(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】エンジンによって生じる排ガスの圧力に基づいてエンジンがオンであるかオフであるかを決定するためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
G01M 15/02 20060101AFI20220801BHJP
G01N 1/22 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
G01M15/02
G01N1/22 G
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018170752
(22)【出願日】2018-09-12
【審査請求日】2021-09-03
(32)【優先日】2017-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517240780
【氏名又は名称】エーブイエル・テスト・システムズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100189913
【氏名又は名称】鵜飼 健
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・パトリック・ウィリアムソン
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム・マーティン・シルビス
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-242194(JP,A)
【文献】特表2015-521292(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0066565(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0252864(US,A1)
【文献】特開平10-306743(JP,A)
【文献】中国実用新案第201184842(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01M 15/02
G01N 1/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンから排出物測定システムに排ガスを供給する排ガス供給ライン内の圧力を測定するように構成された圧力センサと、ここで、前記排出物測定システムは、希釈トンネルと、サンプルプローブと、試料採取器とを含み、ここにおいて、前記排ガスは、前記希釈トンネルにおいて希釈ガスで希釈され、前記サンプルプローブは、前記希釈された排ガスの一部を前記試料採取器に供給するものであり、
排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数、及び
前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の大きさ
のうちの少なくとも1つに基づいて前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定するように構成されたエンジン状態モジュールと、
を備えるシステム。
【請求項2】
前記エンジン状態モジュールは、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記周波数が所定の周波数以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記エンジン状態モジュールは、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさが所定の値以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記エンジン状態モジュールは、前記脈動のうちの1つの脈動の最大値と、同じ脈動か又は同じ脈動の直前又は直後の前記脈動のうちの1つのうちの一方の最小値との差分に基づいて、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさを決定するように構成される、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記エンジン状態モジュールは、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記周波数及び前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさの両方に基づいて、前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記エンジン状態モジュールは、
所定の周波数以上の周波数を有する前記脈動のうちのN個を識別することと、
前記N個の脈動の前記大きさに基づいて、前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定することと、ここにおいて、Nは整数である、
を行うように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記エンジン状態モジュールは、前記N個の脈動の前記大きさの平均値が所定の値以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定するように構成され、ここにおいて、Nは1より大きい、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記圧力センサは、1キロヘルツ以上の周波数で前記排ガス供給ライン圧力を測定するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記排ガスにおける排出物の濃度を測定するように構成された排出物濃度センサと、
前記測定された排出物濃度と、前記エンジンがオンであるかオフであるかとに基づいて、前記排ガスにおける前記排出物の質量を決定するように構成された排出物質量モジュールと
を更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記エンジンがオンであるかオフであるかに基づいて、前記希釈トンネルから前記試料採取器への前記希釈された排ガスの流れを調節するように弁を制御するように構成された弁制御モジュールを更に備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
エンジンから排出物測定システムに排ガスを供給する排ガス供給ライン内の圧力を測定することと、ここで、前記排出物測定システムは、希釈トンネルと、サンプルプローブと、試料採取器とを含み、ここにおいて、前記排ガスは、前記希釈トンネルにおいて希釈ガスで希釈され、前記サンプルプローブは、前記希釈された排ガスの一部を前記試料採取器に供給するものであり、
排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数、及び
前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の大きさ
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定することと、
を備える方法。
【請求項12】
前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記周波数
及び前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさの両方に基づいて、前記エンジンがオンであるか
オフであるかを決定することを更に備える、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記脈動のうちの1つの脈動の最大値と、同じ脈動か又は同じ脈動の直前又は直後の脈動のうちの1つのうちの一方の最小値との差分に基づいて、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさを決定することを更に備える、請求項1
2に記載の方法。
【請求項14】
所定の周波数以上の周波数を有する前記脈動のうちのN個を識別することと、
前記N個の脈動の前記大きさに基づいて、前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定することと、ここにおいて、Nは整数である、
ことを更に備える、請求項1
2に記載の方法。
【請求項15】
前記N個の脈動の前記大きさの平均値が所定の値以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定することを更に備え、ここにおいて、Nは1より大きい、請求項1
4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
[0001]本願は、2017年9月13日に出願された米国仮出願第62/557,968号の利益を主張する。上に挙げた出願の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
[0002]本開示は、エミッション試験システムに関し、より具体的には、エンジンによって生じる排ガスの圧力に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]ここに提供される背景技術の説明は、一般に本開示のコンテキストを提示するためのものである。ここに列挙される発明者の研究は、それがこの背景技術セクションで説明される限りにおいて、出願時に先行技術としての資格を別段持たないであろうこの説明の態様は、明確にも又は暗示的にも本開示に対する先行技術と認められるものではない。
【0004】
[0004]エミッション試験システムは、エンジンによって生じる排ガスを捕集し、排ガスにおける排出物の濃度を測定する。ある期間の間に測定される排出物の濃度に、その期間の間の排ガスの質量流量を乗じて、この排出物の質量流量を求める。次いで、排出物の質量流量に、その期間の持続時間を乗じて、その期間の間にエンジンによって生じる排ガスにおける排出物の全質量を求める。
【0005】
[0005]定容量採取法(CVS)システムは、排ガスの流量を測定することなく排ガスにおける排出物の質量を決定することを可能にする一種のエミッション試験システムであり、これは、排出物質量決定を簡潔にする。CVSシステムは典型的に、排ガス及び希釈ガスが混合される希釈トンネルと、希釈トンネルから試料採取器に希釈排ガスの一部を向けるサンプルプローブと、希釈トンネルの下流に配置された送風機とを含む。送風機は、希釈トンネルを通して一定量の希釈排ガスを引き込む。故に、排ガス流量は、希釈排ガスの流量から希釈ガスの流量を減算することで決定され得る。
【発明の概要】
【0006】
[0006]本開示に係るシステムは、圧力センサとエンジン状態モジュールとを含む。圧力センサは、エンジンから排出物測定システムに排ガスを供給する排ガス供給ライン内の圧力を測定するように構成される。排出物測定システムは、希釈トンネルと、サンプルプローブと、試料採取器とを含む。排ガスは、希釈トンネルにおいて希釈ガスで希釈され、サンプルプローブは、この希釈排ガスの一部を試料採取器に供給する。エンジン状態モジュールは、(i)排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数及び(ii)排ガス供給ライン圧力における脈動の大きさのうちの少なくとも1つに基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定するように構成される。
【0007】
[0007]一例では、エンジン状態モジュールは、排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数が所定の周波数以上であるとき、エンジンがオンであると決定するように構成される。
【0008】
[0008]一例では、エンジン状態モジュールは、排ガス供給ライン圧力における脈動の大きさが所定の値以上であるとき、エンジンがオンであると決定するように構成される。
【0009】
[0009]一例では、エンジン状態モジュールは、脈動のうちの1つの脈動の最大値と、同じ脈動か又は同じ脈動の直前又は直後の脈動のうちの1つのうちの一方の最小値との差分に基づいて、排ガス供給ライン圧力における脈動の大きさを決定するように構成される。
【0010】
[0010]一例では、エンジン状態モジュールは、排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数及び排ガス供給ライン圧力における脈動の大きさの両方に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定するように構成される。
【0011】
[0011]一例では、エンジン状態モジュールは、所定の周波数以上の周波数を有する脈動のうちのN個を識別することと、N個の脈動の大きさに基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定することとを行うように構成され、ここにおいて、Nは整数である。
【0012】
[0012]一例では、エンジン状態モジュールは、N個の脈動の大きさの平均値が所定の値以上であるとき、エンジンがオンであると決定するように構成され、ここにおいて、Nは1より大きい。
【0013】
[0013]一例では、圧力センサは、1キロヘルツ以上の周波数で排ガス供給ライン圧力を測定するように構成される。
【0014】
[0014]一例では、システムは、排ガスにおける排出物の濃度を測定するように構成された排出物濃度センサと、測定された排出物濃度と、エンジンがオンであるかオフであるかとに基づいて、排ガスにおける排出物の質量を決定するように構成された排出物質量モジュールとを更に備える。
【0015】
[0015]一例では、システムは、エンジンがオンであるかオフであるかに基づいて、希釈トンネルから試料採取器への希釈排ガスの流れを調節するように弁を制御するように構成された弁制御モジュールを更に備える。
【0016】
[0016]本開示に係る方法は、エンジンから排出物測定システムに排ガスを供給する排ガス供給ライン内の圧力を測定することを含む。排出物測定システムは、希釈トンネルと、サンプルプローブと、試料採取器とを含む。排ガスは、希釈トンネルにおいて希釈ガスで希釈され、サンプルプローブは、この希釈排ガスの一部を試料採取器に供給する。方法は、(i)排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数及び(ii)排ガス供給ライン圧力における脈動の大きさのうちの少なくとも1つに基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定することを更に含む。
【0017】
[0017]一例では、本方法は、排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数が所定の周波数以上であるとき、エンジンがオンであると決定することを更に含む。
【0018】
[0018]一例では、本方法は、排ガス供給ライン圧力における脈動の大きさが所定の値以上であるとき、エンジンがオンであると決定することを更に含む。
【0019】
[0019]一例では、本方法は、脈動のうちの1つの脈動の最大値と、同じ脈動か又は同じ脈動の直前又は直後の脈動のうちの1つのうちの一方の最小値との差分に基づいて、排ガス供給ライン圧力における脈動の大きさを決定することを更に含む。
【0020】
[0020]一例では、本方法は、排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数及び排ガス供給ライン圧力における脈動の大きさの両方に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定することを更に含む。
【0021】
[0021]一例では、本方法は、所定の周波数以上の周波数を有する脈動のうちのN個を識別することと、N個の脈動の大きさに基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定することを更に含み、ここにおいて、Nは整数である。
【0022】
[0022]一例では、本方法は、N個の脈動の大きさの平均値が所定の値以上であるとき、エンジンがオンであると決定することを更に含み、ここにおいて、Nは1より大きい。
【0023】
[0023]一例では、本方法は、1キロヘルツ以上の周波数で排ガス供給ライン圧力を測定することを更に含む。
【0024】
[0024]一例では、本方法は、排ガスにおける排出物の濃度を測定することと、測定された排出物濃度と、エンジンがオンであるかオフであるかとに基づいて、排ガスにおける排出物の質量を決定することを更に含む。
【0025】
[0025]一例では、本方法は、エンジンがオンであるかオフであるかに基づいて、希釈トンネルから試料採取器への希釈排ガスの流れを調節するように弁を制御することを更に含む。
【0026】
[0026]本開示の適用性の更なる分野は、詳細な説明、特許請求の範囲、及び図面から明らかになるであろう。詳細な説明及び特定の例は、例示だけを目的としたものであり、本開示の範囲を限定することを目的とするものではない。
【0027】
[0027]本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】[0028]本開示の原理に係る例となるエミッション試験システムの略図。
【
図2】[0029]本開示の原理に係るエミッション試験システムを制御するための例となる制御モジュールの機能ブロック図。
【
図3】[0030]本開示の原理に係る、エンジンによって生じる排ガスの圧力に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定するための例となる方法を例示するフローチャート。
【
図4】[0031]本開示の原理に係る、エンジンがオンであるかオフであるかに基づいて、希釈トンネルから試料採取器への排ガスの流れを制御するための例となる方法を例示するフローチャート。
【
図5】[0032]エンジンがオフであるとき及びエンジンがオンであるときの、エンジンによって生じる排ガスの圧力の例を例示するグラフ。
【
図6】[0033]エンジンによって生じる排ガスの圧力に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定するために使用される例となる基準を例示するグラフ。
【
図7】[0034]本開示の原理に係る、例となる車両速度信号、例となるエンジン速度信号、例となる排気圧力信号、及び例となるエンジンオン/オフ決定信号を例示するグラフ。
【発明の詳細な説明】
【0029】
[0035]図面では、同様の及び/又は同一の要素を識別するために参照番号は再利用され得る。
【0030】
[0036]エミッション試験スケジュールは典型的に、時間に対して変化する車両速度を指定する。ハイブリッド車両がこれらのエミッション試験スケジュールを受けるとき、ハイブリッド車両のエンジンは、ハイブリッド車両のモータがこの車両を前進させるために使用される場合、オフにされる。エンジンがオフであるとき、エミッション試験システムの排出物濃度センサによって測定される排出物の濃度は、その時にエンジンによって生じる排ガスにおける排出物の濃度を表すものではないであろう。このような目的で、エンジンがオンであるとき(すなわち、稼働中であるとき)、排ガスは、エンジンから希釈トンネルに流れ、排出物濃度センサは、この排ガスにおける排出物の濃度を測定する。しかしながら、エンジンがオフであるとき(しなわち、稼働中でないとき)、排ガスは、停滞状態となる(すなわち、流れない)、及び/又は、希釈トンネルからエンジンに逆流する。従って、エンジンがオフであるとき、排出物濃度センサは、その時にエンジンによって生じる排ガスの排出物の濃度ではなく、逆流した排ガスにおける排出物の濃度を示し得る。
【0031】
[0037]加えて、エンジンがオフであるとき、エミッション試験システム中の試料採取器は、希釈ガスだけで満たされる。故に、エミッション試験スケジュール中の拡張された期間の間、エンジンがオフである場合、採取された試料の希釈率は、排出物質量決定の精度に悪影響を及ぼすレベルまで増加され得る。採取された試料の希釈率は、排ガスに対する希釈ガスの比である。
【0032】
[0038]これらの問題に取り組むために、エミッション試験システムは、エンジンがオンであるかオフであるかを決定し、エンジンがオンであるかオフであるかに基づいて、制御決定及び排出物質量決定を行い得る。例えば、エミッション試験システムは、エンジンがオンであるときには、排出物濃度センサの出力に基づいて、エンジンによって生じる排ガスにおける排出物の濃度を決定し、エンジンがオフであるときには、排出物濃度をゼロに等しく設定し得る。別の例では、エミッション試験システムは、エンジンがオンであるときには、希釈排ガスが希釈トンネルから試料採取器に流れることを許可し、エンジンがオフであるときには、希釈排ガスが希釈トンネルから試料採取器に流れることを防止する。エミッション試験システムは、希釈トンネルから試料採取器への希釈排ガスの流れを、それらの間に配置された弁を開閉することで制御し得る。
【0033】
[0039]エミッション試験システムは、エンジン速度センサからの入力に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定し得る。しかしながら、車両にエンジン速度センサを装備することは時間がかかりかつ高価であり、エンジン速度センサがエミッション試験システムと通信するためのインターフェースは、開発されていない。エミッション試験システムは、被験車両に搭載の車載診断(OBD)システムと通信することで、エンジンがオンであるかオフであるかを決定し得る。しかしながら、OBDシステムとエミッション試験システムとの間の通信は典型的に遅く、キーオンイベント中に遅延があることがある。
【0034】
[0040]エミッション試験システムは、被験車両に搭載のエンジン制御モジュールと通信することで、エンジンがオンであるかオフであるかを決定し得る。しかしながら、エンジン制御モジュールと通信するための世界的ソリューションが存在していないため、これは、専有インターフェースを必要とする。エミッション試験システムは、スパークプラグワイヤ又は燃料注入ワイヤにおける電気パルスを検出することで、エンジンがオンであるかオフであるかを決定し得る。しかしながら、これは、アクセスが困難であり得るスパークプラグワイヤ又は燃料注入ワイヤにエミッション試験システムを接続することを必要とした。加えて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定するこの方法は、気筒休止のような特定のエンジン制御ストラテジの間、機能しないであろう。
【0035】
[0041]エミッション試験システムは、エンジンを包含しているエンジンコンパートメント内のサウンドを測定するサウンド計からの入力に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定し得る。しかしながら、エンジンがオンであるかオフであるかをこのように決定することは、複雑な自己学習アルゴリズムを必要とする。加えて、エンジンがオンであるかオフであるかをこのように決定することは、大半のエンジン試験システムに対して十分な信頼性があるわけではないであろう。
【0036】
[0042]エミッション試験システムは、エンジンから希釈トンネルに延在する排ガス供給ラインを流れる排ガスの測定された圧力の変化に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定し得る。しかしながら、現代のCVSシステムは、排ガス供給ライン内の圧力を比較的一定の値に維持する圧力補償システムを含む。故に、圧力補償システムは、排ガス供給ラインを流れる排ガスの測定された圧力の変化がエンジンのオン又はオフへの切り替えによるものかエンジン負荷の変化によるものかを決定することを困難にする。
【0037】
[0043]エミッション試験システムは、排ガス供給ラインを通過する排ガスの流量に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定し得る。排ガス流量は、排気流量計を使用して測定され得るか、排ガス流量は、希釈トンネルから流出する希釈排ガスの流量から、希釈トンネルに流入する希釈ガスの流量を減算することで算出され得る。しかしながら、排気流量計が典型的に、理想的な速度(例えば、4~5立方フィート/分(cfm))での排気流ではなく最大排気流(例えば、300cfm)に対してサイズ決めされるため、測定された排気流量に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定することは困難である。加えて、算出された排気流量に基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定することは、その排気流量が希釈ガスの流量及び希釈排ガスの流量に対して最小であるため、困難である。
【0038】
[0044]本開示に係るエミッション試験システムは、エンジンの気筒での燃焼によってもたらされる、エンジンによって生じる排ガスの圧力における脈動の周波数及び/又は大きさに基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定する。エミッション試験システムのエンジンから希釈トンネルに延在する排ガス供給ライン内で排ガス圧力が測定される。排ガス圧力は、排ガス圧力における脈動を測定するのに十分高い周波数(例えば、1kHz以上)で測定される。
【0039】
[0045]一例では、エミッション試験システムは、排ガス圧力における脈動の周波数が所定の周波数より高いとき、エンジンがオンであると決定する。別の例では、エミッション試験システムは、排ガス圧力における脈動の大きさが所定の値より大きいとき、エンジンがオンであると決定する。更に別の例では、エミッション試験システムは、所定の周波数より高い周波数を有する、排ガス圧力における脈動を識別し、これらの脈動の大きさの平均値が所定の値より大きいとき、エンジンがオンであると決定する。
【0040】
[0046]エンジンによって生じる排ガスの圧力における脈動の周波数及び/又は大きさに基づいて、エンジンがオンであるかオフであるかを決定することは、エンジンがオンであるかオフであるかを決定する他の方法より正確な結果をもたらす。加えて、排ガス供給ラインに圧力センサを装備することは、エンジンがオンであるかオフであるかを決定するために使用される他の器具を追加するより容易でありかつ高価でない。更に、排ガス圧力における脈動のパターンは、排ガス供給ラインに沿ったどの位置でも同じであり、これは、排ガス圧力センサの配置の柔軟性を提供する。
【0041】
[0047]次に
図1を参照すると、例となるエミッション試験システム100は、希釈トンネル102、サンプルプローブ104、上流送風機106、下流送風機108、1つ又は複数の試料採取器110、1つ又は複数のバックグラウンド採取器112、及び/又は排出物分析器114を含む。希釈トンネル102は、排ガス供給ライン118を通して、エンジン116によって生じる排ガスを受け取る。排ガス供給ライン118は、エンジン116から希釈トンネル102に排ガスを供給する。
【0042】
[0048]希釈トンネル102はまた、希釈ガス供給ライン120を通して希釈ガスを受け取る。上流送風機106は、希釈トンネル102の上流に配置されており、上流送風機106は、希釈ガス供給ライン120を通して希釈トンネル102に希釈ガスを送る。希釈ガスは、外気であり得、このケースでは、上流送風機106は、周辺環境から希釈ガスを引き込み得る。上流送風機106は、可変速度送風機であり得、上流送風機106の速度は、希釈ガスが希釈トンネル102を流れる流量を調整するために調整され得る。追加的に又は代替的に、弁122が、希釈ガス供給ライン120に配置され得、弁122の位置は、希釈トンネル102を通る希釈ガスの流量を調整するために調整され得る。
【0043】
[0049]エンジン116からの排ガスは、希釈トンネル102において希釈ガスで希釈される。サンプルプローブ104は、希釈排ガスの試料を抽出し、試料採取器供給ライン124は、希釈排ガス試料をサンプルプローブ104から試料採取器110に供給する。故に、サンプルプローブ104及び試料採取器供給ライン124は協力して、希釈排ガス試料を希釈トンネル102から試料採取器110に供給する。
【0044】
[0050]弁126は、試料採取器供給ライン124に配置され得、弁126の位置は、希釈排ガス試料が希釈トンネル102から抽出される流量を調整するために調整され得る。追加的に又は代替的に、ポンプ128は、試料採取器供給ライン124に配置され得、ポンプ128の速度は、希釈排ガス試料が希釈トンネル102から抽出される流量を調整するために調整され得る。一例では、ポンプ128は、一定の速度で動作され、弁126の位置は、希釈排ガスの抽出率を調整するために調整される。
【0045】
[0051]サンプルプローブ104によって抽出されない希釈排ガスの一部は、希釈トンネル排気ライン130を通して希釈トンネル102から大気に放出される。弁132は、希釈トンネル排気ライン130に配置され得、弁132の位置は、希釈排ガスが希釈トンネル102を流れる流量を調整するために調整され得る。追加的に又は代替的に、下流送風機108が希釈トンネル102の下流に配置され得、下流送風機108の速度は、希釈排ガスが希釈トンネル102を流れる流量を調整するために調整され得る。
【0046】
[0052]様々な実施では、エミッション試験システム100は、上流送風機106及び下流送風機108のうちの一方だけを含み得る。上流送風機106及び/又は下流送風機108は、希釈トンネル102を通して一定量の希釈排ガスを強制的に送るように制御され得る。この関連で、エミッション試験システム100は、CVSシステムであり得る。
【0047】
[0053]試料採取器110は、サンプルプローブ104によって抽出された希釈排ガス試料を採取する。試料採取器110は、試料バッグ又は試料フィルタであり得る。試料採取器110は、第1の試料採取器110-1と第2の試料採取器110-2とを含む。試料採取器供給ライン124は、それぞれ試料採取器110-1及び110-2に希釈排ガス試料を供給する第1の供給ライン124-1及び第2の供給ライン124-2へと分かれている。弁134-1は、第1の供給ライン124-1に配置され得、弁134-1は、第1の試料採取器110-1への希釈排ガス試料の流れを許可又は防止するために開閉され得る。同様に、弁134-2は、第2の供給ライン124-2に配置され得、弁134-2は、第2の試料採取器110-2への希釈排ガス試料の流れを許可又は防止するために開閉され得る。
【0048】
[0054]排出物分析器114は、試料採取器110によって採取された希釈排ガス試料を分析して、それらの中に含まれる排出物の濃度を決定する。排出物分析器114は、希釈排ガス試料に含まれる排出物の濃度を示す第1の排出物濃度(EC1)信号135を出力する。希釈排ガス試料は、分析器供給ライン136を通して試料採取器110から排出物分析器114に送られる。分析器供給ライン136は、第1の試料採取器110-1から延在する第1の供給ライン136-1と、第2の試料採取器110-2から延在する第2の供給ライン136-2とを含む。弁138-1は、第1の供給ライン136-1に配置され得、弁138-1は、排出物分析器114への希釈排ガス試料の流れを許可又は防止するために開閉され得る。同様に、弁138-2は、第2の供給ライン136-2に配置され得、弁134-2は、排出物分析器114への希釈排ガス試料の流れを許可又は防止するために開閉され得る。
【0049】
[0055]ポンプ140は、分析器供給ライン136に配置され得、ポンプ140の速度は、希釈排ガス試料が試料採取器110から排出物分析器114に流れる流量を調整するために調整され得る。追加的に又は代替的に、弁142は、分析器供給ライン136に配置され得、弁142の位置は、希釈排ガス試料が試料採取器110から排出物分析器114に流れる流量を調整するために調整され得る。一例では、ポンプ140は、一定の速度で動作され、弁142の位置は、希釈排ガス試料が試料採取器110から排出物分析器114に流れる流量を調整するために調整され得る。
【0050】
[0056]バックグラウンド採取器112は、希釈ガス供給ライン120を流れる希釈ガスの試料を採取する。バックグラウンド採取器供給ライン144は、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112に希釈ガス試料を供給する。弁146は、バックグラウンド採取器供給ライン144に配置され得、弁146の位置は、希釈ガス試料が希釈ガス供給ライン120から抽出される流量を調整するために調整され得る。追加的に又は代替的に、ポンプ148は、バックグラウンド採取器供給ライン144に配置され得、ポンプ148の速度は、希釈ガス試料が希釈ガス供給ライン120から抽出される流量を調整するために調整され得る。一例では、ポンプ148は、一定の速度で動作され、弁146の位置は、希釈ガス試料の抽出率を調整するために調整される。
【0051】
[0057]バックグラウンド採取器112は、バックグランドバック又はバックグラウンドフィルタであり得る。バックグラウンド採取器112は、第1のバックグラウンド採取器112-1と、第2のバックグラウンド採取器112-2とを含む。バックグラウンド採取器供給ライン144は、それぞれバックグラウンド採取器112-1及び112-2に希釈ガス試料を供給する第1の供給ライン144-1及び第2の供給ライン144-2へと分かれている。弁150-1は、第1の供給ライン144-1に配置され得、弁150-1は、第1のバックグラウンド採取器112-1への希釈排ガス試料の流れを許可又は防止するために開閉され得る。同様に、弁150-2は、第2の供給ライン144-2に配置され得、弁150-2は、第2のバックグラウンド採取器112-2への希釈排ガス試料の流れを許可又は防止するために開閉され得る。
【0052】
[0058]希釈ガス試料は、分析器供給ライン136を通してバックグラウンド採取器112から排出物分析器114に送られる。分析器供給ライン136は、第1のバックグラウンド採取器112-1から延在する第3の供給ライン136-3と、第2のバックグラウンド採取器112-2から延在する第4の供給ライン136-4とを更に含む。弁152-1は、第3の供給ライン136-3に配置され得、弁152-1は、排出物分析器114への希釈排ガス試料の流れを許可又は防止するために開閉され得る。同様に、弁152-2は、第4の供給ライン136-4に配置され得、弁152-2は、排出物分析器114への希釈排ガス試料の流れを許可又は防止するために開閉され得る。
【0053】
[0059]排出物分析器114は、バックグラウンド採取器112によって採取された希釈ガス試料を分析して、それらの中に含まれる排出物の濃度を決定する。排出物分析器114は、希釈排ガス試料に含まれる排出物の濃度を決定するとき、希釈ガス試料に含まれる排出物の濃度を考慮し得る。例えば、希釈排ガス試料における希釈ガスの質量が、希釈ガス試料における希釈ガスの質量に等しい場合、排出物分析器114は、希釈排ガス試料における排出物の濃度から希釈ガス試料における排出物の濃度を減算して、希釈排ガス試料に含まれる排ガスにおける排出物の濃度を求め得る。希釈ガス試料に含まれる排出物の濃度に基づいて、希釈排ガス試料に含まれる排出物の濃度を決定する代わりに又は決定することに加えて、排出物分析器114は、希釈ガス試料に含まれる排出物の濃度を示す第2の排出物濃度(EC2)信号153を出力し得る。
【0054】
[0060]エミッション試験システム100は、エミッション試験システム100の様々なセンサから受け取った信号に基づいて、エミッション試験システム100の様々な作動装置を制御するエミッション試験システム(ETS)制御モジュール154を更に含む。エミッション試験システム100の作動装置は、送風機106、108と、弁122、126、132、134-1、134-2、138-1、138-2、150-1、150-2、152-1、152-2と、ポンプ128、140、148とを含む。エミッション試験システム100のセンサは、排気排出物濃度(EEC)センサ156と、排気圧力(EXP)センサ158と、希釈ガス流量計160と、希釈排気流量計162とを含む。
【0055】
[0061]ETS制御モジュール154は、エミッション試験システム100の作動装置を制御するための様々な制御信号を出力する。ETS制御モジュール154によって出力される制御信号は、送風機制御信号164、166と、弁制御信号168、170、172、174-1、172-4、176-1、176-2、178、180、182、184と、ポンプ制御信号186、188、190とを含む。送風機制御信号164、166は、それぞれ送風機106、108のターゲットデューティサイクル又はターゲット速度を示す。弁制御信号168、170、172、174-1、174-2、176-1、176-2、178、180、182、184は、それぞれ弁122、126、132、134-1、134-2、138-1、138-2、150-1、150-2、152-1、152-2のターゲット位置を示す。ポンプ制御信号186、188、190は、それぞれポンプ128、140、148のターゲットデューティサイクル又はターゲット速度を示す。明瞭さのために、ETS制御モジュール154によって出力される制御信号は、それらの対応する作動装置まで延びているため、
図1には示されない。しかしながら、ETS制御モジュール154が、これらの制御信号を、ハードワイヤ又はワイヤレス接続を通してそれらの対応する作動装置に伝えることは理解されるべきである。
【0056】
[0062]EECセンサ156は、排ガス供給ライン118を流れる排ガスにおける排出物の濃度を測定し、排ガス排出物濃度を示すEEC信号191を出力する。EXPセンサ158は、排ガス供給ライン118を流れる排ガスの圧力を測定し、排ガス供給ライン圧力を示すEXP信号193を出力する。EXPセンサ158は、1キロヘルツ以上の周波数で排ガス供給ライン圧力を測定し得る。希釈ガス流量計160は、希釈トンネル102の上流の位置で希釈ガス供給ライン120における希釈ガスの流量を測定し、希釈ガス流量を示す信号195を出力する。希釈排気流量計162は、希釈トンネル102の下流の位置で希釈トンネル排気ライン130における希釈排ガスの流量を測定し、希釈排気流量を示す信号197を出力する。明瞭さのために、エミッション試験システム100のセンサによって出力される信号は、ETS制御モジュール154まで延びているため、
図1には示されていない。しかしながら、エミッション試験システム100のセンサが、これらの信号を、ハードワイヤ又はワイヤレス接続を通してETS制御モジュール154に伝えることは理解されるべきである。
【0057】
[0063]ETS制御モジュール154は、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定し、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて制御決定及び/又は排出物質量決定定を行う。一例では、ETS制御モジュール154は、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、EECセンサ156によって測定される排ガス排出物濃度を調整又は訂正する。別の例では、ETS制御モジュール154は、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、試料採取器110への希釈排ガスの流れを許可する又は防止するために、及び、バックグラウンド採取器112への希釈ガスの流れを許可又は防止するために、エミッション試験システム100の様々な作動装置を制御する。ETS制御モジュール154は、排ガス供給ライン圧力を示すEXP信号193における脈動の大きさ及び/又は周波数に基づいて、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定する。
【0058】
[0064]エミッション試験スケジュールの間、ETS制御モジュール154は、ターゲット流量で希釈トンネル102を通して希釈排ガスを強制的に送るように送風機106を制御し、及び/又は、ターゲット流量で希釈トンネル102を通して希釈排ガスを引き込むように送風機108を制御する。加えて、ETS制御モジュール154は、希釈トンネル102から希釈排ガスの試料を抽出するように及びこの希釈排ガスの試料を試料採取器110に送るように弁126、134-1、134-2を制御する。更に、ETS制御モジュール154は、希釈ガス供給ライン120から希釈ガスの試料を抽出するように及びこの希釈ガスの試料をバックグランド容器112に送るように弁146、150-1、150-2を制御する。ETS制御モジュール154は、ETS制御モジュールが希釈排ガスを試料採取器110に向けるとき、希釈ガスをバックグランド容器112に向ける。
【0059】
[0065]エミッション試験スケジュールは、複数の試験段階を含み得る。例えば、米国の環境保護庁(EPA)連邦試験手順は、冷間始動段階と、冷間安定化段階と、熱間始動段階とを含む。各試験段階の間、ETS制御モジュール154は、希釈排ガスを、試料採取器110のうちの異なる1つの試料採取器に向け、希釈ガスをバックグラウンド採取器112のうちの異なる1つのバックグラウンド採取器に向け得る。故に、エミッション試験スケジュールが2つより多くの試験段階を含み得るため、エミッション試験システム100は、試料採取器110のうちの2つより多くと、バックグラウンド採取器112のうちの2つより多くを含み得る。
【0060】
[0066]希釈排ガスが試料採取器110-1に流れることを許可するとき、ETS制御モジュール154は、弁126を少なくとも部分的に開け、弁134-1を完全に開ける。試料採取器110-1への希釈排ガスの流れを防止するとき、ETS制御モジュール154は、弁126及び/又は弁134-1を完全に閉じる。希釈排ガスが試料採取器110-2に流れることを許可するとき、ETS制御モジュール154は、弁126を少なくとも部分的に開け、弁134-2を完全に開ける。試料採取器110-2への希釈排ガスの流れを防止するとき、ETS制御モジュール154は、弁126及び/又は弁134-2を完全に閉じる。
【0061】
[0067]希釈ガスがバックグラウンド採取器112-1に流れることを許可するとき、ETS制御モジュール154は、弁146を少なくとも部分的に開け、弁144-1を完全に開ける。バックグラウンド採取器112-1への希釈ガスの流れを防止するとき、ETS制御モジュール154は、弁146及び/又は弁144-1を完全に閉じる。希釈ガスがバックグラウンド採取器112-2に流れることを許可するとき、ETS制御モジュール154は、弁146を少なくとも部分的に開け、弁144-2を完全に開ける。バックグラウンド採取器112-2への希釈ガスの流れを防止するとき、ETS制御モジュール154は、弁146及び/又は弁144-2を完全に閉じる。
【0062】
[0068]様々な実施では、エミッション試験システム100は、それぞれ試料採取器供給ライン124及びバックグラウンド採取器供給ライン144から延在する通気管路198及び199と、それぞれ通気管路198及び199に配置されている弁198-1及び199-1とを更に含む。ETS制御モジュール154は、希釈トンネル102から抽出された希釈排ガスを通気させるために弁198-1を開け、それによって、弁134-1、134-2を閉じる代わりに又はそれに加えて、希釈トンネル102から試料採取器110への希釈排ガスの流れを防止し得る。同様に、ETS制御モジュール154は、希釈ガス供給ライン120から抽出された希釈ガスを通気させるために弁199-1を開け、それによって、弁150-1、150-2を閉じる代わりに又はそれに加えて、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112への希釈ガスの流れを防止し得る。
【0063】
[0069]エミッション試験スケジュールの各試験段階の間、ETS制御モジュール154は、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定し、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、希釈トンネル102から試料採取器110のうちの1つへの希釈排ガスの流れを許可又は防止する。例えば、冷間始動段階の間、ETS制御モジュール154は、エンジン116がオンであるときには、希釈トンネル102から試料採取器110-1への希釈排ガスの流れを許可し、エンジン116がオフであるときには、希釈トンネル102から試料採取器110-1への希釈排ガスの流れを防止し得る。次いで、冷間安定化段階の間、ETS制御モジュール154は、エンジン116がオンであるときには、希釈トンネル102から試料採取器110-2への希釈排ガスの流れを許可し、エンジン116がオフであるときには、希釈トンネル102から試料採取器110-2への希釈排ガスの流れを防止し得る。加えて、ETS制御モジュール154は、冷間始動段階全体の間、希釈トンネル102から試料採取器110-2への希釈排ガスの流れを防止し、冷間安定化段階全体の間、希釈トンネル102から試料採取器110-1への希釈排ガスの流れを防止し得る。
【0064】
[0070]同様に、エミッション試験スケジュールの各試験段階の間、ETS制御モジュール154は、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、希釈ガス供給ライン120からからバックグラウンド採取器112のうちの1つへの希釈ガスの流れを許可又は防止する。例えば、冷間始動段階の間、ETS制御モジュール154は、エンジン116がオンであるときには、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112-1への希釈ガスの流れを許可し、エンジン116がオフであるときには、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112-1への希釈ガスの流れを防止し得る。次いで、冷間安定化段階の間、ETS制御モジュール154は、エンジン116がオンであるときには、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112-2への希釈ガスの流れを許可し、エンジン116がオフであるときには、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112-2への希釈ガスの流れを防止し得る。加えて、ETS制御モジュール154は、冷間始動段階全体の間、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112-2への希釈ガスの流れを防止し、冷間安定化段階全体の間、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112-1への希釈ガスの流れを防止し得る。
【0065】
[0071]各試験段階の後、ETS制御モジュール154は、希釈排ガスの試料を試料採取器110から排出物分析器114に向けるように、弁138-1、138-2、及び/又は142並びにポンプ140を制御する。例えば、冷間始動段階の後、ETS制御モジュール154は、希釈排ガスの試料を試料採取器110-1から排出物分析器114に向けるために、弁138-1及び142を完全に開け、ポンプ140をアクティブにし得る。同様に、冷間過渡段階の後、ETS制御モジュール154は、希釈排ガスの試料を試料採取器110-2から排出物分析器114に向けるために、弁138-2及び142を完全に開け、ポンプ140をアクティブにし得る。
【0066】
[0072]加えて、各試験段階の後、ETS制御モジュール154は、希釈ガスの試料をバックグラウンド採取器112から排出物分析器114に向けるために、弁152-1、152-2、及び/又は142並びにポンプ140を制御する。例えば、冷間始動段階の後、ETS制御モジュール154は、希釈ガスの試料をバックグラウンド採取器112-1から排出物分析器114に向けるために、弁152-1及び142を完全に開け、ポンプ140をアクティブにし得る。同様に、冷間過渡段階の後、ETS制御モジュール154は、希釈ガスの試料をバックグラウンド採取器112-2から排出物分析器114に向けるために、弁152-2及び142を完全に開け、ポンプ140をアクティブにし得る。
【0067】
[0073]次に
図2を参照すると、ETS制御モジュール154の例となる実施は、排気流量モジュール202と、エンジン状態モジュール204と、排出物濃度モジュール206と、排出物質量モジュール208と、弁制御モジュール210とを含む。排気流量モジュール202は、排ガス供給ライン118を流れる排ガスの流量を決定し、それを示す信号212を出力する。一例では、排気流量モジュール202は、信号195によって示される希釈排気流量から信号197によって示される希釈ガス流量を減算して、排ガス供給ライン118を流れる排ガスの流量を求める。
【0068】
[0074]様々な実施では、排ガス供給ライン118を流れる排ガスの流量は、エンジン制御モジュール(図示せず)から求められ、及び/又は、排気ガス供給ライン118においてにおいて直接測定され得る。代替的に、排気流量モジュール202は、排気流量を、(i)希釈排気流量計162によって測定される排気流量と、(ii)希釈トンネル排気ライン130における排出物(例えば、二酸化炭素)の濃度に対する排ガス供給ライン118における同じ排出物の濃度の比との積に等しく設定し得る。この比を決定する前、排気流量モジュール202は、希釈トンネル排気ライン130における排出物の濃度から希釈ガス供給ライン120における排出物の濃度を減算し得る。エミッション試験システム100は、希釈ガス供給ライン120及び/又は希釈トンネル排気ライン130における排出物の濃度を測定する1つ又は複数のセンサ(図示せず)を含み得る。代替的に、希釈ガス供給ライン120における排出物の濃度は、所定の(例えば、固定の)値であり得る。
【0069】
[0075]エンジン状態モジュール204は、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定し、それを示す信号214を出力する。エンジン状態モジュール204は、排ガス供給ライン圧力を示すEXP信号193における脈動の大きさ及び/又は周波数に基づいて、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定する。一例では、エンジン状態モジュール204は、EXP信号193における脈動の大きさが第1の値より大きいとき、エンジン116がオンであると決定する。別の例では、エンジン状態モジュール204は、EXP信号193における脈動の周波数が第1の周波数より大きいとき、エンジン116がオンであると決定する。
【0070】
[0076]第1の周波数は、エンジン116の気筒の数とエンジン116の理想速度とに基づいて予め定められているであろう。例えば、第1の周波数は、エンジン116の気筒の数とエンジン116の理想速度との積以下の値に設定され得る。第1の値もまた、予め定められているであろう。例えば、第1の値は、エンジン116の気筒における燃焼イベントによりエンジン116によって生じる排ガスの圧力の予想変化に設定され得る。
【0071】
[0077]エンジン状態モジュール204は、EXP信号193における脈動の周波数及び大きさの両方に基づいて、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定し得る。例えば、エンジン状態モジュール204は、第1の周波数以上の周波数(本明細書では、より高い周波数の脈動と呼ばれる)を有するEXP信号193における脈動を識別し、識別された脈動の大きさの平均値を決定し得る。次いで、エンジン状態モジュール204は、より高い周波数の脈動の大きさの平均値が第1の値以上であるとき、エンジン116がオンであると決定し得る。
【0072】
[0078]排出物濃度モジュール206は、排ガス供給ライン118を流れる排ガスにおける排出物の流量加重平均濃度を決定し、それを示す信号216を出力する。排出物濃度モジュール206は、EECセンサ156によって測定される排出物濃度と、排気流量モジュール202によって決定される排ガス流量との積を決定する。次いで、排出物濃度モジュール206は、この積を、試験段階の間に排ガスが排ガス供給ライン118を流れる平均流速で除算して、流量加重平均濃度を求める。故に、流量加重平均濃度は、排ガス供給ライン118を流れる排ガスにおける排出物の正規化濃度を表す。
【0073】
[0079]流量加重平均濃度は、試験段階の最後に排出物分析器114によって測定されることとなる排出物濃度の近似値又は予測値として使用され得る。故に、排出物分析器114は、信号216によって示される流量加重平均濃度に基づいて、その排出物濃度測定範囲を調整し得る。様々な実施では、流量加重平均濃度を示すのではなく、信号216は、その排出物濃度測定範囲をターゲットと範囲へと調整するよう求める命令を排出物分析器114に搬送し得る。流量加重平均濃度に基づいて排出物分析器114の排出物濃度測定範囲を調整することは、排出物分析器114が排出物濃度を正確に測定することを確実にする。
【0074】
[0080]排出物濃度モジュール206は、EECセンサ156によって測定される排出物濃度と、エンジン116がオンであるかオフであるかとに基づいて流量加重平均濃度を決定する。エンジン116がオフであるとき、EECセンサ156によって測定される排出物濃度は、エンジン116によって生じる排ガスにおける排出物の濃度を正確には反映しないであろう。例えば、エンジン116がオフであるとき、停滞している(すなわち、流れていない)排ガスが、排ガス供給ライン118中に存在し得、及び/又は、排ガスは、希釈トンネル102からエンジン116に逆流し得る。故に、EECセンサ156によって出力されるEEC信号191は、その時にエンジン116によって生じる排ガスではなく、この停滞している又は逆流する排ガスにおける排出物の濃度を示し得る。従って、エンジン116がオフであるとき、排出物濃度モジュール206は、EEC信号191から独立して、流量加重平均濃度を決定し得る。例えば、エンジン116がオフであるとき、排出物濃度モジュール206は、流量加重平均濃度をゼロに等しく設定し得る。反対に、エンジン116がオンであるとき、排出物濃度モジュール206は、上で説明したように、EECセンサ156によって測定される排出物濃度に基づいて、流量加重平均濃度を決定し得る。
【0075】
[0081]排出物質量モジュール208は、エンジン116によって生じる排ガスにおける排出物の質量を決定し、それを示す信号218を出力する。排出物質量モジュール208は、信号216によって示される排気排出物濃度と、信号212によって示される対応する排気流量とに基づいて排気排出物質量を決定する。例えば、排出物質量モジュール208は、排気排出物の質量流量を求めるために、信号216によって示される排気排出物濃度と、信号212によって示される対応する排気流量との積を決定し得る。次いで、排出物質量モジュール208は、この質量流量と、対応する期間との積を決定して、又は、この期間について質量流量を積分して、その期間の間にエンジン116によって生じる排ガスにおける排出物の質量を求め得る。
【0076】
[0082]排出物質量モジュール208は、試験段階の間の複数の期間についての排出物質量を決定し、次いで、すべての期間についての排出物質量を合計して、試験段階の全期間についての排出物質量を求め得る。排出物質量モジュール208は、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、各期間についての排出物質量を決定し得る。例えば、エンジン116がオンであるとき、排出物質量モジュール208は、上で説明した方法で、各期間についての排出物質量を決定し得る。しかしながら、エンジン116がオフでるとき、排出物質量モジュール208は、各期間についての排出物質量をゼロに等しく設定し得、及び/又は、各期間についての質量流量の積分を停止し得る。
【0077】
[0083]様々な実施では、エミッション試験システム100は、排出物分析器114によって分析される試料の体積流量を測定する、排出物分析器114から上流に(例えば、弁142と排出物分析器114との間に)配置される流量計(図示せず)を含み得る。これらの実施では、排出物質量モジュール208は、排出物分析器114によって測定される排出物濃度と、流量計によって測定される体積流量と、試料の密度とに基づいて、試料における排出物の質量を決定し得る。試料の密度は、標準的な温度及び圧力での空気の密度(すなわち、所定の値)に等しいと想定又は測定され得る。一例では、排出物質量モジュール208は、試料中の排気排出物の質量流量を求めるために、排出物分析器114によって測定される排出物濃度と、流量計によって測定される体積流量と、試料の密度の積を決定する。次いで、排出物質量モジュール208は、この質量流量と、対応する期間との積を決定して、又は、この期間について質量流量を積分して、その期間の間に排出物分析器114に流入する試料の一部における排出物の質量を求め得る。排出物質量モジュール208は、試験段階の間の複数の期間についての決定された排出物質量を合計して、試験段階全体についての排出物質量を求め得る。
【0078】
[0084]排出物質量モジュール208が、排出物分析器114によって測定される排出物濃度に基づいて排出物質量を決定すると、排出物質量モジュール208は、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、各期間についての排出物質量を決定し得る。例えば、エンジン116がオンであるとき、排出物質量モジュール208は、上で説明した方法で排出物分析器114によって測定される排出物濃度に基づいて、試験段階の間の各期間についての排出物質量を決定し得る。しかしながら、エンジン116がオフであるとき、排出物質量モジュール208は、各期間についての排出物質量をゼロに等しく設定し得、及び/又は、各期間についての質量流量の積分を停止し得る。
【0079】
[0085]排出物質量モジュール208は、上で説明した方法で、希釈排ガス試料及び希釈試料の各々における排出物の質量を決定し得る。例えば、排出物質量モジュール208は、排出物分析器114からのEC1信号135と、排出物分析器114から上流に配置された流量計によって測定される流量とに基づいて、希釈排ガス試料における排出物の質量を決定し得る。別の例では、排出物質量モジュール208は、排出物分析器114からのEC2信号153と、排出物分析器114から上流に配置された流量計によって測定される流量とに基づいて、希釈試料における排出物の質量を決定し得る。次いで、排出物質量モジュール208は、希釈排ガス試料における排出物の質量から希釈試料における排出物の質量を減算して、希釈排ガス試料内に含まれる排ガスにおける排出物の質量を求める。
【0080】
[0086]希釈排ガス試料における排出物の質量又は希釈試料における排出物の質量を決定するとき、排出物質量モジュール208は、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて排出物質量を決定し得る。例えば、エンジン116がある期間についてオンであるとき、排出物質量モジュール208は、上で説明した方法で排出物分析器114によって測定される排出物濃度に基づいて、その期間についての排出物質量を決定し得る。しかしながら、エンジン116がある期間についてオフであるとき、排出物質量モジュール208は、その期間についての排出物質量をゼロに等しく設定し得、及び/又は、その期間についての質量流量の積分を停止し得る。排出物質量モジュール208は、試料が排出物分析器114に送られる複数の期間についてエンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて排出物質量を決定し得る。次いで、排出物質量モジュール208は、すべての期間についての排出物質量を合計して、希釈排ガス試料における排出物の質量又は希釈試料における排出物の質量を求め得る。
【0081】
[0087]EECセンサ156によって測定される排出物濃度に基づいて排出物質量モジュール208によって決定される排出物質量は、排出物分析器114によって測定される排出物濃度に基づいて排出物質量モジュール208によって決定される排出物質量の代わりに又はそれに加えて使用され得る。一例では、EECセンサ156によって測定される排出物濃度に基づいて排出物質量モジュール208によって決定される排出物質量は、排出物分析器114によって測定される排出物濃度に基づいて決定される排出物質量の精度をチェックするために使用され得る。別の例では、排出物質量モジュール208は、特定の排出物の質量を決定するために使用され得、排出物分析器114は、他の排出物の質量を決定するために使用され得る。
【0082】
[0088]弁制御モジュール210は、それぞれ、弁122、126、132、134-1、134-2、138-1、138-2、150-1、150-2、152-1、152-2を制御するための弁制御信号168、170、172、174-1、172-4、176-1、176-2、178、180、182、184のうちの1つ又は複数を生成する。弁制御モジュール210はまた、弁198-1、199-1を制御するための制御信号を生成し得る。弁制御モジュール210は、
図1のETS制御モジュール154を参照して上で説明した方法で、弁122、126、132、134-1、134-2、138-1、138-2、150-1、150-2、152-1、152-2、198-1、199-1を制御する。この関連で、ETS制御モジュール154が特定の方法で弁122、126、132、134-1、134-2、138-1、138-2、150-1、150-2、152-1、152-2、198-1、199-1を制御すると本明細書で説明されているとき、弁制御モジュール210がこれらの弁制御動作を実行することは理解されるべきである。
【0083】
[0089]一例では、弁制御モジュール210は、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、希釈トンネル102から試料採取器110への希釈排ガスの流れを調節するために弁126、134-1、及び/又は134-2を制御する。エンジン116がオフであるとき、弁制御モジュール210は、弁126、134-1、及び134-2を閉じ、それによって、希釈トンネル102から試料採取器110への希釈排ガスの流れを防止する。エンジン116がオンであるとき、弁制御モジュール210は、弁126と、弁134-1及び134-2のうちの1つとを開け、それによって、希釈トンネル102から試料採取器110のうちの1つへの希釈排ガスの流れを可能にする。
【0084】
[0090]別の例では、弁制御モジュール210は、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112への希釈排ガスの流れを調節するために弁146、150-1、及び/又は150-2を制御する。エンジン116がオフであるとき、弁制御モジュール210は、弁146、150-1、及び150-2を閉じ、それによって、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112への希釈ガスの流れを防止する。エンジン116がオンであるとき、弁制御モジュール210は、弁146と、弁150-1及び150-2のうちの1つとを開け、それによって、希釈ガス供給ライン120からバックグラウンド採取器112のうちの1つへの希釈ガスの流れを可能にする。
【0085】
[0091]次に
図3を参照すると、エンジン116によって生じる排ガスの圧力に基づいて、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定するための例となる方法が302から開始する。
図3の方法は、
図2に示されるETS制御モジュール154の例となる実施に含まれるモジュールのコンテキストにおいて説明される。しかしながら、
図3の方法のステップを実行する特定のモジュールは、下に述べるものとは異なり得、及び/又は、
図3の方法は、
図2のモジュールから離れて実施され得る。
【0086】
[0092]304において、EXPセンサ158は、排ガス供給ライン118を流れる排ガスの圧力を測定する。306において、エンジン状態モジュール204は、排気供給ライン圧力における各脈動の周波数を決定する。308において、エンジン状態モジュール204は、少なくともN個の脈動が、第1の周波数以上の周波数を有するかどうかを決定する。Nは、1よりも大きい所定の整数であり得る。少なくともN個の脈動が第1の周波数以上の周波数を有する場合、方法は310に進む。そうでない場合、方法は318に進む。
【0087】
[0093]310において、エンジン状態モジュール204は、N個の脈動の各々の大きさを決定する。換言すると、エンジン状態モジュール204は、N個の脈動のN個の大きさを決定する。312において、エンジン状態モジュール204は、N個の大きさの平均値を決定する。
【0088】
[0094]314において、エンジン状態モジュール204は、N個の大きさの平均値が第1の値以上であるかどうかを決定する。N個の大きさの平均値が第1の値以上である場合、方法は316に進む。そうでない場合、方法は318に進む。
【0089】
[0095]316において、エンジン状態モジュール204は、エンジン116がオンであると決定する。318において、エンジン状態モジュール204は、エンジン116がオフであると決定する。316及び318の後、方法は304に戻り、引き続き、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定する。
【0090】
[0096]次に
図4を参照すると、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、エンジン116によって生じる排ガスにおける排出物の濃度を決定することと、エンジン116がオンであるかオフであるかに基づいて、希釈トンネル102から試料採取器110への排ガスの流れを制御こととを行うための例となる方法が402から開始する。
図4の方法は、
図2に示されるETS制御モジュール154の例となる実施に含まれるモジュールのコンテキストにおいて説明される。しかしながら、
図4の方法のステップを実行する特定のモジュールは、下に述べるものとは異なり得、及び/又は、
図4の方法は、
図2のモジュールから離れて実施され得る。
【0091】
[0097]404において、EECセンサ156は、排ガス供給ライン118を流れる排ガスにおける排出物の濃度を測定する。406において、エンジン状態モジュール204は、例えば、
図3の方法を使用して、エンジン116がオンであるかどうかを決定する。エンジン116がオンである場合、方法は408に進む。そうでない場合、方法は410に進む。
【0092】
[0098]408において、排出物濃度モジュール206は、排気排出物濃度を、EECセンサ156によって測定される排出物濃度に等しく設定する。412において、弁制御モジュール210は、希釈トンネル102から試料採取器110への希釈排ガスの流れを許可するために弁126、134-1、及び/又は134-2を開ける。412の後、方法は404に戻る。
【0093】
[0099]410において、排出物濃度モジュール206は、排気排出物濃度をゼロに等しく設定する。414において、弁制御モジュール210は、希釈トンネル102から試料採取器110への希釈排ガスの流れを防止するために弁126、134-1、及び/又は134-2を閉じる。414の後、方法は404に戻る。
【0094】
[0100]次に
図5を参照すると、エンジン116がオフからオンに切り替えられたときの排ガス供給ライン118を流れる排ガスの圧力の例が502に例示される。排ガス供給ライン圧力502は、時間を表すx軸504と、圧力を表すy軸506とに対して描かれている。508において、エンジン116は、オフからオンに切り替えられる。
【0095】
[0101]排ガス供給ライン圧力502は、低周波数成分510及び高周波数成分512の両方を含む。
図5では、低周波数成分510及び高周波数成分512は、例示の目的で示される。しかしながら、実際には、低周波数成分510及び高周波数成分512は、別々には測定されることができず、信号フィルタリングを通してのみ得られ得る。
【0096】
[0102]エンジン116がオフからオンに切り替えられると、排ガス供給ライン圧力502は、エンジン116の気筒内の燃焼イベントにより複数の脈動514を経験する。脈動514は、排ガス供給ライン圧力502の高周波数成分512に相当するか、それを備える。エンジン状態モジュール204は、上で説明したように、脈動514の大きさ及び/又は周波数を決定し、脈動514の大きさ及び/又は周波数に基づいて、エンジン116がオンであるかオフであるかを決定する。
【0097】
[0103]次に
図6を参照すると、排ガス供給ライン圧力における脈動602の例が、時間を表すx軸604と、圧力を表すy軸606とに対して描かれている。脈動602は、最大振幅608と、波の周期610とを有し得る。最大振幅608は、脈動602の最大値612と、脈動602の最小値614との差分である。エンジン状態モジュール204は、脈動602の周波数を得るために、波の周期610の逆を決定し得る。エンジン状態モジュール204は、脈動602の大きさを最大振幅608に等しく設定し得る。代替的に、エンジン状態モジュール204は、脈動602の大きさを、最大値612と、脈動602の直後又は直前の脈動の最小値との差分に等しく設定し得る。代替的に、エンジン状態モジュール204は、脈動602の大きさを、最小値614と、脈動602の直後又は直前の脈動の最大値との差分に等しく設定し得る。
【0098】
[0104]次に
図7を参照すると、環境保護庁(EPA)US06試験サイクルにわたる車両速度信号702、エンジン速度信号704、排気圧力信号706、及びエンジンオン/オフ決定信号708の例が示される。エンジンオン/オフ決定信号708は、ミリ秒で時間を表すx軸710と、エンジン状態を表すy軸712とに対して描かれており、ここで、y軸712上の値0は、エンジン116がオフであることを示し、y軸712上の値1は、エンジン116がオンであることを示す。排気圧力信号706は、x軸710と、ミリバール(mbar)で圧力を表すy軸714とに対して描かれている。エンジン速度信号704は、x軸710と、1分間当たりの回転数(rpm)でエンジン速度を表すy軸716とに対して描かれている。車両速度信号702は、x軸710と、1時間あたりのキロメートル(kph)で車両速度を表すy軸718とに対して描かれている。
【0099】
[0105]エンジンオン/オフ決定信号708は、本開示の教示に従って、エンジン116がオンであるかオフであるかの決定の結果を示す。排気圧力信号706は、x軸710によって表される期間の間に排ガス供給ライン118を流れる排ガスの圧力を示す。エンジン速度信号704は、x軸710によって表される期間の間のエンジン116の速度を示す。車両速度信号702は、エンジン116によって前進させられる車両の速度を示す。
【0100】
[0106]エンジンオン/オフ決定信号708は、排ガス供給ライン圧力に基づいてエンジン116がオンであるかオフであるかを決定するための本開示の技法を使用して、排気圧力信号706に基づいて生成される。エンジン速度信号704は、それらの技法が有効であることを示す。このような目的で、エンジンオン/オフ決定信号708は、エンジン116の速度がゼロより大きいことをエンジン速度信号704が示すとき、エンジン116がオンであることを示す。反対に、エンジンオン/オフ決定信号708は、エンジンの速度がゼロに等しいことをエンジン速度信号704が示すとき、エンジン116がオフであることを示す。
【0101】
[0107]エンジン速度信号704とは対照的に、車両速度信号702は、エンジン116がオフであることをエンジンオン/オフ決定信号708が示すときには、車両速度がゼロより大きいことを示す。しかしながら、これは、排ガス供給ライン圧力に基づいてエンジン116がオンであるかオフであるかを決定するための本開示の技法の有効性に何の関係もない。このような目的で、この車両は、時々電子モータだけによって前進させられることができるハイブリッド車両である。故に、エンジン116は、車両が電子モータだけによって前進させられるときには、車両速度がゼロより大きいときにオフであり得る。
【0102】
[0108]先の説明は、事実上単なる実例であり、本開示、その適用例、又は用途を限定するように意図されることは断じてない。本開示の幅広い教示は、様々な形式で実施されることができる。従って、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、及び続く特許請求の範囲の研究から他の修正例が明らかとなるため、本開示の真の範囲はそれに限定されるべきではない。方法内の1つ又は複数のステップが、本開示の原理を変更することなく異なる順序で(又は同時に)実行され得ることは理解されるべきである。更に、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして上で説明されたが、本開示の任意の実施形態を参照して説明されたこれらの特徴のうちの任意の1つ又は複数は、これら他の実施形態のうちの任意の実施形態の特徴において実施されること及び/又はそれらと組み合わせられることが、その組合せが明示的に説明されていない場合であっても、可能である。換言すると、説明された実施形態は、相互排他的ではなく、1つ又は複数の実施形態の互いとの並べ替えは、本開示の範囲内である。
【0103】
[0109]要素間の(例えば、モジュール、回路要素、半導体レイヤ、ETS間の)空間的及び機能的な関係は、「~に接続された」、「~に関与する」、「~に結合された」、「隣接した」、「~の隣にある」、「~の上の」、「~より上」、「~より下」、及び「配置された」を含む様々な用語を使用して説明される。第1の要素と第2の要素との関係が上の開示で説明されるとき、「直接」であることが明示的に説明されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接関係であり得るが、それはまた、第1の要素と第2の要素との間に(空間的に又は機能的に)1つ又は複数の介在要素が存在する間接的な関係であり得る。本明細書で使用される場合、A、B、及びCのうちの少なくとも1つ、という表現は、非排他的な論理ORを使用して、論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきではなく、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、及びCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきでない。
【0104】
[0110]これら図では、矢尻によって示される矢印の方向は、一般に、例示に関する(データ又は命令のような)情報の流れを明示している。例えば、要素A及び要素Bが様々な情報を交換するが、要素Aから要素Bに送信される情報が例示に関連しているとき、矢印は、要素Aから要素Bを指し得る。この両矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送信されないことを暗示するものではない。更に、要素Aから要素Bに送られる情報の場合、要素Bは、情報を求める要求又は情報の受信確認応答を要素Aに送り得る。
【0105】
[0111]以下の定義を含む本願では、「モジュール」という用語又は「コントローラ」という用語は、「回路」という用語と置き換えられ得る。「モジュール」という用語は、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタル混合ディスクリート回路、デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタル混合集積回路、組合せの論理回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、コードを実行する(共有、専用、又はグループ)プロセッサ回路、プロセッサ回路によって実行されるコードを記憶する(共有、専用、又はグループ)メモリ回路、説明した機能を提供する他の適切なハードウェア構成要素、又は、例えば、システムオンチップにあるような上記のうちのいくつか又はすべての組合せ、を指すか、それらの一部であるか、又はそれらを含み得る。
【0106】
[0112]モジュールは、1つ又は複数のインターフェース回路を含み得る。いくつかの例では、インターフェース回路は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット、広域ネットワーク(WAN)、又はそれらの組合せに接続されるワイヤード又はワイヤレスインターフェースを含み得る。本開示の任意の所与のモジュールの機能性は、インターフェース回路を介して接続されている複数のモジュールの間で分散され得る。例えば、複数のモジュールは、負荷平衡化を可能し得る。更なる例では、(リモート又はクラウドとしても知られている)サーバモジュールは、クライアントモジュールの代わりに、何らかの機能性を達成し得る。
【0107】
[0113]コードという用語は、上で使用される場合、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又はマイクロコードを含み得、プログラム、ルーチン、機能、クラス、データ構造、及び/又はオブジェクトを指し得る。共有プロセッサ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつか又はすべてのコードを実行する単一のプロセッサ回路を包含する。グループプロセッサ回路という用語は、追加のプロセッサ回路と組み合わせて、1つ又は複数のモジュールからのいくつか又はすべてのコードを実行するプロセッサ回路を包含する。複数のプロセッサ回路への参照は、ディスクリートダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のダイ上の複数のプロセッサ回路、単一のプロセッサ回路の複数のコア、単一のプロセッサ回路の複数のスレッド、又は上記の組合せを包含する。共有メモリ回路という用語は、複数のモジュールからのいくつか又はすべてのコードを記憶する単一のメモリ回路を包含する。グループメモリ回路という用語は、追加のメモリと組み合わせて、1つ又は複数のモジュールからのいくつか又はすべてのコードを記憶するメモリ回路を包含する。
【0108】
[0114]メモリ回路という用語は、コンピュータ読取可能な媒体という用語のサブセットである。コンピュータ読取可能な媒体という用語は、本明細書で使用される場合、媒体を通して(例えば、搬送波上で)伝播する一時的な電気又は電磁気信号を包含せず、従って、コンピュータ読取可能な媒体という用語は、有形かつ非一時的であるとみなされ得る。非一時的な有形のコンピュータ読取可能な媒体の非限定的な例は、(フラッシュメモリ回路、消去可能なプログラマブル読取専用メモリ回路、又はマスク読取専用メモリ回路のような)不揮発性メモリ回路、(静的ランダムアクセスメモリ回路又は動的ランダムアクセスメモリ回路のような)揮発性メモリ回路、(アナログ又はデジタル磁気テープ又はハードディスクドライブのような)磁気記憶媒体、及び(CD、DVD、ブルーレイディスクのような)光記憶媒体である。
【0109】
[0115]本願で説明される装置及び方法は、コンピュータプログラムにおいて具現化される1つ又は複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することで作られる専用コンピュータによって部分的又は完全に実施され得る。機能ブロック、フローチャート構成要素、及び上で説明した他の要素は、当業者又はプログラマの日常業務によってコンピュータプログラムへと変換されることができる、ソフトウェア仕様書としての役割を果たす。
【0110】
[0116]コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的な有形のコンピュータ読取可能な媒体に記憶されるプロセッサ実行可能な命令を含む。コンピュータプログラムはまた、記憶されたデータを含むかそれに依存し得る。コンピュータプログラムは、専用コンピュータ、のハードウェアと相互作用する基本入力/出力システム(BIOS)、専用コンピュータの特定のデバイスと相互作用するデバイスドライバ、1つ又は複数のオペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーション、ETSを包含し得る。
【0111】
[0117]コンピュータプログラムは、(i)HTML(hypertext markup language)、XML(extensible markup language)、又はJSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)のような、解釈されることなる記述文、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによってソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタープリタによる実行用のソースコード、(v)実行時コンパイラによるコンパイル及び実行用のソースコード、ETSを含み得る。単なる例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective-C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(登録商標)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、Javascript(登録商標)、HTML5(Hypertext Markup Language 5th revision)、Ada、ASP(Active Server Pages)、PHP(PHP:Hypertext Preprocessor)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(登録商標)、Visual Basic(登録商標)、Lua、MATLAB、SIMULINK、及びPython(登録商標)、を含む言語からのシンタックスを使用して書かれ得る。
【0112】
[0118]特許請求の範囲に記載されている要素はいずれも、その要素が「~ための手段」という表現を使用して、又は方法請求項のケースでは、「~するための動作」又は「~するためのステップ」という表現を使用して、明確に記載されていない限り、米国特許法第112条(f)の意味内のミーンズプラスファンクション要素であることは意図されない。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] エンジンから排出物測定システムに排ガスを供給する排ガス供給ライン内の圧力を測定するように構成された圧力センサと、ここで、前記排出物測定システムは、希釈トンネルと、サンプルプローブと、試料採取器とを含み、ここにおいて、前記排ガスは、前記希釈トンネルにおいて希釈ガスで希釈され、前記サンプルプローブは、前記希釈された排ガスの一部を前記試料採取器に供給するものであり、
排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数、及び
前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の大きさ
のうちの少なくとも1つに基づいて前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定するように構成されたエンジン状態モジュールと、
を備えるシステム。
[2] 前記エンジン状態モジュールは、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記周波数が所定の周波数以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定するように構成される、[1]に記載のシステム。
[3] 前記エンジン状態モジュールは、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさが所定の値以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定するように構成される、[1]に記載のシステム。
[4] 前記エンジン状態モジュールは、前記脈動のうちの1つの脈動の最大値と、同じ脈動か又は同じ脈動の直前又は直後の前記脈動のうちの1つのうちの一方の最小値との差分に基づいて、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさを決定するように構成される、[3]に記載のシステム。
[5] 前記エンジン状態モジュールは、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記周波数及び前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさの両方に基づいて、前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定するように構成される、[1]に記載のシステム。
[6] 前記エンジン状態モジュールは、
所定の周波数以上の周波数を有する前記脈動のうちのN個を識別することと、
前記N個の脈動の前記大きさに基づいて、前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定することと、ここにおいて、Nは整数である、
を行うように構成される、[5]に記載のシステム。
[7] 前記エンジン状態モジュールは、前記N個の脈動の前記大きさの平均値が所定の値以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定するように構成され、ここにおいて、Nは1より大きい、[6]に記載のシステム。
[8] 前記圧力センサは、1キロヘルツ以上の周波数で前記排ガス供給ライン圧力を測定するように構成される、[1]に記載のシステム。
[9] 前記排ガスにおける排出物の濃度を測定するように構成された排出物濃度センサと、
前記測定された排出物濃度と、前記エンジンがオンであるかオフであるかとに基づいて、前記排ガスにおける前記排出物の質量を決定するように構成された排出物質量モジュールと
を更に備える、[1]に記載のシステム。
[10] 前記エンジンがオンであるかオフであるかに基づいて、前記希釈トンネルから前記試料採取器への前記希釈排ガスの流れを調節するように弁を制御するように構成された弁制御モジュールを更に備える、[1]に記載のシステム。
[11] エンジンから排出物測定システムに排ガスを供給する排ガス供給ライン内の圧力を測定することと、ここで、前記排出物測定システムは、希釈トンネルと、サンプルプローブと、試料採取器とを含み、ここにおいて、前記排ガスは、前記希釈トンネルにおいて希釈ガスで希釈され、前記サンプルプローブは、前記希釈された排ガスの一部を前記試料採取器に供給するものであり、
排ガス供給ライン圧力における脈動の周波数、及び
前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の大きさ
のうちの少なくとも1つに基づいて、前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定することと、
を備える方法。
[12] 前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記周波数が所定の周波数以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定することを更に備える、[11]に記載の方法。
[13] 前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさが所定の値以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定することを更に備える、[11]に記載の方法。
[14] 前記脈動のうちの1つの脈動の最大値と、同じ脈動か又は同じ脈動の直前又は直後の脈動のうちの1つのうちの一方の最小値との差分に基づいて、前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさを決定することを更に備える、[13]に記載の方法。
[15] 前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記周波数及び前記排ガス供給ライン圧力における前記脈動の前記大きさの両方に基づいて、前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定することを更に備える、[11]に記載の方法。
[16] 所定の周波数以上の周波数を有する前記脈動のうちのN個を識別することと、
前記N個の脈動の前記大きさに基づいて、前記エンジンがオンであるかオフであるかを決定することと、ここにおいて、Nは整数である、
ことを更に備える、[15]に記載の方法。
[17] 前記N個の脈動の前記大きさの平均値が所定の値以上であるとき、前記エンジンがオンであると決定することを更に備え、ここにおいて、Nは1より大きい、[16]に記載の方法。
[18] 1キロヘルツ以上の周波数で前記排ガス供給ライン圧力を測定することを更に備える、[11]に記載の方法。
[19] 前記排ガスにおける排出物の濃度を測定することと、
前記測定された排出物濃度と、前記エンジンがオンであるかオフであるかとに基づいて、前記排ガスにおける前記排出物の質量を決定することと
ことを更に備える、[11]に記載の方法。
[20] 前記エンジンがオンであるかオフであるかに基づいて、前記希釈トンネルから前記試料採取器への前記希釈排ガスの流れを調節するように弁を制御することを更に備える、[11]に記載の方法。