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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】荷重変換器
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/22 20060101AFI20220801BHJP
【FI】
G01L1/22 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018179863
(22)【出願日】2018-09-26
(65)【公開番号】P2020051829
(43)【公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591156799
【氏名又は名称】ユニパルス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】林 偉平
(72)【発明者】
【氏名】小林 璋好
【審査官】大森 努
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-253622(JP,A)
【文献】特開昭63-094129(JP,A)
【文献】特開2017-211297(JP,A)
【文献】特開2018-072311(JP,A)
【文献】米国特許第3124770(US,A)
【文献】特表平10-506718(JP,A)
【文献】特開昭63-196080(JP,A)
【文献】特開昭54-041176(JP,A)
【文献】仏国特許発明第1298105(FR,A)
【文献】米国特許第3151480(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 1/22,1/18,9/04,
G01B 7/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重を受ける略円柱形状の荷重導入部と、
前記荷重導入部の円柱面を囲うように、かつ前記円柱面から所定間隔にて配置される固定部と、
前記荷重導入部と前記固定部とを一体で連結して、前記荷重導入部が受ける荷重で弾性変形する起歪部と、
前記荷重導入部が荷重を受けた時に前記起歪部に生ずる圧縮歪みと引張歪みが切り替わる中立位置を内側としてかつ前記固定部の内周面を外側として画定される前記起歪部の円環領域に設けられて、前記起歪部に生ずる歪み量を検出する感歪抵抗体と、
を備えて前記歪み量を荷重の電気信号に変換する荷重変換器であって、
前記感歪抵抗体は、
前記荷重導入部の中心軸から半径方向に最大感度を有するように配置される半径方向歪み検出パターンと、
前記荷重導入部の中心軸を中心とする円周方向に最大感度を有するように配置される円周方向歪み検出パターンと、で構成されることを特徴とする荷重変換器。
【請求項2】
前記半径方向歪み検出パターンと、前記円周方向歪み検出パターンとが、それぞれ回転対称でかつ円周方向で交互に配置されることを特徴とする請求項1に記載の荷重変換器。
【請求項3】
前記半径方向歪み検出パターンが、前記円環領域内の外周側に位置する第1の円環領域に配置され、
前記円周方向歪み検出パターンが、前記第1の円環領域よりも内周側に位置する第2の円環領域に配置されることを特徴とする請求項1に記載の荷重変換器。
【請求項4】
前記荷重導入部は、荷重が導入される面と対向して、前記起歪部を挟んで軸方向に突出した突部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の荷重変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷重を電気信号に変換する荷重変換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の荷重変換器の一つにダイヤフラム型ロードセルがある。このタイプの荷重変換器は、荷重を受ける円柱形状の荷重導入部と、この円柱面外側を囲むようにして設けられて固定構造物に固定される円筒形状の剛性が高い固定部と、荷重導入部と固定部を連結する薄肉部分からなる環状の起歪部とを備えている。そして複数の感歪抵抗体が、起歪部の下面に添着されている。感歪抵抗体は例えば歪みゲージであって、外周側の歪みゲージは圧縮歪み検出用の歪みゲージで、内周側の歪みゲージは引張歪み検出用の歪みゲージである(特許文献1及び特許文献2)。これらの歪みゲージはホイートストンブリッジ回路を構成して、検出した歪み量を基に、被測定物によって印加された荷重を電気信号に変換して出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2005-140646号公報
【文献】特開2018-021939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の荷重変換器を用いて、荷重導入部の天面に高い頻度で被測定物が繰り返し当接及び離間が行われるような試験が行われる場合がある。このような試験が高荷重で繰り返されると、荷重導入部の当接部である天面が徐々に摩耗することが生じる。すると荷重導入部の形状が徐々に変わってしまい、荷重導入部に近いすなわち内周側に配置された歪みゲージにて正確な引張歪みを捉えることが困難となって、改善の余地があった。
【0005】
このような問題に鑑みて、本発明は、荷重導入部の摩耗等による形状変化が生じても正確に荷重を測定できる荷重変換器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の荷重変換器は、上記の目的を達成するために、
荷重を受ける略円柱形状の荷重導入部と、
荷重導入部の円柱面を囲うように、かつ円柱面から所定間隔にて配置される固定部と、
荷重導入部と固定部とを一体で連結して、荷重導入部が受ける荷重で弾性変形する起歪部と、
荷重導入部が荷重を受けた時に起歪部に生ずる圧縮歪みと引張歪みが切り替わる中立位置を内側としてかつ固定部の内周面を外側として画定される起歪部の円環領域に設けられて、起歪部に生ずる歪み量を検出する感歪抵抗体と、
を備えて歪み量を荷重の電気信号に変換する荷重変換器であって、
感歪抵抗体は、
荷重導入部の中心軸から半径方向に最大感度を有するように配置される半径方向歪み検出パターンと、
荷重導入部の中心軸を中心とする円周方向に最大感度を有するように配置される円周方向歪み検出パターンと、で構成されている。
【0007】
請求項2に記載の荷重変換器は、上記の目的を達成するために、
半径方向歪み検出パターンと、円周方向歪み検出パターンとが、それぞれ回転対称でかつ円周方向で交互に配置されている。
【0008】
請求項3に記載の荷重変換器は、上記の目的を達成するために、
半径方向歪み検出パターンが、円環領域内の外周側に位置する第1の円環領域に配置され、
円周方向歪み検出パターンが、第1の円環領域よりも内周側に位置する第2の円環領域に配置されている。
【0009】
請求項4に記載の荷重変換器は、上記の目的を達成するために、
荷重導入部は、荷重が導入される面と対向して、起歪部を挟んで軸方向に突出した突部を有している。
【発明の効果】
【0010】
本発明の荷重変換器によれば、荷重導入部の摩耗等による影響を低減して、正確な荷重を検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の斜視外観図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の断面図(a)、歪み線図(b)、平面図(c)である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の感歪抵抗体のパターン図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の歪み線図であって、図4(a)は半径方向の歪みを表し、図4(b)は円周方向の歪みを表す。
図5】本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器内のホイートストンブリッジ回路図である。
図6】本発明の第2の実施形態に係る荷重変換器の感歪抵抗体のパターン領域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る荷重変換器について、図面を基に詳細な説明を行う。図1は本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の斜視外観図である。図2(a)は本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の正面断面図であって幾つかの部材は誇張されて表され、配線部材等は省略されている。
【0013】
荷重変換器1は、主なものとして、荷重導入部2と、固定部3と、起歪部4と、コネクタ5と、感歪抵抗体Gと、基板6とで構成されている。
【0014】
荷重導入部2は、印加される被測定物に当接して荷重を被測定物から受けて導入する。荷重導入部2は略円柱形状であって、その一端で被測定物に当接する荷重導入面2aは例えば球面などの曲面である。固定部3は、荷重導入部2の側面の円柱面2bを囲うように、かつこの円柱面2bから所定間隔で配置され、厚肉で容易には変形しない剛性の高い略円筒形状である。固定部3の底部にはネジ穴が設けられて、荷重変換器1はボルト等で固定構造物7等に固定して使用される。起歪部4は、荷重導入部2の円柱面2bの軸方向中間部と、固定部3の上端部とを連結し、定めた範囲の荷重を荷重導入部2にて受けて弾性変形する。起歪部4は固定部3と比較して薄肉である。この荷重導入部2と、固定部3と、起歪部4とは一体の金属、例えばステンレス鋼で構成されていて、機械加工等によって製作される。そして荷重導入部2は、荷重導入面2aの反対側に、起歪部4より軸方向に突出した突部2cを有している。この突部2cによって、荷重導入部2は剛性が高まると共に、後述の抵抗体基材8の添着の際の位置決めも容易となる。
【0015】
感歪抵抗体Gは、起歪部4の底面側に設けられて、弾性変形する起歪部4の歪みを検出する。感歪抵抗体Gは、例えばポリイミド等の絶縁体の抵抗体基材8に、銅ニッケル合金やニッケルクロム合金等の金属箔を積層して所定の形状にパターニングによって形成されたものである。感歪抵抗体Gはこれに限らず、起歪部4の下面に絶縁層を形成してさらに金属薄膜を積層して選択的にエッチング若しくは金属薄膜をアディティブにて積層する方法等で形成しても良い。抵抗体基材8は円環状であって、その外径は固定部3の内周面3aの直径より僅かに小さく、内径は荷重導入部2の突部2cより僅かに大きく設けられて、起歪部4の下面に例えば接着剤などで添着されている。
【0016】
基板6は、感歪抵抗体Gと不図示の配線材で繋がっている。基板6には、ホイートストンブリッジ電源供給回路、増幅回路、出力回路等が実装されている。基板6の出力回路及び電源回路は不図示の配線材によってコネクタ5へ接続されている。すなわち基板6は、供給された電源を基に、検出した荷重を電気信号に変換して外部に送信するため電気回路を有している。そして基板6は、固定部3の内周面3aの中間に設けられた段差部に当接するように配置され、接着剤等で固定されている。
【0017】
荷重変換器1は、コネクタ5を経由して、電気ケーブルにて外部供給電源及び表示装置と繋がっている。コネクタ5は、固定部3の側面に設けられた孔に固定されている。
【0018】
図2(b)は本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の起歪部4の歪み線図である。図2(b)では荷重導入部2が被測定物によって鉛直下向きに荷重を受けた時の起歪部4の底面での歪みをY軸に、半径方向の位置をX軸として、この関係をグラフ化している。荷重導入部2の円柱側面の位置P1付近において、引張歪みは最大となり、半径方向に沿って引張歪みは減少する。そして歪みがゼロとなる中立位置P2を過ぎると、逆に圧縮側に切り替わって圧縮歪みが現れ、固定部3の内周面3a付近で圧縮歪みが最大となる。
【0019】
図2(c)は本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の底面図であって、基板6及び配線等を省略して示している。図3は本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の各感歪抵抗体の拡大図である。
【0020】
感歪抵抗体Ga1cと感歪抵抗体Ga2cとは、荷重導入部2が被測定物によって鉛直下向きに荷重を受けた時に起歪部4が半径方向に圧縮歪みを生じる領域に配置されている。すなわち感歪抵抗体Ga1cと感歪抵抗体Ga2cとは、中立位置P2より外側の斜線で示された円環領域Regに配置されている。感歪抵抗体Ga1cと感歪抵抗体Ga2cとは、歪みの検出する最大感度の方向が荷重導入部2の中心軸Oを中心として半径方向である。したがって、感歪抵抗体Ga1cと感歪抵抗体Ga2cとは全体として扇型の折り返しパターンで配置されていて、これらが半径方向歪み検出パターンである。半径方向歪み検出パターンを構成する感歪抵抗体Ga1c及び感歪抵抗体Ga2cは、荷重導入部2の中心軸O回りに回転対称で配置されている。さらに半径方向歪み検出パターンは、レーザ光線の照射等によって切断して抵抗値を調整するための梯子状のトリミング用パターンを含んでいる。
【0021】
一方、感歪抵抗体Gb1tと感歪抵抗体Gb2tとは、中立位置P2より外側の円環領域Regに配置されている。感歪抵抗体Gb1tと感歪抵抗体Gb2tとは、歪みの検出する最大感度の方向が、荷重導入部2の中心軸Oを中心とする円周方向である。感歪抵抗体Gb1tと感歪抵抗体Gb2tとは、折り返しパターンで配置されていて、これらが円周方向歪み検出パターンである。円周方向歪み検出パターンを構成する感歪抵抗体Gb1t及び感歪抵抗体Gb2tは、荷重導入部2の中心軸O回りに回転対称で配置されている。さらに円周方向歪み検出パターンも、レーザ光線の照射等によって切断して抵抗値を調整するための梯子状のトリミングパターンを含んでいる。
【0022】
そして半径方向歪み検出パターンと円周方向歪み検出パターンは、荷重導入部2の中心軸Oを中心として90度の角度差で交互に設けられている。
【0023】
ここで図3の斜線で示された円環状の円環領域Regは、中立位置P2を内側、固定部3の内周面3aの位置P3を外側として画定された円環状の領域を指している。
【0024】
図4(a)及び図4(b)は、本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器の歪み線図である。
【0025】
図4(a)は、荷重変換器1の起歪部4が半径方向に生ずる歪みをFEM解析によって算出した結果である。X軸(横軸)は中心CLをゼロとして半径方向の位置を表し、荷重導入部2の円柱面2bの位置P1から固定部3の内周面3aの位置P3までの範囲で、起歪部4に生じる歪みをY軸(縦軸)としてプロットしたものである。
【0026】
位置P1は、荷重導入部2の円柱面2bに相当することから、鉛直下向の荷重が荷重導入部2へ印加されると、引張歪みが最大の位置となる。位置P1から半径外側方向に向かって次第に引張り歪みは小さくなって、中立位置P2にて歪がゼロとなる。中立位置P2を超えると圧縮歪みに切り替わって、固定部3の内周面3a付近の位置P3で圧縮歪みが最大となる。そして図4(a)において、中立位置P2から位置P3の範囲、すなわち斜線で示した領域が円環領域Regに相当した領域である。
【0027】
図4(b)は、荷重変換器1の起歪部4が円周方向に生ずる歪みをFEM解析によって算出した結果である。X軸(横軸)は中心CLをゼロとして半径方向の位置を表し、荷重導入部2の円柱面2bの位置P1から固定部3の内周面3a付近の位置P3までの範囲で、起歪部4に生じる円周方向の歪みをY軸(縦軸)にプロットしたものである。
【0028】
位置P1は荷重導入部2の円柱面2bに相当し、鉛直下向の荷重が荷重導入部2へ印加されると、円周方向の引張歪みが最大の位置となる。位置P1から半径方向に向かって次第に円周方向の引張歪みは小さくなる。そして中立位置P2を超えても引張歪みを保ち、固定部3の内周面3aの位置P3近傍でも引張歪みである。したがって全域で円周方向には引張歪みが現れる。
【0029】
本発明の第1の実施形態では、半径方向に最大感度を有する感歪抵抗体Ga1cと感歪抵抗体Ga2cが、この円環領域Reg(P2<x<P3)に配置されて圧縮歪みを検出し、円周方向に最大感度を有する感歪抵抗体Gb1t及び感歪抵抗体Gb2tが、この円環領域Reg(P2<x<P3)に配置されて引張歪みを検出する。もちろん円周方向に最大感度を有する感歪抵抗体Gb1t及び感歪抵抗体Gb2tは、P1<x<P2の領域に配置されても引張歪みを検出することはできるが、荷重導入部2の摩耗時の影響を受けやすくなる。したがって、感歪抵抗体Gb1t及び感歪抵抗体Gb2tを、円環領域Reg(P2<x<P3)に配置することで、荷重導入部2の摩耗時の影響を低減し、かつ半径方向の引張歪みと比較して高い歪み量が発生する円周方向の歪みを検出することができる。
【0030】
図5は本発明の第1の実施形態に係る荷重変換器内の各感歪抵抗体を含むホイートストンブリッジ回路図である。感歪抵抗体Ga1cと感歪抵抗体Ga2cは圧縮歪みの検出であって、ホイートストンブリッジ回路では対向する辺に配置される。一方、感歪抵抗体Gb1tと感歪抵抗体Gb2tは引張歪みの検出であって、ホイートストンブリッジ回路では対向する辺に配置される。そして感歪抵抗体Ga1cと感歪抵抗体Gb1t、感歪抵抗体Ga2cと感歪抵抗体Gb2tはそれぞれホイートストンブリッジ回路では隣り合う辺に配置される。そして電源Eを端子T1-T3間に印加すると、端子T2-T4間に出力S+、S-が電気信号である電圧として出力される。この出力S+、S-は基板6に実装された増幅回路にて増幅され、これを基に出力回路にて荷重を演算して電気信号にて外部へ送信する。
【0031】
図6は本発明の第2の実施形態に係る荷重変換器内の各感歪抵抗体を配置する位置を示した領域図である。抵抗体基材8上で、中立位置P2から外径の位置P3の領域が円環領域Regである。そして、円環領域Regは外周側に位置する第1の円環領域Reg1と荷重導入部2寄りの内周側に位置する第2の円環領域Reg2とで構成されている。第1の実施形態では比較的小さな荷重変換器の例であったが、第2の実施形態は比較的大きな荷重変換器を対象としている。第1の実施形態では円環領域Regに感歪抵抗体Ga1c、感歪抵抗体Ga2c、感歪抵抗体Gb1t、感歪抵抗体Gb2tが略同一半径上に形成されている。これに対して第2の実施形態では半径方向の寸法が大きく、円環領域Regが広いことから、感歪抵抗体Ga1cと感歪抵抗体Ga2cが第1の円環領域Reg1に、感歪抵抗体Gb1tと感歪抵抗体Gb2tが第2の円環領域Reg2に設けられる。第1の円環領域Reg1、第2の円環領域Reg2に対する感歪抵抗体のパターン図は図示しないが、それぞれ略全周に渡って配置しても良いし、第1の実施形態のように部分的に配置してもよい。
【0032】
第2の実施形態では、引張歪みを検出する感歪抵抗体Gb1tと感歪抵抗体Gb2tとを比較的内側に設けているので、円周方向の引張歪みが比較的大きくなる箇所で検出できるという利点がある。第2の実施形態は比較的大きな荷重変換器が対象であって、荷重導入部2の円柱面2bの摩耗による歪みの誤差の影響は、荷重導入部2から離れた第2の円環領域Reg2ではごく軽微である。
【0033】
本発明の荷重変換器によれば、荷重印加時に起歪部に生じる引張歪みと圧縮歪みの中立位置より外側の領域にて、円周方向に最大感度を有する感歪抵抗体を配置して引張歪みを検出することから、荷重導入部の摩耗等による影響を低減し、正確な荷重の検出が可能となる。
【0034】
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明の活用例として、ロードセルなど荷重を測定する装置への適用が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 :荷重変換器
2 :荷重導入部
2a :荷重導入面
2b :円柱面
2c :突部
3 :固定部
3a :内周面
4 :起歪部
5 :コネクタ
6 :基板
7 :固定構造物
8 :抵抗体基材
G、Ga1c、Ga2c、Gb1t、Gb2t :感歪抵抗体
Reg :円環領域
Reg1 :第1の円環領域
Reg2 :第2の円環領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6