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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】リップバーム塗布用の化粧品容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 40/00 20060101AFI20220801BHJP
   A45D 40/16 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
A45D40/00 Z
A45D40/16 B
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019526554
(86)(22)【出願日】2017-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2017079813
(87)【国際公開番号】W WO2018095871
(87)【国際公開日】2018-05-31
【審査請求日】2020-10-27
(31)【優先権主張番号】102016000118774
(32)【優先日】2016-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516200323
【氏名又は名称】インテルコス エッセ.ピ.ア.
【氏名又は名称原語表記】INTERCOS S.p.A
(74)【代理人】
【識別番号】110001368
【氏名又は名称】清流国際弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100129252
【弁理士】
【氏名又は名称】昼間 孝良
(74)【代理人】
【識別番号】100155033
【弁理士】
【氏名又は名称】境澤 正夫
(72)【発明者】
【氏名】デ ガエタニ、マリア
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-033604(JP,A)
【文献】特開2016-140476(JP,A)
【文献】国際公開第2011/071792(WO,A2)
【文献】中国実用新案第202760465(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 40/00
A45D 40/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リップバーム(2)を塗布するための化粧品容器(1)であって、キャップ(14)と、上側内殻(19,149)と、基部(16)とを備え、前記キャップ(14)と前記基部(16)とが、前記化粧品容器(1)を形成するように、組付軸線(M)に沿って互いに分離可能に組み付け可能であり、前記基部(16)が、固形状の前記リップバーム(2)を支持する支持フレーム(30)を含み、前記上側内殻(19,149)が前記キャップ(14)と前記基部(16)との間に設けられ、前記上側内殻(19,149)が、固形状の前記リップバーム(2)の外面に対して補完的な形状を有し、前記バーム(2)の前記外面が、前記バーム(2)を唇に塗布するのに適した形状を有し、前記基部(16)が下側内殻(3)を含み、前記基部(16)の底部には、前記化粧品容器(1)が完全に組み付けられて裏返された姿勢の状態で加熱半流体状の前記バーム(2)を前記化粧品容器(1)内に充填するステップの間、加熱半流体状の前記バーム(2)を通過可能とする貫通孔(23)が設けられ、充填ステップの前後に下側プラグ(160)によって前記基部(16)の前記貫通孔(23)が閉じられ、前記支持フレーム(30)が前記基部(16)と一体であり、前記下側内殻(3)の内部中央部(180)が前記基部(16)の内側底部であり、前記貫通孔(23)内へと開口し、前記基部(16)の前記支持フレーム(30)が、前記基部(16)の前記下側内殻(3)の前記内部中央部(180)から前記上側内殻(19,149)に向かって前記組付軸線(M)に沿って延在する中央中空ハブ(36)を含み、前記中央中空ハブ(36)が、底部で前記貫通孔(23)内へと開口する内部空洞(360)を含み、前記中央中空ハブ(36)が、前記基部(16)の前記下側内殻(3)に対向する外面(380)を含み、前記中央中空ハブ(36)が多数の放射状貫通スリット(500)を含み、前記基部(16)の前記支持フレーム(30)が、前記下側内殻(3)の内部を前記下側内殻(3)の空間区域(18)へと区分する多数の放射状壁部(34)を含み、各放射状壁部(34)が、前記基部(16)の前記下側内殻(3)から前記組付軸線(M)に沿って延在し、前記多数の放射状貫通スリット(500)の各放射状貫通スリット(500)が、前記多数の放射状壁部(34)の隣接する2つの放射状壁部(34)の間に配置されて、充填ステップの間、加熱半流体状の前記バーム(2)を、前記中央中空ハブ(36)の前記内部空洞(360)から前記基部(16)の前記下側内殻(3)における前記空間区域(18)の1つへと通過可能とし、前記多数の放射状壁部(34)の各放射状壁部(34)が、前記中央中空ハブ(36)の前記外面(380)から前記基部(16)の外壁(161)に向かって放射状に延在する化粧品容器(1)において、前記多数の放射状壁部(34)の各放射状壁部(34)が、少なくとも1つの上側溢流貫通スリット(340)を含む上部(349)を含み、各上側溢流貫通スリット(340)が、充填ステップの間、加熱半流体状の前記バーム(2)を、前記基部(16)の前記下側内殻(3)における前記空間区域(18)の少なくとも2つの間を通過可能とするようになっていて、2つ以上の前記放射状貫通スリット(500)が前記多数の放射状壁部(34)の隣接する2つの放射状壁部(34)の間に配置されることを特徴とする化粧品容器(1)。
【請求項2】
各放射状貫通スリット(500)が前記中央中空ハブ(36)の下部(363)に配置されることを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記上側溢流貫通スリット(340)が、前記中央中空ハブ(36)に近接した前記放射状壁部(34)の前記上部(349)に配置され、前記少なくとも1つの上側溢流貫通スリット(340)が、充填ステップの間、加熱半流体状の前記バーム(2)を、前記中央中空ハブ(36)の前記内部空洞(360)から、前記基部(16)の前記下側内殻(3)における前記空間区域(18)の少なくとも2つへと通過可能とするようになっていることを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【請求項4】
前記下側内殻(3)が、前記基部(16)の前記外壁(161)と前記下側内殻(3)の底部である前記内部中央部(180)とに接する境界(181)を含み、前記下側内殻(3)の前記境界(181)が、前記下側内殻(3)の前記内部中央部(180)に対して高く配置され、この高さが前記組付軸線(M)に沿って測定されることを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【請求項5】
前記下側内殻(3)が凹形状を有することを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【請求項6】
前記キャップ(14)が前記上側内殻(19)を含むことを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【請求項7】
前記上側内殻(149)を含む中央キャップ(140)が、前記キャップ(14)に対して、前記組付軸線(M)に沿って分離可能に組み付けられていることを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【請求項8】
前記中央キャップ(140)が、前記キャップ(14)の内面の連結要素(191)と連結する連結要素(141)を提供することを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【請求項9】
前記上側内殻(149)を含む中央キャップ(140)が、前記基部(16)に対して、前記組付軸線(M)に沿って分離可能に組み付けられていることを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【請求項10】
前記上側内殻(19,149)が曲線的な形状を有することを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【請求項11】
前記キャップ(14,140)が曲線的な形状を有することを特徴とする、請求項に記載の化粧品容器(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リップバームを塗布するための化粧品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術において、固形状のバーム用の支持リングを分離可能に組み付けられるふたと基部とを備える、リップバームを塗布するための化粧品容器が、米国特許第8651308号明細書によって開示されている。支持リングは、容器への充填ステップの間、加熱半流体状のバームを通過させる多数の貫通孔を含んだ骨組形状の支持フレームを含む。支持リングの支持フレームは固形状のバームを支持する。基部は、加熱半流体状のバーム用の充填管が下方からアクセス可能となるように下側開口部を含む。化粧品容器の損傷回避やバームの汚染防止を目的として、化粧品容器の損傷やバームの汚染を引き起こしかねない事態である加熱半流体状のバームの溢流の回避や加熱半流動状のバームの過充填の防止をするために、充填管が下側開口部に対し化粧品容器内へ深く挿入されることとなり不便である。
【0003】
加熱半流体状のバームを含む化粧品容器の損傷を回避し且つバームの汚染を防止するために、上記の特許のような、基部に対して分離可能に組み付け可能な支持リングを備える、リップバームを塗布するための他の化粧品容器が、国際公開第2011/071792号及び欧州特許出願公開第2509461号明細書によって開示されている。加熱半流体状のバームの充填ステップの間、基部は支持リングから分離され、加熱半流体状のバームを支持リングの貫通孔から直接通過させて、加熱半流体状のバームを化粧品容器内へと充填する。加熱半流体状のバームの化粧品容器内への充填は、複雑であり、且つ、化粧品容器の基部を後から組み付ける必要があるため、組み付けに時間を要すると共に化粧品容器の組み付けが複雑化するという問題があった。
【0004】
最も類似した先行技術である英国特許第2162822号明細書には、キャップと、中央中空ハブを含む基部とを備え、中央中空ハブが、充填ステップの際に、加熱半流体状のバームが中央中空ハブの内部空洞と上側内殻との間を通過可能とする複数の貫通スリットを含む、リップバームを塗布するための化粧品容器が開示されている。バームが濁ってしまい、制御された状態で上側内殻に入らず、流れが遅いためにバームの均質性が失われて、不均質な塊へと固まってしまうという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8651308号明細書
【文献】国際公開第2011/071792号
【文献】欧州特許出願公開第2509461号明細書
【文献】英国特許第2162822号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、より簡素化され、組み付けがより容易且つ迅速である、リップバームを塗布するための化粧品容器であって、加熱半流体状のバームを、損傷やバームの汚染なく充填することができる化粧品容器を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、こうした目的は、請求項1に記載の化粧品容器によって達成される。
【0008】
本発明の特徴は、添付の図面に限定の意図なく示される、以下の本発明の実施形態の詳細な説明から明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明に係るリップバームを塗布するための化粧品容器の分解斜視図を示す。
図2図2は、閉じられた化粧品容器の斜視図を示す。
図3図3は、閉じられた化粧品容器の側面図を示す。
図4図4は、閉じられた化粧品容器の上面図を示す。
図5図5は、図4のV-V線に沿った断面図を示す。
図6図6は、図4のVI-VI線に沿った断面図を示す。
図7図7は、化粧品容器の基部の上面斜視図を示す。
図8図8は、化粧品容器の基部の底面斜視図を示す。
図9図9は、化粧品容器の基部の上面図を示す。
図10図10は、化粧品容器の基部の底面図を示す。
図11図11は、化粧品容器の基部の側面図を示す。
図12図12は、図9のXII-XII線に沿った断面を示す。
図13図13は、化粧品容器のキャップの、図4のV-V線に沿った断面図を示す。
図14図14は、化粧品容器の中央キャップの側面図を示す。
図15図15は、中央キャップの、図4のV-V線に沿った断面図を示す。
図16図16は、図15の拡大詳細を示す。
図17図17は、化粧品容器の下側プラグを示す。
図18図18は、下側プラグの、図4のV-V線に沿った断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上記の図面を参照し、キャップ14と、上側内殻149と、基部16とを含む、リップバーム2を塗布するための化粧品容器1に注目すべきである。
【0011】
図1及び図2に示すように、上記キャップ14と上記基部16とは、化粧品容器1を形成するように、組付軸線Mに沿って互いに分離可能に組み付け可能である。
【0012】
特に図1図6及び図13に示すように、キャップ14は曲線的な形状を有する。
【0013】
特に図1図3図5図6及び図14図16に示すように、上記化粧品容器1は、上記上側内殻149を含む中央キャップ140を含む。上記中央キャップ140は、上記キャップ14に対して、組付軸線Mに沿って分離可能に組み付け可能である。
【0014】
中央キャップ140は曲線的な形状を有する。
【0015】
上記上側内殻149は上記キャップ14と上記基部16との間に設けられ、上記上側内殻149は固形状のリップバーム2の外面に対して補完的な形状を有する。バーム2の上記外面は、バーム2を唇に塗布するのに適した曲線的な形状を有する。
【0016】
充填ステップの間、上記上側内殻149は上記基部16に組み付けられることが好ましく、これによって組付作業が容易になると共に化粧品容器1が簡素化される。充填ステップの間、上記上側内殻149及び上記基部16は、加熱半流体状のバーム2を収容する。
【0017】
上側内殻149は曲線的な形状を有する。
【0018】
中央キャップ140の外形は上側内殻149の形状に倣うが、外側のキャップ14の形状は任意であることから、中央キャップ140が外側のキャップ14に任意のより簡素な形状を与えるものであることが好ましい。
【0019】
特に図13に示すように、上記キャップ14は内側ねじ山部15を含む。
【0020】
特に図1図7及び図11図12に示すように、上記基部16は外側ねじ山部17を含む。キャップ14の上記内側ねじ山部15は、上記基部16の上記外側ねじ山部17に螺合する。
【0021】
特に図1及び図15図16に示すように、上記中央キャップ140は、上記キャップ14の内面の連結要素191と連結する連結要素141を含む。特に図13に示すように、上記キャップ14の内面の上記連結要素191は、上記中央キャップ140の上記連結要素141に対して補完的な形状を有する。
【0022】
リップバーム2を塗布するために化粧品容器1を開くためにキャップ14を回して基部16から外す際、中央キャップ140は上記キャップ14に組み付けられているため、化粧品容器1を開けてバーム2を唇に塗布するには上記キャップ14のみを回して外しさえすれば十分である。
【0023】
特に図5図12に示すように、上記基部16は、固形状の上記リップバーム2を支持する支持フレーム30を含む。
【0024】
上記支持フレーム30は、上記基部16と一体であることが好ましく、化粧品容器1の組み付けを簡素化して、化粧品容器1の組付作業をより迅速で安全なものとする。
【0025】
上記基部16の上記支持フレーム30は固形状の上記リップバーム2を支持する。
【0026】
上記基部16は下側内殻3を含む。
【0027】
下側内殻3は、上記基部16の外壁161と下側内殻3の底部である上記内部中央部180とに接する境界181を含む。下側内殻3の上記境界181は、下側内殻3の内部中央部180に対して高く配置される。この高さは組付軸線Mに沿って測定される。
【0028】
上記下側内殻3は、化粧品容器1を更に簡素化するように凹形状を有する。
【0029】
上記基部16の底部には、加熱半流体状の上記バーム2を化粧品容器1内に充填するステップの間、加熱半流体状のバーム2を通過可能とする貫通孔23が設けられる。
【0030】
上記下側内殻3の内部中央部180は基部16の内側底部であり、上記貫通孔23が開口している。上記貫通孔23は、化粧品容器1の内側から外側へと開口する。
【0031】
特に図4図12に示すように、上記基部16の上記支持フレーム30は、上記上側内殻149に向かって、基部16の下側内殻3における内部中央部180の組付軸線Mに沿って延在する中央中空ハブ36を含む。
【0032】
上記中央中空ハブ36は、上記貫通孔23の底部に開口する内部空洞360を含む。上記中央中空ハブ36は、基部16の下側内殻3に対向する外面380を含む。
【0033】
上記基部16の上記支持フレーム30は、下側内殻3の内部を下側内殻3の空間区域18へと区分する多数の放射状壁部34を含む。上記多数の放射状壁部34の各放射状壁部34は二方向に延在する。各放射状壁部34は、上記中央中空ハブ36の外面380から上記基部16の上記外壁161に向かって放射状に延在する。各放射状壁部34は、基部16の下側内殻3から上記上側内殻149に向かって組付軸線Mに沿って延在する。
【0034】
上記中央中空ハブ36は、加熱半流体状のバーム2を、化粧品容器1を損傷することなく、且つ、バーム2の汚染や濁りを防止しながら、制御された状態で流す多数の放射状貫通スリット500を含む。上記多数の放射状貫通スリット500の各放射状貫通スリット500は、上記多数の放射状壁部34の隣接する2つの放射状壁部34の間に配置される。各放射状貫通スリット500は、充填ステップの間、加熱半流体状のバーム2を、中央中空ハブ36の内部空洞360と基部16の下側内殻3における上記空間区域18の1つとの間を通過可能とする。
【0035】
少なくとも1つの放射状貫通スリット500を上記多数の放射状壁部34の隣接する2つの放射状壁部34の間に配置することが好ましく、充填ステップの間、上記少なくとも1つの放射状貫通スリット500によって、加熱半流体状のバーム2が基部16の下側内殻3の各空間区域18に供給されるようにする。
【0036】
各放射状貫通スリット500を中央中空ハブ36の下部363に配置して、化粧品容器1内において加熱半流体状のバーム2をより良く制御することが好ましい。
【0037】
上記多数の放射状壁部34の各放射状壁部34は、少なくとも1つの上側溢流貫通スリット340を含む上部349を含む。各上側溢流貫通スリット340は、充填ステップの間、加熱半流体状のバーム2を、基部16の下側内殻3における上記空間区域18の少なくとも2つの間を通過可能とする。
【0038】
少なくとも1つの上側溢流貫通スリット340が、上記中央中空ハブ36に近接した放射状壁部34の上部349に配置される。上記少なくとも1つの上側溢流貫通スリット340は、充填ステップの間、加熱半流体状のバーム2を、中央中空ハブ36の内部空洞360と、基部16の下側内殻3における空間区域18の少なくとも2つとの間を通過可能とする。特に図7図9及び図12に示すように、多数の上側溢流貫通スリット340は、上記中央中空ハブ36に近接した各放射状壁部34の上部349上に配置されて、加熱半流体状のバーム2が空間区域18と中央中空ハブ36の内部空洞360との間を通過し易いようになっている。
【0039】
特に図1図5~6、図12及び図17図18に示すように、基部16の貫通孔23の外側から下側プラグ160を閉じる。
【0040】
加熱半流体状の上記バーム2を化粧品容器1内へと充填するステップに関しては、化粧品容器1を裏返して、上側内殻19,149を上記基部16に組み付け、加熱半流体状のバーム2を導入し易いように上記貫通孔23を上向きにする。加熱半流体状のバーム2を基部の貫通孔23内に挿入し、加熱半流体状のバーム2を、濁ったり汚染されたりすることなく、そして化粧品容器1を損傷することなく、制御された一定の状態で中央中空ハブ36の内部空洞360内へと流すことが好ましい。加熱半流体状のバーム2は、制御された状態で徐々に充填される放射状貫通スリット500によって、制御された一定の状態で、中央中空ハブ36の内部空洞360から下側内殻3の空間区域18へと流れる。加熱半流体状のバーム2は、制御された状態で、基部16内を上側内殻19,149の方向に流れる。放射状壁部34の上側溢流貫通スリット340によって、加熱半流体状のバーム2は上記空間区域18と上記内部空洞360との間を通過し、制御された状態で流されながら化粧品容器1内により良く分配される。上側内殻19,149は、基部16の支持フレーム30の上部まで、加熱半流体状のバーム2で充填される。下側プラグ160によって基部16の貫通孔23を閉じる。
【0041】
好ましいことに、基部16は事前に組み付けられており、化粧品容器1の組付作業を容易にし、その分組付作業を削減する。充填ステップの終了後は、下側プラグ160によって基部16の貫通孔23を閉じるのみとなる。
【0042】
好ましくは、加熱半流体状のバーム2は、化粧品容器1を損傷することなく、且つ、バーム2が汚染されたり濁ったりすることなく、制御された状態で化粧品容器1内を流れる。
【0043】
中央中空ハブ36と、多数の放射状貫通スリット500と、下側内殻3を空間区域18へと区分する放射状壁部34とを含む基部16の形状によって、有利には、加熱半流体状のバーム2を、化粧品容器1を損傷することなく、且つ、バーム2が濁ったりバーム2が汚染されたりすることなく、制御された状態で、上側内殻19,149に向かって一定に流すことができる。
【0044】
上側溢流貫通スリット349によって、化粧品容器1が加熱半流体状のバーム2で充填された時をより確実に認識でき、バーム2が塊や突出部分を有することなくバーム2をより平らにすることができるため好ましい。その結果、バーム2が固形状になった際に、基部16の上記支持フレーム30によってより良くより確実に支持することができる。
【0045】
バーム2が固形状になると、上記支持フレーム30によって支持される。
【0046】
固形状のバーム2を人の唇に塗布する際は、化粧品容器1を開いてバーム2を露出させるように、中央キャップ140が組み付けられたキャップ14を取り外すだけで十分である。
【0047】
或いは、キャップ14は任意の外形を有する。上記上側内殻19,149は、固形状のリップバーム2の外面に対して補完的な形状を有する。
【0048】
或いは、中央キャップ140は任意の外形を有する。上記上側内殻19,149は、固形状のリップバーム2の外面に対して補完的な形状を有する。
【0049】
或いは、中央キャップ140を設けない。この代替案では、上記キャップ14は、固形状のリップバーム2の外面に対して補完的な形状を有する上記上側内殻19を含む。
【0050】
或いは、中央キャップ140は、上記基部16に対して、組付軸線Mに沿って分離可能に組み付け可能である。そして、キャップ14は、上記基部16に対しては分離可能に組み付け可能だが、上記中央キャップ140に対しては異なる。この代替案では、中央キャップ140は上記上側内殻149を含む。この代替案では、上記中央キャップ140は内側ねじ山部154を含む。上記基部16は外側ねじ山部17を含む。中央キャップ140の上記内側ねじ山部154は、上記基部16の上記外側ねじ山部17と螺合するようになっている。
【0051】
或いは、基部16の上記下側内殻3は、曲線的形状を有した下側内殻3を含むものであって、中央中空ハブ36に向かって突出する面を有した凸形状、星形状又は円錐形状の一つの形状を有する。
【0052】
或いは、上側内殻19,149は、バーム2を唇に塗布するのに適した任意の形状である固形状のリップバーム2の外面に対して補完的な形状を有する。
【0053】
或いは、2つ以上の放射状貫通スリット500を上記多数の放射状壁部34の隣接する2つの放射状壁部34の間に配置して、充填ステップの間、上記少なくとも1つの放射状貫通スリット500によって、加熱半流体状のバーム2が基部16の下側内殻3の各空間区域18に充填されるようにしてもよい。
【0054】
或いは、少なくとも1つの放射状貫通スリット500を、中央中空ハブ36の上部か、又は中央中空ハブ36の下部363とは異なる部分に引き続き配置するようにすることも可能である。放射状貫通スリット500を中央中空ハブ36の全体に沿って配置するようにすることも可能である。
【0055】
或いは、上記多数の放射状壁部34の各放射状壁部34が、多数の上側溢流貫通スリット340を含む上部349を含むようにする。
【0056】
或いは、上側溢流貫通スリット340を設けないようにすることも可能である。
【0057】
本発明に係るリップバーム2を塗布するための化粧品容器1はより簡素化されて、組み付けがより容易且つ迅速であることが好ましく、化粧品容器1を損傷させることもバーム2が汚染されることもなく、加熱半流体状のバーム2を充填することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 化粧品容器
2 リップバーム
3 下側内殻
14 キャップ
16 基部
18 空間区域
19,149 上側内殻
23 貫通孔
30 支持フレーム
34 放射状壁部
36 中央中空ハブ
140 中央キャップ
141 連結要素
160 下側プラグ
180 内部中央部
181 境界
191 連結要素
340 上側溢流貫通スリット
349 上部
360 内部空洞
363 下部
380 外面
500 放射状貫通スリット
M 組付軸線
図1
図2
図3
図4
図5-6】
図7
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図10
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図15-16】
図17
図18