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特許7113895芳香族化合物の水素化反応用触媒及びその製造方法
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  • 特許-芳香族化合物の水素化反応用触媒及びその製造方法 図1
  • 特許-芳香族化合物の水素化反応用触媒及びその製造方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】芳香族化合物の水素化反応用触媒及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B01J 23/46 20060101AFI20220729BHJP
   B01J 21/10 20060101ALI20220729BHJP
   B01J 32/00 20060101ALI20220729BHJP
   B01J 37/02 20060101ALI20220729BHJP
   B01J 35/10 20060101ALI20220729BHJP
   B01J 35/08 20060101ALI20220729BHJP
   C01F 7/162 20220101ALI20220729BHJP
   C07C 69/75 20060101ALI20220729BHJP
   C07C 67/303 20060101ALI20220729BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20220729BHJP
【FI】
B01J23/46 301Z
B01J21/10 Z
B01J32/00
B01J37/02 101C
B01J35/10 301G
B01J35/08 Z
C01F7/162
C07C69/75 Z
C07C67/303
C07B61/00 300
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020524304
(86)(22)【出願日】2018-10-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 KR2018012203
(87)【国際公開番号】W WO2019088513
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2020-05-11
(31)【優先権主張番号】10-2017-0146916
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515358285
【氏名又は名称】ハンファ ケミカル コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】HANWHA CHEMICAL CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ウォン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ジョン ファン
(72)【発明者】
【氏名】チョ、ヨン ジン
(72)【発明者】
【氏名】ハン、ジョン ウ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョ ソク
(72)【発明者】
【氏名】ミョン、ワン ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、ギ テク
【審査官】安齋 美佐子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭47-006858(JP,A)
【文献】特表2016-539106(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105327701(CN,A)
【文献】特開平01-203041(JP,A)
【文献】特表2008-543550(JP,A)
【文献】Chinese Journal of Catalysis,2011年,vol.32, No,9,p.1537-1544,DOI:10.3724/SP.J.1088.2011.10508
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 21/00-38/74
C01F 7/162
C07C 1/00-409/44
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒活性成分及び支持体を含む芳香族化合物の水素化反応用触媒において、
前記支持体としてマグネシウムベースのスピネル(spinel)構造を有する下記の化学式1:
(化1)
MgAl3+x
[式中、xは0.125乃至0.5である。]
を含み、
前記触媒はエッグシェル(egg-shell)型であり、
前記化学式1のMg/Alのモル比(molar ratio)は1:0.0625乃至0.25であり、
前記スピネル構造の支持体に触媒活性成分としてルテニウム(Ru)が担持されている
ことを特徴とする芳香族化合物の水素化反応用触媒。
【請求項2】
前記活性金属は0.1乃至10重量%で含む
請求項に記載の芳香族化合物の水素化反応用触媒。
【請求項3】
前記支持体には酸化マグネシウム(MgO)を0乃至5重量%で含む
請求項に記載の芳香族化合物の水素化反応用触媒。
【請求項4】
前記触媒は粉末、粒子、顆粒及び成形された支持体から選択された少なくとも1つの形態である
請求項1に記載の芳香族化合物の水素化反応用触媒。
【請求項5】
前記触媒活性成分は酸化物の状態で前記支持体に担持される
請求項1に記載の芳香族化合物の水素化反応用触媒。
【請求項6】
前記エッグシェル型の触媒は気孔体積が0.1乃至1.5ml/gで、BET表面積が10乃至300m/gを有する
請求項1に記載の芳香族化合物の水素化反応用触媒。
【請求項7】
請求項1に記載の触媒を用いて芳香族環(Aromatic ring)を含む有機化合物の水素化に用いられる
ことを特徴とする芳香族化合物の水素化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、芳香族化合物の水素化反応用触媒及びその製造方法に関し、より詳細にはマグネシウムベースのスピネル構造を含む支持体を用いて触媒の非活性化を大幅に減少させることができる芳香族化合物の水素化反応用触媒及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フタレート(phthalate)系化合物はプラスチック、特にポリ塩化ビニル(PVC)の可塑剤として広く用いられる物質である。例えば、電気電子製品、医薬品、ペイント顔料、潤滑剤、バインダー、界面活性剤、接着剤、タイル、食品容器、包装材などその使用用途が非常に広い。
【0003】
しかし、いくつかのフタレート系化合物が環境汚染及び人間の内分泌障害問題を引き起こし得る物質であることが知られるとともに、その使用を減らすための努力として、ヨーロッパ、米国などの先進国を中心に使用規制が強化されている。特にフタレート系可塑剤のうちdi(2-ethylhexyl)phthalate(DEHP)、butyl benzyl phthalate(BBP)、di-n-butylphthalate(DBP)、Diisononyl phthalate(DINP)のような一部の製品は社会的に人のホルモン作用を妨害する、または混乱させる内分泌撹乱物質(endocrine disrupter)で環境ホルモンの疑いがあり、それを規制する動きがある。
【0004】
よって、従来の可塑剤と同等な性能を示すとともに、環境ホルモン議論から自由な環境に優しい可塑剤を開発するための努力が行われているが、その1つにフタレート系化合物に含まれるベンゼン環を水素化した(hydrogenation)化合物を用いる案がある。
【0005】
ベンゼン環のような芳香族化合物の水素化反応は、ルテニウムのような遷移金属を活性成分を支持体に担持させた触媒を用いる方法が知られる。
【0006】
これに関して、特許文献1には支持体の孔隙容積のうち30%乃至40%の孔隙直径が50nm乃至10,000nm範囲内のマクロポーラスからなり、前記支持体の孔隙容積のうち60%乃至70%は孔隙直径が2nm乃至50nm範囲内にあるメソポーラスからなるアルミナ支持体を用いる内容が開示されている。
【0007】
また、特許文献2にはマクロポアを含有する支持体にルテニウムが含まれた活性金属を塗布して製造した触媒、ベンゼンポリカルボン酸(誘導体)を水素化して得られる新規の水素化生成物及びプラスチックにおいて可塑剤としてのこれらの用途に関する特許が開示されている。
【0008】
また、特許文献3にはシリカ支持体にルテニウムを担持した触媒で単糖類及びオリゴ糖類の水素化で改善された活性及び高い生成物選択性を示す触媒に関する内容が開示されている。
【0009】
しかし、前述した従来の前記遷移金属の触媒は反応が進むにつれ活性が急激に減少して歩留まりの低下を招くため、触媒活性の維持は商業的な面から非常に重要な問題となる。触媒活性の減少は触媒に対する様々な物理的及び化学的影響、例えば熱的、機械的又は化学的処理の結果として触媒活性部位の遮断又は触媒活性部位の損失によって招かれる。例えば、触媒不活性化又は老化は一般に触媒活性部位の焼結、沈着物の結果として金属の損失、又は活性部位の被毒(poisoning)によって招かれ、様々なメカニズムが存在する。このような触媒の活性減少による触媒交替及び再生工程は製品生産コストの増大につながる。
【0010】
したがって、環境に優しい可塑剤として使用可能な物質を商業的な規模で生産するために、水素化反応に使用される触媒の性能を向上させて優れた活性を維持し触媒の寿命(life time)を増加させるための方法が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】大韓民国登録特許第10-0464581号
【文献】大韓民国登録特許第10-0688403号
【文献】大韓民国登録特許第10-0893794号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記した従来の技術の問題点と、過去から求められてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0013】
本発明の目的は、マグネシウムベースのスピネル構造を含む支持体を含むことで、有機化合物内の芳香族を水素化して触媒の非活性化を大幅に減少させることができる芳香族化合物の水素化反応用触媒及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するための本発明による芳香族化合物の水素化反応用触媒は、
触媒活性成分及び支持体を含む触媒において、
前記触媒活性成分としてマグネシウムベースのスピネル(spinel)構造を有する下記の化学式1を含むことができる。
【0015】
(化1)
MgAl3+x
[式中、xは0.1乃至1の数である。]
【0016】
本発明の好ましい一例によれば、前記支持体はルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、ニッケル及びこれらの混合物からなる群より選択された1種以上の活性金属を含むことができる。
【0017】
本発明の好ましい一例によれば、前記活性金属は0.1乃至10重量%で含むことができる。
【0018】
本発明の好ましい一例によれば、前記支持体は前記スピネル構造の支持体にルテニウム(Ru)又は酸化ルテニウム(RuO)が担持され得る。
【0019】
本発明の好ましい一例によれば、前記支持体には酸化マグネシウム(MgO)を0乃至5重量%で含むことができる。
【0020】
本発明の好ましい一例によれば、前記触媒は粉末、粒子、顆粒及び成形された形態から選択された少なくとも1つの形態であり得る。
【0021】
本発明の好ましい一例によれば、前記触媒活性成分は金属塩溶液状態で前記支持体に担持され得る。
【0022】
本発明の好ましい一例によれば、前記触媒はエッグシェル(egg-shell)型であり得る。
【0023】
本発明の好ましい一例によれば、前記エッグシェル型の触媒は気孔体積が0.1乃至1.5ml/gで、BET表面積が10乃至300m/gを有し得る。
【0024】
本発明の好ましい一例によれば、前記Mg/Alのモル比(molar ratio)は0.0625乃至0.5であり得る。
【0025】
一方、本発明は触媒を用いて芳香族環(Aromatic ring)を含む有機化合物の水素化に使用される芳香族化合物の水素化方法及びそれを用いて製造されたシクロヘキサンポリカルボキシル酸又はシクロヘキサンポリカルボキシル酸誘導体であって
n-Pentyl-isopentyl-phthalateを水素化して得られるシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシル酸ジ(イソヘプチル)エステル、Diisoheptylphthalateを水素化して得られるシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシル酸ジ(イソヘプチル)エステル、Diisononylphthalateを水素化して得られるシクロヘキサン-1,2-ジカルボキシル酸ジ(イソノニル)エステル、Bis(2-ethylhexyl)phthalateを水素化して得られるシクロヘキサン1,2-ジカルボキシル酸(2-エチルヘキシル)エステル、Dioctyl terephthalate((bis(2-ethylhexyl)benzene-1,4-dicarboxylate)を水素化して得られるジ(2-エチルヘキシル)シクロヘキサン-1,4-ジカルボキシレート(DEHCH)を提供する。
【発明の効果】
【0026】
以上、説明した通り、本発明による水素化触媒は、マグネシウムベースのスピネル構造を含む支持体を含むことで、有機化合物内の芳香族を水素化して触媒の非活性化を大幅に減少させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明によるMg導入spinel支持体のXRD分析結果を示すグラフである。
図2】本発明による触媒の製造時に各支持体による反応実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
後述する本発明に対する説明は、本発明が実施され得る特定の実施例を例示として参照する。これらの実施例は当業者が本発明を十分に実施できるように詳細に説明される。本発明の様々な実施例は、互いに異なるが相互排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載される特定の形状、構造及び特性は一実施例に関連して本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の実施例として具現され得る。
【0029】
したがって、後述する詳細な説明は限定的な意味として取ろうとするものでなく、本発明の範囲は、適切に説明された場合、その請求項らが主張するものと均等な全ての範囲とともに添付された請求項によってのみ限定される。
【0030】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるようにするために、本発明の好ましい実施例に関して詳細に説明する。
【0031】
上述のように、従来の水素化工程で用いられるエッグシェル型の触媒が水素化反応時、触媒形態によって触媒の非活性化が現れることによって、触媒の交替費用、操業時間の減少などを生じさせる問題があった。
【0032】
よって、本発明では、マグネシウムベースのスピネル構造を含む支持体を含むことで、有機化合物内の芳香族を水素化して触媒の非活性化を大幅に減少させて前述した問題点に対する解決案を模索した。
【0033】
本発明によれば、触媒活性成分及び支持体を含む触媒において、前記触媒活性成分としてマグネシウムベースのスピネル(spinel)構造を有する下記の化学式1を含む芳香族化合物の水素化反応用触媒を提供する。
【0034】
(化2)
MgAl3+x
[式中、xは0.1乃至1の数である。]
【0035】
本発明によれば、前記触媒活性成分は金属塩溶液状態で前記支持体に担持され得る。
【0036】
具体的には、前記支持体はルテニウム、パラジウム、ロジウム、白金、ニッケル及びこれらの混合物からなる群より選択された1種以上の活性金属を含む。ここで、好ましくは、前記活性金属は0.1乃至10重量%で含むことができ、より好ましくは0.3乃至5重量%で含むことができる。
【0037】
本発明によれば、前記支持体は前記スピネル構造の支持体に、例えば、ルテニウム(Ru)又は酸化ルテニウム(RuO)が担持され得る。ここで、前記支持体には酸化マグネシウム(MgO)を0乃至5重量%で含むことができる。
【0038】
この時、前記酸化マグネシウム(MgO)が5重量%を超過して含まれる場合は触媒の活性減少が現れ得るか、又は副反応が現れ得る問題があり得るので上記の範囲が特に好ましい。
【0039】
一方、本発明による触媒は粉末、粒子、顆粒又は成形された形態であることができ、好ましくは成形された形態である。
【0040】
以下、本発明の好ましい実施例によって本発明の構成及び作用をより詳細に説明する。ただし、これは本発明の好ましい例示として提示されたものであっていかなる意味でもこれによって本発明が制限されると解釈されてはならない。
【0041】
ここに記載されていない内容は本技術分野における熟練者であれば十分に技術的に類推できることであるので、その説明を省略する。
【実施例
【0042】
<実施例1>スピネル構造のMgxAl3+x支持体の製造
構造変形(Structural transformation)のためのアルミナペレット支持体にMg/Alのモル比を所望の比率に合わせるために(MgAlスピネルの場合は1:2)必要なマグネシウム前駆体及びこれを過量の蒸溜水に溶かした水溶液を入れて、120℃の強制対流式熱風オーブンで乾燥させた。その後、乾燥された支持体を空気流動下の電気炉で所定温度で焼成(calcination)を経た後、徐々に室温まで冷却させて最終的なスピネル構造のMgAl3+x支持体を収得した。このように製造された支持体の構造をXRD分析して図1に表し、支持体の窒素吸脱着結果及び水吸収による孔隙容積計算結果を下記表1に表した。
【0043】
【表1】
【0044】
図1に示すように、ガンマアルミナの場合、約32.6゜、37゜、39.2゜、45~46゜、67゜周辺でピークが存在するが、一方で、構造が変形された支持体の場合、約19゜、31.5゜、37゜、45゜、59.5゜、66゜でピークが存在しMg導入量が増加するほどスピネル構造に構造変形が起きたことが確認できる。
【0045】
<実施例2>支持体にルテニウムナノ粒子が担持された触媒の製造
担持触媒内のルテニウム重量が1重量%になるようにルテニウム前駆体を計量した後、支持体(アルミナ乃至構造変形したMgAl3+x支持体)孔隙容積の97%になるように水溶液の体積を調節した後、incipient wetness impregnation方法によって支持体内貴金属を担持させた。担持された触媒を120℃の強制対流式熱風オーブンで乾燥させた後、乾燥された触媒を空気流動下の電気炉で400℃焼成(calcination)を経た後、徐々に室温まで冷却させて最終的にルテニウムが支持体に担持された触媒を収得した。
【0046】
<実施例3>上記方法によって製造された触媒を用いたバッチ式反応器内でのDOTP(ジオクチルテレフタレート)水素化反応
実施例2で製造された触媒6ccをmagnedriveに装着された触媒バスケット に充填した後、300mlバッチ式反応器(オートクレーブ)で250mlのジオクチルテレフタレート溶液と150bar H、180℃温度で1時間30分反応を進めた。反応後、水素解圧及び生成物を反応器から除去し、再度同一量のDOTPを入れて数回再反応を進め、これを用いて触媒の連続バッチ式反応器の転化率の推移を測定しその結果を図2に表した。
【0047】
[比較例]
<比較例1>γ-alumina支持体にルテニウムナノ粒子が担持された触媒の製造
γ-alumina支持体にルテニウムが1重量%になるようにルテニウム前駆体を計量した後、支持体孔隙容積の97%になるように水溶液の体積を調節した後、incipient wetness impregnation方法によって支持体内貴金属を担持させた。その後、担持された触媒を120℃の強制対流式熱風オーブンで乾燥させた後、乾燥された触媒を空気流動下の電気炉で400℃焼成(calcination)を経た後、徐々に室温まで冷却させて最終的にルテニウムが支持体に担持された触媒を収得した。
【0048】
[実験例]
Alアルミナ支持体にMg(NO水溶液を添加した後、乾燥及び焼成を進め、MgAl3+x形態のスピネル構造触媒支持体を製造し、該当支持体を用いてRuNO(NO水溶液に担持した後、乾燥焼成してRuO/MgAl3+x触媒を製造した。このように備えられた該当開発触媒を用いオートクレーブ及びトリクルベッド反応器 でDOTP(Dioctyl terephthalate)を水素化反応を進め、DEHCH(Di(2-ethylhexyl)-1,4-cyclohexane dicarboxylate)を製造した。
【0049】
下記表2に示すように、オートクレーブ反応で反応回数によって触媒の非活性化を観察した結果、gamma、theta-aluminaを支持体として用いて担持させた触媒の非活性化は速やかに現れるが、一方で、MgAl3+x又はMgOMgAl3+xを支持体として用いて製造した触媒の本特許で平均転化率の減少で表現される非活性化は相当量が減少したことが確認できた。
【0050】
【表2】
【0051】
以上、本発明が具体的な構成要素などのような特定の事項と限定された実施例及び図面によって説明されたが、これは本発明のより全般的な理解を助けるために提供されたものに過ぎず、本発明が上記実施例らに限定されることではなく、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であればこのような記載から様々な修正及び変形を試みることができる。
したがって、本発明の思想は上記説明された実施例に限定されてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなくこの特許請求の範囲と均等に又は等価的に変形されたあらゆるものは本発明の思想の範疇に属すると言える。
図1
図2