(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】本人認証システム、方法、およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20220729BHJP
G06Q 50/18 20120101ALI20220729BHJP
【FI】
G06Q40/08
G06Q50/18
(21)【出願番号】P 2020201830
(22)【出願日】2020-12-04
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】397077955
【氏名又は名称】株式会社三井住友銀行
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】若山 恵一
(72)【発明者】
【氏名】酒井 浩司
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-257268(JP,A)
【文献】特開2020-184215(JP,A)
【文献】特開2003-132211(JP,A)
【文献】特開2002-133097(JP,A)
【文献】特開2002-222319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銀行が販売する保険商品に対応する保険契約を、前記銀行に口座を保有する口座名義人が契約者として締結することを行わせるコンピュータデバイスであって、前記コンピュータデバイスは、制御装置、記憶装置、および通信装置を備え、前記記憶装置は、口座名義人が有する口座に関する口座情報および認証情報を関連付けて記憶しており、
前記通信装置は、クライアントコンピュータから、認証電文を受信し、
前記制御装置は、前記認証電文に含まれる情報を、前記記憶装置に記憶された前記口座情報および前記認証情報と比較することによって、前記口座名義人
を契約者
本人として認証し、
前記通信装置は、前記クライアントコンピュータから、保険商品の選択を示す選択電文を受信し、
前記通信装置は、前記保険商品を提供する保険者によって実装された第2のコンピュータデバイスに、前記選択電文に対応する保険番号を含
み、前記保険商品に対応する保険契約への申し込みを示す申し込み電文を送信し、
前記申し込み電文を送信したことに対応して、前記通信装置は、前記クライアントコンピュータから、前記契約者が前記保険契約に同意したことを示す同意電文を受信する、
ことを特徴とするコンピュータデバイス。
【請求項2】
前記制御装置は、一時的契約番号を生成し、前記一時的契約番号を前記保険番号と関連付けて契約情報として前記記憶装置に記憶する、ことを特徴とする請求項1に記載のコンピュータデバイス。
【請求項3】
前記一時的契約番号は、前記申し込み電文に含まれ、
前記同意電文は、前記一時的契約番号および前記保険契約に対応する証券番号を含み、
前記制御装置は、前記証券番号に基づいて、前記一時的契約番号に対応する前記契約情報を更新する、
ことを特徴とする請求項2に記載のコンピュータデバイス。
【請求項4】
前記保険商品は、前記契約者による本人確認書類の提示を定めていない保険商品に対応する、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンピュータデバイス。
【請求項5】
前記第2のコンピュータデバイスは、複数の保険者によって実装された複数のコンピュータデバイスを含み、前記申し込み電文は、前記複数のコンピュータデバイスの間で共通して使用される共通フォーマットを有する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンピュータデバイス。
【請求項6】
前記通信装置は、前記クライアントコンピュータに、前記保険商品の選択を受け付ける保険商品リストを送信し、
前記保険商品リストは、前記保険商品が選択されると、前記保険商品を提供する保険者によって提供される保険申し込み画面に遷移するためのリンクを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンピュータデバイス。
【請求項7】
前記クライアントコンピュータに、前記保険商品の選択を受け付ける保険商品リストを送信し、
前記保険商品リストは、前記保険商品が選択されると、前記保険商品の種別ごとに提供される保険申し込み画面に遷移するためのリンクを含む、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のコンピュータデバイス。
【請求項8】
前記保険商品が、前記契約者による本人確認書類の提示を定めた保険商品に対応する場合、前記保険申し込み画面は、前記本人確認書類を前記第2のコンピュータデバイスにアップロードするための画面を含む、ことを特徴とする請求項6または7に記載のコンピュータデバイス。
【請求項9】
前記保険商品が、前記保険商品の販売者による前記保険商品についての説明を定めた保険商品に対応する場合、前記保険申し込み画面は、前記販売者により使用される第3のコンピュータデバイスとのビデオ通話を起動するためのボタンを含む、ことを特徴とする請求項6乃至8のいずれか一項に記載のコンピュータデバイス。
【請求項10】
銀行が販売する保険商品に対応する保険契約を、前記銀行に口座を保有する口座名義人が契約者として締結することを行わせる、コンピュータデバイスによって実行される方法であって、前記コンピュータデバイスは、口座名義人が有する口座に関する口座情報および認証情報を関連付けて記憶した記憶装置を含み、
クライアントコンピュータから、認証電文を受信するステップと、
前記認証電文に含まれる情報を、前記記憶装置に記憶された前記口座情報および前記認証情報と比較することによって、前記口座名義人
を契約者
本人として認証するステップと、
前記クライアントコンピュータから、保険商品の選択を示す選択電文を受信するステップと、
前記保険商品を提供する保険者によって実装された第2のコンピュータデバイスに、前記選択電文に対応する保険番号を含
み、前記保険商品に対応する保険契約への申し込みを示す申し込み電文を送信するステップと、
前記申し込み電文を送信したことに対応して、前記クライアントコンピュータから、前記契約者が前記保険契約に同意したことを示す同意電文を受信するステップと、
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項11】
コンピュータ実行可能命令を含むコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ実行可能命令は、コンピュータデバイスによって実行されるとき、前記コンピュータデバイスに、請求項10に記載の方法を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、本人認証システム、方法、およびコンピュータプログラムに関する。特に、本開示は、銀行が販売した保険商品について保険契約を締結する際に契約者の本人認証を行う本人認証システム、方法、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
銀行の窓口で保険商品を販売することができる、いわゆる「銀行窓販」が2007年12月に全面的に解禁されるようになった。銀行は一定の資産を有する口座保有者(以下、「口座名義人」)を抱えているため、保険を活用した運用商品を口座名義人に提案することによって、口座名義人による資産運用を活性化することができる。
【0003】
口座名義人が実際に保険契約を締結するとき、口座名義人(契約者)と保険会社(保険者)との間で所定の手続きが行われる。このときに、保険者は、契約者の本人確認を行うことが多い。特に、マネーロンダリングなどを防止するために、犯罪収益移転防止法は、一定の保険契約を締結する際に、契約者に対し、保険者に本人確認書類(運転免許証)を提示することを定めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の仕組みでは、銀行が保険商品を販売した場合でも、保険契約締結時には、保険者が契約者に対し、本人確認書類を提出することを要求し、契約者は、本人確認書類を郵送などで保険者に送付していた。このような手順によって、契約者は、その手順の煩わしさから、本人確認書類を提出することを怠るなどによって、契約を締結しないまま取りやめになるケースも発生していた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一実施形態に係るコンピュータデバイスは、銀行が販売する保険商品に対応する保険契約を、前記銀行に口座を保有する口座名義人が契約者として締結することを行わせるコンピュータデバイスであって、前記コンピュータデバイスは、制御装置、記憶装置、および通信装置を含み、前記記憶装置は、口座名義人が有する口座に関する口座情報および認証情報を関連付けて記憶しており、前記通信装置は、クライアントコンピュータから、認証電文を受信し、前記制御装置は、前記認証電文に含まれる情報を、前記記憶装置に記憶された前記口座情報および前記認証情報と比較することによって、前記口座名義人を前記契約者として認証し、前記通信装置は、前記クライアントコンピュータから、保険商品の選択を示す選択電文を受信し、前記通信装置は、前記保険商品を提供する保険者によって実装された第2のコンピュータデバイスに、前記選択電文に対応する保険番号を含む申し込み電文を送信し、前記申し込み電文を送信したことに対応して、前記通信装置は、前記クライアントコンピュータから、前記契約者が前記保険契約に同意したことを示す同意電文を受信する。
【0006】
また、別の実施形態に係る方法は、銀行が販売する保険商品に対応する保険契約を、前記銀行に口座を保有する口座名義人が契約者として締結することを行わせる、コンピュータデバイスによって実行される方法であって、前記コンピュータデバイスは、口座名義人が有する口座に関する口座情報および認証情報を関連付けて記憶した記憶装置を含み、クライアントコンピュータから、認証電文を受信するステップと、前記認証電文に含まれる情報を、前記記憶装置に記憶された前記口座情報および前記認証情報と比較することによって、前記口座名義人を前記契約者として認証するステップと、前記クライアントコンピュータから、保険商品の選択を示す選択電文を受信するステップと、前記保険商品を提供する保険者によって実装された第2のコンピュータデバイスに、前記選択電文に対応する保険番号を含む申し込み電文を送信するステップと、前記申し込み電文を送信したことに対応して、前記クライアントコンピュータから、前記契約者が前記保険契約に同意したことを示す同意電文を受信するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0007】
実施形態に係る本人認証システムによれば、本人確認書類を提出することなく、保険契約を締結するときに契約者を認証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態に従った本人認証システムの全体的な構成の例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に従った本人認証システムの詳細な構成要素の例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に従った口座データテーブルの例を示す図である。
【
図4】一実施形態に従った認証画面の例を示す図である。
【
図5】一実施形態に従った本人認証システムが実行する処理の例を示すフローチャートである。
【
図6】一実施形態に従った保険データテーブルの例を示す図である。
【
図7】一実施形態に従った保険商品リストの例を示す図である。
【
図8】一実施形態に従った契約データテーブルの例を示す図である。
【
図9】一実施形態に従った保険申し込み画面の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付した図面を参照して、一実施形態に係る本人認証システム100を詳細に説明する。本人認証システム100は、特定の金融機関(銀行および証券会社など)が販売した保険契約を締結する際、保険者に代わって契約者の本人認証を行う。
【0010】
<定義>
本明細書で、「契約者」とは、保険者との間で保険契約を締結する者を指す。「口座名義人」とは、後述する銀行において口座を開設し、口座に預金などを行う者を指す。口座名義人が、銀行によって販売された保険商品について保険契約を締結する場合、口座名義人と契約者とが同一人物になる。本実施形態では、口座名義人と契約者とは同一人物である例を説明し、以下では、両方の用語は交換可能に使用される。
【0011】
本明細書で、「保険者」とは、契約者との保険契約に基づいて、保険料を徴収し、保険事故の発生の際に保険金を支払う義務を負う者を指す。銀行は、保険者の代理人として保険商品を販売することができる。銀行と保険者は、1対1または1対多の関係にあってもよい。つまり、銀行は、複数の保険者の代理人として、複数の保険者がそれぞれ提供する複数の保険商品を販売することができる。
【0012】
<システム構成>
まず、
図1を参照して、本人認証システム100の全体的な構成の例を説明する。本人認証システム100は、サーバコンピュータ1、サーバコンピュータ2a、2b・・・、および2n(以下、「サーバコンピュータ2」)、ならびにクライアントコンピュータ3を含む。サーバコンピュータ1、サーバコンピュータ2、およびクライアントコンピュータ3は、ネットワーク4(インターネットなどのパブリックネットワーク)を介して相互に接続される。
【0013】
サーバコンピュータ1は、本実施形態に係る主要な処理を実行するコンピュータデバイス(情報処理装置)である。サーバコンピュータ1は、銀行業務を管理/支援するために銀行または銀行と提携/協力関係にある事業者により管理される。このようなことから、サーバコンピュータ1は、従来から存在する、銀行の勘定系システムにおいて実装されてもよい。本実施形態では、サーバコンピュータ1は、銀行Aによって実装されるものとする。また、サーバコンピュータ1は、単独のコンピュータデバイスによって実装されてもよく、または複数のコンピュータデバイスによって実装されてもよい。
【0014】
サーバコンピュータ1は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を実装し、また、口座名義人(契約者)が保有する口座(銀行Aが管理する)についての口座情報を記憶している。サーバコンピュータ1は、口座名義人が自身の口座情報(残高など)を参照するなど、口座名義人に口座情報を提供するための入出力インタフェース(WEBインタフェース)を実装し、入出力インタフェースを介してクライアントコンピュータ3に口座情報を提供する。
【0015】
サーバコンピュータ2は、サーバコンピュータ1と協働して、本実施形態に係る処理を実行するコンピュータデバイス(情報処理装置)である。サーバコンピュータ2は、保険募集業務などを管理/支援するために保険者または保険者と提携/協力関係にある事業者により管理される。このようなことから、サーバコンピュータ2は、従来から存在する、保険者の保険契約管理システムにおいて実装されてもよい。また、サーバコンピュータ2は、単独のコンピュータデバイスによって実装されてもよく、または複数のコンピュータデバイスによって実装されてもよい。
【0016】
上述したように、銀行と保険者は、1対多の関係にある場合がある。この場合、複数の保険者の各々がサーバコンピュータ2を実装する。例えば、契約者が、保険者aから提供される保険商品について、保険者aと保険契約を締結する場合、サーバコンピュータ1と保険者aによって実装されるサーバコンピュータ2とが協働する。同様に、契約者が、保険者bから提供される保険商品について、保険者bと保険契約を締結する場合、サーバコンピュータ1と保険者bによって実装されるサーバコンピュータ2とが協働する。サーバコンピュータ2は、データベースマネジメントシステム(DBMS)を実装し、保険者が契約者と締結した保険契約に関する保険者管理情報を記憶している。
【0017】
クライアントコンピュータ3は、例えば、口座名義人(契約者)が使用するコンピュータデバイス(情報処理装置)である。クライアントコンピュータ3は、上述した入出力インタフェースを表示し、入出力インタフェースを介して契約者からの入力を受け付ける。クライアントコンピュータ3は、スマートフォンおよびタブレットなどの携帯型コンピュータデバイス、ラップトップ型コンピュータデバイス、ならびにノート型コンピュータデバイスなどであってもよい。
【0018】
次に、
図2を参照して、サーバコンピュータ1およびサーバコンピュータ2の詳細な構成要素の例を説明する。
【0019】
サーバコンピュータ1は、制御装置11、メモリ12、記憶装置13、および通信装置14を含み、それらの各要素がシステムバスを介して結合されている。
図2に示すように、サーバコンピュータ1は、サーバコンピュータ2およびクライアントコンピュータ3と接続される。
【0020】
制御装置11は、プロセッサとも称され、上記各構成要素の制御やデータの演算を実行する。また、制御装置11は、本実施形態に係る各種処理を実行するための、記憶装置13に記憶されているプログラムをメモリ12に読み出して実行する。ここで、上述したプログラムとは、本人認証システム100が実行する機能の一部を実装するためのプログラムであり、サーバコンピュータ1の記憶装置13に記憶されている。
【0021】
メモリ12は、サーバコンピュータ2およびクライアントコンピュータ3から送信されたデータ、コンピュータ実行可能な命令、および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶した揮発性データ記憶装置である。メモリ12は、RAM(ランダムアクセスメモリ)(例えば、SRAM(スタティックRAM)およびDRAM(ダイナミックRAM))などで実装されてもよい。
【0022】
記憶装置13は、上述したプログラムおよびDBMSによって使用されるデータベーステーブル13aなどを記憶した不揮発性データ記憶装置である。記憶装置13は、ROM(リードオンリメモリ)などの不揮発性半導体メモリ、磁気記憶装置(ハードディスクドライブなど)、および光ディスクなどで実装されてもよい。なお、プログラムおよびデータベーステーブルなどのデータは、記憶装置13に加えまたはその代わりに、NAS(Network Attached Storage)および/またはSAN(Storage Area Network)などに記憶されてもよい。
【0023】
通信装置14は、ネットワーク4を通じてサーバコンピュータ2およびクライアントコンピュータ3との間でデータおよび制御情報を送受信するネットワークインタフェースである。このネットワークインタフェースは、例えば、TCP/IPなどのプロトコルに準拠したネットワークカード(例えば、LANカード)などによって実装される。
【0024】
サーバコンピュータ2は、制御装置21、メモリ22、記憶装置23、および通信装置24を含み、それらの各要素がシステムバスを介して結合されている。
図2に示すように、サーバコンピュータ2は、サーバコンピュータ1と接続される。制御装置21、メモリ22、記憶装置23、および通信装置24は、サーバコンピュータ1に含まれる制御装置11、メモリ12、記憶装置13、および通信装置14とそれぞれ同様に機能するので、それらの詳細な説明は省略する。
【0025】
クライアントコンピュータ3は、一般的に使用されている汎用型コンピュータデバイスであり、その詳細な構成の説明は省略する。クライアントコンピュータ3は、少なくとも、サーバコンピュータ1と通信する通信装置、上述した入出力インタフェースを表示するための出力デバイス(ディスプレイなど)、および所定の情報を入力するための入力デバイス(タッチパネル、マウスなど)を含む。また、クライアントコンピュータ3は、任意選択で、運転免許証などの本人確認書類を撮影する撮像装置(カメラ)を含む。
【0026】
次に、
図3を参照して、サーバコンピュータ1のデータベーステーブル13aに記憶された口座データテーブル300の例を説明する。口座データテーブル300は、名義人が保有している口座に関する口座情報を含む。口座データテーブル300は、口座ごとにデータレコード(口座データレコード)を記憶している。
【0027】
図3に示すように、口座データテーブル300は、データ項目として、支店番号301、口座番号302、口座種別303、口座名義人304、名義人番号305、認証情報306、氏名307、住所308、および生年月日309を含む。
【0028】
支店番号301および口座番号302は、口座名義人が保有する口座を識別する情報(支店番号および口座番号の組み合わせ)を含む。支店番号および口座番号の組み合わせは、口座を識別する情報としての役割を果たす。本実施形態では、支店番号301および口座番号302に設定された情報によって口座データレコードを識別する。口座種別303は、対応する口座の種別(普通、当座など)を示す情報を含む。口座名義人304は、対応する口座を保有する口座名義人を示す情報を含む。
【0029】
名義人番号305は、銀行Aによって口座が管理されている口座名義人に一意に割り当てられた識別番号(以下、名義人番号)を含む。名義人番号は、口座名義人を識別する情報としての役割を果たし、同一の人物が銀行Aにおいて2つの口座を有する場合、対応する2つの口座データレコードの名義人番号305には、同一の名義人番号が設定される。氏名307、住所308、および生年月日309はそれぞれ、対応する口座名義人の氏名、住所、および生年月日を示す情報を含む。
【0030】
なお、名義人番号は必ずしも口座名義人に割り当てられるものではない。後述する本人認証を行うために、支店番号および口座番号の組み合わせ、または名義人番号のいずれかが使用されてもよい。
【0031】
認証情報306は、上述した口座情報を提供するための入出力インタフェースを介して口座照会画面など(以下、口座情報提供画面)を表示する際に、口座名義人の本人認証を行うために使用される情報(パスワードなど)を含む。
【0032】
口座データレコードは、例えば、口座名義人が対応する口座を開設し、口座情報提供画面を利用するために認証情報を設定したときに生成される。なお、
図3に示したデータテーブルのレイアウトは、例示にすぎない。口座データテーブル300は、
図3に示す要素の全てを含む必要はなく、また、
図3には示されない任意の情報を含んでもよい。例えば、
図3に示すレイアウトの代わりに、口座データテーブル300は、正規化された複数のデータテーブルによって実装されてもよい。
【0033】
本実施形態では、銀行Aに口座を保有する口座名義人が、銀行Aによって販売された保険商品について保険契約を締結する際、銀行Aが提供する口座情報提供サービスを通じて口座名義人(契約者)の本人認証を行う。口座情報提供サービスとは、上述した入出力インタフェースを通じて口座名義人に口座情報を提供するオンラインサービスである。
【0034】
クライアントコンピュータ3の出力デバイス(ディスプレイ)に、入出力インタフェースを介して、上述したオンラインサービスの初期画面として認証画面が表示される。
図4は、認証画面400を示す。認証画面400は、サーバコンピュータ1が生成したWEBページに対応し(サーバコンピュータ1からWEBページが送信される)、口座名義人Bから認証情報などの入力を受け付ける。
【0035】
図4に示すように、認証画面400は、支店番号入力欄401、口座番号入力欄402、名義人番号入力欄403、認証情報入力欄404、および認証ボタン405を含む。口座名義人は、本人認証を行うために、支店番号および口座番号の組み合わせを使用する場合、支店番号入力欄401および口座番号入力欄402にそれぞれ、支店番号および口座番号を入力し、名義人番号を使用する場合、名義人番号入力欄403に名義人番号を入力する。次に、名義人は、認証情報入力欄404にパスワードなどの認証情報を入力し、認証ボタン405を押下すると、名義人に対する本人認証が行われる。
【0036】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る本人認証システム100が実行する処理の例を説明する。本実施形態では、銀行Aに口座を保有する口座名義人Bは、銀行Aが販売する、保険者Cによって提供された保険商品を購入し、口座名義人Bが契約者Bとして保険者Cと保険契約を締結する例を説明する。口座名義人Bは、保険商品を購入するとき、クライアントコンピュータ3の出力デバイス(ディスプレイ)に表示された入出力インタフェースを介して(口座情報提供画面)、保険商品を申し込むことができる。
【0037】
まず、クライアントコンピュータ3の出力デバイス(ディスプレイ)に表示された認証画面400において、口座名義人Aの本人認証を行うための認証情報などの情報を入力すると、クライアントコンピュータ3は、入力された情報を認証電文としてサーバコンピュータに送信する(ステップS501)。認証画面は、口座情報提供画面の初期画面としての、サーバコンピュータ1から送信されたWEBページに対応する。
【0038】
サーバコンピュータ1の通信装置14が認証電文を受信すると、制御装置11は、認証電文に含まれる支店番号および口座番号の組み合わせ、または名義人番号に基づいて、口座データテーブル300から対応する口座データレコードを取得する(ステップS502)。次に、制御装置11は、口座データレコードの認証情報306に設定された認証情報と、認証電文に含まれる認証情報とを比較する。両者が一致した場合、通信装置14は、クライアントコンピュータ3に、認証が成功したことを示す応答電文を送信する(ステップS503)。ステップS501乃至S503の処理によって、口座名義人Bの本人認証が行われる。
【0039】
本人認証に成功すると、クライアントコンピュータ3では、認証画面から口座情報提供画面(図示せず)に遷移し、口座名義人Bは、口座情報提供画面において口座情報(残高など)を確認することができる。口座情報提供画面は、サーバコンピュータ1が生成したWEBページに対応し(サーバコンピュータ1からWEBページが送信される)、口座名義人Bから保険商品の選択などの入力を受け付ける。このときに、制御装置11は、保険データテーブル600から、保険データレコードを取得する(S504)。保険データテーブル600は、銀行Aが販売する保険商品の全てまたは一部に関する保険情報を含む。
【0040】
図6を参照して、サーバコンピュータ1のデータベーステーブル13aに記憶された保険データテーブル600の例を説明する。保険データテーブル600は、保険商品ごとにデータレコード(保険データレコード)を記憶している。
図6に示すように、保険データテーブル600は、データ項目として、保険番号601、保険者番号602、本人確認書類提出要否603、および説明要否604を含む。
【0041】
保険番号601は、保険商品を識別する情報を含む。保険者番号602は、対応する保険商品を提供する保険者を識別する情報を含む。銀行Aは、複数の保険者によって提供された複数の保険商品を販売することがあるので、保険番号および保険者番号によって、保険商品および保険者を識別することができる。
【0042】
本人確認書類提出要否603は、対応する保険商品が、犯罪収益移転防止法の下、保険契約を締結する際に、契約者が本人確認書類(運転免許証)を提示することを定めているか否かを示す情報(例えば、「0:不要」または「1:要」)を含む。例えば、本人確認書類提出要否603に「1:要」が設定されている場合、対応する保険商品について保険契約を締結する場合、契約者は、本人確認書類を保険者に提示する必要がある。
【0043】
説明要否604は、対応する保険商品が、保険業法などの下、保険契約を締結する際に、保険者(保険商品を販売する銀行の販売員を含む、以下、「販売員」)が契約者に対して保険商品について説明することを定めているか否かを示す情報(例えば、「0:不要」または「1:要」)を含む。例えば、説明要否604に「1:要」が設定されている場合、対応する保険商品について保険契約を締結する場合、販売員は、契約者に対して保険商品について説明する必要がある。
【0044】
なお、
図6に示したデータテーブルのレイアウトは、例示にすぎない。保険データテーブル600は、
図6に示す要素の全てを含む必要はなく、また、
図6には示されない任意の情報を含んでもよい。例えば、
図6に示すレイアウトの代わりに、保険データテーブル600は、正規化された複数のデータテーブルによって実装されてもよい。
【0045】
図5の説明に戻り、保険契約データレコードを取得すると、制御装置11は、保険契約データレコードを含む保険商品リストを生成し、通信装置14が保険商品リストをクライアントコンピュータ3に送信する(ステップS505)。保険商品リストは、口座情報提供画面の一部(または、口座情報提供画面から遷移した新たな画面)に表示される。保険商品リストは、サーバコンピュータ1が生成したWEBページに対応する。
【0046】
図7は、保険商品リスト700を示す。
図7に示すように、保険商品リスト700は、ステップS504において取得された保険データレコードに対応する保険商品一覧701を示し、契約者は、対応する保険商品の申し込みボタン702乃至704のいずれかを押下すると、対応する保険契約の申込みを行うことができる。
【0047】
図7に示す保険商品リスト700に表示された保険1は、
図6に示す1つ目の保険データレコード(保険番号「11111」、保険者番号「111」、本人確認書類提出要否「0:不要」、および説明要否「0:不要」)に対応する。同様に、保険2は、
図6に示す2つ目の保険データレコード(保険番号「22222」、保険者番号「222」、本人確認書類提出要否「0:不要」、および説明要否「0:不要」)に対応する。同様に、保険3は、
図6に示す3つ目の保険データレコード(保険番号「33333」、保険者番号「333」、本人確認書類提出要否「1:要」、および説明要否「1:要」)に対応するものとする。
【0048】
上述したことは、契約者が保険1および2を申し込んだ場合、本人確認書類を保険者に提示する必要がなく、販売員は、契約者に保険商品について説明する必要がないことを意味する。一方で、契約者が保険3を申し込んだ場合、本人確認書類を保険者に提示する必要があり、販売員は、契約者に保険商品について説明する必要がある。
【0049】
また、保険1は、保険者番号「111」に対応する保険者(保険者Cとする)によって提供され、保険2は、保険者番号「222」に対応する保険者(以下、「保険者a」)によって提供され、保険3は、保険者番号「333」に対応する保険者(以下、「保険者b」)によって提供される。保険者Cは、サーバコンピュータ2(サーバコンピュータ2a)を実装し、サーバコンピュータ2aによって自身が提供する保険商品についての保険契約を管理している。同様に、保険者aおよびbはそれぞれ、サーバコンピュータ2(サーバコンピュータ2bおよび2c)を実装している。
【0050】
例えば、契約者が保険1を申し込む場合、申し込みボタン702を押下すると、クライアントコンピュータ3では、保険商品リスト700が表示された画面から、保険者Cが提供する保険申し込み画面(WEBページ)に遷移する。同様に、契約者が保険2(または、保険3)を申し込む場合、申し込みボタン703(または、704)を押下すると、クライアントコンピュータ3では、保険商品リスト700が表示された画面から、保険者a(または、保険者b)が提供する保険申し込み画面(WEBページ)に遷移する。
【0051】
申し込みボタン702乃至704からそれぞれ対応する保険申し込み画面への遷移は、保険商品リスト700のWEBページに埋め込まれたハイパーリンクによって実装される。例えば、保険1(保険番号「11111」)は、保険者C(保険者番号「111」)によって提供されるので、申し込みボタン702は、保険者Cが提供する保険申し込み画面にリンクされてもよい。つまり、特定の保険商品を選択する申し込みボタンは、当該保険商品を提供する保険者が提供する保険申し込み画面にリンクされてもよい。つまり、保険商品を種別ごとに共通の保険申し込み画面にリンクされてもよい。
【0052】
また、複数の保険者が共同で保険申し込み画面を提供してもよい。例えば、複数の保険者によって販売される、本人確認書類を提出することが定められた保険商品(本人確認書類提出要否「1:要」)を申し込むための保険申し込み画面が、複数の保険者によって共同で提供されてもよい。この場合、例えば、本人確認書類を提出することが定められた複数の保険商品を選択する申し込みボタンは、共同の保険申し込み画面にリンクされてもよい。保険商品を種別ごとに共通の保険申し込み画面にリンクされてもよい。
【0053】
同様に、複数の保険者によって販売される、契約者に対して保険商品について説明することが定められた保険商品(説明要否「1:要」)を申し込むための保険申し込み画面が、複数の保険者によって共同で提供されてもよい。この場合、例えば、契約者に対して保険商品について説明することが定められた複数の保険商品を選択する申し込みボタンは、共同の保険申し込み画面にリンクされてもよい。
【0054】
なお、本実施形態では、サーバコンピュータ1は、保険データテーブル600から取得した保険データレコードから保険商品リスト700を生成しているが(保険商品に対応する保険申し込み画面へのハイパーリンクが設定された)、保険データテーブル600から取得した保険データレコードを取得せずに、保険商品リスト700に、保険商品と対応する保険申し込み画面へのハイパーリンクが埋め込まれてもよい。
【0055】
図5の説明に戻り、契約者が保険商品リスト700内の申し込みボタン702乃至704のいずれかを押下すると(本実施形態では、保険1を申し込むために申し込みボタン702が押下されるものとする)、クライアントコンピュータ3は、選択電文をサーバコンピュータ1に送信する(ステップS506)。選択電文は、申し込みボタン702が押下されたことを示し(つまり、契約者Bが選択した保険商品を示す)、少なくとも保険1に対応する保険番号、任意選択で保険者Cの保険者番号を含む。
【0056】
次に、サーバコンピュータ1の制御装置11は、例えば、日付、固定番号、乱数、またはそれらのいずれかの組み合わせなどを含む一時的契約番号を生成する(ステップS507)。一時的契約番号は、契約者が保険者との間で締結することになる保険契約ごとに一意に割り当てられる番号である。後述するが、保険契約が締結されると、保険者が証券番号を割り当て、証券番号が保険契約を識別する情報としての役割を果たすが、証券番号は、契約締結時に保険者が割り当てるため、それまでは一時的契約番号によって案件を識別する。
【0057】
次に、制御装置11は、一時的契約番号と共に、ステップS502において取得した口座データレコードに含まれる、契約者の支店番号および口座番号の組み合わせ、または名義人番号、ならびにステップS506において受信した選択電文(保険者Cの保険番号)に基づいて、契約データテーブル800にデータレコードを挿入する(ステップS508)。契約データテーブル800は、銀行Aが契約者と締結することになる保険契約に関する契約情報を含む。
【0058】
図8を参照して、サーバコンピュータ1のデータベーステーブル13aに記憶された契約データテーブル800の例を説明する。契約データテーブル800は、保険契約ごとにデータレコード(契約データレコード)を記憶している。
図8に示すように、契約データテーブル800は、データ項目として、一時的契約番号801、保険番号802、証券番号803、支店番号804、口座番号805、および名義人番号806を含む。
【0059】
一時的契約番号801は、ステップS507において生成された一時的契約番号を含む。支店番号804、口座番号805、および名義人番号806はそれぞれ、ステップS502において取得した口座データレコードに含まれる、契約者の支店番号および口座番号の組み合わせ、または名義人番号を含む。保険番号802は、ステップS506において受信した選択電文に対応する保険番号を含む。証券番号803は、ステップS508の時点では、初期値(例えば、空白)を含む。
【0060】
契約データテーブル800によって、サーバコンピュータ1(銀行A)において、契約者が保険者との間で締結することになる保険契約を管理することができる。後述するが、証券番号803に含まれる値は、サーバコンピュータ2(保険者C)において証券番号が割り当てられると、その証券番号により更新された値を含むことになる。
【0061】
次に、制御装置11は、申し込み電文を生成し、通信装置14が申し込み電文をサーバコンピュータ2aに送信する(ステップS509)。申し込み電文は、契約者Bが選択した保険1を申し込むことを示し、少なくとも、一時的契約番号と共に、ステップS502において取得した口座データレコードに含まれる契約者の氏名、住所、および生年月日、ならびにステップS506において受信した選択電文に対応する保険番号を含む。
【0062】
上述したように、銀行Aは、複数の保険者からの保険商品を販売することがある。このことから、サーバコンピュータ2は、複数の保険者によって実装される。申し込み電文は、複数のサーバコンピュータ2のいずれによっても共通して使用できるよう、統一したフォーマットを有する。よって、サーバコンピュータ1は、サーバコンピュータ2の各々に対応して、申し込み電文を生成すること必要がない。
【0063】
ステップS506において、サーバコンピュータ1は、申し込みボタン702が押下されたことを示す選択電文を受信しているので、契約者が保険者Cによって提供される保険商品を選択したことを認識することができ、つまり、申し込み電文の宛先を認識することができる(サーバコンピュータ2の情報(IPアドレスなどの宛先情報は、サーバコンピュータ1において保険者番号と関連付けて記憶されている)。
【0064】
次に、サーバコンピュータ2aの制御装置21は、申し込み電文に含まれる一時的契約番号に対応する証券番号を生成し、申し込み電文に含まれる情報に基づいて、保険申し込み画面(WEBページ)を生成し、通信装置24が保険申し込み画面をクライアントコンピュータ3に送信する(クライアントコンピュータ3に直接またはサーバコンピュータ1を介して)(ステップS510)。証券番号は、契約者Bと保険者Cとの間で締結される保険契約を識別する。保険申し込み画面は、申し込み電文に含まれる契約者の氏名などを含む契約者情報、生成した証券番号、および申し込み電文に含まれる保険番号に対応する保険商品情報などを含む。また、保険申し込み画面に表示される必要はないが、保険申し込み画面は、申し込み電文に含まれる一時的契約番号を含む。
【0065】
保険申し込み画面を受信すると、クライアントコンピュータ3では、保険商品リスト700が表示された画面から保険申し込み画面900に遷移する(申し込みボタン702からのハイパーリンクを通じて)。
図9は、保険申し込み画面900を示す。
図9に示すように、保険申し込み画面900は、契約者情報表示欄901、保険契約情報表示欄902、法規制チェック欄903、および入力ボタン904を含む。
【0066】
契約者情報表示欄901は、上述した契約者情報を含む。契約者は、この契約者情報が自身の正確な情報を含んでいるかを確認する。保険契約情報表示欄902は、上述した証券番号および保険商品情報を含む。契約者は、この保険商品情報が契約内容の正確な情報を含んでいるかを確認する。法規制チェック欄903は、約款など、保険業法などの下、対応する保険契約において取り決めた事項などを確認する。契約者が入力ボタン803を押下すると、対応する保険契約に同意したものと見なして、クライアントコンピュータ3は、同意電文を生成し、サーバコンピュータ1に送信する(ステップS511)。同意電文は、契約者Bが保険契約に承諾したことを示し、少なくとも一時的契約番号および証券番号を含む。
【0067】
サーバコンピュータ1の通信装置14が同意電文を受信すると、制御装置11は、同意電文に含まれる一時的契約番号(一時的契約番号801に含まれる値)に対応する契約データレコード(契約データテーブル800)の証券番号803に含まれる値を更新する(ステップS512)。
【0068】
次に、制御装置11は、契約締結電文を生成し、通信装置14がサーバコンピュータ2aに送信する(ステップS513)。契約締結電文は、契約者Bとの間で保険1に対応する保険契約が締結されたことを示し、少なくとも証券番号を含む。サーバコンピュータ2aの通信装置24が契約締結電文を受信すると、サーバコンピュータ2aにおいて管理している、対応する保険契約についてのデータを更新する(ステップS514)。データの更新とは、例えば、証券番号で識別することができる、対応する保険契約についての状態を「1:締結」など、保険者aと契約者Bとの間で保険契約が締結されたことを示す値に更新する。この処理によって銀行Aが販売した保険商品について、保険者aと契約者Bとの間で保険契約が締結される。
【0069】
以上のように、本実施形態に係る本人認証システムを説明した。本実施形態によれば、認証画面400において銀行Aにおける口座名義人の本人認証を行い、銀行Aが保有する(サーバコンピュータ1に記憶された)口座名義人の情報を使用して保険者(サーバコンピュータ2)と連動して、契約者との保険契約を締結する。この構成によって、少なくとも犯罪収益移転防止法の下で契約者が本人確認書類を提示することを必要としない保険商品について、契約締結時に銀行Aにおける本人認証により契約者の本人確認を行うことができる。
【0070】
また、サーバコンピュータ1によって一時的契約番号を生成し、サーバコンピュータ1とサーバコンピュータ2との間で一時的契約番号を共有するので、両者の間で、保険契約に関する情報を同期することができる。
【0071】
図5で説明した処理において、保険3を申し込むために申し込みボタン704が押下された場合(つまり、契約者が本人確認書類を提示することが定められた保険商品が選択された場合)、以下のような処理が実行される。
【0072】
ステップS509においてクライアントコンピュータ3に送信される保険申し込み画面は、本人確認書類アップロード画面を含む。上述したように、本人確認書類を提出することが定められた保険商品を選択する申し込みボタンは、そのような保険商品に対応する保険申し込み画面にリンクされる。よって、この保険申し込み画面は、埋め込まれた本人確認書類アップロード画面を含む。
【0073】
また、サーバコンピュータ1は、対応する保険データレコードの本人確認書類提出要否603に設定された値から、選択された保険商品が本人確認書類の提示を必要とするか否かを判定することができる。よって、サーバコンピュータ1がサーバコンピュータ2に対し、保険申し込み画面に本人確認書類アップロード画面を含めるよう要求してもよい。また、契約者が選択した保険商品に応じて、選択された保険商品が本人確認書類の提示を必要とするか否かをサーバコンピュータ2が判定し、サーバコンピュータ2が保険申し込み画面に本人確認書類アップロード画面を含めてもよい。
【0074】
契約者がクライアントコンピュータ3の撮像装置を使用して、本人確認書類を撮影し、本人確認書類アップロード画面を介して画像をアップロードすると、サーバコンピュータ2aに送信される同意電文に、本人確認書類を示す画像が含まれることになる。このようにして、契約者によって選択された保険商品が本人確認書類の提示を必要とする場合、本人確認書類を示す画像が保険者に送信されるので、保険者は、犯罪収益移転防止法の下に定められた手順において契約者の本人確認を行うことができる。
【0075】
また、
図5で説明した処理において、保険3を申し込むために申し込みボタン704が押下された場合(つまり、契約者に対して保険商品について説明することが定められた保険商品が選択された場合)、以下のような処理が実行される。
【0076】
ステップS509においてクライアントコンピュータ3に送信される保険申し込み画面は、ビデオ通話起動ボタンを含む。ビデオ通話起動ボタンは、契約者Bによって押下されると、クライアントコンピュータ3と販売員が使用するコンピュータデバイス(図示せず)との間で音声ビデオ通信を確立するトリガとなる。ビデオ通話は、例えば、Zoom Video Communications,Inc.により提供されるZoom(登録商標)およびMicrosoft Corporationにより提供されるSkype(登録商標)などを利用してもよい。上述したように、契約者に対して保険商品について説明することが定められた保険商品を選択する申し込みボタンは、そのような保険商品に対応する保険申し込み画面にリンクされる。よって、この保険申し込み画面は、埋め込まれたビデオ通話起動ボタンを含む。
【0077】
また、サーバコンピュータ1は、対応する保険データレコードの説明要否604に設定された値から、選択された保険商品が契約者による説明を必要とするか否かを判定することができる。よって、サーバコンピュータ1がサーバコンピュータ2に対し、保険申し込み画面にビデオ通話起動ボタンを含めるよう要求してもよい。また、契約者が選択した保険商品に応じて、選択された保険商品が契約者による説明を必要とするか否かをサーバコンピュータ2が判定し、サーバコンピュータ2が保険申し込み画面にビデオ通話起動ボタンを含めてもよい。
【0078】
契約者が音声ビデオ通信を介して販売員からの説明を受けると、保険申し込み画面において、説明を受けたことを示すボタンが表示または活性化される。契約者がそのボタンを押下すると、クライアントコンピュータ3は、同意電文を生成し、サーバコンピュータ2に送信する。このようにして、契約者によって選択された保険商品が契約者による説明を必要とする場合、契約者は、音声ビデオ通信を介して販売員からの説明を受けることができるので、保険者は、保険業法などの下に定められた手順を行うことができる。
【0079】
上記実施形態で説明したハードウェアの構成要素は例示的なものにすぎず、その他の構成も可能であることに留意されたい。また、上記実施形態で説明した処理の順序は、必ずしも説明した順序で実行される必要がなく、任意の順序で実行されてもよい。さらに、本発明の基本的な概念から逸脱することなく、追加のステップが新たに加えられてもよい。
【0080】
また、本発明の一実施形態に係る本人認証システム100は、サーバコンピュータ1によって実行されるコンピュータプログラムによって実装されるが、当該コンピュータプログラムは、非一時的記憶媒体に記憶されてもよい。サーバコンピュータ2およびクライアントコンピュータ3によって実行されるコンピュータプログラムも同様である。非一時的記憶媒体の例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリ装置、内蔵ハードディスクおよび取外可能ディスク装置などの磁気媒体、光磁気媒体、ならびにCD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体などを含む。
【符号の説明】
【0081】
1 サーバコンピュータ
2 サーバコンピュータ
2a サーバコンピュータ
2b サーバコンピュータ
2n サーバコンピュータ
3 クライアントコンピュータ
4 ネットワーク
100 本人認証システム