(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】新規置換キサンチン誘導体
(51)【国際特許分類】
C07D 473/06 20060101AFI20220801BHJP
A61K 31/522 20060101ALI20220801BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220801BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20220801BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220801BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20220801BHJP
A61P 25/22 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
C07D473/06 CSP
A61K31/522
A61P43/00 111
A61P25/16
A61P25/28
A61P25/24
A61P25/22
(21)【出願番号】P 2020523041
(86)(22)【出願日】2018-07-06
(86)【国際出願番号】 EP2018068366
(87)【国際公開番号】W WO2019011802
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-02
(32)【優先日】2017-07-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(73)【特許権者】
【識別番号】520011186
【氏名又は名称】ハイドラ・バイオサイエンシーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】Hydra Biosciences, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】カイ・ゲルラッハ
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・アイクマイアー
(72)【発明者】
【氏名】アヒム・ザウアー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ユスト
(72)【発明者】
【氏名】バートランド・エル・チェナード
【審査官】伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-513717(JP,A)
【文献】特表2017-524018(JP,A)
【文献】特表2017-523229(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次
で表される化合物群から選択される化合物。
【化1】
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
【請求項2】
前記化合物が
【化7】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記化合物が
【化8】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
前記化合物が
【化9】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
前記化合物が
【化10】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
前記化合物が
【化11】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
前記化合物が
【化12】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
前記化合物が
【化13】
である、請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物の、薬学的に許容される塩。
【請求項10】
薬物として使用するための、請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物または請求項9に記載の薬学的に許容される塩。
【請求項11】
請求項1~8のいずれか一項に記載の化合物または請求項9に記載の薬学的に許容される塩を含む、医薬組成物。
【請求項12】
TRPC5介在性障害を処置する
ための、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
TRPC5介在性障害が精神
性、神経
性または神経変性
疾患の状態である、請求項
12に記載の
医薬組成物。
【請求項14】
精神
性、神経
性または神経変性
疾患の状態が情動過程調節不全に関連する疾患(例えば、境界性パーソナリティ障害または大うつ病、大うつ病性障害、精神性うつ病、気分変調症および分娩後うつ病のような抑うつ障害ならびに双極性障害)、不安および恐怖関連障害(例えば、外傷後ストレス障害、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、強迫性障害、および分離不安)、記憶障害(例えば、アルツハイマー病、健忘症、失語症、脳傷害、脳腫瘍、慢性疲労症候群、クロイツフェルト-ヤコブ病、解離性健忘症、遁走健忘症、ハンチントン病、学習障害、睡眠障害、多重人格障害、疼痛、外傷後ストレス障害、統合失調症、スポーツ外傷、卒中およびウェルニッケ-コルサコフ症候群)、衝動制御障害に関連する障害および嗜癖ならびにアルツハイマー病、パーキンソン疾患、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症および外傷または加齢を含む他の損傷により引き起こされる他の脳障害から成る群から選択される、請求項
13に記載の
医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換キサンチン誘導体、それらを含む医薬組成物および治療、特にTRPC5含有イオンチャネルと関連する状態の処置または予防におけるそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
多様なイオンチャネルタンパク質は、細胞膜を通過するイオン流出を媒介するために存在する。イオンチャネルタンパク質の適切な発現および機能は細胞機能の維持および細胞内伝達のために不可欠である。多数の疾患は、膜電位の調節不良または異常なカルシウム動態の結果である。細胞における膜電位およびイオン流出の調節におけるイオンチャネルの中心的な重要性を考慮すると、特定のイオンチャネルを促進または阻害し得る薬剤の特定は、研究ツールとしておよび可能性のある治療剤として極めて興味深い。
【0003】
一過性受容器電位(TRP)カチオンチャネルサブファミリーC、メンバー5(TRPC5)のようなカチオンチャネルは、細胞膜を介するカルシウムおよびナトリウムイオンの流動を調節する。ナトリウムおよびカルシウム流入は細胞の脱分極をもたらす。これは電位開口型イオンチャネルが活性化に必要な閾値に到達する確率を増加させる。結果として、非選択的カチオンチャネルの活性化は、電気的励起性を増加させ得て、電位依存性事象の頻度を増加させ得る。電位依存性事象は、限定されないが、心筋活動電位、心筋活動電位、平滑筋収縮、心筋収縮および骨格筋収縮を含む。
【0004】
TRPC5のような非選択的カチオンチャネルの活性化により引き起こされるカルシウム流入はまた、細胞内遊離カルシウム濃度を変化させる。カルシウムは細胞内の偏在性セカンドメッセンジャー分子であり、細胞内カルシウムレベルの変化はシグナル伝達および遺伝子発現に対して甚大な影響をもたらす。従って、TRPC5のような非選択的カチオンチャネルの活性化は遺伝子発現および細胞表現型における変化をもたらし得る。遺伝子発現事象は、限定されないが、細胞表面受容体、イオンチャネルおよびキナーゼをコードするmRNAの産生を含む。遺伝子発現におけるこれらの変化はその細胞における過励起をもたらし得る。
【0005】
ホモマーTRPC5イオンチャネルは主に神経で発現するシグナル伝達開口性Ca2+-透過性チャネルである。TRPC5は、テトラマーのようなホモマルチマー構造(すなわち、TRPC5ホモマルチマー)およびテトラマーのようなヘテロマルチマー構造(すなわち、TRPC5-TRPC1ヘテロマルチマー)を形成する。明確に示されない限り、本明細書において用語TRPC5が使用されるとき、例えば、TRPC5アンタゴニストのようなTRPC5のモジュレーターを特定するとき、用語TRPC5は、TRPC5ホモマルチマーまたはヘテロマルチマー(例えばTRPC5-TPRC1またはTRPC5-TRPC4ヘテロマルチマー)の一方または両方を含むように一般的に使用される。文献中のTRPC5の例は、次のものを含む:Nature 2008 Jan. 3; 451 (7174):69-72; Mol Pharmacol. 2008 Jan.; 73 (1):42-9; J Biol Chem. 2007 Nov. 16; 282 (46):33868-78; Biochem Biophys Res Commun. 2008 Jan. 11; 365 (2):239-45; J Biol Chem. 2006 Nov. 3; 281 (44):33487-96; Eur J Pharmacol. 2005 Mar. 14; 510 (3):217-22; J Biol Chem. 2006 Feb. 24; 281 (8):4977-82; Biochem Soc Trans. 2007 February; 35 (Pt.1):101-4; Handb Exp Pharmacol. 2007; (179):109-23; J Biol Chem. 2005 Mar. 25; 280 (12):10997-1006; J Physiol. 2006 Jan. 15; 570 (Pt 2):219-35;およびNat Neurosci. (2003) 6: 837-45。
【0006】
TRPC5タンパク質機能の調節はカルシウムホメオスタシス、ナトリウムホメオスタシス、膜分極および/または細胞内カルシウムレベルを調節する方法を提供し、TRPC5機能を調節し得る化合物は、限定されないが、カルシウムホメオスタシスの維持、細胞内カルシウムレベルの調節、膜分極の調節ならびにカルシウムおよび/もしくはナトリウムホメオスタシスもしくはホメオスタシス不全に関連する疾患、障害または状態の処置または予防を含む、多くの態様に有用である。
【0007】
TRPC5含有イオンチャネルを阻害する化合物は、例えば、ホモマルチマー形態ならびにTRPC1またはTRPC3のような他のイオンチャネルを有するヘテロマルチマー形態(すなわち、TRPC5-TRPC1およびTRPC1-TRPC3-TRPC5)で存在し得る一過性受容器電位カチオンチャネルサブファミリーC、メンバー5(TRPC5)の活性を調節することにより、神経精神障害、神経変性障害、腎症および発作性障害のような状態を処置するために有用である。国際公開第2014/143799号には、TRPC5を阻害するキサンチン誘導体が開示されている。それらはTRPC5介在性イオン流動を阻害することによりまたはTRPC5により媒介される内向き電流、外向き電流または両方の電流を阻害することによりTRPC5の機能を調節する。
【0008】
本発明の詳細な説明
本発明は、予想外に強力なTRPC5阻害剤である新規置換キサンチン誘導体を提供する。本発明の化合物は、本発明の化合物の化合物中のキサンチンのC8位がフェニル基ではなくヘテロアリール基で置換されている点で、国際公開第2014/143799号に開示される構造的に最も近い化合物と相違する。
【0009】
特に、本発明は次の化合物
【化1】
【化2】
【化3】
またはその薬学的に許容される塩を提供する。
【0010】
本発明の化合物はTRPC5介在性イオン流動を阻害することによりまたはTRPC5により媒介される内向き電流、外向き電流または両方の電流を阻害することによりTRPC5の機能を調節する。それらは、特にhERGチャネルに関して国際公開第2014/143799号の最も近い先行技術の化合物と比較したとき、特にhERGチャネルに関して、非関連受容体/チャネルを上回る、より高いTRPC5に対する選択性により特徴付けられる。
【0011】
hERGチャネルの阻害およびその後の心臓再分極の遅れは、トルサード・ド・ポワントとしてSanguinettiら(1995, Cell, 81 (2): 299-307)およびその後の証明により確立された特定の多型心室性頻脈性不整脈のリスク増加と関連する。このリスクを最小限にするためには、hERGチャネルの非相同発現を用いたインビトロ系におけるhERGチャネル阻害に対するスクリーニングが一般的な慣例であり、ICHガイドラインS 7 B (International Conference on Harmonization (2005): ICHトピックS 7 B; The nonclinical Evaluation of the Potential for delayed Ventricular Repolarization (QT Interval Prolongation) by Human Pharmaceuticals)により推奨される後の前臨床的プロファイリングの重要な部分である。従って、本発明の化合物により示されるような、低いhERGチャネル阻害または相互作用が強く所望される。それ故に、本発明の化合物はヒト治療について大いに有望である。
【0012】
従って、本発明はTRPC5介在性障害の処置に使用するための化合物を提供する。
【0013】
本発明はさらに、本発明の化合物または本発明の化合物もしくはその薬学的に許容される塩の組成物を対象に投与することを含む、ヒト対象におけるTRPC5介在性障害の処置方法を提供する。
【0014】
ある態様において、本発明はTRPC5介在性電流および/またはTRPC5介在性イオン流動を阻害する本明細書に記載の化合物のようなTRPC5アンタゴニストを投与することにより低減させたTRPC5活性が状態の重症度を低減し得る、状態の処置方法に関する。TRPC5阻害について測定されたIC50が10ナノモル濃度以下であるTRPC5アンタゴニストである化合物が、本明細書に記載される。特定の実施態様において、TRPC5アンタゴニストである本明細書に記載の化合物は、内向きおよび外向きTRPC5介在性電流の一方または両方を阻害し、10ナノモル濃度以下のIC50を有する。特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物は、1マイクロモル濃度以下で投与されるとき、少なくとも95%のTRPC5介在性電流またはTRPC5介在性イオン流動を阻害する。同時に、本明細書に記載の化合物は、実質的にhERGチャネルと相互作用しない。TRPC5アンタゴニストであり、かつ1マイクロモル濃度以上、好ましくは5マイクロモル濃度以上および特に好ましくは10マイクロモル濃度以上のhERG阻害についての測定IC50を有する化合物が本明細書に記載される。
【0015】
別の態様において、TRPC5アンタゴニストである本明細書に記載の化合物は、TRPC5の機能、例えば、TRPC5介在性電流および/またはTRPC5介在性イオン流動を阻害するために使用され得る。いくつかの実施態様において、本明細書に記載の化合物はインビトロで、例えば、培養物中の細胞でTRPC5介在性電流を阻害するために使用され得る。他の実施態様において、本明細書に記載の化合物はインビボでTRPC5介在性電流を阻害するために使用され得る。特定の実施態様において、本明細書に記載の化合物は内向きおよび外向きTRPC5介在性電流の両方を阻害する。
【0016】
定義
本明細書において特に定義されない用語は、開示および内容に照らして当業者により与えられる意義を与えられるものとする。
【0017】
用語「アンタゴニスト」および「阻害剤」は相互交換可能に使用され、生物活性を低下させるまたは抑制する、例えばTRPC5のようなイオンチャネルの活性を抑制する薬剤をいう。本明細書に記載のTRPC5イオンチャネルはホモマルチマーおよびヘテロマルチマー構造(例えばホモマルチマーTRPC5およびヘテロマーTRPC5-TRPC1またはTRPC5-TRPC4)を含む。TRPC5アンタゴニストは、本明細書に開示される構造的および/または機能的性質の任意の組合せを有する阻害剤を含む。
【0018】
阻害または処置の本発明方法について、例えば、TRPC5アンタゴニストの「有効量」とは、所望の投与レジメンの一部として適用されるとき、所望の臨床的または機能的結果をもたらす製剤中のアンタゴニストの量をいう。理論により縛られないが、本発明の方法に使用するための有効量のTRPC5アンタゴニストは、1以上のTRPC5チャネルのインビトロまたはインビボ機能を低下させるために有効なTRPC5アンタゴニストの量を含む。典型的な機能は、限定されないが、膜分極(例えば、アンタゴニストは細胞の過分極を促進し得る)、イオン流動、細胞内のイオン濃度、外向き電流および内向き電流を含む。TRPC5機能に拮抗する化合物は、TRPC5のインビトロまたはインビボ機能活性に拮抗する化合物を含む。特定の機能活性がインビトロアッセイでのみ容易に観察されるとき、そのインビトロアッセイにおいてTRPC5機能を阻害するための化合物の能力は、その化合物の活性に対する合理的な代替物として役立つ。特定の実施態様において、有効量は、TRPC5介在性電流を阻害するために十分な量および/またはTRPC5介在性イオン流動を阻害するために十分な量である。
【0019】
本発明の方法に使用するためのTRPC5アンタゴニストは、1以上の他のイオンチャネルに対するそれらの活性または活性欠如により特徴付けられ得る。他のイオンチャネルについて言及されるとき、このような他のイオンチャネルの機能阻害は同様に定義される。例えば、イオンチャネルまたはイオンチャネル活性の阻害とは、アンタゴニストが他のイオンチャネルの1以上の機能活性を阻害することを意味する。このような機能は特定のイオンチャネルにより媒介される電流、イオン流動または膜分極を含む。
【0020】
用語「化合物」および「薬剤」は相互交換可能に使用され、本発明の阻害剤/アンタゴニストをいう。
【0021】
本明細書に記載の化合物は非対称であり得る(例えば、1以上の立体中心を有する)。特に断らない限りエナンチオマーおよびジアステレオマーのような全ての立体異性体が意図される。非対称に置換された炭素原子を含む本発明の化合物は、光学活性体またはラセミ体で単離され得る。光学活性な出発物質から光学活性体を製造する方法は、ラセミ混合物の分割または立体選択的合成による方法のように、当分野において既知である。
【0022】
化合物のラセミ混合物の分割は、当分野において既知の多数の方法のいずれかにより実施され得る。方法の例は、光学活性な、塩を形成する有機酸である「キラル分割酸」を用いた分別晶析を含む。分別晶析法のための適切な分割剤は、例えば、D型およびL型の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸またはβ-カンファースルホン酸のような多様な光学活性カンファースルホン酸のような光学活性な酸を含む。分別結晶法に適切な他の分割剤は、立体異性的に純粋な形態のα-メチルベンジルアミン(例えば、S型およびR型またはジアステレオマー的に純粋な形態)、2-フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N-メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミンおよび1,2-ジアミノシクロヘキサンを含む。
【0023】
ラセミ混合物の分割はまた、光学活性な分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)で充填されたカラムでの溶出により実施され得る。適切な溶出溶媒組成は、当業者により決定され得る。本発明の化合物はまた、ケト-エノール互変異性体のような互変異性形態を含む。
【0024】
特に示されない限り、本明細書および添付の特許請求の範囲全体を通じて、記載する化学式または名称は互変異性体および全ての立体、光学および幾何異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオ異性体、E/Z異性体およびそのラセミ体、ならびにこのような異性体およびエナンチオマーが存在する場合には、別個のエナンチオマーの種々の割合での混合物、ジアステレオ異性体混合物または前記形態のいずれかの混合物ならびにその薬学的に許容される塩を包含するものとする。
【0025】
本発明の化合物は、中間体または最終化合物において存在する原子の全同位体を含み得る。例えば、本発明の化合物は、例えば、トリチウムトリチウム(3H)または炭素-14(14C)のような放射性同位体で放射標識され得る。放射性であろうとなかろうと、全ての同位体相違化合物は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0026】
本明細書において使用される「薬学的に許容される塩」とは、親化合物が酸または塩基と塩を形成する、開示された化合物の誘導体をいう。
【0027】
塩基性部分を含む親化合物と薬学的に許容される塩を形成する酸についての例は、無機酸またはベンゼンスルホン酸、安息香酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、ゲンチジン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、4-メチル-ベンゼンスルホン酸、リン酸、サリチル酸、コハク酸、硫酸もしくは酒石酸のような有機酸を含む。アルギニン酸のようなアミノ酸の塩およびグルコン酸またはガラクツロン酸のような有機酸の塩もまた、含まれる(例えば、Berge et al., "Pharmaceutical Salts", Journal of Pharmaceutical Science, 1977, 66, 1-19を参照)。
【0028】
酸性部分を含む親化合物と薬学的に許容される塩を形成するカチオンおよび塩基についての例は、Na+、K+、Ca2+、Mg2+、NH4
+、L-アルギニン、2,2’-イミノビスエタノール、L-リシン、N-メチル-D-グルカミンまたはトリス(ヒドロキシメチル)-アミノメタンを含む。
【0029】
本発明の化合物の中性形態は、好ましくは、従来の方法で、塩を塩基または酸に接触させ、そして親化合物を単離することにより、再生される。化合物の親形態は極性溶媒への溶解度のような特定の物理的性質において種々の塩形態と異なるが、その他の点では、塩は本発明の目的のための化合物の親形態と等価である。
【0030】
用語「TRPC5」、「TRPC5タンパク質」および「TRPC5チャネル」は本明細書を通じて相互交換可能に使用される。明確に示さない限り、用語TRPC5はホモマルチマー構造(例えば、ホモマルチマーTRPC5)およびヘテロマルチマー構造(例えば、ヘテロマルチマーTRPC5-TRPC1)を含む。
【0031】
生物学的アッセイ
化合物の生物活性は次の方法により決定される。
【0032】
アッセイA:TRPC5阻害の決定
パッチクランプ試験は、細胞株中のTRPC5チャネルを介して電流の検出を可能にする。通常の全細胞パッチクランプ記録において、ガラス電極を単一細胞に接触させ、細胞膜と高度抵抗性(ギガオーム)シールを確立する。膜をその後破壊してホールセル・コンフィギュレーションを達成し、細胞膜の電位の制御および電極に接続した増幅器を用いた膜を通過する電流の測定を可能にし、細胞質をピペット液で置換する。灌流系は電流のブロッカーおよびアクティベーターの添加を含む、細胞外液の制御を可能にする。電流は、ピペット(細胞内)溶液に1.4μM 遊離Ca2+および細胞外液溶液に80μM LaCl3を含むことにより活性化され得る。
【0033】
TRPC5細胞を20~48時間誘導し、増殖プレートから取り出し、測定のためにカバーガラス上に低密度で再播種した(良好な単一細胞の物理的分離を達成するため)。いくつかの場合において、細胞をカバーガラス上で一晩、低密度で増殖させた。パッチクランプ記録は、-40mVの保持電位でホールセル・モードで作成された。5秒ごとに、電圧勾配を-120~+100mVで、持続時間400ミリ秒で適用した。誘導された電流は、-80mVおよび+80mVで定量化された。内液は、140mM アスパラギン酸セシウム、10mM HEDTA、2mM CaCl2で、2.27mM MgCl2および10mM HEPES、pH7.2、1,400nM(計算値)の遊離Ca2+を有するもので構成された。外液は150mM NaCl、4.5mM 15KCl、1mM MgCl2、2mM CaCl2、10mM HEPES、10mM グルコース、1mM EGTA、pH7.4で構成された。LaCl3の添加後、TRPC5電流はTRPC5発現細胞のみにおいて誘導され、HEK293 TREx細胞においては誘導されなかった。LaCh刺激の除去は大部分の電流を消滅させた。LaCl3の継続的存在下で内向きおよび外向き電流の両方をブロックする能力について、潜在的ブロッカーを試験した。
【0034】
化合物500nMを試験することにより、本発明の化合物のIC50を予測した。500nMの化合物がブロックを全く示さなかったとき、IC50は>1μMと推定した。500nMで50%以上ブロックする化合物は複数の濃度で再試験し、5/6ポイント濃度-応答試験を用いて、%ブロックを標準式により当てはめてIC50を正確に決定した。
【0035】
アッセイB:hERG阻害の決定
hERG-チャネル阻害は、Rast G, Guth BD, Solubility assessment and on-line exposure confirmation in a patch-clamp assay for hERG (human ether-a-go-go-related gene) potassium channel inhibition, J Pharmacol Toxicol Methods. 2014 Sep.-Oct.; 70(2):182-7に記載のとおり決定した。
【0036】
【0037】
国際公開第2014/143799号の化合物ID260は強力なTRPC5阻害を示し、それはまた、低いμM範囲でhERG阻害を示す。構造的に最も近い先行技術の化合物である国際公開第2014/143799号の化合物ID415は、より高い濃度(>10μM)でhERGを阻害するが、アゴニズム(活性化)をTRPC5チャネルで示し、これはTRCP5アンタゴニスト(阻害剤)である本願で請求される化合物と比較して完全に逆のTRPC5活性である。
【0038】
本発明の化合物は、国際公開第2014/143799号の実施例415、すなわち最も近い先行技術化合物と、本願で請求される化合物中のキサンチンのC8位が国際公開第2014/143799号の実施例415のようにフェニル基ではなく、3-ピリジルおよび2-ピラジニルを含むヘテロアリール基で置換されている点で構造的に相違する。さらに、本願で請求される化合物中のヘテロアリール基は、国際公開第2014/143799号の実施例415のようにメトキシ基ではなく、シクロプロピルメチル-O-またはジフルオロシクロプロピルメチル-O-基で置換されている。これらの構造的差異は、hERGチャネル阻害について改善された選択性プロファイルを備えた強力なTRPC5阻害を予想外にもたらす(表2)。
【0039】
これらの結果は、予想外に、本発明の化合物が構造的に最も類似する国際公開第2014/143799号に開示された実施例(最も近い先行技術化合物)より優れており、高いTRPC5阻害の効力および減少したhERGチャネル阻害の組合せを有することを示す。それ故に、本発明の化合物は、ヒトへの使用について大いに有望である。
【表2-1】
【0040】
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
処置における使用/使用方法
本発明は、一過性受容器電位カチオンチャネルTRPC5の活性阻害が治療上利益がある、疾患、障害および状態の処置に有用な化合物に関する。これは、限定されないが、精神、神経または神経変性状態、疼痛、てんかん、非神経状態および癌の処置および/または予防を含む。
【0046】
精神状態は、情動処理調節不全に関連する疾患(例えば、境界性パーソナリティ障害または大うつ病、大うつ病性障害、精神性うつ病、気分変調症および分娩後うつ病のような抑うつ障害ならびに双極性障害)、不安および恐怖関連障害(例えば、外傷後ストレス障害、パニック障害、広場恐怖症、社会恐怖症、全般性不安障害、パニック障害、社会不安障害、強迫性障害および分離不安)、記憶障害(例えば、アルツハイマー病、健忘症、失語症、脳傷害、脳腫瘍、慢性疲労症候群、クロイツフェルト-ヤコブ病、解離性健忘症、遁走性健忘症、ハンチントン病、学習障害、睡眠障害、多重人格障害、疼痛、外傷後ストレス障害、統合失調症、スポーツ外傷、卒中およびウェルニッケ-コルサコフ症候群)、衝動制御障害に関連する障害ならびに嗜癖を含む。
【0047】
神経または神経変性状態は、例えば、アルツハイマー病(AD)、パーキンソン疾患、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および外傷または加齢を含む他の損傷により引き起こされる他の脳障害を含む。
【0048】
疼痛障害は、侵害受容性疼痛、炎症性疼痛、癌痛および神経障害性疼痛(例えば、癌痛、骨関節炎疼痛、リウマチ性関節炎疼痛、ヘルペス後神経痛、火傷による疼痛および他の適応症)を含む。疼痛は慢性または急性であり得る。
【0049】
てんかんは多様な起源の興奮毒性により誘発され得る。一般的に、過剰なニューロン発火は発作活性を促進し得る。関連するニューロン集団の過剰興奮性を減少させる化合物は、発作活性の低減に重要な可能性を有する。TRPC5を阻害する本発明の化合物は、過剰興奮性を低減させ、その結果発作活性を低減させ得る。
【0050】
非神経状態は、腎症、蛋白尿を伴う腎疾患、肝疾患(例えば、胆汁うっ滞関連肝臓異脂肪血症)、心血管-血管系または血管透過性の機能不全に関連する障害(例えば、肺動脈性高血圧、急性呼吸器窮迫症候群(ARDS)、不適応性心臓リモデリング)および高血圧または低血圧のような不適応性血圧制御に関連する障害を含む。
【0051】
本発明の別の態様は、有効量の本明細書に記載の化合物(またはその薬学的に許容される塩)および1以上の薬学的に許容される賦形剤を含む、ヒト患者における使用のための医薬組成物である。本発明はさらに、本明細書において提供される疾患または状態のいずれかの症状を処置または低減させるための医薬または医薬組成物の製造における本明細書に記載の化合物の使用を企図する。本明細書に記載の化合物は、特定の疾患または状態を処置するために使用され得て、特定の疾患または状態に適切な経路による投与のために製剤され得る。
【0052】
本発明の化合物の適用可能な一日用量は、0.1~2000mgまで変化し得る。実際の薬学的有効量または治療用量は、患者の年齢および体重、投与経路ならびに疾患の重篤度のような当業者に既知の因子に依存する。いずれの場合においても、原体は、患者の状態に適切な薬学的有効量を送達することが可能な用量および方法で投与される。
【0053】
医薬組成物
本発明の化合物を投与するために適切な組成物は当業者にとって明らかであり、例えば、錠剤、ピル剤、カプセル剤、坐剤、ロゼンジ剤、トローチ剤、液剤、シロップ剤、エリキシル剤、サシェ剤、注入剤、吸入剤および粉末剤を含む。薬学的に活性な化合物の含量は、組成物全体の0.1~95重量%、好ましくは5.0~90重量%の範囲で変化し得る。
【0054】
適切な錠剤は、本発明の化合物を既知の賦形剤、例えば、不活性な希釈剤、担体、崩壊剤、アジュバント、界面活性剤、結合剤および/または滑沢剤と混合し、得られた混合物を錠剤に圧縮することにより得られ得る。
【0055】
併用療法
本発明の化合物は単独でまたは他の医薬品有効成分と組み合わせて使用され得る。特に、本発明の化合物は、本発明の対象である適応症のいずれかの処置に関連して当分野で使用されることが知られている他の処置選択肢と組み合わせられ得る。
【0056】
本発明の化合物および処置と組み合わせるのに適切であると考えられる医薬品有効成分または処置選択肢は、抗うつ薬、気分安定化薬、定型および非定型抗精神病薬、抗不安薬、抗てんかん薬、睡眠薬、認知促進薬、刺激薬、さらなる向精神薬、抗炎症薬、鎮痛薬および化学療法薬である。
【0057】
【0058】
HPLC-方法:
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【0059】
【0060】
NMR方法:
NMRスペクトルを、TopSpin 3.2 pl6ソフトウェアを用いてBruker AVANCE IIIHD 400 MHz装置で記録した。化学シフトは、δ単位で内部標準トリメチルシランから低磁場側の百万分率(ppm)で示される。選択されたデータは次の方法で報告される:化学シフト(多重度、カップリング定数(J)、水素の数)。略語は次のとおりである:s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、spt(七重項)、m(多重項)、br(幅広)。
【0061】
中間体
【化4】
中間体1.1
アルゴン雰囲気下および乾燥させたガラス器具内で反応を実施した。Na(4.50g、196mmol)を乾燥プロパン-2-オール(150mL)に小片で添加した。混合物を2時間撹拌し、95℃に加熱した。Naが完全に溶解した後、イソプロピル尿素(10.0g、97.9mmol)およびシアノ酢酸エチルエステル(10.4mL、97.9mmol)を添加し、混合物を95℃で一晩撹拌した。混合物を冷却し、H
2O(40.0mL)を添加し、濃HClを用いてpHを6に調整した。氷冷およびN
2雰囲気下で12時間、撹拌を継続した。得られた沈殿をろ過し、乾燥させて生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 170
HPLC:RT=0.23分、方法F
【0062】
中間体2.1
【化5】
中間体1.1(1.00g、5.91mmol)のHCl(1mol/l、16.5mL、16.5mmol)中の混合物に、NaNO
2(571mg、8.28mmol)のH
2O(6.00mL)溶液を滴下添加した。溶液のpHがpH=9に達するまでNaOH(4N、約4mL)を添加した。得られた沈殿をろ過し、MeOHおよびtBMeで洗浄し、乾燥させて生成物を得た。
MS (ESI
+):(M+H)
+ 199
HPLC:RT=0.24分、方法F
【0063】
中間体2.2
【化6】
6-アミノ-1-エチル-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(41.4g、0.267mol)のHOAc(510mL、8.74mol)中の混合物に、NaNO
2(25.7g、0.373mol)のH
2O(185mL)溶液を滴下添加した。混合物を室温で1.5時間撹拌し、氷冷下で400mLのNH
3溶液(25%)を添加した。得られた沈殿をろ過し、MeOHおよびtBMEで洗浄して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 185
HPLC:RT=0.10分、方法B
【0064】
中間体3.1
【化7】
中間体2.1(142g、666mmol)、Pd/C(10%、14.0g)およびNaOH(1mol/L、1.00L、1.00mol)の混合物を、室温および50psiのH
2で3時間水素化した。混合物をろ過し、濃HCl溶液(82.0mL、864mmol)を用いてpHを7に調整した。混合物を30分間撹拌した後、混合物をろ過し、H
2Oで洗浄し、乾燥させて生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 185
HPLC:RT=0.14分、方法G
【0065】
中間体3.2
【化8】
中間体2.2(12.0g、42.4mmol)、Pd/C(10%、1.50g)およびHCl溶液(1mol/L、72.0mL、72.0mmol)の混合物を、室温および50psiのH
2で1日間水素化した。混合物をろ過し、HCl溶液(1mol/L)で洗浄し、濃縮し、凍結乾燥させて生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 171
HPLC:RT=0.13分、方法D
【0066】
中間体3.3
【化9】
6-アミノ-1-メチル-5-ニトロソウラシル(2.00g、11.8mmol)、Pd/C(10%、600mg)、MeOH(24.0mL)、H
2O(16.0mL)およびHCl溶液(1mol/L、12.9mL、12.9mmol)の混合物を、室温および50psiのH
2で3.5時間水素化した。混合物をろ過し、減圧下で濃縮して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 157
HPLC:RT=0.07分、方法C
【0067】
中間体4.1
【化10】
中間体3.1(1.00g、5.43mmol)のDMF(3.00mL)およびDMSO(3.00mL)中の混合物に、HClのジオキサン溶液(4mol/L、1.36mL、5.43mmol)を添加した。その後、2-クロロ-ピリジン-3-カルボアルデヒド(0.769g、5.43mmol)を添加し混合物を70℃で2.5時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、MeOHを添加し、得られた沈殿をろ過し、乾燥させて生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 306
HPLC:RT=0.58分、方法F
【0068】
中間体4.2
【化11】
中間体3.1(500mg、2.71mmol)および2,6-ジフルオロ-ピリジン-3-カルボアルデヒド(388mg、2.71mmol)のDMF(1.00mL)およびDMSO(1.00mL)中の混合物に、HClのジオキサン溶液(136μl、0.543mmol)を滴下添加した。混合物を100℃で45分間撹拌し、その後H
2Oを添加し、室温で30分間撹拌し、沈殿をろ過し、H
2Oで洗浄し、乾燥させて生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 308
HPLC:RT=0.68分、方法F
【0069】
中間体4.3
【化12】
中間体4.3は、中間体3.1および3-クロロ-ピラジン-2-カルボアルデヒドを用いて中間体4.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 307
HPLC:RT=0.73分、方法F
【0070】
中間体4.4
【化13】
中間体4.4は、中間体3.2および3-クロロ-ピラジン-2-カルボアルデヒドを用いて中間体4.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 294
HPLC:RT=0.49分、方法F
【0071】
中間体4.5
【化14】
中間体3.3(2.00g、10.4mmol)および3-クロロ-ピラジン-2-カルボアルデヒド(1.48g、10.4mmol)の混合物のDMF(10.0mL)およびDMSO(5.00mL)をマイクロ波中、100℃で45分間撹拌した。1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンズヨードキソール-3(1H)-オン(4.40g、10.4mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物をH
2Oに注ぎ、ろ過し、H
2Oで洗浄し、乾燥させて生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 279
HPLC:RT=0.41分、方法F
【0072】
中間体4.6
【化15】
中間体4.6は、中間体3.1および2-クロロ-6-メチル-ピリジン-3-カルボアルデヒドを用いて中間体4.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 320
HPLC:RT=0.64分、方法F
【0073】
中間体4.7
【化16】
中間体3.1(3.00g、16.3mmol)のジエトキシメトキシエタン(25.4mL、153mmol)中の混合物にギ酸(823μl、18.8mmol)を添加し、混合物を150℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、ろ過し、沈殿をtBMEで洗浄し、乾燥させて生成物(2.82g、89%)を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 195
HPLC:RT=0.36分、方法F
【0074】
中間体5.1
【化17】
中間体4.1(250mg、0.818mmol)のDMF(7.00mL)中の混合物にDIPEA(0.169mL、0.981mmol)を添加し、混合物を55℃で15分間撹拌した。1-ブロモメチル-4-フルオロ-ベンゼン(0.102mL、0.818mmol)を添加し、混合物を55℃で一晩撹拌した。H
2Oを添加し、得られた混合物をEtOAcで2回抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 415
HPLC:RT=0.79分、方法F
【0075】
中間体5.2
【化18】
中間体5.2は、中間体7.2および1-ブロモメチル-3,5-ジフルオロ-ベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 468
HPLC:RT=0.72分、方法G
【0076】
中間体5.3
【化19】
中間体5.3は、中間体7.2および1-ブロモメチル-4-トリフルオロメチル-ベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 500
HPLC:RT=0.76分、方法G
【0077】
中間体5.4
【化20】
中間体5.4は、中間体7.2および4-ブロモメチル-1,2-ジフルオロ-ベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 468
HPLC:RT=0.72分、方法G
【0078】
中間体5.5
【化21】
中間体5.5は、中間体7.2および1-ブロモメチル-4-メチル-ベンゼンを用いて中間体5.
1と同様の方法で製造した。
MS(ESI+):(M+H)+ 466
HPLC:RT=0.74分、方法G
【0079】
中間体5.6
【化22】
中間体5.6は、中間体7.2および1-ブロモメチル-4-クロロ-ベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 467
HPLC:RT=0.74分、方法G
【0080】
中間体5.7
【化23】
中間体5.7は、中間体4.2および1-ブロモメチル-4-フルオロ-ベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 416
HPLC:RT=0.87分、方法F
【0081】
中間体5.8
【化24】
中間体5.8は、中間体4.1および5-クロロ-2-クロロメチル-ピリジン塩酸塩を用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 431
HPLC:RT=0.75分、方法F
【0082】
中間体5.9
【化25】
中間体5.9は、中間体4.3およびブロモメチルベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 397
HPLC:RT=0.81分、方法F
【0083】
中間体5.10
【化26】
中間体5.10は、中間体4.2およびブロモメチルベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 398
HPLC:RT=0.86分、方法F
【0084】
中間体5.12
【化27】
中間体5.12は、中間体4.4およびブロモメチルベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 383
HPLC:RT=0.7分、方法F
【0085】
中間体5.13
【化28】
中間体5.13は、中間体4.5および1-ブロモメチル-4-クロロ-ベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 403
HPLC:RT=0.74分、方法F
【0086】
中間体5.14
【化29】
中間体5.14は、中間体4.6およびブロモメチルベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 410
HPLC:RT=0.84分、方法F
【0087】
中間体5.15
【化30】
中間体5.15は、中間体4.7および1-ブロモメチル-4-フルオロ-ベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 303
HPLC:RT=0.48分、方法G
【0088】
中間体5.16
【化31】
2-アミノ-9-((2R,3R,4S,5R)-3,4-ジヒドロキシ-5-ヒドロキシメチル-テトラヒドロフラン-2-イル)-1,9-ジヒドロ-プリン-6-オン(50.0g、177mmol)のDMSO(133mL)中の混合液にブロモメチルベンゼン(25.2mL、212mmol)を滴下添加した。得られた混合物を50℃で3時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、HCl溶液(4mol/l、102mL、406mmol)を滴下添加した。混合物を70℃で5時間撹拌し、その後室温で一晩撹拌した。得られた沈殿をろ過し、冷MeOHで洗浄し、乾燥させて生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 242
HPLC:RT=0.28分、方法D
【0089】
中間体5.17
【化32】
中間体5.17は、中間体7.2およびブロモメチルベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 432
HPLC:RT=0.69分、方法G
【0090】
中間体5.18
【化33】
中間体5.18は、中間体7.2および1-ブロモメチル-4-フルオロ-ベンゼンを用いて中間体5.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 450
HPLC:RT=0.70分、方法G
【0091】
中間体6.1
【化34】
中間体5.1(1.32g、3.19mmol)のDMF(40.0mL)中の混合物にK
2CO
3(0.882g、6.38mmol)および2-(3-ブロモ-プロポキシ)-テトラヒドロ-ピラン(0.809mL、4.79mmol)を添加し、混合物を50℃で一晩撹拌した。混合物を室温まで冷却し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 557
HPLC:RT=0.78分、方法D
【0092】
中間体6.2
【化35】
中間体6.2は、中間体5.7を用いて中間体6.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 558
HPLC:RT=0.81分、方法G
【0093】
中間体6.3
【化36】
中間体6.3は、中間体5.8を用いて中間体5.8と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 573
HPLC:RT=1.04分、方法F
【0094】
中間体6.4
【化37】
中間体6.4は、中間体5.9を用いて中間体6.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 539
HPLC:RT=0.78分、方法D
【0095】
中間体6.5
【化38】
中間体6.5は、中間体5.10を用いて中間体6.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 540
HPLC:RT=0.81分、方法G
【0096】
中間体6.6
【化39】
中間体6.6は、中間体5.12を用いて中間体6.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 525
HPLC:RT=1.26分、方法C
【0097】
中間体6.7
【化40】
中間体6.7は、中間体
5.13を用いて中間体6.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 545
HPLC:RT=0.74分、方法D
【0098】
中間体6.8
【化41】
中間体6.8は、中間体5.14を用いて中間体6.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 552
HPLC:RT=0.80分、方法G
【0099】
中間体6.9
【化42】
中間体6.9は、中間体5.15を用いて中間体6.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 446
HPLC:RT=0.70分、方法G
【0100】
中間体6.10
【化43】
中間体6.10は、中間体10.1を用いて中間体6.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 428
HPLC:RT=0.97分、方法F
【0101】
中間体6.11
【化44】
中間体6.11は、中間体5.15を用いて中間体6.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 446
HPLC:RT=0.70分、方法G
【0102】
中間体7.1
【化45】
中間体6.1(1.48g、2.66mmol)とシクロプロピルメタノール(5.00mL、63.1mmol)の混合物にNaH(55%、0.232g、5.32mmol)を添加した。混合物を100℃で4時間撹拌した。H
2O(100mL)およびNH
4Cl溶液(27%、50mL)を添加し、得られた混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を飽和NaCl溶液(50mL)で洗浄し、乾燥させ、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 593
HPLC:RT=0.87分、方法D
【0103】
中間体7.2
【化46】
氷浴冷却下、中間体4.1(1.36g、4.43mmol)のシクロプロピルメタノール(4.00mL、49.4mmol)中の混合物にNaH(60%、0.621g、15.5mmol)を少量ずつ添加した。混合物を120℃で8時間撹拌し、室温で一晩撹拌した。H
2OおよびPEを添加し、層を分離した。HOAcを添加することにより、水層のpHをpH=4~5に調整した。混合物を一晩撹拌し、ろ過し、得られた沈殿を乾燥させて生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 342。
HPLC:RT=0.88分、方法F
【0104】
中間体7.3
【化47】
中間体6.2(362mg、0.487mmol)のジオキサン(3.00mL)中の混合物に、シクロプロピルメタノール(39.5μl、0.487mmol)およびカリウム 2-メチル-プロパン-2-オラート(54.7mg、0.487mmol)を添加した。混合物を40℃で2時間撹拌した。混合物をろ過し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 610
HPLC:RT=0.91分、方法G
【0105】
中間体7.4
【化48】
中間体7.4は、中間体6.3を用いて中間体7.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 609
HPLC:RT=1.17分、方法F
【0106】
中間体7.5
【化49】
中間体7.5は、中間体6.4を用いて中間体7.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 575
HPLC:RT=0.84分、方法D
【0107】
中間体7.6
【化50】
中間体7.6は、中間体6.5を用いて中間体7.3と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 592
HPLC:RT=0.91分、方法F
【0108】
中間体7.8
【化51】
中間体7.8は、中間体6.6を用いて中間体7.3と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 562
HPLC:RT=0.79分、方法G
【0109】
中間体7.9
【化52】
中間体7.9は、中間体6.7を用いて中間体7.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 582
HPLC:RT=0.81分、方法D
【0110】
中間体7.10
【化53】
中間体7.10は、中間体6.8を用いて中間体7.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 588
HPLC:RT=0.93分、方法G
【0111】
中間体7.11
【化54】
アルゴン雰囲気下で反応を実施した。Rac-2-(ジ-t-ブチルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(210mg、0.526mmol)と酢酸パラジウム(II)(118mg、0.526mmol)の混合物を5分間撹拌した。6-ブロモ-3-フルオロ-2-メチル-ピリジン(1.00g、5.26mmol)、シクロプロピルメタノール(820μl、10.5mmol)およびCa
2CO
3(1.72g、5.26mmol)を添加し、マイクロ波オーブン中、混合物を140℃で45分間撹拌した。混合物をろ過し、濃縮した。DCMおよびH
2Oを添加し、層を分離した。有機層を濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 182
HPLC:RT=0.98分、方法F
【0112】
中間体7.12
【化55】
3-ブロモ-5-フルオロ-ピリジン-2-オール(500mg、2.60mmol)、シクロプロピルメタノール(505μl、5.21mmol)およびAg
2CO
3(862mg、3.13mmol)の混合物のn-ヘキサン(20.0mL)溶液を、マイクロ波オーブン中、400Wで10分間撹拌した。混合物をろ過し、n-ヘキサンで洗浄し、濃縮して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 247
HPLC:RT=1.04分、方法F
【0113】
中間体7.13
【化56】
((1S)-2,2-ジフルオロ-シクロプロピル)-メタノール(国際公開第2016/041845号に従って製造)(298mg、0.76mmol)のTHF(2.50mL)中の混合物にNaH(150mg、3.76mmol)を添加した。混合物を室温で15分間撹拌し、その後2-クロロ-3-ヨード-ピリジン(600mg、2.51mmol)を添加した。混合物を50℃で一晩撹拌し、室温まで冷却した。H
2Oを添加し、混合物をEtOAcで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 312
HPLC:RT=0.97分、方法F
【0114】
中間体7.14
【化57】
中間体7.14は、((1R)-2,2-ジフルオロ-シクロプロピル)-メタノール(国際公開第2016/041845号に従って製造)を用いて中間体7.13と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 312
HPLC:RT=0.97分、方法F
【0115】
中間体7.15
【化58】
(2,2-ジフルオロ-シクロプロピル)-メタノール(117mg、1.08mmol)のDMF(1.00mL)中の混合物に中間体6.1(300mg、0.540mmol)を添加した。混合物を50℃で1時間撹拌した。H
2OおよびDCMを添加し、層を分離し、有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 629
HPLC:RT=0.85分、方法G
【0116】
中間体8.1
【化59】
中間体7.11(537mg、2.96mmol)のDMF(5.00mL)溶液に1-ブロモ-ピロリジン-2,5-ジオン(633mg、3.56mmol)を添加した。混合物を60℃で2時間撹拌した。チオ硫酸ナトリウム溶液(1%)およびDCMを添加し、層を分離した。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 261
HPLC:RT=1.15分、方法F
【0117】
中間体9.1
【化60】
50℃で、中間体5.16(5.76g、23.9mmol)のHOAc(80.0mL)およびH
2O中の混合物にNaNO
2(3.30g、47.8mmol)のH
2O溶液を添加した。混合物を50℃で30分間撹拌した。さらに1当量のNaNO
2(1当量)のH
2O溶液を滴下添加した。混合物を50℃で30分間撹拌し、室温まで冷却した。得られた沈殿をろ過し、H
2Oで洗浄し、H
2O/ACN中で懸濁し、凍結乾燥させて生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 243.1
HPLC:RT=0.37分、方法A
【0118】
中間体10.1
【化61】
中間体9.1(2.64g、10.9mmol)のDMF(45.0mL)中の混合物を50℃に加熱し、その後NaH(476mg、10.9mmol)を添加した。混合物を2時間撹拌した。2-ヨード-プロパン(5.45mL、54.5mmol)を添加し、混合物を80℃で2時間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 285
HPLC:RT=0.65分、方法F
【0119】
中間体11.1
【化62】
中間体8.1(61.0mg、0.234mmol)、中間体6.10(100mg、0.234mmol)、ヨウ化銅(I)(134mg、0.703mmol)、酢酸パラジウム(10.5mg、0.047mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(26.3mg、0.094mmol)およびK
2CO
3(64.8mg、0.469mmol)のTHF(207μl)およびDMF(438μl)中の混合物を、130℃で一晩撹拌した。MeOHを添加し、得られた混合物をろ過し、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 607
HPLC:RT=0.96分、方法G
【0120】
中間体11.2
【化63】
中間体11.2は、中間体6.10および中間体7.12を用いて中間体11.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 593
HPLC:RT=0.91分、方法G
【0121】
中間体11.3
【化64】
中間体11.3は、中間体6.11および中間体7.12を用いて中間体11.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 611
HPLC:RT=0.91分、方法G
【0122】
中間体11.4
【化65】
中間体11.4は、中間体6.9および中間体8.1を用いて中間体11.1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 625
HPLC:RT=0.96分、方法G
【0123】
中間体11.5
【化66】
アルゴン雰囲気下で反応を実施した。中間体6.10(200mg、0.469mmol)、2-シクロプロピルメトキシ-3-ヨード-ピリジン(258mg、0.938mmol)、ヨウ化銅(I)(268mg、1.41mmol)、酢酸パラジウム(21.1mg、0.094mmol)、トリフェニルホスフィン(49.2mg、0.188mmol)およびK
2CO
3(130mg、0.938mmol)のTHF(6.02mL)およびDMF(3.05mL)中の混合物を、マイクロ波中、180℃で3時間44分間撹拌した。混合物をろ過し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 574.3
HPLC:RT=1.21分、方法F
【0124】
中間体11.6
【化67】
アルゴン雰囲気下で反応を実施した。中間体6.10(200mg、0.469mmol)、中間体7.13(201mg、0.647mmol)、ヨウ化銅(I)(268mg、1.41mmol)、酢酸パラジウム(21.1mg、0.094mmol)、トリシクロヘキシルホスフィン(52.6mg、0.188mmol)およびK
2CO
3(260mg、1.88mmol)のTHF(469μl)およびDMF(938μl)中の混合物を、130℃で12時間撹拌した。希NH
3溶液を添加し、EtOAcで3回希釈した。有機層を乾燥させ、減圧下で濃縮して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 610
HPLC:RT=1.16分、方法F
【0125】
中間体11.7
【化68】
中間体11.7は、中間体6.10および中間体7.14を用いて中間体11.6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 610.8
HPLC:RT=1.15分、方法F
【0126】
中間体12.1
【化69】
中間体7.15(338mg、0.539mmol)のMeOH(3.00mL)中の混合物に、トルエン-4-スルホン酸一水和物(512mg、2.69mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 545
HPLC:RT=0.71分、方法G
【0127】
中間体13.1
【化70】
(3R)-ブタン-1,3-ジオール(500mg、5.55mmol)のDCM(16.3mL)中の混合物に、TEA(3.19mL、22.7mmol)を添加した。混合物を氷浴で冷却し、4-メチル-ベンゼンスルホニルクロリド(1.16g、6.10mmol)を添加し、室温で一晩撹拌した。飽和NH
4Cl溶液およびDCMを添加し、層を分離した。水層をDCMで2回抽出した。合わせた有機層をH
2Oで洗浄し、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 245
HPLC:RT=0.68分、方法F
【実施例】
【0128】
実施例1
【化71】
中間体5.2(80.0mg、0.171mmol)のACN(1.00mL)中の混合物にK
3PO
4(54.5mg、0.257mmol)を添加した。その後、3-ブロモ-プロパン-1-オール(29.7mg、0.214mmol)を添加し、混合物を90℃で3時間15分間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 526
HPLC:RT=0.74分、方法G
1H NMR(400 MHz、DMSO-d
6) δ 8.34(dd、J=1.89、4.93Hz、1H)、7.84(dd、J=1.89、7.45Hz、1H)、7.05-7.14(m、2H)、6.61-6.66(m、2H)、5.52(s、2H)、5.11(spt、J=6.9Hz、1H)、4.41(t、J=5.18Hz、1H)、4.13(d、J=7.07Hz、2H)、3.90-3.96(m、2H)、3.34-3.47(m、2H)、2.52-2.54(m、1H)、1.66-1.74(m、2H)、1.53(d、J=6.9Hz、6H)、1.11-1.21(m、1H)、0.45-0.52(m、2H)、0.25-0.30(m、2H)。
【0129】
実施例2
【化72】
実施例2は、中間体5.3を用いて実施例1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 558
RT=0.79分、方法G
1H NMR(400 MHz、DMSO-d
6) δ 8.33(dd、J=1.9、4.9Hz、1H)、7.83(dd、J=2.0、7.3Hz、1H)、7.59(d、J=8.1Hz、2H)、7.08-7.16(m、3H)、5.60(s、2H)、5.11(sept、J=6.9Hz、1H)、4.42(br s、1H)、4.09(d、J=7.1Hz、2H)、3.88-3.96(m、2H)、3.39-3.48(m、2H)、3.18(br s、1H)、1.64-1.76(m、2H)、1.53(d、J=6.9Hz、6H)、1.08-1.20(m、1H)、0.44-0.51(m、2H)、0.23-0.28(m、2H)。
【0130】
実施例3
【化73】
実施例3は、中間体5.4を用いて実施例1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 526
HPLCRT=0.74分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.35(dd、J=2.0、5.1Hz、1H)、7.81(dd、J=2.0、7.3Hz、1H)、7.28(td、J=8.5、10.8Hz、1H)、7.12(dd、J=4.9、7.5Hz、1H)、6.95-7.02(m、1H)、6.73(ddd、J=1.9、4.1、6.4Hz、1H)、5.50(s、2H)、5.10(spt、J=6.9Hz、1H)、4.42(t、J=5.2Hz、1H)、4.16(d、J=7.3Hz、2H)、3.90-3.97(m、2H)、3.36-3.47(m、2H)、1.65-1.77(m、2H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.13-1.23(m、1H)、0.44-0.53(m、2H)、0.27-0.34(m、2H)。
【0131】
実施例4
【化74】
実施例4は、中間体5.5を用いて実施例1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 504
HPLC:RT=0.76分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.35(dd、J=1.9、5.0Hz、1H)、7.77(dd、J=1.9、7.4Hz、1H)、7.10(dd、J=5.0、7.4Hz、1H)、6.97-7.02(m、J=8.0Hz、2H)、6.75-6.79(m、J=8.0Hz、2H)、5.50(s、2H)、5.09(spt、J=6.9Hz、1H)、4.44(br s、1H)、4.19(d、J=7.2Hz、2H)、3.90-3.98(m、2H)、3.45(br d、J=3.7Hz、2H)、2.19(s、3H)、1.66-1.75(m、2H)、1.51(d、J=6.9Hz、6H)、1.17-1.28(m、1H)、0.46-0.54(m、2H)、0.29-0.37(m、2H)。
【0132】
実施例5
【化75】
実施例5は、中間体5.6を用いて実施例1と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 524
RT=0.77分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.34(dd、J=1.9、4.9Hz、1H)、7.79(dd、J=2.0、7.3Hz、1H)、7.27(d、J=7.9Hz、2H)、7.11(dd、J=5.0、7.3Hz、1H)、6.92(d、J=8.6Hz、2H)、5.52(s、2H)、5.10(spt、J=6.9Hz、1H)、4.42(t、J=5.2Hz、1H)、4.16(d、J=7.1Hz、2H)、3.90-3.97(m、2H)、3.35-3.47(m、2H)、1.67-1.80(m、2H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.14-1.24(m、1H)、0.45-0.54(m、2H)、0.25-0.35(m、2H)。
【0133】
実施例6
【化76】
中間体7.1(58.0mg、0.10mmol)のMeOH(2.0mL)およびTHF(4.0mL)中の混合物にp-トルエンスルホン酸(18.6mg、0.11mmol)を添加した。混合物を室温で2時間撹拌した。NH
4OHを用いて混合物をpH8まで塩基性化し、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して生成物を得た。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 509
HPLC:RT=0.74分、方法D
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.34(dd、J=1.89、4.9Hz、1H)、7.78(dd、J=2.0、7.3Hz、1H)、7.00-7.12(m、3H)、6.91-6.96(m、2H)、5.52(s、2H)、5.10(spt、J=6.9Hz、1H)、4.44(br t、J=4.8Hz、1H)、4.18(d、J=7.3Hz、2H)、3.91-3.97(m、2H)、3.42-3.48(m、2H)、1.66-1.75(m、2H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.16-1.26(m、1H)、0.47-0.53(m、2H)、0.28-0.32(m、2H)。
【0134】
実施例7
【化77】
実施例7は、中間体7.3を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 526
HPLC:RT=0.77分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 7.96(t、J=8.1Hz、1H)、6.95-7.08(m、4H)、6.85(dd、J=2.6、8.1Hz、1H)、5.50(s、2H)、5.09(spt、J=6.9Hz、1H)、4.41(t、J=5.3Hz、1H)、4.12(d、J=7.2Hz、2H)、3.91-3.97(m、2H)、3.42-3.48(m、2H)、1.66-1.76(m、2H)、1.51(d、J=6.9Hz、6H)、1.02-1.29(m、3H)、0.46-0.57(m、2H)、0.28-0.36(m、2H)。
【0135】
実施例8
【化78】
実施例8は、中間体7.4を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 525
HPLC:RT=0.95分、方法F
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.42(d、J=2.5Hz、1H)、8.29(dd、J=1.9、4.9Hz、1H)、7.80(td、J=2.4、7.9Hz、2H)、7.16(d、J=8.3Hz、1H)、7.1(dd、J=5.05、7.33Hz、1H)、5.60(s、2H)、5.11(spt、J=6.9Hz、1H)、4.40(t、J=5.2Hz、1H)、4.12(d、J=7.1Hz、2H)、3.85-3.93(m、2H)、3.38-3.45(m、2H)、1.64-1.71(m、2H)、1.54(d、J=6.9Hz、6H)、1.12-1.22(m、1H)、0.45-0.53(m、2H)、0.26-0.32(m、2H)。
【0136】
実施例9
【化79】
実施例9は、中間体7.5を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 491
HPLC:RT=0.69分、方法D
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.39(d、J=2.7Hz、1H)、8.34(d、J=2.7Hz、1H)、7.18-7.23(m、3H)、6.93-6.98(m、2H)、5.69(s、2H)、5.12(spt、J=6.9Hz、1H)、4.35-4.46(m、1H)、4.17(d、J=7.0Hz、2H)、3.91-3.98(m、2H)、3.42-3.48(m、2H)、1.68-1.76(m、2H)、1.54(d、J=6.9Hz、6H)、1.12-1.22(m、1H)、0.45-0.53(m、2H)、0.28-0.35(m、2H)
【0137】
実施例10
【化80】
実施例10は、中間体7.6を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 508
HPLC:RT=0.76分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 7.96(t、J=8.1Hz、1H)、7.17-7.25(m、3H)、6.89-6.95(m、2H)、6.84(dd、J=2.7、8.1Hz、1H)、5.53(s、2H)、5.09(spt、J=6.9Hz、1H)、4.43(t、J=5.3Hz、1H)、4.11(d、J=7.2Hz、2H)、3.90-3.97(m、2H)、3.33-3.47(m、2H)、1.67-1.75(m、2H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.13-1.25(m、1H)、0.49-0.57(m、2H)、0.29-0.37(m、2H)。
【0138】
実施例11
【化81】
実施例11は、中間体7.8を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 477.4
HPLC:RT=0.62分、方法G
1H NMR(400 MHz、DMSO-d
6) δ 8.40(d、J=2.7Hz、1H)、8.35(d、J=2.7Hz、1H)、7.17-7.24(m、3H)、6.91-6.97(m、2H)、5.65(s、2H)、4.44(t、J=5.2Hz、1H)、4.17(d、J=7.0Hz、2H)、4.07(q、J=7.0Hz、2H)、3.91-4.00(m、2H)、3.33-3.48(m、2H)、1.72(quin、J=6.9Hz、2H)、1.26(t、J=7.03Hz、3H)、1.10-1.20(m、1H)、0.44-0.54(m、2H)、0.29-0.36(m、2H)。
【0139】
実施例12
【化82】
実施例12は、中間体7.9を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 497
HPLC:RT=0.65分、方法D
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.40(d、J=2.7Hz、1H)、8.34(d、J=2.7Hz、1H)、7.25-7.32(m、2H)、6.93-7.00(m、2H)、5.62(s、2H)、4.41(t、J=5.3Hz、1H)、4.19(d、J=6.97Hz、2H)、3.93-3.97(m、2H)、3.43-3.49(m、5H)、1.69-1.76(m、2H)、1.12-1.33(m、1H)、0.45-0.55(m、2H)、0.26-0.37(m、2H)。
【0140】
実施例13
【化83】
実施例13は、中間体7.10を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 504
HPLC:RT=0.80分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 7.66(d、J=7.6Hz、1H)、7.16-7.23(m、3H)、6.95(d、J=7.6Hz、1H)、6.90(dd、J=1.7、7.5Hz、2H)、5.54(s、2H)、5.10(spt、J=6.9Hz、1H)、4.40(t、J=5.3Hz、1H)、4.17(d、J=7.1Hz、2H)、3.88-3.97(m、2H)、3.40-3.47(m、2H)、2.45(s、3H)、1.70(quin、J=6.9Hz、2H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.06-1.30(m、1H)、0.46-0.55(m、2H)、0.29-0.37(m、2H)。
【0141】
実施例14
【化84】
実施例14は、中間体11.4を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 541
HPLC:RT=0.83分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 7.74(d、J=8.7Hz、1H)、6.96-7.09(m、4H)、5.52(s、2H)、5.09(spt、J=6.9Hz、1H)、4.41(t、J=5.1Hz、1H)、4.11(d、J=7.1Hz、2H)、3.90-3.96(m、2H)、3.41-3.47(m、2H)、2.43(d、J=3.0Hz、3H)、1.66-1.74(m、2H)、1.51(d、J=6.9Hz、6H)、1.13-1.23(m、1H)、0.46-0.52(m、2H)、0.26-0.31(m、2H)。
【0142】
実施例15
【化85】
実施例15は、中間体11.1を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 522/523
HPLC:RT=0.83分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 7.73(d、J=8.7Hz、1H)、7.18-7.25(m、3H)、6.90-6.98(m、2H)、5.55(s、2H)、5.09(spt、J=6.9Hz、1H)、4.34-4.51(m、1H)、4.12(d、J=7.1Hz、2H)、3.89-3.96(m、2H)、3.36-3.49(m、2H)、2.42(d、J=3.0Hz、3H),、1.60-1.74(m、2H)、1.51(d、J=6.9Hz、6H)、1.14-1.28(m、1H)、0.48-0.53(m、2H)、0.27-0.33(m、2H)。
【0143】
実施例16
【化86】
実施例16は、中間体11.2を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 509
HPLC:RT=0.77分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.35(d、J=3.0Hz、1H)、7.8(dd、J=3.0、8.1Hz、1H)、7.17-7.24(m、3H)、6.92(dd、J=2.1、7.4Hz、2H)、5.57(s、2H)、5.10(spt、J=6.1Hz、1H)、4.41(t、J=5.3Hz、1H)、4.12(d、J=7.1Hz、2H)、3.91-3.97(m、2H)、3.42-3.48(m、2H)、1.67-1.75(m、2H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.13-1.24(m、1H)、0.46-0.53(m、2H)、0.26-0.34(m、2H)。
【0144】
実施例17
【化87】
実施例17は、中間体11.3を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 527
HPLC:RT=0.77分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.36(d、J=3.0Hz、1H)、7.85(dd、J=3.0、8.1Hz、1H)、6.95-7.08(m、4H)、5.53(s、2H)、5.09(spt、J=6.9Hz、1H)、4.41(t、J=5.3Hz、1H)、4.12(d、J=7.1Hz、2H)、3.94(t、J=7.4Hz、2H)、3.42-3.48(m、2H)、1.67-1.76(m、2H)、1.51(d、J=6.9Hz、6H)、1.12-1.25(m、1H)、0.46-0.53(m、2H)、0.25-0.31(m、2H)。
【0145】
実施例18
【化88】
実施例18は、中間体11.5を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 490.5
HPLC:RT=0.73分、方法D
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.33(dd、J=1.9、4.9Hz、1H)、7.77(dd、J=1.8、7.3Hz、1H)、7.16-7.22(m、3H)、7.09(dd、J=4.9、7.3Hz、1H)、6.85-6.91(m、2H)、5.55(s、2H)、5.10(spt、J=6.9Hz、1H)、4.41(t、J=5.3Hz、1H)、4.18(d、J=7.10Hz、2H)、3.94(br t、J=7.3Hz、2H)、3.45(q、J=6.3Hz、2H)、1.67-1.76(m、2H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.12-1.27(m、1H)、0.46-0.54(m、2H)、0.31(q、J=4.7Hz、2H)。
【0146】
実施例19
【化89】
実施例19は、中間体11.6を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 526
HPLC:RT=0.99分、方法F
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.36(dd、J=1.9、4.9Hz、1H)、7.82(dd、J=1.9、7.4Hz、1H)、7.13-7.23(m、4H)、6.88(dd、J=2.0、7.4Hz、2H)、5.51(s、2H)、5.10(spt、J=6.9Hz、1H)、4.47-4.54(m、1H)、4.41(t、J=5.3Hz、1H)、4.25-4.32(m、1H)、3.90-3.97(m、2H)、3.41-3.48(m、2H)、2.14-2.26(m、1H)、1.63-1.75(m、3H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.41-1.49(m、1H)。
【0147】
実施例20
【化90】
実施例20は、中間体11.7を用いて実施例6と同様の方法で製造した。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 527
HPLC:RT=0.95分、方法F
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.36(dd、J=1.9、4.9Hz、1H)、7.82(dd、J=1.9、7.4Hz、1H)、7.13-7.23(m、4H)、6.88(dd、J=2.0、7.4Hz、2H)、5.51(s、2H)、5.10(spt、J=6.9Hz、1H)、4.47-4.54(m、1H)、4.41(t、J=5.3Hz、1H)、4.25-4.32(m、1H)、3.90-3.97(m、2H)、3.41-3.48(m、2H)、2.14-2.26(m、1H)、1.63-1.75(m、3H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.41-1.49(m、1H)。
【0148】
実施例21
【化91】
実施例21は、中間体12.1(170mg、0.313mmol)のキラル分離(方法E)により得られ、先に溶出するエナンチオマーである。絶対立体配置は不明であり、任意に割り当てられる。もう一方のエナンチオマーを実施例22に示す。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 544
RT=3.110分、方法:E
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.37(dd、J=1.9、4.9Hz、1H)、7.82(dd、J=1.9、7.4Hz、1H)、7.16(dd、J=5.0、7.4Hz、1H)、7.04(t、J=8.3Hz、2H)、6.90-6.96(m、2H)、5.49(s、2H)、5.09(spt、J=6.9Hz、1H)、4.39-4.53(m、2H)、4.26-4.33(m、1H)、3.90-3.98(m、2H)、3.42-3.48(m、2H)、2.14-2.26(m、1H)、1.63-1.75(m、3H)、1.51(d、J=6.9Hz、6H)、1.30-1.60(m、1H)。
【0149】
実施例22
【化92】
実施例22は中間体12.1(170mg、0.313mmol)のキラル分離(方法E)より得られ、後に溶出するエナンチオマーである。絶対立体配置は不明であり、任意に割り当てられる。もう一方のエナンチオマーを実施例21に示す。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 544
RT=3.467分、方法E
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.37(dd、J=1.9、4.9Hz、1H)、7.82(dd、J=1.9、7.4Hz、1H)、7.16(dd、J=5.0、7.4Hz、1H)、7.04(t、J=8.3Hz、2H)、6.90-6.96(m、2H)、5.49(s、2H)、5.09(spt、J=6.9Hz、1H)、4.39-4.53(m、2H)、4.26-4.33(m、1H)、3.90-3.98(m、2H)、3.42-3.48(m、2H)、2.14-2.26(m、1H)、1.63-1.75(m、3H)、1.51(d、J=6.9Hz、6H)、1.30-1.60(m、1H)。
【0150】
実施例23
【化93】
中間体5.17(60.0mg、0.139mmol)のDMF(1.50mL)中の混合物にK
2CO
3(38.0mg、0.278mmol)を添加した。その後、DMF(1.50mL)に溶解した中間体13.1(37.0mg、0.153mmol)を添加し、混合物を110℃で3時間20分間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をH
2Oで洗浄し、乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製した(59.4mg、85%)。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 504
HPLC:RT=0.75分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.33(dd、J=2.0、5.0Hz、1H)、7.77(dd、J=2.0、7.4Hz、1H)、7.16-7.23(m、3H)、7.09(dd、J=5.0、7.4Hz、1H)、6.86-6.92(m、2H)、5.55(s、2H)、5.10(spt、J=6.9Hz、1H)、4.47(d、J=4.6Hz、1H)、4.18(d、J=7.1Hz、2H)、3.98-4.06(m、1H)、3.82-3.90(m、1H)、3.61-3.70(m、1H)、1.60-1.68(m、1H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.17-1.28(m、1H)、1.09(d、J=6.1Hz、3H)、0.46-0.56(m、2H)、0.27-0.37(m、2H)。
【0151】
実施例24
【化94】
中間体5.18(60.0mg、0.133mmol)のDMF(1.50mL)中の混合物にK
2CO
3(37.0mg、0.267mmol)を添加した。その後、DMF(1.50mL)に溶解した中間体13.1(36.0mg、0.147mmol)を添加し、混合物を110℃で3時間40分間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をH
2Oで洗浄し、乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製した(58.7mg、84%)。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 522
HPLC:RT=0.76分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.34(dd、J=2.0、5.0Hz、1H)、7.78(dd、J=2.0、7.4Hz、1H)、7.01-7.12(m、3H)、6.91-6.96(m、2H)、5.52(s、2H)、5.09(spt、J=6.9Hz、1H)、4.47(d、J=4.7Hz、1H)、4.17(d、J=7.1Hz、2H)、3.99-4.06(m、1H)、3.83-3.90(m、1H)、3.62-3.70(m、1H)、1.55-1.68(m、2H)、1.51(d、J=6.9Hz、6H)、1.16-1.28(m、1H)、1.09(d、J=6.2Hz、3H)、0.45-0.55(m、2H)、0.25-0.36(m、2H)。
【0152】
実施例25
【化95】
中間体5.6(75.0mg、0.161mmol)のDMF(1.50mL)中の混合物にK
2CO
3(44.0mg、0.322mmol)を添加した。その後、DMF(1.50mL)に溶解した中間体13.1(43.0mg、0.177mmol)を添加し、混合物を110℃で2時間30分間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、H
2Oを添加し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をH
2Oで洗浄し、乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮し、クロマトグラフィーにより精製した(60.3mg、70%)。
MS(ESI
+):(M+H)
+ 538
HPLC:RT=0.80分、方法G
1H NMR(DMSO-d
6) δ 8.34(dd、J=2.0、4.94Hz、1H)、7.79(dd、J=2.0、7.4Hz、1H)、7.26-7.29(m、2H)、7.11(dd、J=5.0、7.4Hz、1H)、6.90-6.94(m、2H)、5.52(s、2H)、5.10(spt、J=6.9Hz、1H)、4.46(d、J=4.6Hz、1H)、4.15(d、J=7.1Hz、2H)、3.97-4.06(m、1H)、3.81-3.89(m、1H)、3.61-3.70(m、1H)、1.55-1.67(m、2H)、1.52(d、J=6.9Hz、6H)、1.14-1.24(m、1H)、1.09(d、J=6.2Hz、3H)、0.48-0.53(m、2H)、0.27-0.31(m、2H)。