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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】折り畳み収納ボックス
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/10 20060101AFI20220801BHJP
   B65D 6/18 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
A47F5/10 D
B65D6/18 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018127315
(22)【出願日】2018-07-04
(65)【公開番号】P2020005743
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】特許業務法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大澤 真一
(72)【発明者】
【氏名】平野 文勇
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-044948(JP,A)
【文献】特開2004-268972(JP,A)
【文献】特開平08-318939(JP,A)
【文献】実開昭59-043324(JP,U)
【文献】特開平02-045351(JP,A)
【文献】特開2001-130554(JP,A)
【文献】実公平05-013713(JP,Y2)
【文献】国際公開第90/012738(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0361982(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00- 5/16
B65D 6/00- 6/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
4つの辺部を有する底板と、
該底板の側端から起立する薄板状で内寸法高さがHの4つの第1小側板~第4小側板と、
該小側板の内側において回動自在にヒンジ結合され、起立することで、該小側板と協働で4つの大側板を形成する4つの第1中側板~第4中側板と、を備え、
対峙する第1中側板と第3中側板の第1ヒンジ結合は、対峙する第2中側板と第4中側板の第2ヒンジ結合より上方に位置し、第2中側板と第4中側板が折り畳まれ、その上に第1中側板と第3中側板が折り畳まれ、4つの中側板の折り畳み高さHは、該Hより小であり、
第1中側板~第4中側板が起立するボックス形状において、第2中側板及び第4中側板のそれぞれの両側端面は、第1中側板及び第3中側板の内側面に当接している折り畳み収納ボックスであって、
該第1小側板~第4小側板の内側面で、且つ高さ方向におけるヒンジ結合位置より上方において、横方向に適宜のピッチで複数の内側に突出した突起が形成され、
該底板の裏面には、高さH の脚部と該脚部の外側の係合凹部とで形成された段差を有し、
折り畳まれた4つの第1中側板~第4中側板の上には、高さH より大の高さH の隙間を有し、
折り畳み後の積み重ねにおいて、上方の収納ボックスの係合凹部と下方の収納ボックスの突起が当接して横方向の移動を規制し、上方の収納ボックスの小側板の下面と下方の収納ボックスの小側板の上面が当接し、最下の収納ボックスの底板を商品の載置部とする陳列台として使用可能なことを特徴とする折り畳み収納ボックス。
【請求項2】
第1中側板と第3中側板は側面視において厚みに段差があり、第1中側板と第3中側板が起立状態において、厚みが小の下部がそれぞれ第1小側板と第3小側板の内側面に当接し、厚みが大の上部がそれぞれ第1小側板と第3小側板の上方に位置することを特徴とする請求項1記載の折り畳み収納ボックス。
【請求項3】
第2中側板と第4中側板は側面視において厚みに段差があり、第2中側板と第4中側板が起立状態において、厚みが小の下部がそれぞれ第2小側板と第4小側板の内側面に当接し、厚みが大の上部がそれぞれ第2小側板と第4小側板の上方に位置することを特徴とする請求項記載の折り畳み収納ボックス。
【請求項4】
第1中側板と第3中側板は互いに同一形状であり、第2中側板と第4中側板は互いに同一形状であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の折り畳み収納ボックス。
【請求項5】
第1中側板と第3中側板の横方向長さは、第2中側板と第4中側板の横方向長さより小であることを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の折り畳み収納ボックス。
【請求項6】
第1中側板~第4中側板には、ボックス形状において、該突起に嵌る切欠部を形成したことを特徴とする請求項に記載の折り畳み収納ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、量販店、スーパーなどで使用される収納箱兼商品陳列台として好適な折り畳み収納ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
量販店、スーパーなどで使用される収納箱兼商品陳列台として使用する折り畳み収納ボックスとしては、種々のものが提案されている。
【0003】
特開2013-31547号公報には、陳列商品が載置される平面視が長方形の天板と、脚部を兼ねる対峙位置にある一対の小側板と脚部を兼ねる対峙位置にある一対の大側板の都合4つの側板とから構成されるプラスチック製の折り畳みボックス状の台であって、該天板と該4つの側板とは、それぞれ係合凹部及び係合凸部で係合され、該天板と該大側板の上下方向における係合位置は、該天板と該小側板の上下方向における係合位置より該天板側にあり、折り畳みは、該天板の裏面に該大側板が該天板に略平行となるように折り畳まれ、次いで該大側板に重ねて該小側板が該天板及び該大側板に略平行となるように折り畳まれるものであることを特徴とする収納箱兼用折り畳み商品陳列台が開示されている。図 は、折り畳み後の商品陳列台を示す。この本発明によれば、折り畳み構造であり、収納箱としても、また、前面開口が広い開口で、後方が囲み状の商品陳列台としても使用できる。
【0004】
一方、特開2013-31547号公報記載の折り畳み商品陳列台を、折り畳み状態として、これを数枚積み重ねて、商品陳列台として使用することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-31547号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような折り畳み状態として、これを数枚あるいは数十枚を積み重ねて、商品陳列台として使用する場合、折り畳まれた小側板間の隙間が見えてしまう。これでは、陳列する商品の商品イメージが悪くなり、陳列の演出としては好ましくない。また、特開2013-31547号公報記載の商品陳列台は、折り畳み後の積み重ねを想定しておらず、積み重ねると不安定となり、陳列台として使用はできない。そこで、折り畳み後の積み重ね安定性がよいこと、折り畳み状態で積み重ねられた陳列台としての使用の際、折り畳まれた小側板間の隙間が見えず、陳列の演出に悪影響しない折り畳み収納ボックスが望まれていた。
【0007】
従って、本発明の目的は、折り畳み後の積み重ね安定性がよく、折り畳み後、小側板間の隙間や大側板間の隙間が見えず、陳列の演出効果を高める折り畳み収納ボックスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明は、上記従来の課題を解決したものであって、4つの辺部を有する底板と、該底板の側端から起立する内寸法高さがH1の4つの第1小側板~第4小側板と、該小側板の内側において回動自在にヒンジ結合され、起立することで、該小側板と協働で4つの大側板を形成する4つの第1中側板~第4中側板と、を備え、対峙する第1中側板と第3中側板の第1ヒンジ結合は、対峙する第2中側板と第4中側板の第2ヒンジ結合より上方に位置し、第2中側板と第4中側板が折り畳まれ、その上に第1中側板と第3中側板が折り畳まれ、4つの中側板の折り畳み高さH2は、該H1より小であり、第1中側板~第4中側板が起立するボックス形状において、第2中側板及び第4中側板のそれぞれの両側端面は、第1中側板及び第3中側板の内側面に当接していることを特徴とする折り畳み収納ボックスを提供するものである。
【0009】
また、本発明は、第1中側板と第3中側板は側面視において厚みに段差があり、第1中側板と第3中側板が起立状態において、厚みが小の下部がそれぞれ第1小側板と第3小側板の内側面に当接し、厚みが大の上部がそれぞれ第1小側板と第3小側板の上方に位置することを特徴とする前記折り畳み収納ボックスを提供するものである。
【0010】
また、本発明は、第2中側板と第4中側板は側面視において厚みに段差があり、第2中側板と第4中側板が起立状態において、厚みが小の下部がそれぞれ第2小側板と第4小側板の内側面に当接し、厚みが大の上部がそれぞれ第2小側板と第4小側板の上方に位置することを特徴とする前記折り畳み収納ボックスを提供するものである。
【0011】
また、本発明は、第1中側板と第3中側板は互いに同一形状であり、第2中側板と第4中側板は互いに同一形状であることを特徴とする前記折り畳み収納ボックスを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、第1中側板と第3中側板の横方向長さは、第2中側板と第4中側板の横方向長さより小であることを特徴とする前記折り畳み収納ボックスを提供するものである。
【0013】
また、本発明は、第1小側板~第4小側板の内側面で、且つ高さ方向におけるヒンジ結合位置より上方において、横方向に適宜のピッチで複数の内側に突出した突起を形成したことを特徴とする前記折り畳み収納ボックスを提供するものである。
【0014】
また、本発明は、第1中側板~第4中側板には、ボックス形状において、該突起に嵌る切欠部を形成したことを特徴とする前記折り畳み収納ボックスを提供するものである。
【0015】
また、本発明は、底板の裏面には、折り畳み状態で積み重ねの際、第1小側板~第4小側板で囲まれる内側に嵌る高さH3の脚部が形成されていることを特徴とする前記折り畳み収納ボックスを提供するものである。
【0016】
また、本発明は、該H1は、(H2+H3)と同じ又は(H2+H3)より大であることを特徴とする前記折り畳み収納ボックスを提供するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、4つの中側板の折り畳み後、中側板の折り畳み高さは、小側板の内寸法高さより小となるため、中側板は小側板である枠体内に完全に収納される。このため、折り畳み体を複数個、積み重ねた商品陳列台は、小側板間の隙間や大側板間の隙間が見えず、陳列の演出効果を高めることができる。また、折り畳み後は、小側板で囲まれた枠体同士の積み重ねとなり、安定した積み重ね状態となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態における折り畳み収納ボックス(以下、単に「収納ボックス」と言う。)の斜視図である。
図2図1の収納ボックスを上下逆さにした斜視図である。
図3図1の収納ボックスの分解斜視図である。
図4図1の収納ボックスの対峙する第2と第4の中側板を折り畳んだ図である。
図5図1の収納ボックスの中側板を全て折り畳んだ図である。
図6図5の収納ボックスの折り畳み状態における一部の拡大平面図である。
図7図6において小側板及び底板から起立する起立部を塗りつぶすことで、中側板以外の部材を明確にした参考図である。
図8図4のX1-X1線に沿って切断した図である。
図9図4のX2-X2線に沿って切断した図である。
図10図1の収納ボックスの積み重ねを説明する図である。
図11図10の収納ボックスの積み重ね部分の断面図である。
図12図1の収納ボックスの陳列台としての使用例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施の形態における収納ボックスを図1図9を参照して説明する。収納ボックス10は、4つの辺部を有する略矩形状の底板15と、底板15の側端から起立する内寸法高さがH1の4つの第1小側板11、第2小側板12、第3小側板13、第4小側板14と、小側板11~14の内側においてそれぞれ回動自在にヒンジ結合され、起立することで、小側板11~14と協働で4つの大側板を形成する4つの第1中側板1、第2中側板2、第3中側板3、第4中側板4と、を備える。収納ボックス10において、第1小側板11と第3小側板13は同じ形状であり、第2小側板12と第4小側板14は同じ形状である。また、第1中側板1と第3中側板3は同じ形状であり、第2中側板2と第4中側板4は同じ形状である。
【0020】
収納ボックス10において、底板15の裏面は、大部分の下方へ突出する高さHの脚部153と縁部に形成された係合凹部152を備える。折り畳まれた収納ボックス10の係合凹部152が、下方の折り畳まれた収納ボックス10の小側板11~14の内側突起113、123、133、143に当接し、係合凹部152により形成された段差が、収納ボックスの横移動を規制するため、安定した積み重ね状態となる。収納ボックス10において、底板15の表面(上面)は、本例は平坦面であるが、折り畳まれる第2中側板と第4中側板が水平姿勢となる表面であればよく、脚部153の形状に沿った凹部を有する場合、凹部の端部コーナーに、第2中側板と第4中側板が当たり上げ底となる突起部材を形成してもよい。
【0021】
収納ボックス10において、対峙する第1中側板1と第3中側板3の第1ヒンジ結合111、131は、対峙する第2中側板と第4中側板の第2ヒンジ結合121、141より上方に位置し、第2中側板2と第4中側板4が折り畳まれ、その上に第1中側板1と第3中側板3が折り畳まれる。そして、4つの中側板1~4の折り畳み高さHは、小側板の内寸法高さHより小である(図11参照)。これにより、折り畳み状態において、4つの中側板1~4は、側面視において、小側板で形成される枠体内に隠れるように完全に収納される。なお、本例では、底板15には、高さHの脚部153が形成され、且つ折り畳まれた中側板1~4の上には、更に高さHより大の高さHの隙間が形成されている。このため、例えば、2つの収納ボックス10、10を積み重ねると、底板15の脚部153は、下方の折り畳まれた収納ボックス10内に埋没するため、収納ボックス10、10は、側面視において中側板などの中身が見えず、小側板11~14しか見えない。
【0022】
収納ボックス10において、第1小側板11と第1中側板1との関係について説明する。第1小側板11は薄板状であり、第1小側板11の内側で且つ少し離れた対峙位置には、第1小側板11の高さより低い高さの内壁112が形成されている。内壁112には、第1中側板1を回転自在に付設されるヒンジ結合部122のヒンジ軸111が、幅方向(横方向)に適宜のピッチで3箇所に付設されている。ヒンジ軸111の形成位置は、第1中側板1と第3中側板3を折り畳んだ際、折り畳まれた第2中側板2及び第4側板4上に、概ね隙間なく、好ましくはほとんど隙間なく重ねられる位置である。また、第1小側板11の内側面には、幅方向(横方向)に適宜の距離、離れた位置に、内側に突出すると共に高さが第1小側板11と同じ四角柱状の突起113、113が形成されている。四角柱状の突起113、113の内側面(外側面)と内壁112の内側面(外側面)は面一となっている。突起113は、折り畳まれた収納ボックス10が積み重ねられる際、上方の収納ボックス10の底板15に形成された係合凹部152に嵌る(当接する)ものである。これにより、上方の収納ボックス10の固定が安定する。内壁112の厚みは、第1中側板1が起立状態の際、内壁112の内側の面(外面)が、第1中側板1の内面と面一となるものが好ましい。これにより収納ボックス10をボックスとして使用する際、大側板の内壁面が平坦面となり、内容積が増す。第1小側板11は、ボックス形状において、側板(大側板)の一部を構成するものであり、折り畳み形状において、側板の全部を構成するものである。ヒンジ結合部122はヒンジ軸111と、ヒンジ軸111が嵌る切欠部孔が形成された結合突起体で構成される。
【0023】
第1中側板1は、第1小側板11より厚みが大である板状体であり、厚みが薄い下部11aと厚みが大の上部11が段差を形成して繋がっている。厚みが小の下部が第1小側板の内側面に当接し、厚みが大の上部が第1小側板の上方に位置する。下部11aには、幅方向(横方向)に適宜の距離、離れた位置に、下端から上方に切り欠かれた四角柱状の突起113に対応する切欠部133、133が形成されている。また、下部11aの下端には、幅方向(横方向)に適宜の距離、離れた位置に、ヒンジ軸111に係止するヒンジ結合部122が形成されている。第1中側板1は、ヒンジ結合部122がヒンジ軸111に回動自在に係止され、起立状態において、上部11と下部11aの境界である段差が第1小側板11の上面に載ると共に、第1小側板11と第1中側板1と協働で大側板を形成する。この大側板は、第1小側板11の外面と第1中側板1の外面が面一となるため、ボックス使用においては、ひとつの側板のような印象を与える。本例では、第1小側板11の横方向長さと、第1中側板1の横方向長さは同じである。なお、収納ボックス10において、第1小側板11及び第1中側板1と対峙する第3小側板13及び第3中側板3は、第1小側板11及び第1中側板1の関係と同じであり、その説明を省略する。
【0024】
収納ボックス10において、第4小側板14と第4中側板4との関係について説明する。第4小側板14と第4中側板4において、第1小側板11と第1中側板1と異なる点は、横方向長さが共に長い点、横方向長さが長いために、ヒンジ軸141の設置数を1つ多い4つとした点、第4小側板14の内壁142の高さが第1小側板11の内壁112の高さより低い点である。
【0025】
すなわち、収納ボックス10において、第4小側板14は薄板状であり、第4小側板14の内側で且つ少し離れた対峙位置には、第4小側板14の高さより低く、且つ第1小側板11の内壁112より低い高さの内壁142が形成されている。内壁142には、第4中側板4を回転自在に付設されるヒンジ結合部42のヒンジ軸141が、幅方向(横方向)に適宜のピッチで4箇所に付設されている。ヒンジ軸141の形成位置は、折り畳んだ第4中側板4が底板15上に略水平状態に横たわるような位置である。また、第4小側板14の内側面には、幅方向(横方向)に適宜の距離、離れた位置に、内側に突出すると共に高さが第4小側板14と同じ四角柱状の突起143、143が形成されている。四角柱状の突起143、143の内側面(外側面)と内壁142の内側面(外側面)は面一となっている。突起143は、折り畳まれた収納ボックス10が積み重ねられる際、上方の収納ボックス10の底板15に形成された係合凹部152に嵌る(当接する)ものである。これにより、上方の収納ボックス10の固定が安定する。内壁142の厚みは、第4中側板4が起立状態の際、内壁142の内側の面(外面)が、第4中側板4の内面(外面)と面一となるものが好ましい。これにより収納ボックス10をボックスとして使用する際、大側板の内壁が平坦面となり、内容積が増す。第4小側板14は、ボックス形状において、側板(大側板)の一部を構成するものであり、折り畳み形状において、側板の全部を構成するものである。
【0026】
第4中側板4は、第4小側板14より厚みが大である板状体であり、厚みが薄い下部41aと厚みが大の上部41が段差を形成して繋がっている。厚みが小の下部が第4小側板の内側面に当接し、厚みが大の上部が第4小側板の上方に位置する。下部41aには、幅方向(横方向)に適宜の距離、離れた位置に、下端から上方に切り欠かれた四角柱状の突起143に対応する切欠部43、43が形成されている。また、下部41aの下端には、幅方向(横方向)に適宜の距離、離れた位置に、ヒンジ軸141に係止するヒンジ結合部42が形成されている。第4中側板4は、ヒンジ結合部42がヒンジ軸141に回動自在に係止され、起立状態において、上部41と下部41aの境界である段差が第4小側板14の上面に載ると共に、第4小側板14と第4中側板4と協働で大側板を形成する。この大側板は、第4小側板14の外面と第4中側板4の外面が面一となるため、ボックス使用においては、ひとつの側板のような印象を与える。なお、第1小側板11と第4小側板14の接続部(コーナー部)は、段差構造となっている。すなわち、第4小側板14の両端部は、内側に折れて段差となっており、第4中側板4の横方向長さは、第4小側板14の段差までの横方向長さと同じである。第1小側板11と第4小側板14の接続部(コーナー部)を、段差構造とすることにより、第1中側板1~第4中側板4が起立状態のボックス形状となったとき、第1小側板11~第4小側板14で形成される外面と第1中側板1~第4中側板4で形成される外面が面一となり、意匠性が優れたものとなる。なお、収納ボックス10において、第4小側板14及び第4中側板4と対峙する第2小側板12及び第2中側板2は、第4小側板14及び第4中側板4の関係と同じであり、その説明を省略する。
【0027】
収納ボックス10において、底板15と第1小側板11~第4小側板14は一体ものである。このため、この一体ものに対して、4つの第1中側板1~第4中側板4を取り付ければ、収納ボックス10が得られる。取り付け方法は、ヒンジ軸に第1中側板1~第4中側板4の結合突起体を係止してヒンジ結合部を形成すればよい。
【0028】
収納ボックス10において、ボックス使用する場合、第1中側板1~第4中側板4を起立させる(図1参照)。起立順序は、第1中側板1及び第3中側板3を起立させ、その後、第2中側板2及び第4中側板4を起立させる。その際、第2中側板2及び第4中側板4のそれぞれの両側端面は、第1中側板1及び第3中側板3の内側面(中側板の内側面)に当接している。これにより、第1中側板1及び第3中側板3は、内側に折り畳めない。第1中側板1~第4中側板4の起立状態において、第1小側板11~第4小側板14に形成された柱状の突起部113等は、第1中側板1~第4中側板4の切欠部133等に嵌っている。なお、第2中側板2又は第4中側板4には、この状態から折り畳めないロック機構を有するものが好ましい。ロック機構としては、例えば、第2中側板2及び第4中側板4の両端面に、弾性体により出没自在に埋め込まれたピンまたはボールを付設し、第1中側板1及び第3中側板2の対応する内側の面には、ピンまたはボールと嵌る係止孔を形成したものが挙げられる(不図示)。なお、第1中側板1~第4中側板4は、下部11a~14aが第1小側板11~第4小側板14の内側に位置しており、外側に倒れることはない。
【0029】
ボックス状態の収納ボックス10は、上面が開口のボックスであり、第1小側板11~第4小側板14と第1中側板1~第4中側板4は、外側の面及び内側の面はそれぞれ面一であり、一体の側板を形成しているように見えるため、意匠性を保持しており、また、内面に凹凸がないため、使い勝手がよい。なお、ボックス状態の収納ボックス10は、図2のように、上下逆さとして、陳列台として使用してもよい。
【0030】
次に、収納ボックス10を折り畳んで、複数台を積み重ね、陳列台として使用する方法について説明する。ボックス状態の収納ボックス10において、第2中側板2及び第4中側板4を内側に折り畳む(図4参照)。この際、第2中側板2及び第4中側板4は、底板15上に水平姿勢で折り畳まれる。次いで、第1中側板1及び第3中側板3を内側に折り畳む(図5参照)。この際、第2中側板2及び第4中側板4は、折り畳まれた第1中側板1及び第3中側板3上に隙間なく、水平姿勢で折り畳まれる。収納ボックス10において、4つの中側板1~4の折り畳み高さH2は、小側板の内寸法高さH1より小である(図11参照)。また、これにより、折り畳み状態において、4つの中側板1~4は、側面視において、小側板で形成される枠体内に隠れるように完全に収納される。また、底板15の脚部153の高さH3は、折り畳まれた中側板1~4の上の隙間H4より小であり、底板15の脚部153が、小側板の中に入り込んだ積み重ね収納が可能となる。
【0031】
折り畳んだ収納ボックス10を複数個、準備し、これを積み重ねて陳列台20として、使用することができる(図11及び図12)。収納ボックス10の陳列台20としての使用によれば、小側板で囲まれた枠体の積み重ねと同じであり、上方の小側板で囲まれた枠体の下面と、下方の小側板で囲まれた枠体の上面とが当接するため、側面視において、隙間は存在しない。このため、陳列の演出効果を高めることができる。また、折り畳み収納ボックス10内の上方には、隙間H4が形成されており、展示用垂れ幕、ピン類などの小物を外部から見えないように、収納することができる。
【0032】
本発明は、上記実施の形態例に限定されず、種々の変形を採ることができる。例えば、第1小側板~第4小側板で形成される四隅の角部の段差はなくてもよい。この場合、ボックス形状において、第1小側板~第4小側板で形成される四隅に隙間ができるものの、折り畳み後の積み重ねにおいては、最上部の収納ボックスを除いて、この隙間は隠される。また、収納ボックスにおいて、柱状の突起部の形状や数、ヒンジの形式や数などは適宜決定すればよい。また、収納ボックスにおいて、底板の裏面の脚部はなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明によれば、収納ボックスとしての使用、折り畳んだ収納ボックスの複数個を使用して陳列台としての使用が可能となる。折り畳み後は、中側板が小側板である枠体内に完全に収納されるため、側板間の隙間が見えず、陳列の演出効果を高めることができる。また、小側板で形成される枠体同士の積み重ねとなるため、安定して積み重ね状態となる。
【符号の説明】
【0034】
1 第1中側板
2 第2中側板
3 第3中側板
4 第4中側板
10 収納ボックス
11 第1小側板
12 第2小側板
13 第3小側板
14 第4小側板
15 底板
20 陳列台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12