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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】モジュール式建物用コネクタ
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/24 20060101AFI20220801BHJP
   E04B 1/58 20060101ALI20220801BHJP
   E04B 1/348 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
E04B1/24 K
E04B1/58 504H
E04B1/348 T
E04B1/348 U
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019540006
(86)(22)【出願日】2018-01-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 CA2018050065
(87)【国際公開番号】W WO2018132921
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2021-01-18
(31)【優先権主張番号】62/448,123
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519422728
【氏名又は名称】ゼット-モジュラー ホールディング,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボウロン,ジュリアン
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-214530(JP,A)
【文献】特開2002-081140(JP,A)
【文献】米国特許第05590974(US,A)
【文献】国際公開第2015/164975(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/127472(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/00 - 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタアセンブリであって、下部コネクタに結合された上部コネクタと、前記上部および下部コネクタの間に挟まれたガセットプレートと、を備え、
前記下部コネクタが、
下部コネクタ本体カラム受容端部と、下部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する、下部コネクタ本体であって、前記カラム受容端部が、第1のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、前記ガセット接触端部が、前記ガセットプレートに結合するように適合される、下部コネクタ本体と、
少なくとも一対の下部コネクタアームであって、各下部コネクタアームが、前記下部コネクタ本体に結合され、前記下部コネクタ本体から延在し、かつ下部コネクタアーム内面と、下部コネクタアーム外面と、下部コネクタアームガセット接触面と、下部コネクタアーム荷重支持面と、下部コネクタアームビーム接触面と、を有し、前記ビーム接触面が、前記下部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各下部コネクタアームが、前記下部コネクタを前記上部コネクタに結合させるための締結手段を受容するための、前記荷重支持面上の少なくとも1つの固定開口を有し、各下部コネクタアームが、前記下部コネクタアーム内面から前記下部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の下部コネクタアームと、
各アームの前記ビーム接触面に結合され、かつ各アームの前記ビーム接触面から延在する下部コネクタアームボスであって、前記ボスが、前記アームの遠位端部から延在する下部コネクタアーム溶接部受容斜面を有する、下部コネクタアームボスと、を備え、
前記上部コネクタが、
上部コネクタ本体カラム受容端部と、上部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する、上部コネクタ本体であって、前記カラム受容端部が、第2のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、前記ガセット接触端部が、前記ガセットプレートに結合するように適合される、上部コネクタ本体と、
少なくとも一対の上部コネクタアームであって、各上部コネクタアームが、前記上部コネクタ本体に結合され、前記上部コネクタ本体から延在し、かつ上部コネクタアーム内面と、上部コネクタアーム外面と、上部コネクタアームガセット接触面と、上部コネクタアーム荷重支持面と、上部コネクタアームビーム接触面と、を有し、前記ビーム接触面が、前記上部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各上部コネクタアームが、前記下部コネクタを前記上部コネクタに結合させるための締結手段を受容するための少なくとも1つの上部コネクタアーム固定開口と、前記上部コネクタを前記ガセットプレートに結合させるための第2の締結手段を受容するための少なくとも1つの上部コネクタアームガセット結合開口と、を有し、各上部コネクタアームが、前記上部コネクタアーム内面から前記上部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の上部コネクタアームと、
各上部コネクタアームの前記上部コネクタアームビーム接触面に結合され、かつ各上部コネクタアームの前記上部コネクタアームビーム接触面から延在する上部コネクタアームボスであって、前記ボスが、前記アームの遠位端部から延在する上部コネクタアーム溶接部受容斜面を有する、上部コネクタアームボスと、を備え、
前記ガセットプレートが、
ガセットプレートの第1の面と、ガセットプレートの第2の面と、前記上部コネクタおよび前記下部コネクタを結合させるための前記結合および締結手段を受容するためのガセットプレート貫通孔と、を備える、コネクタアセンブリであって、
前記第1のモジュールフレームは、前記下部コネクタに隣接しており、
前記第2のモジュールフレームは、前記上部コネクタに隣接している、コネクタアセンブリ
【請求項2】
記ガセットプレートと、共に、前記下部コネクタに結合された第2の下部コネクタと、第2の上部コネクタと、をさらに備え、前記ガセットプレートは、前記第2の下部コネクタと前記第2の上部コネクタとの間に位置付けられており、
前記第2の下部コネクタが、
第2の下部コネクタ本体カラム受容端部と、第2の下部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する、第2の下部コネクタ本体であって、前記第2の下部コネクタ本体カラム受容端部が、第3のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、前記第2の下部コネクタ本体ガセット接触端部が、前記ガセットプレートに結合するように適合された、第2の下部コネクタ本体と、
少なくとも一対の第2の下部コネクタアームであって、各第2の下部コネクタアームが、前記第2の下部コネクタ本体に結合され、前記第2の下部コネクタ本体から延在し、かつ第2の下部コネクタアーム内面と、第2の下部コネクタアーム外面と、第2の下部コネクタアームガセット接触面と、第2の下部コネクタアーム荷重支持面と、第2の下部コネクタアームビーム接触面と、を有し、前記第2の下部コネクタアームビーム接触面が、前記第2の下部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各第2の下部コネクタアームが、前記第2の下部コネクタを前記第2の上部コネクタに結合させるための締結手段を受容するための、前記第2の下部コネクタアーム荷重支持面の少なくとも1つの固定開口を有し、各第2の下部コネクタアームが、前記第2の下部コネクタアーム内面から前記第2の下部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の第2の下部コネクタアームと、
各アームの前記第2の下部コネクタアームビーム接触面に結合され、かつ各アームの前記第2の下部コネクタアームビーム接触面から延在する、第2の下部コネクタアームボスであって、前記アームの前記遠位端部から延在する第2の下部コネクタアーム溶接部受容斜面を有する、第2の下部コネクタアームボスと、を備え、
前記第2の上部コネクタが、
第2の上部コネクタ本体カラム受容端部と、第2の上部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する、第2の上部コネクタ本体であって、前記第2の上部コネクタカラム受容端部が、第4のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、前記第2の上部コネクタガセット接点端部が、前記ガセットプレートに結合するように適合される、第2の上部コネクタ本体と、
少なくとも一対の第2の上部コネクタアームであって、各第2の上部コネクタアームが、前記第2の上部コネクタ本体に結合され、前記第2の上部コネクタ本体から延在し、かつ第2の上部コネクタアーム内面と、第2の上部コネクタアーム外面と、第2の上部コネクタアームガセット接触面と、第2の上部コネクタアーム荷重支持面と、第2の上部コネクタアームビーム接触面と、を有し、前記第2の上部コネクタアームビーム接触面が、前記第2の上部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各第2の上部コネクタアームが、前記第2の下部コネクタを前記第2の上部コネクタに結合させるための締結手段を受容するための少なくとも1つの第2の上部コネクタアーム固定開口と、前記第2の上部コネクタを前記ガセットプレートに結合させるための第2の締結手段を受容するための少なくとも1つの第2の上部コネクタアームガセット結合開口と、を有し、各第2の上部コネクタアームが、前記第2の上部コネクタアーム内面から前記第2の上部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の第2の上部コネクタアームと、
各上部コネクタアームの第2の上部コネクタアームビーム接触面に結合され、かつ各上部コネクタアームの第2の上部コネクタアームビーム接触面から延在する、第2の上部コネクタアームボスであって、前記第2の上部コネクタアームボスが、前記第2の上部コネクタアームの前記遠位端部から延在する第2の上部コネクタアーム溶接部受容斜面有する、第2の上部コネクタアームボスと、を備え、
前記第2の下部コネクタアーム外面が、前記下部コネクタアーム外面に近接しており、前記第2の上部コネクタアーム外面が、前記上部コネクタアーム外面に近接しており、前記第2の下部コネクタアームガセット接触面が、前記第2の上部コネクタアーム荷重支持面に近接しており、
前記第3のモジュールフレームは、前記第2の下部コネクタに隣接しており、
前記第4のモジュールフレームは、前記第2の上部コネクタに隣接している、請求項1に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項3】
締結手段が、前記下部コネクタアーム内面の前記孔および前記第2の下部コネクタアーム内面に係合し、かつ前記下部コネクタアームを前記第2の下部コネクタアームに結合させる、請求項2に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項4】
第2の締結手段が、前記上部コネクタアーム内面の前記孔および前記第2の上部コネクタアーム内面に係合し、かつ前記上部コネクタアームを前記第2の上部コネクタアームに結合させる、請求項2または3に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項5】
前記下部コネクタアーム荷重支持面および前記第2の下部コネクタアーム荷重支持面に位置付けられた第2のガセットプレートであって、
前記第2のガセットプレートが、複数の開口を有し、前記下部コネクタアーム荷重支持面が、前記第2のガセットプレートの前記複数の開口のうちの1つと整列された孔を有し、前記第2の下部コネクタアーム荷重支持面が、前記複数の開口のうちの他の1つと整列された孔を有する、第2のガセットプレートと、
前記第2のガセットプレートの前記開口に係合する締結手段であって、前記開口が、前記第2のガセットプレートを前記下部コネクタに固定するために、前記下部コネクタアーム荷重支持面の前記孔と整列される、締結手段と、
前記第2のガセットプレートの前記複数の開口の別の開口に係合する第2の締結手段であって、前記他の開口が、前記第2のガセットプレートを前記第2の下部コネクタに固定するために、前記第2の下部コネクタアーム荷重支持面の前記孔と整列される、第2の締結手段と、をさらに備える、請求項2~4のいずれか一項に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項6】
前記第2のガセットプレートに結合され、かつ前記第2のガセットプレートから延在する突出部をさらに備え、前記突出部が、前記下部コネクタアーム荷重支持面から離れる方向に延在する、請求項5に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項7】
前記突出部に結合された筋交いをさらに備える、請求項6に記載のコネクタアセンブリ。
【請求項8】
下部コネクタであって、
下部コネクタ本体カラム受容端部と、下部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する、下部コネクタ本体であって、前記カラム受容端部が、第1のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、前記ガセット接触端部がガセットプレートに結合するように適合される、下部コネクタ本体と、
少なくとも一対の下部コネクタアームであって、各下部コネクタアームが、前記下部コネクタ本体に結合され、前記下部コネクタ本体から延在し、かつ下部コネクタアーム内面と、下部コネクタアーム外面と、下部コネクタアームガセット接触面と、下部コネクタアーム荷重支持面と、下部コネクタアームビーム接触面と、を有し、前記ビーム接触面が、前記下部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各下部コネクタアームが、前記下部コネクタを前記上部コネクタに結合するための締結手段を受容するための、前記荷重支持面上の少なくとも1つの固定開口を有し、各下部コネクタアームが、前記下部コネクタアーム内面から前記下部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の下部コネクタアームと、
各アームの前記ビーム接触面に結合され、かつ前記各アームの前記ビーム接触面から延在する、下部コネクタアームボスであって、前記ボスが、前記アームの遠位端部から延在する下部コネクタアーム溶接部受容斜面を有する、下部コネクタアームボスと、を備える、下部コネクタ。
【請求項9】
上部コネクタであって、
上部コネクタ本体カラム受容端部と、上部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する上部コネクタ本体であって、前記カラム受容端部が、第2のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、前記ガセット接触端部がガセットプレートに結合するように適合される、上部コネクタ本体と、
少なくとも一対の上部コネクタアームであって、各上部コネクタアームが、前記上部コネクタ本体に結合され、前記上部コネクタ本体から延在し、かつ上部コネクタアーム内面と、上部コネクタアーム外面と、上部コネクタアームガセット接触面と、上部コネクタアーム荷重支持面と、上部コネクタアームビーム接触面と、を有し、前記ビーム接触面が、前記上部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各上部コネクタアームが、前記下部コネクタを前記上部コネクタに結合するための締結手段を受容するための少なくとも1つの上部コネクタアーム固定開口と、前記上部コネクタを前記ガセットプレートに結合するための第2の締結手段を受容するための少なくとも1つの上部コネクタアームガセット結合開口と、を有し、各上部コネクタアームが、前記上部コネクタアーム内面から前記上部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の上部コネクタアームと、
各上部コネクタアームの前記上部コネクタアームビーム接触面に結合され、かつ前記上部コネクタアームビーム接触面から延在する、上部コネクタアームボスであって、前記ボスが、前記アームの遠位端部から延在する上部コネクタアーム溶接部受容斜面を有する、上部コネクタアームボスと、を備える、上部コネクタ。
【請求項10】
下部コネクタと、上部コネクタと、ガセットプレートと、第2の下部コネクタと、第2の上部コネクタと、を有する、コネクタアセンブリを形成する方法であって、前記下部コネクタ、前記上部コネクタ、前記ガセットプレート、前記第2の下部コネクタ、および前記第2の上部コネクタが、請求項1~9のいずれか一項に定義されるとおりであり、前記方法が、
前記下部コネクタ、前記上部コネクタ、前記ガセットプレート、前記第2の下部コネクタ、および前記第2の上部コネクタを位置付けるステップと、
前記下部コネクタを前記上部コネクタに結合させるステップと、
前記第2の下部コネクタを前記第2の上部コネクタに結合させるステップと、
前記下部コネクタを前記第2の下部コネクタに結合させるステップと、
前記上部コネクタを前記第2の上部コネクタに結合させるステップと、を含む、方法。
【請求項11】
隣接するモジュール式建物を結合する方法であって、前記モジュール式建物が、共に、下部コネクタと、上部コネクタと、ガセットプレートと、第2の下部コネクタと、第2の上部コネクタと、を有し、前記下部コネクタ、前記上部コネクタ、前記ガセットプレート、前記第2の下部コネクタ、および前記第2の上部コネクタが、請求項1~9のいずれか一項に定義されるとおりであり、前記方法が、
第1のモジュール式建物の第1のモジュール式ユニットを他方のモジュール式建物のモジュール式ユニットに隣接して位置付けるステップと、
前記第1のモジュール式建物の前記第1のモジュール式ユニットの前記下部コネクタを、前記他方の建物の前記モジュール式ユニットの前記第2の下部コネクタに結合させるステップと、
前記第1のモジュール式建物の前記第1のモジュール式ユニットの前記上部コネクタを、前記他方の建物の前記モジュール式ユニットの前記第2の上部コネクタに結合させるステップと、を含む、方法。
【請求項12】
下部コネクタと、上部コネクタと、ガセットプレートと、第2の下部コネクタと、第2の上部コネクタと、を備える、モジュール式建物であって、前記下部コネクタ、前記上部コネクタ、前記ガセットプレート、前記第2の下部コネクタ、および前記第2の上部コネクタが、請求項1~9のいずれか一項に定義されるとおりである、モジュール式建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月19日に出願された米国仮特許出願第62/448,123号、名称「MODULAR BUILDING CONNECTOR」の利益およびそれに対する優先権を主張する。上記の特許出願の内容は、参照により本明細書の詳細な説明に明示的に組み込まれる。
【0002】
本発明は、コネクタ、コネクタアセンブリ、コネクタアセンブリを有するモジュール式フレームユニットを結合させる方法、コネクタアセンブリを有するモジュール式ユニットを組み立てる方法、およびコネクタアセンブリを有する建物に関する。
【背景技術】
【0003】
屋外建設現場で同様の作業を行うことと比較して、コストが低く、かつ得られる品質が高いため、制御された工場設定で、標準化された構成要素から構築されるモジュール式建物ユニットを予め製造することが望ましい場合がある。
【0004】
したがって、床、壁、および頭上の構造物を有し、その内部に全てが予め据え付けられたシステムおよび室内備品を含む予め製造したモジュール式建物ユニットが好ましく、かつ当技術分野において周知である。2つ以上のモジュール式建物ユニットを一緒に接合して、より大きい構造物を形成するための手段および方法からなる建物アセンブリシステムもまた、当技術分野において周知である。
【0005】
PCT出願番号第PCT/CA2014/050110号、同第PCT/CA2015/050369号、同第PCT/CA2016/050434号、および同第PCT/CA2016/050954号(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)は、モジュール式ユニットおよび建物を製造するために使用することができるコネクタおよびコネクタアセンブリを開示している。
【0006】
当技術分野では、予め製造したモジュール式ユニットを既存のモジュール式建物に結合させるために使用されるコネクタアセンブリに対する必要性が存在する。加えて、当技術分野では、上で説明したコネクタアセンブリを形成するために使用することができるコネクタブロックに対する必要性が存在する。さらに、当技術分野には、予め製造したモジュール式ユニットを既存のモジュール式建物に結合させて、モジュール式建物の設置面積を拡大する方法に対する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際出願第PCT/CA2014/050110号
【文献】国際出願第PCT/CA2015/050369号
【文献】国際出願第PCT/CA2016/050434号
【文献】国際出願第PCT/CA2016/050954号
【発明の概要】
【0008】
一態様において、本明細書は、下部コネクタに結合された上部コネクタと、上部コネクタと下部コネクタとの間に挟まれたガセットプレートと、を備える、コネクタアセンブリに関するものであり、
下部コネクタは、
下部コネクタ本体カラム受容端部と、下部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する、下部コネクタ本体であって、カラム受容端部が、第1のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、ガセット接触端部が、ガセットプレートに結合するように適合される、下部コネクタ本体と、
少なくとも一対の下部コネクタアームであって、各下部コネクタアームが、下部コネクタ本体に結合され、下部コネクタ本体から延在し、かつ下部コネクタアーム内面と、下部コネクタアーム外面と、下部コネクタアームガセット接触面と、下部コネクタアーム荷重支持面と、下部コネクタアームビーム接触面と、を有し、ビーム接触面が、下部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各下部コネクタアームが、下部コネクタを上部コネクタに結合させるための締結手段を受容するための、荷重支持面上の少なくとも1つの固定開口を有し、各下部コネクタアームが、下部コネクタアーム内面から下部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の下部コネクタアームと、
各アームのビーム接触面に結合され、かつ各アームのビーム接触面から延在する、下部コネクタアームボスであって、ボスが、アームの遠位端部から延在する下部コネクタアーム溶接部受容斜面を有する、下部コネクタアームボスと、を有し、
上部コネクタは、
上部コネクタ本体カラム受容端部と、上部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する、上部コネクタ本体であって、カラム受容端部が、第2のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、ガセット接触端部が、ガセットプレートに結合するように適合される、上部コネクタ本体と、
少なくとも一対の上部コネクタアームであって、各上部コネクタアームが、上部コネクタ本体に結合され、上部コネクタ本体から延在し、かつ上部コネクタアーム内面と、上部コネクタアーム外面と、上部コネクタアームガセット接触面と、上部コネクタアーム荷重支持面と、上部コネクタアームビーム接触面と、を有し、ビーム接触面が、上部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各上部コネクタアームが、下部コネクタを上部コネクタに結合させるための固定手段を受容するための少なくとも1つの上部コネクタアーム固定開口と、上部コネクタをガセットプレートに結合させるための第2の締結手段を受容するための少なくとも1つの上部コネクタアームガセット結合開口と、を有し、各上部コネクタアームが、上部コネクタアーム内面から上部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の上部コネクタアームと、
各上部コネクタアームの上部コネクタアームビーム接触面に結合され、かつ各上部コネクタアームの上部コネクタアームビーム接触面から延在する、上部コネクタアームボスであって、ボスが、アームの遠位端部から延在する上部コネクタアーム溶接部受容斜面を有する、上部コネクタアームボスと、を有し、
ガセットプレートは、
ガセットプレートの第1の面と、ガセットプレートの第2の面と、上部コネクタおよび下部コネクタを結合させるための結合および締結手段を受容するためのガセットプレート貫通孔と、を有する。
【0009】
別の態様において、本明細書は、下部コネクタに関するものであり、該下部コネクタは、
下部コネクタ本体カラム受容端部と、下部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する、下部コネクタ本体であって、カラム受容端部が、第1のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、ガセット接触端部が、ガセットプレートに結合するように適合される、下部コネクタ本体と、
少なくとも一対の下部コネクタアームであって、各下部コネクタアームが、下部コネクタ本体に結合され、下部コネクタ本体から延在し、かつ下部コネクタアーム内面と、下部コネクタアーム外面と、下部コネクタアームガセット接触面と、下部コネクタアーム荷重支持面と、下部コネクタアームビーム接触面と、を有し、ビーム接触面が、下部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各下部コネクタアームが、下部コネクタを上部コネクタに結合させるための締結手段を受容するための、荷重支持面上の少なくとも1つの固定開口を有し、各下部コネクタアームが、下部コネクタアーム内面から下部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の下部コネクタアームと、
各アームのビーム接触面に結合され、かつ各アームのビーム接触面から延在する、下部コネクタアームボスであって、ボスが、アームの遠位端部から延在する下部コネクタアーム溶接部受容斜面を有する、下部コネクタアームボスと、を有する。
【0010】
さらなる態様において、本明細書は、上部コネクタに関するものであり、該上部コネクタは、
上部コネクタ本体カラム受容端部と、上部コネクタ本体ガセット接触端部と、を有する、上部コネクタ本体であって、カラム受容端部が、第2のモジュールフレームの第1の端部を受容するように適合され、ガセット接触端部が、ガセットプレートに結合するように適合される、上部コネクタ本体と、
少なくとも一対の上部コネクタアームであって、各上部コネクタアームが、上部コネクタ本体に結合され、上部コネクタ本体から延在し、かつ上部コネクタアーム内面と、上部コネクタアーム外面と、上部コネクタアームガセット接触面と、上部コネクタアーム荷重支持面と、上部コネクタアームビーム接触面と、を有し、ビーム接触面が、上部コネクタ本体から遠位に位置付けられており、各上部コネクタアームが、下部コネクタを上部コネクタに結合させるための固定手段を受容するための少なくとも1つの上部コネクタアーム固定開口と、上部コネクタをガセットプレートに結合させるための第2の締結手段を受容するための少なくとも1つの上部コネクタアームガセット結合開口と、を有し、各上部コネクタアームが、上部コネクタアーム内面から上部コネクタアーム外面まで延在するように形成された孔を有する、少なくとも一対の上部コネクタアームと、
各上部コネクタアームの上部コネクタアームビーム接触面に結合され、かつ各上部コネクタアームの上部コネクタアームビーム接触面から延在する、上部コネクタアームボスであって、ボスが、アームの遠位端部から延在する上部コネクタアーム溶接部受容斜面を有する、上部コネクタアームボスと、を有する。
【0011】
別のさらなる態様において、本明細書は、下部コネクタと、上部コネクタと、ガセットプレートと、第2の下部コネクタと、第2の上部コネクタと、を有する、コネクタアセンブリを形成する方法に関するものであり、下部コネクタ、上部コネクタ、ガセットプレート、第2の下部コネクタ、および第2の上部コネクタは、本明細書に開示されるとおりであり、該方法は、
下部コネクタ、上部コネクタ、ガセットプレート、第2の下部コネクタ、および第2の上部コネクタを位置付けるステップと、
下部コネクタを上部コネクタに結合させるステップと、
第2の下部コネクタを第2の上部コネクタに結合させるステップと、
下部コネクタを第2の下部コネクタに結合させるステップと、
上部コネクタを第2の上部コネクタに結合させるステップと、を含む。
【0012】
なおも別のさらなる態様において、本明細書は、隣接するモジュール式建物を結合させる方法に関するものであり、モジュール式建物が、共に、下部コネクタと、上部コネクタと、ガセットプレートと、第2の下部コネクタと、第2の上部コネクタと、有し、下部コネクタ、上部コネクタ、ガセットプレート、第2の下部コネクタ、および第2の上部コネクタが、本明細書に開示されるとおりであり、該方法は、
第1のモジュール式建物の第1のモジュール式ユニットを他方のモジュール式建物のモジュール式ユニットに隣接して位置付けるステップと、
第1のモジュール式建物の第1のモジュール式ユニットの下部コネクタを、他方の建物のモジュール式ユニットの第2の下部コネクタに結合させるステップと、
第1のモジュール式建物の第1のモジュール式ユニットの上部コネクタを、他方の建物のモジュール式ユニットの第2の上部コネクタに結合させるステップと、を含む。
【0013】
なおも別のさらなる態様において、本明細書は、下部コネクタと、上部コネクタと、ガセットプレートと、第2の下部コネクタと、第2の上部コネクタと、を備える、モジュール式建物に関するものであり、下部コネクタ、上部コネクタ、ガセットプレート、第2の下部コネクタ、および第2の上部コネクタは、本明細書で開示されるとおりである。
【0014】
以下、一例として、本出願の例示的な実施形態を示す添付図面を参照する。
【0015】
以下、一例として、本出願の例示的な実施形態を示す添付図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】2つのユニットを結合させる前の、既存のモジュール式建物に接続するための予め組み立てられたモジュール式ユニットの斜視図である。
図2図1に示されるモジュール式ユニットの結合後のモジュール式建物の斜視図である。
図3】部分的カラムおよび部分的中空構造セクション(HSS)を有する90°コネクタの分解斜視図である。
図4】部分的カラムおよび部分的中空構造セクション(HSS)を有する90°コネクタの組み立て斜視図である。
図5】部分的カラムおよび部分的中空構造セクション(HSS)を有する180°コネクタの分解斜視図である。
図6】部分的カラムおよび部分的中空構造セクション(HSS)を有する180°コネクタの組み立て斜視図である。
図7】部分的カラムおよび部分的中空構造セクション(HSS)を有する2つの隣接する90°コネクタアセンブリの分解斜視図である。
図8】部分的カラムおよび部分的中空構造セクション(HSS)を有する2つの隣接する90°コネクタアセンブリの組み立て斜視図である。
図9】隣接する90°コネクタと結合させる前の90°コネクタの斜視図である
図10】隣接する90°コネクタと結合させた後の90°コネクタの斜視図である。
図11】隣接する180°コネクタと結合させる前の180°コネクタの斜視図である。
図12】隣接する180°コネクタと結合させた後の180°コネクタの斜視図である。
図13】結合させる前の3つの90°コネクタの斜視図である。
図14】結合させた後の3つの90°コネクタの斜視図である。
図15】結合させる前の4つの90°コネクタの斜視図である。
図16】結合させた後の4つの90°コネクタの斜視図である。
図17】隣接する下部コネクタを結合させる前の、2つの隣接するモジュールの分解部分斜視図である。
図18】隣接する下部コネクタを結合させた後の、2つの隣接するモジュールの部分斜視図である。
図19】隣接する下部コネクタを結合させる前の、筋交いを有する2つの隣接するモジュールの分解部分斜視図である。
図20】隣接する下部コネクタを結合させた後の、筋交いを有する2つの隣接するモジュールの分解部分斜視図である。
【0017】
同じ部品を示すために、異なる図において同じ参照符号が使用されている場合がある。
【発明を実施するための形態】
【0018】
既存のモジュール式建物の拡張に関しては、課題が存在する。例えば、追加的なモジュール式ユニットを横方向に取り付けて、既存のモジュール式建物の設置面積を拡張する場合である。図1は、多数の床を有する既存のモジュール式建物2を示す。建物の設置面積を拡張するためは、異なるレベルの多数のモジュールを既存のモジュール式建物2に接続しなければならない。各レベルの各モジュールを独立して既存のモジュール式建物2に接続することは、問題となる場合があり、さらに、最終的なモジュール式建物の構造強度の損失ももたらす場合がある。加えて、予め製造したモジュール式ユニット4を既存のモジュール式建物2に結合させて、拡張されたモジュール式建物6(図2)を形成することもまた、その問題を生じさせる場合がある。例えば、モジュール式建物2およびモジュール式ユニット4の全体的な構造強度を維持し、かつそれらの接合面での屈曲を回避しながら、既存のモジュール式建物2の各床の各モジュールのコーナーコネクタを、予め製造したモジュール式ユニット4の各床の各モジュールのコーナーコネクタと接続することは困難であり得る。加えて、追加的なモジュールを1つずつ既存のモジュール式建物に結合させるときには、構造強度を維持しながら、既存のモジュール式建物のコネクタアセンブリを、追加される新しいモジュールのコネクタアセンブリに結合させることが困難であり得るので、同様の課題が存在し得る。
【0019】
PCT出願番号第PCT/CA2014/050110号、同第PCT/CA2015/050369号、同第PCT/CA2016/050434号、および同第PCT/CA2016/050954号(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)は、本明細書に開示されるコネクタを含む明細書に関する追加的な情報と共に、コネクタアセンブリ、モジュール式ユニット、コネクタを結合させる方法、ならびにモジュール式ユニットおよび建物を構築する方法を開示している。
【0020】
本明細書は、最初に、読みやすさのために、各構成要素または構成要素グループの説に細分化されている。
【0021】
コーナーブロック
本明細書は、一実施形態においてコーナーブロックである上部または下部荷重支持コネクタまたはブロックを開示する。特定の実施形態において、ブロックは、実質的に四辺形であり、他の実施形態では、多角形または非対称形状を有する。これらのブロックは、少ない数および小さいサイズの物体に精密動作を集中させ、他の部材に行わなければならない作業の量および複雑さを低減させるように、多数の機能を提供する特徴を伴って量産することができる。上部ブロックおよび下部ブロックは、別個の形態とすることができ、一実施形態では、概して角張った、管状の、またはビルドアップ形態の垂直コーナー部材(カラム)の上端部および下端部に位置付けられ、そのように構築されたモジュールを、特徴を使用してブロック上に接合して、より大きい、またはより高い構造物を形成するときに、多層カラムの機能を果たす。
【0022】
同様に、ブロック上の他の特徴は、建物の水平部材に係合し、そのように構築されたモジュールを接合してより大きい、またはより広い構造を形成するときに、連続水平部材の機能を果たす。
【0023】
特定の実施形態において、ブロックは、限定されないが、複数の角度で隣接する部材の場所および溶接を提供するブロックの面に対して垂直であることが挙げられる、複数の角度で突出するアームを有する。したがって、特定の実施形態において、本発明は、限定されないが、直角、テーパ付き、放射、および湾曲形状が挙げられる、モジュールの製作および組み立てを容易にする。アーム内のねじ付きおよびねじ無し孔は、ねじ付き締結具の位置決めを達成し、アームの垂直壁は、荷重支持能力の増大、および建物に作用する力によって、かつ締結具の作用によって生じる圧縮力および張力の伝達を提供する。
【0024】
特定の実施形態において、ブロックは、柱を通る垂直張力の連続性、および隣接するモジュールまたは他の建物構造間の相互接続に抵抗するモーメントを提供するように、ナットを有するボルトの通路、およびそれを受容するための孔を本体およびアームの両方に有するか、またはボルトを受容するようにねじ切りされている。垂直面内のカラムの接続に起因する張力抵抗は、持ち上がりが生じる場所で構造物が持ち上がりに抵抗することを可能にし、かつガセットプレート上に摩擦を生成して、高レベルの固定性で水平面の横部材に力を伝える。
【0025】
より具体的には、組み立て中に、上側および下側からガセットプレートを担持するアームの表面を堅固にする。
【0026】
特定の実施形態において、ボルトは、取り外し可能なパッチが、ボルトの場所を覆い、かつ荷重支持構造物を取り囲む耐火材料の連続性を確実にするように、容易に構成することができるように、壁の空洞または他のそのような場所内にアクセス可能であり、かつ表面と面一またはその下側に配設することができる。特定の実施形態では、屋根アセンブリの下側への接続と同様に、ボルトは、下から上へ挿入することができる。
【0027】
特定の実施形態において、ブロックは、非常に短く切断された、または直角をなさない端部もしくは他の不完全部を有する接続部材への溶接部の構造的衝撃を低減し、コーナーブロックとブロックに溶接された部材との間の不適合な溶接接続を作業者が実行する可能性を低減する、アセンブリ溶接のための裏当てを提供するように位置付けられたブロックの遠位端面に突出している特徴を有し、また、溶接部が表面を越えて突出しないように研削することが必要になる可能性、および隣接するモジュールと衝突する可能性を低減するように位置付けられたブロックの外側に位置付けられた傾斜特徴を有する。
【0028】
コーナーブロックの孔は、固定用具および吊り上げ装置への接続手段を提供する。特定の実施形態において、ブロックの上面は、クイックリリースコネクタを挿入することができる開口部を備えて、モジュールと持ち上げ装置とを迅速かつ確実に接続および接続解除する手段を提供する。
【0029】
特定の実施形態において、ブロックは、地震事象中に生じ得る接触平面に沿ったずれに対する抵抗力を増大させるために、ガセットプレート上の対応する特徴と係合する、接触面上の特徴を有する。
【0030】
特定の実施形態において、ブロックは、気密性を向上させ、かつ床または天井材料に対する支持を提供するために、床または天井仕上げ剤を塗布して、締結具アクセス除外領域に連続バッカーを提供する面と同一平面上の突出フランジを有する。使用に際して、床材料は、ブロックのアームの端部までフレームの頂面を覆うが、ブロックにおいて切り取られて、頂面を露出させて、組み立てるためのボルトの挿入を可能にする。これは、床材を支持されないままにすることができる。示されるフランジは、床の間の封止部にいかなる亀裂も生じないように、床をその領域内で支持すること、および連続面を作成するのを補助し、これは、耐火処理を補助することができる。
【0031】
特定の実施形態において、ブロックは、バルコニー、廊下、および外観処理などのアクセサリを接続するための多数の孔を垂直面上に有する。
【0032】
特定の実施形態において、ブロックは、垂直張力締結具の通路のための1つ、2つ、3つ、またはそれ以上の孔を有し、その孔を中心とし得る垂直構造部材ごとに1つのそのような孔が存在する。別の特定の実施形態では、垂直部材ごとに2つ以上の孔が存在する。締結具が通過するブロック上のアームの長さおよびブロック間のガセットプレート上のアームの長さは、そのような孔の数に関連して変化する。
【0033】
特定の実施形態において、下側ブロックは、ボルトの通過を可能にするために穿設または別様には鋳造物から除去しなければならない鋼の量を低減させるために、面を通る開口部を有する。この特徴と、または別個にブロックと組み合わせることで、リブを補強して、荷重支持能力および耐ねじれ性を増強することができる。
【0034】
別の構成要素は、その一方の端部に、ある寸法の管状構造部材を受容するように用意された特徴を有し、かつ他方の端部に、別の寸法の管状部材を受容するように用意された特徴を有するブロックであるか、または変形させることなく2つの部材の間で力を伝達するためのテーパ付き側部および内部リブもしくは他の補強手段を有するブロックの対応する特徴である。上記のPCT出願において先に説明したように、荷重に応じてカラムのサイズを変化させることが望ましくなり得る。荷重がより小さい建物の上部分には、より小さいカラムが使用され、重力荷重の蓄積および転倒力の増加により荷重がより大きい下部分には、より大きいカラムが使用される。
【0035】
別の構成要素は、プレートから製造されたカラムをその外部垂直面に溶接することを可能にして、同様の様態で作製された接続部を直接支持し、かつそこに接続するブロックであるか、または上で説明した種類のブロックである。当業者によって認識され得るように、TまたはX構成で接合された2つ以上のそのようなカラムは、より大きい1フィートあたりの重量および増大した断面の両方を達成することができ、建物の占有空間内に突出を伴うことなく、より大きい耐座屈性をもたらす。
【0036】
ガセットプレート
別の構成要素は、頂部のブロックとカラムまたは一群のカラムとの間に間置されたプレートであり、該プレートは、コーナーブロックの下側に対応する位置決め凹部との摺動接触によって下降モジュールに係合し、かつ方向付け、したがって、締結するための正しい位置にモジュールを位置付けるための、上向きテーパ付き位置決めピンを有する。プレートはまた、隣接するモジュールをボルトで接続する際に使用して、建設中および完成した建物の両方において、構造的連続性を水平面に提供するための、ならびにその靭性により、カラム群の全ての部材上で等しく支持し、このように形成された連続的な荷重経路を確保するために、カラムの長さのわずかな変化に適応するための貫通孔も提供する。当業者によって認識され得るように、プレートは、単一の垂直カラムの間で、または直交もしくは他の配置で配設された2つ以上のカラムの間で嵌合するように成形することができる。特定の実施形態では、モジュールの完成寸法のばらつきに適応し、したがって、モジュールスタックの正しいジオメトリを維持するために、同様の寸法であり、かつ適切な孔を備えたシムが接続部の片側または両側に配置される。
【0037】
特定の実施形態において、ガセットプレートは、その上面および下面に突出部を備え、該突出部は、上側および下側のブロックの接触面の対応する溝と係合して、地震事象中に生じ得る摺動運動に対する抵抗を増加させ、かつ、そのような運動を垂直張力締結具のシャンクに印加する荷重を低減させる。
【0038】
カラムの頂部および底端部においてコネクタ間に間置されるガセットプレートに加えて、頂部コネクタまたは底部コネクタに隣接して接続するために、第2のガセットプレートも使用することができる。本明細書でさらに説明されるように、使用される第2のガセットプレートは、ボルトなどの締結手段を受容して、第2のガセットプレートを2つの隣接する頂部コネクタに、または2つの隣接する底部コネクタに固定するための孔を有することができる。
【0039】
階段吹き抜けおよびエレベータシャフト
本明細書に開示されるシステムは、階段または昇降装置が設置され、かつ著しい視覚的または機能的な中断を伴うことなく2つのモジュール間のメイトラインで分離する、モジュールの製造を可能にする。
【0040】
オーバーハイトモジュール
本明細書に開示されるシステムは、居住可能な容積の上半分および下半分を含むモジュールの製造を可能にし、該容積は、通常許容される出荷制限よりも高い、かつ著しい視覚的または機能的な途絶を伴うことなく2つ以上の積み重ねられたモジュールの間のメイトラインで接合される。
【0041】
廊下
開示される構成要素の別の群は、鉄筋コンクリート、サンドイッチプレート、木材、または支持台座と一緒に形成された金属などの、好適な材料から形成された構成的な廊下の床である。特定の実施形態において、スラブは、補強バーを伴う鉄筋コンクリートからなり、よって支持台座上の特徴が該補強バーと係合して、台座の曲げに抵抗し、このように接続された隣接するモジュールのスタック間のモーメント接続を作り出す。台座は、孔を備え、該孔は、上部および下部コーナーブロックの対応する孔と整列し、かつモジュールの2つの平行なスタックを接続する役割を果たし、ならびに片側のスタック内の隣接するカラムを接続して、組み合わせた荷重通路を作り出す。台座および床スラブはまた、バルコニーまたは渡り廊下を伴う建物を建設するために、スラブの片側のモジュールのスタックの、および外側のバルコニー支持フレームの側部または端部にも接続され得る。床スラブおよび台座アセンブリはまた、工場環境の外でのこれらの構成要素の構成部品の製造を容易にするために、ダクト、パイプ、および配線などの付帯設備のための好都合な支持体としても使用され得る。
【0042】
特定の実施形態において、ガセットプレートは、必要に応じて延在させることができ、かつ様々なサイズのアクセサリ支持体および接続アセンブリを支持および係合する締結具の通路のための孔を備えることができる。
【0043】
相互依存の細部のシステム
本発明はまた、固定具のシステムと共に、対象の建物の相互接続された部材を寸法決定することの基礎をなす所定のグリッドも備え、該固定具は、グリッドが、全ての製造されたアセンブリを通して全ての軸において維持されることを確実にし、該グリッドは、コーナーブロックから、部材まで、サブアセンブリまで、モジュールまで、および建物全体まで、全ての軸において延在する正確で相互依存する関係を確実にする。したがって、寸法決定システムは、断片的な要素およびモジュールのサイズ設定を低減させ、共通部品の数を増加させ、かつ基礎および台壁の建設業者との協調の難しさを低減させ、これは、構成要素の全ての内部または外部の供給業者がモジュールをそのように製造する際に統合されるべき作業を容易にする。
【0044】
特定の実施形態において、システムは、±1/32”の固定具に使用される孔の間の中心-中心精度、および+0”-1/16”の全ての噛合面の外-外寸法精度を有する、3つの軸における2インチ以上または以下の増分に基づく。
【0045】
固定具
本発明は、モジュールフレームを組み立てるためのシステムを含み、該システムは、モジュールがその上側に確立されたグリッドに適合すること、およびモジュールのいかなる部品も最外の理想的な寸法を超えて突出しないことを確実にし、構造物の達成可能な組み立て速度および精度を高め、付加的な寸法ドリフトの可能性を排除し、その結果、建設の難しさ、耐火処理の難しさ、より大きい固定性によってモジュールを相互接続する可能性、ならびに壁厚および無駄な空間の低減をもたらす。
【0046】
補強部材
さらに、本発明は、互いに、かつ本明細書で説明されるカラム、横方向フレーム、筋交い、およびコーナーブロックと接続し、補強構成要素の個別的な設計および製造またはカスタマイズに対する必要性を排除する、標準化された補強部材のシステムを備える。
【0047】
補強分析
さらに、本発明は、要求されるよりも多い場所に不必要な構造材料を追加することなく、耐火材料の適用を著しく損なうことなく、かつモジュールの壁の追加的な厚さを必要とすることなく、モジュールからなる建物に作用する力を系統的に分析し、標準化された補強システムを適用するための最適な場所を規定し、累進的な座屈および持ち上げ抵抗を有する標準化された補強材のリストから選択し、それによって、追加的な応力下にある領域を強化するために最低限必要とされる補強材のみを組み込むための作業方法を含む。
【0048】
ビルドアップカラム
さらに、本発明は、高いおよび/または細長い建物の建設において遭遇する荷重に起因する圧縮力および引張力に対するより大きい抵抗を有するグルーピングを形成するように、外側カラムを製造および接続するための方法を含む。
【0049】
特定の実施形態において、カラムの水平ドリフト、座屈、および持ち上げに対する抵抗は、カラムの垂直縁部に沿った溶接または他の好適な方法で群に溶接し、かつ、これらの群をその目的で提供される領域のコネクタブロックに溶接または別様には取り付けることにより、2つ以上のカラムを接合することによって増加される。
【0050】
特定の実施形態において、カラムは、それらの縁部に沿って溶接または他の好適な手段によって接合されたプレートからなり、これらのアセンブリは、ブロックに溶接または別様に接合される。特定の実施形態において、これらのプレートは、1”以上の厚さである。別の特定の実施形態において、プレートカラムは、それらが溶接されるブロックを迂回し、プレートの端部に沿ってガセットプレートの頂部および底面と接触する。
【0051】
特定の実施形態において、カラムは、累進的により大きくなり、それに対応してより大きい本体および接続特徴を有するブロックに係合する。特定の実施形態において、これらのカラムは、標準的な構造用中空金属または複合体のセクションに対応する、4”の正方形、6”の正方形、8”の正方形、10”正方形、長方形など、またはメートル法の同等物である。
【0052】
利点
フレームを伴わない高さの増加
組み立て中に完全に圧縮されず、したがって、完全に固定されない接続を不注意に作成する危険性を排除することによって、およびさらに多くの締結具を提供することによって、および補強材の配置を容易にすることによって、本発明の構成要素のシステムおよび作業方法は、二次的な外部または内部支持フレームに対する必要性を伴うことなく建設することができる建物の高さを増加させる役割を果たし、かつ構造的機能における部材のより大きい部分、および接続の強化された固定性、多数の冗長な荷重経路の作成および確実さ、ブレースフレームのモジュールへの統合、ならびに隣接モジュールを通して完成した建物に与えられ、したがって地面に与えられる外部、内部、および自己荷重の効率的な伝達を伴うことに起因して、その使用可能な床面積を増加させる役割を果たすことができる。
【0053】
フレームを伴う高さの増加
上部の床に必要とされる鋼の量、したがってその総重量を低減させることによって、本発明はまた、所与のサイズの二次的な外部または内部の筋交いフレームを使用して建設される建物の高さを増加させる役割も果たす。
【0054】
固有の部品の数、場所の数、および部材のサイズの低減
印加される荷重を分析し、必要とされる部材のより多くを構造的機能により効率的に関与させることによって、本発明はまた、必要とされる部材のサイズも低減させ、かつ固有の補強細部および関連する耐火処理の複雑さが必要とされる数、サイズ、および場所も制限し、それによって、建物のコストも削減する。
【0055】
精度に関する要件の低減
本明細書は、モジュール式生産設備の従業員によってなされなければならない部品の精密さをさらに低減するのを補助することができ、これは、製造コストを低減する。
【0056】
複雑な製造の低減
本発明は、部材を接合し、モジュールを吊り上げ、かつ、モジュールを単一の量産構成要素に接合するために必要とされる複雑な機能の多くを集中させ、モジュールを構築するために必要な熟練した作業に関する複雑さおよび要件の両方を低減するのを補助する。
【0057】
より高くおよびより広くすることを可能にする
加えて、本システムは、一方が天井に開口を有し、他方が床に開口を有する2つの積み重ねられたフレームからなるより高いモジュール、筋交いの性能によるより長いモジュール、および端部の開口の改善された挙動によるより広いモジュールの建設を可能にし、したがって、より大きい柔軟性を、そのように構築される建物の設計者に提供することを可能にすることができる。
【0058】
壁の厚さの低減
荷重支持構成要素をより良好に完全に分配することによって、本発明は、構造物および付帯設備を収容するために必要とされる壁厚を低減させるのを補助することができる。
【0059】
補修のための現場作業の低減
張力接続を壁の空洞内に配置し、接続手段をカラムの近くに集中させることによって、本発明は、その後に補修しなければならない除外領域の数および大きさの両方を低減させるのを補助することができる。
【0060】
以下、本明細書に開示される一実施形態による本発明を、添付図面を参照しながら説明する。
【0061】
図3(分解図)および図4(組み立て図)は、本明細書に開示されるコーナーコネクタアセンブリを形成するために使用することができる、90°下部コーナーコネクタ8(またはブロック)を開示する。下部コネクタは、概して下部コネクタ本体10からなり、下部コネクタ本体10からアーム12が互いに対して90°で延在する。下部コネクタ本体10の一方の端部は、下部コネクタ本体カラム受容端部14として示され、モジュール式フレームのカラム16、ポスト、または他の構造ユニットを受容および結合するように適合され、一方で、他方の端部は、下部コネクタ本体ガセット接触端部18として示され、(本明細書で説明されるような)第1のガセットプレート20に結合するように適合される。
【0062】
一実施形態において、下部コネクタカラム受容端部14は、PCT出願第PCT/CA2014/050110号、同第PCT/CA2015/050369号、同第PCT/CA2016/050434号、および同第PCT/CA2016/050954号(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)で説明されるように、カラム16、ポスト、または下部コネクタ本体溶接部受容斜面から延在する溶接部受容斜面および溶接部バッカーなどの他の構造ユニットを結合させるのを支援することができる特徴を備えることができる。そのような特徴は、カラム16、ポスト、または他の構造単一体の適切な配置、および溶接部の形成を支援することができ、また、いくつかの実施形態において、カラム、ポスト、または他の構造ユニットのあらゆる変更の必要性を回避することができる。
【0063】
本明細書に開示される実施形態において、下部コネクタ本体10は、下部コネクタ本体溶接部受容斜面22と、溶接部受容斜面22から延在する溶接部バッカー24と、を備える。下部コネクタ本体溶接部バッカー24は、カラム16の断面と同様の断面を有することができるが、溶接部バッカー24は、中空構造セクション(HSS)に挿入して、カラムの適切な整列を確実にすることができるようにサイズ決定される。加えて、カラム16は、溶接部バッカー24に正確に穿設された孔27と整列させることができる孔26を有することができ、よって、カラム16の孔26と溶接部バッカー24の孔27との整列の後に、カラム16を適切に位置付けることを確実にしながら、ねじまたはボルトなどの締結手段28を使用してカラムを適所に固定することができる。
【0064】
本明細書で説明されるように、下部コネクタ本体10はまた、下部コネクタ本体ガセット端部30にあり、かつ第1のガセットプレート20と接触し得る、下部コネクタ本体ガセット接触面18も備える。本明細書に開示される実施形態において、下部コネクタ本体ガセット接触面18は、略平面である。一実施形態において、例えば、限定されないが、下部コネクタ本体ガセット接触面18は、下部コネクタ8からの任意の水、凝縮水、または他の液体の排水を可能にすることができる、浸出チャネルを備えることができる。
【0065】
図3および図4に示される実施形態において、下部コネクタ8は、下部コネクタ本体10から延在する一対の下部コネクタアーム12を備える。加えて、アームは、互いに対して垂直に位置付けられ、すなわち、一方のアームが第2のアームに対してほぼ90°で延在する。しかしながら、アームの位置は、設計および用途の要件に応じて変化させることができ、アームは、90°未満またはそれを超える角度で存在し得る。例えば、図5および図6は、下部コネクタ8を開示し、アーム12は、互いに対して180°で(反対方向に)延在する。
【0066】
モジュール式構造物の下部コネクタ8の配置により(図1および図2)、下部コネクタ8は、下部コネクタ内面32と、下部コネクタ外面34と、を備える。下部コネクタ内面32は、モジュール式構造物によって示され、該モジュール式構造物は、コネクタ8の面32が、下部コネクタ内面32とみなされるモジュール式構造物の内側に向かって位置付けられ、かつモジュール式構造物の内部から離れて(または外側に向かって)位置付けられた下部コネクタ8の面が、下部コネクタ外面34として示される状態で形成される。
【0067】
示される実施形態において、下部コネクタアーム12は、下部コネクタアーム荷重支持面36と、下部コネクタアームビーム接触面38と、を有し、これらは、ビーム40または他の構造ユニットに係合して、モジュール式構造物を形成することができる。示される実施形態において、下部コネクタアーム荷重支持面36は、下部コネクタ本体カラム受容端部14の平面とは異なる平面にあり、下部コネクタアーム荷重支持面36の平面は、下部コネクタ本体カラム受容端部14の平面よりも、下部コネクタ本体ガセット端部30を有する平面の近くに存在する。これは、下部コネクタ本体カラム受容端部14を、下部コネクタアーム荷重支持面36から離間することになり、また、溶接作業によってモジュール式構造ユニットを形成するのを補助することができる。
【0068】
下部コネクタアーム12は、本明細書に開示される、上部コネクタ102に下部コネクタ8を結合させるために、かつコネクタアセンブリ100を形成するために使用することができる、孔42を備えることができる。一実施形態において、図に開示されるように、孔42は、下部コネクタ内面32により近く位置付けることができ、これは、下部コネクタ外面34により近く位置付けられた下部コネクタアーム荷重支持面36を提供するのを補助することができる。下部コネクタアーム荷重支持面36は、モジュール式構造物の追加的な構造特徴の荷重を位置付け、支持するための、アーム12上の領域を提供することができる。別の実施形態において、伝達される荷重およびブロックの表面の荷重支持要素の位置付けによる必要に応じて、より多い孔またはより少ない孔が存在し得る。
【0069】
下部コネクタ8のアーム12はまた、下部コネクタアームビーム接触面38から延在するボス44も備え、該ボスは、下部コネクタ本体10から延在するアーム12の遠位端部に位置付けられる。ボス44は、下部コネクタアーム12をモジュール式フレームのビーム40または他の構造ユニットに結合させるための特徴を備えることができる。一実施形態において、ボス44は、下部コネクタ溶接部受容斜面46を備え、これは、モジュール式フレームのビーム40または他の構造ユニットとの溶接部を形成するのを支援することができる。
【0070】
一実施形態において、例えば、限定されないが、ボス44は、下部コネクタアーム8のビーム接触面38の片側に向かって位置付けることができる。図に示される実施形態において、ボス44は、下部コネクタ8の外面34の近傍に位置付けられ、さらに、下部コネクタ内面32の近くの下部コネクタアーム12の縁部から離間される。外面34の近くにボス44を位置付けることによって、チャネルが、内面32の近くの下部コネクタアーム12のビーム接触面38に提供される。チャネルは、ワイヤまたは他の導管をモジュール式構造物に通すための空間を提供することができる。
【0071】
図5および図6は、図3および図4に開示される実施形態の下部コネクタ8と同様の特徴を有する、下部コネクタ8の第2の実施形態を示す。図5および図6に開示される実施形態は、図3および図4に示されるように互いに対して垂直ではなく、反対方向に延在するアームを有する。本明細書の教示に基づいて当業者によって認識されるように、アーム12の方向は、特に限定されておらず、用途および設計要件によって変化し得る。
【0072】
加えて、下部コネクタ8のアーム12は、下部コネクタ内面32から下部コネクタ外面34まで延在して形成された1つ以上の孔48を有することができる。本明細書でさらに説明されるように、1つ以上の孔48は、下部コネクタ8を隣接する下部コネクタに結合させることを可能にする締結手段28を受容することができる。
【0073】
コネクタアセンブリ100を形成するように開示され、使用される上部コネクタ102は、上で説明した下部コネクタ8と同様の特徴を有する。上部コネクタ102の追加的な詳細は、PCT出願第PCT/CA2014/050110号、同第PCT/CA2015/050369号、同第PCT/CA2016/050434号、および同PCT/CA2016/050954号(その内容は、参照により本明細書に組み込まれる)に見出すことができる。加えて、本明細書においてさらに記載されるように、上部コネクタ102は、上部コネクタアーム104の内面から外面へ(下部コネクタに見られるものと同様)延在する穴50を有することができ、それによって上部コネクタ102を、隣接する上部コネクタに結合させることができる。
【0074】
図7(分解図)および図8(組み立て図)は、本明細書に開示される一実施形態によるコネクタアセンブリ100を示し、一対の隣接する下部コネクタ8は、一対の隣接する上部コネクタ102に結合され、それらの間にガセットプレート20を挟む。各上部コネクタ102は、上部コネクタガセット接触面106に結合されるピン54を有する。PCT出願第PCT/CA2014/050110号、同第PCT/CA2015/050369号、同第PCT/CA2016/050434号、および同第PCT/CA2016/050954号(その内容が参照により本明細書に組み込まれる)に説明されるように、ピン54は、ガセットプレート54の孔56に挿入され、次いで、ピン54は、下部コネクタガセット接触面18の孔(図示せず)に係合して、コネクタアセンブリ100を形成するときに、適切な整列を確実にする。
【0075】
多数の床面を有するモジュール式ユニット4の追加によって、既存のモジュール式構造物2の設置面積を拡張するために、組み立て時に、既存のモジュール式構造物2の下部コネクタを、互いに隣接して存在するモジュール式ユニット4の下部コネクタに結合させることができる。同様に、既存のモジュール式構造物2の上部コネクタをモジュール式ユニット4の上部コネクタに結合させて、図2に示される、拡張したモジュール式建物6を形成することができる。
【0076】
図9(分解図)および図10(組み立て図)は、結合前(図9)および結合後(図10)の隣接する下部コネクタ8を示す。下部コネクタ8は、横方向に下部コネクタアーム12を通して穿設され、チャネルを形成し、かつ内面32から下部コネクタ8の外面34への流体連通を可能にする、孔48を有する。孔48の数および位置は、特に限定されず、設計および用途の要件によって変化し得る。示される実施形態において、各下部コネクタアーム8は、一対の孔48を有し、第1の孔48は、下部コネクタアーム荷重支持面36のより近くに形成され、他の孔48は、下部コネクタガセット端部30のより近くに形成される。加えて、一実施形態において、図に示されるように、孔48は、下部コネクタ本体10から遠位位置にあり、換言すれば、下部コネクタアーム接触面38のより近くにある。クロスボルト28を受容するための孔48の実際の位置は、特に限定されず、本明細書で開示されるように、該孔がコネクタのアーム12に位置付けられ、横方向に形成され、かつクロスボルト28をコネクタに隣接して締結するように挿入することを可能にする限りは、用途および設計の要件に応じて変化し得る。しかしながら、孔48をコネクタアームビーム接触面38のより近くに位置付けることによって、隣接するコネクタに結合させるときに、向上した固定性を達成することができる。
【0077】
隣接する下部コネクタ8を結合させるためには、クロスボルト28を使用して、第1の下部コネクタ8を隣接する第2の下部コネクタ8に締結することができる。図9に示されるような一実施形態において、第1のボルト28は、第1の下部コネクタ8の内面32から第1の孔48の中へ挿入され、次いで、隣接する第2の下部コネクタ8の外面34から対応する第1の孔48に係合する。加えて、第2のボルト28は、第2の下部コネクタ8の内面32から第2の孔48の中へ挿入され、次いで、隣接する第1の下部コネクタ8の外面34から対応する第2の孔48に係合する。開示される実施形態において、孔の48位置は、交互にボルト28を挿入して、隣接する下部コネクタを結合させることを可能にする(図9を参照されたい)。
【0078】
上で説明したように、図9および図10は、隣接する90°下部コネクタの結合を示し、一方で、図11(分解図)および12(組み立て図)は、クロスボルト28を使用した、隣接する180°下部コネクタの結合を示す。上で説明したように、図13(分解図)および図14(組み立て図)は、クロスボルト28を使用した、3つの90°下部コネクタ8の結合を示し、一方で、図15(分解図)および図16の(組み立て図)は、クロスボルト28を使用した、4つの90°下部コネクタ8の結合を示す。
【0079】
下部コネクタ8に関して上で説明したように、上部コネクタ102を結合させるための同様の方法を使用することができ、該コネクタはまた、上部コネクタ102から延在するアーム104の横断面に形成された孔も備える。
【0080】
図17(分解図)および図18(組み立て図)は、モジュール式建物2をモジュール式ユニット4に結合させるときに、隣接モジュールを結合させる代替の方法を示す。図17に示される実施形態では、180°下部コネクタが開示されているが、当業者によって認識されるように、下部コネクタ8を結合させることと同様に、上部コネクタ102もまた、同様の方法で結合させることができる。
【0081】
コネクタに関して上で説明した特徴および方法、ならびに隣接するコネクタを結合させる方法はまた、図17および図18に開示されるように、隣接するコネクタを結合させるときにも使用することができる。図17および図18に示される実施形態において、第2のガセットプレート52は、第2のガセットプレート52の開口部に挿入することができる締結手段28を使用して、下部コネクタアーム荷重支持面36に結合され、次いで、下部コネクタアーム荷重支持面36の1つ以上の孔に係合する。第2のガセットプレート52は、下部コネクタアーム荷重支持面36に係合されると、床下張152と同じ平面に存在する。使用される第2のガセットプレートは、下部コネクタ8の単一のアーム12にだけ結合させることができる。代替的に、図ページのより頂部近くで図17に示されるように、隣接する下部コネクタ8を結合させて、モジュール式建物の設置面積を拡張するときに、使用される第2のガセットプレート150は、2つの隣接する下部コネクタアーム12を結合させるようにサイズ決定される。他のガセットプレート52と同様に、アーム12を2つの隣接する下部コネクタに結合させるために使用されるガセットプレート150は、第2のガセットプレート150に、ならびに2つの隣接する下部コネクタ8の2つの隣接するアーム12に係合する締結手段28を受容することができる孔を有する。これは、拡張したモジュール式建物6の平滑な床を固定し、かつ確保することを補助することができる。
【0082】
図19および図20は、斜め筋交い154をモジュールに使用する事例を示す。図17および図18に示される実施形態と同様に、第2のガセットプレート150を使用して、荷重支持面36を下部コネクタアームに結合させる。図19および図20に示される実施形態において、第2のガセットプレート150は、斜め筋交い154を突出部156に固定するための締結手段28を受容するための孔156を有する、突出部156を備える。隣接する下部コネクタ8を結合させるときには、締結手段28を突出部156から取り外すことができ、斜め筋交い154を、斜めの筋交い154の対向する固定端部を中心に枢動させて(図20)、下部コネクタ8の単一のアーム12にのみ結合している第2のガセットプレート52を取り外すための十分な空間を提供し、また、隣接する下部コネクタ8の2つの隣接するアーム12に結合するプレート150を第2のガセットと交換することができる。第2の隣接するアーム12に結合する第2のガセットプレート150が適所に配置されると、斜め筋交い154を枢動させて、設置された第2のガセットプレート150に固定するための位置に戻すことができる。
【0083】
加えて、第2のガセットプレート150は、孔を有する追加的な突出部156を有することができ、該孔は、第2の斜め筋交いに結合すること(図19)、ならびに固定性を確実するために斜め筋交いが適切に整列および固定されることを確実にする。
【0084】
「上部」および「下部」という用語は、本明細書で使用される場合、特にコネクタに関して、相対的であり、また、相互に交換することができる。しかしながら、コネクタアセンブリ100を説明する目的で、上部コネクタ102は、典型的には第2の(またはより下部の)モジュール式フレームの上に持ち上げて、位置決めすることができるモジュール式フレームの上部コーナーまたは上端部に位置付けられるコネクタを指す。一方で、下部コネクタ8は、モジュール式フレームの下部コーナーまたは下端部に位置付けられ、(上部コネクタよりも)地面または床により近いコネクタを指す。
【0085】
示される実施形態において、上部コーナーコネクタ102および下部コーナーコネクタ8は、鋼の中空鋳造物から作製することができる。コネクタは、軟鋼と同等またはそれ以上の引張強度および延性などの機械的特性、ならびに構造的金属不活性ガス(MIG)溶接のなどの標準的実施方法でコネクタを軟鋼に溶接することができるような冶金特性を有することができる。
【0086】
さらなる実施形態において、上部および下部コネクタ(102、8)は、それぞれ、本体を有し、該本体は、特定の一実施形態において中空であり得る。上部コネクタ本体108および下部コネクタ本体10は、設計および用途の要件に応じて、様々な形状を有し得る。しかしながら、図面において、上部および下部コネクタ(102、8)は、正方形断面を有する形状を有する。
【0087】
一実施形態において、コネクタ本体(108、10)は、4”×4”の中空構造セクション(HSS)を受け入れるために4”角である。別の実施形態において、コネクタ本体(108、10)は、6”×6”のHSSを受け入れるために6”角である。コネクタ102および8は、意図された機能、ならびに鋳造を容易にする抜け勾配およびセクションの均一性などの詳細について十分な厚さを有する。特定の実施形態において、鋳造物は、穿設され、表面は、開口の中心と他の開口との間、ならびにブロックの面の間で測定したときに高精度にミリングされる。加えて、直角度および平行度は、同様に、高い許容差に、または好都合であり得る他の許容差に維持される。別の実施形態において、コネクタは、溶接または機械的手段によって、圧延セクションの1つ以上を、平プレートまたはブレーキ形成プレートを組み立てることによって作製される。さらなる実施形態において、部品は、非鉄、プラスチック、セメント、または任意の他の好適な材料を鋳造することによって作製される。別の実施形態において、カラムおよびアームが接続されるブロックの部分は、HSSを位置付けて、溶接を容易にするための特徴を有することができる。
【0088】
記載された実施形態の特定の適応および変更を行うことができる。したがって、上述した実施形態は例示的なものであり、限定的ではないと考えられる。
【0089】
【表1】
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20