(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】3GPPニューラジオのベースグラフ選択
(51)【国際特許分類】
H03M 13/19 20060101AFI20220801BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
H03M13/19
H04L1/00 B
(21)【出願番号】P 2020501284
(86)(22)【出願日】2018-08-22
(86)【国際出願番号】 IB2018056369
(87)【国際公開番号】W WO2019038698
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2020-03-06
(32)【優先日】2017-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】特許業務法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンドバーグ, サラ
(72)【発明者】
【氏名】アンダーソン, マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ブランケンシップ, ユーフェイ
(72)【発明者】
【氏名】シラジニア, アミールパシャ
【審査官】吉江 一明
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-521263(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0199068(US,A1)
【文献】InterDigital Inc.,On LDPC Base Graph Selection,3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1714169,2017年08月12日
【文献】MCC Support,Final Report of 3GPP TSG RAN WG1 #AH_NR2 v1.0.0 (Qingdao, China, 27th - 30th June 2017),3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1712032,2017年08月20日,pp77-78,80
【文献】CATT,Base graphs selection for NR LDPC,3GPP TSG RAN WG1 #90, R1-1712433,2017年08月12日
【文献】Ericsson, Motorola, Panasonic, LGE, NEC, Samsung, Nokia, Nokia Siemens Networks,Correction of maximum TBS sizes, 3GPP TSG-RAN WG1#53b R1-082720,2008年07月04日,pp.1-12
【文献】Nokia,Rate matching for LDPC,3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1706 R1-1711536,2017年08月19日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03M 13/19
H04L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスポートブロックを符号化する無線通信ネットワークの無線送信機で使用する方法であって、
トランスポートブロックを送信するためのコードレートが1/4以下であるか否かを判断することと、
前記トランスポートブロックのトランスポートブロックサイズ(TBS)が3824ビット以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下であるか否かを判断することと、
上述の2つの判断することの何れかにおいて肯定的な判断がされたとき、前記トランスポートブロックを符号化するためにニューラジオ低密度パリティチェック(NR_LDPC)ベースグラフ2を選択することと、
上述の2つの判断することの両方において否定的な判断がされたとき、前記トランスポートブロックを符号化するためにNR_LDPCベースグラフ1を選択することと、
前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを符号化することであって、前記NR_LDPCベースグラフ2に対しては最大のコードブロックサイズ
(CBS)は3840ビットであ
り、TBSが3824ビットを超えるときトランスポートブロックはCBSに基づいてセグメンテーションされる、前記符号化することと、
前記符号化されたトランスポートブロックを無線受信機に送信することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記トランスポートブロックの前記TBSおよび前記コードレートは、前記トランスポートブロックに関連する変調および符号化スキーム(MCS)とTBSインデックスとに基づいて決定される
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記NR_LDPCベースグラフ1または前記NR_LDPCベースグラフ2を選択する前に、前記無線受信機により使用される制限バッファレートマッチング(LBRM)を決定し、LBRMに従って前記コードレートを調整することをさらに含む
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
トランスポートブロックを符号化する無線送信機であって、該無線送信機は、
トランスポートブロックを送信するためのコードレートが1/4以下であるか否かを判断することと、
前記トランスポートブロックのトランスポートブロックサイズ(TBS)が3824ビット以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下であるか否かを判断することと、
上述の2つの判断することの何れかにおいて肯定的な判断がされたとき、前記トランスポートブロックを符号化するためにニューラジオ低密度パリティチェック(NR_LDPC)ベースグラフ2を選択し、
上述の2つの判断することの両方において否定的な判断がされたとき、前記トランスポートブロックを符号化するためにNR_LDPCベースグラフ1を選択し、
前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを符号化し、ここで、前記NR_LDPCベースグラフ2に対しては最大のコードブロックサイズ
(CBS)は3840ビットであり、
TBSが3824ビットを超えるときトランスポートブロックはCBSに基づいてセグメンテーションされ、
前記符号化されたトランスポートブロックを無線受信機に送信する、
よう動作する処理回路を有する
無線送信機。
【請求項5】
前記トランスポートブロックの前記TBSおよび前記コードレートは、前記トランスポートブロックに関連する変調および符号化スキーム(MCS)とTBSインデックスとに基づいて決定される
請求項4に記載の無線送信機。
【請求項6】
前記処理回路は、前記NR_LDPCベースグラフ1または前記NR_LDPCベースグラフ2を選択する前に、前記無線受信機により使用される制限バッファレートマッチング(LBRM)を決定し、LBRMに従って前記コードレートを調整するようさらに動作可能である
請求項4に記載の無線送信機。
【請求項7】
前記無線送信機は、ネットワークノードを含む
請求項4に記載の無線送信機。
【請求項8】
前記無線送信機は、無線デバイスを含む
請求項4に記載の無線送信機。
【請求項9】
トランスポートブロックを復号する無線通信ネットワークの無線受信機で使用する方法であって、
符号化されたトランスポートブロックを無線送信機から受信することと、
前記トランスポートブロックを受信するためのコードレートが1/4以下であるか否かを判断することと、
前記トランスポートブロックのトランスポートブロックサイズ(TBS)が3824ビット以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下である否かをと判断することと、
上述の2つの判断することの何れかにおいて肯定的な判断がされたとき、前記受信されたトランスポートブロックを復号するためにニューラジオ低密度パリティチェック(NR_LDPC)ベースグラフ2を選択することと、
上述の2つの判断することの両方において否定的な判断がされたとき、前記トランスポートブロックを復号するためにNR_LDPCベースグラフ1を選択することと、
前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを復号することであって、前記NR_LDPCベースグラフ2に対しては最大のコードブロックサイズ
(CBS)は3840ビットであ
り、TBSが3824ビットを超えるときトランスポートブロックはCBSに基づいてセグメンテーションされている、前記復号することと、
を含む方法。
【請求項10】
前記トランスポートブロックの前記TBSおよび前記コードレートは、前記トランスポートブロックに関連する変調および符号化スキーム(MCS)とTBSインデックスとに基づいて決定される
請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記NR_LDPCベースグラフ1または前記NR_LDPCベースグラフ2を選択する前に、前記無線受信機により使用される制限バッファレートマッチング(LBRM)を決定し、LBRMに従って前記コードレートを調整することをさらに含む
請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特定の実施形態は無線通信に関し、より具体的にはニューラジオ(NR)のベースグラフ番号2(BG2)のコードブロックセグメンテーションに関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、ニューラジオ(NR)を含む第5世代(5G)の無線通信を定義している。NRは、低密度パリティチェック(LDPC)コードの2つのセットを使用する。一方のLDPCコードは、おおよそ8/9から1/3までのコードレートと最大で8448のブロック長に対して設計されている(ベースグラフ#1、BG#1またはBG1とも呼ばれる)。他方のLDPCコードは、おおよそ2/3~1/5のコードレートと最大で3840のブロック長に対して設計されている(ベースグラフ#2、BG#2またはBG2とも呼ばれる)。設計されたレートよりも低いレートでLDPCコードが使用される場合、繰り返しとチェース結合を使用して、より低いコードレートを実現できる。
【0003】
ベースグラフ#1は、コードブロックサイズ(CBS)がXより大きい場合、または初期送信のコードレートがYより大きい場合に、初期送信および同じトランスポートブロック(TB)のその後の再送信に使用される。#2は、CBSがX以下で、初期送信のコードレートがY以下である場合に、初期送信および同じTBのその後の再送信に使用される。Xは、最初の設計基準に従って2560に等しくなり得、またはベースグラフ#2が定義されている最大CBSである3840まで拡張され得る。Yは0.67に等しく、0.75まで拡張され得る。
【0004】
3GPPで議論されている提案の1つは、コードレートR<1/3に対するものであり、最大コードブロックサイズはKcb=3840でありBG2が使用される。Kcbより大きいTBサイズ(TBS)の場合、コードブロックの数は、TBをKcb=3840以下のコードブロックにセグメンテーションすることによって決定される。
【0005】
この提案を言い換える別の方法は、CBS≦Xおよび初期送信のコードレート≦2/3の場合に、初期送信および同じTBのその後の再送信にBG2が使用されることである。BG2は、すべてのTBSでコードレートが1/3未満の初期送信に使用される。
【0006】
この提案の問題は、1/3未満のレートに対してBG2が選択されることである。1/3未満のコードレートと3840を超えるTBSの組み合わせの場合、BG1で使用される繰り返しの部分が少ないことおよびBG2を使用するときに必要なコードブロックセグメンテーションにより、BG1はBG2よりも優れたパフォーマンスを発揮する。一例が
図1に示される。
【0007】
図1は、ベースグラフのパフォーマンスを示すグラフである。Kは、TBSと追加されたCRCビットを示す。複数の正方形の点線の曲線はBG2を使用したパフォーマンスであり、複数の円を有する実線はBG1を使用したパフォーマンスである。
【発明の概要】
【0008】
本明細書に記載の実施形態は、X(例えば、X=3840)より大きいトランスポートブロックサイズ(TBS)に対して、任意のコードレートR<1/3に対してベースグラフ番号2(BG2)を選択する代わりに、R<R_threshold(ここでR_thresholdは1/5<R_threshold<1/3の範囲内(たとえば、1/4)である)の場合BG2を選択する。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、トランスポートブロックを符号化する無線送信機で使用する方法は、トランスポートブロックを送信するためのコードレートがR_threshold以下(R_thresholdは1/5と1/3との間)であると判断すると、前記トランスポートブロックを符号化するためのニューラジオ(NR)低密度パリティチェック(LDPC)のベースグラフ2を選択することを含む。それ以外の場合、前記方法は、前記トランスポートブロックのTBSがサイズ閾値(X)以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下(この場合、前記方法は、ベースグラフ2を選択することを含み得る)でない限り、前記トランスポートブロックを符号化するためのNR LDPCのベースグラフ1を選択することを含む。前記方法は、前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを符号化することと、前記符号化されたトランスポートブロックを無線受信機に送信することと、をさらに含む。
【0010】
特定の実施形態では、前記方法は、ベースグラフ1またはベースグラフ2を選択する前に、前記無線受信機により使用される制限バッファレートマッチング(LBRM)を決定し、LBRMに従って前記コードレートを調整することをさらに含む。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、無線送信機は、トランスポートブロックを符号化するよう動作可能である。前記無線送信機は、トランスポートブロックを送信するためのコードレートがR_threshold以下(R_thresholdは1/5と1/3との間)であると判断すると、前記トランスポートブロックを符号化するためのNR LDPCのベースグラフ2を選択するよう動作可能な処理回路を有する。それ以外の場合、前記処理回路は、前記トランスポートブロックのTBSがサイズ閾値(X)以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下(この場合、前記処理回路は、ベースグラフ2を選択し得る)でない限り、前記トランスポートブロックを符号化するためのNR LDPCのベースグラフ1を選択する。前記処理回路は、前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを符号化し、前記符号化されたトランスポートブロックを無線受信機に送信するようさらに動作可能である。
【0012】
特定の実施形態では、前記処理回路は、ベースグラフ1またはベースグラフ2を選択する前に、前記無線受信機により使用されるLBRMを決定し、LBRMに従って前記コードレートを調整するようさらに動作可能である。
【0013】
特定の実施形態では、R_thresholdは1/4である。サイズ閾値Xは3824ビットであり得、または、前記TBSがパリティチェックビットを含む場合、サイズ閾値Xは3840ビットであり得る。前記トランスポートブロックの前記TBSおよび前記コードレートは、前記トランスポートブロックに関連する変調および符号化スキーム(MCS)とTBSインデックスとに基づいて決定され得る。
【0014】
特定の実施形態では、前記無線送信機は、ネットワークノード、または、ユーザ装置のような無線デバイスを含み得る。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、トランスポートブロックを復号する無線通信ネットワークの無線受信機で使用する方法は、符号化されたトランスポートブロックを無線送信機から受信することを含む。前記トランスポートブロックを受信するためのコードレートがR_threshold以下(R_thresholdは1/5と1/3との間)であると判断すると、前記方法は、前記受信されたトランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ2を選択することを含む。それ以外の場合、前記方法は、前記トランスポートブロックのTBSがサイズ閾値(X)以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下(この場合、前記方法は、ベースグラフ2を選択することを含み得る)でない限り、前記トランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ1を選択することを含む。前記方法は、前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを復号することをさらに含む。
【0016】
特定の実施形態では、前記方法は、ベースグラフ1またはベースグラフ2を選択する前に、前記無線受信機により使用される制限バッファレートマッチング(LBRM)を決定し、LBRMに従って前記コードレートを調整することをさらに含む。
【0017】
いくつかの実施形態によれば、無線受信機は、トランスポートブロックを復号するよう動作可能である。前記無線受信機は、符号化されたトランスポートブロックを無線送信機から受信するよう動作可能な処理回路を有する。前記トランスポートブロックを受信するためのコードレートがR_threshold以下(R_thresholdは1/5と1/3との間)であると判断すると、前記トランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ2を選択する。それ以外の場合、前記処理回路は、前記トランスポートブロックのTBSがサイズ閾値(X)以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下(この場合、前記処理回路は、ベースグラフ2を選択し得る)でない限り、前記トランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ1を選択するよう動作可能である。前記処理回路は、前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを復号するようさらに動作可能である。
【0018】
特定の実施形態では、前記処理回路は、ベースグラフ1またはベースグラフ2を選択する前に、前記無線受信機により使用されるLBRMを決定し、LBRMに従って前記コードレートを調整するようさらに動作可能である。
【0019】
特定の実施形態では、R_thresholdは1/4である。サイズ閾値Xは3824ビットであり得、または、前記TBSがパリティチェックビットを含む場合、サイズ閾値Xは3840ビットであり得る。前記トランスポートブロックの前記TBSおよび前記コードレートは、前記トランスポートブロックに関連するMCSとTBSインデックスとに基づいて決定され得る。
【0020】
特定の実施形態では、前記無線受信機は、ネットワークノード、または、ユーザ装置のような無線デバイスを含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態によれば、無線送信機は、トランスポートブロックを符号化するよう動作可能である。前記無線送信機は、符号化モジュールと送信モジュールと、を含む。前記符号化モジュールは、トランスポートブロックを送信するためのコードレートがR_threshold以下(R_thresholdは1/5と1/3との間)であると判断すると、前記トランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ2を選択するよう動作可能である。それ以外の場合、前記符号化モジュールは、前記トランスポートブロックのトランスポートブロックサイズ(TBS)がサイズ閾値(X)以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下でない限り、前記トランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ1を選択する。前記符号化モジュールは、前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを符号化するようさらに動作可能である。前記送信モジュールは、前記符号化されたトランスポートブロックを無線受信機に送信するよう動作可能である。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、無線受信機は、トランスポートブロックを復号するよう動作可能である。前記無線受信機は、復号モジュールと受信モジュールと、を含む。前記受信モジュールは、符号化されたトランスポートブロックを無線送信機から受信するよう動作可能である。前記復号モジュールは、前記トランスポートブロックを受信するためのコードレートがR_threshold以下(R_thresholdは1/5と1/3との間)であると判断すると、前記トランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ2を選択するよう動作可能である。それ以外の場合、前記復号モジュールは、前記トランスポートブロックのTBSがサイズ閾値(X)以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下でない限り、前記トランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ1を選択するよう動作可能である。前記復号モジュールは、前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを復号するようさらに動作可能である。
【0023】
また、コンピュータプログラム製品も開示される。前記コンピュータプログラム製品は、プロセッサによって実行されたとき、トランスポートブロックを送信するためのコードレートがR_threshold以下(R_thresholdは1/5と1/3との間)であると判断すると、前記トランスポートブロックを符号化するためのNR LDPCのベースグラフ2を選択するステップを実行する、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令を含む。それ以外の場合、前記命令は、前記トランスポートブロックのTBSがサイズ閾値(X)以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下(この場合、前記命令は、ベースグラフ2を選択することを含み得る)でない限り、前記トランスポートブロックを符号化するためのNR LDPCのベースグラフ1を選択するステップを実行する。前記命令は、前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを符号化するステップと、前記符号化されたトランスポートブロックを無線受信機に送信するステップと、をさらにするよう動作可能である。
【0024】
別のコンピュータプログラム製品は、プロセッサによって実行されたとき、符号化されたトランスポートブロックを無線送信機から受信するステップを実行する、非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令を含む。前記トランスポートブロックを受信するためのコードレートがR_threshold以下(R_thresholdは1/5と1/3との間)であると判断すると、前記命令は、前記受信されたトランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ2を選択するステップを実行する。それ以外の場合、前記命令は、前記トランスポートブロックのTBSがサイズ閾値(X)以下かつ前記トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下(この場合、前記命令は、ベースグラフ2を選択することを含み得る)でない限り、前記トランスポートブロックを復号するためのNR LDPCのベースグラフ1を選択するステップを実行する。前記命令は、前記選択されたベースグラフを使用して前記トランスポートブロックを復号するステップをさらに実行し得る。
【0025】
特定の実施形態は、以下の利点の一部または全部を含むか、または全く含まない場合がある。たとえば、1/3未満のコードレートでBG2の使用を避けることにより、BG2の低い設計レートにより十分な符号化利得があり、追加のコードブロックセグメンテーションによる損失と短いコードブロック長によるパフォーマンスの低下を補うことができる。最適化されたR_threshold(シミュレーションで最適化され得る)を使用すると、BG1のパフォーマンスが向上するコードレートとブロック長の特定の場合にBG2を使用することを回避でき、大幅なパフォーマンス利得がある場合にのみBG2を使用することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
実施形態ならびにそれらの特徴および利点をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【0027】
【
図1】ベースグラフのパフォーマンスを示すグラフである。
【
図2】特定の実施形態による例示的な無線ネットワークを示すブロック図である。
【
図3】いくつかの実施形態によるベースグラフのパフォーマンスを示すグラフである。
【
図4】いくつかの実施形態によるベースグラフのパフォーマンスを示すグラフである。
【
図5】いくつかの実施形態によるベースグラフのパフォーマンスを示すグラフである。
【
図6】特定の実施形態によるベースグラフを選択するための例示的な方法を示すフロー図である。
【
図7】無線送信機における例示的な方法を示すフロー図である。
【
図8】無線受信機における例示的な方法を示すフロー図である。
【
図9A】無線デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【
図9B】無線デバイスの例示的な構成要素を示すブロック図である。
【
図10A】ネットワークノードの例示的な実施形態を示すブロック図である。
【
図10B】ネットワークノードの例示的な構成要素を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、ニューラジオ(NR)を含む第5世代(5G)の無線通信を定義している。NRは、低密度パリティチェック(LDPC)コードの2つのセットを使用する。一方のLDPCコードは、おおよそ8/9から1/3までのコードレートと最大で8448のブロック長に対して設計されている(ベースグラフ#1、BG#1またはBG1とも呼ばれる)。他方のLDPCコードは、おおよそ2/3~1/5のコードレートと最大で3840のブロック長に対して設計されている(ベースグラフ#2、BG#2またはBG2とも呼ばれる)。設計されたレートよりも低いレートでLDPCコードが使用される場合、繰り返しとチェース結合を使用して、より低いコードレートを実現できる。
【0029】
3GPPで議論されている提案の1つは、コードレートR<1/3に対するものであり、設計コードレートが低いためBG2が使用され、最大コードブロックサイズはKcb=3840である。Kcbより大きいトランスポートブロックサイズ(TBS)の場合、コードブロックの数は、TBをKcb=3840以下のコードブロックにセグメンテーションすることによって決定される。
【0030】
この提案の問題は、1/3未満のレートに対してBG2が選択されることである。1/3未満のコードレートと3840を超えるTBSの組み合わせの場合、BG1で使用される繰り返しの部分が少ないことおよびBG2を使用するときに必要なコードブロックセグメンテーションにより、BG1はBG2よりも優れたパフォーマンスを発揮する。
【0031】
本明細書で説明する実施形態は、上記の問題を回避し、Xより大きいTBS(例えば、X=3840)について、任意のコードレートR<1/3に対してBG2を選択する代わりに、R<R_threshold(R_thresholdは、1/5<R_threshold<1/3の範囲(例えば1/4))である場合にBG2を選択することを含む。1/3未満のコードレートでBG2を使用することを避けることにより、BG2の低い設計レートにより十分な符号化利得があり、追加のコードブロックセグメンテーションによる損失と短いコードブロック長によるパフォーマンスの低下を補うことができる。最適化されたR_threshold(シミュレーションで最適化され得る)を使用すると、BG1のパフォーマンスが向上するコードレートとブロック長の特定の場合にBG2を使用することを回避でき、大幅なパフォーマンス利得がある場合にのみBG2を使用することが出来る。
【0032】
以下の説明では、多くの具体的な詳細を説明する。しかしながら、実施形態はこれらの特定の詳細なしで実施され得ることが理解される。他の例では、この説明の理解を不明瞭にしないために、周知の回路、構造、および技術は詳細に示されていない。含まれる説明を用いて、当業者は、過度の実験なしに適切な機能を実装することができるであろう。
【0033】
本明細書における「ある実施形態(one embodiment)」、「1つの実施形態(an embodiment)」、「例示実施形態(an example embodiment)」などへの言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含み得ることを示すが、すべての実施形態が必ずしも特定の特徴、構造、または特性を含むとは限らない。さらに、そのようなフレーズは、必ずしも同じ実施形態を指すとは限らない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して説明されている場合、明示的に説明されているかどうかにかかわらず、他の実施形態に関連してそのような特性、構造、または特性を実装することは、当業者の知識の範囲内である。
【0034】
特定の実施形態は、
図2~
図10Bを参照して説明されており、様々な図面の同様の部分および対応する部分には同様の数字が使用されている。LTEおよびNRは、本開示全体を通して例示的なセルラーシステムとして使用されているが、本明細書で提示される概念は、他の無線通信システムにも同様に適用され得る。
【0035】
図2は、特定の実施形態による例示的な無線ネットワークを示すブロック図である。無線ネットワーク100は、1つ以上の無線デバイス110(携帯電話、スマートフォン、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、MTCデバイス、または無線通信を提供できる任意の他のデバイスなど)および複数のネットワークノード120(基地局、eNodeB、gNBなどなど)を含む。無線デバイス110は、UEとも呼ばれ得る。ネットワークノード120は、カバレッジエリア115(セル115とも呼ばれる)にサービスを提供する。
【0036】
一般に、ネットワークノード120のカバレッジ内にある(例えば、ネットワークノード120によってサービスされるセル115内にある)無線デバイス110は、無線信号130を送受信することによりネットワークノード120と通信する。例えば、無線デバイス110とネットワークノード120は、音声トラフィック、データトラフィック、および/または制御信号を含む無線信号130を通信する。音声トラフィック、データトラフィック、および/または制御信号を無線デバイス110に通信するネットワークノード120は、無線デバイス110のサービングネットワークノード120と呼ばれ得る。無線デバイス110とネットワークノード120との間の通信は、セルラー通信と呼ばれ得る。無線信号130は、(ネットワークノード120から無線デバイス110への)ダウンリンク送信と(無線デバイス110からネットワークノード120への)アップリンク送信の両方を含み得る。
【0037】
各ネットワークノード120は、信号130を無線デバイス110に送信するための単一の送信機または複数の送信機を有し得る。いくつかの実施形態では、ネットワークノード120は、多入力多出力(MIMO)システムを含み得る。無線信号130は、1つ以上のビームを含み得る。特定のビームは、特定の方向にビームフォーミングされ得る。各無線デバイス110は、ネットワークノード120または他の無線デバイス110から信号130を受信するための単一の受信機または複数の受信機を有し得る。無線デバイス110は、無線信号130を含む1つ以上のビームを受信し得る。
【0038】
無線信号130は、時間-周波数リソースで送信され得る。時間-周波数リソースは、無線フレーム、サブフレーム、スロット、および/またはミニスロットに分割され得る。ネットワークノード120は、サブフレーム/スロット/ミニスロットをアップリンク、ダウンリンク、またはアップリンクとダウンリンクの組み合わせとして動的にスケジュールし得る。異なる無線信号130は、異なる送信処理時間を含み得る。
【0039】
ネットワークノード120は、LTEスペクトルなどのライセンス周波数スペクトルで動作し得る。ネットワークノード120はまた、5GHzのWi-Fiスペクトルなどのアンライセンス周波数スペクトルで動作し得る。アンライセンス周波数スペクトルでは、ネットワークノード120は、IEEE802.11アクセスポイントや端末などの他のデバイスと共存し得る。アンライセンススペクトルを共有するために、ネットワークノード120は、無線信号130を送信または受信する前にリッスンビフォアトーク(LBT)プロトコルを実行し得る。無線デバイス110は、ライセンスまたはアンライセンススペクトルの一方または両方で動作し得、いくつかの実施形態では無線信号130を送信する前にLBTを実行し得る。ネットワークノード120と無線デバイス110の両方は、ライセンス共有スペクトルでも動作し得る。
【0040】
例えば、ネットワークノード120aは、ライセンススペクトルで動作し得、ネットワークノード120bは、アンライセンススペクトルで動作し得る。無線デバイス110は、ライセンススペクトルおよびアンライセンススペクトルの両方で動作し得る。特定の実施形態では、ネットワークノード120aおよび120bは、ライセンススペクトル、アンライセンススペクトル、ライセンス共有スペクトル、または任意の組み合わせで動作するように構成可能であり得る。セル115bのカバレッジエリアは、セル115aのカバレッジエリアに含まれるように示されているが、特定の実施形態では、セル115aおよび115bのカバレッジエリアは部分的に重なり合うか、まったく重なり合わない。
【0041】
特定の実施形態では、無線デバイス110およびネットワークノード120は、キャリアアグリゲーションを実行し得る。例えば、ネットワークノード120aは、無線デバイス110をPCellとしてサービスし、ネットワークノード120bは、無線デバイス110をSCellとしてサービスし得る。ネットワークノード120は、自己スケジューリングまたはクロススケジューリングを実行し得る。ネットワークノード120aがライセンススペクトルで動作し、ネットワークノード120bがアンライセンススペクトルで動作している場合、ネットワークノード120aはアンライセンススペクトルへのライセンスアシストアクセスを提供し得る(つまり、ネットワークノード120aはLAAのPCellであり、ネットワークノード120bはLAAのSCellである)。
【0042】
特定の実施形態では、無線信号130は、低密度パリティチェック(LDPC)コードを使用して符号化され得る。無線信号130を符号化および復号するために、2つのベースグラフのうちの1つが選択され得る。無線デバイス110またはネットワークノード120は、以下で説明する実施形態または例のいずれかに従ってベースグラフを選択し得る。ベースグラフの選択については、
図3~8を参照して以下で詳しく説明する。
【0043】
無線ネットワーク100では、各ネットワークノード120は、ロングタームエボリューション(LTE)、LTEアドバンスト、UMTS、HSPA、GSM、cdma2000、NR、WiMax、WiFi、および/または他の適切な無線アクセス技術など、任意の適切な無線アクセス技術を使用し得る。無線ネットワーク100は、1つ以上の無線アクセス技術の任意の適切な組み合わせを含み得る。例として、特定の無線アクセス技術のコンテキスト内でさまざまな実施形態が説明され得る。しかしながら、本開示の範囲はこれらの例に限定されず、他の実施形態は異なる無線アクセス技術を使用し得る。
【0044】
上述のように、無線ネットワークの実施形態は、1つ以上の無線デバイスと、無線デバイスと通信することができる1つ以上の異なるタイプの無線ネットワークノードを含み得る。ネットワークは、無線デバイス間または無線デバイスと別の通信デバイス(固定電話など)間の通信をサポートするのに適した追加の要素も含み得る。無線デバイスは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含み得る。例えば、特定の実施形態では、無線デバイス110などの無線デバイスは、
図9Aに関して以下で説明されるコンポーネントを含み得る。同様に、ネットワークノードは、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含み得る。例えば、特定の実施形態では、ネットワークノード120などのネットワークノードは、
図10Aに関して以下で説明されるコンポーネントを含み得る。
【0045】
上述のように、BG1の最大情報ブロック長はKmax1=8448である。BG2の最大情報ブロック長はKmax2=3840である。
【0046】
BG1を使用して長いトランスポートブロック(TB)を送信する場合、トランスポートブロックと追加され得るフィラービットおよびCRCビットは、8448以下のサイズの複数のコードブロック(CB)に分割される。BG2を使用する場合、TBは3840以下のサイズのCBに分割される。
【0047】
BG2はBG1よりも低い最小コードレート用に設計されているため、低いコードレートに対してBG2を使用すると有利である。BG2はコードレートRmin2=1/5までのコード拡張を使用するが、BG1はRmin1=1/3までのコード拡張のみを使用する。R=1/5の送信では、BG1の代わりにBG2を使用することで、大幅な符号化利得が実現できる。
【0048】
ただし、最大情報ブロック長が短いBG2を使用してコードブロックセグメンテーションを実行すると、少なくとも2つの問題が発生する。(1)ブロック長が短い場合のパフォーマンスは、ブロック長が長い場合よりも劣る。(2)より小さいコードブロックを使用すると、1つのトランスポートブロックの送信に使用されるコードブロックの数が増加する。各コードの送信は独立したイベントであるという仮定の下で、トランスポートブロックのブロックエラーレート(BLER)は、BLER(TB)=1-(1-1個のCBに対するCB)^Nとして計算でき、Nはトランスポートブロックが分割されるコードブロックの数である。
【0049】
問題1および2に加えて、BG2を使用すると、コードブロックに付加される巡回冗長検査(CRC)ビットの総数が増加し得る。これは、コードブロックの数が増加し、コードブロックサイズに関係なく各コードブロックに同じ数のCRCビットが付加されるためである。ただし、パフォーマンスの観点からの余分なCRCビットの影響は、問題1および2と比較すると軽微であるため、以下の説明および例では無視される。
【0050】
シミュレーションは、コード拡張による符号化利得の利点と上記の欠点1)および2)の両方の影響を示している。以下の例1は、初期送信のコードレートが1/3未満の場合にBG2を使用してコードブロックセグメンテーションを実行する現在の提案が実際にパフォーマンスの低下をもたらすシナリオを示している。結果が
図3に示される。
【0051】
図3は、いくつかの実施形態による、TBS=3860およびR=0.32についてのBG1とBG2との間のベースグラフパフォーマンス比較を示すグラフである。例1では、Kは3860、Rは0.32である。グラフは、K=3860およびR=0.32のBG1のBLERと、K=3860/2およびR=0.32のBG2のBLERと、を示している。K=1930で2つのコードブロックを連結してK=3860を達成するためのBLERは、BLER(2個のCB)=1-(1-BLER(1個のCB))^2で計算され、BLER(1個のCB)は2で与えられる。BLER(2個のCB)は、TBが3860である場合のBLER(TB)と同じである。
【0052】
1)と3)を比較すると、10%BLERでBG2を使用した場合のパフォーマンスが約0.1dB低下している。BLER10^-4では、パフォーマンス損失は約0.22dBである。
【0053】
この問題が発生するのは、TBSを2つの短いコードブロックにセグメンテーションする必要があるKmax2のすぐ上のTBSだけではない。TBS=7800およびR=0.32の別のケースを例2に示す。結果が
図4に示される。
【0054】
図4は、いくつかの実施形態による、TBS=7800およびR=0.32についてのBG1とBG2との間のベースグラフパフォーマンス比較を示すグラフである。例1では、TBSは7800、Rは0.32である。グラフは、K=TBS=7800およびR=0.32のBG1のBLERと、K=7800/3=2600およびR=0.32のBG2のBLERと、を示している。TBS=7800を達成するためのK=2600の3つのコードブロックの連結のBLERは、BLER(TB)=1-(1-BLER(1個のCB))^3で計算され、BLER(1個のCB)は2で与えられる。
【0055】
1)と3)を比較すると、1%BLERでBG2を使用した場合のパフォーマンスが約0.24dB低下している。BLER 10^-4では、パフォーマンス損失は約0.5dBである。
【0056】
ただし、他のシナリオでは、例3のように、BG1の代わりにBG2を使用してコードブロックセグメンテーションを実行することで大きな利得を実現できる。例3の結果が
図5に示される。
【0057】
図5は、いくつかの実施形態による、TBS=42240およびR=0.1/5についてのBG1とBG2との間のベースグラフパフォーマンス比較を示すグラフである。例3では、TBSは42240に等しく、R=1/5である。グラフは、K=8448およびR=1/5(R=1/3の後の繰り返し)のBG1のBLERと、K=3840およびR=1/5のBG2のBLERと、を示している。BG1の場合、5個のCBが必要である。プロットは、BLER(5個のCB)=1-(1-BLER(1個のCB))^5が含む。ここで、BLER(1個のCB)は1で与えられる。BG2では、11個のCBが必要である。プロットは、BLER(11個のCB)=1-(1-BLER(1個のCB))^11を含む。ここで、BLER(1個のCB)は2)で与えられる。3)と4)を比較すると、10%BLERで約0.38dBのパフォーマンス利得が示されている。
【0058】
他の場合の損失を回避しながら、いくつかの場合の大きなパフォーマンス利得を活用するために、特定の実施形態は、BG1とBG2の間で切り替えるための修正されたルールを含む。実施形態の第1のグループでは、CBS>Xまたは初期送信のコードレート>YまたはTBS>Xおよび初期送信のコードレート≧R_thresholdである場合、BG1は、初期送信および同じトランスポートブロックの後続の再送信に使用される。BG2は、CBS≦Xおよび初期送信のコードレート≦Yまたは初期送信のコードレート<R_thresholdの場合、初期送信および同じTBの後続の再送信に使用される。R_thresholdの値は1/3から1/5の間で、一般的な値はR_threshold=1/4である。
【0059】
初期送信のコードレートは、例えば、ダウンリンク制御情報(DCI)を通じてシグナリングされるコードレートであり得る。コードブロックサイズはトランスポートブロックサイズに依存するため、上記の切り替えルールはコードブロックサイズではなくトランスポートブロックサイズのみを使用して記述され得る。たとえば、BG1は、初期送信のコードレート>YまたはTBS>Xおよび初期送信のコードレート≧R_thresholdの場合、初期送信および同じトランスポートブロックの後続の再送信に使用される。BG2は、TBS≦Xおよび初期送信のコードレート≦Yまたは初期送信のコードレート<R_thresholdの場合、初期送信および同じトランスポートブロックの後続の再送信に使用される。例が
図6に示される。
【0060】
図6は、特定の実施形態による、ベースグラフを選択する例示的な方法を示すフロー図である。ブロック図は、上記の実施形態の第1のグループで説明した方法を示している。例えば、TBSが閾値サイズX(例えば、3840ビット)よりも大きい場合、コーディングレートRは、コーディングレート閾値R_threshold(例えば、1/4)と比較される。コーディングレートRがコーディングレート閾値R_thresholdより小さい場合、ベースグラフ2が使用され、そうでない場合はベースグラフ1が使用される。
【0061】
TBSが閾値サイズX以下の場合、コーディングレートはコーディングレート閾値Y(2/3など)と比較される。コーディングレートが閾値Yより大きい場合、ベースグラフ1が使用され、そうでない場合はベースグラフ2が使用される。
【0062】
実施形態の第2のグループでは、ベースグラフの選択は、トランスポートブロックサイズの制限をベースグラフ選択ルールに追加することにより、BG2を使用するときに必要なコードブロックの追加の数を考慮する。たとえば、BG1は、CBS>Xまたは初期送信のコードレート>YまたはTBS>Zおよび初期送信のコードレート>R_thresholdの場合、初期送信および同じトランスポートブロックの後続の再送信に使用される。BG2は、CBS≦Xおよび初期送信のコードレート≦Yまたは初期送信のコードレート≦R_thresholdの場合、初期送信および同じトランスポートブロックの後続の再送信に使用される。R_thresholdの値は1/3から1/5の間で、一般的な値はR_threshold=1/4、Z≧Xであり、Xは3840である。
【0063】
実施形態の第3のグループでは、ベースグラフ選択に関する上記のルールは、以下のように定式化され得る。BG1は、CBS>Xまたは初期送信のコードレート>YまたはTBS>Zおよび初期送信のコードレート>R_thresholdの場合、初期送信および同じトランスポートブロックの後続の再送信に使用される。BG2は他のすべての場合に使用される。
【0064】
このように、実施形態の第1および第2グループで説明された選択ルールのそれぞれは、BG1が使用されるときのステートメントまたはBG2が使用されるときのステートメントのいずれかを使用して2つの追加方法で説明できる。
【0065】
実施形態の第4のグループでは、ベースグラフ選択ルールは、MCSおよびTBSインデックスの観点から記述され得る。MCSおよびTBSインデックスは、対応するTBSおよび初期送信のコードレートに変換され、上記の選択ルールを適用できる。
【0066】
実施形態の第5のグループでは、上述のようにベースグラフ選択ルールを定式化する代わりに、各MCSインデックスに対して特定のベースグラフを指定することができる。
【0067】
実施形態の第6グループでは、各MCSインデックスのベースグラフを指定する代わりに、MCSインデックスが特定の値よりも小さい(または大きい)場合にBG2を使用し、そうでない場合にBG1を使用するルールを指定できる。BG2が使用されるMCSインデックスの範囲も指定され得る。
【0068】
実施形態の第7グループでは、MCSインデックスとTBSの各組み合わせに対して特定のベースグラフを指定することができ、TBSは、送信中のTBSインデックスと物理リソースブロック(PRB)の数を通じて指定することができる。MCSインデックスとTBサイズの範囲の組み合わせに対して、特定のベースグラフを指定することもできる。
【0069】
実施形態の第8グループでは、式がTBSを決定するために使用される場合、BG2の選択は、TBSインデックスが使用される場合を除き、上記実施形態のいずれかと共にTBS入力として式の出力を使用できる。
【0070】
特定の実施形態は、R_thresholdの決定を含み得る。R_threshold(1/5<R_threshold<1/3)の最適値は、シミュレーションにより見つけられ得る。シミュレーションでは以下を考慮し得る:(a)R<1/3の場合にBG2により高い符号化利得を与えるBG2が設計されたより低いコードレートによって達成されるパフォーマンス利得;(b)コードブロックサイズが短くなることによるBG2使用のパフォーマンス低下;(c)トランスポートブロックを複数のコードブロックに分割した結果であるトランスポートブロックBLERの増大によるBG2使用のパフォーマンス低下;(d)BG2を使用するときにトランスポートブロックに必要なCRCビットのより多い数。コードブロックのサイズに関係なく、各コードブロックに同じ数のCRCビットが追加される。より小さいコードブロックを使用すると、コードブロックの数、したがってコードブロックCRCビットの数が増える可能性がある。特定のトランスポートブロックサイズと送信帯域幅(PRBの数)に対して、付加されたCRCビットの数が多いと、高いコードレートを使用する必要が生じ、パフォーマンスの低下につながる。
【0071】
特定の実施形態は、制限バッファレートマッチング(LBRM)のためのベースグラフ選択を含む。一部のUEカテゴリでは、受信側のソフトバッファのサイズが制限されている場合があり、LBRMが実行される。ソフトバッファが制限されている場合、送信側の循環バッファも制限する必要がある。これは、受信側のソフトバッファが処理できるコードレートが送信で超過しないようにするためである。
【0072】
LBRMが適用されると、ベースグラフ選択の上記の方法が変更される場合がある。実施形態の第9グループは、制限バッファを考慮する1つの方法を説明している。バッファサイズが制限されると、実効コードレート(LDPC符号化器および復号器で見られる)が、シグナリングされたコードレート(ダウンリンク制御情報で基地局からUEに送信される)を上回る。
【0073】
実施形態の第9のグループでは、少なくともLBRMが適用されない場合、そのコードレートでサポートされるすべてのTBSについてコードレートR<R_thresholdで初期送信にBG2が使用される。LBRMが適用される場合、max(R、RLBRM,TBS,BG2)<R_thresholdであればBG2を使用する。ここで、RLBRM,TBS,BG2は、BG2を使用するときにTBSでサポートされる最小レートである。R_threshold<1/3。
【0074】
コードブロックセグメンテーションが異なる数のCBをもたらし、それにより異なる数のCB CRCビットが付加される場合、BG1とBG2でサポートされる最低のLBRMレートは異なる場合がある。RLBRM,TBS,BG1=(TBS+LTB,CRC+CBG1*LCB,CRC)/B。RLBRM,TBS,BG2=(TBS+LTB,CRC+CBG2*LCB,CRC)/B。近似値はRLBRM,TBS≒TBS/Bである。Cは、トランスポートブロックがセグメントテーションされるコードブロックの数であり、Bはビット単位の合計ソフトバッファサイズである。
【0075】
上記の実施形態1~7のすべてのグループは、更新された選択ルール「max(R、RLBRM,TBS,BG2)<R_threshold」を含むように書き換えられ、それによりLBRMにも適用可能である。
【0076】
いくつかの実施形態では、Rinitは、LBRMを適用した後(適用される場合)のコードレートを示す。Rinitは、トランスポートブロックの初期送信時の実効コードレートである。実効コードレートは、実効コードレートを決定するさまざまな要因を考慮した後、LDPC符号化器と復号器の実行に使用されるコードレートである。そのような要因には、少なくとも以下を含む:(a)トランスポートブロックの送信をスケジュールするための制御情報で通知される公称コードレート;(b)制限バッファレートマッチング。Rinitは、アップリンクトランスポートブロック送信とダウンリンクトランスポートブロック送信の両方に適用される。
【0077】
たとえば、コードレートRinit>1/4の初期送信の場合(特定の実施形態では異なるレートを選択できる)、BG2はTBS>3824の場合は使用されない。特定の実施形態では、UEがBG1をサポートする場合(つまり、UEがBG1をサポートしていないためルールが適用されない)のみ、前のルールが適用される。BG2は、コードレートRinit≦1/4の初期送信に使用され、たとえば、そのコードレートでサポートされるすべてのTBSに使用される。TBSが3824を超えるBG2の場合、TBは3840以下のCBにセグメンテーションされる。
【0078】
図7は、特定の実施形態による、無線送信機における例示的な方法を示すフロー図である。特定の実施形態において、
図7の1つまたは複数のステップは、
図2に関して説明されたネットワーク100のネットワークノード120または無線デバイス110によって実行され得る。
【0079】
この方法はステップ712で始まり、無線送信機は、トランスポートブロックサイズおよび/またはコードレートに基づいてベースグラフ1またはベースグラフ2を選択する。例えば、ネットワークノード120は、トランスポートブロックを送信するためのコードレートがR_threshold以下である(R_thresholdは1/5から1/3の間である)と判断し、トランスポートブロックを符号化するためのNRのLDPCベースグラフ2を選択することができる。そうでない場合、ネットワークノード120は、トランスポートブロックのTBSがサイズ閾値(X)以下であり、トランスポートブロックを送信するためのコードレートが2/3以下(この場合、ネットワークノード120はベースグラフ2を選択し得る)でない限り、トランスポートブロックの符号化のためにNRのLDPCベースグラフ1を選択する。いくつかの実施形態では、無線送信機は、
図6に示されるフローチャートに基づいてベースグラフを選択し得る。
【0080】
特定の実施形態では、R_thresholdは1/4である。サイズ閾値Xは3824ビットであるか、TBSがパリティチェックビットを含む場合、サイズ閾値Xは3840ビットであり得る。トランスポートブロックのTBSおよびコードレートは、MCSおよびトランスポートブロックに関連付けられたTBSインデックスに基づいて決定される。無線送信機は、無線受信機がLBRMを使用するかどうかに基づいてコードレートを調整する。
【0081】
ステップ714で、無線送信機は、選択されたベースグラフを使用してトランスポートブロックを符号化する。例えば、ネットワークノード120は、ベースグラフ1またはベースグラフ2のいずれかを使用してトランスポートブロックをLDPCエンコードし得る。
【0082】
ステップ716で、無線送信機は、符号化されたトランスポートブロックを無線受信機に送信する。たとえば、ネットワークノード120は、LDPC符号化トランスポートブロックを無線デバイス110に送信し得る。
【0083】
図7の方法700に対して修正、追加、または省略を行うことができる。さらに、
図7の方法の1つまたは複数のステップを並行して、または任意の適切な順序で実行することができる。必要に応じて、時間をかけて手順を繰り返すことができる。上記の例ではネットワークノード120が無線送信機の例として使用され、無線デバイス110が無線受信機の例として使用されているが、他の例では無線デバイス110が無線送信機であり、ネットワークノード120が無線受信機であり得る。
【0084】
図8は、特定の実施形態による、無線受信機における例示的な方法を示すフロー図である。特定の実施形態では、
図2に関して説明したネットワーク100のネットワークノード120または無線デバイス110によって、
図8の1つまたは複数のステップを実行され得る。
【0085】
この方法はステップ812で始まり、ここで無線受信機は、無線送信機から符号化されたトランスポートブロックを受信する。例えば、無線デバイス110は、ネットワークノード120からLDPC符号化トランスポートブロックを受信し得る。トランスポートブロックは、
図7に関して説明された方法700に従って符号化され得る。
【0086】
ステップ814で、無線受信機は、トランスポートブロックサイズおよび/またはコードレートに基づいてベースグラフ1またはベースグラフ2を選択する。例えば、無線デバイス110は、トランスポートブロックを受信するためのコードレートがR_threshold以下である(R_thresholdは1/5から1/3の間である)と判断し、トランスポートブロックを復号するためのNRのLDPCベースグラフ2を選択し得る。そうでない場合、トランスポートブロックのTBSがサイズ閾値(X)以下であり、トランスポートブロックを受信するためのコードレートが2/3以下(この場合、無線デバイス110はベースグラフ2を選択し得る)でない限り、無線デバイス110はトランスポートブロックを復号するためにNRのLDPCベースグラフ1を選択する。いくつかの実施形態では、無線受信機は、
図6に示されるフローチャートに基づいてベースグラフを選択し得る。
【0087】
特定の実施形態では、R_thresholdは1/4である。サイズ閾値Xは3824ビットであるか、TBSがパリティチェックビットを含む場合、サイズ閾値Xは3840ビットであり得る。トランスポートブロックのTBSおよびコードレートは、MCSおよびトランスポートブロックに関連付けられたTBSインデックスに基づいて決定される。無線受信機は、LBRMを使用するかどうかに基づいてコードレートを調整できる。
【0088】
ステップ816で、無線受信機は、選択されたベースグラフを使用してトランスポートブロックを復号する。例えば、無線デバイス110は、ベースグラフ1またはベースグラフ2のいずれかを使用してトランスポートブロックをLDPC復号し得る。
【0089】
図8の方法800に対して修正、追加、または省略を行うことができる。さらに、
図8の方法の1つまたは複数のステップを並行して、または任意の適切な順序で実行することができる。必要に応じて、時間をかけて手順を繰り返すことができる。上記の例ではネットワークノード120が無線送信機の例として使用され、無線デバイス110が無線受信機の例として使用されているが、他の例では無線デバイス110が無線送信機であり、ネットワークノード120が無線受信機であり得る。
【0090】
図9Aは、無線デバイスの例示的な実施形態を示すブロック図である。無線デバイスは、
図2に示される無線デバイス110の例である。特定の実施形態では、無線デバイスは、無線信号を符号化または復号するための2つのベースグラフの1つを選択することができる。
【0091】
無線デバイスの特定の例には、携帯電話、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、ポータブルコンピュータ(ラップトップ、タブレットなど)、センサ、モデム、マシンタイプ(MTC)デバイス/マシンツーマシン(M2M)デバイス、ラップトップ組込機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、デバイスツーデバイス可能デバイス、車車間デバイス、または無線通信を提供できるその他のデバイス、が含まれる。無線デバイスは、送受信機1310、処理回路1320、メモリ1330、および電源1340を含む。いくつかの実施形態では、送受信機1310は、無線ネットワークノード120への無線信号の送信および無線ネットワークノード120からの無線信号の受信を(例えば、アンテナを介して)容易にし、処理回路1320は、無線デバイスによって提供される本明細書で説明される機能の一部またはすべてを提供するための命令を実行し、メモリ1330は、処理回路1320によって実行される命令を格納する。電源1340は、送受信機1310、処理回路1320、および/またはメモリ1330など、無線デバイス110のコンポーネントの1つ以上に電力を供給する。
【0092】
処理回路1320は、命令を実行し、データを操作して無線装置の記載された機能の一部または全部を実行するために1つ以上の集積回路またはモジュールに実装されるハードウェアおよびソフトウェアの適切な組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、処理回路1320は、例えば、1つ以上のコンピュータ、1つ以上のプログラマブルロジックデバイス、1つ以上の中央処理装置(CPU)、1つ以上のマイクロプロセッサ、1つ以上のアプリケーション、および/または他のロジック、および/または前述の適切な組み合わせ、を含み得る。処理回路1320は、無線デバイス110の記載された機能の一部またはすべてを実行するように構成されたアナログおよび/またはデジタル回路を含み得る。例えば、処理回路1320は、抵抗器、コンデンサ、インダクタ、トランジスタ、ダイオード、および/または任意の他の適切な回路コンポーネントを含み得る。
【0093】
メモリ1330は一般に、コンピュータ実行可能コードおよびデータを格納するように動作可能である。メモリ1330の例は、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)または読み取り専用メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、取り外し可能な記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD))、および/または情報を格納するその他の揮発性または不揮発性、非一時的なコンピュータ読み取り可能および/またはコンピュータ実行可能メモリデバイスを含む。
【0094】
電源1340は、一般に、無線装置110のコンポーネントに電力を供給するように動作可能である。電源1340は、リチウムイオン、リチウムエアー、リチウムポリマー、ニッケルカドミウム、ニッケル金属水素化物、または無線デバイスに電力を供給するための他の任意の適切なタイプのバッテリーを含み得る。
【0095】
無線デバイスの他の実施形態は、上記の機能および/または追加の機能(上記の解決策をサポートするために必要な機能を含む)を含む、無線デバイスの機能の特定の側面を提供する役割を担う追加のコンポーネント(
図9Aに示されているもの以外)を含み得る。
【0096】
図9Bは、無線デバイス110の例示的なコンポーネントを示すブロック図である。コンポーネントは、符号化モジュール1350、送信モジュール1352、復号モジュール1354、および受信モジュール1356を含み得る。
【0097】
符号化モジュール1350は、無線デバイス110の符号化機能を実行し得る。例えば、符号化モジュール1350は、上記の例および実施形態のいずれかに従って2つの可能なベースグラフの1つを使用してトランスポートブロックを符号化し得る。特定の実施形態では、符号化モジュール1350は、処理回路1320を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態では、符号化モジュール1350は、送信モジュール1352と通信し得る。
【0098】
送信モジュール1352は、無線デバイス110の送信機能を実行し得る。例えば、送信モジュール1352は、トランスポートブロックをネットワークノードに送信し得る。特定の実施形態では、送信モジュール1352は、処理回路1320を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態では、送信モジュール1352は、符号化モジュール1350と通信し得る。
【0099】
復号モジュール1354は、無線デバイス110の復号機能を実行し得る。例えば、復号モジュール1354は、上記の例および実施形態のいずれかに従って、2つの可能なベースグラフの1つを使用してトランスポートブロックを復号し得る。特定の実施形態では、復号化モジュール1354は、処理回路1320を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態では、復号化モジュール1354は、受信モジュール1356と通信し得る。
【0100】
受信モジュール1356は、無線デバイス110の受信機能を実行し得る。例えば、受信モジュール1356は、ネットワークノードからトランスポートブロックを受信し得る。特定の実施形態では、受信モジュール1356は、処理回路1320を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態では、受信モジュール1356は、復号モジュール1354と通信し得る。
【0101】
図10Aは、ネットワークノードの例示的な実施形態を示すブロック図である。ネットワークノードは、
図2に示すネットワークノード120の一例である。特定の実施形態では、ネットワークノードは、無線信号を符号化または復号するための2つのベースグラフの1つを選択することができる。
【0102】
ネットワークノード120は、eノードB、ノードB、gNB、基地局、無線アクセスポイント(例えば、Wi-Fiアクセスポイント)、低電力ノード、基地送受信局(BTS)、送信ポイント、またはノード、リモートRFユニット(RRU)、リモートラジオヘッド(RRH)、またはその他の無線アクセスノードであり得る。ネットワークノードは、少なくとも1つの送受信機1410、少なくとも1つの処理回路1420、少なくとも1つのメモリ1430、および少なくとも1つのネットワークインターフェース1440を含む。送受信機1410は、無線デバイス110などの無線デバイスへの無線信号の送受信を(たとえば、アンテナを介して)容易にし、処理回路1420は、命令を実行して、ネットワークノード120によって提供されるものとして上述した機能の一部またはすべてを提供し、メモリ1430は、処理回路1420によって実行される命令を格納し、ネットワークインターフェース1440は、ゲートウェイ、スイッチ、ルータ、インターネット、公衆交換電話網(PSTN)、コントローラ、および/または他のネットワークノード120などのバックエンドネットワークコンポーネントに信号を通信する。処理回路1420およびメモリ1430は、上記の
図9Aの処理回路1320およびメモリ1330に関して説明したものと同じタイプであり得る。
【0103】
いくつかの実施形態では、ネットワークインターフェース1440は、処理回路1420に通信可能に結合され、ネットワークノード120の入力を受信し、ネットワークノード120から出力を送信し、入力または出力またはその両方の適切な処理を実行し、他と通信するように動作可能な任意の適切なデバイスを指すデバイス、または上記の任意の組み合わせである。ネットワークインターフェース1440は、ネットワークを介して通信するための適切なハードウェア(例えば、ポート、モデム、ネットワークインターフェースカードなど)およびプロトコル変換およびデータ処理機能を含むソフトウェアを含む。
【0104】
図10Bは、ネットワークノード120の例示的なコンポーネントを示すブロック図である。コンポーネントは、符号化モジュール1450、送信モジュール1452、復号モジュール1454、および受信モジュール1456を含み得る。
【0105】
符号化モジュール1450は、ネットワークノード120の符号化機能を実行し得る。例えば、符号化モジュール1450は、上記の例および実施形態のいずれかに従って2つの可能なベースグラフの1つを使用してトランスポートブロックを符号化し得る。特定の実施形態では、符号化モジュール1450は、処理回路1420を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態では、符号化モジュール1450は、送信モジュール1452と通信し得る。
【0106】
送信モジュール1452は、ネットワークノード120の送信機能を実行し得る。例えば、送信モジュール1452は、トランスポートブロックを無線デバイスに送信し得る。特定の実施形態では、送信モジュール1452は、処理回路1420を含むか、処理回路1420に含まれ得る。特定の実施形態では、送信モジュール1452は、符号化モジュール1450と通信し得る。
【0107】
復号モジュール1454は、ネットワークノード120の復号機能を実行し得る。例えば、復号モジュール1454は、上記の例および実施形態のいずれかに従って、2つの可能なベースグラフの1つを使用してトランスポートブロックを復号し得る。特定の実施形態では、復号モジュール1454は、処理回路1420を含むか、処理回路1420に含まれ得る。特定の実施形態では、復号モジュール1454は、受信モジュール1456と通信し得る。
【0108】
受信モジュール1456は、ネットワークノード120の受信機能を実行し得る。例えば、受信モジュール1456は、無線デバイスからトランスポートブロックを受信し得る。特定の実施形態では、受信モジュール1456は、処理回路1420を含むか、それに含まれ得る。特定の実施形態では、受信モジュール1456は、復号モジュール1454と通信し得る。
【0109】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示されたシステムおよび装置に対して、修正、追加、または省略を行うことができる。システムおよび装置のコンポーネントは、統合または分離され得る。さらに、システムおよび装置の動作は、より多く/より少なくあり得、または他のコンポーネントによって実行され得る。さらに、システムおよび装置の動作は、ソフトウェア、ハードウェア、および/または他のロジックを含む任意の適切なロジックを使用して実行され得る。このドキュメントで使用されている「各(each)」とは、セットの各メンバーまたはセットのサブセットの各メンバーを指す。
【0110】
本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に開示された方法に対して、修正、追加、または省略を行うことができる。方法は、より多く/より少なくあり得、または他のステップが含まれる場合がある。さらに、ステップは任意の適切な順序で実行できる。
【0111】
本開示は、特定の実施形態に関して説明されてきたが、実施形態の変更および置換は、当業者には明らかであろう。したがって、実施形態の上記の説明は、本開示を制約しない。以下の特許請求の範囲によって定義されるように、本開示の精神および範囲から逸脱することなく、他の変更、置換、および変更が可能である。
【0112】
前述の説明で使用された略語は以下を含む:
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト
BBU ベースバンドユニット
BG ベースグラフ
BTS 基地送受信局
CB コードブロック
CBS コードブロックサイズ
CC コンポーネントキャリア
CRC 巡回冗長検査
CQI チャネル品質情報
CSI チャネル状態情報
D2D デバイスツーデバイス
DCI ダウンリンク制御情報
DFT 離散フーリエ変換
DMRS 復調参照信号
eNB eNodeB
FDD 周波数分割複信
FFT 高速フーリエ変換
gNB 次世代NodeB
LAA ライセンスアシストアクセス
LBT リッスンビフォアトーク
LDPC 低密度パリティチェック
LTE ロングタームエボリューション
LTE-U アンライセンススペクトルのLTE
M2M マシンツーマシン
MCS 変調および符号化スキーム
MIB マスタ情報ブロック
MIMO 多入力多出力
MTC マシンタイプ通信
NR ニューラジオ
OFDM 直交周波数分割多重
PCM パリティ検査行列
RAN ラジオアクセスネットワーク
RAT 無線アクセス技術
RBS 無線基地局
RNC 無線ネットワークコントローラ
RRC 無線リソース制御
RRH リモートラジオヘッド
RRU リモートラジオユニット
SCell 2次セル
SI システム情報
SIB システム情報ブロック
TB トランスポートブロック
TBS トランスポートブロックサイズ
TDD 時分割複信
TTI 送信時間間隔
UE ユーザ装置
UL アップリンク
UTRAN ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク
WAN 無線アクセスネットワーク