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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】距離画像撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/486 20200101AFI20220801BHJP
   G01S 17/894 20200101ALI20220801BHJP
【FI】
G01S7/486
G01S17/894
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021504619
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2019009405
(87)【国際公開番号】W WO2020183533
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2021-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】508261493
【氏名又は名称】株式会社ブルックマンテクノロジ
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100190355
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 紀央
(72)【発明者】
【氏名】澤本 岳秀
【審査官】東 治企
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/170833(WO,A1)
【文献】特開2010-268079(JP,A)
【文献】特開2013-137242(JP,A)
【文献】国際公開第2017/126377(WO,A1)
【文献】特開2013-012888(JP,A)
【文献】特開2009-296400(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48-7/51
G01S 17/00-17/95
H01L 27/14-27/148
H04N 5/30-5/378
G01C 3/00-3/32
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の光源から測定対象の空間である測定空間に対して所定の周期で照射される同一のパルス幅の光パルスが、前記測定空間における被写体において反射して出射される反射光を受光して、受光した当該反射光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部とを具備し、前記光パルスの照射に同期して前記電荷を前記電荷蓄積部に蓄積する画素回路が、二次元の格子状に配置された受光画素部と、
前記画素回路の各々に対して、前記光電変換素子から前記電荷蓄積部に前記電荷を蓄積させるための蓄積駆動信号を供給する画素駆動回路と
前記画素回路における複数の前記電荷蓄積部の各々に振り分けられて蓄積された電荷量それぞれに基づいて、当該画素回路と、前記測定空間に存在する前記被写体との間の距離を求める距離画像処理部と
を備え、
前記画素駆動回路が、前記画素回路間において予め定められた調整時間ずらしつつ前記蓄積駆動信号を供給し、前記画素回路の各々において前記光電変換素子から前記電荷蓄積部への前記電荷の蓄積を行ない
前記距離画像処理部が、前記電荷蓄積部の各々の前記電荷量それぞれにより求めた前記画素回路毎の算出距離を、当該画素回路の位置と前記調整時間とによりそれぞれ補正し、前記距離として出力する
距離画像撮像装置
【請求項2】
前記調整時間が、前記測定空間における前記被写体の測定範囲の下限値と、ずらす対象の前記画素回路の個数とに対応して設定されている
請求項1に記載の距離画像撮像装置
【請求項3】
前記電荷蓄積部が、第1電荷蓄積部及び第2電荷蓄積部を有しており、
前記画素駆動回路が、前記光パルスの照射に同期して、前記蓄積駆動信号として前記周期において同一パルス幅の第1蓄積駆動信号及び第2蓄積駆動信号の各々を順次出力し、前記画素回路と前記被写体との距離を求めるため、前記反射光の前記第1蓄積駆動信号の期間における第1受光量により前記光電変換素子が発生する電荷と、前記反射光の前記第2蓄積駆動信号の期間における第2受光量により前記光電変換素子が発生する電荷とを、前記第1電荷蓄積部、前記第2電荷蓄積部それぞれに振り分けて蓄積する
請求項1または請求項2に記載の距離画像撮像装置
【請求項4】
前記画素駆動回路が、前記受光画素部における前記画素回路の列毎に対応して、前記蓄積駆動信号を生成するクロック信号を前記調整時間ずらすタイミング調整を行なうタイミング調整回路と、当該タイミング調整回路から供給される前記クロック信号を入力して前記蓄積駆動信号を供給するドライバ回路を有しており、前記タイミング調整回路の各々が直列に接続され、いずれかの前記ドライバ回路の入力端子に対応する位置の前記タイミング調整回路に前記蓄積駆動信号を生成する前記クロック信号が供給されている
請求項3に記載の距離画像撮像装置
【請求項5】
前記タイミング調整回路が、前記ドライバ回路の入力端子間の端子間配線部分の配線容量及び配線抵抗と、前記ドライバ回路の入力容量とによる時定数が、前記調整時間となるように前記端子間配線部分が形成されている
請求項4に記載の距離画像撮像装置
【請求項6】
直列接続された前記タイミング調整回路の配列において、当該配列の中央に位置する前記タイミング調整回路に前記クロック信号が供給される
請求項4または請求項5に記載の距離画像撮像装置
【請求項7】
前記受光画素部における格子状に配列した前記画素回路の列を所定数のブロックに分割し、当該ブロック内の前記画素回路に対応する前記ドライバ回路にクロック信号を供給する前記タイミング調整回路を直列に接続し、前記ブロック内で直列に接続されている前記タイミング調整回路のいずれかに前記クロック信号が供給されている
請求項4または請求項5に記載の距離画像撮像装置
【請求項8】
前記受光画素部における格子状に配列された前記画素回路の列を所定数のブロックに分割され、当該ブロック内の前記ドライバ回路の入力端子間をブロック配線で接続され、当該ブロック配線毎に前記タイミング調整回路が設けられ、当該タイミング調整回路を直列に接続され、直列に接続されている前記タイミング調整回路のいずれかに前記クロック信号が供給されている
請求項4または請求項5に記載の距離画像撮像装置
【請求項9】
前記受光画素部が第1層に形成され、前記画素駆動回路が第2層に形成されており、前記画素駆動回路から前記受光画素部の前記画素回路に対して層間配線を介して前記蓄積駆動信号が供給されている
請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の距離画像撮像装置
【請求項10】
前記受光画素部における前記画素回路の行配列の中央の配列に平行して、前記第2層に前記画素駆動回路が形成され、当該画素駆動回路から前記層間配線を介して前記画素回路の各々に前記蓄積駆動信号が供給される
請求項9に記載の距離画像撮像装置
【請求項11】
前記受光画素部が第1層に形成され、前記画素駆動回路が第2層に形成されており、
前記受光画素部における格子状に配列された前記画素回路の全ての入力端子が共通の信号配線で接続され、前記格子状の中央の位置の前記画素回路の位置の前記信号配線に、前記蓄積駆動信号を生成するクロック信号が供給され、
全ての隣接する前記画素回路間において、配線抵抗、配線容量、及び前記画素回路の入力端子の容量による時定数が、前記調整時間となるように前記画素回路間の配線が形成されている
請求項3に記載の距離画像撮像装置
【請求項12】
定対象の空間である測定空間に対して所定の周期で同一のパルス幅の光パルスを照射する、前記光源として設けられた光源
をさらに備える
請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の距離画像撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離画像撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光の速度が既知であることを利用し、空間(測定空間)における光の飛行時間に基づいて測定器と被写体との距離を測定する、タイム・オブ・フライト(Time of Flight、以下「TOF」という)方式の距離センサが実現されている。TOF方式の距離センサでは、測定対象の空間(測定空間)に光(例えば、近赤外光など)パルスを照射し、光パルスを照射した時間と、測定空間における被写体によって反射した光パルス(反射光)が戻ってくる時間との差、つまり、測定器と被写体との間における光の飛行時間に基づいて、測定器と被写体との距離を測定している。
【0003】
また、近年のTOF方式の距離センサの中には、撮像装置に搭載される固体撮像装置と同様に、距離を測定するための反射光を検出する受光回路を、画素単位で二次元の格子の格子点上に配置(以下、単に「格子状に配置」と示す)し、被写体と撮像装置(測定器)との間の距離の情報とともに、被写体の画像も取得(撮像)することができる、いわゆる、距離画像撮像装置も実現されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
被写体までの距離を測定する場合、格子状に配置された受光素子から電荷(光の受光量に対応した電荷)を取得する際、距離測定はグローバルシャッタ方式でそれぞれの受光回路から同一のタイミングで、電荷の取得を行なう必要がある。
そのため、受光回路の各々から電荷を読み出す駆動信号に、受光回路間において遅延がある場合、読み出すタイミングが受光回路毎に異なる場合がある。
【0005】
この結果、受光回路から取得した電荷から撮像装置と被写体との距離を求める際、例えば測定器との距離が同一の被写体であっても、読み出す反射光による電荷の電荷量が受光回路毎に異なる。このため、撮像装置と被写体との光の飛行時間を距離の測定結果が、受光回路に異なるオフセットを有することになり、高い精度で測定器と被写体との距離を測定できない。
この問題を解決するため、特許文献1においては、スキュー調整回路を設けて受光回路から電荷を読み出す駆動信号を各受光回路に供給している。すなわち、ドライバ回路をクロックツリー構造に形成し、格子状に配列した受光回路の全てに対して同一タイミングで、遅延がないように駆動信号を供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】WO2016/170833号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1は、スキュー調整回路を設けることにより、受光回路の各々の間において、それぞれ駆動信号を同一のタイミングで全ての受光素子に対して供給することができる。
しかしながら、全ての画素の受光回路に対して、同時に駆動信号を供給するため、駆動信号の立ち上がりのタイミングにおいて、受光回路が一斉に駆動を行なうことにより、駆動回路が駆動を開始した際に大きなピーク電流が流れる。
例えば、受光回路からの読み出しをMOS(metal oxide semiconductor )トランジスタを駆動して行う場合、全ての受光回路のMOSトランジスタのゲートを、このMOSトランジスタがオンとなる電圧まで上昇させるため、駆動信号の立ち上がりにおいて過渡的にピーク電流が流れる。
【0008】
画素数が少ない場合は、ピーク電流の電流量は問題とならないが、距離を測定する画像の解像度を上げるために画素を増加させるに伴い、受光回路も増加し、駆動開始時に流れるピーク電流の電流量が大きくなる。
このため、受光回路に駆動信号を印加した際にピーク電流が急激に上昇するため、距離画像センサのチップに電源電圧を供給するボンディングワイヤのインダクタンスによって、電源電圧にリンギングが発生する。
このリンギングによる電源電圧の変動により、駆動信号のパルス幅によっては、駆動信号が十分に立ち上がらなかったり、駆動信号のパルス形状が変化したりして、受光回路から電荷を正確に読み出すことができなくなる。
【0009】
上述の課題を鑑み、本発明は、距離画像センサにおける画素数が増加しても、受光回路を駆動して電荷を読み出す際に発生するピーク電流を抑制し、各受光回路から電荷を読み出し、測定器と被写体との距離の測定を正確に行なう距離画像撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の距離画像撮像装置は、所定の光源から測定対象の空間である測定空間に対して所定の周期で照射される同一のパルス幅の光パルスが、前記測定空間における被写体において反射して出射される反射光を受光して、受光した当該反射光に応じた電荷を発生する光電変換素子と、前記電荷を蓄積する電荷蓄積部とを具備し、前記光パルスの照射に同期して前記電荷を前記電荷蓄積部に蓄積する画素回路が、二次元の格子状に配置された受光画素部と、前記画素回路の各々に対して、前記光電変換素子から前記電荷蓄積部に前記電荷を蓄積させるための蓄積駆動信号を供給する画素駆動回路と、前記画素回路における複数の前記電荷蓄積部の各々に振り分けられて蓄積された電荷量それぞれに基づいて、当該画素回路と、前記測定空間に存在する前記被写体との間の距離を求める距離画像処理部とを備え、前記画素駆動回路が、前記画素回路間において予め定められた調整時間ずらしつつ前記蓄積駆動信号を供給し、前記画素回路の各々において前記光電変換素子から前記電荷蓄積部への前記電荷の蓄積を行ない、前記距離画像処理部が、前記複数の電荷蓄積部の各々の前記電荷量それぞれにより求めた前記画素回路毎の算出距離を、当該画素回路の位置と前記調整時間とによりそれぞれ補正し、前記距離として出力する
【0011】
本発明の距離画像撮像装置は、前記調整時間が、前記測定空間における前記被写体の測定範囲の下限値と、ずらす対象の前記画素回路の個数とに対応して設定されている。
【0012】
本発明の距離画像撮像装置は、前記電荷蓄積部が、第1電荷蓄積部及び第2電荷蓄積部を有しており、前記画素駆動回路が、前記光パルスの照射に同期して、前記蓄積駆動信号として前記周期において同一パルス幅の第1蓄積駆動信号及び第2蓄積駆動信号の各々を順次出力し、前記画像回路と前記被写体との距離を求めるため、前記反射光の前記第1蓄積駆動信号の期間における第1受光量により前記光電変換素子が発生する電荷と、前記反射光の前記第2蓄積駆動信号の期間における第2受光量により前記光電変換素子が発生する電荷とを、前記第1電荷蓄積部、前記第2電荷蓄積部それぞれに振り分けて蓄積する。
【0013】
本発明の距離画像撮像装置は、前記画素駆動回路が、前記受光画素部における前記画素回路の列毎に対応して、前記蓄積駆動信号を生成するクロック信号を前記調整時間ずらすタイミング調整を行なうタイミング調整回路と、当該タイミング調整回路から供給される前記クロック信号を入力して前記蓄積駆動信号を供給するドライバ回路を有しており、前記タイミング調整回路の各々が配線で直列に接続され、いずれかの前記ドライバ回路の入力端子に対応する位置の前記タイミング調整回路に前記蓄積駆動信号を生成する前記クロック信号が供給されている。
【0014】
本発明の距離画像撮像装置は、前記タイミング調整回路が、前記ドライバ回路の入力端子間の端子間配線部分の配線容量及び配線抵抗と、前記ドライバ回路の入力容量とによる時定数が、前記調整時間となるように前記端子間配線部分が形成されている。
【0015】
本発明の距離画像撮像装置は、直列接続された前記タイミング調整回路の配列において、当該配列の中央に位置する前記タイミング調整回路に前記クロック信号が供給される。
【0016】
本発明の距離画像撮像装置は、前記受光画素部における格子状に配列した前記画素回路の列を所定数のブロックに分割し、当該ブロック内の前記画素回路に対応する前記ドライバ回路にクロック信号を供給する前記タイミング調整回路を直列に接続し、前記ブロック内で直列に接続されている前記タイミング調整回路のいずれかに前記クロック信号が供給されている。
【0017】
本発明の距離画像撮像装置は、前記受光画素部における格子状に配列された前記画素回路の列を所定数のブロックに分割され、当該ブロック内の前記ドライバ回路の入力端子間をブロック配線で接続され、当該ブロック配線毎に前記タイミング調整回路が設けられ、当該タイミング調整回路を直列に接続され、直列に接続されている前記タイミング調整回路のいずれかに前記クロック信号が供給されている。
【0018】
本発明の距離画像撮像装置は、前記受光画素部が第1層に形成され、前記画素駆動回路が第2層に形成されており、前記画素駆動回路から前記受光画素部の前記画素回路に対して層間配線を介して前記蓄積駆動信号が供給されている。
【0019】
本発明の距離画像撮像装置は、前記受光画素部における前記画素回路の行配列の中央の配列に平行して、前記第2層に前記画素駆動回路が形成され、当該画素駆動回路からから前記層間配線を介して前記画素回路の各々に前記蓄積駆動信号が供給される。
【0020】
本発明の距離画像撮像装置は、前記受光画素部が第1層に形成され、前記画素駆動回路が第2層に形成されており、前記受光画素部における格子状に配列された前記画素回路の全ての入力端子が共通の信号配線で接続され、前記格子状の中央の位置の前記画素回路の位置の前記信号配線に、前記蓄積駆動信号を生成するクロック信号が供給され、全ての隣接する前記画素回路間において、配線抵抗、配線容量、及び前記画素回路の入力端子の容量による時定数が、前記調整時間となるように前記画素回路間の配線が形成されている。
【0021】
本発明の距離画像撮像装置は、定対象の空間である測定空間に対して所定の周期で同一のパルス幅の光パルスを照射する、前記光源として設けられた光源部をさらに備える
【発明の効果】
【0022】
本発明は、距離画像センサにおける画素数が増加しても、受光回路を駆動して電荷を読み出す際に発生するピーク電流を抑制し、各受光回路から電荷を読み出し、測定器と被写体との距離の測定を正確に行なう距離画像撮像装置を提供する。

【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態の距離画像撮像装置の概略構成を示したブロック図である。
図2】本発明の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子(距離画像センサ32)の概略構成を示したブロック図である。
図3】本発明の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子(距離画像センサ32)の受光画素部320内に配置された画素回路321の構成の一例を示した回路図である。
図4】本発明の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子(距離画像センサ32)の受光画素部320内に配置された画素回路321を駆動するタイミングを示したタイミングチャートである。
図5】第1の実施形態における受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の構成例を説明する図である。
図6】蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDの各々を列jの画素回路321に供給する構成を説明する図である。
図7】画素回路321の各列の間において調整時間Tcdによってタイミング調整した蓄積駆動信号TX1、TX2及びTX3の各々のタイミングチャートである。
図8】本実施形態によるタイミング調整部326Cにおけるタイミング調整回路326C_jの構成例を示す図である。
図9】本実施形態における格子状に配置された列の位置と、この列の画素回路321の距離画素電圧信号PS1、PS2及びPS3により求めた補正前の距離Dとの対応関係を示す図である。
図10】第2の実施形態における受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の構成例を説明する図である。
図11】第3の実施形態における受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の構成例を説明する図である。
図12】第4の実施形態における受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の構成例を説明する図である。
図13】第4の実施形態における受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の距離画像撮像装置の概略構成を示したブロック図である。なお、図1には、距離画像撮像装置1において距離を測定する被写体である被写体Sも併せて示している。
図1に示した構成の距離画像撮像装置1は、光源部2と、受光部3と、距離画像処理部4とからなる。
【0025】
光源部2は、距離画像処理部4からの制御に従って、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象の被写体Sが存在する空間に、所定の周期で断続的な光パルスPOを照射する。光源部2は、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)などの面発光型の半導体レーザーモジュールである。
【0026】
光源装置21は、例えば、被写体Sに照射する光パルスPOとなる近赤外の波長帯域(例えば、波長が850nm~940nmの波長帯域)のレーザー光を発光する光源である。光源装置21は、例えば、半導体レーザー発光素子である。光源装置21は、タイミング制御部41からの制御に応じて、パルス状のレーザー光(光パルスPO)を発光する。
【0027】
拡散板22は、光源装置21が発光した近赤外の波長帯域のレーザー光を、被写体Sのある測定空間Pに照射する所定の断面積の大きさに拡散する光学部品である。拡散板22が拡散したパルス状のレーザー光が、光パルスPOとして光源部2から出射されて、測定空間Pの被写体Sに照射される。
【0028】
受光部3は、距離画像撮像装置1において距離を測定する対象の被写体Sによって反射された光パルスPOの反射光RLを受光し、受光した反射光RLに応じた画素信号を出力する。
【0029】
レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32に導く光学レンズである。レンズ31は、入射した反射光RLを距離画像センサ32側に出射して、距離画像センサ32の受光領域に備えた画素に受光(入射)させる。
【0030】
距離画像センサ32は、距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子である。距離画像センサ32は、二次元の受光領域に複数の画素を備え、それぞれの画素の中に、1つの光電変換素子と、この1つの光電変換素子に対応する複数の電荷蓄積部と、それぞれの電荷蓄積部に電荷を振り分ける構成要素とが設けられた振り分け構成の撮像素子である。距離画像センサ32は、タイミング制御部41からの制御に応じて、画素を構成する光電変換素子が発生した電荷をそれぞれの電荷蓄積部に振り分け、それぞれの電荷蓄積部に振り分けられた電荷量に応じた画素信号を出力する。
【0031】
なお、距離画像センサ32では、複数の画素が二次元の格子状(行列状)に配置されており、それぞれの画素の対応する1フレーム分の画素信号を出力する。
【0032】
距離画像処理部4は、距離画像撮像装置1の全体を制御する制御部であり、かつ距離画像撮像装置1において測定する被写体Sとの間の距離を演算する演算部でもある。この距離画像処理部4は、タイミング制御部41と距離演算部42とを備えている。
【0033】
タイミング制御部41は、光源部2が被写体Sに光パルスPOを照射するタイミングや、受光部3に備えた距離画像センサ32が反射光RLを受光するタイミングなどを制御する。
【0034】
距離演算部42は、距離画像センサ32から出力された画素信号に基づいて、距離画像撮像装置1と被写体Sとの間の距離を演算した距離情報を出力する。
【0035】
このような構成によって、距離画像撮像装置1では、光源部2が被写体Sに照射した近赤外の波長帯域の光パルスPOが被写体Sによって反射された反射光RLを受光部3が受光し、距離画像処理部4が、被写体Sとの距離を測定した距離情報を出力する。
【0036】
なお、図1においては、距離画像処理部4を内部に備えた構成の距離画像撮像装置1を示しているが、距離画像処理部4は、距離画像撮像装置1の外部に備える構成要素であってもよい。
【0037】
次に、距離画像撮像装置1において撮像素子として用いられる距離画像センサ32の構成について説明する。図2は、本発明の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子(距離画像センサ32)の概略構成を示したブロック図である。図2において、距離画像センサ32は、複数の画素回路321が配置された受光領域320と、制御回路322と、垂直走査回路323と、水平走査回路324と、画素信号処理回路325と、画素駆動回路326とを備えている。なお、図2に示した距離画像センサ32では、複数の画素回路321が、8行8列に二次元の格子状に配置された受光領域320の一例を示している。
【0038】
制御回路322は、垂直走査回路323、水平走査回路324、画素信号処理回路325及び画素駆動回路326などの距離画像センサ32に備えた構成要素を制御する。制御回路322は、例えば、距離画像撮像装置1に備えた距離画像処理部4(より具体的には、タイミング制御部41)からの制御に応じて、距離画像センサ32に備えた構成要素の動作を制御する。なお、制御回路322による距離画像センサ32に備えた構成要素の制御は、例えば、距離画像処理部4(より具体的には、タイミング制御部41)が直接行う構成であってもよい。この場合、距離画像センサ32は、制御回路322を備えない構成であってもよい。
【0039】
画素駆動回路326は、格子状に配列した画素回路321が備える光電変換素子(後述する光電変換素子PD)が発生した電荷を、画素回路321が備えた複数の電荷蓄積部(後述する電荷蓄積部CS1、CS2及びCS3)に振り分けて蓄積させる蓄積駆動信号(後述する蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3及びリセット駆動信号RSTD)を、受光画素部320内に格子状に配置された画素回路321の列単位に出力する。
垂直走査回路323は、制御回路322からの制御に応じて、受光画素部320内に配置された画素回路321の各々を制御し、画素回路321それぞれから、入射した光を光電変換した電荷量に応じた電圧の信号(以下、「電圧信号」という)を対応する垂直信号線327に出力させる(読み出させる)駆動回路である。垂直走査回路323は、画素回路321を駆動(制御)して読み出すための制御信号(後述する選択駆動信号SEL1、SEL2、SEL3)を、受光画素部320内に格子状に配置された画素回路321の行単位に出力する。
これにより、画素回路321においてそれぞれの電荷蓄積部に振り分けられた電荷量に応じた電圧信号が、受光画素部320の行ごとに対応する垂直信号線327の各々に読み出され、画素信号処理回路325に出力される。
【0040】
受光画素部320において、画素回路321は、光源部2が被写体Sに照射した光パルスPOが被写体Sによって反射された反射光RLを受光し、受光した反射光RLの光量(受光量)に応じた電荷を発生させる。それぞれの画素回路321において、画素駆動回路326は、蓄積駆動信号を出力することにより、複数備えたいずれかの電荷蓄積部に、受光した反射光RLの光量(受光量)に応じた電荷を振り分けて蓄積させる。そして、画素回路321において、垂直走査回路323は、読出駆動信号を出力することにより、それぞれの電荷蓄積部に振り分けられて蓄積された電荷の電荷量に応じた大きさの電圧信号を、対応する垂直信号線327に出力する。なお、画素回路321の構成と駆動(制御)方法とに関する詳細な説明は、後述する。
【0041】
画素信号処理回路325は、制御回路322からの制御に応じて、それぞれの列の画素回路321から対応する垂直信号線に出力された電圧信号に対して、予め定めた信号処理を行う信号処理回路である。予め定めた信号処理としては、例えば、相関二重サンプリング(Correlated Double Sampling:CDS)によって電圧信号に含まれるノイズを抑圧するノイズ抑圧処理などがある。また、予め定めた信号処理としては、例えば、アナログの電圧信号の大きさを表すデジタル値に変換するアナログ/デジタル変換(A/D変換)処理などがある。
【0042】
なお、画素信号処理回路325は、受光画素部320のそれぞれの列に対応した複数の画素信号処理回路からなる画素信号処理回路群であってもよい。この場合、画素信号処理回路325は、水平走査回路324からの制御に応じて、予め定めた信号処理をした後の電圧信号を、受光画素部320の行ごとに水平信号線329に出力する。
【0043】
水平走査回路324は、制御回路322からの制御に応じて、画素信号処理回路325から信号線328を介して出力される、信号処理をした後の電圧信号を、水平信号線329に順次出力させる(読み出させる)駆動回路である。水平走査回路324は、それぞれの列の画素回路321に対応する電圧信号を出力させるための読出駆動信号を、画素信号処理回路325に順次出力する。これにより、画素信号処理回路325が出力した信号処理をした後の1フレーム分の電圧信号が、1フレーム分の画素信号として、水平信号線329を経由して距離画像センサ32の外部に順次出力される。このとき、距離画像センサ32は、例えば、出力アンプなどの不図示の出力回路から、信号処理をした後の電圧信号を、画素信号として距離画像センサ32の外部に出力する。
【0044】
以下の説明においては、距離画像センサ32に備えた画素信号処理回路325が、画素回路321から出力された電圧信号に対してノイズ抑圧処理を行い、その後、A/D変換処理をして出力する、つまり、デジタル値に変換した電圧信号を水平信号線329から出力するものとして説明する。
【0045】
次に、距離画像センサ32に備える受光領域320内に配置された画素回路321の構成について説明する。図3は、本発明の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子(距離画像センサ32)の受光領域320内に配置された画素回路321の構成の一例を示した回路図である。図3には、受光領域320内に配置された複数の画素回路321のうち、1つの画素回路321の構成の一例を示している。画素回路321は、3つの画素信号読み出し部を備えた構成の一例である。
【0046】
画素回路321は、1つの光電変換素子PDと、ドレインゲートトランジスタGDと、対応する出力端子Oから電圧信号を出力する3つの画素信号読み出し部RUとを備えている。画素信号読み出し部RUのそれぞれは、読み出しゲートトランジスタGと、フローティングディフュージョンFDと、電荷蓄積容量Cと、リセットゲートトランジスタRTと、ソースフォロアゲートトランジスタSFと、選択ゲートトランジスタSLとを備えている。それぞれの画素信号読み出し部RUでは、フローティングディフュージョンFDと電荷蓄積容量Cとによって電荷蓄積部CSが構成されている。ドレインゲートトランジスタGD、読み出しゲートトランジスタG、リセットゲートトランジスタRT、ソースフォロアゲートトランジスタSF及び選択ゲートトランジスタSLは、エンハンスメント型のNチャネルMOSトランジスタである。
【0047】
なお、図3においては、3つの画素信号読み出し部RUの符号「RU」の後に、「1」、「2」または「3」の数字を付与することによって、それぞれの画素信号読み出し部RUを区別する。また、同様に、3つの画素信号読み出し部RUに備えたそれぞれの構成要素も、それぞれの画素信号読み出し部RUを表す数字を符号の後に示すことによって、それぞれの構成要素が対応する画素信号読み出し部RUを区別して表す。図3に示した画素回路321において、出力端子O1から電圧信号を出力する画素信号読み出し部RU1は、ゲートトランジスタG1と、フローティングディフュージョンFD1と、電荷蓄積容量C1と、リセットゲートトランジスタRT1と、ソースフォロアゲートトランジスタSF1と、選択ゲートトランジスタSL1とを備えている。画素信号読み出し部RU1では、フローティングディフュージョンFD1と電荷蓄積容量C1とによって電荷蓄積部CS1が構成されている。画素信号読み出し部RU2および画素信号読み出し部RU3も同様の構成である。
【0048】
光電変換素子PDは、入射した光を光電変換して電荷を発生させ、発生させた電荷を蓄積する埋め込み型のフォトダイオードである。なお、本発明においては、画素回路321に備える光電変換素子PDの構造に関して特に規定しない。このため、光電変換素子PDは、例えば、P型半導体とN型半導体とを接合した構造のPNフォトダイオードであってもよいし、P型半導体とN型半導体との間にI型半導体を挟んだ構造のPINフォトダイオードであってもよい。また、画素回路321に備える光電変換素子としては、フォトダイオードに限定されるものではなく、例えば、フォトゲート方式の光電変換素子であってもよい。
【0049】
ドレインゲートトランジスタGDは、垂直走査回路323から入力された駆動信号に応じて、光電変換素子PDが発生して蓄積し、それぞれの画素信号読み出し部RUに転送されなかった電荷を破棄するためのトランジスタである。つまり、ドレインゲートトランジスタGDは、光電変換素子PDが発生した、被写体Sとの間の距離の測定に用いない電荷をリセットするトランジスタである。
【0050】
読み出しゲートトランジスタGは、垂直走査回路323から入力された駆動信号に応じて、光電変換素子PDが発生して蓄積した電荷を、対応する電荷蓄積部CSに転送するためのトランジスタである。読み出しゲートトランジスタGによって転送された電荷は、対応する電荷蓄積部CSに保持(蓄積)される。
ここで、画素信号読み出し部RU1において、読み出しゲートトランジスタG1は、ドレインが光電変換素子PDの第2の端子に接続され、ゲートが蓄積駆動信号TX1を伝搬する信号線LTX1に接続され、ソースがフローティングデフュージョンFD1及び電荷蓄積容量C1の第1の端子とに接続されている。
同様に、画素信号読み出し部RU2において、読み出しゲートトランジスタG2は、ドレインが光電変換素子PDの第2の端子に接続され、ゲートがゲートが蓄積駆動信号TX2を伝搬する信号線LTX2に接続され、ソースがフローティングデフュージョンFD2及び電荷蓄積容量C2の第1の端子とに接続されている。
また、同様に、画素信号読み出し部RU3において、読み出しゲートトランジスタG3は、ドレインが光電変換素子PDの第3の端子に接続され、ゲートがゲートが蓄積駆動信号TX3を伝搬する信号線LTX3に接続され、ソースがフローティングデフュージョンFD3及び電荷蓄積容量C3の第1の端子とに接続されている。
上述した蓄積駆動信号TX1、蓄積駆動信号TX2及び蓄積駆動信号TX3の各々は、画素駆動回路326から、信号線LTX1、信号線LTX2、信号線LTX3それぞれを介して供給される。
【0051】
電荷蓄積容量Cは、対応する読み出しゲートトランジスタGによって転送された電荷を保持(蓄積)する容量である。
【0052】
リセットゲートトランジスタRTは、垂直走査回路323から入力された駆動信号に応じて、対応する電荷蓄積部CSに保持された電荷を破棄するためのトランジスタである。つまり、リセットゲートトランジスタRTは、対応する電荷蓄積部CSに保持された電荷をリセットするトランジスタである。
【0053】
ソースフォロアゲートトランジスタSFは、ゲート端子に接続された電荷蓄積部CSに蓄積された電荷量に応じた電圧信号を増幅して、対応する選択ゲートトランジスタSLに出力するためのトランジスタである。
【0054】
選択ゲートトランジスタSLは、垂直走査回路323から入力された駆動信号に応じて、対応するソースフォロアゲートトランジスタSFによって増幅された電圧信号を、対応する出力端子Oから出力するためのトランジスタである。
【0055】
上述した構成によって、画素回路321では、光電変換素子PDが入射した光を光電変換して発生させた電荷を3つの電荷蓄積部CSのそれぞれに振り分け、振り分けられた電荷の電荷量に応じたそれぞれの電圧信号を、画素信号処理回路325に出力する。
【0056】
距離画像センサ32に配置される画素の構成は、図3に示したような、3つの画素信号読み出し部RUを備えた構成に限定されるものではなく、1つの光電変換素子PDと、光電変換素子PDが発生して蓄積した電荷を振り分ける複数の画素信号読み出し部RUを備えた構成の画素であれば、いかなる構成の画素であってもよい。つまり、距離画像センサ32に配置される画素に備える画素信号読み出し部RU(電荷蓄積部CS)の数は、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0057】
また、図3に示した構成の画素回路321では、電荷蓄積部CSを、フローティングディフュージョンFDと電荷蓄積容量Cとによって構成する一例を示した。しかし、電荷蓄積部CSは、少なくともフローティングディフュージョンFDによって構成されればよい。つまり、画素回路321は、それぞれの電荷蓄積容量Cを備えていない構成であってもよい。この構成場合には、電荷検出感度が高められる効果を有する。しかしながら、距離画像撮像装置1において距離の測定におけるダイナミックレンジを広くすることを考えると、より多くの電荷を保持(蓄積)することができる構成の方が優位である。このため、画素回路321では、画素信号読み出し部RUに電荷蓄積容量Cを備え、フローティングディフュージョンFDと電荷蓄積容量Cとによって電荷蓄積部CSを構成することにより、フローティングディフュージョンFDのみで電荷蓄積部CSを構成した場合よりも、より多くの電荷を保持(蓄積)することができる構成にしている。
【0058】
また、図3に示した構成の画素回路321では、ドレインゲートトランジスタGDを備える構成の一例を示したが、光電変換素子PDに蓄積されている(残っている)電荷を破棄する必要がない場合には、距離画像センサ32に配置される画素に、ドレインゲートトランジスタGDを備えない構成であってもよい。
【0059】
次に、距離画像撮像装置1における画素回路321の駆動(制御)方法(タイミング)について説明する。図4は、本発明の実施形態の距離画像撮像装置1に用いられる撮像素子(距離画像センサ32)の受光領域320内に配置された画素回路321を駆動するタイミングを示したタイミングチャートである。図4には、距離画像センサ32に1フレーム分の画素信号を出力させる際の画素回路321の駆動信号のタイミングとともに、光源部2が被写体Sに照射する光パルスPOのタイミングを示している。
【0060】
最初に、受光した光の光量(受光量)に応じて光電変換素子PDが発生して蓄積した電荷を、それぞれの画素信号読み出し部RUに振り分ける電荷蓄積期間における画素回路321の駆動(制御)について説明する。電荷蓄積期間では、光源部2によって光パルスPOを被写体Sに照射する。そして、光パルスPOを照射したタイミングに同期して画素回路321を駆動することにより、受光した背景光および反射光RLに応じた電荷を、それぞれの電荷蓄積部CSに振り分ける。画素駆動回路326は、受光領域320内に配置された全ての画素回路321を同時に駆動する、いわゆる、グローバルシャッタ駆動によって、全ての画素回路321に備えたそれぞれの電荷蓄積部CSに電荷を振り分けて蓄積させる。なお、光源装置21がパルス状のレーザー光を発光する時間、つまり、光パルスPOのパルス幅Twは、例えば、10nSなど、予め定めた非常に短い時間である。その理由は、パルス変調方式による距離の測定では、測定することができる最大の距離(以下、「最大測定距離」という)が、光パルスPOのパルス幅Twによって決められるからである。上述した光パルスPOのパルス幅Twが10nSである場合、最大測定距離は1.5mになる。また、単純に光パルスPOのパルス幅Twを広くする、つまり、光源装置21におけるレーザー光の発光時間を長くすると、光電変換素子PDがより多くの反射光RLを受光することができるが、測定する被写体Sとの距離の分解能が低下する。他方、光パルスPOのパルス幅Twが短いと、光電変換素子PDが光電変換によって発生させる電荷の電荷量も少なくなる。このため、距離画像撮像装置1では、電荷蓄積期間においてそれぞれの電荷蓄積部CSに十分な量の電荷が蓄積されるように、光パルスPOの照射および電荷の振り分けを複数回行う。
ここで、垂直走査回路323及び画素駆動回路326の各々が画素回路321を駆動(制御)する構成として説明する。以下の説明において、制御回路322は、画素駆動回路326に対して、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDの各々を生成するクロック信号CK1、CK2、CK3、CKRSTDをそれぞれ出力する。また、制御回路322は、垂直走査回路323に対して、選択駆動信号SEL1、SEL2、SEL3、リセット信号RST1、RST2、RST3の各々を生成するクロック信号をそれぞれ出力する。
【0061】
図4に示したタイミングチャートの電荷蓄積期間には、光パルスPOの照射および全ての画素回路321における電荷の振り分けを複数回行う場合の画素回路321の駆動タイミングを示している。なお、図4に示したタイミングチャートの電荷蓄積期間における光パルスPOは、“H(High)”レベルのときに光パルスPOが照射(光源装置21がレーザー光を発光)し、“L(Low)”レベルのときに光パルスPOの照射が停止(光源装置21が消灯)されるものとして説明する。また、図4に示したタイミングチャートは、全ての画素回路321がリセットされている、つまり、光電変換素子PDおよび電荷蓄積部CSに電荷が蓄積されていない状態から始まるものとして説明する。
【0062】
図4に示したタイミングチャートの電荷蓄積期間には、光パルスPOの照射および全ての画素回路321における電荷の振り分けを複数回行う場合の画素回路321の駆動タイミングを示している。図4に示す信号レベルとして、“H”レベルが電源電圧VDDの電圧値であり、“L”レベルが電源電圧VSSの電圧値である。なお、図4に示したタイミングチャートの電荷蓄積期間において、光パルスPOが“H”レベルのときに光パルスPOが照射(光源装置21がレーザー光を発光)され、“L”レベルのときに光パルスPOの照射が停止(光源装置21が消灯)される。また、図4に示したタイミングチャートは、全ての画素回路321がリセットされている、つまり、光電変換素子PDおよび電荷蓄積部CSに電荷が蓄積されていない状態から、電荷蓄積期間が開始される。以下の説明において、時刻tA1からtA5が電荷の振り分けを行なう蓄積周期であり、電荷蓄積期間に複数の蓄積周期が繰返される。また、例えば、時刻tA1、tA2、tA3、tA4の間の時間幅、すなわち光パルスPO、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3それぞれのパルス幅は、同一のTwである。
【0063】
電荷蓄積期間では、まず、画素駆動回路326は、光源部2が光パルスPOを照射するパルス幅Twと同じ時間だけ前の時刻tA1から、光電変換素子PDが光電変換して発生させた、光パルスPOが照射される前の背景光に応じた電荷を、読み出しゲートトランジスタG1を介して電荷蓄積部CS1に転送して蓄積させる。
【0064】
その後、画素駆動回路326は、光源部2が光パルスPOを照射するタイミングと同じ時刻tA2から、光電変換素子PDが現在光電変換した光に応じて発生させた電荷を、読み出しゲートトランジスタG2を介して電荷蓄積部CS2に転送して蓄積させる。ここで、電荷蓄積部CS2に蓄積される電荷は、光パルスPOを照射しているパルス幅Twの時間内に被写体Sによって反射されてきた反射光RLに応じた電荷である。この電荷には、背景光に応じた電荷に加えて、被写体Sまでの距離(絶対距離)に比例した少ない遅れ時間で入射してきた反射光RLに応じた電荷が含まれている。より具体的には、例えば、被写体Sが近い位置に存在する場合には、照射した光パルスPOが短い時間で被写体Sによって反射されて反射光RLとして戻ってくるため、電荷蓄積部CS2には、近い位置に存在する被写体Sが反射した反射光RLに応じた電荷がより多く含まれている。
【0065】
その後、画素駆動回路326は、光源部2が光パルスPOの照射を停止するタイミングと同じ時刻tA3から、光電変換素子PDが現在光電変換した光に応じて発生させた電荷を、読み出しゲートトランジスタG3を介して電荷蓄積部CS3に転送して蓄積させる。ここで、電荷蓄積部CS3に蓄積される電荷は、光パルスPOを照射しているパルス幅Twの時間外に被写体Sによって反射されてきた反射光RLに応じた電荷である。この電荷には、背景光に応じた電荷に加えて、被写体Sまでの距離(絶対距離)に比例した多くの遅れ時間で入射してきた反射光RLに応じた電荷が含まれている。より具体的には、例えば、被写体Sが遠い位置に存在する場合には、照射した光パルスPOがより長い時間を要して被写体Sによって反射されて反射光RLとして戻ってくるため、電荷蓄積部CS3には、遠い位置に存在する被写体Sが反射した反射光RLに応じた電荷がより多く含まれている。
【0066】
その後、画素駆動回路326は、光源部2が光パルスPOを照射するパルス幅Twと同じ時間だけ経過した時刻tA4から、光電変換素子PDが現在光電変換した光に応じて発生させた電荷、つまり、被写体Sとの間の距離の測定に用いない電荷を、ドレインゲートトランジスタGDを介して破棄させる。言い換えれば、光電変換素子PDがリセットさせる。
【0067】
その後、画素駆動回路326は、光源部2が次に光パルスPOを照射するパルス幅Twと同じ時間だけ前の時刻tA5において、光電変換素子PDのリセットを解除する。そして、画素駆動回路326は、時刻tA1からのタイミングと同様に、光電変換素子PDが次に光電変換して発生させた電荷、つまり、次に光パルスPOが照射される前の背景光に応じた電荷を、読み出しゲートトランジスタG1を介して電荷蓄積部CS1に転送して蓄積させる。
【0068】
以降、画素駆動回路326は、時刻tA1~時刻tA5までと同様の画素回路321の駆動(以下、「電荷振り分け駆動」という)を繰り返す。これにより、電荷蓄積期間では、全ての画素回路321に備えたそれぞれの電荷蓄積部CSに、電荷振り分け駆動を繰り返した分の電荷量が蓄積されて保持される。なお、電荷蓄積期間において電荷振り分け駆動を繰り返す最大の回数は、距離画像センサ32が、1フレーム分の画素信号を出力する(取得する)周期によって決まる。より具体的には、距離画像センサ32が、1フレーム分の画素信号を取得する時間から、画素信号読み出し期間を差し引いた時間を、光源装置21がパルス状のレーザー光を発光する時間、つまり、光パルスPOのパルス周期時間Toで除算した商の回数である。なお、距離画像センサ32では、電荷振り分け駆動の回数が多いほど、それぞれの電荷蓄積部CSに蓄積(積算)される電荷量が多くなり、高感度となる。これにより、距離画像センサ32では、測定する被写体Sとの距離の分解能を高めることができる。
【0069】
続いて、電荷蓄積期間が終了した後に、それぞれの画素信号読み出し部RUに備えたそれぞれの電荷蓄積部CSに振り分けられた電荷量に応じた電圧信号を、受光領域320内に配置された画素回路321の行ごとに順次出力させる画素信号読み出し期間における画素回路321の駆動(制御)について説明する。画素信号読み出し期間では、受光領域320内に配置された画素回路321を行ごとに駆動する、いわゆる、ローリング駆動によって、対応する行に配置された画素回路321に備えた電荷蓄積部CSに蓄積(積算)されて保持されている電荷量に応じた電圧信号を、行順次で画素信号処理回路325に出力させる。
【0070】
なお、上述したように、距離画像センサ32においては、それぞれの画素回路321が出力した電圧信号に対して、画素信号処理回路325が、ノイズ抑圧処理やA/D変換処理などの予め定めた信号処理を行う。ここで、画素信号処理回路325がノイズ抑圧処理として行う相関二重サンプリング(CDS)処理は、電荷蓄積部CSに蓄積(積算)されて保持されている電荷量に応じた電圧信号(以下、「距離画素電圧信号PS」という)と、電荷蓄積部CSがリセットされている状態(リセット状態)の電荷量に応じた電圧信号(以下、「リセット電圧信号PR」という)との差分をとる処理である。このため、画素信号読み出し期間では、それぞれの画素回路321に備えたそれぞれの電荷蓄積部CSに対応する距離画素電圧信号PSとリセット電圧信号PRとのそれぞれの電圧信号を、行順次で画素信号処理回路325に出力させる。
【0071】
図4に示したタイミングチャートの画素信号読み出し期間には、受光領域320の水平方向(行方向)にy行(yは1以上の整数)、垂直方向(列方向)にx列(xは1以上の整数)の複数の画素回路321が配置されている場合において、受光領域320のi行目(1≦i≦y)に配置されたそれぞれの画素回路321(i)から、距離画素電圧信号PS(i)とリセット電圧信号PR(i)とのそれぞれの電圧信号を出力させる場合の画素回路321の駆動タイミングを示している。なお、図4に示したタイミングチャートでは、それぞれの画素回路321(i)に備えた電荷蓄積部CS1(i)、電荷蓄積部CS2(i)、電荷蓄積部CS3(i)の順番に、それぞれの電圧信号を出力させている。
【0072】
画素信号読み出し期間では、まず、時刻tR1~時刻tR2の期間において、垂直走査回路323は、距離画素電圧信号PS1(i)を、出力端子O1(i)から垂直信号線を介して画素信号処理回路325に出力させる。これにより、画素信号処理回路325は、垂直信号線を介して画素信号読み出し部RU1(i)から出力された距離画素電圧信号PS1(i)を、一旦保持する。
【0073】
その後、時刻tR3~時刻tR4の期間において、垂直走査回路323は、リセット電圧信号PR1(i)を、出力端子O1(i)から垂直信号線を介して画素信号処理回路325に出力させる。これにより、画素信号処理回路325は、一旦保持している距離画素電圧信号PS1(i)と、垂直信号線を介して画素信号読み出し部RU1(i)から出力されたリセット電圧信号PR1(i)との差分をとる、すなわち、電荷蓄積部CS1(i)に蓄積(積算)されて保持されている電荷量に応じた電圧信号に含まれるノイズを抑圧する。
【0074】
その後、時刻tR4~時刻tR7の期間において、垂直走査回路323は、時刻tR1~時刻tR4の期間と同様に、距離画素電圧信号PS2(i)とリセット電圧信号PR2(i)とを、出力端子O2(i)から垂直信号線を介して画素信号処理回路325に出力させる。さらに、時刻tR7~時刻tR10の期間においても、垂直走査回路323は、時刻tR1~時刻tR4の期間と同様に、距離画素電圧信号PS3(i)とリセット電圧信号PR3(i)とを、出力端子O3(i)から垂直信号線を介して画素信号処理回路325に出力させる。
【0075】
以降、垂直走査回路323は、時刻tR1~時刻tR10までと同様の画素回路321の駆動(以下、「画素信号読み出し駆動」という)を順次、受光領域320の他の行に配置されたそれぞれの画素回路321(例えば、i+1行目に配置されたそれぞれの画素回路321)に対して行って、受光領域320内に配置された全ての画素回路321から、それぞれの電圧信号を順次出力させる。
【0076】
このような駆動(制御)方法(タイミング)によって、画素駆動回路326は、受光領域320内に配置されたそれぞれの画素回路321において光電変換素子PDが発生して蓄積した電荷のそれぞれの画素信号読み出し部RUへの振り分けを複数回行う。
また、垂直走査回路323は、画素信号読み出し部RUに備えた電荷蓄積部CSに蓄積(積算)された電荷量に応じた電圧信号を順次、垂直信号線を介して画素信号処理回路325に出力させる。
【0077】
なお、画素信号処理回路325は、ノイズを抑圧したそれぞれの電圧信号に対してA/D変換処理を行ごとに行う。そして、水平走査回路324が、画素信号処理回路325がA/D変換処理を行った後のそれぞれの行の電圧信号を、受光領域320の列の順番に水平信号線を経由して順次出力させることによって、距離画像センサ32は、1フレーム分の全ての画素回路321の画素信号を外部に出力する。これにより、距離画像撮像装置1では、1フレーム分の画素信号が、いわゆる、ラスター順に、距離演算部42に出力される。
【0078】
なお、図4に示した画素回路321の駆動(制御)タイミングからもわかるように、1フレーム分の画素信号のそれぞれには、対応する画素回路321に備えた3つの画素信号読み出し部RU(電荷蓄積部CS)のそれぞれに対応する3つの電圧信号が含まれている。距離演算部42は、距離画像センサ32から出力された1フレーム分の画素信号に基づいて、被写体Sとの間の距離を、それぞれの画素信号ごと、つまり、それぞれの画素回路321ごとに演算する。
【0079】
ここで、距離演算部42における距離画像撮像装置1と被写体Sとの間の距離の演算方法について説明する。ここでは、画素信号読み出し部RU1の電荷蓄積部CS1に振り分けられた光パルスPOが照射される前の背景光に応じた電荷の電荷量を電荷量Q1とする。また、画素信号読み出し部RU2の電荷蓄積部CS2に振り分けられた背景光と少ない遅れ時間で入射してきた反射光RLに応じた電荷の電荷量を電荷量Q2とする。また、画素信号読み出し部RU3の電荷蓄積部CS3に振り分けられた背景光と多くの遅れ時間で入射してきた反射光RLに応じた電荷の電荷量を電荷量Q3とする。距離演算部42は、それぞれの画素回路321ごとの被写体Sとの間の距離Dを、下式(1)によって求める。
【0080】
D=(Q3-Q1)/(Q2+Q3-2Q1)×Dm ・・・(1)
【0081】
上式(1)において、Dmは、光パルスPOの照射によって測定することができる最大の距離(最大測定距離)である。ここで、最大測定距離Dmは、下式(2)によって表される。下式(2)において、cは光速、Twは光パルスPOのパルス幅である。
【0082】
Dm=(c/2)Tw ・・・(2)
【0083】
上述したように、距離画像撮像装置1は、距離画像センサ32の受光画素部320内に配置されたそれぞれの画素回路321ごとに、自身と被写体Sとの間の距離Dを求める。
【0084】
なお、上述したように、距離画像センサ32に格子状に配置される画素回路の構成は、図3に示したような、3つの画素信号読み出し部RU1、RU2及びRU3を備えた構成に限定されるものではなく、1つの光電変換素子PDと、光電変換素子PDが発生して蓄積した電荷を振り分ける2つ以上の画素信号読み出し部RUを備えた構成の画素回路321であればよい。この場合、つまり、画素信号読み出し部RUを備える数が異なる構成の画素が配置された距離画像センサにおいても、画素の駆動(制御)方法(タイミング)は、図4に示した距離画像撮像装置1における画素回路321の駆動(制御)方法(タイミング)と同様に考えることによって、容易に実現することができる。より具体的には、それぞれの画素信号読み出し部RUに備えた読み出しゲートトランジスタGやドレインゲートトランジスタGDに入力する駆動信号の位相が互いに重ならないように位相関係を維持した周期で、画素に対する電荷振り分け駆動を繰り返すことによって、距離画像センサ32と同様に、それぞれの画素信号読み出し部RUに備えた電荷蓄積部CSに、対応する光に応じた電荷が蓄積(積算)させることができる。そして、画素信号読み出し駆動によって全ての画素からそれぞれの電圧信号を順次出力させることによって、距離画像センサ32と同様に、1フレーム分の画素信号を距離画像センサの外部に出力することができる。これにより、距離演算部42は、画素信号読み出し部RUを備える数が異なる構成の画素が配置された距離画像センサから出力された1フレーム分の画素信号に基づいて、同様に、距離画像撮像装置1と被写体Sとの間の距離Dをそれぞれの画素信号ごと(それぞれの画素ごと)に求めることができる。
【0085】
<第1の実施形態>
通常、距離画像センサは被写体との距離を正確に測定するため、受光画素部320における全ての画素回路321は、グローバルシャッター方式に対応して、蓄積周期内で同一のタイミングで駆動させている。すなわち、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDの各々は、格子状に配列された全ての画素回路321に対して、それぞれ同一のタイミングで供給される。
このため、例えば、受光画素部320における全ての画素回路321の読み出しゲートトランジスタG1のゲートを、同様のタイミングにおいて“H”レベルとするために、過渡的にピーク電流が上昇して大幅に増加する。このピーク電流の過渡的な増加により、すでに述べたリンギングが発生し、画素回路321の各々からの電荷の読出しを正確に行えなくなる。他の蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDを、各画素回路321に供給する場合も上述した問題が発生する。
【0086】
この問題を解決するため、本実施形態においては、画素回路321における読出しゲートトランジスタG1、G2、G3、ドレインゲートトランジスタGDの各々を駆動する際、画素回路321の列毎にそれぞれ駆動することにより、ピーク電流の増加するタイミングをずらすことにより、発生するピーク電流を分散させて、上述したリンギングの発生を抑制している。
すなわち、本実施形態においては、タイミング調整部326Cの中央部のタイミング調整回路326C_jにクロック信号CKを供給し、中央から順番に画素回路321の列毎に所定の調整時間Tcdずつ遅延させて、駆動信号により画素回路321を列単位に駆動している。
【0087】
図5は、本実施形態における受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の構成例を説明する図である。画素駆動回路326は、タイミング調整部326Cとドライバ部326Dとのそれぞれを備えている。タイミング調整部326Cは、画素回路321の列(x列、xは1以上の整数)毎に備えられたタイミング調整回路326C_j(1≦j≦x)を備えている。ドライバ部326Dは、タイミング調整部326Cと同様に、画素回路321の列毎に備えられたドライバ回路326D_j(1≦j≦x)を備えている。以下、格子状に配置された画素回路321において、いずれかの画素回路321の列は、列jとして説明する。この列jに対応するタイミング調整回路はタイミング調整回路326C_jとし、ドライバ回路はドライバ回路326D_jとしている。
【0088】
この図5において、画素回路321の列毎に、タイミング調整回路326Cj及びドライバ回路326Djが一組毎に記載されている。実際には、画素回路321に、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDの各々が供給されている。このため、画素回路321の列毎に、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDの各々を供給する4個のタイミング調整回路326C_j及びドライバ回路326D_jの組が備えられている。
【0089】
図6は、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDの各々を列jの画素回路321に供給する構成を説明する図である。
図6において、画素駆動回路326には、画素回路321の各列jに対応して、タイミング調整回路326C_j(TX1)、326C_j(TX2)、326C_j(TX3)、326C_j(RSTD)を備えるタイミング調整部326Cと、ドライバ回路326D_j(TX1)、326D_j(TX2)、326D_j(TX3)、326D_j(RSTD)を備えるドライバ部326Dとを設けられている。
【0090】
ドライバ回路326D_j(TX1)は、タイミング調整回路326C_j(TX1)によりタイミング調整(遅延)されたクロック信号CK1が入力された場合、信号線LTX1に蓄積駆動信号TX1を出力する。
ドライバ回路326D_j(TX2)は、タイミング調整回路326C_j(TX2)によりタイミング調整(遅延)されたクロック信号CK2が入力された場合、信号線LTX2に蓄積駆動信号TX2を出力する。
ドライバ回路326D_j(TX3)は、タイミング調整回路326C_j(TX3)によりタイミング調整(遅延)されたクロック信号CK3が入力された場合、信号線LTX3に蓄積駆動信号TX3を出力する。
ドライバ回路326D_j(RSTD)は、タイミング調整回路326C_j(RSTD)によりタイミング調整(遅延)されたクロック信号CKRSTDが入力された場合、信号線LRSTDに蓄積駆動信号RSTDを出力する。
【0091】
これにより、信号線LTX1は、列jの画素回路321の各々における読み出しゲートトランジスタG1のゲートに接続され、読み出しゲートトランジスタG1のゲートに蓄積駆動信号TX1を伝搬させる。
同様に、信号線LTX2は、列jの画素回路321の各々における読み出しゲートトランジスタG2のゲートに接続され、読み出しゲートトランジスタG2のゲートに蓄積駆動信号TX2を伝搬させる。
信号線LTX3は、列jの画素回路321の各々における読み出しゲートトランジスタG3のゲートに接続され、読み出しゲートトランジスタG3のゲートに蓄積駆動信号TX3を伝搬させる。
信号線LRSTDは、列jの画素回路321の各々におけるドレインゲートトランジスタGDのゲートに接続され、ドレインゲートトランジスタGDのゲートに蓄積駆動信号RSTDを伝搬させる。
【0092】
図4で説明したように、画素駆動回路326には、画素回路321の各列jに対応して、4個のタイミング調整回路326C_jを備えるタイミング調整部326Cと、4個のドライバ回路326D_jを備えるドライバ部326Dとを有している。
しかしながら、図5は、説明を簡単にするため、画素駆動回路326が画素回路321に供給する駆動信号の代表として蓄積駆動信号TX1の構成のみを示している。このため、図5においては、タイミング調整回路326C_j(TX1)をタイミング調整回路326C_jとし、ドライバ回路326D_j(TX1)をドライバ回路326D_jとして示す。そして、クロック信号CK1を調整時間Tcd遅延させるタイミング調整する動作、及びクロック信号CK1が入力された場合に蓄積駆動信号TX1を出力する動作を説明する。
また、他の蓄積駆動信号TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDの各々についても、以下に説明する蓄積駆動信号TX2の場合と同様の回路を用いて、同様の動作が行なわれる。
【0093】
図5に示すように、本実施形態においては、上述したx列の画素回路321の列を中央部において分割し、1列からj列の第1グループと、j+1列からx列の第2グループを生成している。そして、第1グループと第2グループとの境界、すなわち、タイミング調整回路326Cjとタイミング調整回路326Cj+1とにクロック信号CK1を供給する。これにより、クロック信号CK1は、第1グループにおいて、タイミング調整回路326C_jから326C_j-1、326C_j-2、…、326C_1へと、順次、調整時間Tcdずつ遅延して、ドライバ回路D_j、D_j-1、D_j-2、…、326D_1それぞれに伝搬して供給される。すなわち、タイミング調整回路326C_jには調整時間Tcd遅延して、タイミング調整回路326C_j-1には調整時間Tcd×2遅延して、タイミング調整回路326C_j-2には調整時間Tcd×3遅延して、そしてタイミング調整回路326_1には調整時間Tcd×(x/2)遅延して伝搬される。
【0094】
同様に、クロック信号CK1は、第2グループにおいて、タイミング調整回路326C_j+1から326C_j+2、326C_j+3、…、326C_xへと、順次、調整時間Tcdずつ遅延して、ドライバ回路D_j+1、D_j+2、D_j+3、…、326D_xそれぞれに伝搬して供給される。すなわち、タイミング調整回路326C_j+1には調整時間Tcd遅延して、タイミング調整回路326C_j+2には調整時間Tcd×2遅延して、タイミング調整回路326C_j+3には調整時間Tcd×3遅延して、そしてタイミング調整回路326_xには調整時間Tcd×(x/2)遅延して伝搬される。
したがって、同時にピーク電流が流れるのは、ドライバ回路D_j及びD_j+1の組、D_j-1及びD_j+2の組などの2個のドライバ回路となり、遅延時間Tcd単位でピーク電流が分散して、所定のピーク電流値として平均化される。
【0095】
上述したように、本実施形態によれば、受光画素部320の画素回路321が同時に駆動される場合に比較して、ピーク電流を(x/2)に低下させることが可能となる。これにより、本実施形態によれば、受光画素部320の画素回路321(画素)が増加しても、画素回路321を駆動する際に発生するピーク電流を急激に増加させずに、ピーク電流による電源電圧の急激な低下を抑制することができる。この結果、距離画像撮像装置1における電源電圧のリンギングの発生を防止し、各画素回路321からの蓄積された電荷の電荷量に対応した電圧の読出しを正確に行なうことができ、画素数が増加しても測定空間Pにおける被写体Sと距離画像撮像装置1との距離の測定精度を、画素数が少ない場合に比較して低下させることがない。
【0096】
このとき、距離の測定精度を正確に求めるため、遅延時間Tcdは既知の数値であり、かつタイミング調整回路326C_jの各々が同一の調整時間Tcdを有するように形成されている必要がある。受光画素部320における画素回路321の列の各々が、調整時間Tcdずつずれて伝搬されるため、各電荷蓄積部CSからの読出しのタイミングが、調整時間Tcd分遅くなる。これにより、例えば蓄積駆動信号TX1が調整時間Tcdだけ遅れた場合、蓄積駆動信号TX1がドライバ回路D_j(D_j+1)から供給される画素回路321の列に比較して、ドライバ回路D_j-1(D_j+2)から供給される画素回路321の列の電荷蓄積部CS1には、調整時間Tcd分ずれた時刻の受光が行なわれる。
上述した処理が他の蓄積駆動信号TX2、TX3及びリセット駆動信号RSTDにも行なわれ、受光により光電変換素子PDが生成する電荷を蓄積するタイミング(時刻)が調整時間Tcdずれた分の距離の補正を、1フレーム分の画素信号の各々に対して行なうことで、高い精度でそれぞれの画素回路321における、被写体Sと距離画像撮像装置1との距離を測定することができる。
【0097】
図7は、画素回路321の各列の間において調整時間Tcdによってタイミング調整した蓄積駆動信号TX1、TX2及びTX3の各々のタイミングチャートである。説明を簡単にするため、リセット駆動信号RSTDは省略している。
また、図5で説明したように、タイミング調整回路326C_j及びドライバ回路D_jの組が、画素回路321の列毎に、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDの各々に対応して4組ある。すなわち、蓄積駆動信号TX1に対応して、タイミング調整回路326C_j(TX1)及びドライバ回路D_j(TX1)の組が備えられている。同様に、蓄積駆動信号TX2に対応して、タイミング調整回路326C_j(TX2)及びドライバ回路D_j(TX2)の組が備えられている。蓄積駆動信号TX3に対応して、タイミング調整回路326C_j(TX3)及びドライバ回路D_j(TX3)の組が備えられている。リセット駆動信号RSTDに対応して、タイミング調整回路326C_j(RSTD)及びドライバ回路D_j(RSTD)の組が備えられている。
以下の説明においては、タイミング調整回路326C_1(TX1)、326C_1(TX2)及び326C_1(TX3)の各々とドライバ回路326D_1(TX1)、326D_1(TX2)及び326D_1(TX3)の各々とが、画素回路321の列1に蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3のそれぞれを供給している。また、タイミング調整回路326C_j(TX1)、326C_j(TX2)及び326C_j(TX3)の各々とドライバ回路326D_j(TX1)、326D_j(TX2)及び326D_j(TX3)の各々とが、画素回路321の列jに蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3のそれぞれを供給している。
【0098】
図7において、一例として第1グループにおける画素回路321の列jから列1に伝搬したクロック信号CK1、CK2及びCK3の各々に対するタイミング調整による、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3のそれぞれの遅延量を示している。
調整時間Tcdによるタイミング調整の調整量を示している。蓄積駆動信号TX1も、後述する蓄積駆動信号TX2及び蓄積駆動信号TX3と同様に、クロック信号CKRSTDがタイミング調整回路326C_j(TX1)により遅延され、ドライバ回路D_j(TX1)から列jの画素回路321の各々に対して供給される。
時刻t1において、光パルスPOが出射が開始され、時刻t5において光パルスPOの出射が終了する。
時刻t2において、クロック信号CK2がタイミング調整回路326C_j(TX2)により、調整されることで、時刻t1より調整時間Tcd遅れて蓄積駆動信号TX2がドライバ回路D_j(TX2)から、列jの画素回路321の各々に対して供給される。
時刻t7において、クロック信号CK3がタイミング調整回路326C_j(TX3)により、調整されることで、時刻t1より調整時間Tcd遅れて蓄積駆動信号TX3がドライバ回路D_j(TX2)から、列jの画素回路321の各々に対して供給される。
【0099】
ここで、時刻t1に光パルスPOが出射された場合、光パルスPOの出射されるタイミングに同期して、クロック信号CK2が制御回路322から画素駆動回路326に供給される。このため、クロック信号CK2がj列の画素回路321に供給されるタイミングは、タイミング調整回路326C_j(TX2)により調整されて、時刻t1から調整時間Tcdの時間遅れた時刻t2にドライバ回路D_j(TX2)に伝搬される。
これにより、画素回路321の電荷蓄積部CS2における反射光PLを受光する時間が調整時間Tcd分長くなり、反射光PLにより光電変換素子PDが発生する電荷を調整時間Tcd分余分に蓄積することになる。
【0100】
一方、クロック信号CK3がj列の画素回路321に供給されるタイミングは、タイミング調整回路C_j(TX3)により調整されて、光パルスPOが立ち下がる時刻t5から調整時間Tcdの時間遅れた時刻t6にドライバ回路D_j(TX3)に伝搬される。
これにより、画素回路321の電荷蓄積部CS3における反射光PLを受光する時間が調整時間Tcd分短くなり、反射光PLにより光電変換素子PDが発生する電荷を調整時間Tcd分少なく蓄積することになる。
結果として、蓄積駆動信号TX1からTX3の各々を、それぞれ調整時間Tcd遅らせることにより、電荷蓄積部CS2に蓄積される電荷の電荷量が増加し、電荷蓄積部CS3に蓄積される電荷の電荷量が減少する。これにより、(1)式及び(2)式により求められる距離Dは、見かけ上、調整時間Tcd分近い距離として算出される。すなわち、距離Dは、距離(c/2)Tcdだけ近い距離として算出されることになる。
【0101】
このため、距離演算部42は、順次供給される距離画素電圧信号PS1、PS2及びPS3から求められる距離Dに対して、上述した調整時間Tcdに対応した補正、すなわち距離Dに対して距離(c/2)Tcdを加算して、計測された距離Dを求める。このとき、距離演算部42は、格子状に配列された画素回路321の各列の画素信号により求めた距離に、距離(c/2)Tcdクロック信号が供給された位置からそれぞれの列までのタイミング調整回路326C_jの数を乗じた補正距離を加算して、計測結果の距離として算出する。
本実施形態において、調整時間Tcdの最大値は、上述した見かけ上において、実際の距離より近い距離として算出されることから以下のように設定される。
図7において、1列目の画素回路321までの蓄積駆動信号TX1からTX3の各々の総遅延時間TMAXは、j(すなわち、x/2)個のタイミング調整回路C_j(TX1、TX2、Tx3)を経由して、クロック信号CK(CK1、CK2、CK3)が伝搬されるため、クロック信号CKが入力されたタイミングから調整時間Tcd×(x/2)となり、補正距離はTcd×(c/2)×(c/2)となる。したがって、距離演算部42は、1列目の画素回路321の各々の計算した距離Dに対して、それぞれ補正距離Tcd×(c/2)×(c/2)を加算した結果を、各画素回路321と被写体Sとの間の計測結果の距離とする。
【0102】
また、距離画像撮像装置1は、測定する距離の測定範囲が仕様として設定されている。この測定範囲において、上述したように、蓄積駆動信号TX1、TX2TX3の各々を調整時間Tcdで調整することにより、測定範囲における下限値が変動する。
図7において、総遅延時間TMAXが長くなり、1列目の画素回路321に対して、時刻t4より後ろに時刻t3、すなわち被写体Sからの反射光RLの受光を開始するタイミングより、蓄積駆動信号TX2の立ち上がりが遅くなった場合、被写体Sからの反射光RLにより発生する電荷の一部(時刻t4から時刻t3までの時間において光電変換素子PDが生成する電荷)を、電荷蓄積部CS2に対して蓄積することができなくなる。これにより、被写体Sと距離画像撮像装置1との間の距離Dを正確に測定することができない。
したがって、総遅延時間TMAXは、仕様の測定範囲の下限値がDminである場合、2×Dmin/cとなる。これにより、(2×Dmin/c)=Tcd×(x/2)となり、調整時間Tcdは、最大値の時間が4×Dmin/(c×x)未満の数値となる。一方、調整時間Tcdは、最小値の時間として、シミュレーションあるいは実験により、ピーク電流が所定の数値未満となる時間として求める。
【0103】
また、遅延時間Tcdは、上述した算出される距離Dの補正を行なうため、各タイミング調整回路C_jの各々で同一となる必要がある。
図8は、本実施形態によるタイミング調整部326Cにおけるタイミング調整回路326C_jの構成例を示す図である。図8においては、一例として蓄積駆動信号TX1について示している。他の蓄積駆動信号TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDの各々についても同様の構成である。
各タイミング調整回路C_jは、抵抗R1、R2及びコンデンサCにより形成されている。ここで、抵抗R1及びR2の各々は、隣接するドライバ開度D_jの入力端子間の配線抵抗により形成されている。また、コンデンサCは、上述した入力端子間の配線容量と、入力端子であるMOSトランジスタのゲート容量とにより形成されている。この抵抗R1及びR2の各々の抵抗値と、コンデンサCの容量値とによる時定数が調整時間Tcdとなるように、抵抗R1、抵抗R2、コンデンサCを形成する。配線抵抗及び配線容量値等を用いることにより、遅延のためのバッファ回路を設ける場合に比較して、より高い精度でタイミング調整回路326C_j(TX1)の各々の調整時間Tcdを均一とすることができる。タイミング調整回路としてバッファ回路の用いた場合、バッファ回路は製造におけるプロセスバラツキが大きく、各ドライバ回路326D_j(TX1)間における調整時間Tcdが同一に形成できず、上述した距離演算部42における補正が精度良く行なえず、被写体Sと距離画像撮像装置1との間の正確な距離を計測することができない。
そのため、本実施形態において、タイミング調整部326Cは、抵抗R1及びR2とコンデンサCとで構成されたタイミング調整回路326C_j(TX1)の各々が直列に接続されている。直列に接続されているタイミング調整回路326C_j(TX1)の各々は、それぞれクロック信号CK1を、調整時間Tcdずつ同一に遅延させ、対応するドライバ回路326D_j(TX1)に対して、クロック信号CK1を伝搬させている。
【0104】
すなわち、タイミング調整回路326_j(TX1)と326C_j-1(TX1)との接続点Qに対して、クロック信号CK1が制御回路322から供給されている。これにより、タイミング調整回路326C_j(TX1)は、ドライバ回路326D_j(TX1)の入力端子に対して、接続点Gより調整時間Tcd遅延させたクロック信号CK1を供給する。これにより、ドライバ回路326D_j(TX1)は、接続点Gに対して調整時間Tcd遅延したタイミングで、蓄積駆動信号TX1を、列Jの画素回路321に対して出力する。
また、タイミング調整回路326C_j-1(TX1)は、ドライバ回路326D_j-1(TX1)の入力端子に対して、接続点Gより調整時間Tcd×2遅延させたクロック信号CK1を供給する。これにより、ドライバ回路326D_j-1(TX1)は、接続点Gに対して調整時間Tcd×2遅延したタイミングで、蓄積駆動信号TX1を、列J-1の画素回路321に対して出力する。
同様に、タイミング調整回路326C_j+1(TX1)は、ドライバ回路326D_j+1(TX1)の入力端子に対して、接続点Gより調整時間Tcd遅延させたクロック信号CK1を供給する。これにより、ドライバ回路326D_j+1(TX1)は、接続点Gに対して調整時間Tcd遅延したタイミングで、蓄積駆動信号TX1を、列J+1の画素回路321に対して出力する。
また、タイミング調整回路326C_j+2(TX1)は、ドライバ回路326D_j+2(TX1)の入力端子に対して、接続点Gより調整時間Tcd×2遅延させたクロック信号CK1を供給する。これにより、ドライバ回路326D_j+2(TX1)は、接続点Gに対して調整時間Tcd×2遅延したタイミングで、蓄積駆動信号TX1を、列J+2の画素回路321に対して出力する。
【0105】
図9は、本実施形態における格子状に配置された列の位置と、この列の画素回路321の距離画素電圧信号PS1、PS2及びPS3により求めた補正前の距離Dとの対応関係を示す図である。図9において、縦軸が算出された距離Dを示し、横軸が列の位置を示している。また、図9における各線は、各列と、それぞの列の所定の複数の行における画素回路321の距離画素電圧信号PS1、PS2及びPS3により求めた補正前の距離Dとの対応を示している。
また、接続点Qの位置から1列目までと、接続点Qの位置からx列目までは、列間において距離が線形に変化しており、画素回路321の各列に対応したタイミング調整回路326C_jの遅延時間Tcdが均一の時定数として形成されていることを示している。したがって、距離演算部42は、画素回路321の距離画素電圧信号PS1、PS2及びPS3により求めた距離Dを、既知の調整時間Tcdに対応した距離で補正することにより、それぞれの画素回路321において、高い精度で被写体Sと距離画像撮像装置1との間の距離を求めることができる。
【0106】
また、図9において、領域51及び領域52の各々は、画素回路321の列の存在しない領域であるが、接続点Qから列1、列xそれぞれまでのタイミング調整回路326C_jが均一の調整時間Tcd(すなわち時定数)となるように、直列に接続されるタイミング調整回路326C_jの末端が開放され、求められる距離と画素回路321の位置との関係が列1、列x及び列1及び列x近傍の列において線形から外れるのを防止するために、列1、列xの位置におけるタイミング調整回路326C_1に対してダミーのタイミング調整回路が直列に接続されている。
【0107】
上述したように、本実施形態によれば、格子状に配置された画素回路321に対して、列毎の画素回路321に対して、列の配列方向に順次タイミング調整して遅延させた駆動信号(蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3及びリセット駆動信号RSTD)を供給することにより、同一タイミングで駆動する画素回路321の数を低減させるため、画素(画素回路321)が増加しても、従来のようにピーク電流の電流量を所定の値に抑制することができ、かつタイミング調整により遅延させる遅延時間が既知の調整時間Tcdであるため、格子状に配置した画素回路321の列毎に、受光した電荷の電荷量より算出した距離を調整時間Tcdに対応した補正距離により順次補正することが可能であるため、高い精度によって距離画像撮像装置1と被写体との間の距離を測定することができる。
【0108】
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。図10は、本実施形態における受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の構成例を説明する図である。図5の実施形態の場合は、画素駆動回路326におけるタイミング調整回路326C_j及びドライバ回路326D_jの組を、第1グループG1、G2に2分割した構成であった。一方、本実施形態においては、画素駆動回路326におけるタイミング調整回路326C_j及びドライバ回路326D_jの組を、3つ以上のグループに分割する構成を示している。
【0109】
本実施形態においては、各グループを形成するタイミング調整回路326C_j及びドライバ回路326D_jの組において、グループ内で直列に接続されているタイミング調整回路326C_jにおいて、直列接続における中央の接続点Qに、クロック信号CKを供給する構成となっている。
例えば、グループGkにおいては、タイミング調整回路326C_jと326C_j+1との接続点Qに、クロック信号CK(例えば、CK1)が供給される。
このため、図5の実施形態の場合、同一のタイミングで急激にピーク電流が流れるドライバ回路326D_jが2個であったが、本実施形態の場合には同一のタイミングでグループ数×2個のドライバ回路326D_jに、急激にピーク電流が流れる。このため、電源電圧が変動してリンギングの発生するピーク電流未満となる、ドライバ回路326D_jの数となるようにグループ数を設定する必要がある。
【0110】
図10の画素駆動回路326の構成によれば、遅延時間Tcdを同一とした場合、グループ内の直列接続されるタイミング調整回路326C_jの数が低減するため、図7に示す総遅延時間TMAXが図5に示す第1の実施形態の構成に比較して短くなる。
これにより、図10の画素駆動回路326の構成によれば、距離画像撮像装置1における測定範囲の下限の測定距離を小さくすることができるため、第1の実施形態と同様に画素回路321を駆動するタイミングにおけるピーク電流を低下させ、既知の補正距離により補正することで高い精度で距離画像撮像装置1と被写体Sとの距離を高い精度で測定できる効果に加え、第1の実施形態の構成に比較して測定される距離の測定範囲を実質的に広げる、すなわちより近い距離にある被写体Sの距離を精度良く測定することが可能となる。
【0111】
また、図10においては、各グループを形成するタイミング調整回路326C_j及びドライバ回路326D_jの組において、グループ内で直列に接続されているタイミング調整回路326C_jにおいて、直列接続における中央の接続点Qに、クロック信号CKを供給する構成としたが、タイミング調整回路326C_jの直列接続におけるいずれの接続点、あるいは端部にクロック信号CKを供給する構成としてもよい。
【0112】
<第3の実施形態>
以下、本発明の第3の実施形態について、図面を参照して説明する。図11は、本実施形態における受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の構成例を説明する図である。
本実施形態においては、画素駆動回路326のドライバ部326Dにおけるドライバ回路326D_jを複数のグループ、例えばn個のクループに分割し、それぞれのグループに対して1個のタイミング調整回路326C_n(nはグループ数)を備える構成としている。このため、各グループにおけるドライバ回路326D_jの入力端子を共通に接続点Qにより接続し、各グループにおけるドライバ回路326D_jの各々に対して、対応するタイミング調整回路C_nが同一タイミングでクロック信号CKを供給する。例えば、グループGk(1≦k≦n)の場合、タイミング調整回路326C_kに接続されているドライバ回路326D_j-2、326D_j-1及び326D_jの各々に、同一のタイミングで、タイミング調整回路326_kでタイミング調整されて遅延したクロック信号CK1が供給される。
【0113】
上述した構成により、画素駆動回路326において、グループ単位でドライバ回路326D_jの各々がそれぞれ対応する列jの画素回路321を駆動することになる。例えば、
したがって、画素駆動回路326に発生するピーク電流は、本実施形態の場合には、同一タイミングにおいて、「2個×グループ内におけるドライバ回路326D_j数」に、ドライバ回路326D_jのピーク電流を乗算した数値となる。
このため、電源電圧が変動してリンギングの発生するピーク電流未満となるように、グループ内のドライバ回路326D_jの数を設定する必要がある。
図11の画素駆動回路326の構成によれば、遅延時間Tcdを同一とした場合、グループ間でタイミング調整回路326C_n直列接続するために、クロック信号CKが伝搬するタイミング調整回路326C_nの数が低減するため、図7に示す総遅延時間TMAXが図5の構成に比較して短くなる。
これにより、図11の画素駆動回路326の構成によれば、図10に示す第2の実施形態と同様に、距離画像撮像装置1における測定範囲の下限の測定距離を小さくすることができるため、第1の実施形態と同様に画素回路321を駆動するタイミングにおけるピーク電流を低下させ、既知の補正距離により補正することで高い精度で距離画像撮像装置1と被写体Sとの距離を高い精度で測定できる効果に加え、第2の実施形態と同様に、第1の実施形態の構成に比較して測定される距離の測定範囲を実質的に広げる、すなわちより近い距離にある被写体Sの距離を精度良く測定することが可能となる。
【0114】
<第4の実施形態>
以下、本発明の第4の実施形態について、図面を参照して説明する。図12は、本実施形態における距離画像撮像装置1の構成例を示す図である。
また、図12には、受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の配置が示されている。本実施形態の画素駆動回路326におけるタイミング調整部326C及びドライバ部326Dの構成は第1の実施形態と同様である。ここで、タイミング調整回路326C_jの調整時間Tcdの設定についても、第1の実施形態と同様に距離の計測範囲の下限に対応して設定する。
図12は、例えば、距離画像センサ32のデバイスを、画素回路321からなる受光画素部320を上層基板(上部チップ)101に形成し、制御回路322、垂直走査回路323、水平走査回路324、画素信号処理回路325、画素駆動回路326の各々を下層基板(下部チップ)102に形成している。この積層化には、TSV(through-silicon via)などのチップを積層させる、いわゆる半導体多層チップの構成を用いることができる。
【0115】
上層基板101には、受光画素部320において、画素回路321が格子状に配列されている。
下層基板102において、画素駆動回路326は、格子状の配列における画素回路321の行に対して平行に配置される。具体的には、画素駆動回路326におけるドライバ回路326D_jは、画素回路321の格子状の配列において、格子状の画素回路321の行のなかにおける中央の行mに対して平行に、平面視で重なる位置あるいはこの位置の近傍に直列に接続して形成されている。また、各列の画素回路321における読出しゲートトランジスタG1、G2、G3、ドレインゲートトランジスタGDの各々のゲートは、第1の実施形態と同様に、それぞれ同一の信号線LTX1、LTX2、LTX4、LRSTDにより接続されている。例えば、ドライバ回路326D_j(TX1)は、制御回路322から供給されるクロック信号CK1を、タイミング調整回路326C_j(TX1)を介して入力して、蓄積駆動信号TX1を出力する。他の蓄積駆動信号TX2、TX3及びリセット駆動信号RSTDの供給も、タイミング調整回路326C_j(TX2、TX3、TRSTD)及びドライバ回路326D_j(TX2、TX3、TRSTD)により、上述した蓄積駆動信号TX1と同様に行なわれる。
【0116】
以下、回路構成として、画素回路321に対する蓄積駆動信号TX1の供給を例として説明する。
下層基板102のドライバ回路321D_j(TX1)の各々は、画素回路321の格子状の配列において、それぞれ対応する画素回路321の列jにおける、行配列における中央の行mに配置された画素回路321の読出しゲートトランジスタG1のゲートの位置において、出力端子がTX1の信号線に接続されている。ここで、ドライバ回路321D_j(TX1)は、出力端子が、上層基板101の上記蓄積駆動信号TX1の信号線LTX1に、例えば、上層基板101を貫通する貫通ビアVIAを介して接続されている。そして、ドライバ回路321D_j(TX1)は、上層基板101を貫通する貫通ビアを介して、上層基板101の蓄積駆動信号TX1の信号線LTX1に蓄積駆動信号TX1を供給する。
これにより、画素回路321の列においては、列の中央の画素回路321からそれぞれ列の中央の画素回路321から列の端部の画素回路321に向かって蓄積駆動信号TX1が伝搬する。
また、他の、蓄積駆動信号TX2、TX3及びリセット駆動信号RSTDの各々についても、上述した蓄積駆動信号TX1を供給する構成と同様の構成である。
【0117】
このため、本実施形態は、画素回路321の列の一方の端部の画素回路321から他方の端部の画素回路321に向かって蓄積駆動信号が伝搬する第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に比較して、画素回路321の列において、蓄積駆動信号TX1蓄積駆動信号TX2、TX3及びリセット駆動信号RSTDの各々が供給された位置の画素回路321から終端の画素回路321までにおける総遅延時間Tmaxを短縮することができる。
これにより、本実施形態によれば、第1の実施形態と同様に、画素回路321を駆動するタイミングにおけるピーク電流を低下させ、既知の補正距離により補正することで高い精度で距離画像撮像装置1と被写体Sとの距離を高い精度で測定でき、かつ、総遅延時間TMAXが短縮されることにより、列方向の遅延分布の遅延量が単純に半分となり、電荷蓄積部CS1に対して蓄電を行なうタイミングをより近づけることが可能となり、第1の実施形態に比較して、格子状に配列された列毎の画素回路321間において求められる距離の誤差を低減することができる。
【0118】
また、本実施形態においては、第1の実施形態の距離画像センサ32を、上層基板101及び下層基板102の半導体多層チップの構成とし、上層基板101に受光画素部320を形成し、下層基板102に画素駆動回路326を形成する構成として説明したが、第2の実施形態及び第3の実施形態の距離画像センサ32も上述した第1実施形態の距離画像センサ32と同様に、上層基板101に受光画素部320を形成し、下層基板102に画素駆動回路326を形成する構成としても良い。
【0119】
<第5の実施形態>
以下、本発明の第5の実施形態について、図面を参照して説明する。図13は、本実施形態における距離画像撮像装置1の構成例を示す図である。図13において、図12に示す第4の実施形態と同様に、距離画像センサ32のデバイスを、格子状に配列された画素回路321からなる受光画素部320を上層基板(上部チップ)101に形成し、制御回路322、垂直走査回路323、水平走査回路324、画素信号処理回路325、画素駆動回路326の各々を下層基板(下部チップ)102に形成している。また、図13には、受光画素部320の格子状に配列された画素回路321において、列単位に画素回路321を駆動する画素駆動回路326の構成が示されている。本実施形態の受光画素部320は、画素回路321の列毎に信号線LTX1、LTX2、LTX3、LRSTDが設けられている第4の実施形態と異なり、全ての画素回路321に対して、共通の信号線LTX1、LTX2、LTX3、LRSTDが設けられている。
具体的には、受光画素部320の全ての画素回路321に対応させて、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDそれぞれに1個のドライバ回路326D_1(TX1)、326D_1(TX2)、326D_1(TX3)、326D_1(RSTD)が設けられている。例えば、ドライバ回路326D_1(TX1)は、制御回路322から供給されるクロック信号CK1を入力して、受光画素部320における全ての画素回路321に信号線LTX1を介して蓄積駆動信号TX1を供給する。すなわち、ドライバ回路326D_1(TX1)は、制御回路322から供給されるクロック信号CK1を入力して、受光画素部320における全ての画素回路321における読出しゲートトランジスタG1のゲートに対して蓄積駆動信号TX1を出力する。
また、ドライバ回路326D_1(TX2)、326D_1(TX3)及び326D_1(RSTD)の各々による、画素回路321への他の蓄積駆動信号TX2、TX3、リセット駆動信号RSTDのそれぞれの供給も、上述したドライバ回路326D_1(TX1)による画素回路321への蓄積駆動信号TX1の供給と同様である。
【0120】
画素駆動回路326におけるドライバ回路326D_1は、画素回路321の格子状の配列において、配列の中央部分の画素回路321、すなわち配列における中央の列jにおける中央の行mの画素回路321_jmに、平面視で重なる位置あるいはこの位置の近傍に配置して形成されている。また、格子状に配列された全ての画素回路321における読出しゲートトランジスタG1、G2、G3、ドレインゲートトランジスタGDの各々のゲートは、それぞれ同一の信号線LTX1、LTX2、LTX3、LRSTDそれぞれにより共通に接続されている。すなわち、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX4、リセット駆動信号RSTDの信号線の各々は、格子状に配置された画素回路321の全てに対して共通に接続され、伝搬経路のネットワークを形成している。このため、蓄積駆動信号TX1、TX2、TX4、リセット駆動信号RSTDの各々は、それぞれの信号線に対していずれかの位置で供給されることで受光画素部320における全ての画素回路321に伝搬される。
【0121】
以下、回路構成として、画素回路321に対する蓄積駆動信号TX1の供給を例として説明する。すでに説明したように、格子状に配列された画素回路321の全ての読出しゲートトランジスタG1のゲートが同一の信号線により共通に接続されている。ドライバ回路321D_1(TX1)は、蓄積駆動信号TX1の信号線と、上記格子の配列の中央に配置された画素回路321_jmの読出しゲートトランジスタG1のゲートとが接続された位置において、例えば、上層基板101を貫通する貫通ビアVIAを介して下層基板102から、蓄積駆動信号TX1の信号線LTX1に蓄積駆動信号TX1を供給する。
これにより、格子状に配置された画素回路321の各々においては、配列の中央の画素回路321_jmからそれぞれ隣接して配置される他の画素回路321に対して、調整時間Tcd遅延して蓄積駆動信号TX1が同心円状500に順次伝搬する。ここで、同心円状に蓄積駆動信号TX1が伝搬する際に、隣接する画素回路321間における蓄積駆動信号TX1の遅延時間である調整時間Tcdが隣接する画素回路321間において同一となるように、各画素回路321間における信号線を形成する。
他の、蓄積駆動信号TX2、TX3及びリセット駆動信号RSTDの各々についても、上述した蓄積駆動信号TX1を供給する構成と同様の構成である。
【0122】
このため、本実施形態は、格子状に配置された画素回路321の各々において、格子の中央における画素回路321から同心円状に隣接する画素回路321に対して蓄積駆動信号TX1、TX2、TX3及びリセット駆動信号RSTDの各々が順次伝搬していくため、距離画像撮像装置1の受光部3におけるレンズ31などにおける光の伝搬特性と相性が良く、かつ電荷蓄積部CS1、CS2及びCS3に電荷が所定の調整時間Tcdに対応して蓄電されるため、第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態及び第4の実施形態に比較して、計測される距離の誤差を低減、特に中央領域における画素における計測される距離の誤差を低減することができる。
【0123】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0124】
1…距離画像撮像装置
2…光源部
3…受光部
4…距離画像処理部
21…光源装置
22…拡散板
31…レンズ
32…距離画像センサ
41…タイミング制御部
42…距離演算部
101…上層基板
102…下層基板
320…受光画素部
321…画素回路
322…制御回路
323…垂直走査回路
324…水平走査回路
325…画素信号処理回路
326…画素駆動回路
326C…タイミング調整部
326C_j…タイミング調整回路
326D…ドライバ部
326D_j…ドライバ回路
C…電荷蓄積容量
CS 電荷蓄積部
FD…フローティングディフュージョン
G…読み出しゲートトランジスタ
GD…ドレインゲートトランジスタ
O…出力端子
P…測定空間
PD…光電変換素子
PO…光パルス
RL…反射光
RT…リセットゲートトランジスタ
RU…画素信号読み出し部
S…被写体
SF…ソースフォロアゲートトランジスタ
SL…選択ゲートトランジスタ
VIA…ビア
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13