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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】印刷ヘッド用の組付装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20220801BHJP
【FI】
B41J2/01 307
【請求項の数】 11
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018083289
(22)【出願日】2018-04-24
(65)【公開番号】P2018183995
(43)【公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】10 2017 206 920.1
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】390009232
【氏名又は名称】ハイデルベルガー ドルツクマシーネン アクチエンゲゼルシヤフト
【氏名又は名称原語表記】Heidelberger Druckmaschinen AG
【住所又は居所原語表記】Kurfuersten-Anlage 52-60, D-69115 Heidelberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ミュラー
(72)【発明者】
【氏名】ブルクハート ヴォルフ
【審査官】亀田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-279695(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0077225(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷ヘッド(31)用の組付装置(40)であって、
固定の支持体(41)と、
印刷ヘッド(31)を収容する枠(42)と、
を備え、
前記枠(42)は、前記固定の支持体(41)に取外し可能に取り付けられており、前記枠(42)は、前記固定の支持体(41)に対して相対的に前記印刷ヘッド(31)を調整する調整装置(43,44,45)を有する、組付装置において、
前記枠(42)の前記調整装置(43,44,45)は、前記固定の支持体(41)に沿った摺動(v)および鉛直軸(z)を中心とする回転(r)の2自由度で前記印刷ヘッド(31)を調整するための、2つの堅体リンク(43,44)および2つのアクチュエータ(45)を有し、
前記固定の支持体(41)に沿った前記摺動(v)のための前記アクチュエータ(45)は、鉛直軸(z)を中心とする前記印刷ヘッド(31)を回転(r)のための、前記枠(42)の回転軸(A)に位置することを特徴とする、組付装置。
【請求項2】
印刷ヘッド(31)用の組付装置(40)であって、
固定の支持体(41)と、
印刷ヘッド(31)を収容する枠(42)と、
を備え、
前記枠(42)は、前記固定の支持体(41)に取外し可能に取り付けられており、前記枠(42)は、前記固定の支持体(41)に対して相対的に前記印刷ヘッド(31)を調整する調整装置(43,44,45)を有する、組付装置において、
前記枠(42)の前記調整装置(43,44,45)は、前記固定の支持体(41)に沿った摺動(v)および鉛直軸(z)を中心とする回転(r)の2自由度で前記印刷ヘッド(31)を調整するための、2つの堅体リンク(43,44)および2つのアクチュエータ(45)を有し、
第1の堅体リンクは、堅体回転リンク(43)として構成されており、第2の堅体リンクは、堅体平行四辺形リンク(44)として構成されていることを特徴とする、組付装置。
【請求項3】
印刷ヘッド(31)用の組付装置(40)であって、
固定の支持体(41)と、
印刷ヘッド(31)を収容する枠(42)と、
を備え、
前記枠(42)は、前記固定の支持体(41)に取外し可能に取り付けられており、前記枠(42)は、前記固定の支持体(41)に対して相対的に前記印刷ヘッド(31)を調整する調整装置(43,44,45)を有する、組付装置において、
前記枠(42)の前記調整装置(43,44,45)は、前記固定の支持体(41)に沿った摺動(v)および鉛直軸(z)を中心とする回転(r)の2自由度で前記印刷ヘッド(31)を調整するための、2つの堅体リンク(43,44)および2つのアクチュエータ(45)を有し、
前記アクチュエータ(45)は、テーパドライブとして構成されていることを特徴とする、組付装置。
【請求項4】
印刷ヘッド(31)用の組付装置(40)であって、
固定の支持体(41)と、
印刷ヘッド(31)を収容する枠(42)と、
を備え、
前記枠(42)は、前記固定の支持体(41)に取外し可能に取り付けられており、前記枠(42)は、前記固定の支持体(41)に対して相対的に前記印刷ヘッド(31)を調整する調整装置(43,44,45)を有する、組付装置において、
前記枠(42)の前記調整装置(43,44,45)は、前記固定の支持体(41)に沿った摺動(v)および鉛直軸(z)を中心とする回転(r)の2自由度で前記印刷ヘッド(31)を調整するための、2つの堅体リンク(43,44)および2つのアクチュエータ(45)を有し、
前記枠(42)は、付加製造法で製作されていることを特徴とする、組付装置。
【請求項5】
前記印刷ヘッド(31)の調整を、前記印刷ヘッドの高さ位置を変化させることなく行うことを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の組付装置。
【請求項6】
前記枠(42)は、前記印刷ヘッド(31)を、該印刷ヘッド(31)の側方の外面で取り囲むことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の組付装置。
【請求項7】
前記枠(42)は、前記固定の支持体(41)に取り付けられた第1の要素(46)と、前記調整装置(43,44,45)により前記固定の支持体(41)に対して動くことが可能な第2の要素(47)とを有することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の組付装置。
【請求項8】
前記アクチュエータ(45)は、前記枠(42)の前記第1の要素(46)に取り付けられていて、その位置が調整運動(r、v)中に変化しないことを特徴とする、請求項記載の組付装置。
【請求項9】
前記枠(42)は、2自由度の調整に対抗する2つの戻しばね(48)を有することを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の組付装置。
【請求項10】
プリントバー(30)内で複数の印刷ヘッド(31)を相互に隣接して配置するために、請求項1からまでのいずれか1項記載の複数の組付装置(40)を備える、組付ユニット。
【請求項11】
それぞれ中に印刷ヘッド(31)が収容された複数の組付装置(40)を有する、請求項10記載の少なくとも1つの組付ユニットを備える、印刷システム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の印刷ヘッド用の組付装置、請求項11に記載の組付装置を有する複数の組付ユニットおよび請求項12に記載の印刷システムに関する。
【0002】
背景技術
少量の生産数または個人的な印刷柄で紙、厚紙、板紙から成るシートおよびウェブに印刷を行うために、デジタル印刷機を使用することが知られている。インクジェットヘッドを使用するとき、各々の被印刷物は、搬送システムにより、インクジェットヘッドの下方を、最小の間隔を置いて通過させられる。シート用の搬送システムとして、たとえば吸着ベルトとして構成された、循環走行する搬送ベルトと、回転する胴、いわゆるジェッティング胴または循環走行するトレーが知られている。
【0003】
胴を使用する機械構想では、たとえば独国特許発明第102015211440号明細書に記載されているように、ジェッティング胴の上方に、半径方向に間隔を置いて複数のインクジェット印刷ヘッドが配置されており、インクジェット印刷ヘッドは、印刷ヘッドに対してわずかな間隔を置いてその傍を通過させられるシートに印刷を行う。ジェッティング胴上で、複数のシートを同時に吸着して搬送することができる。高い印刷品質を確保しつつ、印刷ヘッドの損傷を回避するために、各々のシートを良好にジェッティング胴に載置することが重要である。
【0004】
比較的大きな幅を有する被印刷物に対して印刷可能にするために、複数の印刷ヘッドを、いわゆるプリントバーに、つまり印刷ビームに相並んで配置することが一般的である。この場合、複数の印刷ヘッドを有するこのプリントバーは、被印刷物の搬送方向に対して横向きに配置されている。複数のインキで印刷可能にするために、通常、複数のプリントバーが相前後して配置されており、この場合、各々のプリントバーは、それぞれ1種のインキを消費する。
【0005】
高い精度で印刷可能にするために、プリントバーの個々の印刷ヘッドが相互に正確に位置決めされている必要がある。国際公開第2009/142927号において、印刷ヘッド用の保持装置が開示されており、この保持装置は、組み付けられた印刷ヘッドの位置調整に適している。この装置を用いて、印刷ヘッドを、他の印刷ヘッドの隣で枠に取り付けて、そうしてプリントバーを構成することができる。個々の故障した印刷ヘッドを、機能している新たなヘッドと交換することもできる。印刷ヘッドの交換を行った後で、装置の調整ねじを介する印刷ヘッドの新たな調整が必要である。
【0006】
プリントバーの支持体において印刷ヘッドを位置調整するためのこれら全ての装置の欠点は、その複雑で、かつ面倒で割高な構造である。個々の印刷ヘッドの交換が、印刷ヘッドの不良のアクセスおよび不良の操作性によりたいてい困難であることも欠点である。印刷ヘッドへのアクセスおよび印刷ヘッドの保持が困難であり、構造スペースが極めて窮屈であるので、印刷ヘッドの交換は、熟練の専門家しか行うことができない。特に、印刷ヘッドの交換に際して隣のヘッドを損なってはならない。交換を行った後で、印刷ヘッドをさらに調整しなければならず、特に鉛直軸(z)、いわゆるヨー軸を中心とする回転を調整しなければならない。この調整も、専門家しか行うことしかできない。さらに、背景技術における精密機械的な手段は、たとえばインキにより極めて汚れやすいことが欠点である。
【0007】
発明の課題
本発明の課題は、印刷ヘッドの簡単な交換および簡単で確実な調整を可能にし、背景技術における欠点を少なくとも低減する、印刷ヘッド用の組付装置を提供することである。
【0008】
技術的な解決手段
この課題は、請求項1の特徴部に記載の構成を有する組付装置により解決される。
【0009】
本発明に係る、印刷ヘッド用の組付装置は、固定の支持体と、印刷ヘッド、特にインクジェット印刷ヘッドを収容する枠とを有する。この場合、枠は、安定した固定の支持体に、取外し可能に取り付けられている。枠は、固定の支持体に対して相対的に印刷ヘッドを調整するために、調整装置を有する。本発明によれば、枠は、2自由度で、つまり固定の支持体に沿った摺動、つまりx軸に沿った摺動および鉛直軸を中心とする回転、つまりz軸を中心とする回転で、印刷ヘッドを調整するために、2つの堅体リンクと2つのアクチュエータとを有する。この場合、印刷ヘッドの調整は、印刷ヘッドの高さ位置を変えることなく行われる、つまり印刷ヘッドのz軸上の位置が変化しない。
【0010】
堅体リンクを用いた、相互に独立して調整可能な2自由度の構成により、好適には、高精度で、外力に対して丈夫な組付装置が提供される。汚れが組付装置の精度を損なうことがない。さらに、組付装置は、極めて正確な再現性を有する。
【0011】
本発明に係る組付装置の特に好適で、したがって有利な態様によれば、枠が、印刷ヘッドを、印刷ヘッド側方の外面で取り囲み、つまり印刷ヘッドは、中心を合わせて枠に収容される。
【0012】
組付装置の改良態様によれば、組付装置の枠が、不動の、固定の支持体に取り付けられた要素と、調整装置により変形可能な別の要素とを有する。この場合、アクチュエータが枠の不動の要素に取り付けられている、かつ/または印刷ヘッドが枠の変形可能な要素に取り付けられている、たとえばねじ結合されていると、特に好適である。不動の要素にアクチュエータを配置することにより、調整運動中のアクチュエータの位置は不変であり、つまりアクチュエータは、印刷ヘッドと一緒に位置変化しない。
【0013】
考えられる1変化態様によれば、固定の支持体に沿った(つまりx軸の方向)摺動のためのアクチュエータが、鉛直軸を中心とする(つまりz軸を中心とする)印刷ヘッドの回転のための枠の回転軸内に位置する。
【0014】
組付装置の好適な態様によれば、組付装置の第1の堅体リンクは、堅体回転リンクとして構成されており、組付装置の第2の堅体リンクは、堅体平行四辺形リンクとして構成されている。
【0015】
好適な改良態様によれば、組付装置が、その枠に、2自由度の調整運動に対抗する2つの戻しばねを有してもよい。これにより、基本位置へ枠が戻される。
【0016】
好適には、アクチュエータは、テーパドライブとして構成されており、つまりアクチュエータは、たとえばスリットが設けられた孔に係合して、これを拡張することができる錐体状の、つまり円錐形または円錐台形の回転要素として構成されている。代替的に、モータ駆動式の楔体、偏心体、スピンドル、差動ねじスピンドルまたはレバーも考えられる。
【0017】
本発明によれば、組付装置の枠を、一体的に、3D印刷とも称される付加製造法で製作することが提案される。
【0018】
印刷ビーム、いわゆるプリントバーにおいて相互に隣接して複数の印刷ヘッドを配置するために、前述の複数の組付装置を有する組付ユニットも本発明の対象である。
【0019】
本発明は、印刷ヘッドを位置調整するための前述の複数の組付装置と、デジタルプリンタまたはデジタル印刷機に使用するための複数の印刷ヘッドとを有するプリントバーにも関する。
【0020】
さらに本発明は、前述のような複数の組付装置を有する印刷システムにも関する。
【0021】
既述の本発明および既述の本発明の好適な改良態様は、技術的に有意義である場合には、相互に組み合わせても、本発明の好適な改良態様を成すものとする。
【0022】
さらなる利点に関して、かつ本発明の好適な態様の構造的かつ機能的な観点に関して、従属請求項および添付の図面に関する実施の形態の説明が参照される。
【0023】
実施の形態
本発明を、添付の図面に基づいてさらに詳しく説明する。相互に対応する構成要素および構成部品には、複数の図面において同一の符号が設けられている。図面を見やすくするために、縮尺通りの図示はしていない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】組付装置を立体図で概略的に示す。
図2】組付装置を平面図で概略的に示す。
図3a】択一的に位置調整される2つの調整位置で組付装置を概略的に示す。
図3b】択一的に位置調整される2つの調整位置で組付装置を概略的に示す。
図4】本発明に係る装置を使用するためのデジタル印刷機を概略的に示す。
【0025】
図1の立体図は、組付装置40およびその構造に関する概観を提供している。組付装置40は、印刷ヘッド31を調整可能に収容するために用いられる。そのために、組付装置40は、固定の支持体41に取付可能である枠42を有する。固定の支持体41は、デジタル印刷機10の機械フレームの一部であってもよい。印刷ヘッド31は、枠42の面が印刷ヘッド31の側面を取り囲む、つまり印刷ヘッド31が中心を合わせて枠42内に配置されるように、枠42に収容される。下端で、印刷ヘッド31は、ノズルプレート32を有し、ノズルプレート32は、組付装置40の枠42を越えて突出し、この場合、ノズルプレート32の複数のノズルから最小のインキ滴を吐出することができ、これにより、印刷ヘッド31の下方で、像を、詳細には図示されていないシート100に印刷することができる。制御ラインおよび印刷ヘッド31へのインキの供給部は、図示されていない。
【0026】
図1には、さらにx軸、y軸およびz軸を用いたデカルト座標系が示されており、この場合、組付装置40は、x方向のまたはx方向とは逆向きの印刷ヘッド31の調整とz軸を中心とする回転とを可能にする。
【0027】
組付装置40は、図2において平面図で示されている。この図面から、組付装置40の機能が明らかである。枠42は、不動の要素46と変形可能な要素47とを有し、不動の要素46は、固定の支持体41に隣接して位置し、変形可能な要素47は、最終的に印刷ヘッド31の位置調整を可能にする。組付装置40の枠42は、2自由度を有し、x方向の並進運動とz軸を中心とする回転運動とを許容する。そのために、枠42は、2つの堅体リンク43;44を有し、第1の堅体リンクは、堅体回転リンク43として構成されていて、z軸を中心とする回転を許容する。第2の堅体リンクは、堅体平行四辺形リンク44として構成されていて、x方向の並進運動を許容する。堅体リンク43,44の弾性変形は、2つのアクチュエータ45により及ぼされる。x方向の並進運動、つまり堅体平行四辺形リンク44の変形を及ぼすアクチュエータ45は、位置Aに位置し、位置Aには、枠42の回転中心、つまり堅体回転リンク43の回転中心も位置する。鉛直軸を中心とする回転のための、つまり堅体回転リンク43の変形のためのアクチュエータ45は、位置Bに位置する。
【0028】
図2に示された初期位置への枠42の戻しは、枠42に作用する戻しばね48によりもたらされる。
【0029】
図3a、bには、どのようにして組付装置40を使用して印刷ヘッド31の調整を行うのか示されている。印刷ヘッド31は、結合箇所49において、枠42の変形可能な要素47と結合されている、たとえばねじ結合されている。これにより、印刷ヘッド31が枠42の移動に連動することが達成される。
【0030】
図3のaには、印刷ヘッド31の摺動v、つまりx方向の並進運動が示されている。そのために、堅体平行四辺形リンク44は、位置Aに位置するアクチュエータ45により変形させられる。
【0031】
図3のbには、印刷ヘッド31の回転運動rが示されている。回転運動rは、鉛直軸、つまりz軸を中心とする回転を成す。この回転運動rは、位置Bに位置するアクチュエータ45の相応の制御によりもたらされ、アクチュエータ45は、堅体回転リンク43の変形と、回転中心または瞬間中心としての位置Aを中心とする枠42の回転とをもたらす。図3のa、bには、並進運動vと回転運動rとが相互に独立して示されている一方、両方の運動v、rは、これが必要な場合には、もちろん位置A、Bに位置する両方のアクチュエータ45の相応の制御により重畳させてもよい。
【0032】
図4は、シート100に印刷を行うデジタル印刷機10を示している。デジタル印刷機10は、デジタル印刷ステーション3を有し、デジタル印刷ステーション3は、搬送方向Tで相前後して配置された複数のインクジェットプリントバー30を有する。シート100は、シートフィーダ1におけるフィーダスタック101から到来して、搬送方向Tに、図示されていない、たとえば搬送ベルトおよび搬送ローラなどの搬送手段を用いて、デジタル印刷ステーション3へ搬送される。印刷ステーション3を通るシート100の搬送は、ジェッティング胴9により行われ、ジェッティング胴9にシート100が載置する。ジェッティング胴9の回転により、シート100は、プリントバー30のインクジェット印刷ヘッドの下方でこれを越えて移動させられ、その際に印刷を行うことができる。インクジェット印刷ヘッド38の制御は、機械制御装置7により行われる。搬送方向Tに見てジェッティング胴9の下流側に、損紙排出部を有する排出ステーションが位置する。これに対して良好なシートは、後続搬送され、シートデリバリ2においてデリバリスタック102上に排出される。
【符号の説明】
【0033】
1 フィーダ
2 デリバリ
3 印刷ステーション
7 機械制御装置
9 ジェッティング胴
10 デジタル印刷機
30 プリントバー
31 印刷ヘッド
32 ノズルプレート(nozzle plate)
40 組付装置
41 固定の支持体
42 枠
43 堅体回転リンク
44 堅体平行四辺形リンク
45 アクチュエータ
46 不動の要素
47 変形可能な要素
48 戻しばね
49 結合箇所、枠-印刷ヘッド
100 シート
101 フィーダスタック
102 デリバリスタック
r 回転運動
v 並進運動(摺動)
A 第1の位置、アクチュエータおよび回転中心
B 第2の位置
T 搬送方向
図1
図2
図3a
図3b
図4