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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】カードリーダー
(51)【国際特許分類】
   G06K 7/10 20060101AFI20220801BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20220801BHJP
   G07C 9/20 20200101ALI20220801BHJP
   E05B 49/00 20060101ALN20220801BHJP
【FI】
G06K7/10 264
G08B23/00 510A
G06K7/10 232
G07C9/20
E05B49/00 K
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020160745
(22)【出願日】2020-09-25
(62)【分割の表示】P 2016040542の分割
【原出願日】2016-03-03
(65)【公開番号】P2021047865
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2020-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003403
【氏名又は名称】ホーチキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079359
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 進
(72)【発明者】
【氏名】増田 誠良
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 太郎
(72)【発明者】
【氏名】品川 英之
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 大介
(72)【発明者】
【氏名】持田 賢二
(72)【発明者】
【氏名】小島 拓朗
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-123433(JP,A)
【文献】特開2004-252208(JP,A)
【文献】特開2009-205602(JP,A)
【文献】国際公開第2009/107369(WO,A1)
【文献】特開2010-133182(JP,A)
【文献】特開2007-072848(JP,A)
【文献】特開2005-202856(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0079647(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 7/00- 7/14
G08B 23/00
G07C 9/20
E05B 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が携帯するカード媒体に記録された情報を読取って電気錠を解錠させるカードリーダーに於いて、
カードリーダー筐体の正面の、当該正面全体の領域を占めない一部の領域に位置するカード読取面に、当該カード読取面の一部を枠取る形状をもつ表示部を複数備え
前記表示部は、他の表示部とは分離した状態で前記カード読取面の周囲に配置され、全ての表示部によりカード読取面を枠取る形状となることを特徴とするカードリーダー。
【請求項2】
請求項1記載のカードリーダーに於いて、
前記表示部は、ライトガイドにより構成されることを特徴とするカードリーダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が携帯するカード媒体に記録された利用者識別情報を読取って電気錠を解錠させる入退出管理システムに設けたカードリーダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフィスビルや工場等の施設にあっては、入退出管理システムが設置されている。入退出管理システムは、例えば建物の階毎に設置したローカル制御盤からの信号線に部屋の入り口扉の外側に設置されたカードリーダーを接続すると共に扉に設けた電気錠を接続している。ローカル制御盤は、伝送路を介して警備室などに設置されたセンター装置や総務部等の管理部門に設置されたクライアント装置に接続されている。
【0003】
施設や部屋等に出入りする社員等の在籍者は利用者識別情報を登録した例えば非接触ICカードを携帯しており、カードリーダーに非接触ICカードをかざすことで利用者識別情報を読取ってローカル制御盤に送り、ローカル制御盤で事前登録している利用者識別情報との照合一致が得られた場合に電気錠を解錠し、扉を開いて出入りできるようにしている。
【0004】
図9は従来のカードリーダーを示した説明図であり、図9(A)は正面を示し、図9(B)は埋込設置した側面を示す。
【0005】
図9に示すように、従来のカードリーダー100は、本体102とカバー104で構成され、カバー104の表側となる操作表示面106の下側にカード読取部108を配置し、上側に、表示部と操作部を設けている。表示部には、読取表示灯110、解錠表示灯112、警戒・発報表示灯114、戸締表示灯116及び電源灯118が設けられ、操作部には警戒設定スイッチ120と警戒解除スイッチ122が設けられている。
【0006】
カードリーダー100は例えば埋込ボックス124により、電気錠を備えた扉を設けた出入口の外側の壁面に埋込み設置されている。
【0007】
平日の出勤時間帯は、管理責任者が管理者カードの読取りを伴う警戒解除スイッチ122の操作を行うことにより警戒モードが解除されており、この状態で、出勤者が携帯している非接触ICカードをカード読取部108にかざすと、読取表示灯110が一時的に点灯すると共に読取音が出力され、認証に成功すると扉の電気錠が解錠され、解錠表示灯112が一時的に点灯する。
【0008】
勤務時間帯等が過ぎた場合には、管理責任者が管理カードの読取りを伴う警戒設定スイッチ120の操作を行うことにより警戒モードが設定され、警戒・発報表示灯114が点灯し、非接触ICカードの読取りによる電気錠か解錠が禁止された状態となる。
【0009】
警戒モードが設定された夜間や休日には、警備担当者が定期的に建物内を巡回することがあり、巡回中は主にカードリーダー100の警戒・発報表示灯114が正常に点灯していることをみながら、異常がないか確認している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2002-298183号公報
【文献】特開2001-020574号公報
【文献】特開2013-229031号公報
【文献】特開2007-229108号公報
【文献】登録実用新案第3175103号公報
【文献】特開2010-108461号公報
【文献】韓国公開特許第10-2010-0097561号公報
【文献】特開2005-084794号公報
【文献】特開2000-067333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、このような従来の入退出管理システムに設けたカードリーダーにあっては、カードリーダーの使用者又は警備担当者の巡回中の確認等のカードリーダーの表示状態を確認する際に、カードリーダーの正面となる操作表示面106に各種の表示灯を設けているため、確認したい表示灯に対する視認性が悪く、カードリーダーの状態の確認がスムーズに行われないおそれがある。
【0012】
本発明は、カードリーダーの使用者又は巡回中の警備担当者等が表示状態を視認しやすくして、迅速且つ適切にカードリーダーの状態を認識可能とする入退出管理システムに設けたカードリーダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(カードリーダー)
本発明は、利用者が携帯するカード媒体に記録された情報を読取って電気錠を解錠させるカードリーダーに於いて、
カードリーダー筐体の正面の、当該正面全体の領域を占めない一部の領域に位置するカード読取面に、当該カード読取面の一部を枠取る形状をもつ表示部を複数備え
表示部は、他の表示部とは分離した状態でカード読取面の周囲に配置され、全ての表示部によりカード読取面を枠取る形状となることを特徴とする。
【0014】
ライトガイド
表示部は、ライトガイドにより構成される
【発明の効果】
【0016】
(基本的な効果)
本発明は、利用者が携帯するカード媒体に記録された情報を読取って電気錠を解錠させるカードリーダーに於いて、カードリーダー筐体の正面の、当該正面全体の領域を占めない一部の領域に位置するカード読取面に、当該カード読取面の一部を枠取る形状をもつ表示部を複数備え、表示部は、他の表示部とは分離した状態でカード読取面の周囲に配置され、全ての表示部によりカード読取面を枠取る形状となり、具体的には表示部はライトガイドにより構成されるようにしたため、カード読取面を枠取る形状といった平面パターンより視認性の高い表示をすることができ、迅速且つ適切にカードリーダーの状態を認識可能とする。またデザイン的にも強い印象を与えることができ、意匠的な効果を高めることができる。
【0017】
(読取表示灯と解錠表示灯による効果)
また、表示部は、上下に分離した表示灯を備え、分離した表示灯のうちの一方は、カード媒体の読取り結果に基づく表示を行う読取表示灯であり、分離した表示灯のうちの他方は、電気錠の解錠状態に基づく表示を行う解錠表示灯であるため、カードリーダーの正面から行うカード媒体の読取り操作に関する読取表示灯と解錠表示灯をカードリーダー筐体の正面の表示部に割り当てることで読取り操作の際に使用者が容易に認識でき、また、読取表示灯と解錠表示灯は、視認性の高いカード読取り面を枠取る形状で、かつ両者の表示場所が明確に区分された状態であり、読取表示灯による表示と解錠表示灯による表示を見誤ることがない。
【0018】
(警戒・発報表示灯による効果)
また、カードリーダーの所定の異常状態に基づく表示を行う警戒・発報表示灯が、表示部とは別にカードリーダー筐体の両側面の各々に設けられ、正面及び側方から視認可能であるため、カードリーダーの正面の見える位置に行かなくとも離れた位置から異常表示を容易に確認し、迅速且つ適切な対応でき、また、カード媒体の読取り操作に関する表示場所と明確に区分された状態であり、読取表示灯及び解錠表示灯による表示と警戒・発報表示灯による表示を見誤ることがない。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】カードリーダーの実施形態を正面及び両側面から示した説明図
図2】カードリーダーの実施形態を正面及び背面から示した斜視図
図3】カードリーダーの組立分解構造を示した説明図
図4】入退出管理システムの概要を示した説明図
図5】カードリーダーの機能構成を示したブロック図
図6】カードリーダーの状態に対する表示色と表示パターンを一覧で示した説明図
図7】カードリーダーの表示パターンを示したタイムチャート
図8】カードリーダーの他の実施形態を示した説明図
図9】従来のカードリーダーを示した説明図
【発明を実施するための形態】
【0020】
[カードリーダー]
(カードリーダーの構造)
図1はカードリーダーの実施形態を正面及び両側面から示した説明図、図2はカードリーダーの実施形態を正面及び背面から示した斜視図、図3はカードリーダーの組立分解構造を示した説明図である。
【0021】
図1乃至図3に示すように、本実施形態のカードリーダー10は、内カバー12と外カバー14によりカードリーダー筐体を構成している。
【0022】
外カバー14には、図3の組立分解構造に示すように、透明パネル32、静電容量スイッチシート34、ライトガイド26a,28a、RF基板36aとCPU基板36bをスペーサを介して2段に配置した回路基板36のうちのRF基板36a側を積層状態で固定することで本体アッセンブリィ11を構成し、本体アッセンブリィ11に対し内カバー12を嵌め込むことで、図2(B)の裏面からの斜視図に示すように固定している。なお、RF基板36aにはアンテナコイル37が配置され、CPU基板36bの裏側にはコネクタ38が配置される。更に、内カバー12は通し穴17を介してねじ19を嵌め入れることで、図示しない取付ボックス側に固定される。
【0023】
図1に示すように、外カバー14の正面には表示操作パネル16が設けられ、操作部として、上部に警戒設定キースイッチ20と警戒解除キースイッチ22を配置し、その下側にテンキー30を配置している。テンキー30は「1,2,3,4,5,6,7,8,9,*,0.#」で示す12個のキースイッチを4行3列に配列している。なお、図2(A)の表示操作パネル16のキースイッチの表示は省略している。
【0024】
これらのキースイッチは、図3に示した静電容量スイッチシート34を用いることで実現されている。静電容量スイッチシート34には、警戒設定キースイッチ20、警戒解除キースイッチ22及び下側にテンキー30に対応して14個の静電容量スイッチ35が点線で示すように配置されている。
【0025】
また、カードリーダー10の表示部として、外カバー14の側面両側に警戒・発報表示灯24を設けている。警戒・発報表示灯24は、正面、側面方向及び斜め方向から視認可能としている。また、警戒・発報表示灯24は、外カバー14の側面上部に配置しており、これにより警戒・発報表示灯24は可能な限り高い位置に配置されることで、遠方からの視認をより行い易くなるようにしている。
【0026】
側面配置された警戒・発報表示灯24は、本実施形態にあっては、赤LED、緑LED及び青LEDを発光源として図3の回路基板36に配置しており、その3色の光度の組合せにより、いかなる色でも表示可能としている。
【0027】
また、カードリーダー10には、警戒・発報表示灯24に加え、正面の表示操作パネル16に、警戒設定キースイッチ20、警戒解除キースイッチ22及びテンキー30を配置した操作部を囲む枠形を上下に分割した表示形態をもつ読取表示灯26と解錠表示灯28を上下に分けて配置している。
【0028】
読取表示灯26と解錠表示灯28は、図3に示した、上下に分離した矩形枠取り形状をもつライトガイド26a,28aを静電容量スイッチシート34と回路基板36の間に配置することにより実現され、ライトガイド26a,28aに対して本実施形態にあっては、青LEDと赤LEDを図3の回路基板36に配置しており、青と赤の2色発光を可能としている。
【0029】
[入退出管理システム]
図4は入退出管理システムの概略を示した説明図である。図4に示すように、オフィスビルや工場等の施設に設置された入退出管理システムは、センター装置40、クライアント42、ローカル制御盤46、入退室用カードリーダー10a、出勤用カードリーダー10b、退勤用カードリーダー10c及び電気錠48で構成される。
【0030】
入退室用カードリーダー10a、出勤用カードリーダー10b及び退勤用カードリーダー10cは、図1乃至図3の実施形態に示したカードリーダー10が用いられる。なお、入退室用カードリーダー10a、出勤用カードリーダー10b及び退勤用カードリーダー10cを区別する必要がない場合は、単にカードリーダー10という場合がある。
【0031】
センター装置40は警備室等に設置され、またクライアント42は入退出管理業務を行う総務部門等に設置される。ローカル制御盤46は例えば施設の階毎に分けて設置している。ローカル制御盤46はセンター装置40及びクライアント42とLAN44により接続されている。また、センター装置40には、図示しない防犯センサを備えた防犯システムからの防犯移報信号や火災感知器を備えた火災報知システムからの火災移報信号がLAN44又は移報信号線を介して入力される。
【0032】
入退室用カードリーダー10aは各部屋の出入口となる扉の外側に配置されており、また、扉には電気錠48が設けられている。入退室用カードリーダー10a及び電気錠48は同じ階に設置しているローカル制御盤46からの信号線に接続されている。
【0033】
出勤用カードリーダー10bと退勤用カードリーダー10cは施設の出入口等に設置され、出入口に対応したローカル制御盤46からの信号線に接続されている。
【0034】
入退室用カードリーダー10a、出勤用カードリーダー10b及び退勤用カードリーダー10cは、利用者の携帯する非接触ICカード等に記録された所定の利用者識別情報を読取って事前登録した利用者識別情報と照合し、照合一致により認証成功を判別した場合に認証信号をローカル制御盤46へ送信する。
【0035】
ローカル制御盤46は出勤用カードリーダー10b及び退勤用カードリーダー10cから認証信号を受信した場合は、LAN44を介してセンター装置40に認証信号を送信し、センター装置40で管理している入退出情報に出勤時刻又は退勤時刻を記録させる。また、ローカル制御盤46は入退室用カードリーダー10aから認証信号を受信した場合は、対応する出入口に設けた電気錠48へ制御信号を出力して解錠制御し、入退室を可能とする。
【0036】
入退出管理システムは、平日の勤務時間帯は警戒解除モードを設定して動作しており、平日の勤務時間帯以外の時間帯、休日、祭日については、警戒モードを設定して動作している。
【0037】
入退出管理システムの警戒解除モードは、利用者の携帯する非接触ICカードのカードリーダー10による読取りで電気錠48を解錠する制御を可能とするモードであり、一方、警戒モードは、カードリーダー10により利用者の携帯する非接触ICカードを読取りにより電気錠48を解錠する制御を禁止するモードであり、併せて、防犯システムの防犯センサが監視状態となる。
【0038】
入退出管理システムにおける警戒モードと警戒解除モードの設定は、例えば、管理責任者が保有している管理用非接触ICカードを使用して行うことできる。警戒モードは、図1に示したカードリーダー10の警戒設定キースイッチ20を操作し、続いて、管理用非接触ICカードをかざして読取らせることで設定できる。また、警戒解除モードは、図1に示したカードリーダー10の警戒解除キースイッチ22を操作し、続いて、管理用非接触ICカードをかざして読取らせることで設定できる。また、警戒モードと警戒解除モードはセンター装置40の操作によっても設定できる。
【0039】
[カードリーダーの機能構成概略]
図5はカードリーダーの機能構成を示したブロック図である。図5に示すように、カードリーダー10は、制御部52、伝送部42、操作部56、表示部58、リーダーライタ部60、音響出力部62、マグネット66と組合せ配置したホール素子64で構成される。
【0040】
制御部52はCPU、メモリ、各種の入出力ポートを備えたコンピュータ回路で構成しており、プログラムの実行により所定の制御を行う。伝送部42は所定の通信プロトコルに従って図4に示したローカル制御盤46との間で各種コマンドを含む信号の送受信を行う。
【0041】
操作部56には、警戒設定キースイッチ20、警戒解除キースイッチ22及びテンキー30が設けられており、図3に示した静電容量スイッチシート34の静電容量スイッチ35で実現される。表示部58には、一対の警戒・発報表示灯24、読取表示灯26及び解錠表示灯28が設けられる。
【0042】
リーダーライタ部60は図3の回路基板36に設けたアンテナコイル37とその送受信回路を備えており、アンテナコイル37には例えば13.56MHzの発信信号を増幅して加えることで交流磁界を発生しており、非接触ICカード50が近接すると電磁誘導により電力を供給して動作させることで、非接触ICカード50から固有の利用者情報を読取る。
【0043】
音響出力部62はスピーカと駆動回路を備え、カード読取音等を出力する。ホール素子64はマグネット66との組合せによりタンパスイッチを構成している。ホール素子64は図3の回路基板36に設けられ、マグネット66はホール素子64に相対した内カバー12に配置され、正常な状態では、マグネット66の磁界をホール素子64により検出してタンパスイッチをオンとしている。これに対し悪戯等により、外カバー14に一体化している本体アッセンブリィ11を内カバー12から外した場合、ホール素子64によるマグネット66の磁界検出が断たれ、タンパスイッチをオフにより異常を検出する。
【0044】
[カードリーダーの表示制御]
カードリーダー10の制御部52は、非接触ICカード50の読取りによる電気錠の解錠制御及び入退出管理システムに関する各種の制御に加え、表示部58に設けている警戒・発報表示灯24、読取表示灯26及び解錠表示灯28の表示制御を行う。警戒・発報表示灯24は、赤、緑、青の3色LEDであり、その3色の光度の組合せにより、いかなる色でも表示可能である。
【0045】
(警戒・発報表示灯の表示制御)
制御部52は、警戒・発報表示灯24をカードリーダー10における所定の内部状態又は図4のローカル制御盤46から受信したコマンド信号による所定の外部状態を検出した場合に、検出した状態に対応した所定の発光色と発光パターンの組合せにより駆動して識別表示させる制御を行う。
【0046】
図6はカードリーダーの状態に対する表示色と表示パターンを一覧で示した説明図であり、警戒・発報表示灯24、読取表示灯26及び解錠表示灯28に分けて示している。また、図7はカードリーダーの表示パターンを示したタイムチャートであり、早点滅、遅点滅、2秒周期点滅、4秒周期点滅に分けて示している。なお、4秒周期点滅には、点灯から始まるオンタイムのパターンと、消灯から始まるオフタイムのパターンがあり、どちらを使用しても良い。
【0047】
図6に示す警戒・発報表示灯24の表示制御は、種別の欄に示す内部状態とコマンド受信に大別される。内部状態の表示は、タンパー異常、キー押しっぱなしエラー、カードモジュール通信エラーといったカードリーダー10の障害を示す表示となる。
【0048】
これに対しローカル制御盤46からのコマンド受信は、入退出管理システムで警戒モードを設定した場合の外部状態、即ちシステム状態を示す表示となる。このコマンド受信によるシステム状態の表示は、火災発生、盗難発報、警戒中での巡回終了、警戒中での巡回中、未警戒での巡回中、警戒解除エラー、警戒開始エラー、入館タイマ起動、退館タイマ起動、平常時(未警戒で巡回終了)、複数の防犯センサをループ接続した場合のループ閉を示す表示となる。
【0049】
このため、入退出管理システムが警戒解除モードにある場合、カードリーダー10の警戒・発報表示灯24は消灯しているが、警戒モードを設定すると警戒・発報表示灯24は緑点灯し、警戒モードにあることを識別表示させる。
【0050】
また警戒モードの設定中に警備担当者が巡回する場合には、例えばセンター装置40で巡回モードを設定すると、カードリーダー10の警戒・発報表示灯24は黄点灯し、巡回中であることを識別表示する。
【0051】
警備担当者による巡回中、建物の廊下に沿って配置されている部屋の扉外側に配置しているカードリーダー10の警戒・発報表示灯24は黄点灯しており、警備担当者は廊下の見渡せる位置に設置している複数のカードリーダー10について、その場所に行かなくとも遠方から黄点灯にあることを確認できる。このため何れかのカードリーダー10で例えばタンパー異常が検出されていた場合には、その警戒・発報表示灯24が赤早点滅となり、警備担当者は、赤早点滅による表示を遠方から確認してタンパー異常を知り、必要な対応を迅速且つ適切にとることが可能となる。
【0052】
また、警備担当者の巡回中に、火災が発生した場合には、火災報知システムからの火災移報信号がセンター装置40などで受信され、カードリーダー10にローカル制御盤46を介して火災移報コマンド信号が送られ、これにより警戒・発報表示灯24が赤橙早点滅(赤と橙を交互に早点滅)により火災発生を識別表示し、警備担当者は、見渡せる範囲にある複数のカードリーダー10の側面に配置した警戒・発報表示灯24が一斉に赤橙早点滅することで火災発生を知り、必要な対応を迅速且つ適切にとることが可能となる。
【0053】
(読取表示灯の表示制御)
制御部52は、青LEDと赤LEDにより青及び赤の2色発光が可能な正面上部に配置した読取表示灯26を、カードリーダー10における所定の内部状態又は図4のローカル制御盤16から受信したコマンド信号による所定の外部状態を検出した場合に、検出した状態に対応した所定の発光色と発光パターンの組合せにより駆動して識別表示させる制御を行う。
【0054】
図6に示す読取表示灯26の表示制御は、種別の欄に示す内部状態とコマンド受信に大別される。内部状態の表示は、タンパー異常、伝送障害中、ファンクションモード中、キー押下中を示す表示となる。
【0055】
これに対しローカル制御盤46からのコマンド受信は、マスク中、正常カード読取り、カード読取エラー、条件外使用、平常時を示す表示となる。
【0056】
このためカードリーダー10に正面配置した読取表示灯26は、平常時は青色に常時点灯して、カード読取枠の上側を表示しており、非接触ICカード50をカードリーダー10にかざして正常にカード読取りが行われると、読取表示灯26が2秒消灯して再び青点灯に戻り、カード読取りが正常に行われたことを表示する。この場合、読取表示灯26が2秒消灯に連動して所定の読取音が出力される。
【0057】
一方、カード読取がエラーとなった場合には、読取表示灯26が2秒赤点滅して再び青点灯に戻り、エラーカード読取りとなったことを表示し、利用者は再度、カード読取操作を行うことになる。
【0058】
また、タンパー異常については、警戒・発報表示灯24と同様に、読取表示灯26も赤早点滅となり、カードリーダー10の破損を伴う異常事態にあることを強く印象づけるように警報表示させる。
【0059】
(解錠表示灯の表示制御)
制御部52は、青LEDと赤LEDにより青及び赤の2色発光が可能な正面下部に配置した解錠表示灯28を、カードリーダー10における所定の内部状態又は図4のローカル制御盤46から受信したコマンド信号による所定の外部状態を検出した場合に、検出した状態に対応した所定の発光色と発光パターンの組合せにより駆動して識別表示させる制御を行う。
【0060】
図6に示す解錠表示灯28の表示制御は、種別の欄に示す内部状態とコマンド受信に大別される。内部状態の表示は、タンパー異常、コマンドによる消灯制御を示す表示となる。
【0061】
また、ローカル制御盤46からのコマンド受信による表示は、解錠、トグル解錠(解錠時間を設定した解錠)、平常時(施錠中)を示す表示となる。
【0062】
このためカードリーダー10に正面下部に配置した解錠表示灯28は、施錠中となる平常時は青色に常時点灯して、カード読取枠の下側を表示している。この状態で、非接触ICカード50をカードリーダー10にかざして正常にカード読取りが行われると、ローカル制御盤46による電気錠48の解錠制御が行われ、カードリーダー10はローカル制御盤46からトグル解錠のコマンド信号を受信することから、これを検出して予め設定している解錠時間のあいだ解錠表示灯28を青遅点滅して電気錠48が解錠していることを表示する。
【0063】
また、センター装置10の操作や火災移報信号の受信により一斉解錠を行った場合には、解錠コマンド信号の受信を検出し、解錠表示灯28を消灯して電気錠48が解錠していることを表示する。
【0064】
また、タンパー異常については、警戒・発報表示灯24及び読取表示灯26と同様に、解錠表示灯28も赤早点滅となり、カードリーダー10の破損を伴う異常事態にあることを強く印象づけるように警報表示させる。
【0065】
なお、図6に示した警戒・発報表示灯24、読取表示灯26及び解錠表示灯28の表示制御は一例であり、必要に応じて適宜の状態を検知して所定の表示色と表示パターンの組合せによる識別表示が可能である。
【0066】
[カードリーダーの他の実施形態]
図8はカードリーダーの他の実施形態を示した説明図である。図8に示すように、本実施形態のカードリーダー10は、表示操作パネル16にテンキーを設けておらず、その中央にカード読取マーク70を配置しており、それ以外表示部及び操作部の構成は図1の実施形態と同じになる。
【0067】
外カバー14側に一体化した図3の本体アッセンブリィ11は、図8の実施形態も同じであり、静電容量スイッチシート34には、同様に、14個の静電容量スイッチ35が配列されており、そのうちキースイッチに使用する12個を除く2個の静電容量スイッチ35のスイッチ信号を処理するように構成している。これにより静電容量スイッチシート34を共通化し、その上に配置する透明パネル32に対するスイッチ部位の印刷表示を変更するだけで、対応可能としている。
【0068】
このキースイッチを持たない図8のカードリーダー10にあっては、キースイッチによりファンクション番号を設定し、続いて管理用非接触ICカードを読取らせて行う管理責任者による所定のファンクションモードの設定ができない点で図1の実施形態と相違するが、それ以外は、基本的に同じになる。
【0069】
また、カードリーダー10の他の実施形態として、警戒設定キースイッチ、警戒解除キースイッチ及びテンキーの何れも設けていないカード読取専用のカードリーダーとしても良い。この場合、図3に設けた静電容量スイッチシート34は不要となる。
【0070】
[本発明の変形例]
(カードリーダー)
上記の実施形態は、非接触ICカードを一回り大きくした小型サイズのカードリーダーの両側面に、側方から視認可能な警戒・発報表示灯を設けた場合を例にとっているが、これに限られない。例えば、カードリーダー筐体の両側面に警戒・発報表示灯を設けていれば良く、カードリーダーのサイズや形状に限定されることはない。
【0071】
(スイッチシート)
上記の実施形態は、静電容量スイッチを配列した静電容量スイッチシートを使用しているが、これに限られない。例えば、感圧スイッチや押釦スイッチ等を配列した適宜にスイッチ構造をもつスイッチシードを使用しても良い。
【0072】
(その他)
また,本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。
【符号の説明】
【0073】
10:カードリーダー
11:本体アッセンブリィ
12:内カバー
14:外カバー
16:表示操作パネル
20:警戒設定キースイッチ
22:警戒解除キースイッチ
24:警戒・発報表示灯
26:読取表示灯
26a,28a:ライトガイド
28:解錠表示灯
30:テンキー
32:透明パネル
34:静電容量スイッチシート
35:静電容量スイッチ
36:回路基板
36a:RF基板
36b:CPU基板
37:アンテナコイル
40:センター装置
42:クライアント
46:ローカル制御盤
48:電気錠
50:非接触ICカード
52:制御部
54:伝送部
56:操作部
58:表示部
60:リーダーライタ部
62:音響出力部
64:ホール素子
66:マグネット
70:カード読取マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9