IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニーの特許一覧

<>
  • 特許-液体家庭用ケア組成物の製造プロセス 図1
  • 特許-液体家庭用ケア組成物の製造プロセス 図2
  • 特許-液体家庭用ケア組成物の製造プロセス 図3
  • 特許-液体家庭用ケア組成物の製造プロセス 図4
  • 特許-液体家庭用ケア組成物の製造プロセス 図5
  • 特許-液体家庭用ケア組成物の製造プロセス 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】液体家庭用ケア組成物の製造プロセス
(51)【国際特許分類】
   C11D 17/08 20060101AFI20220801BHJP
   C11D 1/94 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 1/75 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 3/386 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 3/395 20060101ALI20220801BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/94
C11D1/29
C11D1/22
C11D1/72
C11D1/75
C11D3/37
C11D3/386
C11D3/395
C11D3/50
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020545287
(86)(22)【出願日】2019-03-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 US2019022662
(87)【国際公開番号】W WO2019182928
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-08-28
(31)【優先権主張番号】15/928,176
(32)【優先日】2018-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】ワイルドマス、ダグラス・ジェイムズ
(72)【発明者】
【氏名】オムニッツ、ジェフリー・フランク
(72)【発明者】
【氏名】カペシ、スコット・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】デラニー、サラ・アン
【審査官】井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-509774(JP,A)
【文献】特表2002-507236(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0179589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00-19/00
B08B 1/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の液体家庭用ケア組成物を製造するプロセスであって、前記プロセスは、
a.製造システムに第1の投入材料を提供する工程であって、前記第1の投入材料が第1の液体ベース組成物を含み、前記第1の液体ベース組成物が、前記第1の液体ベース組成物の1重量%~75重量%の界面活性剤系を含み、前記第1の液体ベースが、2.5%以下の予備アルカリ度を更に特徴とする工程と、
b.前記第1の投入材料を第1のpH調整材料と組み合わせて、第1の家庭用ケア組成物を提供する工程と、
c.前記製造システムに第2の投入材料を提供する工程であって、前記第2の投入材料が、前記第1の液体ベース組成物、第2の液体ベース組成物、又はこれらの混合物を含み、前記第2の液体ベース組成物が、前記第2の液体ベース組成物の1重量%~75重量%の界面活性剤系を含み、前記第2の液体ベースが、2.5%以下の予備アルカリ度を更に特徴とする工程と、
d.前記第2の投入材料を前記第1のpH調整材料、第2のpH調整材料、又はこれらの組み合わせと組み合わせて、第2の家庭用ケア組成物を提供する工程と、を含み、
工程a及びbの組み合わせが、工程c及びdの組み合わせと同一ではなく、
前記第1及び/若しくは第2の液体ベース組成物の前記界面活性剤系のうちの少なくとも1つが、主要な界面活性剤成分としてアニオン性アルコキシル化アルキルサルフェートを含み、並びに/又は前記第1及び/若しくは第2の液体ベース組成物の前記界面活性剤系のうちの少なくとも1つが、主要な界面活性剤成分としてアニオン性アルキルベンゼンスルホネートを含み、
前記第1の液体ベース組成物及び/又は前記第2の液体ベース組成物が、少なくとも9のpHを特徴とする、プロセス。
【請求項2】
前記第2の投入材料が、前記第1の液体ベース組成物を含む、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記第2の投入材料が、前記第2の液体ベース組成物を含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記第1の投入材料が、前記製造システム上の第1の容器に提供され、前記第2の投入材料が、前記製造システム上の第2の容器に提供される、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記第1及び第2の液体ベース組成物の前記界面活性剤系が、それぞれ独立して、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を更にむ、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
以下
記非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコールを含む、並びに/あるいは
前記双性イオン性界面活性剤は、アミンオキシドを含む、
のうちの少なくとも1つが当てはまる、請求項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記第1及び/又は第2の液体ベース組成物が、0.1%~2.25%の予備アルカリ度を有する、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記第1のpH調整材料及び/又は前記第2のpH調整材料が、非界面活性剤有機酸、ホウ酸化合物、脂肪酸、アルカノールアミン、苛性水酸化物化合物、炭酸塩、ゼオライト、及びこれらの混合物からなる群から独立して選択される材料を含む、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記第1の液体ベース組成物及び/又は前記第2の液体ベース組成物が、9~13のpHを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記第1の家庭用ケア組成物が、第1のpHを特徴とし、前記第2の家庭用ケア組成物が、前記第1のpHとは異なる第2のpHを特徴とし、前記第2のpHが、前記第1のpHと少なくとも1pH単位異なる、請求項1~のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
前記プロセスが、1つ以上の補助剤を、独立して、前記第1の投入材料、前記第2の投入材料、又は両方に添加する、少なくとも1つの追加工程を更に含む、請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項12】
前記第1の投入材料及び/又は前記第2の投入材料が、第3の液体ベース組成物を更に含み、前記第3の液体ベース組成物が、前記第2の液体ベース組成物の1重量%~75重量%の界面活性剤系を含み、前記第3の液体ベース組成物が、2%以下の予備アルカリ度を更に特徴とし、前記第3の液体ベース組成物が、前記第1及び第2の液体ベース組成物と組成的に異なる、請求項1~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
前記第1及び第2の家庭用ケア組成物が、独立して、洗濯洗剤組成物、布地前処理組成物、布地柔軟剤組成物、食器ケア組成物、又はこれらの組み合わせから選択される、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
前記プロセスから製造される前記複数の液体家庭用ケア組成物が、前記プロセスで使用される液体ベース組成物ごとに少なくとも3つの家庭用ケア組成物を含む、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、液体家庭用ケア組成物の製造プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
消費者製品の製造業者は、典型的には、様々な消費者のニーズ又は要望を満足させるために様々な組成物を製造する。様々な組成物は、洗濯洗剤又は食器ケア製品などの特定の製品カテゴリー内に存在することさえある場合がある。製品は、界面活性剤の濃度、界面活性剤の種類、添加される補助剤、審美性、pHなどの1つ以上の手段で差異化される。製品は、1つ以上のベース組成物から生産することができ、これに、有益剤、安定剤などを含む追加成分を添加してよい。従来、このようなベース組成物は、安定性及び品質保証上の理由から特定のpHに緩衝される。典型的な緩衝剤としては、クエン酸及び/又はその塩、脂肪酸及び/又はその塩、並びに炭酸塩が挙げられる。
【0003】
資本及び空間を節約するために、共有の製造設備を使用して異なる製品を生産することが望ましい場合がある。しかしながら、第1の製品の製造によって、製造システムに残留物が残り、これが第2の製品に混入する可能性がある。これは、特に、ベース組成物が緩衝剤などのpH調整材料を含む場合に課題となることがある。このような剤が後で製造される製品に混入する場合、残留物の濃度は予測不可能であり、時間と共に濃度が変化するため、後で製造される製品の組成及びpHを正確に制御することは困難であり得る。製品の操業と操業との間に製造設備を洗い流すこともできるが、洗い流し工程は余分な時間を要し、追加の廃棄物が生じることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特に共有の製造設備で、家庭用ケア組成物などの複数の消費者製品組成物を製造するためのプロセスを改善する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、複数の液体家庭用ケア組成物を製造するためのプロセスに関する。
【0006】
例えば、プロセスは、(a)製造システムに第1の投入材料を提供する工程であって、当該第1の投入材料が第1の液体ベース組成物を含み、当該第1の液体ベース組成物が、当該第1の液体ベース組成物の約1重量%~約75重量%の界面活性剤系を含み、当該第1の液体ベースが、約2.5%以下の予備アルカリ度を更に特徴とする工程と、(b)当該第1の投入材料を第1のpH調整材料と組み合わせて、第1の家庭用ケア組成物を提供する工程と、(c)製造ラインに第2の投入材料を提供する工程であって、当該第2の投入材料が、当該第1の液体ベース組成物、第2の液体ベース組成物、又はこれらの混合物を含み、当該第2の液体ベース組成物が、当該第2の液体ベース組成物の約1重量%~約75重量%の界面活性剤系を含み、当該第2の液体ベースが、約2.5%以下の予備アルカリ度を更に特徴とする工程と、(d)当該第2の投入材料を当該第1のpH調整材料、第2のpH調整材料、又はこれらの組み合わせと組み合わせて、第2の家庭用ケア組成物を提供する工程と、を含み得、工程(a)及び(b)の組み合わせは、工程(c)及び(d)の組み合わせと同一ではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書の図面は、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
図1】第1の液体ベース組成物を第1のpH調整材料と組み合わせる、本開示によるプロセスを示す。
図2】第1の液体ベース組成物を第2のpH調整材料と組み合わせる、本開示によるプロセスを示す。
図3】第1の液体ベース組成物を第1のpH調整材料と組み合わせる、本開示によるプロセスを示す。
図4】第2の液体ベース組成物を第2のpH調整材料と組み合わせる、本開示によるプロセスを示す。
図5】第1の液体ベース組成物及び第3の液体ベース組成物を第1のpH調整材料及び第2のpH調整材料と組み合わせる、本開示によるプロセスを示す。
図6】第1の液体ベース組成物及び第3の液体ベース組成物を第1のpH調整材料及び第2のpH調整材料と組み合わせる、本開示によるプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示は、共有の製造システムで液体家庭用ケア組成物などの複数の液体消費者製品を製造するプロセスに関する。このプロセスは、まず、例えば緩衝が限定的な類似のpHの適合性ベース液を配合し、次いで、第2段階プロセスで、最適なベース(又は複数のベース)を最適なpH調整材料と組み合わせることに関する。ベース及びpH調整材料の種類、量、及び組み合わせ、更には、添加される追加の補助剤を選択することによって、製造システムで様々な組成物を効率的に製造することができる。
【0009】
出発液体ベース組成物は、比較的低い緩衝能及び/又は比較的低い予備アルカリ度(Reserve Alkalinity、「RA」)を特徴とし得る。プロセスの比較的後期に投入材料のpHを調整することによって、より高い製造柔軟性が得られ、ベース材料が低いRAを有する場合、典型的には、組成物を所望のpHに調整するために必要なpH調整材料が少なくなる。また、pH調整材料がプロセスの比較的後期に添加されるので、製造システムへの材料の混入が少なくなり、その結果、洗い流しが比較的少なくなる及び/又は製造がより予測可能になる。最後に、低RAのベース組成物を提供することにより、ベース組成物同士の適合性を改善することができ、その結果、ベースのより多くの組み合わせを容易に製造することができ、より多様な最終製品が得られる。
【0010】
更に、例えば安定性の目的のために、最終製品組成物とは異なるpHのベース組成物を処方することが望ましい場合がある。しかしながら、ベース組成物のpHを調整すると、緩衝したときに、より多くの材料が取り込まれ、予測可能性が低下する可能性がある。理論に束縛されるものではないが、比較的低いRAを有するようにベース組成物を処方すると、貯蔵中の安定性が改善され、製品製造プロセス中のpH調整が容易になる。
【0011】
本開示のプロセス及び組成物については、以下により詳細に説明する。
【0012】
本明細書で使用するとき、特許請求の範囲で使用される場合の冠詞「a」及び「an」は、特許請求又は記載されているもののうちの1つ以上を意味すると理解される。本明細書で使用するとき、用語「含む(include)」、「含む(includes)」、及び「含んでいる(including)」は、非限定的であることを意味する。本開示の組成物は、本開示の成分を含み、それらから本質的になり、又はそれらからなることができる。
【0013】
本明細書では、「実質的に含まない(substantially free of)」又は「実質的に含まない(substantially free from)」という用語が使用されてもよい。これは、指示される材料が最小限の量であり、組成物の一部を形成するように意図的にその組成物に添加されたものでないこと、又は好ましくは、分析的に検出可能な濃度で存在しないことを意味する。それは、指示される材料が意図的に含まれる他の材料のうちの1つの中に不純物としてのみ存在する組成物を含むことを意味する。指示される材料は、あったとしても、組成物の1重量%未満、又は0.1重量%未満、又は0.01重量%未満、又は更には0重量%の濃度で存在してもよい。
【0014】
本明細書で使用するとき、語句「表面ケア組成物」は、表面を処理するのに好適な組成物を意味する。処理される好適な表面は、洗濯される物品を含む布地などの織物;食器(ガラス食器及び平皿を含む)、調理台、タイル及び他の硬質床板、並びに洗面台、トイレ、及びバスタブ/シャワーなどの浴室設備などの硬質表面;毛髪、及び皮膚を含み得る。表面ケア組成物は、布地ケア組成物、食器ケア組成物、硬質表面洗浄組成物、ヘアケア組成物、スキンケア組成物、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0015】
本明細書で使用するとき、語句「布地ケア組成物」は、布地処理用に設計された組成物及び配合物を含む。このような組成物は、洗濯洗浄組成物及び洗剤、布地柔軟化組成物、布地強化組成物、布地消臭組成物、予洗い用洗剤(laundry prewash)、洗濯前処理剤、洗濯添加剤、スプレー製品、ドライクリーニング剤又は組成物、洗濯すすぎ添加剤、洗浄添加剤、すすぎ後布地処理剤、アイロン助剤、単位用量配合物、遅延送達配合物、多孔性基材若しくは不織布シート上又は中に含有される洗剤、及び本明細書の教示を考慮すると当業者に明白であり得るその他の好適な形態を含むが、これらに限定されない。このような組成物を、洗濯前処理剤、洗濯後処理剤として使用してもよい、又は洗濯操作のすすぎ若しくは洗浄周期中に加えてもよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、「予備アルカリ度」は、以下の試験方法の章に記載の方法に従って求めたとき、強酸を用いてpH11からpH3までバルク溶液を滴定するのに必要なモル数に等しい水酸化ナトリウムの質量分率を指す。理論によって制限されるものではないが、予備アルカリ度の測定値は、組成物のアルカリ化力、すなわち、純水又は蒸留水ではなく水道水で大幅に希釈して添加したときに、組成物が目標のアルカリ性洗浄pHを提供する能力の最も優れた尺度であることが見出されている。
【0017】
本明細書で使用するとき、「pH」は、試験方法の章に記載の方法に従って求められる。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「pH調整材料」は、組成物に添加されると、得られる混合物のpHが変化する及び/又は緩衝される材料である。pH調整材料は、緩衝剤を含んでいてよく、これは弱酸又は弱塩基を含み得る。本明細書で使用するとき、pH調整材料は、化合物の混合物を含んでいてよい。この用語は、酸形態であるか又は塩形態であるかにかかわらず、アニオン性界面活性剤を含むことを意図するものではない。
【0019】
本明細書で使用するとき、「組成的に異なる」は、少なくとも2つの組成物のそれぞれの化学的構成が同一ではないことを意味し、これは、異なる材料が添加される及び/又は異なる量の同じ材料が添加される(一方には材料が添加されるが他方には添加されないことを含む)ことに起因するものであり得る。
【0020】
別途記載のない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、かかる成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0021】
本明細書における全ての温度は、特に断らない限り、摂氏(℃)である。特に指示がない限り、本明細書における全ての測定は、20℃及び大気圧下で行われる。
【0022】
本開示の全ての実施形態において、全ての比率(%)は、特に別途記載のない限り、全組成物の重量に対するものである。特に別途記載のない限り、全ての比率は重量比である。
【0023】
本明細書の全体をとおして与えられる全ての最大数値限定は、それよりも小さい全ての数値限定を、かかるより小さい数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含むものと理解すべきである。本明細書の全体をとおして与えられる全ての最小数値限定は、それよりも高い全ての数値限定を、かかるより高い数値限定があたかも本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書の全体をとおして与えられる全ての数値範囲は、かかるより広い数値範囲内に含まれるより狭い全ての数値範囲を、かかるより狭い数値範囲があたかも全て本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0024】
製造方法
本開示は、液体家庭用ケア組成物などの複数の液体組成物を製造するプロセスに関する。一般に、このプロセスは、液体ベース組成物を製造システムに提供する工程と、当該組成物をpH調整材料と組み合わせる工程と、家庭用ケア組成物などの最終製品を形成する工程と、を含み得る。典型的には、液体ベース組成物は、約2.5%以下などの比較的低い予備アルカリ度を特徴とする。液体ベース組成物のうちの1つ以上は、液体ベース組成物の約1重量%~約75重量%の濃度で存在する界面活性剤系を含んでいてよい。
【0025】
複数の液体ベース組成物が提供されてもよく、また、1つ以上のpH調整材料が提供されてもよい。異なる組み合わせ及び/又は濃度の液体ベース組成物及びpH調整材料を選択することによって、共有の製造システムで複数の最終製品を効率的に製造することができる。
【0026】
図1に概略的に示すとおり、プロセスは、第1の液体ベース組成物10(「LB」=液体ベース)を提供することを含み得る。第1の液体ベース組成物10は、製造システム1に提供される第1の投入材料15の一部であってもよい。第1の投入材料15は、例えば合流ゾーン4において、第1のpH調整材料20(「pH-A」=pH調整材料)と組み合わせてよい。製造システム1は、混合ゾーン2を含んでいてもよく、そこで、第1の投入材料10及び第1のpH調整材料20をより完全に混合することができる。任意の好適な点で、補助成分30を製造システム1に添加してよい。第1の最終製品(「FP」=最終製品)、例えば第1の家庭用ケア組成物40を形成することができる。
【0027】
図2に概略的に示すとおり、プロセスは、製造システム1に第2の投入材料16を提供することを含み得る。第2の投入材料16は、第1の液体ベース組成物10を含んでいてよい。第2の投入材料16を第2のpH調整材料21と組み合わせてよく、補助材料30を任意の好適な点で添加してよい。第2の最終製品、例えば第2の家庭用ケア組成物41を形成することができる。
【0028】
本開示の製造システム1は、所望の最終製品を製造するのに好適な任意のシステムを含んでいてよい。本開示のプロセスは、共有の製造設備で複数の製品を製造するのに好適である。製造システム1は、閉鎖された中央パイプ、バッチタンクなどの混合容器、コンベアシステム、又はこれらの組み合わせを含んでいてよい。第1の投入材料15を、製造システム1の第1の容器に提供してよく、第2の投入材料16を、製造システム1の第2の容器に提供してよい。容器は、例えばコンベアシステムで搬送されるなど、製造システムの一部として移動可能であってよい、及び/又は異なる経路で独立して移動可能であってよい。容器は、個々の消費者に販売するのに好適であり得、例えば、容器は、約0.5L~約10Lの容積を有していてよい。
【0029】
図3及び4に概略的に示すとおり、プロセスは、第1の液体ベース組成物10を含んでいてよい第1の投入材料15を製造システム1に提供することを含み得る。第1の投入材料15を第1のpH調整材料20と組み合わせて、第1の家庭用ケア組成物40などの第1の最終製品を形成することができる。プロセスは、第2の液体ベース組成物11を含んでいてよい第2の投入材料16を同じ製造システム1に提供することを更に含み得る。第2の投入材料16を第2のpH調整材料21と組み合わせて、第2の家庭用ケア組成物41などの第2の最終製品を形成することができる。
【0030】
最終製品を形成するときに、1つを超える液体ベース組成物及び/又は1つを超えるpH調整材料を製造システムに添加してもよい。例えば、図5に概略的に示すとおり、第1の投入材料15は、第1の液体ベース組成物10及び第3の液体ベース組成物12を含んでいてよい。第1の投入材料15は、第1のpH調整材料20及び第2のpH調整材料21と組み合わされる。プロセスの結果、第1の家庭用ケア組成物40などの最終製品が得られる。第3の液体ベース組成物12は、第1の投入15及び/又は第2の投入16の一部であってもよい。第3の液体ベース組成物12は、第1の液体ベース組成物10及び/又は第2の液体ベース組成物11と組み合わせてもよい。第3のpH調整材料22を、第1及び/又は第2の投入材料15、16に添加してもよい。
【0031】
本開示のプロセスでは、異なる製品を形成するために、類似の材料を異なる比率及び/又は量で組み合わせてもよい。例えば、図6は、図5に類似するプロセスを概略的に示し、ここでは、第1の液体ベース組成物10及び第3の液体ベース組成物12を組み合わせて投入材料(図6では、第2の投入材料16)を形成し、これを第1及び第2のpH調整材料21、22と組み合わせる。しかしながら、図5のプロセスと比較して、比較的多量の第3の液体ベース組成物12及び第2のpH調整材料21(より太い矢印100、101によって表される)がシステム1に添加され、第1の家庭用ケア組成物40とは異なる第2の家庭用ケア組成物41が形成される。
【0032】
プロセスは、本明細書に記載のプロセスの任意の好適な点で補助成分30を添加する工程を含み得る。例えば、補助成分30は、第1のpH調整材料20が第1の投入材料15に添加される前、最中、及び/又は後に添加されてよい。補助剤は、pH調整材料が第2の投入材料16に添加される前、最中、及び/又は後に添加されてよい。
【0033】
限られた数の液体ベース組成物10、11、12、pH調整材料20、21、22、及びこれらの組み合わせが図に示されているが、本開示のプロセスは、任意の好適な数及び変形のいずれも含むことができる。限定することを意図するものではないが、以下の実施例の章では、追加の組み合わせについて論じる。
【0034】
複数の家庭用ケア組成物、例えば、第1の家庭用ケア組成物40及び第2の家庭用ケア組成物41は、独立して、布地ケア組成物、食器ケア組成物、硬質表面洗浄剤組成物、ヘアケア組成物、スキンケア組成物、又はこれらの混合物などの液体表面ケア組成物であってよい。本開示の液体洗剤組成物は、布地ケア組成物、食器ケア組成物、又はこれらの混合物、好ましくは布地ケア組成物、より好ましくはヘビーデューティー液体洗濯洗剤であってよい。食器ケア組成物は、手洗い及び/又は自動食器洗浄機での洗浄に好適な食器ケア組成物であってよい。
【0035】
本プロセスの工程及び組成物については、以下でより詳細に説明する。
【0036】
ベース組成物
本プロセスは、第1、第2、及び/又は第3の液体ベース組成物10、11、12などの1つ以上の液体ベース組成物を提供する工程を含み得る。液体ベース組成物の成分は、最終的な家庭用ケア組成物(複数可)などの最終製品に含めるのに好適である。
【0037】
液体ベース組成物は、所望の得られる家庭用ケア組成物の量に対して任意の好適な容積として提供され得る。例えば、容積は、1本のボトル(例えば、1リットル)を充填するのに十分であってもよく、又は製造システム1を1日間以上フル操業させるのに十分であってもよい(例えば、1000sリットル以上)。
【0038】
液体ベース組成物は、以下に提供される試験方法に従って求められるpHによって特徴付けることができる。液体ベース組成物は、独立して、塩基性pH、例えば少なくとも約7.5のpHを特徴とし得る。ベース組成物、例えば、第1の液体ベース組成物及び/又は第2の液体ベース組成物は、少なくとも約9、又は約9~約13、又は約10~約13、又は約11~約13、又は約11~約12のpHを特徴とし得る。安定性の理由から、比較的高いpHを有する液体ベース組成物が好ましい場合がある。例えば、このような組成物は、追加の防腐剤を必要としない場合がある。
【0039】
液体ベース組成物は、以下に提供される試験方法の章で求めたとき、比較的低い予備アルカリ度(「RA」)値を特徴とし得る。液体ベース組成物は、約2.5%以下、又は約0.1%、若しくは約0.2%~約2.5%、若しくは2.25%、若しくは約2.0%、若しくは約1.5%、若しくは約1.0%、若しくは約0.8%、若しくは約0.6%のRA値を特徴とし得る。
【0040】
液体ベース組成物は、実質的に緩衝されなくてもよい。液体ベース組成物は、クエン酸、酢酸、乳酸、ホウ酸誘導体、脂肪酸、アルカノールアミン(モノエタノールアミン又はトリエタノールアミンなど)、苛性水酸化物化合物(例えば、NaOH)、炭酸塩、ゼオライト、又はこれらの混合物などの緩衝剤を実質的に含んでいなくてもよい。本明細書で使用するとき、液体ベース組成物は、本界面活性剤の酸形態を中和するのに必要な量で存在する化合物以外の緩衝剤を実質的に含んでいなくてもよい。
【0041】
液体ベース組成物は、界面活性剤系を含んでいてよく、これは、洗浄性界面活性剤を含んでいてよい。ベース組成物は、当該ベース組成物の約1重量%、又は約5重量%、又は約10重量%、又は約15重量%、又は約20重量%から、任意選択で約75重量%、又は約60重量%、又は約50重量%、又は約40重量%までの界面活性剤系を含み得る。
【0042】
洗浄性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、両性電解質界面活性剤、及びこれらの混合物から選択してよい。当業者であれば、洗浄性界面活性剤が、汚れた材料に洗浄、染み除去、又は洗濯の効果をもたらす任意の界面活性剤又は界面活性剤の混合物を包含することを理解するであろう。本明細書で使用するとき、脂肪酸及びその塩は、界面活性剤系の一部であると理解されるが、このような材料をpH調整材料として使用してもよい。
【0043】
洗浄性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤を含み得る。アニオン性界面活性剤は、ベース組成物中に存在する全ての界面活性剤のうち最も高い割合で存在してよい。好適なアニオン性界面活性剤の非限定例としては、任意の従来のアニオン性界面活性剤が挙げられる。これは、例えばアルコキシル化及び/又は非アルコキシル化アルキルサルフェート材料用のサルフェート洗浄性界面活性剤、及び/又はスルホン酸系洗浄性界面活性剤、例えばアルキルベンゼンスルホネートを含んでもよい。好適なアニオン性界面活性剤は、再生可能資源、廃棄物、石油、又はこれらの混合物に由来し得る。好適なアニオン性界面活性剤は、直鎖、部分的に分枝鎖、分枝鎖、又はこれらの混合物であってよい。
【0044】
アニオン性界面活性剤は酸形態で存在してもよく、酸形態は中和されて界面活性剤塩を形成してもよい。典型的な中和剤としては、水酸化物、例えば、NaOH又はKOHなどの金属対イオン塩基が挙げられる。酸形態のアニオン性界面活性剤の更なる好適な中和剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンの非限定的な例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び当該技術分野において既知の他の直鎖又は分枝鎖アルカノールアミンが挙げられる。好適なアルカノールアミンとしては、2-アミノ-1-プロパノール、1-アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1-アミノ-3-プロパノールが挙げられる。アミン中和は完全又は部分的に行われてもよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム又はカリウムにより中和されてもよく、またアニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン又はアルカノールアミンにより中和されてもよい。
【0045】
洗浄性界面活性剤は、非イオン性界面活性剤を含み得る。好適な非イオン性界面活性剤としては、アルコキシル化脂肪族アルコールが挙げられる。非イオン性界面活性剤は、式R(OCOHのエトキシル化アルコール及びエトキシル化アルキルフェノールから選択され得、式中、Rは、約8個~約15個の炭素原子を含有する脂肪族炭化水素ラジカル、及びアルキル基が約8個~約12個の炭素原子を含有するアルキルフェニルラジカルからなる群から選択され、nの平均値は、約5~約15である。
【0046】
本明細書で有用な非イオン性界面活性剤のその他の非限定例としては、C~C18アルキルエトキシレート(ShellからのNEODOL(登録商標)非イオン性界面活性剤など)、アルコキシレート単位がエチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であり得る、C~C12アルキルフェノールアルコキシレート、C12~C18アルコール、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC~C12アルキルフェノール縮合物、例えば、BASF製のPluronic(登録商標);C14~C22中鎖分枝状アルコール(branched alcohols、BA);C14~C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート(BAE、式中、xは1~30である);アルキル多糖類;具体的にはアルキルポリグリコシド;ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、並びにエーテルキャップ化ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤が挙げられる。
【0047】
洗浄性界面活性剤は、カチオン性界面活性剤を含み得る。カチオン性界面活性剤の非限定的な例としては、四級アンモニウム界面活性剤が挙げられ、これは26個以下の炭素原子を有し得、アルコキシレート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤;ジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム;ジメチルヒドロキシエチルラウリルアンモニウムクロリド;ポリアミンカチオン性界面活性剤;カチオン性エステル界面活性剤;及びアミノ界面活性剤、例えば、アミドプロピルジメチルアミン(APA)が挙げられる。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としてはまた、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物も挙げられる。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ-C6~18アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。非常に好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ-C8~10アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、モノ-C10~12アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、及びモノ-C10アルキルモノ-ヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。
【0048】
洗浄性界面活性剤は、双性イオン性界面活性剤を含み得る。双性イオン性界面活性剤の例としては、二級及び三級アミン誘導体、複素環式二級及び三級アミン誘導体、又は四級アンモニウム化合物、四級ホスホニウム化合物若しくは三級スルホニウム化合物の誘導体が挙げられる。双性イオン性界面活性剤の好適な例としては、アルキルジメチルベタイン及びココジメチルアミドプロピルベタイン、C~C18(例えば、C12~C18)アミンオキシド、並びにアルキル基がC~C18であってよいN-アルキル-N,N-ジメチルアミノ-1-プロパンスルホネートなどのスルホ及びヒドロキシベタインを含む、ベタインが挙げられる。好適なアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミンオキシドを含み得る。
【0049】
洗浄性界面活性剤は、両性界面活性剤を含み得る。両性界面活性剤の例としては、二級若しくは三級アミンの脂肪族誘導体、又は脂肪族ラジカルが直鎖状若しくは分枝鎖状であってよく、かつ脂肪族置換基のうちの1つが少なくとも約8個の炭素原子若しくは約8~約18個の炭素原子を含有し、脂肪族置換基のうちの少なくとも1つがアニオン水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェートを含有するヘテロ環式二級及び三級アミンの脂肪族誘導体が挙げられる。好適な両性界面活性剤としては、サルコシネート、グリコシネート、タウリネート、及びこれらの混合物も挙げられる。
【0050】
第1及び第2の液体ベース組成物の界面活性剤系は、独立して、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む洗浄性界面活性剤を含む。以下:(a)アニオン性界面活性剤は、直鎖及び/若しくは分枝鎖アルコキシル化アルキルサルフェート、直鎖及び/若しくは分枝鎖アルキルベンゼンスルホネート、又はこれらの混合物から選択される、(b)非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコールを含む、並びに/あるいは(c)双性イオン性界面活性剤は、アミンオキシドを含む、のうちの少なくとも1つが当てはまり得る。(a)、(b)、及び(c)のうちの2つ以上、又は更には全てが当てはまり得る。
【0051】
第1及び/又は第2の液体ベース組成物の界面活性剤系のうちの少なくとも1つは、主要な界面活性剤成分として、アルキルエトキシル化サルフェート(alkyl ethoxylated sulfate、AES)などのアニオン性アルコキシル化アルキルサルフェートを含んでいてよい。第1及び/又は第2の液体ベース組成物の界面活性剤系のうちの少なくとも1つは、主要な界面活性剤成分として、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(linear alkyl benzene sulfonate、LAS)などのアニオン性アルキルベンゼンスルホネートを含んでいてよい。第1の液体ベース組成物の界面活性剤系は、主要な界面活性剤成分としてアニオン性アルコキシル化アルキルサルフェート(例えば、AES)を含んでいてよく、第2の液体ベース組成物の界面活性剤系は、主要な界面活性剤成分としてアニオン性アルキルベンゼンスルホネート(例えば、LAS)を含んでいてよい。本明細書で使用するとき、「主要な界面活性剤成分」は、存在する他の界面活性剤に比べて最大の重量で界面活性剤系中に存在する界面活性剤を意味する。主要な界面活性剤成分は、必ずしも過半数として(例えば、50重量%超)存在するわけではない。
【0052】
液体ベース組成物は、水、非アミノ官能性溶媒、ポリマー、及び/又は追加の補助成分などの他の成分を含んでいてよい。
【0053】
液体ベース組成物は、水、例えば、当該液体ベース組成物の約10重量%、又は約20重量%、又は約25重量%、又は約35重量%、又は約40重量%、又は約50重量%~約80重量%、又は約75重量%、又は約70重量%、又は約60重量%、又は約50重量%の水を含み得る。液体ベース組成物は、25%超の水、又は約25%~約50%の水、又は約50%~約70%の水を含んでいてよい。
【0054】
液体ベース組成物は、非アミノ官能性有機溶媒を含んでいてよい。本明細書で使用するとき、「非アミノ官能性有機溶媒」は、アミノ官能基を含まない任意の好適な有機溶媒を指す。好適な非アミノ官能性有機溶媒としては、一価アルコール、二価アルコール、多価アルコール、グリセロール、グリコール、ポリエチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、及びこれらの混合物を挙げることができる。本開示の組成物は、以下:エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノールなどの低級脂肪族アルコール;1,2-プロパンジオール又は1,3-プロパンジオールなどのジオール;及びグリセロールのうちの2つ以上の混合物などの溶媒の混合物を含み得る。本開示の組成物は、プロパンジオールを含むが、メタノール及び/又はエタノールを含まない溶媒を含んでいてよい。非アミノ官能性有機溶媒は、周囲の温度及び圧力(すなわち、21℃及び1気圧)で液体であってよく、炭素、水素及び酸素を含んでいてよい。非アミノ官能性有機溶媒はまた、本プロセスに従って補助成分として添加されてもよい。
【0055】
液体ベース組成物は、アルコキシル化ポリエチレンイミン(polyethylenimine、PEI)ポリマーなどのポリマーを含んでいてよい。このようなポリマーは、最終製品組成物に性能効果を提供することができるだけでなく、液体ベース組成物において溶媒様の効果を提供することもできる。好適なポリマーとしては、PEI600 EO20(BASF製)が挙げられる。
【0056】
液体ベース組成物は、以下に記載するように、追加の補助成分を含んでいてよい。液体ベース組成物は、緩衝剤(中和された界面活性剤に使用される剤以外)、酵素、香料、封入有益剤、審美染料、色相染料、増白剤、乳白剤、又はこれらの混合物を実質的に含んでいなくてもよいが、その理由は、このような材料(複数可)を含まないことにより、液体ベース組成物の安定性及び/又は最終製品の処方柔軟性を支援することができるためである。
【0057】
液体ベース組成物は、複数の洗剤を製造する本プロセスの開始前に、部分的に又は完全に調製し、貯蔵しておいてよい。例えば、液体ベース組成物は、第1及び/又は第2の緩衝剤組成物と組み合わせる工程の前に、少なくとも6時間、又は少なくとも12時間、又は少なくとも18時間、又は少なくとも24時間、例えば、貯蔵タンク内に貯蔵してよい。液体ベース組成物は、ベース組成物(複数可)をpH調整組成物(複数可)と組み合わせる前に、インラインプロセス中に製造されてもよい。液体ベース組成物は、貯蔵した後、ベース組成物(複数可)をpH調整組成物(複数可)と組み合わせる前に、補助成分を添加することによって後で改質してもよい。
【0058】
液体ベース組成物は、貯蔵タンク内に貯蔵した後、例えば、1本以上のパイプを介して送り込むことによって、製造システム1に輸送してよく、そこで、ベース組成物が緩衝組成物(複数可)と組み合わされる。第1及び/又は第2の液体ベース組成物10、11の第1及び第2の量は、それらが第1及び第2のpH調整材料20、21とそれぞれ組み合わされる場所まで同じ経路(例えば、パイプ)を移動してもよい(例えば、図1及び図2を参照)。
【0059】
pH調整材料
本プロセスは、1つ以上のpH調整材料を、1つ以上の液体ベース組成物を含んでいてよい投入材料に添加する工程を含み得る。
【0060】
本プロセスは、第1の投入材料15を第1のpH調整材料20と組み合わせる工程を含んでいてよい。第1のpH調整材料20は、第1の緩衝剤を含み得る。第1の緩衝剤は、第1の家庭用ケア組成物40の所望のpHに応じて、酸性pH又は塩基性pHで組成物を緩衝するのに好適であり得る。
【0061】
本プロセスは、第2の投入材料16を第1のpH調整材料20、第2のpH調整材料21、又はこれらの組み合わせと組み合わせる工程を含んでいてよい。第2のpH調整材料組成物21は、第2の緩衝剤を含んでいてよい。第2の緩衝剤は、第2の家庭用ケア組成物41の所望のpHに応じて、酸性pH又は塩基性pHで組成物を緩衝するのに好適であり得る。
【0062】
第1及び/又は第2の緩衝剤は、非界面活性剤有機酸;ホウ酸化合物;脂肪酸;アルカノールアミン;苛性水酸化物化合物;炭酸塩;ゼオライト;又はこれらの混合物からなる群から選択してよい。
【0063】
好適な非界面活性剤有機酸としては、クエン酸、酢酸、及び/又は乳酸を挙げることができる。
【0064】
本明細書で使用するとき、「ホウ酸化合物」は、ホウ酸を含む化合物であるか、又は溶液中にホウ酸を提供することができる化合物である。ホウ酸化合物は、所望の製品組成物に含めるのに好適な任意の化合物であってよい。ホウ酸化合物としては、ホウ酸、ホウ酸誘導体、ボロン酸、ボロン酸誘導体、及びこれらの組み合わせを挙げることができる。ホウ酸誘導体としては、化合物の少なくとも一部がホウ酸又はその化学的等価物として溶液中に存在するホウ素含有化合物が挙げられる。好適なホウ酸誘導体としては、MEAボレート(すなわち、モノエタノールアミンボレート)、ホウ砂、酸化ホウ素、四ホウ酸十水和物、四ホウ酸五水和物、アルカリ金属ホウ酸塩(例えば、オルト-、メタ-、及びピロホウ酸ナトリウム、並びに五ホウ酸ナトリウム)、及びこれらの混合物が挙げられる。好適なボロン酸としては、フェニルボロン酸、エチルボロン酸、3-ニトロベンゼンボロン酸、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0065】
好適な脂肪酸としては、約10~約22個の炭素原子を有する脂肪酸を挙げることができる。好適な脂肪酸は、飽和又は不飽和であり、例えば植物若しくは動物性エステル(例えば、パーム油、ココヤシ油、ババス油、ベニバナ油、トール油、ヒマシ油、タロー及び魚油、グリース、並びにこれらの混合物)などの天然資源から得ることもでき、又は例えば、石油の酸化を介して若しくはフィッシャートロプシュ法を介した一酸化炭素の水素添加によって合成的に調製することもできる。本開示の組成物における使用に好適な飽和脂肪酸の例としては、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸及び/又はベヘン酸を挙げることができる。好適な不飽和脂肪酸種としては、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、及び/又はリシノール酸を挙げることができる。脂肪酸は、脂肪酸の混合物を含んでいてよい。
【0066】
好適なアルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン(monoethanolamine、MEA)、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(triethanolamine、TEA)、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0067】
好適な苛性水酸化物化合物としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、水酸化アンモニウム、又はこれらの混合物を挙げることができる。苛性水酸化物化合物は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又はこれらの混合物を含んでいてよい。苛性水酸化物化合物は、比較的低い緩衝能を有することが意図される組成物に好ましい場合がある。
【0068】
好適な炭酸塩としては、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、炭酸アンモニウム、又はこれらの混合物を挙げることができる。炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、又は炭酸アンモニウムを挙げることができる。
【0069】
第1及び第2の緩衝剤は、互いに異なっていてよい。第1及び第2の緩衝剤の一方(例えば、第1の緩衝剤)は、組成物の酸性pHへの緩衝に好適であり得、第1及び第2の緩衝剤の他方(例えば、第2の緩衝剤)は、組成物の塩基性pHへの緩衝に好適であり得る。第1及び第2の緩衝剤の一方は、クエン酸、酢酸、乳酸、又はこれらの混合物からなる群から選択してよく、第1及び第2の緩衝剤の他方は、ホウ酸化合物、アルカノールアミン(MEAなど)、脂肪酸、又はこれらの混合物からなる群から選択してよい。
【0070】
第1のpH調整材料20は、得られた混合物を所望のpHに緩衝するのに好適な量で第1の投入材料15と組み合わせてよい。例えば、約1重量部~約25重量部の第1のpH調整材料20を、約100重量部の第1の投入材料15と組み合わせてよい。十分な量の第1のpH調整材料20を第1の投入材料20と組み合わせて、第1の家庭用ケア組成物40において、第1の家庭用ケア組成物40の約1重量%~約25重量%の、第1の家庭用ケア組成物40中第1の緩衝剤を提供することができる。
【0071】
第2のpH調整材料21は、得られた混合物を所望のpHに緩衝するのに好適な量で第2の投入材料16と組み合わせてよい。例えば、約1部~約25部の第2のpH調整材料21を、約100部の第2の投入材料16と組み合わせてよい。十分な量の第2のpH調整材料21を第2の投入材料16と組み合わせて、第2の家庭用ケア組成物41において、第2の家庭用ケア組成物41の約1重量%~約25重量%の、第2の家庭用ケア組成物41中第2の緩衝剤を提供することができる。
【0072】
添加されるpH調整材料の相対量は、例えば、ベース組成物及び/又は投入材料のRA値、使用される緩衝剤、並びに得られる家庭用ケア組成物の所望の最終pHに依存する。表1は、最終組成物において特定の目標pHを達成するために、特定のベース組成物に添加される例示的な緩衝剤及び推定量を提供する。
【0073】
【表1】
最終組成物の重量による緩衝剤(酸及び塩形態の両方を含む)の活性%として測定される、約0.5のRA値及び約11の初期pHを有する液体ベース組成物に添加される推定量
【0074】
pH調整材料は、緩衝剤に加えて追加の補助剤を含んでいてよい。例えば、pH調整材料は、界面活性剤、有機溶媒、ポリマー、安定剤、水、及びこれらの混合物を含んでいてよい。
【0075】
第1及び第2のpH調整材料20、21は、それぞれ第1及び第2の投入材料15、16と任意の好適な方法で組み合わせてよい。例えば、一方又は両方の組み合わせ工程は、バッチプロセスの一部として実施されてもよく、例えばバッチタンク内で組み合わされてもよい。一方又は両方の組み合わせ工程は、連続インラインプロセスの一部として実施されてもよい。
【0076】
組み合わせ工程は、連続インラインプロセスの一部であってもよい。第1の液体ベース組成物10を含んでいてよい第1の投入材料15は、合流ゾーン4の上流にある領域5から合流ゾーン4に輸送、例えば、パイプを通して送り込まれ得る。第1の投入材料15は、合流ゾーン4において第1のpH調整材料20と組み合わせてよく、その結果、合流ゾーン4の下流の領域6において第1の家庭用ケア組成物40を得ることができる。第1の及び/又は第2の液体ベース組成物10、11を含んでいてよい第2の投入材料16は、合流ゾーン5の上流にある領域5から合流ゾーン4に輸送、例えば、パイプを通して送り込まれてよく;この工程の合流ゾーンは、第1の投入材料15及びpH調整材料が組み合わされる/組み合わされた工程の合流ゾーンと同一でも異なっていてもよい(例えば、第2の合流ゾーン)。第2の投入材料16は、合流ゾーン4において第2のpH調整材料21と組み合わせてよく、その結果、合流ゾーン4の下流の領域6において第2の家庭用ケア組成物41を得ることができる。
【0077】
投入材料をpH調整材料と組み合わせる工程では、中和熱に起因して熱エネルギーが発生することがある。本プロセスの利点は、低い予備アルカリ度を有するベース組成物で出発することにより、これらの組み合わせ工程によって発生するエネルギーの量が比較的少ないことである。ベース組成物は比較的緩衝されないため、pH調整材料を添加する及び/又は混合物を所望のpHにするプロセス中に生じる中和反応が比較的少なく、したがって、比較的低いレベルのエネルギーが発生し、放出されると考えられる。
【0078】
投入材料、pH調整材料、又は両方は、組み合わされるときに周囲温度であってよい。投入材料及びpH調整材料を組み合わせる工程は、得られるバルク溶液中で生じる温度上昇が約2℃未満であり得る。本開示のプロセスにおける温度変化を制御するために、外部熱交換器を必要ともせず、望ましくもないことがあり得る。
【0079】
組み合わせ工程に続いて、得られた投入材料とpH調整材料との混合物を、例えば静的ミキサ3で混合してよい。1つ以上の混合工程は、合流ゾーン(複数可)4の下流であってよい1つ以上の混合ゾーン2で行ってよい。混合ゾーン(複数可)2は、1つ以上の静的ミキサ3を含んでいてよい。補助成分30は、混合ゾーン3の上流又は下流に添加してよい。
【0080】
上述のように、また、図1及び2並びに図3及び4に概略的に示すとおり、組み合わせ工程は、同じ製造システム1で行ってよい。
【0081】
図示されていないが、本開示はまた、異なる最終製品を形成するために、異なる製造システムに液体ベース組成物及びpH調整材料を提供することも想到する。低RA液体ベース組成物は、異なる製造システムであっても、組成物の製造の柔軟性に寄与する。例えば、第1の液体ベース組成物10を含む第1の投入材料15を第1の製造システムに提供し、第1のpH調整材料20と組み合わせて、第1の家庭用ケア組成物40を提供することができ、第1の液体ベース組成物10、第2の液体ベース組成物11、又はこれらの混合物を含む第2の投入材料16を第2の製造システムに提供し、同じ又は異なるpH調整材料と組み合わせて、第2の家庭用ケア組成物41を提供することができる。低RAの第1の液体ベース組成物の第1の部分を、第1の製造システムにおいて第1のpH調整材料と組み合わせて、第1の家庭用ケア組成物を形成することができ、第1の液体ベース組成物の第2の部分を、第2の製造システムにおいて第2のpH調整材料と組み合わせて、第2の家庭用ケア組成物を形成することができる。
【0082】
製造システム1は、第1の組み合わせ工程と第2の組み合わせ工程との間に及び/又は第1の投入材料15の提供と第2の投入材料16の提供との間に、流体によって洗い流されてもよい。流体は、水又は水溶液などの水性流体であってよい。システムを洗い流すために使用される流体は、液体ベース組成物、好ましくは第2の投入材料中に存在するものを含んでいてよい。このようにして、製造システムは、古い投入材料が洗い流され、新しい投入材料で「プライミング」される。典型的には、システムを洗い流すために使用される流体は、本明細書に記載のpH調整材料及び/又は緩衝剤を含まない。水が、有用かつ費用効率が高い場合もあり、少なくともいくつかの状況では、システム内の残留水が、後で製造される製品を希釈し、それによって品質管理に影響を及ぼす場合があるため、あまり好ましくない場合もある。
【0083】
システムを洗い流すために使用される流体の少なくとも一部は、後の製造操作において家庭用ケア組成物を製造するために使用される1つ以上の液体ベース組成物に捕捉され、ブレンドされてもよく、それによって、廃棄物が減少する。
【0084】
組み合わせ工程は、異なる容器内で行ってもよく、これは、それぞれ第1のボトル及び第2のボトルなどの最終製品容器であってよい。異なる容器が、コンベアシステムに提供されてもよい。組み合わせ工程は、同じノズルにおいて行ってもよく、又はそれぞれ第1のノズル及び第2のノズルなどの異なるノズルにおいて行ってもよい。容器は、液体ベース組成物を最初に受容してもよく、又はpH調整材料を最初に受容してもよい。容器は、例えば、少なくとも2つの流れを実質的に同時に注入することによって、液体ベース組成物及びpH調整材料を実質的に同時に受容することができる。分注された容積及び/又は分注速度に応じて、2つ以上の流れは、非同時に開始及び/又は停止してもよい。
【0085】
容器(例えば、第1及び第2のボトル)内の組成物は、例えば容器/ボトルを振盪及び/又は回転させることによって、組み合わせの最中又は後に混合してもよい。組み合わせ工程で生じた乱流により十分な混合を提供することができること、並びに/あるいは当業者が適切な変数、例えば、ベース組成物、第1の及び/若しくは第2のpH調整材料、並びに/又は家庭用ケア組成物のボトルへの流量を調節して、十分な混合を提供することができることが理解される。
【0086】
最終組成物
本開示のプロセスは、家庭用ケア組成物を含む液体消費者製品などの複数の液体組成物を製造するのに有用である。開示されるプロセスによって提供される柔軟性により、比較的限られた数の液体ベース組成物から比較的多数の製品を効率的に製造することができる。開示されるプロセスから製造される複数の液体家庭用ケア組成物は、プロセスで使用される液体ベース組成物ごとに少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、より好ましくは少なくとも5つの家庭用ケア組成物を含み得る。
【0087】
最終製品は、少なくとも部分的に、液体ベース組成物を含有していてよい第1の投入材料15をpH調整材料と組み合わせることによって製造され得る。第1の投入材料15を第1のpH調整材料20と組み合わせる工程の結果、第1の液体家庭用ケア組成物40を得ることができる。第2の投入材料16をpH調整材料と組み合わせる工程の結果、第2の液体家庭用ケア組成物41を得ることができる。
【0088】
第1及び/又は第2の液体家庭用ケア組成物40、41は、布地ケア組成物、食器ケア組成物、硬質表面洗浄組成物、ヘアケア組成物、スキンケア組成物、又はこれらの混合物などの表面ケア組成物であってよい。第1及び/又は第2の液体家庭用ケア組成物40、41は、布地ケア組成物、食器ケア組成物、又はこれらの混合物であってよい。液体家庭用ケア組成物は、液体洗濯洗剤などの布地ケア組成物であってよい。
【0089】
第1の液体家庭用ケア組成物40及び第2の液体家庭用ケア組成物41は、それぞれ独立して、pHによって特徴付けられ得る。第1の液体家庭用ケア組成物のpH(すなわち、第1のpH)は、第2の液体家庭用ケア組成物のpH(すなわち、第2のpH)と異なっていてもよい。
【0090】
第1のpHは、第2のpHと少なくとも約1pH単位だけ異なっていてもよい。換言すれば、以下のとおりである。
|第1のpH-第2のpH|≧1
【0091】
第1のpHは、第2のpHと少なくとも約1、又は少なくとも約2、又は少なくとも約3、又は少なくとも約4、又は少なくとも約5pH単位だけ異なっていてよい。第1のpHは、第2のpHと約1、又は約2、又は約3、又は約4~約10、又は約8、又は約6、又は約5だけ異なっていてよい。
【0092】
第1及び第2のpHは、両方とも塩基性であってよい(すなわち、7を超える)。第1及び第2の家庭用ケア組成物の一方は、酸性pHを特徴とし得、第1及び第2の家庭用ケア組成物の他方は、塩基性pHを特徴とし得る。第1及び第2の家庭用ケア組成物の少なくとも一方は、約2、又は約2.5、又は約3~約6.5、又は約6、又は約5、又は約4のpHを特徴とし得る。第1及び第2の家庭用ケア組成物の少なくとも一方は、約7.5~約11、又は約7.5~約10、又は約7.5~約9、又は約7.5~約8.5のpHを特徴とし得る。
【0093】
本開示のプロセスは、酸性pHを有する家庭用ケア組成物を製造することが望ましい場合に特に有用であり得る。低(酸性)pHを有する組成物は、炭素鋼及び/又はステンレス鋼などの製造設備において一般的に使用される材料に対する負の金属学的効果の原因となり得る。本プロセスでは比較的後期にpH調整剤を投入材料に添加してよいので、低pH組成物が機器と接触するのを、比較的短い期間及び/又は比較的短い距離にすることができる。したがって、負の効果を最小限に抑えることができる、又はより容易に対処することができる。
【0094】
本開示の家庭用ケア組成物は、予備アルカリ度によって特徴付けることができる。家庭用ケア組成物のRAは、家庭用ケア組成物を調製するために使用された少なくとも1つの液体ベース組成物よりも高くてよく、好ましくは全ての液体ベース組成物よりも高くてよい。家庭用ケア組成物のRAは、約2.0%超、又は約2.5%超、又は約3%超、又は約4%超、又は約5%超であり得る。
【0095】
本開示の第1及び/又は第2の家庭用ケア組成物40、41は、追加の補助成分30を含んでいてよい。これらの成分は、提供されたときに液体ベース組成物10、11、12中に存在してもよく、又は本明細書に記載のプロセス中に添加されてもよい。例えば、補助成分30は、pH調整材料20、21、22をベース組成物と組み合わせる前、最中、又は後に添加されてよい。例えば、図3~6は、pH調整材料をベース組成物と組み合わせる前又は後に補助成分30を任意選択で添加してよいことを概略的に示す。
【0096】
本プロセスは、それぞれ第1及び第2の家庭用ケア組成物40、41になる異なる混合物に異なる補助成分30を添加することを含んでいてよい。異なる補助剤の添加は、それらが異なる効果を提供するように及び/又は異なる審美性を含むように、製品を差異化することが望ましい。加えて、第1及び第2の家庭用ケア組成物40、41のpHが異なる場合、補助剤も同様に少なくとも部分的に異なっていてよい。例えば、第1のpHで適合性(例えば、安定及び/又は有効)である特定の補助剤を、第1の家庭用ケア組成物40に添加してよく、第2のpHと適合性がある他の補助剤を第2の家庭用ケア組成物41に添加してよい。酵素はpH感受性であることが知られており、両方ではなく一方の組成物に添加してもよく、又は第1のpHと適合性のある第1の酵素を第1の家庭用ケア組成物40に添加してよく、及び/又は第2のpHと適合性のある第2の酵素を第2の家庭用ケア組成物41に添加してもよい。
【0097】
本プロセスの任意の好適な点で、記載される家庭用ケア組成物の最終形態及び意図される最終用途に好適な任意の補助剤成分30を添加してよい。補助成分30は、性能効果を提供するのに好適なレベルで添加してよい。補助成分30は、本開示の組成物中に、個々に又は合計で、当該組成物の約0.00001重量%、又は約0.0001重量%、又は約0.001重量%、又は約0.01重量%、又は約0.1重量%、又は約1重量%~約50重量%、又は約40重量%、又は約30重量%、又は約20重量%、又は約15重量%、約10重量%、又は約8重量%、又は約6重量%、又は約5重量%、又は約4重量%、又は約3重量%、又は約2重量%、又は約1重量%の濃度で存在し得る。補助成分30は、組成物の約0.001重量%~約10重量%の濃度で存在し得る。
【0098】
本明細書に記載される液体家庭用ケア組成物は、以下の非限定的な成分のリストのうちの1つ以上を含み得る:布地ケア有益剤;洗浄性酵素;沈着助剤;レオロジー変性剤;ビルダー;キレート剤;漂白剤、漂白剤(bleaching agent);漂白剤前駆体;漂白促進剤;漂白触媒;未希釈香料及び/又は封入香料;香料充填ゼオライト;デンプン封入アコード;ポリグリセロールエステル;ホワイトニング剤;真珠光沢剤;酵素安定剤系;アニオン性染料の定着剤を含む除去薬、アニオン性界面活性剤の錯化剤、及びこれらの混合物;光学増白剤又は蛍光剤;汚れ放出ポリマー及び/又は汚れ懸濁ポリマーを含むがこれらに限定されないポリマー;分散剤;消泡剤;非水性溶媒;脂肪酸;泡抑制剤、例えばシリコーン泡抑制剤;カチオンデンプン;スカム分散剤;直接染料;着色剤;乳白剤;酸化防止剤;トルエンスルホネート、クメンスルホネート及びナフタレンスルホネートなどのヒドロトロープ;色斑;着色ビーズ、球体、又は押出物;粘土柔軟化剤、抗菌剤。追加的又は代替的に、組成物は、界面活性剤、第四級アンモニウム化合物、及び/又は溶剤系を含んでもよい。第四級アンモニウム化合物は、布地柔軟剤などの布地増強組成物中に存在してもよく、正電荷を有する多原子イオンの構造NR (Rはアルキル基又はアリール基である)である第四級アンモニウムカチオンを含む。
【0099】
本明細書に開示される組成物は、構造化剤、ビルダー、有機ポリマー化合物、酵素、酵素安定剤、漂白系、増白剤、色相剤、キレート剤、抑泡剤、コンディショニング剤、保湿剤、未希釈香料、封入体(例えば、香料マイクロカプセル)、充填剤又は担体、及びこれらの混合物からなる群から選択される補助剤を含んでいてよい。本開示の組成物は、封入体、未希釈香料、酵素、布地色相剤、コンディショニング剤、布地増強ポリマー、パールエッセンス剤、乳白剤、又はこれらの混合物から選択される補助剤を含んでいてよい。
【0100】
本開示の組成物は、例えば、成分を定位置に「固定」することによって、本組成物の不均質性を維持するのに有用であり得る構造化剤又は増粘剤を更に含んでいてもよい。構造化剤はまた、安定性を維持する及び/又は有益剤を懸濁させるのに有用であり得る。好適な構造化剤/増粘剤としては、結晶性グリセリド(例えば、硬化ヒマシ油又はその誘導体)などの非高分子結晶性ヒドロキシル官能性材料を挙げることができる。
【0101】
本開示のプロセスは、ベース組成物(複数可)を第1及び/又は第2のpH調整材料(複数可)と組み合わせた後に、例えば合流ゾーン4の下流で特定の補助成分を添加して、最終家庭用ケア組成物(複数可)を得る、1つ以上の仕上げ工程を含んでいてよい。例えば、仕上げ工程は、未希釈香料及び/又は審美的染料などの審美的成分を添加することを含んでいてよい。仕上げ工程は、封入された有益剤、例えば、香料封入体を添加することを含んでいてよく、封入有益剤を添加する前又は後、好ましくは後に、構造剤を添加してよい。仕上げ工程は、家庭用ケア組成物を、例えば静的ミキサ3で混合することを含んでいてよい。本開示の製造プロセスは、複数の混合工程を含んでいてよい。本開示の製造システム1は、1つを超える静的ミキサ3などの1つを超える混合ゾーン2を含んでいてよい。
【0102】
第1及び/又は第2の家庭用ケア組成物40、41は、当該組成物の少なくとも約50重量%、又は少なくとも約60重量%、又は少なくとも約70重量%、又は少なくとも約75重量%、又は少なくとも約80重量%の水を含み得る。
【0103】
本開示のプロセスは、充填工程を含んでいてよい。充填工程は、家庭用ケア組成物の少なくとも一部を容器に入れることを含み得る。容器は、貯蔵容器、輸送容器、又はボトル若しくはバッグなどの消費者に販売するのに好適な容器であってよい。箱に入った又はパレット上の複数のボトルなど、輸送用に複数の容器を束ねてもよい。
【0104】
使用方法
本プロセスによって製造される家庭用ケア組成物は、既知の方法に従ってその意図される最終用途のために使用され得る。例えば、布地ケア組成物は、例えば、水及び布地ケア組成物の一部を含む洗浄液と布地を接触させることによって、布地を処理するために使用することができる。食器洗浄組成物は、食器などを水と食器洗浄組成物との水性混合物と接触させることによって、例えば、汚れた食器、ガラス食器、及び/又は平皿を処理するために使用することができる。手動及び自動(例えば、好適な機械を用いる)処理プロセスが、本開示によって想到される。
【0105】
組み合わせ
本開示の具体的に想到される組み合わせを、本明細書で以下のアルファベットを付した項に記載する。これらの組み合わせは、事実上例示的なものであり、限定的であることを意図したものではない。
A.複数の液体家庭用ケア組成物を製造するプロセスであって、当該プロセスは、(a)製造システムに第1の投入材料を提供する工程であって、当該第1の投入材料が第1の液体ベース組成物を含み、当該第1の液体ベース組成物が、当該第1の液体ベース組成物の約1重量%~約75重量%の界面活性剤系を含み、当該第1の液体ベースが、約2.5%以下の予備アルカリ度を更に特徴とする工程と、(b)当該第1の投入材料を第1のpH調整材料と組み合わせて、第1の家庭用ケア組成物を提供する工程と、(c)当該製造システムに第2の投入材料を提供する工程であって、当該第2の投入材料が、当該第1の液体ベース組成物、第2の液体ベース組成物、又はこれらの混合物を含み、当該第2の液体ベース組成物が、当該第2の液体ベース組成物の約1重量%~約75重量%の界面活性剤系を含み、当該第2の液体ベースが、約2.5%以下の予備アルカリ度を更に特徴とする工程と、(d)当該第2の投入材料を当該第1のpH調整材料、第2のpH調整材料、又はこれらの組み合わせと組み合わせて、第2の家庭用ケア組成物を提供する工程と、を含み、工程(a)及び(b)の組み合わせが、工程(c)及び(d)の組み合わせと同一ではない、プロセス。
B.異なるpH値を有する複数の液体家庭用ケア組成物を製造するプロセスであって、当該プロセスは、(a)合流ゾーンにおいて液体ベース組成物の第1の部分を第1の緩衝剤組成物と組み合わせ、それにより、第1の液体家庭用ケア組成物を得る工程であって、当該液体ベース組成物が、約1%~約75%の洗浄性界面活性剤を含み、当該緩衝剤の組み合わせと組み合わせる前に、約2%以下の予備アルカリ度を特徴とする工程と、(b)当該液体ベース組成物の第2の部分を第2の緩衝組成物と組み合わせる工程であって、工程(b)の組み合わせ工程が、工程(a)の合流ゾーンと同じゾーン又は異なるゾーンである合流ゾーンで行われ、工程(b)の組み合わせ工程の結果、工程(b)の合流ゾーンの下流の領域において第2の液体家庭ケア組成物が得られる工程と、を含み、当該第1及び第2の家庭用ケア組成物が、少なくとも2pH単位だけ異なるpHを特徴とする、プロセス。
C.複数の家庭用ケア組成物を製造するプロセスであって、当該プロセスは、(a)複数の液体ベース洗剤組成物を提供する工程であって、当該複数が少なくとも第1の液体ベース組成物及び第2の液体ベース組成物を含み、当該複数の当該液体ベース組成物が、それぞれ当該組成物の約1重量%~約75重量%の界面活性剤系を含み、それぞれ最大約2%予備アルカリ度を特徴とする工程と、(b)複数のpH調整材料を提供する工程であって、当該複数が、少なくとも第1のpH調整材料及び第2のpH調整材料を含む工程と、(c)第1の投入材料を製造システムに提供する工程であって、当該第1の投入材料が少なくとも当該第1の液体ベース洗剤組成物を含む工程と、(d)当該第1の投入材料を当該第1のpH調整材料と組み合わせて、第1の家庭用ケア組成物を提供する工程と、(e)第2の投入材料を当該製造システムに提供する工程であって、当該第2の投入材料が、当該第1の液体ベース組成物、当該第2の液体ベース組成物、又はこれらの組み合わせを含む工程と、(f)当該第2の投入材料を当該複数のpH調整材料のメンバーと組み合わせて、当該第1の家庭用ケア組成物と組成的に異なる第2の家庭用ケア組成物を提供する工程であって、当該メンバーが、当該第1のpH調整材料、当該第2のpH調整材料、又はこれらの組み合わせを含む工程と、を含む、プロセス。
D.複数の家庭用ケア組成物を製造するプロセスであって、当該プロセスは、(a)第1の液体ベース組成物及び任意選択で第2の液体ベース組成物を提供する工程であって、当該液体ベース組成物のそれぞれが、当該組成物の約1重量%~約75重量%の界面活性剤系を含み、当該液体ベース組成物のそれぞれが、最大約2%の予備アルカリ度を特徴とする工程と、(b)第1のpH調整材料及び任意選択で第2のpH調整材料を提供する工程と、(c)工程(a)からの液体ベース組成物を選択し、それを工程(b)からのpH調整材料と製造ライン上で組み合わせて、第1の家庭用ケア製品を形成する工程と、(d)工程(a)からの液体ベース組成物を選択し、それを工程(b)からのpH調整材料と当該製造ライン上で組み合わせて、当該第1の家庭用ケア製品と組成的に異なる第2の家庭用ケア製品を形成する工程であって、工程(d)の当該液体ベース組成物及び/若しくはpH調整材料が、異なる種類(複数可)である、並びに/又は工程(c)の当該液体ベース組成物及び/若しくは当該pH調整材料とは異なる相対量で存在する工程と、を含む、プロセス。
E.複数の家庭用ケア組成物を製造するプロセスであって、当該プロセスは、(a)第1の投入材料及び第1のpH調整材料を製造システム上で組み合わせて、第1の家庭用ケア組成物を形成する工程と、(b)第2の投入材料及び第2のpH調整材料を当該製造システム上で組み合わせて、当該第1の家庭用ケア組成物とは異なる第2の家庭用ケア組成物を形成する工程と、を含み、(c)当該第1の投入材料及び当該第2の投入材料が、それぞれ独立して、第1の液体ベース組成物、第2の液体ベース組成物、又はこれらの混合物を含み、当該第1の液体ベース組成物及び当該第2の液体ベース組成物が、それぞれ独立して、当該液体ベース組成物の約1重量%~約75重量%の界面活性剤系を含み、当該第1及び第2の液体ベース組成物が、それぞれ独立して、約2%以下の予備アルカリ度を特徴とし、当該第1及び第2の液体ベース組成物が、同じであっても異なっていてもよく、当該第1及び第2のpH調整材料が、同じであっても異なっていてもよい、プロセス。
F.異なるpH値を有する複数の液体家庭用ケア組成物を製造するプロセスであって、当該プロセスは、(a)約2%以下の予備アルカリ度を有する液体ベース組成物を提供する工程であって、当該ベース組成物が、約1%~約75%の洗浄性界面活性剤を含む工程と、(b)第1の緩衝組成物を第1の量の当該液体ベース組成物と組み合わせて、第1のpHを有する第1の液体家庭用ケア組成物を提供する工程と、(c)第2の緩衝剤組成物を第2の量の当該液体ベース組成物と組み合わせて、第2のpHを有する第2の液体家庭用ケア組成物を提供する工程であって、当該第1のpHが、少なくとも約1pH単位だけ当該第2のpHと異なる工程と、を含む、プロセス。
G.当該第2の投入材料が、当該第1の液体ベース組成物を含む、段落A~Fのいずれか1つに記載のプロセス。
H.当該第2の投入材料が、当該第2の液体ベース組成物を含む、段落A~Gのいずれか1つに記載のプロセス。
I.当該製造システムが、閉鎖された中央パイプ、バッチタンク、コンベアシステム、又はこれらの組み合わせを含む、段落A~Hのいずれか1つに記載のプロセス。
J.当該第1の投入材料が、当該製造システム上の第1の容器に提供され、当該第2の投入材料が、当該製造システム上の第2の容器に提供される、段落A~Iのいずれか1つに記載のプロセス。
K.当該製造システムが、当該第1の投入材料の提供と当該第2の投入材料の提供との間に組成物で洗い流され、好ましくは組成物で洗い流され、より好ましくは当該第2の投入材料中にも存在する液体ベース組成物で洗い流される、段落A~Jのいずれか1つに記載のプロセス。
L.当該第1及び第2の液体ベース組成物の当該界面活性剤系が、それぞれ独立して、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、又はこれらの混合物を含む洗浄性界面活性剤を含む、段落A~Kのいずれか1つに記載のプロセス。
M.以下:当該アニオン性界面活性剤は、直鎖及び/若しくは分枝鎖アルコキシル化アルキルサルフェート、直鎖及び/若しくは分枝鎖アルキルベンゼンスルホネート、又はこれらの混合物から選択される、並びに/あるいは当該非イオン性界面活性剤は、エトキシル化アルコールを含む、並びに/あるいは当該双性イオン性界面活性剤は、アミンオキシドを含む、のうちの少なくとも1つが当てはまる、段落A~Lのいずれか1つに記載のプロセス。
N.当該第1及び/又は第2の液体ベース組成物の当該界面活性剤系のうちの少なくとも1つが、主要な界面活性剤成分としてアニオン性アルコキシル化アルキルサルフェートを含む、段落A~Mのいずれか1つに記載のプロセス。
O.当該第1及び/又は第2の液体ベース組成物の当該界面活性剤系のうちの少なくとも1つが、主要な界面活性剤成分としてアニオン性アルキルベンゼンスルホネートを含む、段落A~Nのいずれか1つに記載のプロセス。
P.当該第1及び/又は第2の液体ベース組成物が、約0.1%~約2.25%、又は約0.1%~約2.0%、又は約0.1%~約1.5%、又は約0.1%~約1.0%の予備アルカリ度を有する、段落A~Oのいずれか1つに記載のプロセス。
Q.当該第1のpH調整材料及び/又は当該第2のpH調整材料が、非界面活性剤有機酸、ホウ酸化合物、脂肪酸、アルカノールアミン、苛性水酸化物化合物、炭酸塩、ゼオライト、及びこれらの混合物からなる群から独立して選択される材料を含む、段落A~Pのいずれか1つに記載のプロセス。
R.当該第1のpH調整材料が、第1の緩衝剤を含み、かつ、当該第1の家庭用ケア組成物が、当該第1の家庭用ケア組成物の約1重量%~約25重量%の当該第1の緩衝剤を含むように十分な量で当該第1の投入材料に添加される、又は当該第2のpH調整材料が、第2の緩衝剤を含み、かつ、当該第2の家庭用ケア組成物が、当該第2の家庭用ケア組成物の約1重量%~約25重量%の当該第2の緩衝剤を含むように十分な量で当該第2の投入材料に添加される、又はその両方である、段落A~Qのいずれか1つに記載のプロセス。
S.当該第1の液体ベース組成物及び/又は当該第2の液体ベース組成物が、好ましくは両方が、少なくとも約9、又は約9~約13、又は約10~約13、又は約11~約13、又は約11~約12のpHを特徴とする、段落A~Rのいずれか1つに記載のプロセス。
T.当該第1の家庭用ケア組成物が、第1のpHを特徴とし、当該第2の家庭用ケア組成物が、当該第1のpHとは異なる第2のpHを特徴とし、好ましくは、当該第2のpHが、当該第1のpHと少なくとも1pH単位異なる、段落A~Sのいずれか1つに記載のプロセス。
U.当該第1の家庭用ケア組成物が、約7.5以上、好ましくは約7.5~約10、より好ましくは約7.5~約8.5の第1のpHを特徴とする、又は当該第2の家庭用ケア組成物が、約6.5以下、好ましくは約2~約6.5、より好ましくは約2.5~約5である第2のpHを特徴とする、又はその両方である、段落A~Tのいずれか1つに記載のプロセス。
V.当該プロセスが、1つ以上の補助剤を、独立して、当該第1の投入材料、当該第2の投入材料、又は両方に添加する、少なくとも1つの追加工程を更に含む、段落A~Uのいずれか1つに記載のプロセス。
W.当該1つ以上の補助剤が、構造化剤、ビルダー、有機高分子化合物、酵素、酵素安定剤、漂白系、増白剤、色相剤、キレート剤、抑泡剤、コンディショニング剤、保湿剤、未希釈香料、香料封入体、充填剤若しくは担体、又はこれらの混合物を含む、段落A~Vのいずれか1つに記載のプロセス。
X.当該第1の投入材料及び/又は当該第2の投入材料が、第3の液体ベース組成物を更に含み、当該第3の液体ベース組成物が、当該第2の液体ベース組成物の約1重量%~約75重量%の界面活性剤系を含み、当該第3の液体ベース組成物が、約2%以下の予備アルカリ度を更に特徴とし、当該第3の液体ベース組成物が、当該第1及び第2の液体ベース組成物と組成的に異なる、段落A~Wのいずれか1つに記載のプロセス。
Y.当該第1及び第2の家庭用ケア組成物が、独立して、洗濯洗剤組成物、布地前処理組成物、布地柔軟剤組成物、食器ケア組成物、又はこれらの組み合わせから選択される、段落A~Xのいずれか1つに記載のプロセス。
Z.当該プロセスから製造される当該複数の液体家庭用ケア組成物が、当該プロセスで使用される液体ベース組成物ごとに少なくとも3つ、好ましくは少なくとも4つ、より好ましくは少なくとも5つの家庭用ケア組成物を含む、段落A~Yのいずれか1つに記載のプロセス。
【0106】
試験方法
予備アルカリ度(「RA」)
以下の方法を使用して、本開示による組成物、例えば、ベース組成物の予備アルカリ度(「RA」)を求める。
【0107】
まず、ベース組成物のサンプルを5g提供し、45gのDI水で希釈する。この希釈された組成物のpHを、「処方pH」値と称する。処方pHが3を超える場合、次に、希釈された組成物で3以下のpH値が測定されるまで、約0.01mLの量のHCl(0.1N)で溶液pHを調整する自動滴定装置に、この希釈された組成物を入れる。自動滴定結果を表にして、HClの各添加後に測定された、得られた溶液pHに対する、添加されたHClのミリリットル(したがってモル)の表を作成する。pHを3から処方pH値にシフトさせるために、希釈された組成物に必要とされるNaOHの%当量を求めるために、表形式の自動滴定データを以下の計算において使用する。
【0108】
【数1】
式中、
mL HClは、pH3を達成するために添加されたHClの容積であり、ミリリットル単位で表される。
N.HClは、添加されたHClの濃度であり、規定単位で表される。
サンプル重量(g)は、未希釈のベース組成物のサンプルの質量(グラム)である。
「40」は、NaOHのモル質量(g/mol)を表す。
【0109】
測定された処方pH値が3以下である場合、用語「%NaOHDown」の値はゼロであると指定する。
【0110】
測定された処方pH値が11未満である場合、「%NaOHUp」という用語の値を求めるために、第2の滴定工程が必要とされる。第2の5gのベース組成物のサンプルを45gのDI水で希釈し、次いで、自動滴定機に入れる。このとき、測定された溶液のpHが少なくとも11になるまで、0.01mLの量のNaOH(0.1N)で溶液を調整する。この第2の自動滴定シリーズからの結果を、以下の計算で使用する。%RA寄与率は、溶液を処方pH値からpH11まで動かすために溶液中に必要とされるNaOHの%当量を求めることによって求められる。(注記:ここでの%RA寄与率は、pHを11から処方pHまで下げるために、ベース溶液から「除去」される必要のあるNaOHを表すので、負の数である。)
【0111】
【数2】
式中、
mL NaOHは、pH11を達成するために添加されたNaOHの容積であり、ミリリットル単位である。
N.NaOHは、添加されたNaOHの濃度であり、規定単位で表される。
サンプル重量(g)は、未希釈のベース組成物のサンプルの質量(グラム)である
「40」は、NaOHのモル質量(g/mol)を表す。
【0112】
測定された処方pH値が11以上である場合、用語「%NaOHUp」の値はゼロであると指定する。
【0113】
上記2つの工程を組み合わせて、溶液をpH3からpH11まで動かすのに等しいNaOHの量を求める。
%RA=%NaOHDown-%NaOHUp
【0114】
組成物について報告されるRA値は、上記で提供された単純な減算式に従ってRA%の計算から得られる値である。最終RA値(%RA)は、百分率(%)として表される。
【0115】
pH
本明細書において特に明記しない限り、組成物のpHは、20±2℃における組成物の10%水溶液のpHとして定義される。pHを±0.01pH単位まで測定することができる任意の計測器が好適である。Orion meters(Thermo Scientific,Clintinpark-Keppekouter,Ninovesteenweg 198,9320 Erembodegem-Aalst,Belgium)又は均等物が、許容可能な計器である。pH計は、カロメル又は銀/塩化銀基準を有する適切なガラス電極を備えていなければならない。例としては、Mettler DB 115が挙げられる。電極は、メーカーが推奨する電解質溶液中で保管する必要がある。pHは、pH計メーカーの標準手順に従い測定される。更に、pHアセンブリを設定して較正するためのメーカーの指示に従う必要がある。
【0116】
粘度
粘度は、製造業者の指示に従って、Brookfield RVD VII+などの粘度計で測定される。粘度は、スピンドル#31を60rpmで回転させて、約20s-1の剪断速度を得る、カップ及びボブ形状の構成を使用して21℃で測定する。
【0117】
本開示の液体組成物(液体ベース組成物及び/又は液体家庭用ケア組成物を含む)は、独立して、21℃及び20s-1の剪断速度で、約100~約2000mPas、又は約200~約1000mPas、又は約300~約800mPasの粘度を特徴とし得る。組成物は、独立して、21℃及び20s-1で測定された、500cps超の粘度を有し得る。
【実施例
【0118】
以下に提供する実施例は、事実上例示を意図するものであり、限定を意図するものではない。
【0119】
実施例1.異なる緩衝剤を含む類似のベースを使用した、異なるpHでの家庭用洗浄組成物の生産
製品Aは、低pHの低界面活性剤組成物であり、60部のベース1を15部の緩衝剤1(及び25部の微量成分、溶媒、及び担体)と組み合わせることによって製造される。製品Bは、従来のpHの低界面活性剤組成物であり、60部のベース1を10部の緩衝剤2(及び30部の微量成分、溶媒、及び担体)と組み合わせることによって製造される。
【0120】
【表2】
【0121】
実施例2.異なる緩衝剤を含む異なるベースを使用した、異なるpHでの家庭用洗浄組成物の生産
製品Aは、AES界面活性剤リッチな低pH組成物であり、60部のベース1を15部の緩衝剤1(及び25部の微量成分、溶媒、及び担体)と組み合わせることによって製造される。製品Cは、従来のpHのLASリッチな組成物であり、50部のベース2を10部の緩衝剤2(及び40部の微量成分、溶媒、及び担体)と組み合わせることによって製造される。
【0122】
【表3】
【0123】
実施例3.複数の緩衝剤を含む複数のベースを使用した、異なるpHでの家庭用洗浄組成物の生産
製品D及びEは、同様の(従来の)pHで処方され、両方ともホウ酸緩衝剤を含み、製品Eは脂肪酸を更に含む。製品Dは、20部のベース1、30部のベース3、及び10部の緩衝剤2(及び40部の微量成分、溶媒、及び担体)を組み合わせることによって製造される。製品Eは、25部のベース1、25部のベース3、5部の緩衝剤2、及び15部の緩衝剤3(及び30部の微量成分、溶媒、及び担体)を組み合わせることによって製造される。
【0124】
【表4】
【0125】
実施例4.例示的な組み合わせ。
以下の表4は、本明細書に記載のプロセスで使用され得る、液体ベース組成物及びpH調整材料の例示的で非限定的な組み合わせを示す。以下の実施例は、必ずしも特定の処方又は量に関係するものではないが、表4は、本開示で想到される様々な組み合わせの一部を概念的に示す。表4において、「X」は、所与の組み合わせの一部として材料を添加したことを示す。
【0126】
【表5】
【0127】
上記の投入から得られる製品は、添加される追加の補助剤、使用されるpH調整材料、使用される追加の液体ベース組成物、並びにベース組成物がpH調整材料、補助剤、及び/又は互いと組み合わされる比率によって更に差異化することができる。
【0128】
本明細書にて開示された寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、このような寸法はそれぞれ、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図されている。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【0129】
相互参照される又は関連する全ての特許又は特許出願、及び本願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む、本願に引用される全ての文書は、除外又は限定することを明言しない限りにおいて、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いかなる文献の引用も、本明細書中で開示又は特許請求される任意の発明に対する先行技術であるとは見なされず、あるいはそれを単独で又は他の任意の参考文献(単数又は複数)と組み合わせたときに、そのような発明全てを教示、示唆又は開示するとは見なされない。更に、本文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することによって組み込まれた文書内の同じ用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0130】
本発明の特定の実施形態を例示及び説明してきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行うことができる点は当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲に網羅することが意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6