251に装着され電気部品に電気的に接続された、第1および第2のフィルタ部材接触部1253を含む。フィルタ部材接触部1253は、フィルタ取付け部1205に取り付けられた対応するフレーム接触部1206に係合する。この場合、これは、テント1200とフレームとの間で信号が転送されるのを可能にする。特に、フレーム接触部1206は、典型的には、濾過ユニットやドア・アクチュエータなどの電気機器に電気的に接続され、それにより、電気部品を電気機器に電気的に接続する。
【0203】
たとえば、電気部品は、第1および第2のフィルタ部材接触部1253間に延びる導体1255を含むことができ、信号がテントを介して転送されるのを可能にする。これは、金属製の「電気ジャンパー」、PCB、または他の電気コネクタの形態であってよく、任意選択でフィルタ・フレーム1251内に成形され、たとえばフレーム内の機器に電力が供給されるのを可能にするために、回路を完成させるために使用され得る。たとえば、フレーム接触部は、フィルタ部材1250が正しく設置されたときにのみ、電力が濾過ユニットに供給されるように、電源1305および濾過ユニット1305に結合されてよい。これは、正しいフィルタ部材を含まないテントと共に装置が使用される場合、またはフィルタ部材が正しく設置されていない場合に、濾過ユニットの動作を防止する。これは、テントが正当なテントでなくまたは正しく設置されていない場合、濾過ユニットの失敗を通して通知を効果的に提供することによって、隔離が維持されることを保証するのを助けることができる。
【0204】
電気部品はまた、たとえば先に説明されたのと同様の様式で追加の検証を実行するための任意選択の識別タグ1256を含み得る。
【0205】
一実施形態では、フィルタ部材接触部1253は、フィルタ・フレームにおけるそれぞれの凹部1254に装着される。これは、フレーム接触部1206との係合を容易にするために使用されることができ、またはそれに2次的フィルタ部材1260が結合されるのを可能にするために使用されることができる。この例では、2次的フィルタ部材1260は、フレーム1261および本体1262、さらに2次的フィルタ接触部1263を含むことができ、2次的フィルタ接触部1263は、フィルタ接触部1253に係合して、さらなる電気部品および経路が作成されることを可能にする。
【0206】
図12Aから
図12Fの例では、電気接触部は、フィルタ部材1250の上部および底部に示されているが、これは必須ではなく、代替的に、接触部は、上部または底部のみ、またはフィルタの他の部分、たとえば、側面またはフレームの面などに設けられてよいことに留意されたい。
【0207】
図13Aおよび
図13Bの例では、フィルタ部材1250が電源1305.2から濾過ユニット1305へ電力を伝達するために単に使用される。しかしながら、他の装置構成が使用され得ることは理解されよう。
【0208】
次に、
図14Aおよび14Bを参照してさらなる例を説明するが、ここでは、参照番号は、それぞれ
図12Aから
図12Fおよび
図13Aおよび13Bの特徴と比較して200および100だけ増加される。
【0209】
この例では、隔離テント1400は、フィルタ部材の後壁1402に装着されるフィルタ部材1450を含み、テントは、典型的には、前壁および側壁1401、1403、屋根1404、およびドア1442をやはり含む。フィルタ部材1450は、電気接続を提供するための導体1455を含み、それにより、フレーム1410に装着された濾過システム1405に電力を供給する。フレームは、直立脚1411を含み、直立脚1411は、シザー・アームによって相互連結され、テントを支持するコネクタ1422を有する。
【0210】
この例では、システムはさらに、フット・ペダルまたは類似の形態のドア・アクチュエータ1440を含む。電力は、脚1411内の接続1431と、コネクタ1422と、テント本体を通過してフィルタ部材1450内の導体1455まで進む導体1430とを介して、ドア・アクチュエータ1440に供給される。
【0211】
したがって、この例では、濾過システムに電力を供給するだけでなく、フィルタ部材内の導体1455は、導体1430と共にテント本体を通ってドア・アクチュエータ1440に電力を提供するためにも使用される。
【0212】
【0213】
この例では、隔離テント1500は、フィルタ部材の後壁1502に装着されるフィルタ部材1550を含み、テントは、典型的には、前壁および側壁1501、1503、屋根1504、およびドア1542をやはり含む。フィルタ部材1550は、電気接続を提供するための導体1555を含み、それにより、フレーム1510に装着された濾過システム1505に電力を供給する。フレームは、直立脚1511を含み、直立脚1511は、シザー・アームによって相互連結され、テントを支持するコネクタ1522を有する。
【0214】
この例では、2つの導体1530.1、1530.2が設けられ、テント本体を通過してフィルタ部材内の導体1555まで進む。この例では、導体1530.1はドア・アクチュエータ1540.1に接続され、導体1530.2は、これが第2のドア・アクチュエータ1540.2に結合されることを可能にするコネクタ1530.3で終端する。
【0215】
【0216】
この例では、隔離テント1600は、フィルタ部材の後壁1602に装着されるフィルタ部材1650を含み、テントは、典型的には、前壁および側壁1601、1603、屋根1604、およびドア1642をやはり含む。フィルタ部材1650は、電気接続を提供するための導体1655を含み、それにより、フレーム1610に装着された濾過システム1605に電力を供給する。フレームは、直立脚1611を含み、直立脚1611は、シザー・アームによって相互連結され、テントを支持するコネクタ1622を有する。
【0217】
この例では、導体1630は、テントの前部にわたって該当するコネクタ1622の間に延びて、第1および第2のドア・アクチュエータ1640.1、1640.2が電気的に相互接続されることを可能にする。
【0218】
したがって、
図12Aから
図16Bの上記の例では、電気部品およびコネクタがフィルタ部材の一部を形成し、フレームに統合された濾過システムにフィルタ部材が取り付けられたときに、電気接続が形成される。この装置構成は、先に説明されたコネクタ装置構成に加えてまたは代えて使用され得ることは理解されよう。
【0219】
使用される手法に関わらず、上述された装置構成は、何らかの形態の電気部品を含むテントを提供し、これは、使用時に、何らかの様式でフレームにテントを取り付けるコネクタを介して機器に電気的に接続される。これは、角部もしくはテントの他の部分をフレームの脚などのフレームの部分に物理的に結合するコネクタ、および/または、フィルタ部材を空気濾過システムに接続するために使用されるコネクタを介することを含み得る。これは、電気部品が存在すると種々の機能性が選択的に実装されることを可能にし、それにより、テント本体の正しい設置がされたときのみに隔離装置が機能するようにする。
【0220】
上述された特徴は、独立してまたは併せて実装されることが可能であり、たとえば、電気部品、機械可読検証データ、空気フィルタ、統合されたドア、および取り付け方法などのうちの任意の1つまたは複数を統合する隔離テントを提供することは理解されよう。
【0221】
上記の例は、特に接触および飛沫型の感染伝播に関して隔離を実現することを目的とする隔離装置の提供に焦点を当てている。しかしながら、これは必須ではなく、空気感染に対する保護を提供するために装置が拡張されることができ、それにより、空気感染隔離室(AIIR)として機能する。
【0222】
上記の例は患者の形態の対象を隔離する際の隔離装置の使用に焦点を当てているが、上述された構成は、いずれの形態の隔離が必要とされる場合でも使用され得ることは理解されよう。たとえば、隔離装置は、汚染除去または滅菌処置中にベッドなどの機器を隔離するために使用されてよい。この例では、装置は、隔離を実現する際にやはり使用されており、この場合、物体または物品の形態の対象を隔離し、これがたとえばUV放射などへの暴露を通して汚染除去されることを可能にし、これが周辺環境の汚染のリスクなしに行われることを可能にし、または周辺環境のUV放射への暴露を防止する。したがって、機器が病室で汚染された場合、病室の人々または他の機器の汚染の機会を低減しながら、隔離装置がその場で機器の周りに立設され、汚染除去プロセスを行うために使用されることが可能である。したがって、装置は、幅広い状況で使用されることができ、任意の物体または物品を隔離するために使用されることができ、好ましい例としての患者への特定の言及が限定することを意図しないことは理解されよう。
【0223】
上記で隔離装置という用語が使用されているが、これは限定することを意図せず、国によっては一般にバリア予防策とも呼ばれる隔離を実現する装置構成を含むことが意図される。
【0224】
本明細書および添付の特許請求の範囲を通して、文脈が別段に要求しない限り、「備える」という語および「備えている」などの変形は、記載された整数または整数もしくはステップのグループを含むが、他の任意の整数または整数のグループを除外しないことを意味すると理解される。本明細書で使用され、別段に記載されない限り、「約」という用語は±20%を意味する。
【0225】
明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈で明確に別段に指示しない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。したがって、たとえば、「a support」への言及は複数の「supports」を含む。本明細書および添付の特許請求の範囲において、反対の意図が明らかでない限り、以下の意味を有するように定義されるべきいくつかの用語が参照される。
【0226】
多数の変形および修正が明らかになることを当業者は理解するであろう。当業者に明らかとなるすべてのそのような変形および修正は、本発明が説明される前に広く現れる趣旨および範囲内に入るものと考えられるべきである。