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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】電動リール制御装置及び電動リール
(51)【国際特許分類】
   A01K 89/017 20060101AFI20220801BHJP
【FI】
A01K89/017
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019179258
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021052668
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000204033
【氏名又は名称】太平洋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】林 久雄
【審査官】大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-354443(JP,A)
【文献】特開2008-193906(JP,A)
【文献】特開2018-201466(JP,A)
【文献】特開2000-125723(JP,A)
【文献】特開平07-075469(JP,A)
【文献】特開2005-295940(JP,A)
【文献】特開2007-275074(JP,A)
【文献】特開2005-210963(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 89/017
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動リール(10)の釣糸巻き取り用のモータ(12)への電圧出力を、前記電動リール(10)に備えた駆動操作部(17)の操作に応じて変更する電動リール制御装置(40)において、
第1基準電流値と、その第1基準電流値より大きい第2基準電流値と、第1基準時間と、前記第1基準時間より短い第2基準時間とが、予め定められて記憶される基準データ記憶部(52C)と、
前記モータ(12)に流れるモータ電流が、前記第1基準時間以上継続して前記第1基準電流値以上となる第1異常判別条件の成否と、前記モータ電流が、前記第2基準時間以上継続して前記第2基準電流値以上となる第2異常判別条件の成否とをそれぞれ判別する異常判別部(52)と、
前記第1異常判別条件が成立したときには、前記駆動操作部(17)の操作とは無関係に前記モータ(12)への電圧出力を徐々に下げて停止する一方、前記第2異常判別条件が成立したときには、前記駆動操作部(17)の操作とは無関係に前記モータ(12)への電圧出力を遮断して停止する異常停止制御部(52)と、を備える電動リール制御装置(40)。
【請求項2】
前記電動リール(10)には、前記モータ(12)の出力回転方向が一方の回転方向のときに、高速巻取用ギヤを前記モータ(12)の回転出力に連結する一方で、前記モータ(12)の出力回転方向が他方の回転方向のときに低速巻取用ギヤを前記モータ(12)の回転出力に連結するギヤ切替機構が備えられ、
前記モータ(12)の回転出力に前記高速巻取用ギヤが連結された状態で、前記モータ(12)への電圧出力が前記異常停止制御部(52)によって停止されたときに、前記モータ(12)への電圧出力の極性を反転させて、前記モータ(12)の出力回転方向を切り替える極性切替回路(54)を備える請求項1に記載の電動リール制御装置(40)。
【請求項3】
前記異常停止制御部(52)は、前記第1異常判別条件が成立したときに、前記モータ(12)への電圧出力を徐々に下げる際に、前記電圧出力が予め定められた基準電圧出力以下になったときには、それまでよりも前記電圧出力を速く低下させる、請求項1又は2に記載の電動リール制御装置(40)。
【請求項4】
請求項1から3のうち何れか1の請求項に記載の電動リール制御装置(40)を備えた電動リール(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、釣用の電動リール及び電動リールに備えられる電動リール制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、電動リールには、釣糸を巻き取るスプールを駆動するモータへの電圧出力を、駆動操作部の操作に応じて変更する電動リール制御装置が備えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-7184号公報(段落[0022]、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、重過ぎる魚がかかった場合等に、モータやモータを駆動する駆動回路に流れる電流量が多くなり、発熱等でモータや駆動回路が壊れるおそれがある。このため、モータやモータの駆動回路への負荷を低減可能な電動リール制御装置が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、電動リール(10)の釣糸巻き取り用のモータ(12)への電圧出力を、前記電動リール(10)に備えた駆動操作部(17)の操作に応じて変更する電動リール制御装置(40)において、第1基準電流値と、その第1基準電流値より大きい第2基準電流値と、第1基準時間と、前記第1基準時間より短い第2基準時間とが、予め定められて記憶される基準データ記憶部(52C)と、前記モータ(12)に流れるモータ電流が、前記第1基準時間以上継続して前記第1基準電流値以上となる第1異常判別条件の成否と、前記モータ電流が、前記第2基準時間以上継続して前記第2基準電流値以上となる第2異常判別条件の成否とをそれぞれ判別する異常判別部(52)と、前記第1異常判別条件が成立したときには、前記駆動操作部(17)の操作とは無関係に前記モータ(12)への電圧出力を徐々に下げて停止する一方、前記第2異常判別条件が成立したときには、前記駆動操作部(17)の操作とは無関係に前記モータ(12)への電圧出力を遮断して停止する異常停止制御部(52)と、を備える電動リール制御装置(40)である。
【0006】
請求項2の発明は、前記電動リール(10)には、前記モータ(12)の出力回転方向が一方の回転方向のときに、高速巻取用ギヤを前記モータ(12)の回転出力に連結する一方で、前記モータ(12)の出力回転方向が他方の回転方向のときに低速巻取用ギヤを前記モータ(12)の回転出力に連結するギヤ切替機構が備えられ、前記モータ(12)の回転出力に前記高速巻取用ギヤが連結された状態で、前記モータ(12)への電圧出力が前記異常停止制御部(52)によって停止されたときに、前記モータ(12)への電圧出力の極性を反転させて、前記モータ(12)の出力回転方向を切り替える極性切替回路(54)を備える請求項1に記載の電動リール制御装置(40)である。
【0007】
請求項3の発明は、前記異常停止制御部(52)は、前記第1異常判別条件が成立したときに、前記モータ(12)への電圧出力を徐々に下げる際に、前記電圧出力が予め定められた基準電圧出力以下になったときには、それまでよりも前記電圧出力を速く低下させる、請求項1又は2に記載の電動リール制御装置(40)である。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1から3のうち何れか1の請求項に記載の電動リール制御装置(40)を備えた電動リール(10)である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の電動リール制御装置(40)及び請求項4の電動リール(10)では、モータ(12)に流れるモータ電流が、所定の基準時間以上継続して、所定の基準電流値以上の過大な電流となったときに、駆動操作部(17)の操作とは無関係にモータ(12)への電圧出力を停止させるので、モータ(12)やモータの駆動回路(54)に負荷がかかり過ぎることを抑制可能となる。ここで、モータ電流が、第1基準時間以上継続して第1基準電流値以上となった場合には、モータ(12)への電圧出力が徐々に下げられて停止する。これにより、釣糸(99)のテンションが急に下がることが抑制され、釣針が魚から外れて魚に逃げられること(いわゆる、魚ばらし)が抑制可能となる。また、モータ電流が第1基準電流値よりも大きい第2基準電流値以上となった状態が、第2基準時間継続した場合には、モータ(12)の電圧出力が遮断される。これにより、モータ(12)への電圧出力を徐々に下げるよりも、モータ(12)やモータの駆動回路(54)に電流が流れ過ぎることを抑制可能となり、モータ(12)とモータの駆動回路(54)への負荷を低減可能となる。また、第2基準時間が第1基準時間よりも短いので、モータ(12)とモータの駆動回路(54)への負荷をより低減できる。
【0010】
請求項2の構成では、高速巻取用ギヤのときに、異常停止制御部(52)によりモータ(12)への電圧出力が停止した場合でも、低速巻取用ギヤに切り替えてモータ(12)への電圧出力を再度上げることができる。これにより、高速巻取用ギヤを使用した場合に電動リール(10)で引き上げられなかった重い魚も、低速巻取用ギヤによって引き上げることが可能となる。高速巻取用ギヤの使用時と、低速巻取用ギヤの使用時とでは、モータ(12)の出力回転方向が同じであってもよいし、逆であってもよい。
【0011】
請求項3の構成では、電圧出力が、基準電圧出力まで下がったら、それまでよりも電圧出力の低下を速くする。これにより、電圧出力を下げている間に、モータの駆動回路(54)に流れる電流が増えて発熱によってモータの駆動回路(54)が壊れることを抑制可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施形態に係る電動リールの斜視図
図2】電動リール制御装置の斜視図
図3】電動リールの回路図
図4】モータへの電圧出力のDUTY比の時間変化を示すグラフ
図5】モータへの電圧出力のDUTY比の時間変化を示すグラフ
図6】モータへの電圧出力のDUTY比の時間変化を示すグラフ
図7】駆動制御プログラムのフローチャート
図8】電流異常判定処理のフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図1図8を参照して、本開示の一実施形態に係る電動リール10及び電動リール制御装置40について説明する。図1に示された本実施形態の電動リール10は、両端部を回転可能に支持されたスプール11を有し、そのスプール11にはモータ12と手巻ハンドル13とが図示しないクラッチ機構とギヤとを介して連結されている。また、スプール11の後側にはクラッチ機構をオンオフするためのクラッチレバー14が備えられている。そして、クラッチ機構により、スプール11が、釣糸99を巻き取る巻取方向のみに回転可能な状態と、自在回転可能な状態とに切り替えられる。また、スプール11の巻取方向への回転は、モータ12又は手巻ハンドル13にて行うことができる。一方、スプール11の巻取方向とは逆の送出方向への回転は、スプール11が自在回転可能な状態で、釣糸99が餌や錘等に引っ張られることで行われる。また、クラッチ機構により、モータ12の一方向の回転出力が、スプール11に対して異なる向きの力に切り替えられて伝達され、スプール11の送出方向の回転をモータ12にてアシストすることもできるようになっている。
【0014】
電動リール10の上面には、モニタ15と、その後側に横並びに配置された複数の設定ボタン16とが備えられている。そして、電動リール10の上面の後縁部には、モータ12によりスプール11を巻取方向に回転させる電動モードで使用する駆動操作部17が備えられている。
【0015】
駆動操作部17は、ローラ形状をなし、横方向に延びるシャフト17Sの中央部に一体回転可能に備えられている。シャフト17Sは、両端部を図示しない1対のベアリングに支持され、駆動操作部17はシャフト17Sと共に例えば一回転未満の範囲で回転可能になっている。また、駆動操作部17は、容易に回転可能であるが、振動では動かない程度に例えば1対のベアリングに備えた防水シール等により任意の位置で摩擦係止されるようになっている。なお、駆動操作部17は、片持ち状態で回転可能に支持されていてもよい。
【0016】
図3に示すように、駆動操作部17の回転を検出するために、シャフト17Sの一端部には、マグネット18が取り付けられている。また、マグネット18の近傍には、電動リール制御装置40に備えられた磁気センサ19が配置されている。そして、磁気センサ19が、駆動操作部17の回転位置に応じた検出信号を出力する。
【0017】
なお、スプール11の端部にも図示しないマグネットが取り付けられていて、電動リール制御装置40には、スプール11の回転を検出するための磁気センサ19Z(図2参照)も備えられている。
【0018】
図2には、電動リール制御装置40が、電動リール10の一部として組み付けられる前の状態で示されている。この電動リール制御装置40は、例えば透明な樹脂製等の防水ケース41の内部に図示しない回路基板を収容して備える。回路基板の上面には、液晶モジュールが実装されて防水ケース41の上面の一部が前述したモニタ15になっている。
【0019】
一方、前述の複数の設定ボタン16は、防水ケース41の複数の貫通孔に防水された状態で支持され、回路基板の上面に実装されている図示しない複数の押圧スイッチに突き当てられている。
【0020】
なお、電動リール制御装置40は、電動リール10の一部として組み付けられると、図1に示すように、防水ケース41のうちモニタ15と複数の設定ボタン16とを除いた部分が上面カバー49にて覆われる。
【0021】
図2に示すように、防水ケース41の両側面からは、回路基板に接続された第1~第4のケーブル42A~42Dが側方に引き出されている。なお、防水ケース41のケーブル引出口は、防水処理されている。
【0022】
第1ケーブル42Aの末端は、直流の外部電源59(図3参照)に接続するための電源コネクタの端子42E(図3参照)に接続される。第2ケーブル42Bの末端は、前述のモータ12に接続されている。第3及び第4のケーブル42C,42Dの末端には、前述した磁気センサ19,19Zが接続されている。
【0023】
図3には、電動リール制御装置40を含んだ電動リール10の回路の一部が示されている。電動リール制御装置40は、例えば外部電源59から受電する電源回路51と、MCU(Micro Controller Unit)52と、磁気センサ19の検出信号をMCU52に取り込むためのインターフェース回路53と、モータ12を駆動するための駆動回路54と、を有する。
【0024】
電源回路51は、外部電源59から受電して変圧し、直流電圧をMCU52、インターフェース回路53等に出力する。
【0025】
MCU52は、CPU、ROM、RAM、フラッシュメモリ52C、A/Dコンバータを有する。そして、MCU52は、インターフェース回路53を通して磁気センサ19から取得した検出信号に基づいて、駆動回路54の出力をPWM制御する。また、MCU52には、後述の第1基準時間と第2基準時間をそれぞれ計測するための第1タイマーと第2タイマーが備えられている。
【0026】
モータ12は、直流モータであり、駆動回路54は、本実施形態では、直流モータを駆動するためのHブリッジ回路になっている。詳細には、駆動回路54は、1対の入力電極54X1,54X2と、1対の出力電極54Y1,54Y2とを有し、1対の入力電極54X1,54X2の間に並列接続された第1スイッチ回路55と第2スイッチ回路56とを備える。それら第1及び第2のスイッチ回路55,56は、共に1対のスイッチ素子57A,57Bを直列に接続してなり、それら第1及び第2のスイッチ回路55,56における1対のスイッチ素子57A,57Bの共通接続部分が1対の出力電極54Y1,54Y2になっている。そして、1対の出力電極54Y1,54Y2にモータ12が接続され、1対の入力電極54X1,54X2に電源回路51からの直流電圧が印加される。
【0027】
スイッチ素子57A,57Bは、MCU52によってオンオフされる。そして、例えば、第1スイッチ回路55の高電位側のスイッチ素子57Aと第2スイッチ回路56の低電位側のスイッチ素子57Bとがオフ状態に維持されて、残り2つのスイッチ素子57A,57Bが同時にオンされることでモータ12が一方向に(以下、正方向という)回転駆動され、スプール11が巻取方向に回転する。これら2つのスイッチ素子57A,57BがMCU52によりオンオフされるPWM制御によって、モータ12に印加される実効電圧が変更される(DUTY比が変更される)。即ち、本実施形態では、駆動回路54は、電源回路51に接続される1対の入力電極54X1,54X2の間に、スイッチ素子57A,57Bと、モータ12に接続される1対の出力電極54Y1,54Y2と、を有した構造をなし、1対の出力電極54Y1,54Y2からモータ12へと電圧を出力する。
【0028】
また、本実施形態では、駆動回路54は、モータ12を上記正方向とは反対の逆方向にも回転可能となっている。即ち、駆動回路54は、モータ12への電圧出力の極性を切り替え可能となっている。具体的には、第1スイッチ回路55の低電位側のスイッチ素子57Bと第2スイッチ回路56の高電位側のスイッチ素子57Aとがオフ状態に維持されて、残り2つのスイッチ素子57A,57Bが同時にオンされることでモータ12が逆方向に回転するように駆動される。そして、モータ12が正方向に回転駆動される場合と同様に、これら2つのスイッチ素子57A,57BがMCU52によりオンオフされるPWM制御によって、モータ12に印加される実効電圧が変更される(DUTY比が変更される)。
【0029】
ここで、本実施形態では、モータ12の出力回転方向が逆方向のときと正方向のときとでは、モータ12の動力をスプール11に伝える伝達ギヤが図示しないギヤ切替機構により切り替えられ、これにより、モータ12の出力回転方向が逆方向のときにも、スプール11が巻取方向に回転する。また、モータ12の出力回転方向が正方向のときと逆方向のときとでは、伝達ギヤの伝達比が異なる。ギヤ切替機構により、モータ12の出力回転方向が正方向のときには、モータ12の回転出力に高速巻取用の伝達ギヤが連結される一方で、モータ12の出力回転方向が逆方向のときには、モータ12の回転出力に低速巻取用の伝達ギヤが連結されるようになっている。なお、電動リール10では、電源が投入されたときには、MCU52に備えられたROM(フラッシュROM)に記憶された設定(高速巻取用又は低速巻取用のギヤ設定)が採用される。
【0030】
なお、本実施形態の電動リール10では、駆動操作部17が回動範囲の一方側の端に配置されるときには、駆動回路54のモータ12への電圧出力が停止する(DUTY比が0%となる)。そして、駆動操作部17が他方側に回動されるにつれて、駆動回路54のモータ12への電圧出力が大きくなり(DUTY比が大きくなり)、駆動操作部17が回動範囲の他端に配置されると、DUTY比が100%となる。
【0031】
図4(A)には、電動リール10を用いて魚釣りが行われる際に、モータ12への電圧出力のDUTY比が変化する様子が一例として示されている。同図の例では、モータ12に流れるモータ電流が、定格電流未満になっている。
【0032】
図4(A)に示すように、釣針に魚がかかると、電動リール10を使用している釣り人は、魚の引きに負けないように、モータ12への電圧出力のDUTY比を大きくする方向に駆動操作部17を回動操作し、スプール11を巻取方向に回転駆動する。このとき、モータ12に負荷がかかり、モータ電流が上昇する(時間T0からT1まで)。その後、例えば、釣り人が魚の引きに合わせて駆動操作部17を操作することで、DUTY比が調整される。そして、釣糸99が巻き上がり終わると、駆動操作部17が回動範囲の他端に配置されて、モータ12への電圧出力が停止される(T2)。
【0033】
ここで、本実施形態では、モータ12に流れるモータ電流が、定格電流以上の所定の基準電流値以上となった状態が、所定の基準時間継続すると、駆動操作部17の操作とは無関係にモータ12への電圧出力が停止される(DUTY比が0%になる)ようになっている。具体的には、本実施形態では、上記基準電流値として、第1基準電流値と、第1基準電流値よりも大きい第2基準電流値が設けられている。また、第1基準電流値と第2基準電流値にそれぞれ対応する上記基準時間として、第1基準時間と、第1基準時間よりも短い第2基準時間と、が設けられている。そして、モータ電流が、第1基準時間以上継続して、第1基準電流値以上となったときに(第1異常判別条件が成立したときに)、モータ12への電圧出力のDUTY比が徐々に下げられて0%にされる。また、モータ電流が、第2基準時間以上継続して、第2基準電流値以上となったときには(第2異常判別条件が成立したときには)、モータ12への電圧出力のDUTY比が遮断される(即ち、DUTY比がすぐに0%にされる)。
【0034】
なお、第1及び第2基準電流値と、第1及び第2基準時間とは、予め設定されていて、例えば、MCU52に備えられたメモリ(特許請求の範囲に記載の「基準データ記憶部」に相当する。)に記憶されている。このメモリとしては、フラッシュメモリ52CやRAM等が挙げられる。また、本実施形態では、第1基準電流値と第2基準電流値は、例えば、それぞれ40Aと60Aに設定されている。また、本実施形態では、第1基準時間と第2基準時間とは、例えば、それぞれ0.1秒と0.05秒とに設定されている。
【0035】
図5(A)には、第1異常判別条件が成立した場合の例が示されている。釣針に魚がかかると、電動リール10を使用している釣り人は、魚の引きに負けないように、モータ12への電圧出力のDUTY比を大きくする方向に駆動操作部17を回動操作し(時間T0からT1)、スプール11を巻取方向に回転駆動する。魚が重い場合には、例えばDUTY比が100%になるまで駆動操作部17が操作される。このとき、モータ12に負荷がかかり、モータ電流が上昇し、モータ電流が第1基準電流値以上になることがある(例えばT1~T2の間)。この場合、モータ電流が第1基準電流値以上で、第1基準時間が経過したときには、上述のように、駆動操作部17の操作とは無関係に(即ち、強制的に)モータ12への電圧出力のDUTY比が徐々に下げられて0%になる(図5(A)におけるT2からT3)。この際、本実施形態では、DUTY比が、所定の基準電圧出力(例えば、20%)まで下がったら、それまでよりもDUTY比の低下を速くする。これにより、DUTY比を下げている間に、駆動回路54に流れる電流の増加による発熱によって駆動回路54(特にスイッチ素子57A,57B)が壊れることを抑制可能となる。
【0036】
また、第2異常判別条件が成立したときには、即ち、モータ電流が第1基準電流値よりも大きい第2基準値以上で、第2基準時間が経過したときには、上述のように、駆動操作部17の操作とは無関係にモータ12への電圧出力が遮断される(DUTY比が0%になる。図6(A)参照)。
【0037】
なお、DUTY比が100%になる前に、第1又は第2異常判別条件が成立する場合もある。この例として、図4(B)には、第1異常判別条件が成立した場合が示され、図4(C)には、第2異常判別条件が成立した場合が示されている。
【0038】
ここで、本実施形態では、モータ12の動力をスプール11に伝達する伝達ギヤが高速巻取用ギヤの状態で、第1異常判別条件と第2異常判別条件との何れかの条件の成立により、モータ12への電力出力が停止した場合には、上記伝達ギヤが、ギヤ切替機構により高速巻取用ギヤから低速巻取用ギヤに切り替えられる。そして、第1異常判別条件又は第2異常判別条件が成立した後、所定の駆動禁止期間(図5(A)と図6(A)におけるT3からT4までの時間)が経過すると、モータ12への電圧出力(DUTY比)が、駆動操作部17の操作とは無関係に自動的に、直近の第1又は第2異常判別条件が成立した時と同じになるまで(図5(A)及び図6(A)の例では、DUTY比が100%になるまで)、上昇する。DUTY比が第1又は第2異常判別条件が成立した時と同じになってから(図5(A)及び図6(A)におけるT5)、駆動操作部17が操作されると、それに応じて駆動回路54がモータ12を駆動可能となる。
【0039】
図5(A)に示されるように、第1異常判別条件が成立してモータ12への電圧出力が停止した後に、再度、第1異常判別条件が成立すると、高速巻取用ギヤが使用された場合と同様に、モータ12への電圧出力のDUTY比が徐々に下げられて0%になる。また、第2異常判別条件が成立した場合には、モータ12への電圧出力が遮断され、DUTY比がすぐに、0%になる(図5(B)参照)。モータ電流が第1基準電流値未満となり、第1及び第2異常判別条件の両方とも成立しない場合には、図5(C)に示すように、DUTY比が駆動操作部17の操作と関係なしに0%に下げられることはなく、駆動操作部17の操作に応じたDUTY比で電動リール10が使用可能となる。なお、DUTY比が100%になる前に、第1又は第2異常判別条件が成立した場合には、図4(B)、図4(C)と同様にして、DUTY比が0%まで下げられる。
【0040】
一方、高速巻取用ギヤを使用中に、第2異常判別条件が成立してモータ12への電圧出力が停止した後にも、上述したように、再びDUTY比が上昇する(図6(A)~図6(C)参照)。そして、上記の場合と同様にして、再度、第2異常判別条件が成立した場合には、図6(A)に示すように、モータ12への電圧出力が遮断され、DUTY比が0%に下がる。また、モータ電流が下がって第2異常判別条件が成立しないものの、第1異常判別条件が成立した場合には、図6(B)に示すように、DUTY比が徐々に下げられて0%になる。モータ電流が第1基準電流値未満となり、第1及び第2異常判別条件が共に成立しなかった場合には、図6(C)に示すように、駆動制御部17の操作に応じたDUTY比で電動リール10を使用し続けることができる。
【0041】
なお、低速巻取用ギヤを使用中に、第1又は第2異常判別条件が成立してモータ12への電圧出力が停止した場合には、モータ12が自動的には再駆動しない駆動停止状態となる。この場合、例えば、電動リール10の上面に備えられたギヤ切替操作部16S(図1参照)を操作することで、低速巻取用ギヤから高速巻取用ギヤに伝達ギヤが切り替えられ、その後、高速巻取用ギヤを用いてモータ12を駆動させることが可能となる。
【0042】
MCU52のROMには、図7に示した駆動制御プログラムPG1と図示しないPWM制御プログラムが記憶されていて、MCU52は、それら駆動制御プログラムPG1とPWM制御プログラムを所定周期(例えば、10[msec])で繰り返して実行する。
【0043】
駆動制御プログラムPG1が実行されると、まず、電圧出力の停止処理中か否かが判別される(S0)。具体的には、第1異常判別条件が成立し、モータ12への電圧出力が徐々に下げられて停止する処理の実行中か(図5(A)におけるT2からT3までの間か)、又は、第2異常判別条件が成立し、モータ12への電圧出力を遮断する処理の実行中か(図6(A)におけるT2からT3までの間か)、の何れかの場合に該当するか否かが判別される。該当する場合(S0でYes)、駆動制御プログラムPG1が終了する。また、該当しない場合(S0でNo)、駆動禁止期間中か否かが判別される(S1)。この駆動禁止期間は、モータ12の駆動が禁止されている期間で、例えば、高速巻取用ギヤの使用中に強制的にDUTY比が0%になってから、低速巻取用ギヤに切り替えられてモータ12が駆動可能となるまでの期間(図5及び図6におけるT3からT4までの期間)や、低速巻取用ギヤの使用中に強制的にDUTY比が0%になってから、ギヤ切替操作部16S(図1参照)の操作により高速巻取用ギヤに伝達ギヤが切り替えられるまでの期間等である。
【0044】
駆動禁止期間中である場合(S1でYes)、低速巻取用ギヤが使用されているか否かが判別される(S8)。低速巻取用ギヤが使用されていない場合には(即ち、高速巻取用ギヤが使用されている場合には)、高速ギヤ切替操作が行われたか否か、即ち、ギヤ切替操作部16Sが操作されたか否かが判別される(S9)。この判別は、例えば、ギヤ切替操作部16Sが操作されるとフラグが1になり、後述の低速ギヤ切替処理(S10)が実行されるとそのフラグが0になるようにフラグを設ければ、このフラグを参照してギヤ切替操作部16Sの操作の有無を判別することができる。高速ギヤ切替操作が行われている場合(S9でYes)、駆動制御プログラムPG1が終了する。高速ギヤ切替操作が行われていない場合(S9でNo)、低速巻取用ギヤに伝達ギヤが切り替えられると共にモータ12の出力回転方向が逆方向になり(S10)、その後、駆動制御プログラムPG1が終了する。
【0045】
S8で、低速巻取用ギヤが使用されている場合にも、S11で高速ギヤ切替操作が行われた否かが判別される(S11)。高速ギヤ切替操作が行われている場合には、高速ギヤ切替処理(S12)にて、高速巻取用ギヤに伝達ギヤが切り替えられる。S11において高速ギヤ切替操作が行われていない場合には、そのまま駆動制御プログラムPG1が終了する。
【0046】
一方、S1において、駆動禁止期間中でない場合(S1でNo)、S2において、自動でDUTY比が復元中(図5及び図6におけるT4からT5の間)か否かが判別される。DUTY比が復元中の場合(S2でYes)、駆動制御プログラムPG1が終了する。DUTY比が復元中ではない場合(S2でNo)、操作部連動処理(S3)が実行される。この処理(S3)では、駆動操作部17の回動に応じて、モータ12への電圧出力のDUTY比が変更可能となるように設定される。S3の後に、操作部データ取得処理(S4)が実行される。この操作部データ取得処理(S4)では、インターフェース回路53とA/Dコンバータとを通して磁気センサ19の検出信号が取得されて、駆動操作部17の回転位置が算出され、この算出値がRAMのバッファに一時的に格納される。
【0047】
S4が終了すると、駆動操作部17の回転位置が0度か否か、即ち、駆動操作部17が、駆動操作部17の回動範囲の一端に配置されているか否か、が判別される(S5)。駆動操作部17の回転位置が0の場合(S5でYes)、モータ停止処理(S13)にて、モータ12への電力出力のDUTY比が0に設定されてから、駆動制御プログラムPG1が終了する。一方、駆動操作部17の回転位置が0でない場合(S5でNo)、その回転位置に従ってPWM制御プログラムにより駆動回路54のスイッチ57A,57BがオンオフされてDUTY比が変更され、それに応じた実効電圧がモータ12の1対の入力電極間に印加される(即ち、モータ12を駆動する(S6))。その後、電流異常判定処理(S7)が実行されてから、駆動制御プログラムPG1が終了する。
【0048】
図8には、電流異常判定処理(S7)の詳細が示されている。電流異常判定処理(S7)では、まず、モータ12を流れるモータ電流が、第2基準電流値以上か否かが判別される(S20)。S20にてYesの場合、第2タイマーが作動中か否かが判別される(S21)。第2タイマーが作動中の場合(S21でYes)、そのままS23へと進む。第2タイマーが作動中でない場合(S21にてNo)、第2タイマー作動処理(S22)が実行され、第2タイマーの計測が開始される。その後、S23へと進む。
【0049】
S23では、第2タイマーに基づいて第2基準時間が経過したか否かが判別される。第2基準時間が経過していない場合(S23でNo)、後述のS31へ進み、モータ電流が、第1基準電流値以上か否かが判別される。S23で第2基準時間が経過している場合には(Yes)、即ち、第2異常判別条件が成立している場合には、操作部遮断処理(S24)が実行される。この処理(S24)では、駆動操作部17とモータ12の駆動回路54とが、電気的に遮断され、駆動操作部17が操作されてもモータ12への電圧出力が変更できないようになる。その後、出力遮断停止処理(S25)が実行される。この処理(S25)では、モータ12への電圧出力を遮断して停止する(DUTY比を0%にする)処理が行われる。また、第1タイマー及び第2タイマーが停止されると共にリセットされる。その後、電流異常判定処理(S7)が終了する。
【0050】
一方、S20において、モータ電流が第2基準電流値未満の場合(No)、第2タイマー停止リセット処理(S30)が実行される。この処理(S30)では、第2タイマーが停止されると共に、第2タイマーの値がリセットされる。その後、S31に進む。
【0051】
S31では、モータ電流が第1基準電流値以上か否かが判断される。モータ電流が第1基準電流値未満である場合(S31でNo)、第1タイマー停止リセット処理(S37)が実行される。この処理(S37)では、第1タイマーが停止されると共に、第1タイマーの値がリセットされる。その後、電流異常判定処理(S7)が終了する。
【0052】
S31において、モータ電流が第1基準電流値以上である場合(Yes)、第1タイマーが作動中か否かが判別される(S32)。第1タイマーが作動中の場合には、S34へ進む。第1タイマーが作動中でない場合には、第1タイマー作動処理(S33)が実行され、第1タイマーの計測が開始される。その後、S34へ進む。
【0053】
S34では、第1タイマーに基づいて、第1基準時間が経過したか否かが判別される。第1基準時間が経過していない場合には、電流異常判定処理(S7)が終了する。第1基準時間が経過している場合には(S34でYes)、操作部遮断処理(S35)が実行される。この処理(S35)は、上述の操作部遮断処理(S24)と同様に、駆動操作部17とモータ12の駆動回路54とが、電気的に遮断され、駆動操作部17が操作されてもモータ12への電圧出力が変更できないようになる。
【0054】
その後、出力徐変停止処理(S36)が実行される。この処理S36では、第1異常判別条件が成立した場合に、モータ12への電圧出力のDUTY比が徐々に下げられて0%になる。また、第1タイマー及び第2タイマーが停止されると共にリセットされる。その後、電流異常判定処理(S7)が終了する。
【0055】
本実施形態の電動リール制御装置40及び電動リール10の構成に関する説明は以上である。次に、この電動リール制御装置40と電動リール10の作用効果について説明する。
【0056】
本実施形態の電動リール制御装置40及び電動リール10では、モータ12に流れるモータ電流が、モータ12の定格電流以上の所定の基時間以上継続して所定の基準電流値以上となったときに、駆動操作部17の操作とは無関係にモータ12への電圧出力を停止させるので、モータ12やモータの駆動回路54に負荷がかかり過ぎることを抑制可能となる。ここで、モータ電流が、第1基準時間以上継続して第1基準電流値以上となった場合には、モータ12への電圧出力が徐々に下げられて停止する。これにより、釣糸99のテンションが急に下がることが抑制され、釣針が魚から外れて魚に逃げられること(いわゆる、魚ばらし)が抑制可能となる。また、モータへの電圧出力が徐々に下げられることで、一気に下げられる場合に比べて、逆起電力により電源回路51に過度な電圧上昇が起きることを抑制可能となる。
【0057】
また、モータ電流が第1基準電流値よりも大きい第2基準電流値以上となった状態が、第2基準時間継続した場合には、モータ12の電圧出力が遮断される。これにより、モータ12への電圧出力を徐々に下げるよりも、モータ12やモータの駆動回路に電流が流れ過ぎることを抑制可能となり、モータ12とモータ12の駆動回路54への負荷を低減可能となる。また、第2基準時間が第1基準時間よりも短いので、モータ12とモータ12の駆動回路54への負荷をより低減できる。
【0058】
本実施形態では、高速巻取用ギヤのときに、モータ12への電圧出力が停止した場合でも、低速巻取用ギヤに切り替えてモータ12への電圧出力を再度上げることができる。これにより、高速巻取用ギヤを使用した場合に電動リール10で引き上げられなかった重い魚も、低速巻取用ギヤによって引き上げることが可能となる。なお、高速巻取用ギヤの使用時と、低速巻取用ギヤの使用時とでは、モータ12の出力回転方向が同じであってもよいし、逆であってもよい。
【0059】
なお、本実施形態では、電流異常判定処理(S7)を実行しているときのMCU52が、特許請求の範囲の「異常判定部」及び「異常停止制御部」に相当する。また、駆動回路54が、特許請求の範囲に記載の「極性切替回路」に相当する。
【0060】
[他の実施形態]
(1)上記実施形態の電動リール10のモータ12は、直流モータであったが、交流モータやステッピングモータであってもよい。
【0061】
(2)上記実施形態では、汎用プロセッサであるMCU52等の汎用プロセッサの代わりに、DSP(Digital Signal Processor)等を設けてもよいし、ASIC(Application Specific Integrateed Circuit)等の専用回路を設けてもよい。また、駆動制御プログラムPG1がMCU52のROMに記憶されていてもよいし、RAM、フラッシュメモリ52C又はそれ以外の記憶媒体に記憶されていてもよく、さらには、RAM、ROM、フラッシュメモリ52Cを含む複数種類の記憶媒体を組み合わせたものに記憶されていてもよい。
【0062】
(3)上記実施形態では、第1基準電流値が、モータ12の定格電流以上に設定されていたが、モータ12の定格電流未満に設定されていてもよい。この場合、第2基準電流値が、モータ12の定格電流以上に設定されていてもよいし、モータ12の定格電流未満に設定されていてもよい。
【0063】
(4)上記実施形態では、第1異常判別条件又は第2異常判別条件が成立した場合に、モータ12の出力回転方向が逆転したが、モータ12の出力回転方向が同じ方向のままであってもよい。この場合、第1又は第2異常判別条件が成立したときでもスプール11の回転方向を変更しないように伝達ギヤを設定すればよい。
【0064】
(5)上記実施形態では、第1異常判別条件又は第2異常判別条件が成立した場合に、モータ12の動力をスプール11に伝達する伝達の伝達比が変更されたが(高速巻取用ギヤから低速巻取用ギヤに変更されたが)、同じであってもよい。
【0065】
(6)上記実施形態では、第1又は第2異常判別条件が一度成立してモータ12への電圧出力が停止した後に、モータ12への電圧出力(DUTY比)が、自動で上昇したが、駆動操作部17が手動操作されなければ、上昇せずにDUTY比が0%のままであってもよく、駆動操作部17の操作に応じてDUTY比が変更可能となっていてもよい。
【0066】
(7)電動リール制御装置40は、電動リールを制御するためのものであったが、それ以外のものの駆動回路を制御する制御装置として使用してもよい。具体的には、ドローンのプロペラを駆動するモータの駆動回路や、電動工具のモータの駆動回路や、舞台等の演出用のライトやスピーカのボリューム等を駆動する駆動回路等の制御に制御装置として使用してもよい。
【0067】
(8)上記実施形態では、モータ電流に基づいてモータ12への電圧出力を停止していたが、釣糸99のテンションを検出する検出装置(テンションローラ等)を備えて、釣糸99のテンションに基づいてモータ12の負荷を検出し、そのテンションが所定の基準値を超えたときに、モータ12への電圧出力を停止するようにすることもできる。
【符号の説明】
【0068】
10 電動リール
12 モータ
17 駆動操作部
40 電動リール制御装置
52 MCU
54 駆動回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8