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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】高品質の非エアロゾル手除菌用泡
(51)【国際特許分類】
   A47K 5/16 20060101AFI20220801BHJP
   A47K 5/12 20060101ALI20220801BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20220801BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20220801BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20220801BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220801BHJP
   A61K 8/894 20060101ALI20220801BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20220801BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 17/04 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 3/48 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20220801BHJP
   A01P 1/00 20060101ALI20220801BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220801BHJP
   A01N 31/02 20060101ALI20220801BHJP
   A01N 25/16 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
A47K5/16
A47K5/12 A
B65D83/00 K
A61K9/12
A61K47/34
A61P31/04
A61K8/894
A61K47/10
A61K8/34
C11D17/04
C11D3/20
C11D3/48
C11D3/37
A01P1/00
A01P3/00
A01N31/02
A01N25/16
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018541206
(86)(22)【出願日】2017-02-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-05-16
(86)【国際出願番号】 US2017017595
(87)【国際公開番号】W WO2017139727
(87)【国際公開日】2017-08-17
【審査請求日】2020-01-30
(31)【優先権主張番号】15/350,190
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/356,795
(32)【優先日】2016-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/369,007
(32)【優先日】2016-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/355,112
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/293,931
(32)【優先日】2016-02-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/319,061
(32)【優先日】2016-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506190555
【氏名又は名称】ゴジョ・インダストリーズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャヴァレラ,ニック イー
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0221463(US,A1)
【文献】国際公開第2004/078903(WO,A1)
【文献】特表2015-517978(JP,A)
【文献】特表2007-506684(JP,A)
【文献】特開2011-121896(JP,A)
【文献】特開2004-107655(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 5/16
A61K 8/34
A61K 47/10
C11D 1/00
C11D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非エアロゾル発泡除菌剤であって、
周囲空気と混合されかつ前記周囲空気を取り込んだ複数の気泡の形態で、アルコールと、水と、界面活性剤とを含む液体混合物を含み、
前記アルコールの容積比は、30%を超え、
アルコールと水を含む前記液体混合物は、アルコールを含む前記液体混合物の1つのショットを混合チャンバにポンピングし、前記周囲空気の第1のショットを前記混合チャンバにポンピングし、前記周囲空気の第2のショットを前記混合チャンバにポンピングする、マルチダイアフラム式泡ポンプが順次起動されることにより前記周囲空気と混合され、
前記液体混合物と空気との混合物は、計量分配される前に、発泡カートリッジを通過し、
前記気泡の50パーセント超は、50μm~250μmのサイズを有する、非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項2】
前記周囲空気は、炭化水素を含まない、請求項1に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項3】
前記気泡は、0.10グラム/ミリリットルより大きい密度を有する、請求項1に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項4】
前記界面活性剤は、シリコーン含有化合物を含む、請求項1に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項5】
前記界面活性剤は、シランを含む、請求項1に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項6】
前記界面活性剤は、ジメチコーンを含む、請求項1に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項7】
前記アルコールの容積比は、60%を超える、請求項1に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項8】
エアロゾル発泡除菌剤であって、
周囲空気と混合されかつ前記周囲空気を取り込んだ複数の気泡の形態で、アルコールと、水と、界面活性剤とを含む液体混合物を含み、
前記アルコールの容積比は、30%を超え、
前記液体混合物が、前記液体混合物の1つのショットを混合チャンバにポンピングし、前記周囲空気の第1のショットを前記混合チャンバにポンピングし、前記周囲空気の第2のショットを前記混合チャンバにポンピングする、マルチダイアフラム式泡ポンプが順次起動される、非エアロゾル泡ポンプを通過した後、
前記液体混合物と空気との混合物は、計量分配される前に、発泡カートリッジを通過し、
計量分配される前記気泡の平均直径は、190μm未満であ、非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項9】
前記気泡の前記平均直径は、160μm~190μmである、請求項8に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項10】
前記気泡の前記平均直径は、180μmである、請求項8に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項11】
前記気泡は、0.10グラム/ミリリットルより大きい密度を有する、請求項8に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項12】
前記界面活性剤は、シリコーン含有化合物を含む、請求項8に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項13】
前記アルコールの容積比は、70%を超える、請求項8に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項14】
前記アルコールの容積比は、60%を超える、請求項8に記載の非エアロゾル発泡除菌剤。
【請求項15】
泡除菌剤を生成するための非エアロゾル泡ポンプであって、
アルコールと、水と、界面活性剤とを含む液体混合物を含む発泡性除菌剤をポンピングするための液体ポンプ部分と、
前記アルコールの容積比は、30%を超え、
大気をポンピングするための2つ以上の空気ポンプ部分と、を含み、
前記液体ポンプ部分は、発泡性除菌剤の1つのショットを混合チャンバにポンピングし、前記2つ以上の空気ポンプ部分は順次、大気の1つのショットを前記混合チャンバにポンピングし、前記発泡性除菌剤の前記液体混合物と大気は発泡カートリッジを通り、気泡として前記ポンプから計量分配され、
前記気泡が計量分配される時、計量分配される前記気泡の50%超は、250μm未満のサイズを有する、発泡除菌剤を生成するための非エアロゾル泡ポンプ。
【請求項16】
計量分配される前記気泡の50%超は、50μm~250μmのサイズを有する、請求項15に記載の発泡除菌剤を生成するための非エアロゾル泡ポンプ。
【請求項17】
前記液体ポンプ部分および前記空気ポンプ部分は、ダイアフラムである、請求項15に記載の非エアロゾル泡ポンプ。
【請求項18】
複数のスポンジを含む泡カートリッジをさらに備え、少なくとも2つのスポンジは、異なる特性を有する、請求項15に記載の非エアロゾル泡ポンプ。
【請求項19】
前記異なる特性は、硬度特性である、請求項18に記載の非エアロゾル泡ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2016年2月11日に提出された「高品質の非エアロゾル手除菌用泡(HIGH QUALITY NON-AEROSOL HAND SANITIZING FOAM)」と題する米国暫定出願第62/293,931号明細書、2016年12月5日に提出された「順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプ、詰替えユニットおよびディスペンサシステム(SEQUENTIALLY ACTIVATED MULTI-DIAPHRAGM FOAM PUMPS,REFILL UNITS AND DISPENSER SYSTEMS)」と題する米国非暫定出願第15/369,007号明細書、2016年4月6日に提出された「順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプ、詰替えユニットおよびディスペンサシステム(SEQUENTIALLY ACTIVATED MULTI-DIAPHRAGM FOAM PUMPS,REFILL UNITS AND DISPENSER SYSTEMS)」と題する米国暫定出願第62/319,061号明細書、2016年11月18日に提出された「順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプ、詰替えユニットおよびディスペンサシステム(SEQUENTIALLY ACTIVATED MULTI-DIAPHRAGM FOAM PUMPS,REFILL UNITS AND DISPENSER SYSTEMS)」と題する米国非暫定出願第15/355,112号明細書、2016年11月21日に提出された「高い空気-液体比を有する泡計量分配システム、ポンプおよび詰替えユニット(FOAM DISPENSING SYSTEMS,PUMPS AND REFILL UNITS HAVING HIGH AIR TO LIQUID RATIOS)」と題する米国非暫定出願第15/356,795号明細書、および2016年11月14日に提出された「改良型発泡カートリッジ(IMPROVED FOAMING CARTRIDGE)」と題する米国非暫定出願第15/350,190号明細書に対する優先権を主張し、かつその出願の利益を主張するものである。これらは、各々、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、泡ポンプおよび泡ディスペンサシステムのための改良された高品質泡の手除菌剤特性に関し、より具体的には、改良された高品質非エアロゾル泡の手除菌用泡に関する。
【背景技術】
【0003】
液状石鹸および除菌剤のディスペンサ等の液体ディスペンサシステムは、ディスペンサの作動時にユーザへ既定量の液体を提供する。さらに、液体は、例えば液体に空気を噴射して液体と気泡との泡状混合物を生成することにより、泡の形態で計量分配することが望ましいことがある。液体の中には、例えばアルコールベースの液体のように、アルコールが消泡剤であることにより泡立ちにくいものがある。したがって、アルコールベースの高品質な泡を得ることは困難であって、混合を強化する必要がある。従来技術による発泡除菌剤は、エアロゾルベースおよび非エアロゾルベースのいずれかである。エアロゾルベースの泡は、加圧された推進剤を利用して液体と混合され、泡として計量分配される。非エアロゾルベースの手除菌剤は、ポンプを必要とする。泡を生成するための従来の非エアロゾルポンプは、液体と空気との混合物を泡カートリッジを通してポンピングすることにより、泡を形成する。従来の泡ポンプおよび泡カートリッジは、Albea Beauty Holdings株式会社によって製造され、正式には、Rexam Airspray(「Albea」)およびOphardt Hygiene Technologies社(「Ophardt」)によって製造されている。これらの泡ポンプは、シラン等の界面活性剤を含有する所定のアルコール製剤を発泡させるが、この発泡アルコールの品質は、泡石鹸を用いて製造される泡の品質ほど高くない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、高品質の非エアロゾル発泡除菌剤の例示的な実施形態を開示する。高品質非エアロゾル発泡除菌剤のある例示的な実施形態は、周囲空気と混合されかつ周囲空気を取り込んで複数の気泡(foam bubble)を形成する、アルコールと、水と、界面活性剤とを含む液体混合物を含む。高品質泡における気泡は、その約50%を超えるものが約50μm~約250μmのサイズを有する。
また、前記アルコールの容積比は、約30%を超え、アルコールと水を含む前記液体混合物は、アルコールを含む前記液体混合物の1つのショットを混合チャンバにポンピングし、前記周囲空気の第1のショットを前記混合にポンピングし、前記周囲空気の第2のショットを前記混合チャンバにポンピングする、マルチダイアフラム式泡ポンプが順次起動されることにより前記周囲空気と混合され、前記液体と空気との混合物は、計量分配される前に、発泡カートリッジを通過する。
【0005】
高品質非エアロゾル発泡除菌剤の別の例示的実施形態は、空気と混合されかつ空気を取り込んで複数の気泡を形成する、アルコールと、水と、界面活性剤とを含む液体混合物を含む。前記アルコールの容積比は、約30%を超え、液体混合物は、前記液体混合物の1つのショットを混合チャンバにポンピングし、前記周囲空気の第1のショットを前記混合チャンバにポンピングし、前記周囲空気の第2のショットを前記混合チャンバにポンピングする、マルチダイアフラム式泡ポンプが順次起動される、非エアロゾル泡ポンプを通過した後前記液体と空気との混合物は、計量分配される前に、発泡カートリッジを通過して泡を発生し、気泡の平均径は、約190μm未満である。
【0006】
別の高品質非エアロゾル発泡除菌剤は、空気と混合されかつ空気を取り込んで複数の気泡を形成する、アルコールと、水と、界面活性剤とを含む液体混合物を含み、気泡の最大径は、約580μm未満である。
【0007】
別の高品質非エアロゾル発泡除菌剤は、空気と混合されかつ空気を取り込んで複数の気泡を形成する、アルコールと、水と、界面活性剤とを含む液体混合物を含み、気泡の平均径は、約100μm~約200μmである。
【0008】
別の高品質非エアロゾル発泡除菌剤は、空気と混合されかつ空気を取り込んで複数の気泡を形成する、アルコールと、水と、界面活性剤とを含む液体混合物を含み、気泡サイズの平均径は、約200μm未満であり、かつ気泡径の標準偏差は、約100μm未満である。
【0009】
高品質の発泡除菌剤を製造するためのある例示的な非エアロゾル泡ポンプは、アルコールと水と界面活性剤とを含有する発泡性除菌剤をポンピングするための液体ポンプ部分と、2つ以上の空気ポンプ部分と、発泡性除菌剤と空気とを混合して気泡を有する泡を形成するための混合チャンバとを含む。気泡は、その約50%を超えるものが約250μm未満のサイズを有する。
また、前記アルコールの容積比は、約30%を超え、前記液体ポンプ部分は、発泡性除菌剤の1つのショットを混合チャンバにポンピングし、前記2つ以上の空気ポンプ部分は順次、大気の1つのショットを前記混合チャンバにポンピングし、前記発泡性除菌剤の前記混合物と大気は発泡カートリッジを通り、気泡として前記ポンプから計量分配される。
【0010】
別の例示的な非エアロゾル発泡除菌剤は、アルコールと、水と、界面活性剤と、大気との混合物を含む。混合物は、互いに混合されて、複数の気泡を含む泡を形成する。複数の気泡は、約200μm未満の平均気泡サイズを有し、かつ泡は、0.095g/mlより大きい泡密度を有する。
【0011】
非エアロゾル手除菌用泡を調製するためのある例示的なプロセスは、水と、アルコールと、界面活性剤とを含む発泡性の手除菌用組成物を提供することを含む。非エアロゾル泡ポンプを提供することにおいて、非エアロゾル泡ポンプは、発泡性の手除菌用組成物を大気と混合するための混合チャンバを含む。非エアロゾル泡ポンプは、液体と大気とを混合チャンバ内へポンピングして互いに混合し、泡を形成させる。泡は、気泡で構成され、気泡の平均サイズは、約200μm未満である。このプロセスは、さらに、泡を計量分配するための泡出口を含む。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】高品質の除菌剤泡を提供するように構成される泡ディスペンサの詰替えユニットの例示的な一実施形態である。
【0013】
図2】高品質の除菌剤泡を提供するように構成される泡ディスペンサの例示的な一実施形態である。
【0014】
図2A図1の例示的な詰替えユニットが取り付けられている、図2の例示的な泡ディスペンサである。
【0015】
図3】第1の視点から見た、高品質の発泡除菌剤を提供するように構成される、順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの例示的な一実施形態の分解図である。
【0016】
図4】第2の視点から見た、図3の順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの例示的実施形態の分解図である。
【0017】
図5図3の順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの例示的実施形態の例示的なダイアフラムアッセンブリの平面図である。
【0018】
図6】順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの例示的実施形態の例示的なダイアフラムアッセンブリの底面図である。
【0019】
図7図3の順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの例示的実施形態の例示的なバルブシートの平面図である。
【0020】
図8図7の例示的バルブシートの底面図である。
【0021】
図9図3の順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの例示的実施形態の例示的なダイアフラム・アッセンブリ・シートの平面図である。
【0022】
図10A図5~9の線A-Aに沿った、順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの液体ポンプ部分の断面図である。
【0023】
図10B図5~9の線B-Bに沿った、順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの空気ポンプ部分の断面図である。
【0024】
図10C図5~9の線C-Cに沿った、順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの第2の空気ポンプ部分の断面図である。
【0025】
図11】高品質の発泡除菌剤を提供するように構成される、順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの別の例示的実施形態の断面図である。
【0026】
図12】泡ディスペンサの別の例示的実施形態である。
【0027】
図13】高品質の発泡除菌剤を提供するように構成される泡ディスペンサの改良された発泡カートリッジの例示的な一実施形態である。
【0028】
図14】高品質の発泡除菌剤を提供するように構成される泡ディスペンサの改良された発泡カートリッジの別の例示的実施形態である。
【0029】
図15】Albea製の従来型ポンプで発泡されたアルコールベースの泡を低照明および低倍率で示した画像である。
【0030】
図16】Albea製の従来型ポンプで発泡されたアルコールベースの泡を、透過光下かつより高い倍率で示した画像である。
【0031】
図17】Ophardt製の従来型ポンプで発泡されたアルコールベースの泡を低照明および低倍率で示した画像である。
【0032】
図18】Ophardt製の従来型ポンプで発泡されたアルコールベースの泡を、透過光下かつより高い倍率で示した画像である。
【0033】
図19】本明細書で示しかつ説明する新規の順次作動されるダイアフラム式泡ポンプで発泡されたアルコールベースの泡を低照明および低倍率で示した画像である。
【0034】
図20】本明細書で示しかつ説明する新規の順次作動されるダイアフラム式泡ポンプで発泡されたアルコールベースの泡を、透過光下かつより高い倍率で示した画像である。
【0035】
図21】Albea製ポンプ、Ophardt製ポンプおよび本明細書で開示する新規ダイアフラム式泡ポンプの気泡サイズ分布を示すグラフである。
【0036】
図22】Albea製ポンプ、Ophardt製ポンプおよび本明細書で開示する新規ダイアフラム式泡ポンプの気泡サイズ分布の合計の頻発度を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本出願は、現時点で入手可能な発泡除菌剤を凌ぐ改良された高品質発泡除菌剤の例示的実施形態を開示する。改良された発泡除菌剤の例示的実施形態は、縮小された気泡サイズ、より一貫した気泡サイズを示し、よってより安定した除菌泡である。
【0038】
さらに、本出願は、高品質泡を提供するように構成される泡ポンプの例示的実施形態として、改良された発泡カートリッジと共に用いるための、順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの例示的実施形態を開示する。本明細書に開示しかつ特許請求する高品質泡を製造する他の泡ポンプも、作製されてもよい。効果を制限することなく、本明細書に開示する例示的なポンプの中には、少量の液体を少量の空気と連続的に混合するという理由で、本明細書において示しかつ説明する高品質泡を生成できるものがあることが確信される。さらに、これらのポンプは、空気と液体とを混合させ、かつより高い圧力で発泡カートリッジを通過させてもよい。さらに、効果を制限することなく、改良された発泡カートリッジの構造および構成は、本明細書において示し、説明しかつ特許請求する高品質泡に寄与し得ることが確信される。
【0039】
図1~14は、本明細書において開示しかつ特許請求する高品質の気泡を生成することができる非エアロゾル泡ポンプの例示的な実施形態を開示している。図1は、高品質泡を生成するための泡ディスペンサ用詰替えユニット100を示す。詰替えユニット100は、押出し容器102を含む。押出し容器102は、ネック103と、ドリップフリー式クイックコネクタ104とを含む。例示的なドリップフリー式クイックコネクタは、「バッグおよびこのようなバッグを備える計量分配システム(Bag and Dispensing System Comprising SuchA Bag)」と題する米国特許第6,871,679号明細書、および「流体の計量分配を制御するためのコネクタ装置およびその連結方法(Connector Apparatus And Method For Connecting The Same For Controlling Fluid Dispensing)」と題する米国特許第7,647,954号明細書に開示され、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。使い捨て詰替えユニットは、発泡性液体の供給装置を含む。本明細書に開示する実施形態の大部分は、アルコールベースの除菌剤を中心にしているが、様々な実施形態において、中に入れる発泡性の液体は、例えば石鹸、除菌剤、洗浄剤、消毒剤、ローションまたはこれらに類似するものである可能性もある。容器は、押出し容器であって、薄いプラスチックまたは可撓性の袋状材料で製造されることが可能である。他の実施形態において、容器は、剛性ハウジング部材により形成される非崩壊容器であっても、発泡性液体を漏れなしに収容するための他の任意の適切な構造であってもよい。非崩壊容器の場合は、通気システムが含まれてもよい。例示的な通気システムは、「ディスペンサリザーバを通気するための密閉システム(Closed System for Venting a Dispenser Reservoir)」と題する米国特許出願公開第2015/0266657号明細書、「容器ベントを有するポンプ(Pumps With Container Vents)」と題する同公開第2015/025184号明細書、および「ベント型詰替えユニットおよびベント型詰替えユニットを有するディスペンサ(Vented Refill Units And Dispensers Having Vented Refill Units)」と題する出願第14/811,995号明細書に開示され、これらは参照により開示に含まれる。
【0040】
図2は、高品質の除菌剤泡を提供するように構成される非接触泡ディスペンサ200の例示的な一実施形態を示す。非接触泡ディスペンサ200は、ハウジング202と、モータ204と、泡ポンプ206と、詰替えユニットコネクタ208と、泡カートリッジ210と、ノズル212とを含む。泡カートリッジ210の例示的な実施形態については、図13に関連して後に示し、かつ説明する。詰替えユニット100は、図2Aに示すように、詰替えユニットコネクタ208へ連結されてもよい。詰替えユニット100は、石鹸、除菌剤、ローション、洗浄剤、消毒剤またはこれらに類似するもの等の発泡性液体を入れている。非接触泡ディスペンサ200は、センサ214がユーザまたはオブジェクトの存在を検出すると作動される。センサ214は、オブジェクトまたはユーザを検出すると、電子制御盤216内のプロセッサ(不図示)へ信号を提供する。電子制御盤216は、モータ204に偏心ウォブルプレートのアクチュエータ駆動機構301を回転させる出力信号を提供する。センサ214および電子制御盤216は、電源218から電力を受け取る。実施形態によっては、モータ204は、電源218から電力を受け取り、他の実施形態では、詰替えユニットが、充電可能電源(不図示)へ電力を提供する電源(不図示)を含む。ウォブルプレートのアクチュエータ駆動機構301へ電力を提供する電源を有する詰替えユニットの例示的な実施形態は、「非接触ディスペンサの電源システムおよび電源を含む詰替えユニット(Power Systems For Touch Free Dispensers And Refill Units Containing A Power Source)」と題する米国公開第2014/0234140号明細書に示されかつ説明されていて、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。モータ204へ電力が提供されると、ウォブルプレートのアクチュエータ駆動機構301が回転する。ウォブルプレートのアクチュエータ駆動機構301の回転は、泡ポンプ206のダイアフラムを順次圧縮、拡張させ、液体および周囲空気を混合チャンバ325内へとポンピングする。液体と空気とは、互いに混ざり合い、泡混合物を形成する。泡混合物は、泡カートリッジ210を通って押し出され、濃密な泡が生成される。濃密な泡は、泡ディスペンサ200からノズル212を介して計量分配される。
【0041】
詰替えユニット100および泡ディスペンサ200の多くについては、様々な異なるコンポーネントが使用され得ることから、各々図1および図2に示されている詰替えユニット100および泡ディスペンサ200は、一般的に描かれている。先の泡ポンプ206は、一般的に上記で示されているが、詳しくは後述する。本発明に従って使用され得る幾つかの例示的なディスペンサコンポーネントは、「単一セル操作およびバッテリバンキングを有する非接触ディスペンサ(Touch-Free Dispenser With Single Cell Operation And Battery Banking)」と題する米国特許第8,960,498号明細書、「軸外反転泡ディスペンサおよび詰替えユニット(Off-Axis Inverted Foam Dispensers And Refill Units)」と題する米国特許公開第2014/00543.22号明細書、および「非接触ディスペンサ用電源システムおよび電源を含む詰替えユニット(Power Systems For Touch Free Dispensers And Refill Units Containing A Power Source)」と題する公開第2014/0234140号明細書に示されかつ説明されていて、これらは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0042】
図3は、高品質の発泡除菌剤を提供するように構成される泡ポンプ206の例示的な一実施形態の分解図である。泡ポンプ206は、モータ204により駆動される。泡ポンプ206は、ポンプベース324と、ウォブルプレート314と、ダイアフラム・アッセンブリ・シート312と、ダイアフラムアッセンブリ310と、バルブシート308と、出口バルブ323A、323B、323Cと、ねじ302と、カバー348とを含む。バルブシート308、ダイアフラム・アッセンブリ・シート312およびポンプベース324は、ねじ穴308A、312A、324Aにおいて、ねじ302により互いに固定される。カバー348は、バルブシート308へ付着される。出口バルブ323A、323B、323Cは、バルブシート308へ固定され、かつバルブシート308内に座される。
【0043】
ダイアフラムアッセンブリ310は、3つのポンプダイアフラム310A、310B、310Cを含み、各ポンプダイアフラム310A、310B、310Cは、コネクタ311A、311B、311Cを有する。ダイアフラムアッセンブリ310は、ダイアフラム・アッセンブリ・シート312内に位置決めされる。ポンプダイアフラム310A、310B、310Cは、ダイアフラム・アッセンブリ・シート312の受け穴313A、313B、313C内に配置され、かつ3つのコネクタ311A、311B、311Cは、3つのコネクタ311A、311B、311Cを3つのウォブルプレート・リンク314A、314B、314C内へ挿入することにより、ウォブルプレート314に連結する。
【0044】
周囲空気は、ポンプの空気入口424B(図4)を介して泡ポンプ206に入り、かつ例えば発泡性の石鹸または除菌剤等の液体は、液体入口352を介して泡ポンプ206に入る。ポンプダイアフラムのうちの2つ、310B、310Cは、周囲空気を受け入れ、もう1つのポンプダイアフラム310Aは、例えば石鹸または除菌剤等の発泡性液体を受け入れる。
【0045】
図4は、例示的な泡ポンプ206を異なる視点から見た別の分解図である。先に述べたように、ダイアフラムアッセンブリ310は、3つのポンプダイアフラム310A、310B、310Cを含む。各ポンプダイアフラム310A、310B、310Cは、対応する入口バルブ316A、316B、316C(図5および6においてよく分かる)を有する。図4は、バルブシート308の底面図も提示している。バルブシート308の底部は、3つのポンプダイアフラム310A、310B、310Cに対応する3つの領域を有する。各領域は、バルブシート308を介して延びる3つの流体出口開口309A、309B、309Cと、バルブステム保持開口329A、329B、329C(図7)と、流体入口溝319A、319B、319Cとを有する。流体入口溝319A、319B、319Cは、バルブシート308を貫通して延びない。
【0046】
図5および6は、各々、泡ポンプ206の例示的なダイアフラムアッセンブリ310の平面図および底面図を示す。実施形態によっては、ダイアフラムアッセンブリは、天然ゴム、EPDM、シリコーン、シリコーンゴムTPE、TPU、TPV、ビニルまたはこれらに類似するもので作られる。ダイアフラムアッセンブリ310は、3つの成形されたポンプダイアフラム310A、310B、310Cと、対応する3つの入口バルブ316A、316B、316Cとを含む。ダイアフラムアッセンブリ310の上部は、シーリングガスケットとして作用する。ダイアフラムアッセンブリ310の上部は、平坦な部分310Fを有し、各ポンプダイアフラム310A、310B、310Cは、個々のバルブ316A、316B、316Cおよびポンプダイアフラム310A、310B、310Cを取り囲むガスケット壁327A、327B、327Cを有する。ガスケット壁327A、327B、327Cは、空気および液状の石鹸または除菌剤等の流体がポンプ出口350(図3)以外の場所で泡ポンプ206から漏出することを防止するために、バルブシート308の底部(図4および図8)に密着する。一方向入口バルブ316A、316B、316Cは、ポンプダイアフラム310A、310B、310Cが負圧を有するとき(すなわち、ポンプダイアフラム310A、310B、310Cの拡張時)に、周囲空気、液状の石鹸または除菌剤がポンプダイアフラム310A、310B、310Cへ進入できるようにし、かつポンプダイアフラム310A、310B、310Cが正圧を有するとき(例えば、ポンプダイアフラム310A、310B、310Cの圧縮時)に、入口開口321A、321B、321Cに密着する。一方向入口バルブ316A、316B、316Cは、可撓性タブで形成され、かつダイアフラムアッセンブリ310と同じ材料で作られる。
【0047】
図7は、泡ポンプ206の例示的なバルブシート308の平面図である。一方向液体出口バルブ323Aは、液体出口開口309Aを通って混合チャンバ325へ入る液体の流れ331Aをより明確に示すために透過的に示されている。一方向液体出口バルブ323Aは、開口329Aに挿入されて一方向液体出口バルブ323Aをバルブシート308へ固定するバルブステム357A(図3)を含む。一方向液体出口バルブ323Aは、通常は閉止されていて、空気または液体が混合チャンバ325から空気出口開口309Aを介して液体ポンプダイアフラム310Aへと逆流することを防止する。一方向液体出口バルブ323は、液体ポンプダイアフラム310Aが圧縮されて流体をポンピングするときに開く。
【0048】
同様に、一方向空気出口バルブ323B、323Cも、空気出口開口309B、309Cを通って混合チャンバ325へ入る空気の流れ331B、331Cをより明確に示すために透過的に示されている。一方向空気出口バルブ323B、323Cは、各々、対応する開口329B、329Cに挿入されて一方向空気出口バルブをバルブシート308へ固定するバルブステム357B、357C(図3)を含む。一方向空気出口バルブ323B、323Cは、通常は閉止されていて、空気または液体が混合チャンバ325から空気出口開口323B、323Cを介して空気ポンプダイアフラム310B、310Cへと逆流することを防止する。一方向空気出口バルブ323B、323Cは、対応する空気ポンプダイアフラム310B、310Cが圧縮されて空気をポンピングするときに開く。
【0049】
バルブシート308は、流れ方向制御壁308Eも含む。流れ方向制御壁308Eは、液体と空気との混合を助ける流路を提供する。この実施形態において、流れ方向制御壁308Eは、湾曲していて、液体と空気とを接線関係で交差させる。実施形態によっては、流れ方向制御壁308Eは、液体と空気とを所望される角度で交差させるように、例えば、各流路が120度の角度で交差し得るように、設計されかつ配置される。実施形態によっては、流れ方向制御壁308Eは、2つの空気経路が液体流路と約180度で交差するように配置される。流路交差の設計は、液体の種類が異なれば異なってもよく、例えば、液体石鹸であれば、2つの空気流路と正面から(180度)交差させることで、より高品質の泡が得られてもよく、一方で、発泡性の除菌剤であれば、空気経路を液体経路と接線的に交差させることで、より高品質の泡が得られてもよい。
【0050】
図8は、泡ポンプ206の例示的なバルブシート308の底面図である。バルブシート308は、バルブシート308を貫通する3つの液体出口開口309Aと、一方向液体出口バルブ323Aを保持するための液体出口バルブ開口329Aとを含む。バルブシート308は、バルブシート308内へ部分的に延在して一方向液体入口バルブ316Aから液体ポンプダイアフラム310A内部までの液体経路を提供する液体入口溝319Aも含む。さらに、バルブシート308は、バルブシート308を貫通する3つの空気出口開口309Bによる第1のセットと、バルブシート308を貫通する3つの空気出口開口309Cによる第2のセットとを含む。また、バルブシート308は、一方向空気出口バルブ323B、323Cを保持するための空気出口バルブ開口329B、329Cと、バルブシート308内へ部分的に延在して一方向空気入口バルブ316B、316Cから空気ポンプダイアフラム310B、310Cまでの空気経路を提供する空気入口溝319B、319Cとを含む。
【0051】
図9は、泡ポンプ206の例示的な実施形態の例示的なダイアフラム・アッセンブリ・シート312の平面図である。ダイアフラム・アッセンブリ・シート312は、3つの受け穴313A、313B、313Cと、3つの入口開口321A、321B、321Cとを含む。入口開口321Aと流体連通状態にあるのは、容器102の液体出口へ結合され得る流体入口352である。各受け穴313A、313B、313Cは、ダイアフラム310A、310B、310Cを受け入れる大きさである。各入口開口321A、321B、321Cは、ダイアフラム・アッセンブリ・シート312を通って延び、周囲空気、液状石鹸または除菌剤のいずれかがダイアフラム310A、310B、310Cのうちの1つへ進入できるようにする。
【0052】
図10Aは、図5-9の線A-Aに沿った、泡ポンプ206の液体ポンプ部分を示す断面図である。動作中、液体ポンプダイアフラム310Aは、参照数字350Bが示すように下降して、ポンプチャンバ1002を拡張させ、これにより、液体入口バルブ316Aが開いて、液体が液体入口352、入口開口321Aおよび液体入口溝319Aを介してポンプチャンバ1002へ引き込まれることを可能にする。ポンプチャンバ1002は、拡張されると、例えば液状石鹸または除菌剤等の液体で満たされる。液体ポンプダイアフラム310Aが圧縮されると(すなわち、液体ポンプダイアフラム310Aが参照数字350Aで示す方向へ動くと)、液体は、参照数字340Aが示す方向へポンピングされる。液体は、液体出口開口309Aを介して進み、一方向液体出口バルブ323Aを通過して混合チャンバ325へ入る。一方向液体出口バルブ323Aは、通常は閉止されているが、液体ポンプチャンバ1002を圧縮することにより生じる圧力に起因して開く。一方向液体出口バルブ323Aは、空気または液体が液体出口開口309Aを介して液体ポンプダイアフラム310Aに逆流することを防止する。続いて、液体ポンプダイアフラム310Aが拡張を開始し、これにより、液体入口バルブ316Aが開放されてプロセスが再開され、液体が液体入口開口321Aおよび液体入口溝319Aを介して液体ポンプチャンバ1002に引き込まれる。泡ポンプ206の動作サイクルは、液体ポンプダイアフラム310Aから液体出口開口309Aを介し、液体出口バルブ323Aを経て混合チャンバ325(図7)へ至る1つの液体ポンピングを含む(後述するように、これに2つの空気ポンピングが続く)。
【0053】
図10Bおよび10Cは、各々図5-9の線B-BおよびC-Cに沿った、泡ポンプ206の空気ポンプ部分を示す断面図である。動作中、空気ポンプダイアフラム310B、310Cは、参照数字350Bが示すように下降して、空気ポンプチャンバ1004、1006を拡張させ、これにより、空気入口バルブ316B、316Cが開いて、周囲空気が空気入口開口321B、321Cおよび空気入口溝319B、319Cを介してポンプチャンバ1004、1006へ引き込まれることを可能にする。ポンプチャンバ1004、1006が空気で満たされると、空気ポンプダイアフラム310B、310Cは、圧縮され得る(参照数字350Aが示す方向へ動かされ得る)。空気ポンプダイアフラム310B、310Cの圧縮により、空気は、参照数字340Aが示す方向へポンピングされる。空気は、空気出口開口309B、309Cから一方向空気出口バルブ323B、323Cを通過して混合チャンバ325内へ進み、発泡性液体と混合する。一方向空気出口バルブ323B、323Cは、通常は閉止されているが、空気ポンプチャンバ1004、1006を圧縮することにより生じる圧力に起因して開く。一方向空気入口バルブ323B、323Cは、空気または液体が空気出口開口309B、309Cを介して空気ポンプダイアフラム310B、310Cへと逆流することを防止する。続いて、空気ポンプダイアフラム310B、310Cが拡張を開始し、これにより、空気入口バルブ316B、316Cが開放されてプロセスが再開され、周囲空気が空気入口開口321B、321Cおよび空気入口溝319B、319Cを介して空気ポンプチャンバ1004、1006に引き込まれる。泡ポンプ206の動作サイクルは、(先に述べたような)1つの液体ポンピングと、これに続く、空気ポンプダイアフラム310Bから空気出口開口309Bを介して空気出口バルブ323Bを通過し、混合チャンバ325(図7)へ入る1つの空気ポンピングとを含む。さらに、泡ポンプ206の動作サイクルは、空気ポンプダイアフラム310Cから空気出口開口309Cを介して空気出口バルブ323Cを通過し、混合チャンバ325(図7)へ入る1つの周囲空気ポンピングを含む。
【0054】
ダイアフラム310A、310B、310Cは、順次動作し、1つの動作シーケンスは、3つのポンプダイアフラム310A、310B、310Cの各々による、例えば石鹸または除菌剤等の液体の、または周囲空気の1つのポンピングを含む。ポンプダイアフラム310A、310B、310Cの動作順序は、ウォブルプレート314(図3)の構成に依存する。図3に示すように、各ポンプダイアフラム310A、310B、310Cは、コネクタ311A、311B、311Cを有し、3つのポンプダイアフラム310A、310B、310Cは、3つのコネクタ311A、311B、311Cを3つのウォブルプレート・リンク314A、314B、314Cへ挿入することにより、ウォブルプレート314に連結する。ウォブルプレート314は、ウォブルプレート314を波打たせる偏心ウォブルプレートアクチュエータに連結する。ウォブルプレート314が波打つにつれて、ウォブルプレート・リンク314A、314B、314Cは、上下動する。ポンプダイアフラム310A、310B、310Cは、この上への動きによって圧縮され、かつ下への動きによって拡張される。ウォブルプレート314の構造によって、一度に1つのポンプダイアフラム310A、310B、310Cが圧縮され、これにより、ポンプダイアフラム310A、310B、310Cは、順次ポンピングされる。ウォブルプレート314の構造によって、一度に1つのポンプダイアフラム310A、310B、310Cが拡張もされ、これにより、ポンプダイアフラム310A、310B、310Cは、順次プライミングされる。この例示的な動作シーケンスでは、液体ポンプダイアフラム310Aが1つの液体ショットをポンピングし、続いて空気ポンプダイアフラム310Bが1つの空気ショットをポンピングし、かつ空気ポンプダイアフラム310Cが第2の空気ショットをポンピングして動作シーケンスが終了する。このシーケンスは、所望される泡の出力用量に依存して、何回繰り返されてもよい。空気ポンプダイアフラム310B、310Cからの空気は、混合チャンバ325(図7)内で液体ポンプダイアフラム310Aからの液体または除菌剤のいずれかと混合し、これにより、泡混合物が生成される。泡混合物は、ポンプ出口350を介して泡ポンプ206を出る。
【0055】
図4は、液状石鹸または除菌剤の流路を分解図で示している。液体ポンプダイアフラム310Aが拡張すると、液体は、液体入口352を介して泡ポンプ206に入り、これが、参照数字330Aで示されている。液体は、参照数字330Bが示すように、ダイアフラム・アッセンブリ・シート312内の開口321Aを介して進み、かつ一方向液体入口バルブ316Aを通過する。入口バルブ316Aが開くと、液体は、溝319Aを介して液体ポンプダイアフラム310Aに進入し、これが参照数字330Dおよび330Eで示されている。
【0056】
液体ポンプダイアフラム310Aは、液体を圧縮して、液体出口開口309Aから一方向液体出口バルブ323Aを経て混合チャンバ325(図7)へとポンピングし、これが参照数字340Aで示されている。空気は、空気ポンプダイアフラム310B、310Cの同様の経路を辿る。空気ポンプダイアフラム310B、310Cが拡張すると、空気は、空気入口424Bに引き込まれ、ダイアフラム・シート・アッセンブリ312内の開口321B、321C(図9)を介して進み、一方向空気入口バルブ316B、316C(図5および6)を介して進み、バルブシート308の底部における溝319B、319C内へ進み、かつ空気ポンプダイアフラム310B、310C内へ進む。空気ポンプダイアフラム310B、310Cが圧縮すると、空気は、開口309B、309Cを介し、一方向空気出口バルブ323B、323C(図7)を経て混合チャンバ325へと押し込まれ、ここで液体と混合して泡混合物が形成される。泡混合物は、出口350を介して計量分配され、これが参照数字304Bで示されている。
【0057】
図11は、高品質の発泡除菌剤を提供するように構成されている、順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプ1100の別の例示的実施形態の断面図である。順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプ1100は、モータ1112と、モータシャフト1113と、ウォブルプレート1110と、ウォブルプレート・ピン1127と、偏心ウォブルプレート駆動装置1120と、液体ポンプダイアフラム1106と、2つの空気ポンプダイアフラム1108(一方しか示されていない)と、混合チャンバ1130と、ポンプ出口1114とを含む。モータ1112は、モータ軸1113を駆動し、これにより、モータ軸1113が回転する。モータシャフト1113の回転により、偏心ウォブルプレート駆動装置1120が回転し、かつ偏心ウォブルプレート駆動装置1120の回転により、ウォブルプレート・ピン1127が円形経路に沿って動き、これにより、ウォブルプレート1110が波打つ。実施形態によっては、ウォブルプレート314は、ポンプハウジング上のソケット(不図示)に乗る球1128を含み、かつウォブルプレート・ピン127は、外向きに延びて偏心ウォブルプレートアクチュエータ1120に連結し、偏心ウォブルプレートアクチュエータ1120は、ピンを円形経路に沿って動かし、これにより、ウォブルプレート1110が波打つ。ウォブルプレート1110が波打つにつれて、3つのポンプダイアフラム1106、1108に連結された端部が上下動し、よって、3つのポンプダイアフラム1106、1108が順次圧縮される。混合ポンプ1100の1つの動作シーケンスは、3つのポンプダイアフラム1106、1108の各々による1つのポンピングを含む。作動サイクルにおいては、まず、液体ポンプダイアフラム1106が動作し、2つの空気ポンプダイアフラム1108による順次的分散がこれに続く。
【0058】
上述の実施形態と同様に、動作中、液体ポンプダイアフラム1106は、拡縮して液体をポンピングし、かつ空気ポンプダイアフラム1108(1つのみを示す)は、拡縮して空気をポンピングする。液体ポンプダイアフラム1106の拡張により、液体入口バルブ1105が開放され、例えば石鹸または除菌剤等の液体が液体入口1102を介して液体ポンプチャンバ1124に入れるようになる。空気ポンプダイアフラム1108の拡張により、空気入口バルブ1107(1つのみを示す)が開放され、空気が空気入口1104を介して空気ポンプチャンバ1126(1つのみを示す)に入れるようになる。ウォブルプレート・ピン1127の円運動により、ウォブルプレート1110の両端は、順次波打つ。この波打ちにより、液体ポンプダイアフラムが圧縮され、これにより、液体出口バルブ1116が開放され、液体が液体出口開口1122を介して混合チャンバ1130へ流れ込む。続いて、空気ポンプダイアフラム1108の1つが波打つウォブルプレート1110によって圧縮され、これにより、空気出口バルブ1118が開放され、空気が空気出口開口1123を介して混合チャンバ1130へと流れる。次に、もう一方の空気ポンプダイアフラム(不図示)が圧縮され、空気を混合チャンバ1130内へポンピングする。空気と、液状の石鹸または除菌剤は、混合チャンバ1130内で混ざり合い、泡混合物が生成される。泡混合物は、ポンプ出口1114を介して混合ポンプ1100を出る。
【0059】
図12は、高品質の発泡除菌剤を提供するように構成される泡ディスペンサ1200の別の例示的実施形態である。泡ディスペンサ1200は、ハウジング1202と、押出し容器1203と、アクチュエータ1204と、泡ポンプ1206と、泡カートリッジ1210と、ノズル1234とを含む。泡ディスペンサ1200は、壁取付けシステムであっても、カウンタ取付けシステム、場所から場所へ移動可能な非取付け型のポータブルシステム、または他のあらゆる種類のディスペンサシステムであってもよい。泡ディスペンサは、本明細書に開示される、または参照により開示に含まれる任意タイプのポンプを含んでもよい。本明細書に開示する実施形態の大部分は、アルコールベースの除菌剤を基礎としているが、実施形態によっては、押出し容器1203は、石鹸、除菌剤、ローション、洗浄剤、消毒剤またはこれらに類似するもの等の発泡性液体を入れている。アクチュエータ1204は、泡ディスペンサ1200に液体、空気および/または泡を移動させる1つまたは複数のパーツを含む。ディスペンサ200に使用され得るポンプアクチュエータ1204には、多くの異なる種類が存在することから、アクチュエータ1204は、一般的に示されている。例えば、アクチュエータ1204は、手動レバーであっても、手動プルバー、手動プッシュバー、手動回転クランク、電気起動式アクチュエータ、または泡ポンプ1206を作動させる他の任意の手段であってもよい。電子アクチュエータは、非接触操作によるハンズフリーのディスペンサシステムを提供するために、センサ(不図示)と、電子制御盤(不図示)と、電源(不図示)と、例えば図2に示す、かつこれまでに述べたもの等のモータ1204とを含んでもよい。
【0060】
泡ディスペンサ1200に使用され得る泡ポンプ1206には、多くの異なる種類が存在することから、泡ポンプ1206は、一般的に示されている。例えば、ディスペンサ100またはディスペンサ1200には、2014年6月13日に提出された「泡カートリッジ、ポンプ、詰替えユニットおよびこれらを利用する泡ディスペンサ(Foam Cartridges,Pumps,Refill Units And Foam Dispensers Utilizing the Same)」と題する米国公開特許出願第2014/0367419号明細書、および2008年12月3日に提出された「斜めスロット式泡ディスペンサ(Angled Slot Foam Dispenser)」と題する米国特許第8,272,539号明細書に開示されている泡ポンプが使用されてもよく、これらの明細書は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。さらに、泡ディスペンサ100または1200には、先に詳述した、または本開示に含まれる順次起動されるマルチダイアフラム式泡ポンプの例示的実施形態が使用されてもよい。
【0061】
泡ポンプ1206は、容器1203および空気入口(不図示)と流体連通している。泡ポンプ1206は、容器1203へ、例えば、ねじ連結、溶接接合、直角掛け連結、スナップ嵌め連結、クランプ連結、フランジ-ファスナ連結またはこれらに類似するもの等の任意手段により固定されてもよい。泡ポンプ1206は、アクチュエータ1204によって起動され、かつ泡ポンプ1206は、混合チャンバ1225および泡カートリッジ1210を介して液体および空気をポンピングする。泡カートリッジ1210は、混合チャンバ1225と流体連通している。泡カートリッジ1210内には、発泡媒体が保持される。発泡媒体は、発泡性液体と空気との混合物から泡を発生させる。実施形態の中には、アルコールを含有する発泡性液体の発泡強化に特によく適するものがある。ある例示的な実施形態において、発泡媒体は、少なくとも2つのスポンジ、すなわち上流側のスポンジ1301A(図13)と、下流側のスポンジ1301B(図13)とを含む。この例示的実施形態では、上流側のスポンジ1301Aが下流側のスポンジ1301Bより高い多孔度を有する。
【0062】
図13は、高品質の発泡除菌剤を提供できる、泡ディスペンサ1200用の例示的な泡カートリッジ1210の断面図である。泡カートリッジ1210は、ハウジング1320と、4つの発泡部材を有する発泡ステージ1312とを含む。ハウジング1320は、上流側スポンジ1301Aを取り巻く、第1の直径を有する第1の断面形状と、下流側スポンジ1301Bを取り巻く、第2の直径を有する第2の断面形状とを有する。この例示的実施形態において、第2の直径は、第1の直径より大きい。ハウジング1320の大きい方の直径および下流側スポンジ1301Bにより、上流側スポンジ1301Aを通過する泡/空気混合物は、より広いエリアへと拡張することができ、空気と液体とがさらに混合される。4つの発泡部材のうちの2つは、スポンジ1301A、1301Bである。この例示的実施形態において、第1の発泡部材は、入口スクリーン1302である。第2の発泡部材は、上流側のスポンジ1301Aである。第3の発泡部材は、下流側のスポンジ1301Bである。第4の発泡部材は、出口スクリーン1303である。空気と液体との混合物は、入口1304で泡カートリッジ210に入り、出口1305から濃密な泡として計量分配される。空気と液体との混合物が入口1304に入ると、空気と液体との混合物は、入口スクリーン1302を介して進み、これにより、泡の強化が始まる。次に、空気と液体との混合物は、上流側のスポンジ1301Aを介して進む。次いで、空気と液体との混合物は、下流側のスポンジ1301Bを介して進む。最後に、空気と液体との混合物は、出口スクリーン1303を介して進んだ後に、出口1305を経て濃密な泡として発泡カートリッジ1210を出る。泡カートリッジ1210は、単一の発泡ステージ1312を含んでも、幾つかの発泡ステージを含んでもよい。また、発泡カートリッジ1210は、1つまたは複数の発泡ステージ1312内に配置される、幾つかの異なる特性および構造を有する幾つかの発泡部材を含んでもよい。
【0063】
泡カートリッジ1210内の発泡部材の構造は、異なる実施形態において変わってもよい。実施形態によっては、図13に示すように、上流側のスポンジ1301Aは、下流側のスポンジ1301Bに隣接していてもよい。別の実施形態では、上流側スポンジ1301Aと下流側スポンジ1301Bとの間に空間が存在してもよい。別の例示的実施形態では、上流スポンジ1301Aと下流スポンジ1301Bとの間に発泡部材が配置されてもよい。
【0064】
この例示的な実施形態では、発泡部材は、スクリーンと、スポンジとを含む。発泡部材は、スクリーン(1302、1303)、スポンジ1301A、1301B、他の多孔質部材(不図示)、バッフル(不図示)またはこれらに類似するものを含んでもよい。発泡部材が2つのみである場合、実施形態の中には、上流側および下流側スポンジ1301A、1301Bを含むものがある。あるいは、各々が少なくとも2つのスポンジ1301A、1301Bを含む、幾つかの発泡ステージが存在する場合もある。
【0065】
泡カートリッジ1210内の発泡部材の特性は、異なる実施形態において変わってもよい。実施形態によっては、スポンジ1301A、1301Bは、ポリウレタン網状泡で製造されてもよい。しかしながら、他の実施形態では、スポンジ401は、網状ポリエステル、網状ポリエーテルまたはポリエーテル開孔泡で製造されてもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1301Aおよび下流側スポンジ1301Bは、同じ多孔度を有してもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1301Aおよび下流側スポンジ1301Bは、異なる多孔度を有してもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1301Aは、下流側スポンジ1301Bより高い多孔度を有する。実施形態によっては、上流側スポンジ1301Aは、下流側スポンジ1301Bより低い多孔度を有する。スポンジ1301A、1301Bの多孔度は、スポンジ1301A、1301Bの1インチ当たりの孔数とスポンジ1301A、1301Bの圧縮量との関数として定義されてもよい。
【0066】
実施形態によっては、スポンジ1301A、1301Bは、1インチ当たり同量の孔を有し、かつスポンジ1301A、1301Bの多孔度は、スポンジ1301A、1301Bの圧縮量の関数であってもよい。実施形態によっては、スポンジ1301A、1301Bは、1インチ当たり約50孔~1インチ当たり約90孔を有する。実施形態によっては、上流側スポンジ1301Aは、その非圧縮または緩和状態の約30パーセント~約50パーセントまで圧縮され、下流側スポンジ1301Bは、その非圧縮または緩和状態の約60パーセント~約80パーセントにまで圧縮される。したがって、この例示的な実施形態では、上流側スポンジ1301Aが下流側スポンジ1301Bより圧縮されないという理由で、上流側スポンジ1301Aは、下流側スポンジ1301Bより高い多孔度を有する。スポンジ1301A、1301Bは、1インチ当たり同量の孔を有しても、1インチ当たり異なる量の孔を有してもよく、かつスポンジ1301A、1301Bは、同量の圧縮を有しても、異なる量の圧縮を有してもよい。さらに、スポンジ1301A、1301Bは、同じ硬度を有しても、異なる硬度を有してもよい。スポンジに代わるものとして適し得る他の材料には、織物フェルト、金属繊維、ワックス浸漬紙フィルタ、他が含まれてもよい。
【0067】
実施形態によっては、スポンジ1301A、1301Bは、硬度によって規定されてもよい。硬度は、泡をその通常の厚さから25%撓ませる、1平方インチ当たりのポンド数を単位とする測度である。実施形態によっては、硬度は、25%の撓みを達成させる1平方インチ当たり約0.1~約2ポンドの範囲である。実施形態によっては、スポンジは、単位ポンド/立方フィートの密度を有し、約3.5未満、約3未満、約2.5未満を含む、約4未満の密度を有する。
【0068】
さらに、入口スクリーン1302および出口スクリーン1303を含む実施形態において、これらのスクリーン(1302、1303)の特性は、変わってもよい。実施形態によっては、入口スクリーン1302は、インチ当たりで出口スクリーン1303より少ないスレッド数を有し、または、その逆もある。ある例示的な実施形態において、入口スクリーン1302は、1インチ当たり約100本のスレッドを有し、かつ出口スクリーン1303は、1インチ当たり約150本~1インチ当たり約200本のスレッドを有する。しかしながら、スクリーン1302、1303は、1インチ当たり同数のスレッドを有してもよい。発泡カートリッジ1210は、発泡カートリッジ210全体に渡って異なる場所に幾つかのスクリーン1302、1303を有してもよく、かつスクリーン1302、1303は、1インチ当たりに多様な量のスレッドを有してもよい。さらに、スクリーン1302、1303およびスポンジ1301A、1301Bは、発泡部材間に空間を有して構成されても、2つ以上の発泡部材間に空き空間を有して構成されてもよい。発泡部材は、図示されているように、スクリーン1302にスポンジ1301Aおよび1301Bが続き、さらにスクリーン1303が続いて配置されても、様々な異なる順序で配置されてもよい。
【0069】
図14は、泡カートリッジ1210の代わりに、または泡カートリッジ1210と組み合わせて使用され得る、かつ高品質の発泡除菌剤を提供することができる、泡ディスペンサ1200用の別の例示的な泡カートリッジ1400の断面図である。この場合も、泡カートリッジ1400は、本明細書に記述している、または参照により開示に含まれるポンプのいずれかと共に使用されてもよい。泡カートリッジ1400は、ハウジング1420と、4つの発泡部材を有する発泡ステージ1412とを含む。4つの発泡部材のうちの2つは、スポンジ1401A、1401Bである。この例示的な実施形態では、全ての発泡部材がほぼ同じ直径を有し、かつハウジング1420は、一定の直径を有する円筒形状を有する。この例示的実施形態において、第1の発泡部材は、入口スクリーン1402である。第2の発泡部材は上流側のスポンジ1401Aである。第3の発泡部材は、下流側のスポンジ1401Bである。第4の発泡部材は、出口スクリーン1403である。空気と液体との混合物は、入口1404で泡カートリッジ1400に入り、出口1405から濃密な泡として計量分配される。空気と液体との混合物が入口1404に入ると、空気と液体との混合物は、入口スクリーン1402を介して進み、空間1415へ入る。次に、空気と液体との混合物は、上流側のスポンジ1401Aを介して進み、空間1416へ入る。次に、空気と液体との混合物は、下流側のスポンジ1401Bを介して進み、空間1417へ入る。最後に、空気と液体との混合物は、出口スクリーン1403を介して進み、出口1405を経て濃密な泡として発泡カートリッジ1400を出る。泡カートリッジ1400は、単一の発泡ステージ1412を含んでも、幾つかの発泡ステージを含んでもよい。また、発泡カートリッジ1400は、1つまたは複数の発泡ステージ1412内に配置される、幾つかの異なる特性および構造を有する幾つかの発泡部材を含んでもよい。
【0070】
泡カートリッジ1400内の発泡部材の構造は、異なる実施形態において変わってもよい。実施形態によっては、上流側のスポンジ1401Aは、下流側のスポンジ1401Bに隣接していてもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aと下流側スポンジ1401Bとの間に空間が存在してもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aと下流側スポンジ1401Bとの間に他の発泡部材が配置されてもよい。
【0071】
この例示的な実施形態では、発泡部材は、スクリーンと、スポンジとを含む。場合により、発泡部材は、スクリーン(1402、1403)、スポンジ1401A、1401B、他の多孔質部材(不図示)、バッフル(不図示)またはこれらに類似するものを含んでもよい。発泡部材が2つのみである場合、実施形態の中には、上流側および下流側スポンジ1401A、1401Bを含むものがある。実施形態によっては、2つ以上の発泡ステージが存在し、各々が少なくとも2つのスポンジ1401A、1401Bを含む。
【0072】
泡カートリッジ1400内の発泡部材の特性は、異なる実施形態において変わってもよい。実施形態によっては、スポンジ1401A、1401Bは、ポリウレタン網状泡で製造されてもよい。実施形態によっては、スポンジ401は、網状ポリエステル、網状ポリエーテルまたはポリエーテル開孔泡またはこれらに類似するもので製造されてもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aおよび下流側スポンジ1401Bは、同じ多孔度を有してもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aおよび下流側スポンジ1401Bは、異なる多孔度を有してもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aは、下流側スポンジ1401Bより高い多孔度を有する。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aは、下流側スポンジ1401Bより低い多孔度を有する。スポンジ1401A、1401Bの多孔度は、スポンジ1401A、1401Bの1インチ当たりの孔数とスポンジ1401A、1401Bの圧縮量との関数として定義されてもよい。
【0073】
実施形態によっては、スポンジ1401A、1401Bは、1インチ当たり同量の孔を有し、かつスポンジ1401A、1401Bの多孔度は、スポンジ1401A、1401Bの圧縮量の関数であってもよい。実施形態によっては、スポンジ1401A、1401Bは、1インチ当たり約50孔~1インチ当たり約90孔を有する。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aは、その非圧縮または緩和状態の約30パーセント~約50パーセントまで圧縮され、下流側スポンジ1401Bは、その非圧縮または緩和状態の約60パーセント~約80パーセントにまで圧縮される。したがって、この例示的な実施形態では、上流側スポンジ1401Aが下流側スポンジ1401Bより圧縮されないという理由で、上流側スポンジ1401Aは、下流側スポンジ1401Bより高い多孔度を有する。スポンジ1401A、1401Bは、1インチ当たり同量の孔を有しても、1インチ当たり異なる量の孔を有してもよく、かつスポンジ1401A、1401Bは、同量の圧縮を有しても、異なる量の圧縮を有してもよい。さらに、スポンジ1401A、1401Bは、同じ硬度を有しても、異なる硬度を有してもよい。スポンジに代わるものとして適し得る他の材料には、織物フェルト、金属繊維、ワックス浸漬紙フィルタ、他が含まれてもよい。
【0074】
実施形態によっては、スポンジ1401A、1401Bは、硬度によって規定されてもよい。硬度は、泡をその通常の厚さから25%撓ませる、1平方インチ当たりのポンド数を単位とする測度である。実施形態によっては、硬度は、1平方インチ当たり約0.1~約2ポンドの範囲である。実施形態によっては、スポンジは、単位ポンド/立方フィートの密度を有し、約3.5未満、約3未満、約2.5未満を含む、約4未満の密度を有する。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aおよび下流側スポンジ1401Bは、同じ硬度を有してもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aおよび下流側スポンジ1401Bは、異なる硬度を有してもよい。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aは、下流側スポンジ1401Bより高い硬度を有する。実施形態によっては、上流側スポンジ1401Aは、下流側スポンジ1401Bより低い硬度を有する。
【0075】
さらに、入口スクリーン1402および出口スクリーン1403を含む実施形態において、これらのスクリーン(1402、1403)の特性は、変わってもよい。実施形態によっては、入口スクリーン1402は、1インチ当たりで出口スクリーン1403より少ないスレッド数を有し、または、その逆もある。ある例示的な実施形態において、入口スクリーン1402は、1インチ当たり約100本のスレッドを有し、かつ出口スクリーン1403は、1インチ当たり約150本~1インチ当たり約200本のスレッドを有する。しかしながら、スクリーン1402、1403は、1インチ当たり同数のスレッドを有してもよい。発泡カートリッジ1400は、発泡カートリッジ210全体に渡って異なる場所に幾つかのスクリーン1402、1403を有してもよく、かつスクリーン1402、1403は、1インチ当たりに多様な量のスレッドを有してもよい。さらに、スクリーン1402、1403およびスポンジ1401A、1401Bは、(図示されているように)発泡部材間に空間を有して構成されても、2つ以上の発泡部材間に空き空間を有して構成されてもよい。発泡部材は、図示されているように、スクリーン1402に空間1415が続き、これにスポンジ1401Aが続き、これに空間1416が続き、これにスポンジ1401Bが続き、これに空間1417が続き、さらにスクリーン1403が続いて配置されても、様々な異なる順序で配置されてもよい。
【0076】
上述の実施形態は、壁取付け型およびカウンタ上取付け型のディスペンサを示しかつ説明しているが、泡カートリッジ1210、1400は、カウンタ取付けディスペンサでも極めて良好に機能する。ある例示的な実施形態は、2007年3月26日に提出された「定置計量分配チューブを有する泡ディスペンサ(Foam Dispenser with Stationary Dispense Tube)」と題する米国特許第8,544,698号明細書に示されかつ記述され、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0077】
単独で、または組み合わせて使用される本明細書に記載のポンプ、および本明細書に記載の、または本開示に含まれるポンプと共に使用される本明細書に記載の発泡カートリッジは、従来技術によるポンプ製品および泡カートリッジより優れた高品質除菌剤泡を生成することが分かっている。アルコールは消泡剤であって、アルコールベースの除菌剤配合物を用いて、濃密な、または安定した非エアロゾル生成泡を作製することは困難である。異なる多孔度を有する2つのスポンジを有する発泡カートリッジ1210、1400の例示的な実施形態は、発泡性アルコール組成物および上述のダイアフラム式泡ポンプと共に使用されると、従来の発泡ポンプより優れた泡出力を提供することが分かっている。また、異なる硬度を有する2つのスポンジを有する発泡カートリッジ1210、1400の例示的な実施形態は、発泡性アルコール組成物および上述の泡ウォブルポンプと共に使用されると、従来の発泡ポンプより優れた泡出力を提供することも分かっている。さらに、これらの例示的な発泡カートリッジは、空気および液体ピストンを有する小型泡ポンプと共に使用されると、アルコール泡製品における泡の品質を高めることも発見されている。また、本明細書に開示されかつ開示に含まれる、順次作動されるマルチダイアフラム式泡ポンプは、アルコール泡製品に改良された品質の泡を提供することも分かっている。
【0078】
好ましくは、手除菌用泡は、水と、アルコールと、界面活性剤とを含有する。適切なアルコールには、例えばc1-c8アルコール、c1-c4アルコールまたはc2-c3アルコール等の低級アルコールが含まれてもよい。他のアルコールとしては、例えば、エタノール、メタノール、イソプロパノール、これらの混合物およびこれらに類似するものが含まれてもよい。適切な界面活性剤には、例えば、シリコーンを含有する化合物等の界面活性剤が含まれてもよい。適切な界面活性剤は、ケイ素またはシラン部分またはこれらの混合物を含有してもよい。界面活性剤としては、例えば、PEG-10ジメチコーン、PEG-12ジメチコーン、これらの混合物およびこれらに類似するもの等のジメチコンも使用されてもよい。
【0079】
以下は、本明細書に示しかつ記述している高品質泡を生成するために使用され得る、例示的な手除菌剤泡配合物である。以下の例示的な配合は、泡を形成するために空気と混合される。
配合1
【0080】
水;カプリリルグリコール;60~80%アルコールデントSDA 3C 190;グリセリン、1~5%PEG-12ジメチコーン;イソプロピルミリステート;トコフェリルアセテート、ナイアシンアミド、アベナンスラミド、PPG-12/SMDIコポリマー、EOブレンドおよびLBM。
配合2
【0081】
水;60-80%アルコール:SDA 3-C、190耐性;0~2%PEG-12ジメチコーン;1~3%PEG-10ジメチコーン;ヒドロキシエチル尿素;グリセリンUSP;プロピレングリコール;イソプロピルミリステートおよびトコフェリルアセテート。
配合3
【0082】
水、60~80%SDA 3Cアルコール;0-5%イソプロパノール、無水;0~3%PEG-32、0~5%CHG20%溶液;20~5%PEG-10ジメチコーンJPE;イソプロピルミリステートおよびトコフェリルアセテート。
配合4
【0083】
水;60-70%アルコール;1.5~5%Peg10ジメチコーン;グリセリン99%Uspコーシャ、香料、プロピレングリコールUsp、イソプロピルミリステート、トコフェリルアセテート。
配合5
【0084】
水;カプリリルグリコール、65-80%アルコールSDA 3C 190、ヒドロキシエチル尿素グリセリン;0.5~5%PEG-12ジメチコーン;イソプロピルミリステートおよびトコフェリルアセテート。
配合6
【0085】
水、カプリリルグリコール、15~65%SDA 3Cアルコール;グリセリン、0~5%PEG-12ジメチコーン、イソプロピルミリステート、トコフェリルアセテート。
配合7
【0086】
水、カプリリルグリコール、15~35%SDA 3Cアルコール;グリセリン、0~5%PEG-12ジメチコーン、イソプロピルミリステート、トコフェリルアセテート。
配合8
【0087】
水、カプリリルグリコール、25~35%SDA 3Cアルコール;グリセリン、0~5%PEG-12ジメチコーン、イソプロピルミリステート、トコフェリルアセテート。
【0088】
本明細書では、15~85%の範囲のアルコール、水および界面活性剤を有する他の組成物も企図される。さらに、本明細書において開示しかつ特許請求する高品質泡を生成するためには、多くの発泡性アルコール組成物が使用されてもよい。適切な結果を提供し得る例示的な配合は、例えば、「発泡性アルコール系組成物(Foamable Alcoholic Composition)」と題する米国特許公開第2007/0,148,101号明細書、「選択されたジメチコーン界面活性剤を有する発泡性アルコール系組成物(Foaming Alcohol Compositions with Selected Dimenthicone Surfactants)」と題する米国特許第8,530,52号明細書、「アルコールおよびフッ素系界面活性剤を含む高アルコール含有ゲル状および発泡性組成物(High Alcohol Content Gel-Like And Foaming Compositions Comprising An Alcohol And Fluorosurfactant)」と題する米国特許第7,1990,090号明細書、「皮膚に優しい発泡性アルコール系組成物(Foamable Alcoholic Compositions With Skin Benefits)」と題する米国特許公開第2013/0,165,530号明細書、「シリコーンベースの界面活性剤を含む高アルコール含有発泡組成物(High Alcohol Content Foaming Compositions With Silicone-Based Surfactants)」と題する米国特許第8,263,098号明細書、「発泡性アルコール系組成物(Foamable Alcoholic Composition)」と題する米国特許公開第2011/0,104,079号明細書に示されかつ記述されている組成物において見出され得る。これらの文献は全て、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0089】
アルコールベースの除菌剤泡の品質を特徴づける1つの方法として、光学画像化を用いてアルコールベース発泡除菌剤の泡における気泡サイズを測定した。本明細書において示しかつ記述している泡を、2つの従来型非エアロゾル泡ポンプと、本明細書に開示している新規非エアロゾル泡ポンプおよび泡発生器とを用いて生成した。
【0090】
第1のポンプは、http://www.albea-group.com/en/products/product-catalog/f2.htmlにおいて購入し得る、Albea社製の従来型ポンプ、型番F2-L11であった。Albea製泡ポンプの例示的な実施形態は、米国特許第6,053,364号明細書に示されかつ記載されている。本明細書では、このポンプを「エアスプレー」ポンプと称することがある。図15は、Albea製の従来型ポンプで発泡されたアルコールベースの泡1500の、低照明および低倍率下での画像である。気泡1502は、低倍率下でも、より高密度の泡混合物1505において可視である(泡混合物1505の線影は、気泡を個別に識別できない泡領域を示す)。図16は、Albea製の従来型ポンプで発泡されたアルコールベースの泡1500を、透過光下かつより高い倍率で示した画像である。画像は、後に詳述する泡1500の縁を撮影したものである。後述するように、気泡1602の中心1601は、画像において明るく現出し、破線で示されている。気泡1602は、気泡1502と同じ気泡であるが、倍率が異なることから相違して示されている。泡混合物1605は、気泡を個別に識別できない泡領域を示す。
【0091】
第2のポンプは、Ophardt製の従来型ポンプ、型番SDであった。Ophardt製泡ポンプの例示的な一実施形態は、米国特許第8,360,286号明細書および同第8,272,539号明細書に示されかつ記載されている。図17は、Ophardt製の従来型ポンプで発泡されたアルコールベースの泡1700の、低照明および低倍率下での画像である。気泡1702は、低倍率下でも、密度の高い泡混合物1705において可視である。泡混合物1705は、気泡を個別に識別できない泡領域を示す。図18は、Ophardt製の従来型ポンプで発泡されたアルコールベースの泡1700を、透過光下かつより高い倍率で示した画像である。画像は、後に詳述する泡1700の縁を撮影したものである。後述するように、気泡1802の中心1801は、画像において明るく現出し、破線で示されている。気泡1802は、気泡1702と同じ気泡であるが、倍率が異なることから相違して示されている。泡混合物1805は、気泡を個別に識別できない泡領域を示す。
【0092】
第3のポンプは、本明細書に記述している順次起動されるダイアフラム式泡ポンプであって、「ウォブルポンプ」と称することがある。図19は、ウォブルポンプおよび泡カートリッジで発泡されたアルコールベースの泡1500の、低照明および低倍率下での画像である。気泡1902は、低倍率下でも、密度の高い泡混合物1905において可視である。泡混合物1905は、気泡を個別に識別できない泡領域を示す。図20は、ウォブルポンプおよび泡カートリッジで発泡されたアルコールベースの泡1900を、透過光下かつより高い倍率で示した画像である。画像は、後に詳述する泡1900の縁を撮影したものである。後述するように、気泡2002の中心2001は、画像において明るく現出し、破線で示されている。気泡2002は、気泡1902と同じ気泡であるが、倍率が異なることから相違して示されている。泡混合物2005は、気泡を個別に識別できない泡領域を示す。
【0093】
気泡のサイズを測定するために、泡を液体上に浮かべ、わずかに揺らして泡を分散させ、画像を収集した。続いて、標準的な画像分析技術を用いて画像を処理し、気泡径を特定しかつ測定した。気泡サイズは広範であることから、気泡サイズを測定するための2つの方法、すなわち、より大きい(直径が500μmより大きい)気泡を測定するための低倍率法、およびより小さい(直径が500μmより小さい)気泡を測定するための高倍率法、を開発した。
【0094】
低倍率画像の場合、ほぼ同量の泡ができるように、以下の量の泡を計量分配した:Albea製ポンプ-ポンピング2回;Ophardt製ポンプ-ポンピング1回の50%、順次起動されるダイアフラム式泡ポンプ(ウォブルポンプ)-1秒。これらのポンプを、結果的に同量の泡出力を生じるように操作した。Ophardt製ポンプの半分のポンピングによる泡の品質に差は生じなかった。次に、ペトリ皿を優しく振って、泡を液面上に(新しい気泡を生成することなく)分散させた。蒸発を減らすために、皿の上に透明なガラスカバーを、気泡に接触させることなくかぶせた。フォーカススタンドに取り付けた、Q-カラーデジタルカメラ、Canon FDレンズアダプタ搭載式、50mm Canonレンズ(F1.8、無限遠焦点)、および+10マクロレンズフィルタを用いて、低倍率画像を収集した。低倍率画像を、mmスケールのルーラで校正した。
【0095】
表1に纏めたように、Albea製ポンプ(エア・スプレー・ポンプとして識別)が最も大きい気泡(図15に示す)を生成し、順次起動されるダイアフラム式泡ポンプ(図19に示す)、およびOphardt製ポンプ(「SDポンプ」として識別)(図17に示す)がこれに続いた。順次起動されるダイアフラム式泡ポンプ(表中で「ウォブルポンプ」として識別)は、幾つかOphardt製ポンプより大きい気泡を生成したが、全体的な気泡総数に比べれば、大きい気泡の数は少なかった。
【表1】
【0096】
全ての画像について、Q-カラーデジタルカメラを、Windows XPオペレーティングシステムを備えたパーソナルコンピュータ上で実行されるQ Color Proソフトウェア(バージョン5.1.1.14)によって制御した。画像は、全て、8ビット・グレースケールモードで収集し、TIFFファイルとして保存した。画像をAdobe Photoshop(バージョン7.0.1)およびFovea Proプラグイン(Reindeer Graphicsによるバージョン4.0)にインポートし、分析した。測定結果を、統計計算のためにMicrosoft Excelへエクスポートした。
低倍率画像を、15ピクセル半径を有するガウス・ブラー・フィルタを用いて画像をブラーリングし、ブラーリングした画像をスレッショルドして暗領域を選択し、かつ識別された気泡サイズを測定することによって処理した。部屋の天井照明を用いてサンプルを照らすと、より大きい気泡に天井照明からの反射が生じ、よって、この干渉を回避するために、外接半径を測定して対応する気泡径の計算に用いた。
【0097】
より高い倍率の場合、UTV0.5×C-3アダプタ、5×対物レンズを有するBX51複合顕微鏡を備えたQ-カラーデジタルカメラを用いて透過光で画像を収集した。画像をスケールマイクロメータで校正した。
【0098】
Q Color Proソフトウェアを用いて、画像をスレッショルドして明領域を選択し、気泡間の反射により生じた120~140ピクセル未満の小領域を排除し、画像輪郭周辺の広さ1ピクセルの帯域を除去し、かつ結果的に生じる領域を測定することにより、高倍率画像を処理した。明領域の選択は、各気泡からの中心部ならびに気泡間の領域を選択することから、0.6~0.75より大きい真円度を有する領域を気泡中心として識別した。気泡直径を、識別された気泡中心の直径と、気泡間の領域であることが予測される、気泡中心と最近の明領域との最小離隔の2倍との和として計算した。また、泡の縁から画像を収集すると、気泡のない画像領域が広がることから、固定領域を観察するために、画像を1900×1200または1200×1900ピクセルにクロップした。
【0099】
高倍率法による平均気泡径ならびにサイズ分布チャートを下表2に示す。チャートから分かるように、順次起動されるダイアフラム式泡ポンプ(「ウォブルポンプ」として識別)(図20)により生成された被測定気泡直径は、Ophardt製ポンプ(図18)およびAlbea製ポンプ(図16)により生成されたものより小さかった。
【表2】
【0100】
高倍率画像からのサイズ分布を、図21~22に示す。図21は、x軸に沿って気泡サイズを、かつy軸に沿って気泡サイズの頻発度を有する。図21から分かるように、順次起動される泡ポンプ(「W」で識別)で生成された気泡の頻発度の大部分は、約50μm~約250μmの直径を有していた。これに対して、Albea製ポンプ(「AS」で識別)で生成された気泡の頻発度の大部分は、約150μm~約450μmの直径を有し、かつ同様に、Ophardt製ポンプ(「SD」で識別)で生成された気泡の頻発度の大部分は、約100μm~350μmの直径を有していた。
【0101】
図22は、順次起動される泡ダイアフラムポンプ(「W」で識別)が、より小さい気泡サイズを示す気泡を生成し、かつこれらの気泡の大部分が約250μm未満であったことを示す。これに対して、Ophardt製SDポンプは、より広範な気泡サイズ分布、および250μmを超える高いパーセンテージを有していた。同様に、Albea製ASポンプも、より広範な気泡サイズ分布を有し、約半分以上が250μmを超えていた。
【0102】
多量のより小さい気泡は、より高品質の泡を提供すると思われる。また、小さな気泡の数が多いことは、皮膚にこするとより良い感じを与えるとも考えられる。さらに、より小さい気泡は、より魅力的な視像およびより高品質な泡という認識をユーザに与えると考えられる。さらに、多量の小さい気泡は、ユーザに、カバレッジに優れているという認識を与えるとも考えられる。先行技術の泡と比較した本発明の泡の他の利点には、本発明の発泡除菌剤を選好する消費者の好み、本発明の泡が先行技術の泡ほど垂れやすくない、または薄くないという感じ、本発明の泡が従来技術の泡より厚く、動きにくいという感じ、本発明の泡が従来技術の泡に比べて手から飛び散りにくく、床にしたたり落ちにくいという感じ、および本発明の泡が従来技術の泡に比べて皮膚により優しいという感じ、が含まれ得る。
【0103】
気泡サイズに加えて、泡密度も測定した。泡密度を測定するために、メスシリンダを用いて容積を捕捉し、秤を用いて質量を補足した。Albea製ポンプにより生成された平均泡密度は、0.090g/mlであり、Ophardt製SDポンプは、0.095g/mlを生成し、順次起動されるダイアフラム式泡ポンプ(またはウォブルポンプ)は、泡密度0.109g/mlの泡を生成した。図から分かるように、順次起動されるダイアフラム式泡ポンプは、より高密度の泡を生成した。より高密度の泡は、より良い感触およびより高い知覚品質を有する。
【0104】
本出願人らにより生成される泡の品質は、他の非エアロゾル泡ポンプにより生成される泡より遙かに優れていることから、本出願人らは、Ecolab社のクイックケア・エアロゾル発泡除菌剤を用いてエアロゾルにより生成された泡の気泡特性も測定し、本出願人らの高品質非エアロゾル泡をエアロゾル泡と比較した。エアロゾルを用いて生成された泡は、典型的には、小さい気泡を有し、かつ審美的に心地よくかつ高品質の感触を有する泡を提供する。
【0105】
エアロゾル泡の気泡特性を測定するために、少量のPurell液をペトリ皿へ、気泡を形成することなく慎重に注いだ。次に、少量のエアロゾル泡(Ecolab社のクイックケア・エアロゾル泡)をPurell液上に計量分配した。ペトリ皿を優しく振って、泡を液面上でわずかに(新しい気泡を生成することなく)分散させ、光学画像を収集した。U-TV0.5×C-3アダプタ、5×対物レンズを有するBX51複合顕微鏡を備えたQ-カラーデジタルカメラにより、透過光を用いて画像を収集した。画像をスケールマイクロメータで校正した。
【0106】
Q-カラーデジタルカメラを、Windows XPオペレーティングシステムを備えたパーソナルコンピュータ上で実行されるQ Color Proソフトウェア(バージョン5.1.1.14)によって制御した。画像は、全て、8ビット・グレースケールモードで収集し、TIFFファイルとして保存した。画像をAdobe Photoshop(バージョン7.0.1)およびFovea Proプラグイン(Reindeer Graphicsによるバージョン4.0)にインポートし、分析した。測定結果を、統計計算のためにMicrosoft Excelへエクスポートした。
【0107】
画像をスレッショルドして明領域を選択し、気泡間の反射により生じた40ピクセル未満の小領域を排除し、画像輪郭周辺の広さ1ピクセルの帯域を除去し、かつ結果的に生じる領域を測定することにより、画像を処理した。明領域の選択は、各気泡からの中心部ならびに気泡間の領域を選択することから、0.75より大きい真円度を有する領域を気泡中心として識別した。気泡直径を、識別された気泡中心の直径と、気泡間の領域であることが予測される、気泡中心と最近の明領域との最小離隔の2倍との和として計算した。また、泡の縁から画像を収集すると、気泡のない画像領域が広がることから、固定領域を観察するために、画像を1900×1200または1200×1900ピクセルにクロップした。
【0108】
エアロゾル泡サンプルの平均気泡直径は、約121~135μmであり、全体的な平均直径は、127μmであった。これらのサイズは、順次作動されるダイアフラム式泡ポンプで観測された147μmの平均直径よりわずかに小さかった。しかしながら、順次作動されるダイアフラム式泡ポンプによる気泡の平均直径(147μm)は、従来型の非エアロゾル泡ポンプ(278μm)(234μm)より遙かにエアロゾルの平均直径気泡サイズに近かった。したがって、本明細書に開示している順次作動される泡ポンプの新規実施形態は、炭化水素推進剤を必要とすることなく、エアロゾルの泡品質に比肩する非エアロゾル泡品質を提供する。本明細書において特許請求する新規泡は、周囲空気を用いて形成され、よって実質的に炭化水素を含まず、炭化水素ベースの推進剤を必要とせず、よってより環境に優しい。
【0109】
本発明をその実施形態の説明によって例示し、かつ実施形態をかなり詳細に説明したが、添付の特許請求の範囲をこのような詳細に制限する、または如何様にも限定することは、本出願人らの意図ではない。当業者には、さらなる利点および変更が容易に明らかとなるであろう。さらに、一実施形態で説明したエレメントは、他の実施形態での使用に容易に適合化されてもよい。したがって、本発明は、そのより広範な態様において、図示され説明された特定の詳細、代表的装置および例示的な実施例に限定されない。したがって、本出願人らの一般的な発明概念の精神または範囲を逸脱することなく、このような詳細からの逸脱が行われ得る。
図1
図2
図2A
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22