(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】検体分析装置及び検体分析方法
(51)【国際特許分類】
G01N 35/02 20060101AFI20220801BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
G01N35/02 A
G01N35/00 A
(21)【出願番号】P 2020199845
(22)【出願日】2020-12-01
(62)【分割の表示】P 2019036661の分割
【原出願日】2019-02-28
【審査請求日】2020-12-22
(73)【特許権者】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140431
【氏名又は名称】大石 幸雄
(72)【発明者】
【氏名】森浦 一真
(72)【発明者】
【氏名】黒野 浩司
【審査官】野田 華代
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-241670(JP,A)
【文献】国際公開第2016/140017(WO,A1)
【文献】特開2013-019682(JP,A)
【文献】特開2017-129596(JP,A)
【文献】特開2014-194349(JP,A)
【文献】特開2005-274469(JP,A)
【文献】特開2009-042049(JP,A)
【文献】特開2002-350451(JP,A)
【文献】国際公開第2018/173560(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/031455(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を収容可能な
複数の容器
に対応する共通の製造ロットに関する製造ロット情報を取得するステップと、
当該共通の製造ロットとは異なる製造ロットに対応する容器を貯留している貯留部に、前記製造ロット情報が取得された複数の前記容器を補充するステップと、
前記貯留部に設けられた排出口から排出された前記容器を用いて検体を分析するステップと、
前記製造ロット情報と、前記容器に収容される検体の分析結果と、前記検体を分析した時刻を示す時刻情報と、を関連付けて記録するステップと、
前記製造ロット情報と前記分析結果と前記時刻情報とに基づいて、検体の分析結果を前記製造ロット情報及び前記時刻情報と関連付けた表示態様で表示部に表示するための表示情報を生成するステップと、を含む、検体分析方法。
【請求項2】
前記表示情報を生成するステップは、検体の分析に異常が生じた場合、当該検体の分析に異常が生じたことを示す情報を、前記製造ロット情報及び前記時刻情報と関連付けて前記表示部に表示するための表示情報を生成する、請求項1記載の検体分析方法。
【請求項3】
前記表示情報を生成するステップは、前記貯留部に供給される複数の容器の前記製造ロット情報が取得された場合、前記製造ロット情報を、予め定められた表示態様で前記表示部に表示するための表示情報を生成する、請求項1に記載の検体分析方法。
【請求項4】
前記表示情報を生成するステップは、前記貯留部に予め貯留する前記容器の前記製造ロット情報を前記表示部に表示するための第1表示情報を生成した後に、前記貯留部に新たに供給される前記容器の前記製造ロット情報が取得される場合、前記製造ロット情報を前記表示部に表示するための第2表示情報を生成する、請求項1~3のいずれか一項に記載の検体分析方法。
【請求項5】
前記表示情報を生成するステップは、前記貯留部に新たに供給される前記容器の前記製造ロット情報が取得された後、前記貯留部に予め貯留する前記容器が前記貯留部から所定量排出されたとき、又は、所定時間経過後したとき、前記貯留部に新たに供給される前記容器の前記製造ロット情報を前記表示部に表示するための表示情報を生成する、請求項1~4のいずれか一項に記載の検体分析方法。
【請求項6】
前記表示情報を生成するステップは、前記貯留部に貯留する前記容器の量が設定量以下になった場合、前記容器の供給を促すための情報を生成する、請求項1~5のいずれか一項に記載の検体分析方法。
【請求項7】
前記表示情報を生成するステップは、前記貯留部の底部から所定の高さに配置され、前記貯留部に貯留する前記容器の有無を検出可能なセンサによる前記容器の有無の検出結果に基づいて、前記容器の供給を促すための情報を生成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の検体分析方法。
【請求項8】
前記表示情報を生成するステップは、前記排出口に配置され、前記貯留部に貯留する前記容器の排出状況を検出可能なセンサの検出結果に基づいて、前記容器が前記排出口から所定量以上排出されたと判定した場合、前記容器の供給を促すための情報を生成する、請求項1~7のいずれか一項に記載の検体分析方法。
【請求項9】
前記排出口に配置され、前記貯留部に貯留する前記容器の排出状況を検出可能な第1センサの検出結果に基づいて、前記排出口から排出される前記容器の量を使用量として算出するステップと、を更に含み、
前記算出するステップは、前記貯留部の底部から所定の高さに配置され、前記貯留部に貯留する前記容器の有無を検出可能な第2センサが前記容器を検出しなくなった後、前記排出口から排出された前記容器の量を前記使用量として算出する、請求項1~8のいずれか一項に記載の検体分析方法。
【請求項10】
前記算出するステップは、前記使用量の算出を開始した後に、前記貯留部に新たに供給される前記容器の前記製造ロット情報が取得された場合、前記使用量をリセットする、請求項9に記載の検体分析方法。
【請求項11】
前記容器が格納された格納箱に付着されたコードを読み取るステップを更に含み、
製造ロット情報を取得するステップは、読み取られた前記コードに含まれる前記製造ロット情報を取得する、請求項1~10のいずれか一項に記載の検体分析方法。
【請求項12】
前記製造ロット情報は、少なくとも、前記容器の製造ロット番号を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の検体分析方法。
【請求項13】
検体を収容可能な容器を複数貯留可能であり、前記容器を排出可能な排出口を有する貯留部と、
複数の前記容器
に対応する共通の製造ロットに関する製造ロット情報を取得する製造ロット情報取得部と、
前記排出口から排出された前記容器に収容される検体を分析する分析処理部と、
前記製造ロット情報と、前記容器に収容される検体の分析結果と、前記検体を分析した時刻を示す時刻情報と、を関連付けて記録する記録部と、
前記製造ロット情報と前記分析結果と前記時刻情報とに基づいて、検体の分析結果を前記製造ロット情報及び前記時刻情報と関連付けた表示態様で表示部に表示するための表示情報を生成する表示情報生成部と、を備え
、
前記貯留部に、前記製造ロット情報が取得された複数の前記容器と、当該共通の製造ロットとは異なる製造ロットに対応する容器と、が混在して貯留される、
検体分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検体分析装置及び検体分析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
血液凝固分析や免疫血清分析などの血液分析は、通常、分析装置を用いて行われる。一般的に、このような分析装置では、採血管などの検体容器に収容された検体を、分析時に用いられるキュベットなどの容器に移し替え、その容器に試薬を分注して検体と混合し、容器を加温した後、分析部に搬送して検体の分析を行う。
【0003】
上述の分析装置で用いられる容器は、分析装置内に予め貯留されているため、分析装置は、空の状態の多数の容器を貯留する貯留部と、その貯留部の容器を、検体容器に収容された検体が分注される分注位置に搬送するための搬送部を備えている。
【0004】
例えば、特許文献1に記載された分析装置は、
図20に示すように、容器としてのキュベットを供給する供給機構部500を備え、供給機構部500は、複数のキュベットを貯留する貯留部501と、貯留部501からキュベットを取り出す取り出し部502を備えている。取り出し部502は、貯留部501の内部の最下部に設置された揺動レール503にキュベットを載せ、その揺動レール503を揺動させてキュベットを貯留部501から搬出する。
【0005】
貯留部501において、キュベットがなくなると、又は、キュベットの数が少なくなると、ユーザーは貯留部501に空のキュベットを補充する必要がある。ユーザーによっては、数百個~千個程度の多数のキュベットを収容する袋から一気に貯留部501に流し込むことによってキュベットを補充する場合がある。結果として、キュベットが貯留部501に流し込まれる際に、キュベットに傷がついてしまう。よって、傷のついたキュベットに収容される検体の分析結果には異常が生じるおそれがある。異常の原因を特定するため一つの手法として、異常が生じた分析結果に対応づけられたキュベットを追跡することが考えられる。
【0006】
特許文献2には、試薬、検体容器、定期交換部品などの消耗品情報と、検体の試験内容とを共に管理することが記載されている。また、特許文献2には、消耗品情報には、検体容器に対応づけられた製造ロット番号が含まれることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2014-194349号公報
【文献】特開2002-350451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、特許文献2に記載のような従来の分析装置では、消耗品のトレーサビリティーを高める消耗品管理技術が必要である。しかしながら、特許文献2には、消耗品と試験内容を互いに関連付けて表示部に表示する等、消耗品と試験内容の具体的な管理内容については触れられていない。よって、従来の消耗品管理技術では、このような要請に十分に応えることができない。
【0009】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、検体を収容可能な容器のトレーサビリティーを高めることができる検体分析装置及び検体分析方法を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
図1、
図4~
図10、
図13、及び
図17に示すように、本発明の一態様に係る検体分析装置(1)は、検体を収容可能な容器を複数貯留可能であり、容器を排出可能な排出口(150)を有する貯留部(131)と、容器の製造ロットに関する製造ロット情報(LI)を取得する製造ロット情報取得部(263)と、排出口(150)から排出された容器に収容される検体を分析する分析処理部(264)と、製造ロット情報(LI)と、容器に収容される検体の分析結果(RA)と、検体を分析した時刻を示す時刻情報と、を関連付けて記録する記録部(270)と、製造ロット情報(LI)と分析結果(RA)と時刻情報とに基づいて、所定の期間に分析された検体の分析結果(RA)を製造ロット情報(LI)と関連付けた表示態様で表示部(300)に表示するための表示情報を生成する表示情報生成部(267)と、を備える。
【0011】
上記態様によれば、検体分析装置(1)が、製造ロット情報(LI)と分析結果(RA)と時刻情報とに基づいて、所定の期間に分析された1又は複数の検体の分析結果(RA)を製造ロット情報(LI)と関連付けた表示態様で表示部(300)に表示するための表示情報を生成する。よって、例えば異常が生じた分析結果に対応づけられた容器の製造ロット情報を一定の精度で推定することができる。したがって、検体を収容可能な容器のトレーサビリティーを高めることができる。
【0012】
図13及び
図18に示すように、上記検体分析装置(1)において、表示情報生成部(267)は、貯留部(131)に供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された場合、当該製造ロット情報(LI)を、予め定められた表示態様で表示部(300)に表示するための表示情報を生成してもよい。
【0013】
上記態様によれば、貯留部(131)に供給される複数の容器の製造ロット情報(LI)を、予め定められた表示態様で表示部(300)に表示するための表示情報を生成する。よって、貯留部(131)に供給される容器の製造ロット情報(LI)を一見して把握容易になる。
【0014】
図13及び
図18に示すように、上記検体分析装置(1)において、表示情報生成部(267)は、貯留部(131)に予め貯留する容器の製造ロット情報(LI)を表示部(300)に表示するための第1表示情報を生成した後に、貯留部(131)に新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された場合、製造ロット情報(LI)を表示部(300)に表示するための第2表示情報を生成してもよい。
【0015】
上記態様によれば、表示情報生成部(267)は、第1表示情報を生成した後に、第2表示情報を生成する。よって、製造ロット情報が変更された時期を一定の精度で把握することができる。
【0016】
図13及び
図18に示すように、上記検体分析装置(1)において、表示情報生成部(267)は、貯留部(131)に新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された後、貯留部(131)に予め貯留する容器が当該貯留部(131)から所定量排出されたとき、又は、所定時間経過後したとき、貯留部(131)に新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)を表示部(300)に表示するための表示情報を生成してもよい。
【0017】
上記態様によれば、新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された後、上記のように一定の条件を満たす場合に表示情報を生成するので、製造ロット情報が変更された時期をより精度よく把握することができる。
【0018】
図13及び
図19に示すように、上記検体分析装置(1)において、表示情報生成部(267)は、貯留部(131)に貯留する容器の量が設定量以下になる場合、容器の供給を促すための情報を生成してもよい。
【0019】
上記態様によれば、例えば、貯留部(131)に貯留する容器の量が少なくなってきた際に容器の供給を促す。よって、適切なタイミングで容器の補充を促すことができる。
【0020】
図4、
図13及び
図19に示すように、上記検体分析装置(1)において、貯留部(131)の底部(131e)から所定の高さに配置され、貯留部(131)に貯留する容器の有無を検出可能なセンサ(350)を更に備え、表示情報生成部(267)は、センサ(350)による容器の有無の検出結果に基づいて、容器の供給を促すための情報を生成してもよい。
【0021】
上記態様によれば、例えば、貯留部(131)に貯留する容器の量が少なくなってきたことを容易に特定することができるので、より適切なタイミングで容器の補充を促すことができる。
【0022】
図8、
図9、
図13及び
図19に示すように、上記検体分析装置(1)において、排出口(150)に配置され、貯留部(131)に貯留する容器の排出状況を検出可能なセンサ(400)を更に備え、表示情報生成部(267)は、容器が排出口(150)から所定量以上排出された場合、容器の供給を促すための情報を生成してもよい。
【0023】
上記態様によれば、例えば、貯留部(131)に貯留する容器の量が少なくなってきたことを容易に特定することができるので、より適切なタイミングで容器の補充を促すことができる。
【0024】
図4、
図8、
図9、及び
図13に示すように、上記検体分析装置(1)において、貯留部(131)の底部(131e)から所定の高さに配置され、当該貯留部(131)に貯留する容器の有無を検出可能な第1センサと、排出口(150)に配置され、貯留部(131)に貯留する容器の排出状況を検出可能な第2センサと、第2センサの検出結果に基づいて、排出口(150)から排出された容器の量を使用量として算出する算出部(266)と、を更に備え、算出部(266)は、第1センサが容器を検出しなくなった後、排出口(150)から排出された容器の量を使用量として算出してもよい。
【0025】
上記態様によれば、貯留部(131)に貯留する容器の使用量を測定することにより、貯留部(131)に貯留する容器の量が少なくなってきたことを正確に特定することができる。
【0026】
図13に示すように、上記検体分析装置(1)において、算出部(266)は、使用量の算出を開始した後に、貯留部(131)に新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された場合、当該使用量をリセットしてもよい。
【0027】
上記態様によれば、貯留部(131)に新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された場合、算出していた使用量をリセットする。よって、製造ロット情報(LI)が新たに取得される際に使用量の算出を再開することができる。
【0028】
図13及び
図14に示すように、上記検体分析装置(1)において、容器が格納された格納箱(450)に付着されたコード(C)を読み取る読取装置(R)を更に備え、製造ロット情報取得部(263)は、読取装置(R)によって読み取られたコード(C)に含まれる製造ロット情報(LI)を取得してもよい。
【0029】
上記態様によれば、容器が格納された格納箱(450)に付着されたコード(C)を読み取ることにより、コード(C)に含まれる製造ロット情報(LI)を取得する。よって、製造ロット情報(LI)を確実に、且つ、容易に取得することができる。
【0030】
図15に示すように、上記検体分析装置(1)において、製造ロット情報(LI)は、少なくとも、前記容器の製造ロット番号を含んでもよい。
【0031】
図1、
図4~
図10、
図13、及び
図17に示すように、本発明の一態様に係る検体分析方法は、検体を収容可能な容器の製造ロットに関する製造ロット情報(LI)を取得するステップと、容器を貯留可能な貯留部(131)に設けられた排出口(150)から排出された容器を用いて検体を分析するステップと、製造ロット情報(LI)と、容器に収容される検体の分析結果(RA)と、検体を分析した時刻を示す時刻情報と、を関連付けて記録するステップと、製造ロット情報(LI)と分析結果(RA)と時刻情報とに基づいて、所定の期間に分析された検体の分析結果(RA)を製造ロット情報(LI)と関連付けた表示態様で表示部(300)に表示するための表示情報を生成するステップと、を含む。
【0032】
上記態様によれば、検体分析方法は、製造ロット情報(LI)と分析結果(RA)と時刻情報とに基づいて、所定の期間に分析された検体の分析結果(RA)を製造ロット情報(LI)と関連付けた表示態様で表示部(300)に表示するための表示情報を生成する。よって、例えば異常が生じた分析結果に対応づけられた容器の製造ロット情報を推定することができる。したがって、検体を収容可能な容器のトレーサビリティーを高めることができる。
【0033】
図13及び
図18に示すように、上記検体分析方法において、表示情報を生成するステップは、貯留部(131)に供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された場合、当該製造ロット情報(LI)を、予め定められた表示態様で表示部(300)に表示するための表示情報を生成してもよい。
【0034】
上記態様によれば、貯留部(131)に供給される1又は複数の容器の製造ロット情報(LI)を、予め定められた表示態様で表示部(300)に表示するための表示情報を生成する。よって、貯留部(131)に供給される容器の製造ロット情報(LI)を一見して把握容易になる。
【0035】
図13及び
図18に示すように、上記検体分析方法において、表示情報を生成するステップは、貯留部(131)に予め貯留する容器の製造ロット情報(LI)を表示部(300)に表示するための第1表示情報を生成した後に、貯留部(131)に新たに供給される前記容器の製造ロット情報(LI)が取得された場合、製造ロット情報(LI)を表示部(300)に表示するための第2表示情報を生成してもよい。
【0036】
上記態様によれば、第1表示情報を生成した後に、第2表示情報を生成する。よって、製造ロット情報が変更された時期を一定の精度で把握することができる。
【0037】
図13及び
図18に示すように、上記検体分析方法において、表示情報を生成するステップは、貯留部(131)に新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された後、貯留部(131)に予め貯留する容器が当該貯留部(131)から所定量排出されたとき、又は、所定時間経過後したとき、貯留部(131)に新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)を表示部(300)に表示するための表示情報を生成してもよい。
【0038】
上記態様によれば、新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された後、上記のように一定の条件を満たす場合に表示情報を生成するので、製造ロット情報が変更された時期をより精度よく把握することができる。
【0039】
図13及び
図19に示すように、上記検体分析方法において、表示情報を生成するステップは、貯留部(131)に貯留する容器の量が設定量以下になった場合、容器の供給を促すための情報を生成してもよい。
【0040】
上記態様によれば、例えば、貯留部(131)に貯留する容器の量が少なくなってきた際に、容器の供給を促す。よって、適切なタイミングで容器の補充を促すことができる。
【0041】
図4、
図13及び
図19に示すように、上記検体分析方法において、表示情報を生成するステップは、貯留部(131)の底部(131e)から所定の高さに配置され、貯留部(131)に貯留する容器の有無を検出可能なセンサ(350)による容器の有無の検出結果に基づいて、容器の供給を促すための情報を生成してもよい。
【0042】
上記態様によれば、例えば、貯留部(131)に貯留する容器の量が少なくなってきたことを容易に特定することができので、より適切なタイミングで容器の補充を促すことができる。
【0043】
図8、
図9、
図13及び
図19に示すように、上記検体分析方法において、表示情報を生成するステップは、排出口(150)に配置され、貯留部(131)に貯留する容器の排出状況を検出可能なセンサ(400)の検出結果に基づいて、当該容器が排出口(150)から所定量以上排出されたと判定した場合、容器の供給を促すための情報を生成してもよい。
【0044】
上記態様によれば、例えば、貯留部(131)に貯留する容器の量が少なくなってきたことを容易に特定することができので、より適切なタイミングで容器の補充を促すことができる。
【0045】
図4、
図8、
図9及び
図13に示すように、上記検体分析方法において、排出口(150)に配置され、貯留部(131)に貯留する容器の排出状況を検出可能な第1センサの検出結果に基づいて、排出口(150)から排出される容器の量を使用量として算出するステップと、を更に含み、算出するステップは、貯留部(131)の底部(131e)から所定の高さに配置され、貯留部(131)に貯留する容器の有無を検出可能な第2センサが容器を検出しなくなった後、排出口(150)から排出される容器の量を使用量として算出してもよい。
【0046】
上記態様によれば、貯留部(131)に貯留する容器の使用量を測定することにより、貯留部(131)に貯留する容器の量が少なくなってきたことを正確に特定することができる。
【0047】
図13に示すように、上記検体分析方法において、算出するステップは、使用量の算出を開始した後に、貯留部(131)に新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得された場合、当該使用量をリセットしてもよい。
【0048】
上記態様によれば、貯留部(131)に新たに供給される容器の製造ロット情報(LI)が取得される場合、算出していた使用量をリセットする。よって、製造ロット情報(LI)が新たに取得される際に使用量の算出を再開することができる。
【0049】
図13及び
図14に示すように、上記検体分析方法において、容器が格納された格納箱(450)に付着されたコード(C)を読み取るステップを更に含み、製造ロット情報(LI)を取得するステップは、読み取られたコード(C)に含まれる製造ロット情報(LI)を取得してもよい。
【0050】
上記態様によれば、容器が格納された格納箱(450)に付着されたコード(C)を読み取ることにより、コード(C)に含まれる製造ロット情報(LI)を取得する。よって、製造ロット情報(LI)を確実に、且つ、容易に取得することができる。
【0051】
図15に示すように、上記検体分析方法において、製造ロット情報(LI)は、少なくとも、前記容器の製造ロット番号を含んでもよい。
【発明の効果】
【0052】
本発明によれば、検体を収容可能な容器のトレーサビリティーを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】
図1は、本発明の第1実施形態に係る検体分析装置の構成の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の第1実施形態に係る検体分析装置の内部構成の概略を示す横断面の説明図である。
【
図3】
図3は、本発明の第1実施形態に係るキュベットの一例を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、本発明の第1実施形態に係るキュベット供給部の外観の一例を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、本発明の第1実施形態に係る検体分析装置の上面の説明図である。
【
図6】
図6は、本発明の第1実施形態に係るキュベット供給部の投入部の内部構成の一例を示す縦断面の説明図である。
【
図7】
図7は、本発明の第1実施形態に係るキュベット供給部の第1の貯留部の内部構成の一例を示す横断面の説明図である。
【
図8】
図8は、本発明の第1実施形態に係る、後側から見た第1の貯留部及び第2の貯留部の内部構成の一例を示す縦断面の説明図である。
【
図9】
図9は、本発明の第1実施形態に係る第1の貯留部と第2の貯留部にキュベットが貯留された状態を示す説明図である。
【
図10】
図10は、本発明の第1実施形態に係る、左側から見た第1の貯留部及び第2の貯留部の内部構成の一例を示す縦断面の説明図である。
【
図11】
図11は、本発明の第1実施形態に係る第2の貯留部と搬送部の内部構造の一例を示す説明図である。
【
図12】
図12は、本発明の第1実施形態に係る搬送路の構成を示す説明図である。
【
図13】
図13は、本発明の第1実施形態に係る制御部のブロック構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の第1実施形態に係る読取装置の、キュベットが格納された格納箱に付着されたコードを読取処理の一例を示す説明図である。
【
図15】
図15は、本発明の第1実施形態に係る分析結果及び製造ロット情報を含む情報テーブルの一例を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の第1実施形態に係る表示情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、本発明の第1実施形態に係る検体分析装置の表示部の表示画面の一例を示す説明図である。
【
図18】
図18は、本発明の第2実施形態に係る検体分析装置の表示部の表示画面の一例を示す説明図である。
【
図19】
図19は、本発明の第3実施形態に係る検体分析装置の表示部の表示画面の一例を示す説明図である。
【
図20】
図20は、関連技術に係る構成を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略す。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
【0055】
(第1実施形態)
<検体分析装置の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る検体分析装置1の外観の一例を示す斜視図である。
図2は、分析装置1の内部の構成を示す模式図である。
【0056】
検体分析装置1は、自動で血液などの検体を分析するものである。
図1に示すように分析装置1は、略直方体の外形を有する筐体10を備えている。筐体10は、例えば前面壁10aと、前面(正面)から見て右側の側壁10bと、前面から見て左側の側壁10cと、天井壁10d及び後面壁10eを備えている。
【0057】
図2に示すように検体分析装置1は、筐体10の内部に、検体容器Aを搬入する検体容器搬入部20と、複数の、検体を収容可能な容器としてのキュベットBを環状に並べて保持する第1のテーブル21と、検体に混合される試薬が収容された複数の試薬容器Cを保持する第2のテーブル22と、キュベットBを保持して加温する加温部23と、キュベットBを保持してキュベットBの分析試料(検体と試薬を混合したもの)を分析する分析部24と、分析が終了したキュベットBを排出する排出部25と、制御部26等を備えている。
【0058】
また、検体分析装置1は、キュベットBに液体を注入する装置構成として、検体容器搬入部20に搬入された検体容器Aの検体を第1のテーブル21のキュベットBに注入する検体分注アーム27と、第2のテーブル22の試薬容器Cの試薬をキュベットBに注入する2つの試薬分注アーム28、29等を備えている。
【0059】
さらに、検体分析装置1は、キュベットBを搬送する装置構成として、装置本体にキュベットBを供給するキュベット供給部30と、キュベット供給部30により供給されたキュベットBを第1のテーブル21に搬送する第1の搬送アーム31と、第1のテーブル21のキュベットBを第1の試薬分注アーム28や加温部23に搬送する第2の搬送アーム32と、加温部23のキュベットBを第2の試薬分注アーム29や分析部24、排出部25に搬送する第3の搬送アーム33等を備えている。
【0060】
平面視で、検体容器搬入部20は、筐体10内の前面側に配置され、第1のテーブル21と第2のテーブル22は、筐体10内の中央付近に配置されている。加温部23は、筐体10内の右側に配置され、分析部24は、後面(背面)側に配置されている。排出部25は、加温部23と分析部24の間に配置されている。キュベット供給部30は、分析部24と第1のテーブル21との間の筐体10内の左側に配置されている。
【0061】
検体容器搬入部20は、複数の検体容器Aを収容するラックRを搬入するラック搬入部40と、検体分注アーム27がアクセス可能で、検体注入アーム27によりラックRの検体容器Aから検体が吸引される検体吸引位置41と、検体が吸引された検体容器AのラックRを搬出するラック搬出部42と、ラックRをラック搬入部40、検体吸引位置41及びラック搬出部42にこの順で搬送する搬送部43を備えている。搬送装置43は、例えばコンベアを用いてラックRを移送している。
【0062】
第1のテーブル21は、円環形状を有し、駆動部により回転可能に構成されている。第1のテーブル21は、キュベットBを保持する複数のキュベット保持部50を備えている。キュベット保持部50は、周方向の全周にわたり等間隔で配置されている。
【0063】
キュベットBは、
図3に示すように液体を収容する胴部b1と、胴部b1の入口付近に設けられた鍔部b2を備えている。鍔部b2は、胴部b1の上部から径方向の外方に突出しており、胴部b1よりも大きな外径を有している。キュベットBは、例えば30mm程度の長手方向の寸法を有し、胴部b1が8mm程度の外周外径D1を有し、鍔部b2が10mm程度の外周外径D2を有している。
図2に示すキュベット保持部50は、キュベットBの胴部b1の外周外径D1よりも大きく鍔部b2の外周外径D2よりも小さい孔を備え、この孔にキュベットBの胴部b1を収容して、キュベットBを保持することができる。
【0064】
第2のテーブル22は、第1のテーブル21の内側に配置されている。第2のテーブル22は、円盤形状を有し、駆動部により回転可能に構成されている。第2のテーブル22は、試薬容器Cを保持する複数の試薬容器保持部60を備えている。試薬容器保持部60は、例えば複数重の同心円状に配置されている。試薬容器保持部60は、例えば周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0065】
加温部23は、円形状の加温プレート70を有している。加温プレート70は、キュベットBを保持する複数のキュベット保持部71を有している。キュベット保持部71は、例えば、加温プレート70の最外周付近の全周にわたり等間隔で配置されている。加温プレート70は、熱源を有し、キュベット保持部71に保持されたキュベットB内の液体を所定の温度に加温することができる。
【0066】
分析部24は、長方形状の分析プレート80を有している。分析プレート80は、キュベットBを保持する複数のキュベット保持部81を有している。キュベット保持部81は、例えば、分析プレート80の長手方向に沿った複数列で配置されている。分析部24は、照射部と受光部を有し、照射部からキュベット保持部81に光を照射し、キュベットBの分析液を透過した光を受光部で受光し、その受光結果から検体を分析することができる。
【0067】
排出部25は、キュベットBは排出する排出孔82を備えている。排出孔82は、筐体10の下部に設けられ、キュベットを回収するキュベット回収部に連通している。
【0068】
検体分注アーム27は、平面視で、筐体10内の検体容器搬入部20の検体吸引位置41と第1のテーブル21との間に配置されている。検体分注アーム27は、検体分注アーム27を駆動する駆動部90と、検体を吸引及び吐出するノズル91を備えている。
【0069】
駆動部90は、例えば、検体分注アーム27を検体吸引位置41と第1のテーブル21との間で平面方向に回転させる回転駆動部と、検体分注アーム27を上下動させる昇降駆動部を備えている。ノズル91は、検体分注アーム27の先端部に設けられ、ポンプ等により検体を吸引し又は吐出することができる。かかる構成により、検体分注アーム27は、検体吸引位置41の検体容器Aにアクセスし、検体を吸引し、第1のテーブル21上に移動し、第1のテーブル21のキュベットBに検体を吐出することができる。
【0070】
試薬分注アーム28、29は、平面視で、細長いアーム100を有し、その下部にノズル101を備えている。第1の試薬分注アーム28のアーム100は、第2のテーブル22上から加温部23付近まで延びている。第2の試薬分注アーム29のアーム100は、第2のテーブル22から分析部24付近まで延びている。アーム100は、例えば筐体10の天井に固定されている。
【0071】
ノズル101は、駆動部により、アーム100に対しその長手方向と上下方向に移動自在に構成されている。第1の試薬分注アーム28のノズル101は、アーム100に沿って第2のテーブル22上から加温部23の加温テーブル70上付近まで移動自在である。第2の試薬分注アーム29のノズル101は、アーム100に沿って第2のテーブル22上から分析部24の分析プレート80上付近まで移動自在である。ノズル101は、図示しないポンプ等により試薬を吸引し又は吐出することができる。また、ノズル101は、熱源を備えており、吸引した試薬を所定の温度に加温することができる。かかる構成により、第1の試薬分注アーム28のノズル101は、第2のテーブル22の試薬容器Cにアクセスし、試薬を吸引し、加温テーブル70上付近に移動し、加温テーブル70付近で第2のアーム32に保持されたキュベットBに試薬を吐出することができる。また、第2の試薬分注アーム29のノズル101は、第2のテーブル22の試薬容器Cにアクセスし、試薬を吸引し、分析プレート80上付近に移動し、分析プレート80付近で第3のアーム33に保持されたキュベットBに試薬を吐出することができる。
【0072】
キュベット供給部30は、外部から投入された空のキュベットBを貯留し、そのキュベットBを順次、後述のキュベット搬出部182に供給するものである。キュベット供給部30の構成の詳細は後述する。
【0073】
第1のアーム31は、平面視で、
図2に示すように、キュベット供給部30の後述の搬送路181と第1のテーブル21との間に配置されている。第1のアーム31は、第1のアーム31を駆動する駆動部110と、キュベットBを保持するキュベット保持部111を有している。駆動部110は、第1のアーム31をキュベット供給部30のキュベット搬出部182と第1のテーブル21との間で平面方向に回転させる回転駆動部と、第1のアーム31を上下動させる昇降駆動部を備えている。キュベット保持部111は、第1のアーム31の先端部に設けられ、例えば、U字形状を有し、キュベットBの鍔部b2を下から引っ掛けてキュベットBを保持することができる。かかる構成により、第1のアーム31は、キュベット供給部30のキュベット搬出部182のキュベットBを保持し、キュベットBを第1のテーブル21上に移動させ、第1のテーブル21のキュベット保持部50に置くことができる。
【0074】
第2のアーム32は、例えば、加温部23の加温プレート70に配置されている。第2のアーム32は、第2のアーム32を駆動する駆動部115と、キュベットBを保持するキュベット保持部116を有している。駆動部115は、例えば第2のアーム32を第1のテーブル21と加温テーブル70との間で平面方向に回転させる回転駆動部と、第2のアーム32を上下動させる昇降駆動部と、第2のアーム32を水平方向に伸縮させる伸縮駆動部を備えている。キュベット保持部116は、第2のアーム32の先端部に設けられ、例えばU字形状を有し、キュベットBの鍔部b2を下から引っ掛けてキュベットBを保持することができる。かかる構成により、第2のアーム32は、第1のテーブル21のキュベット保持部50のキュベットBを保持し、当該キュベットBを第1の試薬分注部28のノズル101の下方に移動させ、又は、加温テーブル70のキュベット保持部71に移動させることができる。
【0075】
第3のアーム33は、平面視で筐体10内の分析部24の後面側に配置されている。第3のアーム33は、第3のアーム33を駆動する駆動部120と、キュベットBを保持するキュベット保持部121を有している。駆動部120は、第3のアーム33を左右方向、前後方向及び上下方向に移動させる駆動機構を備えている。キュベット保持部121は、第3のアーム33の先端部に設けられ、例えば、U字形状を有し、キュベットBの鍔部b2を下から引っ掛けてキュベットBを保持することができる。かかる構成により、第3のアーム33は、加温テーブル70のキュベット保持部71のキュベットBを保持し、キュベットBを第2の試薬分注部29のノズル101の下方に移動させ、又は、分析部24のキュベット保持部81に移動させることができる。第3のアーム33は、分析の終了したキュベットBを排出部25に搬送することができる。
【0076】
<キュベット供給部の構成>
図4は、キュベット供給部30の構成の概略を示す斜視図である。キュベット供給部30は、例えば、空のキュベットBを投入する投入部130と、投入部130から投入されたキュベットBを貯留する第1の貯留部131(貯留部)と、第1の貯留部131から排出されたキュベットBを貯留する第2の貯留部132と、第2の貯留部132のキュベットBを搬送する搬送部133を備えている。
【0077】
投入部130は、例えば方形の投入口140と、投入口140から第1の貯留部131に続く搬送路141を備えている。投入口140は、
図5に示すように、筐体10の天井壁10dに設けられた扉142を開けることにより筐体10の上面に開口する。搬送路141は、筐体10の前面側から後面側に向かう方向に延伸する。搬送路141は、延伸方向に対し垂直の鉛直断面が略方形となる断面形状を有している。搬送路141は、
図6に示すように投入口140から第1の貯留部131に向けて次第に下がるように傾斜した底面143を有している。
【0078】
図4に示すように、第1の貯留部131は、直方体の外形を有し、例えば、前面から見て右側の側壁131aと、前面から見て左側の側壁131bと、天井壁131cと、後面壁131dを備えている。第1の貯留部131の前面側の面は開口し、搬送路141が接続されている。また、第1の貯留部131は、
図7及び
図8に示すように底部131eを有している。
図7は、第1の貯留部131の内部構成を示す横断面の説明図である。
図8は、筐体10の後側から見た第1の貯留部131及び第2の貯留部132の内部構成を示す縦断面の説明図である。
【0079】
底部131eは、
図7に示すように平面視で左右方向に長い長方形形状を有している。底部131eは、例えば排出口150と、第1の傾斜板151と、第2の傾斜板152と、振動板153を備えている。
【0080】
排出口150は、例えば方形状を有し、下方の第2の貯留部132に開口している。排出口150は、後面壁131dに隣接し、左右方向の中央よりも右側の側壁131aに近い位置に配置されている。排出口150は、キュベットBの最大寸法(
図3に示す長手方向の寸法)をL、排出口の最大寸法(対角線の寸法)をDとしたときに、L<D<3×Lの関係、好ましくはL<D<2×Lの関係を満たす寸法を有している。
【0081】
図10は、筐体10の左側から見た第1の貯留部131及び第2の貯留部132の内部構成を示す縦断面の説明図である。第1の傾斜板151は、
図7~
図10に示すように、第1の貯留部131の前面側に設けられ、搬送路141の底面143と滑らかに連続している。第1の傾斜板151は、
図7及び
図10に示すように左右方向の中央よりも右側にある排出口150に向かって次第に下がるように傾斜している。
【0082】
第2の傾斜板152は、
図7及び
図8に示すように第1の貯留部131の左の側壁131b側に設けられ、左の側壁131bから排出口150に向かって次第に下がるように傾斜している。第1の傾斜板151及び第2の傾斜板152には、キュベットBの滑りを良くするために摩擦力の低い樹脂(例えば、ポリアセタール)が用いられている。
【0083】
振動板153は、
図7に示すように例えば長方形状を有し、底部131eの一部を構成している。振動板153は、右の側壁131aから排出口150に向けて水平方向に延びている。振動板153は、周囲の他の部よりも振動しやすい構成、例えば薄い板形状や、弾性率の高い材質などからなる構成を有している。
【0084】
振動板153は、
図8に示すように例えばL字型の形状を有し、右の側壁131aから排出口150側に向けて延びる水平部153aと、水平部153aの先端から下方に向けて延びる垂直部153bを備えている。垂直部153bは、排出口150に面し、排出口150の縁の一部を構成している。水平部153aの上面153cは、第1の貯留部131の内部に面する上面となり、垂直部153bの外側面153dは、排出口150に面する側面となっている。水平部153aの上面153cと垂直部153bの外側面153dとは、排出口150の縁の上縁において滑らかに接続されている。
【0085】
図9は、本発明の第1実施形態に係る第1の貯留部と第2の貯留部にキュベットが貯留された状態を示す説明図である。
図8及び
図9に示すように、振動板153の裏面には、上下方向に振動する振動部材160が設けられている。振動部材160は、例えば、給電により振動する振動アクチュエータである。振動部材160の振動は、制御部26により制御することができる。この振動部材160により振動板153を振動させ、第1の貯留部131に溜まったキュベットBを排出口150から第2の貯留部132に落下させることができる。残りのキュベットBは、キュベットB同士の自然な摩擦力により停滞し、第1の貯留部131に貯留される。このとき第2の貯留部132には、第2の貯留部132の貯留容量に対して多すぎない、およそ定量のキュベットBが貯留される。本実施の形態においては、振動板153及び振動部材160は、振動付与機構165を構成し、これが第1の貯留部131から第2の貯留部132へのキュベットBの落下を制御する排出制御部を構成している。
【0086】
図4に戻り、第1の貯留部131は、第1の貯留部131の底部131eから所定の高さに配置され、第1の貯留部131に貯留するキュベットの有無を検出可能な貯留部センサ350を更に備える。また、貯留部センサ350は、第1の貯留部131の外壁の位置に対応する内壁の特定位置にも配置されている。外壁に設置された貯留部センサ350と、内壁に設置された貯留部センサ350とは、互いにセンサ情報を送受信可能である。貯留部センサ350は、例えば、非接触式の光学センサであり、所定の方向に向けて断続的に又は定期的にレーザ光を照射し、その反射光を受光することにより、キュベットの有無を検出することができる。貯留部センサ350は、第1の貯留部131に貯留するキュベットの量が設定量(例えば、200個)以下か否かを判断するために用いられる。
図8及び
図9には、貯留部センサ350は不図示であるが、破線DLに示す方向に向けてレーザ光を照射する。例えば、
図9に示すように、破線DLを含む左右方向の仮想面より下にキュベットが貯留している場合、貯留部センサ350は、キュベットを検出しない。よって、貯留部センサ350からセンサ情報を取得した制御部26において、第1の貯留部131に貯留するキュベットの量が設定量以下と判断する。なお、貯留部センサ350は、キュベットの有無を検出できればよく、光学センサの他、他の検出技術を採用するセンサであってもよい。
【0087】
図8及び
図9に示すように、第1の貯留部131は、排出口150に配置され、第1の貯留部131に貯留するキュベットの排出状況を検出可能な排出口センサ400を更に備える。排出口センサ400は、例えば、非接触式の光学センサであり、所定の方向に向けて断続的に又は定期的にレーザ光を照射し、その反射光を受光することにより、キュベットが排出口150を通過したか(排出されたか)否かを検出することができる。なお、排出口センサ400は、キュベットが排出口150を通過したか否かを検出できればよく、光学センサの他、他の検出技術を採用するセンサであってもよい。排出口センサ400は、制御部26に検出結果に対応するセンサ情報を出力する。なお、排出口センサ400は、後述する第1のセンサ260又は第2のセンサ261の少なくとも一方で代替されてもよい。具体的には、キュベットの排出口150から排出量、又は、キュベットの使用量は、排出口センサ400に代えて、第1のセンサ260又は第2のセンサ261の少なくとも一方の検出結果に基づいて算出されてもよい。また、キュベットの排出口150から排出量、又は、キュベットの使用量は、排出口センサ400の検出結果に加えて、第1のセンサ260又は第2のセンサ261の少なくとも一方の検出結果に更に基づいて算出されてもよい。
【0088】
図4、
図8及び
図11に示すように第2の貯留部132は、第1の貯留部131の直下に設けられている。第2の貯留部132は、第1の貯留部131よりも小さい貯留容量を有している。
【0089】
第2の貯留部132は、
図4に示すように前面壁132a、前面から見て右側の側壁132bと、前面から見て左側の側壁132cと、後面壁132dと、底壁132eを有している。
【0090】
図11に示すように底壁132eは、中央付近が最も低くなる逆円錐形状(すり鉢形状)の傾斜面を有している。
【0091】
第2の貯留部132の上面は開口しており、第1の貯留部131の底部131eに露出している。これにより、
図8に示すように第2の貯留部132の後面から見て左側の上面は、底部131eの第2の傾斜板152に露出しており、第2の傾斜板152の直下には、外部から第2の貯留部132にアクセス可能な空隙170が形成されている。第2の貯留部132の左側の空隙170に対応する筐体10の左側の側壁10cには、
図1に示すように開閉自在な扉171が設けられている。扉171を開放することにより、筐体10の外部から第2の貯留部132にアクセスすることができる。
【0092】
図4に示す搬送部133は、第2の貯留部132のキュベットBを取り出し、キュベットBを順次、キュベット搬出部182に搬送するものである。
【0093】
搬送部133は、例えば第2の貯留部132のキュベットBを取り出す取出し機構180と、取出し機構180により取り出したキュベットBを搬送する搬送路181と、搬送路181により搬送されたキュベットBを収容するキュベット搬出部182を備えている。
【0094】
図12に示すように、キュベット搬出部182は、略直方体の外形を有する。キュベット搬送部182は、例えば、駆動部により回転する回転部250を備えている。回転部250は、円柱形状を有し、外周面に複数、例えば3つの収容孔251を備えている。収容孔251は、回転部250の外周面からキュベットBを収納可能な略円柱形状を有する。搬送路181を落下したキュベットBは、回転部250が回転し収容孔251がレール230のスリット231と合ったときに、収容孔251に収容され保持される。収容孔251がレール230のスリット231と合わないときには、キュベットBはレール230上に留まる。なお、平常時は、キュベットBがキュベット搬出部182に保持される数に比べて、搬送路181におけるキュベットBの落下量が多くなるように設定されているので、搬送路181には、レール230の上部まで複数のキュベットBが溜まった状態(順番待ちの状態)になる。搬送路181には、その長さに応じて所定の数、例えば10個のキュベットBを溜めることができる。
【0095】
キュベット供給部30は、搬送部133によるキュベットBの搬送状態を検出可能なセンサを備えている。具体的には、搬送路181には、レール230の最上部に設けられ、キュベットBの有無やキュベットBの通過を検出可能な第1のセンサ260と、レール230の最下部に設けられ、キュベットBの有無を検出可能な第2のセンサ261が設けられている。第1のセンサ260及び第2のセンサ261は、例えば光の照射部と受光部を有する非接触式の光センサであり、受光部が、照射部から照射された光を受光したか否かに応じて、キュベットBの有無などを検出する。第1のセンサ260及び第2のセンサ261による検出結果は、制御部26に出力される。
【0096】
制御部26は、例えば、コンピュータであり、コンピュータが備えるメモリに記憶されたプログラムをCPUにより実行することにより、検体注入アーム27、試薬分注部28、29、第1のアーム31、第2のアーム32、第3のアーム33、検体容器搬入部20、第1のテーブル21、第2のテーブル22、加温部23、分析部24、キュベット供給部30などの各種駆動部の駆動を制御して、検体の分析処理を実施することができる。特に、制御部26は、分析処理において、センサ260、261によるキュベットBの搬送状態の検出結果に基づいて、振動付与機構165の動作を制御することができる。
【0097】
図13は、本発明の第1実施形態に係る制御部26のブロック構成の一例を示す図である。
図13に示すように、制御部26は、例示的に、
図1に示す表示部300に表示するための表示情報を生成するための情報処理を実行する情報処理部262と、情報処理に関する情報を記録する記録部270と、を備える。
【0098】
情報処理部262は、機能的に、製造ロット情報取得部263と、分析処理部264と、センサ情報取得部265と、算出部266と、表示情報生成部267と、を備える。なお、制御部26(コンピュータ)が備えるメモリに記憶されたプログラムをCPUにより実行することにより、各機能が実行される。
【0099】
製造ロット情報取得部263は、キュベットの製造ロットに関する製造ロット情報(例えば、製造ロット番号等)を取得する。
【0100】
図14は、本発明の第1実施形態に係る読取装置の、キュベットが格納された格納箱に付着されたコードの読取処理の一例を示す説明図である。
図14に示すように、
図1に示す検体分析装置1が備える読取装置Rは、キュベットが格納された格納箱450に付着されたコードCを読み取る。読取装置Rは、バーコード情報を制御部26に出力する。なお、コードは、一次元コードであるバーコードのみならず、二次元コードであるQRコード(登録商標)を含んでもよいし、他のコードを含んでもよい。そして、製造ロット情報取得部263は、読取装置Rによって読み取られたコードCに含まれる製造ロット情報LIを取得する。製造ロット情報LIは、製造ロット番号とともに、格納箱450に含まれるキュベットの数、つまり、第1の貯留部131に新たに供給されるキュベットの個数もさらに含んでもよい。
【0101】
この構成によれば、キュベットが格納された格納箱450に付着されたコードCを読み取ることにより、コードCに含まれる製造ロット情報LIを取得する。よって、製造ロット情報LIを確実に、且つ、容易に取得することができる。
【0102】
なお、格納箱450は、例えば、1000個のキュベットを含む袋を三袋有する。つまり、一つの格納箱には、3000個のキュベットが含まれる。よって、製造ロット情報LIは、3000個のキュベットごとに個別の製造ロット情報が割り当てられる。
【0103】
図13に戻り、分析部264は、
図8~
図10に示す排出口150から排出されたキュベットに収容される検体を分析する。分析処理部264は、例えば、キュベットに収容される分析試料(検体と試薬を混合したもの)を分析する。
【0104】
センサ情報取得部265は、
図4に示す貯留部センサ350、
図8及び9に示す排出口センサ400、並びに、
図12に示す第1のセンサ260及び第2のセンサ261から出力される検出結果をセンサ情報として取得する。
【0105】
算出部266は、
図8及び9に示す排出口センサ400の検出結果に基づいて、排出口150から排出されるキュベットの量を使用量として算出する。例えば、算出部266は、排出口150を通過するキュベットの個数を測定することにより、分析処理に使用されたキュベットの量を正確に算出することができる。
【0106】
表示情報生成部267は、製造ロット情報LIと分析結果と分析処理が実行された時刻情報とに基づいて、所定の期間に分析された1又は複数の検体の分析結果を製造ロット情報と関連付けた表示態様で表示部300に表示するための表示情報を生成する。表示情報生成部267は、生成した表示情報を表示部300に出力する。
【0107】
「所定の期間」とは、数時間、一日(24時間)、又は複数日であってもよく、週、月、年単位であってもよい。また、「時刻情報」とは、分析処理が実行された時刻を示し、後述する
図15に示すように、例えば、分析開始時刻、又は、分析終了時刻を含む。なお、時刻情報は、分析処理が実行されている途中の特定の時刻であってもよい。
【0108】
記録部270は、少なくとも、製造ロット情報LIと、キュベットに収容された検体の分析結果RAと、キュベット量情報CIと、を関連付けて記録する。また、検体を分析した時刻を示す時刻情報は、分析結果RAに含まれてもよいし、分析結果RAとは、別個に記録されてもよい。キュベット量情報CIは、キュベット量に関する情報であり、例えば、第1の貯留部131に新たに供給されたキュベットの個数を示してもよい。また、キュベット量情報CIは、
図8及び9に示す排出口センサ400、並びに、
図12に示す第1のセンサ260及び第2のセンサ261から出力されるセンサ情報に基づくキュベットの使用量(例えば使用個数)であってもよい。
【0109】
図15は、本発明の第1実施形態に係る分析結果及び製造ロット情報を含む情報テーブルの一例を示す図である。
図15に示すように、記録部270は、例示的に、検体番号、製造ロット番号、分析時刻、及び分析結果を関連付けて記録する。なお、記録部270は、検体番号ごとにラック番号及びラック位置などのラック情報をさらに記録してもよい。
【0110】
<表示情報生成処理>
図16及び
図17を参照して、本発明の第1実施形態に係る表示情報生成処理の一例を説明する。
図16は、本発明の第1実施形態に係る表示情報生成処理の一例を示すフローチャートである。
【0111】
図16に示すように、
図13に示す製造ロット情報取得部263は、検体を収容可能な複数のキュベットの製造ロット情報LIを取得する(ステップS1)。分析処理部264は、キュベットを貯留可能な第1の貯留部131に設けられた排出口150から排出されたキュベットに収容される検体を分析する(ステップS3)。記録部270は、製造ロット情報LIと、キュベットに収容される検体の分析結果RAと、検体を分析した時刻を示す時刻情報と、を関連付けて記録する(ステップS5)。表示情報生成部267は、製造ロット情報LIと分析結果RAと時刻情報とに基づいて、所定の期間(例えば、1日間)に分析された検体の分析結果RAを製造ロット情報LIと関連付けた表示態様で表示部300に表示するための表示情報を生成する(ステップS7)。
【0112】
図17は、検体分析装置1の表示部300の分析結果画面G1の一例を示す説明図である。
図17に示すように、表示情報生成部267は、例えば、2019年1月13日付けの分析結果RAを製造ロット情報番号と関連付けた一覧表示の態様で表示部300に表示するための表示情報を生成する。なお、分析結果画面G1は、検体番号ごとにラック番号及びラック位置などのラック情報をさらに含んでもよい。
【0113】
ここで、検体番号「20_27」の分析結果は「Error」(異常発生)となっている。ある分析結果に異常が発生したか否かは、例えば、各分析処理において分析値の第1基準値及び第1基準値より低い第2基準値が設定されており、ある分析値が第1基準値を超える場合、又は、第2基準値を下回る場合、分析処理に異常が発生したと判断される。そして、検体分析装置1を操作するユーザーは、異常が発生した分析結果の検体を収容したキュベットの製造ロット番号は「U1000-011」であると把握できる。
【0114】
ここで、上記したとおり、キュベットの補充は、第1の貯留部131に貯留されているキュベットの数が少なくなった際に実行される。例えば、貯留されているキュベットが100個程度になった場合に新たに1000個のキュベットが第1の貯留部131に供給される。このように、第1の貯留部131において貯留するキュベットが完全になくなる前に新たなキュベットが供給されると、第1の貯留部131においては、製造ロット番号が異なるキュベットが混在してしまうおそれがある。よって、
図17に示す分析結果画面G1上では、異常が発生した分析結果の検体を収容したキュベットの製造ロット番号は「U1000-011」であると表示されてはいるものの、実際には、異常が発生した分析結果の検体を収容したキュベットの製造ロット番号は「U1000-011」とは異なる「A1000-001」である場合があり得る。このように、異常が発生した分析結果の検体を収容したキュベットの製造ロット番号を完全には把握できないものの、ユーザーは、少なくとも、キュベットの製造ロット番号が、所定期間における複数の分析結果に対応づけられた「U1000-011」又は「A1000-001」の可能性が高いと判断(推定)することができる。
【0115】
以上のとおり第1実施形態によれば、製造ロット情報LIと分析結果RAと時刻情報とに基づいて、所定の期間に分析された検体の分析結果RAを製造ロット情報LIと関連付けた表示態様で表示部300に表示するための表示情報を生成する。よって、異常が生じた分析結果に対応づけられたキュベットの製造ロット情報を推定することができる。したがって、検体を収容可能なキュベットのトレーサビリティーを高めることができる。
【0116】
なお、分析結果画面G1は、2019年1月13日、つまり一日分の分析結果の一覧画面であるが、これに限られない。例えば、分析結果画面G1は、数時間分、又は、複数日分の分析結果の一覧画面であってもよいし、週、月、又は年単位の分析結果の一覧画面であってもよい。
【0117】
分析結果画面G1においては、異常が発生した分析結果は、他の分析結果とは異なる形態で表示されてもよい。例えば、検体番号「20_27」の分析結果は、他の分析結果とは異なる色で表示され、又は、他の分析結果とは異なる文字の太さで表示される等、強調表示されてもよい。この構成によれば、分析結果画面G1において、異常が発生した分析結果を簡単に把握することができる。
【0118】
(第2実施形態)
図18を参照して本発明の第2実施形態に係る表示情報生成処理の一例を説明する。
図18は、検体分析装置1の表示部300のキュベット管理画面の一例を示す説明図である。
図18に示すように、キュベット管理画面G3及びG5は、例えば、
図2に示す検体分析装置1の内部の構成に対応する画像を含み、キュベットのリアルタイムの管理状況を把握することができる。
図18(A)は、
図4~
図10等に示す第1の貯留部131に予め貯留するキュベットの製造ロット番号を含むキュベット管理画面の一例である。
図18(B)は、第1の貯留部131に新たなに供給されたキュベットの製造ロット番号を含むキュベット管理画面の一例である。
【0119】
図18(A)に示すように、
図13に示す表示情報生成部267は、製造ロット情報取得部263が、第1の貯留部131に供給されるキュベットの製造ロット情報LIを取得した場合、製造ロット情報LIを、予め定められた表示態様で表示部300に表示するための表示情報を生成する。そして、表示部300は、製造ロット番号CN1「A1000-001」を含むキュベット管理画面G3を表示する。
【0120】
この構成によれば、第1の貯留部131に供給されるキュベットの製造ロット情報LIを一見して把握容易になる。
【0121】
図18(A)に示すように、表示情報生成部267は、
図4~
図10等に示す第1の貯留部131に予め貯留するキュベットの製造ロット情報LIを表示部300に表示するための第1表示情報を生成する。表示部300は、例えば、製造ロット番号CN1「A1000-001」を含むキュベット管理画面G3を表示する。その後、製造ロット情報取得部263が、第1の貯留部131に新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LI(例えば、製造ロット番号CN3「U1000-011」に対応する情報)を取得した場合、表示情報生成部267は、当該製造ロット情報(LI)を表示部(300)に表示するための第2表示情報を生成する。例えば、
図18(B)に示すように、表示部300は、製造ロット番号CN3「U1000-011」を含むキュベット管理画面G3を表示する。
【0122】
この構成によれば、表示情報生成部267は、第1表示情報を生成した後に、第2表示情報を生成する。よって、製造ロット情報が変更された時期を一定の精度で把握することができる。
【0123】
表示情報生成部267は、製造ロット情報取得部263が、
図4~
図10等に示す第1の貯留部131に新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LIを取得した後、第1の貯留部131に予め貯留するキュベットが第1の貯留部131から所定量排出されたとき、又は、所定時間経過後したとき、第1の貯留部131に新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LIを表示部300に表示するための表示情報を生成する。
【0124】
ここで、上記したとおり、キュベットの補充は、第1の貯留部131に貯留されているキュベットの数が少なくなった際に実行される。例えば、貯留されているキュベットが100個程度になった場合に新たに1000個のキュベットが第1の貯留部131に供給される。そこで、製造ロット情報取得部263が、第1の貯留部131に新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LIを取得した後、残りのキュベットが100個排出されると、第1の貯留部131には、新たに供給された1000個のキュベットが貯留されていることになる。よって、このような場合には、新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LIを表示部300に表示するための表示情報を生成する。また、製造ロット情報取得部263が、第1の貯留部131に新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LIを取得した後、残りのキュベットが100個排出される時間を予め予測(又は設定)し、時間の経過後、新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LIを表示部300に表示するための表示情報を生成してもよい。なお、予め滞留するキュベットと新たなに供給されたキュベットとが混在する点についてはここでは無視する。
【0125】
この構成によれば、新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LIが取得された後、上記のように一定の条件を満たす場合に表示情報を生成するので、製造ロット情報が変更された時期をより精度よく把握することができる。
【0126】
以上のとおり第2実施形態によれば、表示情報生成部267は、製造ロット情報取得部263が、キュベットの製造ロット情報LIを取得する場合、製造ロット情報LIを、予め定められた表示態様で表示部300に表示するための表示情報を生成する。よって、表示装部300において製造ロット情報を含むキュベット管理画面が表示されるので、第1の貯留部131に供給されるキュベットの製造ロット情報LIを一見して把握容易になる。
【0127】
なお、算出部266は、排出口センサ400の検出結果に基づいて、排出口150から排出されるキュベットの量を使用量として算出してもよい。表示情報生成部267は、例えば、使用量を含むキュベット管理画面を表示するための表示情報を生成してもよい。算出部266は、貯留部センサ350が容器を検出しなくなった(例えば、第1の貯留部131内のキュベットが所定量よりも少なくなった)後、排出口150から排出される容器の量を使用量として算出してもよい。
【0128】
この構成によれば、第1の貯留部131に貯留するキュベットの使用量を測定することにより、第1の貯留部131に貯留する容器の量が少なくなってきたことを正確に特定することができる。
【0129】
算出部266は、使用量の算出を開始した後に、第1の貯留部131に新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LIが取得された場合、当該使用量をリセットする。そして、例えば、使用量ゼロとしてカウントを再開する。
【0130】
この構成によれば、第1の貯留部131に新たに供給されるキュベットの製造ロット情報LIが取得された場合、算出していた使用量をリセットする。よって、製造ロット情報LIが新たに取得される際に使用量の算出を再開することができる。
【0131】
(第3実施形態)
図19は、検体分析装置1の表示部300のキュベット管理画面G7の一例を示す説明図である。
図19に示すように、キュベット管理画面G7は、キュベットの補充(供給)を促すための情報RIを含む。情報RIは、「補充してください」というようなテキスト情報であってもよいし、補充を促すための画像情報、又は、テキスト情報と画像情報との組み合わせであってもよい。
【0132】
図13に示す表示情報生成部267は、
図4~
図10等に示す第1の貯留部131に貯留するキュベットの量が設定量(例えば、200個)以下になった場合、キュベットの供給を促すための情報を生成する。この構成によれば、第1の貯留部131に貯留するキュベットの量が少なくなってきた際にキュベットの供給を促す。よって、適切なタイミングでキュベットの補充を促すことができる。
【0133】
表示情報生成部267は、
図8及び
図9に示す貯留部センサ350によるキュベットの有無の検出結果に基づいて、キュベットの供給を促すための情報を生成する。この構成によれば、第1の貯留部131に貯留する容器の量が少なくなってきたことを容易に特定することができるので、より適切なタイミングでキュベットの補充を促すことができる。
【0134】
表示情報生成部267は、第1の貯留部131に貯留するキュベットが排出口150から所定量(例えば、800個)以上排出された場合、容器の供給を促すための情報を生成する。この構成によれば、第1の貯留部131に貯留するキュベットの量が少なくなってきたことを容易に特定することができるので、より適切なタイミングで容器の補充を促すことができる。
【0135】
以上のとおり第3実施形態によれば、キュベットの補充(供給)を促すための情報RIを含むキュベット管理画面G7を表示する。よって、ユーザーに対してキュベットの補充を促すことができる。
【0136】
<他の実施形態>
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するものではない。本発明はその趣旨を逸脱することなく、変更/改良(たとえば、各実施形態を組み合わせること、各実施形態の一部の構成を省略すること)され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0137】
1:検体分析装置、30:キュベット供給部、131:第1の貯留部、131e:底部、150:排出口、263:製造ロット情報取得部、264:分析処理部、266:算出部、267:表示情報生成部、270:記録部、300:表示部、350:貯留部センサ、400:排出口センサ、450:格納箱、B:キュベット、C:コード、R:読取装置