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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】隠蔽シール
(51)【国際特許分類】
   G09F 3/03 20060101AFI20220801BHJP
   G09F 3/02 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
G09F3/03 E
G09F3/02 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018078944
(22)【出願日】2018-04-17
(65)【公開番号】P2019184966
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-01-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】トッパン・フォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】飯島 恵
【審査官】稲荷 宗良
(56)【参考文献】
【文献】特許第6198980(JP,B1)
【文献】特開2010-111422(JP,A)
【文献】特開2006-058767(JP,A)
【文献】特開2002-040947(JP,A)
【文献】特開2004-255628(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 3/03
G09F 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
隠蔽情報表示部を具備する被着体に貼着された後に剥離された場合に潜像パターンを発現させることで当該剥離を検知する隠蔽シールであって、
ベース基材と、
前記ベース基材の一方の面に前記潜像パターンの形状に積層された第1の剥離層と、
前記ベース基材の前記第1の剥離層が積層された面の全面に前記第1の剥離層を覆って積層された有色貼着層とを有し、
前記有色貼着層は、前記ベース基材とは反対側の面のうち、当該隠蔽シールが前記被着体に貼着された場合に前記隠蔽情報表示部に対向する領域に第2の剥離層が塗工されており、
前記有色貼着層の前記第2の剥離層が塗工された面の全面に剥離可能に貼着された剥離紙を有し、
前記有色貼着層の前記剥離紙との貼着面と、前記第2の剥離層の前記剥離紙と対向する面とは、段差を有さない平面となっている、隠蔽シール。
【請求項2】
請求項1に記載の隠蔽シールにおいて、
前記第2の剥離層は、カーボンを含有する材料から構成されている、隠蔽シール。
【請求項3】
請求項1に記載の隠蔽シールにおいて、
前記第2の剥離層は、カーボンを含有しない材料から構成されている、隠蔽シール。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の隠蔽シールにおいて、
前記ベース基材は、当該隠蔽シールが前記被着体に貼着された場合に前記隠蔽情報表示部に対向する領域に隠蔽性向上層が積層されている、隠蔽シール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、隠蔽情報表示部を具備する被着体に貼着されることで、隠蔽情報表示部に表示された情報を隠蔽する隠蔽シールに関し、特に、被着体に貼着された後に剥離された場合に剥離を検知する機能を有する隠蔽シールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、暗証番号やパスワード等の隠蔽情報を隠蔽するための隠蔽シールが利用されている。このような隠蔽シールは、隠蔽情報が表示された被着体に対して隠蔽情報を覆うように貼着されることで、隠蔽情報を外部から視認不可能に隠蔽する。
【0003】
近年、このような隠蔽シールにおいて、被着体から剥離された場合にその痕跡を残すことで、被着体からの不正な剥離を検知する技術が考えられている。例えば、特許文献1には、剥離シートと、剥離シートを被着体に接着させる接着層と、接着層と剥離シートとの間に形成された着色層と、着色層と剥離シートとの間の一部に形成された防止膜と、接着層の着色層とは反対側の面の一部に貼付された規制フィルムと、規制フィルム上に形成された透視防止層とを備えた隠蔽シールが開示されている。
【0004】
特許文献1に開示された隠蔽シールにおいては、被着体に貼着された後に剥離された場合、着色層のうち防止層に対向していない領域が剥離シートとともに被着体から剥離される一方、着色層のうち防止層に対向した領域が接着層とともに被着体に貼着されたままとなることで、防止層の形状に応じたパターンが発現し、不正な剥離を検知することができる。さらに、接着層の着色層とは反対側の面の一部に規制フィルムが貼付されていることで、規制フィルムが貼付された領域においては、防止膜の有無によらずに着色層が剥離シートとともに被着体から剥離されることになり、それにより、隠蔽シールが被着体から剥離された場合に、被着体の所定の領域に表示された情報が見難くなってしまうことが回避されることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6198980号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、特許文献1に開示されたものは、隠蔽シールが被着体から剥離された場合に、不正な剥離を検知可能としながらも被着体の所定の領域に表示された情報が見難くなってしまうことを回避するために、接着層の着色層とは反対側の面の一部に規制フィルムを貼付した構成となっている。そのため、隠蔽シールが貼着される領域のうち一部の領域のみについて、隠蔽シールが被着体から剥離された場合に表示された情報が見難くなってしまうことを回避するためには、規制フィルムをその領域の形状に加工する必要がある。
【0007】
例えば、特許文献1に開示されているように規制フィルムを接着層によって剥離シートに貼着した後に所定の形状に切断することや、隠蔽シールが被着体から剥離された場合に見難くなってしまうことを回避すべき情報が表示された領域の形状に規制フィルムを加工した後に規制フィルムを接着層によって剥離シートに貼着すること等が考えられる。
【0008】
しかしながら、上述したような隠蔽シールは多くの用途に利用されているため、隠蔽シールが被着体から剥離された場合に見難くなってしまうことを回避すべき情報が表示された領域の形状は様々であり、規制フィルムをそのような様々な形状に加工することは非常に煩雑な作業を伴ってしまうという問題点がある。
【0009】
本発明は、上述したような従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたものであって、隠蔽情報表示部を具備する被着体に貼着された後に剥離された場合に剥離を検知可能とする構成において、煩雑な作業を伴うことなく、様々な被着体に対して、貼着後に剥離された場合に、隠蔽情報表示部に表示された情報が見難くなってしまうことを回避することができる構成を実現できる隠蔽シールと提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、
隠蔽情報表示部を具備する被着体に貼着された後に剥離された場合に潜像パターンを発現させることで当該剥離を検知する隠蔽シールであって、
ベース基材と、
前記ベース基材の一方の面に前記潜像パターンの形状に積層された第1の剥離層と、
前記ベース基材の前記第1の剥離層が積層された面の全面に前記第1の剥離層を覆って積層された有色貼着層とを有し、
前記有色貼着層は、前記ベース基材とは反対側の面のうち、当該隠蔽シールが前記被着体に貼着された場合に前記隠蔽情報表示部に対向する領域に第2の剥離層が塗工されている。
【0011】
上記のように構成された本発明においては、被着体に貼着された後に剥離された場合に、ベース基材の一方の面に積層された第1の剥離層が有色貼着層から剥離することで第1の剥離層による潜像パターンが発現することにより剥離が検知されることになるが、有色貼着層の被着体との貼着面には、隠蔽シールが被着体に貼着された場合に被着体が具備する隠蔽情報表示部に対向する領域に第2の剥離層が塗工されているので、隠蔽シールが被着体に貼着された場合、被着体の隠蔽情報表示部には第2の剥離層によって隠蔽シールがそもそも貼着されていない状態となり、それにより、隠蔽シールが被着体に貼着された後に剥離された場合、隠蔽情報表示部に有色着色層が残ってしまう虞がない。そして、そのような構成が、有色貼着層の被着体との貼着面に塗工された第2の剥離層によって実現されているため、隠蔽情報表示部の形状にフィルム等を加工する必要がなく、隠蔽シールが被着体に貼着された場合でも被着体に貼着されない領域の形状を自在に設定することができる。
【0012】
また、第2の剥離層がカーボンを含有する材料から構成されていれば、隠蔽情報表示部にカーボンを含有するインキによって情報が表示されている場合であっても、隠蔽シールが被着体に貼着された状態において隠蔽情報表示部に表示された情報が赤外線を用いて認識されてしまうことがない。
【0013】
また、第2の剥離層がカーボンを含有しない材料から構成されていれば、隠蔽情報表示部にカーボンを含有するインキによって情報が表示されている場合に、隠蔽シールが被着体に貼着された状態においては、隠蔽情報表示部に表示された情報を赤外線を用いて認識可能とし、隠蔽シールが被着体から剥離された状態においては、隠蔽情報表示部に表示された情報を目視で認識可能とするという運用形態を採用することができる。
【0014】
また、ベース基材が、隠蔽シールが被着体に貼着された場合に隠蔽情報表示部に対向する領域に隠蔽性向上層が積層されていれば、隠蔽シールが被着体に貼着された状態において、隠蔽情報表示部に表示された情報の隠蔽性が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、隠蔽情報表示部を具備する被着体に貼着された後に剥離された場合に、ベース基材の一方の面に積層された第1の剥離層が有色貼着層から剥離することで第1の剥離層による潜像パターンが発現することにより剥離が検知されるものにおいて、有色貼着層が、ベース基材とは反対側の面のうち、隠蔽シールが被着体に貼着された場合に隠蔽情報表示部に対向する領域に第2の剥離層が塗工されている構成としたため、隠蔽シールが被着体に貼着された場合、被着体の隠蔽情報表示部には第2の剥離層によって隠蔽シールがそもそも貼着されていない状態となり、それにより、煩雑な作業を伴うことなく、様々な被着体に対して、貼着後に剥離された場合に、隠蔽情報表示部に表示された情報が見難くなってしまうことを回避することができる構成を実現できる。
【0016】
また、第2の剥離層がカーボンを含有する材料から構成されているものにおいては、隠蔽情報表示部にカーボンを含有するインキによって情報が表示されている場合であっても、隠蔽シールが被着体に貼着された状態において隠蔽情報表示部に表示された情報が赤外線を用いて認識されることを回避できる。
【0017】
また、第2の剥離層がカーボンを含有しない材料から構成されているものにおいては、隠蔽情報表示部にカーボンを含有するインキによって情報が表示されている場合に、隠蔽シールが被着体に貼着された状態では、隠蔽情報表示部に表示された情報を赤外線を用いて認識可能とし、隠蔽シールが被着体から剥離された状態では、隠蔽情報表示部に表示された情報を目視で認識可能とするという運用形態を採用することができる。
【0018】
また、ベース基材が、隠蔽シールが被着体に貼着された場合に隠蔽情報表示部に対向する領域に隠蔽性向上層が積層されているものにおいては、隠蔽シールが被着体に貼着された状態において、隠蔽情報表示部に表示された情報の隠蔽性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の隠蔽シールの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA-A’断面図である。
図2図1に示した隠蔽シールの積層面の構成を示す図であり、(a)はベース基材の粘着層との積層面の構成を示す図、(b)は粘着層の剥離紙との積層面の構成を示す図である。
図3図1に示した隠蔽シールの製造方法を説明するための図である。
図4図1に示した隠蔽シールの使用形態の一例を説明するための図である。
図5図1に示した隠蔽シールが図4に示したように使用された場合に通知シートから剥離されていく状態を説明するための断面図である。
図6図1に示した隠蔽シールが通知シートから剥離された状態を示す表面図である。
図7】本発明の隠蔽シールの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA-A’断面図である。
図8図7に示した隠蔽シールが図2に示した通知シートに貼着された後に通知シートから剥離されていく状態を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の隠蔽シールの第1の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA-A’断面図である。図2は、図1に示した隠蔽シール1の積層面の構成を示す図であり、(a)はベース基材10の粘着層30との積層面の構成を示す図、(b)は粘着層30の剥離紙40との積層面の構成を示す図である。
【0022】
本形態は図1に示すように、ベース基材10の一方の面に粘着層30が積層されてなる隠蔽シール1である。
【0023】
ベース基材10は、透明または半透明のフィルムからなり、一方の面から他方の面の色が視認可能となるものである。
【0024】
ベース基材10の表面には、中心部近傍に地紋が一定の幅をもって帯状に印刷されることで隠蔽性向上層となる地紋印刷層50が積層されている。ベース基材10の裏面には、その全面において、隠蔽シール1が被着体に貼着された後に剥離された場合に発現する潜像パターンの形状に透明なシリコン等の剥離剤が塗工されることで第1の剥離層20aが部分的に積層されている。そして、ベース基材10の剥離層20aが積層された面の全面に剥離層20aを覆って粘着剤が塗工されることで粘着層30が積層されている。
【0025】
粘着層30は、本願発明における有色貼着層となるものであって、青、赤、黒等の任意の色からなり、伸縮性を有するものである。そして、ベース基材10が透明または半透明のフィルムからなるものであることで、粘着層30の色がベース基材10の表面から視認可能となっている。
【0026】
粘着層30のベース基材10との反対側の面、すなわち被着体との貼着面には、地紋印刷層50に対向して剥離剤が一定の幅をもって帯状に塗工されることで第2の剥離層20bが積層されている。そして、粘着層30の剥離層20bが積層された面に剥離紙40が剥離可能に貼着されている。
【0027】
以下に、上記のように構成された隠蔽シール1の製造方法について説明する。
【0028】
図3は、図1に示した隠蔽シール1の製造方法を説明するための図である。
【0029】
図1に示した隠蔽シール1を製造する場合は、まず、ベース基材10の一方の面に、隠蔽シール1が被着体に貼着された後に剥離された場合に発現する潜像パターンの形状に透明なシリコン等の剥離剤を印刷によって塗工することで剥離層20aを積層する(図3(a))。
【0030】
次に、ベース基材10の剥離層20aが積層された面の全面に、粘着剤を塗工することで粘着層30を積層する(図3(b))。
【0031】
次に、粘着層30のベース基材10とは反対側の面に、カーボンを含有する顔料入りシリコンからなる剥離剤を印刷によって一定の幅をもって帯状に塗工することで剥離層20bを積層する(図3(c))。なお、剥離層20bは、例えば、墨インキ1に対して、ニスが0.5という比率で構成することが考えられる。その場合、例えば、墨インキとして、帝国インキ製の、UV FIL911スミ(配合率100%)を用い、ニスとして、TOKA製の、UVロールコートニスPC21(配合率50%)を用いることが考えられる。
【0032】
次に、粘着層30の剥離層20bが積層された面に剥離紙40を貼着する(図3(d))。
【0033】
その後、ベース基材10の剥離層20aが積層された面とは反対側の面に、剥離層20bに対向するように地紋を一定の幅をもって帯状に印刷することで地紋印刷層50を積層する(図3(e))。
【0034】
以下に、上記のように構成された隠蔽シール1の使用方法について説明する。
【0035】
図4は、図1に示した隠蔽シール1の使用形態の一例を説明するための図である。図5は、図1に示した隠蔽シール1が図4に示したように使用された場合に通知シート2から剥離されていく状態を説明するための断面図である。
【0036】
図1に示した隠蔽シール1は、例えば図4(a)に示すような通知シート2を被着体として貼着される。隠蔽シール1が貼着される通知シート2には、隠蔽情報表示部となるパスワード表示部2aが設けられており、隠蔽すべき隠蔽情報となるパスワード2bがパスワード表示部2aに表示されている。通知シート2のパスワード表示部2aが設けられた面には、通知情報2cが表示されている。
【0037】
このように構成された通知シート2に図1に示した隠蔽シール1を貼着する場合は、剥離紙40を剥離して粘着層30を表出させ、図4(b)及び図5(a)に示すように、パスワード表示部2aを覆うように隠蔽シール1を貼着する。その際、隠蔽シール1の剥離層20bがパスワード表示部2aに対向するように隠蔽シール1を通知シート2に貼着する。すなわち、剥離層20bは、パスワード表示部2aを覆うような形状を有し、隠蔽シール1が通知シート2に貼着された場合にパスワード表示部2aに対向する領域に塗工、積層されていることになる。
【0038】
このように隠蔽シール1が通知シート2に貼着された状態においては、パスワード表示部2aが隠蔽シール1で覆われており、隠蔽シール1には、青、赤、黒等の任意の色からなる粘着層30がベース基材10の全面に積層されているため、パスワード表示部2aに表示されたパスワード2bが外部から視認不可能な状態となる。さらに、パスワード表示部2aに剥離層20bが対向するように隠蔽シール1が通知シート2に貼着されていることで、剥離層20bに対向してベース基材10上に積層された地紋印刷層50がパスワード表示部2aに重なることになり、これにより、パスワード表示部2bに表示されたパスワード2bの隠蔽性が向上することになる。また、剥離層20bが、カーボンを含有する顔料入りシリコンからなる剥離剤から構成されていることで、パスワード2bがカーボンを含有するインキによって印刷されている場合であっても、隠蔽シール1が上記のように通知シート2に貼着された状態において赤外線を用いてパスワード2bが認識されることを回避できる。
【0039】
この状態から隠蔽シール1を剥離していくと、図5(b)に示すように、剥離層20aが積層されていない領域においては、粘着層30がベース基材10とともに通知シート2から剥離し、また、剥離層20aが積層された領域においては、粘着層30が剥離層20aとの貼着力よりも強い貼着力で通知シート2と貼着されていることで粘着層30が剥離層20aから剥離する。そして、剥離層20aから剥離した部分は、その後、粘着層30が伸縮性を有するものであることで、ベース基材10とともに通知シート2から剥離し、剥離層20aとの積層方向とは直交する方向に破断し、ベース基材10に積層されたままとなっている部分に引っ張られて剥離層20aに対向する領域にはほぼ存在しなくなる。
【0040】
隠蔽シール1が通知シート2から完全に剥離されると、図5(c)に示すように、粘着層30は剥離層20aが積層されていない領域にしかほぼ存在しなくなるが、剥離層20bが塗工、積層された領域においては、隠蔽シール1がそもそも通知シート2に貼着されていないことから、隠蔽シール1を通知シート2から剥離した際に粘着層30が剥離層20aから剥離することがないため、剥離層20aが積層された領域においても粘着層30が存在することになる。
【0041】
図6は、図1に示した隠蔽シール1が通知シート2から剥離された状態を示す表面図である。
【0042】
上記のようにして図1に示した隠蔽シール1が通知シート2から剥離されると、ベース基材10の通知シート2との貼着面とは反対側から隠蔽シール1を見た場合、剥離層20aに対向しない領域においては粘着層30が存在することで粘着層30の色がベース基材10を介して視認される一方、剥離層20aに対向する領域においては粘着層30が存在しなくなったことで粘着層30の色が視認されなくなることから、図6に示すように、剥離層20aによる潜像パターン3が発現することになる。その際、剥離層20bが積層された領域においては、上述したように、剥離層20aが積層された領域においても粘着層30が存在していることにより、剥離層20aによる潜像パターン3は発現しない。なお、ベース基材10の全面または一部に地紋印刷層50以外に印刷が施された場合であっても、剥離層20aに対向する領域においてはその印刷による色が視認される一方、剥離層20aに対向しない領域においては、ベース基材10の印刷色と粘着層30の色とに応じた色が視認されることになり、剥離層20aによる潜像パターン3が発現することになる。例えば、ベース基材10に赤色で印刷が施され、粘着層30の色が緑色である場合、赤色と緑色と混合されたことによる黒色の背景内に赤色の潜像パターン3が発現することになる。
【0043】
その後、このように潜像パターン3が発現した隠蔽シール1を通知シート2に再度貼着したとしても、剥離層20aに対向する領域においては粘着層30が存在しなくなっているため、潜像パターン3が発現したままとなり、隠蔽シール1が通知シート2から不正に剥離された旨を認識することができる。
【0044】
また、隠蔽シール1が通知シート2に貼着された後に剥離された場合に、粘着層30のうち剥離層20aに対向する領域が、剥離層20aから剥離して剥離層20aとの積層方向とは直交する方向に破断することにより、隠蔽シール1が通知シート2から剥離された場合に、粘着層30が全てベース基材10とともに通知シート2から剥離されることとなり、それにより、隠蔽シール1を通知シート2から剥離した後に、通知シート2に粘着層30の一部が残存することがない。万が一、粘着層30のうち剥離層20aに対向する領域が剥離層20aから剥離して通知シート2に残存したとしても、隠蔽シール1は、通知シート2のうちパスワード表示部2aには剥離層20bによってそもそも貼着されていない状態となっていたため、パスワード表示部2aには粘着層30が残存することはなく、隠蔽シール1を通知シート2から正規に剥離した後に、パスワード表示部2aに表示されたパスワード2bが見難くなってしまうことがない。
【0045】
さらに、本形態においては、隠蔽シール1が通知シート2に貼着された場合にパスワード表示部2aに対向する剥離層20bが、上述したように剥離剤を印刷によって塗工することで積層されているため、通知シート2等の被着体の種類に応じて、剥離層20bによって被着体に貼着されない領域の形状を、フィルム等を加工する等といった煩雑な作業を伴うことなく、自在に設定することができる。
【0046】
(第2の実施の形態)
図7は、本発明の隠蔽シールの第2の実施の形態を示す図であり、(a)は表面図、(b)は(a)に示したA-A’断面図である。図8は、図7に示した隠蔽シール101が図2に示した通知シート2に貼着された後に通知シート2から剥離されていく状態を説明するための断面図である。
【0047】
本形態は図7に示すように、図1及び図2に示したものに対して、地紋印刷層50の代わりに塗りつぶし層150が設けられているとともに、粘着層130を構成する粘着剤の材質が異なる隠蔽シール101である。本形態における粘着層130を構成する粘着剤は、伸縮性を有するものである必要はない。塗りつぶし層150は、例えば黒色等の、透視しにくい色のインキを用いた、いわゆるベタ印刷によってベース基材110上に積層されている。
【0048】
このように構成された隠蔽シール101を図2に示した通知シート2に貼着する場合は、図1及び図2に示したものと同様に、剥離紙140を剥離して粘着層130を表出させ、図8(a)に示すように、パスワード表示部2aを覆うように隠蔽シール101を貼着する。その際、隠蔽シール101の剥離層120bがパスワード表示部2aに対向するように隠蔽シール101を通知シート2に貼着する。すなわち、本形態の隠蔽シール101においても、剥離層120bは、パスワード表示部2aを覆うような形状を有し、隠蔽シール101が通知シート2に貼着された場合にパスワード表示部2aに対向する領域に塗工、積層されていることになる。
【0049】
このように隠蔽シール101が通知シート2に貼着された状態においては、パスワード表示部2aが隠蔽シール101で覆われており、隠蔽シール101には、青、赤、黒等の任意の色からなる粘着層130がベース基材110の全面に積層されているため、パスワード表示部2aに表示されたパスワード2bが外部から視認不可能な状態となる。さらに、パスワード表示部2aに剥離層120bが対向するように隠蔽シール101が通知シート2に貼着されていることで、剥離層120bに対向してベース基材110上に積層された塗りつぶし層150がパスワード表示部2aに重なることになり、これにより、パスワード表示部2bに表示されたパスワード2bの隠蔽性が向上することになる。また、剥離層120bが、カーボンを含有する顔料入りシリコンからなる剥離剤から構成されていることで、パスワード2bがカーボンを含有するインキによって印刷されている場合であっても、隠蔽シール101が上記のように通知シート2に貼着された状態において赤外線を用いてパスワード2bが認識されることを回避できる。
【0050】
この状態から隠蔽シール101を剥離していくと、図8(b)に示すように、剥離層120aが積層されていない領域においては、粘着層130がベース基材110とともに通知シート2から剥離し、また、剥離層120aが積層された領域においては、粘着層130が剥離層120aとの貼着力よりも強い貼着力で通知シート2と貼着されていることで粘着層130が剥離層120aから剥離する。そして、粘着層130の剥離層120aから剥離した部分が通知シート2に残存することで、剥離層120aに対向する領域には粘着層130が存在しなくなる。
【0051】
隠蔽シール101が通知シート2から完全に剥離されると、図8(c)に示すように、粘着層130は剥離層120aが積層されていない領域にしかほぼ存在しなくなるが、剥離層120bが塗工、積層された領域においては、隠蔽シール101がそもそも通知シート2に貼着されていないことから、隠蔽シール101を通知シート2から剥離した際に粘着層130が剥離層120aから剥離することがないため、剥離層120aが積層された領域においても粘着層130が存在することになる。
【0052】
このように通知シート2から剥離された隠蔽シール101においても、図1及び図2に示したものと同様に、ベース基材110の通知シート2との貼着面とは反対側から見た場合、剥離層120aに対向しない領域においては粘着層130が存在することで粘着層130の色がベース基材110介して視認される一方、剥離層120aに対向する領域においては剥離層120bが積層された領域以外において粘着層130が存在しなくなったことで粘着層130の色が視認されなくなることから、剥離層120aによる潜像パターンが発現することになる。
【0053】
その後、潜像パターンが発現した隠蔽シール101を通知シート2に再度貼着したとしても、剥離層120aが積層された領域と粘着層130が通知シート2に残存した領域との位置合わせを行うことが困難であることで、発現した潜像パターンを完全に見えなくすることができず、隠蔽シール101が通知シート2から不正に剥離された旨を認識することができる。
【0054】
また、隠蔽シール101が通知シート2に貼着された後に剥離された場合に、粘着層130のうち剥離層120aに対向する領域が剥離層120aから剥離して通知シート2に残存することになるが、隠蔽シール101は、通知シート2のうちパスワード表示部2aには剥離層120bによってそもそも貼着されていない状態となっていたため、パスワード表示部2aには粘着層130が残存することはなく、隠蔽シール101を通知シート2から正規に剥離した後に、パスワード表示部2aに表示されたパスワード2bが見難くなってしまうことがない。
【0055】
さらに、本形態においても、隠蔽シール101が通知シート2に貼着された場合にパスワード表示部2aに対向する剥離層120bが、剥離剤を印刷によって塗工することで積層されているため、通知シート2等の被着体の種類に応じて、剥離層120bによって被着体に貼着されない領域の形状を、フィルム等を加工する等といった煩雑な作業を伴うことなく、自在に設定することができる。
【0056】
なお、上述した実施の形態においては、剥離層20b,120bが、カーボンを含有する顔料入りシリコンからなる剥離剤から構成されたものを例に挙げて説明したが、剥離層20b,120bとして、カーボンを含有しない材料から構成されたものを用いてもよい。その場合、パスワード2bがカーボンを含有するインキによって印刷されていれば、隠蔽シール1,101が上記のように通知シート2に貼着された状態では赤外線を用いてパスワード2bを認識し、隠蔽シール1,101が通知シート2から剥離された状態では目視によってパスワード2bを認識するという運用形態を採用することができる。なお、そのような構成とするためには、地紋印刷層50や塗りつぶし層150を構成するインキもカーボンを含有しない材料から構成する必要がある。また、パスワード2bがカーボンを含有しない赤色や青色等の通常のカラーインキによって印刷されている場合は、そもそも隠蔽シール1が通知シート2に貼着された状態において赤外線を用いてパスワード2bを認識することができないため、剥離層20b,120bとして、カーボンを含有しない材料から構成されたものを用いることが考えられる。
【0057】
また、上述した実施の形態においては、ベース基材10,110上に剥離層20b,120bに対向して隠蔽性向上層として地紋印刷層50や塗りつぶし層150が積層されているが、隠蔽性向上層としては、その他に白色の印刷層上に地紋を印刷したもの等、周知のものを適用することができる。また、隠蔽シール1,101が通知シート2に貼着された場合に粘着層30や剥離層20b,120bの色によってパスワード2bが十分に視認不可能となれば、隠蔽性向上層をあえて設ける必要はない。
【符号の説明】
【0058】
1,101 隠蔽シール
2 通知シート
2a パスワード表示部
2b パスワード
2c 通知情報
3 潜像パターン
10,110ベース基材
20a,20b,120a,120b 剥離層
30,130 粘着層
40,140 剥離紙
50 地紋印刷層
160 塗りつぶし層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8