(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】折り畳みテーブル及び座席装置
(51)【国際特許分類】
A47B 3/083 20060101AFI20220801BHJP
A47B 3/14 20060101ALI20220801BHJP
A47B 3/087 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
A47B3/083 A
A47B3/14 A
A47B3/087 A
(21)【出願番号】P 2018545312
(86)(22)【出願日】2017-02-27
(86)【国際出願番号】 US2017019632
(87)【国際公開番号】W WO2017151485
(87)【国際公開日】2017-09-08
【審査請求日】2020-02-04
(32)【優先日】2016-02-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504310685
【氏名又は名称】サイコ インコ-ポレ-テツド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー シー. ディッキー
(72)【発明者】
【氏名】モニカ スボボドニー
【審査官】七字 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02936820(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0300044(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 3/00-3/14
F16F 3/00-3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対のテーブルトップ(104)であって、該テーブルトップ(104)のそれぞれはテーブルトップフレーム(110)を有する、一対のテーブルトップ(104)と、
各テーブルトップ(104)のための脚部アセンブリであって、各脚部アセンブリは前記テーブルトップフレーム(110)にて管状横断部材(146)に取り付けられ、前記テーブルトップ(104)に対して回転する、脚部アセンブリと、
前記脚部アセンブリに接続され、前記テーブルトップ(104)を支持し、第1の位置と第2の位置との間で前記テーブルトップ(104)を折り畳む、折り畳み枠組み(102)であって、前記管状横断部材(146)のそれぞれは前記テーブルトップ(104)のそれぞれに対して回転軸を形成する、折り畳み枠組み(102)と、
折り畳みの間に力を相殺する折り畳み補助システムであって、該折り畳み補助システムは、
前記折り畳み枠組み(102)に取り付けられ、付勢力を提供する機械的支柱アセンブリ(200)であって、該機械的支柱アセンブリ(200)は、伸縮式のハウジング(220、240)と、前記ハウジング(220、240)内に第1のバネ(350)及び第2のバネ(370)とを有し、前記第1のバネ(350)は、前記第2のバネ(370)とは異なるバネ定数を有する、機械的支柱アセンブリ(200)において、
前記機械的支柱アセンブリ(200)は、折り畳みテーブル(100)の折り畳み操作及び展開操作のさまざまな段階で折り畳み及び展開を促進し、妨げるように作用する力の少なくとも一部を相殺する付勢力を提供するように構成される、機械的支柱アセンブリ(200)によって特徴づけられる、折り畳み補助システムと、
を具備
し、
前記テーブルトップフレーム(110)のオリフィス(172)に挿入され、かつ、前記管状横断部材(146)によって形成される前記回転軸と一直線上に並ぶ、受容部(164)を有するキャップ(160)をさらに具備する、折り畳みテーブル(100)。
【請求項2】
前記管状横断部材(146)は前記キャップ(160)に挿入される、請求項
1に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項3】
折り畳み補助システムが、第1のキャップ(160)及び第2のキャップ(160)を含む一対の前記キャップ(160)と、前記第1のキャップに挿入される前記管状横断部材(146)のうちの1つの第1の端部と、前記第2のキャップに挿入される前記管状横断部材(146)の第2の端部と、を備え、
前記管状横断部材(146)は、前記キャップ(160)内で回転する、
請求項
2に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項4】
前記キャップ(160)のそれぞれは、保持タブ(166)を具備し、前記テーブルトップフレーム(110)は、スロット(174)を具備し、前記保持タブ(166)は、前記スロット(174)に挿入されて、前記テーブルトップフレーム(110)の前記オリフィス(172)に、前記受容部(164)によって前記キャップ(160)を保持する、請求項
3に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項5】
前記キャップ(160)は保持タブ(166)を具備し、前記テーブルトップフレーム(110)はスロット(174)を具備し、前記保持タブ(166)は前記スロット(174)に挿入されて、前記テーブルトップフレーム(110)の前記オリフィス(172)に、前記受容部(164)によって前記キャップ(160)を保持する、請求項
1又は
2に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項6】
各キャップ(160)は、モノリシック要素を具備する、請求項1~
5のいずれか1項に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項7】
前記保持タブ(166)のそれぞれは、
ベース部分(162)の面に取り付けられた第1の端部と、第2の延長端部とを有する第1の平面部分(168)であって、該第1の平面部分(168)は、前記ベース部分の面に実質的に直交して延びる、第1の平面部分(168)と、
前記第1の平面部分(168)の前記第2の延長端部に取り付けられた第2の平面部分(170)であって、該第2の平面部分(170)は、実質的に前記ベース部分(162)に向かって延びる、第2の平面部分(170)と、を具備する、請求項
4又は
5に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項8】
前記第1の平面部分(168)及び前記第2の平面部分(170)はその間に鋭角を形成する、請求項
7に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項9】
前記第2の平面部分(170)は、前記第1の平面部分(168)に弾力的に取り付けられる、請求項
7又は
8に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項10】
前記折り畳み枠組み(102)に取り付けられた座席(120)をさらに具備する、請求項1~
9のいずれか1項に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項11】
前記機械的支柱アセンブリ(200)は伸縮式部分を具備し、前記機械的支柱アセンブリ(200)の第1の端部が前記折り畳み枠組み(102)に取り付けられ、前記機械的支柱アセンブリ(200)の第2の端部が前記テーブルトップフレーム(110)に取り付けられる、請求項1~
10のいずれか1項に記載の折り畳みテーブル(100)。
【請求項12】
折り畳みテーブル及び座席装置(100)を第1の位置と第2の位置との間で折り畳む方法であって、
前記折り畳みテーブル及び座席装置は、連動するテーブルトップフレーム(110)をそれぞれ有する一対のテーブルトップ(104)と、折り畳み枠組み(102)と、前記折り畳み枠組み(102)に回転可能に取り付けられた複数の脚部アセンブリであって、各脚部アセンブリは、連動する回転軸に沿って延びる管状横断部材(146)を中心に回転する、複数の脚部アセンブリと、を具備する、前記方法において、
前記方法は、
折り畳みに抵抗するか促進する力を相殺するように構成されるバネ(260)を有する少なくとも1つの機械的支柱(200)を提供するステップであって、前記少なくとも1つの機械的支柱(200)のそれぞれは、前記折り畳み枠組み(102)に取り付けられており、上側横断部材(144)を介してテーブルトップフレーム(110)に接続される、ステップと、
回転軸と一直線上に並び、前記管状横断部材(146)の端部を受容する略管状受容部分を有する前記テーブルトップフレーム(110)のオリフィス(172)にスナップ嵌めされるキャップ(160)を提供するステップと、
前記折り畳みテーブル及び座席装置(100)を前記第1の位置から前記第2の位置に、前記少なくとも1つの機械的支柱(200)によって個別に設けられる折り畳み補助によって、移動させるステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、PCT国際特許出願として2017年2月27日に出願されており、2016年2月29日に出願された米国仮特許出願第62/301,366号に対して優先権を主張する。この米国仮特許出願の開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、折り畳みテーブル及び座席装置に関し、さらに詳細には、軽量フレーム及び折り畳み補助システムを有する折り畳みテーブル及び座席構造に関する。
【背景技術】
【0003】
ダイニングルーム、会議室、ダンスエリア、トレーニングルーム、教室などをはじめとして、多様な活動のためのさまざまな時間に利用される大規模な多目的ルームでは、柔軟な構成を有する家具を使用するのが望ましいことが多い。特に、折り畳みテーブルと座席構造は有用であることがわかっており、共用エリア、軽食堂をはじめとする用途のために学校で利用される。このような折り畳みテーブル及び座席システムは、格納のために折り畳まれたときの設置面積を小さくし、空間を多目的使用する場合の柔軟性を高める。折り畳みテーブルの例は、例えばWilsonの特許文献1(米国特許第2,771,937号)、Wilsonの特許文献2(米国特許第3,075,809号)、Wilsonの特許文献3(米国特許第3,099,480号)、Bueの特許文献4(米国特許第6,254,178号)に示されており、この4件の米国特許は本発明の譲受人であるSico,Inc.に譲渡されている。そのようなテーブルは優れた柔軟性を提供するが、さらに改善が可能である。
【0004】
折り畳みテーブル及び座席システムは、対向するテーブル面のほか、ベンチ又はスツールを支持するための枠組みを必要とし、典型的にはキャスター上にある。折り畳みテーブル及び座席システムの重量は、そのようなシステムの折り畳み及び展開中に変化する可能性がありかつ折り畳み及び展開中に作業者が必要とする労力を増加させる可能性がある力を生成する。このため、そのようなシステムは、折り畳み及び展開処理を補助するために折り畳み補助システムを利用して、折り畳み及び展開を行う作業者の労力を少なくする必要がある。そのような折り畳み補助は、一般に、トーションバー及び/又は空気圧シリンダによって提供されてきた。トーションバーは、一般に、脚部のピボット軸に沿って挿入され、テーブルフレームに接続されてきた。トーションバーは、必要とされる労力を軽減するために重量及び重力の一部を打ち消すことがあるが、トーションバーは高価で、比較的重く、重量を上乗せすることになる。トーションバーは、トルクが確実に付加されるようにフレームに特別な取り付けが必要な場合がある。さらに、テーブルの折り畳み動作の範囲全体にわたってトルク量が変化し得るが、トーションバーには、通常、調整されない予め設定されたねじり量が含まれる。折り畳みテーブル及び座席システムはこのほか、ある程度の折り畳み補助を提供するガススプリングと呼ばれることも多い空気圧シリンダを利用する。しかし、ガススプリングは、全圧縮時の力に対する全伸張時の力の比である、限定された力比を有する。ガスボンベの典型的な力比は約1.5であり、折り畳み及び展開中に加えられる力を変化させる能力を制限し、折り畳み補助を提供してテーブルの力を打ち消し、折り畳み及び展開を制御する。さらに、そのようなガスボンベは、漏れが生じ、経年的に作用する力の一部を失う傾向がある。このため、そのようなボンベは、時間の経過に伴うガス漏れに起因した予期される力の損失を補うために、実際に必要とされるより大きな力を提供するように初期段階では構成されることが一般的である。
【0005】
このため、新たな改良された折り畳みテーブル及び座席システムには、改良された折り畳み補助システムを備えることが必要であることがわかる。そのようなシステムは、折り畳みテーブル及び座席システムの寿命全体にわたって低下しない折り畳み補助を提供する必要がある。さらに、そのようなシステムは、軽量であり、折り畳み及び展開中にフレーム要素間での回転が容易である必要がある。折り畳み補助システムは、異なる折り畳み補助力が必要とされる折り畳み動作及び展開動作の範囲の一部の間に増大及び/又は低下する折り畳み補助を提供するように調整される必要がある。枠組みは組み立てが容易である必要があり、折り畳み枠組みの回転軸にはトーションバーを設置しないことが必要である。本発明は、折り畳みテーブル及び座席システム及びその折り畳みリンク機構に起因するこのような問題をはじめとする問題に対処する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第2,771,937号明細書
【文献】米国特許第3,075,809号明細書
【文献】米国特許第3,099,480号明細書
【文献】米国特許第6,254,178号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明は、テーブル及び座席装置に関し、特に、折り畳み補助のための機械的支柱と、フレーム回転軸に低摩擦回転支持を提供するキャップ要素とを用いる折り畳み枠組みを有するテーブル及び座席装置に関する。
【0008】
折り畳みテーブル及び座席装置は、中央折り畳み平面周りに互いに向かって折り畳まれる一対のテーブルトップを含み、連動する座席を含むこともある。各テーブルトップには、連動するテーブルトップフレームがある。折り畳み枠組みは、テーブルトップを支持し、使用のための第1の位置と保管のための第2の位置との間でテーブルトップを折り畳むためのものである。折り畳み枠組みは、テーブルトップのそれぞれに少なくとも1つの回転軸を形成する。折り畳み補助システムは、折り畳み及び展開の際の装置の重さを力で相殺し、テーブル及び座席装置を折り畳み及び展開するために必要な労力を軽減する。折り畳み補助システムは、折り畳み枠組みに取り付けられておりかつ付勢力を提供する機械的支柱アセンブリを備える。さらに、フレームの回転軸でのトーションスプリングではなく、一対のキャップであって、それぞれが低摩擦受け部を有するキャップが、テーブルトップフレーム内のオリフィスに挿入され、回転軸と一直線上に並ぶ。キャップは、回転軸を中心として枢動する管状フレーム部材の端部を受容する。キャップは、それぞれがテーブルトップフレームの穴に挿入される受け入れ部分と、テーブルトップフレームの長穴にクリップ留めされる保持タブとを含むため、容易に組み立てられる。
【0009】
折り畳み補助システムは、折り畳みテーブルの折り畳み及び展開に抵抗する力及び/又は折り畳み及び展開を加速する力を相殺し、作業者が必要とする作業を軽減するように調整される。折り畳み補助システムは、伸縮部分を有する機械的支柱アセンブリを備える。支柱アセンブリの第1の端部が、折り畳み枠組みに取り付けられ、機械的支柱アセンブリの第2の端部が、テーブルトップフレームに取り付けられる。機械的支柱のバネ率は、折り畳み及び展開中に遭遇する重量をはじめとする力を実質的に相殺するように、テーブル及び座席装置の動作範囲に沿って変化するように設計されてもよい。機械的支柱は、比較的高い力比、約4を有する。ガススプリングよりも高いこの力比は、力が折り畳み及び展開中にさらに変化し得るように、機械的支柱がさらに良好に調節されて折り畳み補助を最適化することを可能にする。機械的支柱アセンブリは、第1のバネと第2のバネを、第1のバネが第2のバネとは異なるバネ定数を有する状態で備えてもよい。
【0010】
本発明を特徴づける新規性をはじめとするさまざまな利点のこのような特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に指摘され、本明細書の一部を形成する。しかし、本発明、その利点、及びその使用によって得られる目的をさらに良く理解するためには、本明細書の別の部分を形成する図面、及び本発明の好ましい実施形態が示され説明される添付の記載を参照すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
下記の図面を参照する。図面では類似する参照番号及び文字は、いくつかの図を通して類似する構造を示す。
【
図1】展開使用位置にある折り畳みテーブル及び座席アセンブリの斜視図。
【
図2】明確にするためにテーブルトップ及び座席部が除去された状態の
図1のテーブル及び座席アセンブリの斜視図。
【
図3】折り畳み位置にある
図2のテーブル及び座席アセンブリの斜視図。
【
図4】明確にするために座席が取り除かれた状態の折り畳み位置にある
図1のテーブル及び座席アセンブリの側面図。
【
図5】
図2に示されているテーブル及び座席アセンブリ用の折り畳みフレーム及びリンク機構の詳細斜視図。
【
図6】
図5に示すリンク機構のための入れ子式機械的支柱の斜視図。
【
図7】
図6に示す機械支柱の第1の実施形態の断面図。
【
図8】
図6に示す機械的支柱の第2の実施形態の断面図。
【
図9】
図6に示す機械支柱の第3の実施形態の断面図。
【
図10】
図1のテーブル及び座席アセンブリのフレームに取り付けられたクリップの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
ここで図面、特に
図1を参照すると、概略的に(100)で示されるテーブル及び座席装置が示される。テーブル及び座席装置(100)は、折り畳み枠組み(102)によって支持されたテーブルトップ(104)を備える。枠組み(102)は、以下に説明するように、いくつかの相互接続されたフレーム要素を備える。
図3及び
図4に示すように折り畳まれたときに、テーブル及び座席装置(100)は、使用のための位置から保管のための位置に転がすことができるように、4つのキャスター又はホイール(112)に取り付けられる。枠組み(102)はこのほか、座席(120)を支持する。座席(120)は、スツール(120)として示されているが、スツールではなくベンチ又はベンチとスツールの組み合わせであってもよい。さまざまなタイプ及び/又は数の座席アセンブリ(120)を用いて複数の実施形態が可能であることも理解されよう。さらに、1つ以上の座席アセンブリ(120)を省略して、ADA座席(ADA (The Americans with Disabilities Act) seating、accessible seating)を提供してもよい。
【0013】
ここで
図2~
図4を参照すると、折り畳み枠組み(102)は、テーブルトップのそれぞれに連動するテーブルトップフレーム(110)を支持する。テーブルトップフレーム(110)は、テーブルトップのうちの連動した1つの下面に取り付けられる。
【0014】
各テーブルトップ(104)のためのテーブルトップフレーム(110)は、中央折り畳みリンク機構(114)を介して互いに接続される。中央リンク機構(114)は、テーブルトップ(104)とその連動する枠組み(102)とを接続し、テーブルトップ(104)の隣接する中央部分間に折り畳み動作を提供するリンクを備え、テーブルトップ(104)のフレーム(110)間に延びるリンク機構部材を備える。
図2に示すように、テーブル及び座席装置(100)はこのほか、第1のロック(130)を備えてもよい。この第1のロックは、折り畳まれた保管位置にあるときに対向するテーブルトップの折り畳み枠組みから横断部材を係合させるように構成された、第1のロックハンドル(132)及び第1のロック係合部材(134)を備える。さらに、テーブル及び座席装置(100)は、第2のロック(136)を備えてもよい。この第2のロックは、折り畳み枠組みを解放し、
図1及び
図2に示す使用位置から折り畳めるように作動されなければならない、安全性を作動させる第2のロックハンドル(138)を備える。
【0015】
再び
図2~
図5を参照すると、折り畳み枠組み(102)は、テーブルトップ(104)のそれぞれに連動する枠組みアセンブリを備える。折り畳み枠組み(102)は、テーブルトップの両端のそれぞれの端部下側横断部材(140)と、
脚部(124)とを備える。端部脚部は、
図3及び
図4に示すような折り畳まれた位置にあるときにテーブル及び座席装置(100)を搬送するためのキャスター(112)に取り付けられる。座席(120)は、脚部(124)の下側部分から上方に延びる座席支持部(122)上で支持される。脚部(124)は、折り畳み枠組み(102)の一部を形成し、座席の下方からテーブルトップの下方に向かって内側上方に延びる部分を備える。折り畳み枠組み(102)はこのほか、中央横断部材(142)及び上側横断部材(146)を備える。機械的支柱(200)は、テーブルトップフレーム(110)の上側横断部材(144)に接続される。中央横断部材(142)は、対向する一対の脚部のそれぞれの脚部(124)を接続する。リンク機構要素(148)は、一対の脚部(124)のそれぞれの中央横断部材(142)を接続し、テーブル及び座席装置(100)の長手方向に沿って延びる。リンク機構要素(148)は、一対の対向する脚部(124)の全部の折り畳み及び展開を作動させる。
【0016】
一対の脚部(124)のそれぞれの上端は、管状部材(146)に取り付けられる。管状部材(146)は、テーブル及び座席装置(100)の長手方向に対して横方向に延び、キャップ要素(160)が管状部材(146)の両端を受容した状態で、テーブルトップフレーム(110)に取り付けられたキャップ要素(160)に回転可能に取り付けられる。
【0017】
機械的支柱(200)は、
図5に最も明瞭に示すように、上部バネ取付部(180)を介して上側横断部材(144)に取り付けられ、下部バネ取付部(182)を介して中央横断部材(142)に接続される。バネ取付部(180、182)は、機械的支柱(200)とバネ取付部(180、182)との間の相対回転を可能にする十字ピンを備える。このため、横断部材(142、144)は、テーブルトップフレーム(110)の他のフレーム要素に固定して取り付けられてもよく、折り畳み枠組み(102)の他の部分及びテーブルトップフレーム(110)に対して回転する必要がない。以下に説明するように、機械的支柱(200)は、
図1及び
図2に示す位置と
図3及び
図4に示す位置との間で、折り畳み及び展開の間に引き込まれ伸長するように伸長可能である。さらに、機械的支柱(200)は、折り畳み及び展開の間に遭遇する負荷の少なくとも一部を相殺するように予め設定された方法で力を提供するように調整され、作業者がテーブル及び座席装置(100)を折り畳み、展開するために必要な労力を軽減する。
【0018】
ここで
図6~
図9を参照すると、テーブル及び座席装置(100)に利用できるような機械的支柱(200、300、400)が示される。そのような支柱は、参照により本明細書に組み入れられる米国特許第9,188,184号に、さらに詳細に記載されている。機械的支柱(200)の第1の実施形態が
図2、
図3及び
図5に示されているが、
図8及び
図9に示す機械的支柱(300、400)は交換可能であり、ほかにも、用途の必要性及び要件に応じた特定の構成を備えたテーブル及び座席装置と共に用いてもよい。
図6に示すように、機械的支柱アセンブリ(200)の第1の実施形態は、第1のハウジング(220)及び第2のハウジング(240)を備える。第1のハウジング(220)は、前端部と後端部との間に延びる内部チャンバ(230)を備える。第2のハウジング(240)はこのほか、前端部と後端部との間に延びる内部チャンバ(250)を有する。
【0019】
第2のハウジング(240)は、
図7に示すように、第1のハウジング(220)の内部チャンバに部分的に入れ子状に伸縮自在に挿入されるように構成される。第2のハウジングの前端部(244)は、第1のハウジング(220)の内部チャンバ(230)に挿入される。バネは、機械的バネ要素(260)を備える。螺旋バネ要素(260)が示されているが、機械的バネ要素(260)のサイズ、形状及び材料は、特定の用途の必要性を満たすように変更されてもよいことが理解されよう。
【0020】
機械的バネ要素は、第1の端部(262)と第2の端部(260)とを、第1の端部と第2の端部との間の複数のコイル(266)が機械的バネ要素(262)の長手方向の長さに沿って、内部空洞領域を伴って螺旋を概ね形成する状態で、備える。バネは、本体(272)と係合され、相補的端部領域(282、284)に螺合可能に接続されてもよい。機械支柱アセンブリ(200)は、ねじ込み可能であるか、取り付け要件に応じて必要とされる他の従来の構成を使用するコネクタ(280)を介してハウジング(220、240)を外部に取り付ける。
【0021】
さらに、
図8及び
図9に示すように、機械的支柱(300、400)の他の実施形態が、複数のバネ要素を含んでもよい。
図8に示すように、複数の機械的バネ要素(260)を共に実装してもよい。第1及び第2のバネ要素(350、370)を利用しもよいし、コイルバネ要素としてもよい。バネ要素の材料をはじめとする構成は、バネ定数を変更するために変更してもよい。同じように、
図9に示すように、2つのバネ(450、470)を共に利用してもよい。
図9の実施形態に示すように、バネ(450、470)の巻線は、反対方向に延びてもよい。
【0022】
機械的支柱(200、300、400)は、テーブル及び座席装置を折り畳み、展開しているユーザに必要な作業量を最小限に抑えるように調整されてもよい。バネは、中立の安定状態になるように製造されてもよく、あるいは機械的支柱アセンブリ(200)に向かって引くか、機械支柱アセンブリ(200)から離れるように押すように付勢するための予め設定された圧縮又は伸長を含んでもよい。さらに、バネの寸法及び材料は、バネ(260)がさまざまな速度及び/又は折り畳み/展開動作のさまざまな部分に対してさまざまな力を及ぼすことによって伸縮するように、バネの長さに沿って変化するようにしてもよい。伸長及び圧縮は、テーブル及び座席装置(100)が折り畳まれて展開されるときに、運動の経路に沿って重力から変化する力に適合させてもよい。機械的支柱アセンブリ(200)によって及ぼされる力に適合させることによって、テーブル及び座席装置(100)を折り畳むか展開するのに必要になった大きな力を実質的に打ち消してもよい。このため、テーブル及び座席装置(100)を折り畳み及び展開するために必要とされる労力は実質的に軽減され、このため労働力を節約し得る。さらに、折り畳み及び展開により、制御を改善し、このため安全性が改善することになる。さらに、バネは、複数のバネ要素を使用して、バネによって付加される力と、折り畳み及び展開の異なる段階中に遭遇する力との整合を改善するために、変化させて組み合わせてもよい。
【0023】
ここで
図10及び
図11を参照すると、キャップ要素(160)はテーブルトップフレーム(110)の一部分に取り付けられる。テーブルトップフレーム(110)は、フレーム(110)の壁に形成されたオリフィス(172)を備える。スロット(174)を、両側に配置し、簡単なスナップインタイプの取り付けを提供するオリフィス(172)から均等に離間して配置する。
【0024】
図12~
図15に示すように、キャップ要素(160)はベース部分(162)を備える。ベース部分(162)は、長方形をはじめとする従来の形状であってもよい。受容部(164)は、実質的に円筒状であり、ベース部分(162)の面から外向きに延びる。受容部(164)は、連動する管状部材(146)の端部を受容するように構成された実質的に円筒形の内側空洞を形成する。タブ(166)は、中央受容部(164)の両側に取り付けられる。タブ(166)は、ベース(162)の面に実質的に直交して延びる第1の平面部分(168)を備える。第2の平面部分(170)は、第1の平面部分(168)の遠位端から延び、ベース部分(162)の平面に向かって下方に突出するとともにわずかに横方向外側に突出する。このため、平面部分(168及び170)の間に鋭角が形成される。キャップ要素(160)はモノリシック成形要素であってもよい。そのような構造は、タブ(166)を弾力的に撓ませるものであり、その結果、第1の平面部分(168)と第2の平面部分(170)が共に丸められ、次いで第2の平面部分(170)がその元の位置に後方に撓む。キャップ要素(160)は、管状部材(146)が受容部(164)の内部空洞内で自由に回転できるように、低摩擦表面を有する軽量プラスチックであってもよい。
【0025】
本発明はこのほか、容易な構造及び組み立てを提供する。キャップ要素(160)は、
図10及び
図11に示すように、テーブルトップフレーム(110)によって簡素に適切な位置にスナップ嵌めされ、保持される。キャップ要素(160)をフレーム(110)に取り付けるために、要素(160)は、受容部(164)がテーブルトップフレーム(110)の中心オリフィス(172)を通って挿入された状態で外側に押し出される。同時に、タブ(166)は、対応するスロット(174)を通って延びる。キャップ要素(160)が、受容部(164)がオリフィス(172)を通過した状態で内側に押されると、平面部分(168、170)はスロット(174)の側面によって互いに押し付けられる。しかし、タブ(166)は、第2の平面部分(170)がこのようなスロット(174)を完全に通過するように、このようなスロット(174)を通って充分に押し込まれると、タブ(166)の弾性によって、第2の平面部分(172)をその初期状態に戻す。このため、ベース(162)の平面に最も近い第2の平面部分(170)の端部は、スロット(174)を越えて横方向外側に延び、テーブルトップフレーム(110)の内壁と係合する。このため、キャップ要素(160)は、一度装着されると、オリフィス(174)を通って取り外されることが無くてもよく、所定の位置に堅固に保持される。キャップ要素(160)の取り付け動作は、工具又は特別な技能を必要としない確実な係合で、要素を適所に押し込むことによって簡便に生じることが理解されよう。
【0026】
キャップ要素(160)の使用は、低摩擦表面を提供し、管状部材(146)の取り付けを簡単かつ容易にし、折り畳み枠組み(102)の容易な回転を可能にする。さらに、機械的支柱(200)の使用により、折り畳み枠組みの脚部(124)の上端の回転軸に沿ったトーションバーの必要がなくなる。機械的支柱は、キャップ要素(160)及び管状部材(146)の低摩擦及び軽量構造によって支援される折り畳み補助を最適化するために約4の力比を有する。重量が軽減されるだけでなく、機能も簡素化される。さらに、折り畳み及び展開のさまざまな段階に調整された支柱(200)は、折り畳み位置と展開位置との間の移行をさらに簡単で安全なものにする。機械的支柱の使用はこのほか、時間の経過に伴う空気バネの漏れ及び劣化に関連する問題を克服し、その結果、テーブル及び座席装置(100)の耐用年数全体にわたってテーブル(100)及び折り畳み補助の機能が維持されるようにする。
【0027】
しかし、本発明の多くの特徴及び利点が、本発明の構造及び機能の詳細とともに上記の説明に記載されているが、本開示は例示的なものに過ぎず、添付の特許請求の範囲が表現されている用語の広範な一般的な意味によって示される範囲を限度に、細部、特に本発明の原理内の部分の形状、大きさ、及び配置の点にて変更が実施されることを理解されたい。