(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】箱詰めシステム
(51)【国際特許分類】
B65B 57/06 20060101AFI20220801BHJP
B65B 5/06 20060101ALI20220801BHJP
B65B 57/20 20060101ALI20220801BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20220801BHJP
B65G 43/08 20060101ALN20220801BHJP
【FI】
B65B57/06
B65B5/06
B65B57/20
B65G47/46 H
B65G43/08 B
(21)【出願番号】P 2018169566
(22)【出願日】2018-09-11
【審査請求日】2021-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000208444
【氏名又は名称】大和製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹本 文彦
(72)【発明者】
【氏名】有本 直弘
(72)【発明者】
【氏名】池澤 和幸
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-171625(JP,A)
【文献】特開平09-104410(JP,A)
【文献】特開2012-035958(JP,A)
【文献】特開2017-154781(JP,A)
【文献】特開2009-062112(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 57/00
B65B 5/00
B65G 47/00
B65G 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品搬送コンベアによって順次供給される複数の物品を外装箱に収容して箱詰め品を順次生産する箱詰め装置と、
前記物品搬送コンベアから前記箱詰め装置へ供給される物品を排除することができる物品排除装置と、
制御装置と、
を備え、
前記箱詰め装置は、
外部から搬入される空の外装箱を一方向へ搬送して所定の停止位置で停止させるとともに、物品が収容された外装箱を前記停止位置から前記一方向へ搬送する外装箱搬送装置を有し、
前記外装箱搬送装置は、
外装箱を前記一方向へ搬送する箱搬送コンベアを有し、前記箱搬送コンベア上で前記停止位置よりも搬入側において外装箱を蓄積し、蓄積した外装箱を1個ずつ前記停止位置へ搬送するよう構成されるとともに、外装箱の蓄積個数がN個以上(Nは2以上の所定の整数)であるか否かを検出するための箱蓄積量検出センサを有し、
前記制御装置は、
前記箱蓄積量検出センサにより外装箱の蓄積個数がN個未満であることが検出されると、前記物品排除装置に前記箱詰め装置へ供給される物品を排除させるよう構成されており、
前記箱蓄積量検出センサは、
前記箱搬送コンベア上でN番目に蓄積された外装箱を検出するよう構成されており、
前記箱蓄積量検出センサを支持し、前記箱蓄積量検出センサの位置を前記箱搬送コンベアの搬送方向に手動で調整するためのセンサ位置調整機構と、
前記箱詰め品の品種を予め設定するための操作が行われる操作器と、
表示器と、
をさらに備え、
前記制御装置は、
前記箱詰め品の各々の品種に対応して前記N番目に蓄積された外装箱を検出するための前記箱蓄積量検出センサの適正位置を予め記憶しており、
前記操作器で予め設定される品種に基づいて前記箱蓄積量検出センサの適正位置を前記表示器に表示させるよう構成された、
箱詰めシステム。
【請求項2】
物品搬送コンベアによって順次供給される複数の物品を外装箱に収容して箱詰め品を順次生産する箱詰め装置と、
前記物品搬送コンベアから前記箱詰め装置へ供給される物品を排除することができる物品排除装置と、
制御装置と、
を備え、
前記箱詰め装置は、
外部から搬入される空の外装箱を一方向へ搬送して所定の停止位置で停止させるとともに、物品が収容された外装箱を前記停止位置から前記一方向へ搬送する外装箱搬送装置を有し、
前記外装箱搬送装置は、
外装箱を前記一方向へ搬送する箱搬送コンベアを有し、前記箱搬送コンベア上で前記停止位置よりも搬入側において外装箱を蓄積し、蓄積した外装箱を1個ずつ前記停止位置へ搬送するよう構成されるとともに、外装箱の蓄積個数がN個以上(Nは2以上の所定の整数)であるか否かを検出するための箱蓄積量検出センサを有し、
前記制御装置は、
前記箱蓄積量検出センサにより外装箱の蓄積個数がN個未満であることが検出されると、前記物品排除装置に前記箱詰め装置へ供給される物品を排除させるよう構成されており、
前記箱蓄積量検出センサは、
前記箱搬送コンベア上でN番目に蓄積された外装箱を検出するよう構成されており、
前記箱蓄積量検出センサを支持し、前記箱蓄積量検出センサを前記箱搬送コンベアの搬送方向に移動させるセンサ移動機構と、
前記箱詰め品の品種を設定するための操作が行われる操作器と、
をさらに備え、
前記制御装置は、
前記箱詰め品の各々の品種に対応して前記N番目に蓄積された外装箱を検出するための前記箱蓄積量検出センサの適正位置を予め記憶しており、
前記操作器で予め設定される品種に基づいて前記箱蓄積量検出センサの位置が前記適正位置となるように前記センサ移動機構を制御するよう構成された、
箱詰めシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記箱蓄積量検出センサにより外装箱の蓄積個数がN個未満である状態が所定時間継続して検出されたことを条件に、前記物品排除装置に前記箱詰め装置へ供給される物品を排除させるよう構成された、
請求項1または2に記載の箱詰めシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱詰め装置を備えた箱詰めシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の物品を段ボールケース等の外装箱の内部に収容する箱詰め装置が知られている。箱詰め装置では、例えば、ベルトコンベアで順次搬送されてきた物品を複数整列させて、この複数の物品を所定位置に配置された外装箱へ押し込むことにより、箱詰め品を生産するよう構成されている。
【0003】
このような箱詰め装置では、生産ラインの上流側の装置からベルトコンベアで搬送されてくる物品が搬送方向に対して大きく傾いたり、適当な間隔があいていなかったりすると、物品をうまく箱詰めできないという問題があった。このような問題を解決する方法として、特許文献1には、箱詰め装置の上流側に、物品を搬送するラインコンベアと、物品の搬送状態を検出する搬送状態検出装置と、物品の搬送状態に応じてエアーを吹き付けてラインコンベアから物品を排除するエアージェット装置とを備える構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、箱詰め装置では、空の外装箱が製箱装置からコンベアによって搬入されて、この外装箱に物品が収容されて搬出される。例えば、製箱装置の異常等によって、空の外装箱が一時的に搬入されなくなると、箱詰め装置で箱詰めができなくなる。この場合、箱詰め装置に箱詰めされる物品が供給され続けると、箱詰め装置の物品受け取り部で物品があふれて箱詰め装置に不具合が発生するので、物品を供給する上流側の装置を一時停止させることで従来対応していた。しかしながら、上流側の装置を一時停止させると、その後、上流側の装置を正常運転に復帰させるのに長時間を要する場合があり、大幅に稼働率が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、箱詰め装置への空の外装箱の供給が間に合わなくなった場合に稼働率の低下を小さくすることができる箱詰めシステムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のある態様に係る箱詰めシステムは、物品搬送コンベアによって順次供給される複数の物品を外装箱に収容して箱詰め品を順次生産する箱詰め装置と、前記物品搬送コンベアから前記箱詰め装置へ供給される物品を排除することができる物品排除装置と、制御装置と、を備え、前記箱詰め装置は、外部から搬入される空の外装箱を一方向へ搬送して所定の停止位置で停止させるとともに、物品が収容された外装箱を前記停止位置から前記一方向へ搬送する外装箱搬送装置を有し、前記外装箱搬送装置は、外装箱を前記一方向へ搬送する箱搬送コンベアを有し、前記箱搬送コンベア上で前記停止位置よりも搬入側において外装箱を蓄積し、蓄積した外装箱を1個ずつ前記停止位置へ搬送するよう構成されるとともに、外装箱の蓄積個数がN個以上(Nは2以上の所定の整数)であるか否かを検出するための箱蓄積量検出センサを有し、前記制御装置は、前記箱蓄積量検出センサにより外装箱の蓄積個数がN個未満であることが検出されると、前記物品排除装置に前記箱詰め装置へ供給される物品を排除させるよう構成されている。
【0008】
この構成によれば、箱詰め装置に供給される外装箱の蓄積個数がN個未満に減少した状態が所定時間継続すると、物品排除装置によって箱詰め装置へ供給される物品を排除させるようにしているので、物品を供給する上流側の装置を一時停止させなくて済む。よって、箱詰め装置への空の外装箱の供給が間に合わなくなった場合に、正常運転に復帰させるのに長時間を要する上流側の装置を一時停止させる場合に比べて、稼働率の低下を小さくすることができる。
【0009】
前記制御装置は、前記箱蓄積量検出センサにより外装箱の蓄積個数がN個未満である状態が所定時間継続して検出されたことを条件に、前記物品排除装置に前記箱詰め装置へ供給される物品を排除させるよう構成されていてもよい。
【0010】
この構成によれば、上記の所定時間を、外部から搬入される外装箱が一時的に途切れて搬送されてくる場合を考慮して設定することにより、物品排除装置による物品の排除を少なくできる。
【0011】
前記箱蓄積量検出センサは、前記箱搬送コンベア上でN番目に蓄積された外装箱を検出するよう構成されており、前記箱蓄積量検出センサを支持し、前記箱蓄積量検出センサの位置を前記箱搬送コンベアの搬送方向に手動で調整するためのセンサ位置調整機構と、前記箱詰め品の品種を予め設定するための操作が行われる操作器と、表示器と、をさらに備え、前記制御装置は、前記箱詰め品の各々の品種に対応して前記N番目に蓄積された外装箱を検出するための前記箱蓄積量検出センサの適正位置を予め記憶しており、前記操作器で予め設定される品種に基づいて前記箱蓄積量検出センサの適正位置を前記表示器に表示させるよう構成されていてもよい。
【0012】
この構成によれば、作業者が箱詰めシステムの運転開始前に、操作器を操作して箱詰め品の品種の設定を行うと、品種に応じた箱蓄積量検出センサの適正位置が表示器に表示されるので、それを見て、センサ位置調整機構を操作して箱蓄積量検出センサの位置を適正位置に調整することができる。よって、作業者は、品種に応じて箱蓄積量検出センサの位置の調整を容易に行うことができ、箱詰め品の品種が変更されるときの利便性を向上できる。
【0013】
前記箱蓄積量検出センサは、前記箱搬送コンベア上でN番目に蓄積された外装箱を検出するよう構成されており、前記箱蓄積量検出センサを支持し、前記箱蓄積量検出センサを前記箱搬送コンベアの搬送方向に移動させるセンサ移動機構と、前記箱詰め品の品種を設定するための操作が行われる操作器と、をさらに備え、前記制御装置は、前記箱詰め品の各々の品種に対応して前記N番目に蓄積された外装箱を検出するための前記箱蓄積量検出センサの適正位置を予め記憶しており、前記操作器で予め設定される品種に基づいて前記箱蓄積量検出センサの位置が前記適正位置となるように前記センサ移動機構を制御するよう構成されていてもよい。
【0014】
この構成によれば、作業者が箱詰めシステムの運転開始前に、操作器を操作して箱詰め品の品種の設定を行うと、箱蓄積量検出センサの位置が品種に応じた適正位置に自動的に調整される。よって、品種に応じた箱蓄積量検出センサの位置の作業者による調整操作が不要になり、箱詰め品の品種が変更されるときの利便性をより向上できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上に説明した構成を有し、箱詰め装置への空の外装箱の供給が間に合わなくなった場合に稼働率の低下を小さくすることができる箱詰めシステムを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1(A)は、本実施形態の箱詰めシステムの一例の概略を示す平面図であり、
図1(B)は、同箱詰めシステムの一例の概略を示す正面図である。
【
図2】
図2は、箱詰め装置の一例の内部構成を示す概略斜視図である。
【
図3】
図3は、外装箱搬送装置等の一例を側方から視た概略図である。
【
図4】
図4は、箱詰めシステムの制御系統の概略構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、箱蓄積量検出センサのセンサ移動機構の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。また、本発明は、以下の実施形態に限定されない。
【0018】
(実施形態)
[全体構成]
図1(A)は、本実施形態の箱詰めシステムの一例の概略を示す平面図であり、
図1(B)は、同箱詰めシステムの一例の概略を示す正面図である。
【0019】
本実施形態の箱詰めシステムは、箱詰め装置100と、物品搬送コンベア400から搬送されてきた物品を箱詰め装置100へ供給するとともに物品を選択的に排除することが可能な物品排除装置300等を備えている。生産ラインの上流側の装置(例えば包装機等)から物品搬送コンベア400へ物品Wが順次供給され、その物品Wが物品搬送コンベア400によって箱詰めシステムへ搬送されてくる。
【0020】
[物品排除装置の構成]
物品排除装置300は、ベルトコンベア302と、エアージェット装置301と、物品状態検出センサ303と、を有している。ベルトコンベア302及びエアージェット装置301は、制御装置30(
図4)によって制御され、物品状態検出センサ303の出力信号は、制御装置30に入力される。本実施形態では、ベルトコンベア302は、物品Wの搬送速度が一定になるように制御されている。
【0021】
エアージェット装置301は、エアーを吹きつけて物品Wをベルトコンベア302から排除する機能を有している。エアージェット装置301は、エアーノズル301aと、エアーバルブ301bとを有している。エアーノズル301aの排出口は、水平方向に長い形状を有しており、また、ベルトコンベア302の上方に向かって開口している。そのため、エアーノズル301aからエアーが放出されると、そのエアーはベルトコンベア302上を物品Wの搬送方向と直角の方向へまっすぐに吹き抜けることになる。エアーバルブ301bは、いわゆる電磁バルブであって、その開閉は制御装置30(
図4)によって制御されている。エアーバルブ301bを開くと、エアーノズル301aから圧縮空気が排出される。なお、必要により、物品Wの搬送路の下方からエアーを排出して物品Wを浮かせ、物品Wを排除しやすいようにしてもよい。
【0022】
物品状態検出センサ303は、例えば、投光部303a及び受光部303bを備えた光電センサで構成することできる。投光部303aは物品搬送コンベア400とベルトコンベア302との隙間の上方に配設され、受光部303bは投光部303aに対向するようにして物品搬送コンベア400とベルトコンベア302との隙間の下方に配設されている。なお、投光部303a及び受光部303bは、いずれも搬送方向に直角な方向において、ベルトコンベア302の中央付近に位置している。投光部303aから投光された光(以下、「検出光」という)は、物品搬送コンベア400とベルトコンベア302の間を抜けて投光部3bに受光される。つまり、物品Wの搬送路と物品状態検出センサ303の光軸とは交差している。受光部303bが投光部303aの投光した検出光を受光していない場合には、投光部303aと受光部303bの間に物品Wが介在していると判断される。
【0023】
制御装置30は、物品状態検出センサ303の検出信号を入力し、検出光が物品Wによって遮られた時間(物品Wの検出を示す検出信号の継続時間)に基づいて物品Wの搬送方向に対する傾きの程度を算出し、搬送方向に対する傾きの程度が一定以上である物品Wに対して、エアーノズル301aからエアーを吹きつけてベルトコンベア302から排除するようエアージェット装置301を制御する。さらに、制御装置30は、検出光が物品Wによって遮られた時間に基づいて相前後する物品Wの間の距離を算出し、前後で接する両物品Wに対しては、両物品Wの全体にエアーを吹きつけて両物品をベルトコンベア302から排除するようエアージェット装置301を制御する。また、相前後する物品Wの間の距離が許容範囲未満の場合には、相前後する物品Wのいずれか一方または両方の物品Wに対して、エアーを吹きつけてベルトコンベア302から排除するようエアージェット装置301を制御する。
【0024】
上記のように、物品排除装置300は、箱詰め装置100へ供給される物品Wの搬送状態に応じてエアージェット装置301によって選択的に物品Wを排除することにより、箱詰め装置100において、物品Wの外装箱110への箱詰め(収容)を正常に行うことが可能になる。なお、物品排除装置300は、エアージェット装置301に代えて、ダンパー、プッシャー等種々の装置を利用して構成することもできる。
【0025】
[箱詰め装置の構成]
図2は、箱詰め装置100の一例の内部構成を示す概略斜視図である。
【0026】
本実施形態の箱詰め装置100は、例えば食品が袋詰め又は箱詰めされた複数の物品Wを整列させた状態で外装箱110に収容して箱詰め品を順次生産する装置である。この箱詰め装置100において、便宜上、前後左右を
図2に示すように決めて説明する。なお、
図2に示す上下は真である。
【0027】
この箱詰め装置100は、供給コンベア200と、供給コンベア200から順次供給される物品Wを複数(所定個数)整列させて所定の整列位置Tまで搬送する整列コンベア6と、押出しプレート70の押出し動作によって整列コンベア6の整列位置Tから複数の物品Wを整列状態で一対の床板11上の物品載置位置Aへ押し出す押出し装置7と、物品載置位置Aへ押し出された複数の物品Wからなる物品群と当接するストッパプレート17と、物品載置位置Aへ押し出された物品群を押出方向から押さえることによってストッパプレート17とともに物品群を位置決めする(姿勢を整える)押さえ装置18と、物品載置位置Aへ押し出された物品群を押出方向と直交する水平方向から挟圧する挟圧装置8と、物品群が載置されている一対の床板11を開閉する床開閉装置10と、物品群を外装箱110に押し込む押込み装置9と、床板11の下方において外装箱110を昇降させる外装箱昇降装置21と、外装箱110を搬送する箱搬送コンベア22を有する外装箱搬送装置20と、箱詰め装置100を含む箱詰めシステム全体の動作を制御する制御装置30と、操作表示器50と、箱詰め装置100の各構成要素を所定の位置に支持する枠体1と、を有している。また、箱詰め装置100には、作業者に異常を知らせる警報器(ブザー、回転灯等)も備えている。この警報器は、操作表示器50に含まれて構成されていてもよい。
【0028】
[供給コンベア]
供給コンベア200は、例えばベルトコンベアによって構成され、物品排除装置300のベルトコンベア302から順次供給される物品Wを搬送して整列コンベア6へ供給する。
【0029】
[整列コンベア]
整列コンベア6は、複数の物品Wを立てた状態で1列に整列させるものであり、複数の物品Wを一方向(
図2では左から右に向かう方向)に搬送する無端軌道60と、無端軌道の搬送面60aに搬送方向に間隔を隔てて設けられた複数のフィン(仕切板)61とを有している。複数のフィン61によってフィン61間の無端軌道60上に物品Wを収容できる収容部62が複数連なって形成される。
【0030】
無端軌道60は、4本の環状ベルトが一対のスプロケット63によって支持されている。4本の環状ベルトは2本ずつに分かれて第1ベルト群64及び第2ベルト群65を構成している。第1ベルト群64及び第2ベルト群65にはそれぞれ、フィン61が複数装着されている。第1ベルト群64は、一方のスプロケット63によって回転駆動され、第2ベルト群65は、他方のスプロケット63によって回転駆動される。一対のスプロケット63のそれぞれは、別々のモータによって駆動される。これによって、第1ベルト群64及び第2ベルト群65を互いに独立して循環駆動することができ、一方のベルト群が暫時停止を繰り返しながら物品取り込み位置Sにおいて収容部62に物品Wを受け入れる動作と、他方のベルト群が収容部62の物品Wを整列位置Tにおいて停止させた状態を保持する動作とを同時に行うことができる。
【0031】
また、整列コンベア6の上流側には、物品取り込み位置Sに移送されてきた物品Wを検出するために光電センサ等からなる物品取込検出センサ69が設けられている。整列コンベア6は、物品取り込み位置Sにおいて供給コンベア200から移送されてくる物品Wを順次受け取り、これら物品Wの姿勢を寝た姿勢から直立した姿勢に転換すると共に一列に整列し、整列位置Tへ搬送する。
【0032】
[押出し装置]
押出し装置7は、フィン61を避けるための複数のスリット71が形成された平板状の押出しプレート70を備えている。そして、押出しプレート70は、駆動装置(図示せず)の駆動力によってレール部材(図示せず)に案内されて、整列コンベア6の一方の側に沿って位置する退避位置(図示されている位置)と、整列コンベア6の他方の側の所定の進出位置との間で、水平方向に進出及び退避動作するように構成されている。押出しプレート70が、退避位置から進出動作(x方向へ移動)して進出位置まで進出することにより、整列コンベア6上に整列された複数の物品Wが通路部73を通って物品載置位置Aへ押し出される。なお、通路部73には、押し出された物品Wが散乱することを防止するために一対の案内板74が設けられている。
【0033】
したがって、整列位置Tに位置する一連の収容部62に収容された複数の物品Wは、押出しプレート70によってx方向へ押し出されて、整列コンベア6の搬送方向と同方向に整列した物品群となって、閉じた床板11上に設定された物品載置位置Aに載置される。
【0034】
[ストッパプレート]
ストッパプレート17は、進出位置に位置する押出しプレート70と対向するように枠体1に固定されて設けられている。したがって、押出しプレート70によって物品載置位置Aへ押し出された複数の物品Wは、ストッパプレート17と当接し、物品載置位置A上に一対の保持プレート80が対向する方向Yに整列した状態で載置される。
【0035】
[押さえ装置]
押さえ装置18は、押さえ部材19と、それを揺動動作させるためのサーボモータ等の駆動装置(図示せず)とを備えている。押さえ部材19は、それが実線で示された位置である押さえ位置と、この押さえ位置から押さえ部材19を整列コンベア6側に回動させた退避位置(二点鎖線で示された位置)との間を揺動するよう構成されている。
【0036】
押さえ部材19を二点鎖線で示す退避位置に位置させることにより、押出しプレート70の進退動作時における押出しプレート70との接触を回避することができる。一方、押出しプレート70の後退後において、押さえ部材19を押さえ位置に位置させることにより、押出しプレート70により押し出された物品群の上部側面を押さえ、ストッパプレート17とともに、物品載置位置Aに位置する物品群の各物品Wの幅方向の位置を整える。
【0037】
[挟圧装置]
挟圧装置8は、一対の保持プレート80を備えている。この一対の保持プレート80は、一対の床板11の上方において、一対の案内板74の延長線上に配置される。そして、押出しプレート70によって複数の物品Wが押し出されたときに、床板11の上には、押さえ位置に位置する押さえ部材19、ストッパプレート17及び一対の保持プレート80によって区画された領域が形成される。この領域が物品載置位置Aを構成する。
【0038】
各保持プレート80の背面には水平方向に延びる軸体81が設けられている。各軸体81は駆動装置(図示せず)によって、一対の保持プレート80が互いに近づく方向及び互いに遠ざかる方向に進退動作するように構成されている。一対の保持プレート80が互いに近づく方向に進出することによって、物品載置位置Aに位置する物品群がその整列方向Yから一対の保持プレート80の間に挟圧され、物品W同士を密着させることができる。
【0039】
[床開閉装置]
床開閉装置10は、整列コンベア6の側方に配設され、水平方向に延びる一対の床板11を備えている。一対の床板11は、その縁部が枠体1に配設された複数のローラに支持され、互いに対向する端面同士が接触及び離隔するようにして進退自在に構成されている。そして、一対の床板11は、駆動装置(図示せず)の駆動力により開閉駆動されるよう構成されている。一対の床板11が後退駆動されると、互いの端面同士が離隔された状態となり、物品載置位置Aの直下に開口が形成される(床板11が開放される)。
【0040】
[押込み装置]
押込み装置9は、鉛直方向に延びる軸体90と、軸体90の下端がその上面に接合された押込み部材91とを有している。軸体90は、枠体1に昇降自在に支持されている。そして、軸体90は、押込み部材91と共に駆動装置(図示せず)の駆動力により鉛直方向に昇降するように構成されている。この押込み装置9は、押込み部材91を下降させることにより、物品載置位置Aの物品群の上面を下方に押して同物品群を一対の保持プレート80の間から下方に脱出させて、開放した一対の床板11の間の開口を介して、床板11の下方の箱詰め位置Pに位置している外装箱110に押し込むことができる。また、本例では、押込み部材91の下面には、物品群の上面を吸着するための吸着口が設けられており、吸着機能を有している。
【0041】
[外装箱昇降装置]
外装箱昇降装置21は、外装箱110が載置される台座24と、台座24を昇降動作させる公知の昇降機構(図示せず)とを備えている。台座24は、箱搬送コンベア22の駆動ローラ22a間の隙間に埋没可能な複数の棒材24aと、各棒材24aを連結する連結材24bとを備えている。昇降機構によって、台座24は、棒材24aが駆動ローラ22a間の隙間に埋没した状態となる所定の下降位置と、所定の上昇位置との間で、昇降動作する。台座24が所定の上昇位置にあるときに、台座24上の外装箱110が所定の箱詰め位置Pとなるように構成されている。
【0042】
また、台座24には、エアシリンダ等からなる制止装置23が取り付けられている。制止装置23は、進退可能な棒体23aを備えており、台座24が下降位置において、棒体23aを搬送路へ進出させる(制止動作)ことにより、箱搬送コンベア22で搬送されてくる外装箱110を物品載置位置Aの下方の箱停止位置Uに停止(制止)させることができ、棒体23aを搬送路から退避させる(制止解除動作)ことにより、外装箱110を箱停止位置Uから下流側へ搬送させることができる。また、台座24には、外装箱110を検出する箱検出センサ25が取り付けられている。箱検出センサ25は、投光器及び受光器を内蔵した直接反射型の光電センサ等で構成されている。
【0043】
[外装箱搬送装置]
図3は、外装箱搬送装置20等の一例を側方から視た概略図である。
【0044】
外装箱搬送装置20は、箱搬送コンベア22と、箱搬送コンベア22のコンベアフレームに取り付けられた制止装置26、箱検出センサ27、箱蓄積量検出センサ40及びセンサ位置調整機構41と、箱押付け装置28と、前述の台座24に取り付けられた制止装置23及び箱検出センサ25と、を有している。
【0045】
箱搬送コンベア22は、多数の駆動ローラ22aを備えた駆動ローラコンベアであり、駆動ローラ22aによって外装箱110を一方向(y方向)へ水平搬送する。なお、
図1では、駆動ローラ22aの図示を省略している。
【0046】
箱搬送コンベア22には、箱停止位置Uよりも上流側(搬送方向yにおける上流側)において、そのコンベアフレームに、進退可能な棒体26aを備えた制止装置26及び箱検出センサ27が取り付けられている。制止装置26及び箱検出センサ27はそれぞれ、前述の制止装置23及び箱検出センサ25と同様、エアシリンダ、直接反射型の光電センサ等によって構成されている。
【0047】
さらに、箱検出センサ27よりも上流側に直接反射型の光電センサ等からなる箱蓄積量検出センサ40が配置されている。この箱蓄積量検出センサ40は、センサ位置調整機構41を介して箱搬送コンベア22のコンベアフレームに取り付けられている。
【0048】
センサ位置調整機構41は、箱蓄積量検出センサ40が取り付けられたセンサ支持ブロック42、スライドバー43、バー支持部材44及び適正位置表示部材TBとで構成される。バー支持部材44の下端がコンベアフレームに固定され、バー支持部材44の上部にスライドバー43の一端が固定されている。これにより、スライドバー43は、搬送方向yと平行方向に延びるように配置される。また、適正位置表示部材TBは、その一端がバー支持部材44に固定されて、スライドバー43と平行に配置されている。適正位置表示部材TBには、箱詰め品の複数の品種のそれぞれに応じた箱蓄積量検出センサ40の適正な位置を示す目印T1~T4が設けられている。
【0049】
センサ支持ブロック42は、スライドバー43を挿通する穴が設けられており、スライドバー43を挿通して、スライドバー43の長手方向(搬送方向yと平行方向)にスライド可能であるとともに、スライドバー43に固定及び固定解除可能に構成されている。例えば作業者は、センサ支持ブロック42のスライドバー43への固定を解除し、センサ支持ブロック42をスライドバー43に対してスライドさせて、例えば目印T1~T4のいずれかの位置に合わせて固定する。このようにセンサ位置調整機構41を操作することにより、箱蓄積量検出センサ40の位置(搬送方向yにおける位置)を適正な位置に設定することができる。
【0050】
箱蓄積量検出センサ40は、制止装置26より上流側に外装箱110が所定の最低蓄積個数以上、蓄積されているか否かを検出するためのものである。
図3の例では、外装箱110が3個以上、蓄積されているときは、箱蓄積量検出センサ40によって外装箱110が検出され、箱蓄積量検出センサ40から箱検出信号が制御装置30へ出力される。ここで、箱搬送コンベア22において制止装置26より上流側の領域が外装箱110の蓄積領域となっている。
【0051】
また、箱搬送コンベア22上に蓄積された外装箱110を1個ずつ箱停止位置Uへ送り出すために、押付け部28aを有する箱押付け装置28が設けられている。この箱押付け装置28は、制止装置26から数えて2番目に蓄積されている2番目の外装箱110に押付け部28aを押し付けるよう構成されている。押付け部28aが押付けられた外装箱110は、外装箱110を挟んで押付け部28aと対向配置された対向部材との間で挟持されて、駆動ローラ22aの回転にかかわらず、搬送停止状態を維持する。上記対向部材には、箱搬送コンベア22のコンベアフレームを用いるように構成してもよい。
【0052】
なお、このような箱押付け装置28に限らず、制止装置26から数えて1番目に蓄積されている1番目の外装箱110が、制止装置26による制止が解除されて箱停止位置Uに向けて搬送されたときに、2番目の外装箱110の搬送停止状態を一時的に維持できる構成を設けてあればよい。
【0053】
ここで、外装箱搬送装置20の動作の一例について説明しておく。この箱詰めシステムの運転中においては、箱搬送コンベア22は常時、搬送動作状態である。
【0054】
製箱装置では、上蓋が開口された状態の空の外装箱110が順次組み立てられて箱搬送コンベア22へ供給(搬入)される。このとき、制止装置26が棒体26aを進出させた制止動作状態であり、箱搬送コンベア22上の外装箱110は、制止装置26によって制止されて、制止装置26より上流側の箱搬送コンベア22上に順次蓄積される。そして、所定の最低蓄積個数(本例では3個)以上蓄積されると箱蓄積量検出センサ40のON状態(箱検出状態)が継続した状態となる。このとき、箱検出センサ27は当然ON状態(箱検出状態)である。
【0055】
この箱蓄積量検出センサ40及び箱検出センサ27がON状態のときに、台座24が下降位置になると、制御装置30は、先に箱詰めされた外装箱110を搬出するために制止装置23に制止解除動作(棒体23aを退避)させる。
【0056】
続いて、制御装置30は、箱押付け装置28を制御して押付け部28aを2番目の外装箱110に押付けた状態にして、1番目の外装箱110を搬送するために制止装置26に制止解除動作(棒体26aを退避)させるとともに、制止装置23に制止動作(棒体23aを進出)させる。
【0057】
なお、運転初期で台座24上に外装箱110がない場合には、台座24が下降位置で、制止装置23が制止解除状態、制止装置26が制止動作状態である。この場合、制御装置30は、箱蓄積量検出センサ40及び箱検出センサ27がON状態になると、押付け部28aを2番目の外装箱110に押付けた状態にして、1番目の外装箱110を搬送するために制止装置26に制止解除動作させるとともに、制止装置23に制止動作させる。
【0058】
次に、1番目の外装箱110が搬送され台座24上の制止装置23によって制止されて箱停止位置Uで停止する。このとき、箱検出センサ25がON状態になると、制御装置30は、制止装置26に制止動作させるとともに、押付け部28aによる押付け動作を停止させる。これにより、2番目の外装箱110が搬送されて制止装置26で制止され、1番目の外装箱110となる。
【0059】
そして、上記の箱停止位置Uで停止した外装箱110を箱詰め位置P(
図2)へ上昇(台座24を上昇位置まで上昇)させる。そして外装箱110に物品Wが収容された後、箱停止位置Uへ下降して(台座24が下降位置に下降)、上記動作が繰り返される。
【0060】
また、制御装置30は、運転開始から、箱蓄積量検出センサ40が一度ON状態になった後、OFF状態、すなわち外装箱の蓄積個数が最低蓄積個数(N個)未満の状態が第1の所定時間(例えば、数秒程度)の間、継続すると外装箱供給不足と判定する。その後、次に箱蓄積量検出センサ40のON状態が第2の所定時間(例えば、数秒程度)継続するまでの間、すなわち、外装箱供給不足と判定してから外装箱が少なくとも最低蓄積個数(N個)蓄積されるまでの間、物品排除装置300のエアージェット装置301を動作させて、エアージェット装置301からエアーを吹きつけて物品Wをベルトコンベア302から排除するよう構成されている。上記の第1の所定時間は、外装箱が一時的に途切れて搬送されてくる場合を考慮して設定している。
【0061】
なお、制御装置30が外装箱供給不足と判定した時には、本例では、箱詰め可能な外装箱がいくつか存在するので、外装箱供給不足と判定してから所定の遅延時間経過後に物品排除装置300によって物品Wを排除するようにしてもよい。
【0062】
また、制御装置30は、外装箱供給不足と判定した時には、警報器から警報を発するようにして、作業者に異常を知らせるようにしている。
【0063】
[制御系統]
図4は、箱詰めシステムの制御系統の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0064】
制御装置30は、例えば、CPU等の演算器を有する制御部31と、ROM及びRAM等のメモリを有する記憶部32とを備えている。制御部31には、物品状態検出センサ303及び物品取込検出センサ69から出力される物品検出信号が入力されるとともに、箱検出センサ25,27及び箱蓄積量検出センサ40から出力される箱検出信号が入力される。記憶部32には所定の制御プログラムが記憶されていて、制御部31が制御プログラムを読み出して実行することにより、制御装置30は、物品排除装置300、供給コンベア200、整列コンベア6、押出し装置7、挟圧装置8、押込み装置9、床開閉装置10、押さえ装置18、外装箱昇降装置21、箱搬送コンベア22、制止装置23,26、箱押付け装置28、操作表示器50及び警報器(図示せず)の各装置の動作を制御する。すなわち、制御装置30によって、箱詰め装置100を含む箱詰めシステム全体の動作が制御される。この制御装置30は、例えば、箱詰め装置100のラック内部に設置されている。なお、制御装置30は、集中制御する単独の制御装置で構成されていてもよいし、互いに協働して分散制御する複数の制御装置で構成されていてもよい。
【0065】
操作表示器50は、例えばタッチパネルディスプレイ等を用いて構成され、箱詰め装置の運転開始・停止等の操作およびその運転パラメータ等の設定を行うための操作器と、箱詰め装置の設定情報等をスクリーン(ディスプレイ画面)に表示する表示器とを備えている。制御装置30は、操作表示器50の操作器からの操作信号を入力するとともに、操作表示器50へその表示器に表示するデータ等の信号を出力する。
【0066】
[箱詰めシステムの動作]
次に、箱詰めシステムの動作の一例について説明する。この動作は、制御装置30の処理によって実現される。
【0067】
箱詰め装置100では、生産する箱詰め品の品種に応じて、使用する外装箱110の種類が決められている。すなわち、箱詰め品の品種に応じて、外装箱110の寸法が決まっており、外装箱110の最低蓄積個数をN個(Nは2以上の所定の整数)とすると、N番目に蓄積された外装箱110を検出するために適正な箱蓄積量検出センサ40の位置(適正位置)が決まる。なお、最低蓄積個数は、箱詰め装置100の能力(性能)、製箱装置の外装箱の供給能力、上流側装置の物品の供給能力等を勘案して決めることができる。
【0068】
作業者は、操作表示器50を操作して、生産する箱詰め品の品種を設定することができる。ここで設定された品種は制御装置30内の記憶部32に記憶される。また、記憶部32には、予め、複数の各品種に応じて、箱蓄積量検出センサ40を適正位置とするための適正位置情報が記憶されている。
【0069】
まず、作業者は、箱詰めシステムの運転開始前に、操作表示器50(操作器)を操作して、生産する箱詰め品の品種を設定する。この設定は、例えば、操作表示器50の操作によって、操作表示器50の画面に、生産可能な複数の品種名や品種番号を表示させて、その中から1つを選択操作することによって行うことができる。
【0070】
制御装置30は、操作表示器50の操作によって設定された品種に応じた箱蓄積量検出センサ40の適正位置情報を操作表示器50の画面(表示器)に表示させる。この適正位置情報は、適正位置表示部材TBに設けられた目印T1~T4のうちのどの目印かを示すことによって行われる。例えば、「右からx番目の目印の位置」と表示したり、目印に番号を付しておけば、「x番の目印の位置」と表示することができる。作業者は、この表示された目印の位置に箱蓄積量検出センサ40の位置が対応するようにセンサ位置調整機構41を操作して、箱蓄積量検出センサ40の位置を適正位置に設定する。
【0071】
この後、箱詰めシステムの運転が開始されると、包装機等の上流側の装置から物品搬送コンベア400へ物品Wが順次供給される。また、製箱装置で順次組み立てられた外装箱110が箱搬送コンベア22へ供給される。
【0072】
物品搬送コンベア400へ順次供給された物品Wは、物品搬送コンベア400から物品排除装置300のベルトコンベア302へ供給され、さらに、供給コンベア200を介して整列コンベア6へ供給される。制御装置30は、整列コンベア6を制御して、供給コンベア200より順次供給される物品Wを、所定個数、整列位置Tにおいて整列させる。
【0073】
次に、制御装置30は、押出し装置7を制御して、押出しプレート70を退避位置から進出位置に移動させることにより、整列位置Tにおいて整列した物品Wを床板11上へ押し出させる。そして、制御装置30は、押出しプレート70を進出位置から退避位置に戻す。これにより物品群が物品載置位置Aに整列状態で載置される。
【0074】
次に、制御装置30は、押さえ装置18を制御して、押さえ部材19を下方に揺動させて押さえ位置にし、押し出された物品群の上部側面を押さえさせる。これによって、各物品Wは、押さえ部材19及びストッパプレート17によって整列方向Yと直交する水平方向の両端部が揃った状態となる。
【0075】
次に、制御装置30は、挟圧装置8を制御して、一対の保持プレート80を互いに近づく方向にそれぞれ進出させる。これによって、物品群がその整列方向Yから挟圧されて物品W同士を密着させることができる。
【0076】
次に、制御装置30は、押込み装置9を制御して、吸着機能を有する押込み部材91を、挟圧された物品群の上面に接触するように降下させ、物品群の上面を吸着させる。これによって物品群が押込み部材91に保持される。
【0077】
次に、制御装置30は、床開閉装置10を制御して、一対の床板11を後退駆動させて床板11を開放状態にする。これによって、物品載置位置Aに位置する物品群の直下に開口部が形成される。
【0078】
一方、運転を開始させると、制御装置30は、箱搬送コンベア22に搬送動作を開始させ、上記の処理と並行して、外装箱配置処理を行っている。この外装箱配置処理では、予め制止装置23の棒体23aを進出させた制止動作状態にしており、箱搬送コンベア22で搬入されてきた外装箱110を箱停止位置Uに停止させる。そして、制御装置30は、箱検出センサ25から箱検出信号を入力すると、台座24を上昇させ、箱停止位置Uの外装箱110を箱詰め位置Pに位置させる。
【0079】
そして、前述のように床板11を開放状態にした後、制御装置30は、押込み装置9を制御して、物品群を吸着している押込み部材91を降下させることによって、箱詰め位置Pの外装箱110に物品群を押し込む。この際、物品群の両端の物品Wは保持プレート80表面上を滑り抜ける。
【0080】
次に、制御装置30は、押さえ装置18、挟圧装置8、押込み装置9、床開閉装置10などを元の状態に復帰させる。例えば、押さえ部材19を退避位置へ戻すとともに保持プレート80を後退させて元の位置へ戻す。また、押込み装置9は、押込み部材91の吸着機能を停止させた後、押込み部材91を物品群の形成位置の上方にまで上昇させる。この押込み部材91の上昇後、床板11を閉鎖する。
【0081】
また、これらの復帰させる処理と並行して、制御装置30は、台座24を下降させて物品群を収容した外装箱110を箱停止位置Uに位置させた後、制止装置23の棒体23aを搬送路から退避(制止解除動作)させて、箱搬送コンベア22の搬送動作によって外装箱110を箱詰め装置100から搬出する。
【0082】
そして、上記と同様の箱詰め動作が新たに繰り返される。なお、物品群を収容した外装箱110を搬出するために、外装箱搬送装置20において制止装置23に制止解除動作させた後は、前述したように外装箱搬送装置20の動作によって次の外装箱110が箱停止位置Uへ搬送されてくる。
【0083】
本実施形態では、箱詰め装置100に供給される外装箱の蓄積個数がN個未満に減少した状態が第1の所定時間継続すると外装箱供給不足と判定し、物品排除装置300によって箱詰め装置100へ供給される物品を排除させるようにしているので、物品を供給する上流側の装置を一時停止させなくて済む。よって、箱詰め装置100への空の外装箱の供給が間に合わなくなった場合に、正常運転に復帰させるのに長時間を要する上流側の装置を一時停止させる場合に比べて、稼働率の低下を小さくすることができる。
【0084】
なお、本実施形態では、外装箱が一時的に途切れて搬送されてくる場合を考慮して上記の第1の所定時間を設定することにより、物品排除装置300による物品を排除を少なくできるが、外装箱の蓄積個数がN個未満に減少した状態が検出されるとすぐに外装箱供給不足と判定し、物品排除装置300によって物品を排除させるように構成してもよい。
【0085】
また、本実施形態において、箱詰め装置100の後段の装置において異常が発生した場合にも、制御装置30の制御によって物品排除装置300(本例ではエアージェット装置301の作動)に物品を排除させて、警報器から警報を発するように構成してもよい。
【0086】
また、本実施形態では、作業者が箱詰めシステムの運転開始前に、操作表示器50を操作して箱詰め品の品種の設定を行うと、品種に応じた箱蓄積量検出センサ40の適正位置が操作表示器50の画面に表示されるので、それを見て、センサ位置調整機構41を操作して箱蓄積量検出センサ40の位置を適正位置に調整することができる。よって、作業者は、品種に応じて箱蓄積量検出センサ40の位置の調整を容易に行うことができ、箱詰め品の品種が変更されるときの利便性を向上できる。
【0087】
また、本実施形態では、箱蓄積量検出センサ40の位置を作業者が手動で調整することができるようにセンサ位置調整機構41を設けているが、これに代えて、自動で調整されるように構成してもよい。
図5は、箱蓄積量検出センサ40の位置を自動で調整するセンサ移動機構の一例を示す図である。
【0088】
このセンサ移動機構45は、箱蓄積量検出センサ40が上部に取り付けられたセンサ支持ブロック46、多位置形シリンダ47、案内バー48及び支持部材49a,49bとで構成される。
【0089】
外装箱110の搬送方向yに離れて支持部材49a,49bが箱搬送コンベア22のコンベアフレームに固定されている。両支持部材49a,49bには案内バー48の両端が固定されている。
【0090】
多位置形シリンダ47は、そのストローク方向が搬送方向yと平行方向となるように支持部材49aに固定されている。そして、シリンダロッド47aの先端にセンサ支持ブロック46が固定されている。
【0091】
センサ支持ブロック46の下部には、案内バー48を挿通する穴が設けられており、案内バー48を挿通して、センサ支持ブロック46は案内バー48の長手方向(搬送方向yと平行方向)にスライド可能である。この案内バー48は、センサ支持ブロック46の姿勢を維持する回り止めとして用いられている。
【0092】
多位置形シリンダ47は、制御装置30によって制御され、シリンダのストロークを2段階以上の停止位置(複数の停止位置)で停止させることができる。よって、多位置形シリンダ47の停止位置に応じて、箱蓄積量検出センサ40の搬送方向yにおける位置を設定ないし変更することができる。
【0093】
前述したように箱詰め装置100では、生産する箱詰め品の品種に応じて、使用する外装箱110の種類が決められている。ここでは、制御装置30内の記憶部32には、予め、複数の各品種に応じて、N番目に蓄積された外装箱110を検出するために箱蓄積量検出センサ40を適正位置とするための多位置形シリンダ47の停止位置情報が記憶されている。
【0094】
作業者が、箱詰めシステムの運転開始前に、前述のように操作表示器50を操作して、生産する箱詰め品の品種を設定すると、制御装置30は、設定された品種に応じた多位置形シリンダ47の停止位置情報に基づいて、多位置形シリンダ47を制御する。これによって、箱蓄積量検出センサ40が適正位置となる。
【0095】
このようにセンサ移動機構45を設ければ、作業者が箱詰めシステムの運転開始前に、操作表示器50を操作して箱詰め品の品種の設定を行うと、箱蓄積量検出センサ40の位置が品種に応じた適正位置に自動的に調整される。よって、品種に応じた箱蓄積量検出センサ40の位置の作業者による調整操作が不要になり、箱詰め品の品種が変更されるときの利便性をより向上できる。
【0096】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
本発明は、箱詰め装置への空の外装箱の供給が間に合わなくなった場合に稼働率の低下を小さくすることができる箱詰めシステム等として有用である。
【符号の説明】
【0098】
20 外装箱搬送装置
22 箱搬送コンベア
30 制御装置
40 箱蓄積量検出センサ
50 操作表示器
41 センサ位置調整機構
45 センサ移動機構
100 箱詰め装置
110 外装箱
300 物品排除装置
400 物品搬送コンベア