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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】空袋供給装置、貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 3/08 20060101AFI20220801BHJP
   B65C 3/26 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
B65H3/08 310D
B65C3/26
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018031981
(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公開番号】P2019147641
(43)【公開日】2019-09-05
【審査請求日】2021-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶ヶ谷 大輔
(72)【発明者】
【氏名】金井 正和
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】実開平04-024525(JP,U)
【文献】実開昭58-004541(JP,U)
【文献】特開2015-221667(JP,A)
【文献】特開平08-012100(JP,A)
【文献】特開2017-039535(JP,A)
【文献】特開2002-137837(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00- 3/68
B65B 43/00-43/62
B65C 1/00-11/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された空袋を収容し、下方に開口部と保持部を有する収容部と、
前記収容部よりも下方に上下移動自在に配置され、前記収容部に収容された空袋を吸引する吸引手段と、
前記収容部よりも下方に位置し、搬送面に載置された前記空袋を搬送する第1搬送手段と、を備え、
前記吸引手段は、
前記保持部よりも上方まで上昇し、前記積層された空袋を押し上げるとともに押し上げた前記積層された空袋をそのまま降ろす戻し動作の後、
前記収容部内に収容された空袋のうち最下部の空袋のみを吸引した状態で、前記第1搬送手段の前記搬送面よりも下方に前記空袋の一部分が位置するように移動する引き抜き動作を行う
ことを特徴とする空袋供給装置。
【請求項2】
前記積層された空袋を下方に押圧する錘を備え、
前記吸引手段は、前記錘で押圧された状態の前記積層された空袋について戻し動作及び引き抜き動作を行うことを特徴とする請求項1に記載の空袋供給装置。
【請求項3】
前記空袋を搬送する第2搬送手段と、
前記吸引手段と前記第2搬送手段とを上下動させる移動手段を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空袋供給装置。
【請求項4】
請求項1から請求項の何れか1項に記載の空袋供給装置から供給される空袋の情報に基づくラベルを空袋に貼付する貼付手段を有することを特徴とする貼付装置。
【請求項5】
積層された空袋を収容し、下方に開口部と保持部を有する収容部と、
前記収容部よりも下方に上下移動自在に配置され、前記収容部に収容された空袋を吸引する吸引手段と、
前記収容部よりも下方に位置し、搬送面に載置された前記空袋を搬送する第1搬送手段と、を備える空袋供給装置の空袋供給方法であって、
前記吸引手段は、
前記保持部よりも上方まで上昇し、前記積層された空袋を押し上げるとともに押し上げた前記積層された空袋をそのまま降ろす戻し動作の後、
前記収容部内に収容された空袋のうち最下部の空袋のみを吸引した状態で、前記第1搬送手段の前記搬送面よりも下方に前記空袋の一部分が位置するように移動する引き抜き動作を行う
ことを特徴とする空袋供給装置の空袋供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空袋供給装置、貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
偏心カムを利用して、積層された袋体の下部から、袋体を引き抜く供給装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平05-58458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたような供給装置では、積み重ねられた袋の束から最下部の袋を下部から引き抜く際に、隣り合った袋の間の密着力が大きく、一枚だけ袋を引き抜くことが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の空袋供給装置は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
積層された空袋を収容し、下方に開口部と保持部を有する収容部と、
前記収容部よりも下方に上下移動自在に配置され、前記収容部に収容された空袋を吸引する吸引手段と、
前記収容部よりも下方に位置し、搬送面に載置された前記空袋を搬送する第1搬送手段と、を備え、
前記吸引手段は、
前記保持部よりも上方まで上昇し、前記積層された空袋を押し上げるとともに押し上げた前記積層された空袋をそのまま降ろす戻し動作の後、
前記収容部内に収容された空袋のうち最下部の空袋のみを吸引した状態で、前記第1搬送手段の前記搬送面よりも下方に前記空袋の一部分が位置するように移動する引き抜き動作を行うことを特徴とする。
【0006】
また、本発明に係る貼付装置は、上記本発明の空袋供給装置から供給される空袋の情報に基づくラベルを空袋に貼付する貼付手段を有することを特徴とする。
また、本発明の空袋供給装置の空袋供給方法は、少なくとも以下の構成を具備するものである。
積層された空袋を収容し、下方に開口部と保持部を有する収容部と、
前記収容部よりも下方に上下移動自在に配置され、前記収容部に収容された空袋を吸引する吸引手段と、
前記収容部よりも下方に位置し、搬送面に載置された前記空袋を搬送する第1搬送手段と、を備える空袋供給装置の空袋供給方法であって、
前記吸引手段は、
前記保持部よりも上方まで上昇し、前記積層された空袋を押し上げるとともに押し上げた前記積層された空袋をそのまま降ろす戻し動作の後、
前記収容部内に収容された空袋のうち最下部の空袋のみを吸引した状態で、前記第1搬送手段の前記搬送面よりも下方に前記空袋の一部分が位置するように移動する引き抜き動作を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、簡単な構造で、収容部内に積層された空袋のうち最下部の空袋を一枚だけ吸引して容易に取り出すことが可能な空袋供給装置を提供することができる。簡単な構成で、空袋供給装置により供給される空袋にラベルを貼付することができる貼付装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る空袋供給装置の一例を示す全体正面図。
図2】本発明の実施形態に係る空袋供給装置の一例を示す概念図。
図3】収容部に収容される空袋の一例を示す図、(a)は空袋の断面図、(b)は収容部内に重ねて収容されている複数の空袋の一例を示す図。
図4】本発明の実施形態に係る空袋供給装置を有する空袋ラベル貼付システムの電気的な機能ブロックの一例を示す図。
図5】本発明の実施形態に係る空袋供給装置の収容部、吸引部等の上面図。
図6】本発明の実施形態に係る空袋供給装置の動作の一例を示すフローチャート。
図7】空袋供給装置の動作の一例を説明するための図、(a)は収容部に空袋が積層された初期状態(待機状態)の一例を示す図、(b)は積層された空袋を吸引部により保持面より上方に押上げ、吸引部が最下端の空袋を吸引した状態(吸引状態)の一例を示す図、(c)は1つの空袋を吸引部が吸引して下方の搬送部の搬送面に移動した状態(移動後状態)の一例を示す図。
図8】本発明の実施形態に係る空袋供給装置の動作の一例を示す図、(a)は積層された空袋と、その空袋から離間している吸着部の一例を示す図、(b)は吸引部が空袋を下方から上方へ押し上げた後、最下端の空袋のみを吸引して引き下げた状態の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態に係る空袋供給装置は、積層された空袋を収容し、下方に開口部を有する収容部と、収容部よりも下方に上下移動自在に配置され、収容部に収容された空袋を吸引する吸引手段と、収容部よりも下方に位置し、搬送面に載置された前記空袋を搬送する第1搬送手段とを備える。空袋供給装置の吸引手段は、収容部内に収容された空袋のうち最下部の空袋のみを吸引した状態で、第1搬送手段の搬送面よりも下方にその空袋の一部分が位置するように移動することで、第1搬送手段へ1つの空袋のみを確実に乗り移らせることができる。
【0010】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。本発明の実施形態は図示の内容を含むが、これのみに限定されるものではない。尚、以後の各図の説明で、既に説明した部位と共通する部分は同一符号を付して重複説明を一部省略する。
【0011】
図1図2に示すように、本発明の実施形態に係る空袋供給装置100は、収容部2、吸引部3(吸引手段)、エアポンプや真空容器等の負圧源30、上下動駆動部4、第1搬送部5(第1搬送手段)、第2搬送部6、検出部16、ベルトコンベア等の搬送装置7、印字装置80(ラベル発行装置)、貼付部91を備えた貼付装置90(ラベル貼付装置)、貯留部RV、制御装置10などを有する。
【0012】
収容部2(カセット)は、空袋1を収容する。詳細には、収容部2は、例えば、下方に開口部2h、上方に開口部hが形成された四角の筒形状部2Aを有する。収容部2には、上下方向に積層された複数の空袋1が収容される。また、収容部2は、筒形状部2Aの最下端に、内側に向かって突出した突出部21(保持手段)を有し、突出部21が積層された空袋1を保持する。
収容部2は、取り扱う空袋の大きさに応じて、側壁が移動可能に構成されており、収容部の大きさが変更可能である。収容部2の内周は、例えば、空袋と同じサイズ(大きさ)、僅かに大きいサイズ(大きさ)、少し小さいサイズ等、扱う空袋に応じて設定可能に構成されていることが好ましい。
【0013】
収容部2には、収容部2の側壁を移動させる調整手段として、ハンドルhd1、ハンドルhd2が設けられている。ハンドルhd1は、収容部2の側壁及び吸引部3の搬送方向上流側を移動させるための調整手段である。ハンドルhd2は、収容部2の側壁及び吸引部3を幅方向に移動させるための調整手段である。
また、搬送装置7に設けられたハンドルhd3は、搬送装置7のベルトコンベア71,72を空袋の幅方向に移動させるための調整手段である。
制御装置10は、モータ(不図示)により、収容部の側壁の位置や搬送装置7のベルトコンベア71,72の位置を自動で調整することができるが、微調整用として、ハンドルhd1,hd2,hd3を手動で動かすことにより微調整することもできる。
【0014】
図3(a)に示すように、空袋1は、一方に開口部1aが形成され、他方に底部1bが形成されている。空袋1は、樹脂材料などの所定の材料により形成されている。空袋1としては、例えば、長方形、正方形、ひし形、台形、円、半円、楕円など各種形状のものを採用することができる。収容部2は、空袋の形状に対応して、側壁を移動可能に構成されており、確実に空袋を収容することができる。本実施形態では、空袋1は矩形状の袋体である。
また、収容部2へのセットの仕方は、空袋の種類に応じて異なるが、通常、空袋1の開口部1aを搬送方向上流側になるようにセットされる。空袋1の底部1bが搬送方向下流側、つまり、搬送方向の先頭になるため、第1搬送部等により空袋の底部1b側の端部から把持して、確実に搬送することができる。一般的に、空袋1の開口部1a側の端部から把持して搬送することは、底部1bと比べて不安定である。なお、収容部2へのセットの仕方は、空袋の種類に応じて適宜、最適にセットすることが好ましい。
一具体例として、140μm厚の空袋の場合、70μmのフィルム2枚の三方を溶着し、袋形状の空袋1が形成される。つまり、開口部は70μmのフィルム二枚が重ねられた状態に過ぎず、溶着されている他三方に比べ変形し易い。よって、駆動力が付加される搬送方向先頭(=搬送方向下流)が、空袋1の開口部以外の変形し難い部分(底部1b等)であることが好ましい。
【0015】
また、図1に示すように、収容部2は、搬送方向上流側よりも下流側が下方位置となるように傾斜して配置されている。この傾斜配置により、収容部2に収容されている空袋1は、搬送方向下流側(=搬送方向の先頭)に自重が掛かり、落下しやすくなる。
また、収容部2の傾斜に合わせ、吸引部3、第1搬送部5、第2搬送部6等も同じ角度で傾斜するように配置されている。すなわち、各吸引部3から収容部2に収容されている空袋1までの距離を、略一定に保つことができる。
空袋1は自重が軽いため不安定であり、機械での取扱いが難しくなりがちであるが、このような不安定物(空袋1)を扱う上では、傾斜による案内も重要であり、本発明の実施形態では、空袋1の引き出し等がずれた場合であっても、空袋1が第1搬送部5や検出部16側(搬送方向下流側)にずれる可能性が上がり、搬送装置としての搬送の確実性を上げることができる。
【0016】
図1図2に示すように、収容部2に収容された空袋1の上には、空袋1を下方に押圧する錘25(押圧部材)が着脱自在に設けられることが好ましい。錘25が収容部2から取り外された状態で、空袋1が収容部2内に収容され、その空袋1の上に錘25が配置される。錘25の外周部は、空袋1を下方へ押圧することで、空袋外周部と収容部2の突出部21との係りを強くすることができる。錘25は、その外周形状が、収容部2の内周と同じ形状に形成され、中央部に開口部が形成されていることが好ましい。後述するように、吸引部3が積層された空袋1の下方から上方へ押し上げる際に、空袋に掛かる上方向への圧力を錘25の開口部から逃がすとともに、錘25の外周部では、空袋1を下方へ押圧することができる。
【0017】
図2に示すように、吸引部3(吸引手段)は、空袋を吸引する吸盤を備え、上下移動自在に設けられており、駆動機構により上下動し、吸引した空袋を収容部2から第1搬送部5へ移すように構成されている。詳細には、吸引部3は、上昇時に、収容部2の下方の開口部2hから、積層された空袋1のうち最下端の空袋を吸引する。吸引部3は、エアポンプや真空容器等の負圧源30に接続されている。
例えば、吸引オンのタイミングは、上昇開始時であり、吸引オフのタイミングは、吸引部3の上端部が、第1搬送部の搬送面5Sよりも所定距離だけ下方の最下点に位置した時である。
【0018】
上下動駆動部4は、制御装置10の制御により、吸引部3を上下方向に移動させる。上下動駆動部4は、例えば、ステッピングモーター等のモータやエアシリンダー等により構成されており、ステッピングモーターやエアシリンダー等の駆動を第2搬送部6へ伝え、第2搬送部6に連結、支持されている吸引部3が上下するように構成されている。
【0019】
第1搬送部5は、収容部2よりも下方に配置されている。第1搬送部5は、搬送面5Sに載置された空袋1を搬送方向の下流側へ搬送する。
本実施形態では、第1搬送部5は、上下一対のベルトコンベア(51、52)等を有する。また、本実施形態では、下部ベルトコンベア51と上部ベルトコンベア52の長さが異なる。詳細には、下部ベルトコンベア51は、収容部2から引き抜かれた空袋1を受け止める必要があるため、ある程度の長さが必要である。
一方、上部ベルトコンベア52は、搬送方向下流側端部付近を回転中心として回動可能に構成されており、詳細には、搬送方向上流側端部が起立又は倒伏可能に構成されている。
上部ベルトコンベア52は、空袋1が収容部2から搬送面5Sに載置される場合、上部ベルトコンベア52が起立姿勢となるように制御装置10により制御される。
空袋1を搬送する場合、上部ベルトコンベア52が倒伏姿勢となるように制御装置10により制御され、下部ベルトコンベア51の搬送面5Sで受け止められた空袋1を、上部ベルトコンベア52と下部ベルトコンベア51とで挟持して、確実に空袋1を搬送することができる。上部ベルトコンベア52は、回動半径を考慮し、周囲の構成要素に対して邪魔にならない小型なベルトが望ましいため、下部ベルトコンベア51に比べ短いことが好ましい。
【0020】
なお、本実施形態では、下部ベルトコンベア51と上部ベルトコンベア52は、ベルト幅が同一であるが、下部ベルトコンベア51のベルトが太く、上部ベルトコンベア52のベルトが細いなど、長さだけでなくベルトの幅が異なっていてもよく、また、ベルトの太い・細いの関係は逆でもよい。
上記実施形態では、空袋1を搬送する手段としては、下部ベルトコンベア51と上部ベルトコンベア52を採用したが、この実施形態に限られるものではなく、それ以外の構成として、例えば、空袋を挟む構造を有する機構が進退することで、空袋を搬送するように構成されてもよい。
【0021】
第2搬送部6は、空袋1が第1搬送部5よりも下方に落下することを防止する機構であり、上面に搬送面Sを有する。第2搬送部6は、収容部2よりも下方に配置されている。
また、第2搬送部6は、複数の吸引部3と接続されており、上下動駆動部4により上下方向に移動可能に構成されている。
後述するように、本実施形態では、複数の吸引部3が隙間(=距離)をあけて、収容部2の下方に配置されている。吸引部3により引き抜いた空袋1がこの隙間に落下したり、他の機構に引っかからないように、第2搬送部6が設けられている。第2搬送部6を設けたことにより、上記吸引部3間の隙間が減り、空袋の落下面積を小さくすることができ、第1搬送部5による空袋の搬送の阻害となることなく、スムーズに空袋を搬送することができる。
また、第2搬送部6の端面は平面(=搬送面S)になっているため、引き抜かれた空袋1を保持し、かつ第1搬送部5による搬送を阻害しないように構成されている。また、第2搬送部6の端面を曲面形状にしたり、ローラー等を設けることで、空袋搬送時の搬送抵抗をさらに小さくすることができる。
【0022】
検出部16は、各種センサからなる。詳細には、検出部16は、例えば、収容部2から引き出した空袋の有り無し(第1搬送部の搬送面上における空袋の有り無し)を確認するためのセンサを有する。
例えば、このセンサを第1搬送部5の搬送面よりも下に設けた場合、メンテナンスが困難になる。本発明の実施形態では、メンテナンス性を考慮して、上記センサ(検出部16)は、第1搬送部5の搬送面よりも上方に設けられている。
また、収容部2から第1搬送部5の間は、空袋が移動する経路であるため、検出部を設けることができない。よって、本発明の実施形態では、図2に示すように、上記センサ(検出部16)は、収容部2よりも搬送方向下流側に配置されており、その位置から、第1搬送部5の搬送面に載置された空袋1を検出できるように、上記センサ(検出部16)の検出方向が斜めとなるように配置されている。上記センサ(検出部16)は、例えば、撮像装置であってもよいし、発光部及び受光部を備えた光学センサであってもよい。
検出部16は、検出結果に応じて、例えば空袋1の有無を示す検出信号を制御装置10に送信する。
制御装置10は、例えば、第1搬送部5により空袋1の搬送が失敗した場合、詳細には、検出部16により空袋が検出されない場合、第1搬送部5による空袋1の把持や、空袋の搬送動作を再度実行する。
また、制御装置10は、例えば、吸着部による吸引動作失敗時には、再度、空袋を吸引する動作を再度実行する。
【0023】
搬送装置7は、上下一対のベルトコンベア71,72等により構成され、第1搬送部5の搬送方向下流側に配置されており、空袋1の反り等を規制しながら搬送方向下流側へ搬送する。
【0024】
印字装置80は、制御装置10の制御により、商品情報などを印字したラベルを発行する。詳細には、印字装置80は、印字部81、切断部82等を有する。印字装置80には、ロール状の連続紙R(印刷媒体)が収容されている。
印字部81は、連続紙Rに商品情報などを印字する。切断部82は、印字された連続紙Rを所定の長さに切断し、枚葉状のラベルLを生成する。
【0025】
貼付装置90は、制御装置10の制御により、印字装置80で発行されたラベルを吸引し、かつ上下方向に進退可能に構成された貼付部91を有し、制御装置10の制御により、搬送装置7で搬送される空袋の所定位置へラベルを貼付する。また、貼付装置90の貼付部91は、吸着したラベルを水平面内で360°回転可能に構成されており、空袋へ貼付するラベルの貼付角度を調整することができる。
【0026】
貯留部RVは、搬送装置7の搬送方向下流側に配置され、ラベルLを貼付した空袋1が貯留する。なお、空袋の搬送に伴う摩擦により、静電気が発生し、帯電された電気量は貯留部で最も大きくなる傾向にあるため、搬送装置7と貯留部RVとの間に、イオナイザー(イオン発生装置)等の静電気等の発生を抑制する除電器が設けられている。除電器で除電を行い、帯電されていない状態で空袋を貯留することができる。なお、除電器はこの位置に限定されるものではなく、除電できれば、任意の位置に設置されていてもよい。
【0027】
制御装置10は、空袋供給装置100の各構成要素を統合的に制御する。制御装置10は、後述するように、例えば、タッチパネル式入力装置130、キーボード131、操作スイッチや操作ボタン132などの操作部13や、表示部14(タッチパネルの表示部等)、等を有する。
【0028】
図4に示すように、空袋供給装置100は、制御部11(CPU)、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、吸引部3(吸引手段)、上下動駆動部4、検出部16、搬送駆動部501、印字部81、切断部82、貼付部91、等を有する。上記各構成要素は、通信線等により接続されている。
【0029】
制御部11は、空袋供給装置100の各構成要素を統合的に制御する。制御部11は、制御プログラムを実行することにより、コンピュータとしての空袋供給装置100に本発明に係る機能を実現させる。
【0030】
記憶部12は、制御プログラムや、各種空袋情報、印字部81により印字される商品情報等の各種データを記憶する。空袋情報は、空袋の形状や、寸法、それに応じた制御に関するパラメーター、ラベル貼付位置などが関連付けて記憶する。また、空袋情報には、空袋に適した収容部の側壁の位置情報、吸引部の位置情報も記憶する。つまり、制御装置は、表示部等で空袋情報が呼び出された場合、搬送装置のベルトコンベア71、72や収容部2の側壁、吸引部3が、規定された位置へ自動で移動するよう制御する。
商品情報は、商品名や原材料名、バーコード、価格、販売者名、ロゴマークなどのイメージ図など、ラベルに記載される情報を関連付けて記憶する。
制御装置では、商品情報と空袋情報とを関連付けて記憶することもできるため、どちらか一方の情報を呼び出すことにより、他方の情報も自動的に呼び出すことが可能である。
また、記憶部12は、発行枚数をカウントするカウンタ、各種履歴などを有する。また、制御部11は、空袋供給装置に設けられた撮像装置と連動することで、ラベル貼付の有無や印字不良の有無を特定し、選別することができる。
【0031】
表示部14は、制御部11の制御により、空袋供給装置100を操作するための各種表示や、空袋供給装置100の現在の状態、ラベルに印字される商品情報等が表示される。
通信部15は、制御部11の制御により、管理装置等のコンピュータとデータ通信を行う。
【0032】
搬送駆動部501は、制御部11の制御により、第1搬送部5や搬送装置7等のモータ等を駆動する。
【0033】
上述した操作部13、吸引部3(吸引手段)、上下動駆動部4、検出部16、搬送駆動部501、印字部81、切断部82、貼付部91等については、説明を省略する。
【0034】
図5に示すように、本実施形態では、収容部2は、四角の筒形状部2Aを有し、筒形状部2Aの最下端に内側に向かって突出した突出部21(保持手段)を有する。突出部21は、収容部に収容された空袋を保持する。また、収容部2は、複数のパーツを有し、サイズや種類の異なる空袋に対応するように、側壁が移動自在に構成されている。
収容部2よりも下方には、図5に示すように、複数の吸引部3が配置されている。吸引部3は、例えば、筒形状部2Aの内側中央部の下方、及び、筒形状部2Aの内周の近傍の下方にそれぞれ配置されている。なお、突出部21は、吸引部3の近傍位置に形成されていることが好ましい。吸引部3を突出部21の近傍に設けることにより、収容部2の下方から空袋1を引き出す際の抵抗が比較的大きい場合であっても、この抵抗を超えて、吸引部3が空袋1を容易に引き出すことができる。
【0035】
収容部2の下方には、図5に示すように、上部ベルトコンベア52、下部ベルトコンベア51などの一対の第1搬送部5が設けられている。
また、筒形状部2Aの内側中央部付近の下方には、第2搬送部6が設けられている。この第2搬送部6は、空袋が第1搬送部5(第1搬送手段)よりも下方に落下することを防止する。詳細には、第2搬送部6は、搬送方向に延設された一対の長尺の部材61,61を有する。また、第2搬送部6は、収容部2の中央部の下方に配置された一対の吸引部3の間に、中央部材60を有する。この中央部材60、部材61,61の上面は、初期状態(待機状態)では、第1搬送部5と略同じ高さの搬送面S(摺動面)を有する。また、この中央部材60、部材61,61は、吸引部3と連結されており、吸引部3とともに上下動可能に構成されている。
【0036】
固定載置部511は、第1搬送部5と同じ高さの搬送面を有し、収容部2の内周部の内側の下方に、搬送方向に延設されている。
【0037】
第1搬送部5よりも搬送方向下流側には、搬送装置7が配置されており、この搬送装置7は、上下一対のベルトコンベア71、72等により構成されている。このベルトコンベア(71,72)は、水平面内で、搬送方向に直交する方向に所定距離だけ離れて配置されており、その間の中央部には、ベルトコンベア71,72の搬送面と同じ高さの搬送面部70が設けられている。
【0038】
次に、空袋供給装置100の動作の一例を、図6に示すフローチャート等を参照しながら説明する。
【0039】
ステップST1において、空袋供給装置100は待機状態である。詳細には、図7(a)に示すように、収容部2に複数の空袋1がセットされた状態で、積層された空袋1の上に錘25が配置される。待機状態(初期状態)、又は吸引動作完了状態では、吸引部3の上端部は、第1搬送部の下部ベルトコンベア51の搬送面5Sや、第2搬送部6の部材61の上端面(搬送面)と略同じ高さとなっている。また、待機状態(初期状態)では、第1搬送部5の上部ベルトコンベア52は起立状態である。
【0040】
ステップST2において、制御部11は、上下動駆動部4により、第2搬送部6の中央部材60、部材61,61及び吸引部3を上昇させる処理を行う
【0041】
ステップST3において、制御部11は、ステップST2の処理と同時に、負圧源30と吸引部3を連通状態とし、吸引部3で吸引を開始する処理を行う。
【0042】
ステップST4において、制御部11は、吸引部3を上昇位置(最上位置)で停止させる処理を行う。詳細には、図7(b)、図8(a)に示すように、吸引部3は、収容部2の突出部21よりも上方で、積層された空袋1の最下部の空袋1に接触する。また、第2搬送部6の中央部材60、部材61,61が、積層された空袋1を上方に押上げた状態で停止している。
図8(a)に示したように、吸引部3は、例えば、吸盤部分として、ゴム等の弾性体からなる弾性部31と、金属材料等からなる硬質の本体部32とを有し、その内部に、吸引経路となる貫通孔部3hが形成されている。弾性部31の上部には、吸引経路に接続された開口部が形成されている。
図8(b)に示すように、吸引部3の弾性部31は、空袋1に吸着すると吸引経路が真空状態又は負圧となり、変形し縮むように構成されている。吸引部3は、変形後の形状は決まっており、吸引部3の高さ方向(上下方向)に対して縮むように変形されるため、空袋を吸引の際に、空袋を下方へ容易に引き出すことができる。
【0043】
ステップST5において、制御部11は、吸引部3や第2搬送部6の部材61等により、空袋1を吸引・保持しているか否かを判別し、吸引・保持していると判別した場合、ステップST6の処理に進み、吸引・保持していない場合、吸引部3や第2搬送部6を上昇させる、又は吸引力を増加させる等して、ステップST5の処理を行う。
詳細には、吸引部3と負圧源30との間には、真空状態を検出するための検出部としてセンサ(不図示)が設けられており、制御部11は、そのセンサからの信号に基づいて、吸引部3が空袋1に接触し変形しているか否かを容易に判別することができる。
【0044】
ステップST6において、制御部11は、吸引部3を下降する制御を行う。詳細には、制御部11は、上記センサにより、各吸引部3が真空状態となったことを検出した場合、空袋1を吸引・保持できていると状態であると判断し、上下動駆動部4により吸引部3及び第2搬送部6の部材61,61、中央部材60等を下降させる処理を行う。
詳細には、図7(c)に示したように、吸引部3が最下端の1つの空袋のみを吸引した状態で、その空袋1の一部分を、第2搬送部6の搬送面Sよりも下方に移動させることにより、その空袋1を搬送面5Sに載置させる。
具体的には、第2搬送部6が吸引部3を支持し、上下動の駆動を伝えているため、非吸引状態では、吸引部3と第2搬送部6の搬送面Sとの位置関係は変わらないが、吸引部3が吸引状態(真空状態)になった時に、吸引部3が上下方向に収縮することで、吸引部3の上端部は、第2搬送部6の部材61の搬送面Sよりも下方に位置する。
吸引部3が吸引を停止した場合、吸引部3の上端部は、第1搬送部の下部ベルトコンベア51の搬送面5Sや、第2搬送部6の部材61の上端面(搬送面)と、略同じ高さとなる。
そして、空袋1が第1搬送部5の下部ベルトコンベア51、第2搬送部6上に載置される。
【0045】
ステップST7において、制御部11は、検出部16により空袋1を検出したか否かを判別し、検出している場合にステップST9の処理に進み、それ以外の場合にステップST8の処理に進む。詳細には、制御部11は、検出部16からの検出信号に基づいて、空袋1が収容部の底部から正しく引き抜かれ、第1搬送部5の下部ベルトコンベア51上に載置されているか否かを検出する。
【0046】
ステップST8において、制御部11は、空袋1が収容部の底部から正しく引き抜かれていない場合、吸引部3を上昇させる等のエラー処理を行い、ステップST4の処理に進む。
【0047】
ステップST9において、制御部11は、検出部16が空袋1を検出した場合、負圧源30による吸引部3の吸引を停止する処理を行い、負圧を解除する。
【0048】
ステップST10において、制御部11は、第1搬送部5の上部ベルトコンベア52を回動させて、第1搬送部5の上部ベルトコンベア52と下部ベルトコンベア51とで、下部ベルトコンベア51上の空袋1を挟持する処理を行う。
【0049】
ステップST11において、制御部11は、第1搬送部5の上部ベルトコンベア52と下部ベルトコンベア51とにより、空袋1を搬送方向下流へ搬送する。
【0050】
ステップST12において、制御部11は、検出部16からの信号に基づいて、検出部16が空袋1を検出しなくなるまで、第1搬送部5により空袋1を搬送し(ステップST11,ST12)、空袋1の搬送を完了したと判断した場合、ステップST13の処理に進む。
【0051】
ステップST13において、制御部11は、印字装置80(ラベル発行装置)により、ラベルを発行する処理を行い、ラベルを貼付装置90により、空袋1に貼付する処理を行う。
【0052】
ステップST14において、制御部11は、搬送装置7により、ラベル付き空袋を搬送する処理を行い、ステップST1の処理に進む。ラベル付き空袋は、貯留部RVに貯留される。
【0053】
なお、制御部11は、ステップST1~ST12と、ステップST13~ST14を、並行処理や並列処理により行ってもよい。
【0054】
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る空袋供給装置100は、積層された空袋1を収容し、下方に開口部2hを有する収容部2と、収容部2よりも下方に上下移動自在に配置され、収容部2に収容された空袋1を吸引する吸引手段(吸引部3)と、収容部2よりも下方に位置し、搬送面5Sに載置された空袋1を搬送する第1搬送手段(第1搬送部5)とを有する。空袋供給装置100の吸引手段(吸引部3)は、収容部2内に収容された空袋1のうち最下部の空袋1のみを吸引した状態で、第1搬送手段(第1搬送部5)の搬送面5Sよりも下方に空袋の一部分が位置するように移動する。
すなわち、積層された空袋1を下方から吸引し引き抜き、第1搬送手段(第1搬送部5)の搬送面5Sよりも下方に空袋1の一部分が位置するように移動させることで、確実に第1搬送手段(第1搬送部5)へ乗り移らせることができる。
【0055】
本発明の実施形態に係る空袋供給装置100による、収容部2の下から空袋1を引き抜く制御の利点について、収容部に収容された空袋を上から引き抜く制御(比較例)と比較して説明する。
積層された空袋を上から引き抜く場合(比較例)、空袋の積層高さに応じて引き抜き機構の高さを可変とする、もしくは空袋の収容部の高さ位置を可変にする必要がある。どちらかの高さを変更しないと、引き抜き機構と対象空袋との距離が処理枚数ごとに離れていくこととなる。
一方、本発明の実施形態に係る空袋供給装置100のように、収容部2の下から空袋1を引き抜く制御の場合、最下端の空袋1を引き抜き後、収容部内に積層されている空袋1が自重で収容部2の突出部21まで落下するため、引き抜き機構と引き抜き対象の空袋(最下端の空袋)との距離が常に一定であり、引き抜き機構又は収容部2の位置を可変とする必要がない。よって、本発明に係る空袋供給装置100では、上から引き抜く制御の場合(比較例)のような高さを調整する機構を備える必要がなく、装置サイズを小さくすることができる。
さらに、上から引き抜く制御の場合(比較例)では、一度に収容できる収容量を増やすとそれに応じて調整機構も大きくする必要があるが、本発明に係る空袋供給装置100のように収容部2の下から空袋1を引き抜く制御の場合、特別な調整機構を必要とせず、収容部2の側壁の高さを上方に伸ばすだけで収容量を増やすことができるため、コストメリットを大きくすることができる。
また、本発明に係る空袋供給装置100のように、収容部2の下から空袋1を引き抜く制御の場合、収容部に積層された空袋1の上面へいつでも追加の空袋1を積層することができる。つまり、本発明に係る空袋供給装置100では、空袋を上から引き抜く制御の場合(比較例)と異なり、引き抜き制御を一度止めなければ空袋を補充できない、というデメリットがない。
【0056】
また、本発明の実施形態に係る空袋供給装置100の収容部2は、空袋1を保持する保持手段(突出部21)を有する。詳細には、収容部2は、下方に開口部2h、上方に開口部hが形成された四角の筒形状部2Aを有し、筒形状部2Aの最下端に内側に向かって突出した突出部21を有する。具体的には、空袋を1枚吸引する際に、制御部11は、吸引手段(吸引部3)を、保持手段(突出部21)よりも上方まで上昇させ、積層された空袋1を押し上げるように、上下動駆動部4を駆動制御する。
つまり、吸引手段(吸引部3)は、保持手段(突出部21)よりも上方まで上昇させ、積層された空袋1を押し上げる。
例えば、収容部2の保持手段(突出部21)の長さ(内側への長さ)は、適宜設定することが好ましい。例えば、収容部2の保持手段(突出部21)が長い場合、収容部2に収容されている空袋が自然に落ちてくる可能性が低いが、空袋1を収容部2から引き出すときに抵抗となり、引き出し難い。また、収容部2の保持手段(突出部21)が短い場合、収容部2に収容されている空袋1を容易に引き出すことができる。ただし、当該空袋が自重で収容部から落ちてきてしまい、引き出し作業時以外に落下してくる可能性がある。
本発明の実施形態に係る空袋供給装置100は、最下端の空袋1を引き出す際に摩擦抵抗により、最下端から数えて2番目、又はそれ以上の空袋1の端部の一部分が、保持手段(突出部21)から外れた場合であって、吸引部3が、積層されている空袋の最下端の一枚を吸引する際に、吸引部3が上昇し、詳細には、吸引部3は最下端の一枚が保持されている位置(保持手段(突出部21)の位置)よりも上方まで上昇し、積層された空袋1の中央部付近を押し上げる。この積層された空袋1を押し上げることにより、保持手段(突出部21)から外れた空袋を、保持手段(ツメ)よりも上まで戻すことができる。
【0057】
空袋の押上げ処理の一例について説明する。
吸引部3の上昇量は、積層された空袋1の枚数や重量等に応じて可変としてもよい。詳細には、例えば、収容部2が空袋1を1000枚収容している場合、最下端の空袋には999枚分の重量が負荷として掛かるため、保持手段(突出部21)との掛かりが強く、保持手段から外れ自重で垂れてくる可能性が低くなる。つまり、収容部2において空袋の収容量が一定量以上の場合、吸引部3の上昇量は比較的小さくてもよく、吸引部3の最上位置は、保持手段の位置と同等又はそれ以下でもよい。
一方、収容量がある一定量(例えば100枚)を下回った場合、上記のような他空袋による重量が小さいため、最下端の空袋1への負荷が少なく、保持手段との掛かりが弱くなる。よって、空袋1が保持手段から外れる可能性が高くなり、自重で落下してくる可能性が上がる。この場合には、制御部11は、吸引部3の上昇量を大きくし、吸引部3を保持手段の位置よりも上まで移動させることが好ましい。
すなわち、上述した条件に応じて吸引部3の上昇量を変えるように、制御部11が制御することにより、単位時間当たりの処理能力を向上させることができ、生産量を上げることができる。
収容部2に収容されている空袋1の量を検出する方法としては、例えば、制御部11が処理した空袋の枚数をカウントする方法(収容部2にセットされた空袋の枚数と、処理した空袋の枚数から、収容部内の空袋の収容量を算出可能)、収容部2内に積層された空袋1の最上面の高さ(基準位置からの高さ)を距離センサで検出することで、空袋の収容量を検出する方法、撮像装置を使った画像認識などによって、収容部2内の空袋の収容量を検出する方法、などを挙げることができる。
【0058】
また、本発明の実施形態に係る空袋供給装置100は、収容部2に積層された空袋1を吸引部3で、保持手段(突出部21)よりも上方へ押し上げた後、積層された空袋1を保持手段(突出部21)の位置まで戻すことで、収容部2内に積層された空袋1の間に適度に空気が流入して、空気層が形成され、空袋と空袋の間の摩擦抵抗が低減し、最下端の1つの空袋を吸引状態で吸引部3をさらに下方へ移動させることにより、容易に最下端の1つの空袋のみを引き出すことができる。
【0059】
<保持手段と吸引手段の位置関係>
また、本発明の実施形態に係る空袋供給装置100では、保持手段(突出部21)と吸引手段(吸引部3)が対で設けられている。吸引部が保持部と対になるように配置されているので、保持手段(突出部21)で保持されている分だけ、空袋1を下方へ引きずり出す際の抵抗が大きく、この抵抗よりも強い力で容易に引く出すことができる。
【0060】
また、本発明の実施形態に係る空袋供給装置100は、空袋を搬送する第2搬送手段(第2搬送部6)と、吸引手段(吸引部3)と第2搬送手段(第2搬送部6)とを上下動させる移動手段(上下動駆動部4)を備える。第2搬送部6は、空袋が第1搬送手段よりも下方に落下することを防止する機構である。
すなわち、第2搬送部6により、空袋が第1搬送手段よりも下方に落下することを防止することができる。また、吸引手段(吸引部3)と第2搬送手段(第2搬送部6)が移動手段(上下動駆動部4)により上下動することにより、収容部2に収容された空袋を水平姿勢で確実に、第1搬送部5の搬送面に移動させることができる。
【0061】
また、本発明の実施形態に係る空袋供給装置100の吸引手段(吸引部3)は空袋1を吸引すると、その空袋1の形状が変形する。吸引手段によって吸引された空袋1は、変形を起こすため、隣り合った空袋との間に隙間ができ、確実な分離を促すことができる。すなわち、空袋を容易に一枚ずつ吸引することができる。
【0062】
また、本発明の実施形態に係る空袋供給装置100の吸引手段(吸引部3)は、ゴム(樹脂)などの弾性体により伸縮自在な形状に形成されており、空袋1を吸引した場合、当該吸引手段の形状が変形可能に構成されている。すなわち、吸引手段(吸引部3)の変形後の形状は決まっており、吸引手段の高さ方向に対して縮まるように変形されるため、空袋吸引の際に、空袋を下方へ容易に引き出すことができる。
【0063】
また、本発明の実施形態に係る貼付装置は、空袋供給装置100から供給される空袋の情報に基づくラベルを空袋に貼付する貼付手段(貼付部91)を有する。すなわち、簡単な構成で、効率よく、空袋に貼付可能な貼付装置を提供することができる。
【0064】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
また、上述の各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。
また、各図の記載内容はそれぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0065】
1…空袋(袋)
2…収容部
3…吸引部(吸引手段)
4…上下動駆動部
5…第1搬送部(第1搬送手段)
6…第2搬送部(上下動駆動部の上端面)
7…搬送装置
10…制御装置
11…制御部
12…記憶部
13…操作部
14…表示部
16…検出部
25…錘
30…負圧源
80…印字装置
90…貼付装置
100…空袋供給装置
RV…貯留部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8