(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20220801BHJP
B65G 65/30 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
G01G19/387 C
B65G65/30 B
(21)【出願番号】P 2018237044
(22)【出願日】2018-12-19
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086737
【氏名又は名称】岡田 和秀
(72)【発明者】
【氏名】末道 亮
(72)【発明者】
【氏名】宇野 菜穂
【審査官】公文代 康祐
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-140418(JP,U)
【文献】特開2009-092399(JP,A)
【文献】特開平09-257554(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第01347276(EP,A2)
【文献】特開平02-106522(JP,A)
【文献】国際公開第2016/125407(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01G 19/387
B65G 65/30
B65D 88/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留した物品を、搬送経路へ供給する貯留ホッパを備える組合せ計量装置であって、
一対の支持レールを備え、
前記貯留ホッパは、前記支持レールに沿って挿抜可能に連結される連結部を有し、
前記貯留ホッパは、前記連結部を前記支持レールに挿入連結することによって、前記支持レールに支持される
ものであり、
前記連結部が、前記貯留ホッパの上端に形成されたフランジであり、
前記貯留ホッパは、前記フランジを、前記支持レールに挿入連結することによって、前記支持レールに吊下げ支持される、
ことを特徴とする組合せ計量装置。
【請求項2】
前記支持レールには、前記貯留ホッパの挿入方向の奥側に、一定位置まで挿入された貯留ホッパの挿入方向への移動を当接規制する第1ストッパが設けられる一方、前記挿入方向の手前側に、一定位置まで挿入された貯留ホッパの抜出し方向への移動を当接規制する第2ストッパが設けられている、
請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記フランジは、前記貯留ホッパの矩形の投入口の外周に形成されており、前記貯留ホッパの挿抜方向に沿う前記フランジが、前記支持レールに係合載置されるものであり、前記貯留ホッパの挿入方向側のフランジ端が前記第1ストッパに、前記貯留ホッパの抜出し方向側のフランジ端が前記第2ストッパに、それぞれ当接するものである、
請求項2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記支持レールが、当該貯留ホッパの上方の貯留タンクの下端部に設けられている、
請求項
1ないし3のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
【請求項5】
前記貯留ホッパ及び該貯留ホッパから物品が供給される直進フィーダを有する供給ユニットの複数が、直線状に並ぶように列設され、
各供給ユニットの前記直進フィーダから供給される物品を保持して排出する供給ホッパ及び前記供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量する計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、直線状に並ぶように列設されている、
請求項1ないし4のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や菓子類等の各種の物品を所定量ずつ組合せ計量する組合せ計量装置に係り、特には、貯留ホッパに貯留した物品を、直進フィーダなどによる搬送径路の始端に流下供給する組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
物品供給用の貯留ホッパを備えた組合せ計量装置としては、例えば、特許文献1に開示されているように、貯留ホッパを回倒して昇降移動させるように構成したものや、特許文献2に開示されているように、貯留ホッパ(被計量物タンク)をピンロック機構やパッチン錠などのフック機構で係止連結し、係止を解除することで貯留ホッパを移動できるように構成したものが知られている
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-77074号公報
【文献】特開平9-257554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
組合せ計量装置においては、計量対象である物品が、菓子等の食品である場合には、衛生上の問題やアレルギー物質の除去などの観点から、食品に直接に触れる組合せ計量装置の構成部材、例えば、各ホッパ等を取り外して頻繁に洗浄する必要がある。
【0005】
上記のように貯留ホッパを回倒して昇降移動させるように構成している特許文献1では、貯留ホッパの脱着に手数を要するものであった。また、特許文献2では、脱着はワンタッチ操作で比較的容易に行えるが、ホッパ底部の形状が複雑で洗浄しにくく、また、ピンロック機構やフック機構などの細部の洗浄にも手間のかかるものとなる。
【0006】
また、特許文献1,2のいずれの構造も、貯留ホッパの止着構造が複雑で構成部品が多く、製造コストが嵩むものであった。
【0007】
本発明は、このような点に着目してなされたものであって、簡単かつ安価に製造できる構造で、貯留ホッパを、工具等を用いることなく簡単に脱着して洗浄、等を行うことができる組合せ計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明では次のように構成している。
【0009】
(1)本発明は、貯留した物品を、搬送経路へ供給する貯留ホッパを備える組合せ計量装置であって、
一対の支持レールを備え、前記貯留ホッパは、前記支持レールに沿って挿抜可能に連結される連結部を有し、前記貯留ホッパは、前記連結部を前記支持レールに挿入連結することによって、前記支持レールに支持されるものであり、
前記連結部が、前記貯留ホッパの上端に形成されたフランジであり、前記貯留ホッパは、前記フランジを、前記支持レールに挿入連結することによって、前記支持レールに吊下げ支持される。
【0010】
本発明によると、連結部を支持レールに沿って挿入あるいは抜出すだけで、貯留ホッパを、工具を用いることなく簡単に脱着することができる。
更に、貯留ホッパの上端のフランジを、支持レールに沿ってスライドさせて挿入連結するだけで、貯留ホッパを吊り下げ支持することができる。また、貯留ホッパは、フランジを備えただけの単純な形態であるので、洗浄等の作業も容易となる。
【0013】
(2)本発明の他の実施態様では、前記支持レールには、前記貯留ホッパの挿入方向の奥側に、一定位置まで挿入された貯留ホッパの挿入方向への移動を当接規制する第1ストッパが設けられる一方、前記挿入方向の手前側に、一定位置まで挿入された貯留ホッパの抜出し方向への移動を当接規制する第2ストッパが設けられている。
【0014】
この実施態様によると、貯留ホッパは、その自重によって支持レールに支持されているので、貯留ホッパ挿抜方向へ簡単には移動することがなく、挿入方向の奥側及び手前側の第1,第2のストッパによる簡単な当接規制だけで確実に一定の装着位置に保持しておくことができる。
【0015】
(3)本発明の更に他の実施態様では、前記フランジは、前記貯留ホッパの矩形の投入口の外周に形成されており、前記貯留ホッパの挿抜方向に沿う前記フランジが、前記支持レールに係合載置されるものであり、前記貯留ホッパの挿入方向側のフランジ端が前記第1ストッパに、前記貯留ホッパの抜出し方向側のフランジ端が前記第2ストッパに、それぞれ当接するものである。
【0016】
この実施態様によると、矩形の投入口の外周のフランジによって貯留ホッパにおける連結箇所の剛性が高められるので、支持レールに貯留ホッパを高い強度で支持することができる。
【0017】
また、貯留ホッパの挿抜方向のフランジ端を第1,第2ストッパに当接させることで、貯留ホッパを所定の装着位置に正しく位置決めして保持することができる。
【0018】
(4)本発明の他の実施態様では、前記支持レールが、当該貯留ホッパの上方の貯留タンクの下端部に設けられている。
【0019】
この実施態様によると、当該貯留ホッパを、その上方の貯留タンクの下端部の支持レールに吊下げ支持する、すなわち、貯留タンクに支持するので、貯留ホッパを支持するためのフレーム等を別途設ける必要がなく、構造が簡素化され、洗浄等の際に、フレーム等が邪魔になることもない。
【0020】
(5)本発明の好ましい実施態様では、前記貯留ホッパ及び該貯留ホッパから物品が供給される直進フィーダを有する供給ユニットの複数が、直線状に並ぶように列設され、各供給ユニットの前記直進フィーダから供給される物品を保持して排出する供給ホッパ及び前記供給ホッパから排出される物品を保持してその重量を計量する計量ホッパを、上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、直線状に並ぶように列設されている。
【0021】
この実施態様によると、供給ホッパ及び計量ホッパを上下に一連に有する計量ユニットの複数連が、直線状に並ぶように列設され、各供給ホッパへ物品を供給する直進フィーダの複数が、直線状に並ぶように列設されるので、例えば、供給ホッパへ供給する物品の品種が多品種に亘る場合のように、計量ユニットの複数連を構成する連の数を多くしたい場合には、直線状に列設される計量ユニット及び直進フィーダを、直線状に増設すればよく、平面的にコンパクトなものとなる。
【発明の効果】
【0022】
このように、本発明によれば、簡単かつ安価に製造できる構造で、貯留ホッパを、工具等を用いることなく簡単に脱着して洗浄、等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置の概略側面図である。
【
図6】
図6は計量装置のリジェクト作動状態の要部側面図である。
【
図7】
図7は標準仕様の直進フィーダを示し、(a)は平面図、(b)は一部を縦断した側面図である。
【
図8】
図8は別仕様の直進フィーダを示し、(a)は平面図、(b)は縦断側面図である。
【
図9】
図9は別仕様の直進フィーダを示す斜視図である。
【
図12】
図12はベルトコンベア及び物品分散案内部を示す概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態に係る組合せ計量装置の概略側面図であり、
図2は、その概略平面図であり、
図3及び
図4は、計量装置の概略正面図である。
この実施形態の組合せ計量装置は、各種の食品や菓子、等の多品種(例えば8品種)の物品を所定少量ずつ組合せ計量するものであり、例えば、ナッツ、あられ、豆菓子、などに味醂煮した小魚を1,2匹混合したおつまみセットを混合計量するような場合に好適である。
【0026】
この組合せ計量装置は、第1床面F1に設置されて、計量された物品を床面下方に設置した図示されていない包装装置に投入して袋詰めする包装ラインに利用される。
【0027】
なお、構造を理解し易くするために、以下の説明では、
図1と
図2における横方向、及び、
図3、
図4における紙面表裏方向を前後方向、また、
図1における紙面表裏方向、及び、
図3、
図4における横方向を左右方向と呼称することとする。
【0028】
図1に示すように、この組合せ計量装置は、作業者が左右に通過移動可能な中央通路Rを挟んで、前後1組の計量装置1A,1Bが向い合せに配置された構造となっている。各計量装置1A,1Bは、基本的には同仕様に構成されており、以下に、計量装置1A,1Bの詳細な構造を説明する。
【0029】
各計量装置1A,1Bにおける内側(中央通路R側)には、第1床面F1に立設した支持台枠2を介して2台の基体3が所定高さ位置において横長に設置されるとともに、基体3の外側(中央通路Rと反対側)には、多数連の計量ユニット4が左右一列状に装備されている。この例では、各計量装置1A,1Bに、それぞれ一列12連の計量ユニット4が装備されて、両計量装置1A,1B合わせて24連の計量ユニット4で多品種の物品の混合組合せ計量を行うようになっている。
【0030】
また、計量ユニット4群の更に外側には、計量される多品種の物品を各計量ユニット4の上部に供給する物品供給部5が配備されている。
【0031】
図5に示すように、計量ユニット4は、基本的に従来と同様であり、物品供給部5から搬送されてきた物品を受け取って一旦貯留して排出する開閉自在なゲートを有する供給ホッパ6と、供給ホッパ6から排出された物品を貯留してその重量を測定して排出する開閉自在なゲートを有する計量ホッパ7と、計量ホッパ7で計量され排出された物品を受け取って一時貯留して排出する開閉自在なゲートを有するメモリホッパ8とを、上下縦列状に配置した構造となっている。
【0032】
なお、供給ホッパ6、計量ホッパ7、メモリホッパ8は基体3に対して、脱着可能に支持されるとともに、これらホッパ6,7,8のゲート駆動機構や計量ホッパ6を計量する重量センサ等が基体3に収容装備されている。
【0033】
各基体3は、
図2の仮想線で示されるように、横端部の縦向き支点pを中心として旋回回動可能に支持台枠2の上部に支持されており、ホッパ類の脱着やメンテナンスに際しては、基体3を中央通路R側に旋回回動し、計量ユニット4群を大きく露出させてホッパ類の脱着やメンテナンスを容易に行うことができるようになっている。
【0034】
計量ホッパ7の下端には、
図5に示すように、それぞれ独立して開閉作動可能な外ゲート7aと内ゲート7bが備えられており、外ゲート7aのみを揺動開放させることで、計量した物品が第1送出径路(a)を介して直接下方の第1集合シュート9に送出され、内ゲート7bのみを揺動開放させることで、計量した物品が第2送出径路(b)を介してメモリホッパ8へ送り込まれて一時貯留されるようになっている。
【0035】
各計量ユニット4には、メモリホッパ8が備えられているので、組合せ演算に参加できるホッパ(有効ホッパ)の数を増やすことができる。
【0036】
計量ホッパ7とメモリホッパ8の下方には、所定の重量となるように組合せ演算によって選択された複数の計量ホッパ7、あるいは、メモリホッパ8から落下送出された物品を集める4台の第1集合シュート9が左右一列状に配備されるとともに、隣接する2台ずつの第1集合シュート9の下方に、第1集合シュート9で集められた物品を一時的に受け止め貯留する2台の第1集合ホッパ10が配備されている。また、第1集合ゲート10の下方には、各第1集合ゲート10から落下排出された物品を滑落案内して集める第2集合シュート11と、12連の計量ユニット4を用いて計量されて集められた物品を一か所に集めて一時貯留する第2集合ホッパ12が、各計量装置1A,1Bに対してそれぞれ1個ずつ配置されている。
【0037】
更に、
図1に示すように、中央通路Rの下方には、各計量装置1A,1Bに1個ずつ備えた第2集合ホッパ12から排出された物品を一箇所に集める最終集合ホッパ13が設置され、この最終集合ホッパ13は、包装装置側からの供給要請指令に基づいて開閉制御される。なお、第2集合ホッパ12から最終集合ホッパ13への物品流下案内径路には金属検知器14が備えられており、金属異物の混入が監視される。
【0038】
物品供給部5には、物品を収容する貯留タンク15と、各貯留タンク15の下端に連設された貯留ホッパ16が備えられるとともに、貯留ホッパ16の下端から繰り出された物品を12連の各計量ユニット4に向けて振動移搬送する12台の直進フィーダ17が、支持台18の上部に左右に並列して配備されている。
【0039】
貯留タンク15は、第1床面F1の更に上方に設置された第2床面F2の開口部に落とし込み支持された下段タンク15aと、その上に脱着可能に位置決め支持された中段タンク15b及び上段タンク15cとで構成され、下段タンク15aの下端に貯留ホッパ16が、後述のように脱着可能に支持されている。
【0040】
直進フィーダ17は、物品の搬送方向の上流側の上流直進フィーダ17aと、下流側の下流直進フィーダ17bを、搬送方向に向けて先下がり階段状に縦列配置して、すなわち、上流直進フィーダ17aが上段に、下流直進フィーダ17bが下段に位置するように縦列配置して構成されている。各直進フィーダ17a、17bは、樋状のトラフ19a,19bと、支持台18の上部に設置した加振機構20a、20bとを備えており、各トラフ19a,19bは、各加振機構20a、20bの振動ヘッド部に脱着可能に連結されている。
【0041】
貯留ホッパ16から上流直進フィーダ17aに投入供給された物品は、振動搬送されながら解され、下流直進フィーダ17bに移載され、下流直進フィーダ17bの終端から少量ずつ計量ユニット4の供給ホッパ6に送り込まれる。
直進フィーダ17の上方には、下流直進フィーダ17bの始端及び終端近くにおける物品の積層高さを、例えば、レーザで検知する物品センサ21a,21bがそれぞれ配備されており、その検知情報に基づいて加振機構20a、20bが駆動制御され、直進フィーダ17毎での均一な物品搬送が行われるようになっている。
【0042】
次に、貯留タンク15における下段タンク15aの下端に貯留ホッパ16を脱着可能に連結支持する構造について説明する。
図10に示すように、下段タンク15aの下端には、タンク下端の開口より一回り大きいホッパ支持部25が備えられている。このホッパ支持部25の左右に、互いに内向き屈折された左右一対の支持レール26が所定の間隔をもって対向装備されている。
【0043】
他方、貯留ホッパ16の上端に形成された矩形の投入口からは連結部としてのフランジ27が延出され、このフランジ27がホッパ支持部25の支持レール26に後方(中央通路Rと反対側)から挿抜可能となっている。また、ホッパ支持部25における内側(中央通路R側)の端部には、挿入されたフランジ27の前端辺を受け止める横長の第1ストッパ28が屈曲立設されるとともに、左右の支持レール26における外側(中央通路Rと反対側)の端部には、挿入されたフランジ27における後端辺の左右端部を受け止める背の低い第2ストッパ29が屈曲立設されている。
【0044】
また、ホッパ支持部25の外方側には、支持した貯留ホッパ16の浮上りを阻止するホッパ規制部30が下向きに屈折形成されている。このホッパ規制部30の下端と第2ストッパ29の上端との間隔が、フランジ27が通過できる寸法に設定されている。
【0045】
従って、
図11に示すように、貯留ホッパ16を下段タンク15aに連結する際には、先ず、貯留ホッパ16を、そのフランジ27が若干前下がりとなる傾斜姿勢でホッパ支持部25に接近させ、ホッパ規制部30の下端と外方ストッパ29の上端との間隔を潜り抜けるように支持レール26に挿入してゆく。
【0046】
フランジ27の前端辺が第1ストッパ28に当接してそれ以上の挿入が阻止された時点では、フランジ27の後端辺が第2ストッパ29を前方に通過した状態となる。ここで、貯留ホッパ16を水平姿勢に戻してフランジ27の左右端辺を支持レール26に落し込み載置させることで、フランジ27の前後端辺が、第1ストッパ28と第2ストッパ29とで前後移動不能に位置決めされる。これによって貯留ホッパ16が下段タンク15aに対して前後左右に位置決めされた姿勢に吊下げ支持された状態となる。
【0047】
支持レール26に支持された貯留ホッパ16を取り外す際には、貯留ホッパ16の後部を少し持ち上げて、フランジ27の後端辺を第2ストッパ29より上方に移動させ、引き続き貯留ホッパ16を外方に引き出すことで下段タンク16aから抜き外すことができる。
【0048】
このように本実施形態によれば、貯留ホッパ16を、支持レール26に対して、工具を用いることなく簡単に脱着することができ、また、貯留ホッパ16は、フランジ27を備えただけの単純な形態であるので、洗浄等の作業も容易となる。
【0049】
更に、貯留ホッパ16を、下段タンク15aに吊下げ支持するので、貯留ホッパ16を支持するためのフレーム等を設ける必要がなく、貯留ホッパ16を着脱する際にフレーム等が邪魔になるといったことがない。
【0050】
上記のように、下段タンク15aは、第2床面F2の開口部に落とし込み支持され、中段タンク15bは下段タンク15aに、上段タンク15cは中段タンク15bに、凹凸部によって位置決めされてそれぞれ載置支持されているので、これらのタンク15a~15cも工具を用いることなく簡単に脱着して、洗浄等の作業を容易に行うことができる。
【0051】
なお、
図5及び
図10に示すように、貯留ホッパ16における上下中間部の側面には透視窓31が備えられており、透視窓31を介して物品の貯留具合を監視することができる。また、貯留ホッパ16の上下中間部にはスライドシャッタ32が備えられており、スライドシャッタ32を調節することでホッパ下端の開口面積を調整し、物品の種類に応じた開口度合で流下送出を行うことができる。また、ホッパ下端を全閉すれば、貯留ホッパ16に物品が残留した状態でも貯留ホッパ16を取り外すことが可能となっている。
【0052】
上記したタンク構成、及び、フィーダ構成は、例えば、ナッツ、豆菓子、あられ、等の互いにくっつくことのない物品を供給する標準仕様のものであり、例えば、小魚の味醂煮や小さな軽い煎餅などの互いにくっつき易い物品を少量ずつ搬送する一部の直進フィーダ17と、これに対応する貯留タンク15は別の仕様に構成されている。この例では、
図2~
図4に示すように、左右方向に並列配備された12台の直進フィーダ17の内、横一端側4台の直進フィーダ17(C)と、これに対応する貯留タンク15(C)が標準仕様とは異なった別仕様となっており、その構成を以下に説明する。
【0053】
別仕様の貯留タンク15(C)では、円滑に自重流下しにくい物品の送出のために、幅広のベルトコンベア35が用いられている。このベルトコンベア35は、矩形筒状の上部タンク36の下部に沿って水平に回動するよう配備されている。ベルトコンベア35を回転駆動することで、上部タンク36に貯留した物品を、その底部から強制的に搬送して幅広く落下送出し、下段タンク15aを経て貯留ホッパ16に送り込むようになっている。
【0054】
この例においては、一方の計量装置1Aにおける貯留タンク15(C)と、他方の計量装置1Bにおける貯留タンク15(C)の設置姿勢が異なっている。すなわち、一方の計量装置1Aの貯留タンク15(C)では、ベルトコンベア35が、直進フィーダ17の物品の搬送方向と平行する前後方向に回動されるのに対して、他方の計量装置1Bの貯留タンク15(C)では、ベルトコンベア35が、直進フィーダ17の物品の搬送方向と直交する左右方向に回動されるようになっている。
【0055】
ベルトコンベア35の終端から落下排出された物品は、下段タンク15aを介して貯留ホッパ16に案内されるのであるが、
図4に示すように、他方の計量装置1Bの貯留タンク15(C)では、ベルトコンベア35の終端から前後に幅広く送出された物品が、下段タンク15aに搬出される。4台の直進フィーダ17(C)は、左右方向に沿って並んでいるのに対して、ベルトコンベア35からは、物品が、ベルトコンベア35の幅方向である前後方向に幅広く搬出される。
【0056】
したがって、仮に、ベルトコンベア35から搬出される物品を、そのまま直下に落下供給すると、左右方向に沿って並んでいる4台の直進フィーダ17(C)の内、中央寄りの2台の直進フィーダ17(C)には、物品が多めに供給される一方、左右の端の各一台の直進フィーダ17(C)に供給される物品は少なめとなる。各直進フィーダ17(C)は、少量の物品を各供給ホッパ6へそれぞれ供給するので、各直進フィーダ17(C)の始端部にベルトコンベア35から供給される物品の量が、上記のように偏ると、供給ホッパ6へ供給される物品が過量となったり、逆に、物品が供給されなかったりすることになる。
【0057】
このようにベルトコンベア35から下段タンク15aの左右方向の偏った位置に、物品が供給されるのを防止するために、下段タンク15aの内部には、一対の分散ファネル38を備える物品分散案内部37が収納されている。この物品分散案内部37では、
図4に示されるように、一対の分散ファネル38によって、ベルトコンベア35から排出される物品を、4台の直進フィーダ17(C)の配列方向である左右方向へ振分けるように流下案内する。
【0058】
図12は、ベルトコンベア35及び物品分散案内部37を示す概略斜視図であり、
図13は、その概略平面図である。
【0059】
2つの分散ファネル38は、ベルトコンベア35の幅方向(前後方向)に沿って、隣接して配置され、両分散ファネル38の矩形の上端入口の境界が、ベルトコンベア35の幅方向の中央に位置するように配置されている。
【0060】
各分散ファネル38は、矩形の上端入口に対して、円形の下端出口38aが偏った位置に形成されており、並列配備された2つの分散ファネル38の下端の出口38aが、4台の直進フィーダ17(C)の配列方向である左右方向、すなわち、ベルトコンベア35の搬送方向に離れて位置するよう配置されている。
【0061】
従って、ベルトコンベア35の終端から下段タンク15aの上部に、ベルト幅方向(前後方向)に広く落下排出された物品は、2つの分散ファネル38の流下案内によって直進フィーダ17(C)の配列方向である左右方向に振分けて分散されることになり、4台の直進フィーダ17(C)の始端部に偏り少なく分散して投入される。
【0062】
図7に、標準仕様の直進フィーダ17が、また、
図8、
図9に、別仕様に構成された直進フィーダ17(C)が示されている。
【0063】
ここでは、例えば、小魚の味醂煮や小さく軽い煎餅などの互いにくっつき易い物品の少量搬送に適した別仕様の直進フィーダ17(C)について、その詳細な構造を説明する。
【0064】
図8及び
図9に示される別仕様の直進フィーダ17(C)における上流直進フィーダ17aのトラフ19aは、逆台形の断面形状を備えた樋状に形成されている。このトラフ19aは、逆台形を構成する底面及び両側面によって、物品を搬送する搬送通路が構成され、この搬送通路の物品の搬送方向の下流側寄りの幅方向(左右方向)の中間、この例では、中央には、物品を幅方向の両側へ分散案内する案内突起22が突設されている。
【0065】
この案内突起22は、その平面形状が搬送方向に向けて次第に幅広となる前後に細長い三角形状に形成されるとともに、その側面形状が搬送方向に向けてトラフ底面から次第に直線的に隆起する山形に形成されている。案内突起22は、左右中央に位置する前後に長い峰部が滑らかに湾曲した突曲面を有する。
【0066】
この案内突起22によって、その両脇には、搬送方向に向けて次第に幅狭となる搬送通路hが形成される。案内突起22の終端における搬送通路hの横幅は、例えば、小魚が2,3匹程度通過できる幅であるのが好ましい。
【0067】
別仕様の直進フィーダ17(C)における下流直進フィーダ17bのトラフ19bは、物品の搬送方向に向けて段階的に先下がり屈折された底面を備えた逆台形の断面形状の樋状に形成されており、搬送終端側に位置する最下段の搬送通路fは、対象とする物品を1列、例えば、小魚1匹を縦列して搬送するに足る小幅に形成されている。
【0068】
別仕様の直進フィーダ17(C)は以上のように構成されており、上流直進フィーダ17aに供給された物品は加振されながら前方へ搬送され、案内突起22によって左右に振分けられることで、分散された状態で次の下流直進フィーダ17bに送り出される。この場合、くっついて塊になり易い物品が案内突起22に至ると、案内突起22に乗り掛かった物品が加振されることで解され、案内突起22の左右に分散されて、幅狭の搬送通路hを少量の物品が通過搬送される。
【0069】
上流直進フィーダ17aから下流直進フィーダ17bに移載される物品は、両フィーダ17a,17b間の段差部において、適度な落下衝撃を受け、これによって物品が切り離されて個々の物品に分離され易くなる。更に、下流直進フィーダ17bで搬送される物品は、2つの段差dを落下移動することで、解し作用を受け、最下流の幅狭の搬送通路fに至る。最下流の搬送通路fでは物品が1列状に整列されながら搬送され、極少量ずつ、例えば、小魚1匹ずつ計量ユニット4の供給ホッパ6に送り込むことが可能となる。
【0070】
このように上流直進フィーダ17aのトラフ19aの案内突起22によって、例えば、小魚のようにくっついて塊になり易い物品であっても、振動搬送されながら、トラフ幅方向の両側に次第に解されつつ振分けられて、案内突起の両側の通路幅が次第に小幅となる搬送通路を通って少量ずつ振分け搬送され、少量ずつ搬送することができる。
【0071】
また、上流直進フィーダ17aのトラフ19aから下流直進フィーダ17bのトラフ19bに移載される際の落下衝撃によって、塊になり易い物品を切り離して少量ずつ円滑に搬送することができ、下流直進フィーダ17bのトラフ19bから極少量の物品、例えば、小魚1匹ずつ計量ユニット4の供給ホッパ6に搬出することができる。
【0072】
図5に示すように、物品供給部5における支持台18には、計量ホッパ6に過剰に供給された物品を排出するためのリジェクト機構50が備えられている。
【0073】
このリジェクト機構50には、前後水平に進退移動可能なリジェクトシュート51と、リジェクトシュート51に導入した物品を回収する回収シュート52と回収容器53とが装備されている。
【0074】
リジェクトシュート51は、計量ホッパ7の前記第1送出径路(a)に正面外側から対向して配備されており、エアーシリンダ54によって進退駆動されるようになっている。通常時には、
図5に示すように、リジェクトシュート51は第1送出径路(a)の外側に退避しており、計量ホッパ7における外ゲート7aの開放に伴う物品の第1集合シュート9への排出を妨げることがない。
【0075】
そして、計量ホッパ7で計量された重量値が組合せ演算に不適な過量である場合には、
図6に示すように、リジェクトシュート51が第1送出径路(a)に進入するリジェクト状態となる。この状態で、計量ホッパ7の外ゲート7aが開放作動されることで、計量ホッパ7内の物品がリジェクトシュート51に排出され、過量の物品が回収シュート52を介して回収容器53に流下回収される。また、回収が完了するとリジェクトシュート51は第1送出径路(a)から退避した元の位置に移動され、計量ホッパ7の外ゲート7aが閉じられて次の計量に備えられる。
【0076】
なお、リジェクトシュート51の先端には板材からなるガイド部材55が設けられている。このガイド部材55は、リジェクトシュート51が第1送出径路(a)から外方に退避した位置にある時、第1送出径路(a)に外方から対向した位置にあり、計量ホッパ7の外ゲート7aが開放されて排出される物品の外方への飛散をガイド部材55で阻止し、送出された物品を正しく第1集合シュート9に導くようになっている。
【0077】
[その他の実施形態]
本発明は、以下のような形態で実施することもできる。
(1)フランジ27を貯留ホッパ16の左右にのみ設けて実施することもできる。
(2)貯留ホッパ16本体の挿入方向外側面に当接するように第1ストッパを設けて、ホッパ挿入方向の位置決めを行うこともできる。
【符号の説明】
【0078】
15 貯留タンク
15a 下段タンク
16 貯留ホッパ
25 ホッパ支持部
26 支持レール
27 フランジ
28 第1ストッパ
29 第2ストッパ
30 ホッパ規制部