(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】低電力のリピータ動作モードで動作可能な信号リピータデバイス
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20220729BHJP
H04W 52/46 20090101ALI20220729BHJP
H04W 4/38 20180101ALI20220729BHJP
H04W 84/18 20090101ALI20220729BHJP
【FI】
H04W52/02 110
H04W52/46
H04W4/38
H04W84/18
(21)【出願番号】P 2021540014
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(86)【国際出願番号】 EP2019085593
(87)【国際公開番号】W WO2020144010
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2021-09-06
(32)【優先日】2019-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】アッケルマン ベルント
(72)【発明者】
【氏名】ラーデルマッハー ハラルド ヨセフ ギュンター
(72)【発明者】
【氏名】ヴェント マティアス
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-010261(JP,A)
【文献】特開2015-177283(JP,A)
【文献】国際公開第2012/114969(WO,A1)
【文献】特開2015-177284(JP,A)
【文献】特開2015-122572(JP,A)
【文献】特開2003-047177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス信号のための信号リピータデバイスであって、当該信号リピータデバイスは、
外部ネットワークゲートウェイデバイスと、当該信号リピータデバイスに関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスとの間のペイロード情報又は制御情報をトランスポートするワイヤレス入力信号の受信を含む信号受信機能を実行するように構成され、通常のリピータ動作モードにおいて、前記信号受信機能と、前記ペイロード情報又は前記制御情報を搬送する増幅されたワイヤレス出力信号の再送を含む信号リピート機能とを実行するように構成される、信号処理ユニットと、
前記通常のリピータ動作モードで、及び、前記信号リピート機能がオフされる、低電力リピータ動作モードで前記信号処理ユニットを動作させる、
関連する前記外部トランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードでそれぞれ動作されていることを示す状態情報を決定する、
前記状態情報から、関連する前記1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が前記低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断すると前記信号リピート機能をオフする、及び
前記信号処理ユニットが前記低電力リピータ動作モードで動作されている際、所定のリピータウェイクアップ信号の受信を待つ、及び、該信号を受信すると、前記通常のリピータ動作モードでの前記信号処理ユニットの動作に切り替える、
ように構成される、動作制御ユニットと、
当該信号リピータデバイスが前記低電力リピータ動作モードで動作している際、前記リピータウェイクアップ信号を受信する、及び、該信号を前記動作制御ユニットに転送するが、前記信号処理ユニットに転送しないように構成される、低電力ウェイクアップ無線レシーバユニットと、
を含む、信号リピータデバイス。
【請求項2】
前記動作制御ユニットは、前記リピータウェイクアップ信号を受信すると、少なくとも1つの前記外部ワイヤレストランシーバデバイスに、前記低電力トランシーバ動作モードをオフし、通常のトランシーバ動作モードでの動作に戻ることを指示するためのワイヤレストランシーバウェイクアップ信号の提供をトリガするように構成される、請求項1に記載の信号リピータデバイス。
【請求項3】
前記低電力ウェイクアップ無線レシーバユニットは、前記信号処理ユニットの前記信号受信機能に用いられるものとは異なる周波数帯で前記リピータウェイクアップ信号を受信するように構成され、
前記動作制御ユニットは、前記決定された状態情報に基づいて、関連する前記1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が前記低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断するとさらに前記信号処理ユニットの前記信号受信機能をオフするように構成される、請求項1に記載の信号リピータデバイス。
【請求項4】
前記動作制御ユニットは、デューティサイクルで前記低電力リピータ動作モードにおける前記信号受信機能を実行するように前記信号処理ユニットの動作を制御するように構成される、請求項1に記載の信号リピータデバイス。
【請求項5】
当該信号リピータデバイスは、
外部主電源から、前記通常のリピータ動作モードで前記信号処理ユニット及び前記動作制御ユニットを動作させるのに適した動作電力を受けるように構成される、電力入力インターフェースと、
前記低電力リピータ動作モードで前記信号処理ユニット及び前記動作制御ユニットを動作させるのに適した動作電力を提供するように構成される、二次電源ユニットと、
を含み、
前記動作制御ユニットは、前記信号処理ユニットが前記通常のリピータ動作モードで動作されるべきか、前記低電力リピータ動作モードで動作されるべきかに依存して前記主電源と前記二次電源ユニットとの間で動作電力の供給を切り替えるように構成される、請求項1に記載の信号リピータデバイス。
【請求項6】
前記二次電源ユニットは、
再充電可能な内部電源デバイスと、
無線レシーバインターフェースを含み、受信した無線信号から電磁力を収集する、収集した電磁力を電力に変換する、及び、前記低電力リピータ動作モードでの当該信号リピータデバイスの動作への給電のために前記電力で前記再充電可能な内部電源デバイスを充電するように構成される、無線電力ハーベストユニットと、
を含む、請求項5に記載の信号リピータデバイス。
【請求項7】
前記動作制御ユニットは、それぞれの前記外部ワイヤレストランシーバデバイスが前記低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を示す受信した動作能力データを評価する、及び、すべての関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスが前記低電力トランシーバ動作モードで動作されることができないと判断すると、前記状態情報を決定することを控えることにより、前記信号処理ユニットを前記通常のリピータ動作モードでのみ動作させるように構成される、請求項1に記載の信号リピータデバイス。
【請求項8】
前記動作制御ユニットは、すべての関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスが前記低電力トランシーバ動作モードで動作されることができないと判断すると、このことを示す動作モード警告信号を前記外部ネットワークゲートウェイデバイスに提供するように構成される、請求項7に記載の信号リピータデバイス。
【請求項9】
前記動作制御ユニットは、
当該信号リピータデバイスに同時に関連することができる外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数、
当該信号リピータデバイスの信号拡張範囲内の現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイス、
当該信号リピータデバイスの前記信号拡張範囲内の現在関連しないワイヤレストランシーバデバイス、及び
前記現在関連するワイヤレストランシーバデバイス及び前記現在関連しないワイヤレストランシーバデバイスが、前記低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を有すること、
を識別するトランシーバデバイスデータを含む更新可能なトランシーバデバイスリストを維持する、及び
前記トランシーバデバイスリスト上の前記現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスのうちの少なくとも1つが前記低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を欠いている際、前記状態情報を決定することを控えることにより、前記信号処理ユニットを前記通常のリピータ動作モードでのみ動作させる、
ように構成される、請求項7に記載の信号リピータデバイス。
【請求項10】
前記動作制御ユニットは、
当該信号リピータデバイスに同時に関連することができる外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数、
当該信号リピータデバイスの信号拡張範囲内の現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイス、
当該信号リピータデバイスの前記信号拡張範囲内の現在関連しないワイヤレストランシーバデバイス、及び
前記現在関連するワイヤレストランシーバデバイス及び前記現在関連しないワイヤレストランシーバデバイスが、前記低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を有すること、
を識別するトランシーバデバイスデータを含む更新可能なトランシーバデバイスリストを維持する、
前記トランシーバデバイスリストを前記外部ネットワークゲートウェイデバイスに提供する、及び
前記外部ネットワークゲートウェイデバイスから受信する制御情報に依存して前記信号処理ユニットを前記通常のリピータ動作モード又は前記低電力リピータ動作モードで動作させる、
ように構成される、請求項7に記載の信号リピータデバイス。
【請求項11】
少なくとも1つのワイヤレストランシーバデバイスと、
前記ワイヤレストランシーバデバイスと外部広域データ通信ネットワークとの間のデータ通信を中継するためのネットワークゲートウェイデバイスと、
少なくとも1つのワイヤレストランシーバデバイスに関連する請求項1に記載の少なくとも1つの信号リピータデバイスであって、前記ネットワークゲートウェイデバイスと、当該信号リピータデバイスに関連する前記少なくとも1つのワイヤレストランシーバデバイスとの間のリピート機能を実行するための信号リピータデバイスと、
を含む、ワイヤレス通信構成。
【請求項12】
当該ワイヤレス通信構成は、請求項10に記載の少なくとも2つの信号リピータデバイスを含み、関連付け制御ユニットをさらに含み、前記関連付け制御ユニットは、
前記信号リピータデバイスによって提供される前記トランシーバデバイスリストを受信し、評価する、
前記受信したトランシーバデバイスリストを使用して、それぞれの信号リピータデバイスに関連付けるそれぞれの更新されたトランシーバデバイスリスト、及び、前記低電力トランシーバ動作モードで動作されるそれぞれの前記能力に依存して、前記低電力リピータ動作モードで動作可能な信号リピータデバイスの数を最大化するための前記それぞれの信号リピータデバイスに関連することができる前記外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数以下のワイヤレストランシーバデバイスの数を生成する、及び
前記更新されたトランシーバデバイスリストを制御情報として前記それぞれの信号リピータデバイスに提供する、
ように構成される、請求項11に記載のワイヤレス通信構成。
【請求項13】
信号リピータデバイスを動作する方法であって、通常のリピータ動作モードにおいて、
信号処理ユニットを介して、外部ネットワークゲートウェイデバイスと、前記信号リピータデバイスに関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスとの間のペイロード情報又は制御情報をトランスポートするワイヤレス入力信号の受信を含む信号受信機能を実行することと、
前記信号処理ユニットを介して、前記ペイロード情報又は前記制御情報を搬送する増幅されたワイヤレス出力信号の再送を含む信号リピート機能を実行することと、
動作制御ユニットを介して、関連する前記外部トランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードでそれぞれ動作されていることを示す状態情報を決定することと、
前記動作制御ユニットを介して、前記状態情報から、関連する前記1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が前記低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断すると低電力リピータ動作モードに切り替えることであって、前記低電力リピータ動作モードにおいて、前記信号リピート機能はオフされる、ことと、
前記低電力リピータ動作モードにある際、所定のリピータウェイクアップ信号の受信を待つこと、及び、該信号を受信すると、前記通常のリピータ動作モードでの動作に切り替えることと、
を含み、当該方法は、
前記信号リピータデバイスが、前記低電力リピータ動作モードで動作している際、前記リピータウェイクアップ信号を受信すること、及び、該信号を前記動作制御ユニットに転送するが、前記信号処理ユニットに転送しないこと、
を含む、方法。
【請求項14】
コンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがコンピュータによって実行された場合、前記コンピュータに請求項13に記載の方法のステップを実行させる命令を含む、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号リピータデバイス(signal-repeater device)、信号リピータデバイスを動作する方法、ワイヤレス通信構成(wireless communication arrangement)、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
US 7,535,378 B2は、ユーティリティメータエンドノードとリーダデバイスとの間でデータの送信を可能にする検針システムの形態の通信構成を述べている。この構成の特定の実施形態は、エンドノードからデータを得ることが必要とされない場合にスリープモードで動作することができる信号リピータデバイスを含む。月々の読取の場合、信号リピータデバイスは、月のほとんどの間スリープのままであり、読取時刻の近くにオンし自身のエンドノードを捕らえる。
【0003】
WO 2009/003319 A1は、スリープモードの際に、ワイヤレス中継ネットワークの基地局において中継局を制御することを開示している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
信号リピータデバイスのよりフレキシブルな低電力動作を可能にすることは有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、ワイヤレス信号のための信号リピータデバイス(signal-repeater device)が提供される。信号リピータデバイスは、外部ネットワークゲートウェイデバイスと、当該信号リピータデバイスに関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスとの間のペイロード情報又は制御情報をトランスポートする(transport)ワイヤレス入力信号の受信を含む信号受信機能(signal receiving function)を実行するように構成され、通常のリピータ動作モード(regular repeater-operation mode)において、信号受信機能と、ペイロード情報又は制御情報を搬送する(carry)増幅されたワイヤレス出力信号の再送を含む信号リピート機能(signal repeating function)とを実行するように構成される、信号処理ユニットを含む。
【0006】
信号リピータデバイスはさらに、通常のリピータ動作モードで、及び、信号リピート機能がオフされる、低電力リピータ動作モード(low-power repeater-operation mode)で信号処理ユニットを動作させる、関連する外部トランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モード(low-power transceiver-operation mode)でそれぞれ(respectively)動作されていることを示す状態情報を決定する、及び、状態情報から、関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断すると信号リピート機能をオフするように構成される、動作制御ユニットを含む。信号処理ユニットが低電力リピータ動作モードで動作されている際、動作制御ユニットは、所定のリピータウェイクアップ信号(repeater-wake-up signal)の受信を待つ、及び、該信号を受信すると、通常のリピータ動作モードでの信号処理ユニットの動作に切り替えるように構成される。
【0007】
第1の態様の信号リピータデバイスは、状態情報から、関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されていて、斯くして、ネットワークゲートウェイデバイスとの通信のためのワイヤレス信号を提供することが予期されないと判断すると信号リピート機能をオフするように構成されるので、低電力リピータ動作モードのフレキシビリティを可能にする。さらに、動作制御ユニットが信号リピータデバイスを低電力リピータ動作モードで動作させている際、信号リピータデバイスに関連するワイヤレストランシーバデバイスのいずれかとの通信のためのネットワークゲートウェイデバイスの送信、又はその逆の送信は、信号リピータデバイスの動作制御ユニットに、通常のリピータ動作モードに切り替えさせるであろう。斯くして、達成される電力低減能力は、信号リピータデバイスに関連するワイヤレストランシーバデバイスの現在の通信要件に完全に適応する。
【0008】
以下、本発明の第1の態様の信号リピータデバイスの実施形態が述べられる。
【0009】
好適には、リピータウェイクアップ信号は、ウェイクアップの目的でのみ使用される専用信号である。そのため、リピータウェイクアップ信号は、アプリケーションケースの要件に依存して、関連するワイヤレストランシーバデバイスのいずれかから、又はネットワークゲートウェイデバイスから、信号リピータデバイスによって受信されることができる。
【0010】
しかしながら、他の実施形態では、リピータウェイクアップ信号は、専用のウェイクアップ信号ではない。代わりに、動作制御ユニットは、ネットワークゲートウェイデバイスによって、又は関連するワイヤレストランシーバデバイスのいずれかによって提供され、それぞれの他のデバイスに向けられるワイヤレス信号を、これがトランスポートするペイロード情報又はさらなる任意の制御情報とは無関係に、ウェイクアップ信号として解釈するように構成される。斯くして、低電力リピータ動作モードにある際、ネットワークゲートウェイデバイスと、信号リピータデバイスに関連するネットワークトランシーバデバイスのいずれかとの間の通信試み(communication attempt)は、動作制御ユニットに、通常のリピータ動作モードでの信号リピータデバイスの動作に切り替えさせるであろう。
【0011】
第1の態様の信号リピータデバイスの一実施形態では、動作制御ユニットは、リピータウェイクアップ信号を受信すると、少なくとも1つの外部ワイヤレストランシーバデバイスに、低電力トランシーバ動作モードをオフし、通常のトランシーバ動作モード(regular transceiver-operation mode)での動作に戻ることを指示するためのワイヤレストランシーバウェイクアップ信号(wireless transceiver-wake-up signal)の提供をトリガするように構成される。
【0012】
一実施形態では、ワイヤレストランシーバウェイクアップ信号は、すべての関連するワイヤレストランシーバデバイスに向けられる。別の実施形態では、ワイヤレストランシーバウェイクアップ信号は、関連するワイヤレストランシーバデバイスの所定のサブグループに向けられ、斯くして、関連するワイヤレストランシーバデバイスの一部のみの選択的ウェイクアップを可能にする。
【0013】
一実施形態では、ワイヤレス信号は、所定のワイヤレス通信プロトコルに従って交換される。適切なワイヤレス通信プロトコルとしては、IEEE 802.11、Bluetooth及びZigBeeが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0014】
好適には、リピータウェイクアップ信号も、ワイヤレス信号でもある。一部の実施形態では、リピータウェイクアップ信号は、ワイヤレス信号を交換するために使用されるものと同じワイヤレス通信プロトコルに従う。斯くして、リピータウェイクアップ信号は、信号処理ユニットの信号受信機能を用いて検出される。電力消費のさらなる低減は、低電力リピータ動作モードで動作している際に信号処理ユニットの信号受信機能の追加の中断(additional discontinuation)を可能にすることにより可能である。斯くして、この種の実施形態で省電力化するために、好適には、動作制御ユニットは、デューティサイクルで(in a duty-cycled manner)低電力リピータ動作モードにおける信号受信機能を実行するように信号処理ユニットの動作を制御するように構成される。斯くして、信号受信機能は、好適には周期的に、所定のタイムスパン中にのみ実行され、残りの時間は動作制御ユニットによってオフされる。
【0015】
他の実施形態では、リピータウェイクアップ信号は、信号リピート機能を用いて再送されるワイヤレス信号のものとは異なるワイヤレス通信プロトコルに従う。信号リピータデバイスのこのような実施形態は、信号リピータデバイスが低電力リピータ動作モードで動作している際、リピータウェイクアップ信号を受信する、及び、該信号を動作制御ユニットに転送するが、信号処理ユニットに転送しないように構成される、低電力ウェイクアップ無線(LP-WUR:low-power wake-up radio)レシーバユニット
を含む。このようにして、信号処理ユニットの信号受信機能は、低電力リピータ動作モード中に常にオフされることができ、これは、動作電力のより一層の省電力化に貢献する。好適には、LP-WURは、リピータウェイクアップ信号の受信にのみ使用される信号レシーバを含む。このようにして、信号検出は、とりわけシンプルで省電力のレシーバハードウェアを用いてなされることができ、これは、望ましい省電力化にさらに貢献する。
【0016】
好ましくは、低電力ウェイクアップ無線レシーバユニットは、信号処理ユニットの信号受信機能に用いられるものとは異なる周波数帯でリピータウェイクアップ信号を受信するように構成される。
【0017】
一部の代替的な実施形態では、信号リピータデバイスの動作制御ユニットは、有線接続を介してリピータウェイクアップ信号を受信するためのウェイクアップレシーバを備える有線制御入力ポートを有する。
【0018】
リピータウェイクアップ信号を受信し処理するための上述した有線及び無線のオプションの組み合わせが、追加の実施形態で使用されることができる。
【0019】
信号リピータデバイスのさらなる実施形態は、電力供給及び電力管理の異なるバリアントを提供する。本発明の第1の態様による一実施形態では、信号リピータデバイスは、外部主電源から、通常のリピータ動作モードで信号処理ユニット及び動作制御ユニットを動作させるのに適した動作電力を受けるように構成される、電力入力インターフェースを含む。信号リピータデバイスはまた、低電力リピータ動作モードで信号処理ユニット及び動作制御ユニットを動作させるのに適した動作電力を提供するように構成される二次電源ユニットを含む。この実施形態では、動作制御ユニットは、有利には、信号処理ユニットが通常のリピータ動作モードで動作されるべきか、低電力リピータ動作モードで動作されるべきかに依存して主電源と二次電源ユニットとの間で動作電力の供給を切り替えるように構成される。
【0020】
適切な二次電源ユニットとしては、低電力リピータ動作モードで信号処理ユニット及び動作制御ユニットを動作させるのに適した動作電力を提供するための、バッテリ、再充電可能なバッテリ、キャパシタ、スーパーキャパシタ、又は光起電デバイスを含む電源ユニットが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
好ましい実施形態では、二次電源ユニットは、限定されるものではないが、再充電可能なバッテリ、キャパシタ又はスーパーキャパシタ等の再充電可能な内部電源デバイスと、無線電力ハーベストユニット(radio-power harvesting unit)とを含む。無線電力ハーベストユニットは、無線レシーバインターフェース(radio receiver interface)を含み、受信した無線信号から電磁力を収集する、収集した電磁力の少なくとも一部を電力に変換する、及び、低電力リピータ動作モードでの信号リピータデバイスの動作への給電のために電力で再充電可能な内部電源デバイスを充電するように構成される。
【0022】
第1の態様の信号リピータデバイスの別の実施形態では、動作制御ユニットは、それぞれの外部ワイヤレストランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードで動作される能力(capability)を示す受信した動作能力データ(operation capability data)を評価する、及び、すべての関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードで動作されることができないと判断すると、状態情報を決定することを控えることにより、信号処理ユニットを通常のリピータ動作モードでのみ動作させるように構成される。この実施形態は、関連するワイヤレストランシーバデバイスの少なくとも1つが低電力トランシーバ動作モードで動作可能ではないと判断される場合に状態情報の決定を中断することにより電力消費の低減を可能にする。関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されているかどうかを判断すること、及び、信号リピート機能をオフすることを含む、状態情報の決定及びすべての関連する機能性に必要な動作電力量が節約され、斯くして、所与のネットワーク関連付け(network association)を鑑みて低電力リピート動作モードが使用されることができない場合でも信号リピータデバイスによって消費される電力の少なくとも一部を低減する。
【0023】
好ましい実施形態では、動作制御ユニットはさらに、すべての関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードで動作されることができないと判断すると、好ましくは外部ネットワークゲートウェイデバイスに向けられる、このことを示す動作モード警告信号(operation-mode warning signal)を提供するように構成される。
【0024】
本発明の第1の態様の信号リピータデバイスの別の実施形態では、動作制御ユニットは、
- 信号リピータデバイスに同時に関連することができる外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数、
- 信号リピータデバイスの信号拡張範囲(signal extension range)内の現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイス、
- 信号リピータデバイスの信号拡張範囲内の現在関連しないワイヤレストランシーバデバイス、及び
- 前記現在関連するワイヤレストランシーバデバイス及び前記現在関連しないワイヤレストランシーバデバイスが、低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を有すること、
を識別するトランシーバデバイスデータを含む更新可能なトランシーバデバイスリストを維持するように構成される。
【0025】
この実施形態の動作制御ユニットはさらに、トランシーバデバイスリスト上の現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスのうちの少なくとも1つが低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を欠いている際、状態情報を決定することを控えることにより、信号処理ユニットを通常のリピータ動作モードでのみ動作させるように構成される。
【0026】
この実施形態はまた、トランシーバデバイスリスト上の現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスのうちの少なくとも1つが低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を欠いている際に状態情報の決定を中断することにより電力消費の低減を可能にする。関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されているかどうかを判断すること、及び、信号リピート機能をオフすることを含む、状態情報の決定及びすべての関連する機能性に必要な動作電力量が節約され、斯くして、信号リピータデバイスによって消費される電力を削減する。
【0027】
代替的な実施形態は、外部ネットワークゲートウェイデバイスの制御下でこのような動作を可能にする。この代替的な実施形態では、上述したように、動作制御ユニットは同様に、
- 信号リピータデバイスに同時に関連することができる外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数、
- 信号リピータデバイスの信号拡張範囲内の現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイス、
- 信号リピータデバイスの信号拡張範囲内の現在関連しないワイヤレストランシーバデバイス、及び
- 前記現在関連するワイヤレストランシーバデバイス及び前記現在関連しないワイヤレストランシーバデバイスが、低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を有すること、
を識別するトランシーバデバイスデータを含む更新可能なトランシーバデバイスリストを維持するように構成される。
【0028】
しかしながら、この代替的な実施形態では、動作制御ユニットは、トランシーバデバイスリストを外部ネットワークゲートウェイデバイスに提供するように構成される。動作制御ユニットがトランシーバデバイスリストを外部ネットワークゲートウェイデバイスに提供するように構成される、このような実施形態では、好適には、動作制御ユニットはさらに、好ましくは、必須ではないが外部ネットワークゲートウェイデバイスから、信号リピータデバイスによって受信される制御情報に依存して、所与の時点で信号処理ユニットを通常のリピータ動作モード又は低電力リピータ動作モードのいずれかで動作させるように構成される。この種の実施形態では、信号リピータデバイスと外部ワイヤレストランシーバデバイスとの関連付けの制御は、以下でさらに詳細に説明されるように、低電力性能を最適化するために外部ネットワークゲートウェイデバイス又は別のデバイスのいずれかによって管理されることができる。
【0029】
好ましい実施形態では、外部ネットワークゲートウェイデバイスから受信する制御情報は、更新されたトランシーバデバイスリストを含み、動作制御ユニットは、更新されたトランシーバデバイスリストに含まれるトランシーバデバイスデータに依存して信号処理ユニットを通常のリピータ動作モード又は低電力リピータ動作モードで動作させるように構成される。とりわけ、例えば、更新トランシーバデバイスリストが、低電力トランシーバ動作モードで動作することができないワイヤレストランシーバデバイスを含む場合、制御ユニットは、状態情報を決定することを控えるように構成される。
【0030】
本発明の第2の態様によれば、ワイヤレス通信構成(wireless communication arrangement)が提供される。ワイヤレス通信構成は、少なくとも1つのワイヤレストランシーバデバイスと、ワイヤレストランシーバデバイスと外部広域データ通信ネットワークとの間のデータ通信を中継するためのネットワークゲートウェイデバイスと、本発明の第1の態様又はその実施形態のいずれかによる少なくとも1つの信号リピータデバイスとを含む。少なくとも1つの信号リピータデバイスは、少なくとも1つのワイヤレストランシーバデバイスに関連し、ネットワークゲートウェイデバイスと、信号リピータデバイスに関連する少なくとも1つのワイヤレストランシーバデバイスとの間のリピート機能を実行する。
【0031】
斯くして、第2の態様のワイヤレス通信構成は、本発明の第1の態様又はその実施形態のいずれかの信号リピータデバイスの利点を共有する。
【0032】
以下では、第2の態様のワイヤレス通信構成の実施形態が述べられる。
【0033】
好ましい実施形態では、ワイヤレス通信構成は、それぞれの動作制御ユニットが、トランシーバデバイスデータを含む更新可能なトランシーバデバイスリストを維持する、トランシーバデバイスリストを外部ネットワークゲートウェイデバイスに提供する、及び、外部ネットワークゲートウェイデバイスから受信する制御情報に依存して信号処理ユニットを通常のリピータ動作モード又は低電力リピータ動作モードで動作させるように構成される、少なくとも2つの信号リピータデバイスを含む。
【0034】
ワイヤレス通信構成はさらに、関連付け制御ユニット(association control unit)を含み、関連付け制御ユニットは、信号リピータデバイスによって提供されるトランシーバデバイスリストを受信し、評価する、受信したトランシーバデバイスリストを使用して、それぞれの信号リピータデバイスに関連付けるそれぞれの更新されたトランシーバデバイスリスト、及び、低電力トランシーバ動作モードで動作されるそれぞれの能力に依存して、低電力リピータ動作モードで動作可能な信号リピータデバイスの数を最大化するためのそれぞれの信号リピータデバイスに関連することができる外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数以下のワイヤレストランシーバデバイスの数を生成する、及び、更新されたトランシーバデバイスリストを制御情報としてそれぞれの信号リピータデバイスに提供するように構成される。
【0035】
好ましい実施形態では、ワイヤレス通信構成は、照明システム通信構成(lighting-system communication arrangement)であり、ワイヤレスで制御可能な照明デバイス、監視センサデバイス及びトリガセンサデバイスが、照明システム通信構成のワイヤレストランシーバデバイスとして構成される。
【0036】
本発明の第3の態様によれば、信号リピータデバイスを動作する方法が提供される。方法は、通常のリピータ動作モードにおいて、
外部ネットワークゲートウェイデバイスと、信号リピータデバイスに関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスとの間のペイロード情報又は制御情報をトランスポートするワイヤレス入力信号の受信を含む信号受信機能を実行することと、
ペイロード情報又は制御情報を搬送する増幅されたワイヤレス出力信号の再送を含む信号リピート機能を実行することと、
関連する外部トランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードでそれぞれ動作されていることを示す状態情報を決定することと、
状態情報から、関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断すると低電力リピータ動作モードに切り替えることであって、低電力リピータ動作モードにおいて、信号リピート機能はオフされる、ことと、
低電力リピータ動作モードにある際、所定のリピータウェイクアップ信号の受信を待つこと、及び、該信号を受信すると、通常のリピータ動作モードでの動作に切り替えることと、
を含む。
【0037】
第3の態様の方法は、第1の態様又はその実施形態のいずれかの信号リピータデバイスの利点を共有する。
【0038】
本発明の第4の態様によれば、コンピュータプログラムであって、当該コンピュータプログラムがコンピュータによって実行された場合、コンピュータに第3の態様の方法のステップを実行させる命令を含む、コンピュータプログラムが提供される。
【0039】
信号リピータデバイス、請求項12のワイヤレス通信構成、請求項14の信号リピータデバイスを動作する方法、及び請求項15のコンピュータプログラムは、同様及び/又は同一の好適な実施形態、とりわけ、従属請求項に記載されるような実施形態を有することを理解されたい。
【0040】
本発明の好ましい実施形態は、従属請求項又は上記の実施形態とそれぞれの独立請求項との任意の組み合わせであり得ることも理解されたい。
【0041】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に述べられる実施形態を参照して明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【
図1】ネットワークゲートウェイデバイス又はアクセスポイントと、複数のワイヤレストランシーバデバイス又はエンドノードを含むワイヤレス通信構成のブロック図を示す。
【
図2】信号リピータデバイスをさらに含む別のワイヤレス通信構成の例を示す。
【
図3】ネットワークゲートウェイデバイス、信号リピータデバイス、及び2つの関連するワイヤレストランシーバデバイスを含むワイヤレス通信構成の一実施形態の概略表現を示す。
【
図4】信号リピータデバイスの一実施形態の概略ブロック図を示す。
【
図5】ネットワークゲートウェイデバイス、2つの信号リピータデバイス、複数のワイヤレストランシーバデバイス、及び関連付け制御ユニットを含むワイヤレス通信構成の別の実施形態の概略表現を示す。
【
図6】信号リピータデバイスを動作する方法の一実施形態のフロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1は、1つのネットワークゲートウェイデバイス102と、3つのワイヤレストランシーバデバイス104、106、108とを含む既知のワイヤレス通信構成100のブロック図を示している。ネットワークゲートウェイデバイス102は、ワイヤレストランシーバデバイス104、106、108と、例えばインターネット等の外部広域データ通信ネットワーク110との間のデータ通信を中継するように構成される。斯くして、ネットワークゲートウェイデバイスと外部広域データ通信ネットワーク110とのインタラクションを強調して、ネットワークゲートウェイデバイス102は、アクセスポイントとも呼ばれ、ワイヤレストランシーバデバイスにおけるアプリケーション機能の実装を強調して、ワイヤレストランシーバデバイス104、106、108は、ワイヤレス通信構成100のエンドノードとも呼ばれる。
【0044】
図1の矢印は、それぞれのデバイス間のワイヤレス信号の送信を示している。ワイヤレス信号は、ペイロード情報又は制御情報を搬送する。ワイヤレス信号の送信は、所定のワイヤレス通信プロトコルに準拠して行われる。適切な通信プロトコルの例としては、IEEE 802.11、Bluetooth及びZigBeeが挙げられるが、これらに限定されるものではない。別の例示的なワイヤレス通信構成(図示せず)では、外部広域データ通信ネットワーク110とアクセスポイント102との間のデータ接続が、例えばイーサネットケーブルを用いた有線接続、又は他の適切な有線接続を解して実現され、外部広域データ通信ネットワーク100とアクセスポイント102との間の通信は、IEEE 802.3規格に属するプロトコル等の適切な通信プロトコルに準拠して実行される。斯くして、ワイヤレス通信構成における「ワイヤレス(wireless)」という用語は、主にアクセスポイントとエンドノードのうちの少なくとも1つとの間の通信を指す。
【0045】
典型的には、ネットワークゲートウェイデバイス又はアクセスポイント102は、外部広域データ通信ネットワーク110と通信するために、常にアクティブである、すなわち、通常のゲートウェイデバイス動作モード(regular gateway-device-operation mode)で動作する。一方で、ワイヤレストランシーバデバイス又はエンドノード104、106、108のタイプ及び機能性に依存して、それらのうちの一部は、時折、低電力トランシーバ動作モード(low-power transceiver-operation mode)に入ることがある。低電力トランシーバ動作モードの例には、スタンバイモード、スリープモード、又は通常のトランシーバデバイス動作モード(regular transceiver-device operation mode)よりも少ない動作電力を必要とするトランシーバデバイスの他の既知の低電力動作モードが挙げられる。このようなワイヤレス通信構成のレイテンシ及びエネルギ効率の間で妥協がなされる必要がある。これは、低電力トランシーバ動作モードでのワイヤレストランシーバデバイスの動作期間をネットワークゲートウェイデバイスと調整することを伴うことがよくある。
【0046】
エンドノードの数が増える、及び、アクセスポイントとエンドノードとの間の距離が長くなることは、リピータとも呼ばれる、信号リピータデバイスの使用を必要とする。信号リピータデバイスを含むワイヤレス通信構成の一例が、
図2に示されている。ワイヤレス通信構成200は、外部広域データ通信ネットワーク110に接続されるアクセスポイント、又はネットワークゲートウェイデバイス202を含む。好適に、エンドノード206、214は、アクセスポイント202からワイヤレス信号を受信する、及び、アクセスポイント202にワイヤレス信号を送信するように位置する。しかしながら、エンドノード208、210、212は、信号によって搬送される情報を適切に伝えるのに十分な信号品質を有するアクセスポイントからのワイヤレス信号が受信されない位置にある。アクセスポイント202とエンドノード208、210、212との間の良好なワイヤレス通信を可能にするために、信号リピートデバイス203、204が、ワイヤレス通信構成200に含まれる。特定のワイヤレス通信構成200では、信号リピータデバイス203は、アクセスポイント202とエンドノード208及び210との間のワイヤレス通信を可能にし、一方、信号リピータデバイス204は、アクセスポイント202とエンドノード212との間のワイヤレス通信を可能にする。別の例示的なワイヤレス通信構成(図示せず)では、アクセスポイントと所与のエンドノードとの間の通信は、2つ以上の信号リピータデバイスを介して実現される。
【0047】
典型的な信号リピータデバイスは、典型的なエンドノードよりも大くの電力量を消費する。なぜなら、信号リピータデバイスは、エンドノードよりもデータ通信にかなり多く関与するからである。信号リピータデバイスは、典型的には、ペイロード情報又は制御情報を搬送するワイヤレス入力信号を受信する、及び、やはりペイロード情報又は制御情報を搬送する増幅されたワイヤレス出力信号の再送を含む信号リピート機能を実行するように構成される。さらに、一部の信号リピータデバイスは、ペイロード情報又は制御情報が分析され、検出可能なエラーを修正するために再構成される、信号クリーニングプロセス(signal-cleaning process)を実行するように構成される。
【0048】
アクセスポイントは、外部広域データ通信ネットワークとの通信を行うため、通常の動作モードで継続的に動作される必要がある。しかしながら、信号リピータデバイスは、対象としているワイヤレス通信構成の一部であるデバイス(アクセスポイント、他の信号リピータデバイス、エンドノード)間の通信を促すためにのみオンする必要がある。
【0049】
図3は、2つの関連するワイヤレストランシーバデバイス304、306に/からワイヤレス信号を再送するためのネットワークゲートウェイデバイス又はアクセスポイント302を含むワイヤレス通信構成300のブロック図を示している。ネットワークゲートウェイデバイス302と関連するワイヤレストランシーバデバイス304、306との間のワイヤレス信号の送信は、信号リピータデバイス308を介して行われる。
【0050】
ワイヤレス通信構成300は、ワイヤレストランシーバデバイス304が照明デバイスであり、ワイヤレストランシーバデバイス306が監視センサである、コネクテッド照明構成(connected lighting arrangement)である。
【0051】
信号リピータデバイス308は、アンテナ313を含むワイヤレス信号受信インターフェース312を介した、ワイヤレス入力信号310.1、314.1の受信を含む信号受信機能を実行するように構成される信号処理ユニット316を含む。ワイヤレス入力信号は、ネットワークゲートウェイデバイス302と関連するワイヤレストランシーバデバイス304、306との間のペイロード情報又は制御情報をトランスポートする。信号処理ユニット316は、通常のリピータ動作モード(regular repeater-operation mode)において、信号受信機能と、ペイロード情報又は制御情報を搬送する増幅されたワイヤレス出力信号310.2、314.2の再送を含む信号リピート機能とを実行するように構成される。
【0052】
例示的な信号リピートデバイスでは、信号受信機能は、ワイヤレス信号を対応する電気信号に変換すること、及び、無線周波数範囲からベース周波数範囲に電気信号をダウンコンバートすることも含む。これに対応して、信号リピート機能は、ベース周波数範囲から無線周波数範囲に電気信号をアップコンバートすることも含む。
【0053】
また、信号リピータデバイス308は、通常のリピータ動作モードで、及び、信号リピート機能がオフされる、低電力リピータ動作モード(low-power repeater-operation mode)で信号処理ユニットを動作させるように構成される動作制御ユニット318を含む。また、動作制御ユニット318は、関連する外部トランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードでそれぞれ動作されていることを示す状態情報を決定する、及び、決定された状態情報から、関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断すると信号リピート機能をオフするように構成される。
【0054】
さらに、信号処理ユニットが低電力リピータ動作モードで動作されている際、動作制御ユニットは、所定のリピータウェイクアップ信号の受信を待つ、及び、該信号を受信すると、通常のリピータ動作モードでの信号処理ユニットの動作に切り替えるように構成される。
【0055】
斯くして、関連するワイヤレストランシーバデバイス304、306は、それぞれの通常のトランシーバ動作モードで動作可能であり、さらにそれぞれの低電力トランシーバ動作モードで動作可能であり得る。動作制御ユニット318は、関連するワイヤレストランシーバデバイスの現在の動作モードを判断するように構成される。例示的なワイヤレス通信構成では、関連するワイヤレストランシーバデバイスは、所定の時点で、現在の動作モード(すなわち、通常のトランシーバ動作モード又は低電力トランシーバ動作モード)に関連する状態情報を提供するように構成される。別の例示的なワイヤレス通信構成では、関連するワイヤレストランシーバデバイスは、ある動作モードから別の動作モードへ移行するときに状態情報を提供するように構成される。さらに別のワイヤレス通信構成では、信号リピータデバイスは、有利には、ワイヤレス入力信号のペイロード情報又は制御情報に基づいて関連するワイヤレストランシーバデバイスの現在の動作モードを決定するように構成される。
【0056】
関連するワイヤレストランシーバデバイスの各々が、ワイヤレス信号の提供の中断を含む、低電力トランシーバ動作モードで動作していると判断すると、動作制御ユニットは、信号リピート機能をオフし、信号リピータデバイスは、増幅されたワイヤレス出力信号の提供を停止することにより、信号リピータデバイスの電力消費を低減する。
【0057】
通常のリピータ動作モードでの信号リピータデバイスの動作中、通常のリピータ動作モードで信号処理ユニット及び動作制御ユニットを動作させるのに適した動作電力が、電力入力インターフェース309を介して主電源によって提供される。信号リピータデバイス303では、低電力リピータ動作モードで信号処理ユニット及び動作制御ユニットを動作させるのに適した動作電力も、電力入力インターフェース309を介して主電源によって提供される。
【0058】
例示的な信号リピータデバイスの動作制御ユニットは、デューティサイクルで低電力リピータ動作モードにおける信号受信機能を実行するように信号処理ユニットの動作を制御するように構成される。
【0059】
例示的な信号リピータデバイスでは、動作制御ユニット318はさらに、リピータウェイクアップ信号を受信すると、少なくとも1つの外部ワイヤレストランシーバデバイスに、低電力トランシーバ動作モードをオフし、通常のトランシーバ動作モードでの動作に戻ることを指示するためのワイヤレストランシーバウェイクアップ信号の提供をトリガするように構成される。斯くして、リピータウェイクアップ信号の受信は、信号リピート機能を再びオンにすることと、少なくとも1つの関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスにワイヤレストランシーバウェイクアップ信号を発行することとの両方をもたらす。
【0060】
信号リピータデバイス308は、追加的に、
図3に破線で示されるように、信号リピータデバイスが低電力リピータ動作モードで動作している際、リピータウェイクアップ信号を受信する、及び、該信号を動作制御ユニットに転送するが、信号処理ユニットに転送しないように構成される、低電力ウェイクアップ無線レシーバユニット(low-power wake-up radio receiver unit)320を含むことができる。例示的なワイヤレス通信構成では、リピータウェイクアップ信号は、ワイヤレス入力信号及びワイヤレス出力信号と同じワイヤレス通信プロトコルに従って送信される。別のワイヤレス通信構成では、リピータウェイクアップ信号は、ワイヤレス入力信号及びワイヤレス出力信号を送信するために用いられるものとは異なる通信プロトコルに従って送信される。
【0061】
例示的な信号リピータデバイスでは、低電力ウェイクアップ無線レシーバユニットは、信号処理ユニットの信号受信機能に用いられるものとは異なる周波数帯、すなわち、入力ワイヤレス信号及び出力ワイヤレス信号によって用いられるものとは異なる周波数帯でリピータウェイクアップ信号を受信するように構成される。この信号リピータデバイスでは、動作制御ユニットは、決定された状態情報に基づいて、関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断するとさらに信号処理ユニットの信号受信機能をオフするように構成される。斯くして、この例示的な信号レシーバデバイスでは、信号受信機能及び信号送信機能の両方が、低電力リピータ動作モードでの動作中にオフされる。リピータウェイクアップ信号は、信号受信機能がディスエーブルされているため、信号処理ユニットによって受信されることはできない。しかしながら、リピータウェイクアップ信号は、低電力ウェイクアップ無線レシーバユニットによって受信され、動作制御ユニットに提供される。
【0062】
別の適切なワイヤレス通信構成は、限定されるものではないが、ネットワークゲートウェイデバイスとしてのアクセスポイント、信号リピータデバイス等のIoT(Internet-of-Things)ノードを含むIoT通信構成であり、ワイヤレストランシーバデバイスは、照明デバイス等の被制御エンドノード、監視センサエンドノード(monitoring sensor end node)、及びトリガセンサエンドノード(triggering sensor end node)を含む。低電力動作モードで動作するためのこれらの能力(capability)、並びに、低電力動作モードに入る及び低電力動作モードから離れるためのトリガイベントが、以下の表1にまとめられている。
表1:IoT通信構成における異なるタイプのノードについての低電力動作モードに入る及び低電力動作モードから離れるためのトリガイベント
【0063】
図4は、信号リピータデバイス400の他の実施形態を示す。信号リピータデバイスは、
図3の信号リピータデバイス308を参照して述べられたように、アンテナ404に接続される信号処理ユニット402と、動作制御ユニット406とを含む。信号リピータデバイス400は、追加的に、信号リピータデバイスが低電力リピータ動作モードで動作している際、リピータウェイクアップ信号を受信する、及び、該信号を動作制御ユニット406に転送するが、信号処理ユニット402に転送しないように構成される低電力ウェイクアップ無線レシーバユニット408を含む。信号リピータデバイス400は、追加的に、外部主電源(図示せず)から、通常のリピータ動作モードで信号処理ユニット402及び動作制御ユニット406を動作させるのに適した動作電力を受けるように構成される電力入力インターフェース410を含む。さらに、信号リピータデバイスは、低電力リピータ動作モードで信号処理ユニット402、動作制御ユニット406及び低電力ウェイクアップ無線レシーバユニット408を動作させるのに適した動作電力を提供するように構成される二次電源ユニット412を含む。この代替的な信号リピータデバイスでは、動作制御ユニット406は、追加的に、信号処理ユニットが通常のリピータ動作モードで動作されるべきか、低電力リピータ動作モードで動作されるべきかに依存して(電力入力インターフェース410を介す)主電源と二次電源ユニットとの間で動作電力の供給を切り替えるように構成される。斯くして、低電力リピータ動作モードでの動作中、電力は主電源から直接引き出されない。代替的な二次電源ユニットは、バッテリ、再充電可能なバッテリ、キャパシタ、スーパーキャパシタ、太陽光電池、又は他の任意の適切な電源デバイスを含む。
【0064】
信号リピータデバイス400の二次電源ユニット412は、再充電可能な内部電源デバイス414と、無線レシーバインターフェースを含み、受信した無線信号から電磁力を収集する、収集した電磁力を電力に変換する、及び、低電力リピータ動作モードでの信号リピータデバイスの動作への給電のために電力で再充電可能な内部電源デバイスを充電するように構成される、無線電力ハーベストユニット416とを含む。斯くして、無線レシーバインターフェースのアンテナ404によって受信される無線信号からハーベスティングされる電力は、低電力リピータ動作モードで信号処理ユニット及び動作制御ユニットを動作させるのに適した動作電力を提供するために再充電可能な内部電源デバイスを充電するために使用される。
【0065】
例示的な信号レシーバデバイスでは、ワイヤレス入力信号、リピータウェイクアップ信号、及び電力ハーベスティングのための無線信号は、
図4の信号リピータデバイス400のアンテナ404等、同一のアンテナによって受信される無線周波数信号である。しかしながら、代替的な信号レシーバデバイスは、ワイヤレス入力信号、リピータウェイクアップ信号、及びパワーハーベスティングのための無線信号を受信するために2つ以上のアンテナを使用する。
【0066】
また、
図3の信号リピータデバイス308の動作制御ユニット318及び
図4の信号リピータデバイス400の動作制御ユニット406は、それぞれ、それぞれの外部ワイヤレストランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードで動作される能力(capability)を示す受信した動作能力データ(operation capability data)を評価する、及び、すべての関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードで動作されることができないと判断すると、状態情報を決定することを控えることにより、信号処理ユニットを通常のリピータ動作モードでのみ動作させるように構成されることも可能である。
【0067】
斯くして、関連し、且つ、低電力トランシーバ動作モードで動作可能ではない少なくとも1つの外部ワイヤレストランシーバデバイスがあると判断すると、動作制御ユニットは、状態情報を決定することを停止し、これは、このような状況下では、信号リピート機能をオフすることができず、通常のリピータ動作モードでのみ動作することを意味する。好ましい信号リピータデバイスでは、動作制御ユニットは、すべての関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードで動作されることができないと判断すると、このことを示す動作モード警告信号(operation-mode warning signal)を外部ネットワークゲートウェイデバイスに提供するように構成される。
【0068】
図5は、ワイヤレス通信構成500の例示的な実施形態の図を示している。ワイヤレス通信構成500は、ワイヤレストランシーバデバイスと外部広域データ通信ネットワーク(図示せず)との間のデータ通信を中継するためのネットワークゲートウェイデバイス502と、2つの信号リピータデバイス504、506と、複数のワイヤレストランシーバデバイス508、510、512、514、516とを含む。
【0069】
信号リピータデバイス504の信号拡張範囲(signal extension range)を表す、破線の円505内に位置するワイヤレストランシーバデバイスは、信号リピータデバイス504にワイヤレス入力信号を提供する、及び、信号リピータデバイス504からワイヤレス出力信号を受信するのに適している。これに対応して、信号リピータデバイス506の信号拡張範囲を表す、破線の円507内に位置するワイヤレストランシーバデバイスは、信号リピータデバイス506にワイヤレス入力信号を提供する、及び、信号リピータデバイス506からワイヤレス出力信号を受信するのに適している。このスキームに従い、ワイヤレストランシーバデバイス508、510、512、514は、信号リピータデバイス504とワイヤレス信号を通信するのに適し、ワイヤレストランシーバデバイス514、516は、信号リピータデバイス506とワイヤレス信号を通信するのに適している。
【0070】
さらに、
図5に丸で描かれている、ワイヤレストランシーバデバイス508、510、512は、通常のトランシーバ動作モードで、及び、低電力トランシーバ動作モードで動作可能である。しかしながら、ワイヤレストランシーバデバイス514、516は、通常のトランシーバ動作モードでのみ動作可能であり、低電力トランシーバ動作モードで動作可能ではない。
【0071】
所与の時点で、ワイヤレストランシーバデバイス508、510、512、514は、信号リピータデバイス504に関連付けられている。同じ所与の時点で、ワイヤレストランシーバデバイス516は、信号リピータデバイス506に関連付けられている。ワイヤレストランシーバデバイスは、それぞれの関連する信号リピータデバイスを介してのみ、ネットワークゲートウェイデバイスと通信する。
【0072】
斯くして、所与の時点において、それぞれの関連するワイヤレストランシーバデバイスのうちの少なくとも1つ、514及び516が低電力トランシーバ動作モードで動作されることができないため、信号リピータデバイスのいずれも低電力リピータ動作モードで動作可能ではない。
【0073】
信号リピータデバイス504の動作制御ユニットはさらに、現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイス(この場合は508、510、512、514)、信号リピータデバイスの信号拡張範囲内の現在関連しないワイヤレストランシーバデバイス(この場合はなし)、及び、現在関連するワイヤレストランシーバデバイス及び現在関連しないワイヤレストランシーバデバイスが、低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を有すること(この場合は508、510、512)を識別するトランシーバデバイスデータを含む更新可能なトランシーバデバイスリストを維持するように構成される。信号リピータデバイス504に対するこのような更新可能なトランシーバデバイスリストの一例が表2に示されている。トランシーバデバイスリストはまた、信号リピータデバイス(図示せず)に関連することができる外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数を識別するトランシーバデバイスデータを含む。例示的なトランシーバデバイスリストは、信号リピータデバイスに同時に関連することができる外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数に対応する信号拡張範囲内のトランシーバデバイスを割り当てるための限られた数のエントリを有する。この制限は、例示的な信号リピータデバイスの場合、ネットワークゲートウェイデバイスと最大数の関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスとの間のワイヤレス信号の同時交換を保証するために課されるハードウェア又はソフトウェアの制限に基づく。
【0074】
表2:信号リピータデバイス504に対する更新可能なトランシーバデバイスリスト
【0075】
これに対応して、信号リピータデバイス506の動作制御ユニットはさらに、現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイス(この場合は516)、信号リピータデバイスの信号拡張範囲内の現在関連しないワイヤレストランシーバデバイス(この場合は514)、及び、現在関連するワイヤレストランシーバデバイス及び現在関連しないワイヤレストランシーバデバイスが、低電力トランシーバ動作モードで動作される能力を有すること(この場合はなし)を識別するトランシーバデバイスデータを含む更新可能なトランシーバデバイスリストを維持するように構成される。信号リピータデバイス506に対するこのような更新可能なトランシーバデバイスリストの一例が表3に示されている。トランシーバデバイスリストはまた、信号リピータデバイス(図示せず)に関連することができる外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数を識別するトランシーバデバイスデータを含む。
【0076】
表3:信号リピータデバイス506に対する更新可能なトランシーバデバイスリスト
【0077】
信号リピートデバイス504、506の動作制御ユニットは、トランシーバデバイスリストをネットワークゲートウェイデバイスに提供するように構成される。
【0078】
ワイヤレス通信構成500はさらに、信号リピータデバイスによって提供されるトランシーバデバイスリストを受信し、評価するように構成される関連付け制御ユニット(association control unit)518を含む。別の例示的なワイヤレス通信構成では、関連付け制御ユニットは、ネットワークゲートウェイデバイスに統合される。別の例示的なネットワーク通信構成では、関連付け制御ユニットは、外部広域データ通信ネットワークを介してネットワークゲートウェイデバイスと通信するように構成され、斯くして、関連付け制御ユニットの遠隔動作を可能にする。
【0079】
関連付け制御ユニット518はさらに、トランシーバデバイスリストを使用して、それぞれの信号リピータデバイスに関連付けるそれぞれの更新されたトランシーバデバイスリスト、及び、低電力トランシーバ動作モードで動作されるそれぞれの前記能力に依存して、低電力リピータ動作モードで動作可能な信号リピータデバイスの数を最大化するためのそれぞれの信号リピータデバイスに関連することができる外部ワイヤレストランシーバデバイスの最大数以下のワイヤレストランシーバデバイスの数を生成するように構成される。関連付け制御ユニットはさらに、更新されたトランシーバデバイスリストをそれぞれの信号リピータデバイスに提供するように構成される。
【0080】
図5を参照して述べられる特定の例では、関連するワイヤレストランシーバデバイスのうちの少なくとも1つ、すなわち、それぞれ514及び516が通常のトランシーバ動作モードでしか動作しないため、両方の信号リピータデバイス504、506が低電力リピータ動作モードで動作されることはできない。
【0081】
低電力リピータ動作モードで動作可能な信号リピータデバイスの数を最大化するために、トランシーバデバイスデータを評価した後、所定の関連付けルールに従って、関連付け制御ユニットは、信号リピータデバイス504に対して表4、及び、信号リピータデバイス506に対して表5に示されるようなそれぞれの更新されたリストを生成し、それぞれの更新可能なトランシーバデバイスリストを更新するために、これらのリストを信号リピータデバイスに提供する。
【0082】
表4:信号リピータデバイス504に対する更新されたトランシーバデバイスリスト
【0083】
表5:信号リピータデバイス506に対する更新されたトランシーバデバイスリスト
【0084】
それぞれの信号リピータデバイスでトランシーバデバイスリストが更新されると、それぞれの動作制御ユニットは、トランシーバデバイスリストに含まれる現在関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスのそれぞれの動作モードに依存して通常のリピータ動作モード及び低電力リピータ動作モードでの動作を制御する。信号リピータデバイス504の場合、すべての関連するワイヤレストランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードで動作可能であるので、動作制御ユニットは、決定された状態情報に基づいて、関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイス508、510、512の各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断すると信号リピート機能をオフすることができる。
【0085】
別の例示的な信号リピータデバイスでは、更新可能なトランシーバデバイスリストはさらに、ワイヤレストランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードで動作されるタイムスパンに関するトランシーバデバイスデータを含む。この場合、関連付け制御ユニットは、有利には、タイムスパンにさらに基づいて、更新されたトランシーバデバイスリストを決定し、提供するように構成される。
【0086】
また、他のトランシーバデバイスリストは、例えば、ワイヤレストランシーバデバイスが設置されている部屋等、それぞれのワイヤレストランシーバデバイスのロケーションに関する位置情報を含む。この場合、関連付け制御ユニットは、位置情報にさらに基づいた関連付けルールを使用して、トランシーバデバイスを対応する信号リピータデバイスに関連付けてもよい。
【0087】
図6は、信号リピータデバイスを動作する方法600の実施形態のフロー図を示している。方法は、通常のリピータ動作モードにおいて、ステップ602において、外部ネットワークゲートウェイデバイスと、信号リピータデバイスに関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスとの間のペイロード情報又は制御情報をトランスポートするワイヤレス入力信号の受信を含む信号受信機能を実行することを含む。方法はまた、ステップ604において、ペイロード情報又は制御情報を搬送する増幅されたワイヤレス出力信号の再送を含む信号リピート機能を実行することを含む。方法はまた、ステップ606において、関連する外部トランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードでそれぞれ動作されていることを示す状態情報を決定することを含む。方法はさらに、ステップ608において、状態情報から、関連する1つ以上の外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断すると低電力リピータ動作モードに切り替えることであって、低電力リピータ動作モードにおいて、信号リピート機能はオフされる、ことを含む。低電力リピータ動作モードにある際、方法は、ステップ610において、所定のリピータウェイクアップ信号の受信を待つこと、及び、該信号を受信すると、ステップ612において、通常のリピータ動作モードでの動作に切り替えることを含む。
【0088】
要約すると、本発明は、通常のリピータ動作モードで、及び、通常のリピータ動作モードよりも少ない動作電力を必要とする低電力リピータ動作モードで動作可能な信号リピータデバイスであって、通常のリピータ動作モードにおいて、信号受信機能及び信号リピート機能を実行する信号処理ユニットと、関連する外部トランシーバデバイスが低電力トランシーバ動作モードでそれぞれ動作されていることを示す状態情報を決定する、決定された状態情報に基づいて、関連する外部ワイヤレストランシーバデバイスの各々が低電力トランシーバ動作モードで動作されていると判断すると信号リピート機能をオフすることにより信号処理ユニットを低電力リピータ動作モードで動作させ、斯くして、信号リピータデバイスの電力消費を低減する、及び、所定のリピータウェイクアップ信号を受信すると通常のリピータ動作モードでの信号処理ユニットの動作に切り替えるように構成される動作制御ユニットとを含む、信号リピータデバイスに関する。
【0089】
図面、本開示、及び添付の請求項の検討によって、開示される実施形態に対する他の変形形態が、当業者により理解されることができ、また、特許請求される発明を実施する際に実行されることができる。
【0090】
請求項では、単語「含む(comprising)」は、他の構成要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数を排除するものではない。
【0091】
単一のユニット又はデバイスが、請求項において列挙される、いくつかの項目の機能を果たしてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0092】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に、又は他のハードウェアの一部として供給される、光学記憶媒体又は固体媒体等の、好適な媒体において記憶/頒布されてもよいが、インターネット、又は他の有線若しくは無線の電気通信システム等を介して、他の形態で頒布されてもよい。
【0093】
請求項中のいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。