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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】視野角切り替え可能な表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/13 20060101AFI20220801BHJP
   G02F 1/13357 20060101ALI20220801BHJP
   G02F 1/1335 20060101ALI20220801BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20220801BHJP
   G02F 1/1334 20060101ALI20220801BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20220801BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/13357
G02F1/1335 510
G02F1/1333
G02F1/1334
F21S2/00 431
F21S2/00 438
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2017240167
(22)【出願日】2017-12-15
(65)【公開番号】P2018120210
(43)【公開日】2018-08-02
【審査請求日】2020-05-12
(31)【優先権主張番号】201710060681.4
(32)【優先日】2017-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】500093133
【氏名又は名称】中強光電股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】方 崇仰
(72)【発明者】
【氏名】王 文俊
(72)【発明者】
【氏名】陳 ▲氷▼▲彦▼
(72)【発明者】
【氏名】徐 熊群
(72)【発明者】
【氏名】李 建輝
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-266215(JP,A)
【文献】特開2007-256682(JP,A)
【文献】国際公開第2016/195786(WO,A1)
【文献】特開2016-062100(JP,A)
【文献】特開2014-129469(JP,A)
【文献】国際公開第2007/148651(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/011199(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/183867(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/133
G02F 1/13357
G02F 1/1335
G02F 1/1333
G02F 1/1334
G02F 1/1347
F21S 2/00
F21V 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルと、電気制御視野角切替器と、電気制御光散乱切替器と、バックライトモジュールと、を含み、
前記電気制御視野角切替器は、前記表示パネルに対向し、且つ2つの第1透光基板、前記2つの第1透光基板の間に位置する2つの第1透光導電層、前記2つの第1透光導電層の間に位置する液晶層、及び前記電気制御視野角切替器の前記表示パネルから離れた側に位置する第1偏光板を含み、前記液晶層は複数の液晶分子を含み、前記複数の液晶分子の光軸は前記第1偏光板の透過軸に平行又は垂直となり、
前記電気制御光散乱切替器は、前記表示パネルと前記バックライトモジュールとの間に位置し、且つ2つの第2透光基板、前記2つの第2透光基板の間に位置する2つの第2透光導電層、及び前記2つの第2透光導電層の間に位置する電気制御高分子材料層を含み、
前記表示パネルは、2つの対向する偏光板を含み、
前記第1偏光板の透過軸は、前記表示パネルの前記2つの偏光板のうちの前記第1偏光板に比較的に近い偏光板の透過軸に平行とな
前記バックライトモジュールは、光源、導光板、反射シート、減光シート及び逆プリズムシートを含み、
前記光源は、前記導光板の側面に位置し、
前記導光板は、前記逆プリズムシートと前記反射シートとの間に位置し、
前記減光シートは、前記導光板と前記反射シートとの間に位置し、
前記減光シートは、吸収型偏光板、又は吸収型偏光板及び反射型偏光板により構成された複合偏光板であり、
前記減光シートは、前記反射シートにより前記導光板に反射された各光束の輝度を低減させる、ことを特徴とする視野角切り替え可能な表示装置。
【請求項2】
前記表示パネルは前記電気制御視野角切替器と前記電気制御光散乱切替器との間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の視野角切り替え可能な表示装置。
【請求項3】
前記2つの第1透光基板のうち前記表示パネルから比較的に離れた第1透光基板は強化ガラス基板である、ことを特徴とする請求項2に記載の視野角切り替え可能な表示装置。
【請求項4】
前記第1偏光板と前記2つの第1透光基板のうち前記表示パネルから比較的に離れた第1透光基板との間に位置するタッチ感知素子と、
前記電気制御視野角切替器の上方に位置する装飾層と、をさらに含み、
前記第1偏光板は、前記装飾層と前記タッチ感知素子との間に位置する、ことを特徴とする請求項2に記載の視野角切り替え可能な表示装置。
【請求項5】
前記第1偏光板の上方に位置するタッチ感知素子と、
前記タッチ感知素子の上方に位置する装飾層と、をさらに含み、
前記タッチ感知素子は、前記装飾層と第1偏光板との間に位置する、ことを特徴とする請求項2に記載の視野角切り替え可能な表示装置。
【請求項6】
前記電気制御視野角切替器は、前記表示パネルと前記電気制御光散乱切替器との間に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の視野角切り替え可能な表示装置。
【請求項7】
前記バックライトモジュールの上方に位置し、且つ位相遅延フィルム及び第2偏光板を含む偏光式視野角制御素子、をさらに含み、
前記第2偏光板は、前記位相遅延フィルムの前記表示パネルから離れた側に配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の視野角切り替え可能な表示装置。
【請求項8】
記視野角切り替え可能な表示装置は、前記導光板と前記反射シートとの間に位置する偏光式視野角制御素子、をさらに含み、
前記偏光式視野角制御素子は、2つの第3偏光板、及び前記2つの第3偏光板の間に位置する位相遅延フィルムを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の視野角切り替え可能な表示装置。
【請求項9】
前記2つの第3偏光板のそれぞれは、吸収型偏光板であり、
前記位相遅延フィルムは、Oプレート又はCプレートであり、
前記偏光式視野角制御素子は、前記偏光式視野角制御素子の前記導光板に近い側に位置する反射型偏光板をさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載の視野角切り替え可能な表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関し、特に視野角切り替え可能な表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、表示装置は複数の視聴者が一緒に視聴できるように広い視野角の表示効果を有する。しかし、例えば公共の場でプライベートのウェブサイト又は機密情報を閲覧したり、パスワードを入力する場合のような場合は、広い視野角の表示効果は、他人が機密情報を覗き見できることによる機密情報の漏洩に繋がりやすい。覗き見防止の要望を達成するために、通常は、大角度の光線をフィルタリングするように、表示装置の前に光制御フィルム(LCF:Light Control Film)を設置する。覗き見防止の要望がない場合は、光制御フィルムを手動で除去させる。使用者が光制御フィルムを手動で設置/除去する必要があるため、使用上は不便である。従って、表示装置が操作要求に応じて表示画面の視野角の広さを選択、或いは調整できる表示装置の視野角を調整可能な視野角制御装置が求められている。
【0003】
「背景技術」段落の内容は本発明の内容の理解を助けるためのものであり、「背景技術」段落に記載される内容は、当技術分野の常用知識を持っている者が把握していること以外の従来技術も含むことができる。「背景技術」段落に記載される内容について、「背景技術」の内容又は本発明の一個又は複数個の実施例が解決しようとする問題を代表するものは、本発明の出願前に当技術分野の常用知識を持っている者が既に把握又は承知しているものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、電気制御の方式で視野角を制御する視野角切り替え可能な表示装置を提供する。
【0005】
なお、本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示されている手段から更に分かる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的の一つ、一部若しくは全部、又は他の目的を達成するため、本発明の1つの実施例は、表示パネルと、電気制御視野角切替器と、電気制御光散乱切替器と、バックライトモジュールと、を含み、前記電気制御視野角切替器は、前記表示パネルに対向し、且つ2つの第1透光基板、前記2つの第1透光基板の間に位置する2つの第1透光導電層、前記2つの第1透光導電層の間に位置する液晶層、及び前記電気制御視野角切替器の前記表示パネルから離れた側に位置する第1偏光板を含み、前記液晶層は複数の液晶分子を含み、前記複数の液晶分子の光軸は前記第1偏光板の透過軸に平行又は垂直となり、前記電気制御光散乱切替器は、前記表示パネルと前記バックライトモジュールとの間に位置し、且つ2つの第2透光基板、前記2つの第2透光基板の間に位置する2つの第2透光導電層、及び前記2つの第2透光導電層の間に位置する電気制御高分子材料層を含むことを特徴とする視野角切り替え可能な表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0007】
上述したように、本発明の実施例は下記の利点の少なくとも1つを有する。本発明の視野角切り替え可能な表示装置では、電気制御視野角切替器を覗き見防止モードと共用モードとの間に切り替えることができ、電気制御光散乱切替器を透明状態と散乱状態との間に切り替えることができる。電気制御視野角切替器を覗き見防止モードに切り替え、それに応じて電気制御光散乱切替器を透明状態に切り替えた場合、光束が電気制御光散乱切替器を通過する際に散乱せず、且つ光束が電気制御視野角切替器を通過する際に、覗き見防止方向における大角度の光束が吸収される。このため、大きい視野角で視野角切り替え可能な表示装置を視聴する視聴者は表示映像を見えないため、覗き見防止の効果を達成できる。電気制御視野角切替器を共用モードに切り替え、それに応じて電気制御光散乱切替器を散乱状態に切り替えた場合、光束が電気制御光散乱切替器を通過する際に散乱し、視野角を拡大しやすくなり、且つ光束が電気制御視野角切替器を通過する際に、覗き見防止方向における大角度の光束の強度比率が実質的に影響を受けない。このため、大きい視野角で視野角切り替え可能な表示装置を視聴する視聴者は表示映像を見えるため、表示映像(情報)を共用するという効果を達成できる。
【0008】
本発明の上述した特徴及び利点をより明確に分かるように、図面を参照しながら、下記実施例に基づいて詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図2A図1における電気制御視野角切替器の共用モードにおける断面を示す図である。
図2B図1における電気制御視野角切替器の覗き見防止モードにおける断面を示す図である。
図3】入射角度と透過率の関係を示す図である。
図4A図1における電気制御光散乱切替器の第1実施形態の散乱状態における断面を示す図である。
図4B図1における電気制御光散乱切替器の第1実施形態の透明状態における断面を示す図である。
図5A図1における電気制御光散乱切替器の第2実施形態の散乱状態における断面を示す図である。
図5B図1における電気制御光散乱切替器の第2実施形態の透明状態における断面を示す図である。
図6A図1における電気制御光散乱切替器の第3実施形態の散乱状態における断面を示す図である。
図6B図1における電気制御光散乱切替器の第3実施形態の透明状態における断面を示す図である。
図7図1におけるバックライトモジュールの断面を示す図。
図8】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図9】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図10】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図11】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図12】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図13】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図14】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図15】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図16】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図17】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図18】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図19】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図20】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
図21】本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述した本発明に係る技術的内容、特徴及び効果は、以下の図面を参照しながら、好適な実施形態の詳細な説明に示されるように、明らかである。以下実施形態に言及される「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」等の方向の用語は、単なる図面を参照する際に、単なる方向を参考する説明用の用語であり、本発明は方向の用語に示されるものに限定されない。
【0011】
図1は本発明の第1実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図である。図2A及び図2Bはそれぞれ図1における電気制御視野角切替器の共用モード及び覗き見防止モードにおける断面を示す図である。図3は入射角度と透過率の関係を示す図である。図4A及び図4Bはそれぞれ図1における電気制御光散乱切替器の第1実施形態の透明状態における断面を示す図である。図5A及び図5Bはそれぞれ図1における電気制御光散乱切替器の第2実施形態の透明状態における断面を示す図である。図6A及び図6Bはそれぞれ図1における電気制御光散乱切替器の第3実施形態の透明状態における断面を示す図である。図7図1におけるバックライトモジュールの断面を示す図。
【0012】
図1に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100は、表示パネル110、電気制御視野角切替器120、電気制御光散乱切替器130及びバックライトモジュール140を含む。表示パネル110は、映像(情報)の提供に適する任意の装置であってもよい。例えば、表示パネル110は、液晶表示パネルであってもよいが、これに限定されない。また、表示パネル110は、下偏光板112及び上偏光板114を含んでもよい。下偏光板112の透過軸T112と上偏光板114の透過軸T114とは互いに垂直となってもよいが、これに限定されない。もう1つの実施例では、下偏光板112の透過軸T112と上偏光板114の透過軸T114とは互いに平行となってもよい。
【0013】
電気制御視野角切替器120は表示パネル110に対向している。例えば、表示パネル110は電気制御視野角切替器120と電気制御光散乱切替器130との間に位置してもよいが、これに限定されない。
【0014】
図2Aに示すように、電気制御視野角切替器120は、第1透光基板121、第1透光基板122、第1透光導電層123、第1透光導電層124、液晶層125、及び第1偏光板126を含む。
【0015】
第1透光基板121及び第1透光基板122は、ガラス基板、プラスチック基板又は光の透過に適する他の種類の基板であってもよい。本実施例では、電気制御視野角切替器120は表示パネル110、電気制御光散乱切替器130及びバックライトモジュール140よりも視聴者に近く、且つ電気制御視野角切替器120のうち第1透光基板122は第1透光基板121よりも視聴者に近い(第1透光基板122は第1透光基板121よりも表示パネル110から離れた)。よって、第1透光基板122は、電気制御視野角切替器120の機械的強度を強化し、且つ視野角切り替え可能な表示装置100の保護カバープレートを省略するように、強化ガラス基板を用いてもよい。
【0016】
第1透光導電層123、第1透光導電層124及び液晶層125は第1透光基板121と第2透光基板122との間に位置し、第1透光導電層123は液晶層125と第1透光基板121との間に位置し、第1透光導電層124は液晶層125と第1透光基板122との間に位置する。第1透光導電層123及び第1透光導電層124の材質は、金属酸化物又は光が透過可能な他の種類の導電材質であってもよい。
【0017】
液晶層125は、第1透光導電層123と第1透光導電層124との間に位置し、液晶層125は複数の液晶分子1251を含む。液晶分子1251は、第1透光導電層123と第1透光導電層124との間の電界に応じて回転し、液晶層125を通過した異なる入射角度の光束(例えば電気制御視野角切替器120に直角入射した光束B1、小さい角度で電気制御視野角切替器120に入射した光束B2及びB3、並びに大きい角度で電気制御視野角切替器120に入射した光束B4及びB5)が異なる位相遅延を発生することにより、液晶層125を通過した異なる入射角度の光束の偏光方向が異なる変化量を有する。
【0018】
第1偏光板126は、電気制御視野角切替器120の表示パネル110から離れた側に位置する。本実施例では、第1偏光板126は、例えば表示パネル110から比較的に離れた第1透光基板122に配置されている。
【0019】
各液晶分子1251は光軸T1251を有し、第1偏光板126は透過軸T126を有する。本実施例では、第1偏光板126の透過軸T126は第1方向D1に平行となり、液晶分子1251の光軸T1251も第1方向D1に平行となり、即ち液晶分子1251の光軸T1251は第1偏光板126の透過軸T126に平行となっているが、これに限定されない。もう1つの実施例では、液晶分子1251の光軸T1251は第1偏光板126の透過軸T126に垂直となってもよい。
【0020】
図1乃至図2Bに示すように、第1偏光板126の透過軸T126と表示パネル110における上偏光板114の透過軸T114とが互いに平行となるようにすることによって、電気制御視野角切替器120に入射した光束の偏光状態は第1偏光板126の透過軸T126に平行となる。
【0021】
図2Aに示すように、電気制御視野角切替器120をオフにした場合(第1透光導電層123と第1透光導電層124との間に電位差がない)、液晶分子1251により各入射角度の光束に位相遅延が生じられない。よって、光束B1、光束B2、光束B3、光束B4及び光束B5の偏光状態は液晶層125を透過した後に変更されないため、光束B1、光束B2、光束B3、光束B4及び光束B5は第1偏光板126を透過できる(図3における曲線C1参照)。即ち、電気制御視野角切替器120をオフにした場合、視野角に影響を与えず、この状態を共用モードと称する。
【0022】
一方、図2Bに示すように、電気制御視野角切替器120をオンにした場合(第1透光導電層123と第1透光導電層124との間に電位差がある)、液晶分子1251により各入射角度の光束に異なる位相遅延が生じられる。よって、少なくとも一部の光束(例えば光束B2、光束B3、光束B4及び光束B5)の偏光状態は液晶層125を透過した後に変更され、入射角度が大きくなることに伴い、電気制御視野角切替器120の第2方向D2における(即ち第1偏光板126の透過軸T126に垂直な方向における)透過率は小さくなる(図3における曲線C2参照)。即ち、電気制御視野角切替器120をオンにした場合、第2方向D2において入射角度が比較的に大きい光束(例えば光束B4及び光束B5)は第1偏光板126を透過できなく、この状態を覗き見防止モードと称する。
【0023】
図2B及び図3における曲線C3に示すように、液晶層125の位相遅延量が十分に大きい場合は、入射角度が大きくなることに伴い、電気制御視野角切替器120の透過率は、小さくなり、次いで大きくなる。即ち、液晶層125の厚さ又は液晶分子1251の屈折率の差(ΔN、ΔN=Ne-No)を調整することによって、液晶層125の位相遅延量を変更でき、電気制御視野角切替器120の第2方向D2における透過率をさらに制御し、即ち第2方向D2における視野角の大きさをさらに制御できる。
【0024】
液晶分子1251の光軸T1251の第1偏光板126における正投影は覗き見防止方向(例えば第2方向D2及びその逆方向)に垂直となり、第1偏光板126の透過軸T126は覗き見防止方向に垂直又は平行となってもよい。本実施例では、第1偏光板126の透過軸T126が第1方向D1に平行となり、且つ覗き見防止方向が第2方向D2及びその逆方向であり、即ち第1偏光板126の透過軸T126は覗き見防止方向に垂直となっているが、これに限定されない。もう1つの実施例では、第1偏光板126の透過軸T126が第2方向D2に平行となり、この場合は覗き見防止方向が依然として第2方向D2及びその逆方向であってもよく、即ち第1偏光板126の透過軸T126は覗き見防止方向に平行となってもよい。この構成では、それに応じて、電気制御視野角切替器120に入射した光束の偏光状態が第1偏光板126の透過軸T126に平行となるように、図1における表示パネル110の上偏光板114の透過軸T114が第2方向D2に平行する必要がある。また、下偏光板112の透過軸T112と上偏光板114の透過軸T114とが互いに垂直となる構成では、それに応じて、表示パネル110の下偏光板112の透過軸T112も第1方向D1に平行する必要がある。
【0025】
異なる要求に応じて、電気制御視野角切替器120は他のフィルム層をさらに含んでもよい。例えば、電気制御視野角切替器120は、配向層127及び配向層128をさらに含んでもよく、配向層127は液晶層125と第1透光導電層123との間に位置し、配向層128は液晶層125と第1透光導電層124との間に位置する。
【0026】
図1及び図4Aに示すように、電気制御光散乱切替器130は、表示パネル110の下方に位置し、且つ表示パネル110とバックライトモジュール140との間に位置する。電気制御光散乱切替器130は、第2透光基板131、第2透光基板132、第2透光導電層133、第2透光導電層134及び電気制御高分子材料層135を含む。
【0027】
第2透光基板131及び第2透光基板132は、ガラス基板、プラスチック基板又は光の透過に適する他の種類の基板であってもよい。第2透光導電層133、第2透光導電層134及び電気制御高分子材料層135は第2透光基板131と第2透光基板132との間に位置し、第2透光導電層133は電気制御高分子材料層135と第2透光基板131との間に位置し、第2透光導電層134は電気制御高分子材料層135と第2透光基板132との間に位置する。第2透光導電層133及び第2透光導電層134の材質は、金属酸化物又は光が透過可能な他の種類の導電材質であってもよい。電気制御高分子材料層135は、第2透光導電層133と第2透光導電層134との間に位置する。電気制御高分子材料層135は、高分子分散液晶、ポリマーネットワーク液晶、又は二周波液晶と反応性液晶とを含有する組成物を含んでもよい。図4A及び図4B図5A及び図5B、並びに図6A及び図6Bは、電気制御高分子材料層135の3つの実施形態をそれぞれ示しているが、これらに限定されない。
【0028】
図4A及び図4Bに示すように、電気制御高分子材料層135は例えば複数の液晶微粒子1351及び高分子材料1352を含んでもよく、液晶微粒子1351は高分子材料1352内に分布している。電気制御高分子材料層135が電圧で駆動されていない場合、図4Aに示すように、液晶微粒子1351は散乱状態となり、光束Bは液晶微粒子1351を通過する際に散乱する。電気制御高分子材料層135が電圧で駆動されている場合、図4Bに示すように、液晶微粒子1351は透明状態となり、光束Bは液晶微粒子1351を通過する際に散乱しない。
【0029】
図5A及び図5Bに示すように、電気制御高分子材料層135は例えば複数の液晶分子1353及び高分子ネットワーク1354を含んでもよい。電気制御高分子材料層135Aが電圧で駆動されていない場合、図5Aに示すように、液晶分子1353は散乱分布となり、散乱状態となる。電気制御高分子材料層135Aが電圧で駆動されている場合、図5Bに示すように、液晶分子1353の光軸T1353は電界に平行となり、透明状態となる。
【0030】
また、図6A及び図6Bに示すように、電気制御高分子材料層135Bは二周波液晶1355と反応性液晶1356(又は異方性高分子ネットワーク)とを含有する組成物を含んでもよい。また、電気制御光散乱切替器130は、垂直配向層136及び垂直配向層137をさらに含んでもよい。垂直配向層136は電気制御高分子材料層135Bと第2透光導電層133との間に位置し、垂直配向層137は電気制御高分子材料層135Bと第2透光導電層134との間に位置する。
【0031】
電気制御高分子材料層135Bが高周波数電圧で駆動されている場合、図6Aに示すように、二周波液晶1355の分子モーメントは光軸に垂直となり、垂直配向層136、垂直配向層137及び反応性液晶1356近傍に位置する二周波液晶1355はアンカリング力により電界で回転せず、垂直配向層136、垂直配向層137及び反応性液晶1356近傍に位置しない二周波液晶1355は電界で回転し、一部の二周波液晶1355は電界方向に垂直となり、一部の二周波液晶1355は電界方向に平行となるため、散乱状態となる。電気制御高分子材料層135Bが高周波数電圧で駆動されていない場合、図6Bに示すように、二周波液晶1355の分子モーメントは光軸に平行となり、二周波液晶1355及び反応性液晶1356の光軸は電界方向に略平行となるため、透明状態となる。また、図4B及び図5Bに示す透明状態に比べて、二周波液晶1355及び反応性液晶1356の異常光屈折率(Extraordinary refractive index)が常光屈折率(Ordinary Refractive Index)に近いため、透明状態では斜め入射光の散乱を抑制でき、電気制御光散乱切替器130から出射する時の斜め入射光と第2透光基板132の法線ベクトルとの夾角は比較的に小さくなり(図4B図5B及び図6Bにおける最右側の光束B参照)、覗き見防止効果を向上できる。
【0032】
図1及び図7に示すように、バックライトモジュール140は電気制御光散乱切替器130の下方に位置し、電気制御光散乱切替器130は表示パネル110とバックライトモジュール140との間に位置する。図7図1におけるバックライトモジュール140の1つの実施形態を示しているが、これに限定されない。
【0033】
図7に示すように、バックライトモジュール140は、光源141、導光板142、反射シート143、減光シート144及び逆プリズムシート145を含んでもよい。光源141は導光板142の側面に位置する。導光板142は、逆プリズムシート145と反射シート143との間に位置する。減光シート144は、導光板142と反射シート143との間に位置する。
【0034】
さらに、導光板142は、入光面SI、底面SB及び出光面SEを有し、入光面SIは底面SB及び出光面SEに接続し、底面SBには複数の微構造1421が形成されてもよい。光源141は、導光板142の入光面SIの傍に位置し、且つ入光面SIに照明用の光束を射出できる。反射シート143及び減光シート144は底面SBの下方に配置され、逆プリズムシート145は出光面SEの上方に配置されている。本実施例では、微構造1421及び逆プリズムシートの柱状プリズム(図示せず)の延伸方向はそれぞれ覗き見防止方向(即ち第2方向D2及びその逆方向)に平行となるが、これに限定されない。もう1つの実施例では、微構造1421及び逆プリズムシートの柱状プリズムの延伸方向はそれぞれ覗き見防止方向に垂直となってもよい。
【0035】
減光シート144は、反射シート143により導光板142に反射された光束を低減させ、これらの光束が導光板142の微構造1421により散乱され、斜めの散乱光が生じることを回避するように構成されている。このように、よりよい覗き見防止効果を取得できる。例えば、減光シート144は、光吸収材(例えば染料)を含有する半透過フィルム、吸収型偏光板、又は吸収型偏光板及び反射型偏光板により構成された複合偏光板であってもよい。1つの実施例では、減光シート144の設置を省略してもよい。また、覗き見防止効果をさらに向上させるように、反射率の比較的に高い(例えば90%よりも大きい)反射シートの代わりに反射率の比較的に低い(例えば50%よりも小さい)反射シートを用いてもよい。
【0036】
減光シート144が光吸収材を含有する半透過フィルムである場合は、減光シート144の吸収率が低いほど、透過率が高くなる。即ち、減光シート144の吸収率が低いほど、反射シート143により導光板142に反射された光束が多くなる。よって、表示パネル110の輝度が高いほど、覗き見防止効果が悪くなる。減光シート144の透過率が60%よりも大きい場合、表示パネル110は、比較的に高い輝度及び比較的に悪い覗き見防止効果を有する。減光シート144の透過率が60%よりも低い場合、表示パネル110は、比較的に低い輝度を有するが、比較的に良い覗き見防止効果を有する。
【0037】
図1及び図7に示すように、減光シート144が吸収型偏光板である場合は、吸収型偏光板の透過軸(図示せず)が表示パネル110の下偏光板112の透過軸T112に平行となるとき、比較的に高い輝度を取得できるが、反射シート143により導光板142に反射された光束が多いため、覗き見防止効果は比較的に悪い。吸収型偏光板の透過軸が表示パネル110の下偏光板112の透過軸T112に垂直となるとき、表示パネル110の輝度が比較的に低いが、反射シート143により導光板142に反射された光束は比較的に高い比率で表示パネル110の下偏光板112により吸収されているため、覗き見防止効果は比較的に良い。このため、必要な輝度及び覗き見防止効果に応じて、吸収型偏光板の透過軸と表示パネル110の下偏光板112の透過軸T112との夾角の角度を調整してもよい。
【0038】
減光シート144が吸収型偏光板及び反射型偏光板により構成された複合偏光板である場合は、減光シート144における吸収型偏光板は、反射型偏光板と反射シート143との間に位置してもよい。また、必要な輝度及び覗き見防止効果を取得するために、吸収型偏光板の透過軸と反射型偏光板の透過軸(又は反射軸)との夾角の角度を調整し、導光板142に反射され、且つ導光板142の微構造1421により散乱した光束の表示パネル110の下偏光板112を通過する比率を調整してもよい。
【0039】
表1は、表示パネルの下偏光板の透過軸の角度と減光シートの反射型偏光板の反射軸(反射型偏光板の透過軸と90度をなす)の角度と減光シートの吸収型偏光板の透過軸の角度との相対的関係の輝度及び覗き見防止効果への影響を示している。表1では、数字1乃至4は表示パネルの輝度及び覗き見防止効果の優劣を表す。具体的には、表示パネルの輝度について、数字が大きいほど、輝度が高くなる。覗き見防止効果について、数字が大きいほど、覗き見防止効果が良くなる。なお、表1における下偏光板の透過軸の角度を0度で示すことは単なる説明の便宜上であり、実際な表示パネルの下偏光板の透過軸の角度は他の任意の角度であってもよく、反射型偏光板の反射軸の角度と吸収型偏光板の透過軸の角度との相対的な夾角が変わらなければ、表示パネルの輝度及び覗き見防止効果の評価も変わらない。
【0040】
【表1】
また、減光シートについては、反射型偏光板の反射軸の角度及び吸収型偏光板の透過軸の角度が0度又は90度でない場合は、表示パネルの輝度及び覗き見防止効果の評価は対応する角度の区間に入る。例えば、表示パネルの下偏光板の透過軸の角度が0度であり、反射型偏光板の反射軸の角度が0度であり、吸収型偏光板の透過軸の角度が20度である場合は、表示パネルの輝度の評価は4と3との間にあり、覗き見防止効果の評価は2と1との間にある。よって、高い表示パネルの輝度及び悪い覗き見防止効果が必要である場合は、表示パネルの下偏光板の透過軸の角度が0度であるとき、「反射型偏光板の反射軸の角度が0度であり、且つ吸収型偏光板の透過軸の角度が0度~90度又は0度~45度である」ことを選択してもよい。低い表示パネルの輝度及び良い覗き見防止効果が必要である場合は、表示パネルの下偏光板の透過軸の角度が0度であるとき、「反射型偏光板の反射軸の角度が90度であり、且つ吸収型偏光板の透過軸の角度が0度~90度又は45度~90度である」ことを選択してもよい。
【0041】
図8乃至図21はそれぞれ本発明の他の実施例の視野角切り替え可能な表示装置の断面を示す図であり、図8及び図9はそれぞれ視野角切り替え可能な表示装置の表示パネル、電気制御光散乱切替器及びバックライトモジュールの図示を省略している。以下の実施例では、同一又は類似の素子について同一又は類似の符号で示し、関連する内容は図1乃至図7における対応説明を参照してもよく、重複の説明を省略する。
【0042】
図8に示すように、視野角切り替え可能な表示装置は、タッチ感知機能を提供するタッチ感知素子150をさらに含んでもよい。タッチ感知素子150は第1偏光板126と第1透光基板122との間に位置してもよく、タッチ感知素子150は単一の層又は複数の層のタッチ感知電極(図示せず)を有してもよい。タッチ感知電極は、第1透光基板122又は第1偏光板126の上に配置されてもよい。或いは、複数の層のタッチ感知電極は、第1透光基板122及び第1偏光板126の上にそれぞれ配置され、絶縁の透光接着層により接合されてもよい。さらに、タッチ感知電極は、図示しない少なくとも1つのフィルム又は少なくとも1つの基板の上に配置され、透光接着層により第1透光基板122及び第1偏光板126と接合されてもよい。
【0043】
また、視野角切り替え可能な表示装置は装飾層160をさらに含んでもよい。装飾層160は電気制御視野角切替器120の上方に位置し、第1偏光板126は装飾層160とタッチ感知素子150との間に位置する。装飾層160は、例えば見せたくない素子(例えばタッチ感知素子150における周辺リード線)を遮蔽するように、第1偏光板126の周辺に配置されてもよい。また、装飾層160は、表示光束の遮蔽を回避するように、表示パネル110の表示領域を露出させる。装飾層160は、インク又は他の光吸収材を用いてもよい。
【0044】
もう1つの実施例では、図9に示すように、タッチ感知素子150は第1偏光板126の上方に位置してもよい。具体的には、タッチ感知素子150及び装飾層160は、タッチ感知素子150が装飾層160と第1偏光板126との間に位置するように、電気制御視野角切替器120の上方に順次積層されてもよい。
【0045】
図1及び図10に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Aは図1の視野角切り替え可能な表示装置100と類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図1の視野角切り替え可能な表示装置100では、表示パネル110は電気制御視野角切替器120と電気制御光散乱切替器130との間に位置し、第1偏光板126は第1透光基板122(図2A参照)の上に配置されている。図10の視野角切り替え可能な表示装置100Aでは、電気制御視野角切替器120は表示パネル110と電気制御光散乱切替器130との間に位置し、第1偏光板126は第1透光基板121(図2A参照)の表示パネル110から離れた側に配置され、第1透光基板121は第1偏光板126と第1透光導電層123との間に位置する。また、第1偏光板126の透過軸T126は、表示パネル110のうち第1偏光板126に比較的に近い偏光板の透過軸、例えば下偏光板112の透過軸T112に平行となる。
【0046】
図1及び図11に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Bは図1の視野角切り替え可能な表示装置100と類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図11の視野角切り替え可能な表示装置100Bは偏光式視野角制御素子170をさらに含む。偏光式視野角制御素子170は、バックライトモジュール140の上方に位置し、且つ位相遅延フィルム172及び第2偏光板174を含み、第2偏光板174は位相遅延フィルム172の表示パネル110から離れた側に配置されている。本実施例では、偏光式視野角制御素子170が電気制御視野角切替器120の上方に位置することによって、電気制御視野角切替器120は偏光式視野角制御素子170と表示パネル110との間に位置し、位相遅延フィルム172は第2偏光板174と電気制御視野角切替器120との間に位置する。
【0047】
位相遅延フィルム172は例えばCプレートであり、位相遅延フィルム172の光軸T172は第1偏光板174に垂直となる。第2偏光板174は例えば吸収型偏光板であり、第2偏光板174の透過軸T174は第1偏光板126の透過軸T126に平行となる。この構成では、偏光式視野角制御素子170は、方位角での覗き見防止方向(例えば第2方向D2及びその逆方向)との夾角が45±15度の光束をさらに除去でき、方位角での覗き見防止の角度範囲を拡大できる。
【0048】
もう1つの実施例では、位相遅延フィルム172はOプレートであってもよい。このように、偏光式視野角制御素子170は、覗き見防止方向において光束除去の角度範囲をさらに拡大でき、覗き見防止方向における覗き見防止の角度範囲を拡大できる。もう1つの実施例では、位相遅延フィルム172は、方位角での覗き見防止の角度範囲を拡大でき、覗き見防止方向における覗き見防止の角度範囲を拡大できるように、Oプレート及びCプレートにより構成された複合プレートであってもよい。
【0049】
図11及び図12に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Cは図11の視野角切り替え可能な表示装置100Bと類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図12の視野角切り替え可能な表示装置100Cでは、偏光式視野角制御素子170は電気制御視野角切替器120と表示パネル110との間に位置し、位相遅延フィルム172は第2偏光板174と表示パネル110との間に位置する。
【0050】
図12及び図13に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Dは図12の視野角切り替え可能な表示装置100Cと類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図13の視野角切り替え可能な表示装置100Dでは、偏光式視野角制御素子170は表示パネル110と電気制御光散乱切替器130との間に位置し、第2偏光板174は位相遅延フィルム172と電気制御光散乱切替器130との間に位置する。また、第2偏光板174の透過軸T174は、表示パネル110のうち第2偏光板174に比較的に近い偏光板の透過軸、例えば下偏光板112の透過軸T112に平行となる。
【0051】
図13及び図14に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Eは図13の視野角切り替え可能な表示装置100Dと類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図14の視野角切り替え可能な表示装置100Eでは、偏光式視野角制御素子170は電気制御光散乱切替器130とバックライトモジュール140との間に位置し、第2偏光板174は位相遅延フィルム172とバックライトモジュール140との間に位置する。
【0052】
図10及び図15に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Fは図10の視野角切り替え可能な表示装置100Aと類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図15の視野角切り替え可能な表示装置100Fは偏光式視野角制御素子170をさらに含み、偏光式視野角制御素子170の各層の関連説明は明細書における図11の偏光式視野角制御素子170に対応する関連説明を参照し、ここで重複な説明を省略する。
【0053】
図15及び図16に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Gは図15の視野角切り替え可能な表示装置100Fと類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図16の視野角切り替え可能な表示装置100Gでは、偏光式視野角制御素子170は表示パネル110と電気制御視野角切替器120との間に位置し、第2偏光板174は位相遅延フィルム172と電気制御視野角切替器120との間に位置する。第2偏光板174の透過軸T174は、表示パネル110のうち第2偏光板174に比較的に近い偏光板の透過軸、例えば下偏光板112の透過軸T112に平行となる。
【0054】
図16及び図17に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Hは図16の視野角切り替え可能な表示装置100Gと類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図17の視野角切り替え可能な表示装置100Hでは、偏光式視野角制御素子170は電気制御視野角切替器120と電気制御光散乱切替器130との間に位置し、第2偏光板174は位相遅延フィルム172と電気制御光散乱切替器130との間に位置する。
【0055】
図17及び図18に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Iは図17の視野角切り替え可能な表示装置100Hと類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図18の視野角切り替え可能な表示装置100Iでは、偏光式視野角制御素子170は電気制御光散乱切替器130とバックライトモジュール140との間に位置し、第2偏光板174は位相遅延フィルム172とバックライトモジュール140との間に位置する。
【0056】
図11及び図19に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Jは図11の視野角切り替え可能な表示装置100Bと類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図19の視野角切り替え可能な表示装置100Jでは、表示パネル110の下偏光板112の透過軸T112は第1方向D1に平行となり、表示パネル110の上偏光板114の透過軸T114、第1偏光板126の透過軸T126及び第2偏光板174の透過軸T174は第2方向D2に平行となる。また、位相遅延フィルム172はOプレートであり、位相遅延フィルム172の光軸T172は第1方向D1に対して傾斜している。即ち、位相遅延フィルム172の光軸T172は第1方向D1に垂直となっておらず、且つ平行となっていない。また、位相遅延フィルム172の光軸T172の第2偏光板174における正投影は第2方向D2(覗き見防止方向)に垂直となる。
【0057】
なお、本実施例では図1の構成に対して上記の改良を行っているが、上記の改良(Cプレートの代わりにOプレートを用いること、及び複数の層の透過軸の方向の変更)は図12乃至図18の実施例にも適用されてもよい。
【0058】
図1及び図20に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Kは図1の視野角切り替え可能な表示装置100と類似し、両者の主な差異は以下の通りである。視野角切り替え可能な表示装置100Kは、図7の減光シート144の代わりに偏光式視野角制御素子180を用いる。偏光式視野角制御素子180は導光板142と反射シート143との間に位置し、偏光式視野角制御素子180は、第3偏光板182、第3偏光板184、及び第3偏光板182と第3偏光板184との間に位置する位相遅延フィルム186を含む。
【0059】
第3偏光板182及び第3偏光板184はそれぞれ吸収型偏光板又は反射型偏光板であってもよく、第3偏光板182の透過軸T182及び第3偏光板184の透過軸T184はそれぞれ表示パネル110の下偏光板112の透過軸T112に平行となっている。例えば、第3偏光板182及び第3偏光板184は共に吸収型偏光板であってもよい。或いは、第3偏光板182は吸収型偏光板であり、第3偏光板184は反射型偏光板であってもよい。
【0060】
位相遅延フィルム186は、Oプレート又はCプレートであってもよい。即ち、位相遅延フィルム186の光軸T186は第3偏光板182に垂直となってもよい。或いは、位相遅延フィルム186の光軸T186は第1方向に対して傾斜し、位相遅延フィルム186の光軸T186の第3偏光板182における正投影は第2方向(覗き見防止方向)に垂直となってもよい。
【0061】
偏光式視野角制御フィルムは60度~80度の光束を除去し、反射シート143により導光板142に反射された光束が導光板142の微構造1421により散乱することによる大視野角の光漏れを防止でき、覗き見防止効果を向上できる。
【0062】
なお、本実施例では図1の構成に対して上記の改良を行っているが、上記の改良(図7の減光シート144の代わりに偏光式視野角制御素子180を用いること)は他の実施例にも適用されてもよい。
【0063】
図20及び図21に示すように、視野角切り替え可能な表示装置100Lは図20の視野角切り替え可能な表示装置100Kと類似し、両者の主な差異は以下の通りである。図21の視野角切り替え可能な表示装置100Lでは、偏光式視野角制御素子180Aの第3偏光板182及び第3偏光板184はそれぞれ吸収型偏光板であり、偏光式視野角制御素子180Aは反射型偏光板188をさらに含む。反射型偏光板188は偏光式視野角制御素子180Aの導光板142に近い側に位置する。具体的には、反射型偏光板188は例えば第3偏光板184の上に配置され、第3偏光板184は反射型偏光板188と位相遅延フィルム186との間に位置する。反射型偏光板188の透過軸T188は、第3偏光板182の透過軸T182及び第3偏光板184の透過軸T184に平行となっている。これによって、表示パネル110の輝度を向上できる。
【0064】
上述したように、本発明の実施例は下記の利点の少なくとも1つを有する。本発明の視野角切り替え可能な表示装置では、電気制御視野角切替器を覗き見防止モードと共用モードとの間に切り替えることができ、電気制御光散乱切替器を透明状態と散乱状態との間に切り替えることができる。電気制御視野角切替器を覗き見防止モードに切り替え、それに応じて電気制御光散乱切替器を透明状態に切り替えた場合、光束が電気制御光散乱切替器を通過する際に散乱せず、且つ光束が電気制御視野角切替器を通過する際に、覗き見防止方向における大角度の光束が吸収される。このため、大きい視野角で視野角切り替え可能な表示装置を視聴する視聴者は表示映像を見えないため、覗き見防止の効果を達成できる。電気制御視野角切替器を共用モードに切り替え、それに応じて電気制御光散乱切替器を散乱状態に切り替えた場合、光束が電気制御光散乱切替器を通過する際に散乱し、視野角を拡大しやすくなり、且つ光束が電気制御視野角切替器を通過する際に、覗き見防止方向における大角度の光束の強度比率が実質的に影響を受けない。このため、大きい視野角で視野角切り替え可能な表示装置を視聴する視聴者は表示映像を見えるため、表示映像(情報)を共用するという効果を達成できる。
【0065】
上記の説明は、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の実施の範囲がこれらに限定されず、本発明の特許請求の範囲及び明細書の内容に基づいて、当業者によって何れの変更及び修飾が可能であり、本発明の保護範囲は特許請求の範囲を基準とする。また、本発明の実施例又は特許請求の範囲は何れも本発明により開示された目的又は利点又は特徴の全てを必ずしも実現する必要はない。また、要約部分と発明の名称は単に特許文献のサーチ作業を補助するためのものであり、本発明の権利範囲を限定するものではない。また、本明細書又は特許請求の範囲における「第1」、「第2」等の用語は単なる部材(element)の名称を命名する或いは異なる実施例又は範囲を区別するためのものであり、部材の数の上限又は下限を限定するものではない。
【符号の説明】
【0066】
100、100A、100B、100C、100D、100E、100F、100G、100H、100I、100J、100K、100L 視野角切り替え可能な表示装置
110 表示パネル
112 下偏光板
114 上偏光板
120 電気制御視野角切替器
121、122 第1透光基板
123、124 第1透光導電層
125 液晶層
126 第1偏光板
127、128 配向層
130 電気制御光散乱切替器
131、132 第2透光基板
133、134 第2透光導電層
135、135A、135B 電気制御高分子材料層
136、137 垂直配向層
140 バックライトモジュール
141 光源
142 導光板
143 反射シート
144 減光シート
145 逆プリズムシート
150 タッチ感知素子
160 装飾層
170、180、180A 偏光式視野角制御素子
172、186 位相遅延フィルム
174 第2偏光板
182、184 第3偏光板
188 反射型偏光板
1251、1353 液晶分子
1351 液晶微粒子
1352 高分子材料
1354 高分子ネットワーク
1355 二周波液晶
1356 反応性液晶
1421 微構造
B、B1、B2、B3、B4、B5 光束
C1、C2、C3 曲線
D1 第1方向
D2 第2方向
SB 底面
SE 出光面
SI 入光面
T112、T114、T126、T174、T182、T184、T188 透過軸
T172、T186、T1251、T1353 光軸
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21