(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】荷役助力装置
(51)【国際特許分類】
B66D 1/46 20060101AFI20220801BHJP
B66D 3/20 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
B66D1/46 E
B66D3/20 H
(21)【出願番号】P 2018073748
(22)【出願日】2018-04-06
【審査請求日】2021-03-19
(73)【特許権者】
【識別番号】591156799
【氏名又は名称】ユニパルス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 広
(72)【発明者】
【氏名】山本 雄
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-221186(JP,A)
【文献】特開平05-310396(JP,A)
【文献】実公昭58-017037(JP,Y2)
【文献】実開昭61-189088(JP,U)
【文献】特開2017-124902(JP,A)
【文献】特開2016-222462(JP,A)
【文献】実開平02-075491(JP,U)
【文献】特開2012-162327(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0090946(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66D 1/00 - 5/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半円弧部とこれに繋がる直線部からなる縦リンク及び横リンクが交互に連接されるチェーンと、
前記チェーンを巻回して回転するロードシーブと、
前記ロードシーブを駆動するモータ部と、
前記モータ部を固定する固定部に設けられて前記チェーンの一端部を係止する係止部材と、
前記ロードシーブと前記係止部材との間で前記チェーンを巻回すると共に荷役物を吊下げる部材に接続した動滑車と、
構造物に接続されて起歪部を備えて前記固定部及び前記ロードシーブに加わる重量を前記起歪部にて検出して重量信号を出力する重量検出部と、
前記重量検出部からの前記重量信号を基に前記モータ部を制御して、吊下げた前記荷役物をバランス状態にさせる制御部と、
を有し、
前記ロードシーブは、前記ロードシーブから垂下する前記チェーンが前記重量検出部の略鉛直下となる位置に配置され、
前記係止部材は、前記チェーンが前記動滑車に略180度の角度で巻き付く位置に配置され、
前記ロードシーブ及び前記動滑車への前記チェーンの巻付け方向は、同一方向であることを特徴とする荷役助力装置。
【請求項2】
前記重量検出部を前記モータ部の軸方向に垂直な任意の仮想平面に投影して鉛直方向へ延伸した第1の領域が、前記ロードシーブから前記動滑車へ垂下する前記チェーンを前記仮想平面に投影して鉛直方向に延伸した第2の領域と、前記係止部材から垂下する前記チェーンを前記仮想平面に投影して鉛直方向に延伸した第3の領域と、前記第2の領域と前記第3の領域との間の領域と、の少なくとも1つ以上の範囲にあるように、前記重量検出部、前記ロードシーブ及び前記係止部材がそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の荷役助力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造分野の重量の大きい物品の組立てや搬送などに用いる荷役助力装置であって、例えば荷役物を昇降させる際にモータによるアシストで重量バランスさせ僅かな操作力で上下移動させる荷役助力装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から工業製品の組立てを行う工場では、大きな重量を有する工具、作業用機器、製品、半完成品などの荷役物を吊下げて上下移動させる荷役装置を使用している。その荷役装置の中でも、大きな重量の荷役物に対してバランス状態を作り出し、使用者が軽い操作力で任意の高さに上下移動できるように助力を発生させる荷役助力装置が一部で使用されている。このように助力を発生させる荷役助力装置は、モータによって助力を行ってバランス状態を作り出し、荷役物に小さな操作力を加えることでスムーズに移動させる機能を有するため、単に上下動作を電動モータで行うものとは異なる。すなわち荷役物の荷重やこれに加わる操作力を例えば重量検出部で検出して、位置検出部と繋がったACサーボモータ等で細かいバランス制御を行うように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、ワイヤロープの一端を力センサを介してホイストフレームに固定し、ワイヤロープの途中に動滑車を設けて荷役物を吊し、ワイヤロープの他端をワイヤドラムに巻きつけ、サーボモータにてワイヤドラムを駆動するという構成を有したバランス動作が可能な電動ホイストが開示されている。
【0005】
本発明者らは、ワイヤをリンクチェーンに置き換えてバランス動作が可能な荷役助力装置を開発しており、特許文献1のような構成にて荷役物を吊るす箇所に動滑車を設けて扱う荷役物の重量範囲を拡大したところ、バランス動作のための上下動切換えの際に動滑車による力の変動を力センサが拾ってしまい滑らかな助力動作のために改善の余地があることを見いだした。
【0006】
このような問題に鑑みて、本発明は動滑車を用いたチェーン型の荷役助力装置において、バランス動作を円滑にすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の荷役助力装置は、上記の目的を達成するために、
半円弧部とこれに繋がる直線部からなる縦リンク及び横リンクが交互に連接されるチェーンと、
チェーンを巻回して回転するロードシーブと、
ロードシーブを駆動するモータ部と、
モータ部を固定する固定部に設けられてチェーンの一端部を係止する係止部材と、
ロードシーブと係止部材との間でチェーンを巻回すると共に荷役物を吊下げる部材に接続した動滑車と、
構造物に接続されて起歪部を備えて固定部及びロードシーブに加わる重量を起歪部にて検出して重量信号を出力する重量検出部と、
重量検出部からの重量信号を基にモータ部を制御して、吊下げた荷役物をバランス状態にさせる制御部と、を有し、
ロードシーブは、ロードシーブから垂下するチェーンが重量検出部の略鉛直下となる位置に配置され、
係止部材は、チェーンが動滑車に略180度の角度で巻き付く位置に配置され、
ロードシーブ及び動滑車へのチェーンの巻付け方向は、同一方向で構成されている。
【0008】
また、重量検出部をモータ部の軸方向に垂直な任意の仮想平面に投影して鉛直方向へ延伸した第1の領域が、ロードシーブから動滑車へ垂下するチェーンを仮想平面に投影して鉛直方に延伸した第2の領域と、係止部材から垂下するチェーンを仮想平面に投影して鉛直方向に延伸した第3の領域と、第2の領域と第3の領域との間の領域と、の少なくとも1つ以上の範囲にあるように、重量検出部、ロードシーブ及び係止部材がそれぞれ配置されている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、重量検出部がチェーンの固定部を含めた重量を検出するように構成されているので、荷役物の上下動の際の動滑車による荷重変動の影響を排除した荷役助力装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態に係る荷役助力装置全体の斜視外観図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る荷役助力装置の正面図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る荷役助力装置の重量検出部近傍の詳細図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る荷役助力装置のBB断面図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る荷役助力装置のBB断面図であって、第1~3の領域を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る荷役助力装置について、図面を基に詳細な説明を行う。
図1は本発明の実施形態の一例である荷役助力装置全体の斜視外観図であって、
図2は本発明の実施形態の一例である荷役助力装置の正面図である。
【0013】
荷役助力装置1は、カバー14によって覆われた本体装置25と、この本体装置25から鉛直下方向へ伸びたチェーン7の下方にある荷役物フック18及び動滑車15と、本体装置25を遠隔操作する遠隔操作装置30を含んで構成されている。
【0014】
本体装置25の天面部には吊下げフック13が設けられて、本体装置25を建物の梁などの固定された構造物に吊して使用することができる。
【0015】
本体装置25はカバー14を備えていて、その内部には制御部9、ロードシーブ10及び重量検出部3等が収納され、円筒形のモータ部2が突出して配置されている。
【0016】
モータ部2は、荷役物フック18を上下移動させるための駆動源であるモータと、モータの出力側に取り付けられた減速機を含んでいる。このモータは例えば交流サーボモータである。
【0017】
そして減速機はモータの回転速度を所定の速度に減速している。減速機は例えば波動歯車減速機である。波動歯車減速機は外周が楕円状のウエーブジェネレータと、外周に多数の外歯が形成されウエーブジェネレータに外嵌されてウエーブジェネレータの回転により円周方向へ撓まされる位置が変化するようにした弾性変形可能なフレクスプラインと、フレクスプラインの外周側にあってフレクスプラインの外歯と嵌合する内歯を備えたサーキュラスプラインとからなる。そして動力は、フレクスプラインを回転出力として繋げたモータ部軸20(
図4)に取り出されて伝達する。このモータ部2の減速機に例えば波動歯車減速機のようなバックラッシが微小なものを使用することで、モータの正逆回転切り換えを頻繁に行って上下移動を行う時に、制御不能な領域をなくし、スムーズな操作感を実現できる。
【0018】
チェーン7は例えば金属であって、半円弧部とこれに繋がる直線部からなる長円形の環が交差し、縦リンク及び横リンクとして交互に連接されたものである。
【0019】
制御部9はCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、その他の記憶装置及び入出力装置を備えて、チェーン7を介して荷役物フック18の上下移動の制御等を行う回路基板を含んで構成されている。制御部9に関連した電装部は、本体装置25を粉粒や水滴のかかる場所での使用も可能にするためにカバー14内に配置されている。制御部9は本体装置25全体の制御を行っている。制御部9は、さらにモータ部2を駆動する駆動回路も含んでいる。一方制御部9は送受信回路を有して遠隔操作装置30とは無線で繋がっていて、所定の時間間隔にて信号の送受信を行う。
【0020】
遠隔操作装置30は、本体装置25を遠隔にて操作するための装置であって、本実施形態では電波によって通信している。遠隔操作装置30は、内蔵されている電池によって駆動される。遠隔操作装置30は、操作の指令手段として例えばバランス釦31、保持釦32、上昇釦33及び下降釦34を有している。
【0021】
図3は本発明の実施形態に係る荷役助力装置1の重量検出部近傍の詳細図であって、
図1において方向Aから見て外装、カバー類を省略した図である。
【0022】
接続金具11は、十字型の板金の対向する突起部の根元を折り曲げて、上向きのコの字断面形状と下向きのコの字断面形状を互い違いに設けた金具である。 接続金具11の一方の突起部はピン12によって吊下げフック13に接続され、他方の突起部は重量検出部3を挟み込むようにして重量検出部3に接続されている。
【0023】
重量検出部3は両側面から突出した重量検出部軸3aを有し、この重量検出部軸3aに伝達される荷重により弾性変形する不図示の起歪部を有している。起歪部には歪みゲージが設けられており、荷重に応じて起歪部に生ずる歪みを電気信号に変換するホイートストンブリッジ回路を形成し、増幅回路により重量検出部3は重量信号を出力する。重量検出部3はこれに限らず、重量検出部3に加わる重量を検出して出力するものであれば良い。
【0024】
重量検出部3から両側面から突出した重量検出部軸3aは対をなす接続金具5aに接続し、接続金具5aは重量検出部軸3aを中心として制限された角度範囲で回転する。接続金具5aは両側を折り曲げた略コの字断面の板金である。そして接続金具5bが、対向する2つの接続金具5aの間にボルトで締結され、重量検出部3の周囲を囲うように配置されている。接続金具5bは略Uの字型の板金であって、折り曲げた接続金具5cが固定部6に固結されている。
【0025】
固定部6は、モータ部2を固定するもので、モータ部2のケーシングと連結された中空円筒型の金属部材であって円筒側面に鍔を有し、この鍔の部分で繋がっている。
【0026】
ロードシーブ10は、駆動源のモータ部2からの動力の伝達によって回転する回転部材を含んで構成される。本実施形態ではロードシーブ10は略円柱の形状であって、モータ部2のモータ部軸20(
図4)と繋がっていて、チェーン7を巻回し、チェーン7の巻き上げ及び繰り出しを行う。ロードシーブ10は円柱面にチェーン7の形状に合わせた小判形状のポケット溝を有する。チェーン7はこのポケット溝に嵌入されてロードシーブ10におおよそ180度ほど巻回される。チェーン7が繰り出されて垂下される位置は、おおよそ重量検出部3の鉛直下付近である。
【0027】
モータ部2の反負荷側にはモータの回転角位置を検出する位置検出部4がモータ部2に連結されている。位置検出部4はいわゆるアブソリュートエンコーダであって、光学式にてモータの回転角位置を検出して位置値を出力する。したがってこの位置検出部4は、ロードシーブ10の回転位置そしてチェーン7の繰り出し長さを検出することができる。本実施形態では、位置検出部4はモータ部2の反負荷側に配置したがこれに限らず、減速機の出力であるモータ部軸20やロードシーブ10に設けられても良く、また両方に設けられても良い。さらに光学式に限らず磁気式や静電容量式等であっても良い。
【0028】
図4は、本発明の実施形態に係る荷役助力装置1の
図2においてBBにて切断したBB断面図である。
図4を用いて、チェーン7が通る経路を説明する。
【0029】
チェーン7の一端部であるチェーン端部7aは係止部材21、例えばピン状のものによって固定部6に係止されている。固定部6から鉛直下向きに垂下したチェーン7bは、カバー14に設けられたガイド溝によってその位置を規制されて、動滑車15に巻回される。
【0030】
動滑車15は、チェーンホイール19と、チェーンホイール19の回転を支持するチェーンホイール軸24と、接続部材22と、動滑車ケース23とを含んでいる。 動滑車ケース23は、チェーンホイール19をチェーンホイール軸24の軸方向の両側から挟み込み、対を成してボルトで締結されている。チェーンホイール19は、ロードシーブ10と同様にその円柱面にチェーン7の形状に合わせた小判形状のポケット溝を有している。
【0031】
鉛直下向きに固定部6から垂下したチェーン7bは、チェーンホイール19に反時計回りで略180度巻回されて、鉛直上向きに方向を変える。
【0032】
動滑車15の鉛直上方向に向かうチェーン7cはロードシーブ10に反時計回りで約180度巻回される。すなわち係止部材21と動滑車15間のチェーン7bと、ロードシーブ10と動滑車15間のチェーン7cは平行となるように、固定部6とロードシーブ10とが配置されている。また動滑車15は、係止部材21とロードシーブ10の中間に位置している。
【0033】
さらにチェーン7はロードシーブ10の左斜め下側へ向かうように設けられた案内部材を経て、チェーン収納箱8に納められている。チェーン収納箱8内では、チェーン端部7dは自由端にて収納されている。したがってチェーンホイール19及びロードシーブ10いずれにおいてもチェーン7の巻き付け方向は同一方向である。 ゆえに、チェーン7cがロードシーブ10に巻き付け開始される箇所は、重量検出部3の略鉛直下となる位置にロードシーブ10は設けられ、チェーン端部7aを係止する係止部材21はチェーン7が動滑車15に略180度の角度で巻き付く位置に設けられ、ロードシーブ10及び動滑車15へのチェーン7の巻付け方向は、同一方向である。
【0034】
なおモータ部軸20は減速機にて回転速度を減速してトルクを増大して出力する回転軸であり、ロードシーブ10に接続され、ロードシーブ10を連続的に正逆に回転させるものである。
【0035】
また動滑車ケース23内にある接続部材22は、鍔のついた円柱形であって、接続金具16にボルトで連結されている。接続金具16は、略Uの字の断面形状の金具であって、対向する部分にピン17が挿通されていて、ピン17に荷役物フック18が吊下げられている。
【0036】
制御部9は、重量検出部3からロードシーブ10と固定部6に加わる重量値を受信し、位置検出部4からモータ部2の回転角の位置値を受信し、これらを用いて荷役物フック18に吊下げられた荷役物の重量をキャンセルする制御値を演算し、モータ部2へ指令して荷役物をバランス状態にしている。
【0037】
遠隔操作装置30に設けられている操作手段である各操作釦の役割について説明する。作業者がバランス釦31を押すと、制御部9はこれを受けて本体装置25をバランスモードへ移行を開始する。制御部9は、重量検出部3がロードシーブ10と固定部6に加わる重量を検出して出力した重量値を基に演算を行って、ロードシーブ10と固定部6に加わる重量をキャンセルしてバランス状態となるようにモータ部2を制御し、本体装置25はバランスモードとなる。
【0038】
一方で、作業者が保持釦32を押すと、制御部9はこれを受けて演算を行って、ロードシーブ10を現在位置にて保持すなわち荷役物フック18及び荷役物の昇降位置を一定に保つようにモータ部2を制御し、本体装置25は保持モードとなる。
【0039】
作業者が上昇釦33若しくは下降釦34を押すと、制御部9はこれを受けてモータ部2を制御して、荷役物フック18を上昇若しくは下降させる。上昇釦33若しくは下降釦34が押されている間、本体装置25は上昇/下降モードであって、作業者は上昇釦33若しくは下降釦34を連続的に押すことで、モータ部2により荷役物フック18及び荷役物を連続的に上下昇降させることができる。本体装置25が保持モード及びバランスモードいずれにあっても、作業者が上昇釦33若しくは下降釦34を押すと、上昇/下降モードへ切り替わり、押した上昇釦33若しくは下降釦34から手を離すとその直前の動作モードに戻る。
【0040】
以上本発明の実施形態によれば、重量検出部3が固定部6、モータ部2、位置検出部4、ロードシーブ10、チェーン7、動滑車15、接続金具16、荷役物フック18、吊下げられた荷役物及び荷役物に加わる外力を含めた重量を検出するように構成されているので、荷役物の上下動の際に動滑車15によって発生する荷重変動の影響を排除した荷役助力装置を提供できる。
【0041】
そして
図5に示すように、モータ部2のモータ部軸20の軸方向に垂直な任意の仮想平面をBB断面と定義することができる。重量検出部3をこの仮想平面に投影して鉛直方向へ延伸した第1の領域26が、ロードシーブ10から動滑車15側へ垂下するチェーン7cをこの仮想平面に投影して鉛直方向に延伸した第2の領域27と、係止部材21から垂下するチェーン7bをこの仮想平面に投影して鉛直方向に延伸した第3の領域28と、第2の領域27と第3の領域28との間の領域と、の少なくとも1つ以上の範囲に位置するように、重量検出部3、ロードシーブ10及び係止部材21がそれぞれ配置されている。したがって荷役物を吊した際や作業者が荷役物に鉛直下向きの外力を加えた際の本体装置25の傾きを抑制して重量を正確に検出することができる。
【0042】
さらにロードシーブ10から垂下するチェーン7cが重量検出部3の略鉛直下となる位置に配置され、係止部材21は、チェーン7が動滑車15に略180度の角度で巻き付く位置に配置され、ロードシーブ10及び動滑車15へのチェーン7の巻付け方向は、同一方向であることから、上述の効果に加えて本体装置25の大きさをコンパクトにすることができる。
【0043】
本発明を好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明の活用例として、荷役物の移動を助力して行う荷役助力装置への適用が可能である。
【符号の説明】
【0045】
1 :荷役助力装置
2 :モータ部
3 :重量検出部
4 :位置検出部
5a、5b、5c :接続金具
6 :固定部
7、7b、7c :チェーン
7a、7d :チェーン端部
8 :チェーン収納箱
9 :制御部
10 :ロードシーブ
11 :接続金具
12 :ピン
13 :吊下げフック
14 :カバー
15 :動滑車
16 :接続金具
17 :ピン
18 :荷役物フック
19 :チェーンホイール
20 :モータ部軸
21 :係止部材(ピン)
22 :接続部材
23 :動滑車ケース
24 :チェーンホイール軸
25 :本体装置
26 :第1の領域
27 :第2の領域
28 :第3の領域
30 :遠隔操作装置
31 :バランス釦
32 :保持釦
33 :上昇釦
34 :下降釦