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特許7113940マスク装置[Mask apparatus]
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】マスク装置[Mask apparatus]
(51)【国際特許分類】
   A62B 18/02 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
A62B18/02 B
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021074825
(22)【出願日】2021-04-27
(65)【公開番号】P2021191411
(43)【公開日】2021-12-16
【審査請求日】2021-04-27
(31)【優先権主張番号】10-2020-0068407
(32)【優先日】2020-06-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【弁護士】
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】テジュン キム
(72)【発明者】
【氏名】ジョンテク パク
(72)【発明者】
【氏名】ホジュン キム
(72)【発明者】
【氏名】ソクホ チェ
(72)【発明者】
【氏名】コンワン リ
(72)【発明者】
【氏名】チヤン チェ
【審査官】村山 禎恒
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2020-0048502(KR,A)
【文献】特開2013-127129(JP,A)
【文献】特開平05-137808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62B 7/00-33/00
A41D 13/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスク装置であって、
マスク本体と、
前記マスク本体の背面に取付けられ、ユーザーの顔面に密着した状態でユーザーの口と鼻が収容される呼吸空間を定義するシーリング部と、
前記マスク本体の前面に取付けられ、外部空気を吸入するファンモジュールと、
前記マスク本体の前面に結合され、前記ファンモジュールをカバーするマスク本体カバーと、を備えてなり、
前記マスク本体は、
入口が前記ファンモジュールのファン吐出口と連通し、出口の少なくとも一部が前記呼吸空間と連通して、前記ファンモジュールによって吸入される前記外部空気を前記呼吸空間に案内するエアーダクト部と、
ユーザーが前記呼吸空間に吐き出す空気を外部に排出するための空気排出口(air exhaust holes)と、を備え、
前記出口の面積は、前記入口の面積より大きく形成され、
前記エアーダクト部は、
外側側端部が前記マスク本体の前面から前方に離隔する前面部と、
前記前面部の外側側端部と前記マスク本体の前面を連結する側面部と、
前記前面部の上端と前記マスク本体の前面を連結する上面部と、
前記前面部の下端と前記マスク本体の前面を連結する下面部と、
前記側面部の後端、前記上面部及び下面部の後端、及び前記前面部の内側側端部を連結する切開部と、を備え、
前記切開部は、前記エアーダクト部の出口と定義され、
前記エアーダクト部の入口は、前記側面部に形成され、前記ファンモジュールのファン吐出口と連通することを特徴とする、マスク装置。
【請求項2】
前記切開部は、前記マスク本体の中心に隣接する内側側端部と、前記内側側端部の反対側に形成される外側側端部と、を備え、
前記内側側端部の長さは、前記外側側端部の長さより長く形成されることを特徴とする、請求項に記載のマスク装置。
【請求項3】
前記前面部は、前記エアーダクト部の入口から前記マスク装置の中心方向に延長されると共に、所定曲率のラウンド状を有する曲面部と、前記曲面部の端部から延長される平面部と、を備える、請求項に記載のマスク装置。
【請求項4】
前記エアーダクト部の入口側から吐出される空気の流動方向に水平に延長される第1仮想線と、
前記エアーダクト部の入口側から出口側に延長される上面部又は下面部と平行に延長される第2仮想線と、を備えてなる、請求項1に記載のマスク装置。
【請求項5】
前記第2仮想線は、前記第1仮想線に対して角度θを有するように形成され、
前記角度θは20度以上40度以下である、請求項4に記載のマスク装置。
【請求項6】
前記平面部の背面には、凹凸部が形成されることを特徴とする、請求項に記載のマスク装置。
【請求項7】
前記凹凸部は、前記エアーダクト部に沿って流れる空気の流動方向と交差する方向に延長され、
凸部(convex portion)と凹部(concave portion)が前記エアーダクト部に沿って流れる空気の流動方向に交互に形成されることを特徴とする、請求項6に記載のマスク装置。
【請求項8】
前記前面部の背面から突出し、前記エアーダクト部に流入する外部空気の流れを分割する多数の分割部を更に備える、請求項7に記載のマスク装置。
【請求項9】
前記多数の分割部は、前記エアーダクト部に沿って流れる空気の流動方向に延長され、前記前面部の上端と下端の間で所定間隔離隔して配置されることを特徴とする、請求項8に記載のマスク装置。
【請求項10】
前記シーリング部を前記マスク本体の背面に固定するシーリングブラケットを更に備え、
前記シーリングブラケットは、
帯状のブラケット本体と、
前記ブラケット本体の内側エッジから延長されるブラケット挿入部と、を備える、請求項9に記載のマスク装置。
【請求項11】
前記切開部は、
前記エアーダクト部と前記呼吸空間を連通させる空気吐出口で定義される第1空間と、
前記ブラケット挿入部によって遮蔽され、前記エアーダクト部の後面を定義する第2空間と、を備える、請求項10に記載のマスク装置。
【請求項12】
前記分割部には、前記ブラケット挿入部が置かれる段差部が形成されることを特徴とする、請求項10に記載のマスク装置。
【請求項13】
前記上面部及び前記下面部のそれぞれから所定深さの段差をなし、前記ファンモジュールが前記エアーダクト部の入口に挿入される限界を設定する、ファンモジュール支持部を更に備える、請求項10に記載のマスク装置。
【請求項14】
前記ファンモジュールは、
前記外部空気を吸入するファン吸入口と、前記ファン吐出口が形成されるファンハウジングと、
前記ファンハウジング内部に収容されるファンと、を備え、
前記マスク本体の前面には、前記ファンモジュールを収容するファンモジュール取付部が形成されることを特徴とする、請求項10に記載のマスク装置。
【請求項15】
前記ファンモジュール取付部は、
前記上面部及び下面部から前記マスク本体の側端部に向かって所定長さ延長され、前記ファンハウジングの上面と下面を支持する一対の固定リブと、
前記一対の固定リブの側端部に隣接する地点に該当する前記マスク本体の前面から突出するファンモジュール取付部と、を備え、
前記ファンハウジングのエッジを貫通する取付部材は、前記ファンモジュール取付部に挿入されることを特徴とする、請求項14に記載のマスク装置。
【請求項16】
前記マスク本体の下部には、空気排出部が形成され、
前記空気排出部は、前記呼吸空間の下部地点に形成され、ユーザーが前記呼吸空間に吐き出す空気を前記呼吸空間の外部に排出させることを特徴とする、請求項1に記載のマスク装置。
【請求項17】
前記マスク本体カバーには、フィルター取付部が形成され、
前記フィルター取付部の底には、前記ファン吸入口と連通する空気吸入口が形成されることを特徴とする、請求項14に記載のマスク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスク装置に関するものである。
【0002】
〔関連技術〕
本発明は、韓国特許出願第10-2020-0068407号(出願日:2020年6月5日)に基づくパリ条約4条の優先権主張を伴ったものであり、当該韓国特許出願に開示された内容に基づくものである。参考のために、当該韓国特許出願の明細書及び図面の内容は本願明細書の一部に包摂されるものである。
【背景技術】
【0003】
一般的に、マスク(Mask)は、病原菌、ホコリ等の吸入、またはウイルスまたは細菌による飛沫感染(droplet transmission)を防ぐためにユーザーの鼻と口を覆う装置である。
【0004】
マスクは、ユーザーの鼻と口を覆うためにユーザーの顔に密着される。マスクは、ユーザーの鼻と口に流入する空気に含まれた病原菌、ホコリ等をフィルタリングし、フィルタリングされた空気がユーザーの口と鼻に流入するようにする。空気と空気に含まれた病原菌、ホコリ等は、フィルターを含むマスクの本体を通過し、病原菌、ホコリ等はマスクの本体によってフィルタリングされる。
【0005】
ところが、外部空気がマスクの本体を通過してからユーザーの鼻と口に流入し、ユーザーが吐き出す空気もマスクの本体を通過してから外部に流出されるので、ユーザーの呼吸が円滑に行われない問題が発生する。最近では、上述された呼吸の不便さを解消するためにモータ、ファン、フィルターが備えられるマスクが開発されている。
【0006】
先行技術の一例として、大韓民国公開特許公報第10‐2018‐0092363号(特許文献1)には「マスク脱付着用空気清浄機及びそれを備えたマスク」が開示され、大韓民国公開特許公報第10‐2016‐0129562号(特許文献2)には「空気吸入型マスク」が開示される。
【0007】
特許文献1によるマスクには、空気流入口に流入した外部空気を濾過してマスクの内部に直接供給する空気清浄機が備えられる。
【0008】
特許文献2によるマスクには、フィルターによって濾過された空気を両側方から吸入して吸入ファンに供給する空気通路部が備えられ、前記吸入ファンから吐出される空気は、マスク内部で前記空気通路部の上側に形成された流動空間に沿ってユーザーに供給する構造が開示される。
【0009】
しかし、特許文献1によれば、空気清浄機によって濾過された空気をユーザーに直接供給するので、空気清浄機から吐出される風圧によってユーザーの呼吸が困難となる問題がある。
【0010】
また、空気投入口を通じて供給される空気の供給量は送風ファンの回転数に対応し、送風ファンの回転数の増加に応じて空気の供給量も増加するが、送風ファンによる振動も一緒に増加する問題がある。
【0011】
特許文献2によれば、吸入ファンが空気通路部の前方に位置するので、マスクの前後方向の長さが増加する問題がある。
【0012】
また、増加した前後方向の長さによって、空気通路部の上方に形成された流動空間の前後方向の長さも一緒に増加し、増加した空気の流動距離によって流動抵抗が増加する問題がある。
【0013】
また、増加した空気の流動距離によって、吸入ファンが作動してからユーザーに供給されるまでの時間が増加する問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】大韓民国公開特許公報第10‐2018‐0092363号
【文献】大韓民国公開特許公報第10‐2016‐0129562号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、供給される空気の流量を増加させることができるマスク装置を提供することを目的とする。
【0016】
本発明は、送風ファンの効率を向上させることができるマスク装置を提供することを目的とする。
【0017】
本発明は、空気の流動によって発生する流動騒音を低減できるマスク装置を提供することを目的とする。
【0018】
本発明は、供給される空気の吐出圧力を減少させることができるマスク装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記のような目的を達成するための本発明の実施例に係るマスク装置は、マスク本体と、前記マスク本体の背面に取付けられ、ユーザーの顔面に密着した状態でユーザーの口と鼻が収容される呼吸空間を定義するシーリング部と、前記マスク本体の前面に取付けられ、外部空気を吸入するファンモジュールと、前記マスク本体の前面に結合され、前記ファンモジュールをカバーするマスク本体カバーとを含み(備え、;構成し)、前記マスク本体は、入口が前記ファンモジュールのファン吐出口と連通し、出口の少なくとも一部が前記呼吸空間と連通して、前記ファンモジュールによって吸入される前記外部空気を前記呼吸空間に案内するエアーダクト部と、ユーザーが前記呼吸空間に吐き出す空気を外部に排出するための空気排出口(air exhaust holes)154、155とを含み、前記出口の面積は、前記入口の面積より大きく形成されることを特徴とする。
【0020】
〔発明の一の態様〕
〔1〕
マスク装置であって、
マスク本体と、
前記マスク本体の背面に取付けられ、ユーザーの顔面に密着した状態でユーザーの口と鼻が収容される呼吸空間を定義するシーリング部と、
前記マスク本体の前面に取付けられ、外部空気を吸入するファンモジュールと、
前記マスク本体の前面に結合され、前記ファンモジュールをカバーするマスク本体カバーと、を備えてなり、
前記マスク本体は、
入口が前記ファンモジュールのファン吐出口と連通し、出口の少なくとも一部が前記呼吸空間と連通して、前記ファンモジュールによって吸入される前記外部空気を前記呼吸空間に案内するエアーダクト部と、
ユーザーが前記呼吸空間に吐き出す空気を外部に排出するための空気排出口(air exhaust holes)と、を備え、
前記出口の面積は、前記入口の面積より大きく形成されることを特徴とする、マスク装置。
〔2〕
前記エアーダクト部は、
外側側端部が前記マスク本体の前面から前方に離隔する前面部と、
前記前面部の外側側端部と前記マスク本体の前面を連結する側面部と、
前記前面部の上端と前記マスク本体の前面を連結する上面部と、
前記前面部の下端と前記マスク本体の前面を連結する下面部と、
前記側面部の後端、前記上面部及び下面部の後端、及び前記前面部の内側側端部を連結する切開部と、を備え、
前記切開部は、前記エアーダクト部の出口と定義され、
前記エアーダクト部の入口は、前記側面部に形成され、前記ファンモジュールのファン吐出口と連通することを特徴とする、〔1〕に記載のマスク装置。
〔3〕
前記切開部は、前記マスク本体の中心に隣接する内側側端部と、前記内側側端部の反対側に形成される外側側端部と、を備え、
前記内側側端部の長さは、前記外側側端部の長さより長く形成されることを特徴とする、〔2〕に記載のマスク装置。
〔4〕
前記前面部は、前記エアーダクト部の入口から前記マスク装置の中心方向に延長されると共に、所定曲率のラウンド状を有する曲面部と、前記曲面部の端部から延長される平面部と、を備える、〔3〕に記載のマスク装置。
〔5〕
前記エアーダクトの上面部に沿って延長される第1仮想線と、前記エアーダクトの側面部上端を水平に通過する第2仮想線がなす角度は、20~40度であることを特徴とする、〔3〕に記載のマスク装置。
〔6〕
前記平面部の背面には、凹凸部が形成されることを特徴とする、〔4〕に記載のマスク装置。
〔7〕
前記凹凸部は、前記エアーダクト部に沿って流れる空気の流動方向と交差する方向に延長され、
凸部(convex portion)と凹部(concave portion)が前記エアーダクト部に沿って流れる空気の流動方向に交互に形成されることを特徴とする、〔6〕に記載のマスク装置。
〔8〕
前記前面部の背面から突出し、前記エアーダクト部に流入する外部空気の流れを分割する多数の分割部を更に備える、〔7〕に記載のマスク装置。
〔9〕
前記多数の分割部は、前記エアーダクト部に沿って流れる空気の流動方向に延長され、前記前面部の上端と下端の間で所定間隔離隔して配置されることを特徴とする、〔8〕に記載のマスク装置。
〔10〕
前記シーリング部を前記マスク本体の背面に固定するシーリングブラケットを更に備え、
前記シーリングブラケットは、
帯状のブラケット本体と、
前記ブラケット本体の内側エッジから延長されるブラケット挿入部と、を備える、〔9〕に記載のマスク装置。
〔11〕
前記切開部は、
前記エアーダクト部と前記呼吸空間を連通させる空気吐出口で定義される第1空間と、
前記ブラケット挿入部によって遮蔽され、前記エアーダクト部の後面を定義する第2空間と、を備える、〔10〕に記載のマスク装置。
〔12〕
前記分割部には、前記ブラケット挿入部が置かれる段差部が形成されることを特徴とする、〔10〕に記載のマスク装置。
〔13〕
前記上面部及び前記下面部のそれぞれから所定深さの段差をなし、前記ファンモジュールが前記エアーダクト部の入口に挿入される限界を設定する、ファンモジュール支持部を更に備える、〔10〕に記載のマスク装置。
〔14〕
前記ファンモジュールは、
前記外部空気を吸入するファン吸入口と、前記ファン吐出口が形成されるファンハウジングと、
前記ファンハウジング内部に収容されるファンと、を備え、
前記マスク本体の前面には、前記ファンモジュールを収容するファンモジュール取付部が形成されることを特徴とする、〔10〕に記載のマスク装置。
〔15〕
前記ファンモジュール取付部は、
前記上面部及び下面部から前記マスク本体の側端部に向かって所定長さ延長され、前記ファンハウジングの上面と下面を支持する一対の固定リブと、
前記一対の固定リブの側端部に隣接する地点に該当する前記マスク本体の前面から突出するファンモジュール取付部と、を備え、
前記ファンハウジングのエッジを貫通する取付部材は、前記ファンモジュール取付部に挿入されることを特徴とする、〔14〕に記載のマスク装置。
〔16〕
前記マスク本体の下部には、空気排出部が形成され、
前記空気排出部は、前記呼吸空間の下部地点に形成され、ユーザーが前記呼吸空間に吐き出す空気を前記呼吸空間の外部に排出させることを特徴とする、〔1〕に記載のマスク装置。
〔17〕
前記マスク本体カバーには、フィルター取付部が形成され、
前記フィルター取付部の底には、前記ファン吸入口と連通する空気吸入口が形成されることを特徴とする、〔14〕に記載のマスク装置。
【発明の効果】
【0021】
上記のような構成を有する本発明の実施例に係るマスク装置によれば、次のような効果がある。
【0022】
本発明は、マスク装置の呼吸空間に流入する空気の流速が減少し、呼吸空間内部で空気が均一に拡散ので、ユーザーが楽に呼吸することを可能とする。
【0023】
本発明は、ユーザーが息を吸い込む時点で空気の流量が増加するようにして、ユーザーに多量の空気を提供することができる。
【0024】
本発明は、流動する空気によって発生する騒音を減少させることができる。
【0025】
本発明は、呼吸空間に供給される空気が均一に拡散するようにすることができる。
【0026】
本発明は、呼吸空間に供給される空気が分岐して供給されるようにすることで、空気の吐出圧力を減少させることができる。
【0027】
本発明は、流動する空気の流動断面積を変化させて、空気の圧力を減少させることができる。
【0028】
本発明は、流動する空気の流動断面積を変化させて、空気の流量が向上するようにすることができる。
【0029】
本発明は、流動する空気の流動方向をガイドして、流路内で発生する流動抵抗を最小化することができる。
【0030】
本発明は、マスク本体にエアーダクト部を一体形成して、マスクの製造工程を簡素化することができる。
【0031】
本発明は、遠心ファンを使用して軸方向への長さを最小化して、マスクのサイズをコンパクトに設計することができる。
【0032】
本発明は、構成間が密着結合されるようにして、隙間が発生することを防止することができる。
本発明は、フィルターの交替が容易な利点がある。
【0033】
本発明は、フィルターがマスクカバーにフィルターカバーによって堅固に固定される。
【0034】
本発明は、ファンの回転数に比較してエアーダクト部を通過する流量が増加し、ファンの効率性が向上することができる。
【0035】
本発明は、流量が増加しながらも増加した流量によって発生する流動騒音が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1図1は、本発明の実施例に係るマスク装置の左側斜視図である。
図2図2は、本発明の実施例に係るマスク装置の右側斜視図である。
図3図3は、本発明の実施例に係るマスク装置の背面図である。
図4図4は、本発明の実施例に係るマスク装置の底面図である。
図5図5は、本発明の実施例に係るマスク装置の分解斜視図である。
図6図6は、本発明の実施例に係るマスク装置の作動時の空気の流れを示す図面である。
図7図7は、本発明の実施例に係るマスク装置の作動時の空気の流れを示す図面である。
図8図8は、本発明の実施例に係るマスク装置の前方分解図である。
図9図9は、本発明の実施例に係るマスク本体の前方斜視図である。
図10図10は、本発明の実施例に係る後方分解図である。
図11図11は、本発明の実施例に係るマスク装置の背面図である。
図12図12は、本発明の一実施例に係る回転数の変化に対する流量の変化を示すグラフである。
図13図13は、本発明の一実施例に係る流量の変化に対する騒音の変化を示すグラフである。
図14図14は、図9の14‐14に沿って切開されるマスク本体の横断面図である。
図15図15は、エアーダクト部の形状差による流量と騒音の関係を示すグラフである。
図16図16は、エアーダクト部の形状差によるファンの回転数と流量の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の実施例に係るマスク装置について、図面を参照して詳しく説明する。
【0038】
図1は、本発明の実施例に係るマスク装置の左側斜視図であり、図2は、本発明の実施例に係るマスク装置の右側斜視図であり、図3は、本発明の実施例に係るマスク装置の背面図であり、図4は、本発明の実施例に係るマスク装置の底面図である。
【0039】
図1図4を参照すると、本発明の実施例に係るマスク装置1は、マスク本体10と、前記マスク本体10に結合されるマスク本体カバー20を含むことができる。
【0040】
前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20は分離可能に結合される。前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20を結合すると、前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20の間には内部空間が形成される。前記内部空間には、前記マスク装置1を駆動するための構成が配置される。前記内部空間は、前記マスク本体10の前面と前記マスク本体カバー20の背面の間で形成される。前記マスク本体10は、前記マスク装置1の背面を定義し、前記マスク本体カバー20は、前記マスク装置1の前面を定義することができる。
【0041】
前記マスク装置1の後方は、ユーザーの顔と向き合うマスク装置1の背面が位置する方向を定義し、前記マスク装置1の前方は、前記後方の反対方向として、外部に露出するマスク装置の前面が位置する方向を定義する。
【0042】
前記マスク装置1は、シーリングブラケット30と、前記シーリングブラケット30に分離可能に結合されるシーリング部40をさらに含むことができる。
【0043】
前記シーリングブラケット30は、前記マスク本体10の背面に分離可能に結合され、前記シーリング部40を前記マスク本体10の背面に固定させることができる。そして、前記シーリングブラケット30が前記マスク本体10の背面から分離されると、前記シーリング部40は、前記マスク本体10から離脱することができる。
【0044】
前記シーリング部40は、前記シーリングブラケット30によって前記マスク本体10の背面に支持され、前記シーリング部40と前記マスク本体10の背面の間に呼吸のための呼吸空間Sが定義される。前記シーリング部40は、ユーザーの顔に密着し、ユーザーの鼻と口を覆って外部空気が前記呼吸空間に流入することを制限することができる。
【0045】
前記マスク本体カバー20には、第1フィルター取付部21と第2フィルター取付部22が含まれる。前記第1フィルター取付部21は、前記マスク本体カバー20の右側に位置し、前記第2フィルター取付部22は、前記マスク本体カバー20の左側に位置することができる。
【0046】
ユーザーの顔に着用されたマスク装置1を基準として、左側方向と右側方向を定義する。即ち、ユーザーがマスク装置1を着用した状態で、ユーザーの右側をマスク装置1の右側と定義し、ユーザーの左側をマスク装置1の左側と定義する。
【0047】
また、ユーザーの顔に装着されたマスク装置1を基準として、上側方向(上方)と下側方向(下方)を定義する。
【0048】
前記第1フィルター取付部21には第1フィルターカバー25が取り付けられ、前記第2フィルター取付部22には第2フィルターカバー26が取付けられる。前記第1フィルター取付部21と前記第2フィルター取付部22の内側にはフィルター23、24(図5参照)が配置され、前記第1フィルターカバー25と前記第2フィルターカバー26は、前記フィルターをカバーすることができる。
【0049】
前記第1フィルターカバー25と前記第2フィルターカバー26は、前記第1フィルター取付部21と前記第2フィルター取付部22に分離可能に結合される。例えば、前記第1フィルターカバー25と前記第2フィルターカバー26は、それぞれ前記第1フィルター取付部21と前記第2フィルター取付部22に嵌合される。
【0050】
前記第1フィルターカバー25と前記第2フィルターカバー26のそれぞれは、前面部及び前記前面部のエッジまたは背面のエッジに沿って後側に延長される側面部を含むことができる。
【0051】
前記第1フィルターカバー25及び前記第2フィルターカバー26の側面部のそれぞれは、4つの側面からなることができ、前記4つの側面は、上側面、下側面、左側面及び右側面を含むことができる。
【0052】
前記第1フィルターカバー25の側面部には、1つまたは多数の第1空気流入口(a first air inlet)251が形成される。前記第2フィルターカバー26の側面部にも、1つまたは多数の第2空気流入口(a second air inlet)261が形成される。
【0053】
前記第1フィルター取付部21に前記第1フィルターカバー25が取り付けられた状態で、前記第1空気流入口251は外部に露出するように形成される。前記第2フィルター取付部22に前記第2フィルターカバー26が取り付けられた状態で、前記第2空気流入口261は外部に露出するように形成される。
【0054】
前記第1空気流入口251及び前記第2空気流入口261は、前記第1フィルターカバー25及び前記第2フィルターカバー26の側面に形成される。図示されていないが、前記第1及び第2空気流入口251、261のそれぞれは、前記第1及び第2フィルターカバー25、26のそれぞれの前面部に形成されてもよいのは勿論である。
【0055】
前記第1空気流入口251及び前記第2空気流入口261は、前記側面部を二等分する線から前記前面部により近い地点に形成される。
【0056】
前記第1空気流入口251が前記第1フィルターカバー25の側面部に多数個提供される場合、前記第1空気流入口251は、右側面に形成される第1空気吸入ホール(suction hole)251aと、左側面に形成される第2空気吸入ホール251b、上側面に形成される第3空気吸入ホール251cを含むことができる。
【0057】
同様に、前記第2空気流入口261が前記第2フィルターカバー26の側面部に多数個提供される場合、前記第2空気流入口261は、左側面に形成される第1空気吸入ホール261aと、右側面に形成される第2空気吸入ホール261bと、上側面に形成される第3空気吸入ホール261cを含むことができる。
【0058】
一方、前記第1フィルターカバー25及び前記第2フィルターカバー26のうちいずれか1つには開口250が形成されてもよく、前記開口250は、前記第1フィルターカバー25及び前記第2フィルターカバー26のうちいずれか1つのエッジに形成されてもよい。そして、前記開口250には、前記マスク装置1の作動を制御するための操作部195が取付けられる。本実施例では、前記操作部195が第1フィルターカバー25に取付けられるものを例として説明する。
【0059】
前記操作部195は、前記マスク装置1の電源をオン/オフするための操作スイッチとして機能することができる。前記操作部195は、前記開口250に取り付けられた状態で前記マスク装置1の前方に露出することができる。
【0060】
前記マスク本体10は、バンド取付部108を含むことができる。前記バンド取付部108は、前記マスク本体10の左側と右側に提供される。
【0061】
即ち、前記バンド取付部108は、前記マスク本体10の右側に提供される第1バンド取付部108aと、前記マスク本体10の左側に提供される第2バンド取付部108bを含むことができる。
【0062】
前記第1バンド取付部108aと前記第2バンド取付部108bのそれぞれは、前記マスク本体10の上下方向に離隔するように多数個提供されてもよい。具体的に、前記第1バンド取付部108aは、前記マスク本体10の右側上方及び右側下方に提供され、前記第2バンド取付部108bは、前記マスク本体10の左側上方及び左側下方に提供されてもよい。
【0063】
前記バンド取付部108には、前記マスク装置1がユーザーの顔に密着した状態を維持させるためのバンドが取付けられる。
【0064】
例えば、バンドの両端部が前記第1バンド取付部108aと前記第2バンド取付部108bを連結してもよく、上下方向に離隔した2つの第1バンド取付部108a及び上下方向に離隔した2つの第2バンド取付部108bをそれぞれ連結してもよい。
【0065】
前者の場合、前記バンドは、ユーザーの後頭部を取り囲む形態となり、後者の場合前記バンドは、ユーザーの両側耳に掛けられる形態となる。
【0066】
前記バンド取付部108は、前記マスク本体10の一部が切開されて形成される。よって、前記バンド取付部108に形成された隙間を通じて、前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20の間の内部空間に空気が流入することができる。
【0067】
具体的に、前記バンド取付部108を通じて前記内部空間に流入する外部空気は、前記内部空間に配置される電子部品を冷却させることができる。そして、前記電子部品を冷却させながら温度が上昇した空気は、再び前記バンド取付部108を通じて前記マスク本体10の外部に排出される。そして、前記バンド取付部108を通じて前記内部空間に流入した空気が前記呼吸空間に流入することを制限するために、前記マスク装置1の内部は密封構造を有することができる。
【0068】
前記マスク本体10は、濾過された空気を呼吸空間に供給するための空気吐出口129を含むことができる。前記空気吐出口129を通じて前記呼吸空間に供給される濾過された空気をユーザーが吸い込みながら呼吸することができる。
【0069】
前記空気吐出口129は、前記第1空気流入口251に流入して濾過された空気を前記呼吸空間に吐出する第1空気吐出口129aと、前記第2空気流入口261に流入して濾過された空気を前記呼吸空間に吐出する第2空気吐出口129bを含むことができる。
【0070】
前記第1空気吐出口129aは、前記マスク本体10の中心を基準として右側に配置され、前記第2空気吐出口129bは左側に配置される。前記第1空気流入口251に流入した空気は、フィルター23を通過した後前記第1空気吐出口129aに流動することができる。前記第2空気流入口261に流入した空気は、フィルター24を通過した後前記第2空気流入口261に流動することができる。
【0071】
前記マスク本体10は、ユーザーが吐き出す空気を外部空間に排出するための空気排出口154、155を含むことができる。前記空気排出口154、155は、前記マスク本体10の下部に位置することができる。
【0072】
前記空気排出口154、155は、前記マスク本体10の前面下端に形成される第1空気排出口154と、前記マスク本体10の底面に形成される第2空気排出口155を含むことができる。
【0073】
具体的に、前記マスク本体10の前面下端には前方に延長されるリブが形成され、前記リブによって定義される面をマスク本体10の底面と定義することができる。
【0074】
前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20の間には、前記第1空気排出口154を通過して前記第2空気排出口155に向かって下降流動する流動空間が形成される。
【0075】
前記第1空気排出口154及び前記第2空気排出口155のうちの1つ以上には、チェックバルブが形成される。前記チェックバルブによって、外部空気が前記呼吸空間に流入したり、前記第2空気排出口155を通じて排出された空気が逆流する現象が防止される。
【0076】
前記チェックバルブは、前記第1空気排出口154と前記第2空気排出口155の間の流動空間内に位置することができる。
【0077】
一例として、前記第1空気排出口154の大きさと形状に対応する大きさと形状を有するフラットなフラップ(flap)形態のチェックバルブが提供されてもよい。
【0078】
具体的に、前記フラップの上端が前記第1空気排出口154の上側エッジに連結されて、ユーザーが息を吐き出すと、前記フラップが曲がったり回動して前記第1空気排出口154を開放させ、ユーザーが息を吸い込むと、前記フラップが前記第1空気排出口154に密着して、外部空気または排出された空気が呼吸空間に再流入する現象を防止することができる。
【0079】
前記マスク本体10は、センサ取付部109を含むことができる。前記センサ取付部109には、前記呼吸空間から各種情報を得るためのセンサが取付けられる。前記センサ取付部109は、前記マスク本体10の上部に位置することができる。ユーザーが呼吸する際に前記呼吸空間の圧力変化を一定に感知できる位置を考慮して、前記センサ取付部109が前記マスク本体10の上部に位置することができる。
【0080】
前記マスク本体10は、コネクタホール135を含むことができる。前記コネクタホール135は、前記マスク装置1に電源を供給するためのコネクタ192が設置される開口であると理解することができる。前記コネクタホール135は、前記マスク本体10の左側エッジと右側エッジのういずれか一側に形成される。
【0081】
本実施例で、前記操作部195と前記コネクタ192は、後述する電源モジュール19(図5参照)に連結されているので、前記コネクタホール135は、前記電源モジュール19が設置される位置に該当するマスク本体10の左側及び右側のうちいずれか一側に提供される。
【0082】
以下では、前記マスク装置1の構成を分解斜視図を参照して詳しく説明する。
【0083】
図5は、本発明の実施例に係るマスク装置の分解斜視図である。
【0084】
図5を参照すると、本発明に係るマスク装置1は、マスク本体10と、マスク本体カバー20と、シーリングブラケット30と、シーリング部40を含むことができる。
【0085】
具体的に、前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20が結合されて前記マスク装置1の外形を形成することができる。
【0086】
前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20の間には、前記マスク装置1を作動するための構成が収容される内部空間が形成される。前記シーリングブラケット30と前記シーリング部40は、前記マスク本体10の背面に結合されてユーザーの顔と前記マスク本体10の間に呼吸空間を形成し、前記呼吸空間に外部空気が流入することを防止することができる。
【0087】
前記マスク本体10は、カバー結合溝101を含むことができる。前記カバー結合溝101は、前記マスク本体10の前面エッジに沿って形成される。前記カバー結合溝101は段差によって形成される。前記カバー結合溝101は、前記マスク本体カバー20のエッジに対応するように形成される。前記カバー結合溝101は、前記マスク本体10の前面一部が後方に陥没して形成される。前記マスク本体10のカバー結合溝101に向かって前記マスク本体カバー20を移動させて前記カバー結合溝101に前記マスク本体カバー20を挿入することができる。
【0088】
前記マスク本体10は、第1カバー結合部102を含むことができる。前記第1カバー結合部102には、前記マスク本体カバー20の上部が支持される。前記第1カバー結合部102は、前記マスク本体10の前面上部に形成される。
【0089】
例えば、前記第1カバー結合部102は、フックが結合され得る構造を有することができる。前記マスク本体カバー20の背面には、前記第1カバー結合部102に結合されるフックが形成される。
【0090】
前記第1カバー結合部102は多数提供され、前記フックも前記第1カバー結合部102に対応するように多数提供される。本実施例で、前記第1カバー結合部102は、前記マスク本体10の中心を基準として左側と右側に提供される。前記第1カバー結合部102は、上側カバー結合部と称することができる。
【0091】
前記マスク本体10は、第1ブラケット結合部103を含むことができる。
【0092】
前記第1ブラケット結合部103は、前記シーリングブラケット30の上部が支持される。前記第1ブラケット結合部103は、前記マスク本体10の背面上部に形成される。例えば、前記第1ブラケット結合部103は、前記マスク本体10の背面から後方に突出するフック形状に形成されてもよい。前記シーリングブラケット30には、前記第1ブラケット結合部103に結合される第1本体結合部304が形成される。
【0093】
前記第1ブラケット結合部103は、前記マスク本体10の上部に位置することができる。前記第1ブラケット結合部103は、前記シーリングブラケット30の上部を支持することができる。
【0094】
例えば、前記第1ブラケット結合部103は、磁力で前記シーリングブラケット30を前記マスク本体10に結合できるように構成される。このために、前記第1ブラケット結合部103には、第1磁性部材15が備えられる。前記第1磁性部材15は、磁石または磁石につく金属のうちいずれか1つを含むことができる。
【0095】
前記第1磁性部材15は、前記マスク本体10の前面に固定され、前記シーリングブラケット30は、前記マスク本体10の背面に接触することができる。本実施例で、前記第1ブラケット結合部103は、前記マスク本体10の前面が前方に突出して前記第1磁性部材15を取り囲むリブ形状を有することができる。前記第1磁性部材15は、前記リブ形状に形成された第1ブラケット結合部103に嵌め込まれで固定される。本実施例で、前記第1磁性部材15は、磁石にて提供されるものと説明する。
【0096】
前記第1ブラケット結合部103は、前記マスク本体10の中心を基準として左側と右側にそれぞれ提供されてもよい。前記第1ブラケット結合部103は、上側ブラケット結合部と定義することができる。
【0097】
前記第1磁性部材15は、右側の第1ブラケット結合部103に取付けられる右側第1磁性部材と、左側の第1ブラケット結合部103に取付けられる左側第1磁性部材を含むことができる。
【0098】
前記シーリングブラケット30が前記第1磁性部材15の磁力によって前記マスク本体10に結合されるように、前記シーリングブラケット30には、第1本体結合部304が形成され、前記第1本体結合部304には、第2磁性部材35が取付けられる。
【0099】
前記第1本体結合部304は、前記第2磁性部材35を堅固に固定できるように形成される。前記第2磁性部材35は、磁石または磁石につく金属のうちいずれか1つを含むことができる。本実施例で、前記第2磁性部材35は、金属にて提供されるものと説明するが、前記第1磁性部材15と前記第2磁性部材35が反対となる材質で提供されてもよい。即ち、第1磁性部材15と第2磁性部材35のうちいずれか1つは磁石であり、他の1つは磁石につく金属であってもよい。
【0100】
前記第1本体結合部304は、多数の前記第1ブラケット結合部103に対応するように多数個提供されてもよい。前記マスク本体10は、支持リブ104を含むことができる。
【0101】
前記支持リブ104は、前記マスク本体10の前面から前方に突出して形成される。前記支持リブ104は、前記マスク本体10に前記マスク本体カバー20を結合するとき、前記マスク本体カバー20の背面に接触することができる。
【0102】
前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20は、前記支持リブ104によって前後方向に作用する外力に抵抗することができる。前記支持リブ104は、前記マスク本体10の前面に多数個提供されてもよい。
【0103】
一方、前記支持リブ104は、前記マスク本体10に取付けられる制御モジュール18の一部を固定する機能をすることができる。このために、前記支持リブ104は、フック形状を有することができる。即ち、前記支持リブ104の端部に係止突起が突出して、前記制御モジュール18の端部を固定するようにすることができる。
【0104】
前記マスク本体10は、第2カバー結合部106を含むことができる。
【0105】
前記第2カバー結合部106には、前記マスク本体カバー20の下部が支持される。前記第2カバー結合部106は、前記マスク本体10の前面下部にフック形態に突出することができる。前記第1カバー結合部102は、前記マスク本体10の中心を基準として左側と右側にそれぞれ提供されてもよい。前記第2カバー結合部106は、下側カバー結合部と定義することができる。
【0106】
前記マスク本体カバー20の背面には、前記第2カバー結合部106が結合されるフック係止部が前記マスク本体カバー20の左側と右側にそれぞれ形成される。
【0107】
前記マスク本体10は、第2ブラケット結合部107を含むことができる。
【0108】
前記第2ブラケット結合部107には、前記シーリングブラケット30の下部が支持される。前記第2ブラケット結合部107は、前記マスク本体10が開口されて形成される。前記第2ブラケット結合部107は、前記マスク本体10の下部に位置することができる。例えば、前記第2ブラケット結合部107は、前記マスク本体10に形成される貫通ホールと定義することができる。
【0109】
前記シーリングブラケット30には、前記第2ブラケット結合部107に嵌め込まれる第2本体結合部305が形成される。前記第2ブラケット結合部107は多数提供され、前記第2本体結合部305も前記第2ブラケット結合部107に対応するように多数個提供されてもよい。本実施例で、前記第2ブラケット結合部107は、前記マスク本体10の中心を基準として左側と右側にそれぞれ提供されてもよい。前記第2ブラケット結合部107は、下側ブラケット結合部と定義することができる。
【0110】
前記マスク本体10は、上述したセンサ取付部109を含むことができる。
【0111】
前記センサ取付部109は、前記マスク本体10の前面一部が前方に突出するリブ形状を有することができる。具体的に、前記センサ取付部109は、センサのエッジに沿って取り囲むリブ形態に構成され、前記センサ取付部109の内部には、センサが設置される設置空間が形成される。
【0112】
前記センサ取付部109の内側に該当する前記マスク本体10には、前記設置空間と前記呼吸空間が連通するようにするホールが形成される。前記設置空間に配置されたセンサは圧力センサを含み、前記圧力センサは、前記ホールを通じて前記呼吸空間の圧力情報を感知することができる。
【0113】
前記マスク本体10は、ファンモジュール取付部110を含むことができる。
【0114】
前記ファンモジュール取付部110は、第1ファンモジュール16が取付けられる第1ファンモジュール取付部と、第2ファンモジュール17が取付けられる第2ファンモジュール取付部を含むことができる。
【0115】
前記第1ファンモジュール取付部及び前記第2ファンモジュール取付部は、前記マスク本体10の前面に形成される。具体的に、前記第1ファンモジュール取付部は、前記マスク本体10の右側に配置され、前記第2ファンモジュール取付部は、前記マスク本体10の左側に配置される。
【0116】
前記第1ファンモジュール16及び前記第2ファンモジュール17のそれぞれは、前記第1ファンモジュール取付部及び前記第2ファンモジュール取付部に分離可能に結合される。
【0117】
前記マスク本体10は、エアーダクト部120を含むことができる。
【0118】
前記エアーダクト部120は、前記マスク本体10の前面に形成される。
【0119】
前記エアーダクト部120の内部には、空気が通過できる流路が形成される。
【0120】
前記エアーダクト部120は、前記第1ファンモジュール取付部に連結される第1エアーダクト部と、前記第2ファンモジュール取付部に連結される第2エアーダクト部を含むことができる。
【0121】
前記第1エアーダクト部と前記第2エアーダクト部は、前記第1ファンモジュール取付部と第2ファンモジュール取付部の間に位置するように、前記マスク本体10の前面中心に隣接する第1ファンモジュール取付部のエッジ及び第2ファンモジュール取付部のエッジにそれぞれ配置される。
【0122】
また、前記第1ファンモジュール取付部及び前記第2ファンモジュール取付部は、前記マスク本体10の前面中心を通る垂直面(または垂直線)を基準として対称する形状を有することができる。これと同様に、前記第1エアーダクト部及び前記第2エアーダクト部も前記マスク本体10の前面中心を通る垂直面または垂直線を基準として対称する形状を有することができる。
【0123】
前記エアーダクト部120の一端部は、前記ファンモジュール16、17の吐出口と連通して外部空気が前記エアーダクト部120の内部に流入する。そして、前記エアーダクト部120の他端部は、前記空気吐出口129と連通して前記エアーダクト部120に流入した外部空気が前記呼吸空間Sに吐出される。
【0124】
前記エアーダクト部120は、制御モジュール18を取付けるための制御モジュール取付部128を含むことができる。前記エアーダクト部120の前面一部が前記制御モジュール18が安着できる平面に形成され、前記平面を前記制御モジュール取付部128と定義する。前記制御モジュール取付部128は、前記第1エアーダクト部の前面に形成される第1制御モジュール取付部128a(図9参照)と、前記第2エアーダクト部の前面に形成される第2制御モジュール取付部128b(図9参照)を含むことができる。前記第1制御モジュール取付部128aと前記第2制御モジュール取付部128bには1つの制御モジュール18または複数の制御モジュールがそれぞれ固定されてもよい。
【0125】
前記エアーダクト部120の前面には、制御モジュール18が取付けられる。
【0126】
前記エアーダクト部120の一部は曲面部1201からなり、前記エアーダクト部120の残りの一部は平面部1202として形成される。前記制御モジュール18は、前記平面部1202に固定される。前記エアーダクト部120の曲面部1201は、前記ファンモジュール取付部110に接して外部空気が流入するようにし、前記平面部1202は、前記空気吐出口129に接して前記流入した外部空気が前記呼吸空間Sに供給されるようにする。
【0127】
前記平面部の前方に前記制御モジュール18が位置し、後方に前記エアーダクト部120の流路が位置すると説明することができる。
【0128】
前記平面部1202の前面は、前記制御モジュール18が安着する制御モジュール安着部と定義することができる。そして、前記平面部1202の背面には、図9で説明する凹凸部122が形成される。
【0129】
前記マスク本体10は、電源モジュール19を取り付けるための電源モジュール取付部130を含むことができる。
【0130】
前記電源モジュール取付部130は、前記マスク本体10の前面に形成される。前記電源モジュール取付部130は、前記マスク本体10の左側と右側のうちいずれか一側に提供される。
【0131】
前記電源モジュール取付部130は、前記ファンモジュール取付部110の側方に位置することができる。具体的に、前記電源モジュール取付部130は、前記ファンモジュール取付部110と前記マスク本体10の側端部の間に提供される。前記マスク本体10の側端部は、着用時にユーザーの耳に隣接する端部と定義することができる。そして、前記電源モジュール取付部130が提供されるマスク本体10の側端部に、前記コネクタホール135が位置することができる。
【0132】
前記マスク本体10は、バッテリーを取り付けるためのバッテリー取付部140を含むことができる。
【0133】
前記バッテリー取付部140は、前記マスク本体10の前面中央に形成される。前記バッテリー取付部140は、前記マスク本体10の前面から前方に突出して前記バッテリーを取り囲むように形成される。
【0134】
例えば、前記バッテリー取付部140は、前記マスク本体10の前面から前方に突出する一対のガイドリブと、前記一対のガイドリブの前端部を連結する連結リブを含むことができる。そして、前記一対のガイドリブと前記連結リブによって定義されるバッテリー収容空間に前記バッテリーが取付けられる。
【0135】
前記バッテリーは、前記バッテリー収容空間の上側から下側に移動してバッテリー収容空間に挿入され、逆方向に移動して分離される。前記バッテリー取付部140に挿入されたバッテリーの下部は、後述する空気排出部150によって支持される。
【0136】
前記マスク本体10は、空気排出部150を含むことができる。
【0137】
前記空気排出部150は、前記マスク本体10の下部に形成される。前記空気排出部150は、前記第1空気排出口154から前記第2空気排出口155に向かって流動する空気が流れる流動空間を形成する。
【0138】
前記空気排出部150は、前記マスク本体10の前面から前方に突出して形成される。そして、前記空気排出部150はアーチ形状にラウンド状に延長されるか、多数回折り曲げられて延長されてもよい。
【0139】
前記マスク本体10に前記マスク本体カバー20を結合すると、前記空気排出部150の前端部が前記マスク本体カバー20の背面に接触して、前記マスク本体10の内部空間と前記流動空間が区分される。
【0140】
前記空気排出部150は、前記流動空間の上面及び両側面を定義することができ、前記マスク本体カバー20の背面は、前記流動空間の前面を定義することができる。そして、前記マスク本体10の前面は、前記流動空間の背面を定義し、前記第2空気排出部155が形成される前記マスク本体10の底面は、前記流動空間の底面を定義することができる。
【0141】
前記空気排出部150の上面は、前記バッテリーの下端を支持することができる。アーチ形状またはトンネル形状を有する前記空気排出部150の両側下端は前記マスク本体10の底面に連結され、前記マスク本体10の底面は、前記マスク本体10の前面下端から前方に延長されるリブによって定義される。
【0142】
前記カバー結合溝101は、前記マスク本体10の底面を形成するリブの前端に沿って陥没形成され、前記マスク本体カバー20の背面下端が前記カバー結合溝101に結合される。
【0143】
前記流動空間の背面を定義する前記マスク本体10の前面には、前記第1空気排出口154が形成される。
【0144】
前記マスク本体カバー20は、上述したように、一対のフィルター取付部21、22を含むことができる。
【0145】
前記フィルター取付部21、22は、前記マスク本体カバー20の前面が背面に向かって所定深さ陥没して形成される。陥没して形成された前記フィルター取付部21、22の内側にはフィルター23、24が収容され、前記フィルター23、24が収容された状態で、前記フィルター取付部21、22のエッジにフィルターカバー25、26が取付けられる。
【0146】
前記フィルター取付部21、22には、空気吸入口211、221が形成される。前記空気吸入口211、221は、前記ファンモジュール16、17の前面に形成されるファン吸入口と連通することができる。前記空気吸入口211、221のエッジは、前面から背面に行くほど直径が減少する方向に傾斜する傾斜面を有することができる。
【0147】
前記フィルター取付部21、22の側面には、前記フィルターカバー25、26を固定するためのフィルターカバー取付溝212、222が形成される。前記フィルターカバー25、26には、前記フィルターカバー取付溝212、222に挿入される結合突起が形成される。図5には左側フィルターカバー26に形成される結合突起262しか図示されていないが、右側フィルターカバー25にもこれと同じ結合突起が形成される。
【0148】
前記フィルター取付部21、22の空気吸入口211、221の背面のエッジと前記ファンモジュール16、17のファン吸入口の間には、密封のための密封材が提供される。前記密封材は、前記空気吸入口211、221と前記ファンモジュール16、17のファン吸入口のエッジを取り囲んで外部空気が流入することを防止することができる。
【0149】
他の方法として、前記密封材が提供される代わりに、前記空気吸入口211、221のエッジにオリフィスが形成され、前記オリフィスが前記ファンモジュール16、17のファン吸入口のエッジに密着するようにして、外部空気が流入することを防止することもできる。前記オリフィスは、前記空気吸入口211、221のエッジに沿って後方に延長または突出するガイドリブであると理解することができる。
【0150】
前記フィルター取付部21、22は、前記マスク本体カバー20の右側に提供される第1フィルター取付部21と前記マスク本体カバー20の左側に提供される第2フィルター取付部22を含むことができる。
【0151】
前記第1フィルター取付部21に形成される空気吸入口を第1空気吸入口211と定義し、前記第2フィルター取付部22に形成される空気吸入口を第2空気吸入口221と定義することができる。
【0152】
前記フィルター23、24は、前記第1フィルター取付部21の内側に収容される第1フィルター23と前記第2フィルター取付部22の内側に収容される第2フィルター24を含むことができる。
【0153】
前記フィルターカバー25、26は、前記第1フィルター取付部21に取付けられる第1フィルターカバー25と、前記第2フィルター取付部22に取付けられる第2フィルターカバー26を含むことができる。前記第1フィルターカバー25には、外部空気流入のための多数の第1空気流入口251が形成され、前記第2フィルターカバー26には、外部空気流入のための多数の第2空気流入口261が形成される。
【0154】
前記制御モジュール18は第1電子回路部品と称し、前記電源モジュール19は第2電子回路部品と称することができる。
【0155】
前記ファンモジュール16、17は、ファンとファンモータ、及び前記ファンと前記ファンモータを収容するファンハウジングを含むことができる。前記ファンハウジングには、前記ファンに空気が流入するファン吸入口と、前記ファンによって強制流動する空気が吐出されるファン吐出口が形成される。
【0156】
前記ファンは、前記マスク本体カバー20の前方から空気を吸入して前記マスク本体10の側方に吐出する遠心ファンを含むが、軸流ファンまたは横流ファンを排除するものではない。
【0157】
前記第1空気流入口251に流入して前記第1フィルター23を通過した空気は、前記第1空気吸入口211に吸入される。そして、前記第2空気流入口261に流入して前記第2フィルター24を通過した空気は、前記第2空気吸入口221に吸入される。
【0158】
前記第1ファンモジュール16のファン吐出口は、前記第1エアーダクト部と連通して前記呼吸空間に空気を吐出し、前記第2ファンモジュール17のファン吐出口は、前記第2エアーダクト部と連通して前記呼吸空間に空気を吐出する。
【0159】
前記制御モジュール18は、前記マスク装置1の作動を制御することができる。前記制御モジュール18は、制御モジュール取付部128に固定される。
【0160】
前記制御モジュール18は、通信モジュールを含み、多様な情報を送受信することができる。前記制御モジュール18は、データ貯蔵モジュールを含み、多様な情報を貯蔵することができる。
【0161】
前記制御モジュール18は、前記ファンモジュール16、17の作動を制御することができる。具体的に、前記制御モジュール18は、センサから感知される情報に基づいて前記ファンモジュール16、17の作動を制御することができる。
【0162】
前記制御モジュール18は、前記電源モジュール19、前記ファンモジュール16、17、バッテリーと電気的に連結されて連動することができる。
【0163】
前記電源モジュール19は、外部から電源が供給される。前記電源モジュール19は、前記バッテリーを充電するための充電回路を含むことができる。前記電源モジュール19は、前記コネクタ192(図10参照)と前記操作部195を含むことができる。よって、前記制御モジュール18は、バッテリー電源または前記コネクタ192を通じて外部電源が供給されて作動することができる。
【0164】
前記電源モジュール19は、前記操作部195の操作を通じて前記マスク装置1への電源供給を制御することができる。具体的に、前記電源モジュール19は、前記バッテリーから前記制御モジュール18及び前記ファンモジュール16、17への電源供給を制御することができる。
【0165】
前記シーリング部40は、前記シーリングブラケット30によって、前記マスク本体10の背面に結合されてユーザーの顔に密着することができる。
【0166】
前記シーリング部40によって、前記マスク本体10の背面は、ユーザーの顔から離隔することができる。
【0167】
前記シーリングブラケット30は、閉ループを形成するリング形状を有することができる。
【0168】
前記シーリング部40は、前記シーリングブラケット30に分離可能に結合される。
【0169】
また、前記シーリングブラケット30は、前記マスク本体10から分離可能に結合され、前記シーリングブラケット30を前記マスク本体10から分離可能である。このような構造によって、前記シーリングブラケット30のみを分離したり、前記シーリング部40と前記シーリングブラケット30の結合体を前記マスク本体10から分離して、前記シーリングブラケット30のみ洗浄したり、前記シーリングブラケット30とシーリング部40を両方とも洗浄することができる。
【0170】
前記シーリング部40を前記シーリングブラケット30に結合した後、前記シーリングブラケット30を前記マスク本体10に結合すると、前記シーリング部40が前記マスク本体10に安定的に固定される。
【0171】
前記シーリングブラケット30は、前記シーリング部40が結合されるシーリング挿入部301を含むことができる。
【0172】
前記シーリング挿入部301は、平べったい帯状を有し、前記シーリング部40の内側エッジに形成された溝に挿入される。前記シーリング挿入部301は、前記シーリングブラケット30の本体であると理解することができる。具体的に、前記シーリング部40の内側エッジは、2つに分かれるシールリップ(seal lips)形態を有し、前記シールリップの間に前記シーリング挿入部301が嵌め込まれて、前記シーリング部40と前記シーリングブラケット30が結合されると理解することができる。
【0173】
前記シーリング挿入部301は、内側エッジから外側エッジに行くほど厚さが減少する形態に形成されてもよい。
【0174】
前記シーリングブラケット30は、固定ガイド302を含むことができる。前記固定ガイド302は、前記シーリング挿入部301の内側エッジに沿って形成されてもよい。前記固定ガイド302は、前記シーリング挿入部301が前記シーリング部40の内側エッジに形成された溝に挿入される限界を設定する機能をすることができる。即ち、前記シーリング部40の内側エッジの固定位置が前記固定ガイド302によって決定される。
【0175】
前記シーリング部40の内側エッジが前記固定ガイド302に接触すると、前記シーリング挿入部301が前記シーリング部40のシールリップに完全に挿入されたと見ることができる。前記固定ガイド302は、前記シーリング挿入部301の内側エッジの厚さより大きく設計されてもよい。
【0176】
前記シーリング挿入部301と前記固定ガイド302からなる部分は、ブラケット本体と定義することができる。
【0177】
前記シーリングブラケット30は、前記第1ブラケット結合部103に結合される第1本体結合部304を含むことができる。前記第1本体結合部304は、前記シーリングブラケット30の上部に提供される。前記第1本体結合部304は、前記第1ブラケット結合部103に対応する位置及び個数で提供されてもよい。前記第1本体結合部304は、上側本体結合部と称することができる。例えば、前記第1本体結合部304は、フック形状に形成される第1ブラケット結合部103が係止されて固定される形状に形成されてもよい。前記シーリングブラケット30は、第2ブラケット結合部107に結合される第2本体結合部305を含むことができる。前記第2本体結合部305は、前記シーリングブラケット30の下部に提供される。前記第2本体結合部305は、前記第2ブラケット結合部107に対応する位置及び個数で提供されてもよい。前記第2本体結合部305は、下側本体結合部と称することができる。例えば、前記第2本体結合部305は、前記シーリング挿入部301から前方に突出するフック形状に形成されてもよい。
【0178】
前記シーリングブラケット30は、前記ブラケット本体の内側エッジから延長され、前記マスク本体10に結合されるブラケット挿入部306を含むことができる。前記ブラケット挿入部306は、マスク本体10に形成される切開部127(図10参照)に挿入されて、前記切開部127のエッジ一部を遮蔽する。
【0179】
前記切開部127は、前記エアーダクト部120と連通して空気が通過する開口であると理解することができる。前記切開部127の一側エッジ、具体的に外側エッジに前記ブラケット挿入部306が置かれる。
【0180】
上述された前記空気吐出口129は、前記切開部127の一側に前記ブラケット挿入部306が挿入された状態で、前記ブラケット挿入部306によって遮られていない前記切開部127の残りの部分であると理解することができる。
【0181】
従って、前記ブラケット挿入部306が前記切開部127の一側に挿入または結合されて前記切開部127の一側を遮蔽すると、前記ファンモジュール16、17から吐出された空気は、前記エアーダクト部120と前記ブラケット挿入部306の間を通過して前記空気吐出口129に流動することができる。
【0182】
前記ブラケット挿入部306は、前記エアーダクト部120の一面を形成しながら、前記シーリングブラケット30を前記マスク本体10に固定する機能をすることができる。具体的に、前記シーリングブラケット30の上部は、前記第1本体結合部304によって前記マスク本体10の上部に固定され、前記シーリングブラケット30の下部は、前記第2本体結合部305によって前記マスク本体10の下部に固定され、前記シーリングブラケット30の中間部分は、前記ブラケット挿入部306によって前記マスク本体10の中間部分に固定される。
【0183】
前記シーリングブラケット30は、シーリング挿入部307を含むことができる。
【0184】
前記シーリング挿入部307は、前記第1シーリング支持部301に形成される。前記シーリング挿入部307には、前記シーリング部40に形成されるシーリング突出部407が挿入される。
【0185】
前記シーリング挿入部307に前記シーリング突出部407が挿入されて、前記シーリングブラケット30と前記シーリング部40が一体結合される。
【0186】
前記シーリング挿入部307は、図9に示されたように、前記第1シーリング支持部301の前面から背面に向かう方向に突出する円筒形ボスまたはスリーブ形状を有することができる。なお、前記シーリング挿入部307は、単純なホールであってもよい。前記第1シーリング支持部301の前面は、前記マスク本体10を向かう面であり、前記第1シーリング支持部301の背面は、前記前面の反対面であると理解することができる。
【0187】
前記シーリング挿入部307は、前記シーリングブラケット30の中心を基準として左側と右側に多数個提供されてもよい。本実施例で、前記シーリング挿入部307は、前記第1本体結合部304の両側エッジ地点にそれぞれ提供されてもよい。
【0188】
前記シーリング部40は、弾性を有する材質からなることができる。前記シーリング部40は、ユーザーの顔に密着してユーザーの顔輪郭に沿って変形することができる。前記シーリング部40は、閉ループを形成するリング形状を有することができる。前記シーリング部40は、ユーザーの鼻と口カバーできるように形成される。
【0189】
前記シーリング部40は、前記マスク本体10に結合される結合部400aと、前記結合部400aからユーザーの顔に向かって延長される側面部400cと、前記側面部400cの端部から折り曲げられて前記結合部400aに向かって延長される密着部400bを含むことができる(図11参照)。
【0190】
前記密着部400bは、ユーザーの顔に密着する部分であり、前記側面部400cと密着部400bは90度未満の角度をなし、前記側面部400cと密着部400bの間に空間が形成される。
【0191】
前記結合部400aの内側には第1開口が形成され、前記密着部400bの内側には第2開口が形成される。前記第2開口は、図3に示されたように、ユーザーの鼻の前面と口が位置するメイン開口と、前記メイン開口の上端から延長されてユーザーの鼻に置かれるサブ開口からなることができる。
【0192】
また、前記メイン開口の下部、即ちユーザーの顎の前面に密着する部分は、ユーザーの頬の前面に密着する部分よりも前記マスク本体10に近いように設計される。
【0193】
また、前記密着部400bには多数の通気ホール(図示せず)が形成され、ユーザーの頬に湿気ができる現象を最小化することができる。前記多数の通気ホールは、相互異なる大きさを有することができ、一例として、前記密着部400bの内側エッジから外側エッジに行くほど通気ホールの直径が大きくなるように形成されてもよい。
【0194】
前記第1開口の内側には前記空気吐出口129と前記空気排出口154、155が位置して、前記第2開口の内側にはユーザーの鼻と口が位置することができる。
【0195】
ユーザーの顔と前記マスク本体10の間に前記シーリング部40が位置し、前記シーリング部40の結合部400a、密着部400b及び前記側面部400cの内側に前記呼吸空間Sが定義される。
【0196】
前記シーリング部40は、ブラケット挿入溝401を含むことができる。
【0197】
前記ブラケット挿入溝401は、前記シーリングブラケット30のシーリング挿入部301が挿入されるように構成される。前記ブラケット挿入溝401は、前記シーリング部40の結合部400aに形成される。前記ブラケット挿入溝401は、前記結合部400aの内側エッジに形成される。前記結合部400aに形成されたブラケット挿入溝401は、前記シーリングブラケット30のシーリング挿入部301が挿入されて、前記シーリング部40と前記シーリングブラケットが結合される。
【0198】
前記シーリング部40は、前記第1本体結合部304及び前記ブラケット挿入部306が安着する安着溝404、406と、前記第2本体結合部305が貫通する貫通ホール405を含むことができる。前記安着溝404、406と前記貫通ホール405は、前記結合部400aに形成される。前記安着溝404、406は、前記第1本体結合部304に対応する個数及び位置に形成される第1安着溝404と、前記ブラケット挿入部306に対応する個数及び位置に形成される第2安着溝406を含むことができる。前記貫通ホール405は、前記第2本体結合部305に対応する個数及び位置に形成される。
【0199】
前記安着溝404、406と前記貫通ホール405に前記第1本体結合部304、前記第2本体結合部305及び前記ブラケット挿入部306が挿入されると、前記シーリング部40と前記シーリングブラケット30が密着結合される。
【0200】
図6及び図7は、本発明の実施例に係るマスク装置の作動時の空気の流れを示す図面である。
【0201】
図6及び図7を参照すると、本発明に係るマスク装置1は、フィルターカバー25、26に形成される空気流入口251、261を通じて外部空気を吸入することができる。前記マスク装置1に吸入される外部空気の流動方向はAで表す。
【0202】
前記空気流入口251、261が多様な方向から空気を吸入できるように多数で構成されることで、外部空気の流入量が増加する。
【0203】
例えば、前記空気流入口251、261は、前記フィルターカバー25、26の上部に流動する空気を吸入する上部空気流入口251a、261a、前記フィルターカバー25、26の側方に流動する空気を吸入する側部空気流入口251b、261b、前記フィルターカバー25、26下部に流動する空気を吸入する下部空気流入口251c、261cを含むことができる。前記側部空気流入口251b、261bは、前記フィルターカバー25、26の左側と右側のうちいずれか一側または両側に形成される。
【0204】
前記空気流入口251、261が形成されるフィルターカバー25、26は、前記マスク装置1の前面左側と右側にそれぞれ配置されるので、外部空気を前記マスク装置1の前面左右側から円滑に吸入することができる。
【0205】
前記空気流入口251、261を通じて流入した外部空気は、前記フィルター取付部21、22の内側に取付けられたフィルター23、24を通過しながら異物が濾過される。前記フィルター23、24は、前記フィルターカバー25、26を前記マスク装置1から分離して交替可能である。
【0206】
前記フィルター23、24を通過した空気は、空気吸入口211、221を通じてファンモジュール16、17のファン吸入口に流入することができる。前記空気吸入口211、221が形成されるフィルター取付部21、22と前記ファンモジュール16、17は、相互密着した状態で組立てられるので、前記フィルターを通過した空気が外部に漏洩したり、外部空気が前記フィルター取付部21、22とファンモジュール16、17の間に流入することが防止される。
【0207】
前記ファンモジュール16、17のファン吐出口を通じて排出される空気は、エアーダクト部120を通過した後空気吐出口129を通じて呼吸空間Sに流入することができる。前記空気吐出口129を通じて前記呼吸空間S_に流入する空気の流動方向をBで表す。
【0208】
前記呼吸空間は、前記マスク本体10と前記シーリング部40によって定義される。前記マスク本体10をユーザーの顔に密着させると、前記シーリング部40が前記マスク本体10とユーザーの顔に密着して外部空間と区分される独立した呼吸空間を形成することができる。
【0209】
前記空気吐出口129を通じて供給される濾過された空気をユーザーが吸入した後吐き出す時に出てくる空気は、空気排出口154、155を通じて外部空間に排出される。
【0210】
上述したように、前記空気排出口154、155は、呼吸空間と連通する第1空気排出口154と外部空間と連通する第2空気排出口155を含み、前記第1空気排出口154と前記第2空気排出口155は、前記空気排出部150によって定義される流動空間によって連通することができる。即ち、ユーザーが吐き出す空気は、第1空気排出口154を通じて前記流動空間に案内される。前記第1空気排出口154を通じて前記流動空間に流動する空気の流動方向をCで表す。
【0211】
前記第1空気排出口154を通じて前記流動空間に案内された空気は、前記第2空気排出口155を通じて外部空間に排出される。前記第2空気排出口155を通じて外部空間に排出される空気の流動方向をDで表す。
【0212】
図8は、本発明の実施例に係るマスク装置の前方分解図であり、図9は、本発明の実施例に係るマスク本体の前方斜視図であり、図10は、本発明の実施例に係るマスク装置の後方分解図である。
【0213】
図8図10を参照すると、本発明に係るマスク装置1は、マスク本体10とマスク本体カバー20の結合によって外形を形成することができる。前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20の間には、ファンモジュール16、17、電源モジュール19、制御モジュール18、及びバッテリー(図示されない)のうち少なくとも一部または全部が収容される内部空間が形成される。
【0214】
前記内部空間に収容されるファンモジュール16、17、電源モジュール19、制御モジュール18、及びバッテリーのうち少なくとも一部または全部は、前記マスク本体10の前面に固定される。別の方法として、前記ファンモジュール16、17は、前記マスク本体10の前面に固定され、前記電源モジュール19、制御モジュール19、バッテリーは、前記マスク本体カバー20の背面に固定されてもよい。
【0215】
前記マスク本体10の背面には、前記シーリング部40がシーリングブラケット30によって固定される。前記シーリング部40の内側には呼吸空間Sが形成され、前記シーリング部40がユーザーの顔に密着すると、前記呼吸空間Sにはユーザーの口と鼻が収容される。
【0216】
前記呼吸空間Sは、前記マスク本体10の空気吐出口129及び空気排出口154、155と連通する。前記空気吐出口129を通じて前記呼吸空間Sに流入した空気は、ユーザーが吸い込んで、ユーザーが吐き出す時に前記呼吸空間Sに集まる空気は、前記空気排出口154、155を通じて外部空間に排出される。
【0217】
前記シーリング部40は、前記マスク本体10とユーザーの顔の間で変形して、前記マスク本体10と前記ユーザーの顔の間に密着することができる。
【0218】
前記マスク本体10は、支持リブ104を含むことができる。前記支持リブ104は、前記マスク本体10と前記マスク本体カバー20が離隔した状態で結合されるようにする。本実施例で、前記支持リブ104は、前記制御モジュール18の一側を支持するための固定フック104aをさらに含むことができる。具体的に、前記固定フック104aは、前記制御モジュール18の上端に係止されて、前記制御モジュール18の上部が前記支持リブ104によって支持されるようにすることができる。
【0219】
前記マスク本体10は、ファンモジュール取付部110を含むことができる。
【0220】
前記ファンモジュール取付部110は、第1固定リブ112と第2固定リブ114を含むことができる。前記第1固定リブ112と前記第2固定リブ114は、前記ファンモジュール16、17の上面と下面をそれぞれ支持することができる。前記第1固定リブ112と前記第2固定リブ114は、前記マスク本体10の前面から前方に突出して形成され、前記第1固定リブ112と前記第2固定リブ114の間に前記ファンモジュール16、17が収容される。
【0221】
前記第1固定リブ112と前記第2固定リブ114の一端部に前記エアーダクト部120が位置し、他端部に前記ファンモジュール16、17の一部を固定するための取付部が位置することができる。
【0222】
前記ファンモジュール取付部110は、ケーブル固定リブ113を含むことができる。前記ケーブル固定リブ113は、前記第1固定リブ112の上面及び前記マスク本体10の前面に提供される。前記ケーブル固定リブ113は、前記制御モジュール18から前記ファンモジュール16、17、電源モジュール19等に向かって延長されるケーブルを固定するために提供される。
【0223】
前記ケーブル固定リブ113は、前記第1固定リブ112の上面または前記第2固定リブ114の底面に提供される第1ケーブル固定リブと、前記マスク本体10の前面に提供される第2ケーブル固定リブを含むことができる。
【0224】
前記第1ケーブル固定リブと前記第2ケーブル固定リブは、前記マスク本体10の幅方向に相互離隔する。そして、前記第1及び第2ケーブル固定リブは、相互交差する方向に突出し、かつ前記マスク本体10の幅方向に延長される。前記ケーブルは、前記第1ケーブル固定リブによって一部が固定され、前記第2ケーブル固定リブによって残りの一部が固定される。
【0225】
前記ファンモジュール取付部110は、ファンモジュール取付部116、118を含むことができる。前記ファンモジュール取付部116、118は、複数提供されてもよい。前記ファンモジュール取付部116、118は、前記ファンモジュール取付部110に取付けられたファンモジュール16、17のエッジを支持するための手段として、前記ファンモジュール16、17のエッジを貫通する取付部材が前記ファンモジュール取付部116、118に挿入される。
【0226】
前記ファンモジュール取付部116、118は、前記マスク本体10の前面から突出して形成されてもよい。前記ファンモジュール取付部116、118には、前記取付部材が挿入される取付孔が形成される。または、前記ファンモジュール取付部116、118は、相互対向する一対の取付リブとして形成され、前記一対の取付リブの間に形成される空間に前記取付部材が挿入される。
【0227】
前記ファンモジュール取付部116、118は、一側取付部116と他側取付部118を含むことができる。前記一側取付部116と前記他側取付部118は、前記マスク本体10の幅方向と直交する高さ方向(上下方向)に離隔するように提供されて、前記ファンモジュール16、17の側端部の上側と下側エッジを支持することができる。
【0228】
前記ファンモジュール取付部116、118には傾斜面が形成される。前記傾斜面は、前記ファンモジュール取付部110の外側エッジ(マスク本体の側端部に近いエッジ)から内側エッジ(マスク本体の中心に近いエッジ)に行くほど上方に傾斜するように形成される。よって、前記ファンモジュール16、17は、前記傾斜面に沿って前記マスク本体10の側端部から中心側にスライディング移動して、前記エアーダクト部120の吸入端に密着することができる。
【0229】
前記エアーダクト部120は、前記マスク本体10の前面に提供される前面部120aと、前記前面部120aに対向して前記マスク本体10の背面に提供される後面部120bと、前記前面部120aと前記後面部120bを連結する上面部120c及び下面部120dからなることができる。
【0230】
前記上面部120c及び下面部120dは、前記前面部120aの上端と下端から前記前面部120aと交差する方向に延長され、上方に位置する第1連結部120c及び下方に位置する第2連結部120dと定義されてもよい。そして、前記後面部120bは開口された面であると理解することができ、前記切開部127を意味すると理解することができる。
【0231】
前記前面部120aは、さらに曲面部1201と平面部1202からなり、前記平面部1202は、上述したように制御モジュール取付部128と定義されてもよい。
【0232】
一方、前記エアーダクト部120の側面部は開口され、前記開口された側面部を通じて外部空気が流入し、前記開口された側面には、前記ファンモジュール16、17の吐出口が接するので、前記開口された側面はファンモジュール挿入口123(図14参照)と定義することができる。または、前記開口された側面部は、前記エアーダクト部120の内部に形成される空気流路の入口と定義されてもよい。
【0233】
前記後面部120bの一部は、前記ブラケット挿入部306によって遮蔽され、前記ブラケット挿入部306によって遮蔽される部分を除いた前記後面部120bの残りの部分は空気吐出口129と定義される。
【0234】
具体的に、前記エアーダクト部120の側面部、即ち前記ファンモジュール挿入口123の前端は、前記前面部120aの一側端と連結され、前記ファンモジュール挿入口123の後端は、前記後面部120bの一側端と連結される。
【0235】
そして、前記前面部120aの他側端は、前記後面部120bの他側端と連結され、前記エアーダクト部120は1つの側面部を有する形状を有することができる。
【0236】
前記前面部120aは、前記マスク本体10の一部分が前方に突出して形成されてもよい。
【0237】
一方、前記平面部1202の背面には凹凸部122が形成される。
【0238】
前記凹凸部122は、前記平面部1202の背面から突出して上下方向に延長され、前記マスク本体10の幅方向(側方面)に離隔配置される多数の突起またはリブであってもよい。
【0239】
前記ファンモジュール16、17から吐出される空気は、前記エアーダクト部120を通過して呼吸空間に流入することができる。具体的に、前記ファンモジュール16、17から吐出される空気は、前記曲面部1201と前記ブラケット挿入部306の間を層流流動することができる。
【0240】
前記ファンモジュール16、17によって強制流動される空気の流速によって、前記曲面部1201と前記ブラケット挿入部306の間を通過する空気は層流流動することができる。
【0241】
層流流動する空気は、前記曲面部1201によって流動方向がガイドされて前記平面部1202の凹凸部122に向かって流動することができる。層流流動する空気は、前記平面部1202の凹凸部122を通過しながら乱流流動に変わる。
【0242】
前記凹凸部122によって層流流動から乱流流動に転換された空気は、前記空気吐出口129を通過して呼吸空間吐出される。前記凹凸部122によって層流流動から乱流流動に転換されると、前記空気吐出口129を通じて呼吸空間に供給される空気の流量が増加しながらも騒音が低減される。そして、層流流動から乱流流動に転換された空気は、拡散効果が非常に強いので、呼吸空間に効率的に供給される。
【0243】
前記エアーダクト部120は、分割部124を含むことができる。前記分割部124は、前記前面部120aの背面から突出し、吸入される空気の流動方向に延長される。そして、多数の分割部124が前記前面部120aの上下方向に離隔配置される。その結果、前記エアーダクト部120を通過する空気は、前記多数の分割部124によって多数の流路に分割されて前記呼吸空間に流入することができる。
【0244】
前記分割部124は、前記前面部120aの外側側端部(ファンモジュール挿入口が形成されるエッジ)から空気の流動方向に所定距離離隔した地点から前記前面部120aの内側側端部まで延長される。
【0245】
前記分割部124は、ブラケット結合溝125を含むことができる。前記ブラケット結合溝125には、前記シーリングブラケット30のブラケット挿入部306が置かれる。
【0246】
前記ブラケット結合溝125は、前記分割部124の端部が陥没または段差となって形成される。前記ブラケット挿入部306が前記ブラケット結合溝125に置かれると、前記ブラケット挿入部306のエッジが前記分割部124によって支持される。前記切開部127は、前記ブラケット結合溝125によって前記ブラケット挿入部306が挿入される第2空間1272と、空気が吐出される第1空間1271とに区分される。
【0247】
前記エアーダクト部120は、ファンモジュール支持部126を含むことができる。前記ファンモジュール支持部126は、前記エアーダクト部120の上面部120cと下面部120dからそれぞれ前記エアーダクト部120の中心方向に陥没または段差を有するように形成される(図9参照)。前記ファンモジュール支持部126の外側端部は、前記ファンモジュール16、17が前記ファンモジュール挿入口123を通じて前記エアーダクト部120の内側に過剰に挿入されることを防止する防止部として機能する。そして、前記ファンモジュール支持部126の内側端部は、図示されたように、傾斜するように形成され、前記ブラケット挿入部306を支持する支持部として機能する。よって、前記ファンモジュール支持部126は、ブラケット支持部と定義されてもよい。
【0248】
前記上面部120c及び下面部120dは、それぞれ前記第1固定リブ112及び前記第2固定リブ114と連結される。
【0249】
前記マスク本体10は、切開部127を含むことができる。前記切開部127は、前記マスク本体10の背面が切開されて形成されてもよい。前記切開部127は、前記マスク本体10に提供される前記エアーダクト部120と前記呼吸空間Sを連結するために、前記マスク本体10の背面一部を切開して形成された開口であると理解することができる。本説明で、切開部と称しているが、開口(opening)またはホール(hole)等と定義することもでき、前記切開部は、前記エアーダクト部120の出口であると理解することができる。
【0250】
前記エアーダクト部120は、図9に示されたように、第1エアーダクト部120aと第2エアーダクト部120bを含み、前記切開部127は、図11に図示されたように、前記第1エアーダクト部120aと連通する第1切開部127aと、前記第2エアーダクト部120bと連通する第2切開部127bを含むことができる。前記第1切開部127aは、前記マスク本体10の中心から左側と右側のうちいずれか一側に位置し、前記第2切開部127bは、前記マスク本体10の中心から左側と右側のうち他の一側に位置することができる。
【0251】
より具体的に、前記マスク本体10の中心と前記第1ファンモジュール16の間に前記第1エアーダクト部120aと前記第1切開部127aが位置し、前記マスク本体の中心と前記第2ファンモジュール17の間に前記第2エアーダクト部120bと前記第2切開部127bが位置することができる。
【0252】
前記切開部127は、前記空気吐出口129に対応する第1空間1271と、前記シーリングブラケット30のブラケット挿入部306によって遮蔽される第2空間1272を含むことができる。前記第1空間1271は、空気が流動する吐出空間と定義することができる。前記第2空間1272は、前記ブラケット挿入部306が置かれる取付空間と定義することができる。
【0253】
前記第2空間に前記ブラケット挿入部306が挿入されることで、前記シーリング部40の中央部分が安定的に支持される効果の他に、空気流路の延長効果を得ることができる。
【0254】
具体的に、前記第2空間1272に前記ブラケット挿入部306が置かれて前記第2空間1272が遮蔽されると、前記エアーダクト部120の吐出口面積は減少するが、空気流動通路がユーザーの鼻方向に延長されてより長くなる効果がある。よって、吸入される空気のほとんどがユーザーの鼻と口に集中し、ユーザーの頬側に分散する空気の量が最小化される。
【0255】
本実施例では、前記後面部120bを第1空間1271と第2空間1272とに区分したが、前記ブラケット挿入部306が置かれない構造では、前記第2空間1272も第1空間1271と一緒に空気吐出口129の一部分と定義することができる。即ち、前記後面部120b全体が空気吐出口129として機能すると理解することができる。
【0256】
一方、前記マスク本体10の前面下部で突出形成される前記空気排出部150は、外部空間に空気を排出するための流動空間を形成することができる。
【0257】
前記空気排出部150は、上側面150a、下側面150c及び両側面150bを含むことができる。前記上側面150a、下側面150c及び両側面150bは、前記マスク本体10の前面から前方に突出して形成されてもよい。前記上側面150aは、前記流動空間の上面を定義し、前記下側面150cは、前記流動空間の底面を定義し、前記両側面150bは、前記流動空間の両側面を定義する。
【0258】
図11は、本発明の実施例に係るマスク装置の背面図であり、図12は、本発明の一実施例に係る回転数の変化に対する流量の変化を示すグラフであり、図13は、本発明の一実施例に係る流量の変化に対する騒音の変化を示すグラフである。
【0259】
図11図13を参照すると、本発明に係るエアーダクト部120は、前記ファンモジュール挿入口123から前記空気吐出口129に向かって流動断面積が増加するように形成される。
【0260】
前記ファンモジュール挿入口123は、前記エアーダクト部120の入口側と定義し、前記空気吐出口129は、前記エアーダクト部120の出口側と定義することができる。前記エアーダクト部120は、入口側から出口側に向かって流動断面積が増加する形状を有することができる。
【0261】
または、前記エアーダクト部120の入口の断面積より出口の断面積が大きく形成されるように構成されてもよい。そして、前記出口の外側エッジの長さより内側エッジの長さが長く形成されてもよい。即ち、前記マスク装置の中心に近い内側側端部の長さが、前記マスク装置の側端部に近い外側側端部の長さより長く形成されてもよい。
【0262】
前記流動断面積は、前記前面部120aと後面部120bの間の長さを意味する高さと、前記上面部120cと下面部120dの間の長さを意味する幅とで定義することができる。本実施例では、前記上面部120cと下面部120dの間の長さである幅が増加するように前記エアーダクト部120を構成することができる。
【0263】
前記エアーダクト部120の入口側から出口側に行くほど増加する幅によって、出口側における流動断面積が入口側における流動断面積より大きく形成される。前記エアーダクト部120の入口側の幅は第1幅W1と定義し、出口側の幅は第2幅W2と定義する。前記第2幅W2は、前記第1幅W2より大きく形成されてもよい。前記エアーダクト部120の入口側から出口側に向かって流動断面積が増加することをディフューザー(diffuser)構造または拡大管構造と称することができる。
【0264】
このような本発明の構造によれば、前記入口側の空気の流速より前記出口側の空気の流速が低くなるので、前記ファンモジュール16、17から吐出される空気の吐出圧力が減少した状態でユーザーに供給される。即ち、呼吸空間における圧力が減少するので、ユーザーの呼吸が円滑となる利点がある。
【0265】
前記エアーダクト部120の入口側から吐出される空気の流動方向に水平に延長される第1仮想線l1と、前記エアーダクト部120の入口側から出口側に延長される上面部120cまたは下面部120dと平行に延長される第2仮想線l2を含むことができる。前記第2仮想線は、前記第1仮想線に対して一定角度θを有するように形成される。本実施例で、前記一定角度は20度以上40度以下に構成されてもよい。前記第1仮想線と前記第2仮想線がなす角度はディフューザー角度と称することができる。
【0266】
前記エアーダクト部120を通過する空気は、第1幅W1で形成される入口側から第2幅W2で形成される出口側に流動し、増加する流動断面積によって空気の流速を効果的に減少させ、静圧(static pressure)を上昇させて、前記空気吐出口129から吐出される空気が呼吸空間内に速かに拡散するようにすることができる。
【0267】
本実施例で、前記上面部120c及び下面部120dは、平面に形成されたものと説明しているが、前記上面部120c及び下面部120dは、曲面に形成されてもよい。
【0268】
本発明によれば、呼吸空間に空気が均一に拡散して供給されるので、空気が過剰に供給されて発生する呼吸不快感を解消することができる。
【0269】
流動断面積の増加に対して別の側面で説明すると、前記空気吐出口129は、マスク本体10の側端部に近い外側エッジからマスク本体10の中心に近い内側エッジに行くほど、長さ(または幅)が増加する形状を有すると説明することができる。即ち、前記空気吐出口129が台形を有すると説明することができる。
【0270】
図12は、本発明に係るエアーダクト部120のディフューザー角度を調節した後、ファンの回転数を変更して、前記エアーダクト部120の入口側から出口側に流動する空気の流量を測定したグラフである。
【0271】
前記ディフューザーの角度は、n0値角度と、前記n0値角度に角度を追加したn1値角度と、前記n1値角度に角度を追加したn2値角度を例示する。前記n値角度は0度であり、前記n1値角度は30度であり、n2値角度は40度であると説明する。
【0272】
前記ディフューザーの角度が0度である場合、前記エアーダクト部120にディフューザー構造が適用されていない場合であると理解することができる。前記ディフューザーの角度が増加するほど、同じ回転数においてディフューザー角度が0である構造より前記エアーダクト部120を通過する流量が増加する。そして、同じ回転数においてディフューザー角度が40度である場合よりディフューザー角度が30度である場合流量が増加する。
【0273】
前記ディフューザー角度が0に近い場合、前記エアーダクト部120の入口側と出口側に対する流動断面積の差が小さいので、ディフューザーまたは拡大管構造によって得られる効果が微小となる。前記ディフューザー角度が0から増加するほど、ディフューザーまたは拡大管構造によって得られる空気拡散効果も増加する。
【0274】
即ち、前記ディフューザー角度は、特定角度までは同じ回転数において前記エアーダクト部120を通過する流量が増加するが、特定角度以上では同じ回転数において前記エアーダクト部120を通過する流量がかえって減少することを確認した。
【0275】
これは、前記ディフューザー角度が特定角度以上では、前記エアーダクト部120の入口側から流入する空気と前記エアーダクト部120の上面部120c及び下面部120dが遠く離隔しており、空気とエアーダクト部120の表面の間の干渉が最小化されるので、流量がかえって減少すると把握される。
【0276】
図13は、本発明に係るエアーダクト部120のディフューザー角度を調節した後、流量の変化により変化する騒音を測定したグラフである。
【0277】
流量が増加するほど騒音も一緒に増加する。流量が増加するほど前記エアーダクト部120を通過する空気量が増加し、流動する空気量が増加するので、空気流動騒音が増加する。
【0278】
前記ディフューザー角度が増加するほど、同じ流量において発生する騒音が減少する。前記ディフューザー角度が増加するほど、前記エアーダクト部120の入口側より出口側の流動断面積が増加するので、流動断面積の増加に応じて空気の吐出圧力が変化して吐出騒音が減少する。
【0279】
前記ディフューザー角度が0度である場合よりディフューザー角度が30度、40度である場合騒音が低減される。ただし、同じ流量においてディフューザー角度40度で感知される騒音は、ディフューザー角度30度で感知される騒音より微弱に低減される。前記ディフューザー角度が一定角度以上となる場合には、前記エアーダクト部120の出口側で渦流または回流が発生し、渦流または回流によって騒音の低減効果が減少する。騒音低減効果が減少すると、発生する流動騒音が再び大きくなる。
【0280】
即ち、一定のディフューザー角度が増加するほど騒音の低減効果も増加するが、一定角度以上からは増加する流量に比べて騒音の低減効果が低下する。また、前記ディフューザー角度が0に近づくほど、流動する空気の流量は増加するが、発生する流動騒音も大きくなる。
【0281】
従って、本実施例では、ディフューザー角度は20度~40度に提案する。
【0282】
図14は、図9の14‐14に沿って切開されるマスク本体の縦断面図であり、図15は、エアーダクト部の形状差による流量と騒音の関係を示すグラフであり、図16は、エアーダクト部の形状差によるファンの回転数と流量の関係を示すグラフである。
【0283】
図14図16を参照すると、本発明の別の実施例に係るエアーダクト部120の入口側から出口側に流動する空気は、前記エアーダクト部120の前面部120aと後面部120bの間を通過することができる。
【0284】
前記エアーダクト部120の前面部120aのうち平面部1202の背面には、前記凹凸部122が形成される。
【0285】
前記エアーダクト部120の前面部120aと前記後面部120bをカバーするブラケット挿入部306は、上面部120c及び下面部120dと連結されて空気が通過する空気流路を形成することができる。
【0286】
前記エアーダクト部120を通過する空気は、前記曲面部1201によって前記空気吐出口129を向かう方向に空気の流動方向が転換され、前記凹凸部122によって空気の流動特性が転換される。前記曲面部1201は、流速の変化が小さいようにゆるやかな角度で形成されてもよい。前記曲面部1201は、所定曲率のラウンド状を有することができる。前記エアーダクト部120の入口を通る面と直交する方向に延長される仮想線(l3またはl4)と、前記曲面部1201の始点と終点を連結する直線がなす角度は略30度の角度を有するように形成される。
【0287】
前記前記曲面部1201を通過した空気は、前記凹凸部122に案内される。前記曲面部1201を通過した空気は、前記凹凸部122を通過しながら層流流動から乱流流動に変わる。
【0288】
空気流動が層流流動から乱流流動に転換されることで、前記空気吐出口129から吐出される空気の吐出騒音が減少し、乱流流動によって減少した空気の吐出圧力と増加した流動断面積によって前記エアーダクト部120の出口側を通過する流量が増加する。
【0289】
図15を参照すると、曲面部を有するエアーダクト部と直線部のみを有するエアーダクト部に沿って流れる空気の流量に対する騒音を比較した結果、同一流量の空気が流れる条件下で、曲面部を有する弧状の流路に沿って流れる空気が発生させる騒音が、直線流路に沿って流れる空気が発生させる騒音より小さいことを確認できる。
【0290】
少流量がエアーダクト部を通過する時には、前記直線の流路で発生する騒音が、前記弧状の流路で発生する騒音より小さかったが、流量が増加するほど前記弧状の流路で発生する騒音の増加幅が直線流路で発生する騒音の増加幅より少ないことを確認した。
【0291】
図16を参照すると、ファンの回転数を同様に設定した条件下で、前記曲面部1201を有する流路に沿って流れる空気の流量が、直線部のみを有する流路に沿って流れる空気の流量より大きいことを確認できる。
【0292】
また、ファンの回転数が増加することに伴い、曲面部1201を有する流路に沿って流れる空気の流量の増加幅が、直線部のみを有する流路に沿って流れる空気の流量の増加幅より大きい。
【0293】
一方、本実施例では、前記エアーダクト部120の前面部120aに備えられる前記曲面部1201に前記凹凸部122がさらに含まれるものと説明しているが、前記凹凸部122が提供されなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16