(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】ロッキングシステムを備える流力弾性装置
(51)【国際特許分類】
F16F 13/14 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
F16F13/14 Z
(21)【出願番号】P 2020512091
(86)(22)【出願日】2018-03-26
(86)【国際出願番号】 FR2018050725
(87)【国際公開番号】W WO2018202967
(87)【国際公開日】2018-11-08
【審査請求日】2020-12-03
(32)【優先日】2017-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】520398881
【氏名又は名称】アンビス ホールディング
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】パトリス レ クエレ デュモント
(72)【発明者】
【氏名】パトリス フォルト
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第95/030843(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16F 11/00- 13/30
F16D 3/50
F16D 3/80
B60K 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械又は設備一部分の2つの部分を接続し、該部分の一方から該部分の他方への力の伝達を提供し、かつそれらの間の振動を減衰させるか又はフィルターするために、該2つの部分に取り付けられるための流力弾性装置(1)であって、
該装置が、
隙間(4)の境界を定めるよう間をあけた内部強化材(2)及び外部強化材(3)と、弾性変形可能であり、該隙間(4)の中に位置し、かつ該内部強化材及び該外部強化材(2、3)と接続されている減衰体(6)とを備える、固体の力伝達要素;並びに
少なくとも1つの減衰チャンバー(7)であって、該固体の力伝達要素の表面によって形成される該減衰チャンバー(7)の内側面(8)によって境界が定められる該減衰チャンバー(7)を備え、かつ該減衰体(6)に取り付けられている、減衰空間
を備え、
該流力弾性装置(1)は、通常、該振動を減衰させるか又はフィルターするために、該強化材(2、3)の他方に対する該強化材(2、3)の一方における該装置(1)の負荷の一方向(F)の力の行使の後に、該減衰空間が、該減衰空間内で変位可能である加圧された液圧減衰液(10)で満たされている、満状態にあり、
ここで、該流力弾性装置(1)は、該減衰空間が該加圧された減衰液(10)で満たされていない、非満状態となることができ、
該流力弾性装置(1)は、該非満状態のための軽減手段(11)を更に備え、該軽減手段(11)は、該満状態では作動せず、かつ該非満状態では作動し、
該軽減手段(11)は、充填に関する該流力弾性装置の状態によって制御される、完全に剛直なロッキング部(12)及び変形可能な負荷部(13)を備えるロッキングシステムを備え、
該負荷部(13)は、該装置(1)の固体の力伝達要素(27)によって支えられかつそれに固定され、かつ
該ロッキング部(12)は、該負荷部(13)によって支えられかつそれに固定され、該減衰チャンバー(7)内に位置し、該満状態で作動せず、かつ該非満状態で作動するように構成され、その結果、該ロッキング部(12)は、該ロッキング部(12)の負荷の方向(M)に該負荷部(13)によって移動可能であるように構成され、かつ2つの極端な位置:i) 該ロッキング部(12)が、該装置(1)の負荷の方向(F)にロックされず、該装置(1)の負荷の方向(F)の力伝達の不連続性を確実なものとする、該満状態での不作動位置、及びii) 該ロッキング部(12)が、該装置(1)の負荷の方向(F)にロックされ、該装置(1)の負荷の方向(F)の力伝達の連続性を確実なものとし、かつ該方向(F)に追加の固さを加える、該非満状態での作動位置を占めるように構成されており、
該負荷部(13)が、圧縮状態と展開状態との間で変形可能であり、かつ該装置(1)の状態によって制御され、その結果、該装置(1)が該満状態にある場合、該負荷部(13)は該圧縮状態にあり、かつ該装置(1)が該非満状態にある場合、該負荷部(13)は該展開状態にあり、該満状態から該非満状態への変化に際し、該負荷部(13)は該圧縮状態から該展開状態へと変形され、かつ該負荷部(13)は、該圧縮状態から該展開状態への変化に際し、該ロッキング部(12)を負荷して、該不作動位置から該作動位置まで該ロッキング部(12)の負荷の方向(M)に該ロッキング部を動かし、かつ該負荷部(13)が該展開状態にある限りは、該作動位置に該ロッキング部(12)を保つように構成されている、前記流力弾性装置(1)。
【請求項2】
弾性変形可能である前記負荷部(13)が、前記非満状態から前記満状態への変化の間に該負荷部が前記展開状態から前記圧縮状態へと変形されるように、前記装置(1)の状態によって制御され、かつ
該負荷部(13)が、該展開状態から該圧縮状態への変化の間に前記作動位置から不作動位置へと前記ロッキング部(12)を動かすために、該ロッキング部(12)に作用するように構成されている、請求項1記載の装置(1)。
【請求項3】
前記負荷部(13)が、前記装置(1)の固体の力伝達要素(27)への支持及び取付部(26)と、前記ロッキング部(12)の支持及び取付部(28)と、これら2つの支持及び取付部(26、28)を接続する、少なくとも1つの自己支持型かつ変形可能な細長い部分(29)であって、前記2つの状態の間で変形されるように該装置(1)の状態によって制御される、該自己支持型かつ変形可能な細長い部分(29)とを備え、
該ロッキング部(12)の該支持及び取付部(28)が、前記ロッキング部(12)の負荷の方向(M)に動かされる、請求項1又は2記載の装置(1)。
【請求項4】
変形可能な材料で作られている前記自己支持型かつ変形可能な部分(29)が、前記負荷部(13)の外側とは連通しておらず、前記満状態での前記装置(1)の前記減衰液(10)の圧力よりも低く、かつ大気圧以上である圧力となる、1つ以上の中空の内部空間を有する、請求項3記載の装置(1)。
【請求項5】
前記自己支持型かつ変形可能な部分(29)が、
前記装置(1)が、前記満状態にあり、前記1つ以上の内部中空空間の圧力が、前記減衰液(10)の圧力よりも低く、その結果、それが、該自己支持型かつ変形可能な部分(29)を圧縮する場合に、圧縮されるか、
該装置(1)が、前記非満状態にあり、該減衰液(10)の喪失を原因として、該内部中空空間の圧力が、前記減衰チャンバー(7)内において大気圧以上である場合に、展開されるかのいずれかである、請求項4記載の装置(1)。
【請求項6】
前記自己支持型かつ変形可能な部分(29)が、前記満状態から前記非満状態への変化の間に、前記
ロッキング部(12)の支持及び取付部(28)が前記ロッキング部(12)の力の方向(M)に動かされるように形成される、請求項3~5のいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項7】
前記負荷部(13)が、互いに傾けられ、前記
固体の力伝達要素(27)への支持及び取付部(26)に向かって集まり、かつ前記
ロッキング部(12)の支持及び取付部(28)に向かって広がる、2本のアーム(29a)の形態の自己支持型かつ変形可能な部分(29)を備える、請求項3~6のいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項8】
前記
固体の力伝達要素(27)への支持及び取付部(26)が、前記減衰体(6)の表面(17)から突出する支持付属物(27)によって支持される、請求項3~7のいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項9】
前記ロッキング部(12)の横側表面(18)が、少なくとも1つのクリアランスエリア(19)を有し、
該クリアランスエリア(19)は、該ロッキング部(12)の前記不作動位置において、前記装置(1)の負荷の方向(F)の力伝達の不連続性を確実なものとするように、前記減衰チャンバー(7)の内側面(8)に属するか又はそれに取り付けられている少なくとも1つの対応する対向クリアランスエリア(19a)から離れて間をあけてかつそれとは接触せずに、前記装置(1)の負荷の方向(F)に置かれる、請求項
3~8のいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項10】
前記減衰チャンバー(7)の内側面(8)に属するか又はそれに取り付けられている対向クリアランスエリア(19a)が、前記強化材(2、3)のもしくは該減衰チャンバー(7)に向かい合う前記減衰体(6)の横表面のエリアであるか、又は該減衰チャンバー(7)内に配置された係合停止装置エリア(24)である、請求項9記載の装置(1)。
【請求項11】
前記ロッキング部(12)の前記横側表面(18)が、少なくとも1つの係合エリア(20)を有し、
該係合エリア(20)が、該ロッキング部(12)の前記作動位置において、前記装置(1)の負荷の方向(F)の力伝達の連続性を確実なものとするように、前記減衰チャンバー(7)の内側面(8)に属するか又はそれに取り付けられている少なくとも1つの接在係合エリア(20a)との力の伝達と接触することによって、前記装置(1)の負荷の方向(F)に置かれる、請求項
9又は10記載の装置(1)。
【請求項12】
前記減衰チャンバー(7)の内側面(8)に属するか又はそれに取り付けられている接在係合エリア(20a)が、前記強化材(2、3)の1つのもしくは前記減衰チャンバー(7)に向かい合う前記減衰体(6)の横表面のエリアであるか、又は該減衰チャンバー(7)内に形成された係合停止装置エリア(24)である、請求項11記載の装置(1)。
【請求項13】
前記ロッキング部(12)の前記横側表面(18)が、前記負荷部(13)に属する対応する保持/負荷エリアを有し、該負荷部(13)が前記圧縮状態にあるのか又は前記展開状態にあるのかによる前記作動位置で又は前記不作動位置での該ロッキング部(12)の維持、及び該負荷部(13)の該圧縮状態から該展開状態への変化の間の前記ロッキング部(12)の力の方向(M)での該ロッキング部(12)の不作動位置から該作動位置までの変位を確実なものとする、請求項
9~12のいずれか1項記載の装置(1)。
【請求項14】
前記ロッキング部(12)の前記横側表面(18)が、前記保持/負荷エリアに、前記
ロッキング部(12)の支持及び取付部(28)に相補的な支持及び取付部(30)を有する、請求項13記載の装置(1)。
【請求項15】
前記ロッキング部(12)の前記横側表面(18)が、一方側にクリアランスエリア(19)及び他方側に係合エリア(20)を有する、上下を逆にした二重Lの概略形状の窪み(23)で形成された部分を備える、請求項14記載の装置(1)。
【請求項16】
主軸(XX)を有し、かつ2つの横端面(25)の間に横たわる、請求項1~15のいずれか1項記載の装置(1)であって、
前記内部強化材(2)が、該端面(25)のうちの少なくとも1つから現れ、ここで、該内部強化材(2)は、概略円柱状であり、
前記外部強化材(3)が、概略円筒状であり、該内部強化材(2)の外径よりも大きい内径を有し、その結果、該外部強化材(3)が、該内部強化材(2)を横方向にかつ同心円状に囲み、
中間部(4)の形状が、半径方向に互いに間をあけた該内部強化材及び外部強化材(2、3)の間で半径方向及び軸方向に延びる概略円環状であり、
前記減衰体(6)が、半径方向及び軸方向に延び、かつ内側は該内部強化材(2)とかつ外側は該外部強化材(3)と固定的かつ剛直に結合しており、
2つの減衰チャンバー(7)が、半径方向及び軸方向に延び、前記装置(1)の負荷の方向(F)に直径に沿って相対し、かつ該減衰体(6)と該外部強化材(3)との間に挟まれて設けられ、
細長くかつ幅狭の減衰接続チャネルが、該2つの減衰チャンバー(7)の間を連通し、
前記満状態で、前記液圧減衰液(10)が、該2つの減衰チャンバー(7)及び該減衰チャネルによって形成される前記減衰空間を加圧下で満たし、かつ
該装置(1)の負荷の方向(F)が、半径方向である、前記装置(1)。
【請求項17】
各減衰チャンバー(7)が、第1の側で前記外部強化材(3)の前記内面(3a)の減衰チャンバー(7)部によって、かつ第2の側で前記減衰体(6)の減衰チャンバー(7)表面によって形成される、該減衰チャンバー(7)の内側面(8)によって境界が定められる、請求項16記載の装置(1)。
【請求項18】
各ロッキング部(12)が、その輪郭が、擬長方形形状のものであるか、又は擬長方形形状のエンベロープによって囲まれる横側表面(18)を有し、
第1の面部分(18a)が、前記減衰体(6)の前記減衰チャンバー(7)の表面のエリアに隣接しており、該第1の面部分(18a)の反対側の第2の面部分(18b)が、前記外部強化材(3)の前記内面(3a)の前記減衰チャンバー(7)部に向けて置かれ、かつ互いに反対側の第3及び第4の面部分(18c、18d)が、該第1及び第2の面部分(18a、18b)を接続する、請求項17記載の装置(1)。
【請求項19】
各ロッキング部(12)の前記横側表面(18)の前記第2の面部分(18b)が、概略上下を逆にした二重Lの形態の窪み(23)で形づくられた部分を有し、
前記クリアランスエリア(19)が、該概略上下を逆にした二重Lの形態の窪み(23)で形づくられた部分の下方部分に位置する、請求項18記載の装置(1)。
【請求項20】
各ロッキング部(12)について、係合停止装置(24)に結合された対向クリアランスエリア(19a)が、前記減衰チャンバー(7)内に配置される、請求項18又は19記載の装置(1)。
【請求項21】
流力弾性装置(1)の非満状態のための軽減手段(11)であって、
該装置が、
隙間(4)の境界を定めるよう間をあけた内部強化材(2)及び外部強化材(3)と、弾性変形可能であり、該隙間(4)の中に位置し、かつ該内部強化材及び該外部強化材(2、3)と接続されている減衰体(6)とを備える、固体の力伝達要素;並びに
少なくとも1つの減衰チャンバー(7)であって、該固体の力伝達要素の表面によって形成される該減衰チャンバー(7)の内側面(8)によって境界が定められる該減衰チャンバー(7)を備え、かつ該減衰体(6)に取り付けられている、減衰空間
を備え、
該流力弾性装置(1)は、通常、振動を減衰させるか又はフィルターするために、該強化材(2、3)の他方に対する該強化材(2、3)の一方における該装置(1)の負荷の一方向(F)の力の行使の後に、該減衰空間が、該減衰空間内で変位可能である加圧された液圧減衰液(10)で満たされている、満状態にあり、
ここで、該流力弾性装置(1)は、該減衰空間が該加圧された減衰液(10)で満たされていない、非満状態となることができ、
該軽減手段は、該満状態では作動せず、かつ該非満状態では作動し、
該軽減手段が、該流力弾性装置(1)に統合されるように構成されており、
該軽減手段(11)が、充填に関する該装置の状態によって制御される、完全に剛直なロッキング部(12)及び変形可能な負荷部(13)を備えるロッキングシステムを備え、
該負荷部(13)は、該流力弾性装置(1)の固体の力伝達要素(27)によって支えられかつそれに固定され、かつ
該ロッキング部(12)は、該負荷部(13)によって支えられかつそれに固定され、該減衰チャンバー(7)内に位置し、該満状態で作動せず、かつ該非満状態で作動するように構成され、その結果、該ロッキング部(12)は、該ロッキング部(12)の負荷の方向(M)に該負荷部(13)によって移動可能であるように構成され、かつ2つの極端な位置:i) 該ロッキング部(12)が、該装置(1)の負荷の方向(F)にロックされず、該装置(1)の負荷の方向(F)の力伝達の不連続性を確実なものとする、該満状態での不作動位置、及びii) 該ロッキング部(12)が、該装置(1)の負荷の方向(F)にロックされ、該装置(1)の負荷の方向(F)の力伝達の連続性を確実なものとし、かつ該方向(F)に追加の固さを加える、前記非満状態での作動位置を占めるように構成されており、
該負荷部(13)が、圧縮状態と展開状態との間で変形可能であり、かつ該装置(1)の状態によって制御され、その結果、該装置(1)が該満状態にある場合、該負荷部(13)は該圧縮状態にあり、かつ該装置(1)が該非満状態にある場合、該負荷部(13)は該展開状態にあり、該満状態から該非満状態への変化に際し、該負荷部(13)は該圧縮状態から該展開状態へと変形され、かつ該負荷部(13)は、該圧縮状態から該展開状態への変化に際し、該ロッキング部(12)を負荷して、該不作動位置から該作動位置まで該ロッキング部(12)の負荷の方向(M)に該ロッキング部(12)を動かし、かつ該負荷部(13)が該展開状態にある限りは、該作動位置に該ロッキング部(12)を保つように構成されている、前記軽減手段(11)。
【請求項22】
請求項21記載の非満状態のための軽減手段(11)を用いることによる、流力弾性装置(1)の前記非満状態を埋め合わせるための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流力弾性装置の分野に関し、かつ充填の間の減衰液の喪失を克服するための手段に関する。機械に据えつけられ、2つの要素に固定され、それらを組み立て、かつ一方から他方への力の伝達を確実なものとし、かつそれらの間の振動を減衰させるか又はフィルターすることが意図されるそのような流力弾性装置は、例えば、接地のために車両(列車、自動車など)において用いられる。「流力弾性装置」という用語は、「液圧抗振動支持体」、「液圧抗振動スリーブ」、「ハイドロマウント」又は英語では、「ブッシング(bushing)」又は「流体で満たされた弾性取付台(fluid-filled elastic mount)」に類似するものとしてみなされるべきである。
【背景技術】
【0002】
本発明を適用できるタイプの流力弾性装置は、公知の様式で、中間部の境界を定める、離れて間があけられた内部強化材及び外部強化材を備える固体の力伝達の要素、並びに該中間部内に配置されかつ双方の強化材と連携する、比較的剛直であるが弾性変形可能な減衰体、及び該減衰体と連携する、少なくとも1つの減衰チャンバーを備える減衰空間を備える。通常、減衰空間は、加圧減衰液で満たされており、これは、「充填状態」として知られる状態に対応する。この減衰液は、振動を減衰させるか又はフィルターするように、「装置ストレス方向」として省略して称されるストレス方向への力の、強化材の一方に対する他方との関連での行使である、「強化材ストレス」として省略して称されるものの後に、減衰空間内で動かされることに適しておりかつそう意図されている。構造に応じて、減衰空間は、1つ、2つ、又はそれを超える減衰チャンバーを備える。通常、長く幅狭の接続減衰チャネルが、いくつかの減衰チャンバーを接続する。
【0003】
流力弾性装置がジョイントである場合(FR 2 817 007を参照されたい)において、外側強化材は、内側強化材を横方向にかつ同心円状に囲み、かつ中間部は、環状である。流力弾性ジョイントは、主軸を有し、かつ2つの横端面の間に位置し、該2つの要素のうちの一方に組付けられるために、内部強化材が、それらのうちの少なくとも1つから現れ、また、外部強化材は、該2つの要素のうちの他方に連携されることができる。あるタイプの実施態様において、流力弾性ジョイントは、概略円柱状の形状の剛直な内側強化材;該内側強化材の外径よりも大きい内径の概略円筒状形状の剛直な外側強化材であって、該内側強化材が、該外側強化材によって横方向にかつ同心円状に囲まれている、前記外側強化材;及び該2つの半径方向に間をあけた強化材の間に挟まれる半径方向及び軸方向に延びる円環状中間部;エラストマー又はゴムなどの成形された塊を備え、該中間部の中に配置され、半径方向及び軸方向に延び、かつ内側で該内側強化材とかつ外側で該外側強化材と固定的かつ剛直に連携された減衰体;該減衰体の設計によって提供され、半径方向及び軸方向に延び、直径に沿って相対し、該減衰体と該外部強化材との間に挟まれた、2つの減衰チャンバー;連通した様式で該2つの減衰チャンバーを接続する細長くかつ幅狭の減衰チャネル;並びに該2つの減衰チャンバーと該減衰チャネルとによって形成される該減衰空間を加圧下で満たす比較的低粘度の減衰液を備える。
【0004】
「円柱状の形状」は、閉じた概略円形もしくは擬円形の、又は丸みを帯びた、又は多角形の参照曲線に沿って、全体的に又は部分的に、概略直線的又は擬直線の母線(generator)を動かすことによって得られる形状を意味する。
【0005】
そのような流力弾性ジョイントでは、一方のフレームに対する他方に相対的な相対的半径方向の力が、減衰チャンバーのうちの一方を圧縮し、他方を膨張させ、減衰液は、チャネル通って流れて、圧縮された減衰チャンバーから膨張した減衰チャンバーへと動かされる。この強化材に対するストレスは、該チャネルの断面積及び長さを誘導する、減衰チャネルを通過する液体質量の共鳴振動数に対応するある振動数で生じる。そのような流力弾性ジョイントは、低い振動数では低い固さの状態にあり、所与の振動数を超えると高い固さの状態にある。このようにして振動は減衰又はフィルターされる。
【0006】
このような流力弾性ジョイントの多くの特定の構成が公知である:FR 2 595 426(2つの接続チャネル)、FR 2 618 508(2つのチャンバー及び2つの導管)、FR 2 830 911(2つの減衰体、1つの中間強化材)、FR 2 853 380(4つのチャンバー)、FR 2 926 864(2つの連結されたジョイント)、EP 0 304 349(第2の密閉可能な接続チャネル)、EP 1 348 885(C中間強化材)、EP 1 378 682、US 3 698 703、及びGB 2 316 731。JP 04 102741は、変位を制限するための半径方向の負荷の場合に、内部強化材にもたれかかることができるロッキング体を提供する。WO 2008/071885は、減衰チャンバーを形成する2つの空洞内に位置する2つのブロッキング体が設けられた、予め規定された限度を超える振幅の相対的な半径方向の変位の場合に、内部強化材から外部強化材へと支持力を伝達する能力がある、減衰体内に含まれる円柱状中間強化材を提供する。US 5 024 425及びFR 2 830 911は、停止バッファーが設けられた減衰体を記載している。US 4 899 997は、静的な半径方向のたわみを補償するために平らにすることができる、変形可能な材料製の、予め負荷がかけられたカラムを備える2チャンバー流力弾性ジョイントを記載している。どんな構成であっても、減衰空間は、多かれ少なかれ深刻な、又はさらには危険な方法で適切に機能することを損なってしまう可能性があるであろう液体の喪失がないように、密閉され漏れのないものなければならない。そのような密閉及び漏れのないことが、FR 2 730 537(密閉フランジ)、EP 0 234 966(ツーピースのアセンブリー)、JP S 561 43 830(密閉ガスケット)、EP 0 296 062、US 3 642 268(減衰液の注入孔の自動閉鎖)、EP 0 894 998で言及されている。しかしながら、これらの文書はいずれも、「充填の喪失状態」として知られる状態に対応する減衰液の喪失を補償する解決手段を提案していないのに対して、それは、流力弾性装置が、安定な挙動を保証しない低い固さの状態にあるという作用を有する。「充填の喪失」という表現は、液体でもはや満たされていない、減衰空間からの減衰液の喪失を意味するものとして理解されなければならない。また、最新技術には、DE 196 51 138、US 4 875 664、JP S60 121339、US 2006/071379、EP 2 672 137、US 4 741 521、US 5 123 634、US 6 168 144、WO 96/14520、及びFR 2 923 881が含まれるが、いずれも、減衰液の喪失を補償する解決手段を提供しない。また、このことは、減衰液の喪失の問題を報告するが、この場合に、減衰体がその機能を果たし続けると記載するのみであるWO 95/30843の場合でも同様である。
【0007】
従って、本発明の目的は、密閉の失敗、並びに密閉及び従って減衰液の喪失、並びに流力弾性装置、特に、流力弾性ジョイントにとってのその結果をある程度まで補償することである。また、本発明は、加えて、充填に関する装置の状態によって制御されるロッキング部及び負荷を備える手段である、充填の喪失の軽減手段の、装置への組込みを提供する。これらの手段は、これらが、そうしなければ減衰流体の喪失によって生じていたであろう減衰の観点での結果を緩和するか又はそれをなくすという理由で、軽減的なものである。これらの手段は、これらが、充填の喪失を補償する独創的かつ排他的な特徴を有するという理由で、特定かつ専有のものである。
【発明の概要】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、中間部の境界を定める内部強化材及び外部強化材を備える固体の力伝達の要素、並びに比較的剛直であるが弾性変形可能であり、該中間部の中に配置され、かつ該2つの強化材と連携する減衰体、及び少なくとも1つの減衰チャンバーを備えかつ該減衰体と連携する減衰空間を備える、既に説明した種類の流力弾性装置に関する。該装置は、通常、減衰空間が、加圧減衰液で満たされている充填状態においては、振動を減衰させるか又はフィルターするように、該装置の負荷方向に前記強化材の一方に対して他方と相対的な力が及ぼされた後に、該減衰空間内で動かされることに適しておりかつそう意図されている。該装置は、意図せずに、減衰空間が、加圧減衰液でもはや満たされていない、充填の喪失状態となってしまうことがある。また、該装置は、充填の状態では作動せず、かつ充填の喪失の状態では起動されて、該装置を、減衰空間が、減衰液で加圧下で満たされていない場合であっても、それが安定な挙動を示すように高レベルの固さの状態とする、統合された特定かつ専有の充填の喪失の軽減手段を備え、これらの軽減手段は、充填に関する該装置の状態によって制御される、完全に剛直なロッキング部及び変形可能な負荷部を備えるロッキングシステムを備える。
【0009】
前記統合された軽減手段は、流力弾性装置によって支えられ、負荷部及びロッキング部を統合し、組み合わせ、一体化させる自己支持型ロッキングシステムを備え、該負荷部は、該流力弾性装置の固体の力伝達要素によって支えられそれにしっかりと固定され、かつ該ロッキング部は、該負荷部によって支えられかつそれにしっかりと固定され、減衰チャンバー内に位置し、完全に剛直である該ロッキング部が、一方で、該ロッキング部の負荷方向に該ロッキング部によって移動可能であり、他方で、2つの極端な位置、即ち、ロッキング部が、流力弾性装置の負荷方向にロックされずに、該流力弾性装置の負荷方向の力伝達の不連続性を確実なものとする、充填状態での不作動位置、及び流力弾性装置の負荷方向にロックされたロッキング部が、流力弾性装置の負荷方向の力伝達連続性を提供し、かつ該方向に追加の固さを加える、充填の喪失状態での作動位置を占めるのに適しかつそう意図されるように、かつ該負荷部が、圧縮状態と展開された状態との間で変形可能であり、流力弾性装置の状態によって制御されるように、満状態では作動せずかつ満状態が失なわれた状態では起動されることに適しておりかつそう意図されており、その結果、流力弾性装置が満状態にある場合には、それは、前記圧縮状態にあり、流力弾性装置が充填の喪失状態にある場合には、展開状態にあり、充填状態から充填の喪失状態へと変化する場合には、それが、該圧縮状態から該展開状態へと変形され、かつ、それが、圧縮状態から伸長状態に変化する場合には、ロッキング部に負荷をかけてそれを該ロッキング部の負荷の方向に不作動位置から作動位置まで動かし、該負荷部が伸長状態にある限りは、それを該作動位置に保つよう適合されておりかつそう意図される。
【0010】
負荷部は、それが、非満状態から満状態への変化の間に展開状態から圧縮状態へと変化させられるように、装置の状態によって制御することができ、その展開状態から圧縮状態への変化の間に、ロッキング部に対して、それをその作動位置から不作動位置へと動かすために作用することに適しておりかつそう意図されている。
【0011】
該負荷部は、流力弾性装置の固体の力伝達要素への支持及び取付部、前記ロッキング部材の支持及び取付部、及びこれら2つの支持及び取付部を接続する、2つの状態の間で変形されるように該流力弾性装置の状態によって制御される少なくとも1つの細長い自己支持型かつ変形可能な部分を備えていてもよく、該ロッキング部材の該支持及び取付部は、該ロッキング部材の負荷の方向に動かされる。
【0012】
変形可能な材料で作られている前記負荷部の変形可能な部分は、一方で、満たされた状態の流力弾性装置の減衰液の圧力よりも低くかつ大気圧以上である圧力となる、負荷部の外側と連通していない1つ以上の中空の内部空間を有する。負荷部の変形可能な部分は、装置が満状態にあり、中空空間の内部の圧力が、装置の減衰液の圧力よりも低く、その結果、該減衰液が、該変形可能な細長い部分を圧縮している場合に圧縮されているか、又は装置が充填の喪失の状態にあり、中空空間の内部の圧力が減衰液の喪失のために減衰チャンバーにおいて大気圧以上である場合に展開されるかのいずれかである。該変形可能な部分は、満たされた状態から非満状態への変化の間に、前記負荷部上の前記ロッキング部の前記支持及び取付部が、該ロッキング部の負荷方向に動かされるように形成される。前記負荷部は、一方で、負荷部上の装置の固体の力伝達要素の支持及びそれへの取り付けのための部分に向かって集まり、他方で、ロッキング部の支持及び取り付けのための部分に向かって広がる、互いの上で傾斜させた2本のアームの形態の変形可能な部分を備えてもよく、ロッキング部の二重支持及び取付部もまた、負荷部上に存在する。
【0013】
固体の力伝達要素への装置の支持及び取付部は、減衰体の面から突出する支持ブラケットによって支えることができる。
【0014】
ロッキング部の横表面は、装置の力の方向の力の伝達の不連続性を確実なものとするように、ロッキング部の不作動位置で、減衰チャンバーの内部横表面に属するか又はそれに取り付けられる少なくとも1つの対応する対向クリアランスエリアから離れて間をあけかつそれと接触せずに装置の力の方向に置かれる、少なくとも1つのクリアランスエリアを有してもよい。該ロッキング部は、それぞれ、単一の向かい合うクリアランスエリア又は2つの向かい合うクリアランスエリアのいずれかとともに、単一のクリアランスエリア又は2つの向かい合うクリアランスエリアのいずれかを有してよい。対向クリアランスエリアは、強化材の横表面のエリアもしくは減衰チャンバーに向いた減衰体のエリア、又は減衰チャンバー内の係合停止装置のエリアであってもよい。
【0015】
ロッキング部の横表面は、装置の負荷方向の力の伝達の連続性を確実なものとするように、ロッキング部の作動位置で、減衰チャンバーの内部横表面に属するか又はそれに取り付けられる少なくとも1つの接在する係合のエリアの力の伝達と接触して装置の負荷方向に置かれる少なくとも1つの係合のエリアを有してもよい。ロッキング部は、それぞれ、単一の接在係合エリア又は2つの接在係合エリアのいずれかともに、単一の係合エリア又は2つの相対する係合エリアのいずれかを有してよい。
【0016】
減衰チャンバーの内部横表面に属するか又はそれに取り付けられる接在係合のエリアは、強化材の横表面のエリアもしくは減衰チャンバーに向いた減衰体のエリア、又は減衰チャンバー内に形成される係合停止装置のエリアであってもよい。
【0017】
ロッキング部の横表面は、隣接又は近接するクリアランスエリア及び係合エリアを有していてもよく、又はロッキング部のその極端な作動位置と不作動位置との間の変位の経路に対応する長さにわたって延びる、隣接又は近接クリアランスエリア及び係合エリアを有していてもよい。
【0018】
ロッキング部の横表面は、負荷部に属する対応する保持/力のエリアにしっかりと連携されている保持/力エリアを有していてもよく、ここで、該保持/力エリアは、一方で、該力片(the force piece)が、圧縮状態にあるのか又は展開状態によるのかによる、前記作動位置又は前記不作動位置でのロッキング部の維持、及び、他方で、圧縮状態から展開状態への負荷部の変化の間の、ロッキング部の力の方向での、不作動位置から該作動位置までのロッキング部の移動を確実なものとするように、該対応する保持/力のエリアにしっかりと連携されている。
【0019】
ロッキング部の横表面は、対応する保持/力エリア内の負荷部上に存在するロッキング部の支持及び取付部に相補的な支持及び取付部を、前記保持/力エリアに有してもよい。特に、該横表面は、ロッキング部の二重支持及び取付部に相補的な二重支持及び取付部を有していてもよく、これらの二重支持及び取付部は、離れて間があけられており、かつ装置の力方向に沿って配置される。
【0020】
ロッキング部の負荷方向は、横成分、特に、装置の負荷方向に対して垂直又はほとんど垂直なものであるか又はそれを含む。
【0021】
ロッキング部は、その輪郭が、多角形又は擬多角形形状のものであるか、又はそれが多角形又は擬多角形形状のエンベロープ(envelope)によって形成される横表面を有してもよい。それは、一方側にクリアランスエリア、他方側に係合エリアを有する上下を逆にした二重Lの概略形状の窪みで形成される部分を備えていてもよい。
【0022】
ロッキング部は、中空かつ軽量のものとすることができる。
【0023】
1つ、2つ、又はそれを超える減衰チャンバーが設けられてもよく、又は複数の減衰チャンバーが設けられ、ロッキング部が、該減衰チャンバーの全て又は一部のみの中に設けられてもよい。前記装置は、装置の負荷方向に配置された少なくとも1対の減衰チャンバーを含む複数の減衰チャンバーを備えてもよく、ロッキング部が、少なくとも1対の減衰チャンバーの該減衰チャンバーのそれぞれの中に設けられる。
【0024】
上述の装置は、主軸を有し、2つの横端面の間に横たわる流力弾性ジョイントであって、前記内部強化材が、その組み立てのために該端面の少なくとも1つのから現れ、ここで該内部強化材が、概略円柱状であり、前記外部強化材が、概略円筒状であり、その内径が、該内側強化材の外径よりも大きく、その結果、該外側強化材が、該内側強化材を横方向にかつ同心円状に囲み、前記中間部の形状が、半径方向に互いに間をあけた該2つの強化材の間を半径方向及び軸方向に延びる概略円環状であり、前記減衰体が、半径方向及び軸方向に延び、かつ内側は該内側強化材と、かつ外側は該外側強化材と固定的かつ剛直に連携され、半径方向及び軸方向に延び、該装置の負荷方向の直径に沿って相対し、かつ該減衰体と該外部強化材との間に挟まれた2つの減衰チャンバーが、該減衰体の設計によって提供され、細長くかつ幅狭の減衰接続チャネルが、該2つの減衰チャンバーの間を連通し、満状態では、前記液圧減衰液が、該2つの減衰チャンバー及び該減衰チャネルによって形成される減衰空間を加圧下で満たし、かつ該装置の負荷方向が、半径方向である、前記流力弾性ジョイントであってもよい。前記内側強化材及び外側強化材並びに減衰チャンバーの形状は、概略円柱状とすることができる。各減衰チャンバーは、一方側が該外部強化材の内部表面の該減衰チャンバーの一部によって、かつ他方側が該減衰体の該減衰チャンバーの表面によって形成される該減衰チャンバーの内側横表面によって境界が定められる。
【0025】
各ロッキング部は、輪郭が、擬長方形形状のものであるか、擬長方形形状のエンベロープによって囲まれる横表面であって、該表面の第1の部分が、前記減衰体の前記減衰チャンバーの前記表面のエリアに隣接し、該表面の該第1の部分に向かい合う該表面の第2の部分が、前記外部強化材の内部表面の前記減衰チャンバーの前記部分に向けて置かれ、かつ該表面の互いに向かい合う第3及び第4の部分が、該第1及び第2の表面部分を接続する、前記横表面を有する。該第2の面部分は、概略二重L形状の反転した窪みを有する成形された部分を有してもよい。前記クリアランスエリアを、前記ロッキング部の前記側面の前記第2の面部分上の中間位置に位置させることができる。該側面は、一方が前記第1の前部上に位置し、かつ他方が、前記第2の前部上の中央位置に位置する2つの係合エリアを有してもよく、かつ前記第3の側面部分は、前記負荷部に対する前記支持及び取付部を有してもよい。前記装置は、各ロッキング部に対して、前記減衰チャンバー内に設けられた係合停止装置に属する対向クリアランスエリア、及び、より特定的には、それぞれ、前記減衰体の前記減衰チャンバー面の一部によって形成され、かつ該減衰チャンバー内に設けられた係合停止装置に属する2つの対向係合エリアを備えてもよい。
【0026】
前記装置を、前記ロッキング部が不作動位置にあり、前記負荷部が圧縮状態にある、充填状態、又は該ロッキング部が作動位置にあり、該負荷部が伸長状態にある、充填の喪失状態とすることができる。
【0027】
第2の態様によれば、本発明は、上述のような装置の充填の喪失を軽減する、そのような装置に、加えて、統合されることに特別に適しておりかつそう意図されている、特定かつ専有の手段に関しており、これらの軽減手段は、充填に関する装置の状態によって制御される、完全に剛直なロッキング部及び変形可能な負荷部を備えるロッキングシステムを備える。
【0028】
第3の態様によれば、本発明の目的は、既に説明した種類の装置の充填の喪失を、上述の充填の喪失の軽減ための手段を実施することによって補償することである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明を適用できる種類のものを説明する流力弾性装置の考えられる理論上の実施態様の斜視図である。
【
図2】
図2は、
図1の装置の中央軸平面での斜視断面図である。
【
図3】
図3は、充填の喪失の軽減手段(該図に示したもの)が、統合されている、本発明の考えられる実施態様による流力弾性ジョイントの部分除去斜視図である。
【
図4】
図4は、減衰液の喪失がなかった流力弾性ジョイントの断面図である。
【
図5】
図5は、意図されない減衰液の喪失があった流力弾性ジョイントの類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明が適用されるものの種類を説明する流力弾性装置1が、他のものを排除しない実施態様により、
図1及び
図2に示される。それは、概略平行六面体又は擬平行六面体形状の外殻の一部であり、内側剛直強化材2及び外側剛直強化材3を備える固体の力伝達要素と、互いに間をあけた該2つの強化材2及び3の間の中間部4とを備える。装置1の前側平面を参照すると、内部強化材2は、立面図において概略正方形又は長方形の形状を有しており、かつ外部強化材3は、長さ方向Lに延びる基部5aと、長さ方向Tに延び、かつそれらの間に、同じく基部5aから間をあけた内部強化材1が横たわっている、2つの間をあけた翼部5bとを有する、概略U形状を有する。長さ方向Lでは、外側強化材3の内側寸法が、内側強化材2の内側寸法よりも大きく、外側強化材3が、内側強化材2を囲んでいる。中間部4は、概略U形状を有する。前記前側平面は、長さ方向L及び長さ方向Tと平行であり、装置1は、該前側平面に対して垂直な前後方向に沿って延びる。装置1はまた、比較的剛直であるが弾性変形可能であり、エラストマー又はゴムなどの成形された塊を備え、それぞれが、概略平行六面体又は擬平行六面体形状の外殻に内嵌され、中間部4に配置されかつ長さ方向Lに延び、内側に向かって内側強化材1と、かつ外側に向かって外側強化材2の双方の翼部5bと、固定されかつ剛直な様式で連携された2つの減衰体6を備える。2つの分離しかつ別個の減衰チャンバー7が、この目的のために設計された2つの減衰体6の中に備えられ、それぞれが、特に内側側面8によって限定される。2つの減衰チャンバー7は、2つの減衰体6のように変形可能である。それらは、長さ方向L及びT並びに後ろ方向に延びる。それらは、装置1の横方向中心線に対して対称的に向かい合っており、かつそれらを接続する、長く幅狭の減衰チャネル9によって連通した様式で接続されている。比較的低粘度の減衰液10が、減衰チャンバー7及び減衰チャネル9によって形成される減衰空間7+9を加圧下で満たす。振動を減衰又はフィルターするように、強化材2、3のうちの一方に対する、他の強化材3、2を基準とした、装置1の負荷方向Fの力の行使に続いて、減衰液10は、減衰空間7+9内で動かされる。装置1は、通常、減衰空間7+9が、減衰液10で満たされている充填状態にある。しかしながら、それは、例えば、漏れを原因として、7+9減衰空間が減衰液でもはや満たされていない充填の喪失の状態に意図せずに切り替わってしまうことがある。
【0031】
実施例によって例示され図面を参照する本発明のいくつかの実施態様の詳細な説明を以下に記載する。
【0032】
装置1の異なる実施態様は、「充填の喪失の軽減手段11」又は省略して「軽減手段11」と慣習的に呼ばれる手段を備えてもよい。これらの軽減手段11は、自動運転され、かつ7+9減衰空間での減衰液の喪失の場合には、これらは、装置1を、それが安定な挙動を示すように、高度な固さの状態とする。これらの軽減手段11は、充填に関する装置1の状態によって制御されるロッキング部及び負荷を伴う。これらの軽減手段11は、そうしなければ減衰流体の喪失の結果生じたであろう、減衰の点での結果を緩和するか又はそれをなくす。これらの軽減手段11は、それらの独自かつ排他的な特徴が、充填の喪失を埋め合わせることに存在するために、特定的かつ専有のものである。その結果、これらの手段11は、減衰体6とも前記減衰空間を満たす減衰液10とも異なる。
【0033】
そのような充填の喪失の軽減手段11を、流力弾性ジョイントである装置1を表している
図3~
図5を参照して説明する。
【0034】
そのような充填の喪失の軽減手段11を、装置1が、流体静力学的ジョイントである統合された実施態様において、
図3~
図5を参照して説明する。単純化のため、参照符号1が、
図1及び
図2による装置及び流体静力学的ジョイント(
図3~
図5)の双方に使用される。より一般的には、類似の部分及び手段に既に使用されたものと同じ参照符号が、そのまま使用されている。
図3~
図5の流力弾性ジョイントに関する特定の実施態様は、制限的なものではなく、別のものを考えることもでき、必要であれば、軽減手段11の特徴を、入れ換えかつ適合させることができる。
【0035】
液圧ジョイント1は、例えば鉛直の、主軸XXを有し、2つの横端面25の間に位置する。内側強化材2は、端面25のうちの少なくとも一つから現れて、その組み立てを可能とする(また、
図3においては、2つの端面25の)。内部強化材2は、軸XXを有する概略円柱状の形態を有する。内部強化材3は、軸XXを有する概略円筒状の形態を有する。その内径は、該外部強化材が、該内部強化材を横方向にかつ同心円状に囲むように、内部強化材の外径よりも大きい。中間部4は、半径方向に互いに間をあけた2つの強化材2及び3の間で半径方向及び軸方向に延びる概略円環状形状のものである。「軸方向」は、XX軸の方向を意味し、「半径方向」は、XX軸に直交しかつそれを通過する。
【0036】
減衰体6は、半径方向及び軸方向に延びる。それは、固定されかつ剛直な様式で、内部強化材2の内側及び外部強化材3の外側に取り付けられる。液圧ジョイント1は、2つの類似の減衰チャンバー7を有しており、従って、一方のみ及び連携する機関を説明する。初めに、2つの減衰チャンバー7は、減衰体6の設計によって、半径方向及び軸方向に延び、かつここでは半径方向であるF方向のXX軸に関して対称的に直径に沿って互いに相対して形成される。その後、該2つの減衰チャンバー7は、該減衰体と外部強化材3との間に挟まれる。2つの減衰チャンバー7のそれぞれは、形状が概略円柱状であり、該チャンバーの内側側面8と称される面8によって制限される。該チャンバーの内側側面8は、「外側強化材3の内面3aのチャンバー部分16」と慣習的に呼ばれる、外側強化材3の内面3aの部分16によって第1の側に形成される。外側強化材3の内面3aのチャンバー部分16は、円柱の弧の形状を有する。該チャンバーの内側側面8は、「減衰体6のチャンバー面17」と慣習的に呼ばれる、減衰体6の面17によって、第2の側に形成される。減衰体6のチャンバー面17は、概略平坦な形状を有する。
【0037】
2つの減衰チャンバーが設けられる。しかしながら、装置1は、1つ、2つ、又はそれを超える減衰チャンバーを有してもよいため、本実施態様は、制限的なものではなく、かつ他のものを排除するものでもない。
図1及び
図2の実施態様の場合のように、該2つの減衰チャンバー7を連通したやり方で接続する、長く幅狭の減衰チャネル(ここでは図示されない)が設けられる。
【0038】
前記満たされた状態においては、比較的低い粘度を有する液圧減衰液10が、2つの減衰チャンバー7及び前記減衰チャネルによって形成される減衰空間7+9を加圧下で満たす。装置1は、充填の喪失の状態に意図せずになってしまうことがあるために、装置1に統合された充填の喪失の軽減手段11が、-特に、製造の間に-それに組み込まれて、それと共に、まとまった、自動で作動する、特定かつ専有の全体を形成することがさらに提供される。
【0039】
軽減手段11は、充填の状態では作動しない。これらは、充填の喪失の状態で起動されて、その後、装置1を、それが、7+9減衰空間が、加圧下で前記減衰流体で満たされていない場合であっても安定な挙動を示すように、高い固さの状態とする。
【0040】
本発明は、その軽減手段11を備える装置1、特に、流力弾性ジョイント1、及びそのような装置1の充填の喪失を補償するプロセスに関する。それは、組み立てられてかつ使用の準備ができているか、又は全体的にもしくは部分的に解体された、充填の状態にあるか又は充填の喪失の状態にある装置1に関する。
【0041】
軽減手段11は、ブロッキングシステムを備える(それは軽減手段11と混同された場合、)参照符号11が付けられることもある。該ロッキングシステム11は、特に、装置1に統合されることに適しておりかつそう意図されている。それは、側面18を有する完全に剛直なロッキング部12と、概して自己支持型かつ変形可能な耐荷重部13とを統合し、結合させ、一体化する。
【0042】
負荷部13は、支持部26及び装置1の固体の力伝達要素27への取付部、並びにロッキング部12の支持及び取付部28を備える。最後に、それは、これら2つの支持及び取付部26及び28を接続する少なくとも1つの自己支持型かつ変形可能な部分29を備える。
【0043】
ロッキングシステム11は、自己支持型であり、装置1、すなわち、示された実施態様においては、減衰体6上に、減衰チャンバー7の内側面8の一部であり、かつ減衰体6のチャンバー面17と呼ばれるその側面17から突出することによって設けられた支持付属物である固体の力の伝達要素27によって支持される。「自己支持型」という用語は、装置1によって支持されたロッキングシステム11、及びかつそれの一部であるロッキング部12が、まさしくその構造のために、適所に保たれ、かつ全体的な影響力を有する(have an overall hold)ことを意味するものとして理解されなければならない。
【0044】
その側面18に、ロッキング部12は、負荷部13の上に設けられた支持及び取付部28に相補的な支持及び取付部30を有する。従って、ロッキング部12は、負荷部13によって支えられかつそれにしっかりと固定されている。
【0045】
減衰チャンバー7内に位置するロッキングシステム11は、充填状態の間は作動させず、充填の喪失状態の間に作動させることに適しておりかつそう意図されている。
【0046】
従って、充填の喪失を補償するプロセスは、ロッキング部12、及び変形可能な細長部分29を備える負荷部13それ自体と共に装置1に統合された軽減手段11によって行われる。
【0047】
2つの減衰チャンバー7が設けられているために、2つのロッキングシステム11が存在する。実施態様に応じて、複数の減衰チャンバー7が存在する場合、ロッキングシステム11は、全ての減衰チャンバー7の中に設けられるか、又はロッキングシステム11は、チャンバー7の一部のみの中に設けられるかのいずれかである。加えて、
図3~
図5の実施態様でのように、1対の減衰チャンバー7がF方向に配置された複数の減衰チャンバー7が存在する場合、減衰チャンバー7のそれぞれの中にロッキングシステム11が存在する。
【0048】
クランプ部12及び負荷部13は、負荷部13上に設けられた支持及び取付部28及びロッキング部12上に設けられた支持及び取付部30によって一緒に剛直に連結された別々の部分であり、これら2つの支持及び取付部28及び30は、互いに相補的でありかつ一緒に剛直に連結されている。しかしながら、別の考えられる実施態様において、ロッキング部12及び負荷部13は、生産から一体のユニット12+13を形成する。この場合、2つの支持及び取付部27及び30は、個別に取り扱われないが、一体のアセンブリー12+13の部分12(ロッキング)及び部分13(負荷)間の界面を形成する。用語「ロッキング部12」、「負荷部13」、「支持及び取付部」28及び30は、このように理解され解釈されなければならない。従って、用語「ロッキング部12」、「耐荷重部13」、「支持及び取付部」26、28、30、「固体の伝達要素27」、「付属物」、「自己支持型かつ変形可能な部分29」は、それら自体が制限的なものとなることなく従来のように用いられ、これらの手段の構造的及び機能的特徴が、別の機能的に等価であるものの、いくつかの考えられる排他的ではない実施態様において以下で説明される。
【0049】
装置1に加えられた力を受け入れかつ伝達する完全に剛直なロッキング部12は、軽量なものとすることができ、それは、負荷部13によって支えられるために重い必要はない。実施態様によれば、ロッキング部12は、中空である。ロッキング部(12)は、減衰チャンバー7内に位置し、そこでは、一方で、負荷部13によってロッキング部の1つの負荷方向Mに変位し、他方で、2つの極端な位置、すなわち、一方が、不作動位置、他方が、作動位置を占めることが適当でありかつそう意図される。「不作動位置」という表現は、該位置においては、ロッキング部12が、軽減手段11のロッキング機能を実施しないことを意味するものとして理解されなければならない。逆に、「作動位置」という表現は、該位置においては、ロッキング部12が、軽減手段11のロッキング機能を実施することを意味するものとして理解されなければならない
【0050】
充填状態においては、ロッキング部12は、その不作動位置にある。該不作動位置において、それは、流力弾性ジョイント1の負荷方向Fの力伝達不連続性を提供する。実際に、ロッキング部12は、F方向にロックされない。充填の喪失状態では、ロッキング部12は、その作動位置にある。該作動位置において、それは、F方向への連続的な力伝達を確実なものとし、該方向に追加の固さを加える。実際に、そのときには、ロッキング部12は、F方向にロックされる。これらが、不作動位置及び作動位置それぞれでロッキング部12によって提供される機能である。
【0051】
ロッキング部12の側面18は、軽減手段11を備える装置1の対応する機能的エリアと機能的に共働する機能的エリアを有する。これらの機能的エリアは、慣習的に、以下:クリアランスエリア19、係合エリア20、保持/負荷エリアのように名付けられている。「クリアランス」という用語は、エリア19が、妨害されない、すなわち、自由かつ邪魔されないことに適しておりかつそう意図されていることを意味するものとして理解されるべきである。「係合」という用語は、エリア20が、接触及び力の伝達とともに、機関と干渉できかつそうすることが意図されることを意味するものとして理解されなければならない。「保持/負荷」という用語は、対応するエリアが、ロッキング部12を保持しかつそれに負荷をかけるのに適しておりかつそう意図されていることを意味するものとして理解されなければならない。
【0052】
ロッキング部12は、その輪郭が、概して擬長方形形状のエンベロープの一部である側面18を有する。本実施態様は、制限的かつ他を排除するものではなく、ロッキング部12は、その輪郭が、より一般的に、多角形又は擬多角形形状のものであるか、又はそれが、多角形又は擬多角形形状のエンベロープによって形成される横表面18を呈してもよい。
【0053】
ロッキング部12の側面18は、一方で、互いに反対側の第1の面部分18a及び第2の面部分18bを有する。また、それは、他方で、互いに相対し、第1及び第2の面部分18a及び18bを接続する第3の面部分18c及び第4の面部分18dも備える。第2の面部分18bは、概略二重L形状の反転した窪み23を有する成形された部分を有する。第1の面部分18aは、減衰体6のチャンバー面17のエリアに隣接する。第2の面部分18bは、外部強化材3の面3aのチャンバー部分16に向かって位置する。
【0054】
ロッキング部12は、その第2の面部分18b上の中央位置に位置するクリアランスエリア19、一方が第1の面部分18a上に位置し他方が第2の面部分18b上の中央位置に位置する2つの係合エリア20、負荷部13上に設けられた支持及び取付部28に相補的である、ロッキング部12上に設けられた支持及び取付部30に対応する、2つの面部分18a及び18cのうちの一方の上に位置する保持/負荷エリアを有し、該2つの支持及び取付部28及び30は、一緒に剛直に連結されている。双方の機能が果たされればすぐに、ロッキング部12を、記載されたものとは別の目的に使用することができる。
【0055】
負荷部13、より厳密には、変形可能な細長部分29は、圧縮状態と拡張状態の間で変形可能であり、この目的のために設計され配置される。それは、充填に関して、装置1の状態によって以下のように制御される;装置1が、満状態にある場合、それは、該圧縮状態にあり、装置1が、充填の喪失状態にある場合、それは、展開状態にあり、かつ満状態から充填の喪失状態へ変化する場合、それは、該圧縮状態から該展開状態へと変形される。
【0056】
負荷部13、より特定的には、変形可能な細長部分29は、圧縮状態から伸長状態に変化する場合に、ロッキング部12をロッキング部の負荷の方向Mに不作動位置から該作動位置まで動かし、かつ負荷部13が伸長状態にある限りは、それを作動位置に保つために、それに負荷をかけることに適しておりかつそう意図されている。該機能が果たされればすぐに、負荷部13を、記載されたもの以外の実施態様の対象とすることができる。
【0057】
負荷部13は、充填の喪失状態から充填状態へと変化する場合に、それを、伸長状態から圧縮状態へと変化させることができるようなやり方で、流力弾性ジョイント1の状態によって制御される。その時、それは、ロッキング部12に負荷をかけることに加えて、負荷部13が、展開状態から圧縮状態へと変化する場合に、それをその作動位置から不作動位置へと動かすことができかつそのように意図される。自己支持型かつ変形可能な部分29を、全てが、展開状態又は圧縮状態となるか又は充填に関する装置の状態に応じて一方から他方へと切り替わる機能を実施する異なる設計変形の対象とすることができる。部分29に関する「部分」という用語は、支持及び取付部26及び支持及び取付部30に加えて、部分29が、負荷部13の要素であることを意味するものとして理解されるべきである。実施態様により、部分29、26、及び30は、製造された一体のユニットを形成する。別の実施態様において、これらは、一緒に組み立てられた別々の要素であってもよい。該自己支持型かつ変形可能な部分それ自体は、場合により、一体ユニット又は複合ユニットであることができる。「細長い」という用語は、部分29の長さが、少なくともその伸長状態において、ロッキング部の負荷方向Mに延びることを意味するものとして理解されるべきである。これは、部分29が、必ずしも方向Mのみに延びることを意味せず、それは、方向Mの成分及び垂直方向、例えば、方向Fなどの別の成分を用いて「分解」することができる。このように、少なくともその展開状態において、長さがロッキング部の負荷方向Mに延びるので、自己支持型かつ変形可能な部分29は、圧縮状態を有し得る。「自己支持型」という用語は、(ロッキングシステム11及びその負荷部13のように)負荷部13上に設けられた支持及び取付部26及び支持付属物27によって装置1によって支持された部分29が、まさしくその構造のために、適所に保たれ、全体的な影響力を有することを意味するように理解されなければならない。「変形可能な」という用語は、部分29の形状を変更することができること、より厳密には、展開状態ではより大きい値で、かつ圧縮状態ではより小さい値で、方向Mへのその長さの伸びを変化させることができることを意味するものとして理解されるべきである。該変形は、少なくとも、圧縮状態から拡張状態への自己支持型かつ変形可能な部分29の伸びである。自己支持型かつ変形可能な部分29が、弾性変形可能な設計において、該変形を、圧縮状態へと移動する展開状態にある起収縮部29とすることもできる。いずれの場合でも、ロッキング部の負荷方向Mの長さの伸びは、部分29の他の形状変化を排除するものではない。
【0058】
それにより細長部分29が自己支持型かつ変形可能となる特徴は、異なる実施態様により得ることができる。場合により、部分29の全て又はほぼ全てが、変形可能であるか、又はそのうちの1つ以上の決定された選択されたエリアのみが、変形可能であり、他のエリアは、実質的に変形可能ではない。場合により、該変形は、部分29の全て又はほぼ全てについて均質であるか、又はそれは、部分29から決定され選択された1つ以上のエリアによって区別され、一部のエリアは、より変形可能であり、その他のエリアはより変形可能ではない。これらの成果により、圧縮状態又は展開状態において部分29に選択された最適な形状を与えることが可能となる。細長部分29は、エラストマーなどの、変形可能な材料で作ることができるか、又は変形可能な材料を備えることができる。該材料の特徴、部分29の構造、形状、及び寸法の特徴、より一般的には、その構造的特徴は、部分29が自己支持型となるように選択される。別の実施態様において、細長部分29は、入れ子構造と類似の様式で配置される。これらの実施態様は、同じ機能を実施するために、他のものを排除しない。部分29(例えば、それがその一部を形成する負荷部13など)の状態を修飾する「圧縮された」という用語は、そのときにはより小さい体積の部分29が、ロッキング部の負荷方向Mへのより小さな伸びを有することを意味し、「展開された」という用語は、そのときにはより大きい体積の部分29が、より大きな方向Mへの伸びを有することを意味するものとして理解されなければならない。非排他的な設計において、圧縮状態でより小さいか又は拡張状態でより大きい体積は、一方で、満状態での装置1の減衰液10の圧力よりも低く、他方で、大気圧以上である圧力が優勢である、負荷部13の外側とは連通していない、1つ以上の内部中空空間を有する部分29の外側と内側との間の圧力差に起因する。例えば、部分29は、閉じた中空の管形状を有し得るか、又は外側とは連通していない小室を有する材料を含み得る。そのような設計を用いると、充填の状態では、中空空間内の圧力が、該圧縮を防ぐように抵抗を提供することができない細長い変形可能な部分29を圧縮する減衰液10の圧力よりも低いために、部分29は圧縮される。あるいは、充填の喪失状態では、減衰液10の喪失のために、1つ以上の中空の内部空間の圧力が、減衰チャンバー7の内部において大気圧以上であるために、部分29は展開される。その結果、部分29に存在する圧力は、それを展開させてそれに特定の全体的な剛性を与える傾向がある。部分29は、充填の状態から充填の喪失の状態へと変化する場合に、ロッキング部12の支持及び取付部28が、方向Mに動かされるように成形され配置される。本実施態様により、部分29は、それに対して内部の圧力を基準としたそれに対して外部の圧力の影響下、それ自体で変形する。このようにして、自己支持型かつ変形可能な部分29が、動作する。
【0059】
実施態様により、負荷部13は、概して細長いか又は全体的に細長い形状の、ロッキング部の負荷方向Mの両方の側で互いに傾斜させた、2本のアーム29aの形態の部分29を備える。2本のアーム29aは、支持及び取付部26に向かって集まり、支持及び取付部28に向かって広がる。本実施態様により、ロッキング部12の側面18は、双方のアーム29aの上に、負荷部13上に設けられた二重支持及び取付部28に相補的な二重支持及び取付部30を有する。これらの二重支持及び取付部28、30は、離れて間が開けられており、かつ装置1の負荷方向Fに沿って位置している
【0060】
圧縮状態での部分29の形状及び構成は、まさに設計特性によって決定され、かつ、適用可能な場合には、ロッキング部12の設計特性によって決定される。従って、ロッキング部12は、前記保持/負荷エリアが位置する前部18a、18cが、それに対して、圧縮状態において2本のアーム29aがもたれかかる、互いに対して傾斜させた2つの半面部分を有するようにすることができる。
【0061】
2本のアーム29aを備える実施態様において、部分29はまた、ロッキング部の負荷方向Mに延び、ロッキング部12とは反対側に、付属物27への支持及び取付部26を備える、大塊部31を備える。該固体の部分31は、ロッキング部12と同じ側に、支持及び取付部30と共働する支持及び取付部28を備え、その時、ロッキング部12及び負荷部13は、一緒に剛直に組み立てられた別々の部分である。
【0062】
2つの支持及び取付部28及び30は、相対的な位置決めのための突起及び窪みを有する相補的な形状を有し得る。これらを、接着、溶接、又は類似の方法で互いに剛直に連結することができる。
【0063】
図3~
図5による実施態様において、各ロッキング部12は、減衰チャンバー7内に形成される係合停止装置24に属する慣習的に対向クリアランス19aと呼ばれるエリアを有する。この係合停止装置24は、軸XXに対して平行に延び、かつ両端で、外側強化材3の内面3a近くに位置する端面25に剛直に固定される。本実施態様は、係合停止機能が、別のやり方で実現される別のものを排除するものではない。本実施態様により、接在係合エリア20aと慣習的に呼ばれる2つのエリア20aが、各ロッキング部12に対して設けられ、一方は、減衰体6のチャンバー面17の一部によって形成され、他方は、係合停止装置24に属する。各ロッキング部12に対して、保持/負荷エリアが設けられ、それは、それとしては負荷部13上のその支持及び取付部28である、負荷部13の対応する保持及び負荷エリアに対して相補的でありかつそれに剛直にしっかりと固定された、ロッキング部12上の支持及び取付部30である。
【0064】
これらが、向かい合うクリアランスエリア19a、隣接係合エリア20a、対応する保持/負荷エリアによって、それらが、ロッキング部12のクリアランスエリア19、係合20、保持/負荷と機能的に共働するという点で、実施される機能である。該機能がこれらのエリア19a、20a及び維持/負荷エリアによって果たされればすぐに、装置1を、記載されたもの以外の成果の対象としてもよい。
【0065】
より一般的には、ロッキング部12の横表面18は、ロッキング部12の不作動位置において、装置1の負荷方向Fの力の伝達の不連続性を確実なものとするように、前記チャンバーの内部横表面8に属するか又はそれに取り付けられる少なくとも1つの対応する対向クリアランスエリア19aの接触なしで、離れて間をあけることによって方向Fに置かれる、少なくとも1つのクリアランスエリア19を有する。場合により、それぞれ、単一の対向クリアランスエリア19a又は2つの向かい合う対向クリアランスエリア19aのいずれかとともに、単一のクリアランスエリア19又は2つの向かい合うクリアランスエリア19のいずれかが設けられる。場合により、そのような向かい合うクリアランスエリア19aは、強化材2、3の横表面のエリアもしくは減衰チャンバー7に向いた減衰体6のエリア、又は減衰チャンバー7内に配置された係合停止装置24のエリアであり、前記チャンバーの内部横表面8に属するか又はそれに取り付けられる。
【0066】
より一般的は、ロッキング部12の側面18が、方向Fの力伝達の連続性を確実なものとするように、該ロッキング部の作動位置で、方向Fに位置する一方で、前記チャンバーの内側側面8に属するか又はそれと連携する少なくとも1つの隣接係合エリア20aの力伝達と接触する少なくとも1つの係合エリア20を有することが提供される。場合により、それぞれ、単一の接在係合エリア20a又は2つの接在係合エリア20aのいずれかとともに、単一の係合エリア20又は2つの相対する係合エリア20のいずれかが存在するであろう。場合により、前記チャンバーの内部横表面8に属するか又はそれに取り付けられる接在係合のエリア(20a)は、強化材2、3の横表面のエリア20aもしくは減衰チャンバー7に向いた減衰体6のエリア20a、又は減衰チャンバー7内に形成される係合停止装置24のエリアである。
【0067】
実施態様により、ロッキング部12の横表面18は、隣接又は近接するクリアランスエリア19及び係合エリア20を有する。例えば、ロッキング部12の横表面18は、隣接又は近接し、かつその極端な作動位置と不作動位置との間のロッキング部12の変位の進路に対応する長さにわたって延びるクリアランスエリア19及び係合エリア20を有する。
【0068】
最後に、ロッキング部12の横表面18は、負荷手段13の圧縮状態から展開状態への変化の間の不作動位置から該作動位置までの方向Mのロッキング部12の変位を確実なものとするために、方向Mで負荷部13に属する少なくとも1つの対応する負荷エリアと変位接触する少なくとも1つの負荷/保持エリアを有する。
【0069】
ロッキング部12の負荷方向Mは、横成分、特に、方向Fに対して垂直であるか又はほとんど垂直であるものであるか又はそれを含む。
【0070】
負荷部13が、自己支持型であり、かつそれが剛直に固定される付属物27によって支えられ、ロッキング部12が、負荷部13に剛直に固定される限りにおいて、装置1は、その軸XXを任意の方向として動作することができ、負荷部13の圧縮状態又は展開状態は、それの外側の圧力の関数である。
本件出願は、以下の態様の発明を提供する。
(態様1)
機械又は設備一部分の2つの要素に、それらを接続し、一方から他方への力の伝達を提供し、かつそれらの間の振動を減衰させるか又はフィルターするために取り付けられるよう意図される流力弾性装置(1)であって:
一方に、隙間(4)を画定するよう間をあけた内部アーマチャー(2)及び外部アーマチャー(3)と、比較的剛直であるが、弾性変形可能であり、該隙間(4)の中に位置し、かつ該2つのアーマチャー(2、3)と接続されている減衰体(6)とを備える、固体の力伝達要素を備え;
他方に、少なくとも1つの減衰チャンバー(7)であって、固体の力伝達要素の面によって形成される該減衰チャンバー(7)の内側面(8)によって境界が定められる、前記減衰チャンバー(7)を備え、かつ該減衰体(6)に接続されている、減衰空間を備えるタイプのものであり、
該流力弾性装置(1)は、通常、該減衰空間が、該振動を減衰させるか又はフィルターするために、該アーマチャー(2、3)のうちの一方に対する他方と相対的な、ある流力弾性装置(1)付勢方向(F)の力の行使の後に、該減衰空間に変位させられるのに適しておりかつそう意図されている加圧された液圧減衰液(10)で満たされている、満状態にあり、
該流力弾性装置(1)は、意図せずに、該減衰空間が、該押圧された減衰液(10)でもはや満たされていない、充填喪失状態となってしまうことがあり、
それが、該充填喪失を埋め合わせるための特定の組み込み型の手段(11)であって、該満状態では作動せず、かつ該充填喪失状態では作動して、該減衰空間が、該押圧された減衰液(10)で満たされていない場合であっても、それが安定な挙動をとれるよう、該流力弾性装置(1)を、高レベルの剛性とする、前記手段(11)をさらに含み、
そのような手段(11)が、充填に関する該装置の状態によって制御される、全体が剛直なロッキング部(12)、及び変形可能な付勢部(13)を備えるロッキングシステムを備える、ことを特徴とする、前記流力弾性装置(1)。
(態様2)
前記充填喪失を埋め合わせるための前記組み込み型手段(11)が、付勢部(13)及びロッキング部(12)を統合、連携、及び連結させる、前記装置(1)によって支持される自己支持型ロッキングシステム(11)を備え、該付勢部(13)は、該装置(1)の固体の力伝達要素(17)によって支持されかつそれにしっかりと固定され、かつ該ロッキング部(12)は、該付勢部(13)によって支持されかつそれにしっかりと固定され、減衰チャンバー(7)内に位置し、該全体が剛直なロッキング部(12)が、一方で、ロッキング部(12)付勢方向(M)に該付勢部(13)によって移動可能であり、他方で、2つの極端な位置、即ち、該ロッキング部(12)が、前記装置(1)付勢方向(F)にロックされないために、それが、前記装置(1)付勢方向(F)の力伝達不連続性を確実なものとする、前記満状態での不作動位置、及び該装置(1)付勢方向(F)にロックされた該ロッキング部(12)が、該装置(1)付勢方向(F)の力伝達の連続性を確実なものとし、かつ該方向に追加の固さを加える前記充填喪失状態での作動位置を占めるのに適しておりかつそう意図されるように、かつ該付勢部(13)が、圧縮状態と展開状態との間で変形可能であり、かつ該装置(1)の状態によって制御されるように、前記満状態では作動せずかつ前記充填喪失状態で作動することに適しておりかつそう意図されており、その結果、該装置(1)が、該満状態にある場合、該付勢部(13)は、該圧縮状態にあり、かつ該装置(1)が、該充填喪失状態にある場合、該付勢部(13)は、該展開状態にあり、該満状態から該充填喪失状態への変化に際し、該付勢部(13)は、該圧縮状態から該展開状態へと変形され、それが、該圧縮状態から該展開状態への変化に際し、該ロッキング部(12)を付勢して、それを該ロッキング部(12)付勢方向(M)に不作動位置から該作動位置まで動かし、かつ該付勢部(13)が、該展開状態にある限りは、該作動位置にそれを維持することに適しておりかつそう意図されている、態様1記載の装置(1)。
(態様3)
弾性変形可能である前記付勢部(13)が、それが、前記充填喪失状態から前記満状態への変化に際し、前記展開状態から前記圧縮状態へと変形されるように、前記装置(1)の状態によって制御され、かつそれが、前記ロッキング部(12)を、該展開状態から該圧縮状態へのその変化に際し、それをその作動位置から不作動位置へと動かすために、付勢することに適しておりかつそう意図されている、態様2記載の装置(1)。
(態様4)
前記付勢部(13)が、前記装置(1)の固体の力伝達要素(27)への支持及び固定部(26)と、前記ロッキング部(12)の支持及び固定部(28)と、そのような2つの支持及び固定部(26、28)を接続する、少なくとも1つの細長い自己支持型かつ変形可能な部分(29)であって、それの2つの状態の間で変形されるように該装置(1)の状態によって制御される、前記自己支持型かつ変形可能な部分(29)とを備え、該ロッキング部(12)の該支持及び固定部(28)が、前記ロッキング部(12)付勢方向(M)に動かされる、態様2又は3記載の装置(1)。
(態様5)
変形可能な材料でできた前記自己支持型かつ変形可能な部分(29)が、前記付勢部(13)の外側とは連通しておらず、前記満状態での前記装置(1)の前記減衰液(10)の圧力よりも低く、かつ雰囲気圧以上である圧力となる、1つ以上の中空の内部空間を有する、態様4記載の装置(1)。
(態様6)
前記自己支持型かつ変形可能な部分(29)が、
前記装置(1)が、前記満状態にあり、前記1つ以上の内部中空空間の圧力が、前記減衰液(10)の圧力よりも低く、その結果、それが、該自己支持型かつ変形可能な部分(29)を圧縮する場合に、圧縮されるか、
該装置(1)が、前記充填喪失状態にあり、該減衰液(10)の喪失を原因として、該内部空間の圧力が、前記減衰チャンバー(7)内の雰囲気圧以上である場合に、展開されるかのいずれかである、態様5記載の装置(1)。
(態様7)
前記満状態から前記充填喪失状態への変化に際し、前記支持及び固定部(28)が、前記ロッキング部(12)付勢方向(M)に動かされるように、前記自己支持型かつ変形可能な部分(29)が、形成される、態様4~6のいずれか1項記載の装置(1)。
(態様8)
前記付勢部(13)が、互いに向かって傾けられ、一方で、前記支持及び固定部(26)に向かって集まり、かつ、他方で、前記支持及び固定部(28)に向かって広がる、2本のアーム(29a)の形態の自己支持型かつ変形可能な部分(29)を備え、このように、前記ロッキング部(12)の二重支持及び固定部が、設けられる、態様4~7のいずれか1項記載の装置(1)。
(態様9)
前記支持及び固定部(26)が、前記減衰体(6)の面(17)から突出する支持付属物(27)によって支持され、特に、それと一体で製造される、態様4~8のいずれか1項記載の装置(1)。
(態様10)
前記ロッキング部(12)の側面(18)が、少なくとも1つの非係合エリア(19)を有し、該非係合エリア(19)が、該ロッキング部(12)の前記不作動位置において、前記装置(1)付勢方向(F)の力伝達の不連続性を確実なものとするように、前記減衰チャンバー(7)内側面(8)に属するか又はそれに接続されている少なくとも1つの対応する対向非係合エリア(19a)から離れて間をあけてかつそれとは全く接触せずに、前記装置(1)付勢方向(F)に置かれる、態様2~9のいずれか1項記載の装置(1)。
(態様11)
前記減衰チャンバー(7)内側面(8)に属するか又はそれに接続されている対向非係合エリア(19a)が、アーマチャー(2、3)のもしくは該減衰チャンバー(7)に向かい合う前記減衰体(6)の前記側面のエリアであるか、又は該減衰チャンバー(7)内に配置された係合停止装置エリア(24)である、態様10記載の装置(1)。
(態様12)
前記ロッキング部(12)の前記側面(18)が、少なくとも1つの係合エリア(20)を有し、該係合エリア(20)が、該ロッキング部(12)の前記作動位置において、前記装置(1)付勢方向(F)の力伝達の連続性を確実なものとするように、前記減衰チャンバー(7)内側面(8)に属するか又はそれに接続されている少なくとも1つの接在係合エリア(20a)との力の伝達と接触することによって、前記装置(1)付勢方向(F)に置かれる、態様2~11のいずれか1項記載の装置(1)。
(態様13)
前記減衰チャンバー(7)内側面(8)に属するか又はそれに接続されている接在係合エリア(20a)が、アーマチャー(2、3)のもしくは前記減衰チャンバー(7)に向かい合う前記減衰体(6)の前記側面のエリアであるか、又は該減衰チャンバー(7)内に配置された係合停止装置エリア(24)である、態様12記載の装置(1)。
(態様14)
前記ロッキング部(12)の前記側面(18)が、保持/付勢エリアを有し、一方で、前記付勢部(13)が、前記圧縮状態にあるのか又は前記展開状態にあるのかによって、前記作動位置でか又は前記不作動位置での該ロッキング部(12)の保持を確実なものとし、かつ、他方で、該付勢部(13)の該圧縮状態から該展開状態への変化の際に、前記ロッキング部(12)付勢方向(M)での該ロッキング部(12)の不作動位置から該作動位置までの変位を確実なものとするように、該保持/付勢エリアが、前記付勢部(13)に属する対応する保持/付勢エリアに剛直に接続されている、態様2~13のいずれか1項記載の装置(1)。
(態様15)
前記ロッキング部(12)の前記側面(18)が、前記保持/付勢エリアに、前記支持及び固定部(28)に対応する支持及び固定部(30)を有する、態様14記載の装置(1)。
(態様16)
前記ロッキング部(12)が、その輪郭が、多角形又は擬多角形形状のものであるか、又は多角形又は擬多角形形状のエンベロープに内接する側面(18)を有する、態様2~15のいずれか1項記載の水力発電装置(hydroelectric device)(1)。
(態様17)
前記ロッキング部(12)の前記側面(18)が、一方側に非係合エリア(19)、及び他方側に係合エリア(20)を有する上下を逆にした二重Lの概略形状の、窪み(23)で形成された部分を備える、態様16記載の装置(1)。
(態様18)
主軸(XX)を有し、かつ2つの横端面(25)の間に内接する、流力弾性ジョイント(1)である、態様1~27のいずれか1項記載の装置(1)であって、
前記内部アーマチャー(2)が、その組み立てのために、該端面(25)のうちの少なくとも1つから現れ、ここで、該内部アーマチャー(2)は、概略円柱状であり、
前記外部アーマチャー(3)が、概略円筒状であり、その内径が、該内部アーマチャー(2)の外径よりも大きく、その結果、該外部アーマチャー(3)が、該内部アーマチャー(2)を横方向にかつ同心円状に囲み、
前記隙間(4)の形状が、半径方向に互いに間をあけた該2つのアーマチャー(2、3)の間で半径方向及び軸方向に延びる概略円環状であり、
前記減衰体(8)が、半径方向及び軸方向に延び、かつ内側は該内部アーマチャー(2)とかつ外側は該外部アーマチャー(3)と固定的かつ剛直に接続されており、
2つの減衰チャンバー(7)が、該減衰体(6)の設計によって、半径方向及び軸方向に延び、前記装置(1)付勢方向Fに直径に沿って相対し、かつ該減衰体(6)と該外部アーマチャー(3)との間に挟まれて設けられ、
細長くかつ幅狭の減衰接続チャネルが、該2つの減衰チャンバー(7)の間を連通し、
前記満状態で、前記液圧減衰液(10)が、該2つの減衰チャンバー(7)及び該減衰チャネルによって形成される前記減衰空間を加圧下で満たし、かつ
該装置(1)付勢方向(F)が、半径方向である、前記装置(1)。
(態様19)
各減衰チャンバー(7)が、一方側で前記外部アーマチャー(3)の前記内面(3a)の減衰チャンバー(7)部によって、かつ他方側で前記減衰体(6)の減衰チャンバー(7)面によって形成される、該減衰チャンバー(7)の内側面(8)によって境界が定められる、態様18記載の装置(1)。
(態様20)
各ロッキング部(12)が、その輪郭が、擬長方形形状のものであるか、又は擬長方形形状のエンベロープに内接する側面(18)を有し、該面の第1の部分(18a)が、前記減衰体(6)の前記減衰チャンバー(7)面のエリアに隣接し、該第1の面部分(18a)の反対側の第2の面部分(18b)が、前記外部アーマチャー(3)の前記内面(3a)の前記減衰チャンバー(7)部に向けて置かれ、かつ互いに反対側の第3及び第4の面部分(18c、18d)が、該第1及び第2の面部分(18a、18b)を接続する、態様19記載の装置(1)。
(態様21)
各ロッキング部(12)の前記側面(18)の前記第2の面部分(18b)が、概して、上下を逆にした二重Lの形態の窪み(23)で形づくられた部分を有し、
該側面(18)の前記非係合エリア(19)が、該側面(18)の該第2の面部分(18b)の上の中央位置に位置する、態様20記載の装置(1)。
(態様22)
各ロッキング部(12)について、前記減衰チャンバー(7)内に配置された係合停止装置(24)に属する対向非係合エリア(19a)、及び、場合により、それぞれが、前記減衰体(6)の該減衰チャンバー(7)の前記面の一部分によって形成され、かつ該係合停止装置(24)に属する2つの向かい合う係合エリア(19a)を備える、態様20及び21のいずれか1項記載の装置(1)。
(態様23)
前記減衰空間が、前記液圧減衰液(10)で満たされている満状態にある、態様4~22のいずれか1項記載の流力弾性装置(1)であって、
前記ロッキング部(12)が、不作動位置にある減衰チャンバー(7)に接続されており、
前記付勢部(13)が、前記圧縮状態にある、前記流力弾性装置(1)。
(態様24)
前記減衰空間が、前記液圧減衰液(10)でもはや満たされていない充填喪失状態にある、態様4~22のいずれか1項記載の流力弾性装置(1)であって、
前記ロッキング部(12)が、不作動位置にある減衰チャンバー(7)に接続されており、
前記付勢部(13)が、前記展開状態にある、前記流力弾性装置(1)。
(態様25)
態様1~25いずれか1項記載の装置の前記充填喪失を埋め合わせるための手段(11)であって、
特に、そのような装置(1)に、加えて、組み込まれることに適しておりかつそう意図されており、
そのような手段(11)が、特殊なものであり、かつ充填に関する該装置の状態によって制御される、全体が剛直なロッキング部(12)及び変形可能な付勢部(13)を備えるロッキングシステムを備える、前記手段(11)。
(態様26)
態様25記載の前記充填喪失を埋め合わせるための手段(11)を用いることによる、流力弾性装置(1)の充填喪失を埋め合わせるための方法。