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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】貼合機
(51)【国際特許分類】
   B65H 37/02 20060101AFI20220801BHJP
   B31D 1/00 20170101ALI20220801BHJP
   B65H 5/12 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
B65H37/02
B31D1/00
B65H5/12 B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018158659
(22)【出願日】2018-08-27
(65)【公開番号】P2020033118
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】511016316
【氏名又は名称】株式会社メタルクリエイション
(74)【代理人】
【識別番号】100126310
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】二上 隆
【審査官】大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-239592(JP,A)
【文献】特公昭48-000855(JP,B1)
【文献】実開昭52-072559(JP,U)
【文献】特開平05-016374(JP,A)
【文献】実開昭51-042864(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 5/08- 5/22
B65H 37/00-37/06
B31D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定寸法に裁断され裏面に糊付けされた表紙を吸着ドラムに供給して吸着保持させ、前記吸着ドラムの回転に伴って、所定寸法に裁断された台紙に表紙の裏面を重ね合わせて粘着させる貼合機において、
前記吸着ドラムは、表紙を真空吸着して保持する吸着体が外周の一部に軸心方向に沿って配設され、
前記吸着体は、表紙の縁部が当接される吸着面と前記吸着面の一部が上面より凹設されて表紙が当接されない溝部とが設けられ、前記吸着面に表紙の縁部が当接された状態で前記溝部の上方に表紙の縁端が位置するように配設される、
ことを特徴とする貼合機。
【請求項2】
前記吸着体は、前記吸着面に複数の吸引孔が穿設され、前記溝部が前記吸引孔より前記吸着ドラムの回転方向に対して前方位置に形成される請求項1に記載の貼合機。
【請求項3】
前記吸着体は、前記溝部が断面V字状に形成される請求項1又は請求項2に記載の貼合機。
【請求項4】
前記吸着体は、前記溝部が軸心方向に沿って線状に延出される請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の貼合機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼合機の技術に関し、より詳細には、所定寸法に裁断され裏面に糊付けされた表紙を吸着ドラムに供給して吸着保持させ、吸着ドラムの回転に伴って、所定寸法に裁断された台紙に表紙の裏面を重ね合わせて粘着させる貼合機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷紙やシート等の表紙とボール紙やダンボール紙等の台紙とを重ね合わせて粘着させる貼合機の構成が公知である。従来の貼合機としては、例えば、特許文献1に開示されるように、所定寸法に裁断され裏面に糊付けされた表紙を吸着ドラムに供給して吸着保持させ、吸着ドラムの回転に伴って、所定寸法に裁断された台紙に表紙の裏面を重ね合わせて粘着させる構成が知られている。
【0003】
この種の従来の貼合機では、吸着ドラムの外周の一部に軸心方向に沿って吸引孔が穿設されており、吸着ドラムの内部が負圧状態になることで、吸引孔を介して吸着ドラムの周面(吸着面)に表紙が真空吸着されるように構成されている。貼合工程において、吸着ドラムに吸着保持された状態で表紙が一方向に回転送給され、別途供給される台紙に表紙が粘着されると同時に、吸着ドラムの負圧状態が解除されて吸着ドラムの周面(吸着面)より表紙が剥離されることで貼合紙が得られる。
【0004】
しかしながら、上述した従来の貼合機の構成では、吸着ドラムに供給される表紙には別途設けられた糊付けローラにて糊が転写(糊付け)されており、貼合工程において、糊付けされた表紙が吸着ドラムに当接する際や、表紙の縁端より余剰の糊が漏出したりすることで、吸着ドラムの周面に糊が付着する場合があるが、従来の吸着ドラムの構成では、吸着ドラムの周面でも特に表紙の縁部が当接する箇所の近傍で糊溜りが生じ易く、その結果、表紙の表面側にも糊が付着する等して、得られる貼合紙の見栄えが悪く仕上がり品質に劣るという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実公昭56-39627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明では、貼合機に関し、前記従来の課題を解決するもので、簡易な構成で見栄えよく高品質の貼合紙を得ることができる貼合機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、請求項1においては、所定寸法に裁断され裏面に糊付けされた表紙を吸着ドラムに供給して吸着保持させ、前記吸着ドラムの回転に伴って、所定寸法に裁断された台紙に表紙の裏面を重ね合わせて粘着させる貼合機において、前記吸着ドラムは、表紙を真空吸着して保持する吸着体が外周の一部に軸心方向に沿って配設され、前記吸着体は、表紙の縁部が当接される吸着面と前記吸着面の一部が上面より凹設されて表紙が当接されない溝部とが設けられ、前記吸着面に表紙の縁部が当接された状態で前記溝部の上方に表紙の縁端が位置するように配設されるものである。
【0009】
請求項2においては、前記吸着体は、前記吸着面に複数の吸引孔が穿設され、前記溝部が前記吸引孔より前記吸着ドラムの回転方向に対して前方位置に形成されるものである。
【0011】
請求項3においては、前記吸着体は、前記溝部が断面V字状に形成されるものである。
【0012】
請求項4においては、前記吸着体は、前記溝部が軸心方向に沿って線状に延出されるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、簡易な構成で見栄えよく高品質の貼合紙を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施例に係る貼合機の全体的な構成を示した側面図である。
図2】吸着ドラム部、糊付部及び貼合部の側面図である。
図3】吸着ドラムの平面図である。
図4】吸着ドラムの一部拡大断面図である。
図5】本実施例の貼合機による貼合工程を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、発明を実施するための形態を説明する。なお、以下の実施例においては、図1において矢印X方向を前後方向、及び矢印Y方向を上下方向とし、図3において矢印Z方向を左右方向とする。
【0016】
まず、本実施例の貼合機1の全体構成について、以下に概説する。
図1に示すように、本実施例の貼合機1は、印刷紙やシート等の厚さが比較的薄い表紙Aと、ボール紙や段ボール紙等の厚さが比較的厚い台紙Bとを重ね合わせて粘着させる貼合機として構成されており、具体的には、所定寸法に裁断された表紙Aを一枚ずつ所定のタイミングで供給する表紙供給部2と、表紙供給部2より供給された表紙Aの裏面に糊付する糊付部3と、糊付部3にて糊付けされた表紙Aを吸着ドラム40に吸着保持して一方向に回転送給する吸着ドラム部4と、所定寸法に裁断された台紙Bを一枚ずつ所定のタイミングで供給する台紙供給部5と、台紙供給部5より供給された台紙Bに吸着ドラム部4にて吸着されつつ回転送給された表紙Aの裏面を重ね合わせて貼着させる貼合部6等とで構成されている。
【0017】
表紙供給部2は、装置最後方位置であって、後述する吸着ドラム部4の後下方位置に配設され、表面を上にして多数積層された表紙Aのうち、最上位の表紙Aを搬送方向下流側(図1において紙面右側から紙面左側)に供給するものである。本実施例の表紙供給部2は、後端規定方式を採用した構成となっており、具体的には、前後方向に沿って配設され図示せぬ供給装置より一枚ずつ供給された表紙Aが載置される支持フレーム20と、支持フレーム20に載置された表紙Aを押送する搬送コンベア21と、搬送コンベア21の後方位置に配設され表紙Aを上方より押圧する押えローラ22と、搬送コンベア21の前方位置に配設され後述する糊付部3に表紙Aを送給する送り出しローラ23等とが設けられている。
【0018】
支持フレーム20は、長尺状の複数のフレーム部材より構成され、左右方向に所定の離間を有して前後方向に延設されている。搬送コンベア21は、前後方向に沿って回転可能に張設されたチェーンコンベアとして構成されており、前後方向に水平となるように配設されたローラ24・24及びスプロケット25・25に無端状に巻回されている。搬送コンベア21は、表紙Aの送り爪26が支持フレーム20の載置面より突出するように配設されており、搬送コンベア21の回転に伴って送り爪26が移動されることで、送り爪26に押されて表紙Aが搬送方向下流側へと送られる。
【0019】
図1及び図2に示すように、糊付部3は、後述する吸着ドラム部4の前下方位置(図1において左側下位)に配設され、表紙供給部2より供給された表紙Aの裏面に糊付するものであり、具体的には、紙表紙供給部2より上下二枚のガイド板30・30を介して供給された表紙Aに接触して糊を転写する糊付けローラ31と、糊付けローラ31に対して遠近可能に配設され糊付けローラ31の表面(糊面)に糊を塗布する糊塗布ローラ32と、糊付けローラ31の糊面から表紙Aを剥離する剥離爪33等とが設けられている。
【0020】
糊付けローラ31は、表面(糊面)に糊が全面に渡って塗布されており、ガイド板30・30を介して供給された表紙Aは、糊付けローラ31の糊面に裏面が当接されて糊が転写されながら糊付けローラ31の回転に伴って送り出される。剥離爪33は、糊付けローラ31の上方位置に配設されており、糊付けローラ31の回転に伴って送り出された表紙Aは、やがて剥離爪33に当接して糊付けローラ31より剥離され、糊付けローラ31と連動する吸着ドラム40へと送り出される。
【0021】
糊付けローラ31及び糊塗布ローラ32の上方位置には、図示せぬ糊タンクに接続された糊供給管34の吐出口が配設されており、糊供給管34を介して一定量の糊が糊塗布ローラ32に供給され、糊塗布ローラ32が糊付けローラ31に近接して相互に逆回転されることで、糊塗布ローラ32を介して糊付けローラ31の表面(糊面)に均等圧で糊が塗布される。なお、余剰の糊は、糊付けローラ31及び糊塗布ローラ32より落下して図示せぬ受け皿を介して糊タンクに還流される。
【0022】
図1乃至図4に示すように、吸着ドラム部4は、装置略中央位置に配設され、表紙Aを吸着保持した状態で一方向に回転送給するものであり、具体的には、回転可能に枢支された吸着ドラム40と、吸着ドラム40の外周の一部に軸心方向に沿って配設され表紙Aを真空吸着して保持する吸着体41等とが設けられている。吸着ドラム40は、左右方向に配設された横軸42に枢支され、右方向(図1及び図2において時計回り)に回転可能とされている。また、吸着ドラム40は、外周の一部に軸心方向に沿って取付溝40aが形成されており、取付溝40aに吸着体41が嵌設されている。
【0023】
吸着体41は、断面視略矩形の長板状部材より形成され、吸着ドラム40の取付溝40aに嵌設された状態で、上面が吸着ドラム40の軸方向から見たときに曲率半径が等しくかつ曲率中心が共通の円弧状をなす凸曲面状に形成されている。吸着体41は、上面に表紙Aの縁部が当接される吸着面41aが形成されており、複数の吸引孔43・43・・・が穿設されるとともに、吸着面41aの一部が上面より凹設されて表紙Aが当接されない溝部41bが設けられている。
【0024】
吸引孔43は、吸着体41の軸心方向に沿って所定の離間を有するように二列に配設され(図3参照)、吸着体41の上面(吸着面41a)から裏面方向に至るまで貫通して穿設され、吸着面41aに開口されている。本実施例の吸着ドラム部4は、吸着ドラム40内に真空室40bが設けられており、吸着面41aに表紙Aが当接された状態で、機外の図示せぬ真空ポンプが作動されて真空室40bが負圧状態にされることで、吸引孔43・43・・・を介して吸着面41aに表紙Aが真空吸着される。
【0025】
溝部41bは、吸着体41の上面より断面V字状となるように凹設されて形成され、軸心方向に沿って線状に延出されている(図3参照)。溝部41bは、吸引孔43・43・・・より吸着ドラム4の回転方向に対して前方位置(図4において右側位置)に形成され、吸着面41aに表紙Aの縁部が当接された状態で、溝部41bの上方に表紙Aの縁端が位置するように配設されている。より詳細には、溝部41bの配置構成としては、溝部41bの上方空間が表紙Aにて覆われるのではなく、一部が開放されるようにして、溝部41bの上方の中間位置に表紙Aの縁端が位置されるように配設される。
【0026】
図1に戻って、台紙供給部5は、装置最前方位置であって、吸着ドラム部4の前上方位置に配設され、表面を下にして多数積層された台紙Bのうち、最上位の台紙Bを搬送方向下流側(図1において紙面左側から紙面右側)に供給するものである。本実施例の台紙供給部5は、上述した表紙供給部2と略同様に後端規定方式を採用した構成となっており、具体的には、前後方向に沿って配設され図示せぬ供給装置より一枚ずつ供給された台紙Bが載置される支持フレーム50と、支持フレーム50に載置された台紙Bを押送する搬送コンベア51と、搬送コンベア51の前方位置に配設され台紙Bを上方から押圧する押えローラ52と、搬送コンベア51の後方位置に配設され貼合部6に台紙Bを送給する送り出しローラ53等とが設けられている。
【0027】
支持フレーム50は、長尺状の複数のフレーム部材より構成され、左右方向に所定の離間を有して前後方向に延設されている。搬送コンベア51は、装置前後方向に沿って回転可能に張設されたチェーンコンベアとして構成されており、前後方向に水平となるように配設されたローラ54・54及びスプロケット55・55に無端状に巻回されている。搬送コンベア51は、台紙Bの送り爪56が支持フレーム50の載置面より突出するように配設されており、搬送コンベア51の回転に伴って送り爪56が移動されることで、送り爪56に押されて台紙Bが搬送方向下流側へと送られる。
【0028】
貼合部6は、吸着ドラム部4の上方位置に配設され、台紙供給部5より供給された台紙Bに吸着ドラム部4(の吸着ドラム40)に吸着保持された表紙Aの裏面を重ね合わせて粘着させるものであり、具体的には、上述した吸着ドラム部4の上方位置に配設された貼合ローラ60と、貼合ローラ60にて貼合された貼合紙Cを転圧しながら装置後方へと送り出すプレスローラ61・61等とが設けられている。
【0029】
貼合ローラ60は、吸着ドラム部4の直上方位置に配設され、台紙供給部5より供給された台紙Bに吸着ドラム40にて回転送給された表紙Aを重ね合わせた状態で吸着ドラム40の外周に押し付けるようにして転動される。上述したように、表紙Aは糊付けされた裏面を上向きにして吸着ドラム40に保持されているため、貼合ローラ60の押圧力にて表紙Aと表紙Bが粘着される。プレスローラ61・61は、吸着ドラム部4の後上方位置に配設され、粘着された表紙A及び台紙Bがさらに転圧されて所定の貼合紙Cとされる。
【0030】
なお、プレスローラ61・61にて転圧された貼合紙Cは、装置後方位置に配設された搬出部7へと送り出され、搬送コンベア70に載置されて機外に搬出される。
【0031】
次に、本実施例の貼合機1による貼合工程について、以下に詳述する。
図5に示すように、本実施例の貼合機1では、表紙供給部2にて図示せぬ供給装置より表紙Aが供給されて支持フレーム20上に一枚ずつ載置され、搬送コンベア21の回転に伴って送り爪26にて表紙Aが押されて支持フレーム20上を搬送方向下流側へと送られて、送り出しローラ23にて糊付部3に供給される(図5(a))。
【0032】
糊付部3では、表紙供給部2より供給された表紙Aが、ガイド板30・30を介して糊付けローラ31の糊面に当接され、裏面に糊が転写されながら糊付けローラ31の回転に伴って送り出され、やがて剥離爪33に当接して糊付けローラ31より剥離されて、糊付けローラ31と連動する吸着ドラム部4へと送り出される(図5(b))。
【0033】
吸着ドラム部4では、表紙供給部2(糊付部3)の表紙Aの送給速度と吸着ドラム40の周速度とが同調されており、吸着ドラム4の吸着体41が吸着位置P1に位置された状態で、剥離爪33にて糊付けローラ31より剥離された表紙Aが、吸着ドラム4の溝部41bの上方に縁端が位置するようにして縁部が吸着面41aに当接される(図5(b))。このとき吸着ドラム40では、真空室40bが負圧状態に切り換えられて、吸引孔43・43・・・を介して吸着面41aに表紙Aが真空吸着される。そして、真空室40bの負圧状態が維持されたまま、吸着ドラム40の回転に伴って表紙Aが吸着ドラム40の周面に当接しながら回転送給されて貼合部6へと送られる(図5(c))。
【0034】
他方、台紙供給部5では、図示せぬ供給装置より台紙Bが供給されて支持フレーム50上に一枚ずつ載置され、搬送コンベア51の回転に伴って送り爪56にて台紙Bが押されて支持フレーム50上を搬送方向下流側へと送られて、送り出しローラ53にて貼合部6に供給される(図5(a))。
【0035】
貼合部6では、台紙供給部5の台紙Bの送給速度と吸着ドラム40の周速度とが同調されており、吸着ドラム40の吸着体41が貼合位置P2に到達されると、台紙供給部5より供給された台紙Bに表紙Aの裏面が丁度重ね合わされた状態で、貼合ローラ60にて吸着ドラム40の外周に押し付けられて粘着される。このとき吸着ドラム40では、真空室40bの負圧状態が解除されて吸着面41aより表紙Aが剥離され、台紙Bとともにプレスローラ61・61にて転圧された後、貼合紙Cとして搬出部7より機外に搬出される(図5(d))。
【0036】
以上のように、本実施例の貼合機1は、所定寸法に裁断され裏面に糊付けされた表紙Aを吸着ドラム40に供給して吸着保持させ、吸着ドラム40の回転に伴って、所定寸法に裁断された台紙Bに表紙Aの裏面を重ね合わせて粘着させる貼合機1において、吸着ドラム40は、表紙Aを真空吸着して保持する吸着体41が外周の一部に軸心方向に沿って配設され、吸着体41は、表紙Aの縁部が当接される吸着面41aと、吸着面41aの一部が上面より凹設されて表紙Aが当接されない溝部41bと、が設けられるため、簡易な構成で見栄えよく高品質の貼合紙Cを得ることができるのである。
【0037】
すなわち、本実施例の貼合機1は、吸着ドラム40に配設される吸着体41に溝部41bが設けられ、吸着面41aの一部に表紙Aの縁部が当接されない箇所が設けられているため、貼合工程において、糊付けされた表紙Aが吸着ドラム40の吸着体41に当接する際や、表紙Aの縁端より余剰の糊が漏出したりすることで、吸着体41の吸着面41bに糊が付着する場合であっても、溝部41bが糊の排溝として作用して、特に吸着面41bの内、表紙Aの縁部が当接する箇所の近傍で糊溜りが生じるのを防ぎ、表紙Aの表面側に糊が付着したりすることがなく仕上がり品質のよい貼合紙Cを得ることができる。
【0038】
特に、本実施例の吸着体41は、吸着面41aに複数の吸引孔43・43・・・が穿設され、溝部41bが吸引孔43より吸着ドラム40の回転方向に対して前方位置に形成されるため、表紙Aの縁部を溝部41bに位置させつつ、吸引孔43を介して吸着体41に表紙Aを確実に吸着保持させることができる。
【0039】
また、本実施例の吸着体41は、吸着面41aに表紙Aの縁部が当接された状態で、溝部41bの上方に表紙Aの縁端が位置するように配設されるため、表紙Aが吸着ドラム40の吸着体41に当接する際に付着する糊や、表紙Aの縁端より漏出する余剰の糊を溝部41bに排出して、糊溜りが生じるのを効果的に防ぐことができる。
【0040】
また、本実施例の吸着体41は、溝部41bが断面V字状に形成されるため、紙Aが吸着ドラム40の吸着体41に当接する際に付着する糊や、表紙Aの縁端より漏出する余剰の糊を溝部41bに排出して、糊溜りが生じるのを効果的に防ぐことができる。
【0041】
また、本実施例の吸着体41は、溝部41bが軸心方向に沿って線状に延出されるため、紙Aが吸着ドラム40の吸着体41に当接する際に付着する糊や、表紙Aの縁端より漏出する余剰の糊を溝部41bに排出して、糊溜りが生じるのを効果的に防ぐことができる。
【0042】
なお、貼合機1の構成としては、上述した実施例に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0043】
すなわち、上述した実施例の貼合機1では、表紙供給部2及び台紙供給部5のいずれも後端規定方式を採用した構成について説明したが、かかる表紙供給部2及び台紙供給部5の構成はこれに限定されず、例えば、いずれか一方又は両方が前端規定方式を採用した構成としてもよい。
【0044】
また、上述した実施例では、表紙供給部2及び台紙供給部5の配置構成として、吸着ドラム部4を境にして表紙供給部2を下位に配置し、台紙供給部5を上位に配置する構成について説明したが、これに限定されず、例えば、これらを逆にしてもよい。
【0045】
また、上述した実施例では、糊付部3において剥離爪33にて表紙Aを糊付けローラ31より剥離する構成について説明したが、糊付部3の構成はこれに限定されず、必ずしも剥離爪33が設けられなくてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1 貼合機
2 表紙供給部
3 糊付部
4 吸着ドラム部
5 台紙供給部
6 貼合部
20 支持フレーム
21 搬送コンベア
22 押えローラ
23 送り出しローラ
24 ローラ
25 スプロケット
26 送り爪
30 ガイド板
31 糊付けローラ
32 糊塗布ローラ
33 剥離爪
34 糊供給管
40 吸着ドラム
40a 取付溝
40b 真空室
41 吸着体
41a 吸着面
41b 溝部
42 横軸
43 吸引孔
50 支持フレーム
51 搬送コンベア
52 押えローラ
53 送り出しローラ
54 ローラ
55 スプロケット
56 送り爪
60 貼合ローラ
61 プレスローラ
図1
図2
図3
図4
図5