(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】積層方法および積層装置
(51)【国際特許分類】
B65H 37/00 20060101AFI20220729BHJP
【FI】
B65H37/00
(21)【出願番号】P 2022522883
(86)(22)【出願日】2021-12-06
(86)【国際出願番号】 JP2021044637
【審査請求日】2022-06-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000232645
【氏名又は名称】日本飛行機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100154405
【氏名又は名称】前島 大吾
(74)【代理人】
【識別番号】100079005
【氏名又は名称】宇高 克己
(74)【代理人】
【識別番号】100201341
【氏名又は名称】畠山 順一
(72)【発明者】
【氏名】吉▲崎▼ 理沙
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼津 武人
(72)【発明者】
【氏名】浅野 良一
【審査官】前原 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-269881(JP,A)
【文献】実開平04-083714(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102012017595(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維に未硬化樹脂を含浸させたプリプレグ材を積層する方法であって、
前記プリプレグ材の複数の断片パーツの積層する順番を設定し、
プレプレグ基材から前記断片パーツを裁断し、
前記順番に従って、前記裁断した断片パーツを帯状のベースシートに配置し、
前記断片パーツが配置されたベースシートをロール状に巻き取り、
前記ロール状のベースシートを送り出しリールに設置するとともに、前記ロール状のベースシート端部を巻き取りリールに設置し、
前記送り出しリールからベースシートを送り出し、巻き取りリールに巻き取るとともに、
前記順番に従って、コンパクションローラにより、前記断片パーツを治具または積層体に圧着し、前記断片パーツを前記ベースシートから転写する
ことを特徴とする積層方法。
【請求項2】
前記順番に従って、コンパクションローラにより、前記断片パーツを治具または積層体に圧着するときに、断片パーツごとにベースシートの張力を調整する
ことを特徴とする請求項1記載の積層方法。
【請求項3】
前記プリプレグ材の繊維は織物状である
ことを特徴とする請求項1または2記載の積層方法。
【請求項4】
前記複数の断片パーツは、大きさまたは/および形状の異なる断片パーツを含む
ことを特徴とする請求項1~3記載の積層方法。
【請求項5】
前記治具は曲面を有する
ことを特徴とする請求項1~4記載の積層方法。
【請求項6】
前記ベースシートは、前記断片パーツが配置される表面と、前記表面の反対側にある裏面とを有し、
前記裏面は表面に比べてより強い剥離性を有する
ことを特徴とする請求項1~5記載の積層方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維強化プラスチック(FRP)の成形技術に関し、特に、プリプレグシートを自動積層する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維強化プラスチック(FRP)成形は、積層工程、賦形工程、硬化工程を経る。
【0003】
プリプレグは炭素繊維等の補強材に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたものである。シート状に形成される。複数枚のプリプレグシートを積層して積層体を形成する。
【0004】
従来、作業員の手作業により、複数枚のプリプレグシートを積層している。これに対し、積層作業の自動化が望まれている。自動積層に係る技術としてATL(Automatic Tape Lay-Up)法が提案されている(例えば特許文献1)。
【0005】
ATL法では、プリプレグを76mmから305mm程度の適切な幅のテープ状にし、任意の長さにカットし、成形治具上に順次積層しながら,必要に応じて加熱を行いつつコンパクションローラで加圧密着させることにより積層する。ATL法では、一方向繊維(UD)プリプレグが用いられる。
【0006】
ところで、一方向プリプレグ材は伸びにくい。航空機やロケット等の曲面を形成しようとするとき、曲面に馴染みにくく、皺が発生しやすい。無理に曲面形状に追従させようとすれば、繊維直角方向に裂けるおそれもある。したがって、曲面を含む複雑な形状(たとえば3次元曲面)の積層体を形成しようとする際は、留意が必要である。
【0007】
ATL法とよく似た手法にAFP(Automated Fiber Placement)法がある。ATL法より幅の狭いプリプレグテープを用いることにより、曲面を含む複雑な形状にも馴染やすくなる。しかしながら、テープ幅が狭いことにより、作業速度がATL法より劣る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一方で、織物プリプレグ材が用いられることもある。織物プリプレグ材は一方向プリプレグ材に比べて複数方向に伸びやすく、曲面を含む複雑な形状にも馴染やすい。
【0010】
織物プリプレグ材は、連続状とすると無駄が発生するため、連続状の織物プリプレグ材は実用に用いられていない。その結果、ATL法への適用が困難あり、従来どおり、作業員の手作業に頼る所が多い。そこで、織物プリプレグ材の自動積層化が望まれている。
【0011】
本願発明は上記課題を解決するものであり、織物プリプレグ材の自動積層化に係る技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決する本発明は、未硬化樹脂を含浸させたプリプレグ材を積層する方法である。前記プリプレグ材の複数の断片パーツの積層する順番を設定し、前記プレプレグ基材から前記断片パーツを裁断し、前記順番に従って、前記裁断した断片パーツを帯状のベースシートに配置し、前記断片パーツが配置されたベースシートをロール状に巻き取り、前記ロール状のベースシートを送り出しリールに設置するとともに、前記ロール状のベースシート端部を巻き取りリールに設置し、前記送り出しリールからベースシートを送り出し、巻き取りリールに巻き取るとともに、前記順番に従って、コンパクションローラにより、前記断片パーツを治具または積層体に圧着し、前記断片パーツを前記ベースシートから転写する。
【0013】
上記各工程により積層作業の自動化を図ることができる。
【0014】
上記発明において、好ましくは、前記順番に従って、コンパクションローラにより、前記断片パーツを治具または積層体に圧着するときに、断片パーツごとにベースシートの張力を調整する。
【0015】
これにより、位置ズレや皺発生を抑制するとともに、曲面を含む複雑な形状に馴染ませることができる。
【0016】
上記発明において、好ましくは、前記プリプレグ材の繊維は織物状である。
【0017】
本願発明は、従来、自動積層が困難であった織物プリプレグ材にも適用可能である。
【0018】
上記発明において、前記複数の断片パーツは、大きさまたは/および形状の異なる断片パーツを含む。
【0019】
これにより、材料の無駄なく積層ができる。大きさまたは/および形状の異なる断片パーツを含む場合、ベースシートの張力も異なり不具合の原因となるおそれがあるが、張力調整により、最適な張力を維持できる。
【0020】
上記発明において、前記治具は曲面を有する。
【0021】
本願発明は、曲面を含む複雑な形状にも対応できる。もちろん曲面に限定されず平面に対応していてもよい。
【0022】
上記発明において、前記ベースシートは、前記断片パーツが配置される表面と、前記表面の反対側にある裏面とを有し、前記裏面は表面に比べてより強い剥離性を有する。
【0023】
これにより、圧着転写工程時のロール展開が円滑となる一方、圧着転写工程時の位置精度を担保できる。
【0024】
上記課題を解決する本発明は、繊維に未硬化樹脂を含浸させたプリプレグ材を積層する積層装置である。ロール状のベースシートを送り出す送り出しロールと、送り出されたベースシートを巻き取る巻き取りリールと、前記ベースシートには、プレプレグ基材から裁断され、順番が設定され、順番に従って複数の断片パーツが配置されており、前記断片パーツを治具または積層体に圧着し、前記断片パーツを前記ベースシートから転写するコンパクションローラと、を備える。
【0025】
上記各構成により積層作業の自動化を図ることができる。
【0026】
上記発明において、好ましくは、前記順番に従って、前記コンパクションローラにより、前記断片パーツを治具または積層体に圧着するときに、断片パーツごとにベースシートの張力を調整する張力調整手段とを備える。
【0027】
これにより、位置ズレや皺発生を抑制するとともに、曲面を含む複雑な形状に馴染ませることができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば織物プリプレグ材の積層作業を自動化できる。その結果、曲面を含む複雑な形状の積層体を容易に形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】織物プリプレグ材と(好適例)一方向プレプレグ材(参考例)の比較
【発明を実施するための形態】
【0030】
~基本工程および基本構成~
図1は、本積層方法の概略工程である。各工程詳細については、
図3~
図9において説明する。
【0031】
まず、積層順番を設定する(順番設定工程 図示省略)。プレプレグ基材から複数の断片パーツ10を裁断する(裁断工程 図示省略)。順番に従って、裁断した断片パーツ10を帯状のベースシート20に配置する(断片パーツ配置工程)。断片パーツ10が配置されたベースシート20をロール状に巻き取る(ロール状巻取工程)。ロール状のベースシート20を送り出しリール31および巻き取りリール32に設置する(リール設置工程 図示省略)。送り出しリール31からベースシート20を送り出し、巻き取りリール32に巻き取る。リールの動作に併せて、順番に従って、コンパクションローラ33により、断片パーツ10を治具40または積層体(形成中)に圧着し、断片パーツ10をベースシート20から転写する(圧着転写工程)。以上の動作を繰り返し、プリプレグ材を積層し、目的の積層体50(完成)を形成する(積層体形成工程)。
【0032】
図2はプリプレグ材の概略である。好適例として、織物プリプレグ材が用いられることもある。織物プリプレグ材は一方向プリプレグ材に比べて複数方向に伸びやすく、曲面を含む複雑な形状にも馴染やすい。
【0033】
参考例として一方向プリプレグ材を示す。本願発明は、一方向プリプレグ材を積極的に除外するものでなく、一方向プリプレグ材の積層に適用してもよいが、一方向プリプレグ材の積層においては従来のATL法を用いることもできる。
【0034】
まず、順番設定工程について説明する。積層体を形成するには、平面方向および積層方向に複数枚のプリプレグシート(断片パーツ)を積層して積層体を形成する。設計段階において、各断片パーツ10の形状、サイズ、配置位置、配置順番を設定する。例えば、各断片パーツに識別子を付す。
【0035】
図3は配置工程のイメージ図である。順番に従って、プレプレグ基材から複数の断片パーツ10を裁断する。裁断時の順番は特に限定しなくてもよいが、順番に従って、裁断してもよい。ここで、「順番に従って」とは、たとえば、設定No.1→No.2→No.3→・・・・No.9→No.10に対し、裁断順番がNo.1→No.2→No.3→・・・・No.9→No.10という昇順であるが、裁断順番がNo.10→No.9→・・・・No.3→No.2→No.1と降順でもよい。各断片パーツの識別子が把握されていれば、No.1→No.2→No.4→No.3・・・施工上の都合を考慮して、例外的に入れ替えてもよい。
【0036】
各断片パーツ1は、配置位置に適するように、形状やサイズが異なる。もちろん、形状やサイズが同じ場合もある。
【0037】
さらに、順番に従って、裁断した断片パーツ10を帯状のベースシート20に配置する。「順番に従って」とは、昇順、降順、例外的な入れ替えを含む。各断片パーツがどの位置に配置されるか把握されていることが重要である。
【0038】
図4は断片パーツ配置のイメージ図である。断片パーツ同士の配置間隔は必須ではないが、コンパクションローラ幅程度以上あることが好ましい。これにより、圧着転写工程の作業効率が向上する。断片パーツ同士の配置間隔は必須ではないが、一の断片パーツの進行方向下流端と次の断片パーツと進行方向上流端とが重ならないように留意する。一の断片パーツの進行方向下流端と次の断片パーツと進行方向上流端とが重なると、圧着転写工程時に不具合が発生するおそれがある。
【0039】
ベースシート20は、例えば、長さ50m×幅1500mm×厚0.1~0.5mm程度のフィルム材である。両面に剥離処理をされた紙である。適度な弾性を有し、張力制御(後述)可能であることが好ましい。
【0040】
図5は、ロール状巻取工程のイメージ図である。所定数の断片パーツ10をベースシート20に配置すると、もしくは、各断片パーツ10をベースシート20に配置しながら、ベースシート20をロール状に巻き取る。ロール20は適宜ストックしておき、次工程からの指令に応じて、次工程ラインに搬送する。
【0041】
図6は、ロール断面のイメージ図である。ベースシート20の両面に剥離処理されている。表側(断片パーツ10が配置されている側)の剥離性は弱く、裏側(断片パーツ10が配置されていない側)の剥離性は強い。
【0042】
これにより、ロール形成時に断片パーツ10とベースシート20裏面が接着するおそれがなくなり、圧着転写工程時のロール展開が円滑となる。一方、ベースシート20表面に配置されている断片パーツ10は位置ズレするおそれがなく、圧着転写工程時の位置精度を担保できる。
【0043】
なお、上記ではロール形成時における断片パーツ10とベースシート20裏面の接着について検討したが、断片パーツ10とベースシート20裏面との間にカバーシートを介挿する場合は、断片パーツ10とベースシート20裏面の接着について検討する必要はない。
【0044】
図7は、ロール設置工程のイメージ図である。ロール20は圧着転写装置の積層ヘッド30に設置される。積層ヘッド30は送り出しリール31と巻き取りリール32と、コンパクションローラ33と、張力調整機構34とを有する。
【0045】
図7Aでは、ロール状のベースシート20を送り出しリール31に設置している。
図7Bでは、ロール状のベースシート20の端部を巻き取りリール32に設置している。
【0046】
図8および
図9は圧着転写工程のイメージ図である。
図9Aは圧着転写装置の全体像であり、
図9Bは積層ヘッドの概略図である。圧着転写工程で用いる圧着転写装置はATL法にて用いる積層装置の積層ヘッドを改良したものである。
【0047】
積層ヘッド30は、ガントリーまたはロボット(図示省略)に支持され、水平長軸方向、水平短軸方向、鉛直方向の三軸方向に移動可能である。これにより、治具40上の配置目的位置に積層ヘッド30を配置できる。更に、積層ヘッド30は三軸まわりに回転可能である。これにより、曲面を含む複雑な形状(たとえば3次元曲面)の治具面形状に対応するように、積層ヘッド30の姿勢を調整できる。なお、治具面形状は、目的とする積層体50形状に略対応している。
【0048】
前述のとおり、各断片パーツ10は、順番に従って、帯状のベースシート20に配置されている。コンパクションローラ33は送り出しリール31と巻き取りリール32との間に設置されている。送り出しリール31と巻き取りリール32の動作に連動して、コンパクションローラ33が圧着転写動作する。
【0049】
コンパクションローラ33がベースシート20を治具40に押し付けると、ベースシート20から断片パーツ10が剥離し、治具40に転写される。適宜加熱してもよい。たとえば、熱可塑性樹脂を用いる場合や常温粘着力が低い(樹脂量が少ない)場合は、適宜加熱する。常温粘着力が高い(樹脂量が多い)場合は、加熱は必要ない。
【0050】
一の断片パーツ10について、積層ヘッド30の位置調整および姿勢調整、送り出しリール31と巻き取りリール32によるベースシート20の送り出しおよび巻取り、コンパクションローラ33による圧着転写動作が連動しておこなわれると、次の断片パーツ10について、積層ヘッド30の位置調整および姿勢調整、送り出しリール31と巻き取りリール32によるベースシート20の送り出しおよび巻取り、コンパクションローラ33による圧着転写動作が連動しておこなわれる。上記動作が、順番に従って複数回繰り返され(たとえば、No.1→No.2→No.3→・・・・No.9→No.10)、所定面に複数の断片パーツ10が配置され、1層目が形成される。
【0051】
理解容易とするため、一のロールにより1層目が形成されるよう例示したが、一のロールに配置された複数の断片パーツのうち一部により1層目が形成されてもよい。複数のロールにより1層目が形成されてもよい。
【0052】
図10は積層体50のイメージ図である。1層目の上に2層目が積層され、上記積層が複数回繰り返され、複数層の積層体50が完成される。積層体50は曲面を含む複雑な形状をしている。
【0053】
~張力調整~
上記では、送り出しリール31および巻き取りリール32を制御して、所定の送り出し速度および所定の巻き取り張力となる様にしている。
【0054】
ここで、ベースシート20に発生する張力が低いとベースシート20が撓み、位置ズレや皺発生の原因となるおそれがある。一方、ベースシート20に発生する張力が高いと、剛性が高すぎて、曲面を含む複雑な形状に馴染みにくい。したがって、適度な張力に調整することが重要となる。
【0055】
さらに、帯状のベースシート20に配置される断片パーツ10には、形状やサイズが異なる断片パーツが含まれる。断片パーツ10の形状やサイズが異なると最適な張力も異なってくる。したがって、適度な張力に調整することが重要となる。
【0056】
また、織物プリプレグ材は、一方向プレプレグ材に比べて、強度方向の特定が難しい。
【0057】
積層ヘッド30は張力調整機構34を有する(
図8参照)。張力調整機構34はローラ35とローラ35に連続する伸縮部36を有する。伸縮部36が伸びるとローラ35がベースシート20裏面を押圧し、ベースシート20に発生する張力が増す。伸縮部が縮むとローラ35のベースシート20裏面への押圧が緩和され、ベースシート20に発生する張力が減る。すなわち、伸縮部36の伸縮を制御することで、ベースシート20に発生する張力を制御できる。
【0058】
センサ(図示省略)により、ベースシート20に発生する張力を計測し、計測値に基づき最適な張力に近づくように、制御してもよい。カメラ等により、ベースシート20の形状を監視し、曲面形状等に対応するように調整してもよい。予め、各断片パーツ10毎に最適な伸縮部36の伸縮量を設定しておいてもよい。これにより、断片パーツ10ごとにベースシート20の張力を好適な状態に調整することができる。
【0059】
その結果、いずれの断片パーツ10においても好適な張力を維持でき、位置ズレや皺発生を抑制するとともに、断片パーツ10を曲面を含む複雑な形状に馴染ませることができる。
【0060】
~自動積層に係る効果まとめ~
織物プリプレグ材の積層作業を自動化できる。その結果、曲面を含む複雑な形状(たとえば3次元曲面)の積層体を容易に形成できる。
【0061】
その結果、手作業を省き、製造コストを低減し、品質(皺が発生しない、配置位置ズレによる寸法誤差が少ない)のバラツキを抑制し、作業時間の減縮を図ることができる。
【0062】
積層工程の自動化により、FRP成形システム全体の自動化を図ることができる。
【符号の説明】
【0063】
10 断片パーツ(織物プリプレグ材)
20 ベースシート
30 積層ヘッド
31 送り出しリール
32 巻き取りリール
33 コンパクションローラ
34 張力調整機構
35 ロール(張力調整)
36 伸縮部
40 治具
50 積層体(完成)
【要約】
織物プリプレグ材の自動積層化に係る技術を提供する。積層順番を設定する。プレプレグ基材から複数の断片パーツ10を裁断する。順番に従って、裁断した断片パーツ10を帯状のベースシート20に配置する。断片パーツ10が配置されたベースシート20をロール状に巻き取る。ロール状のベースシート20を送り出しリール31および巻き取りリール32に設置する。送り出しリール31からベースシート20を送り出し、巻き取りリール32に巻き取る。リールの動作に併せて、順番に従って、コンパクションローラ33により、断片パーツ10を治具40または積層体(形成中)に圧着し、断片パーツ10をベースシート20から転写する。以上の動作を繰り返し、プリプレグ材を積層し、目的の積層体50(完成)を形成する。