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特許7114339底部レールの水平機構を有する建築上の特徴部のための覆い
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】底部レールの水平機構を有する建築上の特徴部のための覆い
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/34 20060101AFI20220801BHJP
   E06B 9/323 20060101ALI20220801BHJP
   E06B 9/322 20060101ALI20220801BHJP
   E06B 9/44 20060101ALI20220801BHJP
   E06B 9/388 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
E06B9/34
E06B9/323
E06B9/322
E06B9/44
E06B9/388
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018102492
(22)【出願日】2018-05-29
(65)【公開番号】P2018204426
(43)【公開日】2018-12-27
【審査請求日】2021-04-26
(31)【優先権主張番号】62/513,620
(32)【優先日】2017-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512330721
【氏名又は名称】ハンター ダグラス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】マックス,ダブリュー.シュローダー
(72)【発明者】
【氏名】ケネス,エム.ファラー
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06237667(US,B1)
【文献】特開平05-106384(JP,A)
【文献】特開平04-269282(JP,A)
【文献】特開2002-322880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/24-9/388
E06B 9/40-9/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建築上の特徴部のための覆いシステムであって、前記覆いシステムは、
回転可能なローラであって、前記ローラは本体部分およびフラッパー部分を有し、前記フラッパー部分、その一端において前記本体部分に枢動可能に対応付けられているローラと、
ある高さおよび幅を有する第1の支持部材であって前記第1の支持部材の一端前記ローラの前記本体部分と作動可能に対応付けられている第1の支持部材と、
ある高さおよび幅を有する第2の支持部材であって、伸張された位置において、前記第2の支持部材は前記第1の支持部材にほぼ平行であり、前記第2の支持部材は、前記第1の支持部材と作動可能に対応付けられており、それに対して横方向に可動であ前記第2の支持部材の第1の端部、前記ローラの前記フラッパー部分と作動可能に対応付けられており、第2の支持部材の第2の端部は、底部レールと作動可能に対応付けられている第2の支持部材と、
前記第2の支持部材が前記第1の支持部材に対して横方向に移動される際、前記底部レールを水平方向の水平位置に維持するために、前記ローラの前記フラッパー部分と相互に作用するように構成された制限機構と
を備える覆いシステム。
【請求項2】
前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の間に延在する複数の羽根をさらに備える、請求項1に記載の覆いシステム。
【請求項3】
前記覆いシステムはヘッドレールをさらに備え、前記ヘッドレール、少なくとも1つの端部キャップを備え、前記少なくとも1つの端部キャップ前記制限機構を備えており、前記制限機構、前記少なくとも1つの端部キャップの少なくとも一部に沿って延在する軌道を備える、請求項1に記載の覆いシステム。
【請求項4】
前記ローラの前記フラッパー部分は、そこから横方向に延出するピンを備え、前記ピンは、前記少なくとも1つの端部キャップの前記軌道に沿って誘導されるように構成される、請求項3に記載の覆いシステム。
【請求項5】
前記軌道はさらに停止セクションを備え、前記停止セクションは、前記フラッパー部分のさらなる枢動および前記ローラのさらなる回転を阻止するために前記ピンを保持するように構成される、請求項4に記載の覆いシステム。
【請求項6】
前記停止セクションは、前記少なくとも1つの端部キャップに横方向に隣接し、かつ前記軌道の面に平行に延在している、請求項5に記載の覆いシステム。
【請求項7】
前記覆いシステムは、前記ヘッドレールと対応付けられた2つの端部キャップをさらに備え、前記2つの端部キャップのうちの第2の端部キャップは、前記覆いシステムの制御機構に隣接しており、前記2つの端部キャップのうちの第1の端部キャップは、前記第2の端部キャップの反対側の特定の位置にある、請求項3に記載の覆いシステム。
【請求項8】
前記制限機構は、第1の端部において前記フラッパー部分に結合され、第2の端部においてカム筐体に結合された可撓性のストラップを備える、請求項1に記載の覆いシステム。
【請求項9】
前記可撓性のストラップの中間部分は、固定式の非回転式のカム機構のカム面の上を通過する、請求項8に記載の覆いシステム。
【請求項10】
前記カム筐体は、前記固定式の非回転式のカム機構を取り巻くように回転可能に配設される、請求項9に記載の覆いシステム。
【請求項11】
前記カム筐体は、前記ローラの内側面と作動可能に対応付けられ、前記ローラと連動して回転可能である、請求項8に記載の覆いシステム。
【請求項12】
前記フラッパー部分は、前記フラッパー部分および前記本体部分にあるそれぞれの枢動継ぎ手端部を介して前記本体部分に対して外向きに枢動可能であり、さらに前記それぞれの枢動継ぎ手端部歯車継ぎ手を形成する、請求項1に記載の覆いシステム。
【請求項13】
前記フラッパー部分および前記本体部分は、C字形ブラケットによって前記歯車継ぎ手と枢動可能に対応付けられる、請求項12に記載の覆いシステム。
【請求項14】
建築上の特徴部のための覆いシステムであって、前記覆いシステムは、
本体部分およびフラッパー部分をする回転可能なローラであって、前記フラッパー部分、前記本体部分に対して枢動可能であり、前記フラッパー部分、そこから横方向に延出する突出部を有するローラと、
第1の支持部材であって、前記第1の支持部材の一端、前記ローラの前記本体部分と作動可能に対応付けられている第1の支持部材と、
第2の支持部材であって、前記第2の支持部材は、前記ローラと対応付けられており、伸張された位置において前記第1の支持部材にほぼ平行であるように構成され、前記第2の支持部材は、前記第1の支持部材と作動可能に対応付けられており、それに対して横方向に可動であ前記第2の支持部材の一端、前記ローラの前記フラッパー部分と作動可能に対応付けられている第2の支持部材と、
軌道であって、前記フラッパー部分から延出する前記突出部、前記ローラが回転される際の前記フラッパー部分の角度を成す配向を制御するために軌道によって誘導されるように構成される軌道と
を備える覆いシステム。
【請求項15】
前記覆いシステムは、ヘッドレールの横方向の端部に配設された少なくとも1つの端部キャップをさらに備え、前記軌道、前記少なくとも1つの端部キャップの少なくとも一部に沿って延在する、請求項14に記載の覆いシステム。
【請求項16】
前記軌道さらに停止セクションを備え、前記停止セクションは、前記フラッパー部分のさらなる枢動および前記ローラのさらなる回転を阻止するために前記突出部を保持するように構成される、請求項14に記載の覆いシステム。
【請求項17】
建築上の特徴部のための覆いシステムであって、前記覆いシステムは、
本体部分およびフラッパー部分をする回転可能なローラであって、前記フラッパー部分、前記本体部分に対して枢動可能であるローラと、
第1の支持部材であって、前記第1の支持部材の一端前記ローラの前記本体部分と作動可能に対応付けられている第1の支持部材と、
第2の支持部材であって、前記第2の支持部材は、伸張された位置において前記第1の支持部材にほぼ平行であるように構成され、前記第1の支持部材と作動可能に対応付けられており、それに対して横方向に可動であ、前記第2の支持部材の一端、前記ローラの前記フラッパー部分と作動可能に対応付けられている第2の支持部材と、
少なくとも1つの中心がずらされたカム面を有する非回転式のカム機構であって、前記非回転式のカム機構が前記ローラ内に配設される、カム機構と、
前記非回転式のカム機構に回転可能に結合された回転可能なカム筐体であって、前記カム筐体は、さらに前記ローラと作動可能に対応付けられ、前記ローラによって回転可能である、カム筐体と、
第1の端部および第2の端部を有する可撓性のストラップであって、前記可撓性のストラップは、前記第1の端部において前記カム筐体に結合され、前記第2の端部において前記ローラの前記フラッパー部分に結合されるストラップと
を備える覆いシステム。
【請求項18】
前記可撓性のストラップの中間部分は、前記非回転式のカム機構の前記少なくとも1つの中心がずらされたカム面の上を通過するように構成される、請求項17に記載の覆いシステム。
【請求項19】
前記可撓性のストラップは、前記ローラが回転する際の前記本体部分に対する前記フラッパー部分の角度を成す移動の大きさを制御するために張力を受けるように構成される、請求項18に記載の覆いシステム。
【請求項20】
前記フラッパー部分は、前記フラッパー部分および前記本体部分にあるそれぞれの枢動継ぎ手端部において前記本体部分に対して外向きに枢動可能であり、さらに前記それぞれの枢動継ぎ手端部は歯車継ぎ手を形成する、請求項17に記載の覆いシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この特許文献は、2017年6月1日に提出された米国仮特許出願第62/513,620号に対して優先権を主張する。この優先出願の開示は、参照により完全に組み込まれている。
【0002】
本開示は、窓、ドア、アーチ道などを含み得る建築上の特徴部のための覆い、関連するシステム、ならびに操作および製造の方法に関する。より具体的には、本開示は、その移動が回転可能な管またはローラの運動によって制御される第1および第2の概ね平行な支持部材を有する巻き上げ式の窓の覆いを含めた建築上の特徴部のための覆いと、支持部材の移動および配置を制御するための機構または組立体とに関する。
【背景技術】
【0003】
建築上の特徴部のための現行の覆いは、Hunter Douglasによる商標名SILHOUETTE(登録商標)の下に販売されるもの、ならびに米国特許第5,313,999号および/または米国特許出願第2014/0138037号に記載されるものなどの薄く透ける日よけを含んでおり、これらの特許はその全体において参照により本明細書に組み込まれている。そのような覆いは、複数の概ね水平方向の、実質的に可撓性の羽根要素を支える概ね垂直方向の第1および第2の支持要素を利用している。垂直方向の支持要素は、可撓性の、ごく薄いパネルで形成される場合が多いが、例えば1つまたは複数のテープ、ストリップなどの他の支持構造の場合もある。垂直方向の支持要素および実質的に水平方向の可撓性の羽根は併せて、可撓性または柔軟な光を制御する窓の覆いまたはパネルを形成する。可撓性の性質のSILHOUETTE(登録商標)の覆いは、可撓性の光を制御するパネルをローラの周りで巻き上げたり巻き戻したりすることによってそれを操作することを可能にし、巻き上げ式の覆いと呼ばれる場合もある。
【0004】
覆いの第1および第2の支持要素のうちの少なくとも1つは、底部レール部材と結合され、この底部レール部材は覆いの幅にわたって概ね延在することで、ローラの反対側で第1および/または第2の支持要素のために重みが付けられた端部を形成する。覆いがローラから、完全に伸張された閉鎖位置へと引っ張られる際、可撓性の羽根は概ね閉鎖位置にあり、覆いが完全に伸張された開放位置に向けて操作されると、この場所で可撓性の羽根は開放位置へと移動し、2つの概ね平行な支持部材は横方向に離れる。ローラのさらなる回転によって垂直方向の部材が横方向に全体的に離れる際、支持部材の一方は、それが離れて、他方の支持部材から離れるように横方向に移動する際、全体的に下方に下がり、その後その支持部材は、支持部材の結合箇所がローラ管の円弧をたどる際、戻るように持ち上がる。この下方と、その後の上に戻る動きの中での支持部材のこのような垂直方向の移動は、何らかの望ましくない作用を生じる場合がある。例えば支持部材のこのような移動は、底部レールの望ましくない移動を生じさせる場合がある。例えば完全に伸張された閉鎖位置にある底部レールは好ましくは、建築上の特徴部(例えば窓敷居)の底部に、またはその付近にまたはそれと接触して配置される。この方法において、底部レール部材より下を含め、覆いを通り抜けて、または覆いを回り込んで通過する光は皆無であるか、ほとんど存在しない。少なくとも一部の光が覆いを通過することを可能にするために、完全に伸張された位置におけるローラのさらなる回転は、可撓性の羽根を開放するように作用する。しかしながらそのようなローラのさらなる回転は、底部レール部材の少なくとも一部を建築上の特徴部(例えば窓敷居)の底部から上に向けて、かつそこから離れるように移動させるように作用する可能性もあり、これにより場合によって光が底部レール部材の下を通過するのを許すことになる。
【0005】
したがって、様々な完全に伸張された位置において水平面の整列(例えば比較的一定の高さ)を維持することが可能な底部レール部材を有する建築上の特徴部のための覆いを有することが恐らく望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、当業者に向けられている。建築上の覆いおよび水平機構(これは支持部材のうちの少なくとも1つの移動を制御する)の目的および利点は、以下に続く図面、説明およびクレームに記載されており、そこから明白になるであろう。本開示の概要は、この覆いおよび水平機構の理解を助けるために提供されており、本開示の種々の態様および特徴の各々は、一部の例において別々に使用されるのが有利である場合、または他の例では本開示の他の態様および特徴と組み合わせて使用されるのが有利である場合もあることを理解されたい。したがって本開示は実施形態の点において提示されるが、任意の実施形態の個々の態様が別々に利用される場合、またはその実施形態もしくは他の実施形態の態様および特徴と組み合わせて利用される場合があることを理解されたい。本開示によると、異なる効果を達成するために、この建築上の覆いおよび/または水平機構に対して変更および修正が行われる場合がある。
【0007】
本開示の少なくとも1つの態様は、建築上の特徴部のための覆いシステムを対象としており、支持部材が完全に伸張された位置に到達し、支持部材が互いから離れるように横方向に移動され、互いから離されて覆いを開放させる際、覆いシステムのそれぞれの第1および第2の支持部材のうちの少なくとも一方に結合された底部レールは、建築上の特徴部の底部面に対して水平かつ一定に保持される。そのような構成によって、支持部材が完全に伸張された「閉鎖」位置から完全に伸張された「開放」位置へと移行される際の底部レールの望ましくない垂直方向の移動を阻止する。
【0008】
本開示の一態様によると、覆いシステムは、本体部分と、フラッパー部分とを有する回転可能なローラを含んでおり、フラッパー部分は、その一端において本体部分に枢動可能に対応付けられている。覆いシステムはまた、特定の高さと幅を有し、その一端がローラの本体部分と作動可能に対応付けられている第1の支持部材と、特定の高さと幅を有し、第1の支持部材にほぼ平行であり、第1の支持部材と作動可能に対応付けられ、それに対して横方向に可動である第2の支持部材とを含んでおり、第2の支持部材の第1の端部は、ローラのフラッパー部分と作動可能に対応付けられており、第2の支持部材の第2の端部は底部レールと作動可能に対応付けられている。覆いシステムはさらに、第2の支持部材が第1の支持部材に対して横方向に移動される際、底部レールを水平方向の水平位置に維持するためにローラのフラッパー部分と相互に作用するように構成された制限機構を含む。
【0009】
本開示の別の態様によると、覆いシステムは、本体部分と、フラッパー部分とを有する回転可能なローラを含んでおり、フラッパー部分は、本体部分に対して枢動可能であり、さらにフラッパー部分は、そこから横方向に延出する突出部を有する。覆いシステムはまた、その一端がローラの本体部分と作動可能に対応付けられている第1の支持部材と、ローラと対応付けられ、伸張された位置において第1の支持部材にほぼ平行であるように構成された第2の支持部材とを含んでいる。第2の支持部材は、第1の支持部材と作動可能に対応付けられ、それに対して横方向に可動であり、第2の支持部材の一端は、ローラのフラッパー部分と作動可能に対応付けられている。制御システムはさらに軌道を含んでおり、フラッパー部分から突出する突出部は、ローラが回転される際のフラッパー部分の角度を成す配向を制御するために、この軌道に沿って誘導されるように構成されている。
【0010】
本開示の別の態様によると、覆いシステムは、本体部分と、フラッパー部分とを有し、フラッパー部分が本体部分に対して枢動可能である回転可能なローラと、その一端がローラの本体部分に作動可能に対応付けられた第1の支持部材と、伸張された位置において第1の支持部材とほぼ平行であるように構成され、第1の支持部材と作動可能に対応付けられ、それに対して横方向に可動である第2の支持部材とを含んでおり、第2の支持部材の一端は、ローラのフラッパー部分と作動可能に対応付けられている。覆いシステムはまた、少なくとも1つの中心がずらされたカム面を有し、回転可能なローラの中に配設される非回転式のカム機構と、非回転式のカム機構と回転可能に対応付けられ、さらに回転可能なローラと作動可能に対応付けられ、回転可能なローラによって回転可能であるカム筐体と、第1の端部および第2の端部を有し、第1の端部においてカム筐体に結合され、第2の端部においてローラのフラッパー部分に結合される可撓性のストラップとを含む。
【0011】
本開示の別の態様によって、覆い要素のための水平機構が開示される。水平機構は、本体部分と、フラッパー部分とを有する回転可能なローラを含んでおり、フラッパー部分は本体部分に対して枢動可能であり、さらにフラッパー部分は、そこから横方向に突出する突出部を有する。水平機構はまた、軌道、好ましくは突き出した軌道を含んでおり、フラッパー部分から延出する突出部は、ローラが回転される際のフラッパー部分の角度を成す配向を制御するためにこの軌道と相互に作用するように構成される。
【0012】
本開示の別の態様によって、覆い要素のための水平機構が開示されており、水平機構は、本体部分と、フラッパー部分とを有し、フラッパー部分が本体部分に対して枢動可能である回転可能なローラと、少なくとも1つの中心がずらされたカム面を有し、回転可能なローラの中に配設された非回転式のカム機構とを含む。水平機構はまた、非回転式のカム機構に回転可能に結合されたカム筐体を含み、カム筐体は、回転可能なローラにさらに結合され、回転可能なローラによって回転可能である。水平機構は、第1の端部および第2の端部を有し、第1の端部においてカム筐体に結合され、第2の端部においてローラのフラッパー部分に結合される可撓性のストラップを含む。
【0013】
覆いのこれらのおよび他の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲において述べられる本発明の範囲と共に、以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。本開示の概要は、理解を助けるために提示されており、当業者に向けられており、このような当業者は、本開示の種々の態様および特徴の各々は、一部の例では別々に、または他の例では本開示の他の態様および特徴と組み合わせて有利に使用される場合もあることを理解すべきである。したがって本開示は、実施形態の観点において提示されているが、任意の実施形態の個々の態様は別々に、またはその実施形態の態様および特徴と組み合わせて、または任意の他の実施形態の態様および特徴と組み合わせて利用される、または特許請求される場合があることを理解されたい。
【0014】
加えて、本開示は、この出願において様々なレベルの詳細において記載されており、この概要における要素、構成要素などの包含または非包含のいずれかによって、特許請求される主題の範囲について限定することは意図されていない。例えば一部の実施形態は、軌道と、突出部を備えたフラッパー部分とを含む制御システムについて言及するが、ヘッドレールの端部キャップが突出部を有する場合もあり、フラッパー部分が軌道を有するように構成される場合もあることを理解されたい。特定の例では、本開示の理解のために必須ではない、または他の詳細を認識するのを難しくするような詳細は省略されている場合もある。特許請求される主題は、本明細書に例示される特定の実施形態または構成に必ずしも限定されないことを理解されたい。
【0015】
本明細書に開示される建築上の覆いの種々の態様、特徴および実施形態は、提供される図面と併せて読んだとき、より最適に理解されるであろう。これらの実施形態は、建築上の覆いの種々の態様、特徴および/または種々の実施形態を例示する目的で図面において提供されているが、特許請求の範囲は、示される厳密な配置、構造、サブアセンブリ、特徴、実施形態、態様およびデバイスに限定されるべきではなく、示されるこれらの配置、構造、サブアセンブリ、特徴、実施形態、態様およびデバイスは、単独で、または他の配置、構造、サブアセンブリ、特徴、実施形態、態様およびデバイスと組み合わせて使用される場合がある。図面は必ずしも縮尺通りではなく、いずれにしても特許請求の範囲の範囲を限定することは意図されておらず、建築上の覆いの種々の実施形態、態様および特徴を当業者に例示し説明するために提示されているにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】完全に伸張された位置にある建築上の特徴部のための覆いシステムの一実施形態の斜視図である。
図1B図1Aの覆いシステムの側面図である。
図1C】複数の羽根が閉鎖された、または折り畳まれた構成にある、完全に伸張された位置にある図1Aの覆いシステムの斜視図である。
図1D】収縮された位置にある図1Aの覆いシステムの斜視図である。
図2】覆いシステムと併せて使用され得る、区分化されたローラ機構の第1の実施形態の選択された構成要素の斜視図である。
図3A】第1の回転の向きにある覆いシステムの一実施形態の側面図である。
図3B】第2の回転の向きにある、図3Aの覆いシステムの一実施形態の側面図である。
図3C】第3の回転の向きにある、図3Aの覆いシステムの一実施形態の側面図である。
図4】覆いシステムと併せて使用され得る、区分化されたローラ機構の別の実施形態の選択された構成要素の斜視図である。
図5図4の区分化されたローラ機構の一部の別の斜視的な分解組立図である。
図6A】第1の回転の向きにある覆いシステムの別の実施形態の側面図である。
図6B】第2の回転の向きにある、図6Aの覆いシステムの側面図である。
図6C】第3の回転の向きにある、図6Aの覆いシステムの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下の詳細な記載において、建築上の覆いおよび種々の水平機構、その操作方法および製造方法の理解を与えるために多くの詳細が記載されている。しかしながら建築上の覆いおよび種々の水平機構、その操作方法および製造方法の種々の多数の実施形態は、このような特有の詳細なしで実施される場合もあり、本クレームおよび発明は、これらの実施形態、サブアセンブリまたは本明細書に具体的に記載され示される特有の特徴もしくは詳細に限定されるべきではないことが当業者によって理解されるであろう。本明細書で提供される説明は、当業者に向けられており、ある状況においては、よく知られた方法、手法、製造技術、構成要素および組立体は、建築上の覆いおよび/または水平機構の他の態様または特徴を不明瞭にしないために詳細には説明されていない。
【0018】
したがって、本明細書において図面に全体的に記載され例示されるこれらの実施形態の構成要素、態様、特徴、要素およびサブアセンブリは、記載される実施形態に加えて、多様な異なる構成で配置され設計される場合もあることが容易に理解されるであろう。これらの覆いおよび水平機構は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、特有の環境および動作要件にとりわけ適合され得る形態、構造、配置、比率、材料および構成要素の多くの追加の形態、代替形態または修正形態と共に使用される場合があることを理解されたい。以下の記載は、ほんの一例であるように意図されており、建築上の覆いおよび水平機構の特定の選択された実施形態を簡潔に例示している。例えば建築上の覆いは、光および間から見る視野を制御するための窓の覆いとしてのその使用法をとりわけ参照して実施例において示され記載されるが、覆いは、他の用途も同様に有する場合があることを理解されたい。ここに添付される特許請求の範囲は、特許請求される発明を説明しており、その他の方法で覆いおよび/または水平機構の実施形態、要素および/または特徴を除外するようにより狭く解釈されるべきであることが明確に指摘されていななければ、建築上の覆いおよび/または水平機構を網羅するように広く解釈すべきである。
【0019】
本出願を通して、覆いおよび/または水平機構の包括的な要素、機構、組立体または特徴を指すのに参照番号が使用されている。形態、形状、構造などは全く同じではないが、同様の機能または利点を提供する要素、機構、組立体または特徴を指すのに同一の参照番号が使用されてよい。付加された参照符号(例えば数字とは対照的に文字、プライム記号または上付き文字など)が、よく似た要素または特徴を互いから区別するのに使用されてよい。説明を容易にするために、本開示は常に覆いまたは水平機構の全ての構成要素を言及する、または列記するわけではなく、また1つの要素、部材または構造体に対する単数の指示語、例えば全体的な支持部材に対する単数の指示語は、文脈がそうでないことを指摘しなければ、1つまたは複数のそのような要素に対する指示語である場合もあることを理解されたい。
【0020】
建築上の覆いおよび/または水平機構の種々の実施形態の以下の記載において、全ての方向の指示(例えば近位、遠位、上方、下方、上向き、下向き、左、右、横方向、長手方向、前方、後方、背部、頂部、底部、上、下、垂直方向、水平方向、半径方向、軸方向、内側、外側、時計周りおよび反時計周り)は、本開示の読み手の理解を助けるために識別する目的のみで使用されており、とりわけ本開示における位置、配向または使用法に関して制限を設けることはないことを理解されたい。一実施形態に関して記載される特徴はまた典型的には、はっきりと指摘されても、指摘されなくても、別の実施形態に適用される場合がある。
【0021】
接続の指示語(例えば装着された、結合された、接続された、および連結された)は、広く解釈されるべきであり、そうでないことが指摘されなければ、要素の集合の間の中間部材と、要素間の相対的な移動を含めてよい。したがって接続の指示語は、2つの要素が直接接続される、および/または互いに対して固定されて接続されることを必ずしも意味するわけではない。識別の指示語(例えば一次、二次、第1の、第2の、第3の、第4のなど)は、重要性または優先度を暗示することは意図されず、1つの特徴を別の特徴から区別するのに使用されている。図面は、単に例示する目的であり、ここに添付される図面において反映される寸法、位置、順序および相対的なサイズは変化する可能性がある。
【0022】
一態様における本開示は、建築上の特徴部のための覆いに関し、この特徴部には、例えば窓、ドア枠、アーチ道などが含まれ、美観的な外見、ならびに望ましい日よけおよびプライバシーを提供することができる。覆いは一般に、1つまたは複数の可動の第1および第2の支持部材を含んでよい可撓性のサブアセンブリまたはパネルを備える。第1および第2の支持部材は、実質的に任意のタイプの材料であってよく、好ましくは、例えばこれに限定するものではないがニット、織物、不織布などを含めた布、織物およびフィルムなどの可撓性の材料から形成される。支持部材は、例えば、シート、パネル、テープ、ストリップなど、ならびにこれらの要素の組み合わせを含んでよい。各々の支持部材は、材料の単一の一体式の部品または複数の部品で形成される場合があり、実質的に平らで平坦であってよい。
【0023】
支持部材は、高さ(長さ)と、幅と、厚さを有し、それぞれの厚さ(その高さと幅に概ね直交する)は、相対的に薄くてよい。支持部材は一般に、そのそれぞれの長さ(高さ)および/または幅よりずっと薄い材料でできている。支持部材の「高さ」は、「長さ」とも呼ばれ、一般におよび典型的に覆いの高さまたは垂直方向の寸法と一致し、これらに対応付けられている。一実施形態における支持部材の幅は、一般におよび典型的に、覆いの幅に一致する。支持部材の幅は、覆いの幅に延在する場合、または覆いの幅に延在しない場合があり、材料の複数のテープを有する場合がある。
【0024】
収縮された位置にある支持部材は典型的には、ローラまたは管の周りに巻き付けられ、伸張された位置にある支持部材は一般に、ローラ管から概ね垂直方向にかつ平行になるように垂れ下がっている。一実施形態において支持部材118、120は、折り畳みライン、折り目、材料のループなどを持たない場合もある。
【0025】
一実施形態において、パネルは、支持部材の間に延在する1つまたは複数の羽根要素を含んでよい。一実施形態において、羽根要素は好ましくは、支持部材とは異なる光の透過率または半透明性を有し、羽根と支持部材が協働して、覆いの間から見る視野と、覆いを通過する光の透過率を制御する。一実施形態において、第1および第2の支持部材は、薄く透ける材料および/もしくは光が通過することを許す材料であり、羽根要素は、半透明の、乳白色の、不透明のおよび/もしくは部屋を暗くする材料またはそれらの組み合わせである。図面および開示は、羽根要素を有するパネルを参照しているが、パネルは、そのような構造に限定されることはなく、羽根要素は不可欠ではないことを理解されたい。
【0026】
図1A図1Dを参照すると、覆い100は一般に、ヘッドレール102と、ヘッドレール102に対応付けられた(およびその中に回転可能に収容された)ローラ126と、パネル104と、底部レール110と、覆い100を操作するための制御機構106(例えばローラ126を回転させるための機構)とを含む。制御機構106は、パネル104の移動を調整するように構成されてよい。一実施形態において、ローラ126は、パネル104の頂端部170に接続され、底部レール110は、パネル104の底端部175に接続される。
【0027】
ヘッドレール102は、ローラ126を支持してよく、パネル104は、窓、ドア枠などの建築上の特徴部を覆うように、またはその範囲内でローラ126に結合されてよい。よってヘッドレール102は、建築上の特徴部の頂部の形状および寸法(例えば幅)と概ね一致してよい。一実施形態において第1および第2の支持部材118、120は、ローラ126に直接または間接的に、および好ましくはローラ126の外周に沿う種々の水平方向に延在する場所でローラ126に結合されることで、第1および第2の支持部材の互いに対する横方向の移動を実現する。すなわち第1および第2の支持部材118、120は、第1および第2の支持部材の垂直方向の伸張のレベル、ならびに完全に伸張したときのローラ126の回転の分量に概ね応じて、互いに向かっておよび/または互いから離れるように横方向に可動であるように構成される(例えば互いに対して横方向に最も近くなる、または互いから離れるように構成される)。一実施形態において、パネル104は、第1の支持部材118と第2の支持部材120の間に延在する、および好ましくはそこに結合された羽根要素112を含んでよい。
【0028】
覆い100は、建築上の特徴部を覆うまたはその範囲内でパネル104の高さを調整するためにパネル104の収縮と伸張を制御するための制御機構106を含んでよく、この制御機構は、透過される光の性質および特性、間から見る視野の特徴、パネル104の形状および/または美観的な性質を制御することができる。制御機構106は、ローラ126を回転させて、支持部材118、120を収縮させる、伸張させるおよび/または横方向に離すように構成されてよい。パネルが羽根要素を有する場合、制御機構106は、特定の実施形態において、第1および第2の支持部材118、120に対する羽根要素112の角度を成す配向を制御する場合もあり、これもやはり、そこを通って透過される光の性質および特性、間から見る視野の特徴、パネル104の形状および/または美観的な性質に影響を与える場合がある。一例において、制御機構106は、ローラ126の回転を制御するためのシステムまたは機構、例えば電気モータを含む場合があり、これは、ユーザによって手動で、または事前にプログラミングされたもしくはプログラム可能なソフトウェア制御装置、例えばリモート制御装置を介して制御されてよい。代替および/または追加として、制御機構106は、ローラ126を回転させるためのひも108を含む場合もあり、滑車109、直接駆動構成、歯車列および/またはクラッチ機構を含んでよい。
【0029】
図1Dに示されるように、第1および第2の支持部材118、120は、それらがローラ126から巻き戻されると、揃って垂直方向に移動して、重力の影響を受けて伸張しローラ126から垂れることができる。パネル104は、支持部材がローラ126から完全に巻き戻され、互いに概ね平行であり互いに隣接する際、図1Cに示されるような完全に伸張された閉鎖位置を有する。パネルが羽根要素を含む場合、パネルが完全に伸張された閉鎖位置にあるとき、羽根要素は概ね、それらが概ね垂直方向の位置に延在する閉鎖位置にある。ローラ126を、図1Cに示される完全に伸張された閉鎖位置からさらに回転させることで、図1A図1Bに示されるように第1の支持部材118および/または第2の支持部材120を完全に伸張された開放位置に至るまで横方向または水平方向に互いから離れるように移動させ、この場合支持部材は、概ね垂直方向で平行であるが、もはや互いに隣接していない。このようなさらなる移動は、第1および第2の支持部材118、120を異なる垂直方向に移動させることができる。パネルが羽根要素を含む場合、パネルが図1A図1Bに示されるような完全に伸張された開放位置にあるとき、羽根要素は概ね開放位置にあり、この場合はそれらは概ね水平方向の位置に延在する。
【0030】
支持部材の望ましくない動きを妨げるおよび/または阻止するローラおよびヘッドレールの設計が、覆いにおいて望ましい場合がある。例えば支持部材の望ましくない動きを妨げるおよび/または阻止することは、底部レール部材と、建築上の特徴部の底部の間に隙間が形成されるのを妨げるおよび/または阻止する場合がある。よって本明細書にさらに記載される開示の種々の態様によって、完全に伸張された位置において建築上の特徴部の底部に対して底部レール部材の水平面を維持することが可能な覆いシステムが開示される。加えて、支持部材が完全に伸張された位置にあるとき、支持部材に対してほぼ直交する向きへの羽根要素のより大きな横方向の伸張を許すことが可能なローラおよび支持部材の構成も本明細書に開示されている。
【0031】
図2を参照すると、本開示の一態様による、ローラ式の覆いシステム200(図3A図3Cに示される)と関連して使用するための区分化されたローラ機構の選択された構成要素の詳細が示されている。覆いシステム200は、ヘッドレール102の一端と対応付けられた端部キャップ151を含む。端部キャップ151は、前方面153、後方面152、および端部キャップ151の底部181にわたって横方向かつ水平方向に延在する軌道154を有する。軌道154は、前方セクション156と、停止セクション155とを含む。図2図3Cに関して本明細書にさらに記載されるように、軌道154は、覆いが完全に伸張された位置に到達したとき、フラッパー部分163と対応付けられ、そこから延出するピン168がその上を進むことが可能であるガイドを形成するように構成されている。一実施形態において、停止セクション155は、少なくとも頂部面157が軌道154の水平面から離間され、それと平行になるように、軌道154の水平面からの概ねL字形の伸張部として形成されてよい。停止セクション155の頂部面157は、フラッパー部分163と対応付けられたピン168のための止め具を形成するようにサイズが決められ、成形されてよい。別の実施形態において、内部の制限ナットおよび制限ねじシステム(以下で図4に関して示され記載されるものと同様の)を利用して止め具を形成する場合もある。追加および/または代替として、前方セクション156が、湾曲したリップセクションを形成することで、覆いが完全に伸張された位置にあるとき、ピン168が軌道153の水平面に向かって、および/またはこの水平面から徐々に進むことを可能にする場合もある。停止セクション155および前方セクション156は、特定の形状、構成、サイズおよびローラ126との関係を有するように示され例示されているが、軌道154に関して他の形状、サイズおよび構成が利用される場合もあることを理解されたい。覆いシステム200は一般に、一実施形態において2つの端部キャップを取り入れており、少なくとも1つの端部キャップ151が軌道154を組み込む。本開示の一態様によると、端部キャップ151は好ましくは、覆いの制御機構106の反対側に配置された端部キャップである。しかしながら本開示の別の態様では、2つの端部キャップが両方とも軌道154を組み込む場合もある。
【0032】
なおも図2を参照すると、端部キャップ151から内向きに固定式のハブ184が延出しており、これを覆うようにしてブシュ166が端部キャップ151に対して回転する。ブシュ166は、そこから延出する1つまたは複数の半径方向に延在するリブまたは突起167を有してよく、これがローラ126に係合する。よってブシュ166は、端部キャップ151に対するローラ126の回転運動を可能にし、これによりパネル104(図1A図1Dに示される)がヘッドレール102に対して伸張および/または収縮することを可能にする。ローラ126は本体部分160と、フラッパー部分163とで形成される。本明細書でさらに詳細に記載されるように、フラッパー部分163は、完全に伸張された位置にあるとき、またはその位置に近いときの覆いの操作中に本体部分160から離れるように枢動する(すなわち、はためく)ように構成されたローラ126の区分化された部分である。例示し易くするために、ローラ126およびローラ126の全ての機構は上部が切り取られた形態で示されている。ローラ126およびローラ126の対応付けられた機構は、覆いをその幅全体にわたって支持するために、覆いシステムの概ね幅全体に延在するように構成されることを理解されたい。
【0033】
図2の例示される実施形態において、参照し易くするためにローラ126(またはより詳細には、ローラ126の上部が切り取られた一部)は、そこに結合された第1および第2の支持部材118、120両方のそれぞれの近位端がない状態で示されている。本体部分160は、第1の支持部材118の近位端を保持するようにサイズが決められ成形されたパッキン抑え171を含み、フラッパー部分163は、第2の支持部材120の近位端を保持するように同様にサイズが決められ成形されたパッキン抑え172を含んでいる。しかしながら第1の支持部材118および/または第2の支持部材120の両方のそれぞれの近位端が、代替の結合手段を介してローラ126に結合される場合もあることを理解されたい。本体部分160はまた、引っ込み部分183を有する場合もあり、これは、覆いが少なくともある程度収縮された(すなわち完全には伸張されていない)構成にあるとき、フラッパー部分163の少なくとも一部の構造上の機構および形状のための空間を提供することができる。この点において、本体部分160の外側面とフラッパー部分163の外側面は、覆い材料が巻き付けられる、またはその上に巻き上げられる面を提供し、好ましくは実質的に円周方向の円筒形の面を形成する。
【0034】
フラッパー部分163は、それぞれの枢動継ぎ手端部164、165を中心として本体部分160に枢動可能に結合される。図2に示されるように、枢動継ぎ手端部164、165は、歯車継ぎ手として結合されてよく、それぞれの歯車の歯181、182が噛み合うことで、フラッパー部分163を本体部分160に対して枢動させることを可能にする。C字形ブラケット173が、それぞれの枢動継ぎ手端部164、165の周りに延在することで、フラッパー部分163が本体部分160から伸張式に離れるように枢動することを可能にしつつ、フラッパー部分163を本体部分160に対応付ける、および好ましくは結合させることができる。フラッパー部分163は、本体部分160から0度から180度離れて枢動することが可能であるように構成されてよく、また本開示の一態様によると、フラッパー部分163がさらなる枢動運動を制限される前に、本体部分160から150度離れて枢動する場合がある。他のタイプの継ぎ手は、フラッパー部分163の枢動範囲を制限する場合があるのに対して、枢動継ぎ手端部164、165をそのような方法で歯車継ぎ手として構成することによって、このような拡大された枢動範囲を可能にする。しかしながら本開示の他の態様によると、枢動継ぎ手端部164、165は、玉継ぎ手などの任意の他のタイプとして構成される場合もある。さらに単一の枢動継ぎ手が、フラッパー部分163と本体部分160の間に形成される場合もある。
【0035】
図3A図3Cを参照すると、図2の区分化されたローラ機構を利用する覆いシステム200の一部の側面図が示されている。当業者は、これらの図面は縮尺通りではないこと、さらに図3A図3Cに示される側面図は単なる説明および例示の目的のためであり、よって覆いシステム200にある各々および全ての要素および/または特徴を示しているわけではないことを認識するであろう。上記に記載した覆い100の場合のように、覆いシステム200は、ヘッドレール102、第1の支持部材118、第2の支持部材120およびそれぞれの支持部材118、120の間に結合された複数の羽根112を含む。ローラ126は、そこから延出する複数の半径方向に延びるリブ167を有するブシュ166を概ね取り囲んでおり、これに結合されてよく、ブシュ166が、ヘッドレール102の端部キャップ151に回転可能に結合されることで、ヘッドレール102に対するローラ126の回転運動を可能にする。
【0036】
図2および図3Aに示されるように、ローラ126は、ブシュ166を部分的に取り囲む本体部分160と、本体部分160と対応付けられ、好ましくはそれに対して枢動可能に結合されたフラッパー部分163とを備える複数部品の構成要素として形成される。第1の支持部材118の頂端部161は、本体部分160と対応付けられ、および好ましくはそこに結合され、第2の支持部材120の頂端部162は、フラッパー部分163に対応付けられ、および好ましくはそこに結合される。それぞれの頂端部161、162は、任意の好適な装着手段を介して本体部分160およびフラッパー部分163に結合されてよい。第1の支持部材118が本体部分160に結合される場所は、第2の支持部材120がフラッパー部分163に結合される場所から円周方向に離間されており、それぞれの支持部材118、120は、直接または間接的に結合されてよい。例えばパッキン抑えまたはリブ171、172が、それぞれの本体部分160およびフラッパー部分163の各々に形成されてよく、パッキン抑えまたはリブ171、172は、その中に支持部材118、120のそれぞれの頂端部161、162を収容するようにサイズが決められ成形されている。本開示の一部の態様において、材料のストリップ(例えばプラスチックのストリップ)が、その中にそれぞれの頂端部161、162を保持するためにパッキン抑えまたはリブ171、172の中にしっかりと嵌合するようにサイズが決められ成形される場合がある。第2の支持部材120の頂端部162は、任意の場所でフラッパー部分163と対応付けられてよい。しかしながら、ローラ126から離れるように延在する、枢動継ぎ手端部164と反対側のフラッパー部分163の一端において、またはその付近で第2の支持部材120の頂端部162を対応付けることが恐らく好ましい。
【0037】
第1および第2の支持部材118、120両方の底端部は、底部レール110に対応づけられ、および好ましくはそこに結合されてよい。本開示の一部の態様では、複数の羽根112が「開放」構成にあるとき、底部レール110は第2の支持部材120の底端部に保持され、第1の支持部材118は底部レール110から横方向に離される。他の態様では、底部レール110は、第1または第2の支持部材118、120の一方に直接結合される場合もある。しかしながら本開示の他の代替の態様では、底部レールの前方部分が第1の支持部材118と垂直方向に一直線になり、底部レールの後方部分が第2の支持部材120と垂直方向に一直線になるように、底部レールが、第1および第2の支持部材118、120両方の遠位端に結合される(およびその間にまたがる)場合もある。
【0038】
なおも図3Aを参照すると、覆いシステム200は、覆いが面180(例えば窓敷居)に対してその完全に伸張された位置に到達しているが、複数の羽根112は、「閉鎖」位置に保持されている構成において示されている。いくつかの実施形態では、面180は、物理的な構造体(例えば窓敷居または他の有形の構造体)である場合もあることに留意されたい。しかしながら、例えば覆いシステム200が建築上の開口部からずらされて、および/またはその外側になるように設置される構成などの他の実施形態では、面180は、例えば窓敷居、窓の底部などからずれているが、それらと直線上に並ぶ領域など、非物理的な面を表す場合もある。よって本明細書で言及される面180は、物理的な面に限定されず、パネル140のための所定の停止点または伸張の長さを含む場合もある。
【0039】
図3Aに示される構成では、第1の支持部材118の少なくとも一部が、フラッパー部分163の上になおも位置しているため、本体部分160とフラッパー部分163が協働して実質的に円筒形のローラを形成し、これによりフラッパー部分163が本体部分160に対して枢動するのを阻止する。示されていないが、第1および第2の支持部材118、120(および結合された羽根112)がヘッドレール102の中に格納される際も、本体部分160およびフラッパー部分163は同様に協働して実質的に円筒形のローラを形成する。
【0040】
しかしながら図3Bを参照すると、ローラ126が、覆いの完全に伸張された位置において反時計周りに(図3Bに示される図面に関して)さらに回転される際、第1の支持部材118(および/または第2の支持部材120)は、もはやフラッパー部分163の上にはないため、フラッパー部分163が枢動継ぎ手端部164を中心として下方にかつ本体部分160から離れるように枢動することを可能にする。フラッパー部分163は、枢動継ぎ手端部164と概ね反対側の端部領域から突出するピン168(または他の突出部)を含み、フラッパー部分163が重力の影響を受けて本体部分160から離れるように枢動する際、ピン168は軌道154の湾曲したセクション156に接触し、これによって誘導される。軌道154は、端部キャップ151の前方面153と後方面154の概ね間で端部キャップ151の底部セクション181に沿って延在している。いくつかの実施形態において、軌道154は、ピン168が進むことができるガイド面を提供するために、ローラ126に対して内側に突き出している。他の実施形態において軌道154は、例えば溝などとして形成されるなど他の突出しない形態で端部キャップ151内に構成される場合もある。図2に関して上記に詳細に記載したように、軌道154は、ピン168が軌道154に向かって下がる際、ピン168を軌道154の水平部分に向かって下方に徐々に誘導するための前方セクション156を有してよい。前方セクション156はまた、ローラ126が反対方向(すなわち時計周り)に回転される際、ピン168を上向きに誘導する(およびフラッパー部分163を上向きかつ内向きに枢動させる)ことになる。ローラ126が反時計周り方向に継続して回転される際、ピン168は、端部キャップ151の後方面152の方向で軌道154に沿って直線状にかつ水平方向に自由に摺動することができる。第2の支持部材120がピン168の付近で、またはピン168にほぼ隣接してフラッパー部分163に結合されるため、ローラ126の継続する回転が、第2の支持部材120を後方面152の方向で第1の支持部材120から横方向に離すことを可能にし、これにより複数の羽根112を少なくともある程度開放する。
【0041】
なおも図3Bを参照すると、軌道154は、端部キャップ151の底部181に実質的に横方向かつ水平方向に延在するため、第2の支持部材120の頂端部162は、軌道154に沿って水平方向に進み、これにより、覆いを「開放」するためにローラ126が反時計方向に回転される際、第2の支持部材120(およびこれにより底部レール110)が固定され、かつ面180に対してほぼ一定の垂直方向の位置のままであることを可能にする。したがって、ローラ126の反時計周りの回転において底部レール110が端部キャップ151の後方面152の方向に横方向に進む間、枢動可能なフラッパー部分163が、第1の支持部材118に対する第2の支持部材120の水平方向の移動は許すが、ローラ126のさらなる回転運動に起因する第2の支持部材120のこれに対応する垂直方向の移動は制限するおよび/または阻止するため、回転中に面180に対する底部レール110の垂直方向の移動はほとんど生じない。よって底部レール110と、面180の間に望ましくない隙間が形成されるのが回避される、および/または阻止されてよく、底部レール110は、覆いが完全に伸張された位置に到達し、羽根が「開放」位置へと移動される際、固定されてよい。すなわちピン168が軌道154の水平面182に沿って摺動するため、第2の支持部材120が、これより下方に延出することがなく、均一の長さを維持し、羽根が閉鎖位置と開放位置の間を移動する際、底部レール110が、例えば面180に対して実質的に固定された、または一定の垂直方向の位置で固定されたままであることを可能にする。
【0042】
次に図3Cを参照すると、覆いシステム200が、「完全に開放した」構成で示されており、この場合支持部材118、120は、その最大距離において、またはそれに近い状態まで横方向に離間されている。図3Bに関して上記に記載したように、フラッパー部分163の端部にあるピン168は、ローラ126が反時計周り方向に回転される際、端部キャップ151の後方面152に向かって軌道154に沿って水平方向に摺動することが可能である。軌道154は、後方面152にまたはその付近に停止セクション155を含んでおり、これは、ローラ126が回転を続ける際のピン168の移動を制限することで、ローラ126のいかなる余分な反時計周りの回転も阻止するように作用している。ピン168が停止セクション155によって制限される、および詳細には、頂部面157がピン168の垂直方向の移動を妨げる場合(これはフラッパー部分163の垂直方向の移動も妨げる)、フラッパー部分163は、本体部分160に対してその最も遠い開放位置へと枢動される。しかしながらピン168と、停止セクション155が、ローラ126のさらなる反時計周りの回転を阻止するように相互に作用するため、第2の支持部材120および結合された底部レール110は、覆いシステム200の「完全に開放した」構成において面180より上のほぼ一定の高さを維持し、さらになお底部レール110と面180の間に望ましくない隙間が形成されるのを阻止する。さらにフラッパー部分163は、本体部分160から離れて枢動するように構成されているため、第2の支持部材120および底部レール110が、「完全に開放した」構成において実質的に面180に対して垂直方向に移動することはない。
【0043】
「完全に開放した」構成における底部レール110と面180の間の垂直方向の間隔を維持することに加えて、ローラ126のフラッパー部分163はまた、第1の支持部材118と第2の支持部材120の間の付加的な横方向の移動も可能にし、これにより支持部材118、120をさらに隔てることを可能にする。従来の覆いシステムとローラ構成の場合、第1の支持部材と第2の支持部材の間の横方向の移動は一般に、それぞれの支持部材の一部の頂端部が典型的には円筒形のローラの表面に沿って結合されるため、ローラ自体の直径に関して制限されることになっている。しかしながら覆いシステム200では、フラッパー部分163は、開放位置に枢動され、停止セクション155によって制限される際、図3Cに示されるように、ローラ126の本体部分160と、第2の支持部材120の頂端部162の間の距離に距離Aだけ横方向に延在する。加えて、第2の支持部材120の頂端部162は、フラッパー部分163によってローラ126より下の垂直方向の位置に保持されるため、ローラ126は、第1の支持部材118の頂端部161が実質的にローラ126に沿ったその最も前方の円周方向の場所にある特定の位置まで回転されてよく、第1の支持部材118と第2の支持部材120の間の横方向の間隔をさらに空けることを可能にする。第1の支持部材118と第2の支持部材120の間のそのような付加的な横方向の移動は、羽根112を徐々に水平な位置になるように引っ張るように作用することができ、このことは、羽根112の形状および美観的外見に影響を与え、光の進入とその間を通しての視界を拡大することを可能にすることができ、底部レール110と面180の間の垂直方向の間隔を変えずにそのように行われてよい。横方向の間隔Aおよびフラッパー部分のサイズを変更することによって、軌道の形状、羽根の材料および他の要因、覆いの形状および美観を変えることができる。
【0044】
次に図4を参照すると、本開示の別の態様による覆いシステム300の選択された構成要素の詳細が示されている。上記に記載した図2の場合のように、覆いシステム300の一部の要素は、例示の目的のために省略される、または上部が切り取られている。覆いシステム300は、ヘッドレール201の一端に対応付けられた端部キャップ251を含む。端部キャップ251は、前方面253と、後方面252とを有する。示されていないが、端部キャップ251の反対側でヘッドレール201の一端に第2の端部キャップが存在することを理解されたい。覆い、または覆いシステム300に対応付けられた他の機構を覆う、隠すおよび/または取り囲むために、前方の壁219が、それぞれの端部キャップの間で覆いシステム300の幅全体にわたって延在してよい。示されていないが、頂部および/または後方の壁もまた、覆いシステム300の幅全体にわたって延在してよい。
【0045】
ブシュ244は、端部キャップ251に対して回転するように構成される。ブシュ244を取り囲むのはローラ226であり、これは本体部分202と、フラッパー部分203とで形成される。ローラ226はブシュ244に結合され、ブシュ244およびローラ226は、ヘッドレール201に対して回転することができる。図示を容易にするために、ローラ226およびローラ226の特徴部の一部は、上部が切り取られた形態で示されている。ローラ226およびローラ226の特徴部の一部は、覆いの幅全体にわたって覆いを支持するために、概ね覆いシステムの幅全体に延在するように構成されることを理解されたい。
【0046】
ローラ226の部分図が、そこに結合された第1および第2の支持部材の両方のそれぞれの頂端部がない状態で図4に示されている。フラッパー部分203は、第2の支持部材の頂端部を保持するようにサイズが決められ成形されたパッキン抑え218を含んでよい。パッキン抑え218は、フラッパー部分203の一端に示されるが、他の場所に位置決めされる場合もある。本体部分202もまた、第1の支持部材の頂端部を保持するようにサイズが決められ成形された同様のパッキン抑え(図示せず)を含んでよい。フラッパー部分203はまた、可撓性のストラップ210の第2の端部224を保持するように構成された接続地点212を含んでおり、このストラップは、単に例示の目的のために接続地点212から切り離されて示されている。接続地点212は、パッキン抑え218に隣接して示されているが、フラッパー部分203に沿った様々な場所に位置決めされそこに構成されてよい。組み立て後の形態では、可撓性のストラップ210の一端224は、フラッパー部分203の接続地点212から延出し、カム機構208にあるカム面209の周りに巻き付き、その後延出し、他端211においてカム筐体206に接続される。可撓性のストラップ210は、以下に記載するようにフラッパー部分203の動作を制限するように作用する。
【0047】
固定式のカム機構208は、端部キャップ251に結合され、そこから延出するロッド部材220と対応付けられ、および好ましくはそこに結合される。ロッド部材220は好ましくは、端部キャップ251に非回転式に接続され、カム機構208は好ましくは、例えば止めねじなどによってロッド部材220に非回転式に接続される。カム筐体206は、ローラ226と連動してカム機構208を取り囲み、その周りで回転する。可撓性のストラップ210の第1の端部211は、カム筐体206に対応付けられ、および好ましくはそこに結合される。ローラ226が、カム筐体206を取り囲み、そこに結合される。ねじ山付きの制限ナット240もまたローラ226によって取り囲まれ、制限ナット240の外側面は、ローラ226の内側面と係合する。制限ナット240は、内側面に形成された不完全なねじ山を有するように構成され、この不完全なねじ山は、ローラ226内を通る固定された制限ねじ242にある相補的なねじ山機構と係合する。図4には示されないが、制限ナット240および制限ねじ242は共に、ローラ226の回転の分量を制限するためにそこに停止機構を含んでいる。覆いがローラ226上に巻き上げられる際、制限ナット240は、制限ねじ242にある止め具を横断し、そこから離れる。しかしながら覆いがローラ226から伸張されると、制限ナット240は、制限ねじ242にある止め具に向かって移動し、最終的にそれと接触することでローラ226の回転の分量を制限する。
【0048】
ローラ226の内部に、中心がずらされたカム面209を有する固定式のカム機構208が配設される。カム機構208は、ローラ226の回転と一緒に回転しないため、カム面209は、ローラ226の回転位置に関わらず静止したままである。しかしながらカム筐体206は、固定式のカム機構208をほぼ取り囲むように構成されており、カム筐体206は、ローラ226の内部に結合されることでローラ226と一緒に回転する。
【0049】
カム筐体206および制限ナット240が、ローラ226の中に挿入され、より具体的には、フラッパー部分203および本体部分202を収容する(およびフラッパー203が枢動することを許す)ようにサイズが決められ成形されており、このことが好ましくは、カム筐体206および制限ナット240を回転させるために、ローラ226をカム筐体206および制限ナット240と対応付ける。カム筐体206は、ロッド220に沿ったいずれかの場所に位置決めされてよく、2つ以上のカム筐体206および/またはカム機構208が利用される場合もある。
【0050】
図4に関して上記で考察したように、フラッパー部分203は、それぞれの枢動継ぎ手端部214、215を介して本体部分202に枢動可能に結合される。図4図5に示されるように、枢動継ぎ手端部214、215は、歯車継ぎ手として形成される場合もあり、それぞれの歯車の歯230、232が噛み合うことで、フラッパー部分203を本体部分202に対して枢動させることを可能にする。C字形ブラケット222が、それぞれの枢動継ぎ手端部214、215の周りに延在して、フラッパー部分203を本体部分202に結合することができ、その一方でなおもフラッパー部分203が、広範囲にわたって本体部分202から離れて枢動することを可能にしている。フラッパー部分203は、本体部分202から0度から180度離れて枢動することが可能であるように構成されてよく、かつ本開示の一態様によると、フラッパー部分203がさらなる枢動運動を制限されるまでは本体部分202から130度離れて枢動する場合がある。他のタイプの継ぎ手は、フラッパー部分203の枢動範囲を制限し得るのに対して、枢動継ぎ手端部214、215をそのような方法で歯車継ぎ手として構成することは、このように拡大された枢動範囲を可能にする。図5は、枢動継ぎ手端部214、215の各々にあるそれぞれの制限止め具234、236を示しており、これは、上記に開示したように本体部分202に対するフラッパー部分203の角度を成す配向をおおよそ130度までに有効に制限する。枢動継ぎ手端部214、215を歯車継ぎ手としてそのような方法で構成することは、このように拡大されるが、制限可能な枢動範囲を可能にすることができる。しかしながら、本開示の他の態様によると、枢動継ぎ手端部214、215は、玉継ぎ手などの任意の他のタイプとして構成される場合もある。さらに単一の枢動継ぎ手が、フラッパー部分203と本体部分202の間に形成される場合もある。
【0051】
次に図6A図6Cを参照すると、図4の区分化されたローラ機構を利用する覆いシステム300が示されている。当業者は、図6A図6Cに示される側面図が縮尺通りではなく、単に説明および例示の目的のためであり、よって覆いシステム300内に存在する各々のおよび全ての要素および/または特徴を示している訳ではないことを認識するであろう。上記に記載した覆い100および覆いシステム200の場合のように、覆いシステム300は、ヘッドレール201、第1の支持部材118、第2の支持部材120、およびそれぞれの支持部材118と120の間に結合された複数の羽根112を含んでいる。ローラ226が、ヘッドレール102の端部キャップ251に対して回転可能であることで、それぞれの支持部材118、120の伸張と収縮を可能にする。
【0052】
図6Aを参照すると、ローラ226は、本体部分202を備え、フラッパー部分203が、それぞれの枢動継ぎ手端部214、215を介して本体部分202と対応付けられる、好ましくはそこに枢動可能に結合される複数部品の構成要素として形成されている。第1の支持部材118の頂端部204は、本体部分202と対応付けられる、好ましくはそこに結合され、第2の支持部材120の頂端部205は、フラッパー部分203と対応付けられる、好ましくはそこに結合される。それぞれの頂端部204、205は、任意の好適な装着手段を介して本体部分202およびフラッパー部分203に結合されてよい。第1の支持部材118が直接または間接的にローラ226に結合される場所は、第2の支持部材120が直接または間接的にローラ226に結合される場所から円周方向に離間されている。例えばパッキン抑えまたはリブ218が、それぞれの本体部分202およびフラッパー部分203の中に形成されてよく、パッキン抑えまたはリブ218は、支持部材118、120のそれぞれの頂端部204、205をその中に収容するようにサイズが決められ成形されている。本開示の一部の態様では、材料のストリップ(例えばプラスチックのストリップ)が、それぞれの頂端部204、205をその中に保持するためにパッキン抑えまたはリブ218にしっかりと嵌合するようにサイズが決められ成形される場合もある。第2の支持部材120の頂端部205は、いずれかの場所でフラッパー部分203と対応付けられてよい。しかしながら、枢動継ぎ手端部214と反対側であり、ローラ226から離れるように延出するフラッパー部分203の一端において、またはその付近で第2の支持部材120を対応付けることが恐らく好ましい。
【0053】
第1および第2の支持部材118、120の両方の底端部は、底部レール110と対応付けられる、好ましくはそこに結合されてよい。本開示の一部の態様では、複数の羽根112が「開放」構成にあるとき、底部レール110は、第2の支持部材120に結合され、第1の支持部材118は、底部レール110から横方向に離れている。一実施形態において、底部レール110は、第1および第2の支持部材118、120のうちの一方のみに直接結合されてよく、第1または第2の支持部材の他方は、底部レール110に間接的にまたは直接結合されてよい。しかしながら、本開示の他の代替の態様では、底部レールの前方部分が第1の支持部材118と垂直方向に一直線になり、底部レールの後方部分が第2の支持部材120と垂直方向に一直線になるように、底部レール110が、第1および第2の支持部材118、120両方の底端部に結合される(およびその間にまたがる)場合もある。
【0054】
なおも図6Aを参照すると、覆いシステム300は、覆いが面180(例えば窓敷居、建築上の特徴部の最底部分からずれているが、それに隣接する領域)に対してその完全に伸張された位置にあるが、複数の羽根112は「閉鎖」位置に維持される構成で示されている。このような構成では、第1の支持部材118の少なくとも一部がまだフラッパー部分203の上に位置するため、本体部分202とフラッパー部分203が協働して実質的に円筒形のローラを形成し、これによりフラッパー部分203が本体部分202に対して枢動することを阻止している。示されないが、第1および第2の支持部材118、120(および結合された羽根112)がヘッドレール201の中に引っ込められるときも、本体部分202とフラッパー部分203は同じように協働して実質的に円筒形のローラを形成する。
【0055】
可撓性のストラップ210は、少なくとも一部がカム筐体206の中にあり、カム面209の周りに一部が巻き付いている(およびその上を摺動する)。カム筐体206が回転運動する際、第1の端部211が移動するように、可撓性のストラップ210の第1の端部211が、カム筐体206に枢動可能に結合される。一方、可撓性のストラップ210の第2の端部224は、ローラ226のフラッパー部分203の内側面上に位置する接続地点212に結合される。これにより可撓性のストラップ210は、カム筐体206の回転に対して第1の端部211において可動であり、第2の端部224においてフラッパー部分203の枢動運動に対して可動である。
【0056】
次に図6Bを参照すると、ローラ226が、覆いの完全に伸張された位置に向けて反時計周り方向(図6Bに関して)さらに回転される際、第1の支持部材118はもはやフラッパー部分203の上に位置していないため、フラッパー部分203が、重力の影響を受けて、下方にかつ本体部分202から離れるように枢動点214を中心に枢動することを可能にする。可撓性のストラップ210の第1の端部211は、カム筐体206の回転と比例して回転し、可撓性のストラップ210の第2の端部224は、フラッパー部分203の下向きの枢動運動によって引っ張られる。しかしながら、カム機構208のカム面209は、ローラ226が回転する際、静止したままであるため、可撓性のストラップ210は、フラッパー部分203が本体部分202から離れるように枢動する際、ピンと張るように引っ張られ、このことは、フラッパー部分203の枢動運動の大きさを制限するように作用する。フラッパー部分203の枢動運動の大きさは、ローラ226の回転の度合いに左右される。その後、第2の支持部材120は、接続地点212の付近で、または概ねそれに隣接して頂端部205においてフラッパー部分203に結合されているため、ローラ226の回転が継続されることによって、第2の支持部材120を後方面252の方向で第1の支持部材120から横方向に離し、これにより図6Bに示されるように複数の羽根112を少なくともある程度開放することを可能にする。
【0057】
フラッパー部分203の枢動運動に対するカム筐体206の相対的な回転運動のおかげで、覆いを「開放」するためにローラ226が反時計周り方向に回転される際に面180より上で底部レール110のほぼ一定の高さを維持するために、可撓性のストラップ210が第2の支持部材120(および底部レール110)の垂直方向の移動を制御することができる。したがって第2の支持部材120および底部レール110が反時計周りの回転において後方面252に向かって横方向に進む間、ストラップ210が、ピンと張り、フラッパー部分203(およびこれによりリブ218における第2の支持部材の接続地点)がさらに下に下がることを阻止することから、回転中の底部レール110の垂直方向の移動(または全体の移動)はほとんど生じることがなく、これにより底部レール110と面180の間に望ましくない隙間が形成されるのを回避する、および/または阻止する。
【0058】
図6Cを参照すると、覆いシステム300が、「完全に開放した」構成で示されており、この場合、複数の羽根112は、ほぼ水平の配向に保持されることで、光がその間を通過することを可能にする。図6Bに関して上記に記載したように、フラッパー部分203の端部に結合された可撓性のストラップ210が、ローラ226が反時計周り方向に回転される際の(図6Cに関して)フラッパー部分203の制御された枢動運動を可能にする。以下でさらに詳細に記載されるように、フラッパー部分203および本体部分202にあるそれぞれの枢動継ぎ手端部214、215は各々、制限止め具234、235(図5に示される)を含んでおり、これは、フラッパー部分203が所望される角度を成す位置を超えて枢動するのを阻止し、これによりローラ226のいかなる付加的な回転も阻止する。フラッパー部分203が、このような制限止め具が噛み合っている地点まで枢動したとき、フラッパー部分203は、本体部分202に対してその最も遠い開放位置まで枢動される。しかしながらフラッパー部分203は、本体部分202に対して外向きかつ下向きに開放し、第2の支持部材120の頂端部205もこれに比例して外向きかつ下向きに移動することから、第2の支持部材120およびそこに結合された底部レール110は、覆いシステム300の「完全に開放した」構成において面180より上のほぼ一定の高さを維持することにより、底部レール110と面180(またはずれた領域など)の間に望ましくない隙間が形成されるのを阻止する。
【0059】
「完全に開放した」構成において底部レール110と面180の間の垂直方向の間隔を維持することに加えて、ローラ226のフラッパー部分203はまた、第1の支持部材118と第2の支持部材120の間の付加的な横方向の移動も可能にする。上記に詳細に記載したように、従来の覆いシステムおよびローラ構成の場合、それぞれの支持部材の近位端が典型的には、円筒形のローラの面に沿って結合されるため、第1の支持部材と第2の支持部材の間の横方向の移動は、ローラ自体の直径に関して概ね制限されることになる。しかしながら覆いシステム300では、フラッパー部分203は、開放位置になるように枢動され、それぞれの枢動継ぎ手端部214、215において制限止め具によって制限される際、図6Cに示されるようにローラ226の本体部分202と、第2の支持部材120の頂端部205の間の距離に距離Bだけ横方向に延在する。第1の支持部材118と第2の支持部材120の間のそのような付加的な横方向の移動は、羽根112を次第に水平な位置になるように引っ張るように作用することができ、このことは羽根112の形状および美観的外見に影響を与え、光の進入とその間を通しての視界を拡大することを可能にすることができ、さらに底部レール110と面180の間の垂直方向の間隔を変えることもない。横方向の間隔Bおよびフラッパー部分のサイズを変更することによって、可撓性のストラップの長さ、羽根の材料および他の要因、覆いの形状および美観を変えることができる。
【0060】
上述の記載は、広い用途を有する。本明細書に開示される概念は、本明細書に記載され描かれるものの他に、多くのタイプの覆いパネルまたは日よけに適用することができることを理解されたい。同様に、本明細書に開示される概念は、本明細書に記載され描かれるものの他に、多くのタイプの覆いに適用することができることも理解されたい。例えばこの概念は、頂部レール、またはハンドル組立体を介して可動な任意の他のレールに等しく適用されてよい。任意の実施形態の考察は、単に説明のためのものであり、クレームを含めた本開示の範囲がこれらの実施形態に限定されることを示唆することは意図されていない。
【0061】
建築上の覆いおよび水平機構が多くの用途を有しており、これに限定するものではないが上述の実施形態および実施例など様々な方法で実装され得ることを当業者は認識するであろう。本明細書に記載される種々の実施形態の任意の数の特徴は、1つの実施形態になるように組み合わせられる場合もある。例えばフラッパー部分、軌道、カム筐体、可撓性のストラップなどの特定の要素の場所は変更される場合がある。本明細書に記載されるものの他に特徴を有する、または記載される特徴の全てを持たない場合もある代替の実施形態も可能である。機能性はまた、全体としてまたは一部が、現在知られている方法で、または知られるようになるために複数の構成要素の間で分散されてよい。
【0062】
上記に記載される実施形態に対して、広範な進歩的な概念から逸脱することなく変更が行われる場合もあることは当業者によって理解されるであろう。したがって、本発明は、開示される特定の実施形態に限定されるものではないが、本発明の趣旨および範囲の範囲内にある修正形態を網羅するように意図されていることを理解されたい。基本的な特徴が例示の実施形態において示され記載されているが、当業者によって、本発明の趣旨から逸脱せずに、建築上の覆いおよび水平機構の開示される実施形態の形態および詳細に省略、代替および変更が行われる場合もあることを理解されたい。さらに本発明の範囲は、当業者によって理解されるように、本明細書に記載される構成要素に対しての、従来より知られる変形形態および修正形態ならびに将来開発される変形形態および修正形態も網羅している。
【0063】
クレームにおいて、用語「備える(comprises/comprising)」は、他の要素、特徴またはステップの存在を除外するものではない。さらに、個別に列記されているが、複数の手段、要素、または方法ステップが、例えば単一のユニット、要素または部品によって実装される場合もある。加えて、個々の特徴は異なるクレームに含まれる場合もあるが、これらは、有利に組み合わされる場合もあり、異なるクレームにおいて個々にそれが包含するものは、特徴の特定の組み合わせが実現可能でない、および/または有利でないことを示唆するものではない。加えて、単数の指示語は、複数形を除外するものではない。用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、「第1の」、「第2の」などは、複数を除外していない。開示および/またはクレーム中の参照符号または参照文字は、明確にする例として提供されているだけであり、いずれにしてもクレームの範囲を限定するように解釈すべきではない。
【0064】
したがって本開示の例示の実施形態を本明細書に詳細に記載してきたが、その進歩的概念は、その他の方法で多様に具現化され利用される場合もあり、添付のクレームは、従来技術によって制限される場合を除いて、そのような変形形態も含むように解釈されるように意図されていることを理解されたい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図6C