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特許7113872陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法
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  • 特許-陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法 図1
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  • 特許-陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法 図11
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  • 特許-陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法 図13
  • 特許-陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法 図14
  • 特許-陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法 図15
  • 特許-陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法 図16
  • 特許-陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法 図17
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/06 20060101AFI20220729BHJP
   A61L 9/16 20060101ALI20220729BHJP
   F01N 3/24 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
F24F7/06 C
A61L9/16 Z
F01N3/24 L
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020135366
(22)【出願日】2020-08-07
(65)【公開番号】P2022031003
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2020-08-07
(73)【特許権者】
【識別番号】516047175
【氏名又は名称】三菱重工パワーインダストリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】荒生 靖史
(72)【発明者】
【氏名】津村 俊一
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-021317(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111449854(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2005-0102420(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第1451918(CN,A)
【文献】特開平08-057026(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111364812(CN,A)
【文献】特開2006-000145(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第111035788(CN,A)
【文献】特開2021-186152(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 7/06
A61L 9/16
F01N 3/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者を内部に収容可能な陰圧室本体を備える陰圧室であって、
少なくとも1つの熱機関に前記陰圧室本体の内部の空気を送るための送気管をさらに備え、
前記陰圧室は、前記少なくとも1つの熱機関の作動により発生する吸引力により、前記陰圧室本体の内部が大気圧未満の陰圧に保持されるように構成され、
前記陰圧室本体に熱媒体を送るための複数の熱媒体供給ラインをさらに備え、
前記複数の熱媒体供給ラインは、前記陰圧室本体に加熱用の熱媒体である熱媒を送るための熱媒供給ラインと、前記陰圧室本体に冷却用の熱媒体である冷媒を送るための冷媒供給ラインと、を含み、
前記熱機関により発生される動力によって駆動される冷凍機であって、前記冷媒を冷却するように構成された冷凍機をさらに備え、
前記冷媒供給ラインは、前記冷凍機で冷却された前記冷媒を前記陰圧室本体に供給するように構成され
前記陰圧室本体は、内外を区画する複数の陰圧室壁部であって、床面を有する底壁部と、天井面を有する天井壁部と、を少なくとも含む複数の陰圧室壁部を含み、
前記熱媒供給ラインを流れる熱媒と前記陰圧室本体の内部の空気との間で熱交換を行うように構成された加熱用の熱交換器であって、前記底壁部の内部に配置される、又は前記床面に取り付けられる、加熱用の熱交換器と、
前記冷媒供給ラインを流れる前記冷媒と前記陰圧室本体の内部の空気との間で熱交換を行うように構成された冷却用の熱交換器であって、前記天井壁部の内部に配置される、又は前記天井面に取り付けられる、冷却用の熱交換器と、をさらに備える、
陰圧室。
【請求項2】
前記熱機関から供給される熱媒体と、前記陰圧室本体の内部の空気と、の間で熱交換を行うように構成された熱交換器をさらに備え、
前記熱交換器は、前記陰圧室本体の内部の空気を殺菌可能な温度以上に加熱するように構成された、
請求項に記載の陰圧室。
【請求項3】
前記熱機関で発生された蒸気を前記陰圧室に供給するための蒸気供給管をさらに備える、
請求項1又は2に記載の陰圧室。
【請求項4】
前記陰圧室本体の内部又は外部に配置された、内外を区画する壁部を有する蒸気滅菌室をさらに備え、
前記蒸気供給管は、前記蒸気滅菌室に接続された、
請求項3に記載の陰圧室。
【請求項5】
前記陰圧室本体は、少なくとも1つのコンテナからなる、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の陰圧室。
【請求項6】
前記複数の陰圧室壁部のうちの少なくとも1つの陰圧室壁部は、前記陰圧室本体から着脱可能に構成された、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の陰圧室。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか1項に記載の少なくとも1つの陰圧室と、
前記少なくとも1つの陰圧室に前記送気管を介して接続された少なくとも1つの熱機関と、を備える陰圧室の排気浄化システム。
【請求項8】
請求項7に記載の陰圧室の排気浄化システムを搭載し、自走可能に構成された移動体。
【請求項9】
使用者を内部に収容可能な陰圧室本体を備える陰圧室から排出される排気を浄化するための陰圧室の排気浄化方法であって、
前記陰圧室本体の内部の空気を少なくとも1つの熱機関に送る排気ステップと、
前記排気ステップにて前記少なくとも1つの熱機関に送られた前記空気を、前記少なくとも1つの熱機関により加熱殺菌する加熱殺菌ステップと、
前記少なくとも1つの熱機関の作動により発生する吸引力により、前記陰圧室本体の内部を大気圧未満の陰圧に保持する陰圧保持ステップと、
を備え、
前記熱機関において生じた熱を有する熱媒を介して、前記熱機関において生じた前記熱を前記陰圧室本体に供給するステップと、
前記熱機関により発生される動力によって駆動される冷凍機によって冷却された冷媒を介して、前記冷凍機によって生成された冷熱を前記陰圧室本体に供給するステップと、
前記陰圧室本体の床面を有する底壁部の内部に配置される、又は前記床面に取り付けられる、加熱用の熱交換器により、前記熱媒と前記陰圧室本体の内部の空気との間で熱交換を行うステップと、
前記陰圧室本体の天井面を有する天井壁部の内部に配置される、又は前記天井面に取り付けられる、冷却用の熱交換器により、前記冷媒と前記陰圧室本体の内部の空気との間で熱交換を行うステップと、
をさらに備える、陰圧室の排気浄化方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、感染症患者を隔離して収容するための設備として陰圧室が知られている。陰圧室は、陰圧室の内部を大気圧よりも低い陰圧に維持することで、菌やウイルスの室外への漏洩を抑制している。従来の陰圧室は、陰圧室の内部の空気を排気ファンにより陰圧室の外部に送るように構成し、陰圧室と排気ファンとの間にHEPAフィルタなどの高性能フィルタを設けることがあった。この高性能フィルタに菌やウイルスを付着させることで、陰圧室からの排気から菌やウイルスを除去していた。
【0003】
特許文献1には、陰圧室(隔離室)の排気口に空気浄化装置の吸引部が気密に接続され、排気口と吸引部との間に浄化手段(HAPAフィルタなどの細菌等補足用フィルタを含む)を配設することが開示されている。また、特許文献1には、浄化手段よりも排気の流れ方向における下流側の排出部や配管に、ヒータやバーナーなどの空気を加熱する加熱器を備えた加熱手段を設けることも開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第4420922号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
陰圧室と排気ファンとの間に設けられる高性能フィルタには、菌やウイルスが付着するため、使用後の高性能フィルタは、焼却処分する必要がある。使用後の高性能フィルタの焼却処分や焼却処分のための運搬の際に、作業従事者が高性能フィルタに付着した菌やウイルスにより感染する虞がある。また、上記高性能フィルタは元々、圧力損失が高いものであるため、排気ファンの消費電力が高いものとなる虞がある。排気ファンの運転を継続することで、高性能フィルタが目詰まりを起こし、高性能フィルタの圧力損失や排気ファンの消費電力がさらに高いものとなる虞がある。陰圧室の消費電力が高額化すると、陰圧室の運用コストが高額化する虞がある。
【0006】
上述した事情に鑑みて、本開示の少なくとも一実施形態の目的は、陰圧室からの排気を燃焼させることで、クリーンで安全な排気を実現でき、陰圧室の運用コストを低減できる陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる陰圧室は、
使用者を内部に収容可能な陰圧室本体を備える陰圧室であって、
少なくとも1つの熱機関に前記陰圧室本体の内部の空気を送るための送気管をさらに備え、
前記陰圧室は、前記少なくとも1つの熱機関の作動により発生する吸引力により、前記陰圧室本体の内部が大気圧未満の陰圧に保持されるように構成された。
【0008】
本開示にかかる陰圧室の排気浄化システムは、
少なくとも1つの前記陰圧室と、
前記少なくとも1つの陰圧室に前記送気管を介して接続された少なくとも1つの熱機関と、を備える。
【0009】
本開示にかかる移動体は、
前記陰圧室の排気浄化システムを搭載し、自走可能に構成された。
【0010】
本開示にかかる陰圧室の排気浄化方法は、
使用者を内部に収容可能な陰圧室本体を備える陰圧室から排出される排気を浄化するための陰圧室の排気浄化方法であって、
前記陰圧室本体の内部の空気を少なくとも1つの熱機関に送る排気ステップと、
前記排気ステップにて前記少なくとも1つの熱機関に送られた前記空気を、前記少なくとも1つの熱機関により加熱殺菌する加熱殺菌ステップと、
前記少なくとも1つの熱機関の作動により発生する吸引力により、前記陰圧室本体の内部を大気圧未満の陰圧に保持する陰圧保持ステップと、
を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示の少なくとも一実施形態によれば、陰圧室からの排気を燃焼させることで、クリーンで安全な排気を実現でき、陰圧室の運用コストを低減できる陰圧室、該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システム、該陰圧室の排気浄化システムを備える移動体、および陰圧室の排気浄化方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図2】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの蒸気供給管を説明するための説明図である。
図3】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの蒸気供給管および蒸気滅菌室を説明するための説明図である。
図4】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの蒸気供給管および蒸気滅菌室を説明するための説明図である。
図5】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図6】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図7】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図8】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図9】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図10】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムであって、船舶に搭載された陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図11】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムであって、船舶に搭載された陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
図12】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムを概略的に示す概略斜視図である。
図13】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムを搭載した移動体の一例を説明するための説明図である。
図14】陰圧室本体に取り付けられた熱機関収容ケースの一例を説明するための説明図である。
図15】陰圧室本体に取り付けられた熱機関収容ケースの一例を説明するための説明図である。
図16】本開示の一実施形態における陰圧室本体の一例を説明するための説明図である。
図17】本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化方法の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して本開示の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本開示の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
なお、同様の構成については同じ符号を付し説明を省略することがある。
【0014】
(陰圧室の排気浄化システム)
図1は、本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
幾つかの実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システム1は、図1に示されるように、少なくとも1つの陰圧室2と、少なくとも1つの熱機関3と、を備える。陰圧室2は、使用者を内部に収容可能な陰圧室本体4と、少なくとも1つの熱機関3に陰圧室本体4の内部の空気を送るための送気管5と、を備える。
【0015】
(陰圧室本体)
図1に示されるように、陰圧室本体4は、内外を区画する少なくとも1つの陰圧室壁部41を含む。少なくとも1つの陰圧室壁部41により、陰圧室本体4の内部に空気が充満可能な内部空間40が形成されている。
【0016】
図示される実施形態では、陰圧室本体4は、複数の陰圧室壁部41を含む。複数の陰圧室壁部41は、床面421を有する底壁部42と、天井面431を有する天井壁部43と、床面421と天井面431とを繋ぐ内面441を有する周壁部44と、を含む。床面421および天井面431の夫々は、水平方向に沿って延在し、天井面431は、床面421に対面している。上述した内部空間40は、床面421、天井面431および内面441により画定される。図1に示される実施形態では、周壁部44は、内部空間40の長手方向に沿って延在して互いに対面する一対の長手壁部45A、45Bと、内部空間40の短手方向に沿って延在して互いに対面する一対の短手壁部46A、46Bであって、一対の長手壁部45A、45Bの端部同士を繋ぐ一対の短手壁部46A、46Bと、を含む。
【0017】
陰圧室本体4の周壁部44には、内部空間40に対して人が出入り可能な少なくとも1つの出入口47、および出入口47を開閉する少なくとも1つの扉48が設けられる。図1に示される実施形態では、出入口47および扉48は、短手壁部46Aに設けられる。扉48は、短手壁部46Aに沿って水平方向に移動することで、出入口47を開閉可能なスライド扉48Aからなる。
【0018】
陰圧室本体4の周壁部44には、陰圧室本体4の外部から内部(内部空間40)に空気を導くための吸気口442と、陰圧室本体4の内部(内部空間40)に存在する空気を陰圧室本体4の外部に排出するための排気口443と、が形成されている。吸気口442および排気口443の夫々は、周壁部44の内外を貫通する貫通孔からなる。なお、吸気口442および排気口443の夫々は、底壁部42や天井壁部43に形成されていてもよい。
【0019】
(熱機関)
図1に示されるように、熱機関3は、燃料を燃焼させるための燃焼部31を含み、燃焼部31における燃焼により生じたエネルギーで動力を発生させるように構成されたものである。或る実施形態では、熱機関3は、後述するガスタービン3A、エンジン3Bおよびボイラ3Cの少なくとも1つを含むものである。
【0020】
図示される実施形態では、熱機関3は、燃焼部31における燃焼に供される燃料を、燃焼部31に供給するように構成された燃料供給部32と、燃焼部31における燃焼に供される空気を、熱機関3の外部から燃焼部31に導入するための空気導入部33と、燃焼部31における燃焼により生じた排気を、熱機関3の外部に排出するための排気排出部34と、を含む。
【0021】
図示される実施形態では、陰圧室の排気浄化システム1は、燃焼部31における燃焼に供される燃料を貯留するように構成された燃料貯留装置(燃焼貯留タンク)11と、燃料貯留装置11に一方側が接続され、他方側が上述した燃料供給部32に接続された燃料供給管12と、をさらに備える。燃料供給部32には、燃料貯留装置11から燃料供給管12を通じて燃料が送られる。燃料供給部32は、燃料を噴射するためのノズルを含む。燃焼部31は、燃料供給部32から供給された燃料、および空気導入部33から導入された空気を燃焼させる。燃焼部31における燃焼により生じた排気は、排気排出部34を通じて熱機関3の外部に排出される。
【0022】
(発電機)
図示される実施形態では、陰圧室の排気浄化システム1は、熱機関3の出力を用いて発電可能な発電機13をさらに備える。図1に示される実施形態では、熱機関3は、燃焼部31(熱機関3)にて発生させた動力により回転可能な回転シャフト35を有し、発電機13は、回転シャフト35に機械的に接続され、熱機関3が発生させた動力、すなわち、回転シャフト35の回転力、を動力源として発電するように構成されている。
【0023】
(送気管)
図1に示されるように、送気管5は、陰圧室本体4の排気口443に一方側51が接続され、他方側52が熱機関3に接続される。図示される実施形態では、送気管5の他方側52は、熱機関3の空気導入部33に接続される。なお、送気管5の他方側52の接続先は、熱機関3(燃焼部31)にて生じた熱により、送気管5から送られる空気中の菌やウイルスを滅菌することが可能な箇所であればよく、燃焼部31における燃焼により昇温した排気が流れる排気排出部34でもよい。
【0024】
図示される実施形態では、図1に示されるように、上述した陰圧室の排気浄化システム1は、送気管5を開閉するように構成された送気側バルブ53と、送気側バルブ53の開閉を制御するように構成された制御装置10と、をさらに備える。
【0025】
送気側バルブ53は、制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10から送られる信号に応じて作動する不図示のモータおよびアクチュエータを有し、制御装置10の開閉指示に応じて開閉可能に構成されている。制御装置10は、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、及びI/Oインターフェイスなどからなるマイクロコンピュータとして構成されている。送気側バルブ53は、制御装置10の指示に応じて開閉することで、送気管5の送気側バルブ53よりも下流側(熱機関3側)へ流れる空気の流量を調整可能である。
【0026】
熱機関3は、詳細は後述するが、その作動により送気管5の一方側51から他方側52に空気を送る吸引力を発生させるように構成されている。
【0027】
陰圧室の排気浄化システム1は、発電機13が発電した電力を供給するための少なくとも1つの電力供給ライン6と、をさらに備える。電力供給ライン6の電力の供給先には、陰圧室本体4が含まれる。少なくとも1つの電力供給ライン6は、発電機13に一方側61が接続され、他方側62が陰圧室本体4に接続された第1の電力供給ライン6Aを含む。第1の電力供給ライン6Aを通じて発電機13から陰圧室本体4に供給された電力により、陰圧室本体4の付随設備(照明などの電気設備や、エアコンなどの空調設備を含む)が動作する。
【0028】
送気管5の送気側バルブ53を開き、熱機関3が吸引力を発生させることで、陰圧室本体4の内部の空気が送気管5の一方側51から送気管5の内部に吸引される。これにより、陰圧室本体4の内部が大気圧未満の陰圧に保持される。送気管5の内部に吸引された空気は、上記吸引力により、送気管5を一方側51から他方側52に流れた後に、熱機関3(図示例では空気導入部33)に送られる。送気管5を通じて陰圧室本体4の内部から熱機関3に送られた空気には、菌やウイルスが含まれることがあるが、熱機関3(燃焼部31)において生じた熱により、陰圧室本体4から送られた空気を加熱することにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができる。図示例では、陰圧室本体4から燃焼部31に送られた空気を、燃焼部31にて燃焼させることにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができる。
【0029】
幾つかの実施形態にかかる陰圧室2は、使用者を内部に収容可能な上述した陰圧室本体4と、上述した少なくとも1つの熱機関3に陰圧室本体4の内部の空気を送るための送気管5と、を備え、少なくとも1つの熱機関3の作動により発生する吸引力により、陰圧室本体4の内部が大気圧未満の陰圧に保持されるように構成された。
【0030】
上記の構成によれば、熱機関3の作動により発生した吸引力により、送気管5を通じて陰圧室本体4の内部の空気が熱機関3に送られる。熱機関3において生じた熱により、陰圧室本体4から送られた空気を加熱させることにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、クリーンで安全な排気が実現できる。この場合には、陰圧室本体4からの排気が流れる排気流路(送気管5など)への高性能フィルタの配設が不要になる。排気流路に高性能フィルタを配設しないことで、高性能フィルタによる圧力損失が生じないので、陰圧室本体4から空気を排出するために必要な電力を小さなものにできる。これにより、陰圧室2の消費電力を抑制できる。
【0031】
また、上記の構成によれば、陰圧室2は、熱機関3の作動により発生した吸引力を利用することで、陰圧室本体4の内部を陰圧に保持できる。これにより、陰圧室2の消費電力を抑制でき、陰圧室2の運用コストを低減できる。
【0032】
幾つかの実施形態では、図1に示されるように、上述した陰圧室2は、熱機関3から供給される熱媒体により、陰圧室本体4の内部の温度を調整するように構成されたものである。
【0033】
図示される実施形態では、図1に示されるように、上述した陰圧室の排気浄化システム1は、陰圧室本体4に熱媒体を送るための少なくとも1つの熱媒体供給ライン7をさらに備える。図1に示される実施形態では、少なくとも1つの熱媒体供給ライン7は、複数の熱媒体供給ライン7を含む。複数の熱媒体供給ライン7は、陰圧室本体4に加熱用の熱媒体(熱媒)を送るための熱媒供給ライン7Aと、陰圧室本体4に冷却用の熱媒体(冷媒)を送るための冷媒供給ライン7Bと、を含む。
【0034】
熱媒供給ライン7Aは、熱機関3(燃焼部31)において生じた熱を有する熱媒体(熱媒)をそのまま陰圧室2(陰圧室本体4)に供給してもよいし、熱機関3(燃焼部31)において生じた熱を有する熱媒体(熱媒)と熱交換を行った他の熱媒体(中間熱媒)を陰圧室2(陰圧室本体4)に供給してもよい。
【0035】
冷媒供給ライン7Bは、熱機関3により発生される動力によって、冷却した熱媒体(冷媒)を陰圧室2(陰圧室本体4)に供給するようになっている。ここで、熱機関3により発生される動力には、回転シャフト35の回転力や発電機13が発電した電力が含まれる。なお、上記陰圧室2に熱機関3から供給される熱媒体には、上記熱媒だけでなく、上記中間熱媒や上記冷媒が含まれる。
【0036】
図示される実施形態では、図1に示されるように、熱媒供給ライン7A(7C)は、中間熱媒を送るための中間熱媒配管71と、中間熱媒配管71に設けられる中間熱媒ポンプ72と、排気排出部34を流れる排気と中間熱媒配管71を流れる中間熱媒との間で熱交換を行うように構成された中間熱媒加熱器(熱交換器)73と、を含む。中間熱媒ポンプ72は、中間熱媒を下流側(熱交換部71A側)に送るように構成されている。図1に示される実施形態では、熱媒供給ライン7A(7C)は、中間熱媒を循環させるように構成されている。
【0037】
図示される実施形態では、図1に示されるように、上述した陰圧室2は、中間熱媒配管71における中間熱媒加熱器73よりも下流側に位置する熱交換部71Aを流れる中間熱媒と、陰圧室本体4に流通可能な空気と、の間で熱交換を行うように構成された加熱用の熱交換器21を備える。図1に示される実施形態では、熱交換部71Aを含む熱交換器21は、陰圧室本体4の内部に配置されている。熱交換器21は、図1に示されるように、床面421に取り付けてもよいし、底壁部42の内部に配置してもよい。陰圧室本体4の内部の空気は、熱交換器21により熱交換部71Aを流れる中間熱媒の熱が伝達されることで、加熱される。これにより、陰圧室本体4の内部が昇温される。なお、他の幾つかの実施形態では、吸気口442に接続される入口ダクト22の内部に熱交換器21を配置してもよい。この場合には、熱交換器21により加熱された入口ダクト22内の空気が、吸気口442を通じて陰圧室本体4の内部に導入されることで、陰圧室本体4の内部が昇温される。
【0038】
図示される実施形態では、図1に示されるように、冷媒供給ライン7B(7D)は、冷媒を送るための冷媒配管74と、冷媒配管74に設けられる冷媒ポンプ75と、冷媒配管74の冷媒冷却部74Aを冷却するように構成された冷凍機76と、を含む。冷媒冷却部74Aは、冷凍機76の内部に位置している。冷媒ポンプ75は、冷媒を下流側(熱交換部74B)に送るように構成されている。図1に示される実施形態では、冷媒供給ライン7B(7D)は、冷媒を循環させるように構成されている。
【0039】
図示される実施形態では、冷凍機76は、発電機13の回転シャフト35に機械的に接続された従動シャフト131に機械的に接続され、熱機関3が発生させた動力、すなわち、回転シャフト35の回転力、を動力源として駆動し、冷媒冷却部74Aを冷却するように構成されている。なお、他の実施形態では、電力供給ライン6の電力の供給先には、冷凍機76を含み、冷凍機76は、発電機13から供給される電力により駆動し、冷媒冷却部74Aを冷却するように構成されていてもよい。
【0040】
図示される実施形態では、図1に示されるように、上述した陰圧室2は、冷媒配管74における冷媒冷却部74Aよりも下流側に位置する熱交換部74Bを流れる冷媒と、陰圧室本体4に流通可能な空気と、の間で熱交換を行うように構成された冷却用の熱交換器23を備える。図1に示される実施形態では、熱交換部74Bを含む熱交換器23は、陰圧室本体4の内部に配置されている。熱交換器23は、図1に示されるように、天井面431に取り付けてもよいし、天井壁部43の内部に配置してもよい。陰圧室本体4の内部の空気は、熱交換器23により熱交換部74Bを流れる冷媒に熱が伝達されることで、冷却される。これにより、陰圧室本体4の内部が降温される。なお、他の幾つかの実施形態では、吸気口442に接続される入口ダクト22の内部に熱交換器23を配置してもよい。この場合には、熱交換器23により冷却された入口ダクト22内の空気が、吸気口442を通じて陰圧室本体4の内部に導入されることで、陰圧室本体4の内部が降温される。
【0041】
図示される実施形態では、図1に示されるように、上述した陰圧室の排気浄化システム1は、中間熱媒配管71(熱媒供給ライン7A)を開閉するように構成された熱媒側バルブ77と、冷媒配管74(冷媒供給ライン7B)を開閉するように構成された冷媒側バルブ78と、をさらに備える。熱媒側バルブ77は、中間熱媒配管71(熱媒供給ライン7A)における熱交換部71Aよりも熱媒の流れ方向における上流側に設けられる。冷媒側バルブ78は、冷媒配管74(冷媒供給ライン7B)における熱交換部74Bよりも冷媒の流れ方向における上流側に設けられる。上述した制御装置10は、熱媒側バルブ77および冷媒側バルブ78の夫々の開閉を制御するように構成されたものである。
【0042】
熱媒側バルブ77および冷媒側バルブ78の夫々は、制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10から送られる信号に応じて作動する不図示のモータおよびアクチュエータを有し、制御装置10の開閉指示に応じて開閉可能に構成されている。熱媒側バルブ77は、制御装置10の指示に応じて開閉することで、中間熱媒配管71の熱媒側バルブ77よりも下流側へ流れる熱媒の流量を調整可能である。冷媒側バルブ78は、制御装置10の指示に応じて開閉することで、冷媒配管74の冷媒側バルブ78よりも下流側へ流れる冷媒の流量を調整可能である。
【0043】
制御装置10は、熱媒側バルブ77および冷媒側バルブ78の夫々に対して開閉指示を行い、陰圧室2に送られる熱媒の流量および冷媒の流量の夫々を調整することで、陰圧室本体4の内部の温度を調整可能である。なお、陰圧室本体4の内部の温度の調整には、陰圧室本体4の内部の温度を昇温又は降温させることだけでなく、陰圧室本体4の内部の温度を所定温度に維持することも含まれる。
【0044】
上記の構成によれば、陰圧室2は、熱機関3から供給される熱媒体を利用することで、陰圧室本体4の内部の温度を調整するための空調設備を別途稼働させなくても、陰圧室本体4の内部の温度を調整できる。これにより、陰圧室2の消費電力を抑制でき、ひいては陰圧室2の運用コストを低減できる。
【0045】
幾つかの実施形態では、上述した陰圧室2は、上述した熱機関3から供給される熱媒体と、上述した陰圧室本体4の内部の空気と、の間で熱交換を行うように構成された熱交換器21を備え、熱交換器21は、陰圧室本体4の内部の空気を殺菌可能な温度以上に加熱するように構成されたものである。一般的に空気の温度を100℃以上に加熱することで、空気中の菌やウイルスを滅菌できる。このため、或る実施形態では、熱交換器21は、陰圧室本体4の内部の空気を100℃以上に加熱するように構成されている。また、或る実施形態では、熱交換器21は、陰圧室本体4の内部の空気を乾熱滅菌が可能な温度、すなわち160℃以上200℃以下に加熱するように構成されることが好ましい。
【0046】
陰圧室本体4を使用者が使用した後に、陰圧室本体4の内部を滅菌する必要がある。陰圧室本体4の内部に人がいないときに、上述した熱媒側バルブ77を開いて上述した熱交換部71Aに中間熱媒を送ることで、上述した熱交換器21における熱交換により陰圧室本体4の内部の空気が殺菌可能な温度(例えば、100℃)以上に加熱される。なお、陰圧室本体4は、殺菌可能な温度(例えば、100℃)以上の加熱に耐え得る耐熱強度を有している。
【0047】
上記の構成によれば、熱交換器21により、陰圧室本体4の内部の空気を殺菌可能な温度以上に加熱することで、陰圧室本体4の内部の空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、陰圧室本体4の内部をクリーンな環境にすることができる。なお、加熱状態を一定時間保つことで高い滅菌効果が期待できる。また、上記の構成によれば、熱交換器21により、熱機関3から供給される熱媒体を利用することで、電気を動力源とする加熱装置を別途稼働させなくても、陰圧室本体4の内部の空気を殺菌可能な温度以上に加熱することができる。これにより、陰圧室2の消費電力を抑制でき、ひいては陰圧室2の運用コストを低減できる。
【0048】
図2は、本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの蒸気供給管を説明するための説明図である。図3および図4の夫々は、本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの蒸気供給管および蒸気滅菌室を説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、図2図4に示されるように、上述した陰圧室2は、熱機関3で発生された蒸気を陰圧室2に供給するための蒸気供給管24を備える。
【0049】
図示される実施形態では、熱機関3は、燃焼部31における燃焼により蒸気を発生するように構成されたものである。熱機関3により発生される蒸気は、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)が可能な高温高圧になっている。熱機関3は、熱機関3により発生される蒸気を熱機関3の外部に排出するための蒸気排出部30を含む。なお、排気排出部34から排出される排気が高温高圧の蒸気になっている場合には、排気排出部34を蒸気排出部30として適用してもよい。
【0050】
蒸気供給管24は、上述した蒸気排出部30に一方側241が接続され、他方側242が陰圧室2(陰圧室本体4又は後述する蒸気滅菌室8)に接続されている。蒸気排出部30を流れる蒸気は、熱機関3にて加圧された状態となるため、その自圧により下流側(陰圧室2側)に流れるようになっている。このため、蒸気排出部30を流れる蒸気は、蒸気供給管24の一方側241から蒸気供給管24の内部に導入され、蒸気供給管24を一方側241から他方側242に流れた後に、陰圧室2に導入される。
【0051】
図示される実施形態では、図2図4に示されるように、上述した陰圧室2は、蒸気供給管24を開閉するように構成された蒸気側バルブ25をさらに備える。上述した制御装置10は、蒸気側バルブ25の開閉を制御するように構成されたものである。蒸気側バルブ25は、制御装置10の指示に応じて開閉することで、蒸気供給管24の蒸気側バルブ25よりも下流側へ流れる熱媒の流量を調整可能である。
【0052】
図2に示される実施形態では、蒸気供給管24の他方側242は、陰圧室本体4の周壁部44(陰圧室壁部41)に形成された蒸気導入孔444に接続されている。蒸気導入孔444は、周壁部44の内外を連通させる貫通孔からなる。熱機関3により発生される蒸気を、蒸気供給管24を通じて陰圧室本体4の内部空間40に送り、内部空間40に高温高圧の蒸気を充満させることで、陰圧室本体4の内部において高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)を行うことができる。
【0053】
上記の構成によれば、蒸気供給管24により、熱機関3で発生された蒸気を陰圧室2に供給することで、陰圧室2において高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)を行うことができる。高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)は、一定温度を一定時間以上保持する乾熱滅菌方法では滅菌できなかったプラスチックの滅菌が可能である。これにより、陰圧室2をクリーンな環境にすることができる。また、上記の構成によれば、蒸気供給管24により熱機関3で発生された蒸気を利用することで、電気を動力源とする蒸気滅菌装置を別途用意して稼働させなくても、陰圧室2において高圧蒸気滅菌を行うことができる。これにより、陰圧室2の消費電力を抑制でき、陰圧室2の導入コストおよび運用コストを低減できる。
【0054】
幾つかの実施形態では、上述した陰圧室2は、図3および図4に示されるように、上述した陰圧室本体4の内部又は外部に配置された、内外を区画する壁部を有する蒸気滅菌室8をさらに備える。上述した蒸気供給管24は、蒸気滅菌室8に接続されている。
【0055】
図示される実施形態では、蒸気滅菌室8は、陰圧室本体4よりも小型であり、内外を区画する少なくとも1つの滅菌室壁部81を含む。少なくとも1つの滅菌室壁部81により、蒸気滅菌室8の内部に空気が充満可能な内部空間80が形成されている。蒸気供給管24の他方側242は、滅菌室壁部81に形成された蒸気導入孔82に接続されている。蒸気導入孔811は、滅菌室壁部81の内外を連通させる貫通孔からなる。熱機関3により発生される蒸気を、蒸気供給管24を通じて蒸気滅菌室8の内部空間80に送り、内部空間80に高温高圧の蒸気を充満させることで、蒸気滅菌室8の内部において高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)を行うことができる。これにより、蒸気滅菌室8の内部に置かれた医療器具などの滅菌対象物を滅菌できる。
【0056】
図示される実施形態では、蒸気滅菌室8の滅菌室壁部81には、内部空間40に対して医療器具などの滅菌対象物を出し入れ可能な少なくとも1つの開口83、および開口83を開閉する少なくとも1つの扉84が設けられる。
【0057】
図3に示される実施形態では、蒸気滅菌室8は、陰圧室本体4の内部に配置されており、開口83を通じて内部空間40と内部空間80とを連通可能になっている。図4に示される実施形態では、蒸気滅菌室8は、陰圧室本体4の外部に陰圧室本体4に隣接して配置されており、開口83を通じて内部空間40と内部空間80とを連通可能になっている。
【0058】
上記の構成によれば、蒸気供給管24により、熱機関3で発生された蒸気を蒸気滅菌室8に供給することで、蒸気滅菌室8の内部において高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)を行うことができる。上述したように、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)は、一定温度を一定時間以上保持する乾熱滅菌方法では滅菌できなかったプラスチックの滅菌が可能である。高圧蒸気滅菌する対象を蒸気滅菌室8の内部に限定することで、陰圧室本体4の耐圧強度を高圧蒸気滅菌に耐え得る強度まで向上させなくても済むので、陰圧室本体4の重量化や高価格化を抑制できる。
【0059】
図5は、本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
幾つかの実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システム1は、図5に示されるように、複数の上述した陰圧室2と、1つの熱機関3と、を備える。図示される実施形態では、複数の陰圧室2の夫々の送気管5が合流した後に、1つの熱機関3に接続されている。このため、熱機関3には、複数の陰圧室2から排気が送られる。上述した第1の電力供給ライン6Aは、1つの発電機13に一方側が接続され、他方側が複数に分岐して陰圧室本体4の夫々に接続されている。このため、1つの発電機13が発生させた電力が複数の陰圧室本体4に供給される。
【0060】
図示される実施形態では、上述した熱媒体供給ライン7は、1つの熱機関3から供給される熱媒体(熱媒、冷媒)を複数の陰圧室本体4の夫々に供給するように構成されたものである。なお、上述した蒸気供給管24は、1つの熱機関3で発生された蒸気を複数の陰圧室2(陰圧室本体4又は蒸気滅菌室8)の夫々に供給するように構成されていてもよい。
【0061】
なお、上述した幾つかの実施形態では、陰圧室2と熱機関3とが、一対一又は多対一の場合について説明したが、本開示は、陰圧室2と熱機関3とが、一対多の場合にも適用可能である。
【0062】
図6図9の夫々は、本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。図6図9に示されるように、幾つかの実施形態では、陰圧室本体4は、陸上に設けられた構造物14の内部に設置される。なお、他の幾つかの実施形態では、陰圧室本体4は、屋外に設置されてもよい。陰圧室の排気浄化システム1を構造物14の内部に設けてもよい。
【0063】
(陸上発電用のガスタービン)
幾つかの実施形態では、図6に示されるように、上述した熱機関3は、ガスタービン3Aを少なくとも含む。ガスタービン3Aは、上述した燃焼部31と、上述した燃料供給部32と、上述した空気導入部33と、上述した回転シャフト35と、回転シャフト35に取り付けられたコンプレッサインペラ36と、を有する。ガスタービン3Aは、燃料供給部32を通じて燃焼部31に供給された液化天然ガスなどのガス燃料を、燃焼部31において燃焼させることにより、動力(回転シャフト35の回転力)を取得するように構成されている。ガスタービン3Aは、回転シャフト35の回転力によりコンプレッサインペラ36を回転させることで、吸引力を発生させ、該吸引力により空気導入部33にて空気を外部から取り込んでいる。
【0064】
図示される実施形態では、図6に示されるように、熱機関3の空気導入部33は、送気管5の他方側52に形成された送気排出口54の外周側を覆う筒状部331を含む。筒状部331は、送気排出口54の開口方向(図中右側)とは反対側に開口している外気導入口332を有する。ガスタービン3Aが発生させた吸引力により、外気導入口332から外気が空気導入部33に導入される際に、エゼクタ効果により送気管5から空気導入部33に空気が吸引されるように構成されている。この場合には、陰圧室本体4の内部の空気が送気管5の一方側51から送気管5の内部に吸引されるため、陰圧室本体4の内部を大気圧未満の陰圧に保持できる。
【0065】
図示される実施形態では、図6に示されるように、上述した熱機関3は、ガスタービン3Aからの排気が導入されるように構成された排熱回収ボイラ37をさらに含む。排熱回収ボイラ37は、ガスタービン3Aからの排気の熱を回収し、回収した熱により水を加熱して蒸気を発生させる熱交換器からなる。排熱回収ボイラ37は、ガスタービン3Aからの排気を導入するための排気導入部371と、排熱回収ボイラ37から外部へ排気を排出するための排気排出部372(排気排出部34)と、排熱回収ボイラ37により発生させた蒸気を排熱回収ボイラ37の外部に排出するための蒸気排出部373(蒸気排出部30)と、を含む。なお、図6に示されるように、排気排出部372(排気排出部34)における排気の温度を取得する温度取得装置(図示例では、温度センサ)374を設け、該排気の温度が陰圧室本体4からの排気を殺菌可能な殺菌温度以上になっているか確認してもよい。
【0066】
図6に示される実施形態では、熱媒供給ライン7A(7E)や蒸気供給管24は、蒸気排出部373に一方側が接続され、陰圧室2(図示例では、陰圧室本体4)に他方側が接続されている。この場合には、蒸気排出部373から排出される蒸気や熱水を、陰圧室本体4内の空調や高温殺菌、陰圧室本体4又は蒸気滅菌室8の高圧蒸気滅菌に活用できる。
【0067】
図6に示される実施形態では、上述した冷媒供給ライン7B(7F)は、上述した冷凍機76に一方側が接続され、陰圧室2(図示例では、陰圧室本体4)に他方側が接続されている。冷凍機76は、ガスタービン3Aが発生させた動力、すなわち、回転シャフト35の回転力、を動力源として駆動し、冷媒を冷却するように構成されている。この場合には、ガスタービン3Aが発生させた動力を陰圧室本体4内の空調に活用できる。
【0068】
(陸上発電用のエンジンおよび過給機)
幾つかの実施形態では、図7に示されるように、上述した熱機関3は、エンジン3Bと、エンジン3Bに取り付けられたターボチャージャ38(過給機)と、を含む。ターボチャージャ38は、上述した空気導入部33と、上述した回転シャフト35と、回転シャフト35に取り付けられたコンプレッサインペラ381を含むコンプレッサ382と、回転シャフト35に取り付けられたタービンロータ383を含むタービン384と、を有する。空気導入部33は、コンプレッサ382の内部に空気を導入するためのコンプレッサ382の吸気入口に設けられる。エンジン3Bは、上述した燃焼部31、上述した燃料供給部32、コンプレッサインペラ381により圧縮された空気を導入するための空気導入部301と、上述した排気排出部34と、を有する。
【0069】
エンジン3Bは、空気導入部301から圧縮空気を導入し、燃料供給部32を通じて燃焼部31に供給された液化天然ガスなどの燃料を、燃焼部31において燃焼させるように構成されている。タービン384には、エンジン3Bの排気排出部34から排出された排気が導入され、該排気がタービンロータ383を回転させる。タービンロータ383の回転に連動して回転シャフト35が回転する。ターボチャージャ38は、回転シャフト35の回転力によりコンプレッサインペラ381を回転させることで、吸引力を発生させ、該吸引力により燃料供給部32にて空気を外部から取り込んでいる。
【0070】
図示される実施形態では、図7に示されるように、熱機関3の空気導入部33は、上述した外気導入口332を有する筒状部331を含む。コンプレッサ382が発生させた吸引力により、外気導入口332から外気が空気導入部33に導入される際に、エゼクタ効果により送気管5から空気導入部33に空気が吸引されるように構成されている。この場合には、陰圧室本体4の内部の空気が送気管5の一方側51から送気管5の内部に吸引されるため、陰圧室本体4の内部を大気圧未満の陰圧に保持できる。
【0071】
図7に示される実施形態では、熱媒供給ライン7A(7G)や蒸気供給管24は、中間熱媒を送るための中間熱媒配管71Gと、中間熱媒配管71Gに設けられる中間熱媒ポンプ72Gであって、中間熱媒を下流側(陰圧室2側)に送るように構成された中間熱媒ポンプ72Gと、エンジン3Bの燃焼部31にて生じた熱により、中間熱媒配管71Gを流れる中間熱媒を加熱するように構成された中間熱媒加熱器73Gと、を含む。中間熱媒配管71Gは、中間熱媒加熱器73Gに一方側が接続され、陰圧室2(図示例では、陰圧室本体4)に他方側が接続されている。この場合には、エンジン3Bの排気排出部34から排出された排気の熱により生成される蒸気や熱水を、陰圧室本体4内の空調や高温殺菌、陰圧室本体4又は蒸気滅菌室8の高圧蒸気滅菌に活用できる。なお、図7に示される実施形態では、中間熱媒加熱器73Gは、エンジン3Bの排気排出部34から排出された排気と、中間熱媒配管71Gを流れる中間熱媒と、の間で熱交換を行うように構成されているが、この構成に限定される訳ではない。
【0072】
図7に示される実施形態では、上述した冷媒供給ライン7B(7F)は、上述した冷凍機76に一方側が接続され、陰圧室2(図示例では、陰圧室本体4)に他方側が接続されている。冷凍機76は、ターボチャージャ38が発生させた動力、すなわち、回転シャフト35の回転力、を動力源として駆動し、冷媒を冷却するように構成されている。この場合には、ターボチャージャ38が発生させた動力を陰圧室本体4内の空調に活用できる。
【0073】
なお、上述した幾つかの実施形態では、過給機としてターボチャージャ38を例に挙げて説明したが、エンジン3Bの軸動力による過給を行うように構成されたスーパーチャージャに本開示の幾つかの実施形態を適用してもよい。或る実施形態では、スーパーチャージャは、空気導入部33と、回転シャフト35と、回転シャフト35に取り付けられたコンプレッサインペラ381を含むコンプレッサ382と、を有していてもよい。
【0074】
(陸上発電用のボイラ)
幾つかの実施形態では、図8に示されるように、上述した熱機関3は、ボイラ3Cに空気(給気)を送るように構成された押込通風機(FDF)39A、又はボイラ3Cからの排気を下流側に送るように構成された誘引通風機(IDF)39B、の少なくとも一方と、ボイラ3Cと、ボイラ3Cにより生成された蒸気により駆動するように構成された蒸気タービン3Dと、を含む。図示される実施形態では、熱機関3は、ボイラ3Cと、蒸気タービン3Dと、押込通風機39Aと、誘引通風機39Bと、を含む。
【0075】
押込通風機39Aは、ボイラ3Cよりも空気(給気)の流れ方向における上流側に設けられる。誘引通風機39Bは、ボイラ3Cの燃焼部31における燃焼により生じた排気の流れ方向におけるボイラ3Cよりも下流側に設けられる。押込通風機39Aおよび誘引通風機39Bの夫々は、送気管5の一方側51から他方側52に空気を送る吸引力を発生させるように構成されている。押込通風機39Aは、ボイラ3Cに空気を送風するように構成された送風ファンを含む。誘引通風機39Bは、ボイラ3Cからの排気を下流側に送風するように構成された送風ファンを含む。
【0076】
図示される実施形態では、空気導入部33は、押込通風機39Aに設けられる。ボイラ3Cは、上述した燃焼部31と、上述した燃料供給部32と、押込通風機39Aから送られた空気をボイラ3Cの内部に導入するための空気導入部302と、ボイラ3Cの内部にボイラ給水を導入するためのボイラ給水導入部303と、上述した排気排出部34と、ボイラ3Cにより発生させた蒸気をボイラ3Cの外部に排出するための蒸気排出部304と、を有する。蒸気タービン3Dは、蒸気排出部304から排出された蒸気を蒸気タービン3Dの内部に導入するための蒸気導入部305と、上述した回転シャフト35と、回転シャフト35に取り付けられたタービンロータ306と、を有する。
【0077】
図示される実施形態では、陰圧室の排気浄化システム1は、ボイラ給水を貯留するように構成されたボイラ給水貯留装置(ボイラ給水貯留タンク)15と、ボイラ給水貯留装置15に一方側が接続され、他方側がボイラ給水導入部303に接続されたボイラ給水供給管16と、をさらに備える。ボイラ給水導入部303には、ボイラ給水貯留装置15からボイラ給水供給管16を通じてボイラ給水が送られる。
【0078】
ボイラ3Cは、燃料供給部32を通じて燃焼部31に供給された燃料を、燃焼部31において燃焼させることにより、ボイラ給水を加熱して蒸気を発生させる。蒸気タービン3Dの蒸気導入部305を通じて内部に導入された蒸気が、回転シャフト35およびタービンロータ306を回転させる。回転シャフト35の回転力により発電機13が発電を行う。
【0079】
図示される実施形態では、陰圧室の排気浄化システム1は、押込通風機39Aに機械的に接続された電動機17Aと、誘引通風機39Bに機械的に接続された電動機17Bと、をさらに備える。電力供給ライン6の電力の供給先には、電動機17A又は電動機17Bの少なくとも一方が含まれる。上述した少なくとも1つの電力供給ライン6は、複数の電力供給ライン6を含む。複数の電力供給ライン6は、上述した第1の電力供給ライン6Aと、発電機13に一方側が接続され、他方側が電動機17A又は電動機17Bの少なくとも一方に接続された第2の電力供給ライン6Bと、を含む。第2の電力供給ライン6Bを通じて発電機13から電動機17Aや電動機17Bに供給された電力により、電動機17Aや電動機17Bが駆動する。押込通風機39Aは、電動機17Aの駆動に連動して駆動し、吸引力を発生させる。誘引通風機39Bは、電動機17Bの駆動に連動して駆動し、吸引力を発生させる。押込通風機39Aや誘引通風機39Bの吸引力により、燃料供給部32にて空気を外部や送気管5の他方側52から取り込んでいる。この場合には、陰圧室本体4の内部の空気が送気管5の一方側51から送気管5の内部に吸引されるため、陰圧室本体4の内部を大気圧未満の陰圧に保持できる。
【0080】
図8に示される実施形態では、熱媒供給ライン7A(7H)や蒸気供給管24は、蒸気排出部304と蒸気導入部305とを繋ぐ蒸気配管307に一方側が接続され、陰圧室2(図示例では、陰圧室本体4)に他方側が接続されている。この場合には、蒸気排出部304から排出される蒸気や熱水を、陰圧室本体4内の空調や高温殺菌、陰圧室本体4又は蒸気滅菌室8の高圧蒸気滅菌に活用できる。なお、他の実施形態では、熱媒供給ライン7A(7H)や蒸気供給管24は、蒸気タービン3Dから抽気した蒸気や熱水を陰圧室本体4又は蒸気滅菌室8を送るように構成されていてもよい。この場合には、蒸気タービン3Dから抽気した蒸気や熱水を、陰圧室本体4内の空調や高温殺菌、陰圧室本体4又は蒸気滅菌室8の高圧蒸気滅菌に活用できる。
【0081】
図8に示される実施形態では、上述した冷媒供給ライン7B(7F)は、上述した冷凍機76に一方側が接続され、陰圧室2(図示例では、陰圧室本体4)に他方側が接続されている。冷凍機76は、蒸気タービン3Dが発生させた動力、すなわち、回転シャフト35の回転力、を動力源として駆動し、冷媒を冷却するように構成されている。この場合には、蒸気タービン3Dが発生させた動力を陰圧室本体4内の空調に活用できる。
【0082】
なお、上述した幾つかの実施形態では、熱機関3は、ボイラ3Cと、蒸気タービン3Dと、押込通風機39Aと、誘引通風機39Bと、を含んでいたが、押込通風機39A又は誘引通風機39Bの何れか一方を含まない構成にしてもよい。押込通風機39Aを含まない熱機関3では、空気導入部33は、ボイラ3Cに設けられる。
【0083】
なお、図6図9に示されるように、陰圧室本体4が、陸上に設けられた構造物14の内部に設置される場合には、上述した熱機関3や発電機13は、構造物14に予め設置されているものを利用可能である。この場合には、陰圧室2の設置が容易になるため、陰圧室2の設置コストを低減できる。
【0084】
(アルコール消毒)
幾つかの実施形態では、上述した陰圧室の排気浄化システム1は、図6図7図9に示されるように、上述した熱機関3の空気導入部33に菌やウイルスを除菌するための除菌液を噴射するための噴射ノズル91をさらに備える。除菌液には、アルコールが含まれる。図示される実施形態では、陰圧室の排気浄化システム1は、除菌液を貯留するように構成された除菌液貯留装置(除菌液貯留タンク)92と、除菌液貯留装置92に一方側が接続され、他方側が噴射ノズル91に接続された除菌液供給管93と、をさらに備える。なお、陰圧室の排気浄化システム1は、除菌液供給管93に設けられる除菌液ポンプ931であって、除菌液を下流側(噴射ノズル91側)に送るように構成された除菌液ポンプ931をさらに備えていてもよい。
【0085】
空気導入部33は、空気の流れ方向において送気管5よりも下流側、且つ燃焼部31よりも上流側に位置しているので、菌やウイルスが付着する虞があり、熱機関3のメンテナンスの際に空気導入部33に付着した菌やウイルスにより、メンテナンス作業者が感染する虞がある。上記の構成によれば、噴射ノズル91から空気導入部33に除菌液を噴射することで、空気導入部33に付着した菌やウイルスを除菌できる。
【0086】
(排気還流管)
幾つかの実施形態では、上述した陰圧室の排気浄化システム1は、図7図9に示されるように、熱機関3の排気を空気導入部33に還流させるための排気還流管94をさらに備える。
【0087】
図7に示される実施形態では、図中点線で示されるように、排気還流管94は、エンジン3Bの排気排出部34とタービン384の排気導入口385とを繋ぐ排気管95Aに一方側が接続され、他方側が空気導入部33又は空気導入部33よりも空気の流れ方向における上流側に接続されたものである。
図9に示される実施形態では、排気還流管94は、ガスタービン3Aと排熱回収ボイラ37の排気導入部371とを繋ぐ排気管95Bに一方側が接続され、他方側が空気導入部33又は空気導入部33よりも空気の流れ方向における上流側に接続されたものである。
【0088】
上記の構成によれば、排気還流管94を通じて、熱機関3の排気を空気導入部33に還流させることで、燃焼部31における燃焼温度を低減することができ、ひいては燃焼部31における燃焼により生成される窒素酸化物の量を低減できる。また、排気還流管94を通じて、熱機関3の排気を空気導入部33に還流させることで、空気導入部33における流体の温度を上昇でき、空気導入部33に存在する菌やウイルスを殺菌できる。また、排気還流管94を通じて、熱機関3の排気を空気導入部33に還流させることで、空気導入部33における流体の酸素濃度を減少でき、空気導入部33に存在する好気性の菌やウイルスを殺菌できる。
【0089】
幾つかの実施形態では、上述した陰圧室の排気浄化システム1は、図9に示されるように、排気還流管94を開閉するように構成された排気還流側バルブ96をさらに備える。排気還流側バルブ96は、制御装置10に電気的に接続されており、制御装置10から送られる信号に応じて作動する不図示のモータおよびアクチュエータを有し、制御装置10の開閉指示に応じて開閉可能に構成されている。排気還流側バルブ96は、制御装置10の指示に応じて開閉することで、空気導入部33に還流させる排気の流量を調整可能である。
【0090】
図9に示される実施形態では、上述した陰圧室の排気浄化システム1は、空気導入部33における流体の温度を取得する温度取得装置(図示例では、温度センサ)333や、空気導入部33における流体の酸素濃度を取得する酸素濃度取得装置(図示例では、酸素濃度センサ)334をさらに備える。制御装置10は、温度取得装置333が取得した流体の温度、又は酸素濃度取得装置334が取得した流体の酸素濃度、の少なくとも一方に応じた排気還流側バルブ96の開閉指示を、排気還流側バルブ96に対して行うように構成されていてもよい。この場合には、空気導入部33に存在する好気性の菌やウイルスを効果的に殺菌できる。
【0091】
(船舶用排気室)
図10および図11の夫々は、本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムであって、船舶に搭載された陰圧室の排気浄化システムの構成の一例を概略的に示す概略構成図である。
幾つかの実施形態では、上述した陰圧室の排気浄化システム1、すなわち、少なくとも1つの陰圧室2や少なくとも1つの熱機関3は、船舶100に搭載されたものである。
【0092】
図10に示される実施形態では、船舶100に搭載された陰圧室の排気浄化システム1は、上述したガスタービン3A又はエンジン3Bの何れか一方を含む熱機関3と、上述した陰圧室本体4と、上述した送気管5と、を少なくとも備える。図10に示される実施形態では、上述した熱媒供給ライン7A(7E)と、船舶100を推進させるためのプロペラ101と、をさらに備える。プロペラ101は、熱機関3の回転シャフト35に取り付けられている。この場合には、船舶100は、熱機関3が発生させた動力、すなわち、回転シャフト35の回転力、を動力源としてプロペラ101を回転させることで、推進するようになっている。
【0093】
図11に示される実施形態では、船舶100に搭載された陰圧室の排気浄化システム1は、上述したボイラ3C、蒸気タービン3Dおよび押込通風機39Aを含む熱機関3と、上述した陰圧室本体4と、上述した送気管5と、を少なくとも備える。図11に示される実施形態では、上述した熱媒供給ライン7A(7H)と、船舶100を推進させるためのプロペラ101と、をさらに備える。プロペラ101および押込通風機39Aの夫々は、熱機関3の回転シャフト35に取り付けられている。この場合には、船舶100は、熱機関3が発生させた動力、すなわち、回転シャフト35の回転力、を動力源としてプロペラ101を回転させることで、推進するようになっている。また、回転シャフト35の回転力を動力源として押込通風機39Aを駆動させるようになっている。
【0094】
(コンテナ式陰圧室)
図12は、本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムを概略的に示す概略斜視図である。図13は、本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システムを搭載した移動体の一例を説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、図12および図13に示されるように、上述した陰圧室本体4は、少なくとも1つのコンテナ4Aからなる。図示される実施形態では、陰圧室本体4は、1つのコンテナ4Aからなる。コンテナ4Aは、トラックなどの移動体220(図13参照)による輸送の効率化を図ることを目的として、寸法、強度、外形などが規格化されている。コンテナ4Aを構成する複数の陰圧室壁部41(底壁部42、天井壁部43および周壁部44)の夫々は、コンテナ4Aの規格に沿った寸法や外形を有する。
【0095】
図13では、コンテナ4Aを搭載してコンテナ4Aを移送する移動体220の例としてトラックを挙げているが、移動体220には、鉄道車両や船舶、飛行機などが含まれる。或る実施形態では、コンテナ4Aは、船舶輸送に広く用いられる、20フィートコンテナ又は40フィートコンテナの何れか一方からなる。また、或る実施形態では、コンテナ4Aは、鉄道輸送に広く用いられる、12フィートコンテナからなる。
【0096】
上記の構成によれば、陰圧室本体4は、少なくとも1つのコンテナ4Aからなる。この場合には、コンテナ4Aの形状が規格化されているので、少なくとも1つのコンテナ4Aからなる陰圧室本体4は、車両や船舶などの移動体220への積み込み作業が容易であり、且つ所望の設置箇所への移動体220による移送が容易である。
【0097】
(コンテナ二段構造)
幾つかの実施形態では、図12に示されるように、上述した陰圧室の排気浄化システム1(1A)は、少なくとも熱機関3を収容する熱機関収容コンテナ200をさらに備える。熱機関収容コンテナ200は、内外を区画する少なくとも1つのコンテナ壁部201を含む。少なくとも1つのコンテナ壁部201により、熱機関収容コンテナ200の内部に少なくとも熱機関3を収容可能な内部空間202が形成されている。熱機関収容コンテナ200は、コンテナの規格に沿った寸法や外形を有する。
【0098】
図示される実施形態では、熱機関収容コンテナ200は、コンテナ4Aと同じ規格サイズからなり、コンテナ4Aの上に積み重ねて配置されている。この場合には、陰圧室の排気浄化システム(1A)は、広い設置スペースを必要とせず、簡単に設置可能である。なお、他の幾つかの実施形態では、熱機関収容コンテナ200は、コンテナ4Aの横に設置してもよく、コンテナ4Aとは異なる規格サイズであってもよい。
【0099】
図示される実施形態では、少なくとも1つのコンテナ壁部201は、複数のコンテナ壁部201を含む。複数のコンテナ壁部201は、床面を有する底壁部203と、天井面を有する天井壁部204と、底壁部203の床面と天井壁部204の天井面とを繋ぐ内面を有する周壁部205と、を含む。底壁部203の床面および天井壁部204の天井面の夫々は、水平方向に沿って延在し、天井壁部204の天井面は、底壁部203の床面に対面している。上述した内部空間202は、底壁部203の床面、天井壁部204の天井面および周壁部205の内面により画定される。図12に示される実施形態では、周壁部205は、内部空間202の長手方向に沿って延在して互いに対面する一対の長手壁部206A、206Bと、内部空間202の短手方向に沿って延在して互いに対面する一対の短手壁部207A、207Bであって、一対の長手壁部206A、206Bの端部同士を繋ぐ一対の短手壁部207A、207Bと、を含む。
【0100】
図示される実施形態では、上述した熱機関収容コンテナ200の内部(内部空間202)には、熱機関3と、発電機13と、中間熱媒加熱器73と、が収容されている。なお、内部空間202に上述した冷凍機76を収容してもよい。送気管5や熱媒体供給ライン7は、熱機関収容コンテナ200に収容された機器(熱機関3、中間熱媒加熱器73など)とコンテナ4A(陰圧室本体4)とを接続しており、少なくとも一部が熱機関収容コンテナ200やコンテナ4Aの外部に露出している。
【0101】
上記の構成によれば、熱機関収容コンテナ200とコンテナ4Aを繋ぐ送気管5や熱媒体供給ライン7などを、熱機関収容コンテナ200やコンテナ4Aから取り外すことにより、熱機関収容コンテナ200とコンテナ4Aとを分離可能である。熱機関収容コンテナ200とコンテナ4Aとを分離することで、分離後の熱機関収容コンテナ200やコンテナ4Aの車両や船舶などの移動体220への積み込み作業が容易となる。分離後の熱機関収容コンテナ200やコンテナ4Aは、分離前に比べて所望の設置箇所へ移動体220により移送することが容易になる。設置箇所に到達した際に、熱機関収容コンテナ200に収容された機器やコンテナ4Aに送気管5や熱媒体供給ライン7などを接続することで、陰圧室2としての機能を発揮できる。
【0102】
なお、陰圧室の排気浄化システム1は、1つの熱機関収容コンテナ200に収容された機器に、送気管5や熱媒体供給ライン7などを介して、複数のコンテナ4Aを接続するように構成されていてもよい。この場合には、1つの熱機関収容コンテナ200により、複数のコンテナ4A(陰圧室本体4)をコントロールできる。例えば、1つの熱機関収容コンテナ200に収容された熱機関3の作動により生じた吸引力により、複数のコンテナ4A(陰圧室本体4)を陰圧に保持できる。
【0103】
(コンテナ一体型構造)
図14および図15の夫々は、陰圧室本体に取り付けられた熱機関収容ケースの一例を説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、図13図14に示されるように、上述した陰圧室の排気浄化システム1(1B)は、少なくとも熱機関3を収容する熱機関収容ケース210であって、コンテナ4Aの陰圧室壁部41の外面410に取り付けられた熱機関収容ケース210をさらに備える。
【0104】
図示される実施形態では、熱機関収容ケース210は、上述したコンテナ4Aの短手壁部46Aの外面460に取り付けられている。熱機関収容ケース210は、内外を区画する少なくとも1つのケース壁部211を含む。少なくとも1つのケース壁部211および短手壁部46Aの外面460により、熱機関収容ケース210の内部に少なくとも1つの熱機関3を収容可能な内部空間212が形成されている。熱機関収容ケース210は、コンテナ4Aよりも小型である。
【0105】
図示される実施形態では、少なくとも1つのケース壁部211は、床面を有する底壁部213と、天井面を有する天井壁部214と、底壁部213の床面と天井壁部214の天井面とを繋ぐ内面を有する周壁部215と、を含む。天井壁部214の天井面は、底壁部213の床面に対面している。上述した内部空間212は、底壁部213の床面、天井壁部214の天井面、周壁部215の内面および短手壁部46Aの外面460により画定される。
【0106】
図示される実施形態では、熱機関収容ケース210の内部(内部空間212)には、ガス焚きボイラ3E(熱機関3)と、ガス焚きボイラ3Eに空気(給気)を送るように構成された押込通風機39Aと、が少なくとも配置されている。押込通風機39Aは、ガス焚きボイラ3Eよりも空気(給気)の流れ方向における上流側に設けられる。押込通風機39Aは、送気管5の一方側51から他方側52に空気を送る吸引力を発生させるように構成されている。押込通風機39Aは、ボイラ3Cに空気を送風するように構成された送風ファンを含む。
【0107】
図示される実施形態では、空気導入部33は、押込通風機39Aに設けられる。ガス焚きボイラ3Eは、上述した燃焼部31と、上述した燃料供給部32と、押込通風機39Aから送られた空気をガス焚きボイラ3Eの内部に導入するための空気導入部308と、上述した排気排出部34(蒸気排出部30)と、を有する。ガス焚きボイラ3Eは、燃料供給部32を通じて燃焼部31に供給されたガス燃料を、燃焼部31において燃焼させることにより、蒸気を発生させる。
【0108】
図14に示される実施形態では、内部空間212には、熱媒体供給ライン7J(7)の熱交換器72Jがさらに配置されている。熱媒体供給ライン7Jは、陰圧室本体4および熱機関収容ケース210の外部から熱機関収容ケース210を通過して陰圧室本体4の内部に空気(外気)を供給するための外気供給配管71Jと、排気排出部34を流れる排気と外気供給配管71Jの熱交換部73Jを流れる空気との間で熱交換を行うように構成された熱交換器72Jと、を含む。陰圧室本体4の内部は大気圧よりも低圧になっているため、陰圧室本体4および熱機関収容ケース210の外部の空気が、外気供給配管71J内に吸引され、外気供給配管71J内を陰圧室本体4に向かって流れた後に、陰圧室本体4の内部に導入される。外気供給配管71J内を流れる空気は、熱交換部73J(熱交換器72J)における熱交換により、排気から熱が伝達されて昇温する。
【0109】
図15に示される実施形態では、内部空間212には、熱媒体供給ライン7K(7)の熱交換器72Kがさらに配置されている。熱媒体供給ライン7Kは、陰圧室本体4の内部から熱機関収容ケース210の内部を通過して陰圧室本体4の内部に戻る戻り配管71Kであって、内部を水が流れる戻り配管71Kと、排気排出部34を流れる排気と戻り配管71Kの熱交換部73Kを流れる水との間で熱交換を行うように構成された熱交換器72Kと、を含む。戻り配管71K内を流れる水は、熱交換部73K(熱交換器72K)における熱交換により、排気から熱が伝達されて昇温したり、蒸発したりする。
【0110】
上記の構成によれば、熱機関3を収容する熱機関収容ケース210は、コンテナ4Aに取り付けられている。このため、コンテナ4A(陰圧室本体4)を含む陰圧室2と熱機関3とが一体化されている。この場合には、陰圧室の排気浄化システム1(陰圧室2および熱機関3)を分解せずに、車両や船舶などの移動体220に積み込むことができ、所望の設置箇所へ移動体220により移送できる。設置箇所に到達した際に、陰圧室2と熱機関3とを接続する必要がなく、設置箇所において迅速に陰圧室2としての機能を発揮できる。
【0111】
(組立式陰圧室)
図16は、本開示の一実施形態における陰圧室本体の一例を説明するための説明図である。
幾つかの実施形態では、上述した陰圧室本体4は、内外を区画する複数の陰圧室壁部41を含み、複数の陰圧室壁部41のうちの少なくとも1つの陰圧室壁部41は、陰圧室本体4から着脱可能に構成されたものである。すなわち、上述した陰圧室本体4は、複数の陰圧室壁部41に分解可能な組立式陰圧室本体4Bからなる。この組立式陰圧室本体4Bは、複数の陰圧室壁部41を組み付けることで、陰圧室本体4が形成されるようになっている。
【0112】
図示される実施形態では、組立式陰圧室本体4Bは、上述した底壁部42、天井壁部43、長手壁部45A、長手壁部45B、短手壁部46Aおよび短手壁部46Bの夫々が別部材になっている。組立式陰圧室本体4Bを構成する各部材を、ボルトなどの締結部材(不図示)により締結することで、陰圧室本体4が形成される。
【0113】
上記の構成によれば、複数の陰圧室壁部41のうちの少なくとも1つの陰圧室壁部41は、陰圧室本体4から着脱可能に構成されている。換言すると、陰圧室本体4は、複数の陰圧室壁部41を組み付けることで構成されるものである。このため、陰圧室本体4を複数の陰圧室壁部41に分解することで、分解後の陰圧室本体4の車両や船舶などの移動体220への積み込み作業が容易となる。分解後の陰圧室本体4は、分解前に比べて所望の設置箇所へ移動体220により移送が容易になる。設置箇所に到達した際に、組立てた陰圧室本体4を熱機関3に接続することで、陰圧室2としての機能を発揮できる。また、陰圧室2を使用しないときは、陰圧室本体4を複数の陰圧室壁部41に分解することで、陰圧室本体4を保管する保管スペースを圧迫することを抑制できる。
【0114】
幾つかの実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システム1は、図1に示されるように、上述した少なくとも1つの陰圧室2と、上述した少なくとも1つの陰圧室2に送気管5を介して接続された少なくとも1つの熱機関3と、を備える。
【0115】
上記の構成によれば、送気管5により、陰圧室本体4の内部の空気が熱機関3に送られる。熱機関3において陰圧室本体4から送られた空気を燃焼させることにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、クリーンで安全な排気が実現できる。この場合には、陰圧室本体4からの排気が流れる排気流路(送気管5など)への高性能フィルタの配設が不要になる。排気流路に高性能フィルタを配設しないことで、高性能フィルタによる圧力損失が生じないので、陰圧室本体4から空気を排出するために必要な電力を小さなものにできる。これにより、陰圧室2および該陰圧室2を備える陰圧室の排気浄化システム1の消費電力を抑制できる。
【0116】
また、上記の構成によれば、陰圧室2は、熱機関3により発生される動力を利用することで、電動機などの動力源を別途用意しなくても、陰圧室本体4の内部を陰圧に保持できる。これにより、陰圧室2の消費電力を抑制でき、陰圧室2および該陰圧室2を備える陰圧室の排気浄化システム1の運用コストを低減できる。
【0117】
幾つかの実施形態にかかる移動体220は、図13に示されるように、上述した陰圧室の排気浄化システム1(陰圧室2および熱機関3)を搭載し、自走可能に構成されたものである。
【0118】
上記の構成によれば、移動体220は、陰圧室の排気浄化システム1(陰圧室2および熱機関3)を搭載しているので、熱機関3において陰圧室本体4から送られた空気を燃焼させることにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、クリーンで安全な排気が実現できる。また、移動体220は、自走可能に構成されている。このため、移動体220が自走することで、移動体220に搭載した陰圧室の排気浄化システム1を所望する場所に運ぶことができる。
【0119】
(陰圧室の排気浄化方法)
図17は、本開示の一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化方法の一例を示すフロー図である。
幾つかの実施形態にかかる陰圧室の排気浄化方法300は、図17に示されるように、上述した陰圧室本体4を備える陰圧室2から排出される排気を浄化するための方法であり、陰圧室本体4の内部の空気を少なくとも1つの熱機関3に送る排気ステップS1と、排気ステップS1にて少なくとも1つの熱機関3に送られた空気を、少なくとも1つの熱機関3により加熱殺菌する加熱殺菌ステップS2と、少なくとも1つの熱機関3の作動により発生した吸引力により、陰圧室本体4の内部を大気圧未満の陰圧に保持する陰圧保持ステップS3と、を備える。
【0120】
上記の方法によれば、排気ステップS1において、陰圧室本体4の内部の空気が熱機関3に送られる。加熱殺菌ステップS2において、排気ステップS1にて熱機関3に送られた空気を、熱機関3により加熱殺菌することにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、クリーンで安全な排気が実現できる。この場合には、陰圧室本体4からの排気が流れる排気流路に、高性能フィルタを配設する必要がなくなる。排気流路に高性能フィルタを配設しないことで、高性能フィルタによる圧力損失が生じないので、陰圧室本体4から空気を排出するために必要な電力を小さなものにできる。これにより、陰圧室2の消費電力を抑制できる。
【0121】
また、上記の方法によれば、陰圧保持ステップS3において、少なくとも1つの熱機関3の作動により発生した吸引力により、陰圧室本体4の内部が大気圧未満の陰圧に保持される。この場合には、上記吸引力を利用することで、電動機などの動力源を別途用意しなくても、陰圧室本体4の内部を陰圧に保持できるため、陰圧室2の消費電力を抑制できる。
【0122】
幾つかの実施形態では、図17に示されるように、上述した陰圧室の排気浄化方法300は、熱機関3から供給される熱媒体により、陰圧室本体4の内部の温度を調整する温度調整ステップS4をさらに備える。上記の方法によれば、温度調整ステップS4において、熱機関3から供給される熱媒体を利用する陰圧室本体4の内部の温度を調整する。これにより、陰圧室本体4の内部の温度を調整するための空調設備を別途用意して稼働させなくても、陰圧室本体4の内部の温度を調整できるので、陰圧室2の消費電力を抑制でき、ひいては陰圧室2の運用コストを低減できる。
【0123】
幾つかの実施形態では、図17に示されるように、上述した陰圧室の排気浄化方法300は、熱機関3から供給される熱媒体により、陰圧室本体4の内部の温度を一定期間、
陰圧室本体4の内部の空気を殺菌可能な温度(例えば、100℃)以上の温度に維持する室内加熱殺菌ステップS5をさらに備える。上記の方法によれば、室内加熱殺菌ステップS5において、陰圧室本体4の内部の空気を一定期間、空気を殺菌可能な温度以上に加熱することで、陰圧室本体4の内部の空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、陰圧室本体4の内部をクリーンな環境にすることができる。また、上記の方法によれば、熱機関3から供給される熱媒体を利用することで、電気を動力源とする加熱装置を別途用意して稼働させなくても、陰圧室本体4の内部の空気を100℃以上に加熱することができる。これにより、陰圧室2の消費電力を抑制でき、ひいては陰圧室2の運用コストを低減できる。
【0124】
幾つかの実施形態では、図17に示されるように、上述した陰圧室の排気浄化方法300は、熱機関3で発生された蒸気を陰圧室本体4又は蒸気滅菌室8の内部に供給し、高圧蒸気滅菌を行う高圧蒸気滅菌ステップS6をさらに備える。なお、加熱状態を一定時間保つことで高い滅菌効果が期待できる。上記の方法によれば、高圧蒸気滅菌ステップS6において、熱機関3で発生された蒸気を陰圧室2(陰圧室本体4又は蒸気滅菌室8)に供給することで、陰圧室2において高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)を行うことができる。これにより、陰圧室2をクリーンな環境にすることができる。また、上記の方法によれば、熱機関3で発生された蒸気を利用することで、電気を動力源とする蒸気滅菌装置を別途用意して稼働させなくても、陰圧室2において高圧蒸気滅菌を行うことができる。これにより、陰圧室2の消費電力を抑制でき、ひいては陰圧室2の運用コストを低減できる。
【0125】
本開示は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。例えば、室内加熱殺菌ステップS5と高圧蒸気滅菌ステップS6は、両方のステップを実施してもいいし、いずれか一方のステップのみを実施してもよい。
【0126】
上述した幾つかの実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握されるものである。
【0127】
1)本開示の少なくとも一実施形態にかかる陰圧室(2)は、
使用者を内部に収容可能な陰圧室本体(4)を備える陰圧室(2)であって、
少なくとも1つの熱機関(3)に前記陰圧室本体(4)の内部の空気を送るための送気管(5)をさらに備え、
前記陰圧室(5)は、前記少なくとも1つの熱機関(3)の作動により発生する吸引力により、前記陰圧室本体(4)の内部が大気圧未満の陰圧に保持されるように構成された。
【0128】
上記1)の構成によれば、熱機関の作動により発生した吸引力により、送気管を通じて陰圧室本体の内部の空気が熱機関に送られる。熱機関において生じた熱により、陰圧室本体4から送られた空気を加熱させることにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、クリーンで安全な排気が実現できる。この場合には、陰圧室本体からの排気が流れる排気流路(送気管など)への高性能フィルタの配設が不要になる。排気流路に高性能フィルタを配設しないことで、高性能フィルタによる圧力損失が生じないので、陰圧室本体から空気を排出するために必要な電力を小さなものにできる。これにより、陰圧室の消費電力を抑制できる。
【0129】
また、上記1)の構成によれば、陰圧室は、熱機関の作動により発生した吸引力を利用することで、電動機などの動力源を別途用意しなくても、陰圧室本体の内部を陰圧に保持できる。これにより、陰圧室の消費電力を抑制でき、陰圧室の運用コストを低減できる。
【0130】
2)幾つかの実施形態では、上記1)に記載の陰圧室(2)であって、
前記陰圧室(2)は、前記熱機関(3)から供給される熱媒体により、前記陰圧室本体(4)の内部の温度を調整するように構成された。
【0131】
上記2)の構成によれば、陰圧室は、熱機関から供給される熱媒体を利用することで、陰圧室本体の内部の温度を調整するための空調設備を別途稼働させなくても、陰圧室本体の内部の温度を調整できる。これにより、陰圧室の消費電力を抑制でき、ひいては陰圧室の運用コストを低減できる。
【0132】
3)幾つかの実施形態では、上記1)又は2)に記載の陰圧室(2)であって、
前記熱機関(3)から供給される熱媒体と、前記陰圧室本体(4)の内部の空気と、の間で熱交換を行うように構成された熱交換器(21)をさらに備え、
前記熱交換器(21)は、前記陰圧室本体(4)の内部の空気を殺菌可能な温度以上に加熱するように構成された。
【0133】
上記3)の構成によれば、熱交換器により、陰圧室本体の内部の空気を殺菌可能な温度以上に加熱することで、陰圧室本体の内部の空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、陰圧室本体の内部をクリーンな環境にすることができる。また、上記3)の構成によれば、熱交換器により、熱機関から供給される熱媒体を利用することで、電気を動力源とする加熱装置を別途稼働させなくても、陰圧室本体の内部の空気を殺菌可能な温度以上に加熱することができる。これにより、陰圧室の消費電力を抑制でき、ひいては陰圧室の運用コストを低減できる。
【0134】
4)幾つかの実施形態では、上記1)~3)の何れかに記載の陰圧室(2)であって、
前記熱機関(3)で発生された蒸気を前記陰圧室(2)に供給するための蒸気供給管(24)をさらに備える。
【0135】
上記4)の構成によれば、蒸気供給管により、熱機関で発生された蒸気を陰圧室に供給することで、陰圧室において高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)を行うことができる。これにより、陰圧室をクリーンな環境にすることができる。また、上記4)の構成によれば、蒸気供給管により熱機関で発生された蒸気を利用することで、電気を動力源とする蒸気滅菌装置を別途用意して稼働させなくても、陰圧室において高圧蒸気滅菌を行うことができる。これにより、陰圧室の消費電力を抑制でき、陰圧室の導入コストおよび運用コストを低減できる。
【0136】
5)幾つかの実施形態では、上記4)に記載の陰圧室(2)であって、
前記陰圧室本体(4)の内部又は外部に配置された、内外を区画する壁部(滅菌室壁部81)を有する蒸気滅菌室(80)をさらに備え、
前記蒸気供給管(24)は、前記蒸気滅菌室(80)に接続される。
【0137】
上記5)の構成によれば、蒸気供給管により、熱機関で発生された蒸気を蒸気滅菌室に供給することで、蒸気滅菌室の内部において高圧蒸気滅菌(オートクレーブ滅菌)を行うことができる。高圧蒸気滅菌する対象を蒸気滅菌室の内部に限定することで、陰圧室本体の耐圧強度を高圧蒸気滅菌に耐え得る強度まで向上させなくても済むので、陰圧室本体の重量化や高価格化を抑制できる。
【0138】
6)幾つかの実施形態では、上記1)~5)の何れかに記載の陰圧室(2)であって、
前記陰圧室本体(4)は、少なくとも1つのコンテナ(4A)からなる。
【0139】
上記6)の構成によれば、陰圧室本体は、少なくとも1つのコンテナからなる。この場合には、コンテナの形状が規格化されているので、少なくとも1つのコンテナからなる陰圧室本体は、車両や船舶などの移動体への積み込み作業が容易であり、且つ所望の設置箇所への移動体による移送が容易である。
【0140】
7)幾つかの実施形態では、上記1)~5)の何れかに記載の陰圧室(2)であって、
前記陰圧室本体(4)は、内外を区画する複数の陰圧室壁部(41)を含み、
前記複数の陰圧室壁部(41)のうちの少なくとも1つの陰圧室壁部(41)は、前記陰圧室本体(4)から着脱可能に構成された。
【0141】
上記7)の構成によれば、複数の陰圧室壁部のうちの少なくとも1つの陰圧室壁部は、陰圧室本体から着脱可能に構成されている。換言すると、陰圧室本体は、複数の陰圧室壁部を組み付けることで構成されるものである。このため、陰圧室本体を複数の陰圧室壁部に分解することで、分解後の陰圧室本体の車両や船舶などの移動体への積み込み作業が容易となる。分解後の陰圧室本体は、分解前に比べて所望の設置箇所へ移動体により移送が容易になる。設置箇所に到達した際に、組立てた陰圧室本体を熱機関に接続することで、陰圧室としての機能を発揮できる。また、陰圧室を使用しないときは、陰圧室本体を複数の陰圧室壁部に分解することで、陰圧室本体を保管する保管スペースを圧迫することを抑制できる。
【0142】
8)本開示の少なくとも一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化システム(1)は、
上記1)~7)の何れかに記載の少なくとも1つの陰圧室(2)と、
前記少なくとも1つの陰圧室(2)に前記送気管(5)を介して接続された少なくとも1つの熱機関(3)と、を備える。
【0143】
上記8)の構成によれば、送気管により、陰圧室本体の内部の空気が熱機関に送られる。熱機関において陰圧室本体から送られた空気を燃焼させることにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、クリーンで安全な排気が実現できる。この場合には、陰圧室本体からの排気が流れる排気流路への高性能フィルタの配設が不要になる。排気流路に高性能フィルタを配設しないことで、高性能フィルタによる圧力損失が生じないので、陰圧室本体から空気を排出するために必要な電力を小さなものにできる。これにより、陰圧室および該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システムの消費電力を抑制できる。
【0144】
また、上記8)の構成によれば、陰圧室は、熱機関により発生される動力を利用することで、電動機などの動力源を別途用意しなくても、陰圧室本体の内部を陰圧に保持できる。これにより、陰圧室の消費電力を抑制でき、陰圧室および該陰圧室を備える陰圧室の排気浄化システムの運用コストを低減できる。
【0145】
9)本開示の少なくとも一実施形態にかかる移動体(220)は、
上記8)に記載の陰圧室の排気浄化システム(1)を搭載し、自走可能に構成される。
【0146】
上記9)の構成によれば、移動体は、陰圧室の排気浄化システム(陰圧室2および熱機関3)を搭載しているので、熱機関(3)において陰圧室本体(4)から送られた空気を燃焼させることにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、クリーンで安全な排気が実現できる。また、移動体(220)は、自走可能に構成されている。このため、移動体(220)が自走することで、移動体(220)に搭載した陰圧室の排気浄化システム(1)を所望する場所に運ぶことができる。
【0147】
10)本開示の少なくとも一実施形態にかかる陰圧室の排気浄化方法(300)は、
使用者を内部に収容可能な陰圧室本体(4)を備える陰圧室(2)から排出される排気を浄化するための陰圧室の排気浄化方法(300)であって、
前記陰圧室本体(4)の内部の空気を少なくとも1つの熱機関(3)に送る排気ステップ(S1)と、
前記排気ステップ(S1)にて前記少なくとも1つの熱機関(3)に送られた前記空気を、前記少なくとも1つの熱機関(3)により加熱殺菌する加熱殺菌ステップ(S2)と、
前記少なくとも1つの熱機関(3)の作動により発生する吸引力により、前記陰圧室本体(4)の内部を大気圧未満の陰圧に保持する陰圧保持ステップ(S3)と、
を備える。
【0148】
上記10)の方法によれば、排気ステップにおいて、陰圧室本体の内部の空気が熱機関に送られる。加熱殺菌ステップにおいて、排気ステップにて熱機関に送られた空気を、熱機関により加熱殺菌することにより、該空気中の菌やウイルスを滅菌することができ、クリーンで安全な排気が実現できる。この場合には、陰圧室本体からの排気が流れる排気流路に、高性能フィルタを配設する必要がなくなる。排気流路に高性能フィルタを配設しないことで、高性能フィルタによる圧力損失が生じないので、陰圧室本体から空気を排出するために必要な電力を小さなものにできる。これにより、陰圧室の消費電力を抑制できる。
【0149】
また、上記10)の方法によれば、陰圧保持ステップにおいて、少なくとも1つの熱機関の作動により発生した吸引力により、陰圧室本体の内部が大気圧未満の陰圧に保持される。この場合には、上記吸引力を利用することで、電動機などの動力源を別途用意しなくても、陰圧室本体の内部を陰圧に保持できるため、陰圧室の消費電力を抑制できる。
【符号の説明】
【0150】
1 陰圧室の排気浄化システム
10 制御装置
11 燃料貯留装置
12 燃料供給管
13 発電機
14 構造物
17A,17B 電動機
2 陰圧室
21 (加熱用の)熱交換器
22 入口ダクト
23 (冷却用の)熱交換器
24 蒸気供給管
25 蒸気側バルブ
3 熱機関
3A ガスタービン
3B エンジン
3C ボイラ
3D 蒸気タービン
3E ガス焚きボイラ
30 蒸気排出部
31 燃焼部
32 燃料供給部
33 空気導入部
34 排気排出部
35 回転シャフト
36 コンプレッサインペラ
37 排熱回収ボイラ
38 ターボチャージャ
39A 押込通風機
39B 誘引通風機
4 陰圧室本体
4A コンテナ
4B 組立式陰圧室本体
40 内部空間
41 陰圧室壁部
42 底壁部
421 床面
43 天井壁部
431 天井面
44 周壁部
45A,45B 長手壁部
46A,46B 短手壁部
47 出入口
48 扉
48A スライド扉
5 送気管
51 一方側
52 他方側
53 送気側バルブ
54 送気排出口
6 電力供給ライン
6A 第1の電力供給ライン
6B 第2の電力供給ライン
61 一方側
62 他方側
7 熱媒体供給ライン
7A 熱媒供給ライン
7B 冷媒供給ライン
71,71G 中間熱媒配管
71A 熱交換部
72,72G 中間熱媒ポンプ
73,73G 中間熱媒加熱器
74 冷媒配管
74A 冷媒冷却部
74B 熱交換部
75 冷媒ポンプ
76 冷凍機
77 熱媒側バルブ
78 冷媒側バルブ
8 蒸気滅菌室
80 内部空間
81 滅菌室壁部
82 蒸気導入孔
83 開口
84 扉
91 噴射ノズル
92 除菌液貯留装置
93 除菌液供給管
94 排気還流管
95A,95B 排気管
96 排気還流側バルブ
100 船舶
101 プロペラ
200 熱機関収容コンテナ
201 コンテナ壁部
202 内部空間
210 熱機関収容ケース
220 移動体
300 陰圧室の排気浄化方法
S1 排気ステップ
S2 加熱滅菌ステップ
S3 陰圧保持ステップ
S4 温度調整ステップ
S5 室内加熱殺菌ステップ
S6 高圧蒸気滅菌ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17