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特許7114612投影位置合わせ付き光学イメージング装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】投影位置合わせ付き光学イメージング装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/01 20060101AFI20220801BHJP
   B60K 35/00 20060101ALI20220801BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220801BHJP
   G09G 5/38 20060101ALI20220801BHJP
   H04N 5/64 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
G02B27/01
B60K35/00 A
G09G5/00 510G
G09G5/38 Z
G09G5/00 X
H04N5/64 521P
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019544608
(86)(22)【出願日】2018-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 CN2018076855
(87)【国際公開番号】W WO2018149414
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-01-08
(31)【優先権主張番号】62/460,177
(32)【優先日】2017-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518253554
【氏名又は名称】シトロニックス テクノロジー コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】熊全賓
【審査官】鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-128450(JP,A)
【文献】特開2014-225017(JP,A)
【文献】特開2010-149733(JP,A)
【文献】特開2006-015941(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0278765(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/01
B60K 35/00
G09G 5/00
G09G 5/32
G09G 5/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動機構に配置されているハウジングと、
画像を投影するために前記ハウジング内に配置されている光学的投影装置と、
前記ハウジングの第1側壁上に配置されており、第1位置合わせビームを生成する第1位置合わせ発光装置と、
前記第1側壁上で前記第1位置合わせ発光装置の上方に配置されており、第2位置合わせビームを生成する第2位置合わせ発光装置とを備え、
前記ハウジングの位置は、前記第1位置合わせビームおよび第2位置合わせビームが可視領域で重なるときに、前記画像が可視領域に投影されるように調整される、投影位置合わせ付き光学イメージング装置。
【請求項2】
前記第1側壁上に配置されており、第1補助ビームを生成する第1補助発光装置と、
前記第1側壁上に配置されており、第2補助ビームを生成する第2補助発光装置とをさらに備え、
前記第1補助ビーム及び第2補助ビームが、前記ハウジングの調整方向を特定するために、前記第1位置合わせビームの両側に位置するように、前記第1補助発光装置および前記第2補助発光装置は、前記第1位置合わせ発光装置の両側にそれぞれ位置している、請求項1に記載の光学イメージング装置。
【請求項3】
前記ハウジングの第2側壁上に配置されており、第3位置合わせビームを生成する第3位置合わせ発光装置と、
前記ハウジングの前記第2側壁上に配置されており、第4位置合わせビームを生成する第4位置合わせ発光装置とをさらに備え、
前記ハウジングの前記位置は、前記第3位置合わせビームおよび第4位置合わせビームが前記可視領域で重なるときに、前記画像が前記可視領域に投影されるように更に調整される、請求項1に記載の光学イメージング装置。
【請求項4】
前記第2側壁上に配置されており、第3補助ビームを生成する第3補助発光装置と、
前記第2側壁上に配置されており、第4補助ビームを生成する第4補助発光装置とをさらに備え、
前記第3補助ビーム及び第4補助ビームが、前記ハウジングの調整方向を特定するために、前記第3位置合わせビームの両側に位置するように、第3補助発光装置および前記第4補助発光装置は、前記第3位置合わせ発光装置の両側にそれぞれ位置している、請求項3に記載の光学イメージング装置。
【請求項5】
前記光学的投影装置は、
前記ハウジング内に配置されている反射ミラーと、
前記ハウジング内に配置されており、前記反射ミラーの反射経路上に位置している光学投影部とを備え、
前記光学投影部が前記画像を投影するように、前記反射ミラーは前記画像を前記光学投影部に反射する、
請求項1に記載の光学イメージング装置。
【請求項6】
前記移動機構は、
前記第1側壁の外側に配置されており、複数の第1摺動部を有する第1移動部材と、
2側壁の外側に配置されており、複数の第2摺動部を有する第2移動部材とを有し、
前記第1側壁がその外側に、前記複数の第1摺動部に配置されている複数の第1接続部材を備え、
前記第2側壁がその外側に、前記複数の第2摺動部に配置されている複数の第2接続部材を備える、請求項1に記載の光学イメージング装置。
【請求項7】
前記第1移動部材および前記第2移動部材は、前記ハウジングに組み立て可能な構造であって、前記第1移動部材および前記第2移動部材は前記ハウジングの外側に組み立てられる請求項6に記載の光学イメージング装置。
【請求項8】
前記第1移動部材が第1湾曲摺動部を備え、前記第2移動部材が第2湾曲摺動部を備え、前記ハウジングが、前記第1湾曲摺動部及び前記第2湾曲摺動部に沿ってフロントガラスの曲率に対応する湾曲方向に移動する、請求項6に記載の光学イメージング装置。
【請求項9】
前記第1位置合わせ発光装置が第1基部と第1発光部材とを備え、前記第2位置合わせ発光装置が第2基部と第2発光部材とを備え、
前記第1発光部材が前記第1基部上に配置されており、前記第2発光部材が前記第2基部上に配置されており、
前記第1基部と前記第2基部とが、それぞれ、X方向に沿って前記第1側壁から突き出て配置されており、
前記第1発光部材の中心が前記第1側壁から前記X方向に沿って第1距離だけ離れており、前記第2発光部材の中心が前記第1側壁から前記X方向に沿って第2距離だけ離れており、前記第1距離が前記第2距離よりも長く、
前記X方向は、前記光学的投影装置の投影方向に垂直である請求項1に記載の光学イメージング装置。
【請求項10】
前記第1位置合わせ発光装置が第1基部と第1発光部材とを備え、前記第2位置合わせ発光装置が第2基部と第2発光部材とを備え、
前記第1発光部材が前記第1基部上に配置されており、前記第2発光部材が前記第2基部上に配置されており、
前記第1基部と前記第2基部とが、それぞれ、前記第1側壁から突き出て、Y方向に沿って配置されており、
前記Y方向に沿って前記第1発光部材と前記第2発光部材とがある距離だけ離間しており、
前記Y方向は、前記光学的投影装置の投影方向に平行である請求項1に記載の光学イメージング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、光学イメージング装置に関し、特に、投影位置合わせ付き光学イメージング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイ(HUD)は、航空機から自動車などの家庭用車両にまで普及している。運転の安全性を高めるために、従来のHUDによって提供される単純な情報では、自動車運転用の需要を満たすことができない。拡張現実(AR)HUDの技術によって、前方車間距離、車線逸脱、車線変更などを含むより多くの安全情報が運転手に提供され得る。さらに、実用性および目を引く度合を向上させて運転の安全性を向上させるため、車線マーキング、自動車、歩行者、信号機などの、運転手が見る道路の状態と上記情報が重ねられる。
【0003】
図1に示すように、運転手は道路状況を見るために、車から外側を見る。運転手の目から無限に延びる水平線は、図1において第1水平視線LH1および第2水平視線LH2として示されている。図1における第1傾斜視線L11および第2傾斜視線L12のように、上記運転手の目から延びる水平線が1度下方に傾いた場合、第1拡張範囲は約50~55メートルとなる。図1における第1傾斜視線L11および第2傾斜視線L12のように、上記運転手の目から延びる水平線が1度下方に傾いた場合、第1拡張範囲は約50~55メートルとなる。図1における第3傾斜視線L31および第4傾斜視線L32のように、上記運転手の目から延びる水平線が7度下方に傾いた場合、拡張範囲は約6~8メートルである。情報を安全かつ明確に表示するために、AR-HUDの設計用に設定された垂直方向の視野は、上記運転手の目から延びる水平線から1度の下方傾斜から7度の下方傾斜までである。垂直方向の視野範囲は約6度であり、水平方向の視野の範囲は約12度であり、これによりAR情報を提示するための表示範囲を形成する。
【0004】
とはいえ、図1に示されるように、異なる(目の)高さ、運転姿勢、および習癖により、視野は異なるものとなってしまう。例えば、運転手の第1眼球eye1と第2眼球eye2との視線の高さが異なる場合、視野が及ぶ範囲は著しく異なってしまう。図2に示すように、第1光学投影部材M1はフロントガラスWの第1投影領域A1に投影することができる。第1眼球eye1から見た場合、第1投影領域A1から反射された画像情報は道路状況に正しく重なることができる。一方、第2眼球eye2から見た場合、視線の高低差の影響により、第1投影領域からの反射像は道路状況に正しく重なることはできない。
【0005】
第1投影領域A1の位置は、光学投影部材M1の角度を調整することにより、画像の高さを調整するために変更することができる。中国特許出願公開第CN106461948A号公報の特許出願は、HUD用に同様の画像調整方法を開示している。残念ながら、光学投影部材M1の角度を調整すると、画像をフロントガラスWに投影する光学投影部材M1の角度が変化してしまう。この調整方法は、画像と道路状況とを的確に重ねることができないため、AR-HUDには適用できない。さらに、中国特許出願公開第CN106458059A号公報の特許出願は、HUD画像を自動的に調整する方法を開示している。とはいえ、複数の検出器およびシートアクチュエータを含む複雑な構造が必要とされる。また、運転手の運転姿勢が限定されてしまうので、上記HUD画像を自動的に調整する方法が適用できないことは明らかである。
【0006】
まとめると、上記の技術的欠点を考慮して、本発明は投影位置合わせ付き光学イメージング装置を提供する。光学イメージング装置により、運転手の視野が調整された位置に存在することが可能となる。ハウジングの位置は、運転手の(目の)高さに応じて調整することができる。これにより、上記光学的投影装置によって投影される画像を、運転手の可視領域内に正確に入れることができる。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、移動機構に配置されているハウジングと、画像を投影するために前記ハウジング内に配置されている光学的投影装置と、前記ハウジングの第1側壁上に配置されており、第1位置合わせビームを生成する第1位置合わせ発光装置と、前記第1側壁上に配置されており、第2位置合わせビームを生成する第2位置合わせ発光装置とを備える、投影位置合わせ付き光学イメージング装置を提供する。
【0008】
本発明の目的は、投影位置合わせ付き光学イメージング装置を提供することである。複数の位置合わせ発光素子を用いることにより、上記光学イメージング装置の位置を合わせるために、複数の位置合わせビームが発せられる。
【0009】
本発明の別の目的は、投影位置合わせ付き光学イメージング装置を提供することである。複数の位置合わせ発光素子の位置合わせを補助し、上記光学イメージング装置の投影角度の調整を確実にするために、複数の補助発光アセンブリが採用される。
【0010】
本発明は、投影位置合わせ付き光学イメージング装置に関する。ハウジングは、移動機構に配置される。第1位置合わせ発光装置および第2位置合わせ発光装置は、上記ハウジングの第1側壁上に配置される。第1位置合わせ発光装置および第2位置合わせ発光装置は、運転手が第1位置合わせビームおよび第2位置合わせビームに従って上記ハウジングの位置を合わせるように、第1位置合わせビームおよび第2位置合わせビームをそれぞれ生成する。その結果、光学的投影装置によって投影される画像が運転手の可視領域内に的確に入ることができるように、上記ハウジングを可動機構によって移動させることができる。これにより、本発明の光学イメージング装置によれば、光学的投影装置によって投影される画像が運転手の可視領域内に的確に入るように、運転手の(目の)高さに応じて上記ハウジングの位置を調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】可視領域の概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る光学イメージング装置の概略図である。
図3A】本発明の一実施形態に係る光学イメージング装置の斜視図である。
図3B】本発明の一実施形態に係る光学イメージング装置の別の斜視図である。
図3C】本発明の一実施形態に係る光学イメージング装置の側面図である。
図3D】本発明の一実施形態に係る光学イメージング装置の断面図である。
図3E図3Dの一部の領域の拡大図である。
図4A】本発明の一実施形態に係る光学イメージング装置の上面図である。
図4B図4Aの領域Aの拡大図である。
図4C図4Aの領域Bの拡大図である。
図4D】本発明の一実施形態に係る光学イメージング装置のブロック図である。
図5A】本発明の一実施形態に係る、画像を投影する光学イメージング装置の概略図である。
図5B】本発明に係る、第1可視領域に画像を投影する光学イメージング装置の概略図である。
図5C】本発明に係る、第2可視領域に画像を投影する光学イメージング装置の概略図である。
図6A】本発明の一実施形態に係る、位置合わせビームを投影する光学イメージング装置の概略図である。
図6B】本発明の一実施形態に係る、第1可視領域を超える光学イメージング装置の概略図である。
図6C】本発明の一実施形態に係る、第1可視領域に位置合わせされた光学イメージング装置の概略図である。
図7A】本発明の他の実施形態に係る光学イメージング装置の斜視図である。
図7B】本発明の他の実施形態に係る光学イメージング装置の別の斜視図である。
図7C】本発明の他の実施形態係る光学イメージング装置の側面図である。
図8A】本発明に係る、第1可視領域に画像を投影する光学イメージング装置の概略図である。
図8B】本発明に係る、第2可視領域に画像を投影する光学イメージング装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図3A図3Dを参照されたい。図3A図3Dは、本発明に係る光学イメージング装置の斜視図、側面図、および断面図である。図3A図3Dに示すように、本実施形態に係る光学イメージング装置10は、ハウジング14と光学的投影装置16とを備える。本実施形態に係るハウジング14は、開口部Oを有する。さらに、複数の第1接続部材142aがハウジング14の第1側壁142上に配置されており、複数の第2接続部材144aがハウジング14の第2側壁144上に配置されている。本実施形態に係る光学的投影装置16は、反射ミラー162と、光学投影部164とを備えるが、これらに限定されない。
【0013】
上記ハウジングは、第1移動部材122および第2移動部材124を備える可動機構12に配置される。第1移動部材122は、第1側壁142の外側に配置され、複数の摺動部122aを備える。第1側壁142は、その外側に、複数の第1摺動部122aに配置された複数の接続部材142aを備える。
【0014】
第2移動部材124は、第2側壁144の外側に配置され、複数の摺動部124aを含む。第2側壁144は、その外側に、複数の第2摺動部124aに配置された複数の接続部材144aを備える。第1接続部材142aの数、第1摺動部122aの数、第2接続部材144aの数、および第2摺動部124の数は、例えば、2つである。とはいえ、それらの数は、1つまたは3つ以上であってもよい。本発明では、上記数は2つに限定されない。また、本実施形態に係る第1摺動部122aは、複数の第1接続部材142aを配置するための水平摺動溝であり、本実施形態に係る第2摺動部124aは、複数の第2接続部材144aを配置するための水平摺動溝である。さらに、第1移動部材122および第2移動部材124は、ハウジング14の外側に組み付けられた組立構造である。
【0015】
再び図3Aから図3Dを参照されたい。光学的投影装置16は、(図5Aに示す投影経路として)画像を投影するためにハウジング内に配置される。第1位置合わせ発光装置LGT1は、第1側壁142上に配置され、第1位置合わせビームL1を生成している。第2位置合わせ発光装置LGS1は、第1側壁142上に配置され、第1位置合わせ発光装置LGT1の上方に位置している。そして、第2位置合わせ発光装置LGS1は、第2位置合わせビームL2を生成している。
【0016】
本実施形態による光学イメージング装置10は、第1補助発光装置LG1および第2補助発光装置LG2をさらに備えることができる。第1補助発光装置LG1および第2補助発光装置LG2はいずれも、第1側壁142に配置され、第1補助発光装置LG1は第1の補助ビームR1を生成し、第2補助発光装置LG2は第2補助ビームR2を生成する。第1補助発光装置LG1および第2補助発光装置LG2は、第1位置合わせ発光装置LGT1の両側にそれぞれ位置する。
【0017】
再び図3Bを参照されたい。本発明に係る光学イメージング装置10は、第1側壁142上に第1位置合わせ発光素子LGT1および第2位置合わせ発光素子LGS1を配置することに加えて、第2側壁144上に第3位置合わせ発光素子LGT2および第4位置合わせ発光素子LGS2をさらに配置することができる。第3位置合わせ発光装置LGT2は第3位置合わせビームL3を生成し、第4位置合わせ発光装置LGS2は第4位置合わせビームL4を生成する。
【0018】
第2側壁144上には、第3補助発光装置LG3および第4補助発光装置LG4がさらに配置されている。第3補助発光装置LG3は第3補助ビームR3を生成し、第4補助発光装置LG4は第4補助ビームR4を生成する。また、第3補助発光装置LG3および第4補助発光装置LG4は、発光装置LGT2の両側にそれぞれ位置する。
【0019】
再び図3Dを参照されたい。光学イメージング装置10において、反射ミラー162は、ハウジング14内に配置されている。光学投影部164は、ハウジング14内に配置され、反射ミラー162の反射経路上に位置している。光学投影部164が画像IMGを投影することができるように、反射ミラー162は、図5Aに示すように、画像IMGを光学投影部164に反射する。
【0020】
さらに、光学イメージング装置10は、モータのような作動装置であり得るアクチュエータ20をさらに備える。上記アクチュエータは、ガイド部材146を貫通する作動軸202を備える。ガイド部材146は、ハウジング14に接続されている。これにより、作動軸202を回転させることによってガイド部材146が直線移動するようにアクチュエータ20が駆動すると、複数の第1接続部材142aおよび複数の第2接続部材144aは、複数の第1摺動部122aおよび複数の第2摺動部124aに沿って直線移動することができる。
【0021】
図4A図4Cを参照されたい。図4A図4Cは、本発明の一実施形態に係る光学イメージング装置の上面図である。図示するように、ハウジング14の第1側壁142および第2側壁144は、第1位置合わせ発光装置LGT1、第2位置合わせ発光装置LGS1、第3位置合わせ発光装置LGT2および第4位置合わせ発光装置LGS2を備える。第1位置合わせ発光装置LGT1は、第1基部LGT12と第1発光部材LGT14とを備える。第1発光部材LGT14は、第1基部LGT12上に配置されている。第2位置合わせ発光装置LGS1は、第2基部LGS12と第2発光部材LGS14とを備える。第3位置合わせ発光装置LGT2は、第3基部LGT22と第3発光部材LGT24とを備える。第4位置合わせ発光装置LGS2は、第4基部LGS22と、第4発光部材LGS24とを備える。
【0022】
再び図4Bを参照されたい。第1基部LGT12および第2基部LGS12はそれぞれ、X方向に沿って第1側壁142から突き出て配置されている。第1発光部材LGT14の中心および第2発光部材LGS14の中心は、X方向に沿って第1側壁142からそれぞれ第1距離D1および第2距離D2離れている。第1距離D1は第2距離D2よりも長い。これにより、第1発光部材LGT14によって生成された第1位置合わせビームL1が第2基部LGS12によって遮られるのを回避するために、第1発光部材LGT14の中心と第2発光部材LGS14の中心とは、第1中心距離DD1離されている。
【0023】
さらに、再び図4Cを参照されたい。第3基部LGT22および第4基部LGS22は、第1基部LGT12および第2基部GS12と同様に配置される。第1発光部材LGT14および第2発光部材LGS14と同様に、第3発光部材LGT24の中心および第4発光部材LGS24の中心は、第2側壁144からそれぞれ第3距離D3および第4距離D4離れている。第3距離D3は第4距離D4よりも長い。これにより、第3発光部材LGT24によって生成された第3位置合わせビームL3が第4基部LGS22によって遮られるのを回避するために、第3発光部材LGT24の中心と第4発光部材LGS24の中心とは、第2中心距離DD2離されている。さらに、第1距離D1は、第3距離D3と同一であっても異なっていてもよく、第2距離D2は第4距離D4と同一であっても異なっていてもよい。第1基部LGT12および第2基部LGS12は、X方向に沿って第1側壁142から突き出て配置されている。再び図3Eを参照されたい。第1基部LGT12と第2基部LGS12とは、Y方向に沿って距離DY離れている。第3基部LGT22および第4基部LGS22も、第1基部LGT12および第2基部LGS12と同様に配置される。したがって、詳細について再説明はしない。X方向は、Y方向および光学投影部164の投影方向に対して垂直である図4Dに示すように、光学イメージング装置10はさらに、ディスプレイ18と、アクチュエータ20と、第1位置合わせ発光素子LGT1と、第2位置合わせ発光素子LGS1と、第3位置合わせ発光素子LGT2と、第4位置合わせ発光素子LGS2とに電気的に接続された制御回路CTRを備える。制御回路CTRはさらに、第1補助発光装置LG1と、第2補助発光装置LG2と、第3補助発光装置LG3と、および第4補助発光装置LG4とに電気的に接続することができる。制御回路CTRは、ディスプレイ18およびアクチュエータ20だけでなく、第1位置合わせ発光装置LGT1、第2位置合わせ発光装置LGS1、第3位置合わせ発光装置LGT2および第4位置合わせ発光装置LGS2と、第1補助発光装置LG1、第2補助発光装置LG2、第3補助発光装置LG3および第4補助発光装置LG4とのスイッチも制御する。
【0024】
さらに、図5A図5Cに示すように、本発明に係る光学イメージング装置10のディスプレイ18は、反射経路RFに沿って反射ミラー162を介して光学投影部164に反射される画像IMGを生成する。これにより、視覚光路P1に従って、画像IMGが投影される。視覚光路P1とハウジング14が移動する直線方向とが成す角度θは一定に保たれる。投影像IMGがフロントガラスWに反射された後、視覚光路P1に対応する反射光路P2が形成される。高さが異なる第1眼球eye1と第2眼球eye2のそれぞれは、視覚光路P1と反射光路P2とに対応する。これにより、光学イメージング装置10が直線移動した後、第1投影領域A1に投影された画像IMGおよび第2投影領域A2に投影された画像IMGは、対応する第1可視領域V1および対応する第2可視領域V2にそれぞれ反射される。その結果、第1眼球eye1は第1可視領域V1において投影画像IMGを見ることができ、第2眼球eye2は、第2可視領域V2において投影画像IMGを見ることができる。
【0025】
本実施形態では、第1眼球eye1に対応する位置合わせを例として挙げる。図6A図6Cに示すように、第1位置合わせ発光装置LGT1および第2位置合わせ発光装置LGS1が、運転手の視線から見て重っていると仮定する。重なり合った位置合わせビームL1、L2を表すために、位置合わせ光路P3が用いられる。重なり合った位置合わせビームL1、L2は、フロントガラスWによって反射された後、位置合わせ反射経路P4に沿って進む。図6Bに示すように、位置合わせ反射経路P4は、第1眼球eye1に対応する第1可視領域V1内には入らない。これは、位置合わせビームL1、L2は、第1可視域V1外にあることを意味する。これにより、第1可視領域V1の第1眼球eye1は、重なり合った位置合わせビームL1、L2を見ることができない。
【0026】
このとき、第1位置合わせ発光装置LGT1によって別の角度から生成された第1ビームP32と、第2位置合わせ発光装置LGS1によって別の角度から生成された第2ビームP34とは、第1投影領域A1内に投影されて、第1可視領域V1に入射することができる。その結果、第1眼球eye1は、第1位置合わせ発光装置LGT1および第2位置合わせ発光装置LGS1からの対応光点を第1可視領域V1内に見ることができる。これにより、第1眼球eye1に対応する運転手は、光学イメージング装置10によって投影された画像IMGが第1可視領域V1外に投影されることを知ることができる。
【0027】
図6Cに示すように、運転手が位置合わせおよび調整を行った後、アクチュエータ20は第1位置合わせ用発光装置LGT1の対応光点と第2位置合わせ用発光装置LGS1の対応光点とが重なるように、ハウジング14の位置を調整する。このとき、位置合わせ光路P3は、視覚光路P1に重なる。図6Cにおいて、視覚光路P1への重複を説明するため、位置合わせ光路P3のみに符号を付す。さらに、位置合わせ反射光路P4も反射光路P2と重なっている。これにより、第1眼球eye1は、第1可視領域V1内に重なり合った位置合わせビームL1、L2を視認することができる。その結果、第1眼球eye1に対応する運転手は、光学イメージング装置10によって投影される画像IMGが第1可視領域V1内に投影されることを知ることができる。第2眼球eye2用の位置合わせ方法は、上述した眼球eye1の位置合わせ方法と同様である。したがって、詳細について再説明はしない。
【0028】
さらに、同様に、第1補助発光装置LG1および第2補助発光装置LG2によってそれぞれ生成される第1補助ビームR1および第2補助ビームR2は、第1可視領域V1に入り、運転手がハウジング14の調整方向を判断するのを助けるために運転手の目に光点を形成することができる。これにより、運転手は、アクチュエータ20を用いて、第1位置合わせ発光装置LGT1および第2位置合わせ発光装置LGS1の対応光点を重ねることができる。一方、第1位置合わせ発光装置LGT1および第2位置合わせ発光装置LGS1は、異なる色の光を発することができる。あるいは、第1補助発光素子LG1および第2補助発光素子LG2が第1位置合わせ発光装置LGT1および第2位置合わせ発光素子LGS1の色とは異なる色の光を発することができる。両方とも、運転手がハウジングの調整方向を特定するのを効果的に補助することができる。
【0029】
図7A図7Cを参照されたい。図7A図7Cは、本発明の他の実施形態に係る光学イメージング装置の斜視図および側面図である。図3A図3C図7A図7Cとの相違点は、図3A図3Cに示す第1移動部材122の第1摺動部122aおよび第2移動部材124の第2摺動部124aが直線移動し、ハウジング14の第1接続部材142aおよび第2接続部材144aが、第1移動部材122の第1摺動部122aおよび第2移動部材124の第2摺動部124aにそれぞれ配置されていることである。図7A図7Cにおいては、第1移動部材222が第1湾曲摺動部222bを備え、第2移動部材224は第2湾曲摺動部224bを備える。第1湾曲摺動部222bおよび第2湾曲摺動部224bは共に非線形である。残りの第1摺動部222aおよび第2摺動部224aは、直線状のままである。さらに、アクチュエータ30は、作動軸302を介して摺動ブロック32に接続されている。摺動ブロック32は、摺動部材246に沿って摺動する。摺動部材246は、枢動部材248を介してハウジング24に枢動可能に接続されている。
【0030】
図7A図7Cに示すように、フロントガラスは、平面に加えて、曲面であってもよい。湾曲フロントガラスに適合するために、第1移動部材222の第1湾曲摺動部222bおよび第2移動部材224の第2湾曲摺動部224bは、非線形に移動する。代わりに、第1湾曲摺動部222bおよび第2湾曲摺動部224bは、湾曲方向に移動する。これにより、アクチュエータ30が作動軸302の回転により摺動部材264を作動させると、ハウジング24の対応する第1接続部材242bおよび第2湾曲接続部材244bが湾曲方向に移動できる。
【0031】
作動軸302は、摺動ブロック32を貫通している。摺動ブロック32は、摺動部材264の摺動トラック264aに沿って摺動する。これにより、第1移動部材222および第2移動部材224が固定されている場合、摺動部材264を有するハウジング24の一方の側は、第1湾曲接続部材242bおよび第2湾曲接続部材244bの曲線運動に追従して曲線運動する。したがって、直線移動に加えて、ハウジング24は、光学的投影装置16の投影角度を調整するように曲線運動し、湾曲フロントガラス用に光学画像を適合させることができる。図8Aおよび図8Bに示すように、アクチュエータ30が作動軸302を回転させると、光学イメージング装置10は、第1曲線運動方向C1に向かって動き、これにより、湾曲フロントガラスWaの曲率に適合する。光学イメージング装置10が、第2曲線運動方向C2に向かって動くと、第2曲線運動方向C2も湾曲フロントガラスWaの曲率に適合する。
【0032】
要約すると、本発明に係る投影位置合わせ付き光学イメージング装置は、複数の位置合わせビームを生成するために、ハウジングの側壁に配置される複数の位置合わせ発光素子を採用する。上記複数の位置合わせビームは、光学イメージング装置によって投影される画像を可視領域に正しく調整するために運転手によって参照される。これにより、本発明に係る光学的投影装置は、異なる視高の可視領域に画像を投影することができる。さらに、本発明に係る光学的投影装置は、平坦または湾曲フロントガラスに適合するように移動機構を変更することができる。この移動機構においては、フロントガラスの種類に応じて、ハウジングが所定の方向に移動することができる。したがって、本発明に係る光学的投影装置は、高価なセンサまたは複雑な調整機構を使用することなく、画像と道路状態とを正確に重ね合わせる際に、AR-HUDに求められる必要条件を満たすことができる。
【0033】
したがって、本発明はその新規性、非自明性、および有用性により、法的要件に適合する。しかし、前述の説明は、本発明の実施形態に過ぎず、本発明の範囲および幅を限定するために用いられるものではない。本発明の特許請求の範囲に記載された形状、構造、特徴、または精神に従ってなされた同等の変更または修正は、本発明の特許請求の範囲に含まれる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B