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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】二重壁の引出側壁
(51)【国際特許分類】
   A47B 88/925 20170101AFI20220801BHJP
【FI】
A47B88/925
【請求項の数】 29
(21)【出願番号】P 2020533671
(86)(22)【出願日】2018-12-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 AT2018060290
(87)【国際公開番号】W WO2019118997
(87)【国際公開日】2019-06-27
【審査請求日】2020-07-15
(31)【優先権主張番号】A51046/2017
(32)【優先日】2017-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マークス イアガング
(72)【発明者】
【氏名】ギュンター シュヴァーツマン
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第105848524(CN,A)
【文献】中国実用新案第204519713(CN,U)
【文献】欧州特許出願公開第01775225(EP,A1)
【文献】実開昭55-147462(JP,U)
【文献】実開昭56-115944(JP,U)
【文献】特表2008-541809(JP,A)
【文献】登録実用新案第3031495(JP,U)
【文献】米国特許第06095627(US,A)
【文献】実開昭60-121829(JP,U)
【文献】米国特許第05292190(US,A)
【文献】国際公開第2017/186639(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 88/00-88/994
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁(4a)と、該外壁(4a)に結合されている内壁(4b)と、引出底部(3)のための載置ウェブ(13a)とを備えた、二重壁の引出側壁(4)であって、
当該引出側壁(4)の側面図で見て、前記外壁(4a)の後ろ側の下端部に、丸み部(11)が設けられており、前記外壁(4a)の前記後ろ側の下端部が、高さに関して前記引出底部(3)よりも低く、
前記丸み部(11)は、前記二重壁の引出側壁(4)の前記外壁(4a)にのみ配置されていることを特徴とする、二重壁の引出側壁。
【請求項2】
前記丸み部(11)は、前記外壁(4a)自体に形成されている、
請求項1記載の二重壁の引出側壁。
【請求項3】
前記外壁(4a)は、下側の長手方向縁部(12)において折り曲げられている、
請求項2記載の二重壁の引出側壁。
【請求項4】
前記外壁(4a)は、前記下側の長手方向縁部(12)の領域において、横断面で見て、ほぼU字形に折り曲げられており、折り曲げられた部分(4f)は、前記外壁(4a)の内側に沿って延びている、
請求項3記載の二重壁の引出側壁。
【請求項5】
り曲げられた部分(4f)と、前記外壁(4a)の下側部分とが、前記折り曲げられた部分(4f)および前記下側部分の後ろ側の下端部に、ほぼ同じ丸み部(11)を有している、
請求項3または4記載の二重壁の引出側壁。
【請求項6】
前記外壁(4a)の下側部分は、前記折り曲げられた部分(4f)にほぼ平行に延びている、
請求項5記載の二重壁の引出側壁。
【請求項7】
前記外壁(4a)および前記内壁(4b)は、金属薄板から成っている、
請求項1から6までのいずれか1項記載の二重壁の引出側壁。
【請求項8】
前記金属薄板は、0.1mm~2mmの厚さである、
請求項7記載の二重壁の引出側壁。
【請求項9】
前記金属薄板は、0.2mm~1mmの厚さである、
請求項7記載の二重壁の引出側壁。
【請求項10】
前記外壁(4a)に被覆部が設けられており、前記被覆部は、前記丸み部(11)の端面(4e)の領域にも設けられている、
請求項1から9までのいずれか1項記載の二重壁の引出側壁。
【請求項11】
前記内壁(4b)にも被覆部が設けられている、
請求項10記載の二重壁の引出側壁。
【請求項12】
前記端面(4e)は、前記外壁(4a)の隣接している外面に対してほぼ直角に延びている、
請求項10または11記載の二重壁の引出側壁。
【請求項13】
前記丸み部(11)は、凸面形状に湾曲されている、
請求項1から12までのいずれか1項記載の二重壁の引出側壁。
【請求項14】
前記丸み部(11)は、ほぼ円弧形状に湾曲されている、
請求項13記載の二重壁の引出側壁。
【請求項15】
円弧の曲率半径(R)は、1mm~10mmである、
請求項14記載の二重壁の引出側壁。
【請求項16】
円弧の曲率半径(R)は、2mm~5mmである、
請求項14記載の二重壁の引出側壁。
【請求項17】
前記外壁(4a)の下側の長手方向縁部(4c)の仮想の延長線と前記外壁(4a)の後ろ側の高さ方向縁部(4d)の仮想の延長線との交点(S)からの、前記丸み部(11)の間隔(D)は、少なくとも1mmであり、かつ最大で2cmである、
請求項1から16までのいずれか1項記載の二重壁の引出側壁。
【請求項18】
前記間隔(D)は、少なくとも2mmである、
請求項17記載の二重壁の引出側壁。
【請求項19】
前記丸み部(11)は、前記外壁(4a)に結合された別体の縁部保護部分(15)に形成されている、
請求項1および請求項7から18までのいずれか1項記載の二重壁の引出側壁。
【請求項20】
前記別体の縁部保護部分(15)は、係止結合部を介して前記外壁(4a)に結合されている、
請求項19記載の二重壁の引出側壁。
【請求項21】
下側領域において、部分的にU字形に異形成形された容器レール(13)が、前記外壁(4a)と前記内壁(4b)との間に配置されていて、かつ前記内壁(4b)に結合されている、
請求項1から20までのいずれか1項記載の二重壁の引出側壁。
【請求項22】
前記容器レール(13)は、垂直辺と水平辺を備えており、
前記容器レール(13)は、前記垂直辺と前記水平辺との間の移行領域において、前記二重壁の引出側壁(4)の前記外壁(4a)に接触している、
請求項21記載の二重壁の引出側壁。
【請求項23】
前記丸み部(11)は、前記外壁(4a)の真っ直ぐな下側の長手方向縁部(4c)の後端部から、前記外壁(4a)の真っ直ぐな後ろ側の高さ方向縁部(4d)の下端部にまで延びている、
請求項1から22までのいずれか1項記載の二重壁の引出側壁。
【請求項24】
請求項1から23までのいずれか1項記載の二重壁の引出側壁を製造するための方法であって、
外壁(4a)の後ろ側の下端部に丸み部(11)を形成し、次いで引出側壁(4)を、該引出側壁(4)の前記丸み部(11)と一緒に被覆する
ことを特徴とする、二重壁の引出側壁を製造するための方法。
【請求項25】
請求項19または20記載の二重壁の引出側壁を製造するための方法であって、
引出側壁(4)を形成し、次いで前記外壁(4a)の後ろ側の下端部に、丸み付けされた縁部保護部分(15)を取り付ける
ことを特徴とする、二重壁の引出側壁を製造するための方法。
【請求項26】
前記引出側壁(4)を被覆する、請求項25記載の二重壁の引出側壁を製造するための方法。
【請求項27】
互いに向かい合って位置している2つの、請求項1から23までのいずれか1項記載の二重壁の引出側壁(4)を備えた引出(1)。
【請求項28】
それぞれ前記引出側壁(4)に結合されている、前側の前板(6)、後ろ側の背壁(5)、および引出底部(3)が設けられている、
請求項27記載の引出(1)。
【請求項29】
前記前側の前板(6)、前記後ろ側の背壁(5)、および前記引出底部(3)は、それぞれ前記引出側壁(4)に解離可能に結合されている、
請求項28記載の引出(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外壁と、該外壁に結合されている内壁とを備えた、二重壁の引出側壁に関する。さらに本発明は、このような二重壁の引出側壁を製造するための方法、およびこのような二重壁の引出側壁を備えた引出に関する。
【0002】
二重壁の引出側壁は、従来技術おいて既に極めて良く知られている。多くの場合、このような二重壁の引出側壁は、帽子形に成形された金属薄板から成っており、このとき外壁と内壁とは、互いに一体に形成されていてよい。しかしながらまた、これらの両方の壁を公知の結合技術によって互いに結合することも可能である。全体としてこのような二重壁の引出側壁には、内部に機能部分を収容することができ、例えば前側領域に、引出の前板に予め取り付けられている前壁ホルダに解離可能に結合するための結合装置を収容することができるという利点がある。後端部には、引出の背壁が係止可能であるいわゆる背壁ホルダが設けられていてよい。
【0003】
二重壁の引出側壁は、典型的には帽子形に形成されており、このとき下側は、直接、または外壁および/または内壁に結合された容器レールを介して、レールシステムに装着可能である。このようなレールシステムは、典型的には、家具本体に固定された本体レールと、この本体レールに対して相対的に、特に転動体を介して可動の引出レールとを有しており、この引出レールは、作動時に、引出に不動に結合可能である。これらの両方のレールの間には、いわゆる完全引出しを実現するために、さらに中間レールが配置されていてよい。
【0004】
二重壁の引出側壁は、その下側領域に、長手方向に延びる異形成形された容器レールを有していてよく、この容器レールは、二重壁の引出側壁に不動に結合されている。このような容器レールは、典型的にはまた引出内側に向かって張り出しているウェブをも有しており、このウェブには、引出底部を載置させることができる。容器レールの、断面形状において切り欠かれていてほぼ下方に向かってU字形に開放している領域は、レールシステムの引出レールを収容するために、かつこの引出レールとの結合のために働く。これらのすべての詳細および細部は、好ましくは、本発明に係る二重壁の引出側壁においても設けられていてよい。
【0005】
左右のこのような2つの二重壁の引出側壁、引出底部、後ろ側の背壁、および前側の前板を備えた引出は、典型的には、本体に設けられたレールシステムに解離可能に懸吊可能であり、ひいては解離可能に結合可能である。すなわち引出は、例えばクリーニング目的のためにまたは最初の取付け時に、家具本体におけるレールシステム内に容易に挿入可能であり、かつレールシステムから再び容易に取り出すことができる。このとき、取り出された引出によって、載置部が、例えばキッチンの作業プレートが、引出の取扱いによって損傷させられる、特に引っ掻き傷を付けられるという問題がある。
【0006】
本発明の課題は、このような二重壁の引出側壁を備えた引出による取扱い時における損傷のリスクが減じられている、二重壁の引出側壁を提供することである。さらに、このような引出側壁を製造するための方法、およびこのような引出側壁を備えた引出を提供することが望まれている。
【0007】
本発明によれば、課題は、請求項1、請求項13、および請求項15に記載された特徴によって解決される。
【0008】
本発明は、載置部の損傷、特にキッチンの作業プレートの表面の損傷の主たるリスクは、その上に載置されている引出の前側を持ち上げることによって発生するという認識を出発点としている。なぜならば、引出の前側を持ち上げると、二重壁の引出側壁の、通常鋭角的に形成されている後ろ側の下端部が、載置部を引っ掻き、ひいては損傷させるおそれがあるからである。
【0009】
そこで本発明の根本思想は、外壁の、損傷の原因となるこの後ろ側の下端部を、丸み部によってほとんど鋭角的でないように形成すること、ひいては損傷のリスクを最小にすることにある。
【0010】
この丸み部は、引出側壁自体の材料において形成されていてもよいし、しかしながらまた本発明の別の変化形態によれば、丸み部が、外壁に、好ましくは係止結合部を介して結合された別体の縁部保護部分に形成されていることも可能である。
【0011】
引っ掻き傷を防止するためのさらに別の改善は、丸み部の端面が、残りの二重壁の引出側壁も同様に、被覆されていることによって、達成することができる。このような被覆部は、例えば粉剤被覆またはラッカであってよい。また他の形態の被覆部も十分に考えることができ、かつ可能である。重要なことは、これらの被覆部が、外壁の、多くの金属製材料に比べて、より軟質でありかつより滑りやすいことであり、特に丸み部の端面にも被覆部が設けられていると、引っ掻き傷のリスクはさらに減じられる。
【0012】
本発明のさらなる利点および詳細については、以下において図面を参照しながら詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係る引出の1実施例を示す斜視図である。
図2】挿入された2つの引出と取り出された1つの引出とを備えた家具本体を示す図である。
図3】載置部(作業プレート)上において前側を持ち上げられた引出を示す図である。
図3a図3の部分領域Aを示す図である。
図4】本発明に係る引出側壁の1実施例を備えた、本発明に係る引出の1実施例の一部を、内側の下側から斜め上外側に向かって見て示す斜視図である。
図4a図4の部分領域Bを拡大して示す図である。
図5】本発明に係る二重壁の引出側壁の1実施例を、ほぼ図4の線C-Cに沿って断面して概略的に示す横断面図である。
図6】本発明に係る二重壁の引出側壁の後ろ側の下端部の1実施例を示す図である。
図7a】別体の縁部保護部分を備えた、本発明に係る二重壁の引出側壁の択一的な形態を示す図である。
図7b】別体の縁部保護部分を備えた、本発明に係る二重壁の引出側壁の択一的な形態を示す図である。
【0014】
以下の図面の説明において、上および下という位置関係は、引出が水平に移動可能である、引出の通常の取付け位置に関係している。前および後ろという概念は、引出の引出し方向に関係しており、このとき引出し方向において前側に前板が配置されており、これに対して引出し方向において後ろ側に位置している背側には、背壁が設けられている。引出内部を画定している両方の二重壁の引出側壁は、引出し方向に延びていて、かつ引出全体は、下側において引出底部によって閉鎖される。
【0015】
図1において全体が符号1で示されている引出は、引出し方向2において家具本体7(ここには図示せず)から引出し可能である。引出し方向2とは逆方向に、引出1は再び家具本体7内に押し込むことができる。引出1の引出底部3は、側部において両方の二重壁の引出側壁4(外壁4a,内壁4b)によって画定される。後ろ側の背壁5が、これらの引出側壁4に結合されている。前側の領域には、前板6が設けられており、この前板6は、自体公知の形式で解離可能な係止結合部を介して、引出側壁4に、もしくはそこには詳しく示されていない結合装置に、解離可能に結合可能である。
【0016】
図2には概略的な側面図で、家具本体7が、挿入された2つの下側の引出1と共に示されている。引出1を可動に案内するために、家具本体7に結合されたそれぞれ1つの本体レール8と、本体レール8に対して相対的に可動の引出レール9とが設けられている。これらの両方のレール8,9の間には、完全引出しを実現するために、図示されていない中間レールがさらに設けられていてよい。いずれにせよ引出1は、このレースシステム8,9に解離可能に結合されているので、引出1を簡単に取り付けること、またはクリーニング目的のために取り外すことも可能である。
【0017】
取り外した場合には、引出1を作業プレート10または他の載置部の上に載置することが通常である。このときしばしば引出1は、矢印方向2aで示すように前側を上方に向かって旋回させられ、これによって図3および図3aに示すように、引出側壁4の外壁4aの後ろ側の下端部が、作業プレート10に押し付けられる。このとき作業プレート10が損傷するリスクがある。そこで本発明によれば、例えば図3aに詳細に示すように、外壁4aの後ろ側の下端部に丸み部11が設けられており、この丸み部11は、本実施例では外壁4aの丸み部によって直接形成されている。丸み部11は、角の尖った状態を緩和し、ひいては作業プレート10または他の載置部の損傷するリスクを減じる。金属製の引出側壁4は、好ましくは被覆されており、このとき追加された被覆部は、丸み部11の端面4eにも延びている。
【0018】
図4に示された図面では、本発明に係る二重壁の引出側壁4を備えた引出1が、内側の下側から見て示されている。領域Bは、図4aにおいて拡大して示されている。
【0019】
引出1は、引出底部3および背壁5の他に引出側壁4を有しており、この引出側壁4の外壁4aは、下側領域において長手方向縁部12に沿って折り曲げられている。U字形に折り曲げられたこの領域には、本発明に係る丸み部11が設けられている。
【0020】
引出側壁4には、容器レール13が不動に結合されている。
【0021】
図5には、図4に示された線C-Cに沿った概略的な断面図が示されている。図5においては、外壁4aと内壁4bとを備えた二重壁の引出側壁4が見られ、外壁4aと内壁4bとは、互いに一体に形成されていて、かつ全体として、帽子形の断面形状を形成している(いわゆるフレームハット(Zargenhut))。
【0022】
下側には容器レール13が、二重壁の引出側壁4に、つまり外壁4aと内壁4bとに不動に結合されている。結合部14は、例えば溶接または接着によって形成することができる。容器レール13は、引出底部3のための載置ウェブ13aを有していて、かつ概略的に示された、引出レール9、中間レール、および本体レール8から成るレールシステムとの解離可能な結合のために働く。
【0023】
図6に示された拡大された図面には、外壁4aの後ろ側の下端部が示されている。下側の長手方向縁部4cの仮想の延長線と後ろ側の高さ方向縁部4dの仮想の延長線とは、交点Sにおいて交差している。丸み部11は、本実施例ではほぼ円形に形成されており、このとき曲率半径Rは、好ましくは1mm~10mm、さらに好ましくは2mm~5mmである。
【0024】
仮想の交点Sからの丸み部11の間隔Dは、少なくとも1mm、好ましくは少なくとも2mm、かつ最大で2cmである。
【0025】
これらの寸法設定によって、良好な縁部保護が実現される。他方において、概観が不都合に損なわれることはない。
【0026】
図7aおよび図7bに示された実施例では、プラスチックから成っていてよい別体の縁部保護部分15が設けられている。この縁部保護部分15は、丸み部11を有している。縁部保護部分15は、図7aおよび図7bに示されているように、二重壁の引出側壁4の外壁4aに被せ嵌め可能であり、このとき開口16内に、縁部保護部分15の収容スリット17の内部における小さな係止要素が係止し、かつ縁部保護部分15をその位置において確実に保持する。
【符号の説明】
【0027】
1 引出
2 引出し方向
2a 矢印方向
3 引出底部
4 二重壁の引出側壁
4a 外壁
4b 内壁
4c 下側の長手方向縁部
4d 後ろ側の高さ方向縁部
4e 端面
4f 折り曲げられた部分
5 背壁
6 前板
7 家具本体
8 本体レール
9 引出レール
10 作業プレート
11 丸み部
12 長手方向縁部
13 容器レール
13a 載置ウェブ
14 結合部
15 縁部保護部分
16 開口
17 収容スリット
図1
図2
図3
図3a
図4
図4a
図5
図6
図7a
図7b