IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東海旅客鉄道株式会社の特許一覧 ▶ ナブテスコ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ワイパ駆動装置 図1
  • 特許-ワイパ駆動装置 図2
  • 特許-ワイパ駆動装置 図3
  • 特許-ワイパ駆動装置 図4
  • 特許-ワイパ駆動装置 図5
  • 特許-ワイパ駆動装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】ワイパ駆動装置
(51)【国際特許分類】
   B60S 1/10 20060101AFI20220801BHJP
【FI】
B60S1/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018005121
(22)【出願日】2018-01-16
(65)【公開番号】P2019123367
(43)【公開日】2019-07-25
【審査請求日】2020-12-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390021577
【氏名又は名称】東海旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】503405689
【氏名又は名称】ナブテスコ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】藤井 忠
(72)【発明者】
【氏名】田中 慎一
(72)【発明者】
【氏名】上田 晋司
(72)【発明者】
【氏名】榊 源太
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-028567(JP,U)
【文献】特開平04-081346(JP,A)
【文献】特開平11-180261(JP,A)
【文献】西独国特許出願公開第01775239(DE,A1)
【文献】実開昭58-086955(JP,U)
【文献】特開昭63-230964(JP,A)
【文献】仏国特許出願公開第01439415(FR,A1)
【文献】米国特許第05271121(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00-1/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダと、圧縮空気の圧力により前記シリンダ内における停止位置と反転位置との間で往復動するピストンと、を備え、前記ピストンと連動してワイパアームを揺動させるワイパ駆動装置であって、
前記ピストンと前記シリンダとに囲まれた空間である空気室に前記圧縮空気が供給されることで前記ピストンが前記停止位置及び前記反転位置の少なくとも一方に移動するときに前記ピストンの移動速度を減少させる減速機構を備え、
前記減速機構は、前記ピストンと前記シリンダとに囲まれた前記空気室に設置されて付勢力を発生する圧縮ばねであって、前記ピストンが前記停止位置及び前記反転位置の少なくとも一方の位置に近づくにつれて、前記ピストンの移動速度は小さくなるように構成されている
ワイパ駆動装置。
【請求項2】
前記ピストンの前記空気室側端部には、前記圧縮ばねを収容する収容凹部が設けられ、
前記収容凹部は、前記停止位置と前記反転位置との間を移動する
請求項1に記載のワイパ駆動装置。
【請求項3】
前記圧縮ばねは、前記反転位置と前記ピストンとの間に存在する第1のばねと、前記停止位置と前記ピストンとの間に存在する第2のばねと、を備え、
前記第1のばね及び前記第2のばねは、前記ピストンを常時付勢する
請求項1又は2に記載のワイパ駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパ駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイパ駆動装置は、圧縮空気の圧力を用いてワイパアームを駆動する空気圧アクチュエータを備えている(例えば、特許文献1参照)。ワイパアームの先端にはワイパが取り付けられる。
【0003】
この空気圧アクチュエータは、ピストンと、ピストンを収容するシリンダとを備えている。シリンダ内にピストンが収納され、このピストンは、圧縮空気の給排によってシリンダ内を往復動する。ピストンにはラックが設けられ、ワイパアームの基端にはラックと噛み合うピニオンが設けられている。ワイパアームは、シリンダ内におけるピストンの往復動に伴って揺動する。ワイパアームが揺動されることにより、窓がワイパによって拭き取られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公平4-16764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなワイパ駆動装置を窓の払拭面積が大きい流線形の車両に適用する場合、ワイパアームが長くなる傾向がある。このように、ワイパアームが長くなるとその慣性が大きくなるため、ワイパアームの揺動方向が反転するときの衝撃が大きくなる。このため、例えば、上記ラックやピニオン、ワイパアーム等のワイパを揺動させる機構の剛性を高める等の対策が必要となる。
【0006】
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイパアームの揺動方向が反転するときに生じる衝撃を抑制することのできるワイパ駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するワイパ駆動装置は、シリンダと、圧縮空気の圧力により前記シリンダ内における第1の位置と第2の位置との間で往復動するピストンと、を備え、前記ピストンと連動してワイパアームを揺動させるワイパ駆動装置であって、前記ピストンが前記第1の位置及び前記第2の位置の少なくとも一方に移動するときに前記ピストンの移動速度を減少させる減速機構を備える。
【0008】
上記構成によれば、ピストンが第1の位置及び第2の位置の少なくとも一方に移動するときに、減速機構によって同ピストンの移動速度が減少される。このため、ワイパアームの揺動方向が反転するときの加速度を減少させることができ、同反転時に発生する衝撃を抑制することができる。
【0009】
上記ワイパ駆動装置について、前記減速機構は、前記ピストンが前記第1の位置及び前記第2の位置の少なくとも一方の位置に近づくにつれて、前記ピストンの移動速度は小さくなるように構成されていることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、ワイパアームの揺動方向が反転するときの移動速度の減少量が最も大きくなるため、同反転時に発生する衝撃を更に抑制することができる。
上記ワイパ駆動装置について、前記減速機構は、前記ピストンと前記シリンダとの間に設置されて付勢力を発生するばねを備えることが好ましい。
【0011】
上記構成によれば、簡単な構成で減速機構を実現することができる。このため、減速機構が故障するリスクを低減することができる。
上記ワイパ駆動装置について、前記ばねは、圧縮ばねであることが好ましい。
【0012】
上記構成によれば、ピストンとシリンダ端部との間に圧縮ばねを配置するだけで減速機構が実現できるため、例えば引張ばねを用いて減速機構を実現する場合と比べて部品点数を増やしたり、引張ばねを固定する部材等を不要としたりすることができる。
【0013】
上記ワイパ駆動装置について、前記ばねは、前記第2の位置と前記ピストンとの間に存在する第1のばねと、前記第1の位置と前記ピストンとの間に存在する第2のばねと、を備え、前記第1のばね及び前記第2のばねは、前記ピストンを常時付勢することが好ましい。
【0014】
上記構成によれば、ピストンの両側が第1のばね及び第2のばねから常時付勢されるため、ピストンに付勢力が作用しない状態から同付勢力が作用する状態に切り替わることに起因するピストンの移動速度の急激な変化が生じず、直線的もしくは連続的に変化させることができる。よって、ワイパアームの揺動運動が円滑になる。
【0015】
上記ワイパ駆動装置について、前記減速機構は、前記ピストンと前記シリンダとの間に設けられ、前記ピストンによって内部の空気が圧縮されて付勢力を発生する空気ばね室を備えることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、ピストンの移動に伴い空間の空気が圧縮されることでピストンの移動が抑制されて、ピストンの移動速度を減少させることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ワイパアームの揺動方向が反転するときに生じる衝撃を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】ワイパ駆動装置の第1の実施形態の概略構成を示す正面図。
図2】同実施形態のワイパ駆動装置の概略構成を示す図1の2-2断面図。
図3】同実施形態のワイパ駆動装置の構成を示す図1の3-3断面図。
図4】同実施形態のワイパ駆動装置のエア回路を示す模式図。
図5】ワイパ駆動装置の第2の実施形態の構成を示す断面図。
図6】同実施形態のワイパ駆動装置のエア回路を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第1の実施形態)
以下、図1図4を参照して、ワイパ駆動装置の第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、ワイパ駆動装置1は、圧縮空気の圧力によって駆動されるピストンを収容したシリンダ6を備えている。シリンダ6は、筒状のシリンダ本体10を備えている。シリンダ本体10の中央部には、回転軸30が貫通されている。回転軸30の先端部31には、ワイパアーム5が接続されている。シリンダ本体10の左端部11は左側開口部11Aを有している。左端部11には、左側開口部11Aを閉じる板状の左シリンダ蓋12がL字状の左側取付板12Aとともに4個の螺子15によって固定されている。同様に、シリンダ本体10の右端部13は右側開口部13Aを有している。右端部13には、右側開口部13Aを閉じる板状の右シリンダ蓋14がL字状の右側取付板14Aとともに4個の螺子15によって固定されている。
【0020】
図2に示すように、回転軸30とピストン20とは、回転軸30の軸心とピストン20の軸心との位置が交差しない、ずれた位置に配置されている。回転軸30には、歯が形成されたピニオン35が固定されている。ピニオン35は、シリンダ本体10内に位置し、歯35Aが形成され、ピストン20に設けられたラック24と噛み合っている。
【0021】
シリンダ6の側面には、ピニオン35を設置するための本体開口部16が形成されている。ピニオン35は、この本体開口部16から挿入された後に回転軸30が挿通される。シリンダ本体10の側面には、本体開口部16を閉じる四角形状の本体蓋17が螺子17Aによって固定されている。回転軸30の先端部31には、先端側回転継手32が設けられている。また、回転軸30の基端部33には、基端側回転継手34が設けられている。先端側回転継手32及び基端側回転継手34は回転軸30と一緒に回転する。基端側回転継手34から洗浄水を供給し、中空の回転軸30の内部を通って先端側回転継手32を介してワイパアーム5に洗浄水を送る。ワイパアーム5には洗浄水を噴出する孔が複数設けられ、ワイパアーム5は孔から洗浄水を噴出する。回転軸30の先端側回転継手32と基端側回転継手34との間の部分は、収容筒37とシリンダ本体10とに収容されている。回転軸30は、シリンダ本体10内に設けられるブシュ38と、収容筒37とによって軸受けされている。
【0022】
図3に示すように、シリンダ本体10の中央部は、回転軸30とピニオン35とを収容するために側方に突出している。シリンダ本体10の中央部には、本体開口部16が形成されている。ピニオン35は、螺子36によって回転軸30に固定されている。
【0023】
ピストン20は、シリンダ本体10内に収容されている。ピストン20は、左側ピストン21と、右側ピストン22と、左側ピストン21と右側ピストン22とを連結する連結軸23とを備えている。左側ピストン21は、シリンダ本体10内の左側部分に摺動可能に設置されている。連結軸23の左端部23Aは、円柱状に形成され、左側ピストン21の中央に形成された貫通孔21Aに嵌着されて抜け止めされている。左側ピストン21と連結軸23の左端部23Aとはシール部材によって密閉されている。連結軸23の右端部23Bは、円柱状に形成され、右側ピストン22の中央に形成された貫通孔22Aに嵌着されて抜け止めされている。右側ピストン22と連結軸23の右端部23Bとはシール部材によって密閉されている。連結軸23のピニオン35と対向する部分には、ピニオン35の歯35Aと噛み合う歯24Aが形成されたラック24が形成されている。
【0024】
左側ピストン21と左シリンダ蓋12とシリンダ本体10とに囲まれた空間は、圧縮空気が供給されることで、左側ピストン21を右側へ移動させる左側空気室51として機能する。左側ピストン21とシリンダ本体10とは、左側ピストン21に取り付けられたシール部材によって密閉されている。右側ピストン22は、シリンダ本体10内の右側部分に摺動可能に設置されている。右側ピストン22と右シリンダ蓋14とシリンダ本体10とに囲まれた空間は、圧縮空気が供給されることで、右側ピストン22を左側へ移動させる右側空気室52として機能する。右側ピストン22とシリンダ本体10とは、右側ピストン22に取り付けられたシール部材によって密閉されている。左側ピストン21及び右側ピストン22は、断面円形状に形成されている。シリンダ本体10内の左側ピストン21及び右側ピストン22が摺動する部分は、断面円形状に形成されている。
【0025】
ピストン20は、圧縮空気の圧力によりシリンダ本体10内における第1の位置である停止位置PXと第2の位置である反転位置PYとの間で往復動する。ピストン20がシリンダ本体10内を移動することで連結軸23のラック24が直線運動し、ラック24とピニオン35との噛み合わせによってピニオン35が回転運動する。連結軸23のラック24が往復直線運動することで、回転軸30を回転させてワイパアーム5を停止位置と反転位置との間で往復回転運動させる。
【0026】
ワイパ駆動装置1は、第1の位置である停止位置PXに達したピストン20が第2の位置である反転位置PYに向けて移動するとき及び第2の位置である反転位置PYに達したピストン20が第1の位置である停止位置に向けて移動するときに、ワイパアーム5の揺動方向が反転するように構成されている。
【0027】
このシリンダ6は、ピストン20がシリンダ6内の左端部11及び右端部13へ移動するときに、ピストン20の移動速度を減少させる減速機構40を備えている。減速機構40は、ピストン20の移動方向と反対方向にピストン20を付勢する付勢力を発生し、左側ピストン21を右側へ常時付勢する左側圧縮ばね41を有している。左側圧縮ばね41は、左側ピストン21とシリンダ本体10内の左シリンダ蓋12との間に設置されている。左側ピストン21の左シリンダ蓋12側には、左側圧縮ばね41を収容する円柱状の収容凹部21Bが形成されている。収容凹部21Bには、左側圧縮ばね41の右側端部41Aが当接している。シリンダ本体10の左側開口部11Aの内縁には、左側圧縮ばね41の左側端部41Bを受ける左側受部11Bが設置されている。左側圧縮ばね41は、ピストン20が右端部13にあるときには、自然長以下の状態であって、左側ピストン21を押圧している。左側圧縮ばね41は左側ピストン21を常時付勢しているので、減速機構40の付勢力は常時作用している。このため、ピストン20が停止位置PXに移動するときに、ピストン20は左側圧縮ばね41によって反転位置PYに向けて付勢されるので、ピストン20の移動速度が減少される。左側圧縮ばね41は、左側ピストン21が停止位置PXに近い位置にあるときほど、反転位置PYに向けて左側ピストン21を付勢する付勢力が大きくなり、ワイパアーム5の揺動方向が反転するときの付勢力が最も大きくなる。すなわち、ピストン20が停止位置PXに近い位置にあるときほど、ピストン20の移動速度の減少量が大きくなる。なお、左側圧縮ばね41が第2のばねに相当する。
【0028】
また、減速機構40は、ピストン20の移動方向と反対方向にピストン20を付勢する付勢力を発生し、右側ピストン22を左側へ常時付勢する右側圧縮ばね42を有している。右側圧縮ばね42は、右側ピストン22とシリンダ本体10内の右シリンダ蓋14との間に設置されている。右側ピストン22の右シリンダ蓋14側には、右側圧縮ばね42を収容する円柱状の収容凹部22Bが形成されている。収容凹部22Bには、右側圧縮ばね42の左側端部42Aが当接している。シリンダ本体10の右側開口部13Aの内縁には、右側圧縮ばね42の右側端部42Bを受ける右側受部13Bが設置されている。右側圧縮ばね42は、ピストン20が左端部11にあるときには、自然長以下の状態であって、右側ピストン22を押圧している。右側圧縮ばね42は右側ピストン22を常時付勢しているので、減速機構40の付勢力は常時作用している。このため、ピストン20が反転位置PYに移動するときに、ピストン20は右側圧縮ばね42によって停止位置PXに向けて付勢されるので、ピストン20の移動速度が減少される。右側圧縮ばね42は、右側ピストン22が反転位置PYに近い位置にあるときほど、停止位置PXに向けて右側ピストン22を付勢する付勢力が大きくなり、ワイパアーム5の揺動方向が反転するときの付勢力が最も大きくなる。すなわち、ピストン20が反転位置PYに近い位置にあるときほど、ピストン20の移動速度の減少量が大きくなる。なお、右側圧縮ばね42が第1のばねに相当する。
【0029】
ピストン20がシリンダ本体10において停止位置PXと反転位置PYとの中央である中立位置に位置するときに、左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42の両方が自然長以下の状態であって、ピストン20をそれぞれ押圧している。
【0030】
図4を参照して、圧縮空気によるシリンダ6の駆動について説明する。
シリンダ6は、切替弁60による圧縮空気の供給及び排出によってピストン20が駆動される。ピストン20が最も左側の位置を停止位置PXとし、ピストン20が最も右側の位置を反転位置PYとする。切替弁60には、圧縮空気を供給する吸気ポートPAが接続されている。シリンダ6と切替弁60との間には、シリンダ6に圧縮空気を供給するとともに、シリンダ6から圧縮空気を排出する左側供給路53及び右側供給路54が設けられている。また、シリンダ6と切替弁60との間には、切替弁60の動作を制御する圧力信号(パイロット圧)を切替弁60に供給する左側制御通路55及び右側制御通路56が設けられている。
【0031】
左側供給路53の一端は、シリンダ本体10の左端部11から左側空気室51に接続されている。左側供給路53の他端は、切替弁60に接続されている。右側供給路54の一端は、シリンダ本体10の右端部13から右側空気室52に接続されている。右側供給路54の他端は、切替弁60に接続されている。
【0032】
左側制御通路55の一端は、左側空気室51に接続されている。この左側制御通路55の左側空気室51との接続位置は、左側ピストン21の停止位置PXと反転位置PYとの間である。よって、左側空気室51に左側供給路53から圧縮空気が供給されて左側ピストン21が右側へ移動した際に、この左側空気室51に供給された圧縮空気が左側制御通路55に流入する。
【0033】
右側制御通路56の一端は、右側空気室52に接続されている。この右側制御通路56の右側空気室52との接続位置は、右側ピストン22の停止位置PXと反転位置PYとの間である。よって、右側空気室52に右側供給路54から圧縮空気が供給されて右側ピストン22が左側へ移動した際に、この右側空気室52に供給された圧縮空気が右側制御通路56に流入する。
【0034】
切替弁60は、3ポート2位置弁であって、吸気ポートPAに接続される第1ポートP1と、左側供給路53に接続される第2ポートP2と、右側供給路54に接続される第3ポートP3とを備えている。図4に示した切替弁60の第1位置では、第1ポートP1と第3ポートP3とを接続して圧縮空気を右側供給路54に供給し、第2ポートP2から圧縮空気を排出する。一方、切替弁60の第2位置では、第1ポートP1と第2ポートP2とを接続して圧縮空気を左側供給路53に供給し、第3ポートP3から圧縮空気を排出する。
【0035】
切替弁60は、右側制御通路56から圧力信号が供給されると、第2位置に切り替わる。すなわち、切替弁60は、図4に示した第1位置の状態であるときに、第1ポートP1から第3ポートP3を介して右側空気室52に圧縮空気が供給されて、ピストン20が左側へ移動することで右側空気室52の圧縮空気が右側制御通路56に供給されて第2位置に切り替わる。なお、切替弁60は、ピストン20が停止位置PXに到達した後で第1位置から第2位置に切り替わる。
【0036】
一方、切替弁60は、左側制御通路55から圧力信号が供給されると、第1位置に切り替わる。すなわち、切替弁60は、第2位置の状態であるときに、第1ポートP1から第2ポートP2を介して左側空気室51に圧縮空気が供給されて、ピストン20が右側へ移動することで左側空気室51の圧縮空気が左側制御通路55に供給されて第1位置に切り替わる。なお、切替弁60は、ピストン20が停止位置PXに到達した後で第2位置から第1位置に切り替わる。
【0037】
切替弁60には、切替弁60を停止させる停止ポートPBが接続されている。切替弁60は、停止ポートPBから圧縮空気が供給されると、第1位置の状態で停止する。切替弁60が第1位置の状態で停止すると、右側空気室52に圧縮空気が供給される状態なので、ピストン20は停止位置PXで停止する。
【0038】
次に、図3及び図4を併せ参照して、上記ワイパ駆動装置1の作用について説明する。なお、左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42は、ピストン20の移動速度を減少させる付勢力を備えつつ、圧力信号によるピストン20の移動方向の切り替えを阻害しない付勢力に設定されている。また、ピストン20を付勢する付勢力は、ピストン20がシリンダ6内の端部への移動に伴い大きくなるように設定されている。すなわち、左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42のばね定数は、左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42の付勢力が右側空気室52及び左側空気室51の圧縮空気による付勢力に抗しつつ、ピストン20がシリンダ6内の端部まで移動するように設定されている。
【0039】
ワイパ駆動装置1は、停止状態では、ピストン20が停止位置PXに位置するとともに、切替弁60が第1位置の状態であって、停止ポートPBから圧縮空気が供給された状態である。そこで、ワイパ駆動装置1は、停止ポートPBから圧縮空気が排出されると、切替弁60が第1位置から第2位置へ切り替わり、吸気ポートPAに接続された第1ポートP1から第2ポートP2を介して左側供給路53に圧縮空気が供給されて、左側空気室51に圧縮空気が供給される。
【0040】
このとき、ワイパ駆動装置1は、左側空気室51に圧縮空気が供給されると、ピストン20が停止位置PXから右側へ移動して、右側ピストン22が右側圧縮ばね42によって、右側ピストン22の移動方向と反対方向である左方向に常時付勢される。よって、ピストン20の移動速度は、右側圧縮ばね42がないときよりも減少する。ひいては、ピストン20の反転位置PYにおける反転直前の加速度を減少させることができるため、ワイパアーム5の反転位置での反転時に発生する衝撃を抑制することができる。
【0041】
ワイパ駆動装置1は、左側空気室51に圧縮空気が供給されて、左側ピストン21が右側へ移動すると、左側制御通路55を介して切替弁60に圧力信号が供給されて、切替弁60が第2位置から第1位置に切り替わる。ピストン20は、反転位置PYに到達する。そして、ワイパ駆動装置1は、吸気ポートPAに接続された第1ポートP1から第3ポートP3を介して右側供給路54に圧縮空気が供給されて、右側空気室52に圧縮空気が供給される。
【0042】
このとき、ワイパ駆動装置1は、右側空気室52に圧縮空気が供給されると、ピストン20が反転位置PYから左側へ移動して、左側ピストン21が左側圧縮ばね41によって、左側ピストン21の移動方向と反対方向である右方向に常時付勢される。よって、ピストン20の移動速度は、左側圧縮ばね41がないときよりも減少する。ひいては、ピストン20の停止位置PXにおける反転直前の加速度を減少させることができるため、ワイパアーム5の停止位置での反転時に発生する衝撃を抑制することができる。
【0043】
ワイパ駆動装置1は、右側空気室52に圧縮空気が供給されて、右側ピストン22が左側へ移動すると、右側制御通路56を介して切替弁60に圧力信号が供給されて、切替弁60が第1位置から第2位置に切り替わる。吸気ポートPAから圧縮空気が供給される限り、切替弁60の切り替えが継続される。
【0044】
このように吸気ポートPAから切替弁60に圧縮空気が供給されることで、切替弁60が第1位置と第2位置との状態を切り替えることによって連続的にピストン20を往復運動させることができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)ピストン20が停止位置PX及び反転位置PYに移動するときに、減速機構40によって同ピストン20の移動速度が減少される。このため、ワイパアーム5の揺動方向が反転するときの加速度を減少させることができ、同反転時に発生する衝撃を抑制することができる。
【0046】
(2)ワイパアーム5の揺動方向が反転するときに移動速度の減少量が最も大きくなるため、同反転時に発生する衝撃を更に抑制することができる。
また、ピストン20が、(A)停止位置PXと反転位置PYとの中間地点から反転位置PYに移動する際、反転位置PYにピストン20が近づくにつれてピストン20の移動速度が小さくなるように構成する、および、(B)停止位置PXと反転位置PYとの中間地点から停止位置PXに移動する際、停止位置PXにピストン20が近づくにつれてピストン20の移動速度が小さくなるように構成する、のいずれか一方またはその両方とすることで、ワイパアーム5が窓を移動する際に、中央付近での移動速度を早くすることができるので、運転手の視界を邪魔することなく駆動させることが可能となる。このとき、ピストン20が停止位置PXから反転位置PYの間を往復運動する際に、時間に対するピストンの位置をグラフ化した際に、正弦波となるように減速機構を用いてピストンを駆動させることが好ましい。
【0047】
(3)ピストン20が停止位置PXに達してワイパの揺動方向が反転するとき及びピストン20が反転位置PYに達してワイパアーム5の揺動方向が反転するときの双方において発生する衝撃を抑制することができる。
【0048】
(4)ピストン20の移動を左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42によって抑制することでピストン20の移動速度を減少させることができる。
(5)ピストン20がシリンダ本体10内の端部へ移動するのに伴い、左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42によって移動方向と反対方向へ付勢力を作用させることで、ピストン20の移動速度を減少させることができる。
【0049】
(6)ピストン20の両側が左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42から常時付勢されるため、ピストン20に付勢力が作用しない状態から同付勢力が作用する状態に切り替わることに起因するピストン20の移動速度の急激な変化が生じず、直線的もしくは連続的に変化させることができる。よって、ワイパアーム5の揺動運動が円滑になる。
【0050】
(第2の実施形態)
以下、図5及び図6を参照して、ワイパ駆動装置の第2の実施形態について説明する。この実施形態のワイパ駆動装置は、減速機構が上記第1の実施形態と異なっている。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0051】
図5に示すように、ワイパ駆動装置101は、圧縮空気の供給及び排出によって駆動されるピストン120を収容したシリンダ106を備えている。シリンダ106は、筒状のシリンダ本体110を備えている。ピストン120は、シリンダ本体110内に収容されている。ピストン120は、左側ピストン121と、右側ピストン122と、左側ピストン121と右側ピストン122とを連結する連結軸123とを備えている。連結軸123の各端部は、左側ピストン121の貫通孔121Aと右側ピストン122の貫通孔122Aとにそれぞれ嵌着されている。
【0052】
減速機構140は、左シリンダ蓋112に取り付けられた環状の左側クッションシール141と、左側クッションシール141によって左シリンダ蓋112と左側ピストン121との間に形成される左側空気ばね室142とを備えている。左側空気ばね室142は、左側ピストン121によって内部の空気が圧縮されて付勢力を発生する。すなわち、左シリンダ蓋112は、シリンダ本体10の軸方向に厚みを有している。左シリンダ蓋112の左側ピストン121側には、開口する環状の凹部112Aが設けられている。左シリンダ蓋112の中心には、貫通孔112Bが形成されている。環状の凹部112Aの外側の内壁には、左側クッションシール141が露出した状態で取り付けられている。左側ピストン121の左シリンダ蓋112側には、左シリンダ蓋112の環状の凹部112Aに挿入される円筒状の凸部121Bが設けられている。円筒状の凸部121Bの外周面は、左側クッションシール141と当接する。凸部121Bと左側クッションシール141との接触開始位置は、ピストン120の中立位置に設定されている。左側ピストン121の凸部121Bが左シリンダ蓋112の凹部112Aに挿入されて、凸部121Bが左側クッションシール141と当接した際に、左側ピストン121の凸部121Bと左シリンダ蓋112との間の空間が左側空気ばね室142となる。左側空気ばね室142は、左側ピストン121が左シリンダ蓋112に近づくほどに空気が圧縮されることで、左側ピストン121の左側への移動に対して抵抗となって左側ピストン121の移動速度が減速される。左シリンダ蓋112の貫通孔112Bには、圧力が所定値に達すると開放する左側圧力調整弁143が接続されている。左側圧力調整弁143は、左側接続チューブ144を介して左側供給路53に接続されている。左側圧力調整弁143には、左側供給路53から圧縮空気が供給されたときに左側空気ばね室142に圧縮空気を供給させる左側逆止弁143Aが並列に接続されている。
【0053】
また、減速機構140は、右シリンダ蓋114に取り付けられた環状の右側クッションシール145と、右側クッションシール145によって右シリンダ蓋114と右側ピストン122との間に形成される右側空気ばね室146とを備えている。右側空気ばね室146は、右側ピストン122によって内部の空気が圧縮されて付勢力を発生する。すなわち、右シリンダ蓋114は、シリンダ本体10の軸方向に厚みを有している。右シリンダ蓋114の右側ピストン122側には、開口する環状の凹部114Aが設けられている。右シリンダ蓋114の中心には、貫通孔114Bが形成されている。環状の凹部114Aの外側の内壁には、右側クッションシール145が露出した状態で取り付けられている。右側ピストン122の右シリンダ蓋114側には、右シリンダ蓋114の環状の凹部114Aに挿入される円筒状の凸部122Bが設けられている。円筒状の凸部122Bの外周面は、右側クッションシール145と当接する。凸部122Bと右側クッションシール145との接触開始位置は、ピストン120の中立位置に設定されている。右側ピストン122の凸部122Bが右シリンダ蓋114の凹部114Aに挿入されて、凸部122Bが右側クッションシール145と当接した際に、右側ピストン122の凸部122Bと右シリンダ蓋114との間の空間が右側空気ばね室146となる。右側空気ばね室146は、右側ピストン122が右シリンダ蓋114に近づくほどに空気が圧縮されることで、右側ピストン122の右側への移動に対して抵抗となって右側ピストン122の移動速度が減速される。右シリンダ蓋114の貫通孔114Bには、圧力が所定値に達すると開放する右側圧力調整弁147が接続されている。右側圧力調整弁147は、右側接続チューブ148を介して右側供給路54に接続されている。右側圧力調整弁147には、右側供給路54から圧縮空気が供給されたときに右側空気ばね室146に圧縮空気を供給させる右側逆止弁147Aが並列に接続されている。
【0054】
図6に示すように、シリンダ106は、切替弁60による圧縮空気の供給及び排出によってピストン120が駆動される。ピストン120が最も左側の位置を停止位置PXとし、ピストン120が最も右側の位置を反転位置PYとする。
【0055】
次に、図5及び図6を併せ参照して、上記ワイパ駆動装置101の作用について説明する。
ワイパ駆動装置101は、停止状態では、ピストン120が停止位置PXに位置するとともに、切替弁60が第1位置の状態であって、停止ポートPBから圧縮空気が供給された状態である。そこで、ワイパ駆動装置101は、停止ポートPBから圧縮空気を排出させると、切替弁60が第1位置から第2位置へ切り替わり、吸気ポートPAに接続された第1ポートP1から第2ポートP2を介して左側供給路53に圧縮空気が供給されて、左側空気室51に圧縮空気が供給される。
【0056】
このとき、ワイパ駆動装置101は、左側空気室51に圧縮空気が供給されると、ピストン120が停止位置PXから右側へ移動して、右側ピストン122の凸部122Bが右側クッションシール145と当接して、右側空気ばね室146が形成される。そして、右側ピストン122の移動に伴って右側空気ばね室146の体積が減少することで右側ピストン122の移動に対して抵抗となる。よって、ピストン120の移動速度は、右側空気ばね室146がないときよりも減少する。ひいては、ピストン120の反転位置PYにおける反転直前の加速度を減少させることができるため、ラック24、ピニオン35、及び回転軸30を介してワイパアーム5の反転位置での反転時における衝撃を抑制することができる。
【0057】
ワイパ駆動装置101は、左側空気室51に圧縮空気が供給されて、左側ピストン121が右側へ移動すると、左側制御通路55を介して切替弁60に圧力信号が供給されて、切替弁60が第2位置から第1位置に切り替わる。ピストン120は、反転位置PYに到達する。そして、ワイパ駆動装置101は、吸気ポートPAに接続された第1ポートP1から第3ポートP3を介して右側供給路54に圧縮空気が供給されて、右側空気室52に圧縮空気が供給される。
【0058】
このとき、ワイパ駆動装置101は、右側空気室52に圧縮空気が供給されると、ピストン120が反転位置PYから左側へ移動して、左側ピストン121の凸部121Bが左側クッションシール141と当接して、左側空気ばね室142が形成される。そして、左側ピストン121の移動に伴って左側空気ばね室142の体積が減少することで左側ピストン121の移動に対して抵抗となる。よって、ピストン120の移動速度は、左側空気ばね室142がないときよりも減少する。ひいては、ピストン120の反転位置PYにおける反転直前の加速度を減少させることができるため、ラック24、ピニオン35、及び回転軸30を介してワイパアーム5の反転位置での反転時における衝撃を抑制することができる。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)ピストン120が停止位置PX及び反転位置PYに移動するときに、減速機構40によって同ピストン120の移動速度が減少される。このため、ワイパアーム5の揺動方向が反転するときの加速度を減少させることができ、同反転時に発生する衝撃を抑制することができる。
【0060】
(2)ワイパアーム5の揺動方向が反転するときに移動速度の減少量が最も大きくなるため、同反転時に発生する衝撃を更に抑制することができる。
(3)ピストン120が停止位置PXに達してワイパアーム5の揺動方向が反転するとき及びピストン120が反転位置PYに達してワイパアーム5の揺動方向が反転するときの双方において発生する衝撃を抑制することができる。
【0061】
(4)ピストン120の移動に伴い左側空気ばね室142又は右側空気ばね室146の空気が圧縮されることでピストン120の移動が抑制されて、ピストン120の移動速度を減少させることができる。
【0062】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記第1の実施形態では、減速機構40として左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42を採用したが、引張ばねを採用してもよい。例えば、左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42の代わりに引張ばねを設置した場合には、ピストン20が停止位置PXへ移動したときに右側に設置された引張ばねが右側ピストン22を引っ張ることでピストン20を反転位置PYに向けて付勢する付勢力を発生する。同様に、ピストン20が反転位置PYへ移動したときに左側に設置された引張ばねが左側ピストン21を引っ張ることでピストン20を停止位置PXに向けて付勢する付勢力を発生する。
【0063】
・上記第1の実施形態では、減速機構40によってピストン20がシリンダ6の端部へ移動するにつれてピストン20の移動速度が小さくなるように設定したが、ピストン20の位置に関わらずピストン20の移動速度の減少量が同じとなるように設定してもよい。
【0064】
・上記第1の実施形態では、左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42が常時付勢するようにしたが、ピストン20がシリンダ本体10の中央に位置する中立位置からシリンダ6の各端部まで付勢するようにしてもよい。例えば、中立位置に左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42の伸長を規制する規制部を設けて、中立位置にピストン20が移動すると左側圧縮ばね41及び右側圧縮ばね42が作用するようにしてもよい。
【0065】
・上記第1の実施形態では、減速機構40として圧縮ばねを採用したが、減速機構として油圧ダンパーや磁石の反発力を利用してピストンの移動速度を減速させる機構を採用してもよい。また、減速機構としてゴム等の弾性部材を採用してもよい。
【0066】
・上記第1の実施形態では、減速機構40をシリンダ6内のピストン20の両端部に設けたが、減速機構40をシリンダ6内のピストン20の片方の端部にのみ設けてもよい。このようにしても、減速機構40が設けられた側においてピストン20の移動速度を減少させることができる。
【0067】
・上記第2の実施形態において、左側空気ばね室142を左側ピストン121の凸部121Bの内側に設けたが、左側空気ばね室142を左側ピストン121の凸部121Bの外側に設けてもよい。同様に、右側空気ばね室146を右側ピストン122の凸部122Bの内側に設けたが、右側空気ばね室146を右側ピストン122の凸部122Bの外側に設けてもよい。
【0068】
・上記第2の実施形態において、左側空気ばね室142は左側ピストン121と左シリンダ蓋112との間に形成されれば、他の形状であってもよい。同様に、右側空気ばね室146は右側ピストン122と右シリンダ蓋114との間に形成されれば、他の形状であってもよい。
【0069】
・上記第2の実施形態では、減速機構140をシリンダ6内のピストン120の両端部に設けたが、減速機構140をシリンダ6内のピストン20の片方の端部にのみ設けてもよい。このようにしても、減速機構40が設けられた側においてピストン20の移動速度を減少させることができる。
【0070】
・上記第1の実施形態のようなばねによる減速機構と、上記第2の実施形態のような空気ばね室による減速機構とをワイパ駆動装置に両方備えてもよい。
・上記実施形態において、停止位置PXと反転位置PYとの位置はどちらの位置でも反転を行うため、ワイパを停止させた位置に合わせて、停止位置PXと反転位置PYとを逆に設定してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1,101…ワイパ駆動装置、5…ワイパアーム、6,106…シリンダ、10,110…シリンダ本体、11…左端部、11A…左側開口部、11B…左側受部、12,112…左シリンダ蓋、12A…左側取付板、13…右端部、13A…右側開口部、13B…右側受部、14,114…右シリンダ蓋、14A…右側取付板、15…螺子、16…本体開口部、17…本体蓋、17A…螺子、20,120…ピストン、21,121…左側ピストン、21A…貫通孔、21B…収容凹部、22,122…右側ピストン、22A…貫通孔、22B…収容凹部、23,123…連結軸、23A…左端部、23B…右端部、24…ラック、24A…歯、30…回転軸、31…先端部、32…先端側回転継手、33…基端部、34…基端側回転継手、35…ピニオン、35A…歯、36…螺子、37…収容筒、38…ブシュ、40,140…減速機構、41…左側圧縮ばね、41A…右側端部、41B…左側端部、42…右側圧縮ばね、42A…左側端部、42B…右側端部、51…左側空気室、52…右側空気室、53…左側供給路、54…右側供給路、55…左側制御通路、56…右側制御通路、60…切替弁、112A…凹部、112B…貫通孔、114A…凹部、114B…貫通孔、121B…凸部、122B…凸部、141…左側クッションシール、142…左側空気ばね室、143…左側圧力調整弁、143A…左側逆止弁、144…左側接続チューブ、145…右側クッションシール、146…右側空気ばね室、147…右側圧力調整弁、147A…右側逆止弁、148…右側接続チューブ、P1…第1ポート、P2…第2ポート、P3…第3ポート、PA…吸気ポート、PB…停止ポート、PX…停止位置、PY…反転位置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6