IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ マルツォーリ・マシーンズ・テキスタイル・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータの特許一覧

特許7114304紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法
<>
  • 特許-紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法 図1
  • 特許-紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法 図2
  • 特許-紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法 図3
  • 特許-紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法 図4a
  • 特許-紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法 図4b
  • 特許-紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法 図4c
  • 特許-紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法 図4d
  • 特許-紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法 図4e
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】紡績ラインの粗紡機と精紡機との間でボビンとチューブを移動させる装置と方法
(51)【国際特許分類】
   D01H 9/18 20060101AFI20220801BHJP
   D01H 11/00 20060101ALI20220801BHJP
   B65H 67/04 20060101ALI20220801BHJP
   B65H 67/06 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
D01H9/18 D
D01H11/00 F
B65H67/04 C
B65H67/06 C
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018071574
(22)【出願日】2018-04-03
(65)【公開番号】P2018178347
(43)【公開日】2018-11-15
【審査請求日】2021-03-11
(31)【優先権主張番号】102017000037751
(32)【優先日】2017-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518115263
【氏名又は名称】マルツォーリ・マシーンズ・テキスタイル・ソチエタ・ア・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】MARZOLI MACHINES TEXTILE S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100131808
【弁理士】
【氏名又は名称】柳橋 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】アントニオ・グレゴーリ
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・ソリアーニ
【審査官】▲高▼辻 将人
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-200162(JP,A)
【文献】国際公開第2016/083944(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D01H 1/00-17/02
B65H67/00-67/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) 第1移動装置であって、
粗紡機(6)に連結され、運搬ベルト(22’)を支持するレール(22)を有し、
前記運搬ベルト(22’)は、チューブ及び前記チューブに巻かれた糸を有する複数のボビン(10)を保持するために前記運搬ベルト(22’)の移動方向に一定の間隔である第1距離(C1)をあけて設けられた係合/解放装置を有する、第1移動装置と、
(b) 少なくとも1つの精紡機(8)に連結され、複数の空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12,14)を保持する第2移動装置(26)と、
(c) 第2平面(Pt)において、前記第2移動装置から2つの前記空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12,14)を同時に受け取るチューブ受け取り工程と、
第1平面(Pb)において、前記第1移動装置から2つの前記ボビン(10)を同時に受け取るボビン受け取り工程と、
前記第2移動装置から取られた前記2つの空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12,14)を前記第1平面(Pb)において前記第1移動装置に同時に受け渡すチューブ受け渡し工程と、
前記第1移動装置から受け取られた前記2つのボビン(10)を前記第2平面(Pt)において前記第2移動装置に同時に受け渡すボビン受け渡し工程と、
を実施する交換手段を有する統合装置(50)と、
(d) 前記運搬ベルト(22’)を移動させる移動手段と、
を備えており、
(e) 前記移動手段は、
前記運搬ベルト(22’)を前記第1距離(C1)だけ移動させて前記第1平面(Pb)に2つの前記係合/解放装置を整列させる第1工程と、
前記第1距離(C1)の整数倍の第2距離(C2)だけ移動させて前記第1平面(Pb)に2つの前記ボビンを整列させる第2工程と、
前記第1工程及び前記第2工程を繰り返す第3工程と、
を実施する、紡績ライン装置。
【請求項2】
前記統合装置(50)は、反対方向に配置された第1支持プレート(52a)と第2支持プレート(52b)とを有しており、
前記第1支持プレート(52a)は、第1の一対のチューブ支持部材(54a’、54a”)が設けられており、
前記第2支持プレート(52b)は、第2の一対のチューブ支持部材(54b’、54b”)が設けられており、
前記統合装置(50)は、
前記第1の一対のチューブ支持部材(54a’、54a”)に前記空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12,14)が挿し込まれ、前記第2の一対のチューブ支持部材(54b’、54b”)に前記ボビン(10)の前記チューブが挿し込まれている第1の状態と、
前記第2の一対のチューブ支持部材(54b’、54b”)に前記空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12,14)が挿し込まれ、前記第1の一対のチューブ支持部材(54a’、54a”)に前記ボビン(10)の前記チューブが挿し込まれている第2の状態と、
を交互に発生させる、請求項1に記載の紡績ライン装置。
【請求項3】
前記統合装置(50)は、前記第1支持プレート(52a)及び前記第2支持プレート(52b)を強制的に反対の径方向へ移動させるように構成された径方向移動手段を有する、請求項2に記載の紡績ライン装置。
【請求項4】
前記統合装置(50)は、前記第1支持プレート(52a)及び前記第2支持プレート(52b)の間に配置された垂直回転軸(Z)を画定し、前記第1支持プレート(52a)及び前記第2支持プレート(52b)を前記垂直回転軸(Z)に対して、交互に予め決められた回転をさせる回転手段を備えている、請求項2又3に記載の紡績ライン装置。
【請求項5】
前記統合装置(50)は、前記第1支持プレート(52a)及び前記第2支持プレート(52b)を予め決められた垂直移動をさせる垂直移動手段を有する、請求項2から4のいずれか1つに記載の紡績ライン装置。
【請求項6】
前記統合装置(50)は、前記空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12,14)に巻かれたままの残留粗糸(R)を吸い込むことと同時に作動するクリーニング手段(70)を有する、請求項1から5のいずれか1つに記載の紡績ライン装置。
【請求項7】
前記粗紡機(6)を有しており、
前記レール(22)は、糸巻きが進行する高い位置とドッフィング構成においてキャリア(20)から糸巻きを回収する低い位置との間で垂直に移動することが可能である、請求項1から6のいずれか1つに記載の紡績ライン装置。
【請求項8】
前記キャリア(20)は高い作動位置から低い格納位置まで垂直に移動可能であり、前記低い格納位置で、前記レールの下の前進ドッフィング位置に向けて水平移動するためのキャリア移動手段と協働する、請求項7に記載の紡績ライン装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の紡績ライン装置を提供する工程と、
前記精紡機(8)と連結した前記第2移動装置(26)の前記第2平面(Pt)に前記2つの空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12、14)を同時に配置し、前記粗紡機(6)と連結した前記第1移動装置の前記第1平面(Pb)に前記2つのボビン(10)を同時に配置する工程と、
前記2つの空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12、14)を前記第2移動装置(26)から受け取る前記チューブ受け取り工程、及び前記2つのボビン(10)を前記第1移動装置から受け取る前記ボビン受け取り工程と、
複数の前記係合/解放装置を前記第1平面(Pb)に配置するために前記運搬ベルト(22’)を前記第1距離(C1)移動させる前記第1工程と、
前記2つのボビン(10)を前記2つの空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12、14)と交換する工程と、
前記2つのボビン(10)を前記第2移動装置(26)に受け渡す前記ボビン受け渡し工程、及び、前記2つの空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12)を前記係合/解放装置に受け渡す前記チューブ受け渡し工程と、
前記運搬ベルト(22’)を前記第1距離(C1)の整数倍である第2距離(C2)移動させ、前記第1平面(Pb)上へさらなる2つの前記ボビンを運ぶ前記第2工程と、
を有する、紡績ラインの作動方法。
【請求項10】
前記2つの空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12、14)を取る工程と前記係合/解放装置に前記2つの空のチューブ及び/又は汚いチューブ(12、14)を解放する工程との間で前記汚いチューブ(12)をクリーニングする工程を有する、請求項9に記載の紡績ラインの作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粗紡機(粗紡フレーム)と精紡機(精紡フレーム)との間でボビンとチューブを移動させるための方法と紡績ラインの装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、粗紡機で形成されたボビンは、粗紡機で粗糸を巻き付けられたチューブを備えており、精紡機に移動させられる。精紡機では、使用中のボビンが織機からぶら下がった状態で配置されており、該織機から使用中の粗糸は生じる。使用中のボビンが使い果たされると、粗紡機からもたらされるボビンと取り替えられる。
【0003】
使用済みのボビンは、完全に粗糸がなくなったチューブ(“空のチューブ”と定義される)又は巻かれたままの残留粗糸を有するチューブ(“汚いチューブ”と定義される)を備える。
【0004】
汚いチューブ(空のチューブが含まれるときもある)は、通常“クリーナ”と呼ばれる特別な装置できれいにされる。特別な装置は、残留粗糸を取り除き、それゆえ空のチューブを得る。
【0005】
クリーナによって生じた空のチューブと、精紡機から回収された空のチューブとは、粗紡機に戻され、その間に形成されたボビンと取り替えられる;従って、空のチューブを再利用して、新しいボビンを形成してもよい。
【0006】
このような工程は従来、手動、完全に自動化された機械システム若しくは一部自動化されたシステムによって実施されていた。
【0007】
近年、出願人は、空のチューブ又は汚いチューブの回収、汚いチューブのクリーニング及び空のチューブの交換を局所的に行う統合装置を考案した。このような統合装置と関連作動方法は国際出願WO2016/083944で説明されている。
【0008】
そのような統合装置は、高度に自動化されているにも関わらず、とりわけ、粗紡機と精紡機が備えるスピンドル数の増加が予測される傾向にあるため、上記のような稼働の性能をさらに高速化する傾向がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、回収、交換及び解放工程と可能であればクリーニング工程の総実施時間をさらに減らすことができる統合装置と方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に係る装置と請求項10に係る方法によって達成される。従属項はそれぞれ、装置の代替実施形態と方法の代替実施を説明している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
装置と動作方法の特徴と利点は、以下の図面に従って、以下の詳細な説明から明らかになる。なお、詳細な説明は、説明として記載されるものであって、限定として記載されるものではない。
図1図1は、本発明の実施形態に係る粗紡機に設けられた紡績ライン、複数の精紡機、移動システム及び統合装置の一部を示す。
図2図2は、図1の粗紡機の図を示す。
図3図3は、本発明の実施形態に係る図1の統合装置を示す。
図4a図4aは、図3の統合装置の動作方法を図表で示す。
図4b図4bは、図3の統合装置の動作方法を図表で示す。
図4c図4cは、図3の統合装置の動作方法を図表で示す。
図4d図4dは、図3の統合装置の動作方法を図表で示す。
図4e図4eは、図3の統合装置の動作方法を図表で示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図を参照して、引用符号1は、容器領域2を有する紡績ラインの全体又は一部を示しており、容器領域2には複数の容器4が収容されており、容器4はそれぞれ、粗糸ロールを有しており、容器領域2に隣接している粗紡機6は、容器領域2から粗糸を供給され、複数の精紡機8は、例えば、互いに平行して配置されている。
【0013】
粗紡機6は、容器4から生じる粗糸を伸ばし、空のチューブに巻き付け、精紡機に移動させられるボビン10を形成する。このため、ボビン10は該フレーム6のキャリア20に利用される。
【0014】
移動システムは、通常“レール”と呼ばれる機(フレーム)サイド移動装置22を有しており、キャリア20からボビン10を回収し、ボビン10を通常、メインベルト22’によって予め決められた高さで宙に浮かせて移動させるために用いられる。機サイド移動装置22はさらに、空のチューブ14をキャリア20に載せるために用いられる。
【0015】
例えば、好ましい実施形態によると、粗紡機6は、作用位置が連続して配置されるフレーム軸に沿って広がり、各作用位置に対して一対のフラップ6aを提供する。
【0016】
各フラップ6aは、垂直軸に対して回転し、粗糸を空のチューブ14に巻き付けるよう誘導し、糸巻き10を形成する。
【0017】
空のチューブ14は、キャリア20を移動させるスピンドルと一体化したスピンドル6bに取り外し可能なように差し込まれている。
【0018】
作用位置において(図2)、キャリア20は、糸巻き10を作るため、チューブの周りに粗糸を巻き付けることができる高さに配置されている。
【0019】
言い換えると、前記作用位置において、キャリア20によって移動させられるスピンドル軸は、実質的にフラップ軸と一致する。
【0020】
例えば、望ましい重さの糸巻きが得られると、キャリア20は上側の作用位置から下側の格納位置に下げられる。そして、格納位置で、キャリア20は、レール下の前進ドッフィング位置(繊維機械から糸巻きを外す位置)に向けてキャリアを水平移動させるキャリア移動手段と協働する。
【0021】
前記水平移動手段は、キャリアを水平移動させるためのモーター手段と協働するスライド6cとを有する。
【0022】
スライド6cによって運ばれるキャリア20の水平移動に続いて、キャリア20は、前記キャリア20が糸巻き運搬レール22と協働するように構成された前進ドッフィング位置に移動し、キャリアから糸巻きを外し、かつ/又は新しい糸巻きを形成するために前記スピンドル6bに新しい空のチューブ14を配置する。
【0023】
レール22は、支持部材とガイド構造部材6dとによって支持され、垂直方向に移動可能な横材6eを有する。
【0024】
従って、レール22は、高い位置と低い位置との間で垂直に移動可能である。高い位置では、次の工程に向けて糸巻きを移動させ、低い位置では、ドッフィング位置にあるキャリアから糸巻きを回収する。
【0025】
このため、フレーム6は、前記レールを支持し、かつ垂直方向に動かすように構成された支持部材と移動手段とを有する。
【0026】
例えば、前記支持部材と移動手段は、横材6eに対するフラップバンド6f、コネクタを一端に有しており、モーターに接続されたレール移動シャフト6gに対する糸巻きを他端に有することが望ましい。
【0027】
移動システムはさらに、ボビン10を精紡機8に向けて移動させ、汚いチューブ12(又は空のチューブ14の時もある)を機(はた)6に向けて移動させるように構成された精紡機サイド移動装置26を有している。
【0028】
例えば、第2装置26は、閉塞リング形状であり、継ぎ目なく精紡機8に平行に伸びるセクション8’を有するトラック26’を備える。
【0029】
さらに、移動システムは、例えば、PLC又はマイクロプロセッサを有する管理方法を備えており、該管理方法は、レールに沿って糸巻きを進めることと、トラック26’に沿って空のチューブ14又は汚いチューブ12を進めること命じるように構成されている。
【0030】
さらに、紡績ライン1は、機6を提供する機サイド移動装置22と精紡機8を提供する精紡機サイド移動装置26と協働するように構成された統合装置50を有し、第2装置26から汚いチューブ12を取り除くことと第1装置22からボビン10を取り除くこと、あるいは汚いチューブ12をきれいにし、空のチューブ14を得ること、ボビン10を空のチューブ14と交換すること及びボビン10を第2装置26へ解放し、空のチューブ14を第1装置22へ解放することを局地的に、つまり、移動システムの予め決められた領域おいて実施する。
【0031】
ある実施形態によると、例えば図3に示されるように、統合装置50は、精紡機8を提供する第2装置26のトラック26’の一端部26”と、機6を提供する第1装置22の運搬ベルト22’の他端部22”と協働する。
【0032】
例えば、ベルト22’の端部22”は、トラック26’の端部26”に垂直な方向に沿って伸びる。
【0033】
統合装置50は、第1支持プレート52aと第2支持プレート52bとを有しており、それらは180°の角度を有して配置される、つまり、径方向に正反対の位置に配置される。
【0034】
ベルト22’の端部22”とトラック26’の端部26”の下で2つのプレートを運ぶために、前記プレート52aとプレート52bは、径方向移動向きXに沿って反対方向に水平移動可能である。
【0035】
言い換えると、前記統合装置50は、プレート52a、52bに対して上記の径方向移動をさせるように構成された径方向移動手段を有する。上記の径方向移動手段は、一対の空式移動アクチュエータ53を備えることが望ましい。代替として、アクチュエータは電気式又は空気力学式である。
【0036】
各プレート52a、52bは、例えば、一対のチューブ支持部材54a’、54a”と54b’、54b”といった複数のチューブ支持部材を備えており、各チューブ支持部材は、チューブの下に差し込まれ、各プレート52a、52bにチューブを保持するように構成される。
【0037】
さらに、統合装置50は、2つのプレート52a、52bの間に配置された垂直回転軸Zを提供し、前記プレート52a、52bは、互いの位置を交換するために、前記回転軸Zに対して回転するように構成される。
【0038】
つまり、前記統合装置50は、プレート52a、52bを強制的に回転させる回転手段を有する。
【0039】
前記回転手段は、代替として、時計回りと反時計回りの回転を与えるように回転アクチュエータ55、例えば、空式アクチュエータとラックを有することが望ましい。
【0040】
代替として、アクチュエータは電気式又は空気力学式である。
【0041】
実施形態によると、前記回転手段は、2つのプレート52a、52bと移動アクチュエータ53とを支持する中央本体56を有し、それらの間に配置されている。
【0042】
中央本体56は、回転可能な状態で一対の垂直ステム57a、57bに拘束され、伝達部品59に固定され、ラックと係合している。
【0043】
さらなる代替実施形態によると、回転は時計方向のみ又は反時計方向のみでもよい。
【0044】
さらに、プレート52a、52bは、低い位置からベース位置、高い位置、係合位置まで動くように回転軸Zに平行な垂直移送軸Yに沿って垂直方向に移動できる。前記プレートによって支持されるボビン10や汚いチューブ12又は空のチューブ14は、精紡機サイド移動装置26と機サイド移動装置22と相互作用する。
【0045】
言い換えると、前記統合装置50は、プレート52a、52bに対して上述の垂直移動をさせる垂直移動手段を有する。
【0046】
例えば、前記垂直移動手段は垂直移動アクチュエータ60を有し、中央本体56と伝達部品59との間で係合し、ステム57a、57bは中央本体56とスライドして係合するため、前記中央本体56を上昇させる又は下降させる。
【0047】
代替実施形態によると、統合装置50は、一対の汚いチューブ12から巻かれたままの残留粗糸Rを吸い取るために、該チューブ12に対して同時に作用するように構成されたクリーニング手段70を有する。
【0048】
望ましい実施形態によると、前記クリーニング手段70は、例えば、ファンを有しており、強制吸引流を作るように構成された吸引手段と一対のクリーニングチューブ72a、72bとを有しており、各チューブは、真っ直ぐな機能セクション72a’、72b’が設けられており、各セクションは、回転軸Zに平行である垂直吸引軸Wa、Wbそれぞれに沿って引っ張り(エクステンション)を有する。
【0049】
クリーニングチューブ72a、72bは、前記吸引手段と作動可能なように接続されており、そのため、吸引手段が作動すると、吸引流がチューブ72a、72b内部、特に各機能セクション72a’、72b’内部に発生する。
【0050】
さらに、前記クリーニング手段70は、クリーニングチューブ72a、72bの少なくとも1つの機能セクション72a’、72b’を休止位置と作動位置との間で動かすように構成される移動手段を有しており、各汚いチューブを吸引しながら作動可能なように係合し、残留粗糸を吸い込む。
【0051】
言い換えると、巻かれたままの残留粗糸Rは、クリーニングチューブ72a、72bの機能セクション72a’、72b’の作動位置で、該巻き糸が引き裂きかれ、チューブを解放するように、空気吸引流によって生じる動きに従う。
【0052】
実施形態によると、前記移動手段は、例えば、チューブ72a、72bの機能セクション72a’、72b’と作動可能なように接続されており、かつ、空式アクチュエータを伴うクリーナアクチュエータ87を有する。さらなる変形例において、アクチュエータは電気式又は空気力学式である。
【0053】
さらに、粘着性ストリップにくっついているさらなる残留粗糸を取り除くために、クリーニング手段70は、汚いチューブ12に向けて圧縮空気の噴流を局所的にあてるように構成された第2クリーニング手段を有すことが好ましい。粘着性ストリップは、通常ベルクロ(登録商標)(マジックテープ(登録商標)の一種)であって、粗糸の先端と第1巻き糸をくっつけるためにチューブに設けられている。
【0054】
2つの吸引軸Wa、Wbは仮想吸引平面Paに含まれている。
【0055】
本発明のそのような実施形態によると、前記吸引平面Paは、機サイド移動装置22におけるボビン10の進行方向に略垂直又は精紡機サイド移動装置26上の汚いチューブ12の進行方向に略平行である。
【0056】
言い換えると、前記吸引平面Paは、支持プレート52a、52bの径方向移動方向Xに略直行している。
【0057】
さらに、前記吸引平面Paは、精紡機サイド移動装置26に近接している、つまり、チューブ支持部材54a’、54a”、54b’、54b”が汚いチューブ12を回収するための領域に近接している。
【0058】
特に、吸引平面Paは、回転軸Zと汚いチューブ12を回収するためにチューブ支持部材54a’、54a”;54b’、54b”により想定される前進位置との間に配置される。吸引平面Paは、チューブ支持部材54a’、54a”;54b’、54b”により想定される格納位置と一直線上に配置されることが望ましい。
【0059】
前記統合装置(図4aから4e参照)を備えている紡績ラインの通常稼働時において、機サイド移動装置22は、2つのボビン10を、一般的に“振り子”と呼ばれるそれぞれの係合/解放装置によってぶら下げながら運ぶ。2つのボビン10は、各軸が機サイド移動装置22に沿ったボビンの進行方向に対して略垂直である仮想ボビン交換平面Pbを構成するようにボビン回収位置で停止する。
【0060】
さらに、精紡機サイド移動装置26は、各係合/解放装置によってぶら下げられたチューブ12であり、巻かれたままの粗糸Rを有する2つの汚いチューブ12を運ぶ。汚いチューブは、仮想チューブ移動平面Ptと一直線上にあるチューブ回収位置で停止する。精紡機サイド移動装置26に沿ったチューブの進行方向は仮想チューブ移動平面Ptと同一平面上にある。
【0061】
プレート52a’、52b’は始めから前進位置にあることが望ましい。(図4a)
【0062】
前記前進位置において、第1プレート52aによって運ばれる支持部材54a’、54a”は、回収されるボビン10と鉛直方向に一列に並んでいる、つまり、ボビン交換平面Pb上に配置されており、第2プレート52bによって運ばれる支持部材54b’、54b”は回収される汚いチューブ12と鉛直方向に一列に並んでいる、つまりチューブ移動プレートPt上に配置されている。
【0063】
プレート52a、52bは、ベース高さから垂直方向上向きに移動し、係合高さで回収されるボビン10と取り除かれる汚いチューブ12と係合し、係合高さをわずかに超えて上昇する各係合/開放装置で前記ボビンと前記チューブを取り外し、最終的には下向きに動きベース高さに戻る。
【0064】
さらに、汚いチューブ12が吸引平面Pa上に配置されるようにプレート52a、52bは格納位置に向けて径方向移動する(図4b)。
【0065】
実施形態によってそのような構成が示されている場合、そのような構成において、クリーニングチューブ72a、72bは汚いチューブ12上へ下降させられ、汚いチューブ12は前記クリーニングチューブに差し込まれ、吸引空気流によるクリーニング工程が開始される。
【0066】
汚いチューブのクリーニングが終わると、クリーニングチューブ72a、72bは(きれいな)チューブから取り外される。
【0067】
それゆえ、プレート52a、52bは、きれいなチューブ12’が機サイド移動装置22と近接した領域へ移動し、ボビン10が精紡機サイド移動装置26に近接した領域へ移動し、機サイド移動装置22が第1ストロークC1(図4c)だけ進むように180°回転する。
【0068】
前記第1ストロークC1は、2つの係合/解除装置がボビン交換平面Pbに配置されるようなストロークである。
【0069】
続いて、プレート52a、52bは前進位置に移動させられる。そのため、ボビン10はチューブ運搬平面Ptと一直線に並べられ、きれいなチューブ12’はボビン交換平面Pb(図4d)と一直線に並べられ、前記ボビン交換平面Pbに配置された係合/解除装置の下に一直線に並べて配置される。
【0070】
プレート52a、52bは、ベース高さから始まり、係合高さまで垂直方向上向きに移動する。そのため、ボビン10は精紡機サイド移動装置26と係合し、きれいなチューブ12’は機サイド移動装置22と係合し、特にボビン交換平面Pbに配置された係合/解除装置と係合する。
【0071】
最終的に、チューブ支持部材54a’、54a”、54b’、54b”は、きれいなチューブとボビンを取り外し、プレート54a、54bは下向きに移動し、ベース高さに戻る(図4d)。
【0072】
機サイド移動装置22は、レール22によって運ばれるボビンを第2ストロークC2分、前進させる。2つのさらなるボビン10の間には通常、空の係合/解除装置が配置されており、2つのさらなるボビン10は、ボビン交換平面Pbに配置される。
【0073】
一般的に、第1ストロークC1により、ボビン交換平面Pb上に付加的係合/解除装置を1つだけ並べて配置するが、第2ストロークC2は2つの後続のボビンをボビン交換平面Pbに配置するので、第2ストロークC2は第1ストロークC1より大きい。
【0074】
さらに、精紡機サイド移動装置26は、第3フレームC3分、前進するため、他の2つの汚いチューブ12は、精紡機側の回収(図4e)に備える。
【0075】
言い換えると、前記管理手段は、統合装置50の作動工程によって変更可能である予め決められたストローク分、レールを進めるように構成されたレール移動方法を有する。
【0076】
特に、前記レール移動手段は、レール22を第1ストロークC1分、完全に進行させ、ボビン交換平面Pbにおいて2つの係合/開放装置を一直線に並べ、レール22を第2ストロークC2分、完全に進行させ、ボビン交換平面Pb上で2つのボビン10を一直線に並べるように構成される。
【0077】
革新的に、上述の統合装置は、該統合装置が、ボビンをチューブと交換するために必要な超過時間を減らし、かつ、汚いチューブをできる限りきれいにするように背景技術に引用される必要条件を満たす。
【0078】
当業者は、付加的な必要条件を満たすために、以下の請求項によって定義されるような保護範囲内に含まれる全てを上述の統合装置や作動方法に変更してもよいことは明らかである。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e