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特許7114588侵襲性バイオセンサのためのセンサホルダデバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】侵襲性バイオセンサのためのセンサホルダデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1486 20060101AFI20220801BHJP
   A61B 5/1473 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
A61B5/1486
A61B5/1473
【請求項の数】 32
(21)【出願番号】P 2019527872
(86)(22)【出願日】2017-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-16
(86)【国際出願番号】 US2017063393
(87)【国際公開番号】W WO2018102288
(87)【国際公開日】2018-06-07
【審査請求日】2020-11-16
(31)【優先権主張番号】15/362,955
(32)【優先日】2016-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504016422
【氏名又は名称】デックスコム・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ビーダーマン,ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ストウ,ティモシー
【審査官】門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/036924(WO,A2)
【文献】特表2015-509011(JP,A)
【文献】特表2012-531952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/145 - 5/1495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
剛性本体と、
前記剛性本体に取り付けられ、前記剛性本体の一側面から伸長する脚部のセットと、
前記剛性本体に取り付けられ、前記剛性本体の前記一側面から伸長し、ガイド孔またはガイド開口部を画定するセンサガイド構造であって、前記剛性本体は、前記センサガイド構造から伸長しセンサワイヤを収容するサイズの溝を備える、センサガイド構造と、
前記溝と、前記脚部のセットの第1の脚部の遠位端とを電気的に結合する電気トレースと
を備えるセンサホルダデバイス。
【請求項2】
前記溝は、前記剛性本体の前記一側面、または前記剛性本体の前記一側面と対向する側面に形成される、請求項1に記載のセンサホルダデバイス。
【請求項3】
前記溝は、
第1の断面積を有し、前記センサワイヤの第1の部分を収容するサイズの第1の領域と、
第2の断面積を有し、前記センサワイヤの第2の部分を収容するサイズの第2の領域と
を画定し、前記第1の断面積と前記第2の断面積とは異なる、請求項1に記載のセンサホルダデバイス。
【請求項4】
前記ガイド孔は前記溝と交差し、前記剛性本体の下に設けられた前記センサガイド構造の遠位端を終点とする、請求項1に記載のセンサホルダデバイス。
【請求項5】
前記剛性本体は第1の平面に配向され、
前記センサガイド構造の前記遠位端および前記第1の脚部の前記遠位端は第2の平面に配向され、前記第1の平面と前記第2の平面とは異なる、請求項4に記載のセンサホルダデバイス。
【請求項6】
前記センサホルダデバイスは、前記剛性本体から前記第1の脚部の前記遠位端まで測定された3mm以下の高さを有する、請求項1に記載のセンサホルダデバイス。
【請求項7】
前記剛性本体は、ロボット載置デバイスの吸込みヘッドによって前記センサホルダデバイスを把持するように適合された上面を備える、請求項1に記載のセンサホルダデバイス。
【請求項8】
前記剛性本体、前記脚部のセット、前記センサガイド構造、および前記溝は、射出成形技術を用いて第1の材料から形成されたという特性を有し、
前記電気トレースは、レーザ直接構造化技術を用いて形成されたという特性を有し、第2の材料を備える、請求項1に記載のセンサホルダデバイス。
【請求項9】
前記センサガイド構造は、前記センサワイヤの第1の部分を受容し、前記センサワイヤの前記第1の部分を前記剛性本体の下へガイドするように構成され、
前記溝は、前記センサワイヤの第2の部分を保持するように構成され、
前記電気トレースは、前記センサワイヤの前記第2の部分と電気的に結合するように配置される、請求項1に記載のセンサホルダデバイス。
【請求項10】
患者の皮膚に装着型監視デバイスを載置するための外側表面を有するハウジング内に設けられた印刷回路基板と、
前記印刷回路基板に結合された1または複数の電子部品を備える感知回路と、
センサホルダデバイスであって、
本体の一側面から伸長する脚部のペアを有する前記本体であって、前記センサホルダデバイスが前記脚部のペアを介して前記印刷回路基板に物理的に結合される、本体と、
前記脚部のペアの第1の脚部に沿って前記第1の脚部の第1の遠位端まで伸長し、センサワイヤを前記印刷回路基板に電気的に結合する電気トレースと、
前記本体に設けられ、前記電気トレースに近接して前記センサワイヤの近位部を保持するセンサ保持構造と、
前記センサワイヤの遠位部を前記ハウジングの前記外側表面の先までガイドするセンサガイド構造と
を備えるセンサホルダデバイスと
を備える装着型監視デバイス。
【請求項11】
前記ハウジングは、前記感知回路および前記センサホルダデバイスを封入するキャップを備える、請求項10に記載の装着型監視デバイス。
【請求項12】
前記キャップは、前記キャップ内に設けられたアライメントノッチのセットを備え、前記アライメントノッチのセットは、前記脚部のペアに対応し、前記キャップが前記装着型監視デバイスに取り付けられると、前記キャップと前記センサホルダデバイスとを位置合わせする、請求項11に記載の装着型監視デバイス。
【請求項13】
前記本体の上面と前記キャップとの間に形成された水分バリアを更に備える、請求項11に記載の装着型監視デバイス。
【請求項14】
前記水分バリアは、シーム溶接によって形成される、請求項13に記載の装着型監視デバイス。
【請求項15】
前記センサワイヤは、第1の電極および第2の電極を備える、請求項10に記載の装着型監視デバイス。
【請求項16】
前記電気トレースは、前記第1の電極を前記印刷回路基板に電気的に結合する第1の電気トレースであり、
前記センサホルダデバイスは更に、前記脚部のペアの第2の脚部に沿って前記第2の脚部の第2の遠位端まで伸長し、前記第2の電極を前記印刷回路基板に電気的に結合する第2の電気トレースを備える、請求項15に記載の装着型監視デバイス。
【請求項17】
前記電気トレースは、前記第1の電極を前記印刷回路基板に電気的に結合する第1の電気トレースであり、
前記センサホルダデバイスは更に、前記第1の脚部に沿って伸長し、前記第2の電極を前記印刷回路基板に電気的に結合する第2の電気トレースを備える、請求項15に記載の装着型監視デバイス。
【請求項18】
前記センサ保持構造は、前記印刷回路基板に近接する前記本体の第1の表面に設けられる、請求項10に記載の装着型監視デバイス。
【請求項19】
センサホルダデバイスは、前記印刷回路基板上の取付け位置において前記センサガイド構造を介して前記印刷回路基板に物理的に結合され、前記取付け位置は、前記センサガイド構造と前記印刷回路基板との間の気密封止を備える、請求項10に記載の装着型監視デバイス。
【請求項20】
前記センサガイド構造は、内部に設けられた注封材料を含むガイド孔を画定し、前記注封材料は、前記ガイド孔を通って伸長する前記センサワイヤの少なくとも一部を包囲する、請求項10に記載の装着型監視デバイス。
【請求項21】
前記センサガイド構造は、ガイド孔を画定し、前記センサワイヤは、前記ガイド孔に沿って伸長し、前記遠位部は、前記ガイド孔の下に設けられた前記印刷回路基板における開口部を通って伸長し、
前記開口部は、前記印刷回路基板の内側領域内または前記印刷回路基板の外側領域内に画定される、請求項10に記載の装着型監視デバイス。
【請求項22】
前記センサガイド構造は、ガイド開口部を含む脚部を画定し、前記センサワイヤは、前記脚部に沿って前記ガイド開口部を通って伸長し、前記センサワイヤの前記遠位部は、前記ガイド開口部の下に設けられた前記印刷回路基板における開口部を通って伸長し、
前記開口部は、前記印刷回路基板の内側領域内または前記印刷回路基板の外側領域内に画定される、請求項10に記載の装着型監視デバイス。
【請求項23】
前記センサガイド構造は、ガイド開口部を含む脚部を画定し、前記センサワイヤは、前記脚部に沿って前記ガイド開口部を通って伸長し、前記センサワイヤの前記遠位部は、前記印刷回路基板の周縁に近接して伸長する、請求項10に記載の装着型監視デバイス。
【請求項24】
前記センサガイド構造は、前記センサワイヤの前記遠位部を前記患者の皮膚内に挿入するために用いられる挿入針を受容するサイズのガイド孔を画定する、請求項10に記載の装着型監視デバイス。
【請求項25】
前記センサガイド構造は、前記ガイド孔と角交差し、前記センサワイヤを受容するサイズのセンサ孔を画定する、請求項24に記載の装着型監視デバイス。
【請求項26】
患者の皮膚内に挿入可能な、グルコース情報を生成するための手段を含む第1の部分を含むセンサワイヤと、
本体と、
前記本体に取り付けられ、前記本体の一側面から伸長する脚部のセットと、
挿入針が前記患者の皮膚内に前記第1の部分を挿入することができるように前記センサワイヤを位置決めするためのセンサ位置決め手段と、
前記センサワイヤの第2の部分を物理的に保持するための保持手段と、
患者の血糖値を決定するために印刷回路基板に設けられた回路に前記センサワイヤの前記第2の部分を電気的に結合するための結合手段であって、前記センサワイヤの前記第2の部分と、前記脚部のセットの第1の脚部の遠位端とを電気的に結合する、結合手段
を備えるインタポーザデバイスと
を備えるグルコース監視システム。
【請求項27】
前記保持手段は、溝、対向するタブのセット、または1または複数のばねの少なくとも1つを画定する、請求項26に記載のグルコース監視システム。
【請求項28】
前記結合手段は、前記インタポーザデバイスに設けられた1または複数の電気トレースを備える、請求項26に記載のグルコース監視システム。
【請求項29】
前記1または複数の電気トレースは、前記保持手段内に画定される、請求項28に記載のグルコース監視システム。
【請求項30】
前記グルコース情報を生成するための前記手段は、前記患者の皮膚の下にある間質液内に存在するグルコースの量に対応する電気信号を生成するように構成された1または複数の電極を備える、請求項26に記載のグルコース監視システム。
【請求項31】
前記グルコース情報を生成するための前記手段は、前記センサワイヤの前記第1の部分に設けられたグルコースオキシダーゼを備える、請求項26に記載のグルコース監視システム。
【請求項32】
前記センサ位置決め手段は、前記センサワイヤおよび前記挿入針を受容するサイズのガイド孔を備える、請求項26に記載のグルコース監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本出願は、参照によってその全体が本願に組み込まれる、2016年11月29日に出願された“SENSOR HOLDER DEVICE FOR INVASIVE BIOSENSORS”と題された米国特許出願第15/362,955号に関連し、その優先権の利益を主張するものである。
【0002】
[0002] 本開示は、一般に侵襲性バイオセンサに関し、具体的には、侵襲性バイオセンサの感知ワイヤを支持するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] たとえば装着型グルコース監視デバイス用のセンサなどの侵襲性バイオセンサは、患者の皮膚内に挿入可能な細いワイヤを含む。感知回路は、細いワイヤを介して患者に関する生物学的情報を読み取る。侵襲性バイオセンサが患者の皮膚内に挿入されると、ワイヤと回路との間の電気接続は、バイオセンサ性能に著しく影響を及ぼし得る潜在的水分に晒された状態で維持される。たとえば、多くの電気化学ベースのセンサは、エレクトロニクス筐体内の水分に起因する電流漏洩による校正オフセットまたはノイズフロアレベルの増加に関する性能インパクトを有する可能性があり、患者の皮膚上の汗、天候、および人間の皮膚が一般に触れる他の水分源に晒され得る装着型デバイスに含まれたバイオセンサに関して特に高い。この考慮事項に加えて、デバイスのサイズは常に、装着型デバイスのための実用的考慮事項である。生物学的情報を処理するために必要な感知回路、電源などを収容するために、装着型グルコース監視デバイスは、作業デバイスを形成するために互いに結合される複数のパーツを含んでよい。複数のパーツの使用は、デバイスを嵩高くするのみならず、水分の進入の可能性がある複数のエリア(たとえばパーツ間の封止)をもたらす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 侵襲性バイオセンサのセンサワイヤを保持および支持するためのセンサホルダデバイスに関する様々な例が説明される。たとえば、開示されるデバイスの1つは、剛性本体、脚部のセット、センサガイド構造、剛性本体に形成された溝、および電気トレースを含んでよい。脚部のセットは、剛性本体に取り付けられ、剛性本体の一側面から伸長してよい。センサガイド構造は、剛性本体に取り付けられ、剛性本体の一側面から伸長してよい。センサガイド構造は、ガイド孔またはガイド開口部を画定してよい。溝は、剛性本体に形成され得る。溝は、センサガイド構造から伸長し、センサワイヤを収容するサイズであってよい。電気トレースは、溝と、脚部のセットの第1の脚部の遠位端との間に伸長してよい。
【0005】
[0005] 開示される他のデバイスは、装着型監視デバイスを含む。装着型監視デバイスは、印刷回路基板、感知回路、およびセンサホルダデバイスを含んでよい。印刷回路基板は、装着型監視デバイスを患者の皮膚に載置するための外側表面を有するハウジング内に設けられ得る。感知回路は、印刷回路基板に結合された1または複数の電子部品を含んでよい。センサホルダデバイスは、脚部のペア、電気トレース、センサ保持構造、およびセンサガイド構造を含んでよい。脚部のペアは、本体の一側面から伸長してよい。センサホルダデバイスは、脚部のペアを介して印刷回路基板に物理的に結合され得る。電気トレースは、脚部のペアの第1の脚部に沿って、第1の脚部の第1の遠位端まで伸長してよい。電気トレースは、センサワイヤを印刷回路基板に電気的に結合してよい。センサ保持構造は、本体に設けられ、センサワイヤの近位部を電気トレースに近接して保持してよい。センサガイド構造は、センサワイヤの遠位部をハウジングの外側表面の先までガイドしてよい。
【0006】
[0006] 開示されるシステムの1つは、センサワイヤおよびインタポーザデバイスを含んでよい。センサワイヤは、患者の皮膚内に挿入可能な第1の部分を含んでよい。第1の部分は、グルコース情報を生成するための手段を含んでよい。インタポーザデバイスは、センサ位置決め手段、保持手段、および結合手段を含んでよい。センサ位置決め手段は、挿入針が患者の皮膚内に第1の部分を挿入することができるようにセンサワイヤを位置決めするためのものであってよい。保持手段は、センサワイヤの第2の部分を物理的に保持するためのものであってよい。結合手段は、患者の血糖値を決定するために印刷回路基板に設けられた回路にセンサワイヤの第2の部分を電気的に結合するためのものであってよい。
【0007】
[0007] これらの具体的な例は、本開示の範囲を限定または定義するためではなく、例を提供し、それらの理解を補助するために言及される。具体的な例は、更なる説明を提供する発明を実施するための形態において論述される。様々な例によって提供される利点は、本明細書を考察することによって更に深く理解され得る。
【0008】
[0008] 本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を成す添付図面は、1または複数の特定の例を示すものであり、その例の説明文とともに、特定の例の原理および実装を説明するものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】[0009]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスを含む監視デバイスの例の分解斜視図を示す。
図2】[0010]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスの例の上面斜視図を示す。
図3】[0011]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスの例の底面斜視図を示す。
図4】[0012]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスの例の側面断面図を示す。
図5】[0013]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスの例の側面断面図を示す。
図6】[0014]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスの例の底面斜視図を示す。
図7】[0015]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスの例の上面斜視図を示す。
図8A】[0016]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスを含む監視デバイスの例の分解斜視図を示す。
図8B】[0017]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスを含む監視デバイスの例の分解斜視図を示す。
図8C】[0018]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスを含む監視デバイスの例の分解斜視図を示す。
図9】[0019]少なくとも1つの例に係る、センサホルダデバイスを含む監視デバイスの例の分解斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0020] 本明細書において、継続的監視デバイスにおいて用いるためのセンサホルダデバイスに関する例が説明される。当業者は、以下の説明が説明のためにすぎず、いかなるようにも限定的であることは意図されないことを理解されよう。以下、添付図面に示されるような例の実装が詳細に参照される。図面および以下の説明を通して、同じ参照符号は、同じまたは同様の事項を指すために用いられる。
【0011】
[0021] 明確性のために、本明細書で説明される例の型通りの特徴は全てが示され説明されるわけではない。勿論、理解されるように、任意のそのような実際の実装を展開する際、たとえば用途および事業関連の制約の遵守といった開発者の特定の目的を実現するために、多数の実装に特有の決定がなされてよく、これらの特定の目的は、実装ごとおよび開発者ごとに様々である。
【0012】
[0022] 典型的な例において、装着型グルコース監視デバイスは、人間の血糖値の継続的な監視のために、人間の皮膚内に挿入され得るグルコースセンサを含む。装着中、装着型グルコース監視デバイスは、衣服、障害物に突き当たること、および他の外力の結果生じる通常の外力に晒され得る。これらの力の衝撃を低減し、装着者の快適性を向上させるために、グルコース監視デバイスの設置面積および側面は小さくされ得る。そのようにするための方法として、本明細書で説明されるグルコース監視デバイスは、センサホルダデバイスを含む。センサホルダデバイスは、様々な機能を実行することを可能にしながらもグルコース監視デバイス内の空間を効率的に利用する独自の形状を有する。独自の形状は、本体から伸長し本体の下に空所を形成する脚部によって支持された本体によって画定される。脚部は、本体の下で印刷回路基板(「PCB」)に連結され、PCBから本体を隔離する機能を果たす。たとえば集積回路および/または他の感知回路などのグルコース監視デバイスの部品は、本体の下側で空所内に取り付けられ得る。このように、センサホルダデバイスは、グルコース監視デバイス内の空間の効率的な利用をもたらす(たとえば、部品の積み重ねを可能にし、デバイスの全体設置面積を低減する)。
【0013】
[0023] センサホルダデバイスによって実行される機能は、グルコースセンサの電極を構造的に支持すること、グルコースセンサのセンサワイヤを人間の皮膚に向けて位置合わせすること、および電極をPCBに電気的に接続することを含む。センサホルダデバイスは、溝によって電極を構造的に支持し、溝の中に電極が配置される。センサホルダデバイスは、円筒形開口部によって、または脚部の1つに対してセンサワイヤを位置合わせし、そのどちらも、センサホルダデバイスの本体からデバイスの裏面に向かって伸長する。センサホルダデバイスは、センサホルダデバイスの表面に形成された電気トレースによって電極を電気的に接続する。電気トレースは、溝の間を伸長し、脚部を下りPCBに至り得る。センサホルダデバイスは、本明細書においてグルコース監視デバイスに関して説明されるが、理解されるように、センサホルダデバイスは、任意の適切な電気機械センサを支持するために実装され得る。
【0014】
[0024] 以下、図面を参照すると、図1は、少なくとも1つの例に係る監視デバイス100を示す。監視デバイス100は、センサホルダデバイス102と、たとえばグルコースセンサまたは患者の生体情報を感知するために使用される他の電気機械センサなどのバイオセンサ104とを含む。バイオセンサ104は、センサワイヤ106、感知回路108、たとえばバッテリなどの電源110、印刷回路基板(「PCB」)112、およびアンテナ114を含む。センサワイヤ106は、近位端部106aおよび遠位端部106bを含む。近位端部106aは、センサホルダデバイス102によって支持される。たとえば近位端部106aは、センサホルダデバイス102の溝またはチャネル内に配置され得る。また近位端部106aは、センサホルダデバイス102を介してPCB112に電気的に接続される。たとえば本明細書で詳しく説明されるように、センサホルダデバイス102は、PCB112に向かってセンサホルダデバイス106の中間エリアに近接して伸長する電気トレース116a、116bのセットを含んでよい。使用中、遠位端部106bは、皮膚の下にある皮下組織の間質液における生物学的パラメータ(たとえば血糖値)を測定するために患者の皮膚内に挿入される。
【0015】
[0025] また監視デバイス100は、たとえばキャップなどの上部筐体120と下部筐体122との間に設けられた水分バリア118も含む。組み立てられると、水分バリア118は、水分がバイオセンサ104に浸透することを防ぐ封止をもたらし得る。組み立てられると、上部筐体120は、バイオセンサ104およびセンサホルダデバイス102を封入し、下部筐体122と嵌合する。下部筐体122は、取付け時に遠位端部106bが通る開口部124を含む。PCB112は、遠位端部106bが通る対応する開口部を含んでよい。図示した側面の対向側面において、下部筐体122は、監視デバイス100が人間の皮膚に載置されることを可能にする略平坦表面を含んでよい。
【0016】
[0026] センサホルダデバイス102は、センサワイヤ106を支持しPCB112への構造的支持をもたらすために適した剛性であってよい。たとえばセンサホルダデバイス102は、液晶ポリマで形成され得る。いくつかの例において、PCB112は、可撓性印刷回路基板(「FPCB」)であってよい。この例において、センサホルダデバイス102をPCB112に取り付けることにより、FPCB112に加えて監視デバイス100全体に剛性が追加され得る。
【0017】
[0027] センサホルダデバイス102は、インタポーザデバイスと考えられ得る。たとえば、センサホルダデバイス102はPCB112から離れてあり、下に配置された部品(たとえば感知回路108、電源110など)の上にあってよいので、センサホルダデバイス102は、監視デバイス100内の空間を節約する機能を果たす。その結果、監視デバイス100は、より小さな設置面積を有し得る。また、PCB112に対するセンサホルダデバイス102の構成によって、PCB112は、スタンドオフ固定具を含む他の監視デバイスと異なり、人間の皮膚に接して載置され得る。これにより、装着者の快適性が向上し、デバイス全体の嵩高性が低減される。
【0018】
[0028] センサワイヤ106は、1または複数の電極、化学物質、または生体情報を生成するための他の手段を含んでよい。たとえばセンサワイヤ106は同軸センサであってよく、人間の皮下組織内の間質液に触れるように人間の皮膚内に挿入される2つの電極123、125を含む。電極123は、プラチナ製またはプラチナコーティングを有するセンサワイヤ106の少なくとも一部を含み、電極125は、電極123の一部を被覆する銀/塩化銀(「Ag/AgCl」)材料を含む。電極123、125は、間質液内に存在するグルコースの量に対応する電気信号を生成することによって患者の血糖値情報を生成するために用いられ得る。いくつかの例において、たとえばグルコースオキシダーゼ(「GOX」)などの反応性物質が、間質液内に存在するグルコースとの反応生成物を生成するために電極123の遠位端に塗装されてもよい。電極123、125に電圧が印加されると、グルコース/GOX反応によって生成されたこれらの反応生成物の量に基づいて電流が発生する。電流は、センサワイヤ106から感知回路108へ流れる。感知回路108は、たとえば患者の血糖値などのグルコース情報を決定するために電流の強度を用いてよい。この例において血糖値の測定が説明されたが、バイオセンサ104は、本開示の範囲から逸脱することなく、他の生物学的パラメータを測定するように構成され得る。同様に、電極123、125を形成するためにセンサワイヤ106に付与された化学材料、および電極123、125に塗布された反応性物質がグルコースセンサに適し得るが、バイオセンサ104の用途に基づいて、他の例に従って他の材料が用いられてよい。
【0019】
[0029] センサワイヤ106の長さは、センサワイヤ106が人間の皮膚の下からセンサホルダデバイス102へ患者の動きに関する許容値を有して伸長することを可能にし得る。たとえばセンサワイヤ106は、約10ミリメートル~30ミリメートルの長さであってよい。センサワイヤ106の厚さまたはゲージは、センサワイヤ106がこの期間中、最小限の不快性で皮膚内に挿入されたままであることを可能にするように選択され得る。いくつかの例において、センサワイヤ106は、電極125で覆われたワイヤ部分に関して約100~200ミクロンの外径、および電極123に関して約100ミクロンの外径を含む。追加の例において、センサワイヤ106は一般に、100ミクロン~300ミクロンの最大外径を有してよい。いくつかの例において、センサワイヤ106は、約50ミクロンの外径を有してよい。
【0020】
[0030] いくつかの例において、感知回路108は、信号処理のために構成された1または複数の電子部品を含む。たとえば感知回路108は、PCBアセンブリの表面に存在し、または埋め込まれ得る、デジタル信号処理、アナログ信号処理、混合信号処理などのための任意の適切な組み合わせ部品を含むシステムオンチップ(「SOC」)またはシステムインパッケージ(「SIP」)を含んでよい。そのような部品はたとえば、マイクロコントローラ、メモリ、タイミングソース、1または複数のデジタルインタフェース、1または複数のアナログインタフェース、電圧調整器、および/または他の任意の適切な部品を含んでよい。感知回路108は、センサワイヤ106からの電気信号を(たとえばPCB112および電気トレース116を介して)受信し、患者の血糖値を決定するために電気信号を処理するように構成され得る。
【0021】
[0031] いくつかの例において、感知回路108は、処理デバイスと、処理デバイスに結合されたたとえばランダムアクセスメモリ(「RAM」)などのコンピュータ可読媒体とを含む。処理デバイスは、たとえば1または複数のコンピュータプログラムを実行するなど、メモリに格納されたコンピュータ実行可能プログラム命令を実行してよい。そのような処理デバイスは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、特定用途向け集積回路(「ASIC」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、ステートマシン、またはセンサワイヤ106の電極123、125から受信した電気信号を処理するための他の処理手段を備えてよい。そのような処理手段は、たとえばPLC、プログラマブル割込みコントローラ(「PIC」)、プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)、プログラマブル読取専用メモリ(「PROM」)、電子的プログラマブル読取専用メモリ(「EPROM」または「EEPROM」)、または他の同様のデバイスを更に含んでよい。
【0022】
[0032] 処理デバイスは、処理デバイスによって実行されると、本明細書で処理デバイスによって実行または支援されるように説明されるステップを処理デバイスに行わせる命令を格納し得る媒体、たとえばコンピュータ可読記憶媒体を含み、またはこれと通信状態にあってよい。コンピュータ可読媒体の例は、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、または処理デバイスがそこから情報を読み取り、または書き入れる他の任意の記憶手段を含んでよいが、これに限定されるものではない。
【0023】
[0033] 上部筐体120および下部筐体122は、バイオセンサ104を保持するためのハウジングを一体的に形成してよい。ハウジングは、人間の皮膚に載置するためにコンパクトなサイズであってよい。ハウジングは、バイオセンサ104を収容するための任意の適切な材料で作られ得る。ハウジングに適し得る材料の非限定的な例は、シリコン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル(「PVC」)、ポリプロピレン、ナイロン、ポリウレタン、ポリカーボネート、スチール、アルミニウム、および他のプラスティックおよび金属であってよい。監視デバイス100は、接着剤、バンド、ストラップ、または他の固定手段を用いて皮膚に固定され得る。いくつかの例において、監視デバイス100は、長期間(たとえば数日間、数週間、数か月間など)にわたり装着され得る。
【0024】
[0034] 図2および図3はそれぞれ、特定の例に係る、センサホルダデバイス102の上面斜視図および底面斜視図を示す。立体回路部品の一種であるセンサホルダデバイス102は、本体126および脚部のセット128を含んでよく、脚部のいくつか(たとえば128a、128b)が示される。本体126は、(たとえば1mm^2より大きい)略平坦上面積を含んでよい。この上面積は、ロボット載置デバイス(たとえばピックアンドプレースデバイス)の吸込みヘッドがセンサホルダデバイス102を把持することを可能にするために適切なサイズおよび適切な平坦性であってよい。たとえば上面積は、保持構造132および本体126の周縁に隣接して位置してよい。保持構造132が(たとえば図6に示すように)本体126の裏面に設けられる場合、上面積は、本体126の上面に沿った任意の適切な位置に位置してよい。したがって上面積は、保持構造132が本体126の裏面に設けられる場合、より大きくなり得る。その結果、保持構造が本体126の上面に設けられる場合と比べて、吸込みヘッドがセンサホルダデバイス102をピックアップできる、より適した箇所が生じ得る。
【0025】
[0035] いくつかの例において、センサホルダデバイス102は、約3mmの高さ、約15mmの幅、および約20mmの長さを有してよい。他の例において、センサホルダデバイス102の高さ、幅、および/または長さはそれぞれ3mm、15mm、および/または20mmより大きい、またはこれ未満であってよい。約3mmの高さは、電源110の高さ未満であるように選択され得る。また約3mmの高さは、センサワイヤ106bの近位端と、感知回路108およびPCB112に取り付けられた、またはPCB112内に他の方法で設けられた他の電子部品との間の適切な分離をもたらし得る。
【0026】
[0036] 脚部のセット128は、本体126の片面から伸長し、本体126の下へ伸長し、いくつかの例において、対応する足部のセット130を含み、そのいくつか(たとえば130a~130c)が図示される。たとえば、本体126は第1の平面に配向され、足部のセット130は別の第2の平面に配向され得る。脚部のセット128は、本体126を足部のセット130に連結するために第1の平面と第2の平面との間に伸長してよい。本体126は、本体126の実質的部分が第1の平面に位置する場合、第1の平面に配向され得る。足部のセット130(たとえば、脚部のセット128の遠位端)は、足部のセットの実質的部分が第2の平面に位置する場合、第2の平面に配向され得る。いくつかの例において、足部130は、はんだリング131を含んでよく、そのいくつか(たとえば131a~131c)が図示される。センサホルダデバイス102は、はんだリング131を用いてPCB(たとえばPCB112)または他の構造に電気的および構造的に接続され得る。たとえば、本体126で始まり、脚部128に沿って足部130へ伸長する電気トレース116は、はんだリング131を介してPCB112に電気的に接続され得る。いくつかの例において、足部130は、表面実装技術を用いてPCB112に連結される。
【0027】
[0037] センサホルダデバイス102は、たとえば射出成形または他の適切な技術を含む任意の適切な方法で形成され得る。センサホルダデバイス102は、少なくとも本体126、脚部128、足部130、および/またはセンサ保持構造138を含む単一片として形成され得る。センサホルダデバイス102は、たとえば液晶ポリマ(たとえばRTPカンパニー社が販売するRTP 3499-3 X 113393 A、Ticon社が販売するVECTRA(登録商標) E840i LDSなど)、高温ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン(「PEEK」)、および他の同様の材料を含む任意の適切な材料から形成され得る。いくつかの例において、センサホルダデバイス102のために選択された材料は、非導電性であってよく、はんだと互換性があり、低吸湿特性を有し、低い水蒸気透過速度を有し、非常に薄い壁に成形することが容易であり得る。いくつかの例において、センサホルダデバイス102のために選択された材料は、レーザ直接構造化(「LDS」)処理が可能であり得る。センサホルダデバイス102の剛性は、センサホルダデバイス102の厚さおよびセンサホルダデバイス102を形成する材料の1または両方に依存してよい。たとえば、センサホルダデバイス102の厚さは、材料の密度に反比例し得る(たとえば、高密度材料は、より薄いセンサホルダデバイス102を可能にし、低密度材料は、より厚いセンサホルダデバイス102を必要とし得る)。
【0028】
[0038] センサホルダデバイス102は、本体126の上面に設けられたセンサ保持構造132も含む。この例において、センサ保持構造132は、(破線で示された)センサワイヤ106を受容する(たとえばU字形、V字形などの断面を有する)サイズの溝を含んでよい。溝に加えて、または溝の代わりに、センサ保持構造132は、センサワイヤ106を保持するように構成されたタブ、フック、ばねなどの任意の適切な組み合わせを含んでよい。いくつかの例において、センサ保持構造132は、組立て中にセンサワイヤ106を位置合わせするために用いられ得る。たとえば、センサワイヤ106の近位端部106aは、センサ保持構造132の第1の領域136a付近の端壁134と接触するようにされ得る。これによって、センサワイヤ106は横方向に位置合わせされ得る。同様に、センサワイヤ106はセンサ保持構造132内に設けられ得るので、センサ保持構造132は、センサワイヤ106を縦方向に位置合わせし得る。
【0029】
[0039] いくつかの例において、センサ保持構造132は、第1の領域136aおよび第2の領域136bを含むように画定され得る。電気トレース116aは、第1の領域136aに近接して、いくつかの例において第1の領域136a内に伸長してよい。同様に、電気トレース116bは、第2の領域136bに近接して、いくつかの例において第2の領域136b内に伸長してよい。いくつかの例において、第1の領域136a内で第2の保持構造132の横方向にわたり測定された第1の寸法測定値(たとえば幅、深さ、断面積など)は、第2の領域136b内でセンサ保持構造132の横方向にわたり測定された第2の寸法測定値と異なり得る。これらの差は、電極123、125を収容するためにセンサ保持構造132に含まれ得る。本明細書で説明されるように、電極123、125は、異なるサイズであって(たとえば異なる径を有して)よい。異なる横方向測定値は、様々な位置におけるセンサワイヤの近位端のそれぞれの幅に基づいて選択され得る。たとえば、センサワイヤの近位端の一部は、露出プラチナ電極123であってよく、これは、銀/塩化銀電極125で覆われたプラチナワイヤを含む別の部分よりも狭いゲージを有し得る。
【0030】
[0040] いくつかの例において、センサホルダデバイス102は、本体126および/または脚部128に取り付けられ、またはその中に他の方法で形成された他の部品(たとえばエレクトロニクス、アンテナなど)を含んでよい。たとえばアンテナは、本体126に印刷され、たとえば電気トレース116などの1または複数の電気トレースを介して他のエレクトロニクス(たとえばセンサホルダデバイス102、感知回路108、および/またはPCB112に接続された電子デバイス)に電気的に結合され得る。
【0031】
[0041] いくつかの例において、センサホルダデバイス102は、任意の適切な数の電極を支持するための任意の適切な数の電気トレース116を含んでよい。たとえば、電気トレース116a、116bの両者は、脚部128aに沿って(たとえば脚部128aの同じ側面または対向側面に)伸長してよい。この例において、他の電気トレース116は、センサホルダデバイス102の他の脚部128に沿って伸長してよい。たとえば、2つ以上の電気トレース116が脚部128a~128cの各々に沿って伸長してよい。いくつかの例において、電気トレース116の少なくとも1つは、1または複数の他の電気トレース116の電流漏洩を低減するためのガードトレースとして機能し得る。
【0032】
[0042] 電気トレース116a、116bは、任意の適切な技術を用いてセンサホルダデバイス102内に形成され得る。そのような技術の例は、LDS処理およびたとえば銅、ニッケル、金などの導電性材料を回路パターンに堆積するための対応する技術を含む。そのような技術は、無電解銅メッキを含んでよい。たとえばそのような技術は、Enthone(登録商標)社によって販売されるEnplate(登録商標) LDS AG-600を用いるものを含んでよい。電気トレース116a、116bは、約1ミクロンの厚さを有してよい。いくつかの例において、電気トレース116a、116bは、1ミクロン未満(たとえば0.25ミクロン~0.5ミクロン)の厚さを有する。
【0033】
[0043] 電極123、125は、任意の適切な方法で電気トレース116a、116bに電気的に接続され得る。たとえば、電極123、125がセンサ保持構造132内に配置されると、導電性感圧接着剤(「PSA」)または他の導電性接着剤が電極123、125に塗布され得る。導電性接着剤は、電極123、125と電気トレース116a、116bとの間の独立した電気接続を形成し得る。いくつかの例において、導電性接着剤は、たとえば液体、フィルム、テープなど任意の適切な形式であってよい。適切な材料の例は、3M社によって販売される導電性接着剤転写テープ(「ECATT」)、Adhesives Research(登録商標)社によって販売される8001-75、8001-77、9032、または9032-70などのARclad(登録商標)ブランドのPSA、MasterBond(登録商標)社によって販売されるSupreme 10HTFN、または他の任意の適切な材料を含む。そのような導電性接着剤は、「スナップキュア」エポキシ、ポリウレタン、Bステージフィルムなどであると考えられ得る。
【0034】
[0044] センサホルダデバイス102は、センサガイド構造138も含む。センサガイド構造138は、本体126に取り付けられ、脚部128と概ね同じ方向に本体126から外側へ伸長する。センサガイド構造138は、本体126から直接形成されることによって本体126に取り付けられ得る。センサガイド構造138は、独立部品として形成され、本体126に連結されることによって、本体126に取り付けられてもよい。センサガイド構造138は、センサワイヤ106が貫通し得る開口部または孔140を含んでよい。孔140は、たとえば円筒形、円錐形、長方形など任意の適切な形状を有してよい。したがって孔140の断面は、その深さに関して変わり得る。
【0035】
[0045] 足部130のように、センサガイド構造138は、表面実装技術を用いてPCB112に取り付けられ得る。たとえばセンサガイド構造138は、はんだリフロー中にセンサガイド構造138とPCB112との間に気密封止をもたらすはんだリング142を含んでよい。製造中、センサワイヤ106は、センサ保持構造132内に折り曲げて配置される前にPCB112および孔140に通され得る。
【0036】
[0046] いくつかの例において、注封材料144は、図2に示すように孔140内にセンサワイヤ106に近接して配置され得る。たとえば注封材料144は、センサワイヤ106を孔140に注封するためにセンサワイヤ106の頂部および周囲に注入され得る。いくつかの例において、注封材料144は、センサワイヤ106における短絡を防ぐために非導電性材料を含んでよい。注封材料144は、電気トレース116と電極123、125との間の電気接続のための水分バリアを提供し得る。注封材料144の非限定的な例は、エポキシ、ワックス、シリコン、アクリル、ポリウレタン、または水分バリアを提供するための他の手段を含む。注封材料144は、センサワイヤ106に近接してのみ位置するように示されるが、センサホルダデバイス102の他の部品を覆うように塗布されてもよい。
【0037】
[0047] いくつかの例において、防湿シール146は、センサホルダデバイス102の上側表面に沿って形成され得る。防湿シール146は、本体126と上部筐体120との間の水分バリアとして機能してよい。防湿シール146は、上部筐体120を本体126にシーム溶接することによって形成されてよく、センサ保持構造132は防湿シール146内に設けられる。たとえば、本体126の一部は、上部筐体120の一部と溶着され、または水分バリア接着剤が上部筐体120の取付け前に本体126に塗布され得る。いくつかの例において、接着剤は圧力作動型であってよく、上部筐体120を本体126に取り付けるための取付け力が上部筐体120に印加されると固まる。
【0038】
[0048] 図4および図5は、特定の例に係るセンサホルダデバイス102の例を示す。図4に示すように、人間の皮膚141に遠位端部106bを挿入する際、孔140または孔140と交差する別の開口部は、センサ挿入具(不図示)の皮下挿入針148を位置合わせするために用いられ得る。たとえば、挿入針148を孔140に配置し、監視デバイス100が人間の皮膚141に押し付けられることにより、センサワイヤ106を人間の皮膚141内に挿入するための挿入針148の適切な位置合わせが実現され得る。
【0039】
[0049] 図3および図4におけるセンサガイド構造138は、本体126からほぼ直交方向に離れるように伸長するものとして示されるが、理解されるように、センサガイド構造138は、任意の適切な角度で本体126に接続されてよく、および/または他の開口部を含んでよい。たとえば図5に示すように、センサガイド構造138は、センサ孔150も含んでよい。この例において、孔140は、挿入針148を受容し、ガイドし、位置合わせするためのガイド孔であると考えられ得る。一方、センサ孔150は、本体126からPCB112より先の位置までセンサワイヤ106をガイドする機能も果たし得る。いくつかの例において、センサ孔150と孔140との間の角度は、挿入中、挿入針148内のセンサワイヤ106を安定させるために役立ち得る。たとえば、センサワイヤ106がセンサ孔150を通り抜けることにより、センサワイヤ106は挿入針148に対して押し付けられ得る。
【0040】
[0050] 図6は、少なくとも1つの例に係る、本体126の裏面に設けられたセンサ保持構造132(たとえば本明細書で説明される溝または同等の構造)を含むセンサホルダデバイス102の例を示す。したがってこの例において、センサワイヤ106は、センサ保持構造132によって本体126の裏面に保持される。いくつかの例において、センサワイヤ106を本体126の裏面に配置することにより、(たとえばセンサホルダデバイス102によってもたらされる)更なる機械的保護および(たとえば監視デバイス100の更に奥に配置されることによる)追加の水分防御がもたらされ得る。また、センサワイヤ106を本体126の裏面に配置することにより、製造コストの低減およびスループットの増加がもたらされ得る。たとえば、全ての電気トレースがセンサホルダデバイス102の同じ側面に位置すること(たとえば貫通メッキの必要がないこと)により、センサホルダデバイス102は、製造中に裏返される必要がない。
【0041】
[0051] 図示した例において、センサホルダデバイス102は、同じく本体126の裏面に設けられた電気トレース116c~116eを含む。電気トレース116c~116eは、電気トレース116a、116bの例である。いくつかの例において、電気トレース116c~116eの各々は、センサワイヤ106の電極に対応する。他の例において、電気トレース116dはガードトレースであってよく、電気トレース116cと116eとの間の電流漏洩を低減するためにセンサホルダデバイス102に取り付けられ得る。いくつかの例において、センサホルダデバイス102は、絶縁スロット149も含んでよい。絶縁スロット149は、電気トレース116間の電流漏洩を低減するためにセンサホルダデバイス102に形成され得る。いくつかの例において、絶縁スロット149は、漏洩電流に対する更なる電気的保護を提供するために注封材料(たとえばワセリン、パラフィンワックス、低温シリコンなど)を用いて注入され得る。
【0042】
[0052] 図示した例において、センサガイド構造138は、脚部128の1つによって画定され得る。したがって、独立構造を含むのではなく、センサガイド構造138は、ガイド開口部151を含む輪郭を含む脚部128dによって画定され得る。ガイド開口部151は、センサワイヤ106を本体126からセンサホルダデバイス100の裏面に向かってガイドするために用いられ得る。ガイド開口部151は、脚部128dの2つの足部130eおよび130dの間に設けられるように画定され得る。いくつかの例において、脚部128dは、たとえばガイド孔140などのガイド孔を含む単一の足部130を含んでよい。任意のイベントにおいて、ガイド開口部151を含む脚部128dは、センサワイヤ106をセンサ保持構造132からセンサホルダデバイス100の裏面に向かってガイドしてよい。この例において、挿入針148は、人間の皮膚内へのセンサワイヤ106の挿入の一部として、センサワイヤ106と交差するようにガイド開口部151を通って挿入され得る。
【0043】
[0053] 図7は、少なくとも1つの例に係る、センサ保持構造132を含むセンサホルダデバイス102の例を示す。図7に示すセンサ保持構造132は、センサワイヤ106を保持し位置合わせするように構成されたタブ152(たとえば152a~152d)のセットを含む。タブ152は、センサワイヤ106を受容しスナップフィットによって保持するために適切な間隔を空けられ得る。たとえばタブ152は、内向き表面に形成された溝を含んでよい。また、タブ152は、下向きの力に応じて横方向に偏向するように構成され得る。たとえば取付け中、本体126の上面の方向においてセンサワイヤ106に下向きの力が印加されてよく、センサワイヤはタブ152a、152bと152c、152dとの間で位置合わせされる。この下向きの力により、タブ152は、少なくとも、タブ152の内向き表面に形成された溝にセンサワイヤ106が到達するまで、センサワイヤ106を収容するためにわずかに横方向に偏向し得る。
【0044】
[0054] 図7に示すように、電気トレース116は、センサ保持構造132と足部130との間に伸長してよい。いくつかの例において、電気トレース116は、タブ152内で伸長してよい。この方式において、電気トレース116とセンサワイヤ106との間の電気接続は、タブ152の内向き表面内でなされ得る。
【0045】
[0055] 本明細書で説明されるように、センサ保持構造132は、いくつかの例において、センサワイヤ106を保持するように構成されたフックを含んでよい。センサ保持構造132は、センサワイヤ106を保持するように構成された、たとえばオーバーモールドされた板ばねなどのばねも含んでよい。本明細書で説明されるセンサ保持構造132の変化例のいずれかは、本明細書で説明されるPSAとともに用いられ得る。
【0046】
[0056] 図8A図8Cは、特定の例に係る、様々なセンサホルダデバイス802a~802cを含む監視デバイス800a~800cの例を示す。監視デバイス800は、本明細書で説明される監視デバイス100の例である。したがって監視デバイス800は、上部筐体820、生体センサ804、PCB812、下部筐体822、およびセンサワイヤ806を含んでよい。
【0047】
[0057] 図8Aに示す例において、センサホルダデバイス802aは、センサワイヤ806aが生体センサ804aの内側領域を通って伸長するように、生体センサ804aの他の部品に対して位置合わせされ得る。たとえばセンサワイヤ806aは、PCB812aの内側領域内に設けられたPCB812aの開口部を通って伸長してよい。下部筐体822aの筐体開口部824aは、PCB812aの開口部に対応してよい。
【0048】
[0058] 図8Bに示す例において、センサホルダデバイス802bは、センサワイヤ806bが生体センサ804bの外側領域を通って伸長するように、生体センサ804bの他の部品に対して位置合わせされ得る。たとえばセンサワイヤ806bは、PCB812bの外側領域内に設けられたPCB開口部854bを通って伸長してよい。下部筐体822bの筐体開口部824bは、PCB開口部854bに対応してよい。
【0049】
[0059] 図8CBに示す例において、センサホルダデバイス802cは、センサワイヤ806cが生体センサ804cの外周に近接して伸長するように、生体センサ804cの他の部品に対して位置合わせされ得る。たとえばセンサワイヤ806cは、PCB812cの周縁856cに近接して伸長してよい。いくつかの例において、周縁856cは、センサワイヤ806cを収容するための切取り部858cを含んでよい。下部筐体822cは、対応する切取り部860cを含んでよい。
【0050】
[0060] 図9は、少なくとも1つの例に係る監視デバイス900を示す。監視デバイス900は、監視デバイス100の例である。したがって監視デバイス900は、センサホルダデバイス902、生体センサ904、および上部筐体920を含んでよい。図9に示す例において、センサホルダデバイス902の特徴は、上部筐体920を監視デバイス900の他の部分と位置合わせするために用いられ得る。たとえば、センサホルダデバイス902の脚部928および/または足部930は、上部筐体920のアライメントノッチ962と対応してよい。取付け中、上部筐体920は、脚部928がアライメントノッチ962内に受容されるようにセンサホルダデバイス902と接触させられ得る。いくつかの例において、アライメントノッチ962およびセンサホルダデバイス902の一部を用いる位置合わせは、上部筐体920と監視デバイス900の他の部分との間により強く締まった嵌合をもたらし得る。これは、センサホルダデバイス902の製造公差が大幅に厳しく(たとえば+/-15ミクロン)なり、より良い全体の嵌合が生じ得るためである。
【0051】
[0061] 代替として、上部筐体920は、PCB912の周縁と位置合わせされ得る。一般に、PCB912はダイを用いて切り抜かれ、比較的高い公差(たとえば+/-200ミクロン)を有し得る。その結果、アライメントノッチ962および脚部928を用いた位置合わせと比べると緩い嵌合が生じ得る。
【0052】
[0062] いくつかの例の上記説明は、例示および説明を目的として提示されたものにすぎず、包括的である、または本開示を開示される形態そのものに限定することが意図されるものではない。これらの多数の修正例および改造例は、本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、当業者に明らかとなる。
【0053】
[0063] 本明細書における例または実装への言及は、例と関連して説明された特定の特徴、構造、動作、または他の特性が、本開示の少なくとも1つの実装に含まれ得ることを意味する。本開示は、そのように説明された特定の例または実装に限定されるものではない。本明細書の様々な箇所における「1つの例において」、「例において」、「1つの実装において」、または「実装において」という表現、あるいは同種の変化例は、必ずしも同じ例または実装を指すものではない。1つの例または実装に関連して本明細書で説明された任意の特定の特徴、構造、動作、または他の特性は、他の任意の例または実装に関して説明された他の特徴、構造、動作、または他の特性と組み合わせられてよい。
【0054】
[0064] 本明細書における「または」という語の使用は、包括的および排他的OR条件を含むことが意図される。すなわち、AまたはBまたはCは、特定の使用に関する必要に応じて、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびBのみ、AおよびCのみ、BおよびCのみ、および、AおよびBおよびCの3つ全てという選択肢の組み合わせのいずれかまたは全てを含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図9